【妄想】福本作品でラブコメっ…!【歓迎】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1マロン名無しさん
一切の妥協を許さない息をもつかせぬような恋の駆け引き……!
まさに命を賭けたラブでコメが見たいっ…!

 福本伸行作品(カイジ・アカギ・天・銀と金等)で
 ラブコメが見たいっ…!という人のためのパロディスレです。
 女体化妄想だってウェルカム…! 受け付けない人はご注意を。
 小説投下、妄想歓迎。なお女体ネタを披露する際は注意書きを入れること。

野暮は言いっこなし…萌えればいい…ただ…!


【前スレ:福本先生はラブコメを描くべき!】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1139238446/
2マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:05:09 ID:???
      __       フフ… 珍しいな2getしないなんて それなら…
.     /     `v─- 、      getさせてもらおうっ…!
.   /             <、 >1 ところで>1よ…なんか…糞スレ立てたんだって?
   l      ./レ'\  \    オレの>2は空けてあるんだろうな……
   |  _ ,ィノ─- 、`ニ>、「 >3 黙ってろ……いえばいうだけおまえの恥になる…
   |. { rl |  ===。 く      オレはバカだと宣伝してまわるのと一緒だ……
   | じ|.| u `二  _ \  >4 フフ…どうした?>4さん 止まっちゃって…
   |   ハl  r─‐' ‘ ‐、-'    油でも切れたかい……?
  ,.へ / ヽ l ` ̄ ̄「´  >5 >5は荷物じゃない2getに心が縛られているから
. ∧  \  \   「´      >5が荷物にしか見えねえ
/  \   \  >、__j   >6 俺は頭など使ってねえよ ただ手が走っただけだ…
     \   `く        集中さえ切れなきゃどこで2getするべきかは
.       \  ∧       機会が教えてくれる 頭なんて使わねえんだ
>7 クク… お前のホストはすでに規制されている このキリ番合戦はもらった
>8 茶でも飲んでろってか… いらねえよ……!そんなもん…!
    2getが出来なきゃ…無意味だっ……!
>9 これから試されるのは今お前が持っているようなキリ番getしようとする
   意志じゃない… そんなもの邪魔なだけだ
   ただ…普通にいつものレスをする そういうことが試される
>10 覚えておくんだ…厨房…… 串で連投すればキリ番get出来るだと…
    バカじゃねえのか……?
    そういうこざかしいことと無関係のところに…… >2は存在する───!
>11- おまえら……… 本当になんにもわかっちゃいねえな…
    オレたちが今取ったり取られたりしてるのは実はキリ番じゃねぇんだ
    プライドなんだよ…………
3マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:05:30 ID:???
漫画キャラ総合の方が良かったような…
4マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:08:26 ID:???
>>1乙っ‥!乙‥!!
ありがとう優しいおじさん!
5マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:24:27 ID:EvnC4pND
美心たんかわいいよ美心たん
6マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:26:09 ID:???
アカギと衣和緒のラブストーリーが見たい!
7マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:35:26 ID:???
しげみ!しげみ!!
8マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:36:51 ID:???
>>1乙っ…!
とりあえずひろ×しげみ萌えを叫んでみる
忘れ形見切な萌えっ……!!
9マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:38:07 ID:???
>6
自分も見たい。が、ストーリーと言っても・・・
会って数時間しか経っていない上に、ずっと麻雀打ってるだけだぞ、奴らは。
どこに妄想の隙を見つければいいんだ・・・!
10マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:43:18 ID:???
あんじ!あんじ!!
11マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:53:06 ID:???
衣和緒たんが安岡に牌を投げつけるシーンで妄想っ‥!


八つ当たりは良くないな‥鷲巣衣和緒‥
12マロン名無しさん:2006/05/05(金) 01:59:21 ID:???
衣和緒「イーピンどっこぉ〜ん…?」
恍惚の表情で牌を探る衣和緒に思わず前かがみの白服たちっ…!
13マロン名無しさん:2006/05/05(金) 02:10:29 ID:???
>>12鷲巣様‥鷲巣様!鷲巣様っ‥!(股間を押さえて)
14【注:女体】白服と衣和緒 1/4:2006/05/05(金) 02:20:31 ID:???
この流れなら衣和緒たんを投下できるっ…!
白服と鷲巣でベタなラブコメ……を目指してみた。
あんまり女体っぽくないかも知れんが……女体化だと思ってくれ。
--------------------------------

 ホラー映画の最後で心臓に杭を突き立てられた吸血鬼のような色気のない悲鳴、
 もとい、外連味のない悲鳴を耳にした瞬間、俺は自室を飛び出した。
 慌てて駆け抜ける廊下はひたぶるに長く、屋敷は広大だ。

 しかし、この不肖岡本、
 鷲巣様のお声であれば、それがどんなに遠くとも、
 針の床に落ちる音ほどの大きさであっても聞き逃しはしない自信がある!

「どうなさいました、鷲巣様! お怪我はございませんか!!」

 立ちふさがるドアを押し開けるのももどかしく、俺は室内に踏み入った。
 最後のノブに手をかけて扉を開く。
15【注:女体】白服と衣和緒 2/4:2006/05/05(金) 02:21:29 ID:???
「馬鹿者っ!!」

 次の瞬間、俺は頭から湯と怒声をかぶった。

「い…いきなり開ける奴があるかっ……! 何を考えとるんだ、貴様っ…!」

 浴室、である。

 なるほど、唐突に中を覗くのはマナーに反する。
 鷲巣様のご指摘はまったくその通りであり、反論の余地もない。
 が、叱責を恐れているようでは鷲巣様の側近は務まらないのだ。
 俺はずれ落ちたサングラスのフレームを押し上げ、風呂場の入り口に正対した。

「も、申し訳ありません、鷲巣様……しかし……、
 ただならぬお声が聞こえましたので、すわ一大事と――」

「天井からムカデが落ちてきて少し驚いただけだ……! 何も問題はない!」
16【注:女体】白服と衣和緒 3/4:2006/05/05(金) 02:22:21 ID:???
「はぁ……ですが……」

 たかが虫ケラ。されど虫ケラだ。
 鷲巣様の柔肌に傷一つでもつくようなことがあれば、俺にとっては一大事である。
 共に鷲巣様をお守りする同僚たちにも面目が立たない。
 俺は主君の身の安全を確認するという、崇高かつ重大な使命を背負って風呂場を覗き込んだ。
 
「だから入るなと言っとろうが吉岡っっ!」

「ぶ……ごっ……!」

 頭を吹き飛ばすような勢いで石鹸と石鹸箱が飛んできた。
 相変わらず素晴らしい腕の振りをしておられる。
 これだけお元気なところを見ると俺の心配は杞憂だったようだ。安心した。
 が、それはそれとして、そろそろ止めていただかないと俺の身が危ない。

「わ、鷲巣様、ご自重ください。私は見てません、何も見ておりませんから……」

「――っっ!! きっ…貴様ぁぁぁ!!! 何を見た! 何をっ…!!!」

「え!? いやっ……その……!」
17【注:女体】白服と衣和緒 4/4:2006/05/05(金) 02:23:19 ID:???
 言葉の選択を誤ったらしいことに気付いたが、もう遅かった。

「も、申し訳ありません……! 申しわけ――」

 一度火の点いたこの御方は止まらない。
 とどめとばかり俺の脳天に大物(シャンプーのボトル)がめり込んだ。
 ……ああ、世界が反転する……。

「ふんっ…! あとで片付けとけ……!」

「は…い……」

 浴室のドアが乱暴に閉められる音を聞きながら、俺は力無く返事をした。
 濡れた床のせいで背中が冷たい。
 ……確かにこの仕打ちは俺の自業自得だ。
 しかし、鷲巣様には一つだけ信じていただきたい。
 サングラスが湯気で曇って、肝心なトコロは本当に見えなかったことをっ……!

 白服とはかように報われぬ職業である。
 しかし俺たちはこの仕事を愛しているのだ。心の底から。
18マロン名無しさん:2006/05/05(金) 02:32:53 ID:???
おおおおっ…新スレ早々グッジョブ…!!
ムカデに驚く衣和緒たんテラモエス
そして岡本か吉岡かはっきりしないとこまで忠実でワラタw
19マロン名無しさん:2006/05/05(金) 02:33:59 ID:???
萌えたっ‥!衣和緒可愛いよ衣和緒!!
20マロン名無しさん:2006/05/05(金) 02:56:22 ID:SA+Aamlr
最強伝説黒沢で妄想お願いします。
21マロン名無しさん:2006/05/05(金) 03:11:44 ID:???
黒沢五巻の最後はラブ米じゃないのか?
22マロン名無しさん:2006/05/05(金) 04:01:34 ID:???
>>14-17
テラモエスwwww
GJ!!
23マロン名無しさん:2006/05/05(金) 04:31:47 ID:???
前スレの流れに偽しげみ=ゆきみちゃん萌えが止まらんっ……
利用されてるのを分かっていながら安岡の為にアカギを演じる
名前とは裏腹に薄幸な少女っ…!
24マロン名無しさん:2006/05/05(金) 07:44:40 ID:???
遅ればせながら>>1、深々と乙です。

>>14-17
>共に鷲巣様をお守りする同僚たちにも面目が立たない。
ここがいいなぁ。ファンクラブ会員同士の横の繋がり、男の友情。
密かに隠し撮り写真を売買してる白服たち。でも風呂とか着替えとか
には手を出さない、それが彼らの絶対のルール。
……アニメ「ゲンジ通信あげだま」の麗様と執事たちを思い出した。
25マロン名無しさん:2006/05/05(金) 09:14:31 ID:???
衣和緒「クゥクゥクゥ…重いっ…!体勢を保てない程だ…!重いっ…!」
アカギ「おっぱいが?」
衣和緒「ちっ…違うっ!!(赤面)」
26マロン名無しさん:2006/05/05(金) 10:28:01 ID:???
おっぱいワロスww
27マロン名無しさん:2006/05/05(金) 11:00:48 ID:???
アカギ「鼻が鈍ったな…鷲巣衣和緒…
……それはおまえが…怯えているからだ」
衣和緒「わしが怯えているだとぉwww」
アカギ「…粗野…鈍感…たぶん通常のおまえならありえない…」
アカギ「…愛」
衣和緒「はわ?(今何か言われたような…?…ドキドキ)」
アカギ「クク…意外に臆病だな…鷲巣衣和緒」
28マロン名無しさん:2006/05/05(金) 11:06:06 ID:???
純情可憐な生娘衣和緒にモエス

しかも巨乳っ‥!
29マロン名無しさん:2006/05/05(金) 11:18:39 ID:???
>>9
対局中にアカギが始終口説いてればいいんだと思う。

「まあそうカリカリするな・・・可愛い顔にしわを寄らすもんじゃない・・・。
 ・・・怒った顔も・・・可愛いんだがな・・・クク・・・」
「!! ・・・そっ、そんなこと言われてもっ・・・嬉しくなどないわっ・・・!」
30マロン名無しさん:2006/05/05(金) 13:04:49 ID:???
>>23
ゆきみに電流走る‥!

有り得ないアカギ×ゆきみに萌えているっ‥!
31マロン名無しさん:2006/05/05(金) 13:14:04 ID:???
前スレ埋まったね。
アカギ×ゆきみってどんなだww

アカギ「ふーん…あれが俺の偽物…?女の娘じゃん…」
石川「ああ…安岡の言うことには6年の間に性転換したんだとか…」
アカギ「ちょwww信じるなよwwwww」
32マロン名無しさん:2006/05/05(金) 13:25:10 ID:???
>>31
きれいに埋まって良かったっ‥!

何か萌えたよ、それ(*´Д`)
33マロン名無しさん:2006/05/05(金) 14:45:12 ID:???
前スレの「ゆきみちゃん日記」
テラセツナスて゛GJ!
今なら読める!
34【注:女体】黒沢と仲根(1):2006/05/05(金) 14:55:44 ID:???
「何しにきたんだよ…?おまえ…」
「兄さんっ…?」
ん?声がなぜか高く…女みたいに…?
「私は知っている…私は分かっている……!」
ん…この声は女そのものじゃねえか!?仲根…お前まさか…
「男の中の男よ…兄さんは…!」
目の前にいる奴はどうみても中学生に見えやしない蛇男のはず…
なのにその声はどうみても女の子…!?
「弟よ…」
「兄さん…!」
奴はなれなれしくおれの肩に手をかけ抱きつきやがった…なんなんだ!?
「帰ってください…帰れ帰れ中学に…」
おれは奴の背を押したはずだったが、やつが上背がある分、腰に手が回ってしまった。
手に感じるのはこのくびれは…女!?どういうことなんだ!?
「兄さん…まあまあちょっと話だけでも…」
「聞きたかねー!帰るんだ学舎へ…!」
「兄さん…」
奴はどうみても蛇男のはず…なのになんだこの甘え声は…どうも妙だ…
「兄さん…!」
さらに奴はオレに抱きついてきやがった。
低くてハスキーだが、甘い女の声…その声で兄さん言われると…おれとしては弱い。
そしてかすかに甘い香がただよう…んんん…なんなんだ…
35【注:女体】黒沢と仲根(2):2006/05/05(金) 14:56:29 ID:???
「なんだよもう…用があるならさっさと言え…!」
結局オレは奴の話を聞く羽目になってしまった。
「ん…実はちょっと…私一人じゃ手に余ることがあって…加勢してくれないかしら?」
「火星にきてくれないかっ」
「加勢っ!」
真顔の奴の顔をまじまじと見てみる。蛇といえばそうだが、大きな切れ長の瞳に厚めの唇がなかなか
なまめかしい美形だ。
「分かりにくい言い方するなよ…」
「この上なくストレート…ストレートなんだから…」
このしゃべり…的を得るか?
「そんな相談お前の仲間にしろ…」
「あんな奴らくその役にも立たない…その点兄さんは違うわ…勝敗を度外視して戦うことの出来る男…
 あたしなんて所詮そのフリよっ…!危ない奴…そういう男を装わないとなめられるから…そうしただけ…」
きゅっと唇をかみ締める。かみ締められた唇がなかなか…色っぽい。というかあたし!?
「バカヤロ〜」
なんともいえない違和感に混乱してきたぞ。
「いないのよ…兄さんほど戦える男は…二人で組めば…」
「やらねぇよ…」
奴の目が潤んできた。潤んだ目をごまかすようにオレに背を向けてつぶやく。
「一人か…結局…」
なんか…なんか…奴をほっとけないというか…なんなんだ…この胸騒ぎは!?
その時、白のBMWが現場に滑り込んできた。
36【注:女体】黒沢と仲根(3):2006/05/05(金) 14:57:27 ID:???
「秀美…話は済んだ…?」
中から二人の女子大生。おおっ…と一瞬ハートマークがオレの脳裏に舞い飛ぶが、それよりも
”ひでみ”と言う名が引っかかった。
「秀美って…お前女だったのか!?」
「そうよ…仲根秀美…それがあたしの名よ…学校じゃあ男装しているだけだったから…女の格好じゃあ
なめられるし…」
「そうよ…秀美は並の男よりかっこいいじゃん」
きゃいきゃいと騒ぐ女子大生…
「私たちが飲みに行ったら秀美たちがいて…それで誘っちゃった!」
マニアック!なんつうマニアックな女もいたもんだ…世の中分からん。
「美樹美沙、いつものところに飲みに行こう!もちろん兄さんもいくよね?」
仲根秀美嬢がオレの手をとって…黒沢陥落!
37【注:女体】黒沢と仲根(4):2006/05/05(金) 14:58:18 ID:???
飲みに行った先…麻布かよ!しかも会員制クラブなんて奴は何考えているんだ!?
作業員姿のオレを黒服が引きとめた。しかし秀美は優雅なしぐさで黒服を制止し、微笑む。
顔パスなのか…奴は何者!?
「さあ、兄さん…着替えて…」
にこっと微笑むと美樹美沙とともに女子用更衣室へ消えてしまった…
奴が女とわかっていても…やはり違和感あるな…
だが、その違和感は奴が水着に着替えたとたん消えてしまった。
スタイルいいじゃん…引き締まったウェストにボイン…ボイン…な巨乳を真紅のハイレグビキニ
が包み込む。そのまま奴はオレの腕にしがみついてきた。
「兄さん…どう…!?」
その顔はラテン系な彫りの深さだが、厚めの唇がきゅっと動くたびに崩れた感じで色っぽくてたまらない。
そう…昔見た…マリリン・モンローのような……マリリンをきつくしたらこんな感じなんだろう。
その上…胸が…あまりにもでかすぎる胸が…オレの胸板に押し付けられて…あああ…PARADISO…!
なんなんだ…このときめきは…オレに電流走る…
おさえきれずにオレはプールへ飛び込んだ。
仲根秀美…いい体しているじゃん…顔もかっこいい系で…だけど妹みたいにオレに懐いてきて…
かわいいといえば…かわいいけど…オレにも青春が…いやぎりぎり28ならともかく…能無しの44…
プールの中に沈みこむオレ…深海魚のごときオレにいきなり美樹ちゃん美沙ちゃんの平泳ぎが目に
飛び込んだ。気がつけば美樹ちゃん美沙ちゃんばかりでなく世界各国の美女の祭典…PARADISO…!
オレはためらうことなく突撃した…
38【注:女体】黒沢と仲根(5):2006/05/05(金) 14:59:10 ID:???
……黒沢無謀のエロスイム…
あれから騒ぎを引き起こしたオレを助けてくれたのは奴だった…だけど美樹美沙との会食はもう
冷えた空気が漂ってきて…自業自得とは言え…
「キモイキモイキモイ、このオランウータン…」
うぅ…ごめんよマイケル…マイケル…
「兄さんは本物よ!わからないの!あなたたちには!」
美樹美沙を一喝する仲根…いいんだぜ…そうまでしてかばわなくても…
「どこが!?」
仲根の顔が険しくなった。やはりオレのために怒ってくれるのか…
さっさと席を立ち、会計へと向う。378000円なり。ハワイにいったほうが安いんじゃねえか?
しかし奴はためらうことなくさらりと払い、そのまま出て行く。
四人とも険悪だ。オレは耐えられなくなって一人後にした。後ろからは美樹美沙の歓声が…いたたま
れないぜ…
 ふいに背から声がした。
「兄さん…うるさいのはほっといて二人で飲みなおしましょうよ」
「あの二人は?」
「いつでも引き出せる預金みたいなもの。兄さんの方が大事よ」
そのまま寿司屋に奴は入ろうとしたが、俺は引き止めた。
「いつまでもおごられてたまるか…」

二人だけの飲み会。もうジャージ姿に戻ったが、甘い香がほのかにただよう。
「なんで…おれなんかに…」
奴はふっと目を遠くにやってから答えた。
「尊敬しているから…」
「な、何をいうかっ…わけもわからず…」
言いながら顔が紅潮していくのがわかった。
「偉大だって思っているから…」
そんなこというなよ…どうしてこんなことを…でもうれしい。
もうオレは奴の顔をまともに見ることさえ出来ない。体中熱くなって…
こんな出会いってあるのだろうか?まさに僥倖…
うつむいたままのオレの顔を奴が覗き込む。もう見るなよ…恥ずかしいから…
このまま夜が更けていく…
39マロン名無しさん:2006/05/05(金) 17:32:21 ID:???
女体化注意 合コン話

杏慈「井川っ・・・!合コンよ合コン・・・!しかも高収入のイケメン男と・・・!」
ひろ(女)「こ、高収入・・・!?それはさすがにちょっと興味がわくなぁ・・・
      でもなんで急に・・・」
杏慈「もともと一条(女)たちが行く予定だったけど・・・急に出れなくなったって・・・
   譲ってもらった・・・!その3つの席・・・!」
しげみ「ククク・・・杏慈、私の席は空けてあるんでしょうね・・・?」
ひろ「しげみさんっ・・・!」
杏慈「もちろんよ・・・!集まれ・・・!今日の夜、白本屋に・・・!」

白本屋内
浦部「おーっ・・・!別嬪さんばっかやないか・・・!」
地上げ屋「グフッグフッ・・・今日は楽しくやりましょうや」
班長「ククク・・・特に真ん中の髪の長い子・・・タイプだなぁ・・・」
杏慈「うううっ・・・!ひどいっ・・・!ひどすぎるっ・・・!」
しげみ「ククク・・・杏慈、あんた嵌められたわね・・・」
ひろ「ふざけるなっ・・・!無効だっ・・・!この合コン・・・!」
浦部「今更何言うてんのや・・・わいら高収入・・・金持ち・・・富豪やで・・・!」
ひろ「・・・そうだとしても・・・い、イケメンじゃないでしょっ・・・!」
地上「何を・・・わしら言われとるで・・・!中年の少年隊と・・・!」
杏慈「わけわからないっ・・・!」
しげみ「じゃ・・・私、帰るから・・・」
班長「ダメダメ・・・!へたっぴだなぁ・・・感情の表し方がへた・・・!
   こんな美男ばかりで居たたまれないのは分かるが・・・照れる必要ないぞ・・・!」
しげみ「・・・ひろ、こいつ殴り倒してこい」
ひろ「え〜っ・・・!」
浦部「まぁまぁ・・・!わいらの驕りなんやし・・・パーっと飲もうや・・!パーっと・・!」
しぶしぶ飲む女3人
地上「大槻はん、そろそろ・・・」
班長「おおっ・・・!やるか・・・!今日の一大イベンツっ・・・!」
杏慈「な、なに・・・?何をするつもり・・・?」
40マロン名無しさん:2006/05/05(金) 17:34:10 ID:???
浦部「合コンといえばこれやろ・・・!王様ゲーム・・・!」
ひろ「うっ・・・!選択の余地なし・・・命令に絶対服従という・・・あの・・・!」
しげみ「ククク・・・面白いじゃない・・・」
地上「グフッ、この日のために用意しとったんだ・・・!
   割り箸に1から5の番号と、王の文字が書いてある・・・!さあ引いとくれ・・・!」
杏慈「・・・引く順番は・・・?」
地上「そりゃー・・・分かりやすく・・・わしから時計回りでええでっしゃろ
   クジに順番は関係あらへんしな」
時計回り、地上げ屋の隣は班長・・・!
班長「ん〜っ・・・!んん〜っ・・・!予感がするっ・・・!王様の・・・!」
浦部「何言うてんのや・・・!あんさんのやわな手じゃまず掴みきらん・・・!」
班長「それっ・・・!」
杏慈「ぐっ・・・!」
班長が引いたのは王・・・!初っ端から王・・・!
班長「ハハハッ・・・!本当に恐ろしいな・・・!わしの念力は・・・!」
ひろ「(バ、バカな・・・!出来すぎている・・・!いきなり王なんてあってたまるか・・!)」
杏慈「(わかりやすっ・・・!なんてあからさま・・・奴ら確実になにかやった・・・!)」
しげみ「ククク・・・」
この仕掛けはいたって単純・・・男3人はグル・・・
地上げ屋はあらかじめ王の割り箸を確認しておき・・・
手に持つ際、ほんの少し、他より王を飛び出させておく・・・!それを班長が引くという段取り・・・!
浦部「あっちゃ〜っ・・・!なんや、もう残りはハズレばっかやないか〜」
地上「グフッ、ほら、お嬢ちゃん方も残りひいとくれ・・・」
全員引き終え、来る・・・!王様が番号を指定する時・・・!
班長「ん〜っ・・・何番がいいかな〜・・・何だっけ、今日のラッキーナンバーは・・・」
浦部「しょーもないこと考えんで・・・早く決めちまえっ・・・!」
地上「さんざん考えたあげくにわしら男二人が選ばれちゃたまらんわ・・・グフッ」
しげみ「ククク・・・なるほど、なるほど・・・」
41マロン名無しさん:2006/05/05(金) 17:37:01 ID:???
杏慈「な、何・・・!?」
ひろ「・・・通し、ですね・・・」
そう・・・浦部たちのセリフ、最初の文字で自分の数字を教えていた・・・!
「し」ょーもないが4・・・「さん」ざんが3・・・!
必然的に残った数字・・・1,2,5は杏慈たち・・・!
杏慈「ど、どうすんのよっ・・・!このままじゃ何されるかっ・・・!」
しげみ「さあね〜・・・」
ひろ「しげみさんっ・・・!」
班長「決めたっ・・・!5番が3番にチューっ・・・!」
ひろ「ええ〜っ・・・!」
地上「グフグフッ、5番はお譲ちゃんか・・・グフフッ」
しげみ「ククク・・・誰が5番だって・・・?」
ひろ「え・・・?ああ・・・!」
ひろが引いた割り箸がいつの間にか6番になっていた・・・!
杏慈「あ・・・!私のは7番に・・・!」
しげみ「ククク・・・私は8番・・・5番なんていない・・・」
班長「バッカもーん・・・!通るかっ・・・!こんなもん・・・!
   お前・・・明らかにすり替えたろ・・・!」
地上「そやそやっ・・・!わしは言ったはずだっ・・・!1から5の番号を書いたと・・・!
   なのになんや・・・!こんなの認められまへん・・・!」
しげみ「ククク・・・確かに言った・・・しかし確認はしてないわ・・・
    そっちが間違えたんじゃないの・・・?もう齢だしね・・・ククク・・・」
浦部「なっ・・・!あんまり大人を舐めんなやっ・・・!」
杏慈「何を言う・・・!舐めてるのはそっちじゃない・・・!
   そっちは通しやらなんやら・・・不正をしていたくせにっ・・・!
   いざ自分たちがやられたら認めない・・・?通るかよっ・・・!そんな自分勝手・・・!
   卑劣っ・・・!実に醜悪な男どもね・・・!」
浦部「ぐっ・・・!」
ひろ「おっさん、勝ち目が見えたと思ったでしょ・・・だからあんたモテないのよ・・・!」
地上「うううっ・・・!」
しげみ「ククク・・・もう帰らせてもらうわ・・・行くわよ、杏慈、ひろ」
42マロン名無しさん:2006/05/05(金) 17:39:36 ID:???
班長「待てっ・・・!あんまりだっ・・・!せっかく今日を楽しみにしてきたのに・・・!
   そりゃ・・・ちょっとインチキをしてしまった・・・!でもそれは皆と仲良くなりたくてついっ・・・!」
杏慈「こいつっ・・・!まだ言うかっ・・・!」
しげみ「フフ・・・いいわ・・・もう一回してあげる・・・」
ひろ「ちょっ・・・!しげみさん何を・・・!」
地上「ほ、ほんまでっか・・・!?」
しげみ「でもただじゃダメ・・・賭けをしましょ・・・
     私が王様を引いたら、あんたらが今持ってる金、全部もらう・・・
     そしてすぐに私たちの前から去ってもらう・・・
     逆に引けなかったら・・・私たちを好きにするがいいわ・・・」
杏慈「しげみっ・・・!何無茶言って・・・!」
班長「ハハハハ・・・!面白い・・・!皆、受けて立つよな・・・?」
地上「だ、大丈夫なんでっか・・・?」
浦部「お嬢ちゃん、その今持ってる金ってのは・・・この時点の・・・
   つまり今、財布に入ってる金ってことか・・・?
   まさか預金も含めた全財産ってわけじゃおまへんな・・・・?」
しげみ「心配いらない・・・財布に入ってる金よ・・・どう?あんたらに有利な勝負でしょ」
浦部「わかった、やってやる・・・!」
王様ゲーム、アゲイン・・・!
杏慈「しげみ〜っ・・・!」
ひろ「しげみさん・・・!」
班長「なんだなんだ、じーっと割り箸見つめて・・・透けて見えるとでも言うのかね・・・?」
しげみ「ククク・・・そうよ、そのくらいの感覚がなきゃやっていけないわ・・・」
そして引くっ・・・!王様・・・!
しげみ「ククク・・・さぁ、帰んなっ・・・!」
地上「バ・・・バカなっ・・・!なんでやっ・・・!」
班長「くぅ〜〜〜〜っ・・・!」
浦部「ぐっ・・・!なぜ・・・どうしてこんなことがっ・・・!」
43マロン名無しさん:2006/05/05(金) 17:40:11 ID:???
帰り道
杏慈「しげみ〜っ・・・!」
ひろ「しげみさんっ・・・!」
しげみ「ちょっと、抱きつかないでよ・・・!」
ひろ「でもどうやったんですか・・・?しげみさんのことだから何か策が・・・」
しげみ「ないわよ、そんなもん・・・」
杏慈「はあ・・・!?じゃ、運にまかせたってこと・・・!?」
しげみ「ククク・・・そういうこと・・・」
ひろ「じゃ、じゃあもし引けなかったらどうしたんですか・・・!」
しげみ「その時はその時・・・ただ従うだけ・・・」
杏慈「あ、あぶなっかしいな・・・!そんなんじゃ早死にするわよっ・・・!」
しげみ「フフフ・・・構わないわよ・・・」

のちに神域の女と呼ばれる赤木しげみ・・・今日がはじめての合コンであった・・・

終わり
44マロン名無しさん:2006/05/05(金) 18:26:33 ID:???
コメディーキタッ…!
しげみ強いなw
45マロン名無しさん:2006/05/05(金) 18:41:28 ID:???
まさか仲根に萌える日が来るとはっ‥!秀美カワイス(*´Д`)

うお、しげみ強ぇ!
46マロン名無しさん:2006/05/05(金) 18:50:16 ID:???
>>25
ttp://www.uploda.org/uporg381727.jpg.html
なるほど、確かに重そうだ。
47マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:18:00 ID:???
おっぱい!おっぱ(ry)

巨乳も良いが微乳も萌えるっ‥!
48マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:24:57 ID:???
なんとなく自分の中の衣和緒たんは童顔・微乳のイメージ・・・
49マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:27:36 ID:???
>>34-38
黒沢の原作が読みたくなった!
秀美萌えwwww

>>39-43
しげみ強し!「死ぬときはただ死ねばいい…」
肝の据わりはまさにアカギ!
GJだwww
50マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:27:37 ID:???
「来いよ衣和緒……貧しき乳…………」
51マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:28:18 ID:???
童顔、微乳、ツンデレの三拍子かw
52マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:31:21 ID:???
ここで巨乳派の俺が通りますよ。
しげみVS衣和緒だったら胸の大きさで競ってもいいじゃない。
53マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:36:47 ID:???
お互いに乳で牌を倒しちゃったりっ‥!
54マロン名無しさん:2006/05/05(金) 19:59:48 ID:???
>>33
読んできた。ゆきみちゃんセツナス‥
55薄幸少女ゆきみ:2006/05/05(金) 21:39:22 ID:???
前スレ終わりの流れで安岡とゆきみたんSS。女体化注意っ…
*
上家、下家、対面……卓を囲む三人の男の視線は、私の身体のある一点に向けられている。
私が牌をツモる度、その好色な視線がそれを追う。
あからさまに覗きこもうとするものまでいる。

…大きく開けられた、私の柄シャツの胸元を。
正直言って不快だ。しかし恥ずかしいなどとは言っていられない――これは仕事なのだから……。

(馬鹿な男どもっ…!見てろ…その助平な顔を凍り付かせてやるっ………!)
「ツモっ…!三暗トイトイタンヤオドラ3っ…!」
私のその和了に、今までそこにあった浮かれた空気がざわりと震えた。
これで私が逆転トップ……!

男どもの動揺ぶりに思わずにやりとする。
私の後ろの安岡さんも、不敵に笑っているだろう。
色香で敵の油断を誘う作戦――発想は陳腐だが、ここまで効果的だとは思わなかった。
(さすがだな……安岡さん……)
「もっと胸元を開けた方がいいな…」と言われた時は驚いたけれど、
狙いが分かった今となってはただ尊敬の念しかない。
――いや、ほんの少しだけ…別の感情もあるかもしれないけど。

自分の心の声にひとり頬を染めるゆきみの後ろで安岡は考える。

(――次はバニーちゃんでいってみるか……)

要するに、単なる趣味であった。

世の中には知らないほうが幸せなこともある…というお話。
56マロン名無しさん:2006/05/05(金) 23:34:36 ID:???
なんて素直・・・というか騙されやすいんだ、ゆきみw
バニーなら(動揺を誘って)浦部に勝てるかも知れん

遅ればせながら>39にもワロタ
しげみは合コンにすら命のやり取りを持ち出しそうだな
ラブには決して移行しそうにない
そしてあっさり騙され過ぎな杏慈、萌えっ…!
57マロン名無しさん:2006/05/05(金) 23:57:22 ID:???
>>55
>要するに、単なる趣味であった。

wwww
58マロン名無しさん:2006/05/06(土) 01:17:37 ID:???
>>55
萌え上がった!ゆきみモエス!
59マロン名無しさん:2006/05/06(土) 08:13:49 ID:???
銀金の良平女体化を想像してみたんだが
「恋の病のよう…」とかガチな台詞があるせいか
森田の穴埋め的印象があるせいかあまり楽しくないなw

銀さん「森田鉄緒が消えてからやる気を失っていた…」
良子(仮)「森田鉄緒…?」
(誰…それ…まさか銀さんの………)
胸がチクリと痛む。ああ、そうか……最初から、この人の隣は埋まっていたんだ―――…

だめだ…当て馬妄想しか広がらないっ……orz
60マロン名無しさん:2006/05/06(土) 08:39:05 ID:???
当て馬
テラセツナス
61マロン名無しさん:2006/05/06(土) 10:03:24 ID:???
しげる「ククク…ピンクだ。」
しげみ「なっ…!そっちがその気なら、私も容赦しない…」
る「恋…殺ってやる…っ!」
み「…」
る「何をずっとズボンを見ている…透けてくるとでもいうのか…?」
み「ええ…それくらいの感覚がなきゃ、今までとても生き残れなかった…」
み「来た…ぬるりと…白のブリーフ、サイズは中の上…っ!」
る(なんだとっ…!?スカートとは訳が違う…、
   コイツは俺のズボンの中を…更にその中まで…っ!こいつ…神域かっ…!?)
み「アンタか私か…どちらかが仮、偽りの無頼…」
ぐにゃあ〜

つい出来心でやった。今は反省している。しげるテラハズカシス
62マロン名無しさん:2006/05/06(土) 10:31:57 ID:???
どんな勝負だよwww
63マロン名無しさん:2006/05/06(土) 11:07:40 ID:???
>61
前スレの「厨房しげる×しげみ」とは
また違った味わい深さ…テラワロス
64マロン名無しさん:2006/05/06(土) 11:33:55 ID:???
しげるブリーフ派かw
65マロン名無しさん:2006/05/06(土) 11:36:27 ID:???
トランクスにしてもらいたい
…自分のキボン
66マロン名無しさん:2006/05/06(土) 11:49:04 ID:???
でもなんか昭和って感じがしていいと思う>ブリーフ
67マロン名無しさん:2006/05/06(土) 12:08:06 ID:???
時代背景から鑑みるに「猿股」が妥当じゃないだろうか
っていうかピンクっ…意外にも女の娘っぽいっ…!(*´д`)
68マロン名無しさん:2006/05/06(土) 12:18:57 ID:???
しげるはノーパンで良いとw
69マロン名無しさん:2006/05/06(土) 13:22:47 ID:???
>来た…ぬるりと……
てことはしげるパイパ(ry)
70平成アカギ家族:2006/05/06(土) 13:27:35 ID:???
父茂(53) 「…今日も元気だ、ご飯がうまい!!ぷっ…ククク…」
長男しげる(19) 「…」
長女しげみ(18) 「…」
次男シゲル(13) 「…」
長男しげる(19) 「………しげみ…ご飯、おかわり」
長女しげみ(18) 「…ご自分でどうぞ」
次男シゲル(13) 「…クク…」
父茂(53) 「なんだなんだ…三人してその冷たい目は。
…そして冷めた態度。…なあ、笑うっていうのは
金もかからねぇ、一番いい健康法なんだぞ。…
…若いの三人がよ。雁首揃えて黙まーって朝飯食ってるなんざー、
辛気くさくていけねぇなそりゃ。…
…ちっとは心の底から、どでかく笑いでもして…」
長男しげる(19) 「親父…悪いけど、気分じゃないんで。……ごっそさん」
長女しげみ(18) 「…兄貴……使い終わった食器…流し台に持って行ってよね…」
次男シゲル(13) 「…ククク…あいかわらずだな、しげるにいちゃん…」
長女しげみ(18) 「…兄貴…あいつ………いっつも言ってんのに、…
…なんで食器片づけていかないのよ…なんだか
        ヤキ入れたい気分よ…」
父茂(53) 「おいおいしげみ、…ヤングで、シャンな、おまえが、…
…そんな汚ねぇ言葉使うもんじゃねぇ!」
次男シゲル(13) 「…ぷっ!なにその言葉!…昭和の臭いがプンプン…
…意味わかんない!…ククク」
父茂(53) 「クク…シゲル、調子出てきたじゃねぇか。…
…ヤングってのは、若いってぇ、意味だな。
シャンってのは、美人だって意味さ。
…このやろーしげみ、…隅に置けねぇなあ。…
…最近ますます死んだ母さんそっくりに…」
長女しげみ(18) 「…ごちそうさま……。…シゲル、使い終わった食器…
流し台に持って行ってよね。…とうさんもよ…」
次男シゲル(13) 「…ククク、とうさん、きれいにスルーされちゃったね」
父茂(53) 「…あらら」
71平成アカギ家族:2006/05/06(土) 13:30:16 ID:???
前スレに萌えて投下。
改行失敗でスマソ。
72マロン名無しさん:2006/05/06(土) 13:38:58 ID:???
>>70
うおぉぉぉっオモシロスっ!!萌えっ…!!(*´Д`)
73マロン名無しさん:2006/05/06(土) 13:41:21 ID:???
>>70
ちょ‥!これ後から笑い込み上げる!
74マロン名無しさん:2006/05/06(土) 13:41:34 ID:???
愉快な赤木さん一家w GJ!
75マロン名無しさん:2006/05/06(土) 13:46:33 ID:???
>>70
GJ!おもしれー!
ストレス性胃炎になりそうな赤木父さんだな。
長男と長女にはもうきっと彼女彼氏がいるんだろうなとか妄想してみるw

76マロン名無しさん:2006/05/06(土) 13:54:18 ID:???
面白いし萌えるっ……!
でもどこか切ないのは何故だろう(つд;)グスン
77マロン名無しさん:2006/05/06(土) 14:03:27 ID:???
世間のオヤジ連中はみんな経験していると思われ
78マロン名無しさん:2006/05/06(土) 17:49:39 ID:???
>70
おもしろいな
親が黒沢とか読んでみたいw
79マロン名無しさん:2006/05/06(土) 18:36:37 ID:???
>>75
彼氏彼女か…赤木父さん寂しがりそうだなw
80マロン名無しさん:2006/05/06(土) 19:23:22 ID:???
つお父さんは心配性
81マロン名無しさん:2006/05/06(土) 21:43:41 ID:???
天やひろゆきとは家族ぐるみの付き合い。
しげる「ククク…お前結構井川のこと気に入ってるだろ…?」
しげみ「……」
次男「へぇ…あんな奴が好みなの?」
しげみ「フフ…そういうあんたこそ美心って娘に付き纏われて困ってるらしいじゃない?」
しげる「……」
次男「クク…そういえばその美心って奴、この間家まで来てたぜ」
親父「お、めずらしいな恋愛話か?誰が困ってるって?」
一斉に親父の元から散っていく長男・長女。
親父「…あらら」
次男「ククク…父さんいい加減にしなよ」

次男はつっこみ役で決まりだろうかw
82マロン名無しさん:2006/05/06(土) 22:12:04 ID:???
お子様なのでツッコミに容赦が無いピカロな次男シゲル(13)
83マロン名無しさん:2006/05/06(土) 22:23:26 ID:???
兄弟ゲンカとかすごそうだw
84マロン名無しさん:2006/05/06(土) 23:01:48 ID:???

           __
          ``''‐、 ``ヽ、.   ,.. -─;:-
            _\ ll ヽ.r' ll /-─- 、.
.       ,. ‐''"´ll   lll`` lll ’ l " ll  -=ニ.`
.    ∠ -‐ ; =-─   ll     ll     lll <`       ククク…
     , ‐''´ lll    ll     lll    ll    lll ヽ
    / ll _,.  ll  lll  ll   ll    lll    ll i     そうはたやすく…
  , '.,. ‐',´'´ lll   ll  ll  ,.イ   lll    ll   ll |      欲は消えない……
 / , ' ll ,ィ . ll ,.イll.,.イll./::::ヽ.ll ト、 ll 、   lll   |
.   /ll./! ,イ ./_:l /:::!./::::::::::ヽ. |_ヽ |ヽ lll  ll |  一度 体に火が灯されると…
  /., ' . !ll /l ll/:::::l/ヽl/::::::::,.‐''::ヽ!:::ヽ!::ヽ ll   |   そうやすやすとその火照る意識
  /   ! / .l /.l===。=、::::::;;;:==。====! r‐:、lll|     流れから抜けられない……!
     l/  |/ .l :`::ー-:/::::::::::: ー-‐ '::´:::|l|r‐、!│
             l :::::::/::::::::::::     :::::::::|.!ト、リ l|    回復するとしても
              l:::/::::::::::__-,    .::::::::::|Lンll ト、    それはもう少し後の事……
.            l`"----------一::::/ヽl!  |;;;ヽ.
              !   ___ ..::::::::/;   ヽ ll !;;;;;;;;ヽ.    ……となれば……
            ヽ.  ̄ ̄..:::::::/;;:    ヽ. |;;;;;;;;;;;;;l`;;ー-
          _,,. -‐''7ヽ......::::::::::/;;;:      ヽ!;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;  狙い打ちさ
    _,,. -‐''";;;;;;;;;;;; /;;;;;ヽ:::::::/;;;::         /;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;  そんな心は………!
    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;`1;;;;::         /;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;
    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;|           , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;


絵本板の絵本スレからコピペ
アカギ×衣和緒だ・・・
85マロン名無しさん:2006/05/06(土) 23:08:39 ID:???
>>81
>一斉に親父の元から散っていく長男・長女。
>親父「…あらら」

かわいそうすぎるっ……だから萌えるっ……
86マロン名無しさん:2006/05/06(土) 23:25:24 ID:???
>>83
やっぱ拳銃登場?w
87マロン名無しさん:2006/05/06(土) 23:37:45 ID:???
>>81
長男の本命は衣和緒お嬢様?
88マロン名無しさん:2006/05/06(土) 23:50:38 ID:???
>>87
新たな展開だw
>>84
エロス
89マロン名無しさん:2006/05/07(日) 10:14:05 ID:???
炊事全般はやはりしげみちゃん担当なんだろうか

父茂「しげみ…今夜はふぐさしがいいな…」
長女しげみ「クク…いいよ…免許ないけど……狂気の沙汰ほど面白い…!」
長男しげる「面白い…渡ってみせよう、その綱……」
次男シゲル「クク…不合理に身をゆだねてこそギャンブル…!」
90マロン名無しさん:2006/05/07(日) 10:51:43 ID:???
>>89
ぎゃー!父さんなんてこと言うんだ!
マーシトロン以前にテトロドトキシン中毒で死にますよ!

ちうか殺伐一家萌え。
91勝手に続けてみた:2006/05/07(日) 11:19:34 ID:???
そして運命の夕飯時――!

一同「いただきますっ…!」
次男シゲル「あらら…ほんとに作ったんだ…」
長女しげみ「…どう、とうさん…?リクエストにお答えしてふぐさしよ…」
長男しげる「クク…うまそうじゃないか…少なくとも、見た目はな…」

父茂「フフフ…せっかくの愛娘の手料理だ…有難くいただくとするよ…」
しげみ(なにっ…?)
躊躇なくふぐさしを一切れつまみ口に入れる父を見て、兄弟三人に電流走る――!
しげみ(バカな…!これはブラフなんかじゃない…間違いなく猛毒なのに…!)

茂「うん、うまい……ぐっ…!」
しげみ「とうさんっ…!」
途端に苦しげな声を上げた父を見て思わず腰を浮かせるしげみだが、
長男はまったく顔色を変えずニヤリと不敵に笑う。
しげる「ククク…下手な芝居だな…親父…!」
92勝手に続けてみた(2):2006/05/07(日) 11:21:32 ID:???
長男の声に、食卓につっぷしていた父が起き上がる。
茂「…クク…やっぱりしげるは騙せねえか…ハハハハッ…」
シゲル「しげみ姉ちゃんはひっかかったみたいだけどね…ククッ…顔色変えちゃって…」
しげみ「……じじい…!」

茂「クク…原始的な細工だが案外効果的なんだよな…」
そう言って父が懐から取り出したのは一匹のフグ…!
しげみ「それは…」
茂「そう…お前がわざわざ買ってきた猛毒持ちのフグだ…
悪いが、すり替えさせてもらった…あらかじめ用意した、無毒のシロサバフグと…!」

言葉を失う長女に、父は呵呵と笑う。
茂「だがな…うまいって言ったのは本心だぜ…いい嫁さんになるよ、お前は…ひろも幸せ者だぜ…ククク…!」
しげみ「くっ…!!関係ないでしょ…!それとこれとは…!!」

顔を赤くするしげみに、長男次男は忍び笑いをもらす。
シゲル「一本とられたね…しげみ姉ちゃん…!」
しげる「フフ…じゃあ俺たちもいただくとするか…」

そして今日も、赤木一家のいつもと変わらぬ平凡な一日が過ぎてゆく――。
93マロン名無しさん:2006/05/07(日) 11:24:14 ID:???
>そう言って父が懐から取り出したのは一匹のフグ…!
ワラタw
94マロン名無しさん:2006/05/07(日) 12:39:56 ID:???
ワロスwwwwそしてしげみちゃん萌え
95マロン名無しさん:2006/05/07(日) 13:06:46 ID:???
殺伐としたなかにも…
これもひとつの家族愛かwww
96マロン名無しさん:2006/05/07(日) 13:46:34 ID:???
何だかんだで仲良しっぽいな、赤木家w
97平成アカギ家族・喧嘩上等1:2006/05/07(日) 14:52:02 ID:???
タバコの煙ただよう六畳間。
ふたりで並んで座り、ひたすらタバコを吸い続ける、しげるとしげみ。

長男しげる 「………ふーっ………」
長女しげみ 「…ねぇ、…兄貴…………ふーっ………」
長男しげる 「…何?」
長女しげみ 「…なんで使った食器をいつも……片づけてくれないのよ…」
長男しげる 「……………ふーっ………」
長女しげみ 「…なんで使った食器…片づけてくれないのかって…聞いてるの…」
長男しげる 「…………クク…」
長女しげみ 「…ふーっ…」
長男しげる 「……ククク…………気分じゃない……いてて」
(バチーンと、かなり強くしげるの肩を叩くしげみ)
長女しげみ 「答えになってない!!……さっきから、あんた、そればっかりねっ!…
      …少しは気の利いた言葉、言ってみなさいよ!この能なし………ぎゃ!」
(くわえタバコでニヤつき、いきなり片手でしげみの頭を押さえつけ、
高速の速さでしげみの頭をシャカシャカし続けるしげる。
…しげみ、この時点で、朝二十分かけてブローしたキューティクルな髪が、
鳥の巣状態に…)
長女しげみ 「…あああ…」
長男しげる 「…ぷっ!………ククククク…」
長女しげみ 「……な、ん、て、こ、と、……をおおおおああ…!」
98平成アカギ家族・喧嘩上等2:2006/05/07(日) 14:52:49 ID:???
次男シゲル 「…ククク、とうさん、ちょっと来てよ」
父茂 「…なんだい?シゲル」
次男シゲル 「…ちょっと、面白いよ」
父茂 「…なんだ………ううっ!」
(隣の部屋を覗くと、目の前に、ちゃぶ台を天に掲げ、
何度も何度も振り下ろし、しげるを粛正する、しげみの姿が…)
父茂 「…なっ!やめねぇか、しげみぃ!」
(…しげみ、完全にトランス状態。…しげるの安否、確認不可能…)
次男シゲル 「とうさん、ちょっとどいて!…しげみねえちゃん、あぶないよ〜!」
……パァァァン…………
(常人を超える身体能力と、直感で、とっさに横っ飛びに逃げた、
しげみと茂、シゲルの持ってるものを見て驚愕!)
茂・しげみ 「………なに…それ……?」
次男シゲル 「…モデルガンさ……ククッ、…改造銃だよ。
      …しかし………思ったよりすごい威力だね。ボク自身びっくりさ…
      …ククク。……ほら、弾がこんなに、壁にめり込んでるよ…」


父茂 「…このことは、…警察の方にも、…ご近所さんにも…
   …誰にも言うんじゃねぇぞ…」
(木工用パテで、銃弾で開いた穴を、ただひとり、もくもくと塞ぐ茂…)
長男しげる 「…俺……タバコ買ってくる…」
長女しげみ 「……ちょっと!頭から大流血したまま、外に行くつもり!?」
長男しげる 「…ククククク………狂気の沙汰ほど面白い…」
次男シゲル 「…ぷっ…あいかわらずだな、しげるにいちゃん」
99平成アカギ家族・喧嘩上等:2006/05/07(日) 15:41:53 ID:???
>>81
>>89
>>91-92
GJwww
笑いすぎて麦茶こぼしちゃった…
100マロン名無しさん:2006/05/07(日) 15:45:29 ID:???
ご近所でも評判の危険一家なんだろうなw
101マロン名無しさん:2006/05/07(日) 16:18:33 ID:???
タイトル: 「赤木ンち」
102マロン名無しさん:2006/05/07(日) 16:26:45 ID:???
>>101
wwww
103マロン名無しさん:2006/05/07(日) 17:01:10 ID:???
なんだこの流れww
殺伐なんだかほのぼのなんだかwww
104流れに乗って平成赤木家1:2006/05/07(日) 17:37:01 ID:???
電話の音が鳴り響く。
受話器を取ったのは次男のシゲルだった。

「はい赤木です・・・ああにいちゃん・・・うん・・・うん・・・うん、わかった。伝えとく」

幾度かの応対の後、電話が切られる。
シゲルが居間へと向かうと父親の茂が新聞を広げていた。

「今の電話しげるか。なんだって?」

聞き耳を立てていたらしい茂はシゲルに内容を聞こうとする。

「にいちゃんがね」
「ほうほう」
「彼女連れてくるってさ」
「ほうほう・・・うん?」

さらりと発せられた言葉に冷や汗をかく父・茂。

「も、もう一回言ってくれねえか」
「にいちゃんが彼女連れて来るってさ」
「もう一回」
「にいちゃんが、彼女、連れて、来るってさ」
「・・・・彼女?」
「彼女」
105流れに乗って平成赤木家2:2006/05/07(日) 17:39:16 ID:???
・・・全く知らなかった、と茂は心の中で呟いた。
いや思えばしげるももう19だ。彼女の一人や二人いてもおかしくはあるまい。
しかしどうしてかこう実際に起こりえると焦ってしまうのである。

「へぇー・・・隅に置けねえなぁ、しげるのやつも・・・」

だらだらと顔を汗でいっぱいにしてどもりながら喋る茂に、シゲルが追い討ちをかける。

「ちなみに言うとねえちゃんも彼氏いるし」
「! 何ぃぃぃっ!?」
「・・・知らなかったの父さんぐらいじゃない・・・?」

クク・・・といつもの笑いを浮かべるシゲル。
その笑みにはっと、茂はあることを思いついてしまう。

「シ、シゲル・・・お前にも彼女いるとか言わないよな・・・!」
「・・・・・・いないよ流石に・・・」
「お前は母さんの忘れ形見なんだ・・・お前だけはまだ行くんじゃねえよっ・・・」

ほっとした顔を見せながらも、まだ不安そうに茂はシゲルの頭を撫でる。

(別に誰も父さんを置いていこうなんて考えてないんだけどなあ・・・)

そう思いながら、シゲルはまたクク・・・と笑う。

「・・・それはそうと父さん、にいちゃんの彼女、 今 す ぐ うちに来るんだって」


赤木家に悲痛な叫びと乾いた笑いが響き渡った。


ピカロな次男から想像してみたww
106マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:00:37 ID:???
つ、続き!!切望するっ‥!

職人さんが次々と降臨してるよママン!
107マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:05:14 ID:???
ぜひ彼女は衣和緒お嬢様でっ・・・!
108マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:25:04 ID:???
衣和緒お嬢様!!
和服で来たりするかな?
109マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:35:55 ID:???
お嬢様は往生際が悪いといい。
「だっ誰が彼女だっ…!」
110マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:39:07 ID:???
待て、齢は何歳なんだw
111マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:43:08 ID:???
・・・さすがに75歳はなぁw
逆にロリ(しかもペタ)だと萌えるんだが。
112マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:45:19 ID:???
きっちり五回り若返らせれば齢十五っ…!
113マロン名無しさん:2006/05/07(日) 18:56:32 ID:???
じゃあ、しげみの彼氏は南郷さんでw
114マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:07:31 ID:???
次男は杏慈たんに無自覚な淡い恋心を抱くといい…!
115マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:10:20 ID:???
お嬢様は15歳っ‥!萌えた萌えた!!

次男しげるの彼女候補は同級生のゆきみちゃんとかw
116マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:11:14 ID:???
ひろじゃないんかw>しげみの彼氏
117マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:11:28 ID:???
いつも孤立してる涯子が気になってる次男でもOk
118マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:12:03 ID:???
うわぁぁ被ったor2
>>114さんごめん!
119マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:12:47 ID:???
でも外見が自分より年上な息子の彼女に
そわ…そわ…する父茂も見てみたいw
120マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:13:25 ID:???
>>117涯子に電流走るっ‥!
121マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:15:09 ID:???
>120
ガイコなのかハテコなのか気になるww
122マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:17:15 ID:???
子は要らないかも?>涯子
>>121ハテコに吹いたw
123マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:26:07 ID:???
学校のマドンナ先生の森田に憧れる次男しげるとか
124113:2006/05/07(日) 19:31:50 ID:???
>>116
ひろの存在忘れてたっ・・・!


スマン
125マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:34:35 ID:???
次男(あいつ…涯子とかいったっけ…
    孤立孤立とか言ってるけどさ…
    ただ浮いてるだけっていうのに
    いつ気がつくんだろうね…ククク)
次男(…でもまあ、顔は悪くないよね……おっぱい小さいけど…)
次男(………ハテコ、か……変な名前…)

いつになくボーっとしている次男に興味津々な兄姉そして父
長男「クク、あいつ何やってるんだ?」
しげみ「シゲル、なんか顔赤いわよ」
茂「(シゲル…っ!お前も行ってしまうのかっ…!母さんの忘れ形見っ…!)」
126マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:48:56 ID:???
>>125
次男おっぱい星人www
127マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:55:08 ID:8A+6uyZO
しげみじゃなくてシゲルの方が忘れ形見なのかw
128マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:58:41 ID:???
>>113
父が泣きそうだな…
129マロン名無しさん:2006/05/07(日) 19:59:23 ID:???
>>104-105
>125

続きが気になって
わしはそれがもう、見たくて見たくて……
《ピカッ!…ゴロゴロゴロ…》←雷の音
もう18時から、PCの前に居ついてしまったよ………キキ…コココ…
130マロン名無しさん:2006/05/07(日) 20:25:44 ID:???
ここは待つ‥!職人さんは来てくれる!
131マロン名無しさん:2006/05/07(日) 21:31:17 ID:???
流れ、早っ…!
つか死んだ母さんが気になるところだw
1321:2006/05/07(日) 22:40:27 ID:???
トゥルルルルルルル〜

吉岡「衣和緒お嬢様、アカギ様からお電話です」
衣和緒「・・・っ! あ、アカギィィィ? そんな人知らないっ・・・!」
吉岡「(そうはおっしゃっても衣和緒様…頬が赤くいらっしゃいますよ・・・
   ・・・・・・照れていらっしゃるのですね衣和緒様・・・
   そんなあなた様も犯罪的に可愛らしく、可憐っ・・・!
   日々美しく成長されるお嬢様のお姿をお側でお守りできることこそ、
   身に余る僥倖っ・・・!
   吉岡はっ・・・! 吉岡は潔く身を引きます!)」
衣和緒「・・・吉岡?」
吉岡「吉岡はお嬢様のお幸せを、いつでもお祈りしております」 
衣和緒「ちょ、ちょっと電話置いていかないでよ! 私は出ませんからね!」
静かに部屋を出て行く吉岡だったが、こっそりとドアの影から衣和緒の様子を窺っている。
衣和緒「(まったく・・・家にまで電話してきて・・・アカギの奴!
    吉岡は変な誤解しちゃってるし・・・どうしよう・・・
    そうだっ、はっきり言ってやればいいんだわ!
    私たちはつきあってないって・・・!)」
133:2006/05/07(日) 22:42:03 ID:???
受話器を衣和緒は取り上げた。
衣和緒「ちょ、ちょっとアカギ?」
しげる『・・・・・・・』
衣和緒「アカギなんでしょ! 黙ってないで何とか言いなさいよ!」
しげる『・・・・・・・ぐー・・・・』
衣和緒「・・・こら起きろアカギっ!」
しげる『・・・・ぁあ? なんだ衣和緒か・・・あんまり待たせるから寝ちまったぜ・・・ククク』
衣和緒「(きぃぃぃ! あいかわらずムカツク奴っ・・・!)
     あのね、この際はっきり言っておくけど電話とかしてこないでっ・・・迷惑なの!」
しげる『ククク・・・何を言うかと思えば・・・そんなこと・・・』
衣和緒「な、なによ・・・」
しげる『至極当然のこと・・・電話なんて・・・つきあってる俺たちにとっては・・・』
衣和緒「(つきあってるって・・・からかってるんじゃなくて本気だったの・・・?
     好きとか言われたことないのに・・・わからないっ・・・アカギの心がわからないっ・・・)」
しげる『デートもしただろ・・・ククク」
衣和緒「いつしたって言うのよ?」
しげる『昼飯・・・いつだったか、お前作ってきてたよな・・・』
衣和緒「あ・・・あれはっ・・・!」
しげる『衣和緒・・・見かけ通り料理下手だったな・・・ククク』
衣和緒「ぐうっ・・・」
しげる『映画も観にいった・・・周りが泣いて感動してるのに・・・ククク』
衣和緒「・・・・・・」
しげる『お前は俺の隣りで熟睡・・・しかも涎垂らしてたな・・・ククク』
衣和緒「そ、それはっ! アカギの肩が気持ちよくって、それでっ・・・
     それでなんだか眠くなっちゃって・・・・・・・って、何言わすのよっ・・・!」
しげる『ククク・・・何を今更・・・自分から言っといて・・・ククク・・・』
衣和緒「うぐぅ・・・」
しげる『それに、この前やった脱衣麻雀・・・お前は・・・負けが込んで丸裸・・・ククク』
134:2006/05/07(日) 22:44:02 ID:???
衣和緒「う、うるさいわねっ・・・結局用件は何なのよ!
    こんな話がしたいだけだったら、もう切るわよ!」
しげる『あらら・・・衣和緒が訳わからないこと言うから・・・忘れるところだった』
衣和緒「もう、さっさと言いなさいよ」
しげる『お前今夜暇だろ・・・』
衣和緒「い、いきなり何よ・・・わたしにだって事情があるのよ!」
しげる『・・・父さんに会って欲しいんだ』
衣和緒「(え、アカギのお父様に私がっ・・・? やっぱりアカギは私を本気で・・・!)」
しげる『ククク・・・どうした衣和緒? ・・・いいだろ・・・
   俺たちのこれからとか・・・話さないといけないし・・・』
衣和緒「(俺たちのこれからって・・・ひょっとしてプロポーズっ・・・? 衣和緒お嫁さんになるの?
     アカギのお嫁さん・・・?どき・・・どき・・・)」
しげる『・・・来いよ、衣和緒・・・・・貧しき我が家へ・・・』


(おわり)
135マロン名無しさん:2006/05/07(日) 22:54:31 ID:???
衣和緒お嬢かわいいな・・・
しかし衣和緒は吉岡が居なきゃ何にも出来ないだろう・・・
136マロン名無しさん:2006/05/07(日) 23:12:18 ID:???
ちょwwテラカワイスwwww
137マロン名無しさん:2006/05/07(日) 23:28:45 ID:???
脱衣麻雀やったんか、この二人w 馬鹿ップルめww
138マロン名無しさん:2006/05/07(日) 23:32:12 ID:???
あかぎンちで家族麻雀して、また裸に引ん剥かれちゃう予感。
手土産に一家の好物のふぐ刺しとふぐチリセット持って行くんだよね。
そんで「トラフグよ、衣和緒が料理したの、皆さんで召し上がって」
とか言うんだね。でも、グチャグチャで血や内臓が付いてて
さすがの赤木一家も箸が震えたりするんだよね。
139【注:女体】しづか日記 :2006/05/07(日) 23:43:49 ID:???
出会ってしまった…あたしたちの学校にこんな人がいるなんて…
入学式の時、一番後ろの席にいた素敵な人。
あたしと同い年と思えないぐらいキレイで、式の間中、振り返り続けてきて帰ってきても首が痛いの。
そして名前が呼ばれたとき…あたしの周りがキラキラしてきた…
髪の毛はきれいなブロンドで、顔も大人びてかっこよくて…最高にキュンキュンしてる…
「仲根秀美」
こんなきれいな人と同じ中学だなんて…しづか、がんばります!

やっぱり仲根さんはジャージ着ていてもキレイ。男子なんかより足も速くて成績もよくって。
そして…強いの。
あたしがガッコの馬鹿先にからまれているところ助けてくれたんだ。
「野暮な真似はやめろよ」
って馬鹿三人の前に立ちふさがって、あっという間に叩きのめしてくれて…
「怪我はない?大丈夫か?」
なんていわれたとき、ズキュゥゥゥンときちゃった。
並の男よりかっこいい…私もあんな人になりたいな…

今日、髪を染めてみた。あの人の髪に近づきたくって。そしてあの人の真似をしてわざと男言葉使って
みた。
「なにすんだ、お前!」
そうにらんだだけで、ヘコヘコと男どもが逃げていくの。そして手のひら返したようにすりよってきて…
男って本当に馬鹿。でも仲根さんは違う…あなたには「しづか」って呼び捨てにされたいな…

周りの男どもはみんな仲根にヘーコラしてるアホなんだから。その中で悠々としている仲根さんって
素敵。クラスの男どもの話をそれとなく聞いていたら、「ノミヤ」っていう言葉が飛び込んできた。
あの人が「ノミヤ」をしてるって何?日記書いたらちょっとググって見よう。

140【注:女体化】しづか日記:2006/05/07(日) 23:45:01 ID:???
ノミ屋…これが仲根さんのやっていること…こうやって仲根さんは男どもを集めていたのね…
でも不思議と嫌な気分にはなれない。仲根さんがやっていることなら…手伝いたいな。あたしだった
らさらに男どもを集められる。そう…あたしにできるのは…明日中島たちに声かけてみよう。ナルミは
どうしようもないアホだけど、釣っておく事はできるはず。
だから…「ひでみ」ってこれからは日記の中で呼び捨てにしていい?それはあたしだけの秘密!

