ジョジョでこうなったらよかったと思うこと

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79マロン名無しさん
>>75
「第5部の登場人物は作者にとって愛着があるという感じよりはなにか、ぼくが仲間にしてもらったかのような錯覚を覚えます。
この第5部『黄金の風』では、どうしてもカットせざるを得ない部分があって―というより、どうしても描く事ができないエピソードがありました。
それは、ミスタ、ナランチャ、フーゴ、アバッキオの中の誰かが、実はボスのスパイで、ジョルノとブチャラティを「裏切る」という設定でした。
感覚のなかではたぶん、フーゴが「裏切り者」なんだろうなと思って描こうとしたら、これがどーしても描く事が出来ませんでした。
あの時の暗い気分がますます暗い話になっていきそうだし、実際「嫌ー」な気持ちがぼくの心の中に芽生えてきて、しかもブチャラティの気持ちを考えると、本当に気の毒で、気の毒で。
信頼していた仲間が裏切るなんて、ぼくの概念にはなくて、生理的に嫌な気分になりました。
「作者としての勇気が足りないぞー」と叱られればそれまでなのですが、本当、絶対描くのは嫌だ!と思ってしまったのです。
しかもケジメをつけるために、たぶんジョルノがフーゴを処刑に行くようなエピソードになったでしょうね。絶対に少年少女読者をヤバイ気分にさせると思い込んでしまったのです。
そういう理由で、ヴェネツィア大運河の船着場での、別れのシーンです。フーゴに消えてもらったのです。
最後に登場人物たちに作者からひとこと言わせてください。「本当にありがとう。君たちは、苦しくつらい時に吹いてくれる『黄金の風』なのだ」と。(文庫版第39巻)