#46 走る!二宮金次郎 の巻
居残り勉強のうえ追加の宿題をもらい、不満を漏らしながら下校する、勉強嫌いのまこと。
背後の気配に振り向くと、二宮金次郎の石像がヒタヒタと歩いていた!
驚いたまことは宿題を放り投げて逃げ出した。
翌日、その所為で宿題ができなかったことを報告するが信じてもらえない。
この二宮金次郎は童守中が立て替え工事中の為1ヶ月前から童守小で預かっているものだ。
二宮金次郎は物凄い勉強家で、貧しいながらも働きながら勉強していた。
昔はどこの学校にもこの像があったものだが、最近ではあまり見なくなった。
いわば学問の神様だ。子供を襲うわけがない。
そう言って軽く像を叩くと、金次郎の腕が折れた。ぬ〜べ〜は慌てて修復する。
まことは勉強嫌いだから金次郎に襲われるんだとからかう克也と美樹。あんたらがそれを言うか。
克也の言葉に広も耳を傾ける。
今日も追いかけてきたらどうしよう。まことは不安がりながら家路につく。
ヒタ…ヒタ…ヒタ…ヒタ… 足音が近づいてくる。やっぱり狙われている。なんで?
物陰からまことを伺う人影。突如、まことの顔に地獄の算数の教科書が押し付けられた。
苦しい!!窒息する…!
どうにか振りほどいたまことの目に映ったのは、しかめっ面で睨み付ける金次郎の顔。
翌朝、必死の訴えにクラスメイトもようやくまことの話を信じ始めた。広も真剣に聞いている。
とにかくぬ〜べ〜に相談だ。しかし、除霊の願いはあっさり断られてしまった。。
あの像は守り神のようなもので子供を襲うわけがない。と、にべもない。だが現にまことは殺されかけた。
ぬ〜べ〜がどう説明したものか考えあぐねていると、まことはヘソを曲げて飛び出してしまった。
物陰から見守る広も複雑な表情だ。
一人で悩むまことの肩に手が置かれた。広だ。広は親身になってまことの話を聞く。
勉強嫌いの子が襲われるなら他人事じゃないからだ。
教師であるぬ〜べ〜が学問の神に逆らえないのなら、勉強嫌い同士結託して金次郎と戦おう!
ここに、後ろ向きの友情パワーが炸裂する。
まこと・広・郷子の3人は、昨日まことが襲われた現場までやってきた。
それにしても、昨日はよく逃げられたものだ。
打倒金次郎を叫ぶ二人をよそに、郷子は金次郎が犯人ではないのではないかと予感した。
また、足音が聞こえる。影から様子を見ると、確かに金次郎が走って追ってきている。
広が金的を喰らわすが相手は石像。蹴った足の方が痛い。なおも追ってくる金次郎。結構速い。
そう、相手は石像。川に突き落とせば沈む筈だ。足払いをかけて首尾よく川に突き落とした。
ズブズブを沈んでいく金次郎。そこへぬ〜べ〜が怒って駆けつけてきた。
ぬ〜べ〜は川に飛び込むと金次郎を助け出した。なんでそんな、子供を狙う悪霊を助けるのか。
いや、昨日まことを襲ったのは金次郎ではない。別の悪霊がいるのだ。
それは、おまえの う し ろ だ ー っ !!
ぬ〜べ〜が指差した先、まことの背後には、脳みそをむき出しにしたキツネ目の霊が立っている。
まことに地獄の算数を押し付け、その呼吸を封じる。
それは数年前に死んだ、隣町の教師の地縛霊。小さな男の子にイタズラしては殺していた変質者だ。
死んでからもこうして何人もの男の子の命を奪っていたのだ。
逃げろ、こいつに捕まったら命はない。そういいかけたぬ〜べ〜の腕で、金次郎が光を発する。
次の瞬間、金次郎は地縛霊に鉄拳を喰らわせ、自分の中に取り込むとバラバラに砕け散った。
身代わり地蔵─自らの体を犠牲にして人々を災いから守るつくも神。それが、この金次郎像だったのだ。
まことをつけまわしていたのも、地縛霊から守る為。だから、昨日襲われた時も逃げおおせたのだ。
まことは誤解していた事を砕けた金次郎に詫びる。
だが、嘆くことはない。金次郎は自分の使命を果たしただけなのだから。それより問題は…
どうやって校長にばれる前に像を元に戻すかだ。
ぶきっちょなぬ〜べ〜が手間取っている間に校長に見つかり
修理代はぬ〜べ〜の給料から引かれる事になりました。orz