仲根さんに話しかけたくって…「仲根さん!」って呼びかけたつもりが声が上ずって「仲根!」
になってしまった…思わず呼び捨てにしてしまったけど…秀美さんは微笑んでくれた…そして
「しづか!」っていってくれたの!ラッキー!やっぱ早起きしてギャンブルの本読んだかいが
あったわ。競馬について調べたこと秀美さんに教えてあげた。それから私が作ったナルミどもや
女たちの人脈も教えてあげた。秀美さん「そこまでしなくていいのに…」って。でもそこまで
してあげる。だってしづかはそこまで仲根秀美に恋してるんだもん!

秀美さんはこの中学の番になったわ。やっぱり秀美さんにかなう男はいないわ。あたしは秀美さん
のためにネットワーク作ってあげるの。やらせてやれば男なんていいなりよ!でも秀美さんには
このことはヒ・ミ・ツ!廊下を秀美さんが歩くたびに風が吹くわ。あたしはただそれがみたいだけ。
秀美さんは男なんかひれ伏させる人なんだもの!
141【注:女体】しづか日記:2006/05/07(日) 23:45:51 ID:???
今日はサイテー。ナルミどもを引き込むためにファミレスに付き合っていたら、キモイゴリラ親父
が絡んできたの。ホントに車にまで乗り込んできて…キモーイマジ息がくさいしキモーイ。
だからナルミどもが叩きのめしたとき、すっとしたわ。とどめをささないのが許せなくって思わず
やらせてやるから頭行けっていってやったら、ナルミの馬鹿ホントーにぶったたいたわ。あいつ
本当にアホ。サル。北京原人。日曜日にナルミんとこいかなきゃならないのは…でも大丈夫。
秀美さんのことずっと考えているから大丈夫!秀美さんだったら…何されてもいいのに…秀美さん
だったら…

サイテーの次はラッキー!あのゴリラ親父を秀美さんが叩きのめしてくれるの!ゴリラに立ち向かう
秀美さんかっこよすぎ!だから「仲根!ぶっ殺せ!」とバット投げて応援しちゃった。でも最後まで
見ていなかった。だって急にデレ入っちゃって…「事の次第を教えておくれ」なんて時代劇みたいな
しゃべりしちゃった…でも信じてる。きっと秀美さんはゴリラを叩きのめしてくれる!そうこなくっちゃ!

………そんなのないよ…
放課後、裏庭に呼び出されたときはうれしかったのに…
なんであの親父にとどめ刺さなかったの…そして「兄さんにあんなことしたのお前か?」って…
兄さんって…その言い方…何なの?
そして「兄さんは男の中の男よ…好きになっちゃった…あなたみたいのと違ってね…」
そのまま行っちゃった…振り向きもしないで…
何で?秀美さんが男なんか好きになるわけがない…ましてやあんなゴリラなんて…
あなたみたいのって?あたしはそれだけだったの?
そんなのないよ…秀美…好きなのは秀美たった一人なのに…秀美はあたしの…
行かないで…秀美…秀美…なんでもするから……
142マロン名無しさん:2006/05/08(月) 00:06:40 ID:???
百合好きにはたまらんっ・・・!GJっ・・・!
143マロン名無しさん:2006/05/08(月) 00:34:54 ID:???
>>138
テラワロスwww
144マロン名無しさん:2006/05/08(月) 00:37:27 ID:???
>>139-141
なんか池田理代子のマンガっぽくてGJwwww
145マロン名無しさん:2006/05/08(月) 06:00:27 ID:???
ここまでSSが豊富だと保管庫欲しくなるな…w
前スレも沈んだし。
146平成赤木家2(1)※女体パラレル:2006/05/08(月) 07:37:27 ID:???
『赤木』の表札がかかっている。
ここは正真正銘、赤木しげるの家。
ついに来てしまったのだと、衣和緒は緊張する。
付き合い始めて2年目、ついに、家に来ないかと誘われた。

(や、や、や、や、やっぱり、そうゆうこととか、なのか?)

衣和緒はついついアレなことを想像し、ひとり真っ赤になる。
何しろ名高い鷲巣家のお嬢様だ。
幼い頃から丁重に箱入りで育てられたゆえ、
多少の知識はあっても経験やら人から直接聞いたことやらはない。
しかも衣和緒は15歳。まだまだ『女の子』である。
性格は年齢には似つかわしくないが、体型や経験は幼い。

「・・・衣和緒? どうした」
「はわっ、な、なんでもないわっ!」
「クク・・・まあいい・・・、入るぞ」
「ふんっ、さっさと開けろっ」

高圧的な衣和緒の台詞に笑みを浮かべながら、しげるは玄関の戸を開く。
ふと、鍵も何もかかっていないことに衣和緒が気付いた。

「おい、いくら貧相な家とはいえ鍵ぐらいかけたらどうだ・・・」
「・・・ああ、いつもはかけてるが・・・家に誰かいるときは必要ないだろ」
「!? い、今、誰かいるのかっ、家にっ」
「ああ・・・親父と弟。彼女連れてくって言ってある」
「かのっ・・・!?」
147平成赤木家2(2)※女体パラレル:2006/05/08(月) 07:37:59 ID:???
衣和緒は顔を真っ赤にして、言葉に詰まった。

(か、か、彼女って・・・そりゃ付き合ってるけど・・・彼女・・・というか『言ってある』・・・!?)

ガラガラと玄関の戸が音を立てて全開にされる。
向こうの方からまだ幼い声で「来たみたいだね・・・」と聞こえ、その後すぐホラー映画のようなうめきも聞こえてきた。

「今日、親父にお前紹介するんだよ・・・クク・・・」
「なぁっ・・・!? 何を馬鹿なっ・・・!」
「・・・・・・・嫌、か?」

突然顔を覗き込まれ、衣和緒の顎に手が軽く添えられた。
すっと腰に手が回され、衣和緒は思わず手をしげるの胸元へ添える。
どくどくと心臓が早鐘を打っているのが伝わってしまいそうだった。

「・・・嫌か? 衣和緒・・・」
「う・・・」

衣和緒、と名が呼ばれ、その胸に抱きすくめられる。
しげるの胸に耳を当てると、その心臓も少なからず早鐘を打っているのがわかった。

「・・・・・・嫌な、はず、ないだろうがっ・・・・!」

背中へと手を回し、ぎゅうと衣和緒も抱きしめ返す。

「ただ・・・いつも唐突なんだお前はっ・・・馬鹿がっ・・・!」
148平成赤木家2(3)※女体パラレル:2006/05/08(月) 07:38:29 ID:???
回された手を愛しく思いながら、しげるはまた一度衣和緒を強く抱きしめた。
包み込まれる感覚に、衣和緒は心地よさを覚えながら、そっと目を閉じ―・・・。

「あらら、随分幸せそうじゃない・・・」

ついさっき聞こえた幼い声が割って入る。
衣和緒は目を見開き、がばっと顔を上げると、目の前にいる二人の傍観者と目が合った。
すっかり忘れていたがここは玄関先である。
しかも家の中には人がいるのである。
玄関まで出てきた茂とシゲルを見ると、しげるはにっと笑みを浮かべる。
またも真っ赤になり、パクパクと口を開け閉めする衣和緒をよそに、
しげるは抱きしめていた手を少し緩め衣和緒に正面を向かせると、肩に手を置いたまま、言った。

「親父、紹介するぜ・・・結婚を前提として付き合ってる・・・俺の彼女の鷲巣衣和緒だ」

茂は言葉を失い、シゲルは面白そうに笑い、衣和緒は顔を真っ赤にして驚愕した。
ことは、衣和緒の想像よりも遥かに大きくなってしまったようだった。



ちなみに、衣和緒の想像というのは、
同じソファに座って肩寄せ合って恋愛映画を見る程度の事だったりする。
149マロン名無しさん:2006/05/08(月) 08:34:22 ID:???
ローン!ロンロンロンロンロン…ローン!
GJwww!
衣和緒のしゃべりかたもテラモエス!
ありがとう!職人さんwww
150マロン名無しさん:2006/05/08(月) 11:11:52 ID:???
衣和緒たんテラカワイスww
自覚はないんだろうけど
こっちが照れるような馬鹿ップルだなっ…!w
151マロン名無しさん:2006/05/08(月) 11:21:29 ID:???
流れ超ぶったぎりで申し訳ないですが、前スレよりひろ×しげみの続きです。
スレまたぎしてしまったので一応設定とあらすじ↓

※女体化・捏造注意
※しげみは赤木しげるの隠し子という設定。18歳。

2000年の大晦日、天さんちにお招きされたひろゆきくんとしげみちゃん。
ひやかされるわ酔っ払うわ、酔った勢いでしげみちゃんにとんでもないことやらかしたっぽいが
それをまったく覚えてないわ、それを訊こうと思ったらしげみちゃんと二人っきりにされて
てんやわんやなひろゆきくん(三十路)のお話です。
1521/4:2006/05/08(月) 11:22:52 ID:???
雪の舞い落ちる塩田荘の物干し場、取り残され呆然とするひろゆきと、それをじっと見つめるしげみ。

「…え、えーと…しげみちゃん?」
まるで油の切れた機械のようにぎこちなく、ひろゆきはしげみの方を向いた。
「なに、ひろさん…?」
明らかに挙動不審なひろゆきとは対照的に、しげみは悠然と微笑んでいる。

その顔を見た途端、先ほど酔いつぶれる前の最後の記憶映像――
驚くほど近くにあったしげみの顔…それが思い出されて、顔が一気に火照った。寒いのに熱い。
「あー…その…………その」
何をどう訊けばよいのか。
酔った自分がこの少女相手に何をやらかしたのか全く覚えていない以上、
どう切り出していいやら判らずにひろゆきは押し黙る。

(…ああもう何だよ天さん、『今度は』上手くやるんだぜっ…て…そんな意味深な…
それに加えて……彼女の顔があんなに近くにあったってことは…まさか…)
ちらり、としげみの方に目をやると、意識的にか無意識にか、
彼女の柔らかそうな唇に視線が向かってしまい、慌てて目を逸らす。

(………ま、まさか酔った勢いで…キッ……!?…いや、まさか、でもっ……
そんなことがあったんならしげみちゃんがこんな冷静にしてるってのも不自然だし
いやでもこの娘はそーゆーことに大してあんまり動じないタイプなよーな気もするし
ていうかもしそうだとしたら俺は干支一回りも年下のいたいけな女子高生になんてことを
ていうか…ていうかっ……空の上の赤木さんに対して申し訳がああああっ……!!)
1532/4:2006/05/08(月) 11:24:08 ID:???
「……?」
頭を抱え苦悩するひろゆきの様子を、しげみは不思議そうに見ている。
が、ついと近づくと、ひろゆきの頬に手を当てた。

「…えっ…!?」
「あーあ…こんなに顔真っ赤にしちゃってさ…あんなに呑むからだよ……」
しげみの声は優しく、頬に当てられた冷たい手はひやりと心地よい。
踊るように脈打つ心臓とは裏腹に、不思議とひろゆきの心は段々落ち着いていった。

「しようのない人だね、ひろさんは…私に呑ませるのが心配だからって
何もその分自分が呑む事ないのに…フフ…ククク…」
(…今顔が赤いのは酒のせいじゃないし、正確には呑まされたんだけどね……)
そう反論しようかとも思ったが、しげみが笑っているのでひろゆきも黙って苦笑を返した。

(…訊くなら、今だよな…俺が記憶を無くしてる間、何があったか…)
「……しげみ…ちゃん」
ひろゆきはしげみの肩にそっと手を置き、その涼やかな瞳を真っ直ぐに見据えた。
「え……ひろさん…?」
若干戸惑ったような瞳でひろゆきを見るしげみ。
その白い頬が、かすかだが薄紅色に染まっているように見えた。
1543/4:2006/05/08(月) 11:25:42 ID:???
(あ…あれ?)
ひろゆきは戸惑う。自分でやっておいて何だが、なんというか、この体勢は、まるで。
(ええと…さっきの事の真相を、訊こうと、したん…だよな…)
だが、声が出てこない。まるでしげみの眼に魅入られてしまったかのように。
「………」
「………」
だが、しばしの沈黙の後。ひろゆきを捉えていたしげみの眼には、一瞬真剣な色が宿り…
そして、ゆっくりとその瞼が閉じられていく―――…

(――――――!!!)

瞬間、ひろゆきの頭の中が真っ白になった。
――違う。そうじゃない。
そんなつもりじゃない。
ただ俺が君に何をしたのか。
それを訊きたかっただけなんだ。
そして謝りたかっただけなんだ。

何故だろう…ぐるぐると頭の中を巡る言葉の何一つ、口に出すことができない。
その代わり、しげみの肩に置かれたひろゆきの手に、ほんの少し力がこもる。
かすかだが、掌の中に収まった細い肩が―――ぴくん、と震えたのがわかった。

………もう、無意識なのかそうでないのかもわからない。
二人の距離を縮めているのが、自分からなのか彼女からなのか、それもわからない。
ただ、半分伏せられたひろゆきの眼に映るしげみの顔は、段々と、段々と…近づいて―――
1554/4:2006/05/08(月) 11:27:20 ID:???
―――どったーーーーーーーーーーーーーんっ!!!

お互いの唇同士の逢瀬を待たず、弾かれるように離れた。
背後で聴こえた、何かが倒れるような轟音と同時に。
「な、なっ…!?」
「……あらら…」

音のした方を見ると、ガラス戸の向こうには…折り重なってもがいている天とその妻二人。
「もー、あんたが押すからよっ…」
「私は常に冷静でした――!天が身を乗り出しすぎるからでしょっ…!?」
「そんなこと言われたって、クライマックスだったんだから仕方ねえじゃねえかっ…!」

などとお互いの非を責め合っていたが、ひろゆきとしげみがぽかんと見ているのに気づくと
三人揃ってにっこりと愛想笑いを浮かべ、やっほーとばかりに手を振った。
「………て…ん〜〜〜〜〜〜〜っ…!」
ひろゆきの顔がみるみる真っ赤になる…が、次の瞬間には血の気は引き、幽鬼のような微笑が浮かぶ。
「あ…ひろがぷっつんしちゃった…」
こりゃまずい、といった顔の天。
絶対零度の笑顔を浮かべたひろゆきは、ゆらり…とガラス戸に近づくと、
あくまで静かにその戸を引き開け――すうっ…と息を吸い込む。
事態を察したしげみが耳をふさいだ次の瞬間、

「なにやってんだあんたらはーーーーーーーーーーっっ!!!」

このボロアパート全体がびりびりと震えるような怒鳴り声があたりにこだました。
…そのとき、2001年1月1日午前0時0分0秒。
奇しくも新しい歳の幕開けと同時であった――――。

(続)
156マロン名無しさん:2006/05/08(月) 13:06:11 ID:???
>>152-155
うおおおGJ!!テラモエス!
ひろ頑張れよひろww
157マロン名無しさん:2006/05/08(月) 14:27:30 ID:???
アカギんちもひろもテラモエスっ…!!!
職人さんGJGJGJGJ!!!!!!
158マロン名無しさん:2006/05/08(月) 14:57:52 ID:???
赤木んちじゃなくて平成赤木家だよw
159マロン名無しさん:2006/05/08(月) 15:15:18 ID:???
「平成」と聞くとまず天才バカボソを思い出すw
それはそうと萌 え 死 ん だ
160マロン名無しさん:2006/05/08(月) 15:56:23 ID:???
どれもこれもおもすれーwww
161マロン名無しさん:2006/05/08(月) 16:46:01 ID:???
前スレから引き続き、需要なさげだけどまたやってしまった熟女路線。
女体化&「天」最終巻ネタバレ注意。天は男のままで、どうぞ↓


もう、いいじゃないですか……引退だもの。こんな病気になったら、
さすがの赤木姐さんも引退だっ……。
なーに、気落ちすることはありません。次に行きましょう。赤木しげみがやり残した、
家族……こいつを築きましょう! ってことで姐さん、俺んとこへ来てくださいっ。
大丈夫! 俺には嫁さんが二人いるからね。今さらもう一人増えても、どうって
こたぁないんです。遠慮なく来てください。俺の家に……つまりその、俺の、嫁に。
3年……5年……10年……時間はかかりますけど、きっと死の際には辿り着けるんじゃ
ないっスか? 俺と、今いる俺の嫁さん二人と、赤木姐さんと……ちょっと変わってます
けど、みんなで夫婦に……みんなで、家族に。ね? そうしましょう、姐さん!

フフ……バカ言ってんじゃないよ、天……あんたみたいないい男が、
こんな年増相手に……勿体無い話だよ……けど、まぁ……やめとくわ。
あたしには……こんな最期がふさわしいから……

違う……違うっ! 俺だ! 俺が死なせたくねえんだっ!
この俺、俺のために、生きてくれって言ってんだっっ!

……ありがとう、天……最期に……暖かい言葉だったわ。
家族はいなくっても、あたしには……こんなに素晴らしい友人がいた……
じゃあ、ね…………天………………
162マロン名無しさん:2006/05/08(月) 17:09:27 ID:???
>>161
テラカワイソスwww
嫁にこい言う天テラカッコヨスww
>>152-155
続きに期待汁!
163マロン名無しさん:2006/05/08(月) 21:30:18 ID:???
>161
プロポーズでも違和感ないな・・・
と言うか、むしろ自然な気さえしてきた
164マロン名無しさん:2006/05/08(月) 22:18:41 ID:???
>>147
>ホラー映画のようなうめき ワロタw 茂父さん…w
165マロン名無しさん:2006/05/08(月) 22:21:35 ID:???
一部女体化&このスレ新参の方は意味不明注意。

「赤木さん! どこいってたんですか、今まで! 探したんですよっ!」
「ハワイでゴルフを、ちょっとな。それはそうと天、7人中3人だって?」
「……本筋に関係ないからってエラくはしょってますね。その通りですけど」
「丁度良かった。おいっ……! 入んな」

赤木家の長男、しげる……!
同次男、シゲル……!

「……腕は確かだ」
「いや、あの、確かっつーか何つーか。お前ら何?」
「ククク……親父に付き合わされてハワイさ……」
「日本の女は、おっぱい出し過ぎだし……ハワイなんて、通の行くとこじゃないね」
「天。この二人、文句ねえな?」
「……俺の文句より、西から反則だって怒られそうな気がするんですけど」
「それからもう一人。ハワイで、ヘンな小娘にまとわりつかれてな。……入んなっ」
入ってきたのは、ひと懐っこそうな制服姿の女子高生。天はよく知っている。
「ひろ……」 
「ふふ。お久しぶりです、天さん♪ 以前言われた通り、手段を選ばず最強のメンツを
引っ張ってきましたよっ。……だめ、ですか?」
「わ、解った。解ったからその、うるうる瞳で見上げるのはヤメろ。……6人目だっ!」
はしゃぐひろ。赤木はタバコをふかして、
「最後にもう一人だ。随分ガタガタごねたんだが、やると決めたそうだ。入んなっ」
166マロン名無しさん:2006/05/08(月) 22:22:08 ID:???
最後の一人は、ひろと同じ制服を着た、ひろとは対照的に冷たい風貌の美少女。
「誤解しないでよね。父さんたちの、オヤジ麻雀協会のゴタゴタなんか興味ないん
だから。ただ、ひろがどーしてもって泣くから……」
「だからしげみちゃん好きっ♪」
「こ、こらっ、オヤジどもが見てるっ」
「…………」
「天よ。今、どんな気分だ?」
「どんなっ……て……クソみてえなハイパイだけど頑張って麻雀しようとしてたのに……」

            ほんの4〜5巡で、王手をかけた気分だよ。


その頃、銀次は街の雀荘で恐れられる存在となっていた。
その頃、金光は真面目に檀家の法事に行っていた。
その頃、鷲尾は北海道の山中で熊と戦っていた。


ラブコメだけじゃなく、ファミリーコメディも馴染んできたみたいなので。
いいですよね?
167マロン名無しさん:2006/05/08(月) 22:41:20 ID:???
>165-166
こんなメンツどう考えたって勝てねぇぇぇ(;´Д`)

>同次男、シゲル……!
深い理由はないのだが、ここで吹いた
168マロン名無しさん:2006/05/08(月) 22:54:21 ID:???
>>165-166
激しくワロタwwww
強すぎwwwそしてひろとしげみに萌え
169マロン名無しさん:2006/05/08(月) 23:04:42 ID:???
>>166 王手ワロスww
170マロン名無しさん:2006/05/08(月) 23:07:13 ID:???
>>166
なにげに百合ップルなひろとしげみv
171マロン名無しさん:2006/05/08(月) 23:44:56 ID:???
赤木の母の名前は春恵に違いない。
172マロン名無しさん:2006/05/08(月) 23:56:29 ID:???
>>171
ますます濃い一家に・・・・
173マロン名無しさん:2006/05/09(火) 00:19:13 ID:???
渡鬼キタッ…!
174マロン名無しさん:2006/05/09(火) 01:58:14 ID:m6xvkXyS
誰かしげる×しげみの父娘ネタ書いてくれー
175マロン名無しさん:2006/05/09(火) 02:01:49 ID:???
くだらん。何がおもしろいんだか。
176マロン名無しさん:2006/05/09(火) 02:39:19 ID:???
ウチとおんなじね〜 なかよしね〜
わたしも赤木さん〜 あなたも赤木さん〜
笑う声までおんなじね〜 ククク…
おんなじね〜
177マロン名無しさん:2006/05/09(火) 06:24:14 ID:???
※妄想垂れ流し注意

家族もほのぼのしてていいけど、前スレの赤木父子SSみたいな
しげみちゃん隠し子設定も切なくて萌えっ…
まだ中学生のしげみちゃんに大人っぽい格好させて歳をごまかして
無理矢理ギャンブルに連れ回す不良親父、赤木しげる。
最初は憎んでたりしたけど、あまりの天衣無縫ぶりに
呆れつつも段々と父親を認めていく娘。でも「父さん」とはどうしても呼べない…
とか色々妄想っ……!
178アカギ×女アカギしげみ(5/4編):2006/05/09(火) 17:53:46 ID:???
流れに沿わず投下してすみません
自分の萌えがどうも抑えられず…

※前スレの続編です。
※捏造、妄想三昧です。
※若アカギ(19)の女体化人物、赤木しげみが主人公。アカギと同い年。
 生年月日、血液型も一緒(妄想)です。…ただ、生まれてから今まで、
 女性として育ってきているという設定(妄想)なので、
 本物のアカギとは、異性別ゆえの、生活環境、性格や、感情の出し方に、
 多少、差違が見られます。
※あのアカギと、その子を、恋愛させようという、かなりチャレンジャーな話
 なので、受け付けない人は、ご注意下さい。

[前回までの話]
アカギとの闇麻雀でぼろ負け。しかも、さんざん不可思議な目に遭わされた
主人公、赤木しげみ。もう二度とあんな目はごめんだと思っていた矢先、
ある日突然、『暇だし、それに渡したい物がある』と、
あのアカギが、しげみの自宅にふらりとやってきた。
ファミレスに二人で入り、もらう物もらって、これっきりで縁を切ろうと思う
しげみだったが、店にいる最中、アカギにキレてしまう。
そこで、アカギの意外に優しい一面を知り、デザートもおごってもらい、
終いには、ディズニーランドの五月五日指定券をもらい、ついつい浮かれて、
もう少し、つき合ってやってもいいかな。と、思ったしげみなのだった。
その五月五日が日に日に迫る…。
179アカギ×しげみ(5/4編)1:2006/05/09(火) 17:56:52 ID:???
 夢の中。…記憶の奥底。上も下も無い暗闇。そこにただよう声。

『……俺、…引っ越すんだよ、ここ』

 ああ…男の子の声だな…と、しげみは思う。
 声変わりしかけた、男の子の声。……でも…誰?
…分からない。
 懐かしく感じるのはなぜだろう?胸がチリチリするのはなぜだろう?
最近から、幾度となく繰り返され、しげみの心を捉えて離さない夢…。
180アカギ×しげみ(5/4編)2:2006/05/09(火) 17:59:35 ID:???
 しげみは目を開けた。
 目覚まし時計の、アラームが鳴る前だと気づく。
音を聞くのが嫌で、彼女はゆっくりと手を伸ばし、スイッチを切った。
 ベットから上半身を起こし、大きく伸びをする。
 カーテンから、射し込む朝の光は明るい。
 目覚ましのデジタル時計は、午前七時を表示していた。
 しげみは、壁掛けのカレンダーを見た。GWの予定が書き込んであり、
五月五日には、蛍光ペンの赤色で、大きく丸が囲ってある。
(…今日は五月四日。…ディズニーランド…いよいよ明日か。…はぁ〜…)
 しげみはうんざりした。複雑な気分だ。五月五日は、赤木しげる…
……あのアカギと、ディズニーランドに、繰り出す日である。
 当時は(前回のファミレスで)なぜか、ノリノリで行くつもり
だったにも関わらず、日がたつにつれ、あのアカギの、
不可思議な行動のほうが、印象割合が濃くなり…
…現在は、まったく乗り気ではない。しげみは眉をひそめた。
 (…すっぽかしちゃおうか…でも、ディズニーランドなんて、…
…ここしばらく行ってないから行きたいし、…
……大体…チケットもったいないし……)
 そのとき突然、階段を駆け上る音が響き、部屋の扉が大きく開け放たれた。
「おいしげみ。…おまえに電話だぞぉ〜」
 くたびれた下着。ランニングとステテコ姿。…おじが立っていた。
 (……くさっ…お酒の臭い…)
しげみはうんざりし、饐えた酒の臭いに閉口しながら、おじの顔を見た。
181アカギ×しげみ(5/4編)3:2006/05/09(火) 18:04:02 ID:???
 「………いつも言ってますけど…
……わたしの部屋の扉。……勝手に開けないで下さい…」
 なにしろ寝起き直前なのだ。しげみは、気だるくおじに言った。
 「…ふん。……えらそうなことがいえる立場か、おまえは!」
 おじはいきなり大声をはりあげ、彼女の上半身に気づき、目を細めた。
 就寝中着乱れ、襟が大きくVの字に開いた、胸の谷間が覗くパジャマ。
それに気づき、しげみは、おじを一瞥し、胸元を左手で隠した。
 「…この間の男じゃないぞぉ…………長電話するなよ」
 おじは、扉の脇のチェストに、電話子機を叩きつけるように置くと、
大きな音をたてて扉を閉めた。
 ドスドスと、音が遠ざかる。…しげみは不意に、背筋が総毛立った。
『この間の男じゃないぞぉ』というおじの声が、心を掻きむしった。
 しげみは、手元の、アラーム目覚まし時計を、扉に向かって
力いっぱい投げつけた。 
182アカギ×しげみ(5/4編)4:2006/05/09(火) 18:04:45 ID:???
ガチャーンという、けたたましい音とともに、その音の奥で、
おじの小さく発した叫びと、途中で、階段を踏み外したらしい音が響いた。
 しげみは、うつむいたまま、その音を聞き、とてもおかしくなり、
のどの奥で笑った。
 「…ぷっ、ふふ……ククククク………
…………ざまあみろ……粗野…鈍感……あのスケベじじい…」
 しげみは、ゆっくりと、ベットから降りた。
 扉の前に、裸足のまま歩み寄ると、プラスチックと液晶部位が割れ、
中身が出てしまった、目覚まし時計が転がっている。
しげみはうつむいたまま、しばらくそれを見ていた。
 (…この目覚まし時計は、もうダメだ。…
……あの、ばかおじ貴に、イラついたとはいえ、…
……ここまですることはなかったろうに…)
 扉の脇のチェストからは、電話子機から、かすかに、脳天気に、
『メリーさんの羊』の保留音が聞こえてくる。
 こんなことで困惑するより、早く、電話を取らなければならない。
 (…朝っぱらから…嫌だ…こんなの………
………嫌な気分だ………)
しげみはしゃがみ込み、両手で、前髪を掻きむしった。
183アカギ×しげみ(5/4編)5:2006/05/09(火) 18:10:50 ID:???
 例の電話で会う約束をし、しげみは近所のファミレスに向かっていた。
 腕時計を見ると、九時五十五分。
 中学のとき同級生だった、まゆみが、そのファミレスで待っているはずだ。
 (そういえば、この間、同じファミレスで、アカギと会ったんだっけ…)
 ちらりと思い出すのだが、『この間の男じゃないぞぉ』という、
今朝の、無神経な、おじの声まで再生され、気分が悪くなった。
 とにかく、今はそれどころじゃないのだ。
 今朝の、スケベおじ貴と、目覚まし時計を壊してしまった自分。
…それから、まゆみが起こした、面倒な事件に腹が立つのとで、
今のしげみは、すこぶる機嫌が悪い。
 ファミレスに着くと、早速まゆみが、入り口付近でしがみついてきた。
 落ち着いて、席に着いていられなかったのだろう。……不安のあまりに。
 「…しげみ…どうしよう、どうしよう。……私怖い」
 憐れみを誘うかのように、まゆみは、しげみの顔を、中腰のまま見上げてきた。
まゆみの、ウエーブヘアはクシャクシャ。
散々泣いたのだろうか。赤く腫れあがっていた。
 「…落ち着きなさいよ…」しげみは冷静に言った。
 「席は、…どこ?」
184アカギ×しげみ(5/4編)6:2006/05/09(火) 18:13:36 ID:???
 席は禁煙席側だった。しげみは、まゆみにかまわず、早足でその席に向かう。
 店の奥まった場所。しかも窓際でなく、薄暗い部屋の真ん中の席に、
まゆみの仲間はいた。二人の若い女性。
 しげみの姿を認めると、立ち上がり、深々と頭を下げた。
…しげみとは、同い年だし、ましてや、初対面ではないのに、だ。
 「…客がほとんどいないのに…そうとう怯えているようね…ふふ…」
しげみは軽口をたたくと、席に着いた。
 しげみに相対し、まゆみとその仲間は、三人で並んで座った。
一様にうなだれ、顔色が真っ青だ。
 「…窓際の席が一番いいんだろうけど…
…〈例の人達〉に見られると怖いから……」まゆみが、震えた声で言った。
 「…ヤーさんのこと?」
 しげみがずばりと言うと、三人はビクリと肩を震わせた。しげみは続けた。
 「…だからあのとき忠告した。…
…危ないから、これ以上深入りするのは……止めときなって言ったはず…!…
……面白いように、大金が手に入ろうがね…」
 「しげみ助けて!…頼れるのはしげみだけなの!…」
まゆみは、しげみの右手を、ぎゅっと両手でつかんだ。
「…クッ…虫のいいことを…」
 しげみは、冷たい薄笑いを浮かべ、まゆみの目を睨み付けた。
まゆみの両手がゆっくりと離れていく。
三人は、明らかにしげみに怯えていた。
 しげみは、相対した全員を睨み付け、心の中で、言葉を吐き出した。
(……こいつら、虫がよすぎる………この……卑怯者!…)

(続く)
185アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/09(火) 18:16:02 ID:???
長文がウザいですね…
186マロン名無しさん:2006/05/09(火) 18:37:02 ID:???
言い訳無用っ…!続き楽しみです…!
187マロン名無しさん:2006/05/09(火) 18:56:29 ID:???
しげみちゃんかっけーw
続きが気になる・・・!
188ゆきみとしげる 1/5:2006/05/09(火) 21:16:03 ID:???
女体化。平山ゆきみ(女)と赤木しげる(男)。
なんでアカギの偽物が女やねん、という点は鮮やかにスルーしろっ…!
コメを意識したのに結局は暗くなってしまった……orz
--------------------------------------------------------------------

「アカギさん!」

 雀荘からねぐらへと帰る夜道、赤木は不意に呼び止められた。
 とっさに警戒の眼差しで相手を振り返る。それも道理。
 この界隈では赤木の顔を知るものはいても、
 名前まで知っているのはほんの一握りだけなのだ。

(面倒事か……? フフ…面白いかもな……)

 しかし赤木の予想はあっさりと裏切られた。振り返って見た先には、
 無邪気な瞳を興奮に輝かせている、自分と同じ年頃の女の姿があった。

「やっぱりアカギさん……赤木しげるさんですね!」
「え……?」

 嬉しそうに赤木に歩み寄るのはタイトなスーツ姿の女。
 下の名前までご丁寧に言い当てられ、赤木は柄にもなく呆気に取られた。

「誰だ、お前…?」

 相手の顔にはとんと見覚えがない。
 もちろん赤木にも行きずりで知り合った女くらい何人もいるが、
 こうして親しげに声をかけられる関係となると心当たりがないのだ。
189ゆきみとしげる 2/5:2006/05/09(火) 21:17:09 ID:???
 赤木の怪訝な表情に気付くと、
 女は少し慌てた仕草で胸ポケットから何かを取り出した。

「あ…すいません……! これで、わかるかな…?」

 女は前髪を掻き上げて額を露わにし、そしてサングラスをかけてみせた。
 それを見た瞬間、女の顔が赤木の記憶と合致する。 

「お前は確か、安岡が仕立て上げた――」

「覚えててくれたんですねっ……!
 そうです、ニセアカギこと平山ゆきみ……ちゃんと名乗るの初めてでしたっけ。
 あのときは本当にごめんなさい。あなたの名を騙ったりして……」

 平山が申し訳なさそうに下を向く。
 赤木は少し意外そうな顔でそれを眺めていたが、やがて口元を笑みの形に緩めた。

「いや…別に気にしちゃいねぇよ。
 どうせお前はあの刑事にていよく利用されただけだろ?
 フフ……とは言え、その面目を俺がぶっ潰す形になったわけだが」

「そんな…! 潰すだなんて……!
 むしろ私、感謝してるんです……あの時のこと」

「感謝…?」

 不思議そうに聞き返す赤木から目を逸らし、平山はおずおずと言葉を継いだ。
190ゆきみとしげる 3/5:2006/05/09(火) 21:18:33 ID:???
「確かに最初は、アカギさんのこと嫌な奴だなって思って……
 ひどいことも沢山言っちゃいましたけど……
 でも、そのあとアカギさんの闘牌を見て、私、感動したんです」

(ん? 浦部と戦ったとき、こいつ見てたか…?
 ……ああ、そういや部屋の隅で真っ暗になってるのを見たような…)

 自分の不名誉な姿を思い返されているとはつゆ知らず、
 平山は照れ隠しの笑みを浮かべながら顔を上げた。

「あれこそが……アカギさんのしているものこそが
 『本当のギャンブル』なんだって、気付かされました。
 憧れたんです……!
 それに私の仇を取ってくれたアカギさんの優しさにも……!」

 最後に脈絡なく付け加えられた発言を聞いて、赤木がぴくりと反応する。 

「お、おい…俺は別にお前の敵討ちのつもりは……」

「見たでしょ!? あの浦部とかいう出っ歯のヤらしい目!
 勝負の間中、私の胸元をジロジロジロジロ見やがって……!」

 いや知らねぇよそんなこと…という露骨な表情が赤木の顔に浮かんだが、
 幸か不幸かそれが平山に通じることはなかった。
191ゆきみとしげる 4/5:2006/05/09(火) 21:19:49 ID:???
「とにかく、あの夜以来、私はアカギさんの背中を追いかけてきたんです。
 アカギさんの言う『無意味な死』……博打の本質に一歩でも近づけるように…!」

 赤木は、手にしていた煙草を思い出したようにくわえ、
 フーッと大きく煙を吐き出した。

「やめろよ。くだらねぇ…」

 声に苦い感情がこもる。

「いたずらに俺のやり方を真似するようじゃ、やはり『ニセモノ』止まりさ。
 お前は海の深さを知らないのに、沖に向かって泳ぎだしているようなもん…。
 すぐに溺れるぜ……深みにはまって」

「で、でもっ…!」

「そもそもお前みたいのには向かない世界……。
 悪いことは言わない。足を洗うんだな」

 赤木はくるりと平山に背を向けた。
 そのまま歩き出そうとして、ふと足を止める。

「……まぁ、お前に会えて面白かったよ。
 たまには知り合いと話すのもいいもんだ。――それじゃあ…」
192ゆきみとしげる 5/5:2006/05/09(火) 21:21:19 ID:???
 軽く手を挙げ、赤木は平山の方を振り返りもせずに別れを告げた。
 ひどく簡単で優しげで、しかしそれゆえに決定的な――
 突き放すような声だった。
 サングラス越しの平山の目に映る背が、次第に小さくなっていく。
 平山はぎゅっと唇を噛んだ。

「……い…いつか絶対に認めてさせてみせるっ…!
 『ニセモノ』じゃなくて、
 混じりっけ無しの…ホンモノの『平山ゆきみ』をっ……!
 だから――!」

(だから、待ってて――私のことを覚えてて、赤木しげるっ……!)

 やがて赤木はちっぽけな写真という形で平山と再会を果たすことになるが、
 二人ともまだ知らない。
 行く末に待つ自分の運命も、そして相手の運命も。
193マロン名無しさん:2006/05/09(火) 21:33:59 ID:???
>>188-192
すごいおもしろかった!
194マロン名無しさん:2006/05/09(火) 22:48:35 ID:???
乙!だがその後のゆきみちゃんが鷲巣にああああああああ
195マロン名無しさん:2006/05/09(火) 22:51:56 ID:???
>194
餅つけ
196マロン名無しさん:2006/05/10(水) 00:53:52 ID:???
>>188-192
GJ!
ゆきみちゃんテラセツナス。その後の事を考えるとさらにセツナス・゚・(ノД`)・゚・。
197マロン名無しさん:2006/05/10(水) 01:40:56 ID:???
せっかくのパラレルなんだから、ゆきみちゃんには長生きして欲しい(´・ω・`)
198マロン名無しさん:2006/05/10(水) 02:09:09 ID:???
山中で亡骸を発見されるも、王子のキスによって目覚めるゆきみ姫・・・!とか
199マロン名無しさん:2006/05/10(水) 02:13:12 ID:???
かぼちゃパンツで白馬に乗った安岡を想像しました
200マロン名無しさん:2006/05/10(水) 08:37:19 ID:???
>197
同禿!

>199
朝からワロタ
201マロン名無しさん:2006/05/10(水) 08:43:32 ID:???
平山ゆきみタソ
鷲巣麻雀に挑むものの
致死量寸前で知恵を振り絞りからくも鷲巣邸から脱出
ふらふらになりながらも白服の追跡を逃れて街に無事下り
親切な人に助けられる…みたいなのはダメかね?
202マロン名無しさん:2006/05/10(水) 10:43:11 ID:???
「親切な人」で真っ先に南郷が思い浮かんだんだがw
しかしこのスレは職人さんが活発だなあ
赤木家もひろもしげみも続きが楽しみだ(0゚・∀・)ワクテカ
203安岡とゆきみ1/2:2006/05/10(水) 12:21:35 ID:???
女体注意。平山ゆきみと、安岡。コメじゃなくなっちゃったけど、書いたから投下する…!
ゆきみが貧乳だったら、アカギの代わりができるんじゃね?という妄想の副産物。
ただそれだけだ……っ!

──────────────────────

冷たい台の上に乗せられた体は、確かに見覚えがあった。
おかしな話だと、安岡は苦笑する。
顔よりも、体のほうにピンと来るなんて。
顔は、なんだか眠っているように安らかで、いつもの感じと大分違っていた。
なぜ、この顔がアカギとよく似ているだなんて思ったんだろう。

「男のフリなんて、見ればすぐに判るでしょ」
 話を持ちかけたとき、平山ゆきみは、呆れたような顔をして肩を竦めた。
「そうでもないさ、お前さんは、随分発育不良の気があるからな」
 安岡は、平山のコンプレックスを軽くくすぐったようだ。
白い頬がさっと赤くなって、安岡を見る視線がきつくなる。
 確かに、平山の体は、女性というには随分と丸みに乏しかった。
 少し余裕のある服を着れば、胸の膨らみはすぐに見えなくなってしまうし、腰の周りに詰め物をすれば、
くびれたウェストも、多少女性らしさを感じさせる尻もまったく存在感がなくなってしまうだろう。
 それに、背も高かった。ヒールのない靴を履いているが、安岡の身長を超えている。
 現在で言うところのモデル体型だが、その当時にはそんな発想はない。ただの背が高くて貧相な女だ。
 安岡は、平山のコンプレックスをすぐに見抜いた。伊達に刑事で飯を食っているわけではない。
 きれいな顔をしているし、磨けば光る素材だ。だが、本人がまるで気づいていない。
 安岡に言わせれば、今のままでも十分魅力的だが、別の方向で磨いてみたくなった。
 彼女に、アカギの偽者を演じさせる。
 この突拍子もない思いつきは、こうやって話してみると存外に上手くいきそうに思えた。
 顔立ちだけだったら、この女、アカギに本当によく似ている。まるで姉弟のようだ。
204安岡とゆきみ2/2:2006/05/10(水) 12:22:27 ID:???
「俺が、いろいろと世話をしてやるよ。俺の言うとおりにしてりゃあ、絶対に上手くいく」
「保障はあるの?失敗して殺されて埋められるなんて、ごめんだよ」
「お前なら、失敗はしないだろ?それぐらいの才能がある」
 平山が口を閉じた。
 彼女に才能があるのは本当のことだし、その才能に対する安岡の賞賛は案外素直なものだった。
 平山自身も、自分の才能をよく知っている。だから、女の身でありながら単身で雀荘なんかに出入りできる。
 素直な賞賛が、一番嬉しいものだ。実際、平山も悪い気はしないないようだ。
 勿論、策略込みでないといったら嘘になるかもしれないが、安岡の賞賛は本心でもある。
 彼女の才能、そして自分の経験。彼女となら、このばかばかしいとも思える思い付きが、十分以上に上手くいくと思えた。 
「あたしとあんたは、対等だと思っていいんだね?」
「そりゃあ、そうだ。あんたに惚れ込んでるからな」
 平山の問いかけに、安岡は、冗談めかした愛の言葉と、不器用なウィンクで答えた。
 その不器用さに、思わず平山は吹き出して笑ってしまう。
 柔らかな女性の微笑み。
 安岡の知る、『ゆきみ』の、唯一の微笑みだった。

「こんなになっちまって……」
 安岡は、平山の頬に触れた。
 真っ白で、冷たい頬。安らかな、眠っているような表情が、救いといえば救いだけど、柔らかさがなくて人形のようだった。
 なんで、この女を、アカギに似ているだなんて思ってしまったのだろう。
 そんなことを思わなければ、彼女はこんな死に方をしなかったんじゃないかと、思わずにはいられない。
「……笑えよ、ゆきみ」
 そう呼ぶのは最初で最後だ。
 感傷的にそんなことを考えた安岡の唇から零れ落ちた彼女の名前は、ほんの一時だけ空気を白く染めて、消えてなくなった。
205マロン名無しさん:2006/05/10(水) 13:56:17 ID:???
>203-204
GJ!
安岡も人の子…
206マロン名無しさん:2006/05/10(水) 16:30:45 ID:???
貧乳に萌えるやら泣けるやら(つд`)
207マロン名無しさん:2006/05/10(水) 16:50:23 ID:???
切ねぇえええ
208マロン名無しさん:2006/05/10(水) 17:24:32 ID:???
そもそもニセアカギのキャラや麻雀の『細い』ってイメージ
最初から女性だったて設定ありだよね。
209マロン名無しさん:2006/05/10(水) 20:00:14 ID:???
ラブでもコメでもなくて申し訳ないが、
このスレ見てたら無性に描きたくなったので杏慈たん描いてみた。
ttp://www.uploda.org/uporg386624.jpg.html
沼攻略に遠藤さんを誘ってるところ…と思って下さい。
210マロン名無しさん:2006/05/10(水) 20:26:21 ID:???
杏慈っ‥!ありがとう‥優しいおじさんっ
211マロン名無しさん:2006/05/10(水) 20:37:20 ID:???
美人な杏慈だなー
衣和緒に浮気してごめんよ・・・杏慈
212マロン名無しさん:2006/05/10(水) 21:13:16 ID:???
>209
GJ!!
萌 え たWWW
213アカギ×しげみ(5/4編)7:2006/05/10(水) 21:19:28 ID:???
>>178-184
の続き投下します


 あれは、四ヶ月前。年が明けて間もない頃のことであった。
 しげみは、六年ぶりに、まゆみに呼び出され、
新宿歌舞伎町にある、小洒落た、バーに来ていた。
 「あ!来た、来た。…しげみ久しぶり!!」
まゆみが、奥のカウンターで手を振っている。
 「……ホント久しぶり!!中学校以来だね!!」
しげみは、奥に向かって大声を張り上げ、店内を進み出した。
 夕刻の店内は、早くも若者がひしめいており、やかましいユーロビートが
しげみの鼓膜を、ひっきりなしにつんざく。
 なにしろ、こんな洒落た飲み屋には、ほとんど入ったことのないしげみは、
混みあった、しかも狭い店の中を、人と背中がぶつからないように、そぞろ歩き。
やっとまゆみの所までたどり着いたとき、
彼女のほかに、自分と同じくらいの歳の、女の子が二人、
ヒョロ長いパイプイスに腰掛けているのを見た。
 その二人が、しげみを見て、くすくすと笑っている。
 (…ハァ?…なにがおかしい?)
 周りの環境のせいで、幾分ハイテンション気味の、しげみはムッとした。
 しげみは、GAPの白Tシャツ、コムサの黒パンツスーツ上下、
小振りダイヤのピアスに、銀のネックレス。
PRADAのリュックと、黒皮のショートブーツ。…………
……全身ほとんど黒。ほとんど失敗する事がない無難な服装で
まとめてきたつもり、…で、あったのだが。
 (…そりゃ、…都心の大学に通うあんたらみたいに、…
…センスは良くないかもしれないけどさ…)
214アカギ×しげみ(5/4編)8:2006/05/10(水) 21:22:46 ID:???
 女の子らしいひがみを、胸に抱いたしげみだったが、
しかし、二人の関心は、しげみの服装よりも、彼女のショートヘア、…
……美しい、つやつや銀髪に向けられていた。
 「…綺麗なプラチナブロンドね。ウイッグ付けてるの?」
 ひとりが、遠慮なしの質問を、しげみに投げかけた。
 「……違います……もともとの生まれつきですが…なにか…?」
 しげみは気圧され、身を引き気味に答えた。
 「かっこいい!あたしもなってみたいなぁ〜。…
……ねぇ、もしかしてハーフ?それとも、クォーター?」
 名前も知らない二人は、ぺちゃくちゃしゃべりながら、しげみを見下ろし、
彼女の頭髪に触ったり、軽く引っぱったり、ペタペタ肩に触れたりする。
 顔が小さく、細身だが、メリハリのある体型のしげみ。…だが、じつは小柄。
そんなしげみに、警戒心、ライバル心は必要なし。…とのことなのだろう。
 (…なれなれしい奴らだ。少しは警戒しろっての!……まだ初対面だぞ…)
しげみは、心の中で毒づいた。
 そんな、しげみの心中を知らないまゆみは、その二人を紹介しだした。
 「…紹介するわ。…この〈酒井若菜〉似の子が、美香。…
…向かって左側の、〈のりぴー〉似の子が、沙織…。二人とも、私たちと同級生よ」
 「…初めまして……赤木です」(言われた芸能人に、たいして似てないけど…)と、
心の中でツッコミを入れつつ、しげみは深々と頭を下げた。
 「……いゃぁん〜!私たち、名前で呼び合ってるのよ!…
…水くさいじゃない、お名前も教えてよ〜」
 無邪気な二人にせがまれ、「しげみ」と答えた彼女は、ため息をついた。
 (…幼稚だ…。……これで大学生なんだもんな。…先が思いやられるよ…)
215アカギ×しげみ(5/4編)9:2006/05/10(水) 21:25:24 ID:???
 例の二人(美香と沙織)は、早速、付近の男たちにナンパされ、
しげみの席の近くで嬌声をあげている。
 「しげみ、社会人になって、どう?」
 まゆみは、バージニアスリムライトの箱から、タバコを一本、
引き抜きながら、こう聞いてきた。
 「まぁ…社会人とはまだ…言い難い…ね」
 しげみは、注文したカクテル。ソルティドックを、バーテンから受け取った。
 居候先のおじは、自営業で魚屋をしている。
しげみは現在、その、おじの仕事を手伝い、給金とは言い難い、
わずかな駄賃を貰うのみ。…目下、就職活動中だ。
 しかし、不景気が災いし、高卒では、なかなかいい職場が見つからない。
 「悪いこと聞いちゃったわね…」
 まゆみはタバコをくわえ、火を付けた。
 「…ま、なんとかなるでしょ」
 しげみは醒めた目で、ソルティドックを、口に含んだ。
 二人の間にしばし、沈黙が流れた。
 「…ね、あなた確か、麻雀できたわよね…」
 突然まゆみはこう言い出し、しげみのほうに向き直り、その目を覗き込んだ。
「…しかも、相当な腕だって、聞いたけど?」
 しげみは、まゆみを見返した。
「…麻雀?」
 しげみの目が、一瞬だけ鋭くなった。
216アカギ×しげみ(5/4編)10:2006/05/10(水) 21:27:43 ID:???
 「まゆみちゃん、どう?」、「…しげみちゃん、仲間に入ってくれそうかな?」
 ナンパ相手に飽きたのか、美香と沙織は、口々に言いながら、上機嫌で戻ってきた。
そして、しげみを見た二人は、その場で突っ立ち、微笑むのを止めた。
 「…ほら、すごいでしょ?…
……彼女、麻雀のことになると、目の色が変わっちゃうのよね…」
 「…………」
しげみは、興奮気味のまゆみを一瞥し、カクテルのグラスを見つめながらつぶやいた。
 「…なに?…まず…用件が知りたい…」
 美香と沙織は、しげみの横顔を、唖然とした顔で見つめていた。
 これが先ほどの、飄々とした、なんとなくおかしみと、親しみをかもしだす、
あの女の子と、同一人物だろうか。
 しげみの雰囲気は、一変していた。
 美しい、ショートカットの銀髪は言わずもがな、
伏せられた瞳は、静かな蒼い湖面のように輝き、
顔、首筋と、長袖から覗く両方の手指は、透き通るように白く見え、
頬と唇だけ、ほんのり赤みが差して、ぞっとするほど艶めかしい。
 (…この子…本当は…
………本当に……綺麗な子…なんだ…)
 美香と沙織は、ただただ沈黙し、しげみを真横から見つめるのみだった。
 「…じゃあ、単刀直入に言うわ」
まゆみは、うつむくしげみの顔を覗き込み、こう言った。
217アカギ×しげみ(5/4編)11:2006/05/10(水) 21:30:20 ID:???
 「お金に困ったとき、あたしたちね…
……雀荘に、三人で行って、『通し』をやってるの。…
…適当なおじさん一人捕まえて、三人で集中攻撃して、大負けさせて…、
……儲けた分、三人で山分け………」
 まゆみは、何やら思い出したのか、くっくっくっと忍び笑いをした。
 しげみは透き通るような瞳を、ゆっくりと、まゆみに向けた。
まゆみの目が、爛々と光を放っていた。
 「…しげみちゃんも……一緒にやらない?…」
 そのとき、しげみの目の色が変わった。まゆみは一瞬寒気をおぼえ、
思わずパイプイスから下りた。その背中が、美香、沙織にぶつかった。
しかし、三人とも、声が出ない。
 「…食われるよ」
しげみは、まゆみ達のほうを振り返りもせず、ただ、グラスを見つめながら、
つぶやいた。
 「……今はいい……でも…
…その相手が…………いつか鬼に変わったら、…獣に変わったら、…
…………あなたたちは………狩られる。……ひとり残らず…」
 カラリと、カクテルの氷が音を立てた。
 「………もうやめるのね。…そんな火遊びは…」
 しげみは、残りのソルティドックを飲み干し、五千円札をカウンターに置くと、
まゆみ達を一瞥した。
 「…それじゃあ、あたし…帰るわ…」
 しげみは、パイプイスからふわりと下りると、店の他の客に紛れ、消えた。
 三人はただ、呆然と、しげみを見送っていた。

(続く)
218マロン名無しさん:2006/05/10(水) 22:36:32 ID:???
かっけー
219マロン名無しさん:2006/05/11(木) 00:03:50 ID:???
しげみちゃんマジ惚れる
GJ・・・!
220マロン名無しさん:2006/05/11(木) 12:01:20 ID:???
>>203ので思いついた。

チキンランで生き残った13歳しげみ、
諸事情により男の学生服を着ていたため男だと間違われて
「坊主名前は?」と聞かれ、訂正するのもめんどくさいから赤木とだけ答える。
その後男だと思われたまま姿を消し6年後、
石川がすっかり女の身体になった19歳しげみに会う。
「女・・・!? いやしかしこの身にまとうオーラはあのアカギ・・・!」
「あらら、どうしたの南郷さん」
「アカギ・・・お前女だったのかっ・・・!?」
そして伝説へ。
221マロン名無しさん:2006/05/11(木) 19:46:59 ID:???
>>213-217
GJGJ!!しげみちゃんカコイイ!

>>220
想像して萌えたw
222アカギ×しげみ(5/4編)12:2006/05/11(木) 22:56:55 ID:???
>>213-217
の続きです

 歌舞伎町のバーの一件から、数日後のことである。
 しげみの心配は、現実となった。

 「おい!しげみ!電話だぞ!」おじが叫んでいる。
 店の冷凍庫の前で、魚をさばいていたしげみは、
手ぬぐいで、血だらけになった両手を拭うと、おじから受話器を受け取った。
 「…はい、変わりました」
 「あ…しげみちゃん、…お久しぶりね。…ふふっ…この間は、どぉもっ…」
 すぐにしげみは気がついた。まゆみの声だと。まゆみの声は、幾分怒りを含んでいた。
…でも、しかたあるまい。あのときは、こちらから一方的に、言いたいことだけ言い、
勝手に帰ってしまったのだから。
 「……まゆみじゃん!」
 しげみはわざと、嬉しそうに、かつ、のんきな声で返した。
 「この間は悪かったね、ははははは…ところで、あれから何かあった?」
 そして様子を伺う。しばらくまゆみは黙っていたが、突然くすくすと笑い出した。
 「ずいぶんなごあいさつじゃない…ふふふ…のんきなものね…」
 まゆみの声は、妙な自信にあふれていた。
 しげみは、なんとなく、まゆみのそんな様子に、嫌なものを感じた。
 「この間は、五千円札を寄付してくださって、どうもありがとう…
…ところで、今日の午後一時、空いてるかしら?」
 しげみはため息をついた。「…うん…まぁ…なんとか…」
 (…また金かかるのかよ…。あのときのバーで、五千円も出すという失態…!…
……痛い…。痛すぎた…!…。…なんであんな大金出しちまったんだろう、自分…)
 「…で、でもさ、…あたし、ぶっちゃけ、お金もう無いんだ。…
……よかったらウチで話さない?………ククク………ちょっと魚臭いけどさ…」
 そう言うと、受話器の向こうから、まゆみのため息が聞こえた。
 「…心配ご無用。そのぐらい、おごってあげるわ…。
……ふふふ…じゃあ、午後一時、例のファミレスでね…」
 電話はすぐに切れた。
223アカギ×しげみ(5/4編)13:2006/05/11(木) 23:00:13 ID:???
 お昼時を迎えた店内は、家族連れやカップルで、にぎわっている。
 しげみは、ファミレスの入り口に駆け込んだ。十分の遅刻である。
 「…遅い!」まゆみは、店のソファーにふんぞり返って待っていた。
 「…急に、…大量に、…刺身を作る注文が入っちゃって、…悪かったね…どうも…」
 まゆみは何も答えず、タバコを吸い終わると、大量の煙を吐き捨てた。
 「…へー。…今日はまた、ずいぶんと高飛車じゃない…」
 しげみが、席につきながら皮肉をいうと、まゆみは、煙を吐き出しながら、かがんだ。
 「…どうして、仲間になってくれないのかしら…?…不思議だわ…」
まゆみが、灰皿にタバコを押しつけながら、つぶやくように言った。
 「まだ言ってるのか!」
しげみは身をのりだし、まゆみの顔を覗き込んだ。
まゆみはそれから目をそらし、新しいタバコに、ライターで火を付けている。
 「…言ったでしょうが!『通し』は、やるなって!…
…イカサマなんかやり続けたら、きっといつかばれる!…
…それに…狙った相手によっては、すごく危険な目に遭うかもしれないし、…
…面倒なことにも…」
 「その心配はないわ」 「…は?」
 まゆみは煙を吐き出すと、ポカンとしている、しげみの顔を睨み付けた。
そして、勝ち誇るように微笑んだ。「サポートしてくれる人達が現れたの…」
 その言葉を聞いたとたん、しげみは、身体の力が抜けた。
わざと大きな音をたてて、ソファーに身体を投げ出す。
 「…そのことによって、私たちの集金力は、飛躍的にアップしたの。…
…めんどうなヤツを引っかけてしまっても、…ふふふ、…
…その人たちが、すべて解決してくれる。…
……私たちは、心配せずに、…『通し』だけに集中したらいい…」
224アカギ×しげみ(5/4編)14:2006/05/11(木) 23:03:00 ID:???
 「…ずいぶんと世間知らずだな!…ここまでばかだとは思わなかったよ!」
しげみは、ソファーから立ち上がると、テーブルをバチンと叩いた。
 周りの客が、みんな、しげみ達のほうを見た。それでもかまわず、しげみは続けた。
 「あのさ!…そいつら、…はっきりいうけど、…たぶん………ヤーさんだよ…」
 まゆみの冷めた視線は、バージニアスリムライトの箱にむいている。
「……その通りよ…ご名答…」そう言いながら、まゆみはタバコに火を付けた。
 それを見ていたしげみ。顔がみるみる、怒りで真っ赤になった。
斜にかまえるまゆみに向かい、鋭い言葉を吐き出した。
 「ついにやらかしたな!まゆみ!!あたしの心配したのは、それだったんだ!…
…ヤーさんは、最初は必ず甘い言葉で、ターゲットに近づくんだ。…
…今は優しいかもしれない…けど、そのうち、本当の狙い、本当の姿を見せるときが
絶対に来る!………そうなってからでは、…なにもかも遅いんだ!……まゆみ…!」
 しげみは、荒い息をついた。呼吸をすることさえも、思わず忘れたのである。
 まゆみの返答は、そんな彼女が驚くほど、冷酷なものだった。
 「…ご忠告、どうもありがとう。…
…さすが、ご親戚にその筋のかたがいらっしゃるだけあって、…
……アドバイスが的確ですこと…」
 しげみは、心臓を、強い力で握りつぶされたような、痛みと衝撃を受けた。
…それでもしげみは、中学からの大切な友人のために、声をしぼりだした。
 「…やめなよ…今からでも遅くない…遅くないよ。…
…堅実に生きるんだよ。まゆみ…」
 「堅実?…うふふ。…そんな言葉、あなたが口にするなんて、滑稽ね。…
…キレると、何をしでかすか、分からない。…
…あなた今まで、…何人の人間を病院送りにしてきたのよ?…この野蛮人!」
 しげみは、いたたまれず、ファミレスを飛び出した。
 彼女の瞳からは、大粒の涙が、次から次へと、あふれだしていた。
225アカギ×しげみ(5/4編)15:2006/05/11(木) 23:04:26 ID:???
 そして、それから三ヶ月過ぎた、四月の中旬。
 午後六時過ぎ、しげみは、美香とともに、雀荘に向かっていた。
『通し』が行われている雀荘まで、あとわずかな距離。
ふたりは急いでいた。ビル内にある、雀荘までの階段を駆け上る。
 その雀荘で、しげみは、思わぬ人物と再会することになる。
 今のしげみはまだ、それを知らない。
226アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/11(木) 23:07:52 ID:???
続く。
今回の話しは、終了まで、もう少しかかりそうです。
227マロン名無しさん:2006/05/12(金) 02:45:40 ID:???
アカギきそうw
228マロン名無しさん:2006/05/12(金) 08:07:03 ID:???
次で再会かな?いつもGJ!
229マロン名無しさん:2006/05/12(金) 20:40:39 ID:???
しげみちゃんまだかな?(*´∀`)
230マロン名無しさん:2006/05/13(土) 00:36:41 ID:???
前スレ、学園フクモトの続きも読みたいなあ
231マロン名無しさん:2006/05/13(土) 01:48:27 ID:???
あれは最高だったw
232マロン名無しさん:2006/05/13(土) 02:34:12 ID:???
涯とあんじが保健室に行ったって下りが
なにやらソソるのですがWWW
233マロン名無しさん:2006/05/13(土) 03:03:59 ID:???
そこは目を付けてなかったぜww
234マロン名無しさん:2006/05/13(土) 10:12:07 ID:???
銀二先生と森田先生のロマンスとかも見てみたかったw
235マロン名無しさん:2006/05/13(土) 10:26:49 ID:???
そこはノーマークだったwww
236マロン名無しさん:2006/05/13(土) 11:20:00 ID:???
おいしい所多いなw
237マロン名無しさん:2006/05/13(土) 12:56:36 ID:???
ここってネタスレかと思ってたらみんな割と本気で萌えてんだなw
238マロン名無しさん:2006/05/13(土) 13:00:29 ID:???
腐女子丸出しですね。

腐女子だからね。
239マロン名無しさん:2006/05/13(土) 13:25:52 ID:???
本気で萌えつつも、たまに我に返って落ち込んだりする
240マロン名無しさん:2006/05/13(土) 14:11:01 ID:???
にんげんだもの

みつを
241マロン名無しさん:2006/05/13(土) 14:16:47 ID:???
>>237
ネタスレと思っていたら、前スレで出てた脱衣麻雀の杏慈タン画像で
自分の何かがはじけとんだ。
242マロン名無しさん:2006/05/13(土) 14:22:52 ID:???
>>241
あそこから全てが始まったんだ・・・
ここって女性が多いの?
243銀二と鉄緒:2006/05/13(土) 14:55:35 ID:???
ここで空気を読まずに、「銀と金」森田女体化SS投下しますよ。
244銀二と鉄緒 1/3:2006/05/13(土) 14:56:14 ID:???
マネーゲームは、何も日本国内に限ったことではない。海外の政財界の動向も影響する。
そして、海外の財界人との繋がりを持つためには、まず外国語、せめて英語だけでも身に着けておかなくてはならない。
通訳を雇うことも出来るが、もしもその通訳が買収されていて、こちらに正しい情報を伝えてくれなくては困るし、
間に第三者を挟んでは、相手の意思の細かいニュアンスまで伝わりにくい。
そのために、銀二は英語をマスターし、同じ理由で森田にも英語を習わせている。

そんなある日。

「銀さん、これ、何ですか?」
一仕事終えて、銀二と共に銀二のマンションに戻った森田は、テーブルの上にあるビデオケースよりひと回り大きいくらいの箱を指差した。
箱の表に何も書かれていないところを見ると、梱包していた外箱は他にあったのだろう。
「ああ、そいつは映画のビデオだ」
「銀さんも映画観たりするんですね」
「おいおい、随分な言い草だな。俺だって四六時中金のことばかり考えてるわけじゃねえんだぞ?たまには息抜きくらいするさ」
そう言って銀二が苦笑する。
「もっとも、そいつは俺が観るために買った訳じゃねえが」
「え?じゃあ、どうして買ったんです?」
「お前のテストをするためだ」
「・・・テスト・・・ですか?」
途端に森田の表情が険しくなる。
「そいつは、まだ日本で正式輸入も上映もされてねえ。つまり、吹き替えや字幕のないアメリカ直輸入版だ。
 内容が知りたきゃ、お前のその耳で聴き取って、理解するしかねえんだよ」
「・・・何か、いきなりハードルが高くないですか?」
「そのくらい出来なきゃ、高い金払って勉強する意味がねえだろうが」
「それはそうですけど・・・」
245銀二と鉄緒 2/3:2006/05/13(土) 14:57:00 ID:???
「安心しな。ミステリーやサスペンスのような、登場人物の多い小難しい作品じゃねえ。台詞も少ねえし、単純明快な話だ。
 そんなに構えるこたぁねえよ」
「はあ・・・」
どんな作品だろうかと、森田は箱を手に取って開けてみる。
中から出てきたのは、一目見てそれと解る、おどろおどろしいパッケージイラスト。
「・・・ホラーですか・・・?」
「ククク、だから単純な話だと言っただろ?」
確かに、ホラー映画というのは、ストーリーも登場人物の台詞もパターンが決まっている。
謎解きや犯人探しという、ミステリーやサスペンスの要素を含まなければ、殆どが、ただ殺人鬼が暴れまわるだけで終わってしまう。
しかもタイトルから「BALLY THE RIPPER」と、それだけで粗筋が解りそうな、いかにも二番煎じのB級映画の臭いを匂わせている。
「・・・銀さん、こういうの好きなんですか?」
「何だ、怖いのか?」
「いえ、私も好きなんですよ、ホラーとかオカルトとか。嬉しいな、日本未公開作品を観られるんですね」
と言ってパッケージの封を開ける森田の顔は明るい。強がって見せているわけではなく、本当に楽しそうだ。
勉強の為とはいえ、ホラー映画を観せるなんて、と、拗ねられるかと思っていたのだが、思いのほか、あっさり受け入れられて、
銀二は少々肩透かしを食らった気分になる。
ホラーは嫌だと言われた時のために、子供向けのファンタジー映画のビデオも用意していたのだが、どうやらそれは用無しのようだ。
「勿論、銀さんも一緒に観るんですよね?」
「・・・え?」
「だって一緒に観て、私の和訳が正しいかどうか判断してくれなきゃ、テストになりませんよ?」
「それはそうだが・・・」
「・・・もしかして、怖いんですか?」
そう言って森田は、からかうように喉の奥でクククと笑う。
森田の仕草を見て、変なところで俺に似てきやがってと銀二は胸の中で呟きながら、言葉に出しては、
「・・・大人をからかうもんじゃねえぞ」
246銀二と鉄緒 3/3:2006/05/13(土) 14:57:38 ID:???
と怒り顔を作って、森田の額をつつく。
「すみません」
と、森田は謝るが、顔が笑っている。
ふてぶてしくなってきたものだ、と、銀二は思う。
この世界に引き入れた時には、何も解らずただ言われるままに右往左往していた小娘が、こうして今、自分と対等の口を利いている。
元々素質があり、その才能を磨くために他者があれこれ尽くしても、本人が努力しなければ輝きは放たない。
生意気な口を利くようになっても、それが成長の証しだと思えば、可愛いものだ。
「一服入れたら、一緒に観ましょうね」
そう言って森田は、銀二の部屋の中にあてがわれた、自分の部屋へ戻っていった。



ちょっと長いので、続きはまた後程。
247マロン名無しさん:2006/05/13(土) 15:08:40 ID:???
>>243
て、て、鉄緒来たっ‥!!

じた‥じた‥しながら待ってます!
248マロン名無しさん:2006/05/13(土) 15:20:33 ID:???
銀さんかっけーな
249マロン名無しさん:2006/05/13(土) 15:28:47 ID:???
うわwww
萌える!カコイイ
250アカギ×しげみ(5/4編)16:2006/05/13(土) 15:44:46 ID:???
>>222-225
の続きです。銀さんは渋くて乙!

 しげみは、雀荘のガラス扉を、横に、カラカラと開けた。
…うらぶれた雀荘。狭い店内には、ほとんど客がいない。
 カウンターに座る、やる気のなさそうな、じいさんにじろりと見られながら、
しげみは、部屋のなかを見渡した。
 手前に二台ほど、昔ながらの麻雀卓が置かれている。
 そして、部屋の脇に置かれている、年季の入った長ソファーに腰掛ける、
ミッキーマウスがでかでかと上下プリントされた、赤いスエット姿の、角刈りの大男。
彼は、日刊スポーツ紙を大きく広げて、熱心に読んでいる。
 …その奥の雀卓に、見覚えのある、長い茶髪のウエーブヘアが見えた。
 「…まゆみ!」声をかけてしげみは駆け寄った。美香もその後に続く。
 まゆみは、しげみの顔を見た。…およそ、三ヶ月ぶりの再会である。
 まゆみは、タバコをくわえていたが、それを口から取り、指先でつまんだ。
側に立つしげみを見て、なにやら言いかけたが、あわててうつむき、
灰皿にタバコを押しつけた。
 「…よけいなマネ!…美香ちゃん」…まゆみは美香をちらりと睨んだ。
 「…だってぇ…」美香は困ったように、口をとがらせた。
 「……今日、沙織ちゃん、熱が出て調子悪いからって…、…
……まゆみちゃん、困ってたから…」
 顔を幾分赤らめ、まゆみは言い返した。「だから…!……
……今日は、田中さんに卓に入ってもらうことになったからいいんだってば!」
 まゆみの横の席に座る、黒のワイシャツ、黒いネクタイ、白いスラックス姿の
サングラスを掛けた、痩せた若い男が、その田中なのだろう。
 彼は、昔ながらの雀卓に、片肘をつき、大あくびをしていた。
……かなり眠そう、かつ、暇そうだ。
251アカギ×しげみ(5/4編)17:2006/05/13(土) 15:47:14 ID:???
 「……ね…まゆみ達…何時にここに着いたの?」
 しげみがまゆみに尋ねると、まゆみは、しげみの顔をちらりとだけ見て答えた。
「…五時半頃よ…」そして続けた。「…こないのよね…客が。…
…くそっ!…こんなこと初めてだわ…」
 (『通し』の餌食にしたい客が、ただの一人も訪れていない…)
 しげみは、目を伏せた。
 (…あたしの到着時間と、あんまり変わらないんだ…
…じゃあ、あのレジにいる、じいちゃん以外、…
…この雀荘にいる全員が、『通し』仲間ってこと?…
……て、いうことは、ヤーさんは、田中ってやつと、角刈りの男か…あとはいるのか?…
……大勢だとしたら、…ちょっと、やっかいだな…)
 そのとき、チョンと、しげみのブラウスが引っぱられ、
ふいにしげみは、現実に引き戻された。…美香だった。
 美香は、しげみを上目遣いで見、こっそりと、すまなそうに言った。
 「…しげみちゃん…ごめんねー」
 しげみは一息ついて、美香に微笑んだ。
 「…いいよ美香ちゃん。…それよりも、まゆみに何事もなくて安心したよ」
そして、思わず、くすくす笑った。
まゆみは、しげみのほうを見ず、顔を赤らめたまま、下を向き、タバコを吹かしている。
 「…素直じゃないんだから」後ろから美香の、ため息まじりの苦笑が聞こえてきた。
 以前、まゆみに言われた、ひどいイヤミを思い出すと、…
……我ながら、お人好しだと思うのだが……、
なにしろ、先刻、美香が自宅に突然電話を掛けてきて、
「まゆみちゃんが、たいへんなの〜!!」と、泣き声でわめき、
何が大変なのか聞いても要領を得ず、とにかく慌てて指定された駅まで、
電車で駆けつけたのだった。
252アカギ×しげみ(5/4編)18:2006/05/13(土) 15:50:09 ID:???
 …とにかく、まゆみや、みんなが無事でよかったと、
しげみはホッとしているところだったのだ。…そのときである。
 「…あんた、ここ、初めてかい?」
 肩を叩かれ、しげみは振り向いた。
(……む!…もう一人は…こいつか?)
 「これはこれは…、…ずいぶんと、かわいらしいお嬢さんだ。…
…どうだい?…これからこの卓で、半チャン勝負、やってみようか?」
 しげみにこいつ呼ばわりされているとも知らず、男の右手が、まゆみの座る卓を指し示す。
そして、もう片方の左腕を、しげみの肩に、いきなり回してきた。
 彼からただよう、キツい香水の臭いと…、…妙な馴れ馴れしさに…ドン引き!
…………しげみは、寒気をおぼえた。(…うぇぇ〜)
 「木村さん…その子はお客さんじゃないの…」
まゆみは、煙を吐き出しながら言った。「…あたしの友人、赤木しげみよ…」
 (…木村っていうのか…)しげみはそろりと、横目で、その男を見る。
 …おそらくヴェルサーチかと思われる、ド派手な赤い柄シャツと、
胸部を飾る、太い、十八金ネックレス。
 ……しか見えなかったので、もっとよく観察しようと、しげみは目線を上げてみた。
 そのとたん、しげみのあごは、指先で、くいっと、上に持ち上げられた。
……しげみが、直撃を受けた木村の顔は、…気持ち、石原良純に似ていた……。
彼の目は、異様に生き生きと輝いている。
 「…しげみちゃんと言ったね。…君みたいな可愛い子に出会えてとても嬉しいよ。…
…まあ、そこの卓の席に掛けなよ。…
…ぼくと、君だけで、…少しお話しようじゃないか…」
 まゆみ、田中、角刈り男の間に……(ああ、また始まったよ)…という空気が流れている。
 美香が、無邪気に言った。「あたしも、やられたことある〜♪」
 片頬が引きつったしげみのこめかみから、なにやら、気味の悪い冷や汗が流れ出た。
253アカギ×しげみ(5/4編)19:2006/05/13(土) 15:53:46 ID:???
 ……そのとき、雀荘の扉が、ガタリと音を立てた。
 曇りガラスに写る人影の感じからみて、二人、客が入るようだ。
 美香があわてて、まゆみの座る卓に走り込む。
 そのあとすぐに、最初の客が、店内に足を踏み入れた。
 ひとりは人が良さそうな、中肉中背の、仕事帰りっぽいサラリーマンの中年おじさん。
 そして少し間が空き、入ってきたもう一人は…
しげみはひとめ見て、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けた。
 …若い男。
 黒のカジュアルシャツ。ジーパンにスニーカと、格好は地味だが、
スラリとした身体。端正、かつ精悍な顔つき、
鋭い光を宿す切れ長の瞳。
……そして、その男の髪の色は、鈍い光を放つ銀髪。

 しげみは、木村の手を、軽く払いのけながら思った。
 (……あたし……この男……前から知っているような気がする…)
 しかし、懸命に思いだそうとしても、しげみの過去の記憶に、その男の姿はない。
 (…初めて見るひとなのに………なぜだ?…)

(続く)
254アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/13(土) 15:54:39 ID:???
つぎはアカギが大暴れ…
255マロン名無しさん:2006/05/13(土) 15:58:32 ID:???
しげみちゃん来た!
アカギが大暴れ期待してます!面白そう!
256マロン名無しさん:2006/05/13(土) 16:30:03 ID:???
本当に小説みたいだ
257マロン名無しさん:2006/05/13(土) 16:50:19 ID:???
>>244-246
前スレでは大人の恋愛を見せてくれたので
今回も大人のエロスたのむwww期待汁!

>>250-253
乙!乙!乙www!
先がまったく見えないスリル
258マロン名無しさん:2006/05/13(土) 16:58:30 ID:???
ほんと職人さんに恵まれてるなここ(*´д`)
259マロン名無しさん:2006/05/13(土) 17:14:59 ID:???
素敵な職人さんは居るは、賑わってるはで凄い良い感じだ!
260マロン名無しさん:2006/05/13(土) 17:49:36 ID:???
>250
乙!つ、ついに来たっ・・・!!毎度毎度続きが気になるぜっ・・・!

そして流れに乗って投下。
前スレ873でちょろっと書いたアカギ×衣和緒の続きです。
あらすじ・鷲巣麻雀の説明を終えた衣和緒に、アカギが出したルールの変更点。
      それは常人の神経を超えたことだった・・・・。
      「金などいらない・・・俺が勝ったら結婚して頂きたい」
261※女体化注意:2006/05/13(土) 17:50:10 ID:???
男は、変わらず不適な笑いを浮かべている。
こちらは、男の放った言葉に、まだ愕然としていた。
…結婚?
……結婚って…?
「…ばっ、馬鹿を言うな貴様っ…!」
混乱している衣和緒より先に、白服の一人が声を荒げる。吉岡だ。
「魂胆がみえみえだっ…! この金だけじゃ飽き足らず、
 鷲巣様の資産をそっくり手にしようと言うんだろう…。浅ましいっ…!」
闇の女王と呼ばれる衣和緒の夫となれば、莫大な資産が手に入る。
今までも、その金目当てに言い寄ってくる男が山ほどいた。
もちろんそんな男共には目もくれず、衣和緒は金を積み上げて来た。
だからこそここまで巨万の富を築くことが出来たのだ。
衣和緒ははっとし、目の前の男、赤木しげるを睨んだ。
この男も、自分の資産を我がものにしようとする愚かしい者か。
そう思うと急激に嫌悪を覚える。…汚らわしい…。
声を荒げる吉岡と、あからさまに不快を顔にする衣和緒を見ながら、アカギは笑みを深くした。
それから心外だ、と言うように肩をすくめる。
「…資産ね…それこそそこの5億が残った金の全てだって聞いてるぜ…。
 言っただろう、そんな金などいらない…」
アカギは右手を衣和緒に向けて差し出す。
2622※女体化注意:2006/05/13(土) 17:50:53 ID:???
「俺が欲しいのは…鷲巣衣和緒…お前だけ…」

―ドクンッ!

身体中を電流が駆け抜ける。
心臓がかつてないほど早鐘を打っていた。
顔がかーっと熱くなる。耳まで熱い。
「そんなに赤くなって…クク…可愛いな…鷲巣衣和緒…」
「えっ…あっ…!? な、何を言って…」
衣和緒は思わず顔を手で覆う。初めて味わう感覚だった。
恥ずかしい、だがそれと同時に、どこか…嬉しい。
なんだ、なんなんだ、この感情は。
分からぬまま、衣和緒は恥ずかしさから顔を伏せる。
男共が見ていたのは、衣和緒の後ろの金だった。
それか、ただ身体・・・とりわけ衣和緒の豊満な胸を嘗め回す様に見るぐらい。
しかしアカギは、しっかりとただ一点、衣和緒の目を射るように見る。
(欲しいと・・・わしが欲しいだと・・・?
 そんなこと・・・言われたことがない・・・)
早くなる鼓動に引きずられそうになりながら、衣和緒はゆっくりと顔を上げた。
鋭い視線に己がそれを絡み取られ、再度、その目に射抜かれる。
どくどくと心臓はまだ早くなる。視線を外そうにも外せない。
・・・魅入られている、悪魔に。
263マロン名無しさん:2006/05/13(土) 17:51:05 ID:???
石原よしずみで噴いたwww
2643※女体化注意:2006/05/13(土) 17:51:24 ID:???
「どうです・・・受けて頂けませんか・・・?
 俺はただ純粋に・・・貴女が欲しいだけ・・・」
甘い声がゆるりと耳へ入る。
鼓動を刻む心臓と、赤くなる顔を抑えれられない。
衣和緒はもう耐えられないという風に頭を振り、のち、ゆるゆると顔を上げると、頷いた。
「いいだろう・・・受けよう、その条件」
「鷲巣様っ・・・!」
「鷲巣様っ・・・!」
白服たちが慌てた声で衣和緒を呼んだ。
恐らく今までの人生の中で一番とも言えるほど白服たちは焦っていた。
なんと言っても結婚だ、結婚。
金がなくたって破滅したっていつも鷲巣様のそばにいると誓い合った白服一同、
今回の「結婚」という事態にかなり焦りと憤りを感じている。
我らが鷲巣様があんな得体の知れぬ男のものにっ・・・!
つうか純粋じゃねえだろ!
しかしそんな焦りも正気を失っているに近い衣和緒には届かない。
何とかしなくては・・・我らが鷲巣様が・・・鷲巣様がっ・・・!
「・・・・・・待ったっ・・・!!」
衣和緒の側近を務めて早十数年、吉岡が、動いた。
「・・・そ、その条件・・・受ける代わりに・・・こちらからも条件を出させてもらう・・・。
 お前の命20万点を・・・2万点に減らす・・・! 一度でも鷲巣様に順位で下回れば・・・
 それだけで即死・・・! そこまで、減らさせてもらうが、よろしいかっ・・・!」
その通りも引っ込む条件に、他白服黒服どころか衣和緒までもが驚く。
2万点だ。順位でもそうだが直撃やツモでもあっという間に消えてしまいそうなか細い生命線。
誰がそんな無茶通すものか、その場にいる誰もが思った。
2654※女体化注意:2006/05/13(土) 17:52:02 ID:???
・・・しかし、またもこの男はとんでもないことを言い出す。
「・・・ああ・・・構わない・・・」
「!!」
吉岡の発言の驚きを引きずったまま全員が再度驚愕する。
事の発端、アカギは、この上なく楽しそうな笑みを浮かべていた。
正面の衣和緒を見据え、その笑みを深める。
「だいいち、そちらの条件を飲まなければこちらの条件も通らない・・・。
 そうなると、今夜の勝負の肝心かなめ・・・
 貴女を手に入れられないのだから・・・しかたがない・・・」


今夜の勝負の肝心かなめは金だ!

今まで忘れ去られていたに等しい安岡と仰木が心の中でそう叫ぶなか、
奇しくもそのまま鷲巣麻雀は始まっていった。

勝負の行方はまだわからないと思いたい。
266マロン名無しさん:2006/05/13(土) 18:02:40 ID:???
>>260
乙! アカギ×衣和緒:鷲巣麻雀編、待ってました!
白服一同の焦りっぷりがたまらんw
267マロン名無しさん:2006/05/13(土) 18:10:58 ID:???
アカギと鷲巣様の恋の行方も気になるが、
白服達のうろたえっぷりが、面白杉WWWWW
268マロン名無しさん:2006/05/13(土) 18:12:05 ID:???
>>260
優しいおじさんっ‥!
続きが気になって仕事に身が入らんw
269マロン名無しさん:2006/05/13(土) 18:18:33 ID:???
ローンロンロンロンロンロンロンローンwww!!
ディープだ!
この上なくディープ!!
乙!!!
270銀二と鉄緒:2006/05/13(土) 18:19:25 ID:???
>244-246の続きを投下。
271銀二と鉄緒 1/5:2006/05/13(土) 18:20:16 ID:???
風呂と食事を終え、リビングのテーブルに酒と肴を並べ、部屋の電気を消す。
ホラー映画を観るのなら、やはり周りは暗闇でなくてはならない。
傍目でも判るほど楽しそうにビデオのリモコンを操作する森田だったが、いざ映画が始まってしまうと、
きゃあきゃあ叫びながら銀二の腕にしがみついて、離れない。
怖がっているのかと思いきや、顔を伏せるわけでもなく、視線は画面に釘付けである。
風呂上りの女の匂いと、腕に当たる暖かく柔らかな感触が情欲をそそるが、相手にその気がなければ押し倒しても意味がない。
森田の教育の一環とは言え、冗談半分で買ったビデオだ。元々銀二には、興味のない作品である。
いささか暇をもてあましていた銀二だったが、映画を観ながら笑ったりおびえたりと、ころころ表情を変える森田を見ていると、
何だか可笑しくなってくる。
仕事の時は、ポーカーフェイスで表情を固めて感情を押し殺している森田だが、
銀二の前で見せる顔は、どこにでもいる若い娘と変わらない。
血を血で洗い、生き馬の目を抜く殺伐とした世界に身を置きながら、この娘はまだ、こんな可愛らしい表情が出来るのだ。
このまま、変わらぬように育てたい。
美しく、逞しく、したたかに、それでいて人間らしく。
難しいだろうが、不可能ではないはずだ。そうでなくては、この世界に引き入れた意味がない。
森田自身が選んだ道とは言え、人ひとりの人生を、まったく作り変えてしまう、銀二自身の人生をも賭けた、大仕事だ。
これ以上の愉しみが、この世にあるだろうか。
何も知らず、画面に食い入っている森田の百面相を眺めながら、銀二はグラスを傾けた。
272銀二と鉄緒 2/5:2006/05/13(土) 18:20:53 ID:???
「あー、面白かった!」
部屋の明かりを点けて銀二の隣に座りなおすと、森田はリモコンを取り上げてビデオを巻き戻す。
「本当に内容が解ってるのか?きゃあきゃあ騒いでいただけじゃねえか」
そう言って苦笑する銀二に、森田は眉を寄せて抗議する。
「ちゃんと解ってますよ。肉屋の主人が、肉を切りさばく愉しみが高じて人殺しまで行き着いてしまったって話でしょ?」
「そんなもん、言葉が解らなくたって、観てりゃわかるだろ?」
「だって、殺人鬼自身がそう言ってたじゃないですか」
「言ってたな。そうか、ちゃんと台詞を聴き取れているな、だったら合格だ」
「合格ですか?良かった!」
そう言って森田は自分のグラスを取り、乾杯をするように銀二のグラスと合わせた。
「これ、実話を基に作ったらしいですけど、真実1、虚構9くらいの割合ですよねえ?」
すっかり氷が融けてしまったグラスをちびちびと傾けながら呟く森田の台詞を、銀二が聞き咎める。
「そんなこと、どこで知った?」
「パッケージの中のブックレットに、監督のインタビューが載ってるんですよ。収監されてる実際の犯人への取材もしたそうですよ」
森田に言われて、銀二はパッケージの中にあるブックレットを取り上げる。
軽く目を通すと、確かに森田が言ったとおりのことが書かれていた。どうやら、読解力の方も問題がなさそうだ。
予想以上の森田の成長ぶりに、つい口元が緩みそうになる。
「実際の犯人にインタビューした割には、余り殺人鬼の迫力がないんですよねえ、これ」
「ホラー映画ファンとしては、物足りなかったか?」
森田は、一瞬驚いたように目を丸くし、その後ふと苦笑する。
「やだな、銀さん。自分で仕組んでおいて忘れないで下さいよ」
「・・・え?」
「私は、『本物の殺人鬼』と闘って、生きて帰って来たんですよ?」
そう言って森田は、不敵に笑う。
273銀二と鉄緒 3/5:2006/05/13(土) 18:22:16 ID:???
ぞくり、と、何かが銀二の背をつたう。
いつの間に、この娘は、こんな表情が出来るようになったのか。
空威張りではない、実力と経験に裏打ちされた豪胆な発言と表情に、これほどそそられたのは初めてだ。
(・・・胆を据えて育てねえと、骨抜きにされちまうかもな・・・)
だが銀二は、そんな感情はおくびにも出さず、
「なるほどな、本物に勝る恐怖はねえか」
と言って笑う。
「さて、テストも終わったし、俺はもう寝るがお前はどうする?また観るか?」
「いえ、私も寝ます。せっかく買って来てくれた銀さんには悪いですけど、そう何度も観たい映画じゃないし」
「そうか」
そう言うと銀二は、森田をひょいと抱き上げた。
「・・・いつも思うんですけど、銀さん、よく私みたいな大女、軽々と抱き上げられますね?」
「なーに、コツがあるのさ。引越し屋が箪笥を抱え上げるようなもんだ」
「・・・私は箪笥ですか?」
「ククク・・・確かに箪笥は、こんなに柔らかくねえな」
そう言って銀二は、ちょうど目の前にある大きなふくらみに顔を寄せる。
「もう、下品な事言わないで下さいよ!」
抗議の言葉を右から左へ流し、森田を抱いたまま器用にドアを開けると、
銀二は、壊れ物を扱うように優しく森田をベッドの上に下ろした。そして、
「じゃあな、おやすみ」
そう言って背を向ける。
「・・・え?」
「何だ、そんな顔して。怖い映画を観たからって、一人で寝られねえ歳じゃねえだろ?」
そう言って森田の髪をひと撫ですると、そのまま銀二は部屋を出て行ってしまう。
ドアの閉まる音で、ようやく森田は事態を理解した。
274銀二と鉄緒 4/5:2006/05/13(土) 18:23:05 ID:???
(・・・え?本当に置いてきぼりなの?)
普通の女なら、男にお姫様抱っこで寝室まで運ばれれば、その先を期待する。それが、心を寄せる男ならなおさらである。
大体、銀二と肌を合わせるのは昨日今日の話ではない。銀二のマンションに泊まった日は、ほぼ必ず銀二の腕に抱かれて眠る。
ところが、今日に限って銀二は一人で寝ろと言うのだ。
飽きられたのか。もう女として見て貰えていないのか。元々銀二とは、仕事の上でのパートナーなのだ。
銀二からすれば、森田を抱いたのは好意からではなく、退屈しのぎの、ほんのつまみ食い程度の感覚だったのかもしれない。
銀二の器量なら、他に何人でも若い女を堕とせるのだから、森田一人に固執する必要はないのだ。
どんどんマイナス思考に引きずられていく森田の耳に、軽い咳払いの音が聞こえた。
(・・・え?)
音のする方へ意識を集中すると、ドアの向こうに人の気配を感じる。
「・・・銀さん、そこにいるんですか?」
予想通り、返事はない。だが、確かに銀二はそこにいる。へこんでいたせいで、その気配に今まで気づかずにいただけなのだ。
「銀さん、いるんでしょ?」
やはり返事はない。沈黙の間、森田は思考を巡らせる。
銀二に本当に森田を抱く気がないのなら、とっくに自室に戻っていていいはずなのだ。
にもかかわらず、銀二は何かを待つように、森田のドアの前にたたずんでいる。それは、つまり・・・。
(私の方から誘えってこと?)
銀二と情を交わすとき、仕掛けてくるのはいつも銀二の方である。森田も、それを当たり前のように受け入れてきた。
だが、男女の色事は一方が押してばかりでは成り立たない。たまには引き、また押すことで、情が絡み合っていくのだ。
もちろん、理屈としては森田もそれが解っている。だが、羞恥心がその前に立ち塞がる。
海千山千の銀二と違い、森田はまだ21歳で、しかも「女」になったばかり。文字通り「小娘」である。
森田の方からすんなりと「抱いてください」などと、言えるわけがない。
しかし、今夜のことも、裏を返せば「森田の方から誘う」ように、銀二が仕掛けてきたのだから、これは受けなくてはならないのだ。
道理は解る。身体も銀二を欲している。しかし、感情が納得しない。
(もしかして、これも何かのテストなのかな・・・?)
275銀二と鉄緒 5/5:2006/05/13(土) 18:24:14 ID:???
基本的に森田は、女の方から男を誘う事を浅ましいとは思わない。女にだって欲はあるのだ。
もちろん、それに関しては銀二も同意見だろう。
だから、ここで銀二を誘ったとしても、銀二を失望させることはないはずだ。
むしろ、誘わなかった方が、銀二を失望させるだろう。
お前にとって、俺はそんな程度の男だったのか、と思われるかもしれない。
だが森田にとって、銀二以上に心を占める男はいないのだ。
森田の中で、銀二への独占欲と、自身の羞恥心が葛藤する。
自分から誘い、なおかつ羞恥心をもごまかせるような、何か適当な台詞はないものだろうか。
森田の脳裏に、ふと、別れ際の銀二の台詞がよみがえった。


続きはまた後程。
276マロン名無しさん:2006/05/13(土) 18:31:58 ID:???
あまりにこのスレが萌えすぎて…萌えすぎてッ!!
SS保管庫をつくってしまったよ!!
ttp://lovecome.web.fc2.com/index.html
とりあえず前スレ分まとめてみた。
277マロン名無しさん:2006/05/13(土) 18:40:06 ID:???
銀二と鉄緒(*´д`*)

>276
圧倒的感謝っ…!
見やすいね
278マロン名無しさん:2006/05/13(土) 18:54:07 ID:???
>>276
待っていた…この時をっ……!
100万回ブクマした
279マロン名無しさん:2006/05/13(土) 19:10:02 ID:???
>>276
見やすいっ…!GJGJ…!!

銀二と鉄緒、相変わらずアダルティーw
280マロン名無しさん:2006/05/13(土) 19:11:04 ID:???
鉄緒かわいいよ鉄緒っ‥(*´Д`)

>>276
おおお!ありがとうっ‥ありがとうっ‥!ブクマさせて頂いた!
281マロン名無しさん:2006/05/13(土) 20:46:41 ID:???
>>271-275
いいねwww
大人の男女の恋愛テラカッコヨス

>>276
いい仕事してますねwww
これぞ皆の衆が待ち望んでいたもの!
282マロン名無しさん:2006/05/13(土) 21:12:18 ID:???
>>276
圧倒的感謝っ…!  乙ですっ!
283銀二と鉄緒:2006/05/13(土) 21:36:37 ID:???
>271-275の続きを投下。
284銀二と鉄緒 1/3:2006/05/13(土) 21:37:35 ID:???
森田は、考えついた誘い言葉を何度も口の中で反芻しながら、意を決して立ち上がった。
ドアにもたれかかるように、口を寄せる。
「・・・銀さん・・・そこにいますよね・・・?」
もちろん、返事はない。
「・・・やっぱり、怖い映画を観た後は、一人で寝るのが怖いです・・・一緒に寝てくれませんか・・・?」
一言一言言うたびに顔が紅く染まるのが、森田自身にも判る。
やがて、ゆっくりとドアノブが回った。
「随分待たせるじゃねえか」
そう言って銀二は、さも可笑しそうにクククと笑う。
「・・・悪趣味ですよ、女の方から誘わせるなんて・・・」
森田はうつむいたまま、銀二と視線を合わせない。目を合わせたら、羞恥のあまり泣き出してしまいそうだ。
そんな森田をいたわるように銀二は優しく抱きすくめると、なだめるように長い髪を撫でてやる。
「お前なら、絶対誘ってくると思っていたよ」
「・・・どうしてですか・・・?」
「そうなるように、仕込んだんだからな」
「・・・やっぱり、悪趣味です・・・」
そう呟いて銀二の肩に顔を埋めたまま、森田は一歩も動かない。
銀二は、もう一度森田の身体を抱き上げると、再びベッドの上に下ろす。
「さて、一緒に寝てくれと言ったが、本当に『一緒に寝る』だけでいいのか?」
一瞬、銀二の言葉を理解出来ず、森田は目を丸くする。が、銀二の意図を察すると、さすがに怒って銀二に背を向けた。
「一緒に寝てくれるだけで結構です!でも、私寝相悪いから、蹴飛ばされても知りませんよ!」
森田にすれば、ありったけの勇気を振り絞って、羞恥心を蹴飛ばして、ようやく銀二を部屋へ招き入れたのに、
銀二の、この仕打ちはないだろう。
森田が、怒りと羞恥と失望感に、今にも泣き出しそうになるのを必死でこらえていると、銀二が優しく髪を撫でてくる。
「今のは冗談だ。そう怒るな。俺が悪かった」
285銀二と鉄緒 2/3:2006/05/13(土) 21:38:45 ID:???
銀二の台詞は真摯だが、声は笑っている。森田がなおも背を向けたままでいると、突然耳元で囁かれた。
「・・・なあ、森田。お前が欲しいんだ、抱かせてくれないか・・・?」
自分から突き放しておいて、いきなり直球勝負である。
「・・・頼むよ。このままじゃ、俺が寝られねえ・・・」
銀二の言葉の中に、笑みがない。心底、哀願しているような声だ。
それが、手練手管に長けた男のテクニックだと解っていても、その台詞に、森田の心の中の怒りが溶かされていく。
森田の、そんな心の揺らぎを悟ったように、背後から銀二の手が伸びてきて、森田の顎を摘んだ。
そのまま手首をひねって、銀二の方を向かせる。森田は抵抗しないが、潤んだ目でじっと銀二を睨みつけている。
ゆっくり唇を寄せていくと、突然森田が口を開いた。
「・・・銀さんは・・・ずるいです・・・」
「ククク、そうだな。いい勉強になっただろう?『平井銀二』は、悪趣味なずるい男だと」
軽く森田と唇を合わせてから、銀二は言葉を続ける。
「だがな、森田。そんな男と飽きもせず付き合えるお前もまた、悪趣味なずるい女なんだよ」
「似た者同士ですか?」
「ああ、似た者同士だ」
お互い、顔を見合わせてクククと笑う。
「似た者同士なら仕方ないですね、えっちさせてあげます」
「ククク、そりゃ有難い。感謝するよ・・・」
そう言って銀二は森田の身体を抱きすくめると、今度は深く口付けた。
286銀二と鉄緒 3/3:2006/05/13(土) 21:40:08 ID:???
翌朝、上機嫌で朝食の支度をする森田に、銀二が問いかける。
「・・・しかし、昨夜は随分あっさりと機嫌を直したな」
「だって、『似た者同士』って事は、私と銀さん、対等の立場と考えていいんですよね?」
「・・・俺は最初から、お前を対等の相手だと思ってたんだが・・・」
「・・・本当に?」
「本当さ」
「やっぱり銀さんは、ずるいです」
「・・・やれやれ、すっかり信用をなくしちまったな・・・」
銀二は苦笑しながら、煙草に火を点けた。


以上、お粗末さまでした。エロなくてスマソ。

>276
乙です。これでいつでも萌えを補給出来るw
287マロン名無しさん:2006/05/13(土) 22:05:18 ID:???
鉄緒すげーかわいい!!
288マロン名無しさん:2006/05/13(土) 22:06:28 ID:???
萌え転げたっ…!GJGJGJ!!
鉄緒マジでカワユス(*´д`)
初めての夜とか気になるw
289マロン名無しさん:2006/05/13(土) 22:41:20 ID:???
鉄緒可愛すぎるっ・・・!なんかムラムラしてきたww
290マロン名無しさん:2006/05/14(日) 00:00:38 ID:???
>>290
同じくw
291マロン名無しさん:2006/05/14(日) 00:03:33 ID:???
今日は何の祭りですか…!
銀さん鉄緒の関係は本当に萌えるよ…
GJです!
292マロン名無しさん:2006/05/14(日) 00:37:37 ID:???
鉄緒www
くぅぅぅぅぅう
293マロン名無しさん:2006/05/14(日) 03:35:18 ID:???
学園フクモト 前スレ続き

保健室
保健室に来た杏慈と涯
市川「足首を捻挫・・・?どれどれ・・・」
杏慈「ひっ・・・!」
杏慈のフトモモをさわさわする保健医市川
涯「おいっ・・・!何やってんだよ・・・!」
市川「悪い悪い・・・なにしろ目が見えないんでな・・・まー、湿布貼っときゃ治んだろ」
涯「いい加減なじいさんだな・・・杏慈、もう授業終わるし、教室戻るぞ」
杏慈「一人でいけば・・・」
涯「はぁ・・・?なんだよ、何怒ってんだ?」
杏慈「・・・別に・・・」
涯「一人で歩けんのかよ・・・」
杏慈「さあねっ・・・分からない・・・!バカだからっ・・・!」
涯「あ・・・まさかさっき言ったこと気にしてんのか・・・?けつの穴の小さい奴・・・」
杏慈「な、なによっ・・・!言うなよっ・・・!女の子に向かってけつがどうとか・・・!」
涯「・・・女の子・・・?」
杏慈「何が言いたいのよっ・・・!もう早く出てってよ・・・!」
涯「なんだその言い草・・・!せっかく人がここまで・・・」
しげみ「ククク・・・杏慈さん、ケガはどう・・・?」
涯「赤木・・・!」
杏慈「別にっ・・・!たいしたことないわよっ・・・!」
しげみ「そりゃよかっ・・・ん・・・!」
さりげなくしげみの尻をさわさわする市川・・・その手はエロハンドっ・・・!
しげみ「じじい・・・」
涯「またかよ・・・!このセクハラ教師・・・!」
市川「おっと・・・悪いな、目が見えないもんで・・・」
294マロン名無しさん:2006/05/14(日) 03:37:43 ID:???
ブラックジャック市川キターーーーー!!
295マロン名無しさん:2006/05/14(日) 03:37:54 ID:???
しげみ「・・・そろそろ戻らないと、次の授業遅れるわよ」
涯「ああ・・・じゃあな、杏慈」
杏慈「はぁ・・・!?なに二人で帰ろうとしてんの・・・!行くわよ・・・!私も・・・!」
涯「さっき早く出てけって言ったのは誰だよ・・・」
杏慈「な、なんのこと・・・?ほら、肩貸しなさいよ・・・!歩けないんだから・・・!」
涯「わけわかんねえ奴・・・」
しげみ「ククク・・・案の定ひねた性格・・・」
杏慈「うるさいっ・・・!」

昼休み
美心「カイジく〜〜んっ・・・!一緒に食べよ・・・!美心特製お弁当・・・!」
カイジ「うっ・・・!い、いや今日はその・・・パン買ってきてあるから・・・」
美心「ダメっ・・・!偏っちゃう・・・!そんなんじゃ栄養が・・・!ね・・・!食べて食べてっ・・・!」
お手製サンドイッチをカイジの口にねじ込む美心
カイジ「むぐっ・・・!委員長っ・・・!分かった食う・・・!食えばいいんだろっ・・・!」
一条「ダメですっ・・・!」
そこに現れた一条(女)・・・!となりのクラスの学級委員長である・・・!
美心「な、なによ〜っ・・・!邪魔しないでよ・・・!嫌ね、女の嫉妬って・・・!」
一条「し、嫉妬なんかしてない・・・!美心さん、あなた忘れてるでしょう・・・!
   今から委員会があること・・・!」
美心「あっ・・・!でも、でも、カイジくんとのランチが・・・!欠席・・・今日だけ欠席・・・!」
一条「知らないわ・・・汚い・・・野良犬の事情など・・・!出席しなさい・・・!」
美心「ひ、ひっど〜い・・・!」
カイジ「一条・・・!いくらなんでもその言い方はねえだろ・・・!」
一条「なによ・・・!フッ、お似合いね・・・!野良犬同士・・・!」
カイジ「一条ぉ〜っ・・・!」
美心「キャーっ・・・!お似合いだって・・・!やっぱりー・・・!?」
騒いでるカイジたちを尻目に昼食をとる他生徒たち
アカギ「ククク・・・それ、南郷さんが作ったのか・・・?豪華だな・・・」
涯「ああ・・・今日は機嫌良かったらしくて・・・必要以上に豪華・・・」
涯の弁当はまさしく重箱っ・・・!もはやちょっとしたおせち料理・・・!
296マロン名無しさん:2006/05/14(日) 03:40:56 ID:???
杏慈「あれ、転校生・・・!あんたお弁当は・・・?」
しげみ「・・・忘れた・・・」
杏慈「はあ・・・!?意外にぬけてんのね・・・!」
しげみ「ククク・・・杏慈さんほどじゃないわ・・・」
杏慈「なっ・・・!」
涯「オレのやろうか・・・?量多くて食いきれねえし・・・」
しげみ「・・・お弁当を忘れたのは私のミス・・・だからいいのよ・・・食べられなくても」
涯「なに言ってんだ・・・そんな理屈じゃ小学生もねじ伏せられないぜ・・・
  腹へって、後で困るだろ・・・食っとけよ」
しげみ「・・・・・・・・どうも・・・」
戸惑いながらも礼を言うしげみ
涯「オレも弁当残すと困るしな・・・母さんが泣きわめくから・・・」
しげみ「フフフフ・・・」
杏慈「な、なに一人でカッコつけちゃってんのっ・・・!転校生・・・!私もやるわ・・・!玉子焼き・・・!」
しげみ「ククク・・・ありがと・・・」
アカギ「じゃ、オレもやるよ・・・」
食べ残りのパン・・・つまりパンくずをしげみに渡すアカギ
しげみ「それはいらない」
アカギ「なんだ・・・つれねえなあ・・・」

放課後
しげみ「涯、帰らない・・・?一緒に・・・」
涯「え・・・」
杏慈「あ・・・?」
カイジ「あーダメダメっ・・・!涯は杏慈と帰るんだもんな・・・!いつも・・・!」
しげみ「やだな・・・本当にできてたの・・・?二人・・・」
涯「そんなんじゃねぇっ・・・!」
杏慈「い、家が近いから一緒に帰ってるだけっ・・・!」
カイジ「そんなこと言って・・・!好きなくせに・・・!」
杏慈「ぐっ・・・!なに言ってんのっ・・・!だ、だれが涯なんかっ・・・!
   私が好きなのは銀二先生みたいな大人の男っ・・・!ガキなんか興味ないわよっ・・・!」
涯「なんだよっ・・・!杏慈の方がよっぽどガキじゃねぇかっ・・・!すぐ怒るし・・・!」
297マロン名無しさん:2006/05/14(日) 03:42:17 ID:???
杏慈「あ、あんたがガキくさすぎるからイライラすんのよっ・・・!」
しげみ「フフフ・・・じゃあ、私と一緒に帰る件・・・いいのね・・・?」
カイジ「え〜っ・・・!しげみさんっ・・・!涯じゃなくて・・・オ、オレと一緒に・・・」
美心「カイジくんっ・・・!!決定・・・!美心の鞄持ち決定っ・・・!」
カイジ「はあっ・・・!?なんでっ・・・!?」
美心「自分の胸に手をあてて考えなさいっ・・・!ほら持ってっ・・・!レッツ帰宅・・・!」
カイジ「ぐうっ・・・!か、髪ひっぱるなよ、委員長っ・・・!」
しげみ「・・・で、どうなの・・・?」
涯「・・・別に・・・いいけど・・・」
杏慈「ちょっ・・・!待ちなさいよ・・・!」
しげみ「ククク・・・ガキには興味ないんじゃなかったの・・・?」
杏慈「それとこれとは別問題っ・・・!あ、足がまだ痛むから一人じゃ帰れないのよ・・・!」
しげみ「フフ・・・涯じゃなくたっていいじゃない・・・
    そこの・・・さっきからニヤつきながらこっち見てる男に送ってもらえば・・・?」
その男とはアカギ・・・!
アカギ「ククク・・・オレは構わねえが・・・」
杏慈「ううっ・・・!あんたこそなんで涯と一緒に帰りたがってるのよ・・・!」
しげみ「・・・気に入ってるから・・・」
涯「えっ・・・!?」
杏慈「なっ・・・!」
しげみ「さよなら、杏慈さん、また明日」
涯の手をとり教室を出るしげみ
涯「あ・・・ちょっとっ・・・!」
杏慈「うううっ・・・!なんなのよ、あの女っ・・・!」
アカギ「ククク・・・ククク・・・面白いな・・・お前ら・・・!」
298マロン名無しさん:2006/05/14(日) 04:14:50 ID:???
アカギの位置がおいしすぎるwwwwwww
299マロン名無しさん:2006/05/14(日) 05:20:17 ID:???
最高wwwwwww三角関係にwktk
300マロン名無しさん:2006/05/14(日) 07:12:34 ID:???
300なら職人さんどっさり。
301マロン名無しさん:2006/05/14(日) 08:50:48 ID:???
>>293-297
キターーーー!!
GJwww!!
これこそラブでコメの王道だとオモ
302マロン名無しさん:2006/05/14(日) 09:50:09 ID:???
エロハンド市川の言い訳っぷりにもワロスww
303マロン名無しさん:2006/05/14(日) 10:21:36 ID:???
>>293
しげみの「んっ…!」が実にエロい件
304マロン名無しさん:2006/05/14(日) 10:53:14 ID:???
鉄緒がむちゃくちゃかわいい・・・・
てか銀さんかっこよすぎ。
305マロン名無しさん:2006/05/14(日) 13:21:49 ID:???
一条キタwwww
ってことは西条もくるかな?

職人さん神wwww
306161・165:2006/05/14(日) 13:54:30 ID:???
遅ればせながら、>>276様に圧倒的感謝っ……おつ華麗様です!
また何か書かせて頂かねばっ。
307ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/14(日) 14:08:36 ID:???
>>276 保管庫作成乙っ…!そしてGJ…!これでいつでも萌えられるw

小出しで申し訳ないけども>>152-155の続き投下。
308ひろ×しげみ(※女体化注意)1/2:2006/05/14(日) 14:09:21 ID:???
2001年、元旦の朝――――。

歳の始めのためしとて、終わりなき世のめでたさを――とはいうものの、
六畳間のちゃぶ台の前でむっつりと黙り込んでいる青年…井川ひろゆきにとって
この年明けは惨憺たるものであった。

「ねー少年ー、いい加減機嫌直しなよー…ほら、呑んで食べてさっ…」
「そうそう、元旦からそんな怒った顔してちゃあツキも逃げるわよ?」
「…………別に、怒ってないですよ…」
少し年嵩の女性二人――天の妻たちが申し訳なさそうな愛想笑いを浮かべて
湯飲みにお屠蘇(焼酎だが)を注ぐが、ひろゆきは酒には手をつけず
眉間に皺を寄せて黙々と田造りなどをつまんでいる。

「そうそう。ひろ、俺らみたいなのがツキ逃したらおまんまの食い上げだぜー?」
能天気な天の言葉に、ひろゆきのこめかみがぴくりとする。
「そりゃ確かに、年越しキスの邪魔したのは悪かったけd―――」
「わーーーーーーーっ!?」
「キス」という単語が出た途端に大声をあげ、天の口を手で押さえるひろゆき。
「亜うぇdrftgyふじこlp;;!!!」
…既に日本語になっていない。顔は耳まで真っ赤である。

「…ひろさん、近所迷惑」
「え、あ……はい。」
優雅に伊達巻をつまんでいたしげみに諭され、ひろゆきはしおしおと元の位置に座る。

「何だ何だ、もうすっかり尻にしかれ――……うわっ、おっかねえっ…」
懲りずにからかおうとする天を三白眼で思いっきり睨みつけ黙らせると、
ひろゆきは本日何度目かの溜息をついた。
309ひろ×しげみ(※女体化注意)2/2:2006/05/14(日) 14:11:06 ID:???
   ―――結局、昨夜の騒ぎの後どうなったかというと――。

ひろゆきの怒声に驚いた近隣住民がやってきたところを天夫妻が酒でごまかし、
何故かそのまま近隣住民も巻き込んだ突発的新年会になだれ込み、
乱痴気騒ぎの中で初日の出を拝み、客が帰ったあとは力尽きて寝てしまい―――

…当然、そんな中でしげみと込み入った話が出来るわけもなく、
ひろゆきとしげみの間に微妙な雰囲気を残したまま、新年最初の朝を迎えたのであった。

しげみの方を横目でちらりと見やると、もう食事を終え、食後のお茶をすすっている。

(…………本当に、夢だったんじゃないだろうか)
雪がちらちらと舞う、あの物干し場での出来事は。
戸惑うように自分を見上げる、歳相応の少女らしく頬を染めたあの表情は。
そう思わせるほど、しげみの様子はいつもと変わらない。
その様子がまたひろゆきの心をざわつかせた。

ひろゆきはふと考える。
何故自分は、こんな一回りも歳下の少女の一挙手一投足に一喜一憂しているのか。
いや、原因は判っている。とっくに判っているつもりだ。だって、それ以外にないじゃないか。
でなければ、雰囲気に流されたとは言え、あんな―――

と、しげみの眼がひろゆきの眼を捉えた。視線が交錯する。
…横目で見ていたはずが、いつの間にかじっと見つめてしまっていたらしい。
心の中を見透かされそうなその眼差しに、思わず眼を背けてしまい…
次の瞬間には、己の反応に後悔していた。
(…な、何やってんバカ…これじゃまるで避けてるみたいじゃないか…!)

ひろゆきも、今までに恋愛経験がなかったわけではない。
だが、今の自分はまるで初めての恋に戸惑う中学生のようだ。
(ああもう、何がなにやら…)
そしてひろゆきはまた、人知れず溜息をつくのだった。
310マロン名無しさん:2006/05/14(日) 14:17:33 ID:???
今北さん用に学園フクモトのキャラまとめてみた。
修正頼むっ………!

杏慈♀……涯と幼なじみ。素直になれない女の娘。
涯♂……杏慈と幼なじみ。杏慈に振り回される少年。
*毎日涯と杏慈は一緒に登下校している。
[涯の両親など]
南郷♀……涯の母。家庭的な巨乳。
安岡♂……涯の父。チョイ悪オヤジ。
鷲巣♂……南郷さんの職場の上司。遅刻した人間には杖で制裁。
*両親は共働き。
[同級生たち]
カイジ♂……常に美心の監視下にある。ヘタレ気味。
美心♀……クラスの委員長。カイジへの愛に燃えている。
アカギ♂……クールで大人っぽい悪漢。が、実はおっぱい星人。
しげみ♀……転校生。美人。涯を気に入っているようで、
杏慈から嫉妬されている。
一条♀……となりのクラスの委員長。美形だが毒舌気味。
[教師]
森田先生♀……杏慈たちのクラスの担任。大柄巨乳セクシー。
男子生徒から人気。車の運転は荒い。体育教師。
銀二先生♂……となりのクラスの担任。大人の渋さゆえ女子に人気。
たまに、何かと喧しい森田クラスを注意しに来る。数学教師。
市川先生♂……盲目。保健室の先生。生徒の身体を盲牌。
311ひろ×しげみ:2006/05/14(日) 14:17:56 ID:???
最後のほう「だ」が抜けとるがな(´・ω・`)
×何やってんバカ
○何やってんだバカ
312マロン名無しさん:2006/05/14(日) 17:34:16 ID:???
ど、どこから乙して良いのやらっ‥!
とにかく職人さんGJGJ!!

日曜日憂鬱だけど、萌え補給したし明日からまた頑張れそうだw
313マロン名無しさん:2006/05/14(日) 17:53:33 ID:???
土日っていいな・・・乙!
314マロン名無しさん:2006/05/14(日) 19:08:44 ID:???
今頃ひろとしげみや銀さんと鉄緒がデートしてたりするんだろうなー
315【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:42:00 ID:???
朝…汚い自分のアパートで目が覚めて…
ああそうだ…今日は日曜日だ…そう自覚すると少し…途方に暮れる…!
ぼんやりと部屋を見渡し、壁の時計に目をやる。10時半。寝すぎたみたい。
とりあえずごそごそ起き上がって、口をゆすいでみたりする。
やることなんてない。時間だけが有り余っていて途方に暮れる。
せっかくだからもう一度ねようかな。でも寝すぎると頭痛むし…
ぼんやりと新聞をひろげているうちに、ふっと思い出した。
そうだ、包丁を研いでもらおう。
さっそく私は着替えると近所のスーパーに自転車を漕いで行った。
316【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:42:31 ID:???
 スーパーの前の研ぎ屋に包丁を預け、私は何とはなしに店内をうろつく。
小春日和の日曜日の午前。カップルや家族連れがちらほらと散らばっている。
例えば、私の斜め前の二人。ペットボトルの棚のまえでどちらにするかなんてたわいのない
話をしている。何がおかしいのか不意に二人とも声を合わせて笑い出した。
 私には…そんな風に笑いあえる人なんていない…でもいい。三十路半ば過ぎてしまえば…
そんなものなんて…気にしない…
 でも後ろから私を越していった三人…家族連れを見たとき、胸がぎゅっと痛んだ。
「ねえ、おかーさんこれかってー!」
「じゃあ、このチョコビあきらめる?まーくんがチョコビあきらめるならこのEカードチョコ買ってあげる」
「えーやだー」
「はは、まーもずいぶん欲張りだな」
甘え盛りの年頃の子に、たしなめる母に、苦笑いで見ている父。
たったそれだけのありがちの事なのに…見ていられなくてそっと三人から目を背けた。
 もし私の人生がまとも…平均的なルートをたどっていたなら…今頃は…公園で
「ねーおかーさん、こんどはぼくのばんだよー!」
「すごーい!遠くに飛んでいっちゃった!未来の大リーガーね!」
なんてキャッチボールしたりして…
 こんな幻がまぶたの裏に浮かぶ。でももういい。考えても仕方のないことなんだから。
でも早く店を出よう。いたたまれない思いで私は目当ての飴と適当な飲み物を買うとそそくさと
店を出た。研ぎあがった包丁を受け取ると、いつもの公園へ私は自転車を走らせた。
317【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:43:14 ID:???
 公園ではいつも広場に行かないように注意する。この公園のメインにいつもいるのは親子連れ。
ここで新米ママがいつも子供を遊ばせて、ママ仲間とのおしゃべりに夢中になっている。新米
ママ…そう私より年下の…彼女たちからしてみれば日曜日の昼から公園で本読んでいる独り身
の女なんて変な人にしか思われない。私を見る彼女たちの視線はいつも…好奇のまなざし。
ーあの人、いつも一人で本読んでいるわ。昼間だというのに…
ーなんか怪しいわね…あ、こっち向いた。くわばらくわばら。
 こんな視線に晒されてまで広場に居座りたくないから、団地の陰側のベンチが私のいつもの
席になっている。
 公園にそもそも行かなくてもいいのに?そう、映画館、ウィンドーショッピング、喫茶店…
行くところはあるはず。でも二十代の頃ならいざ知らず、三十路過ぎた女は…どこでも浮く。
ウィンドーショッピングしてももう心がわきたつことなんて…昔は楽しかったのに。
部屋に引きこもってビデオみるのも辛気臭くて、いつの間にか日曜日はこんな過ごし方して
しまう。他の独り身はどうしているのだろう…こんな一人ぼっちの時…時間だけは無駄にある
一人ぼっちの時は…
 こんな物思いにふけりながら私の目は活字を滑る。古本屋で買った一冊100円のどうでもいい
ミステリー。筋も大方予想通り、ただ今意外な犯人の登場なり。
 もうオチが読めたので、ここで切り上げようと本から顔を上げたとき、私の後ろの茂みから
男の子が這い出てきた。男の子はそのまま裏口にいる母親のところへむかっていく。そばに自転車
を止めたまま、彼女は仲間としゃべっている。男の子はゆっくりと近づいていく。一歩…二歩…
たどたどしいけど、一所懸命に…
 突然母親たちは自転車に乗り込みそのまま行ってしまった。男の子には目をくれずに。
「バカ親…!」
事の成り行きを見守っていた私はあわてて男の子を抱き上げ、道に出て追いかけようとした。
でももう彼女たちは行ってしまった。後に残されたのは男の子と私だけ。
318【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:43:59 ID:???
親が目の前の子供を置いていくなんてありえない。男の子を抱き上げたまま呆然としていた。
男の子の重さが腕にずっしりと来る。もう二三歳のころなんだろう。男の子は腕の中で私を見上げて
手を伸ばしてきた。
「だめよ…私お母さんじゃないから…」
何か言おうとするけど上手く口が開かなくてまっまっまともごもごしている。ママと言いたいのかしら?
じゃあ、私がママを探してあげる。
「ボク、名前は?」
男の子は口を開きかけたけど、言葉がもごもごしてわからない。
「なーまーえー。教えてくれないとママのことわからないよ?」
でもまだもごもごしたまま。一瞬途方にくれて目を下にやれば靴に「菊地」が…そうかこの子は
向こうの角の「キクチ」の子かも…とひらめいた。男の子を抱き上げたまま「キクチ」の家へと
向った。
 「違う…」
「キクチ」は「キクチ」でも「菊池」と一文字違いで大違い。まさかこの「菊池」に預けるなんて
ことできないし…交番に行ったほうがいいかしら?それとも公園に戻って男の子の母親が戻ってくる
まで待った方がいいかしら…思いあぐねる。
319【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:44:36 ID:???
 「どうしようかな…」
ぼやいていると男の子が私の指を握ってきた。小さい子らしいやわらかさでくすぐったい。
「こらこらっ、ママじゃありませんよ、私は…おばさんです!」
思わず微笑みかけると男の子は私にしがみついてきた。まだミルクの匂いがする。
「だめだめ…」
男の子の攻撃から逃れようと男の子を両手で差し上げた。ちょうどたかいたかいをするように。
 バサッ…木の枝に男の子の頭が当たってしまった。わっと男の子は泣き出す。
「ごめんね、ごめんね…」
あわてて男の子の頭をなでても一旦泣き出したらもう止まらない。
「ほーら、こわくなーい、こわくなーい」
何とか笑わせようと目をぎょろ目にしたり口をひょっとこのようにすぼめて百面相にしたら、
次第に泣き声が小さくなっていく。
「ほーらおばさんの顔面白ーい面白ーい」
また男の子が笑い出し私の顔をぺちぺちたたいてきた。満面の笑顔…小さい子ってこんなに無邪気に
笑えるんだ…腕の中の子に笑いかけているだけで私まで楽しくなってくる。私はポケットの飴を取り出し
男の子の口に含ませた。ちゃぷちゃぷと音を立てて飴を頬張っている。口からよだれがあふれたけど、私は
かまわず指でぬぐってやった。
 「ねえ、おばさんと一緒に公園でママを待とうね、捜しに戻ってくるかもしれないし」
さすがに腕が疲れたので背負う。背中の男の子の重みはとても快い。
「菊地だから…菊坊でいいよね」
320【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:45:08 ID:???
 こんなに声を上げて笑ったのは久しぶりだった。私は両手で顔を伏せ、菊坊の目の前で一気に開いて
おどけた顔をみせてやる。菊坊はすっかり迷子になったことなんて忘れて私に擦り寄ってくる。
ひざまずいた私の背丈ぐらいしかない小さい子…そんな子を…そんないたいけな子を置いていくなんて…
「大丈夫、まだ日は高いわ、夕方までにはくるわよ」
菊坊を抱き上げると顔を一所懸命覗き込んでくる。一所懸命…そんないたいけな子を迷子にするなんて…
私だったら置き去りにする真似しないのに…そう、私だったら。私だったら…
 菊坊が目をこすり始めた。眠いのだろう。そっと菊坊の尻のあたりを触ってぬれていないか確かめる。
まだトイレは大丈夫なようだ。私は菊坊を胸に抱き上げて横になった。
 横になってみると体中に菊坊の重みがずっしりと伝わってくる。もしこの子が私の子だったら…
目を閉じると菊坊のこれからが目に浮かんでくる。そう、菊坊と私のこれからが…
 この子は数年後に小学生になる。その入学式にはきっと私は慣れないスーツなんて着込んで
しゃちほこばって父兄席から菊坊を見守っている。写真をうんざりするぐらい撮るんだ。
そしてクラスで手を上げる菊坊の手はいつも自信満々のパー。面映い思いで後ろの父兄席から
眺めて、ふっと微笑んだりしてみたりして…
 そして水泳が始まると泳げるようになったって胸を張って私にいの一番に教えてくれるの。
そしたらよくやったねと笑って頭をなぜてやろう。そして奮発してステーキなんてこしらえて
やろう。
 そう…この子はどんどん大きくなる。この子のこれからを見守りたい…
 まぶたの裏で菊坊はどんどん大きくなっていく。すぐに中学生の制服姿、自転車に乗れるように
なったらもう、バイクを乗りこなし、そしていつしか背丈が私を越え、背広姿で背を向けて
家を出て行く菊坊になった時ー私は菊坊を抱く腕にそっと力を入れていた。
いつかこんな日が来るかもしれないけど…でもこの子は…
321【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:45:41 ID:???
 −まずい…起きたか…?
 −大丈夫、寝言だ…
 ぷつんと菊坊の映像が途切れる。かわりに何か違和感…それはすぐに悪い予感に変わってしまった。
薄目を開けると周りを警官たちが取り囲んでいる…予想外のことに思わず体が動かない。
逮捕?いや、事情を話せばわかってくれるはず。ゆっくりと目を開け愛想よく微笑んで見せた。
 「突入!」
 警官たちが瞬時に私を取り押さえ、私と菊坊を引き離していく。警官の腕の中の菊坊に手を
伸ばすが、小突かれもがくしかない。
 「容疑者確保!」
容疑者!?事情を話せばわかってくれるはず。しかしもがけばもがくほど警官たちは私を小突き
締め上げていく。警官たちの下敷きで何も見えない。最悪な状況ということはわかっていても、
何がどうなっているのかわからない。
 「間違いないな…ひっとらえろ…!」
 野太い声とともにベンチから引き摺り下ろされ、警官たちが私の両手をつかんで連れ出し始めた。
 「話ぐらい…聞いて…聞いてーっ!」
 だけど男たちの力にはかなわない。ぐいぐいと私を引きずっていく。せめて菊坊だけでもと
無理に首を回すと、菊坊の母親が菊坊を抱き上げたまま私をにらんでいた。私より若い彼女は涙に
ぬれた目で私をにらんでいる。そして私に決して渡すまいときつく菊坊を抱きしめていた…
 しかし警官が彼女をかばったせいで隠れて消えてしまった。
 「こらっ…見るな…怯えているだろうが!」
 私だって…菊坊のこと…大事に思っていたのに…自分の子のように…
 「何がわかるの!あなたたちに!赤の他人に!」
 思わず思いが怒りとなってこみあげ、あらん限りの力で警官たちをふりほどこうともがいた。
 「この変質者が…」
 答えの代わりに怒号。そして警官たちがさらに小突きだし私はもみくちゃにされていく。涙が
あふれて何も見えない。菊坊ももう見えない…
322【注:女体】菊坊編:2006/05/14(日) 20:46:47 ID:???
 「もうまぎらわしいことはしないように」
 腕組みしたまま横柄に警官が言い放つ。もう夜の7時を回ってしまった。
 「誤認逮捕…」
 だから最初に話を聞いて欲しかったのに…思わず突っ込むが、
 「違う…誤認も逮捕もなかった。任意同行事情聴取だ」
 くっと吐き捨てるとそのまま署内に消えてしまった。謝りもしないで。これが警察のやること?
 行き場のない怒りに歯をかみ締める。けど、このまま突っ立ったって何にもならないから、
何も言わずにその場を去る。
 昼から何も食べていない。口寂しさにポケットの飴を含んでみる。
 含んだ瞬間ー菊坊が走馬灯のように回った。
 ーたどたどしい足取りで一所懸命に歩く菊坊ー
 ー私の腕の中で笑ったり泣いたり大忙しな菊坊ー
 −私に抱かれ一緒にまどろんでいた菊坊ー
  いたいけな菊坊…
 そして最後に見たのは母親の胸に甘えてすがりついた…
涙があふれてきた。そして頬を伝わり止らない。
 「なに泣いているのよ、私…」
 そう、よかったじゃない、菊坊…やっとママに会えたんだからよかったじゃない…
 よかったね、菊坊…今頃はママの家で夕飯を一緒に…
 頬に涙が伝わったまま。止めることなんてできない。
 だってうれし涙なのだから…
323マロン名無しさん:2006/05/14(日) 20:48:05 ID:???
>>308-309
ひろがんばれwww
女心は奥深いからなーorz
324マロン名無しさん:2006/05/14(日) 20:54:48 ID:???
>>315-322
黒沢かwww
テラセツナスでGJ!
自分はこんな目に遭いたくないorz
325マロン名無しさん:2006/05/14(日) 20:55:31 ID:???
>>315-322
全米が泣いた
326マロン名無しさん:2006/05/14(日) 20:57:44 ID:???
>>315-322
読み始めた時、「あーこれか。でも女性だったら、変質者扱いもいくらか軽いだろうし」
とか思ってたんですが……痛々しい! 母親、母性、女性らしさ、故の夢見。それが
覚めた直後の悲劇。突き刺さりましたよっっ。
327マロン名無しさん:2006/05/14(日) 21:09:03 ID:???
>>315-322
前スレで黒沢女体化30代verで菊坊の話読みたいとレスした者です。
とりあえず 超 乙 !!!!!
女性らしい内面の描写が素晴らしい!
2ちゃんやっててこれほどGJと思ったことは無いっす。いやマジで。
職人さん心からありがとう。・゚・(ノД`)・゚・。
328マロン名無しさん:2006/05/14(日) 21:14:30 ID:???
>>315-322
ちょwwwwwww涙で画面が見えねえwwwwwwwww
329マロン名無しさん:2006/05/14(日) 21:58:11 ID:???
せつねぇ。・゚・(ノД`)・゚・。
330カイジ×杏慈<女体化>:2006/05/14(日) 22:21:49 ID:???
5月の夜の涼しい風が頬を撫でる。
冷たいと感じるが、火照る頬には心地よく、自然と笑みがこぼれた。
ゴールデンウィークを大いに過ぎた今日14日、杏慈は夜の街を歩いていた。
軽い足取りで一歩二歩、ステップを踏むように軽快、言葉通り浮き足立っている。
手には映画のチケットが一枚。
数日前届いた、カイジからの手紙に同封されていたものだ。
杏慈はそれに目を落としては幸せそうな笑みを浮かべる。
互いに都合がつかず、ゴールデンウィークは綺麗さっぱり何もなかった。
それからもわずかな通信しかなかったのだが、前触れもなく手紙が届いた。
なかにはゴールデンウィークのことを詫びる文と、
もしよかったら一緒に映画を見ないかという誘いが書いてあったのだ。

(お誘い・・・映画・・・!? カイジ君からお誘いっ・・・!)

杏慈はそのチケットと手紙を胸に抱きしめて、じたじたとしばらく転がった。
ひとしきり転がった後、同じく手紙にて承諾の意と礼を送り、待ち遠しく今日を待った。
デートである。
紛うことなきデートである。
待ち合わせ場所へ向かうその顔は明るかった。

が。
だんだんと待ち合わせている映画館が近づいてくると、不安が心を支配する。
もしかしたら来ていないのではないか、と
カイジに限って反故にすることはないと思うが、返信の手紙が、もし届いていなかったら・・・。
それでなくとも自分より綺麗な人から誘いを受けたら?
自分より金持ちの人から誘いを受けたら?
331カイジ×杏慈<女体化>:2006/05/14(日) 22:23:22 ID:???
(そんなこと・・・ないよ・・・あるわけない・・・でも・・・もしっ・・・!)

ぐるぐると渦を巻く不安が胸に押し寄せる。
来ていなかったらどうしよう。
足取りが重く、遅くなり、ついには立ち止まる。
心地よかった風が肌に張り付くように、杏慈の横を通り抜けていく。
もし・・・。
もしも・・・。

杏慈は頭を横に振った。
もしだとか、もしもだとか、そんな考えは捨てなければならない。
弱い方へと心が流れればそれは博打にとって負けも同然。

(ダメっ・・・!・・・闘う前から負けてどうするっ・・・!)

きっと杏慈は顔を上げ、前を見据える。
十数メートル先に目的の映画館が見えた。
ただ行くのみっ・・・!
ザッ! と、強くその一歩を踏み出した。

・・・待ち合わせに博打も闘いも何もないよなあと、どこかで思いながら。


(・・・・カイジ君が優しくてあったかくて、かっこいいから悪い・・・)

などと、蕩ける惚気もおまけして。



あんじタンがいないから・・・いないから・・・!自分で書いてしまったよ・・・!
332マロン名無しさん:2006/05/14(日) 22:28:56 ID:???
GJっ・・・!続きも読みてえっ・・・!!
333マロン名無しさん:2006/05/14(日) 23:00:56 ID:???
あんじ〜〜!今度は邪魔されないといいねw
334マロン名無しさん:2006/05/14(日) 23:55:23 ID:???
ひろ×しげみに萌えて描いてしまったよ・・・!
職人さん勝手にごめんなさい(;´д`)
ttp://www.uploda.org/uporg390527.jpg.html
335マロン名無しさん:2006/05/15(月) 00:32:36 ID:???
>>334
しげみちゃん可愛すぎるっ・・・!!GJ・・・!
336ひろしげみ書き:2006/05/15(月) 00:48:12 ID:???
>>334
おおおおおっ……!萌えたっ…!萌え尽きたっ…!圧倒的感謝っ…!
話の進みが原作者並みに遅いけどがんがって続き書く!!ありがd!(゚∀゚)
337マロン名無しさん:2006/05/15(月) 08:42:42 ID:???
>>344
可愛いっ・・・!しげみちゃんもさることながら三十路ひろも萌えたっ・・・!GJ!
338マロン名無しさん:2006/05/15(月) 15:13:40 ID:???
余りにも可愛い鉄緒に悶えて描いてしまいました…っ!
職人様、スミマセヌ…!


ttp://www.uploda.org/uporg390909.jpg.html
339マロン名無しさん:2006/05/15(月) 15:36:04 ID:???
可愛い!色っぽい!おっぱい!
340マロン名無しさん:2006/05/15(月) 16:24:03 ID:???
>>338
sugeeeee!!エロい!!ムチムチたまらんっ・・・!!
おっぱい!おっぱいっ・・・!
341マロン名無しさん:2006/05/15(月) 16:26:27 ID:???
携帯からは見れないっ‥のかな?

ファイルシーク使ってみたけど上手く行かない(´・ω・`)
342マロン名無しさん:2006/05/15(月) 16:43:44 ID:???
春風にようこそ持ってる人は見て欲しいんだけど、
6話の有沢美樹ちゃんが衣和緒そのものに見えてきた
頭ハネされて涙ぐみながら牌投げしてるし。
343マロン名無しさん:2006/05/15(月) 16:45:59 ID:???
携帯だけど普通に見れたぞ?
あああ銀さんはこのふとももに夜な夜な挟まれt(略
職人だけでなく絵師も豊作って何この神スレ(*゚Д゚)
344マロン名無しさん:2006/05/15(月) 17:10:24 ID:???
>338
ちょ、ネ申wwwwww
鉄緒オメガカワユス(*´Д`)ハァハァ(;´Д`)/ヽァ/ヽァ(;`Д´)//ァ//ァ
345マロン名無しさん:2006/05/15(月) 18:51:25 ID:???
>>338
ちょwww鉄緒エロ可愛いっ‥!!
圧倒的感謝‥!
346マロン名無しさん:2006/05/15(月) 19:28:34 ID:???
>338
エロ可愛い鉄緒キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ(  ゚)ァ(   )ァ(`  )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
347マロン名無しさん:2006/05/15(月) 20:05:58 ID:???
>>300の願いが叶ったなw
絵師さんもガンガン増えてくれると良いな
348ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/15(月) 20:29:48 ID:???
――女を見つめる男。視線に気付き見返す女。目が合った途端、慌てて視線をそらす男―――…
中学生あたりが演じればまさに青春、といった風情の実に微笑ましい光景だろう。

だが、目の前で繰り広げられるその光景を見ていた者達は
皆一様に目眩を感じていた。
(だあああああっ…!ひろの野郎、何やってやがんだっ…!童貞かお前はっ…!!)
あまりのじれったさに頭を抱える天。

(しげみちゃんもしげみちゃんよっ…!昨夜大接近したってのに、何そのポーカーフェイスはっ…!
少年(ひろ)のほうがよっぽど乙女らしい反応じゃないのよっ…!
三十男にオンナ度で負けてどうすんの女子高生がっ…!!)
湯呑みを割れんばかりに握り締める天の妻その一。

(てっきり付き合ってるもんだと思ってたけどこりゃ無いわね…
昨夜のチャンスを逃した今、この状態じゃ百年経っても手すら繋ぎそうにないわっ…!)
食卓を拭くふりをしつつ、横目でひろゆきとしげみの様子を窺う妻その二。

(こりゃあ俺(私)達が手を貸してやらねばっ………!!!)

三人が同時に顔を上げ、視線を交わし、そして同時にうなずく。
長年一緒に暮らしてきた家族のみが持ち得る、言語不要のアイコンタクト――――!


…ちなみにこの発想、昨夜のキスを邪魔した事の償い――というわけではなく、
単に「面白いから」という理由である。三人とも。
349ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/15(月) 20:31:37 ID:???
「いよっし!やるか!」
天の胴間声と、パシンと膝を打つ音が茶の間に響いた。
「な、何なんですか突然…うわ!?」
ひろゆきの腕に、妻その一が絡み付く。
「うふふん、『やる』って言ったら決まってるじゃなーい…」
「えええっ…!?ちょ、ちょ、ちょっと…!?」
判りやすく狼狽するひろゆきを妻その二は楽しそうに見ながら、こちらはしげみの腕をとる。
「しげみちゃんも一緒にイきましょ…ね?」

「…そうですね、わかりました」
あくまで平然と答えるしげみに、ひろゆきは唖然とする。
「し、しげみ…ちゃん、な、何をっ…!天さんっ!何考えてんですか正月早々っ…!」
慌てに慌てるひろゆきを天はニヤニヤと見ている。
「バーカ…!正月だからやるんじゃねえか…な、しげみちゃん…?」
しげみに近付き、肩を抱く天――だが、その手をぺしっとはたかれ、軽く睨まれる。
「判りましたってば…さっさと行きましょう、初詣」
「……は?」

ぽかんとするひろゆきを、しげみは不思議そうに見る。
「初詣。正月にやる事、行くとこってそれくらいでしょ?」
他に何が?といった眼。

「………………あ、ああ、うん、初詣ね……成程…」思わず目をそらすと、天がやはりニヤニヤとこちらを見ていた。

「天さん、殴っていいですか」

…天が返事をする前に、ひろゆきの右ストレートが決まったのは言うまでもない。
350ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/15(月) 20:35:38 ID:???
また小出しスマソ
次回はまとめてから投下します…
351マロン名無しさん:2006/05/15(月) 20:42:59 ID:???
しげみちゃんのクールっぷりがたまらん・・・!(*´Д`)ハァハァ
352マロン名無しさん:2006/05/15(月) 20:45:29 ID:???
乙女ひろもたまらんとです…!'`ァ'`ァ(´Д`*)'`ァ'`ァ
353マロン名無しさん:2006/05/15(月) 21:07:54 ID:???
>348-349
なんかこっちも思春期気分
たまらん!!
354マロン名無しさん:2006/05/15(月) 21:22:33 ID:???
思わず回春した…
>>350
いつももの凄い勢いで続きを楽しみにしてます
355マロン名無しさん:2006/05/15(月) 21:47:22 ID:???
天家族最高!
356アカギ×しげみ(5/4編)20:2006/05/16(火) 00:17:29 ID:???
>>250-253
の続きです
ひろ×しげみとくらべるとだいぶダークですテラカナシス

 しげみが、複雑な思いに囚われている最中、一瞬、けたたましい歓声があがった。
 しげみは、ぎょっとして、まゆみ達の雀卓を見た。
 まゆみ、美香は、ホームランが出た後の、野球チームのように
お互いの手をたたき合って、大喜び…。
 「…ツイてるわね…!今日…!」いつもクールなまゆみが、目を輝かせていた。
 美香は、さらにでかい声で、「ありえないぃ〜!マジかっこいい!!」
 田中までが、「来たー!久々に…ウホッ!いい男!」と、はしゃいでいた…。
……原因は分かる。あの銀髪男だ。
 本人達は、声を抑えているつもりだろうが、狭い店内のこと、…
……しかも、興奮しているので、何を言っているのか、すべて丸聞こえである。
 しげみは、突っ立ったまま、片頬を引きつらせ、心のなかで、激しくツッコミを入れた。
 (…聞こえてるよ…、絶対。…聞こえちゃってるよ…!……全部、あの男に…)
 例の銀髪男、醒めた目で、店内に張り出されている掲示物を見ている。
 たしかに、皆が騒ぎたくなるのは分かる。
あの男。数ある芸能人の中、探したって、なかなか見つからないタイプ…!
 (……しかし、ヤーさんの田中…!…田中まで…なぜ、はしゃぐ…!?…
……たぶん冗談でふざけているんだろう…ウケ狙いか?…けど、…
…………寒いぞ……それ……)
357アカギ×しげみ(5/4編)21:2006/05/16(火) 00:18:54 ID:???
 そのとき、長椅子で腰掛けていた、角刈り大男が、新聞を持ったまま、立ち上がり、
田中に、何か耳打ちをした。
 角刈り男の態度は、周囲と違い、冷静そのものだ。
 ちょうど同じ頃、レジから、ぼそぼそ声が聞こえてくる。
銀髪男のせいで、『通し』一味から忘れ去られていた、中年サラリーマンの声だ。
 「…あの〜、卓は…、…僕が勝手に選んじゃってもいいんでしょうか…」
 レジのじいさんは、こっくり、こっくりと船をこいでいる。「…あの〜」
 「まあまあ、…いいから、いいから…」
田中が、おもむろに卓を立ち、サラリーマンに歩み寄っていった。
「…ボクの仲間と、やりませんか?…ちょうど、三人で囲んでますから」
358アカギ×しげみ(5/4編)22:2006/05/16(火) 00:21:42 ID:???
 (そっか…)
 しげみは、その様子を、ちらりと見て思った。
 「そうですか?ありがとうございます!皆さん、よろしくお願いします!」
 (…ターゲットは、あのサラリーマンにしたか…。角刈りの指示だね。…
………それが…いいかもね…)
 しげみは、懸命に笑いをこらえた。
 銀髪男を卓に投入すれば、賭場が(違った意味で)大荒れになるのは目に見えている。
 (ところで、…この中で、一番偉いヤーさんは、誰だろう?…やっぱ、角刈り…)
 「…ちょっと!…さっきからそっぽむいちゃって!…ぼくと話しをしようよ」
 ふと我に返ると、目の前で、木村が雀卓に座っていた。
 あごを突き出した彼の顔に、不快感が、ありありとにじみ出ている。
 (…あ。…こいつのこと…忘れてた…)
 しげみは、とってつけたような笑みを浮かべ、木村の正面に座った。
と、同時に鋭く確信。(…こいつは偉くねぇな!…間違いない!)
 しげみは、木村からただよう、キツい香水の臭いに閉口しながら、思わず尋ねた。
「…木村さんは、(『通し』一味の)雀卓のほう、見に行かれないですか?」
 しげみは、隣の卓をちらりと見た。
 その、『通し』一味の雀卓では、半チャン勝負を開始するべく、
すでに、サイコロを振り始めている。
 サラリーマンのおじさんは、顔面が緩みっぱなしだ。
 まゆみは、飯島直子似の美形。美香は、可憐な雰囲気ただよう美少女。
 「じゃ…わたしが<東家>(親)ね…よろしくね…佐藤さん」
 まゆみは、<西家>のサラリーマンおじさん、佐藤に、にっこり微笑みかけていた。
 「はいぃ…」佐藤は、とろけたような笑顔で返していた。
 (…まゆみが親か…。…まゆみ、容赦しないから。…佐藤さん…かわいそうに…)
359アカギ×しげみ(5/4編)23:2006/05/16(火) 00:24:08 ID:???
 しげみは、雀卓に片肘をつきながら、サラリーマン佐藤に同情した。
 木村は、しげみの気を引きたいのか、雀卓に勢いよく寄りかかると、こうのたまった。
 「…ヘン!…ぼく、麻雀よく解かんないんだよね〜!…見てても全然面白くないし…
…君みたいなかわいい子と話してる方が、よっぽどいいよ」
 (はぁ?)
 あまりにもヘタレな言葉に、しげみは、思わず呆れた。
 (いったいこいつは何歳なんだ!)
 身を乗り出し、口をポカンと開けて、木村を見た。
 (じゃあ、なんでおまえ、ここにいるんだよ!)
その言葉が、思わず口をついて出そうになった、そのときである。
 カウンターのほうから、なにやら、笑い声らしきものが聞こえてきた。
 しげみは思わず、その方向を見た。
 カウンター真横の長いソファーに、例の銀髪男が……
……腰掛けて、足を組み、この卓をチラ見しながら、腕組みし、肩を震わせ…、…
…………必死に笑いをこらえてるではないか。
 『ドッギャーン!!』
しげみは幽体離脱しそうになった。
 (…笑われている…!…この…この変な、ばか男のせいで……
………あの銀髪男に……笑われてしまっている…!…
……違う、ちがーう…!……わたしは…こんなばか男とは関係ない!…
……成りゆき上、こうしてしまっているだけだ……!!)
 なおも、忍び笑いを続ける、銀髪男を見るのをやめ、
しげみは、木村のほうに向き直り、ニヤリと邪悪な微笑みをうかべた。
 (……もう遠慮はいらない!…こんなヤツ狙い撃ちだ!…
…雀荘に来ながら、こんな恥ずかしいことを、平気で言っちゃうヤツだ。…
…何でもベラベラしゃべる可能性大!!…やってやる…やってやるぞ!…
…あんたらの正体……洗いざらいしゃべって貰おうじゃないの!!)
360アカギ×しげみ(5/4編)24:2006/05/16(火) 00:26:20 ID:???
 しげみの、神洞察、的中。
 「ふーん…『昇竜会』に所属ね…」
 しげみは、にこにこ笑い、相づちをうちながら、木村の話を聞いた。
 改めて復唱する。
 「…まゆみ達とは、三ヶ月ぐらい前に、この三人だけで知り合ったのね。…
…他には、仲間や協力者はいないし、このことは『昇竜会』にも内緒なのね。
三人のお名前は、雀卓についてる若い人が、田中勇二さん。
あなたが、木村芳樹さん。長椅子に座っている方が、三好完治さん。
三好さんは、木村さんと田中さんの兄貴分なのね。それから…、
…あ。いけない!…携帯電話の番号も、全員の分教えて♪」
 しげみの態度には、笑顔を浮かべているものの、有無を言わせぬ迫力があった。
 しげみが、小さなメモ用紙を木村に渡すと、木村は、なんの躊躇もなく、
全員の分の、携帯電話番号を書き込んできた。
 (しめしめ…予想以上の成果だ。…あとは、この情報を元手にして…)
 しげみが密かにほくそ笑んでいると、木村が薄笑いを浮かべて聞いてきた。
「…これで、君は、ぼくたちの仲間になってくれるわけだね…」
 しげみは、木村の書いた携帯電話番号のメモを、そそくさと、自分の布バッグの中に
しまいながら答えた。「そうよ…」
 「…わたしは新参者だから、全然何やっていいか分からないし、
まゆみ達の話しだけでは、分からないこともあるしね。…
…仲間のことは、お名前と携帯番号ぐらい、知っておきたいものよ」
 しげみがそう言い終わると、木村は、しげみの、すぐ隣の席に移動した。
 「…じゃあ…今度は君のことを教えてよ…すべてを…」
 木村は、しげみの耳元でささやいた。しげみに、悪寒走る!!
しげみの肩に、木村の両腕が巻き付く。「な!…おい…ちょっと!」
しげみは、木村の不意な行動に慌てた。
361アカギ×しげみ(5/4編)25:2006/05/16(火) 00:28:23 ID:???
 助けを求めたい一心で、隣の卓を思わず見ると、まゆみ、佐藤さんに痛恨の一撃を
加えている最中だった…。
 「ロン!…ごめんねぇ佐藤さん…
…それよ…緑一色、役満、直撃で、48,000…うふふふふふ…」
 凍り付く賭場。サラリーマン佐藤の、地の底に沈むようなうめき。
 誰一人、しげみの危機に気づく者はいなかった。
銀髪男を除いて…。
 (くそう!こうなったら、力ずくで!!)しげみは、木村の腕を強くつかんだ。
 そのとき。
 何か細長い物がひゅっと、しげみの頭上を通過し、
木村の小さな「ぎゃっ」という、情けない声があがった。
同時に、テーブルの脇に置いてあるゴミ箱から、ガラガラ…という金属音が。
 木村は、突然しげみを放すと、頭のてっぺんを片手でそっと触った。
そして、掌を見る。しげみも覗き込んでみる。
ふたりは、無言で木村の掌を見つめた。「…………!」
血がべったり。
 しげみはつぶやいた。「…木村さん…頭からも…すごい血、出てますよ…」
 「…………」木村は、生気を失い、そろりそろりとした動きで、トイレに入っていった。
そのあと、怪鳥のような声と、水道の蛇口を、めいっぱいひねったらしい音がし、
おそろしく、勢いのある水音が聞こえてきた。
362アカギ×しげみ(5/4編)26:2006/05/16(火) 00:32:06 ID:???
 「…フフフ…ナイス・コントロールでしょ…」
 いつの間にか、しげみが呆然としているすぐ横に、銀髪男が立っていた。
得意げに、タバコを引っぱりだし、火をつけて、うまそうに吸い出した。
 ……しげみは最初、その様子を、無感動に眺めていたが、
なんだか恐ろしくなり、短い叫びを発して二・三歩後ずさった。
 「なっ!…なにをやって…どうして!…」
 「これさ」
 銀髪男は、ニヤリと笑うと、雀卓のすぐ横のゴミ箱を持ち上げ、中身をしげみに見せた。
中には、ところどころ錆びかけ、あまり切れ味が良くなさそうな果物ナイフが入っていた。
「…これを投げた」
 銀髪男は、ゴミ箱を、ぼこんと同じ場所に戻した。
「…あのスケベ野郎の…体を少々かすめる程度にさ………ククク……」
 「…………」
 銀髪男が、のどの奥で笑うのを見て、しげみは固まっていた。
 そんな発想、普通の人はしない。
…もしも、当たり所が悪かったら?…もしも、違う人に当たってしまったら?
そう考えるだろうから。
 (この男は、普通の人とは違う…)
しげみは、そろりと、その男の側から離れようとした。
 そのとき、ふいに手が伸び、しげみの片腕は、銀髪男につかまれた。
その男の口が動いた。「…赤木しげみ」
 はっ!と、しげみは体を硬くした。
 (…この男…なぜあたしの名前を知っている!?)

 隣の雀卓では、あいかわらず、まゆみの一撃が、サラリーマン佐藤を襲っていた…。
 「ロン!…ごめんねぇ佐藤さん…
…それよ…リーチ、タンヤオ、ピンフ、ドラ1、直撃で、11,600…うふふふふふ…」

(続く)
363アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/16(火) 00:35:38 ID:???
アカギ
ごめんなさい小暴れでしたね…orz
次回はきっと…
364マロン名無しさん:2006/05/16(火) 00:40:34 ID:???
危険な男!!
365マロン名無しさん:2006/05/16(火) 08:43:04 ID:???
| =        ι  、___
| =                 \
| =      ⌒)    /⌒ヽ    |  γ⌒⌒⌒⌒⌒ゝ
| =    ━    /  /      ( I NEED    )
| =  /ノ   /  /       (           )
| = / ノ  /  /        (   YOU・・・!  )
し/  <_/  /          (           )
        /             ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
       (   ヽ ヽ ヽ ヽ


         _ , -─ -、  , -- 、
       ,,.‐'´      ミ"   .ミ'、
      /~             二    こ…
     /         /l ./^^i    ミゝ
     i       /|/' |/   | l,lヽ.\ `、   こいつ………
    l     ル'-‐‐/‐   |-|、ヽ i\l
.     |   __ ,/、, ==〃   ==、,,!`    ……本当おかしいわ………
    │ ./,‐| | ゙,, (;;゚)   / (;゚)  i
.    |  |.|ニ|.|  " ─   `‐-, ‐´゙|    森田くんのいうとおり何かが壊れている……
.     | . |,l _||   ' ' '     / ``|
.     | `‐'|    ,-───,   .l
    /:|   /\   \    /   /     ………森田くん
.  /::::::::::|. /  :\   ` ‐'´  ./
 _/::::::::::::::|/   :::::\. ''' ./\      ヘン……………
-/::::::::::::::::|     :::::::ヽ、/::::::::::\
/:::o:::::::::::|\     :::::|:::::::::::::::::::::::\   こいつ本当にヘンだよ
\:::::::::::::|  \     /\::::::::::::::o:::/_
::::::\::::::::|\  \  /  |;ヽ::::::::::::/:::::    こんな人間初めて見た………
::::::::::::\:::|;;;;;\  `@  ノ;;;;;ヽ:::::/::::::
::::::::::::::::::Y;;;;;;;;;;;;`,‐---‐'´;;;;;;;;;;∨::::::
366マロン名無しさん:2006/05/16(火) 12:04:14 ID:???
>>356-362
毎度GJwww!!
『ドッギャーン!!』 にワロタ!
367マロン名無しさん:2006/05/16(火) 18:58:11 ID:???
>>356-362
GJGJ!!文UMEEEEEE!!!
368マロン名無しさん:2006/05/16(火) 19:10:28 ID:???
>>356-362
毎度GJ!!文章の雰囲気が福本世界っぽくてイイ(・∀・)!!

あと、ちょっと亀だが
>>310
鷲巣様って出てきたっけ?
369マロン名無しさん:2006/05/16(火) 19:13:48 ID:???
おっ‥おっ‥おっ!まとめサイトが更新されてるっ‥!

絵板もっ‥!ありがとう‥優しい管理人さんっ‥!
370マロン名無しさん:2006/05/16(火) 19:45:39 ID:???
ラブコメ保管庫の管理人さんGJwwww!
最近のSSまで全部保管してくださっている!

職人も絵師も喜んでいるに違いない!
371マロン名無しさん:2006/05/16(火) 19:49:55 ID:???
きっとカイジのようにぼろ‥ぼろ‥嬉し泣きだw
372マロン名無しさん:2006/05/16(火) 23:23:16 ID:???
更新ありがとう!
自分のしょぼい文章もちゃんと載っていて嬉しい限りですw
373マロン名無しさん:2006/05/17(水) 06:20:17 ID:???
ちょwwwwwww
おまいら!
ラブコメ保管庫のラブコメ絵掲示板見てみー!
て、鉄緒、鉄緒がwww鼻血出そうwww
374マロン名無しさん:2006/05/17(水) 16:28:09 ID:???
>>356-362
の続きを投下します
ラブコメ保管庫の管理人さん感謝乙!


 しげみと、銀髪男は、カウンター真横の長いソファーに、
一人分ほどの距離を置いて、並んで座っていた。
 しげみは、しばしうつむいていたが、先ほどのお礼を言わなければ。と、気づき、
あわてて立ち上がると、銀髪男に頭を下げた。
 「さ…先ほどは…助けていただき、…本当に、ありがとうございました…!」
 銀髪男は、火のついたタバコを持ったまま、しげみが頭を下げる様子を、
ポカンとして見ていたが、すぐに視線を落とし、タバコを灰皿スタンドに押しつけた。
 「…あんた…赤木しげみだろう…?」
 静かな問いかけだった。しげみはのろのろと、ソファーに腰を下ろした。
 しばらく間を置き、しげみはうつむきかげんに答えた。「…はい…そうです…が」
 ちらりと左側を見ると、銀髪男は、なにも感じていないかのように、
何もない空間に視線をただよわせ、タバコを吸い続けている。
 「…あの」
そのままの様子を崩さない銀髪男に、しげみは一番の疑問を投げかけた。
「…なんで……あたしの名前を知っているんですか…?」
 そう言ったとたん、銀髪男はタバコをくわえながら、腰を上げると、
しげみとの距離を縮め、彼女のすぐ隣に腰を下ろした。
 …彼に染みついた、濃いタバコの香り。
 ビクリ。しげみの心臓が、一度だけ大きく痙攣し、
しげみの白い頬が、ほんのり赤く染まった。
 そろりとしげみは腰を上げ、彼から距離を置き、今度は、ソファーの端に腰を下ろした。
すると、また銀髪男は、腰を上げ、しげみのすぐ隣に腰を下ろす…。
 「…なっ!…なんですか!いったい!」
 しげみは、しりに火がついた勢いで立ち上がった。
375アカギ×しげみ(5/4編)28:2006/05/17(水) 16:33:35 ID:???
 「い!…い、い…、いやらしい!…こと…する…な!…」
 しげみは、自分の声が大き過ぎたことに気づき、そのトーンを落としながら
言葉を言いきると、真っ赤になって、突っ立ったまま、銀髪男を睨んだ。
 座ったままの銀髪男は、くすくす笑いながら、灰皿スタンドに、タバコを落とした。
 彼は、新たなタバコを引っ張り出しながら、のどの奥でなにやら嬉しそうに笑った。
 「…クク……初々しくて結構……」
 しげみはますます頬を赤くし、立ったまま目線をそらした。
 (…ど…どうせあたしゃ…、………まだガキよ…!男慣れしてなくて悪かったなっ…!)
 銀髪男は、またひとりで、肩を震わせ、笑っている。
 (…まだ笑ってるよ…。なにがおかしいんだよ…!よっぽどあたしの…この、…
…じた…じた…した態度がおかしかったのか?…あああ、…くそぉ〜!…
…こんなことぐらいでざわざわするなんて…自分がみじめ…みじめだ…!)
 しげみは、ソファーの銀髪男の前で、憮然と、棒立ちになったままだった。
銀髪男は、あいかわらず、黙ってタバコを吹かしている。
 そのときである。地の底から湧いたようなうめき声とともに、男子トイレの扉が開き、
頭をびしょびしょに濡らしたままの木村が、前屈みになり、両手をぶらぶらさせながら
出てきた。
 『通し』仲間の卓に、いったん近づいたが、華麗にスルーされ、
結局、しげみのところに向かってきた。
 (…きた!……木村が…!)しげみが、片頬を引きつらせた瞬間だった。
 「…しげみちゃ〜ん…痛い…、…頭が痛いんだ…どうなってるのか見てくれよ〜」
 本当に、ケガ人なのか?と、疑いたくなる素早さで、
木村は、しげみのふところに飛び込み、胸のあたりめがけ、がっつりと、しがみついた。
 「ぎゃ!…おい!こら…」
376アカギ×しげみ(5/4編)29:2006/05/17(水) 16:37:05 ID:???
 そのしげみの言葉が、終わるか、終わらないかのうちに、銀髪男が無言で立ち上がり、
右手を大きく振りかぶり、木村の頭頂部にチョップ。
 ぶつーんと鈍い音が響き、「…あだっ!」木村は、しげみを慌てて放し、
頭を抱え、前屈みになった。そして、また傷口が痛んだのか、びくりと震え、
銀髪男の顔を見上げた。木村の顔……その目からは涙があふれ、鼻水が流れ出ていた。
 「きっと…」
 銀髪男は、そんな木村の顔を見ても、顔色を変えず、吹き出すことなく、
火のついたタバコを右手に持ち替えると、大真面目な顔で、しらじらしく言った。
「…きっとそれは、かまいたちの仕業……」
そして、ゆっくりと、タバコを吸って、煙を吐き出した。
 「えっ!…か…かまいたち…?」
木村は、しゃがみ込んで頭を抱えながら、銀髪男の発言に対し、
『驚いた、知らなかった、そうだったのか』…と、感心するような素振りを見せた。
 「……こんなのざらにあること……大騒ぎするほどの事じゃないでしょ…」
 突っ立ったまま、邪悪な微笑をうかべ、偉そうにタバコを吹かす、銀髪男。
 彼を、ありがたそうに見上げながら、痛みで頭を抱える木村。
 しげみは、そのふたりの様子を見て、強い脱力感に襲われた。
 (ぎ…銀髪男!…そもそも…、…これはあんたの仕業だろうが…!…
…それを…こんなバカバカしい話でごまかすな…!…
…それに…木村…マジで信じたのか?…そんなこと…、…あるわけなかろうが…!)
 「…なぁ!…そうだろう?…赤木しげみ」
いきなり銀髪男に名前を呼ばれ、しげみは、はっ!と我に返り、慌てた。
 「…あ…あ、そう…そうだね…あたしもやられたことあるよ…膝小僧ならね…」
 (…頭はありえないけどな)すかさず心の中でツッコミを入れるしげみ。
377アカギ×しげみ(5/4編)30:2006/05/17(水) 16:40:15 ID:???
 そのときである。
 銀髪男は、いきなりしげみの両手首をつかんで引っぱると、ソファーに座らせた。
 銀髪男は立ったままだ。しげみの両手を取ったままで、
真剣な眼差しで、しげみの顔を覗き込む。
 目と目が合う。しげみは思わず生唾を飲み込んだ。
 お互い、どちらかが、少し腰を浮かせれば、キスもできるほどの至近距離。
 銀髪男は、この男にしてはめずらしい、人なつっこい微笑をして、しげみに問いかけた。
 「…さて…そろそろ思い出した?」
 「は…はい?」
 「俺の名前」
 しげみは、突然の意外な問いに、顔を真っ赤にして、下を向き、ぽつりと答えた。
 「…ごめんなさい…分かりません。…
…あなたがなぜ、あたしの名前を知っているのかさえも分からない…
…一生懸命考えたんだけど…あたしのほうが忘れてしまったのかな?…
…一緒に過ごしたことが…少しでもあったのかな?……どうしても思い出せないんです」
 しげみの両掌から、そっと離れていく彼の両手。
(…ごめんなさい…)なぜか、切なさが胸に迫る。
 「俺の名前は…赤木しげる…」
 名前を、自分から名乗った彼は、幾分、淋しそうに見えた。
 「うわぁ」しげみは、こぼれ落ちそうな大粒の涙を、人差し指で拭って、微笑んだ。
 「…髪の色も似てるけど、…名前まで、…なんだか似てるんだね」
 「…そうだね…似てるな…」
 赤木しげるは、穏やかな声で答えた。

(続く)
378アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/17(水) 16:43:32 ID:???
次回は、ミニ闘牌が…あるかもしれない
379安岡とゆきみ1/3:2006/05/17(水) 17:35:28 ID:???
安岡と平山ゆきみ(女体)
>203-204の続きっていうか、続きじゃないって言うか。
ゆきみが貧乳だったら、アカギの代わりができるんじゃね?という妄想の副産物。に
>220の要素を加えてみた…っ!勝手にごめんなさい。
──────────────────────


「……これ、趣味悪くない?」
 渡された紙袋の中身を見て、平山は眉を顰めた。
 安岡は、軽く肩を竦めて見せる。
「お前さんにゃできるだけわかりやすく演じてもらわなきゃならないんだ。ちょっとくらい我慢してくれよ」
 アカギを演じるという、突拍子もない目論見に乗った平山と、発案者の安岡は、簡単な打ち合わせと称して何度か顔を合わせていた。
 平山は、一応気を使ってかスカートの類をはかずに、男物のスーツとネクタイ、それに眼鏡をかけてきて、軽い変装をし始めていた。
 知り合いの目に止まって、安岡に女ができただのと噂を立てぬように配慮しているようだ。
 確かに、宝塚の男役のような華やかさはないものの、男として十分通用しているようで、安岡に浮いた噂が立つことはなかった。
 安岡にしてみれば、彼女を男と信じ込んでいる輩に向かって、女だと吹聴して回りたいのをこらえるのに相当苦労していたりする。
 彼女は、この姿なら、一見すれば細身の色男だ。振り返る女さえいる。
 その女たちに向かって、こいつは女だと耳打ちしたら、一体どんな顔をするだろう。
 想像するだけでも、可笑しくてたまらないが、そんなことをしては彼女の配慮どころか、計画そのものが水の泡だ。
 男を演じさせるだけなら、口数さえ減らせば、今のままで十分及第だ。
 しかし、今の彼女の姿は、どちらかというと会社員か銀行員、さもなければ学者といった風情で、アカギではない。
「アカギって、随分と派手なナリをしてるんだね」
 そういいながら、平山は紙袋の中身を検めている。
 袋の中身は、安岡の見立てたアカギ用の衣装で、鮮やかな赤い色のシャツや、シルバーグレイのスーツだ。
380安岡とゆきみ2/3:2006/05/17(水) 17:37:35 ID:???
「アカギがどんなナリをしてるかなんて俺も知らねえよ。知ってんのは、13の頃だけで、しかも学生服だ。
いくらお前さんが男に見えるといっても、お固そうな雰囲気の格好じゃ意味がない。ある程度の記号化って奴がいるだろ?」
「記号化?」
 不思議そうな顔をする平山に答えずに、安岡唇の端をあげて笑った。
「とりあえず、着てみろよ。俺の見立ても悪くねえって思えるだろうからさ」



 いくら男の格好をさせているとしても、やはり女だ。まさか街中や公衆便所で着替えさせるわけにも行かないから、安岡のアパートへと連れてきた。
 流石に年頃の娘だから多少抵抗があったようだが、安岡が「そんな気はない」と丁寧に言って聞かせてつれてきた。
 勿論、全くそんなつもりがないといったら嘘になるかもしれないが、安岡にも、信用を得るために、いきなり手出しをしないくらいの知恵があった。
 6畳一間で、台所すらない部屋。
 隠れる場所がどこにもない部屋で、平山は安岡の見立てた衣装に袖を通すために、服を脱ぎ始めた。
 その間、安岡は背を向けているといって、わざとらしい位に大袈裟に背を向けて畳にどかりと腰を下ろした。
 とはいっても、そこは安岡も健全な中年男性であるから、背を向けて着替え始めた彼女を、肩越しにちらりと覗き見るぐらいのことはした。
 平山ゆきみの背中は、驚くほどほっそりとしていた。
 まるで一度も日に当てたことのないような、透き通るほど白い膚。
 肩は、やはり女性らしい薄さだ。丸みに乏しい分、薄さがいっそう際立っている。
 一応つけている女性ものの下着は、何の飾り気もない白い簡素なもので、それがなお、彼女の甘さのない色香を際立たせていた。
 男性もののスラックスで隠すのが惜しいくらいに白くしなやかな足、本当にかすかな胸のふくらみ。
 服の上からはわからなかったが、彼女の身体は、十分に男をそそる体だった。
381安岡とゆきみ3/4(伸びた…orz):2006/05/17(水) 17:40:25 ID:???
 確かに、今まで何度かあってきて、その気になったらちょっとくらいからかうつもりで摘み食いしてやろうかと思っていたが、
肉感的な女が好みの安岡には、かなり物足りないし、その気になんてならないだろうと思っていた。
なにより、精々つっぱっていても、平山は安岡から言わせればまだまだガキだ。
 だから部屋にも入れたし、着替えもさせた。
 本気でその気になるような女なら、もう少し安岡だって遠慮をしていたところだ。
 それがどうだ。実物を見れば、安岡の浅慮を嘲笑うような結果だった。
 平山ゆきみの身体は、掛け値なしに上等だ。今まで悪い虫がつかなかったのは、奇跡としか言いようがない。
「……着てみたけど……」
 声をかけられて、あわてて目を逸らした。なんだか、安岡自身が、ガキのようにどぎまぎしている。
「…安岡さん?」
 反応のない安岡に、ちょっとばかり不振そうな声音で問う平山に、安岡は、あわてて振り返った。
「おう、どうだ、サイズは」
「ん、少しゆるいけど……、これくらいでちょうどいいかも」
 どう?と、尋ねる姿は、今度はどこから見ても男だ。なんであんなにどぎまぎしたのか、判らなくなるくらいに。
 思った以上に上手くチンピラを仕立て上げた自分の見立てに満足したり、女らしさがこれほどまでに奪われた姿にがっかりしたりと、
随分と複雑な顔をする安岡に、平山は、やっぱり変かな、と、呟いた。
382安岡とゆきみ4/4:2006/05/17(水) 17:41:20 ID:???
「そういうんじゃねえよ。ただ……そうだな。とりあえず、シャツのボタンは二つぐらいあけとけよ」
 安岡は、第一ボタンまできっちり留めてあるシャツの首元に手を伸ばした。窮屈そうな首元が目に付いたのだ。
 平凡な会社員ならともかく、ネクタイをするでもないのにこんなシャツの第一ボタンまで留めるなんて不自然というものだ。
「…そんなことしたら、一発でばれちゃうでしょ」
 そういいながらも、彼女は素直にボタンを二つほど外した。しかし、女が男のフリをするならば、胸元には細心の注意を払うべきだ。
 やはり、大きく胸元が開いてしまう。これでは女と宣伝しているようなものではないかと、平山は安岡の顔を見た。
「いや、そうでもない」
 不安と不服が混ざった顔で自分を見る平山に安岡は、軽く肩を竦めた後、部屋の隅にある姿見を見ろと顎でしゃくって見せた。
 平山が振り返ると、そこには、胸元の大きく開いたシャツをきた、細身の青年が自分を見返していた。
「……な?」
 安岡が短く問う言葉の意味を理解した平山は、それ以降、そのことについては二度と口にすることはなくなったのだった。



──後日談──

「だから、知らなかったんだよ、アカギが女だなんて!」
「当たり前だ!知っててこんなことさせたんだったら、いくら安岡さんだってただじゃおかない!」
 6年ぶりにあったアカギが、すっかり女らしい体型になっていたことに驚いたのは、安岡だけではない。
 男だと聞かされていた平山も同様だ。
 しかも、
「なんだってあんなに胸が大きいんだ!」
 思わず本音がポロリとこぼれた平山に、姉弟のように思っていたが、むしろ、兄妹のようになってしまったなと、安岡は、盛大な溜息をついた。
383マロン名無しさん:2006/05/17(水) 18:34:22 ID:zwjZ1cbv
GJ !!!
ゆきみかわいいよゆきみ
384マロン名無しさん:2006/05/17(水) 18:43:44 ID:???
誰か補完庫のアドレス教えてください・・・
385マロン名無しさん:2006/05/17(水) 18:57:03 ID:???
>>276
386マロン名無しさん:2006/05/17(水) 18:57:51 ID:???
ありがとう優しいお方
387マロン名無しさん:2006/05/17(水) 19:23:31 ID:???
しげみもゆきみもかわいいよ
388マロン名無しさん:2006/05/17(水) 19:25:38 ID:???
アカギ×治のラブコメ希望
389マロン名無しさん:2006/05/17(水) 19:55:57 ID:???
ほんとに可愛いなゆきみ(*´Д`)ハアハア
貧乳モエス
390マロン名無しさん:2006/05/17(水) 20:09:45 ID:???
じゃあ治と書いて「おさめ」と読む方向でひとつ

「そばに置いてください。わたし、アカギさんみたいになりたいんです」

そう言ったわたしに、アカギさんは珍しく戸惑ったような顔で
「俺なんかのそばにいると、とばっちりで火の粉がいくこともあるんだぜ」
と言った。だけど、わたしの決意は変わらない。
もう、あんな風に食い物にされてばかりの自分は嫌だった。
この人のように、強く真っ直ぐに生きてみたいんだ。
背筋を伸ばし、真っ直ぐにアカギさんの目を見据え、震えそうになる声を
必死で押し隠して言った。
「…覚悟してます」

――そして、その日の夜。
わたしは布団の上でその時のことを思い出し、溜息をついた。
………まさか、こんなに早く火の粉とやらが降りかかってくるなんて。

一見してヤクザとわかる人たちに囲まれ、わけもわからないうちに
車に乗せられ、半泣きで「ら…拉致されちゃったんでしょうか…」と言うわたしを
アカギさんは楽しそうに見ていた。
「ほらみろ」とでも言うかのように…。
391マロン名無しさん:2006/05/17(水) 20:11:03 ID:???
(…しかも、なんで)
横をちらりと見ると、アカギさんはクークーと寝息を立てて熟睡している。
(…なんで、部屋が一緒な上に布団をこんなにくっつけて敷かれてるのー!?)

おそらくは、恐怖からアカギさんにくっついて離れなかったのを見て
誤解されたのだろうけど、いくらなんでもこれはない。
せめてどういう関係なのか聞いてくれればよかったのに。
(この人はこの人で、この現状に何の疑問も持たずに寝てるし…)

そもそもこういう人なのか、それとも…
(わたし、やっぱり女として見られてないのかな…だろうなあ…)
そばかすだらけの顔に、めりはりの足りない体。
きっとアカギさんなら、わたしなんかよりずっとずっと綺麗な女性を
たくさん知っているんだろうし…

そんな事を考えてひとり暗くなっていると、隣から眠そうな声が聞こえた。
「…眠れないのか、治」
ぎょっとしてそちらを向くと、アカギさんが頬杖をついてわたしを見ていた。

392マロン名無しさん:2006/05/17(水) 20:12:18 ID:???
「わっ…や、いえ、あの…」
慌てるわたしに、アカギさんは優しく笑いかける。
「…ま、そりゃそうだろうな…お前、ヤクザなんかにゃ縁もなさそうだし…
クク…怖くて眠れねえなら、添い寝でもしてやろうか…?」
アカギさんの発言に、顔から火が出た。いや、火が出るかと思った。
「ひ、ひとりで眠れますっ!!」
「ククク…そうか、そりゃ残念…」
アカギさんは愉快そうに笑うと、また眼を閉じ…三秒もしないうちに、
安らかな寝息をたて始めた。

(……なんなんだろ…この人…)
呆れて溜息をつき、ふと気づく。
そういえば、ここはヤクザの住処なのだった。
そんなこともすっかり忘れて、自分の容姿のことや
アカギさんのことばかりを考えていたなんて―――。

自分の暢気さに、我ながら呆れる。
そうか、わたしにとっては、ヤクザへの怖さよりも
アカギさんにどう思われてるかって事の方が―――ずっと…

そう思うと、また顔が火照って――わたしは、ふとんに突っ伏した。
393マロン名無しさん:2006/05/17(水) 20:16:31 ID:???
こんな感じで突発的に書いてみたっ…
394マロン名無しさん:2006/05/17(水) 20:53:57 ID:???
仰木は衣和緒の驕慢な鼻っ柱をへし折って
財産も権力も何もかも奪って
妾にでも囲い込みたかったのかな〜と妄想

395マロン名無しさん:2006/05/17(水) 20:57:24 ID:???
>>390
神キターー!!
純朴ぽいオサメたん堪らんです。サンクスコ!!
396マロン名無しさん:2006/05/17(水) 21:15:57 ID:???
>>390
よかったっすw
何で原作でも布団がくっついてるんだ・・・
397マロン名無しさん:2006/05/17(水) 21:19:43 ID:???
>>374-377
毎度GJ!
今回はなにかしんみり

>>379-382
ゆきみかわいいよゆきみ
安岡チョイ悪おやじwww

>>390-392
おさめタソがいつアカギに食われるのか
ドキドキしたのは自分だけでしょうか?
398マロン名無しさん:2006/05/17(水) 21:37:25 ID:???
衣和緒たんが美少女吸血鬼なら、
実年齢75歳、外見15歳でも問題ないな…
と妄想してみた。
399マロン名無しさん:2006/05/17(水) 22:06:07 ID:???
>>394
ねじふせたい妄想もえす
400マロン名無しさん:2006/05/17(水) 23:46:42 ID:???
衣和緒たんかわいいよ衣和緒たんはぁはぁはぁはぁはぁはぁ
401マロン名無しさん:2006/05/17(水) 23:47:35 ID:???
そういえば韓国のサイトでセーラー服おさめちゃんがいて萌えまくった
402マロン名無しさん:2006/05/18(木) 00:12:10 ID:???
>>400
http://www.youtube.com/watch?v=zTS1Wy9ql_c&eurl=
衣和緒たん高飛車でかわいい
403マロン名無しさん:2006/05/18(木) 00:23:21 ID:???
衣和緒たんが居るので最近よくyoutube見に行っちゃうけど・・・
無料だよね?
404マロン名無しさん:2006/05/18(木) 00:54:14 ID:???
>>402が見れないよ高飛車な衣和緒たんが見たいよ衣和緒たんはぁはぁはぁ

>>403
動画一つにつき3000ペリカだよ嘘だよ
405マロン名無しさん:2006/05/18(木) 01:06:33 ID:???
コピペして見れたっ・・・!
406マロン名無しさん:2006/05/18(木) 01:08:57 ID:???
>>404
高っ!
407マロン名無しさん:2006/05/18(木) 03:01:23 ID:???
>>405
本当だっ…!ありがとう…優しい名無しさん…っ!
鷲巣様キモ怖萌え…っっ!!!
408マロン名無しさん:2006/05/18(木) 09:08:28 ID:???
「鷲巣衣和緒(実年齢)75歳、初恋であった」(CV古谷)

なんてのが止まらないんだがww
409マロン名無しさん:2006/05/18(木) 11:19:24 ID:???
いいなそれw
あのテンションでラブコメ版もアニメ化…!
410アカギ×しげみ(5/4編)31:2006/05/18(木) 16:17:02 ID:???
>>374-377
の続き投下します

 その頃、東一局で連チャンし、三度目の親になっていたまゆみ。
 その、東一局二本場で、サラリーマン佐藤から、思わぬ反撃を食らった。
「…ロン!…四アンコ、役満!…プラス…、ツミ棒二本加えて、32,600!」
 「…ぐう!」
 ロン直撃を食らったまゆみは、唇をかみしめ、点棒を雀卓にまいた。
…サラリーマン佐藤に、笑顔が戻る。
 ひとまず休憩とし、まゆみは、ソファーにぐったりと寄りかかると、タバコに火を付けた。
 しげみは、半チャンの様子を聞くために、まゆみの側に近づこうとした。
 そのとき、美香に腕をつかまれ、田中が座ったままの、雀卓まで引きずられた。
 引っぱられながら、しげみは、まゆみの隣に、角刈り男…三好が腰を下ろすのを見た。
 「リーマンの佐藤さん…少しだけど盛り返したわね…まっ…ちょっとだけどね…」
そう言ったまゆみ、鼻で笑った。
 三好は、そんなまゆみの発言と、態度に、やや、強い口調で意見していた。
 「…現在の、佐藤の持ち点は、−2,000。…まゆみ…今日は飛ばしすぎだな。
東場の最初から、…しかも、『ターゲット』だけから点棒を搾り取りすぎると、…
…かえって怪しまれるぞ…」
 「平気よ…」まゆみはタバコをふかし、クールに答える。
 しげみは、そんな二人の会話を、雀卓から、耳をそば立てて聞いていたが、
たちまち美香に気づかれ、真っ正面から、両耳を真横に引っぱられた。
 「あいだだだ…」
 「ダメ!…盗み聞きなんかしたら、三好さんに怒られるわよ!」
 「…三好さんってひと、そんなに怖いの?」
 しげみが、痛みで、片耳を抑えながら聞くと、美香は、頭に両手の人差し指を立て、
おどけた怖い顔を作り、こくこくと頷いた。
 田中が、雀卓に片肘を付き、しみじみとつぶやく。
 「…それにしても…、今日のまゆみちゃん、絶好調だよね。…俺ら、今日、一度も
『通し』のサイン、…受けてないもんなぁ…」
411アカギ×しげみ(5/4編)32:2006/05/18(木) 16:19:42 ID:???
 しげみは驚き、田中に聞き返した。
 「…じゃあ、東一局スタート時の、ロン上がりの役満や、タンヤオとかは…」
 田中は、タバコを口から離し、上に向かって煙を吹いた。
 「…そっ!…紛れもない…彼女の実力…さ…」
 しげみ達が、そんな会話を続けている最中。突然だった。
 「ばかやろう!」鋭い声が飛び、ビシッ!という、鋭い音が、雀荘全体に響いた。
まゆみは、ソファーから転がり落ちた。部屋にいる皆が、この光景に唖然とした。
 「……黙って俺の言う通りにしてりゃいいんだ……このクソアマが!!」
 まゆみは、右手で自らの頬を押さえている。
そして、自らの頬を張った三好を、ぎらぎらとした目で、睨み付けている。
「………わかったわよ…!…やればいいんでしょう?…やれば!!」
 まゆみは、三好に向かって怒鳴り、怒りの形相凄まじく、
こちら側の雀卓に、頬を手で押さえたまま、近づいてくる。
 「…うへぇ…おっかねぇ………大荒れ…」
ニヤつき、肩をすくめ、つぶやく田中。
 「…まゆみ…!…」美香が、心配そうに、肩に触れようとしている手を押しのけ、
まゆみは、未使用の卓に座り、突っ伏し、
目に涙を溜め、小さい声でだが、鋭い言葉を吐き散らした。
 「…なんでもかんでも…『アレ』を連発して、勝とうだなんて……
………通用しないのよ!あの石頭…!」
 しげみは、卓に突っ伏すまゆみと、彼女に覆い被さるように肩を抱く美香を
胸が、張り裂けるような思いで見つめていた。
 (……操られる悲しみ……自由のない憤り…)
 しげみの頭の中に、濃い霧が発生し、よけいな思念を、すべて飲み込んでいった。
 彼女の、伏せられた瞳に、蒼く透明な光が宿る。
 しげみはゆっくりと歩き出した…。まゆみと美香のもとへ。
412アカギ×しげみ(5/4編)33:2006/05/18(木) 16:22:18 ID:???
 「…まゆみ」
 しげみは、まゆみと美香の、すぐ後ろに立ち、静かに声をかけた。
 「しげみちゃん…?」
 美香は、まゆみから離れ、しげみの姿を見て、呆然とした。
 外見は何一つ変わっていない。しかし…
先ほどまでの…なんとなく親しみと、おかしみをかもしだすしげみとは、
あきらかに何かが違っていた。
 (そうだ…!あのとき…あの…歌舞伎町のバーでの…しげみちゃんと同じ…!)
 美香は、背筋に寒気が走った。…思わず口元を右手で覆う。
 「しげみ…何しに来たの?」卓に突っ伏したままの、涙声のまゆみは、
すぐ後ろにいる、しげみを振り返らない。
 「………初めてだったのね……殴られたのは…」
 うつむいたまま、静かに、しげみはつぶやいた。
まゆみの背中が、ぴくりと震えた。
 「…これからは…もっともっと増えるわ………酷くなる………
…なにしろ…あなた達の代わりなんて…幾らでもいるもの………そして使用済みは…
………壊れたおもちゃのように…ポイッと捨てられておしまい…」
 しげみがのどの奥で笑っている…。美香は、恐怖で目を見開き、嗚咽をもらした。
 「……果ては……膨大な借金を背負わされるか……
………または男共のオモチャになるか……ふふっ……ククク…」
 「…うるさい!黙れ!!」
 まゆみは、たまらなくなり、卓から立ち上がると、しげみに体当たりし、
彼女の胸ぐらをつかんだ。しげみとまゆみとの間には、だいぶ身長差がある。
まゆみは、鋭い目で睨みつけ、しげみの顔を見下ろす。
 しかし、しげみの胸ぐらをつかむ手は、小刻みに震えていた。
 (…ああ……怖いんだ…まゆみちゃんも…)美香は、その様を見ながら、何となくそう思った。
413アカギ×しげみ(5/4編)34:2006/05/18(木) 16:25:10 ID:???
 真っ直ぐに見上げた、しげみの美しい瞳が、まゆみの視線と交錯する。
 しげみは、まゆみに懇願するかのように、ささやくように言った。
 「……だから……そんなことになる前に……今からでも遅くない…
…………逃げて…まゆみ…」
 そして突然、瞳に冷たい光を宿し、あらぬ方向に、しげみは視線をただよわせる。

 「それに今日……この賭場には、……とてつもなく、危険な鬼がまじっている…」

 びくりとし、まゆみは思わず、しげみの胸ぐらをつかんだ手を離した。
 まゆみも、思い出していた…。歌舞伎町のバーでのできごとを…。
…たしか、しげみはそこでも、鬼とかなんとかと言っていたっけ…。

 まゆみは、ふと、鋭い視線を感じ、カウンターのほうを見た。
 カウンターに寄りかかり、腕組みし、真っ直ぐ、射るように、こちらを見つめる銀髪男。
 まゆみは、美香を手招きし、ふたりは、お互いの不安と恐怖を和らげるかのように、
お互いの、手と手を取り合う。思わず、立ったままのしげみから、距離を置いた。
 …しげみは、うつむいて続けた。
 「この鬼は…『始まってしまえば』…容赦しない。…良心の呵責もない。…
……鬼は、あなた達を食いつくすわ。……肉も、骨も、何もかもよ…。
………そして…、…あなた達は…生きながら地獄で…のたうち回るの……」
 しげみはそう言うと、ふらっと、歩き出した。
 そして。
 カウンターで、腕組みし、鋭い目をして寄りかかる、銀髪男…
……アカギのほうへ向かった。固唾を飲んで、見守る一同。
 しげみは、二・三歩の距離まで、アカギに近づき、彼の顔を見上げた。
414アカギ×しげみ(5/4編)35:2006/05/18(木) 16:27:55 ID:???
 じつは、アカギも、内心驚いていた。
 さきほどの、考えていることがすぐに顔に出る、屈託のない、…
…かわいらしい女とは、まったく別人となったかのように、気配が違っている。
 彼の顔を覗き込む瞳は、静かな、蒼い湖面のように澄み、
顔、頬、首筋は、透き通るように白く、頬と唇は、ほんのり赤みが差している。
 …稟とした女。
 この女は、かわいらしいのではなく、美人の部類に入るのではないかと、アカギは思った。
 しかし、アカギは、そんな心中を、おくびにも出さず、表情を変えず、
目を伏せたまま、しげみの瞳を見続けた。すると…。
…しげみは、唐突に、こぼれるような、美しい微笑を見せた。
 アカギは、目を見開いた。アカギの脳内に電流が走る。
 しげみの赤い唇が動いた。
 「……あなたは…まぎれもなく…鬼…。……けど…わずかなところが違っているの…」
 そして、アカギにふわりと抱きつくと、アカギの胸部に、目をつむり、頬を擦り寄せた。
 アカギは、しげみの美しく光る銀髪を見下ろし、しげみの背中に両腕をまわした。
 しげみは、アカギにだけ聞こえるように、か細い声で、ささやくように言った。
 「……荒療治でいい……まゆみと、美香を助けて…。…
……二度と…魑魅魍魎の世界に…足を踏み入れないように……お願い…」

 カウンターの中で、ごくりと生唾を飲み込み、食い入るように、そんなふたりを
見つめる、雀荘のじいさんを筆頭に、三好、田中、まゆみ、美香、…
 …その場にいる、すべての人間が、その様子を身じろぎもせずに、ただ、見つめていた。
(続く)
415アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/18(木) 16:29:20 ID:???
カウンターのなかの
雀荘のじじいが、どうも好き…
416マロン名無しさん:2006/05/18(木) 17:26:02 ID:???
どき…どき…しながら読んだっ…!
しげみちゃんテラカッコヨス(*゚Д゚)

書くの早くてすげーなー
417マロン名無しさん:2006/05/18(木) 17:29:58 ID:???
>>390ー392
やっぱりアカギはセクハラ野郎なんだなwww
おさめちゃんはおかっぱかみつあみおさげ希望っ…!
418マロン名無しさん:2006/05/18(木) 18:16:44 ID:???
初めてここに来て(*´Д`)ハアハアさせてもらいますた
セクハラアカギモエス

ところで保管庫てどこにあるの?
419マロン名無しさん:2006/05/18(木) 18:22:04 ID:???
>418

>>276デス

管理人さんがGJ!ですよwww
420マロン名無しさん:2006/05/18(木) 18:27:36 ID:???
>>418
d!
これからさらにハアハアさせてもらいまつ
421マロン名無しさん:2006/05/18(木) 18:29:57 ID:???
↑間違えた・・・
>>419さんスマソorz
422良子(良平)→銀さん【注:女体】:2006/05/18(木) 19:33:11 ID:???
流れをよまずに投下・・・申し訳ない!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうしたら貴方は私を愛してくれますか?

初めて会った時は悪い印象しかありませんでした。
年がいもなく競馬場でナンパしてくるし。
1回の競馬に300億という大金をかけるし。
それなのに、いつからなんでしょう。
貴方を恋しいと思ってしまったのは。
何ヶ月もの間、貴方からの電話をただただ待っていた私の気持ちが分かりますか?
貴方から電話で呼び出された時、私がどれほど嬉しかったか分かりますか?

でも、貴方の心にはすでに別の女性が居たんですね。
貴方がその人の写真を、今もなお大切に持ち続けている事は知っています。
貴方の目を盗んでこっそりその写真を見てしまったから。
とても綺麗な人ですね・・・。胸が大きくて、スタイルがよくて。
聞いた話によると、裏の世界で生きる実力も凄かったそうですね。
見た目も、中身も、私とはまるで正反対・・・。
だけど、あきらめたくないんです。
どんなに無謀でも、私は貴方をあきらめる事なんてできない。

あの女性みたいな美人が好きだというなら、綺麗になるよう努力します。
胸の大きい人が好きだというなら、ちょっと大変だけど、それも努力します。
裏の世界で生きる為の勉強もします。
貴方の役に立てるように実力もみがきます。
それでもまだたりないというなら、貴方が求めるものは全て手にしてみせます。
そしたら私を愛してくれますか?

一体どうしたら貴方は私を愛してくれますか?
423422:2006/05/18(木) 19:33:44 ID:???
銀さん×鉄緒が前提の、
良子(良平)→銀さんって萌えるかもと思って書いてみたんだが・・・orz

何だこれは・・・スマソ。

しかも良子既出だったね。
スマソ・・・Wでスマソ。Wスマ。
424マロン名無しさん:2006/05/18(木) 19:42:23 ID:???
アカギ×おさめちゃんに電流走った――!
純朴で素直なおさめちゃんをからかって遊ぶアカギに
その度真っ赤になって狼狽えるおさめちゃん。

でもたぶん失恋確定だろうなあ…(´・ω・)カワイソス
425マロン名無しさん:2006/05/18(木) 20:24:56 ID:???
>>422
悲恋だっ‥!良子可愛いよ
426マロン名無しさん:2006/05/18(木) 21:00:53 ID:???
>>424
アカギ×おさめちゃんの続編が読みたい漏れがいる

>>422
せつなさが出ててGJ!
誰しも一回はこんなテラセツナス思いをしたことがあると思われ
427マロン名無しさん:2006/05/18(木) 21:11:21 ID:???
アカギ、ふざけておさめちゃんに酒飲ます

おさめちゃんちょっとの量でベロベロ

人格が変わりアカギに甘えまくるおさめちゃん

っていう方程式が一瞬で出来上がった奴がここにノシ


後アカギは、おさめちゃんが自分の事好きなのに気付いてたらいいな
428マロン名無しさん:2006/05/18(木) 21:16:27 ID:???
>427
モエス!
かなり危険な香りが…
それでも読みたいアダルティな漏れがいる
429マロン名無しさん:2006/05/18(木) 21:38:02 ID:???
アカギ×衣和緒につづきアカギ×おさめ妄想も止まらなくなった。
おまいらほんとにどうしてくれるww
430マロン名無しさん:2006/05/18(木) 21:55:41 ID:???
仲井に「あんさん、アカギのコレなんやって…?」
とか言われて真っ赤になって否定してるとこに
アカギがやってきて、さらに狼狽えるおさめちゃん。
んで特に否定もせず、面白がって恋人のフリをし
肩を抱き寄せるアカギ…
おさめちゃんはもう何がなんだかわからずふにゃふにゃになってるとかw
431マロン名無しさん:2006/05/18(木) 21:58:33 ID:???
おさめちゃん可愛すぎww
衣和緒たんも・・・清純好きなのか俺は
432マロン名無しさん:2006/05/18(木) 22:41:06 ID:???
衣和緒と岡本はまんま琴春妙の春琴と佐助だ
衣和緒とアカギだといかずらなキッスの琴子と入江くんだね

衣和緒って緒(弦)を和をもって覆う(衣)だから
琴三弦っぽい当て字だ。
433390:2006/05/18(木) 22:45:59 ID:???
んじゃおさめちゃんの続き書いてみる
多分暗い話になるけど近いうち投下するおノシ
434マロン名無しさん:2006/05/18(木) 22:52:45 ID:???
>>432ですけど
烏賊面ってなんだよwいたずら、ね
訂正します。

福本に少女マンガ読みたいな〜
初期テイストでも良いし、現在の新感覚でも良い
読みたい・・・!

435マロン名無しさん:2006/05/18(木) 22:58:15 ID:???
また間違えたw福本の、ねww
スレ消費スマン
436アカギ×おさめ1/3 ※女体化注意:2006/05/18(木) 23:46:28 ID:???
書いてみたけど長くなりすぎたので分けて投下。
キャラおかしいかもしれんけど笑って許してくれると有難いっ…!

「行っちゃうんですか…?本当に…!」

仲井との一戦後、アカギさんはわたしにお金の入った封筒を渡し、
振り向きもせずに、ただ手を上げるだけの別れの挨拶をし、雀荘を出ていく。
「…アカギさんっ…!」
「よせ…!」
追いすがろうとするわたしの背中に、仲井が制止の言葉をかける。
「止めるんじゃなか…あん人は…おいやあんたと住む世界の違う人間…
雑魚が取り巻いちゃ迷惑たい…」
「…!」
住む世界の違う人間。
見えてるものや生き方も違う。
普通の人間には、あの人の「深さ」が耐えられない―――。

そう言った仲井の言葉が胸に突き刺さり、唇を噛み締める。
そうだ。確かに、その通りだ。
わたしなんかじゃ、一生かかってもあの人を理解することなんて出来ない…

…けれど。
同時に、アカギさんの言葉を思い出す。
あの、藤沢組の代打ち…浦部との一戦後の言葉。

「奴は、死ぬまで保留する」

俯いていた顔をあげる。踵を返し、雀荘のドアを開け、外に飛び出す。
後ろで仲井の驚いた声がした気がしたが、そんなの知るものか。
―――今だ。今動かなければ、わたしはきっと変われないままだ―――!!
437アカギ×おさめ2/3 ※女体化注意:2006/05/18(木) 23:47:18 ID:???
「アカギさんっ…!待って、待ってくださいっ…!!」
捜して捜して、どれくらい走ったか判らなくなった頃、遠くにアカギさんの背中が見つかった。
慣れない全力疾走に上がる息と、躍り上がる心臓を何とかこらえて
必死で声を張り上げる。
「―――アカギ…さぁんっ…!!」
声に涙が混じる。こんなことで泣く自分が情けなくて泣けてきて、さらに嗚咽がこみあげる。
「…っく、…って…待って…くださ…きゃあっ!」
足がもつれて、前につんのめる。
自分の体重が支えられなくて、わたしは無様に転んでしまった。
涙でぼやける視界の中で、確かにアカギさんが振り向くのが見えた。

「……あらら…何だ、忘れ物でも届けに来たのか…?」
ぺたりとうずくまるわたしの頭上で、聞きなれた気楽な声がした。
「…なんで…っ」
今度は何故だか怒りがこみ上げてきて、わたしはアカギさんを思い切り睨んだ。
きょとんと見下ろす顔は、本当にいつもと変わらなくて。
この人にとっては本当に、わたしとの別れなんて大した意味を持たないのだと知った。

「おい…?怪我でもしたのか…?」
「…なんでっ!なんで置いていくんですかっ!言ったじゃないですか、そばに置いてくださいって…!
火の粉がかかることなんて覚悟の上だって、わたし…言ったじゃないですかぁっ…!!」
自分でもびっくりするほど、言葉があとからあとから溢れ出す。
アカギさんは少し驚いたような顔をした後、少し思案してわたしの頭を撫でた。
まるで頑是無い子供をあやすように。
438アカギ×おさめ3/3 ※女体化注意:2006/05/18(木) 23:48:58 ID:???
そのまま、しばらくそうしていただろうか。
アカギさんの手は優しくて大きくて、段々とわたしの心は落ち着いていった。
この人はこんな優しい手を持っているのに、その手で同じように自分を深みへと追い詰めていく。
この手は人を抱きしめる手ではないんだ。
皮肉な話だけれど…撫でられているうちにそれが判って、この人の出した結論に納得してしまう自分が
悲しくて哀しくて仕方がなかった。

「………すみません…取り乱して…」
頭に乗せられた手をどかし、アカギさんの目を見る。
ほんの少しだけ戸惑いの色が見えるのが嬉しかった。
「そう、ですよね…わたしなんかが一緒にいたら、足手まといもいいとこですよね」
無理矢理に笑顔を作ってみる。上手く笑えたかは自信がないけれど。
アカギさんは何も言わずにわたしの目を見返している。
その目に気圧されないよう自分を奮い立たせ、なるべくはっきりと言った。

「…最後に一度だけ、わたしと賭けをしてくれませんか」

*

とりあえずここまで書いた。続きはまた近いうちにーノシ
439マロン名無しさん:2006/05/18(木) 23:55:50 ID:???
続きが気になりまくるっ・・・!GJ・・・!
おさめちゃん萌えるな
440マロン名無しさん:2006/05/19(金) 00:00:48 ID:???
GJ!禿げ萌えた

おさめたんハァハァ
441マロン名無しさん:2006/05/19(金) 00:23:23 ID:???
>>436-438

ううっ!
続きが…続きが…気になって眠れない!
442マロン名無しさん:2006/05/19(金) 00:34:31 ID:???
ちょ・・・もうほんと・・・おさめタン(;´Д`)ハァハァ
443アカギ×おさめ1/5 ※女体化注意:2006/05/19(金) 01:22:57 ID:???
436-438続き。
本気で暗いので嫌な人はスルーしてくだちい。

*

「…賭け?」
「そう…賭けです」
先ほど転んだ時に擦りむいた膝の痛みをこらえ、わたしは立ち上がる。
それでもやはりふらついてしまい、アカギさんに肩を支えられてしまった。
「…おい、やっぱり怪我して――」
「このくらい何でもありません……!」
――そう、こんなことくらいでめそめそ泣いてはいられないんだ。
これから、生死をかけた勝負をするのだから。
わたしはポケットを探り、硬貨を一枚取り出した。

「この硬貨を地面に落として、表か裏かを当てる…それだけの簡単な勝負です」

わたしの言葉にアカギさんの目が細まり、口元が楽しそうに歪む。ぞくりとするような笑み。
「へえ…それで、賭けの代償は…?」
「私が勝てば、これまで通りアカギさんの傍に置いてもらいます」
ささやかすぎる望みだけれど、それはわたしにとってとても大事な事だった。
そう、全てと引き換えにしても惜しくないくらいに。
444アカギ×おさめ2/5 ※女体化注意:2006/05/19(金) 01:23:54 ID:???
「クク…成る程ね…それで、俺が勝ったら?」
「―――腕でも足でも…命でも、持っていってください」
私の言葉に、アカギさんは一瞬瞠目し――そして、本当に楽しそうに笑い出す。
「ク…ハハ…ハハハハハハッ…!ほんとにずれた女だな、お前…!
100万からの金持ってるんだから、そっちを賭ければいいものを…」
「…こ、これは…元々わたしの物じゃないですし…こんなもので心は動かせないし…
って、もう…!そんなに笑うことないじゃないですかっ…!わたしは真剣に――」

…と。アカギさんはまた、底の見えない微笑でわたしを見返し、答えた。
「わかった…受けよう、その賭け……ただし、腕やら足やら、命なんて貰っても面白くない…」
「…?で、でも他に賭けられるものなんて―――」
戸惑うわたしに、アカギさんは一歩近づき…耳元で、信じられないほど優しい声で囁いた。
「…お前の、操を貰おう」

「へっ………?」
操。みさお、って?
頭の中で反芻する。言葉の意味は知っているはずなのに、理解が追いつかない。
つまり。要するに。わたしの…わたし、の、初めて………の―――
「○×☆△@―――!!」
顔がみるみる熱くなる。脳味噌が沸騰しているんじゃないだろうか。頭から湯気は出ていないか。
アカギさんは顔色も変えず、実に愉しそうにわたしを見ている。
445アカギ×おさめ3/5 ※女体化注意:2006/05/19(金) 01:25:17 ID:???
「なんだ…嫌なのか?」
慌ててぶんぶんと首を横に振る。
「い、嫌っていうか…そ、そんなのって賭けの対象に…い、いえ、あの…
………………わっ、わかりました、賭けます…み、操っ…!!」
目をぎゅっと閉じて恥ずかしさをこらえながら、ようやく首を縦に振る。
動揺しちゃいけない、きっとこれはアカギさんの作戦…!
でなきゃ、わたしみたいな何の取り得もない、美人でもなく胸も無い小娘なんかと
そういう…事…を、したがるわけはないんだから…。

ひとつ大きく深呼吸をして、きっ、とアカギさんを睨みつけ、硬貨を握った手を前に突き出す。
「じゃ、じゃあっ、始めます…!表か裏か、決めてください…!」
「クク…いいのか…?オレが先で…」
ぐっと言葉が詰まる。確かに、先に決められたらアカギさんの思うようになる気がする。
けれどこれは、手の上に受け止めるコイントスとは違い、細工のしようの無い方法なはず。
確率は純粋に二分の一。天運がどちらにあるか、それのみの勝負だ。
「構いません…」
「フフ…じゃあ、裏ってことにしとくか…」
「わたしが、表ですね…じゃあ、いきます!」

親指で硬貨を弾き、高く高く跳ね上げた。
くるくると回転する硬貨に月の光が反射して、きらきらと光る。
それは、やけに幻想的な光景だった。

一瞬のち、硬貨は甲高い音をたて、地面に落ち…コロコロと道の端へ転がって――
そして、止まった。
446アカギ×おさめ4/5 ※女体化注意:2006/05/19(金) 01:26:28 ID:???
(暗くてよく見えない………!表…?それとも―――)
硬貨の落ちたところに駆け寄り―――わたしは、目を見開いた。

目の前の現実が信じられなくて、ただその場に立ち尽くす。
アカギさんがてくてくと近づいてきて、わたしの肩越しに地面を覗き込むと、
「ふーん…こう出たか。面白ぇな、勝負ってやつは……」
と、笑った。

…月の光に照らされて、ちいさな楕円形の影ができている。

道の端の側溝。その、石同士がくっついたわずかな隙間。
わたしの弾いた硬貨はそこに立っていた。
表も裏も地面に着けることなく、地面に影を落としながら。

「こ、こんなこと…こんなの、あるわけ、ないです…だって、アカギさんは何にもしてない。
わたしだって、何にもしてない。なのに、こんなこと…こんなことって…」
「クク…だが現実にこうなってるわけだしな…」
アカギさんは大して驚いた様子もなく、煙草を一本取り出し、火を点ける。

「表でも裏でもないってことは引き分け…勝負なし…だな」
「そんなっ…!!」
アカギさんに抗議の目を向けるが、それよりも先に鋭い眼光がわたしを貫いた。

「―――捻じ曲げられねぇんだよ、博打の出た目ってやつは…」
深い深い闇が、アカギさんの瞳の奥に広がっていた。
わたしなんかには、一生理解の及ばない闇。足がすくんで、動けない。
代わりに、涙がひとすじ、頬を伝うのがわかった。
447アカギ×おさめ5/5 ※女体化注意:2006/05/19(金) 01:28:22 ID:???
「…ツキの女神は、どうしてもお前に日の当たる道を歩いて欲しいんだろうよ」
涙が、あとからあとから溢れ出す。
この人のようになりたかった。強く、真っ直ぐに、自分に由って生きていきたかった。
できることなら―――この人の隣で、そういう風に生きたかった…。

足の力が抜け、へたりと座り込むと――後ろで、ちゃりん、と乾いた音がした。
立っていた硬貨が倒れたのだろう。
アカギさんがそれを見て、「裏、か」と小さく呟くのが聞こえた。
しかしもうそんなのは関係ないのだ。勝負は引き分け。賭けは最初からなかったこと。
結局、振り出しにもどっただけなのだ……。

目を閉じていると、ふと近づいてくる足音が聞こえて、顎に手を当てられた。
抵抗する力も無く、そのまま顔が上に向けられ…目を開くと、間近にアカギさんの顔があり――
一瞬だけ、唇に暖かい感触があった。
煙草の味が、かすかに口に染みる。

何をされたのか理解できずに目をしばたたかせると、アカギさんはふわりと笑い…
「―――まあ、おまけみたいなもんだと思ってくれ」
そう言って、わたしに背を向けて歩き出す。

「それから」
背を向けたまま遠ざかる背中ごしに、呟くような声が聞こえた。

「…お前は、自分が思ってるよりずっと、いい女だよ」

―――それが、アカギさんがわたしに残した、最後の言葉だった―――。

(了)
448マロン名無しさん:2006/05/19(金) 01:46:13 ID:???
ちょwww
おさめちゃん.jm0こw萌え
449マロン名無しさん:2006/05/19(金) 01:48:11 ID:???
うおああ!寝ずに待ってて良かった!!
切ないが萌えたおさめタンがもうあskdfljlふじこ!!
450マロン名無しさん:2006/05/19(金) 01:51:22 ID:???
保管庫の絵板に三つ編みのおさめたんがっ‥!
451マロン名無しさん:2006/05/19(金) 02:00:54 ID:???
おもしろすぎる!!!!
452マロン名無しさん:2006/05/19(金) 02:27:48 ID:???
>>443-447
うおおおおおwwww
萌えた!萌え狂った!!
眠らなくてよかった!
…けど今夜は眠れそうにない…あまりの興奮で
453マロン名無しさん:2006/05/19(金) 03:02:11 ID:???
裏になるところがいいな・・・
454マロン名無しさん:2006/05/19(金) 03:20:46 ID:???
畜生、明日テストなのに寝れないじゃないかorz
455マロン名無しさん:2006/05/19(金) 04:21:33 ID:???
職人様GJです!!
でもハッピーエンドな感じのも見てみたかったり・・・
456マロン名無しさん:2006/05/19(金) 14:08:58 ID:???
福本作品も麻雀も全く知識のない(アカギアニメ一回見たぐらい)私が


このスレ見て萌えてんのはヘンデスカ・・・?
457マロン名無しさん:2006/05/19(金) 14:14:31 ID:???
>456
ちっとも変じゃないYO!
458マロン名無しさん:2006/05/19(金) 14:29:11 ID:???
しかし知識があったほうがより萌えられるのは確かだっ…!
っていうか先にこのスレ読んでると原作知った時
どういう反応するんだろうなwwwww
459マロン名無しさん:2006/05/19(金) 14:34:59 ID:???
>>456はラブコメが好きなんじゃないか
460マロン名無しさん:2006/05/19(金) 15:01:37 ID:???
>>458
カバチと漂流教室のドラマ版を思い出すよ。
461マロン名無しさん:2006/05/19(金) 15:11:43 ID:???
アカギ×おさめちゃん萌えが止まらん(;´д`)ハァハァ
純粋すぎるからこそアカギはおさめちゃんから離れることにしたのかなーと妄想っ…!
462マロン名無しさん:2006/05/19(金) 16:39:05 ID:???
>>459
言われて気付いた、そうなのかもしれん・・・

でもアカギおさめに萌えちまったから、久々に執筆したくなったよ。
463マロン名無しさん:2006/05/19(金) 16:52:37 ID:???
>>462
萌えさせてみろやっ…俺を…!
464マロン名無しさん:2006/05/19(金) 17:02:54 ID:???
>>462
書いてー!書いてー!今がその時だ!
465マロン名無しさん:2006/05/19(金) 17:49:30 ID:???
>462

時はよし!
見せてくれ…もまえの萌え
誰にも遠慮はいらないYO!
466マロン名無しさん:2006/05/19(金) 18:14:34 ID:???
>462
萌えるのも書くのも勝手だが
原作ほとんど見ても読んでもいないのは
正直感じ悪い。
オリジナルでやってこいよ
467マロン名無しさん:2006/05/19(金) 18:20:50 ID:???
そういや>>454はちゃんと起きれたかな?
468マロン名無しさん:2006/05/19(金) 18:30:19 ID:???
流れを読まずに投下ー
平成赤木家長女のお話、ひろ×しげみ(長女)
女体化&パラレル注意
469平成赤木家長女編1:2006/05/19(金) 18:31:10 ID:???
日曜日の真昼間、暖かな日差しが注ぐ。
その中をしげみとひろゆきは歩いていた。
前にしげみ、後ろに、戸惑い気味のひろゆき。

「・・・しげみちゃん・・・やっぱり行くんだ・・・?」
「・・・前から決めてたことじゃない」
「いや・・・まだ現実味がないって言うか・・・」

もごもごと口を濁してひろゆきは立ち止まる。
うーやらあーやら、よろしくない唸りを上げて空を見上げた。

「や、やっぱりさ・・・まだ言わなくてもいいんじゃないかなと・・・」
「・・・・ひろゆきさんさ、そんなに父さんが怖いの?」
「怖いとかじゃなくて・・・その・・・」

ふうと、しげみが呆れたようにため息をつく。
そのため息を受けて、ひろゆきは己の情けなさを呪った。
いやでもしかし、緊張するなというのが無理である。

「ただ父さんに、私たち付き合ってますって言うだけじゃない・・・」
「・・・『ただ』とか言わないでくれよ・・・『ただ』とか・・・」

ひろゆきにとって赤木茂は最も尊敬し敬愛する人である。
そんな尊敬する彼の娘と自分が交際しているなど・・・改めて思えば嘘のようだ。
まあ、関係に至ってしまったのは、無論自分が望んだからであるのだが。
しかし・・・。
470平成赤木家長女編2:2006/05/19(金) 18:33:00 ID:???
その関係を他ならぬ彼女の父である赤木に報告することは、悪いが望んじゃいない。
気恥ずかしいやら、申し訳ないやら、・・・本当は少し怖いやら。

(赤木さん・・・自分の子供にはいっとう甘いからなあ・・・)

ふと、ひろゆきはしげみがまだ幼い頃の赤木を思い出す。
いつものからかいを含んだ笑みではなく、あたたかい幸せそうな笑顔でしげみの頭を撫でていた。
こちらを向けばまたからかいの笑みに戻るものの、その雰囲気は柔らかかった。
親馬鹿と言うよりも、この子達はこの人の支えなのだなと、そう思った。
その支えである娘を自分は言わば奪おうとしているのだから・・・。

(・・・このことを考えるのはやめよう)

ひろゆきは軽く頭を振っていやな想像を追い出す。
しげみはそれを見て、再度ため息をついた。
ただ、先程と違ってその顔は柔らかく微笑んでいる。

「・・・ねぇ、ひろゆきさん・・・」

しげみは一歩二歩踏み出し、ひろゆきとの距離をわずかに縮める。

「・・・ひろゆきさんは、私と父さん、どっちが大事・・・?」
「え・・・?」

突然の質問に、ひろゆきは言葉に詰まった。
恐らくひろゆきにとって、世界で一番難しい問いだろう。
ひろゆきは少し動揺し、顔を伏せて、しばらく無言になる。
長い沈黙の後、ひろゆきは答えを発した。
471平成赤木家長女編3:2006/05/19(金) 18:34:36 ID:???
「・・・選べない」

伏せていた顔を、ためらいがちに上げて、しげみを見据える。

「俺は・・・赤木さんを尊敬してる・・・憧れの人だ・・・。
 俺はあの人に認めてもらいたい・・・あの人に嫌われるのはいやだ・・・。だけど・・・」

破裂しそうな心臓の音が、二人の間に響いているようだった。
ひろゆきは顔を真っ赤にしながら喋る。
視線は逸らさず、しげみを見据えたまま。

「俺は、どうしようもないぐらい君が好きだ」

凛と放った言葉に応えるかのように、風が一線通り抜ける。
熱を持った頬を冷やすような風に、ひろゆきは思わず目を伏せた。

「だから・・・ごめん・・・選べない・・・」

ひろゆきは自分の情けなさ、不甲斐なさに、涙が出そうになる。
ところが、今度聞こえてきたのはため息ではなく、笑い声だった。
柔らかいあたたかな目で、くすくすとしげみは笑っていた。
しげみはひろゆきの腕を取ると、自分の腕を絡めて抱き寄せる。
ぎゅうと抱きしめ、逞しいとは言えないが、しっかりとした腕に顔を寄せた。

「ひろゆきさんらしいね・・・」
「え・・・」
「言っちゃうなら・・・優柔不断だけど・・・」
「う・・・」
472平成赤木家長女編4:2006/05/19(金) 18:35:13 ID:???
顔を上げ、しげみはひろゆきを見つめる。

「・・・私ね、ひろゆきさんのそんなところが、大好き」

頬をかすかに赤く染めながら、しげみは微笑んだ。
流石に恥ずかしかったのか顔はすぐに伏せられてしまう。
掴んでいた腕も離して、しげみはひろゆきの前方へと移動する。
ひろゆきは顔をますます真っ赤にしながら、しげみの名を呼んだ。

「し、しげみちゃっ・・・!」

振り返ったしげみは悪戯っぽく、べぇと舌を出して笑う。

「さっき好きって言われたから、お返し」




楽しそうに笑い歩き出すしげみを、ひろゆきは少し慌てながら追いかけた。
小さく小さく、幸せそうに笑みを浮かべて。
473マロン名無しさん:2006/05/19(金) 19:44:29 ID:???
>>468
GJ! GJ! GJ!
474マロン名無しさん:2006/05/19(金) 19:54:09 ID:???
>>469-472
赤木家族ひろ×しげみ編っ…!待っていた…この萌えを…!(*´д`)
やっぱり子供の頃から知ってるんだなー
幼女しげみ&若造ひろゆきとかも見てみたいw
475マロン名無しさん:2006/05/19(金) 20:00:22 ID:???
こうなったら、赤木家族次男シゲル×ハテコ編も読みたいっ…!
476マロン名無しさん:2006/05/19(金) 20:01:29 ID:???
>>468
なんだ・・・この・・・胸から沸き起こる気持ち・・・
これが萌え・・・!萌えというものなのかっ・・・!
477マロン名無しさん:2006/05/19(金) 20:08:51 ID:???
>>469-472
職人さんきたー!!凄い萌えるっ‥!


>>475
同意!!かなり見たい!
478マロン名無しさん:2006/05/19(金) 20:48:55 ID:???
今さらなのだが‥‥。
漏れはハテコより芽衣希望‥‥。
479マロン名無しさん:2006/05/19(金) 21:01:15 ID:???
>>469-472
甘ずっぱくってGJじゃ!
480マロン名無しさん:2006/05/19(金) 21:11:48 ID:???
>>478
がい→芽衣 かw
そっちのが女の娘らしくていいかも試練ね
481マロン名無しさん:2006/05/19(金) 21:12:13 ID:???
>>478
ハテコって何ともいえない響きだよなw
女の子にパラレルチェンジした涯というよりは女装した涯が思い浮かぶ
482マロン名無しさん:2006/05/19(金) 21:16:44 ID:???
>>125
>次男(………ハテコ、か……変な名前…)
が印象強くてwww
483マロン名無しさん:2006/05/19(金) 21:29:11 ID:???
次男「よおハテコ」
涯子「・・・涯って呼べ・・・」
次男「別にいいだろハテコ」
涯子「ハテコって言うな・・・!」
次男「ハテコハテコハテコ」
涯子「連呼するなっ!」

なんてね。
484マロン名無しさん:2006/05/19(金) 21:32:38 ID:???
>>483 うはw萌えたw
中坊らしく「工藤」って呼ぶのもいいけどねw
485マロン名無しさん:2006/05/19(金) 22:55:02 ID:???
>>483
いいねぇv
ガキっぽいからかい方に萌え転げそうだ
486マロン名無しさん:2006/05/20(土) 08:13:16 ID:???
女の子だと顔の火傷が途端につらそうだな
487マロン名無しさん:2006/05/20(土) 12:47:49 ID:???
だからハテコに興味を示すのはシゲルだけっ・・・!
488マロン名無しさん:2006/05/20(土) 17:30:37 ID:???
恋愛一歩手前の初々しいやりとりが見れそうw
しかし茂父さんは不憫だな(つд`)
489マロン名無しさん:2006/05/20(土) 18:10:46 ID:???
>>469-472

>>104-105
>>146-148
が同じ日の出来事だったら、父茂の胃に穴が開きそうw

490マロン名無しさん:2006/05/20(土) 18:29:20 ID:???
その内芽衣ちゃん(ハテコ)も赤木家に招待されたらっ‥?どうなる父茂っ‥!
491アカギ×しげみ(5/4編)36:2006/05/20(土) 21:02:42 ID:???
>>410-414
の続き投下します
わたしもおさめちゃん、シゲル萌え

 しげみの頭の中を覆う霧が、少しずつ晴れてゆく。
 (…まゆみかわいそうに…なんとか助け…)
 しげみは、夢から覚めるように、閉じていた目を開けたが、なぜか視界は真っ暗だった。
 しげみの鼻腔に、タバコの香り、整髪料の香り、かすかに汗ばんだ服の匂いが入り込む。
 それに頬が、なんだか熱くて柔らかいものにあたっており、背中にも同じような
熱いものが張り付いている。
 そんな概況情報が、一気に脳内になだれ込み、しげみはそれらを整理するために
頭を強く振った。「いてて…」頭上で男の声がし、何かに頭がコツリと当たった。
 思わずしげみは、上を見上げた…。
 「…………ぎゃあああぁぁああぁああっ………!」
 しげみはアカギを突き飛ばし、彼の両腕から逃れると、尻餅をついて、後ろに後ずさった。
「…なっ!…なななっ…な…!」
 しげみは、棒立ちで唖然とするアカギを指さし、泡食って叫んだ。
「なんだッ…!…こ、これは、…どど…どういうことだ…?痴漢…、…痴漢…!!」
 カウンターのじいさん、三好、田中、まゆみ、美香。…そしてアカギ。
(さっきのは、何だったんだいったい…)と、しげみを呆然と見つめている。
 …さらにサプライズは続く。うめき声とともに、男子トイレから、例の木村が…!
またもや、頭から水を滴らせ、前屈みになって、皆のところにふらりと歩み寄る。
「…頭が…頭が痛い…気持ち悪い…死ぬ…救急車…オエェー!…」まるでゾンビ…!
 全員本能的に木村から逃げ、遠巻きに、ただ様子をうかがうだけ。
 思いあまった三好が、田中に、木村の具合を見に行くよう、あごでうながした。
イヤイヤ近づく田中。
 そんなとき、ガラス扉を横にガラガラ開ける音とともに、リーマン佐藤が帰ってきた。
片手に、コンビニの袋をぶら下げている。
この雀荘の、室内の異様な空気にとまどい、彼は口を開いた。
「…ど…どうしたんですか?…皆さん…」
492アカギ×しげみ(5/4編)37:2006/05/20(土) 21:04:10 ID:???
 三好の独断で、休憩時間がさらに伸びた。
 カウンター真横の長ソファーには、横に寝かされ、冷たいおしぼりを額にあてがわれて、
うんうん唸る木村。
 同じソファーの端で、憮然と腕組みし、ただ一点方向を睨み続ける三好。
 そのソファーから、一番遠く離れた雀卓に、お互い身を寄せ合うように座る、
不安げな表情の、まゆみと美香。
 そのすぐ横の長ソファーに、コンビニ弁当をうまそうにほおばる、サラリーマン佐藤。
 そして、三好が睨み付けている先の雀卓に、アカギがイスに寄りかかり、
後頭部に後ろ手し、足を組み、お気楽な表情でくわえタバコをしていた。
 しげみの姿はない。
493アカギ×しげみ(5/4編)38:2006/05/20(土) 21:06:23 ID:???
 「…いてててて!…なんか…かまいたちにやられちゃってさ……
…バックリいっちゃってるだろ…!頭…!」
 木村が、田中に頭頂部を見てもらいながら、盛んにまくし立てている。
 「………だいじょうぶっスよ……思ったより傷浅いし、長さも短いスから…」
 「……医者!…救急車!」
 「…こんなので呼んだら、笑われますって!…
…医者に行ったとしても、…たぶん塗り薬と包帯で終わりですよ」
 田中は、付近のコンビニで買った、限られた種類の医療品を駆使し、木村の傷の
手当てをしていた。

 まゆみと美香が黙って寄り添う雀卓に、笑顔の三好がやってきた。
 うつむくふたりの前に、缶コーヒー二本と、お茶のペットボトル二本、それに菓子類を
山のように置き始めた。ふたりは思わず、互いの顔を見合わせる。
 「…さっきは殴ったりして、悪かったな…」三好が猫なで声で、まゆみに顔を近づける。
 まゆみは三好を一瞥すると、黙って目をそらした。
 「…俺も熱くなりやすいたちだから…まあ、勘弁してくれ…。…
………そんな目で見るなよ…あのチビガキが言ったように、……俺がおまえ達を
……捨てるわけがないだろう…?…
……ばかな話だ。…でたらめもいいところだ……」
 三好は舌打ちして、雀荘中をキョロキョロと見渡した。そして再び舌打ち。
 それから、三好はまゆみにさらに顔を近づけ、耳元でささやいた。
 「……俺は…おまえの才能を買っているんだ。…仲良くやっていこうや…、…
…これからもずっとだ。…仲間だぞ?…俺達は」
 三好が、まゆみの肩に手を置くのを、彼女はやんわりと、それを払いのける。
 「…しげみのこと、チビガキなんて言わないで!」そして、シガレットケースを取り出した。
 きっぱりした声だった。「…そうか、そうだよな……悪かった」三好は笑って腰をあげた。
494アカギ×しげみ(5/4編)39:2006/05/20(土) 21:09:37 ID:???
 しげみが外から戻ってきた。…なにやらうつむいて、表情に乏しい。
 しげみを見つけたアカギは、タバコ片手に、ニヤリと笑いながら、
すぐ近くに立つ、彼女の瞳を覗き込む…。しげみは無表情のまま、視線をそらした。
 「…しげーみちゃん!」今度は、横から男の声がし、しげみはその方向をちらりと見た。
 そこには、にこやかに腰をかがめて立つ田中がおり、缶コーヒと板チョコを、
しげみの両手に乗せてくれた。
 「あ…。どうもありがと…」しげみは笑顔を作り、小さくお礼を言った。
 「田中!!そいつにはやるな!」三好の怒鳴り声が聞こえたが、田中はやんわりと返答した。
「しげみちゃんにもあげないと、まゆみちゃんに怒られちゃいますって!」
 口をつぐみ、しげみを睨み付ける三好。
 田中は、目を輝かせて言った。「…さっきのしげみちゃん、…マジでかっこよかったぜ!」
しげみは無表情になり、下を向いた。
 さらに田中。こっそりしげみにささやいた。「今度さ…ふたりっきりで…うわぁあ!!」
 いつの間にかアカギが横にいて、腰をかがめ、田中の声をふんふんと聞いている。
「…な、なんだおまえ…!!」…驚いて叫ぶ田中。…固まるしげみ。
 アカギは腰をあげ、火のついたタバコを口にくわえ、のどの奥で愉快そうに笑った。
 「……ククク…田中………」そう言い、アカギはゆっくりと煙を吐き出した。
「………俺はコーラでいい……」
 「…ななな!…ないっ…!あんたの分はない…!自分で買ってこいやぁ…!…
…それに、人の名前を気安くよぶな…!」
 田中は、先ほどよりも、さらに声のトーンを高くし、ムキになって叫んだ。
 「……ぷっ…クク…。…なんだ…シケてやがる」
 「あっ…!おいこら!」
 アカギは、慌てる田中を後目に、しげみの手を取ると、先ほどまで自分が座っていた
雀卓まで引っぱり、しげみを座らせた。しげみは、心中、自分自身に憤っていた。
 (…あ、あのとき……なんであたし…この男に抱きついたりしてたんだろう?…
……わ…分からない…)
 アカギは、真っ正面のイスに腰掛けると、黙って人なつっこい微笑を浮かべ、
しげみの顔を覗き込んだ。
 (……あ、あんなこと…、あたしがあんたにしたからって…、…
……………別に気があるからしたんじゃ……ないんだからね…!)
(続く)
495マロン名無しさん:2006/05/20(土) 23:07:46 ID:???
ツンデレええw
496マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:18:07 ID:???
学園フクモト >>297の続き

下校中
手をつないだまま歩く二人
しげみ「フフフ・・・こうしてるとまるで恋人同士・・・」
涯「い、いつまで握ってんだよっ・・・!」
しげみ「・・・・・・・嫌?」
涯「・・・嫌ってわけじゃ・・・・」
しげみ「じゃあいいじゃない・・・それよりどこ・・・?涯の家・・・」
涯「あれだけど・・・」
しげみ「おじゃましていいかな・・・お母さん・・・南郷さんにお弁当のお礼言いたいし・・・」
涯「でもまだ帰ってないぜ・・・仕事から・・・」
しげみ「じゃあ家で待たせてもらう・・・・・・ダメ・・・?」
涯「・・・別に・・・いいけど・・・」

涯宅
家の中をキョロキョロ見渡すしげみ
涯「・・・珍しいものなんてねえだろ・・・?」
しげみ「いや、結構新鮮・・・あら・・・なにこれ・・・?」
涯「麻雀牌だよ・・・親父がよくやる・・・」
しげみ「ふーん・・・涯も出来るの・・・?」
涯「一応・・・」
しげみ「じゃあやろうよ・・・暇つぶしに・・・」
涯「お前ルール知ってんのか・・・?」
しげみ「いや全然・・・」
涯「あのな・・・それに麻雀ってのは普通4人で・・・」
しげみ「2人だから出来ないってこともないでしょ・・・ルールは涯が教えてよ」
涯「ま・・・いっか・・・どうせ暇だし・・・」
のちに裏の麻雀界を震撼せしめる赤木しげみ・・・これがそのはじまり、初めての麻雀・・・!
497マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:19:56 ID:???
一方杏慈たち
杏慈「なんで・・・!なんで私だけがこんな目にっ・・・!」
アカギの腕につかまり、ピョコピョコ家路を歩く杏慈
その様子は腕を組んでいるようにも見えるっ・・・!
アカギ「ククク・・・こうしてるとまるで恋人同士・・・」
杏慈「なに乙女チックなこと言ってんの・・・!するなよっ・・・!勘違い・・・!」
アカギ「冗談だ・・・それより当たってるぜ・・・おっぱい・・・!」
杏慈「えっ・・・!?」
アカギの腕に杏慈のおっぱいがわずかだが当たっていた・・・!急いでおっぱいを離す杏慈
杏慈「スケベっ・・・!」
アカギ「フフ・・・思ったよりデカいんだな・・・・」
杏慈「なっ・・・!ちょっと当たっちゃっただけでしょ・・・!どうしてデカさが分かんのっ・・・!」
アカギ「ちょっとで充分・・・おおよそ誤らない・・・!その人間のおっぱいのデカさ・・・!」
ドサッ 杏慈宅のアパート前にさしかかったところで物音・・・!
遠藤「お、おっぱいっ・・・!?」
前方にいたのは、あまりのショックに買い物袋を落とした遠藤・・・!
杏慈「げっ・・・!」
遠藤「杏慈・・・!な、なんだその男はっ・・・!あ〜・・・?腕なんか組んじまってっ・・・!
   しかも今・・・言ってなかったかっ・・・!?おっぱいがどうとか・・・!!
   どういう関係だ・・・!まさか、か、か、彼氏だとか言うんじゃねえだろうなっ・・・!」
杏慈「違うわよっ・・・!早とちりするなっ・・・!!」
遠藤「かあ〜っ・・・!これだから思春期の娘ってのはっ・・・!そりゃあいつかは旅立つ・・・!
   それは分かってる・・・!だが・・・あの幼馴染の・・・涯って奴ならまだ分かるが・・・
   なんだっ・・・!このチンピラはっ・・・!認めねえぞっ・・・!」
杏慈「だから言ってるでしょっ・・・!違うっ・・・!彼氏じゃないっ・・・!」
アカギ「・・・なんだ、杏慈の親父か・・・ヤーさんかと思った・・・」
498マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:21:21 ID:???
遠藤「お前っ・・・!もし杏慈になんかしたら許さ・・・ってなんだ杏慈・・・!その足は・・・!」
杏慈「体育でケガしたのっ・・・!それで送ってもらっただけ・・・!!」
遠藤「こいつにやられたんだなっ・・・!?そうだろ・・・!!」
杏慈「あーもーっ・・・!うるさいうるさいっ・・・!早く入って・・・!家にっ・・・!」
遠藤の背中を押しアパートへ追いやる杏慈
アカギ「ククク・・・それじゃ、オレ雀荘いくから・・・」
遠藤「雀荘だとっ・・・!?不良っ・・・!将来は不良中年じゃねぇか・・・!
   杏慈、だめだっ・・・!不幸になるっ・・・!あんな奴と付き合ったら・・・!」
杏慈「しつこいっ・・・!!」
アカギ「あ・・・そうだ、杏慈・・・お前もう少し素直になったほうがいいぞ・・・」
別れ際、振り返って語るアカギ
杏慈「ど、どういう意味・・・」
アカギ「いや・・・お前、そのへんにひっかかってそうだからよ・・・
    これだけは言っておきたかったんだ・・・」
杏慈「・・・・・・・・・」
遠藤「杏慈〜〜っ・・・!!」
杏慈「うわっ・・・!離せっ・・・!抱きつくなっ・・・!」

戻って涯たち
しげみ「ククク・・・悪いわね・・・ロン」
涯「クソっ・・・!強すぎだろっ・・・!」
しげみの圧勝っ・・・!涯の点棒は残り1000っ・・・!
涯「もうやめにしようぜ・・・そろそろ母さんも帰ってくるだろうし・・・」
しげみ「なに言ってるの・・・まだまだ終わらせない・・・!限度いっぱいまでいく・・・!」
ここで南郷たち帰宅・・・!玄関に見慣れない靴があるのに気づく
南郷「あら・・・誰か来てるのかしら・・・」
安岡「これ女ものだな・・・」
ふとリビングから聞こえてくる涯と女の声
涯「ぐっ・・・!」
しげみ「もう、早くしてよ・・・じれったいなぁ・・・」
499マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:23:42 ID:???
涯「このあたり・・・かっ・・・!?」(牌を切る)
しげみ「あっ、だめよ・・・そんなとこっ・・・!」(牌を倒してあがる)
涯「うっ・・・!お前・・・ホントに初めてなのかよっ・・・!」
南郷と安岡に電流走る・・・!
安岡「ぐおおおお〜っ・・・!涯っ・・・!なにやってんだお前はっ・・・!ずるいっ・・・!」
勢いよくリビングのドアを開ける安岡、オロオロする南郷
涯「は・・・?」
安岡「な・・・なんだ・・・麻雀・・・か・・・」
しげみ「クク・・・おじゃましてます・・・」
安岡「だ、誰だ・・・!この美少女は・・・!彼女か・・・!?」
涯「違えよっ・・・!クラスメイト・・・!」
南郷「ま・・・まさか・・・しげみっ・・・!?」
涯「な、なんだ・・・?知り合い・・・?」
南郷「間違いない・・・紛うことなく本物・・・!涯、どうしてしげみがここに・・・?」
涯「今日転入してきたんだよ・・・オレのクラスに・・・」
しげみ「久しぶり、南郷さん・・・」
安岡「南郷さん、どこで知り合ったんだよ・・・!もっと早く紹介してくれれば・・・」
南郷「あれは・・・一年前・・・私が肉屋「みどり」で、カレーを作るのに
   豚肉を買うか牛肉を買うか迷っていたときのこと・・・」
  
  南郷「(しかたがない・・・牛肉を買えば今月の家計がアウツっ・・・!
      ここでムリはできないわ・・・ここはかたく・・・)」
  南郷が牛肉を切ろうとしたその時・・・!
  しげみ「買えば助かるのに・・・」
  南郷「うっ・・・!・・・あんた・・・私のお財布状況が分かるの・・・?」
  しげみ「いや・・・全然・・・ただ、今気配が死んでいた・・・
      背中においしいご飯をつくろうという愛情がない・・・あなたはただ怯えてる」
  南郷「(この小娘・・・いいたいこと言って・・・しかしこの子の言う通りよっ・・・!
      カレーがどうして豚肉なんだっ・・・!どうかしてたっ・・・!)
     竜崎のおじさま・・・くださいっ・・・!牛肉をっ・・・!」
  竜崎「それだ、南郷さん・・・当たりっ・・・!」
500マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:25:19 ID:???
  南郷「えっ・・・!?」
  竜崎「今、当店はキャンペーン中でな・・・100人目に牛肉お買い上げの方は無料・・・!
     南郷さんはその100人目・・・!」
  南郷「や・・・やったっ・・・!!助かったっ・・・!・・・あなた、名前は・・・?」
  しげみ「赤木・・・赤木しげみ・・・」

南郷「あれっきりでもう会わないかと思っていたけど・・・まさか涯のクラスメイトなんて・・・
   あの時のお礼がしたいわっ・・・!」
しげみ「お礼ならもうもらった・・・今日のお昼、涯から南郷さんのお弁当分けてもらったのよ・・・
    おいしかったわ・・・ありがとう・・・」
南郷「あら、そうだったの・・・?でもそんなのお礼のうちに入らないわよ・・・!
   もっとちゃんとしたお礼がしたい・・・!どう?晩御飯ご馳走・・・
   いえ、よかったら泊まっていかない・・・?今夜・・・!」
安岡「おおっ・・・!そりゃあいいっ・・・!オレからも頼む・・・!泊まってくれ・・・!」
しげみ「フフフ・・・喜んで・・・」
涯「勝手に決めてんじゃねえっ・・・!」
南郷「いいじゃない、涯がしげみと仲良くなるチャンスでもあるのよ・・・!」
涯「い、いらねえよっ・・・!そんなの・・・!」
南郷「いけませんっ・・・!仲間はずれはっ・・・!」
涯「なんだよそれっ・・・!」
南郷「じゃ、さっそく作らないとっ・・・!ご馳走・・・!」
涯「ちょっと待てよっ・・・!いきなりすぎだろっ・・・!」
しげみ「ククク・・・狂気の沙汰ほど面白い・・・」

(続)
501マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:31:41 ID:???
キタwwwwwww
なぜ泊まることに
まさに神域!
502マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:52:42 ID:???
遠藤さん、杏慈の父親かw
503マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:56:16 ID:???
南郷さんがほんとに奥様口調wwwwwwwww
504マロン名無しさん:2006/05/21(日) 00:56:47 ID:???
相変わらずおもしろい!
アカギ、またおっぱいかよw
505マロン名無しさん:2006/05/21(日) 01:01:15 ID:???
すっかりおっぱい星人で定着しちまって…>アカギ
506マロン名無しさん:2006/05/21(日) 01:05:39 ID:???
ワロッシュwwwwwww
なにげにアカギ×あんじフラグも立ってるのか?
次回が楽しみだw
507マロン名無しさん:2006/05/21(日) 01:10:45 ID:???
牛肉ネタがすごいww
508マロン名無しさん:2006/05/21(日) 01:59:40 ID:???
もう好きすぎるwww
509マロン名無しさん:2006/05/21(日) 02:21:49 ID:???
>>491
改めてオモタ
ツンデレって・・・









いいなw
510マロン名無しさん:2006/05/21(日) 09:36:20 ID:???
ラブコメって難しい。本当に難しい。職人さんたちはスゴいと本気で思う。
え〜、一応女体化です。一応。


だって、連中から見たら、俺ヒーローだから……奢ってくれなんて、とても……

な、なんなのよ、その見栄は!? 全く……謙虚なんだか傲慢なんだか、わかんないコね。
……ほらっ! これ、あげるから。さっさと合流してきなさいっ。

えっ? さ、三万円……まさか、くれるんですか? 帝愛が?

帝愛じゃないわ。私よ。この私が、あげるって言ってるの。だから行って来なさいっ。

あ、ありがとうございますっ……優しいオバさ


バキッ! ドゴッ! メギッ! グジャッ! ズブァァン!


伊藤カイジ 再起不能  →TO BE CONTINUED……?
511マロン名無しさん:2006/05/21(日) 10:18:19 ID:???
脳裏をカワイソスとワロスがせめぎ合った
512マロン名無しさん:2006/05/21(日) 10:44:15 ID:???
>510

ピンポイント爆撃がきいてて粋だねっ!!
513マロン名無しさん:2006/05/21(日) 12:47:33 ID:???
学園フクモトいいな
杏慈&涯テラモエス
514マロン名無しさん:2006/05/21(日) 18:11:13 ID:???
まさかやさしいおじさんが女体化とはw
515マロン名無しさん:2006/05/21(日) 19:59:15 ID:???
>>510
意表をつかれたwwww
516ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/21(日) 22:40:23 ID:???
優しいおb(ry)モエスwwww

ひろしげみ、>>348-349続きです。以下4レス消費。

*

神社までの通りには様々な屋台が並び、初詣に来た人々でごったがえしていた。
「へえ、すごい人ですね…」
しげみが感心したような声をあげる。
物珍しそうに屋台を覗いているのが、いつものしげみとは違い
まるで子供のように見えて、隣を歩くひろゆきは自然と微笑んでしまう。

「ここの神社は結構有名なのよ、運気上昇にご利益があるって」
「ふふふ、なんたって『天和通り』だものね。…そうそう」
天の妻その二が、しげみに楽しそうに耳打ちをする。
『…それから、縁結びにもね?』
聞くつもりはなかったが、近くにいる為に内容が聞こえてしまい、ひろゆきは赤面した。

聞こえなかったふりを決め込みそっぽを向くと、またも天と目が合う。
「なーに赤くなってんだ、ひろ」
そう言う天の方も、左頬が赤くなっている。先ほど、ひろゆきが一発お見舞いした痕だ。
さっきはからかわれすぎて頭に血が上ってしまったが、今になって申し訳ない気持ちになる。
「いえ…天さんこそ、ほっぺた大丈夫ですか…?」
ばつの悪そうな顔のひろゆきを見て、天は呵呵と笑った。
「殊勝なこというじゃねえか…気にすんな、殴られんのは慣れてるからよ…ところで、ひろ」
天は急に真剣な顔になり、ひろゆきの肩に腕を回し、声を低くして言う。
「…ちょっと、話がある」
517ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/21(日) 22:41:21 ID:???
女性陣は屋台の熊手や達磨などを見ていて、ひろゆきと天の様子には気づいていない。
「…話…?」
「ああ、彼女…赤木しげみのことだ」
そう言った途端、眉間にしわを寄せて睨むひろゆきに、天は苦笑する。
「安心しろよ…もうからかったりしねえ…本気なんだろ、お前」
「………」

ひろゆきは黙り込む。そんなことを言われても、正直自分でも自分の気持ちがはっきりとは判らないのだ。
しげみのことは…好きだ。いつもの凛とした佇まいにも、いたずらっぽく笑う顔にも、
どうしようもなく心が揺さぶられる。抱きしめてしまいたい衝動にかられることだってある。
―――けれど、それを良しとしない気持ちが、どこかにあった。
何しろ相手は干支一回りも下の女子高生で、自分が尊敬し、憧れてやまない男の
忘れ形見でもあるのだから―――。

顔を俯けて目を伏せるひろゆきを見て、天は溜息をつく。
「…真面目すぎんだよな、ひろは…いいじゃねえかよ、惚れたなら惚れたでがばーっと押し倒しちまえば…」
「押し……って、なっ、なんてこと言うんですかっ!からかったりしないって今っ…」
顔を赤くするひろゆきに、くくくと笑う天。
「だってお前、面白いんだもん…ったく、シラフになると途端に駄目だなー」

――素面になると。
その天の言葉が、ひろゆきの心にひっかかっていたものを思い起こさせる。
それよりも後にあった、あの物干し場でのひと時の印象が強すぎてすっかり忘れていた。
昨夜、自分が酔いつぶれ、記憶を無くしていた間のこと――。
518ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/21(日) 22:42:34 ID:???
ひろゆきは慌てて天に掴み掛かる。
「てっ、天さん!今のってどういう意味ですかっ…!俺、酔って彼女に何を――」
冷や汗をだらだらと流すひろゆきを、天は意外そうにまじまじと見つめる。
「……え、お前覚えてないの?へー…ふーん…なるほどねえ」
「だ、だから何を―――」

「あの」

「うお!?」
「わあ!?」
突然横から発せられた声に、天とひろゆきは飛び上がるほど驚いた。
声の主――しげみはというと、男二人の不自然な驚き方にきょとんとしている。
「ど、どうしたの、しげみちゃん…」
驚きにどきどきと跳ね上がる胸を押さえてひろゆきが尋ねると、しげみはいつもの涼しい顔で言う。
「天さんの奥さんたち、『他の屋台を見てくる』って言ったきり、戻ってこなくて」
「え…?」
ひろゆきが目を丸くすると、隣の天が突然大きな声を張り上げる。
「なにー、そりゃーたいへんだっ、さがしてくるからおまえらふたりでまってろっ!
あ、ご神木のあたりが雰囲気出てていいかもしれないから、そこでなっ」
…完全なる棒読みでそう言うと、天は止める間も無く駆け出し――
あっという間に、人ごみに紛れて見えなくなってしまう。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
後には、目を点にして立ち尽くすひろゆきと、成る程ね、といった表情のしげみが残された。
519ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/21(日) 22:43:23 ID:???
結局天の言ったとおり、境内の隅にあるご神木の根元のベンチにふたりで腰掛けているひろゆきとしげみ。
(…やられた…一度ならず二度までもっ…!)
あの人たちは本当に昔から変わらない。お節介で、他人の問題にバシバシ割り込んできて――
その上、それが本気で他人の為になると思ってやっているから怒るに怒れない。
ひろゆきが苦々しく溜息をつくと、隣でしげみの含み笑いが聞こえた。

「…フフ…しようのない人達だね」
くすりと笑うしげみの横顔を見ていると、なんだか申し訳ない気持ちが押し寄せてくる。
あの人たちに振り回されっぱなしなのは、この少女も同じなのだ。
「…ごめん…俺が無理言って君を連れてきたから…」
しげみの目を真っ直ぐに見られず、ただ俯いて謝罪の言葉を呟くと、
「…?私、ひろさんに謝られるようなことされたかな」
本当に不思議そうな顔でしげみに尋ねられ、ひろゆきは驚いた。

「楽しかったよ、私は…あんな風に、大勢で騒いだりする事ってあんまりなかったから…
まるで家族が出来たみたいで、少し…嬉しかった」
そう言って初詣の客の列を見つめるしげみの横顔は、少し寂しげに見えた。
だがそれも一瞬の事で、しげみはひろゆきに柔らかな笑みを向ける。
「だから、ひろさんには感謝してる。…ありがとう」
「…しげみ、ちゃん…」
自分を真っ直ぐに見つめてくるしげみの眼は、吸い込まれそうな程澄んでいて。
「…あー、えーと…さ、寒いよね!何か暖かいものでも買って来るから、ちょっとここで待ってて…!」
慌てて目を逸らし、立ち上がる。我ながら情けないことだと思うが、これ以上しげみの眼を見ていると
また雰囲気に流されてえらいことをしてしまいそうだった。
520ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/21(日) 22:44:25 ID:???
とことん情けないひろでゴメス(;´д`)
あと一回の投下で終わるはずっ…!
521マロン名無しさん:2006/05/21(日) 23:26:08 ID:???
続きがすげー気になる!
ひろがんばれwwwwww
522マロン名無しさん:2006/05/21(日) 23:55:35 ID:???
じれってえええ!w
天一家の気持ちもわかるw
523マロン名無しさん:2006/05/22(月) 01:45:48 ID:???
職人さんGJですっ‥ひろもガンガレ!!

524マロン名無しさん:2006/05/22(月) 02:54:33 ID:???
じれったいっ…だが、まさにそこがラブコメの醍醐味っ…!
525マロン名無しさん:2006/05/22(月) 17:35:04 ID:???
むしろ三十路ひろの乙女っぷりに萌えてしまってる自分がいるよ(;´д`)ハァハァ
526マロン名無しさん:2006/05/22(月) 22:54:16 ID:???
おお…保管庫がっ…保管庫が更新されているっ…!
管理人さん乙&GJ!
アカギ風ロゴワロスw
527マロン名無しさん:2006/05/22(月) 23:42:30 ID:???
すげええwww管理人さんGJっ・・・!
528マロン名無しさん:2006/05/23(火) 08:18:36 ID:???
保管庫すげぇー!超乙!

アカギの18巻読んでたら、
「やだっ…ダメぇアカギぃ…中は…中はダメぇっ…!」
って言う衣和緒たんが浮かんできた。

チュンですよ。
529アカギ×しげみ(5/4編)40:2006/05/23(火) 09:20:10 ID:???
>>491-494
の続き投下
>528 朝から激萌えしてしまったよ!

 しげみが、そう思い悩み、意識の底に沈んで、沈んで…、再び我に返ったとき。
…こともあろうにアカギ、しげみの缶コーヒーを取り上げ、旨そうに飲んでいる最中。
 しげみに(超絶)電流走る!!
 「…なに!…なにするんだよぉ!…それはあたしの…!!」
 しげみは真っ赤になり、缶コーヒーを奪い返そうと、アカギに飛びかかった。
 あきらかにアカギが面白がって、わざとやっているのがミエミエで、しげみは
さらに苛立ちをつのらせる。
 アカギは、イスに掛けたまま、飲みかけの缶コーヒーを、頭上に掲げた。
 「……へへっ…なんだ……いつまでも置きっぱなしだから…飲まないのかと思ったぜ…」
 (こ…こいつ…ニヤニヤしやがって…悪魔…!…
…くやしい!…そもそも腕の長さが違う…!このリーチの差はあまりにも大きい…!
……くそぉぉ!…あたしがまゆみぐらいのデカ女だったら、絶対負けやしないのにっ…!)
 と、そこへ。頼まれてもいないのに田中が参戦。「しげみちゃん!俺にまかせろや!」
 アカギが頭上に掲げる缶コーヒーを、彼の後ろから、あっさりふんだくった。
 「あらら…」それだけつぶやき、特にリアクションなしのアカギ。
 「あ…!どうもありがとう!田中さん…!」しげみは、胸がすく思いで、笑顔した。
 ところが、田中は意外な行動に出た。ペロリと唇を舐めると、しげみに言った。
 「…ふふふ…しげみちゃんには、…また新しいのを買ってきてあげるよ」
 そう言うと、おもむろにその缶コーヒーの飲み口にしゃぶり付き、ごくごく飲みだした。
 固まるしげみとアカギ。
 田中が缶コーヒーを飲み干すのを見て、しげみは眉を寄せ、ションボリして言った。
「…まだ一口も飲んでなかったのに…」
 ビクッと、肩を震わせる田中。
 アカギは、悪魔的微笑を浮かべ、田中をじっと見る。「………どうだ?……俺の唾液の味…」
 田中は、しばし、唖然とした後、のどをゲーッ、ゲーッ!と鳴らし始めた。
530アカギ×しげみ(5/4編)41:2006/05/23(火) 09:26:45 ID:???
 しげみ「…ほ、本気だったのか……!あの、『ウホッ!いい男!』って言葉…」
 田中「ち…、違う…違う!!…あ、あれはただのノリだよ…!ノリで……」
 アカギ「……ぷっ、…クク、………好かれるのは結構だが………けど俺はパスだな」
 田中「……だからちがーう…!!俺だって貴様なんか、たとえこっちが
   女だったとしても、お断りだ!!…おまえみたいな性格の男って…イヤ過ぎ!!……」
 ………この卓から、遠く離れているはずの、入り口近くの雀卓から、しげみ、アカギ、
そして田中の、三つ巴の痴話喧嘩が、全部ハッキリと聞こえてくる。
 田中「………て、いうか、俺はホモじゃねぇしッ……!!」
 しげみ「…その割に、缶コーヒーに、むしゃぶりつく様子が激エロだった…!!」
 田中「…ぐっ!そ、それは……知らなかったんだ〜…この白髪野郎が、
   あの缶コーヒーを飲んでいたということを…!」
 しげみ「……え!…と、いうことは……………!!……………………田中さん…キモイ」
 アカギ「…フフ…男として気持ちは分かるが…………………………………キモイな…」
 しげみ・アカギ「……………キモイ」
 田中「……ググッ……!!」
 まゆみは、タバコを吸いながら、黙って、ただよう煙だけを見つめている。
 「…なんか、しげみちゃんの卓、楽しそう。わたしも行こうかな♪」
 お茶を飲み、ポテトチップスをパリポリ食べながら、美香はのんきにつぶやいた。
 「…よしなさいよ……あなたが行ったって、よけいに混乱するだけよ…」
 まゆみは、タバコを口にくわえながら、つい先ほどのできごとを思い出していた。
 しげみの『変化』…そして、そのしげみに『鬼』と呼ばれていた、あの銀髪男…。
 「ねぇ、まゆみちゃん」いつもののんびりとした口調で、美香は言った。
 「ん?」まゆみは美香を見た。そのとき、思いがけず、彼女の真剣な眼差しにぶつかった。
 「しげみちゃんって…不思議な人よね」
 まゆみは答えない。無言のまま、シガレットケースから新しいタバコを引っぱり出す。 
531アカギ×しげみ(5/4編)42:2006/05/23(火) 09:32:54 ID:???
 美香は、彼女らしくもなく、立て板に水を流すかのように、言葉を続けた。
 「彼女…あんな風に別人みたいになっちゃうことが、当たり前にある人なの?…
…まゆみちゃん、しげみちゃんとは長いつきあいでしょ?今までもよくあったの?…
…同じようなこと…」
 「言いたくないわ…言わないでおきたい…聞いても欲しくない…」
 まゆみは、無愛想にそれだけ答えると、タバコを口にくわえ、火を付けた。 
 「…そう…。でも…」美香はかまわずしゃべり続けた。
 「…まゆみちゃん、誤解しないで…。わたしは興味本位で聞いているんじゃないの。…
…ただ、彼女が心配だし。……あと、…わたし自身が…不安なの…怖いの…」
 美香は、目を伏せ、青白い顔をし、雀卓の上で、両手拳を強く握りしめている。
 まゆみは、そんな美香の様子を見て決心し、タバコ片手に、側の美香に向き直った。
 「わかった美香……じゃ、言っとくわ。…
…しげみが…、あんなふうに変わるのは、わたしが知る限り、中学のときから…。…
…けど、本当に稀なことだったわ。そう…、本当にごく稀。…
…中学時代は、よく一緒に遊んだりしたけど、そのことについて、イヤな思いをしたり、
怖い思いをしたことは一度もないわ。…だから心配ない…今まで通り接してあげて…」
 美香は、雲間から太陽が覗いたかのように、柔らかく微笑んだ。
「…そう……分かった。…ありがとう…まゆみちゃん」
 (このことが言えたのだから、もうひとつの事実も話しておこう…)
まゆみは、お茶を一口飲み、真剣な顔をして、美香の顔を覗き込んだ。
532アカギ×しげみ(5/4編)43:2006/05/23(火) 09:33:43 ID:???
 「…それとね。あたしが知る限り、……しげみがああいう風に変わるときは、
たいてい決まっている…。…
…しげみ自身が、強い危機感に追い込まれたときはガチ。…あとは…」
 美香は、まゆみをじっと見つめた。
 「…しげみがいる場所、または、彼女の関係者がいる場所。その場所自体が危険なとき…」
 まゆみは一気に続けた。
 「そのときには…そのときの状況の本質を突いた言葉が、彼女の口から衝いて出る…」
 美香は固まり、とたんに無口になった。…まゆみは、銀髪男を観察している。
 こうして見ていると、あの青年。人を食うような態度が多少気になるものの、
田中達とまざって話をしている姿は、そこいら辺にいるあんちゃん達と変わりはない。
 (…けど…それがかえって不気味。…あのしげみが『鬼』と言った男だもの…。…
…それにあたし…あの男のこと、どうも…どっかで見た気がするのよね…)
533アカギ×しげみ(5/4編)44:2006/05/23(火) 09:37:26 ID:???
 田中が、三好に呼ばれ、行ってしまったあと…。
しげみは再び、アカギと同じ雀卓で、ふたりきりになった。
 しげみは、再び無表情になり、雀卓の上で頬杖をつき、目線を下にして、雀卓の上に
転がる牌を、弾いて転がしていた。
 裏返しになっていたイーピンの絵が現れる。
 そんなしげみが気になるのか、アカギは黙って、しげみに缶コーヒーを差し出した。
「いらない」
 しげみは、次の牌を弾き始めた。コロリと、イーソーの絵が現れた。
 「…なんで?…さっきまであんなに騒いでたじゃない…まだ半分残ってるぜ」
 しげみは、不思議そうに言ったアカギを、頬杖をついたまま、不機嫌な顔で一瞥した。
 「…田中さんが、あたしにって、さっき買ってきた缶コーヒー…
……またあんた、飲んじゃってたじゃない…しかもこの上なくナチュラルに……
……缶に、あんたの唾液が付いているだろうから……いらない」
 「唾液か…」アカギは吹き出した。「……やらしいな…しげみ」
 「やらしくなんかない…!」
 しげみは頬を赤く染め、顔を上げて、ムキになって叫んだ。
そして、慌てて声を落とし、ぼそぼそ言い始めた。
 「…そ、それに気安く呼び捨てにするな…!
……あ…あたしの名前を呼ぶんだったら、…赤木さんって呼んでよ…」
 「おれも赤木だぜ…」アカギは肩を震わせ、笑っている。
「…紛らわしいから、おまえ、これから俺のこと…しげるって呼べよ」
 「ごめんだ!なんであたしが…!」
 また叫んでしまったしげみは、慌てて声を落とし、つぶやくように言った。
 「…なんで…なんであんたの名前を…呼び捨てにしなきゃなんないんだよ…!」
 しげみは、ますます頬を赤くし、アカギの顔を睨み付けた。
 まだアカギは肩を震わせ、のどの奥で笑っている。
534アカギ×しげみ(5/4編)45:2006/05/23(火) 09:44:29 ID:???
 ひととおり騒ぎが収まると、しげみの表情はたちまち硬くなり、
再びしょんぼりしてしまった。
 それを見て、アカギは笑うのをやめた。
 「…さっきの騒ぎ…自分が言ったりやったりしたこと…。…
………もしかしてあんた……気にしているのか…」
 不意にアカギに問われ、しげみはうつむいたまま、動けなくなった。
 そのあと、おずおずとアカギを見た。
 アカギはタバコも吸わず、黙って真面目な顔をして、しげみの返答を待っている。
 しげみは躊躇したが、やがて下を向き、ぽつりぽつりと話しだした。
 「………あたし…、さっき、夜風に吹かれて、星空を眺めて、頭を冷やしてた…。…
…いつの間にかあたし…無意識に、…何かをやらかしてることがあるの…。…
…さっき、まゆみや美香ちゃんにキツイこと…言ってたらしいことも、…
……な、なぜか………………あ、あなたに…抱きついていたことも…、…
………ああ、あたし、……またやっちゃったんだなって思った……」
535アカギ×しげみ(5/4編)46:2006/05/23(火) 09:45:07 ID:???
 下を見たまま、しげみは続けた。
 「…本当に…本当に…稀にしか起きないんだけどね……
……時々…自分が怖くて不安になる…。……もしかして、あたし、精神が…おかし…」
 しげみはそこまで言うと、言葉に詰まり、口をつぐんだ。
 アカギはしばらく黙っていたが、ごく当たり前のようにさらりと言って、微笑んだ。
「なんだ……そんなことか」
そう言うと、アカギは立ち上がった。
「…あんた……すごくまともな人間だぜ……落ち込むことはない…」
 (…えっ?…まとも…?)
しげみは、アカギの言葉を、心の中で繰り返した。
うつむくしげみの目から、大粒の涙が、一粒ぽつりと落ちた。
 アカギは無感動な、そして醒めた目で、店の奥を見た。
「………俺にくらべたら、……おまえなんか、かわいいもんさ…」
 そして雀卓を離れようとする。
 「あっ!どこに行くの?」しげみは慌てて手で涙を拭った。
 「…見に行くんだよ…奴らの半チャン。……俺はしばらく『見』にまわる…」
 そして、アカギはフフッと微笑んだ。
「……助けたいんだろ?……ダチのふたり」
 しげみの頬が、再び赤く染まった。
(続く)
536アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/23(火) 09:46:52 ID:???
ラブコメ保管庫の管理人さん乙!!
ちょびっとワロスなとこがイイ!
537マロン名無しさん:2006/05/23(火) 11:15:31 ID:???
管理人さん超乙です!!

しげみ可愛いよしげみっ‥!
538マロン名無しさん:2006/05/23(火) 19:30:33 ID:???
最近福本漫画を読む度に、杏慈やら鉄緒やら衣和緒がチラつくw
539マロン名無しさん:2006/05/23(火) 20:23:13 ID:???
>>538 安心しろ、俺もだ
540マロン名無しさん:2006/05/23(火) 21:10:53 ID:???
>>529-535
キタwwwww
毎度GJww
続きが気になる!
541ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/24(水) 02:28:47 ID:???
保管庫管理人さんもアカギ×しげみ職人さんもGJっ…!!

ひろ×しげみ(隠し子)、ようやく最後の投下です。>>516-519続き。

「…はい、これ」
屋台で買ってきた甘酒を渡すと、しげみは意外そうな顔でひろゆきを見上げた。
「…?あれ、もしかして嫌いだったかな」
しげみの隣に腰を下ろしながらひろゆきが尋ねると、しげみは首を横に振る。
「ううん……ただ、これはいいのかなと思って」
「え…?」
何を言われたのか判らず戸惑うひろゆきに、しげみは笑いかける。

「フフ…覚えてないのも無理ないか…だいぶ酔っ払ってたものね」
しげみは思い出し笑いをしながら甘酒をひとくちすすった。
「あ、美味しい…」
などと暢気な様子のしげみに対し、ひろゆきの心中は穏やかではない。
先ほど天に言われた言葉が、脳裏に蘇る。

  ――シラフになると途端に駄目だな―――

「あ――あの、それって…昨日の宴会の時の…?」
内心の動揺を極力抑えながら恐る恐る聞いてみると、しげみは呆れたような眼でひろゆきを見やる。
「あらら…ほんとに覚えてないんだ………ふーん」
…心なしか、声が冷たい。
しげみはこくこくと甘酒を飲み終えると、ひとつ大きく溜息をつき、遠い眼をして空を仰いだ。

「……ひろさんの気持ち、嬉しかったのにな…」
542ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/24(水) 02:30:29 ID:???
―――どくん。
独白のように呟かれた言葉に、ひろゆきの心臓が跳ね上がった。
赤くなっていいやら青くなっていいやら判らずに頭が混乱する。
酒のせいとは言え、その時のことを欠片も思い出せない自分の記憶力が心底恨めしい。

「あ…」だの「う…」だの意味を成さない言葉をごにょごにょ言うひろゆきに
しげみは少し身を乗り出し、どことなく小悪魔的な表情で囁く。
「…私に何て言ったか、教えて欲しい…?」

真っ赤な顔に冷や汗を浮かべ、ひろゆきがためらいがちに頷くと、しげみはくすりと笑い――
ひろゆきの両肩に、そっと手を置いた。
「……っ!」
憂いを含んだ切れ長の眼に捉えられ、金縛りのように体が動かなくなる。
初詣に訪れた人々のざわめきも、木枯らしが木々の間を抜ける音も聞こえない。
ただ、しげみの少しかすれた囁き声だけが耳に届く。

「あの時、ひろさんにね…こうして、肩を掴まれて――……」

羞恥と緊張に、ひろゆきはごくりと唾を飲み込む。
しげみの形の良い唇が次の言葉を紡ぐのを待ちきれず、
「………それ、で…?」
上手く動かない舌を縺れさせながら続きを促すと、しげみは再び微笑み――


「『未成年者の飲酒と喫煙による心身への弊害について』を小一時間説教された」


…と、流れるような発音で言いきり、ひろゆきの肩から、ぱっ、と手を離す。
「……………へ?」
ぽかんと口を開け、眼を点にしたひろゆきの耳に、しげみの押し殺した笑い声だけが聞こえた。
543ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/24(水) 02:31:56 ID:???
「…ふーん…じゃあアレは、その時の事聞こうとしてたんだ?」

放心状態から帰ったひろゆきだが、またも問題が待ち構えていた。
そう…真夜中、雪の降る物干し場での、あの…キス未遂。
発端はしげみの誤解からだったとはいえ、雰囲気に流されてしまったのも事実だ。

「……ごめんっ…!」
茹だったような脳細胞を総動員させ言葉を捜すが、そんな一言しか出てこなかった。
膝に手をつき勢いよく下げたひろゆきの頭に、ぽん…と優しく叩かれる感触。
「…謝ることないよ…私が勘違いしたのも悪かったんだし…ね」
顔を上げると、しげみは少し寂しそうに笑っていて、思わず胸が痛む。

この少女にこんな顔をさせてしまった自分の不甲斐なさが歯痒くて腹立たしくて――
そう思ったらいつの間にか、ひろゆきはしげみの手をとって立ち上がっていた。
「…?」
何事か、といった顔で自分を見上げるしげみの眼を、真っ直ぐに見返して、言う。
「…天さん達も戻ってこないだろうし、行こう」
火照ってくる顔を見られたくなくてそっぽを向き、しげみの手を引っ張ると、
しげみも戸惑い気味に立ち上がり、ついてくる気配がした。
「行くって…どこへ?」
背後からの疑問の声に、あさっての方向を向いたままひろゆきは答える。
「…初詣。…天さんの奥さんも言ってたし、その…」
なんだかやたらと口の中が乾いて、ひとつ咳払いをする。

「………縁結びの、願掛けに」

――そう言ったひろゆきの言葉に、しげみがどんな顔をしたのかは判らない。
ただ、自分の無骨な手の中に握られた小さく柔らかな手が、一瞬の間の後――
きゅっ、と、握り返してきたのだけが、判った。
544ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/24(水) 02:33:42 ID:???
(フフ…ほんとうに、しょうがない人だなぁ…)

自分の手を握ったまま、ぎくしゃくと歩くひろゆきの背中を見て、しげみは苦笑する。
「あの人」が一度だけ話していたのを聞いた限りでは、随分と繊細な、
計算された打ち方をする人だという事だったのだけれど。
自分に対する接し方は、時に軽い苛立ちを覚えるほど不器用で…でも。
ふいに見せるこんな真っ直ぐな激しさには本当に驚かされる。

…そのくせ、こちら側から見える耳のあたりが真っ赤になっているのが
なんだか可笑しくて、思わずふきだしそうになってしまうのだが。

繋がれた手から熱が伝わってきて、ふと、しげみは昨日のことを思い出していた―――。

*

「…だからねっ…!お酒も煙草も二十歳になってから…!これは緻密な統計に基づいた――」
「はぁ…」

自分の肩をがっしりと掴み、上気した顔で延々と説教するひろゆきに、
しげみは冷めた顔で適当な相槌を打っていた。もうかれこれ30分以上はこの状態だ。
ひろゆきの目は完全に座っており、どう見ても酔っ払いそのものである。
未だ好調な弁舌を聞き流しながら天夫妻の方にちらりと眼をやるが、
あっちはあっちで盛り上がっており、とても助け舟など出そうもない。
しげみは溜息をつき、目の前の酔っ払いをぎろりと睨んだ。

「…いいでしょう、別に…私の体がどうなろうが、心配する家族が居るわけじゃなし」
なるべく低く冷たく言い放った言葉に、一瞬沈黙が走る。…が、それは本当に一瞬の事だった。
545ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/24(水) 02:34:46 ID:???
「よくない。君に何かあったら、俺が困る」

いつものひろゆきからは考えられないほど、はっきりきっぱりとした言葉だった。
相変わらず顔は上気しており、酒気がほのかに漂ってはいるものの、眼差しは真剣そのもので…
しげみは、思わず眼を丸くして見返してしまう。

「…わお。言うじゃねえか、ひろ…!」
「よっ、千両役者っ!」
ギャラリーと化した天夫婦からやんやの喝采が湧いた。
その声にハッと我に返る。知らず早まる鼓動を無視し、目を逸らしてしげみは言い返した。
「…『死んだ赤木さんに申し訳が立たない』から、ですか」
我ながら可愛げのない物言いだと思う。さすがに呆れただろう、と思ってひろゆきを見ると、
その眼は未だ真っ直ぐに自分を見ていた。

「…それも、あるのかもしれない…」
自分の肩に置かれた手にぐっと力が入るのが、しげみには判った。

「でも、」
そのまま少し引き寄せられ、ひろゆきの顔が近づいてくる。
よく見るとこの青年は端正な顔立ちをしている、としげみは今更ながらに思う。

「…俺が、君のことを心配するのは、そんな理由からだけじゃない」
ひろゆきの顔がますます近づいてきて、しげみは眼をぱちくりさせる。
あとほんの少し近づけば、口付けさえ出来そうな距離―――

「…俺は、君の、ことが―――――…」
546ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/24(水) 02:35:55 ID:???
――と。
しげみが思わず眼を閉じかけたところで、肩にかかっていた重さが消え…
代わりに、何故だか膝の上に別の重さがかかっている。
何事かと見下ろせば、自分の膝にひろゆきがぐったりと頭を乗せ、倒れていた。

「…あーあ、肝心なとこでつぶれちゃった」
「まあしょうがないんじゃないの、少年だもん」
「あーそうだよな、ひろだもんなー」
固唾を飲んで一切を見守っていた天夫婦が、一斉に大きな溜息をつき
興味を失ったように酒盛りを再開する。

「…………」
一連の流れにぽかんとするしげみ。
もう一度自分の膝の上に目をやると、ひろゆきは子供のような寝顔ですやすやと寝息を立てている。
その顔を見ているうち、しげみは自分の胸に暖かな感情が湧くのを感じた。
「もう…」
呆れたように溜息をついたものの、顔は自然と微笑んでしまう。
「……おやすみ、ひろさん」
しげみは誰にも聞こえないような声で囁いた。膝の上の、さらりとした黒髪を撫でながら――。

*

「――ふふ…」
ふと、後ろで聞こえた笑い声にひろゆきは振り向く。
「…どうしたの、しげみちゃん…」
しげみはひろゆきの手をぎゅっと握り返し、くすくすと笑いながら答えた。
「ううん…ちょっと思い出し笑い。ねえ、ひろさん…ああいう事は、素面で言わなきゃ意味がないと思うよ」
「え……あ、ああ、うん…それもそうだよね、酔っ払いが『酒飲むな』なんて説得力ないよな…」

ぽりぽりと頭を掻きながら言うひろゆきに、しげみはまた――声を立てて、笑った。
547ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/24(水) 02:39:37 ID:???
とりあえずここまで。
異様に長くなってしまったけど読んでくれた人圧倒的感謝っ…!
またなんか続きとか書いたら投下したいと思ます('A`)ノシ
548マロン名無しさん:2006/05/24(水) 03:01:31 ID:???
>>547
GJ! GJ! GJ!
すげーよかった! 続きも待ってます!
549マロン名無しさん:2006/05/24(水) 03:05:13 ID:???
>>547
乙でした!涙が出るほど萌えた
550マロン名無しさん:2006/05/24(水) 04:28:11 ID:???
>547
圧倒的乙……!!!!!すげー萌えたっ…!!
またお話出来たら投下してください待ってますっ…!!
551マロン名無しさん:2006/05/24(水) 06:52:45 ID:???
>>547
胸になんか沸きあがってきたよ!
感動した!GJ!
552マロン名無しさん:2006/05/24(水) 09:56:32 ID:???
それは脳内物質が駆け巡ってるんだよ
553マロン名無しさん:2006/05/24(水) 11:33:36 ID:???
>552
鷲巣並みにねっ!
554マロン名無しさん:2006/05/24(水) 12:06:24 ID:???
>>547
感動したっ‥!
何か良いな、この二人。
職人さんに圧倒的感謝です!
555マロン名無しさん:2006/05/24(水) 15:47:31 ID:???
>あーそうだよな、ひろだもんなー

ひどい言われ様www
でもひろだからしょうがないよな(ノ∀゚)
556マロン名無しさん:2006/05/24(水) 22:17:11 ID:???
平成赤木家番外編、ひろ×幼女しげみ
数年前のお話です
絵掲の絵に激しく萌えたっ・・・!絵師さんアリガトウ
557平成赤木家番外編1※女体パラレル:2006/05/24(水) 22:18:15 ID:???
嫁に行く日が来なけりゃいいと
おとこ親なら誰でも思う


赤木が低く歌っている。
歌など歌う人には思えないため驚くが、顔を上げて、その様子に再度驚く。
暗い。
そして怖い。
真剣勝負のときに見せる鋭い怖さや威圧感ではなく、なんというか、禍々しい。
うねうねと絡みつくような威圧である。
赤木がそうなっている理由を、対面のひろゆきは知っていた。
と言うか、明らかに対象は自分である。
原因は・・・、ひろゆきの腕の中にいるこの少女。

「・・・すてはい切らないの?」

子供の大きな目で見上げてくる。
この間8歳になったばかりの赤木の娘、しげみ。
ひろゆきは何故かしげみに懐かれていた。
幼い頃からくっつかれて、今では膝の上に乗せたまま麻雀に興じなければならないのが恒例だ。

「ひろお兄ちゃん?」
「え、あ、うん、切る、切るよー」

しげみに急かされ、ひろゆきは牌をひとつ手に取る。
大きな目に見つめられ少し動揺していため、確認もしないままに河へと置いた。
558平成赤木家番外編2※女体パラレル:2006/05/24(水) 22:19:05 ID:???
「・・・ロン。それだ・・・ひろ・・・」

パタタと赤木の手配が倒れる。
その役は四暗刻単騎・・・しかも裏ドラ暗刻・・・。
ひろゆきの点棒ほとんどがそっくり赤木の方へ移ってしまう役満である。
言うまでもなく、これで現時点ドベはひろゆき。

「がんばんなきゃダメだよ、ひろお兄ちゃん」

しげみがひろゆきの顔を拗ねたような顔で見上げる。
ひろゆきは冷や汗を流しながらも、とりあえず笑っておいた。
しかし、この状況からどう頑張れというのか。
まず確実にトップを取るなどということは無理だろう。
何しろ次はオーラスだ。
絶対負ける。確実に負ける。負けないほうがおかしい。
盛り返したとしてもドベ脱出が精一杯か・・・?

(・・・負けたからって何かあるわけじゃないし、流れに任せればいいかな・・・)

はあとため息をついて、ひろは手牌を崩し中央の穴へと押し込んだ。
その手つきから戦意喪失が見て取れたのか、しげみは眉を寄せる。
しかしそれから少しして、何か思いついたのかぱっと顔が明るくなった。
手牌を並べるひろゆきの服のすそをくいくいと引っ張る。
ひろゆきが視線を落とし目を合わせると、にっこりと笑い、言った。
559平成赤木家番外編3※女体パラレル:2006/05/24(水) 22:19:43 ID:???



「トップになれたら、およめさんになってあげる」


瞬間、その場が、いや世界が停止した。


「だからお兄ちゃんがんばって」
「ちょ、ま、え、し、しげみちゃんっ!?」
「・・・ヤなの?」
「いやいやいやそうじゃなくてってじゃなくてあのその」

ひろゆきは顔を真っ赤にして言葉もままならない。
一方しげみはそんなひろゆきを見上げ、言葉になっていないひろゆきの言葉にいちいち
肯定には笑顔、否定には眉を下げ、忙しく顔を変えている。
微笑ましい、少女の笑顔がいっそう微笑ましい光景だ。
ただ、停止した世界の奥で、またも響き始めるあのメロディー。
はっとひろゆきは顔を上げる。
そしてすぐに赤い顔を真っ青へと変えるのだった。



嫁に行く日が来なけりゃいいと
おとこ親なら誰でも思う

この歌は、ひろゆきにとってちょっとしたトラウマになっている。
560マロン名無しさん:2006/05/24(水) 22:27:51 ID:???
>557-559
かわいいにょwww
ほほえましくてGJ!!
561マロン名無しさん:2006/05/24(水) 22:52:53 ID:???
すごい萌えたっ・・・!
幼女しげみちゃんは犯罪的だっ・・・!
562マロン名無しさん:2006/05/24(水) 22:55:07 ID:???
>>556
テラカワイステラモエスwww
きっとひろはハコったんだろうなあ…w

ひろ×しげみで裸Yシャツエロ妄想してた心が
清らかになった気分だ、ありがとう(*´д`)
563マロン名無しさん:2006/05/24(水) 23:02:10 ID:???
>>556
あぁ‥癒されたよGJ!!(´∀`*)
>>562
詳しく聞かせて貰おうっ‥!
564マロン名無しさん:2006/05/24(水) 23:23:19 ID:uJ1DItNK
>556
しげみ可愛いよしげみ

そして唐突だが、平山×安岡(熟女)という組み合わせを思いついた。
565マロン名無しさん:2006/05/24(水) 23:51:25 ID:???
お前らっ‥!
萌えるのはいい‥。が‥内容も書いてくれ!

箇条書きで良いんだっ‥!
気になって寝れないじゃないか‥
(*´Д`)=з
566マロン名無しさん:2006/05/24(水) 23:52:42 ID:???
>564
うわぁwww
すごいカオス
ネッチョリネチョネチョしてそうだお!
567マロン名無しさん:2006/05/25(木) 18:11:15 ID:???
>>563
はやるな…!今…妄想を形にしているところだっ…!
遅くとも明日辺りには披露するっ…この…脳内に渦巻く裸Yシャツしげみ妄想をっ…!!

でもあまりにひろ×しげみが続くと他の職人さんの迷惑になっちゃわないかな(;´д`)
568マロン名無しさん:2006/05/25(木) 18:15:04 ID:???
>>567 おまい全然清らかになってないじゃないか…!w
569アカギ×しげみ:2006/05/25(木) 18:29:13 ID:???
>>567
歓迎!それだやさしいおじさんwww
自分も煩悩がひろがりんぐwww
570マロン名無しさん:2006/05/25(木) 21:59:41 ID:???
>>567
ワクテカして待ってもいいですかw

衣和緒たんがほんとに萌えるよ衣和緒たん
頭の中でメイド服とかナースとか七変化だよ
そしていちいちセクハラしてるアカギがついてまわるよ
自分ヤバスww
571マロン名無しさん:2006/05/25(木) 22:12:10 ID:???
DVD羅刹の章見たんだが…
全部丸ごとイワオなので
すべて衣和緒タソに脳内変換される
「イーピンどこだ……どっこぉおん!」
「はあはあ……重い…背中が…」
「…こぉおいつぅぅぅぅ!」
あと、あのツンデレ顔……鼻血がでそうだおwww
572ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/25(木) 22:45:30 ID:???
ちょwひろ×しげみSS描き終えたばっかりなのに
衣和緒たんの痴態が脳内駆け巡ってきたじゃないかwww
投下し終えたら衣和緒たんパッチ当ててDVD観賞するおw

そんなわけで>>567の予告SSです。
ちょいエロ風味(微々たるものだけど)の上女体化なので注意。
ただの萌え吐き出しのつもりがやたら長くなってしまったけど
これもひろ×しげみ連載の一環ということで。以下多分8レス消費。
573ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/25(木) 22:46:03 ID:???
ざあざあと大粒の雨が地面を叩く音の隙間を縫って、低く轟く雷鳴。
真夜中の闇の中に差し込む稲光が、ふたつの人影を無遠慮に照らしだす。

ひとりは、銀色の髪から雨の雫を滴らせ佇む、涼しげな瞳の少女。
ひとりは、ドアを開けた格好のまま、目を見開き硬直している青年。

一拍の間を置いて、どこか近くに落ちたのだろう激しい落雷の音が、空気を揺るがす。
それはまるで―――青年の胸中を表しているかのようだった。


「着替え、ここに置いておくから…」
「うん、有難う…ひろさん」
シャワーの水音にまぎれて聞こえてくる、わずかに反響のかかった声にどぎまぎとしながら
ひろゆきは洗濯機の上に着替えを置き、風呂場と脱衣籠の方を極力見ないよう、その場を早足で去る。
茶の間のテーブルの前に腰を下ろすと、髪をぐしゃぐしゃと掻き回し…大きく溜め息を吐いた。

(………まいった)
突然のしげみの来訪。それだけでも破壊力は充分なのに、
時は真夜中、外は雷雨。加えて彼女は傘もささずに濡れ鼠のまま、無言で佇んでいた。
そして……ほんの僅かだが、体から香ったのは――あれは、確かに潮の匂い。

(今度は何やらかしたんだかなぁ…)
彼女が、亡き父――赤木しげると同じものを追い求め、色々と危ない橋を渡っているのは知っている。
何度も止めるよう諫めたが、この事になるとしげみは頑として聞かない。
そして、必ず寂しげに微笑むのだ。
そんな時彼女が誰の事を思っているか、判らないひろゆきではない。
いっそ、判らなければいいのにと思う。判ってしまうからこそ、諫言を飲み込んでしまうのだから……。
574ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/25(木) 22:47:50 ID:???
しばし自分の不甲斐無さを呪いながらもう一度溜息をつき、
とにかく暖かいコーヒーでも淹れてやろう、と腰を上げ振り向いたひろゆきは――
「…うわああぁっ!?」
振り向いた先にあったものを視認した途端、仰天して尻餅をついた。

目の前にあったもの、いや、居た者は。
かすかに湯気をその身にまとわせながら、タオルで髪を拭く少女。
それだけならまだ想像の範疇だが、その格好が問題だった。
――――男物のYシャツ、一枚きり。
それは女の娘にしては少し高めの背丈をもつ少女にとっても
充分にゆったりした代物のようで、身体の線はきっちりと隠れている。
…ただし、白く長い脚だけは、腿の中ほどから小さな足の甲まで剥き出しになっていたのだが。

「…どうしたの、お化けでも見たような顔して…」
当のしげみはまるで平然とした顔で、ひろゆきの前にぺたんと座る。
…座ると、その分布地が引っ張られて、ますます色々と危うい。
ひろゆきは一瞬「その地帯」へ行きそうになった視線を鉄の理性で軌道修正し、
鞭打ち症でも起こすのではないかといった勢いで、首をあさっての方向に向けた。
お化けの方がまだ始末がいい、と思いながら。

「な、なんで!?下に履くものも渡したでしょっ…!?」
顔を背けたまま目をぎゅっと閉じ、ひろゆきはやっとのことでそう抗議した。
確かに、部屋着として使っているズボンも一緒に置いておいたはずだ。
だが、しげみは少し拗ねたような声で言う。
「…だってあれ、ぶかぶかすぎて何だか恥ずかしかったから」

(その格好の方が百万倍恥ずかしいわっ!!)
電光石火のツッコミが脳裏に走るが、それを口に出す元気は最早ひろゆきには無く、
くたくたとテーブルに顔を突っ伏すのであった。
575ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/25(木) 22:48:43 ID:???
気を紛らわせる為に点けたテレビでは、何の役に立つのかいまいち理解できない商品を
外人がオーバーアクションで紹介する通販番組をやっている。

そちらに顔を向けたまま、ひろゆきが横目でしげみの方をちらりと見やると、
先程自分がほうほうのていで淹れてきたコーヒーを飲みながら
しげみがこちらを上目遣いで窺っているのが判った。

「怒ってる…?」
ことり、とコーヒーカップをテーブルに置く音の後に、しげみが小声で言う。
「…別に…」
そのつもりはなかったのだが、平静を装おうとした為か随分ぶっきらぼうな言い方になってしまい、
案の定、しげみとひろゆきの間に沈黙が降りる。

「ごめん、ひろさんに迷惑かけるつもりじゃ無かったんだけど…」
思いもよらないしおらしい声に、思わずひろゆきがしげみに顔を向けると、
しげみは僅かに眉根を寄せ、捨てられた仔猫を彷彿とさせるような眼でひろゆきを見ていた。
そして目を伏せ、また呟くように言う。
「……だけど、自分でも知らないうちに…この部屋に足が向かってた…」

――ずくん、と。
言い表しようのない、正体不明の熱さがひろゆきの体を走る。
先程思わず目を奪われた白い脚は、テーブルに隠れて見えないのが救いだが
今度は乾いていない髪の毛が貼り付いたなまめかしい首筋や、
鎖骨のくぼみや…その下の、Yシャツに隠れた豊かな膨らみに目が行ってしまう。

(…まずい…!!この状況はなんだか色々まずいっ……!!!)
ひろゆきは目のやり場がわからず視線を泳がせながら、じりじりと後ずさった。
576ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/25(木) 22:50:00 ID:???
「……ひろさん?」
段々と自分から遠ざかっていくひろゆきを、訝しげに見るしげみ。
ひろゆきは真っ赤な顔を汗だくにして、後ずさりながら言う。
「や、何でもない、ほんと怒ってないから…!」
だがしげみは眉間に皺を寄せ、床に手をついてひろゆきの方に身を乗り出した。
「嘘ばっかり、何でもないって顔じゃないよ…」
四つん這いに近い状態になり、しげみは尚もひろゆきに近づく。
重力に従い自然とシャツが下に流れ、大きく開いた襟元から、白い肌がのぞいた。

(わーっ!わーっ!わーっ!!)
心中でそう叫びながら、ますます勢いよくひろゆきは後ずさり、そしてしげみはそれを追う。
「ちょ、ま、ほんとだってばっ…!頼むからそれ以上近づかないでくれっ…!」
半ば悲鳴のような声でひろゆきが叫ぶと、しげみはびくりとして、ぺたんと座り込む。

「……そう。わかった…」

感情の欠けたような声だった。
冷水をかけられたような心地がして、ひろゆきは顔を上げる。
しげみは、暖かみの一切感じられない、だがどこか哀しそうにも見える微笑を浮かべていた。
「しげみ…ちゃん」
「フフ…愛想つかされても仕方ないか…チキンランで海に突っ込むような女だものね…」
…………そんなことをしていたのか。
微かに香った潮の匂いを思い出し、ひろゆきは愕然とする。

「…帰るね。もう…迷惑はかけないから…私の事は忘れて―――」
そう言って立ち上がろうとしたしげみに、ひろゆきは頭に血が上るのを感じた。
577ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/25(木) 22:51:10 ID:???
「―――しげみっ!!」
自分でも無意識のうちにそう呼ばわると、ばん、と力任せにテーブルを叩く。
立ち上がろうとしていたしげみはまたへたりと座り込んだ。
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で。

ひろゆきは、心底腹を立てていた。
――愛想をつかされても仕方ないだとか。
――もう迷惑はかけないだとか。
――忘れろ、だとか―――。
何をどうしたらそんな結論になるんだ。

煮え滾るような怒りとは裏腹に、口から出てきたのはひどく静かな声だった。
「…君がそうやって、危険な道を自ら選ぶのを止める権利なんか俺にはない……でも」

しげみが赤木に対しどんな思いを抱きながら、その道を選んだのかは判らない。
けれど。
「…それでも、俺は」

少しずつ言葉を紡ぐ度、徐々に怒りは鎮まっていく。
「そういう事も全部ひっくるめて――君が、」

その先、頭に浮かんだのはたったの二文字。
けれど、この期に及んで何だがそれを口に出す勇気が持てず…ひろゆきは言い方を変える。

「……君の………傍に居たい、と、思ってる」
言い換えたはずが、なんだか却って大胆な言い方になってしまった気がして――

「………多分」

と、ひろゆきは弱々しく付け加えた。
578ひろ×しげみ(※女体化注意):2006/05/25(木) 22:52:39 ID:???
先程までの激しさから、段々とトーンが落ちていく語調。とどめに、最後の余計な一言。
今ではもうすっかり耳まで赤くしてそっぽを向いているひろゆきを見て、しげみは思わずふきだした。
「ククッ…ふふ、あはははっ…ひ、ひろさんらしい…!あはははははっ…!」
腹を抱えて大笑いするしげみに、ひろゆきは赤い顔をますます赤くして抗議する。
「わっ…笑うことないだろっ…!しょうがないじゃないか、これが精一杯なんだから…!」
「うん…ふふふふっ…」

笑いすぎて滲む涙を拭きながら、しげみはひろゆきに向き直る。
思わず身構えてしまい、「な、何…?」とひろゆきが聞くと、しげみはにっこりと笑って、言った。

「じゃあ、今日泊まっていっても迷惑じゃないよね…?」

しげみの言葉に、ひろゆきは心臓が口から飛び出るかと思った。
「な、なっ…!?」
「…やっぱり、駄目…?」
しげみはまた、床に手をついてひろゆきに詰め寄り、上目遣いで見上げてくる。
「だ、だ、駄目っていうかっ…こ、心の準備が、っていうか色んな準備がっていうか…」
またも後ずさりを開始するひろゆきに、しげみは眉を曇らせる。

「…やっぱり、迷惑なんだ」
「ち、違う!断じて違うっ…!」
「じゃあどうして逃げるの」
険しい顔でずずいと詰め寄られ、とうとうひろゆきの背中が壁にぶつかる。
「い、い、言えるかそんなのっ…!わ、わかったから!泊まってっていいからっ…だからっ…」

(俺の理性が保たないから、それ以上近づかないで―――っ!!)

――ひろゆきの心の叫びに共鳴するかのように、またどこかで雷が鳴り渡った。
579ひろ×しげみ※女体化注意:2006/05/25(木) 22:58:39 ID:???
「…台所かどこかでいいって言ったのに」

茶の間に敷かれた布団の上で、掛け布団を捲りながら呟くしげみに
ひろゆきは苦々しく笑う。
「…女の娘台所で寝かせて、男が布団で眠れるわけないでしょ…」

泊まっていく、と言ったしげみの言葉に思わず浮かんでしまった想像は、どうやらひろゆきの杞憂であった。
そもそもしげみは最初から、屋根を借りるくらいのつもりだったらしい。
(……ま、そりゃそうだよな…)
夏用の薄い掛け布団だけを持って、台所へと向かおうとするひろゆきの背中に、
「…ひろさん」
と、名を呼ぶ声がかかる。振り向くと、しげみが掛け布団を顔の下まで持ち上げてこちらを見ていた。

「なに、しげみちゃん…?」
ひろゆきの言葉に、しげみはあれ?といった顔をする。
「…何だ、あの時だけか………まあ、ひろさんだもんね」
少し残念そうに言った後に、小声で何か失敬なことを言われた気がしたが、
後半はひろゆきにはよく聞こえなかった。

「何のこと?」
首を傾げるひろゆきに、しげみは笑う。
「ううん、なんでもない…おやすみなさい」
「うん、おやすみ…」

ぱちり、と茶の間の電気のスイッチをオフにして、ひろゆきは改めて台所へと向かう。

床に寝転がると冬場のことで勿論寒いが、顔だけは熱い。

今、一つ屋根の下に赤木しげみがいる。
その事実が、何だか今更になって現実味を帯びてきたのだ。
580ひろ×しげみ※女体化注意:2006/05/25(木) 23:00:47 ID:???
ごろりと寝返りを打ち、目を閉じて眠ろうと試みるものの
瞼の裏に浮かんでくるのは、先程のしげみの、Yシャツ一枚の姿で――。
(………!!)
二つに折った座布団の上の頭をぶんぶんと振り、煩悩を打ち消す。
だが次に浮かんできたのは、先程自分が言い放った顔から火が出るような言葉だったりする。

(だ、だめだだめだっ…!!)
自分の頭をぽかぽかと殴る。端から見たら大層情けない光景であろう。
(……そ、そうだ…赤木さん…!赤木さんのことを考えよう…!)
何しろ赤木はしげみの父親であり、自分の尊敬する人だ。
それを考えれば、しげみに対する不埒な思いも雲散霧消するに違いない。

ひろゆきは思い出す。
あの時、最後の面談で赤木しげるに言われた言葉を――。

――真面目であることは悪癖だ……
――さあ…漕ぎ出そう、いわゆる「まとも」から放たれた人生に……

(――って、この状況に恐ろしく似つかわしくないどころか逆効果だああっ!!!)

頭を抱え、ごめんなさいごめんなさいと呟きつつじた…じた…とのたうちまわるひろゆき。

その一間向こうでは、しげみが煙草の匂いのする布団にくるまって、
すやすやと安らかな寝息をたてている。
何の夢を見ているのか、その寝顔に暖かな微笑みを浮かべながら。

(おしまい)
581マロン名無しさん:2006/05/25(木) 23:19:30 ID:???
ちょwwwwww
おまwwwwww
ひろゆき・・・・・っ!
一生保留する気か・・・・っ!
582マロン名無しさん:2006/05/25(木) 23:41:31 ID:???
しげみ「素直クール」って罪だおwww
583マロン名無しさん:2006/05/26(金) 00:57:39 ID:???
>――真面目であることは悪癖だ……
って、ホントになー、ひろw マジで一生保留する勢いだな

しげみもある意味、無邪気で残酷だなv
584マロン名無しさん:2006/05/26(金) 10:09:19 ID:???
萌えワロタww
585アカギ×しげみ(5/4編)47:2006/05/26(金) 12:05:33 ID:???
>>529-535
の続き投下します。ひろ×しげみ(>>573-580)禿萌えた!!
もう…もう…たまらんwwww!
ひろ×しげみ(>>541-546)職人さん、お疲れさまでした!
毎回一服の清涼剤のようでした。また、続きを楽しみにしております!

 しげみは、アカギの後について、いそいそと雀荘の一番奥にある卓に向かった。
 いつの間にか、休憩時間を終わりにしていた四人は、もうすでに王牌を始めている。
雀卓に近づいたしげみは、卓を囲む田中の異変に気づいた。
 田中はイスを引き、腰をくの字に折り曲げ、雀卓の前で前屈みになり
顔をしかめている。顔色は青ざめ、額から、大粒の汗が噴き出ていた。
目は、自分の配牌を見つめてはいるが、虚ろで、王牌する手つきもおぼつかない。
 他の、卓を囲む三人も、その姿を見て心配しているが、彼は小さく首を振るのみ。
 「田中さん、どうし…」
 「お嬢ちゃん」ポンと肩を叩かれ、田中に手を伸ばそうとした、しげみは振り向いた。
三好が、満面の笑みを浮かべ、しげみを見下ろしている。
しげみは、その笑顔に薄気味悪いものを感じ、眉をひそめた。
 「お嬢ちゃん…もう用事は済んだんだろ?……………帰れよ。…邪魔だ」
「はい…?」突然こう言われ、しげみは驚き、棒立ちになった。
 「三好さん…見学ぐらい、いいじゃない…。わたし達が呼んで、せっかく遠くから
来てくれたんだから…」
 まゆみと美香が、やんわりと抗議したが、三好は、彼女達の発言を無視した。
 「とにかく目障りだ……隣にいる白髪!…おまえもそうだ!…
…麻雀もしないで雀荘に来るわ、ぶらぶらぶらぶらしてるわ…迷惑なんだよ…!…
…しかもやかましく、わあわあぎゃあぎゃあ騒ぎやがって……
……俺達の邪魔をするな!………さあ、今すぐ出ていくんだ…!」
586アカギ×しげみ(5/4編)48:2006/05/26(金) 12:09:14 ID:???
 (…なんだぁ!…何様のつもりだ!)
 頭に血がのぼり、気色ばむしげみを制し、アカギは、鋭い目で三好を睨み付けた。
 「…あんただって新聞広げてるだけで、卓を囲みもしない。…
…そこのかまいたちだってそうだ……フフ、ククク…何のためにここにいるんだか……」
 アカギは口の端を持ち上げ、のどの奥で笑った。
 「このガキ…!」三好の顔がゆがんだ。
 その後ろで、ソファーに寝ていた木村が、上半身起こして、「かまいたち?…
かまいたちって……俺?俺のこと…?」と、わめいている。
 アカギは続けた。
 「…俺たちに出ていけというのなら……あんたとかまいたちもここを出なくちゃ。……
………そういう理屈だ………そうでしょう?……三好さん」
 アカギは三好を見据えたまま、穏やかに語りかける。…効果…あり。
 「ぐうぅ…」三好は顔を真っ赤にし、降ろした両腕の震える拳を、強く握りしめていた。
 (おおお…!すごい…すごすぎる…いいぞ!その調子だ!もっと言っちゃえ!!)
 しげみは、心の中で小躍りしていた。
…同時に、これが自分だったら、とりあえず、相手を一発ぶん殴ってしまうような
気がするので、こういう言論戦で、問題解決が出来るアカギはすごいなぁと、密かに
感心していた。……木村に果物ナイフを投げつけ、その後、楽しそうに木村をいじり、
ほくそ笑んでいたアカギも、脳内をよぎるのだが…。
 「では…異論も何も、ないようなので……」
 アカギは澄ましてイスに座り、足を組むと、タバコを一本取り出した。
 しげみも、アカギの後について、まゆみ達の、すぐ横にある雀卓に座った。
 まゆみと美香に目配せし、双方で、忍び笑い合う……その直後であった。
587アカギ×しげみ(5/4編)49:2006/05/26(金) 12:13:37 ID:???
 「ゲーッ!」蛙のような声を発し、突然、田中がイスを引き、片手で口を覆った。
 しげみは驚いて立ち上がった。卓を囲む三人も、目を見開きイスを引いた。
 口を覆った田中の手の隙間から、粘りけのある透明な液がしたたり落ちる。
 田中は雀荘の扉をあわただしく横に引くと、口を押さえたまま外に飛び出した。
 「田中さん!」しげみは後を追った。
 田中は階段を駆け下り、階下の踊り場の横にある、ビルのトイレに走り込んだ。
男子トイレだったが、しげみは躊躇なく、トイレに飛び込んだ。
 覗くと、田中は個室の洋式便器に向かって腰を曲げて、苦しそうに嘔吐している。
しげみの心臓は、早鐘のように鳴った。
戸惑いながらも、田中に近づき、彼の背中を、強くさすってやった。
「あ…ありがとう…」その最中、田中の小さな声が聞こえた。
 嘔吐を何回か繰り返した後、吐き気がようやくおさまったのか、
田中は脱力した様子で、ふらふらと水道に向かった。何度も口をゆすぎ、顔を洗う。
 しげみは後ろからその様子を伺うと、ポケットをまさぐり、ティッシュペーパーを探した。
 「腹を蹴られた…」ポツリと田中がつぶやいた。「え…」しげみの手が止まる。
「お…俺はただのバイトなのに…」田中の声がうわずり、潤んでいる。
「なんでこんな…こんな目に…」ぐうぅ…、と呻き、シンクに顔を突っ込むようにして
田中は強く目をつむった。彼の涙が、ぽろぽろシンク台に落ちた。
 「た…田中さんは…ヤーさんじゃないわけ!?」
 しげみが慌てて問うと、田中は腹を押さえながら首を振った。
 「…違う!…違うよ…俺は、組で、電話番のバイトをしてただけだった…」
 しげみは呆然とした。てっきりヤクザの構成員だと思っていたのだが…。
 そういえば、先ほど、アカギ達と談笑(!?)していたとき、
ソレらしさが全くなく、ごく普通の、スケベ青年のように感じたのを思い出す…。
588アカギ×しげみ(5/4編)50:2006/05/26(金) 12:17:14 ID:???
 「…だ…誰に蹴られたの?」
しげみは、眉を寄せ、田中の肩をつかんだ。
 「こわい…」腹を押さえ、中腰になったまま、田中はシンク台に寄りかかる。
 「まず言ってくれないと…何もできないよ!」
しげみは、強い口調で言葉をうながした。
 「…み…みみよ……三好…だよ……」田中は、ぐったりと、トイレの床にへたり込んだ。
 (やっぱり…)しげみは唇を噛んだ。
 「か…缶コーヒーを…しげみちゃんに…それも二度も買ってやったからだって…
………蹴られた…。腹に五・六発ぐらい…やられちゃった…。
……本当は顔もやりたいけど、殴られた傷が…あからさまに分かると…
…佐藤が逃げちゃうって言って…」
 (ひどい!!)しげみは、まなじりをつり上げた。
 「お…俺……雀卓に戻らなくちゃ…」ゆらりと起きあがる田中だが、がくりと膝を折る。
そして床の上で突っ伏した。「うげぇぇえ…!」目を見開き、再び片手で口を覆う。
 しげみは心配と不安でいっぱいになり、それでも立ち上がろうとする田中を押さえつけた。
 「…田中さん!無理したらダメだよ!…病院に行ったほうが…」
 「で…でもこのまま戻らないと…仲間にも………しげみちゃんにも…迷惑が…」
「その必要はない」
 聞き覚えのある、嫌な太い声がし、しげみが、後ろに顔を向くか向かないかのうちに、
強烈な衝撃が身体を貫き、しげみは、トイレの壁に激突した。
 脇腹が痺れ、しげみは頭を振った。
 (…こいつ…やりやがったな…!!)しげみは、床に片膝をつき、憎々しげに睨んだ。
トイレの入り口で仁王立ちになり、満面の笑みを浮かべる三好を。
 「ほぉお〜このクソチビ…この一発で泣きべそかいて…逃げ出すかと思ったんだがなぁ…」
 しげみは見開いた目を三好に向けた。その瞳は、好戦的な光で爛々と輝いていた。
 「うるせぇんだよ…ガタガタ抜かすな、…この、チ○カス野郎!…」
そして、唖然とする三好に、ニヤリと笑って中指を立てた。「表に出ろ!…ぶっ殺す…!」
589アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/26(金) 12:19:05 ID:???
うちのしげみはどうもお転婆で…
590アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/26(金) 12:28:35 ID:???
訂正です
「王牌」を「リーパイ」に置き換えてお読み下さい
はずかしwwwい!!
591マロン名無しさん:2006/05/26(金) 19:10:19 ID:???
>>585来たっ‥!優しい職人さん‥!
しげみちゃんテラカッコヨス!!
592マロン名無しさん:2006/05/27(土) 01:21:35 ID:???
流れが止まった‥?まさか‥どうして?(ざわ‥)
593マロン名無しさん:2006/05/27(土) 02:04:24 ID:???
>>573-580
ひろの鉄の理性(w)が壊れるバージョンも見てみたい俺は鬼畜ですか(;´Д`)ハァハァ
エロパロ板行きになるから駄目かっ…!?w
594マロン名無しさん:2006/05/27(土) 02:25:55 ID:???
>>593
立てろっ‥!
エロパロ板に‥!!ユーアヒューマンだ!
595マロン名無しさん:2006/05/27(土) 10:36:46 ID:???
そういや住み分け案って結局どうなったんだ?
596マロン名無しさん:2006/05/27(土) 10:44:37 ID:???
いまのところエロの方は職人側に需要がないんじゃね?
ここからの派生スレとしてスレ立てするなら、具体的に需要ができてからでも遅くないかと思う
597マロン名無しさん:2006/05/27(土) 12:14:49 ID:???
南郷さんスレのようにスムーズに移行でき職人も賑わうのが理想だが
キャラサロンのひろスレは未だSS投下なしだしねぇ
難しいね
598マロン名無しさん:2006/05/27(土) 12:46:34 ID:???
>>597
南郷さんスレが立ったのは、南郷さん好きの人があまりに多くて
各スレに沸きかえった(というほどでもないけど)から、
その辺りでの需要を見込んでのものだったし…。スレが立った経緯が根本的に違う
スレ違いスマン
599マロン名無しさん:2006/05/27(土) 19:47:50 ID:???
そういえば南郷さんの女体化って盛り上がらないね
巨乳であろうことはまず間違いないのになw

アカギ「ちょっと負けがこんで、『おばさん』…熱くなってたから」
南郷(女)(うっ…方便とはいえなんとなく傷つくっ…!)

こんな感じ?
600マロン名無しさん:2006/05/27(土) 20:09:24 ID:???
>>599
良いなそれw

南郷さんの女体っつーと、
長身、巨乳、髪はショートカット(涯よりも少し長い位)
目の下にクマのある二十代後半の女子を想像してしまう。
601マロン名無しさん:2006/05/27(土) 20:23:05 ID:???
麻雀を教えてもらう時肩とかに当たる巨乳に
ちょっぴりどきどきする思春期アカギ(13)
しかし一方で冷静にサイズ分析をし
(クク…95ってとこか…)とほくそ笑む無邪気な悪鬼アカギ(13)
602マロン名無しさん:2006/05/27(土) 20:26:00 ID:???
なんてピカロっ‥!
南郷さん‥自分を捨てちゃいなよ‥って台詞が洒落にならないw
603マロン名無しさん:2006/05/28(日) 00:26:06 ID:???
学園フクモト >>500の続き

夕食後
安岡「あれ・・・?しげみちゃんは・・・?」
南郷「今、お風呂入ってますよ・・・」
安岡「なんだ・・・一緒に入ろうと思ったのに・・・」
南郷「あなたっ・・・!いい年して何考えてるんですかっ・・・!」
安岡「じょ、冗談だよ・・・!クク・・・そうか・・・風呂か・・・」

涯「落ち着けっ・・・!なんで今日来たばかりの転校生・・・赤木が泊まることになってる・・・?
  わからない・・・!わからないことだらけだ・・・!」
自分の部屋の中でざわざわする涯、そこへ安岡が
安岡「おい、涯、そろそろ風呂入れ・・・」
涯「あれ・・・赤木が入ってるんじゃ・・・」
安岡「もうとっくにでたぞ・・・お前、疲れてるようだから今日はゆっくり入んな・・・」
涯「・・・・・・あぁ・・・」
安岡「ククク・・・(嫌われちまえっ・・・!)」

風呂場
服をぬぎ、風呂場を扉を開ける涯・・・が、駄目っ・・・!先を行くものありっ・・・!
涯「は、裸・・・!裸ぁっ・・・!?」
そこには体をゴシゴシ・・・泡立てて洗っているしげみの姿が・・・!絶景すぎて泣けてくるっ・・・!
しげみ「ククク・・・それは涯も同じでしょ・・・」
涯「あっ・・・!」
慌てて股間を隠すっ・・・!が、セーフ・・・!
もともと股間あたりは影になっていたので見られていない・・・!
しげみ「何?一緒に入りたいの・・・?」
涯「ふ、ふざけろっ・・・!!」
急いで脱出する涯
しげみ「ククク・・・フフフ・・・ハハハ・・・」
604マロン名無しさん:2006/05/28(日) 00:28:08 ID:???
涯「クソっ・・・!嵌められた・・・!あのクソ親父・・・!
  あの時・・・珍しいと思いながらも、オレの体を労う親父に感謝すら覚えてしまった・・・!
  なんたる不覚っ・・・!なんという無為っ・・・!」
安岡「ハハハハ・・・!おいおい、もっとゆっくりしてこいよ・・・カラスの行水じゃねぇか」
涯「おまえっ・・・!!」
南郷「なんですかっ・・・!親に向かっておまえなんてっ・・・!」
涯「だ、だって親父・・・親父がっ・・・!」
南郷「な、なんですって・・・!あなたっ・・・!もうほんとにとっぽいんだから・・・!」
安岡「ちょっとしたイタズラだよっ・・・!いいじゃねぇかっ・・・!お前、南郷さんの
   裸ぐらいしか見たことねえだろ・・・?サービスサービスっ・・・!」
南郷「私の裸ぐらい、って何その言い方・・・!あなた昨日はあんなに・・・このっ・・・!」
安岡「ぐっ・・・!いてっ・・・!野菜を投げつけるなっ・・・!うつってるぞっ・・・!鷲巣の癖・・・!」
南郷「上司を呼び捨てにしないっ・・・!」

涯の部屋
涯「・・・疲れた・・・」
布団に入りぐったりする涯
しげみ「あらら・・・お疲れね・・・」
すると南郷との話が終わったしげみが部屋に入ってきた
その姿はパジャマ・・・!南郷から借りたためサイズが合わなく・・・下・・・ズボンは履いてない・・・!
ブカブカで丈の長い、上のパジャマだけ・・・!
涯「赤木っ・・・!」
体を起こし、しげみを見た瞬間、脳内によぎるしげみの裸体っ・・・!
涯「うっ・・・!」
しげみ「ククク・・・パンツの次はお風呂覗きか・・・」
涯「わざとじゃねえよっ・・・!親父がっ・・・!」
しげみ「南郷さんから事情は聞いたわよ・・・フフ・・・」
涯「な、なんだ・・・」
しげみ「・・・家族ってのも結構いいものね・・・」
ポツリとつぶやくしげみ
605マロン名無しさん:2006/05/28(日) 00:30:21 ID:???
涯「・・・お前・・・・・・あ、いや・・・なんでもない・・・」
しげみ「・・・きかないの?」
涯「きかれたくないこととか・・・言いたくないことだってあるだろ・・・ムリにきかねえよ・・・」
しげみ「ククク・・・ますます気に入った・・・ねぇ、寝ない・・・?一緒に・・・!」
涯「はぁ・・・!?何言ってんだっ・・・!用意してあるだろっ・・・!お前の部屋っ・・・!」
しげみ「せっかくだし・・・いいじゃない・・・」
涯「バカっ・・・!個別だ個別っ・・・!個別に寝よう・・・!」
しげみ「聞き分けのない男ね・・・もうこうなりゃ実力行使しかないか・・・」
布団のなかにもぐりこむっ・・・!
涯「ぐっ・・・!やめろって・・・!」
布団から出ようとする涯・・・が、ダメっ・・・!しげみにおさえつけられ、身動きできない・・・!
涯「どっからこんな力っ・・・!」
しげみ「フフ・・・いいじゃない・・・寝るだけよ、寝るだけ・・・それとも他のこと期待してるわけ・・・?」
涯「あるわけねぇだろ・・・!そんな事っ・・・!」
しげみ「・・・おやすみ・・・」
涯「赤木っ・・・!」
しげみ「・・・しげみでいい・・・」
涯「え・・・?」
しげみ「クラスにもう一人「赤木」がいるし・・・まぎらわしいでしょ・・・
    私のことはしげみって呼んでよ・・・」
涯「あ・・・あぁ・・・し、しげみ・・・あのなぁ・・・」
やがてクークー寝息をたてて熟睡するしげみ
涯「・・・寝やがった・・・・・・なんで寝れるんだよ・・・こいつ・・・」

翌朝
涯を起こしに行く杏慈。昨日のアカギの言葉を思い出す
杏慈「・・・・素直に・・・か・・・でもそういうのちょっと私には向かないっていうか・・・
   無理・・・たぶん無理・・・ていうか不可能・・・」
南郷「おはよう、杏慈ちゃん・・・!涯はまだ寝てるわ・・・いつも悪いわねえ・・・」
杏慈「いえ・・・(まぁ、いつもよりやさしく・・・出来る限りやさしく起こしてやるか・・・!)」
606マロン名無しさん:2006/05/28(日) 00:31:11 ID:???
涯の部屋に入る
杏慈「が、涯・・・は、早く起きないと・・・おいてっちゃう・・・ぞっ・・・!?」
掛け布団を剥ぎ取る杏慈・・・が・・・
涯「う・・・」
しげみ「・・・んん・・・」
杏慈「っ・・・・!!!」
そこには仲良く布団に寝転がっているしげみと涯の姿がっ・・・!
胸元が肌けパンツ丸見えでエロスな格好のしげみ・・・二人の密着したさま・・・
二つの符号が意味するものは・・・一つ・・・!
杏慈「あああああっ・・・!!」
ぐにゃる杏慈っ・・・!
涯「あ・・・杏慈っ・・・!?」
しげみ「あ、おはよう・・・」
杏慈「なんでこんな・・・こんなことがっ・・・!!どうして転校生と寝・・・寝てんの・・・!?
   うっ・・・ううっ・・・バカっ・・・!最低っ・・・!変態っ・・・!」
ボロ・・・ボロ・・・泣きながら怒る
涯「あ、あのなっ・・・!しげみが勝手に布団に・・・!」
杏慈「名前呼び捨て・・・!?そんな仲にっ・・・!?一晩で・・・!」
しげみ「あら、同意の上よ・・・」
涯「違うっ・・・!半ば強制的っ・・・!」
杏慈「うううっ・・・!転校生っ・・・!奴がもぎとってしまった・・・!涯の体・・・貞操を・・・!」
涯「バカっ・・・!やってねえっ・・・!!オレはやってない・・・!」
しげみ「フフ・・・杏慈さん、私はただ寝ただけよ・・・何を想像しちゃってるのか知らないけど・・・」
杏慈「ふざけっ・・・ふざけるなっ・・・!信じられるかっ・・・!そんなことっ・・・!もういいっ・・・!知らないっ・・・!」
涯「おいっ・・・!待てよっ・・・!」
部屋を飛び出していく杏慈
南郷「あれ、杏慈ちゃんっ・・・!?」
安岡「ククク・・・なんだかわからんが・・・涯のやつ嫌われたな・・・いい気味・・・」

(続)
607マロン名無しさん:2006/05/28(日) 00:49:28 ID:???
>>603 相変わらずワロスwww
もうどこからGJしていいやらわからんがとにかく好きだw
608マロン名無しさん:2006/05/28(日) 00:51:31 ID:???
学園フクモトktkr(*゚∀゚)
安岡w
609マロン名無しさん:2006/05/28(日) 00:56:56 ID:???
ああwww
もうハゲワロッシュww
安岡のチョイ悪オヤジ!南郷とヤってるくせにww
610マロン名無しさん:2006/05/28(日) 02:55:15 ID:???
学園フクモト大好きwwwwww
絶景過ぎて泣けてくる…!
611マロン名無しさん:2006/05/28(日) 18:04:20 ID:???
台詞のチョイスが面白すぎるw
612アカギ×しげみ(5/4編)51:2006/05/28(日) 20:28:18 ID:???
>>585-588
の続き投下します

 「…ククッ…ハハハハハッー!」
 三好は最初、しげみの挑発に唖然としたものの、さも、おかしな言葉を聞いたよ
とばかりに高笑い。……そして、突然笑うのをやめ、しげみを睥睨した。
 「………このクソチビ……面白い冗談も、たいがいにしろよ……
………貴様みたいなチビ女がなぁ……この俺をぶっ殺せるはずないだろが……!…
………冗談なんだろ?…んん?………今のうちに謝るのなら、許してやるぜ…?…」
 トイレの床に座り込み、腹を押さえた田中は、この…目の前の、可憐な…娘。
「……し…しげ…しげ………しげみちゃん…?」
 …青色のツインニットに、そよ風が吹いただけで裾が舞い上がりそうな、
水色花びらプリントの、白い、膝丈ソフトプリーツスカートを身に着け、
ベージュのショートブーツを履いた、…この可憐な娘が…!今からタイマン…!
 さらに、その口から飛び出した、『○ンカ○野郎』という、お下品な言葉や、
『中指を得意げに立てる』という奇特な行動に、田中は動揺し、腹の疼きに加え、
めまいまでおこしそうになった。……しかし、はっと我に返る。
 田中は、しげみを止めようと立ち上がり、しげみの肩をつかんだ。そのとき、
また足がふらついた田中は、しげみの身体に、後ろから、しがみついてしまった。
 (……思ったよりも肩幅がない…なんて華奢なんだ…!背も小さいし…)
 田中は、しげみの肩に両腕をまわしながら、わなわなと震えた。
 (…こんな娘が…、…あの大柄な三好とタイマン…!本気かよ……狂気の沙汰じゃない…!)
 「…じ…じょうだんだろ?…なぁ…。い…勢い?…い…一緒に謝っちゃおう?…ねっ?…」
田中は、しげみにしがみつきながら、声を潤ませた。
 そして、ふと、あることに気づいた。田中の全体重がかかっているのにも関わらず、
しげみは微動だにしない。
 物言わぬ横顔も、平静そのもの。その眼差しは、目の前の三好を冷たく見据えている。
 ……田中はごくりと唾を飲み込んだ。
(…なんだ…この娘…)
613アカギ×しげみ(5/4編)52:2006/05/28(日) 20:32:11 ID:???
 そのとき、ふいに田中の片手の甲が、きゅっと握られた。
後ろを振り返り、しげみが笑っている。………爽やかな笑顔だった。
 「…あたしは…田中さんが思ってるほど、ヤワじゃないよ…」
 田中は、ようやく自力で立つと、しげみの肩からそろりと手を離した。
 しげみは、田中に再び笑いかけた。「このこと…みんなには内緒ね。特に…」
そこの部分だけは、無表情になってつぶやいた。「…赤木さんには言わないで」
 しげみは三好に、きりっと向き直った。
 「どうした…?…やっぱりやめとくか?ハハハ…?」
 三好は胸を反り気味に、尊大に歯をむき出しにし、しげみを見下ろしている。
しげみは目を閉じ、そして一呼吸置いて、そっと目を開けた。
 「その話しの前に…」
 しげみは、先ほどとはうって変わった、落ち着いた態度で、後ろでトイレの壁に
青い顔でぐったり寄りかかる田中を指さした。「…田中さんを…病院に連れて行きたい」
 田中は驚き、目を開けた。三好は肩すかしを喰い、膝をカクリとさせた。
 「…はあ?」三好が、気が抜けた顔をしたのを確認し、しげみは大真面目な顔で、
言葉を続けた。「…このままじゃ、……田中さん…死んじゃうと思います…」

 雀荘の入り口が、ガーッとけたたましく開き、三好が飛び込んできた。
 東二局が終わり、点棒を出そうとしていた、まゆみ、美香、サラリーマン佐藤。
田中の代理で卓に入り、ツモ上がりした木村。
そしてタバコをくわえ、ただ、それを黙って見ていた、退屈そうなアカギ。
 皆、それまで抱いていた、各々の思惑が吹っ飛び、いきなりご登場の三好に驚いた。
 「おい…じじい起きろっ!おい!起きねぇかコラ!」かなり焦っている様子である。
バンバンバンバン、カウンターを叩く。「タクシー!…タクシー呼べよコラ!」
 それを後目に、三好の側をすり抜け、薄ら笑いを浮かべて悠々と戻ってきたしげみ。
614アカギ×しげみ(5/4編)53:2006/05/28(日) 20:34:33 ID:???
 「…あっ!しげみ…」まゆみが、タバコ片手に声をかけた。
「…田中さん、だいじょうぶだったの?」皆、一斉にしげみを見た。
 しげみは、田中が、三好に腹を蹴られて、具合が悪くなったことを皆に言わず、
適当に答えた。
 「……うーん……あんまりいい調子じゃないみたいだから、…
………一応、病院で診てもらうことになった…」
 「マジで!なんで!」まゆみは驚き、身を乗りだしていた。
 「……もどしてたから…、おなか壊しちゃったみたい…」
そう笑いながらしげみは、自らの席に行き、布バックを持ち上げて引き寄せた。
 アカギが、その様子を目で追ったのを見て、しげみは思わずギクリとし、
早口で、アカギに言った。「……な、なんでもないからねっ……!」
 「……ふーん…」アカギはタバコを吸いながら、横目でしげみを見つめ続けている。
 雀荘のじいさんが、仏頂面で、タクシー会社に電話を入れている最中、
カウンター横のソファーにドスンと腰を下ろし、腕を組み、気もそぞろの三好にかまわず、
しげみは、雀荘の扉の外に出た。
 すぐそこに、田中が廊下の壁に寄りかかり、しげみを虚ろな目で見ていた。
 「ダメだよ……雀荘の中で休んでて!」
 しげみは澄まして布バックを下げ、階段をトコトコ下り始めた。
 後ろから、必死に田中が、ふらふらしながら後を追ってきた。
「……なあ、俺の息、……そんなにウンコくさいか?」必死に食い下がる田中。
 (こんなときに、そんなこと気にするなんて…)
しげみはクスッと笑った。「…ううん。……全然」
 「…じゃあ…なんで、俺の息が…どうもうんこ臭いだとか…
…この症状は腸捻転に違いないから…このままほっとくと…死ぬ…とか言ったんだ?」
615アカギ×しげみ(5/4編)54:2006/05/28(日) 20:37:05 ID:???
 しげみは目を伏せ、小さくのどで笑うと、後ろで壁に寄りかかる田中に笑いかけた。
 「…………それぐらい大げさに言わないと……三好はあの場を動かなかった…。…
……あいつは、あんなでかい図体してるけど、……案外気は小さい男…。……だから、…
…あたしが無防備に啖呵切ったときも、すぐさま挑発に乗らず、『見』にまわった。…
…それに…自分のせいで、田中さんが死んだら……、…後々面倒だと思っている。…
……だから、…あたしがさっき、挑発したことも忘れて…、…
…………今、おろおろ、じたじた、大慌てでタクシー呼んでるってわけよ……」
 田中は言葉を失った。…あの緊迫した状況で、よくもそんな、冷静な考えが浮かぶのか…!
 「……田中さんも、…こうなったらいいかげん…病院行く気になったでしょう…?」
いきなり、しげみに醒めた目で射抜かれ、田中は足がもつれそうになった。
 「…あれからずっと、吐き気も続いてるようだし、体もふらついている…。…
…念には念を入れて医者に診てもらったほうがいい…下手すると…本当に…死ぬ…!」
 田中の視界が、ぐにゃりと、ぶれて曲がった。(…死!?)
あらためてそう言われると、実感がこみ上げ、田中の体はガクガク震えだした。
 「それに………なによりも…あたしは………この時間を買いたかった………」
 しげみは、驚愕する田中に顔を向け、暗く光る目でニヤリと笑った。
そして、笑顔を張り付けたまま、ソフトプリーツスカートをつまんで引っぱった。
 「…………このままじゃ……戦えない……」
 田中は、ごくりと唾を飲み込んだ。「………はい?」
 階下の踊り場の横にある、ビルのトイレに着くと、しげみは布バックを持ったまま、
女子トイレに飛び込んだ。すぐに、布擦れの音が、トイレ内から漏れだした。
 「…まさか…じょうだんだろ…マジ??………ありえない…」
……田中は、トイレ扉に寄りかかり、震えながら小さくつぶやいていた…。
(……あの娘…マジで三好と…三好とタイマン張るつもりだ……!!)
616アカギ×しげみ(5/4編)55:2006/05/28(日) 20:38:08 ID:???
 その頃……。
 雀荘のイスに寄りかかるアカギはニヤリと笑い、切れ長の目を、好奇心で輝かせながら、
ゆっくりと、灰皿にタバコを押しつけていた。
 「……あの女…いったい今度は何をやらかすつもりだ?……
……おもしろい…まったくおもしろい女だ…」
 そして、新たなタバコに火を付けながら、のどの奥で楽しそうに笑っていた。

(続く)
617マロン名無しさん:2006/05/29(月) 00:06:16 ID:???
ちょwww市川の女体化がwww
http://a103rd.ivyro.net/fukumoto/oekaki/data/216.png
618マロン名無しさん:2006/05/29(月) 00:21:06 ID:???
>>612-616
しげみちゃんテラカッコヨス
GJ!!

>617
みっ見たい!でも人大杉で見れないし
壷で見ようとしてもリンクしてくれてない
辛抱たまらん!どうすりゃいいんだ!
619マロン名無しさん:2006/05/29(月) 00:26:16 ID:???
620618:2006/05/29(月) 00:26:55 ID:???
普段のブラウザで見れた!
テラカワイス!
ハングルが入っているから韓国サイトからか?
621マロン名無しさん:2006/05/29(月) 01:01:09 ID:???
自分なら『ざわざわメモリアル』ってタイトルにするな

しかしこうして絵にされてみると女体化市川もいいかもw
最近は保管庫絵板もそれなりに盛り上がってて良いねっ…!
622マロン名無しさん:2006/05/29(月) 01:04:31 ID:???
>621
アカギ×おさめちゃんワロス!
623マロン名無しさん:2006/05/29(月) 10:00:40 ID:???
盲目の美少女か・・・。ん、美女?
最初のころ言ってたアカギ以外全員女体化ラブコメもありかもしれんw
624マロン名無しさん:2006/05/29(月) 10:22:13 ID:???
>623
電流矢木、南郷さん、安岡、平山タソ、浦部、治キュン、市川さん、仰木、
そして鷲巣様…
コレが全員…女!…女!…女!
ちょwwwwwwカオスでワロスwwww!
不思議だが違和感ホントになさそう
625マロン名無しさん:2006/05/29(月) 10:25:06 ID:???
ラブ米で俗に言うハーレムってやつ?
626マロン名無しさん:2006/05/29(月) 15:27:22 ID:???
いちご100%・・・!
627マロン名無しさん:2006/05/29(月) 16:27:06 ID:???
>626
いちご100%は、4人の女の子が主人公の男の子に惚れるんだよね
そう考えるとアカギをそれにモデルケースとして当てはめた場合
南郷さん、平山タソ、治キュン、鷲巣様の女体化メンバーが主流になるのではと
予想してみるテスト
628マロン名無しさん:2006/05/29(月) 16:31:10 ID:???
東城=南郷(おとなしめだがエロい)
西野=治(割と積極的)
北大路=平山(ツンデレ)
南戸=鷲巣(ロリ)
629マロン名無しさん:2006/05/29(月) 16:39:22 ID:???
>628
ワロス!
鷲巣様はロリ属性に加えてツンデレを付けてもいいとオモ
平山とひと味違ったツンデレ
平山はとにかくツンデレ
鷲巣様はお嬢様で世間知らず恐怖心ゆえのツンデレ
630マロン名無しさん:2006/05/29(月) 17:06:55 ID:???
>>628
という事は、原作どうりに行くと最後にくっつくのは・・・
フォォオオオウ
631マロン名無しさん:2006/05/29(月) 17:16:41 ID:???
チキンラン後、雀荘行くといきなりいちごパンツを見せつけてくる南郷
懸垂しながら告白するとOKしちゃうおさめ
スキあらばおっぱい押し付けてくる平山
寝てるとき無意識に服をぬぎはじめる衣和緒
632マロン名無しさん:2006/05/29(月) 17:36:11 ID:???
うわぁ
脳内物質が駆け回るよママン!
633マロン名無しさん:2006/05/29(月) 18:13:38 ID:???
>631
純平(だっけ?)はそんなことがあるたびに逃げたり驚いたり
(ひろゆきっぽく)してるけど
アカギの場合は…怖くて考えられんwww
634マロン名無しさん:2006/05/29(月) 20:34:47 ID:???
懸垂しながら告白するアカギ想像して噴いたwwwwwwwwwww
635マロン名無しさん:2006/05/29(月) 21:00:54 ID:???
意外と真顔で告白が想像出来たw
636マロン名無しさん:2006/05/29(月) 23:46:02 ID:???
SS職人さん、絵師さんたち、いつもご力作を楽しませていただいております。
管理人さん、無償にして丁寧な仕事っぷりには感謝雨霰です。
そんな中で私は前回と同じく、ちょっとズレた女体化してみました。どうぞ↓

東西戦を間近に控え、未だ天と健しか揃わない東に比べ、西は準備万端整えていた。
原田組本部事務所。最後の電話を終えた原田が、立ち上がって伸びをしながら言った。
「よ〜し、完璧だ。この陣容なら西の勝ちは決まったも同然」
一息ついて、煙草に火をつける。そんな原田を、『完璧な陣容』の一角、他の面子より
一足早くこの場に到着した女が見つめている。原田はその女に語りかけた。
「東の主砲・赤木しげみは任せたからな。頼りにしてるぜ、曽我の姐さん」
「ああ。あの生意気な小娘は、ウチが片付けたるさかい安心しとき」
三十台半ばほどと見える、狡猾さを秘めた理知的な美貌に可愛らしいまん丸眼鏡が
妙に似合ってるその女……曽我逸美は、ソファに深く腰掛けたまま鷹揚に答えた。
「せやけど、向こうの大将。天とかいうのんも、一筋縄ではいかん男て聞いたけど」
「そうだな。俺も顔を合わせたのは二、三度だが、確かにただ者じゃなかった」
原田は机の上の書類の山から、一枚の写真を摘み上げて逸美に渡した。
逸美はその写真に写っている、傷だらけの男の顔をじっと見て、
「ふ〜ん。なかなか苦みばしったええ男やね。それにこの面構え……かなりの修羅場
を潜って、しかもそれだけとちゃう。本当の天国も本物の地獄も知ってる男やわ」
「俺もそう思う。だが今度の戦(いくさ)は、万に一つも負けは許されない。
そう思って、正規のメンバーに加えて一人、天対策の隠し玉を用意したんだ。
他の連中はどうでもいい、ただ天を殺れっ……と命じてある。そういう任務に
うってつけの、プロ中のプロだという評判の打ち手がいてな。そいつを雇った」
「なるほどねぇ。こらまた、天とは違った意味で修羅場経験済みの面構えしとるわ」
「? 奴のこと、知ってるのか姐さん?」
「知っとるも何も、そいつやろ?」
逸美が顎をしゃくって指した。何なんだ? と思いつつ原田が振り向くと、
637マロン名無しさん:2006/05/29(月) 23:46:34 ID:???
「貴方の後ろにおがみ・K」
「どわああぁぁっ!?」
いつの間にか、後ろに女が立っていた。ヒールを履いているとはいえ原田に負けない
長身で、黒いスーツに黒いタイトスカート、腰まで届く長い黒髪に漆黒のサングラス。
闇夜の塊みたいな出で立ちの中、不釣合いなほど綺麗な指とほっそりした顔の白さが
目に眩しく、美しい……と言いたいが、いきすぎてて病的だ。むしろ青白い。怖い。
「呼ばれて飛び出ておがみ・K。参上しました」
「誰も呼んでねえっ!」
「嘘はいけません。私の噂をしていたはずです。おがみ・Kはお見通しです」
「〜〜〜〜っ。で? 何の用だ」
「は。ご用命の天という男についてですが……」
おがみは、レポート用紙の束を机に置いた。
「ここしばらくは東のメンバー集めに奔走しているようですが、その最中にも
何度か麻雀を打っています。その闘牌を全て記録し分析しました」
原田が、横から逸美も覗き込んで、そのレポートを見た。天のみならず、他の三人
の分まで克明にツモも捨て牌も全て記され、ちまちまと書き込みが加えられている。
原田が命じた通り、天の打ち筋をきちんと研究しているようだ。不気味ではあるが、
このおがみ・Kとかいう女、さすがはプロ中のプロ。と原田が感心していると、
「で、こっちが日常生活の記録です。内縁の妻というか同棲している女性が二人、
のみならず幅広く関係をもった相手がおり、どうも女性に限らぬ様子です。例えば、」
「待て待て待て待てっ!」
「はい? ここからがいいところなのですけど。天氏の好みから性癖・回数までほら」
「誰がンなものまで調べろと言ったっ!」
「ターゲットのことを知り尽くしてこそ、その者の打ち筋が読めるというもので」
「だ、だからって誰がそこまで……そこっ! 興味津々の目で読むんじゃないっ!」
「せやかて、天ってええ男やし。この写真なんか……あ、こんなことまでしとんの?」
「スゴいでしょう。天氏は男性にも女性にも好かれているようです。で、本人は
来るもの拒まずというポリシーの持ち主ですので。ほら、こっちの写真どうです?」
「ひぁ……意外な趣味もっとんのやねえ。こら顔を合わせるのが楽しみやわ」
638マロン名無しさん:2006/05/29(月) 23:47:10 ID:???
などと女二人が盛り上がってる前で、現役最強の代打ち・原田は頭を抱える。
「あ、あのな、おがみよ。お前は雇われ者とはいえ一応西の、そして俺の組に連なる
者として動いてるんだから、もうちょっとこう、俺のメンツも気にして欲しいんだが」
「脱衣所の隠し撮りとか寝室の盗聴とかゴミ捨て場に張り込んでのゴミ袋漁りとか、
そういう変質者的なストーキング行為を慎めと仰るのですか?」
「そこまで自己認識できてんなら、もう少し理性で動けと言っとるんだこの変態っ!」
怒鳴りつける原田。と、おがみはくるりと背を向けた。細い肩が震えている。
「お、おい、おがみ? どうした」
「……ひどい……」
ピン! ときた逸美が、素早く原田に耳打ちする。
「ちょっと、克ちゃん克ちゃん」
「その呼び方やめろ。俺は甲子園目指してねえし、キレイな顔して死んでもいねえ」
「ええから聞き。このおがみって子ぉはね、アンタのこと好きなんや」
「な、なんでそうなるんだ」
「わからんのんか? アンタのことが好きやのに、アンタ以外の男の調査なんか
命じられて、せやけどアンタに自分のこと認めて貰いとうて、せやからこんなに
一生懸命、やり過ぎなぐらいに頑張っとるんやないの」
ほんとかよ? と思いつつ、何だか泣いてるっぽいおがみの背を見る原田。
「あの、な、おがみ。お前が何を考えてるのかは知らんが、俺としては」
「私が、こんな……こんなことを、好きでやってるとでも思ってるんですかっ?」
振り向いたおがみの頬には、確かに涙が伝っていた。
「そりゃあ、少しは趣味も入ってるってことは認めますけど、」
「とか言ってるぞ逸美姐さん」
「でも! それでも、私が本当に愛してるのは貴方なんです、原田組長!」
「ほら見てみぃ克ちゃん」
「今回の依頼を下さった時、私、本当に嬉しかった。これをきっかけに、ずっと憧れ
てた原田組長とお近づきになれるかもしれないって。だからお仕事、頑張ったんです」
「うんうん、やっぱりせやったんか。乙女心やねぇ」
639マロン名無しさん:2006/05/29(月) 23:48:28 ID:???
「原田組長と親しくなれれば、事務所はもちろん組長の御宅にも入り易くなりますし、
そうなれば組長の寝姿を撮ってイビキを録音して、湯上りの着流しの合わせ目なんか
想像しただけでもう、」
「やめええええぇぇぇぇいっ!」
絶叫して、肩で息する原田を、おがみがびっくりした顔で見つめている。
「ど、どうしたんです原田組長? 急にそんな大声出して」
「……逸美姐さん、何か言ってみろ」
「ん〜。克ちゃんの気持ちも解るけど、ここまで一途な女の子の気持ちをムゲには」
「解ったストップうるさい黙れ。あんたもそっち側か」
「さっき言うたやろ? この子ぉかて天と同様に修羅場経験済みの面構えやて」
「じゃ何か、天もこーゆー奴だとでも言いたいのかっ」
「うちらも、せやろ。克ちゃんかて、そこらの男とは全然ちゃうやん」
「そ、それはそうだが……」
原田は改めて、黒ずくめの変態ストーカー女、おがみ・Kを見た。サングラスの
奥の瞳を、じっと覗き込む。
……確かにこいつは、そこらの女にはない闇を宿してはいる。今度の東西戦、
そういうものを持った奴でなくては話にならないのは確かだ。ただこいつの場合は
若干、というか妙に、濃いピンク色が混じった闇ではあるが。
「ど、どうしたんです組長、いきなり、そんな、まだ明るいうちに、だめですっ」
何か誤解して、一人でくねくねしてるおがみ。原田は溜息をついて、
「まぁ……極道たるもの一度口にした言葉、一度下した命令、一度始めたケンカを
途中でやめるってワケにはいかねえしな」
「え」
「何も変更はない。当日まで、きっちり天に張り付いて調査を続けろ。解ったな?」
その一言で、サングラス越しでもはっきり判るぐらい、おがみの顔に華が咲いた。
640マロン名無しさん:2006/05/29(月) 23:49:26 ID:???
「は、はいっ! 不肖おがみ・K、原田組長の為に粉骨砕身頑張ります! 組長が
望むなら私は……(ぽっ)私は、私の全てを捧げますっっ」
熱くなって頬を染めてるおがみを、原田はちょっと慌てて抑える。
「ま、待て、落ち着け、おがみ。俺は別にそういう路線を望んでるワケじゃ」
「組長が命ずるなら私は、四暗刻のイーシャンテンからでも暗刻を落としてみせます! 
国士を張ってるところにロン牌を出されても、指一本動かさずに見送ってみせます!」
「……あ……そ、そうか。そゆことか。その、いい覚悟だ、うん」
こほん、と咳き込む原田に、ぐりぐりと肘が当たる。
「か〜っちゃ〜ん〜。アンタ今、何想像しとったんかなぁ?」
「う、うるさいっ。俺は別に、アレだ、だから、えっと、」
などと西の最強コンビがじゃれてる間に、おがみは「失礼しますっ」と元気良く
一礼して事務所を出て行った。
『よぉ〜し、やるぞっ! 東でマークすべきはターゲットの天と、あと赤木よね。
他の連中は大したことない。特にあの、井川とかいうお子ちゃまなんかザコでカモ。
もし私が天に負けても、予選最終卓であの子が来てくれれば、踏み台にできるわ♪』

原田への、少々歪んだ恋心を燃やして駆けるおがみ・K。
その恋が成就するかどうかは、東西戦での彼女の活躍如何にかかっている。
がんばれおがみ・K。負けるなおがみ・K。
641マロン名無しさん:2006/05/30(火) 00:03:00 ID:???
GJ!おがみKワロッシュwwww
ストーカーwww
642マロン名無しさん:2006/05/30(火) 00:22:44 ID:???
GJwwww!!
ハゲワロッシュヒロインの誕生や!!
643マロン名無しさん:2006/05/30(火) 01:05:46 ID:???
>>636
あなたの作品、セリフのテンポが良くて大好きだw
逸美姐さんはさすがに原作のあの髪型では想像できなかったので
なんとなくモガな感じのおかっぱで想像したっ…!
644アカギ×しげみ(5/4編)56:2006/05/30(火) 13:45:10 ID:???
>>612-616
の続き投下します…おがみ・Kハゲワロッシュ!!続きが楽しみだ!

 田中は、女子トイレの扉の外から、トイレ内に向かって恐る恐る尋ねた。
 「し…しげみちゃ〜ん…なにしてんの?」
 中から、忙しなく、しげみのとぎれ声が聞こえてきた。
 「着替えてんの…!戦闘服に…」
 「…せ…せんと…」田中はのけぞった。
 (…戦闘服…戦闘服って…。…
………彼女まさか…いちいち外出先に持ち歩いてんのかよっ…!それをっ…!)
 「…おい田中」
 赤いスエットのポケットに両手を突っ込み、肩をいからせた三好が階段を下りてきた。
 田中はビクッと身を震わせた。
 「タクシーが来たぞ…早く外に出ろや…」そして、田中の尻を膝で蹴り上げた。
「うぐっ!」田中は、臀部と腹に響いた衝撃で顔をしかめ、うめいた。
 ふらふらと、必死に階段を下る。その後ろから、無情な三好の声が追いかけてくる。
 「おい田中…!…病院で、人に蹴られたからこうなったなんて、…
……絶対に言うんじゃねぇぞ…!」
 田中は歯を食いしばり、冷や汗を流しながら、階段を下りきり、ビルの外に出た。
 目の前に、ウインカーを点滅させたタクシーが止まっている。
 そのとき。
短い悲鳴とともに、三好はビルの階段から転がり落ちた。
三好はその場でうずくまっている。
 田中はその様子を、呆けたように、口を開けて見つめていた。…
……と、同時に…、
……「あ゛…あ゛…あ゛…!」自身の体調不良も忘れ、田中の声は、
驚きとともに、うわずっていった。
 「……ククク…、……これはトイレで蹴倒してくれたことの…ほんのお礼だ…!」
645アカギ×しげみ(5/4編)57:2006/05/30(火) 13:48:45 ID:???
 聞き覚えのある声とともに、ビルの階段からゆっくりと下りてきた若い娘…。
 「し、し、し、し…、…しげみちゃん!?」
 しげみは、やはり着替えていたのだ。あの女子トイレで。
 (…しかし……なんで…なんで…こんなセンス…!…よりによって…なぜ…!?)
田中は痙攣しながら口を押さえた。
 しげみは、アズキ色のジャージ上下と、紺色のスニーカ姿。
両手には黒の薄い打撃用グローブをはめ、やる気満々。三好の前で仁王立ちになっている。
 (………芋ジャージ!…しかも…アズキ色ぉぉ…!)
 田中は、こんなせっぱ詰まった状況なのにもかかわらず、
笑いがこみ上げてくるのが抑えられず、痙攣する肩、漏れる声を必死にこらえていた。
そのたびに腹が疼き、まるで地獄…!
 しげみ、横たわりながら唖然とする三好に宣言…!
 「三好…!改めて言うよ……あんたをぶっ殺す…!」
 そして、口を押さえ、ヒイヒイ声をもらす田中に向かって、ムキになり、
頬を真っ赤にして、叫んだ。「……笑うなぁ!!」
 その隙を見逃さず、三好の目がギラリと光った。
 「こぉんの…クソチビー!!」
 三好は、いきなりしげみに飛びかかり、米俵のように、ひょいと担ぎ上げると、
きびすを返し、ビルの階段を駆け上っていった。
 「あ゛――――――――――――――――――――――――――――――――っ!」
 しげみの悲鳴が、ビル内から聞こえ、糸を引き、やがて小さくなっていった。
 「……しげみちゃあぁぁーん…」
 追おうとした田中は、腹の激痛で意識が薄れ、膝を折ると、その場でうずくまった。
646アカギ×しげみ(5/4編)58:2006/05/30(火) 13:54:15 ID:???
 しげみの悲鳴は、アカギ達のいる雀荘にも届いた。
 ドスドスドスという、コンクリートの階段を、けたたましく踏みならす音とともに、
たちまち雀荘の前を通過する、「あ゛―――――――っ」という、怪鳥のような悲鳴。
 「なぁにぃ?…今の変な……気持ち悪いわね…」
 タバコ片手のまゆみが怪訝な顔でつぶやいた。
 アカギは、タバコを灰皿でもみ消し、大きく伸びをし、立ち上がった。
 「…ふふ……じゃ……様子でも見てくるか…」
 そう言い残し、雀荘の外に出たとたん、アカギは鼻歌しながら、まず階下へ。
 両手をジーパンのポケットに突っ込み、口元に微笑みを浮かべ、
階段を軽快な足取りで下り、雑居ビルの外に向かう。
 外に出たアカギは、すぐ先のほうで、うずくまる田中を見つけ、走り寄った。
 タクシーの運転手が、傍らで田中に「だいじょうぶですか!お客さん」と叫ぶのを
後目に、無言で田中の肩を揺すった。
 田中がゆっくりと薄目を開け、虚ろにアカギを見た。
紙のように白い顔で、アカギに手を伸ばす。
 「…しげみちゃんが…危ない…。…
……三好に………たった今、…連れて行かれた。………たぶん…屋上…」
 アカギはそれを聞き、しばし固まっていたが、思いついたようにジーパンの後ろから
無造作に何かを抜き取り、タクシーの運転手に押しつけた。
 「…あ…あんた!……ちょっと!……こ、こ、………これ…!…」
 あたふたしている運転手を、肩越しに振り返り、アカギは言った。
 「……そんだけあれば足りるでしょう…?…
……そいつを近くの救急病院まで運んでやってくれ……医療費もそっから出してよ…
……頼んだぜ…」そして、雑居ビルの階段を、飛ぶように駆け上がっていった。
 「そっ…そんなこと言ったって………多すぎるよこれ…」
 困り顔の運転手の手には、二つ折りにされた、一万円札十数枚が握られていた。
647アカギ×しげみ(5/4編)59:2006/05/30(火) 13:58:38 ID:???
 その頃、しげみは屋上にいた。
 先ほどまでのしげみは、自分に有利なように戦いを進め、
巧みに、三好の蹴りや突きをかわし、自身は無傷のまま、三好の身体に、何ヶ所か
打撃を加えることに成功していた。
 しげみがトドメの一撃とした、回し蹴りが、三好の腹部にきれいに入り、
三好が倒れ込み、そこで勝負が決したかに見えた、直後のことであった。…
……そこにしげみの油断と、大きな誤算があった。
 「…ぐうぅぅぅぅぅ………」しげみは、屋上の柵に押しつけられ、三好に右腕で、
首を絞め上げられていた。(…くそっ…身体に力が……入らない…)
 しげみの意識は朦朧とし、宙に浮いた自身の両足も、ぶらぶらと揺らすのみである。
 鼻からは、止めどもなく、大量の鼻血が流れ出ている。
……先ほど、こうなる寸前に、三好の拳を一発、顔面に食らってしまった名残である。
 しかし、三好も相当な深手を負っていた。左腕は脱臼のため動かず、顔面は
大きく腫れあがり、しげみの首を絞める手もブルブルと震え、しばし荒い息をついている。
 それでも、両目は血走り、口から泡を吹き、ただ一点、しげみの目だけを睨み続けている。
 しげみの意識は徐々に薄れていった。
 (……殺…あたしの死…。…こいつの思いは今……それだけ…。…
……………他のことは考えられないほどに…あたしの死を望んでいる…)
 しげみの顔が緩んだ。
 (…とうとう終わり…。田中さん、まゆみ、美香ちゃん…助けてあげられなくて…ごめ…)
 そのとき、すぐ側から、気の抜けた男の声がした。
 「……あらら…。なんだ…、すっかり『手負いクマ』にしちまってやがる……」
 三好はそれに気づかず、しげみの首を締め続ける。(誰?)しげみがふわりと思った直後、
鈍い音がし、三好の腕の力が抜け、唐突にしげみは縛めから解放され、下に落ちた。
屋上の柵に背中が当たり、そのままずるずると背を引きずり、しりもちをついた。
648アカギ×しげみ(5/4編)60:2006/05/30(火) 14:03:00 ID:???
 脇腹を蹴られた三好は、ロボットのように、ぎこちなく向きを変えていく。
 その先には…。周囲のネオンと、わずかな月明かりに照らされ、屋上の薄闇の中で、
三好とは別の、大きな人影が浮かびあがり、銀色の光が夜風で揺れていた。
 (…ぎんいろだ……なに?………きれい…)
 しげみのぼんやりとした意識が、少しずつ戻ってゆく。
 その銀色の影が動いた。
 一瞬で間合いを詰めると、三好のあごに、重い、強烈な一発を叩き込んだ。
 ドスンという鈍い音と共に、三好はコンクリートの上で身体を弾ませて転がり、
そのまま動かなくなった。
 その影は、パンパンと手をはたくと、
「…終わりだ………鬱陶しいから…こいつもタクシーで病院に運んでもらうか…」
と、のんきにつぶやいている。
 雲の切れ間から、月が顔を出し、周囲がちょっとだけ明るくなった。
 しげみは、月光によって現れたその人物を見て、あっ!と小さく声をもらした。
 「……あ……赤木さん…」
 そう、影の正体はアカギ。……アカギが、ゆっくりとしげみに歩み寄る。
 (…なんで……なんで赤木さんが…ここに?…助けに…きて…くれた…の?)
 動こうとしたが、全身の力が抜け、身体の自由がきかない。
 そして、しげみがへたり込む目の前で、アカギはしゃがみ、鋭い目でしげみを睨み付けた。
 しげみは、なんだか怖くなり、無言で目をそらした。鼻血がぼたぼたと下に落ち続ける。
 「ずいぶんとお転婆だな……あんた」
 低い声でそう言い、一拍置き、のどの奥で笑うのが聞こえ、次の瞬間、
しげみは思わず「ひゃあ!」と声をあげた。
 アカギが、鋭い目で見たまま、無言で、冷たい手でしげみの片頬に触れている。
649アカギ×しげみ(5/4編)61:2006/05/30(火) 14:07:54 ID:???
 慌てて身をよじると、もう片方の手も、しげみの頬にかかった。
 顔が動かせず、否が応でも、鋭い目をするアカギと、目を合わせるしげみ。
 しげみの額に汗の玉が吹き出る。
 突然アカギは、暗く光る瞳でニヤリと笑い、ささやいた。
 「……けど……嫌いじゃないぜ…そういう女…」
 アカギは、しげみの首を覆っている、ジャージの衿のジッパーを、ゆっくりと、
胸の下まで下げた。下から、白いTシャツが現れる。
 しかし、ふたつの胸の膨らみの形は、はっきりと分かってしまう。
…しげみは、顔を羞恥心で真っ赤にし、身をよじった。
 さらにアカギはいきなり、しげみの両脇に手を差し込んで、彼女を軽々と抱き上げた。
 「あっ!な…!…ちょ…ちょっと…ちょっと……!!…」
 しげみに超絶電流走る…!!
 (…な、なにをする気だ!…まさか!…あたしが動けないことをいいことに…
……あんなことや…、こんなことおををを……!)
 なぜか、しげみの脳内を駆けめぐる、脳内物質……!
 ……しかし、それは杞憂に終わった…。
 しげみは余計に興奮した分、疲れはて、先ほどから放心状態となっていた。

 〈…鼻血が出たときの手当としては、まず、患者の身体を締め付けている衣服をゆるめ、
上半身を高くして座らせ、首を軽く後ろに反らせること…〉

 しげみは、屋上の柵に座って寄りかかり、気持ち、上を見るようにして鼻をつまみ、
鼻血が止まるのを、ただただ待っていた。
 先ほど、アカギが自分を抱き上げ、尻の位置を上にずらしてくれたので、完璧…。

 「…しげみ…。……見て見ろよ…星が綺麗だぜ…」
 アカギは少し離れた場所に立ち、一服しながら星空を見上げている。
 しげみは、なんだか複雑な思いを抱きながら、つぶやくように言った。
 「…しげみじゃなくて…赤木さんって呼んで下さい…。…
…………どうせ…なんとも思ってないくせに…」
(続く)
650アカギ×しげみ(5/4編):2006/05/30(火) 14:13:41 ID:???
最近スレタイに合っていない話ばかりをかましてたことに今頃気づいた
今回は、アカギのセクハラ話で良しとした
…こんな自分だが、反省していない
651マロン名無しさん:2006/05/30(火) 14:36:54 ID:???
だんだんしげみがエアマスターに
見えてきた
652マロン名無しさん:2006/05/30(火) 17:27:46 ID:???
おがみKって誰?
653マロン名無しさん:2006/05/30(火) 17:34:48 ID:???
雀マスターしげみ
654マロン名無しさん:2006/05/30(火) 18:06:02 ID:???
>>652
テラワロス!読んでみそ!↓

>>636-640
655マロン名無しさん:2006/05/30(火) 18:18:43 ID:???
>>644-650
GJ!面白い!!いつも有難うございます!
しげみの叫び声が、何故かファービーに脳内変換されてしまったw
656マロン名無しさん:2006/05/30(火) 22:07:49 ID:???
ラブコメってどこまでOKなんだ?
キスとかセクハラはともかく、本番に準するまたは本番を思わせる行為はNGになるんだろうか。
妄想がこのうえなく肥大化している。

もうすぐ夏だから、バニラの棒アイスとか口いっぱいに頬張ればいいと思うんだ・・・。
657マロン名無しさん:2006/05/30(火) 22:20:52 ID:???
>>656
その時はキャラサロンかどっかに別スレ立てるか
エロ用掲示板つくるしかないな
夏はエロいwww
658マロン名無しさん:2006/05/31(水) 00:54:12 ID:???
棒アイスと聞いて最初に思い浮かんだのが黒沢の「口内ジューシー」のくだりだなんて言えないね
659マロン名無しさん:2006/05/31(水) 06:09:55 ID:???
>>656
エロが書きたきゃエロパロ逝って、ラブコメが書きたきゃここにいる。
住み分けするしかなかろうよ。
どうしてもそのシーンが必須ってんならそこだけエロパロの棚借りてくりゃいいし。
つなぎ目なんざどーにでもなる。朝起きたら一緒のベッドで(ry

…はて。そういやエロパロに棚あったっけか。
もう親指が限界、携帯はきつい。
PC持ってる人よろしく。無責任でごめん。
660ひろ×しげみ(女体化注意):2006/05/31(水) 07:05:41 ID:???
>>659
確認してみたとこ、エロパロ板には棚スレないみたいですね。
エロ投下するとしたら「スレの無い作品」スレになるのかな。
とりあえず自分は当分ここでひっそりいきますw

で、ひろ×しげみその後のお話をちょこっと投下っ…>>572-580も自分ですが、
アレは番外編的な話ということでおねまいします(*゚з゚) ノ 以下3レス消費。多分続く。

*

―――嶺の上に花が開く、とはよく言ったものだ。
三つ目のカンの後、ツモった嶺上牌の感触にひろゆきはそんな事を思った。

「…ツモ。三槓子ドラ8、嶺上開花で…三倍満です」

タン、と音を立てて嶺上牌を卓上に置き、手牌を開示すると、
津波のようなどよめきがあたりから巻き起こった。
対面と上家に座った強面の男たちの顔に苦渋の色が浮かび、
殺意すら含んだ、刺すような視線を送ってくる。流石に「本職」だけあって凄まじいまでの威圧感だ。
冷や汗が浮かぶのを気取られないよう、努めて無表情に、淡々とした口調でひろゆきは言う。

「…これで僕が3連続トップ…約束通り、この店から手を引いて頂けますね」
「ちっ…!やってられねぇっ…」
男たちは舌打ちをし、乱暴に椅子を蹴り倒しながら立ち上がり雀荘を出て行った。
661ひろ×しげみ(女体化注意):2006/05/31(水) 07:07:17 ID:???
彼らがどかどかと足音を立てて出て行くと、ひろゆきが安堵の息をつく間もなく、
下家で打っていたこの雀荘のオーナーが目に涙を浮かべ抱きついてきた。
「井川先生っ…!!」
「うわっ!?」
「ありがとうございますっ…!あの方々には本当に困ってたんです…!」
…ちなみにこの雀荘のオーナーは女性、歳は少々いってはいるが中々のグラマー美人である。
ということは、健康な男としては当然どぎまぎしてしまうわけで――
ふっと頭に浮かんだ涼しげな眼の少女に心中で平謝りしながら、女を慌てて引き離すひろゆき。

ありがとうありがとうと何度も頭を下げる彼女をなだめつつ、ひろゆきは苦笑する。
時に持ちかけられるこうした勝負麻雀には多少慣れたものの、
こういった事はまるっきり不得手なのだな、と自分で自分に呆れながら。

名残惜しげに誘われた食事の誘いを固辞し、ひろゆきは礼金だけを受け取り雀荘を出た。
午後の陽気が肌に心地よく、少し強い風がどこからか沈丁花の香りを運んでくる。
(すっかり春だな…)
四季の移ろいに風流を感じる歳でもないが、なんとなくいい気分で繁華街を歩く。
今日の勝負を紹介してくれたオーナーに結果を報告しようと、講師として勤めている雀荘へ向かうと
入り口の階段の前に見知った銀色の頭を見つけ、ひろゆきは顔をほころばせた。

「しげみちゃん」
名を呼ぶと、銀色の髪をなびかせてその少女が振り返る。
「あれ…?びっくりした、そっちから来るとは思わなかった」
あまりびっくりはしていなさそうな口調で、しげみはひろゆきに向かって微笑んだ。

その笑顔に、ひろゆきはどきりとする。
そっちから来るとは思わなかった、ということは、しげみはここで
自分が講師の仕事を終えて出てくるのを待っていてくれたのだろうか。
662ひろ×しげみ(女体化注意):2006/05/31(水) 07:08:35 ID:???
「あ、ああ…今日はちょっと出張でね」
ひろゆきも照れ笑いを返しそう答えると、しげみは何かに気づいたように目を細め…
半眼になりひろゆきをじとっと見つめた。
「ふーん…随分いいところに出張してきたんだね……昼間っから……」
「え?」
「…どうでもいいけど、『それ』早めに洗わないと染みになるよ」
とんとん、と親指で自らの鳩尾のあたりを指すしげみ。
その冷たい視線と声に驚いて、ひろゆきが自分のシャツのその部分を見ると――
……ばっちりくっきりはっきりと、真っ赤な口紅の跡が付いていた。

「あ゛…」
先程、女性オーナーに抱きつかれたことを思い出す。おそらくその時に付いたのだろう。
やくざ者たちに睨まれた時とは比較にならないほどの冷や汗が体中からどっと噴き出る。

「……………待ってて損した」
小声で溜息混じりにそう呟き、ひろゆきに背中を向けしげみはすたすたと歩き出す。
青褪めた顔で慌ててそれを追いかけるひろゆき。

「え、あ、ちょ、ちょっと待ったっ…!誤解っ…この上なく誤解なんだってっ…!」
「…別に気にしてないから」
「そっちが気になんなくてもこっちが気にするんだっ…!」
「何で?」
「な、何でってその…ええと…そりゃ、何ていうか…」
「…………いいよ、もう」
顔を赤らめひろゆきが口ごもる間にも、しげみの足がますます速まる。
「わー!ちょっと、だから待ってってばっ…!!」


―――結局、ひろゆきが誤解を解けたのは――500メートル程歩いた先のことであったという。
663ひろ×しげみ(女体化注意):2006/05/31(水) 07:25:52 ID:???
「誘われた食事の誘い」てなんやねん…('A`)

 ∧||∧
(  ⌒ ヽ <生まれ変わって出直してきます
 ∪  ノ
  ∪∪
664マロン名無しさん:2006/05/31(水) 08:50:57 ID:???
>>660-663
誤解する女
弁解しオロオロな男
これぞラブコメの醍醐味…王道!
GJ!!
665マロン名無しさん:2006/05/31(水) 11:55:45 ID:???
>>660-663
GJ! いつもながら面白い!
続きも心待ちにしております。
666保管庫”管理”人:2006/05/31(水) 18:10:15 ID:???
職人さん、絵師さん、毎日萌えをありがとうございます。
スレ住人の方々も、毎度乙コールありがとうございます。

職人さんの需要があれば、
エロパロ用の掲示板を借りてきますが…どうですか?
667マロン名無しさん:2006/05/31(水) 19:52:14 ID:???
管理人いつもありがとうございます!

実はエロパロも‥投下したいなって‥
668マロン名無しさん:2006/05/31(水) 20:06:13 ID:???
管理人さまいつも乙ですっ…!

書いちゃうか…あんなことやこんなことも…!
669マロン名無しさん:2006/05/31(水) 20:29:39 ID:???
管理人さま!
萌えを追求している皆の衆のために
いつもありがとうございます!

職人のほうも
エロパロスレがあれば書きたくなる…かもしれない
表現方法がひろがりんぐになるので賛成です
670保管庫”管理”人:2006/05/31(水) 20:58:58 ID:???
保管庫に福本作品でエロパロっ…掲示板設置してきた。
ラブ以上エロ未満が萌える人及びお子様はスルーの方向で
仲良く住み分けてくれっ…!
671マロン名無しさん:2006/05/31(水) 21:21:36 ID:???
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
仕事テラハヤシス!
管理人さまありがd
煩悩がひろがりんぐwwww
672マロン名無しさん:2006/05/31(水) 21:39:54 ID:???
管理人GJすぎるっ・・・!
673マロン名無しさん:2006/06/01(木) 16:59:48 ID:???
「鼻が鈍ったな・・・鷲巣衣和緒・・・!惚れているから・・・!」
ざわ・・・ ざわ・・・
「バカなっ・・・!惚れている・・・ですって・・・?」
「そうさ・・・表面上はツンツンして見えても・・・
 体の芯・・・心の奥底は惚れているから・・・欲が噴き出る・・・!」
「バカなっ・・・!何を言う・・・!話にならん・・・!ないわ・・・!
 残念ながらそんなときめく気持ちなど・・・!毛頭っ・・・!」
674マロン名無しさん:2006/06/01(木) 17:46:54 ID:???
>673
衣和緒タソwww
テラカワイスwww
675マロン名無しさん:2006/06/01(木) 18:18:34 ID:???
>>613
ツンデレktkr
そのあと心を狙い撃ちされちゃったりするのか…
そのときめく心をっ…!
676マロン名無しさん:2006/06/01(木) 18:19:27 ID:???
安価ミスった…
>>673
677マロン名無しさん:2006/06/01(木) 19:00:11 ID:???
衣和緒タソの固いしゃべり方が好きだww
678マロン名無しさん:2006/06/01(木) 19:08:06 ID:???
鷲巣のあの大物然とした気配、風貌は・・・
あくまで金前提・・・!その金という前提・・・
着ぐるみをはがせば・・・もう何者でもない・・・!
そこから出てくるのは・・・
かよわい少女・・・!異様に羞恥心を持った可憐な少女が・・・
一人佇むばかり・・・!
679マロン名無しさん:2006/06/01(木) 20:23:06 ID:???
可憐な衣和緒様っ…
どき…どき…
680マロン名無しさん:2006/06/01(木) 22:00:52 ID:???
衣和緒はマジ萌える・・・!
貧乳でも巨乳でもロリでも熟女でも激萌だ!
適齢期チョイ過ぎの27.8歳ってのも良い・・・
681マロン名無しさん:2006/06/01(木) 23:51:17 ID:???
>27.8歳
新たなジャンルだが、普通にいい!
682マロン名無しさん:2006/06/02(金) 00:32:05 ID:???
19歳アカギに翻弄される27歳衣和緒っ…!(*´д`)
683ひろ×しげみ(女体化注意):2006/06/02(金) 06:52:30 ID:???
乙女心を金の衣で覆い隠す衣和緒たん(*´Д`) ハァハァ
アカギにむしれるだけむしられて最後に残った乙女心まで骨も残さず奪われるといいよ…!

と、衣和緒たん談義をぶったぎってひろ×しげみ投下しますごめん。
>>660-662続きです。以下4レス消費。

*

「なんだ…そういう事なら早く言えばよかったのに」
ひろゆきのおごりの缶コーヒーをこくこくと飲みながら、しげみは事も無げに言った。

(…言わせてくれなかったのはそっちじゃないか…)
漸くの事で誤解を解いたものの、心身ともに疲れ果てひろゆきはぐったりと壁にもたれかかる。
文句を口に出す元気は最早ないので、その涼しげな顔を軽く睨んでみたが
しげみはその視線を受け流し…睨み返すのではなく、にこっと愛らしい笑顔を返してきた。

「う…」
普段はとても高校生とは思えない程大人びた顔立ちのくせに、こうして破顔すると
たちまち歳相応の少女の顔になる。
思わず怒りを忘れて見惚れてしまった自分に気づき、がっくりと肩を落とすひろゆき。

(………なんつうか…反則だよなあ……)
笑顔ひとつであっさり誤魔化されてしまう自分を情けなく思いながら、
火照る頬をクールダウンするかのように、ひろゆきは手に持った缶コーヒーを飲み干した。
684ひろ×しげみ(女体化注意):2006/06/02(金) 06:53:53 ID:???
しげみの立っている場所の隣にあるゴミ箱に空き缶を捨てようとして、
ひろゆきはふと、しげみのいつものブレザー姿に少し違和感があるのに気づく。

先程は慌てていて気づかなかったが、彼女の制服の胸元にはリボンの付いた布製の花が留まっていて、
その銀色の髪の上には桜の花びらがひとひら、まるで髪飾りのようにちょこんと乗っかっていた。

この辺に桜の木はなかったはずなので、おそらく学校からずっとくっつけてきたのだろう。
想像してみると妙にかわいらしく思えて、ひろゆきが思わずぷっと吹き出すと
しげみが不思議そうな顔で見上げてきた。
「なに?」
「いや…」

笑いをこらえて、しげみの頭に乗った花びらをつまんで取ってやる。
少し名残は惜しかったが、ふっと息を吹きかけて春風に乗せてやると
そのひとひらの花びらは、思いのほか高く舞い上がった。

それが見えなくなるまで見送ったあと、ひろゆきはしげみに向き直る。

「言うのが遅れたね、ごめん」
おそらく今日が見納めになるであろうブレザー姿のしげみに微笑みかけ、簡素な祝いの言葉を口にした。

「―――卒業おめでとう、しげみちゃん」
685ひろ×しげみ(女体化注意):2006/06/02(金) 06:55:33 ID:???
中央線K駅で電車を降り、ひろゆきとしげみは閑静な住宅街をふたり並んで歩いている。

「珍しいね…しげみちゃんから墓参りに行こうって言い出すなんて…?」
珍しいどころか、初めてのことかもしれない。
今までひろゆきが墓参りに行く際に誘っても、しげみは首を横に振ってばかりだったのだから。

「…まあ、卒業の報告くらいはね」
そっけない口ぶりではあったが、しげみの横顔は少し照れているようにも見える。
よく笑いはするものの、基本的にあまり表情を表に出さないこの少女の心の動きが
最近、ひろゆきにはなんとなく判るようになっていた。

自分を雀荘の前で待っていたのも、一人で行くのが照れくさかったからだろうか。
勝手な思い込みかもしれないが、そう考えると実に微笑ましい。

「…何笑ってるの、ひろさん」
「え?」
しげみに言われて、ひろゆきは知らないうちに自分が微笑んでいることに気がついた。
笑われたと思ったのか拗ねたように見上げてくるしげみの表情は
どう見ても年下の少女のそれで、春の陽気も手伝ってか、ひろゆきの胸にほんの少し悪戯心が湧く。

…たまには大人の余裕というものを見せておく必要があるだろう。
さっき信用されなかった恨みもあることだし。

「…ひろさんってば」
段々と不審げになるしげみの顔を覗きこんで、子供をからかうような口調でひろゆきは言う。

「いや…しげみちゃんは可愛いなあと思って」
686ひろ×しげみ(女体化注意)゙:2006/06/02(金) 06:57:15 ID:???
「…っ!?」
と、しげみは心底驚いたように目を見開き、勢いよく二、三歩後ずさった。
間違いなく今まで見てきた中で一番の驚きっぷりである。

「…ひろさんが壊れた…」
得体の知れない何かを遠巻きに見るような眼に、ひろゆきは少し傷つく。
「壊れてないっ…!普通…!至って普通っ…!!」

反論を試みるが、今度は哀れむような眼で見られる。
「自分じゃ気づかないものなんだよ…怖いね、春って」
「どういう意味さっ…正常だってばっ…!」
自分の発言に早くも後悔と恥ずかしさが押し寄せてくる。

「じゃ、熱でもあるのかな」
「え…?」
しげみがつつつっと近寄ってきて、ひろゆきの前で背伸びをする。
そして自分とひろゆきの前髪をかきあげると、こつん、と額同士をくっつけた。
「―――――っ!?」
みるみる真っ赤になるひろゆきの顔を見て、しげみがにやりと笑った。

「なんだ、やっぱりいつものひろさんだ」
しげみは楽しそうに笑うとぱっと身を離し、また歩き出す。
「……………」
酸欠の金魚のように口をぱくぱくさせ、その場に立ち尽くすひろゆきに、

「早く来ないと置いてっちゃうよ?」
――と、少し遠くからしげみの笑い混じりの声がかかる。

…やっぱり、慣れない事はするものではない。
本当に熱が出たように熱い顔を手で覆って、ひろゆきは深々と溜息をついた。
687マロン名無しさん:2006/06/02(金) 07:04:06 ID:???
GJ!!!!結局翻弄されるなw
いつも可愛いなこの2人(*´Д`)
688マロン名無しさん:2006/06/02(金) 10:40:44 ID:???
くうぅぅぅぅ〜GJ!!
これぞラブ米の醍醐味っ!!
しげみの小悪魔ぶりにこちらもメロリンキューwww!
689マロン名無しさん:2006/06/02(金) 11:09:21 ID:???
「がっ…ダメッ…!」って表現が似合うカップル(?)だなw
頑張って攻守逆転しろよひろ…(つ∀`)
690マロン名無しさん:2006/06/02(金) 23:52:38 ID:???
衣和緒様もひろ×しげみもいいが
次男×ハテ子を心待ちにしている自分がいます
691アカギ×しげみ(5/4編)62:2006/06/03(土) 00:25:06 ID:???
>>644-649
続きを投下します。次男×ハテ子自分も見たいっス!

 しげみの鼻血がようやく止まったのを見計らい、
アカギは気絶している三好をおんぶし、屋上の扉を開けた。
 「…あんたはもう少しここにいろ」
 アカギが、肩越しに自分にかけていった言葉と、鋼鉄製の扉が自然に閉まる音を、
しげみは、柵の下に座り込み、
涼しい夜風に銀髪をさらしながら、ぼんやりと聞いていた。
 (赤木さんって……何考えているんだろう…ホント、よく解らないや…)
 ふと、そう思ったしげみは両膝を抱え、膝にあごを乗せると、鼻で息をついた。
 (…赤木さんからしたら、あたしは…昔の知り合い…だったようだけれど…、
…それにしたって、人の心に土足で上がり込むマネし過ぎるし、
…すぐからかうし、皮肉を言うし、思わせぶり…するし…)
 『……嫌いじゃないぜ…そういう女…』
 そうささやき、暗く光る目で微笑し、しげみのジャージのジッパーを下ろし、
抱き上げられた事を思い出し、しげみの心臓は早鐘のように鳴る。
 (……さっきの鼻血のときは本当に『喰われる』かと思った…。
…やることなすこと…どぎついんだよ…いろいろとっ…!
…………冗談だったとしても……)
 思わず目を伏せた。
 (きっと…あたしをもてあそんで…楽しんでるだけなんだ…!)
 しげみは眉を寄せて、膝に顔を埋めた。

 『…しげみ…。……見て見ろよ…星が綺麗だぜ…』

 膝の闇の中で、しげみはふいに思い出した。
 (…あのとき、本当にマジ顔で夜空を見上げてたな…
……星が好きなのかなぁ…)
692アカギ×しげみ(5/4編)63:2006/06/03(土) 00:29:42 ID:???
 膝に、鼻をうっかり擦りつけてしまい、
一瞬ヒヤリとしたが、痛みはほとんど引いていた。
 (……どうせあのとき、鼻血を止めるために上を向いていたのだから…
一緒に見てあげればよかったかな…
………そして……綺麗ねって……言ってあげればよかったかな…)
 しげみはゆっくりと顔をあげた。
(……彼が助けてくれなかったら………今のあたしは無かったんだから…)
 ふっ…。息をついた。自然に笑みがこぼれる。
 思い立ったしげみは、顔を触った。
カビカビした血糊が付着しており、なんとも気持ちが悪い。
 それに、このアズキ色のジャージ。
自分の鼻血をたっぷりと吸い込んでいるジャージ…。
 (一刻も早く脱いで着替えたい)
 しげみは立ち上がり、尻のホコリをパタパタ叩くと、急いで屋上の扉へと向かった。
 重い扉を開けたとたん、目の前の視界が真っ暗になり、何かにぶつかった。
 「なんだ…もういいのか」
 後頭部を撫でられ、しげみは反射的によけた。
アカギが、いたずら小僧のような目つきで笑っている。
 (もう…いちいち気安く触るな…!)と、思いつつも、
「…うん…だいじょうぶ」と、わざとらしく微笑んでおいた。
 ふたりは、蛍光灯の光に照らされながら、階段を下りていった。
 アカギに、鼻は痛くないかと聞かれ、もう痛くないと答えると、
 「…ふーん…やっぱり鼻の骨は折れてないようだな。
………さっき、俺がよく顔を見てやったとき、そうだと思った……」
 アカギは得意げにのどの奥で笑うと、ニヤリとしげみを見た。
 (…あのとき、あたしの頭をつかんで…
……食い入るように見つめたのは、そのためだったのか…)
693アカギ×しげみ(5/4編)64:2006/06/03(土) 00:33:37 ID:???
 しげみは脱力し、ため息をついた。
 (…やっぱりさっきのも…思わせぶり…か…)
 「それにしたってあんた……なんて格好だ……それ…」
 はっと青くなり、後ろを振り返ると、アカギは下を向き、背を丸め、
腕組みしながら肩を震わせている。
 「……ぷっ…ククク………ハハハハハハハハハ…!」
 唐突に、アカギが笑い出した。
 (大爆笑…!?)
 しげみは呆然とした。
 彼が、声を出して笑うのを見たことがなかったので、
しげみは、しばし棒立ちになってアカギを見つめていた。
 ところが、しばらく経っても、アカギのバカ笑いは一向に収まらない。
 しげみは徐々に片頬を引きつらせ、冷たい目で、笑い崩れるアカギを睥睨した。
 (…だからっ…!だからヤだったんだ…!
…この男にだけは、一番見られたくなかった…!
………絶対バカにすると思った…!このダサイ姿をっ…!)
 アカギは、中腰になり、腹を抱え、なおも笑い続ける。
 「…どうせ着るんなら……
…………もっとマシなジャージにしろって!……ハハハハハハハハハハ…!」
 しげみは頬を痙攣させながら、白く光る鋭い目でアカギを見つめている。
 (…ええ…、……笑われてもしかたないですよ!…あたし自身ダサイのは重々承知の上…!
……泥だらけになったり、相手の返り血浴びたり、自分も血が出たりで…
……なにかと汚れるんだ…!戦いってヤツはっ…!)
 なおも笑い続けるアカギ、しげみの顔に、みるみる赤みと険が増してゆく。
694アカギ×しげみ(5/4編)65:2006/06/03(土) 00:38:22 ID:???
 (……そんなんだから…、あんな高っけぇ、…
……NIKEだの、PUMAだの、adidasみたいなブランドジャージ…
…着たいのはやまやまだが…それは激しくダメ…!………着てられるかっ!
…汚れ、かぎ裂き、すり切れがいちいち気になって、
………もったいなくて思いっきり戦えないっつーの…!)
 「…ハハハハハハハハ……!」
 しげみは、怒りを通り越して、すーっと頭が冷え、
目を伏せ、上目遣いでアカギに鋭く言い渡した。
 「……そんなこと…全身ユニクロのあなたに言われたくないわねっ…!」
 「はは…」アカギは、やっと笑うのをやめた。
 しかし、懲りないアカギ。……今度は、のどの奥でひとしきり笑い、
一拍置いて、ジーパンのポケットに手を突っ込み、得意げに言った。
 「……ほとんど当たってるけどハズレだ………靴だけはコンバース………ククク…」
 「…だから!なんだってぇのよ…!」
 しげみは怒鳴ってむくれ、アカギを後目に階段を下りる足を速める。
 アカギが先ほど見せた星空への憧憬を、心の隅に追いやる。
 (……前言撤回…!!)
 しげみは、ちょっぴり涙ぐんだ。
そして、女子トイレに着くと、思いっきり扉を閉めた。
695アカギ×しげみ(5/4編)66:2006/06/03(土) 00:42:07 ID:???
 その頃、雀荘の中では、半チャン一回目の東四局が終わり、
数十分の休憩時間を取っていた。
 他の仲間、美香と木村は、外のコンビニに買い出しに行っており、
今回の『通し』のカモ、佐藤は、やはり今、雑居ビルの外に行っているはずだった。
 まゆみはただひとり、雀卓に座ったまま、タバコをくわえ、
ぼんやりと各自の得点表を見ていた。
 (佐藤さんにトップを取らせる…)
 まゆみは頭の中で、一回目の休憩時間のときに言い渡された、三好の指示を反芻する。

 《…さっき佐藤に話を聞いたら、半チャン二回まで俺らにつき合うと言っていた。
だから半チャン一回までは、自分たちの好きなように打っていい。
………でも、つねにトップは佐藤に譲れ。
半チャン二回目の東場までは、佐藤にわざと、バカ勝ちさせるんだ。
南場に入ったら、店側に黙って、佐藤にレートをあげるよう提案する。
………そこからが勝負だ……そこから佐藤の点棒をむしりとれ…!
……『通し』を駆使し、とにかく、佐藤からできるだけ大枚を巻き上げろ…!》

 (…そういえば…三好さん遅いな)
 点数表から目を外し、まゆみは眉を寄せた。
 たしか、田中をタクシーに乗せて、病院まで行ってもらうんだと言って、
雀荘の外に出たはずだが、一向に戻る気配がない。
 (……病院まで付いて行ったとか………田中さん…そんなに具合が悪いのかしら…?)
それにしては、なんの連絡もない。
 …そういえば、自らの荷物を持って出て行ったしげみ。
 それに赤木と言ったか…、
…あの銀髪男も、様子を見に行くと言い残し、出て行ったっきり戻らない。
 まゆみの脳内で、ふと、ある予感がよぎった。
 (…まさかあの赤木コンビ……三好と何かあった…?)
 そのとき、まゆみの携帯電話がブルブルと震えた。
 「はい…」
 まゆみは、携帯電話の通話ボタンを押すと、受話部分に耳を傾けた。
696アカギ×しげみ(5/4編)67:2006/06/03(土) 00:45:44 ID:???
 「これは…!すごいファインプレーだよ〜!…ありがとう〜♪赤木さん」
 しげみはたちまち上機嫌になった。
 アカギが、どこからともなく、ぬるま湯が入ったバケツ二杯、タオル二枚を
女子トイレに運んで来たからである。
 「めずらしいこともあるもんだ…明日は雪が降るかもね〜♪」
 しげみはトイレの外に向かって軽口をたたいた。
 「…クク…そうかもな」トイレの外からすぐ、のんきなアカギの声が帰ってきた。
 しげみはぬるま湯で、簡単に身体全体をぬぐって汚れを落とし、
シンク台をきれいに拭いてから栓をし、さっと洗髪もした。
 「…ねっ…赤木さん…これでまゆみと美香ちゃんを助けられるよね…!」
 タオルで銀髪を押さえ、丁寧に水分をぬぐいながら、しげみは笑顔になっていた。
 アカギから返事はない。ただ、ライターの音がし、タバコの匂いがただよってきた。
 しげみは気にせず続けた。てきぱきと支度を整える。
 「なんせ、首謀者の三好は、このあたしがやっつけちゃったからね〜。
…あ、…赤木さんのおかげでもあるけどさ〜。
……残った木村は、たいしたことないヤツだし、これで『通し一味』は壊滅…」
 そう威勢良く言い放つしげみの言葉を、アカギはのどの奥で笑いながら聞き、
おもむろに一言で遮った。
 「…フフッ……どうだか…」
 「え」
 しげみはすっかり着替え終わり、濡れ髪のまま、女子トイレの外に顔を出した。
 アカギが、すぐ横の壁に寄りかかっている。
 アカギは煙を吐き出すと、しげみの顔を見てはっきりと言った。
 「…『通し』…そのまま続行するよ……まゆみって娘は」
 (まさか)
 しげみは笑顔を張り付けたまま、アカギの顔を、物言えずただ見つめ続けた。

(続く)
697アカギ×しげみ(5/4編):2006/06/03(土) 00:48:00 ID:???
ラブコメ道は険しい!
698マロン名無しさん:2006/06/03(土) 01:08:38 ID:???
靴だけはコンバースに禿ワロスwwwwwwwwwww
GJGJ!!

そしてラブ要素ほとんどなしの小ネタなんで読み流してください。↓


伊藤杏慈には今、密かな悩みがあった。
(はぁ……どうしてしげみちゃんはあんなにキレイなのかなぁ……)
人目を引く美しい銀髪。鼻筋の通った端正な顔立ち。今にも折れそうなほど華奢な体つき。
そして、迷いなく牌を切る細い指。
(あんなキレイな人がそばにいたらっ…きっとアイツだってしげみちゃんを好きになっちゃうよね……)
そんな想像をしてはヤキモチを妬き、じた…じた…と悶えてしまう。

が、駄目っ……!嫉妬は何も生み出さない……!
(そうよ、私は銀髪にはなれないし、顔や体型も変えられないけどっ……)
(指先くらいなら…キレイになれるはずっ……!)

そして週末……
コンビニのアルバイトで貯めた小遣いを握り締め、杏慈はあるビルの前に立っていた。
(改めていうのもなんだけど…つくづく私って…臆病者よねっ……)
(でもっ…私だってしげみちゃんみたいにキレイになって…いつかアイツを振り向かせるんだからっ……)
意を決して足を踏み出し、杏慈はビルの中へと入っていく。
その小さな後姿を呑み込んでぴしゃりと閉まったドアには、おどろおどろしい書体でこう書かれていた。


『ネイルサロン 沼 〜誰でもウェルカム!〜』 と。
699マロン名無しさん:2006/06/03(土) 01:26:04 ID:???
おおおおおwwww
あんじタソキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
ネイルサロンで一体なにが待ち受ける??
期待汁でつ
700マロン名無しさん:2006/06/03(土) 01:27:19 ID:???
>>698
杏慈〜〜〜〜っ…!ダメッ…そこはダメッ…!!
でもワロタw
701赤木&しげみ(隠し子):2006/06/03(土) 08:35:48 ID:???
前スレ「夏の名残」の数年前の話なんてものを書いてみた…!
しげみちゃん隠し子設定で、赤木父娘の話です。
一部前スレからセリフ引用させて頂きました、無断でスマソ(´・ω・)

ラブじゃないけど女体化+捏造注意。赤木家族シリーズとは無関係です、念の為。
以下4レス消費っ…
702赤木&しげみ(隠し子):2006/06/03(土) 08:36:49 ID:???
「―――さん。」

放課後の教室。
帰るのがどうも億劫で、ぼおっと窓の外を眺めていると、クラスメイトの女子に名前を呼ばれた。
私がゆっくりと振り向くと、その娘はしまったと言った顔で口元を押さえた。
「あ、ご、ごめん…今は『赤木』さんだったよね…」
申し訳なさそうにぺこりと頭を下げるその女子に私は笑いかける。
「別に…私もまだ慣れてないから間違えるのも無理ないよ…何?」

「ええと…校門のところで、白髪頭の男の人に、あなたを呼び出すように言われて…」

その言葉に、こめかみのあたりがぴくりとする。
笑いが消えて余程険しい顔をしていたのだろう、目の前の級友は可哀想なほど怯えた顔をした。
「あ、あの…赤木さん…?」
ふっ、と溜息をついて立ち上がり、鞄を掴んで教室を出――ようとして、ある事に気がつく。

……お礼を言うのを忘れていた。
「…わざわざ伝言ありがとう」
おどおどとした様子の級友に振り向き再び微笑みかけると、彼女はほっとしたようだった。

「それと…苗字が変わってややこしいし、これからは下の名前でいいよ………それじゃ、また」
くるりと踵を返し教室を出て行く私の背に、遠慮がちな別れの挨拶が聞こえた。

「あ、うん…さよなら―――しげみ、ちゃん…」
703赤木&しげみ(隠し子):2006/06/03(土) 08:38:52 ID:???
放課後の中学校は存外騒がしい。
運動部の威勢のいい掛け声や、吹奏楽部が練習しているのだろう時々調子の外れる
「威風堂々」などを聴きながら、私はなるたけゆっくりとした足取りで廊下を歩く。

気分は実に憂鬱だった。

この廊下がずっと続いていればいいのにと思うが、現実はそうもいかない。
廊下を抜けるとあっという間に下駄箱、靴に履き替えて校舎を出れば校門はすぐ目の前の階段の下だ。
校門へと続く階段の上から見下ろすと、なるほど、門の外には高価そうな外車が停まっており――
その脇には、今私が最も会いたくない人物が煙草をくゆらせていた。

一瞬、気づかれないうちに裏門から逃げようかな、という考えが頭を掠めたが
そんなことをしても何の意味もないだろう。
…あの人物と私の帰る場所は、本当に不本意なことに同じ部屋なのだから。

はあ、と息をついて階段を降り、その人物の許へと向かった。
一歩一歩近づくごとに、その男の容貌がはっきりと見えてくる。
縞のスーツに、襟元を大きく開けたゼブラ柄のシャツ。正直どうかと思う軽薄な格好。
そして、まだそういう歳でもないだろうに真っ白な…いや、銀色の―――
―――私と同じ色の髪が、夕日をはじいて秋の風になびいている。

私の気配に気がついたのか、その男――赤木しげるは、こちらに顔を向けると
あの小憎たらしい微笑を浮かべた。

「よお…遅かったじゃねえか」
704赤木&しげみ(隠し子):2006/06/03(土) 08:39:51 ID:???
「…何してんの、こんなとこで」
出来る限り冷淡に言い放ったが、目の前の男にとってはそんなもの柳に風だったらしい。
皮肉な笑みを崩しもせずに、相変わらずの気楽な調子で言う。
「迎えだよ、迎え」
「……頼んでないけど」
「こっちも頼まれた覚えはねえな」
「……………」

…不毛だ。
あまりに不毛なやりとりに絶句する私を余所に、赤木しげるは車の助手席側のドアを開け、
私の背中を軽く叩いて「乗んな」と一言言うと、自分も運転席に乗り込む。
間も無く聞こえてくるエンジンの重低音にうんざりした。私は乗るなんて一言も言ってない。
だがこんな所で乗る乗らないの問答をするのも外聞が悪いし、何よりまた不毛な会話になるのはごめんだ。
夕暮れの空を仰いで息をつき、私は無言で助手席に乗り込んだ。

窓の外を流れる景色は、段々と薄闇に覆われていく。
「…免許なんて持ってたんだ」
ふと思ったことを口に出すと、隣に座る男は優雅にハンドルをきりながら事も無げに言う。
「なあに、免許なんか無くたって運転は出来るさ…」
「……降りる。降ろして。ていうか降ろせっ…!」
「クク…冗談だよ…」

くつくつと笑う声にますます神経が逆撫でられる。危うく本気で飛び降りるところだった。
大体、冗談というのは笑えてこそ成り立つものなんじゃないのか。
…というか。家にはもうとっくに着いていい頃合なのに、何でこの車は止まる気配を見せないんだろう。
「ちょっと…道、覚えてないとか言わないよね…どこに行く気…?」
私の質問に、赤木しげるは意味ありげな微笑で答え、またアクセルを踏んだ。
705赤木&しげみ(隠し子):2006/06/03(土) 08:41:16 ID:???
やがて、辺りがすっかり暗くなったころ――車は、ネオンの煌く賑やかな繁華街の前で停まった。
運転席のドアを開け駐車場に降りながら、赤木しげるが私に振り向く。
と、何かに思い当たったように私の姿をまじまじと見回し、またにやりと笑った。
「ああ…流石にその格好じゃまずいか…ま、とりあえず降りな」
その言い方になんだか嫌な予感を覚えながら、私も不承不承車を降りる。
「どういうつもり…?第一ここ、中学生を連れてきていいような場所じゃないでしょ」
「ああ…だから、まずは服だ」
「は…?」

30分後。
私はスーツに身を包んでいた。いや、包まれていたというべきか。
スーツと言っても、普通のOLが着るような堅苦しいものではなく、体の線がぴっちりと浮き出る、
ベルベットの大人っぽいものだ。服のことには疎い私でも一目で良い物だと判るが、詳しい値段は判らない。
会計の時に意味の判らない枚数の札を財布からひょいと出しているのを見て、思わず眼を背けてしまったから。
……そして、サービスなのか何なのか化粧まで施されてしまった。顔に違和感があって気持ちが悪い。

「へーえ…化けるもんだな」
やっと他人の顔をやたらといじくりまわす女性店員から解放された私を見て、
赤木しげるは褒めているのか貶しているのか判らない感想を述べた。
「…………ひとを狸か何かみたいに…」
不機嫌を露わにして言ってやったが、実に愉快そうにからからと笑われる。
「まあそうむくれるな、美人が台無しだ…。クク…中学生なんて言っても誰も信じねえだろうな」
「そりゃどうも…」
半ば投げやりに言い捨てる。と、急に腕をとられ、あれよあれよと言う間に
縞のスーツに包まれた腕に、私の腕を絡ませられた。
驚いて見上げると、妖艶と言ってもいい微笑みで見下ろされ、私は腕を離すのも忘れた。

「―――じゃあ行くか、お姫様――――」

――――この夜、私は赤木しげるという男の本質を知ることになる。
706赤木&しげみ(隠し子):2006/06/03(土) 08:50:54 ID:???
どうみても夢見すぎです。本当に(ry
707マロン名無しさん:2006/06/03(土) 09:57:25 ID:???
GJ!
萌 え たwww
ざわ… ざわ… した!
続きが気になる!
708シゲルが涯子の家に来ました:2006/06/03(土) 19:52:34 ID:???
赤木&しげみ…なんかアダルティ萌w
続き気になる…っ!
709シゲルが涯子の家に来ました:2006/06/03(土) 19:53:17 ID:???
シゲル(へぇ…ここが涯子の家か…聞きしに勝るボロさだな…まるで幽霊屋敷…っ!)
 ざわ…ざわ…
  ざわ…ざわ…
 ぎし…ぎし…
シゲル(ぎし…ぎし…って何の音だよ……(シゲル妄想タイム)………ちょっと覗いてみるか…)
シゲルはフワッと涯子の家の庭先に侵入……
が、カーテンが掛かってないおかげで部屋の中が丸見え…っ!
シゲル(ん……なになに……あいつ窓向かって何やってるんだ?
     拳を構えて打つ…右左右右左右右…避けてフェイント…そしてジャブ…)
涯子は窓ガラスに向かってシャドウボクシングの真っ最中だった。
シゲル(ククク……ぎし…ぎし…ってこの音だったのか…ククッ、流石ヘンテコハテコ……
     期待を裏切らない奴…っ!)
シゲルが覗いているとはつゆ知らず、涯子はふと動きを止めた。
710シゲルが涯子の家に来ました:2006/06/03(土) 19:53:48 ID:???
シゲル(なんだ、動きが止まったぞ……。ん…涯子の奴…何笑ってるんだ…?)
涯 子「あれ…今、ガラスの中の自分よりも早く拳を出せたような気がする…っ!」
シゲル(プッ……ありえねえよ、そんなこと…っ! うっ…もう我慢できねえ……
     クククッ…なんでこんなにおかしいんだ、こいつ…っ! 駄目だッ もう…っ!)
シゲル「ククククッ、アハ、ふじこ111!(いけねえ、声が…っ!)」
突然庭先から聞こえてきた声に涯子は驚いた。その体に電流が走る…っ!
涯 子「な、なによ! ひょ、ひょっとして、ゆゆゆ幽霊!? こ、怖くないし…別に…っ!
    …………で、でも、今日はこれで終わりにしようかな…怖いとかそういうことじゃなくって…
    全然そんなことはないんだけど……そ、そうだっ、今日は、えっと、
    ガラスの中の自分より早くパンチ出来たし……だから、今日は終了…っ!」
シゲル(…こいついい年して幽霊信じてるのか…っ!? 普通、変質者とか疑うだろ……
     ククッ……メルヘンハテコ…っ!)
涯子の行動にある意味電流が走りっぱなしのシゲルは、
今日はこれまでと、涯子の家からフワッと離脱した。

家までの帰路を行く途中、シゲルは自分でもわけが分からぬまま、上機嫌だった。
シゲル(ククク…また来るか……
     それにしても…おっぱい……ちょっと揺れてたな…ククッ)

〜終わり〜
711マロン名無しさん:2006/06/03(土) 20:17:15 ID:???
ちょwwwハテコ…シャドウボクシングかよ!
ハゲワロッシュ!
シゲルもシゲルだwww
自分にも電流が走りっぱなし!!GJ!
続きに禿期待ww
712マロン名無しさん:2006/06/03(土) 20:52:42 ID:???
シゲルやっぱりおっぱい星人wwww
713マロン名無しさん:2006/06/04(日) 00:49:32 ID:???
つか、シゲル立派な変質者だよwwwww
714マロン名無しさん:2006/06/04(日) 06:30:32 ID:???
ちょwwwwwこれwww
何度も読み返すたびに旨味が増すスルメのようなSSだ
笑いがこみ上げる!
715マロン名無しさん:2006/06/04(日) 16:54:06 ID:???
最後がww
716マロン名無しさん:2006/06/04(日) 21:21:01 ID:???
メルヘン涯子テラモエス!!!!!GJGJGJ!!!!!
717マロン名無しさん:2006/06/04(日) 23:05:43 ID:???
ちょwっうぇww
GJ!GJGJ!DJ!
718【注・女体化】平山×しげみ1:2006/06/05(月) 15:01:55 ID:???
メルヘン涯子に感無量!
なんだかいきなり投下したくなった
捏造・妄想注意

 それは、薄曇りの涼しい風が心地いい、六月の午後四時過ぎのことであった。
 しげみは、有楽町駅から、元気よく外に飛び出した。
 ペイズリー柄のキャミソールの上に、モスグリーンのカットソーを重ね、
黒の七分丈パンツに、踵が高いサンダルという、初夏らしい軽快な服装で、
肩に大きめのカゴバックを担ぎ、人混みをものともせず、颯爽と歩き出した。
 中近東風味の、幾重にも巻いたネックレスが、チャラリとわずかな音をたて、
しげみの美しいボブカットの銀髪が風になびき、道行く人々の注目を集めた。
そんな視線にかまわず、しげみはどんどん小走りになった。
 「あ…!あいつ、あんなところに…」
 その人物に急接近し、無遠慮に軽く腕を叩いた。
「…なにしてんの、そこで」
 突っ立っていた男はビクッと痙攣し、周囲をキョロキョロ見回した。
しげみは少しムッとし、
「…あいかわらずイヤミなヤツ…!下見て、下っ…!」
と、男のすねを軽く蹴った。「いてっ…!」男は下を見、しげみに視線を移した。
 しげみはニヤリと笑うと、両手を腰に当て、男の頭のてっぺんから足の先までを
ジロリとチェックした。
 「…合格…!やればできるじゃない♪…意外とピンクが似合うのね…」
 男は、襟元にロゴが入った黒Tシャツの上に、ピンクのライダース型ベストを羽織り、
ミリタリー調カーキ色の七分丈パンツを、銀色のベルトで、ウエスト部位に
留まるよう緩くしめ、底が平たい皮サンダルをつっかけている。
719【注・女体化】平山×しげみ2:2006/06/05(月) 15:05:57 ID:???
 「…人違いでは」
男は冷静な声でつぶやき、しげみの顔を見た。
 「なに言ってんの?…赤木さんでしょ?」
 「僕は平山です」彼は目を伏せ、低い声で答えた。
 「はあ…?」
 しげみは、幾分背筋を曲げてこちらの顔を覗き込む、平山と名乗る男を見つめた。
そう言えば、顔立ちはよく似ているが、こちらの人物のほうが目つきが柔和だし、
銀髪だが、例のアカギよりもだいぶ長めで、そよ風で髪がなびく。
 なによりも雰囲気が違う。
 アカギを取り巻く殺伐とした空気が、この男には無い。
 「あああっ…!」
 しげみはいきなり、右手と左手を自らの頭の上で突きだし、
三角の形に、何度も交差させた。
 通りすがりのアベックが、しげみの仕草を見て吹き出した。
 平山はそれをチラリと見て、頬をピクリとさせた。
「………ああ………今日は髪を立てていませんからね…」
苦笑しながら、しげみのキテレツ・ジェスチャーに答える平山。
 「…サングラス…掛けてた気が…」
しげみは、平山の顔を見上げてつぶやいた。
 「…いつものサングラスは、この服には合いませんからね…
……けど……今、持ってますよ…ほら」
 平山は、胸元に掛けていたサングラスを抜き取り、しげみに手渡した。
 しげみは、おもむろにそのサングラスを顔に掛け、小さく叫んだ。
「おおっ…!…視界がアカムラサキっ…!!」
720【注・女体化】平山×しげみ3:2006/06/05(月) 15:10:22 ID:???
 道行く若者が、怪訝な顔で通り過ぎた。
 平山はそれに気づき、頬をピクリとさせた。
しかし、気を取り直したのか、二・三度咳払いし、
今度は微笑し、あらためてしげみの顔を見つめた。
「……僕のほうはすぐに分かりましたよ……赤木しげみさん」
 しげみはキョトンとし、目をぱちくりさせた。
やがて、大きくうなずいて小さく手を叩き、平山の顔を爽快に笑って見上げた。
「…そうだ!平山幸雄さんだ…!」
 平山は口元に微笑みを浮かべ、しげみの瞳を覗き込んだ。
 「…どうですか?……立ち話も何ですから、今からカフェでお茶でも…」
 「わぁいいっスね…!賛成…!
………ねぇ…平山さん。……あたし、資生堂パーラーに行ってみたいなぁ〜…」
 しげみはいきなりそう切り出し、キラキラ光る瞳を平山に向けた。
 「そ…そうですか…いいですよ…。………では、早速行きましょう」
 平山は、小躍りするしげみに気圧されながらも、彼女の肩にさりげなく手を添え、
銀座方面に向かい、歩き出した。

 ……これから、彼にとって不可思議なできごとが、
いろいろと待ち受けているとは知らずに……。

(続く)
721【注・女体化】平山×しげみ:2006/06/05(月) 15:20:47 ID:???
自分は「アカギ×しげみ」SSを投下している者です
続きを早く投下したいところですが…(;´д`)

このSSは本日中に仕上がる予定です
722【注・女体化】平山×しげみ4:2006/06/06(火) 09:38:28 ID:???
 有楽町・銀座周辺の土地勘のないしげみは、平山に付いて歩き始めた。
 「資生堂パーラーまで、少し歩きますけどいいですか?」
 平山が、しげみに歩調を合わせてきた。ふたりは並んで銀座に向かう。
 「いいっス…!前から行きたかったんで…ああ…楽しみだなぁ…」
しげみは、顔の前で両手を組んで目を輝かせている。
 平山は、そんなしげみの様子を見ているうちに、
自分の心の中になにやら、ざわ…ざわ…とするものを感じていた。
 ……忘れもしない、あの五月五日。
東京ディズニーランドで、運悪くアカギに遭遇してしまったあの日。
そのアカギの隣にいた、この赤木しげみという娘。
口のきき方が下品なのが玉にキズだが、こうして見るとなかなかの……!
 (まず…軽めに一発…)
 平山は、しげみの姿を見ながら、彼女に向かって優しい声でささやいた。
 「………あなたと…銀座の街を歩けるなんて、僕も楽しみですよ…フフ…」
 「ええ!銀座なんか来たことなくって、あたし楽しみだ〜っ」
しげみは平山に目もくれず即答っ…!爽快な笑顔でただ前を見て歩き続けていた。
 「……ぐっ…!」
 軽いジャブを食らった気分の平山の心中を知らず、
しげみはあいかわらず、好奇心丸出しでキョロキョロしながら歩き続けた。
(続く)
723マロン名無しさん:2006/06/06(火) 10:02:30 ID:???
平山がんばれwwworz
724マロン名無しさん:2006/06/06(火) 17:30:06 ID:???
平山またかわいそうな目に合う予感…(つд`)
725マロン名無しさん:2006/06/06(火) 17:53:51 ID:???
衣和緒ってヘルシングのインテグラお嬢様みたいな
感じなのかな?
726マロン名無しさん:2006/06/06(火) 17:55:51 ID:???
だとすると処女だな
727マロン名無しさん:2006/06/06(火) 18:17:22 ID:???
もちろんオフコースなり
728マロン名無しさん:2006/06/06(火) 18:24:04 ID:???
衣和緒「吉岡、「処女」とは何だ・・・?」
吉岡「そ、それはっ・・・!私の口からはとてもっ・・・!」
衣和緒「何・・・?教えてくれないっていうのっ・・・!?このっ・・・!」
そして杖で叩かれる吉岡本ってのが思い浮かんだ
729マロン名無しさん:2006/06/06(火) 18:32:24 ID:???
あるいはアカギに手取り足取り教えられてしまうわけか・・・。
意外に初心だな…鷲巣衣和緒…。
730マロン名無しさん:2006/06/06(火) 19:14:55 ID:???
吉岡本とアカギ、迷うな・・・
処女も捨てがたい・・・
731マロン名無しさん:2006/06/06(火) 20:13:18 ID:???
アダルティ萌えの俺が通りますよ
吉岡本が我慢できずに衣和緒にむしゃぶりつくのもあり?
と言ってみるテスト
732マロン名無しさん:2006/06/06(火) 20:30:39 ID:???
>>731
多いにアリ と返してみるテスト
733マロン名無しさん:2006/06/06(火) 20:32:56 ID:???
赤ちゃんはコウノトリが運んでくると信じている衣和緒様っ…!
734マロン名無しさん:2006/06/06(火) 20:35:35 ID:???
>>733
違うよ、キャベツから産まれてくるんだよっ!
と言う衣和緒様。
735マロン名無しさん:2006/06/06(火) 20:40:25 ID:???
赤ちゃんができちゃうよおって甘く鳴く衣和緒も
捨てがたいな・・・
吉岡本は優しく和姦でアカギは半ば強姦ってイメージだな

>>731にはぜひ一筆したためていただきたいです
736731:2006/06/06(火) 21:01:23 ID:???
妄想が固まるまで待ってくれおwww
近いうち披露できるとオモ
737マロン名無しさん:2006/06/06(火) 21:08:21 ID:???
>>736
保管庫裏で待ってる
738731:2006/06/06(火) 21:18:35 ID:???
>737
ヘボイSSになるかもしれんが…そのときはご勘弁
今妄想中…
739マロン名無しさん:2006/06/06(火) 22:11:41 ID:???
赤木家族作者さんじゃないけど
次男×ハテ子に萌えたのでSS書いてみようと思うんだが…いいかな…(もじ…もじ…)
740マロン名無しさん:2006/06/06(火) 22:15:17 ID:???
>739
萌えさせてくれっ!!
投下歓迎倍プッシュ!
741マロン名無しさん:2006/06/06(火) 22:24:30 ID:???
アカギ家族は皆の物だっ…!多分っ…!
742シゲル×ハテコ 1/4:2006/06/07(水) 00:48:47 ID:???
じゃ…じゃあ…投下するっ…!赤木家族作者さん勝手にすみません…(;´Д`)
長くなりそうなので分けて投下します。

******************************************

夏の足音は聴こえ始めたものの、まだ雨が降れば肌寒さの残る六月のはじめ。

(…ちっ…学校出たときは小雨だったからって油断したっ…)
段々と強さの増してくる雨に、工藤涯子は眉間にしわを寄せ舌打ちをした。
頭上に掲げた学生鞄はもはや傘の役目を成していない。
女の娘にしては随分と短い黒髪からは雨の雫がぽたぽたと落ち、
衣替えしたばかりの白いブラウスは、濡れてぴったりと肌に張り付き体温を奪う。

廃屋同然ながらも唯一の安息の地である住処まではまだ遠く、
どこぞで雨宿りをしようにも、こんなびしょ濡れの状態では
雨が止むまでに風邪をひきかねない。
当然のことながら、傘を買うという選択肢も無い。

(――走るしかない、か)

そう思いぬかるんだ地面を蹴った涯子の背中に、静かだが良く通る少年の声が聞こえた。

「よう、ハテコ」

………彼女がもっとも忌み嫌う発音をもって。
743シゲル×ハテコ 2/4:2006/06/07(水) 00:50:20 ID:???
「………」

自分をこう呼ぶ人間にはひとりしか心当たりが無い。
振り返り文句のひとつも言ってやりたいのは山々だが、今はそんな気力も無いし
まともに相手をしていたらそれこそ確実に風邪をひく。…というわけでこれは空耳だ。
空耳に返事をしてやる義理は無いので、涯子は引き続き水溜りを蹴立てて走り出した。
「あれ…?」
そんなとぼけた声と同時に、同じくぱしゃぱしゃと走る音が追いかけてくる。

ぱしゃぱしゃ。
「聴こえなかったか、ハテコ」
「…」
ぱしゃぱしゃぱしゃ。
「ハテコってば。ハテコ?」
「……」
ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ。
「ハテコハテコハテコ。ハーテーコー」
「………う…」
…ぱしゃり。

「―――うるさいっ!ハテコって呼ぶなって何度言えばわかるんだ赤木シゲルっ!!」

急ブレーキをかけると勢いよく振り返り、思いっきり睨みつけ思いっきり怒鳴る。
だが相手――赤木シゲルと呼ばれた白髪の少年はけろりとして、
「なんだ、やっぱり聴こえてるじゃん」
と、笑った。
744シゲル×ハテコ 3/4:2006/06/07(水) 00:51:44 ID:???
「…何の用…?悪いけどあんたの相手なんてしてる余裕は――」

涯子がそう言いかけたところで、シゲルの顔がひょいっと近づいてきた。
と同時に、今まで降りかかっていた雨粒も止まる。
要するに、シゲルの持っていた傘に相合傘という状態になったわけである。

「なっ…」
面食らって身を引く涯子の手首を、シゲルが掴んで引き止める。
「クク…水も滴るなんとやらってのには、お前じゃちょっと早いんじゃないの…?
うちに寄ってきなよ…お前んちより近いし、タオルと傘くらい貸すぜ…」
思いのほか強い力に少し怯むが、涯子も負けるものかと言い返す。
「ふ…ふざけろっ!施しなんて受けないっ…!余計なお世話だ…!!
…ていうかなんで私の家の場所知って――」
「いいから」

涯子の剣幕などものともせず、手首を掴んだまま引っ張っていこうとするシゲル。
「よくないっ…!離せ…!!あんたと相合傘なんてごめんだっ…!」
足を踏ん張り動こうとしない涯子に、シゲルは呆れたように溜息をつき…
涯子の手をとると自分の傘を握らせ、自分は雨の中へと一歩下がった。

「……え!?」

激しい雨に、少年の白い髪はあっという間に濡れそぼっていく。
「ば――馬鹿か…!何やってる…!」
涯子は慌ててシゲルに近づき、今は自分の手の中にある傘に入れてやる。
「何って、こうするしかないだろ」
本当に不思議そうな顔をしているシゲルに、涯子は開いた口が塞がらない。

「相合傘も嫌、傘を貸すのも嫌…クク…意外に我侭だな…工藤ハテコ」
「ハテコって呼ぶなっ!くそ…判ったよ…!家でもどこでも連れて行けっ…!」

観念したように怒鳴る少女の声に、少年は満足そうに微笑んだ。
745【注・女体化】平山×しげみ5:2006/06/07(水) 00:54:07 ID:???
>>718-722
の続き投下します

 プランタン銀座本店を通り抜けると、有楽町駅周辺とは違った街並が広がっている。
 「ああ…これが銀座っ…!」
しげみがつぶやく。彼女の胸の高鳴りが聞こえてきそうだ。
 (ずいぶんと感激屋だな…)と、平山は口元を緩める。
 初めてしげみに会ったとき、双子の兄妹かと驚いたほど、他人同士なのにも関わらず
あの男によく似ている。
 しかしあの男よりも、彼女のほうが感情豊かで理解しやすい。
……そう、あのアカギよりも。
 しげみは自然と早足になり、平山は慌てて後ろから追いかけた。
 有名ブランドの店が軒を連ねており、しげみはショーウィンドウの中の
美しい装飾の前で足を止めた。そして、ため息まじりにこうつぶやいた。
「……赤木さんとは、こういう洒落た場所に一度も行ったことないよなぁ…」
 (なにっ!アカギだとっ…!)
 何気ない一言だったが、平山は過剰に反応し、キッとしげみのほうに顔を向けた。
「あ……赤木さんは…、まだあの男と付き合っているんですかっ?」
自然に口調がきつくなる。
 しげみは平山の顔を見た。次の瞬間…。
目を見開いて顔を赤くし、両手を自らの胸の前で激しく振り始めた。
 「…そ、そんなんじゃない…!付き合ってなんか全然ないっ…!
…だけども…、……家の場所を覚えられちゃって…、時々、暇だからって…
……ぶらりとやってくる………あたしの家まで」
 平山は、なぜか無性におかしくなった。
あのアカギがなぜ、わざわざ彼女の家まで…、
……しかもなぜ、アポなしで訪ねて行くのか?
 「ぷっ…!ククク…変わった男ですね…まったく」
 しげみは赤くなってうつむき、目を伏せた。「……本当に…何を考えているんだか…」
 平山は、そんなしげみの様子をつぶさに観察する。
746シゲル×ハテコ 4/4:2006/06/07(水) 00:56:21 ID:???
「ただいま」
「……お邪魔します」
涯子はシゲルに先導され、「赤木」と表札の架かった家の玄関をくぐった。

玄関の声に気がついたのか廊下の奥からぱたぱたと軽やかな足音が聞こえ、
シゲルと同じ髪の色をした、涯子より4、5は年上に見える少女が出てくる。
「おかえり…シゲル」
女性にしては少し低めだが、綺麗に済んだよく通る声。
その切れ長の涼しげな眼は、隣に立つ少年にあまりに似ていて…涯子は一目で
この少女が少年の近親者であろうことが判った。

その凛とした風貌に同性ながらも思わず見とれる涯子を、少女は視線で誰何する。
慌てて挨拶と自己紹介をしようと口を開く涯子をシゲルは指差し――

「しげみ姉ちゃん、これハテコ」
…と、紹介にもならない紹介をした。

口を開けたまま涯子は硬直する。
ずっこければいいのか怒ればいいのか。大体「これ」とは何だ「これ」とは。
いやそれよりも「ハテコ」はやめろと何度も何度も――
…などとぐるぐる考えていると、しげみと呼ばれた少女はひとつ溜息をつき、
上がり框から玄関に下りてきて涯子の腕を取った。

「…ま、とりあえず上がって。お風呂入って体温めたほうがいいよ」
「え……いえ、そこまでは」
「いいから」
自分の腕をとったままずんずんと引っ張っていくしげみ。
「私はシゲルの姉で、しげみ。よろしく、ハテコさん」
「………工藤です」
ささやかながらも精一杯の抵抗としてそう言い、涯子は項垂れながらも再び確信する。

(――このふたり、やっぱり姉弟だ…)
747【注・女体化】平山×しげみ6:2006/06/07(水) 01:07:26 ID:???
>>745の続きです

 「なぜ…そんなふうになってしまったんでしょうね…
……きっかけは何だったんでしょう?」
 平山の疑問に、しげみは少し間を置いてから答えた。
 「……きっかけは……ふたり麻雀で闘牌してからで…」
 そして、彼女はテヘッと笑い、舌を出した。
 「……あのときは、むしれるだけむしられちゃって………、
…………パンツまで剥ぎ取られちゃって………あはははははっ…!」
 しげみは爽快に笑って言ってのけた。
 平山に高圧電流走るっ…!しかも、死にそうなくらいのキツいヤツがっ…!
 平山は、わなわなと身体を震わせた。……視界がぐにゃりと歪む。
 (……なんだと!……ぱ、ぱ、ぱ、パンティを剥ぎ取られただとおぉっ…!
…ありえない!まさか…!…い、いや…アカギなら…あいつならやりかねない…
…まさか!…彼女はその上…ヤツに貞操までっ!………ま・さ・かっっ…!!)
 平山の脳内で繰り広げられる妄想…!妄想…!妄想…!
 「平山さんどうしたの?」
 気が付くと、しげみは平山の顔を覗き込んでいた。
 平山は荒い息をついた。「なななななな…」
 平山はしばらく言葉に詰まっていたが、唾を飲み込むと、
しげみの両肩をつかみ、強く揺すった。
 「な…なんて凶悪なっ!………だめです赤木さんっ…!
………あんな……あんな……極悪非道男とは、すぐにでも縁を切るべきです…!」
 「はあ」
 しげみは、両肩を揺すられ、気の抜けた返事をしながら、
ある店に目をとめた。
 平山はしげみの肩から手を離し、拳を作り、ぎゅっと握りしめた。
 「……フフ……しげみさんに限ってそんなことはないと思いますが…
…………このままでは本当にあなたの貞操が…。あれ?しげみさん?…」
 しげみは、吸い込まれるように、クリスチャン・ディオールの店内に入っていった。
 「……え………あの……えっと……しげみさん?」
(続く)
748【注・女体化】平山×しげみ:2006/06/07(水) 01:08:36 ID:???
シゲル×ハテコの職人さん…大変申し訳ありませんでしたorz
749シゲル×ハテコ:2006/06/07(水) 01:13:30 ID:???
>>748
どんまいです(・∀・)ノシ
750【注・女体化】平山×しげみ:2006/06/07(水) 01:14:56 ID:???
シゲルがハテコに傘を貸そうとする場面に禿萌えっ!!
続きを楽しみにしておりますww
751マロン名無しさん:2006/06/07(水) 01:23:28 ID:???
GJ!
しげみ×ハテコにも萌えてしまいそうだw
752マロン名無しさん:2006/06/07(水) 02:18:37 ID:???
シゲル×ハテコ、GJ!
中学生、初々しくてイイヨイイヨー。
753シゲル×ハテコ 1/5:2006/06/07(水) 04:36:07 ID:???
「俺も一緒に入ろうかな」とてくてくついて来たシゲルの顔面にタオルを投げつけ、
涯子は赤木家の風呂場へと入る。広い湯船には沸かしたばかりなのか
なみなみと丁度いい温度のお湯が張っていて、涯子は胸が躍るのを感じた。

(久しぶりだな…湯船に浸かるの…)
お金に余裕のある時には大奮発して銭湯に行ったりもするが、月の大半は
汲み置きした水を拾ってきた盥に張り頭と体を洗うだけ。入浴というより行水だ。
一応石鹸は使っているので不潔とまではいかないと思うが、やはり年頃の娘としては
こんな清潔なお風呂でたっぷりとお湯を使えるのは素直に嬉しい。本当に嬉しい。
はやる心を抑えながら体を洗い湯船に浸かると、体が芯からじんわりと温まっていく。

「んー…………はぁ…気持ちいい…」
不思議なもので、体があたたまっていくのと同時に心もほんわりとあたたかくなる。
(…あいつには…悪いことしたかな…)
自分に傘を押し付け、雨の中へと出て行く少年の姿を思い出す。
(頑なに、『余計なお世話』なんて言って…あいつなりに、心配してくれたんだろうに、な…)

湯を掬い、ぱしゃっと顔を洗うと、掌を顔に当てたまま頬を引っ張り笑顔をつくる。
(謝って、それから…笑ってお礼を言おう…―――よし)
ざばりと湯船から出て、脱衣所へと向かう戸を開けた涯子は―――再び硬直した。

濡れ髪に上半身裸のシゲルが、脱衣所の洗濯機に濡れたTシャツを
入れようとしている格好のまま、こちらをきょとんと見ていたから。

―――涯子の格好のほうは…今の今まで入浴していたのだから、推して知るべしである。

「………ああ、悪い。知らなかったもんで」
上半身裸に、何故か下は学生服のズボンではなくジーンズのシゲルは
さして慌てる様子も無く、とことこと脱衣所を出て行った。
754シゲル×ハテコ 2/5:2006/06/07(水) 04:39:01 ID:???
「しげみ姉ちゃん、お茶薄いよ」
「…文句があるなら自分で淹れるように」
居間では、頭にタオルをかけジャージに着替えたシゲルと
制服のままエプロンをつけたしげみがテレビを見ながらのんびりと茶を飲んでいる。

「父さんは?」
「原田さんがこっちに来てるから、天さん連れてひろゆきさんトコの雀荘」
「ふーん…井川さんがいるなら姉ちゃんも行けばよかったのに」
「うるさい」
「はいはい…あ、姉ちゃんそこの煎餅取って」
「自分で取れば?…ああ、そういえばさっき、あに――」

ばたばたばたばたばたっ!
姉弟の他愛無い会話を怒気を含んだ足音が引き裂く。
「赤木シゲルっ…き、き、き、貴様っ…!!」
顔を真っ赤にして現れたのは、Tシャツとスパッツを身に着けた工藤涯子である。
吊り上がった眼にはうっすらと涙をため、その肩は小刻みにぶるぶると震えている。

「…あったまりすぎじゃないの、顔赤いよハテコ」
のほほんと煎餅をかじりながら言うシゲルに涯子はのしかかり、襟首を締め上げる。
「どのツラ下げてっ…!ああくそ、ほんの少しでも見直した私が馬鹿だった…!
雨に濡れた姿を思い出して感謝すら感じるお人好しぶりっ…くそっ…くそっ…!」
「…何言ってんだかわかんないよハテコ。あと苦しい」
「ハテコって呼ぶなっ!!くっ…なんたる不覚っ…!なんという無為っ…!」

「ああ…私の昔の服だけどサイズ合ってるみたいだね、よかった」
目の前で実弟が首を絞められているというのに、しげみは悠然と涯子の分のお茶を淹れている。
「しげみさんっ…!あなたも姉ならしっかりこいつを監督――…」
いよいよ涙がこぼれそうな眼でしげみの方を振り向いた涯子は、
しげみの後ろに立つ人影を見て―――みたび、硬直した。
755シゲル×ハテコ 3/5:2006/06/07(水) 04:41:13 ID:???
「………え?」
今までシゲルの首を締め上げていた手を思わずぱっと離すと、
ごいん、と鈍い音を立ててシゲルの頭が畳の上に落ちた。

「…あらら、いい音したな」
しげみの後ろの人影は面白そうにくつくつ笑っている。
…裸の上半身にジーンズ。首にはタオルをかけている。
その声は、今自分の下で無表情のまま大の字で寝転がっている少年よりも若干低い。
「…ええと」
改めて、その人物と少年とを交互に見比べる。
見れば見るほどそっくりだ。
しかしよく見れば、未だあどけなさの残る少年の顔よりも向こうはずっと精悍な顔つきで、
少年というよりは青年の部類だ。背丈も頭ひとつ分ほど高い。

何度も少年と青年を見比べる涯子に、青年は優しく笑いかける。
「さっきは悪かったな…」
さっき。………と、いうことは―――
涯子は自分の下の少年にもう一度眼をやる。と、少年もまた、皮肉な笑みを浮かべた。
「…そろそろどいてくんないかな…太もも気持ちいいけどさ…」
「………!!」
そこまできて、ようやく自分の間違いに気づいた涯子は赤面し、シゲルの上から飛び退いた。
「な、な、なんでそんなに似てるんだっ…!」
人違いで首まで絞めてしまったのを謝ろうと思ったはずなのだが、口から出てきたのはそんな言葉だった。
「「なんでって…兄弟だからだろ」」
少年と青年の声が綺麗にハモった。唖然とする涯子を、またしげるは指差し―――
「しげる兄ちゃん、これハテコ」 と、またも簡潔極まりない紹介をした。

「わかった…俺はシゲルの兄で、しげる。よろしくな、ハテコ」
「工藤ですっ…!」
(なんなんだ…名前まで同じなんて、親の顔が見たいっ…!)
またも無駄とも言える抵抗を見せながら涯子がそんなことを心の中で叫んでいると、
玄関の戸がからからと開く音がした。
756シゲル×ハテコ 4/5:2006/06/07(水) 04:43:24 ID:???
「ただいまー…いやーむしったむしった、むしれるだけむしった。特にひろから」
声質自体は変わらないが、ほんの少し嗄れた声が玄関から聞こえ、涯子は身を強張らせる。

「おーい…玄関に知らねえ靴があるが、誰か来てんのか…?」
そういいながらひょっこりと現れたのは、兄弟と同じく見事な白髪の中年男性。
切れ長の眼に、鼻すじの綺麗に通った高い鼻。歳相応に皺は刻まれているものの、これは紛れも無く――
「ああ…お帰り、茂とうさん」
シゲルの声に、涯子はがっくりと畳の上にくずおれた。
(ク…クローンかっ…ここの家族はっ…!!)

「あん…?何だ何だ、そこで生まれたての子馬みてえにプルプルしてる嬢ちゃんは…?」
「ああ、これ…」
「工藤ですっ!こんにちはっ!お邪魔してますっ!!」
シゲルが例の紹介をする前に、半ばヤケクソ気味に早口で自己紹介と挨拶を済ませる涯子。
ぜえはあと息をつきながら父親と呼ばれた男性を見ると、何やらショックを受けたように立ち尽くしている。

「………シゲル…お前もか…」

「…はい…?」
絶望しきったような声に思わず涯子が聞き返すと、父親はよろよろと仏壇のほうに向かい、
お鈴をひとつ、ちーんと鳴らして手を合わせる。

「母さんよ…ついに…ついにシゲルにまで…かっ、彼女がっ…!!」
「へっ…!?」
仏壇に向かって呟かれた爆弾発言に、涯子の頭が真っ白になった。
757シゲル×ハテコ 5/5:2006/06/07(水) 04:46:53 ID:???
「あらら…また始まった」
一緒に引き合いに出されたシゲルは暢気そのものである。
「ばっ…思いっきり誤解だろっ…!弁解しろ弁解っ…!かわいそうに、泣いてるじゃないかっ…!」
哀愁の漂う背中を指差しシゲルに詰め寄る涯子。だがシゲルは涼しい顔で受け流す。

「いいんじゃないの…面白いから」
「こっちは面白くもなんともないんだっ…!!」
「まあまあ、未来ってやつはどうなるかわかんないんだし」
「そんな未来願い下げだっ…!いいから解けっ…誤解っ…!」
「半分くらいは誤解じゃないかもしれないし」
「なっ……じ、十全に誤解だ馬鹿野郎っ!!」
「もうちょっと言葉遣い直したら…?ハテコも一応女の娘なんだからさ…」
「ハテコって言うなーっ!!」

楽しそうに笑うシゲルに、顔を真っ赤にさせる涯子。
ちいさな声で「親父の一番長い日」(byさだ○さし)を仏壇に向かって歌っている父茂。
さりげなくその場を去ろうとするしげると、それを捕まえ夕食の支度を手伝わせようとするしげみ。

――何故か夕食の材料が一食分多く用意されていることを、この時の涯子は知る由も無い。

***********************************************

シゲル×ハテコ編おしまい。なんかいろいろすみませんでしたっ…('A`)
758マロン名無しさん:2006/06/07(水) 04:52:26 ID:???
>>757
リアルタイム乙…!圧倒的萌え…!
シゲルと涯子可愛いなwクローンに禿ワロタ
759シゲル×ハテコ :2006/06/07(水) 04:53:41 ID:???
そして一部シゲルとしげるの表記間違えました…重ねてすんませんorz

× 唖然とする涯子を、またしげるは指差し
○ 唖然とする涯子を、またシゲルは指差し
760マロン名無しさん:2006/06/07(水) 06:45:46 ID:???
シゲル×ハテコ…萌 え た!wwGJ!!
上半身裸のしげるにもついでに萌えたお!
761マロン名無しさん:2006/06/07(水) 06:46:11 ID:???
762マロン名無しさん:2006/06/07(水) 06:52:15 ID:???
>761
かわいすぎるおww
763マロン名無しさん:2006/06/07(水) 09:07:01 ID:???
シゲル×涯子萌えたっ…!GJGJ!
赤木家に遊ばれるハテコ萌え。
764マロン名無しさん:2006/06/07(水) 19:38:07 ID:???
>>757
萌えアンド面白かったっ・・・!GJ!!

>>761
なんだこりゃあっ・・・!元ネタなんだ?
765【注・女体化】平山×しげみ7:2006/06/07(水) 23:23:00 ID:???
>>747の続きを投下します

平山は、足下の皮サンダルを見て、鼻で息をついた。
今日の…このラフ極まりない格好で、あの店に入るには少々気が引ける。
もう少し、きちんとした服装で来るべきであったと、思わず後悔した。
…ただ、今日は『代打ち平山幸雄』から離れ、有楽町マリオンで映画を見、
気楽に有楽町界隈をぶらりと過ごすつもりであったので、
偶然、赤木しげみと出会い、しかもこんなふうに、
彼女に振り回されるはめになろうとは、想像もしていなかった。
平山は覚悟を決め、入り口に立つ端正な顔立ちの、黒服の青年を一瞥し、
ディオールの店内に入っていった。……そこで平山が見たものは。
ガラスケースの前で、入店した平山に気づき、ニヤリと笑うしげみと、
その両手指十本すべてにはめられた、高価な指輪。
「…………!」
その姿を見て呆然とする平山の背中に、冷たい汗が大量に吹き出し、流れ落ちた。
そのとき、近くに歩み寄る足音とともに、「あら…もしかして平山さん?」という声が。
平山は、ぎこちない微笑みを浮かべた。(…店長だ…)
女性店長は、平山と、指輪を試着し、ご満悦のしげみを交互に見た。
「いらっしゃいませ…しばらくお顔をお見かけしなかったので淋しかったわ…
……かわいらしいお嬢さんね。うふふ…素敵なジュエリーがいろいろございますから、
ゆっくり見てらしてね」
(ダメだ…もう逃げられない)
平山は片頬を引きつらせ、その場で立ちんぼとなった。
平山は、こうなってしまった以上は、
『何かを買わないといけない』と考えてしまう性分。
「しげみさん…プレゼントしますよ………今日あなたに出会えたことの記念に…
…………ただ、それ全部はちょっと……」
しげみは口を開けたまま、平山の顔を見ていたが、
次第に頬が紅潮し、瞳を輝かせた。
766【注・女体化】平山×しげみ8:2006/06/07(水) 23:26:17 ID:???
 しげみは憮然としたまま、クリスチャン・ディオールの店外に飛び出し、歩みを速めた。
 そのすぐ後から平山は慌てて追いかけ、しげみの腕をつかんだ。
 「…どうしたんです!…あのときは、ああするしかなかった…!
……分かってください、しげみさん」
 しげみは立ち止まり、うつむき、下唇を噛んだ。
 平山は目を伏せ、店内でのできごとを思い出していた。
 しげみが、ガラスケース越しに、指輪、ネックレスを眺め、
どれを選ぼうか迷っているときに、他の客……髪をロングカールにし、
厚化粧をした、派手な柄のワンピースを着た女が、しげみに絡みだしたのだ。
 彼女は、しげみが手に取った指輪やネックレスを、ことごとく
「似合っていない」と、何度も側であざ笑っていた。
 その行為に、しげみは腹を立てたらしい。
 しげみが選んだのは、小さなハートが三つ付いた18金ペンダントで、
平山が会計を済ませてしげみを探したとき、目に飛び込んできたものがあった。
 それは、側で自分をあざけり続けた女の片足の甲を、
サンダルで踏みつけている、しげみの姿であった。
 しげみは…暗く光る瞳で、自分よりも背の高い女を睨み付けながら、
口元に微笑を浮かべ、静かな冷たい声でこう言っていた。
 「………あなた……男にモノを買ってもらえる女がそんなにうらやましいの…?
……その感情はなんていうか知ってる?……
……嫉妬っていうのよ…………鬱陶しいわね……」
 そして、しげみはゆっくりと体重を掛け、女の足の甲をグリグリと、
まるで擦り潰したいかのように、力を込めていく…。
 女が恐怖と痛さで悲鳴をあげていた。平山は慌てて側に駆け寄る。しげみは…
しげみはあのとき、のどの奥で笑っていた…。
 平山は背筋が寒くなった。
 (……アカギも…ヤツもよく笑っているんだ……そう…こんな風に…)
767【注・女体化】平山×しげみ9:2006/06/07(水) 23:29:28 ID:???
 しげみはうつむいたまま早足で歩きだした。
 「なんだい!…あの女に謝っちゃって…
………あたしのほうが向こうに謝って欲しかったよ…」
 (よかった…もとのしげみさんだ…)
 ふくれっ面で歩き続けるしげみを見て、平山は少しほっとした。
 『………鬱陶しいわね……ふふっ…………ククククク…!』
さきほどの、冷たく、怖ろしいしげみ…
……あれはきっと、何かの間違い。自分の気のせいだと、平山は思うことにした。
 平山は、彼女に歩調を合わせ、冷静に諭した。
 「……無駄な、無利益なケンカですよあれは…
……たしかにあの女のしたことは道理に反しています…。
…しかしだからといって、やたらと反撃していい訳はありません…」
 しげみは何も答えず、もくもくと歩き続けた。
 「…あの程度の嫌がらせでケンカして、…ケガしたり…犯罪者になってしまうのは…
………あまりにも理にかなっていない……愚かな行為です」
 しげみの歩調が次第にゆっくりになっていった。
 「…火の粉は払わなくっちゃ…」しげみはゆっくりとつぶやいた。
「…降りかかってきた火の粉は、自分で払わなくっちゃ…
……誰も…誰も助けてくれないもの……」目を伏せたしげみの、憂いのこもった瞳。
 平山は、感情表情共に豊かで、快活なしげみのそれとは、また違う一面を垣間見た。
 何やら、また心がざわ…ざわ…してきた平山。
 「僕は…合気道初段です」
 しげみは顔を上げ、平山の目を見た。平山は、しげみの肩を包み込むように抱いた。
 「…もしものときは……だいじょうぶ、僕が守ってあげます…
……だから…だから、安心してください…しげみさん」
 甘い雰囲気作りに成功し、(きた!理想的展開っ…!)と、ほくそ笑む平山に反し、
しげみはビクッと肩を震わせ、頬を赤く染めると、わぁ〜と叫び、突然駆けだした。
 「しっしげみさん…ちょっと!…つんのめりそうです…!あ!いててっ…!」
768【注・女体化】平山×しげみ10:2006/06/07(水) 23:34:02 ID:???
 午後七時。夕闇がようやく周囲を包む頃、資生堂パーラーから出てきた、平山としげみ。
 しげみはとても満足そうに腹を叩きながら歩き、平山は不自然な笑顔を貼り付け、
しげみと共に、有楽町駅に向かってとぼとぼと歩いていた。
 あのとき……入店するなり、しげみはいきなり、
伊勢海老とアワビのスペシャルカレーライス(サラダ、コーヒー付)¥10,500を、
躊躇なく注文。平山をぐにゃりとさせた。
 やけくそで、平山も同じモノを注文し、ふたりは会話らしい会話もせずに、
もくもくとひたすら口を動かし、食べ続けたのだった。
 会計するときに、しげみは自分の食べた分は払うと言っていたが、
平山はそれを拒否。……結局おごってしまった。
 平山は下を向き、悶々と思考を重ねた。
 (……たしかにあれは美味しかった……高級レストランだけある
………しかし…今日はいろいろと出費がかさんだな……)
 …まだ、膝も痛む。しげみの肩を後ろから抱いたとき、しげみが照れてビックリし、
走り出した際に、つんのめり、アスファルトで擦ってしまったときの傷である。
 「平山さん…今日は…いろいろとごめんね」
しげみは、すまなそうにつぶやいた。
 「…いいんですよそんなこと…僕も楽しかったし…。ははははは…」
 顔で笑って、心で泣いて。その言葉を、今まさに地でいく平山。
 行きは長い道のりのように感じたが、帰り道は案外すんなりと進み、もうすぐ有楽町駅だ。
 平山は、一日の疲れがどっと押し寄せ、無言で歩き続けた。
 「ね…平山さん…ちょっと…」しげみのささやく声が下から聞こえた。
 彼女の声が小さかったので、平山は話しをよく聞こうと屈んだ。
そのとたん、しげみの両腕が平山の首に巻き付き、
彼の頬に柔らかく、くすぐったい感触があった。
 「今日はどうもありがと…!」しげみは平山の首から両腕を離すと、
有楽町駅に向かって走り出し、また振り返り、手を振ってきた。
 平山は呆然と手を振り返した。(今の…キス…だよな)
が…ダメっ!平山ははっと気づき、顔を青くした。(彼女の電話番号聞くの忘れた…!!)
(終わり)
769【注・女体化】平山×しげみ:2006/06/07(水) 23:37:51 ID:???
今回、自分自身も
『が…ダメっ…!』でしたorz

…さっ、次の話しを考えなくっちゃ
770マロン名無しさん:2006/06/08(木) 00:16:10 ID:???
やっぱりかわいそうだったwwww
でも少しは報われて良かったねゆきおタソ(つ∀`)
771マロン名無しさん:2006/06/08(木) 00:20:31 ID:???
そして結局赤木家で夕食をご馳走になることになったハテコっ…!

ハテコ「あの…ほんとにこんなことまでしてもらっては…」

長女「とは言ってももうハテコさんの分作っちゃったしね…余るのも勿体無いし食べてってよ…」
長男「そうそう…ハダカ見ちまった侘びとでも思ってくれればいい…」

途端に顔を真っ赤にするハテコっ…

父 「何っ…!?しげるてめえ…嫁入り前の娘さんになんてことをっ…!!」
長男「事故だよ事故…クク…まあまだ発展途上ってとこだな…将来に期待しろよシゲル…ククク…!」
次男「………」

長女「馬鹿な話してないでっ…!さあ召し上がれっ…赤木しげみ特製シュウマイっ…!」

どーんと運ばれてくる美味しそうなシュウマイに思わず眼をキラキラさせるハテコっ…!

ハテコ(わぁ…何年ぶりだろう…誰かの手料理なんて…)

一同「いただきますっ…!!」

長女「フフ…折角お客様が来てることだしいつもと同じじゃ面白くないから…余興を考えたのよ…」

その言葉に一同の箸が止まる…!(ざわ…ざわ…)

長女「これはただのシュウマイじゃないっ…この中に一つ、鬼…激辛のものが混じっている…
    言うなら…フフ…『ロシアンしゅうまい』っ…!!」


>>753-757 勝手に続けてみたw 誰か続き書いてw
772マロン名無しさん:2006/06/08(木) 09:05:05 ID:???
ざわ…ざわ…
773マロン名無しさん:2006/06/08(木) 09:51:07 ID:???
さすが赤木一家www
774マロン名無しさん:2006/06/08(木) 11:01:39 ID:???
何故か
シゲル→ハテコ→しげる
という片思い三角関係が浮かんでしまったw

しげるに淡い憧れを抱くハテコ。自分でも何故かわからないがなんとなくおもしろくないシゲル。
「俺だって4、5年経てばしげる兄ちゃんよりいい男になるかもよ…」
とかハテコに言ってみたり。
妄想御免っ…忘れてくれっ…!
775マロン名無しさん:2006/06/08(木) 11:26:15 ID:???
「にいちゃんはいつだって…俺の欲しいものを奪ってく…」
みたいな安っぽい愛憎劇が浮かんでしまったじゃないかww
前にも出てけど喧嘩したらすごそうだよな
776マロン名無しさん:2006/06/08(木) 11:52:13 ID:???
シゲルは拳銃ぶっ放して
しげるは舞空術で暴れまわるわけだな
777マロン名無しさん:2006/06/08(木) 12:21:12 ID:???
最後に仲裁するのは茂とうさんであってほしい
778マロン名無しさん:2006/06/08(木) 12:23:55 ID:???
パァン…パァン…
フワ…フワ…
779マロン名無しさん:2006/06/08(木) 13:31:35 ID:???
>>777
そしてしげみにおやつを抜かれるシゲルとしげる。
780マロン名無しさん:2006/06/08(木) 15:49:19 ID:???
>>774-779
激しく萌えワロタ
三角関係イイ!!
パン…パン…
フワ…フワ…
781「天」学園パラレル(1/6):2006/06/08(木) 18:53:42 ID:???
一部女体化。平成赤木家・家族構成借用(別人)。※エセ関西弁注意
============================================================

「会長、総会で必要な資料はこれで全部だと思うんですけど…」

そう言ってひろは原田にファイルを手渡した。
原田がむかっている会議用テーブルの上いっぱいに、同じようなファイルや書類が積まれており、
いつもは整頓の行き届いた生徒会室に雑然とした雰囲気を与えている。
原田は、渡されたファイルを一瞥するなり、眼鏡ごしにひろをねめつけた。
薄く色の入ったレンズの下からの視線は厳しい。

「これで全部? アホ! 同好会関係の過去データがまだ出されとらんわ」
「う…」
「要求予算と実際の支出、備品の届出チェック…他にも…」
「うっ…! …すぐ、探してきます…」
「ああ、そうしてくれや。ちゃっちゃと頼むで」

山をなす書類と格闘を再開する生徒会長の原田と、書類棚の資料探索を再開する生徒会執行部員のひろ。
生徒総会が近いため、ここ一週間ばかり放課後の生徒会室には、
執行部のメンバーが全員揃って詰めていたのだが、今日ここにいるのはこの2人だけだ。

「他の先輩方は今日はどちらに?」
「会議室や。今朝の一斉所持品検査の報告まとめるのに、あっち使わせてもろとるわ」

ここはこの有様やし、と積み上がる資料の山を顎で示しつつ、じろりとひろを一瞥する。

「…昨日、言うといたろうが」
「ううっ…」
782「天」学園パラレル(2/6):2006/06/08(木) 18:54:41 ID:???
言葉につまるひろ。…が、質問でごまかそうと試みる。

「…で、でも、なんで忙しいこの時期に抜き打ち検査を? それもあんな大掛かりな」
「持込違反品の傾向を大規模調査して、総会で提示する。それを3年おきに代々実施…。
 言うてみれば、これは定点観測や。そんで今年がその実施年だったっちゅうわけや。
 ……この話も、こないだの会議で説明したはずやけど?」
「う……」

やぶへびっ…!
冷ややかな原田の視線をうけ、ひろは青ざめ冷や汗をかき押し黙る。

「…ひろ。生徒会でひとりしかおらん一年坊が、こないな調子で…」

会長によるありがたい説教が始まりかけたその時、うぃーす、という気の抜けた声とともに
ドアが大きく引き開けられ、無遠慮な闖入者が顔を出した。

「あれ、天さん?」
「…天、ノックぐらいせんかい」
「原田は…ああ、いたいた」

ひろ、まーた原田にいじめられてんのかー?
などと余計なことを言いつつ、天はずかずかと生徒会室に踏み込んでくる。

「…いじめられてなんかいませんよ」
「いじめとちゃうわ、新人を鍛えとるだけや。…で、なんや天、なんぞ用か」
「いや、用があるのはお前のカバン…と、あったあった」

天は原田のカバンを手に取ると、当然のような顔をして持ち主の許可も得ずに中に手を突っ込んだ。
傍若無人な同級生の所業に原田は一瞬虚をつかれたが、すぐさま我に返り声を荒げる。
783「天」学園パラレル(3/6):2006/06/08(木) 18:55:34 ID:???
「なに勝手にひとのカバン漁っとるんや!」
「預けたものを返してもらおうと思ってさ」
「預かり物なんぞした覚え無… 
 …っ! おどれ…検査の時俺のカバンにっ…」
「ピンポーン! 隠させてもらった!!
 でもさ、会長だからってカバンも机もノーチェックってどうよ?
 ありがたく利用させてもらっといて言うのもなんだけど」
「アホかっ…! 検査する側の人間が、検査当日に違反物持ってくるわけなかろーが!」
「会長…。普段は違反物持込してるように聞こえますよ」

微妙に問題発言をする原田に、あーそれもそーだねー、という適当な相槌を返す天。

「…ひろ、次からは生徒会の人間も、所持品チェック、
 他の連中が終わったいっちゃん最後に実施するよう記録しといてや…」

悪びれもせず他人のカバンから何やら雑誌を取り出す同級生に、うんざりした視線を向けつつ、
原田は次回以降の所持品検査の指示を与える。

「はい、会長。申し送りしておきます。…で、天さん、何を隠したんですか?」
「んー? これ。ひろも見るかー?」

何の気なしのひろの問いかけに、天は手に取った雑誌を開いてみせる。
……トップレスの金髪美女が表紙を飾る。そして、中のグラビアはトップレスどころの騒ぎではなく、
巨乳美女が下半身をばっちりとさらけ出しているという、露骨に扇情的なものだった。

「わわわわっ!!! ななな何!??」
「こら!! 生徒会室でエロ本広げんなや!」
「うるさいこと言うなよ、原田。今日のお礼に今度貸してやるからさー」
「貸していらんわ!!」
784「天」学園パラレル(4/6):2006/06/08(木) 18:56:23 ID:???
真っ赤な顔で恐慌状態に陥ってるひろを、面白そうに眺めながら天は貸与を提案してみたが、
どうやら原田のお気には召さなかったようだ。

「金髪巨乳は嫌いか? スレンダーが好みだっけか原田は」
「おう、そや…って、あほんだら! そういう問題とちゃうやろ!!
 早よしまわんかい! ひろがパニクってるやろが!」

「ひろがどうしたの…」

と、天の手から雑誌を取り上げつつ阿呆な掛け合いに割り込んでくる、涼しげな声。
その声の持ち主の接近に気付かず、易々と背後をとられた2人はうぉっ!と声をハモらせる。

「あ、赤木、気配を殺して近づくのはやめてくれよ…」
「…心臓に悪いわホンマ…」
「あ、しげみさん。こんにちは」

ようやくパニックから立ち直ったひろの挨拶に、しげみは軽く手をあげて応えた。
そして、手に取った雑誌をパラパラと流し見ると、天にむかって一言。

「…セクハラね…ククク…」
「…鼻で嘲笑いながらエロ本見る奴に、セクハラとか言われたくないよ、俺。
 ひろみたいなかわいい反応するならともかく…」
「…て〜ん〜さ〜ん〜」
「…ひろ、落ち着いたんなら、アホにかまわんと仕事せえ。…せやけど赤木」

原田は、今朝の所持品検査の結果を思い出し、同級生その2に忌々しげな視線を向けた。

「今日こそは煙草没収して指導室送りや、と思うとったのにな」

校則が緩く違反とされる所持品目も多くはないが、さすがに煙草はアウツ……!
785「天」学園パラレル(5/6):2006/06/08(木) 18:58:28 ID:???
「今回の検査はデータ取りのためやし、没収が目的とちゃうけど。
 …けど、毎日校内で煙草ふかしてるような奴は、いっぺんきちんと取り締まらんとアカンやろ」
「赤木、ヘビースモーカーだもんな」
「完全な抜き打ち検査やったし、尻尾捕まえられると思うたんやけどな…。
 今日に限って持っとらへんとは、勘のええやっちゃな。」

「ああ……」

その言葉でしげみは、さも今思い出したかのような声をあげる。
そして天と同様に、原田のカバンを勝手に開けつつ、

「私のタバコはそこにある……」

しれっとした顔で、その中から煙草のパッケージを取り出した。
用済みのカバンを原田に渡しながらうそぶく。

「まあ、忍法みたいなものよ、原田くん」
「隙だらけだなー。原田」
「……おどれら…ええ加減にせえよっ…」

憮然。そんな言葉の生き見本と化した原田。
その原田を見て、同級生たちはにやにやとからかうような笑いを浮かべ、後輩は…。

「…なんぞおかしいんか、ひろ」
「いいえ、なんでもありません…」

肩をふるわせ笑いを押し殺そうとしているひろに、原田はその憮然とした表情を向ける。
しかし、強面の生徒会長の苦虫を噛み潰したような表情を見ても、ひろの笑いの発作はおさまらない。
それどころか怖い顔であればあるほど、余計におかしさがこみ上げてくるらしい。

「ちぇっ…!」
786「天」学園パラレル(6/6):2006/06/08(木) 18:59:08 ID:???
まあええわ、と原田はひろを睨みつけるのをやめ、手元の報告書に視線を戻す。
その様子にようやく笑い止んだひろが、すみませんと謝罪するが、原田はまだしかめ面のままだ。

「…会長、怒っちゃいました?」

ファイルを胸元に抱え、三白眼気味の目を上目づかいにして、心配そうにひろは原田の顔を覗きこむ。

「はーらだ。笑われたくらいですねるなよ」
「おどれが言うな! おどれらのせいやろ!!
 …ひろ、ええわ言うたろ? ほんまに怒っとらんわ。せやし、気にせんかてええ」
「…怒ってるようにしか見えないわよ…ククク、大人げない奴ね…」
「だから、おどれも言うなっ、赤木!」
「ククク…ひろ、そんなに恐縮する必要なんかないわ…」
「そうそう、気にすんなって」
「それも、おどれらのセリフとちゃうわ!!」
「…やっぱり怒ってますよね…ごめんなさい……」
「せーやーかーらー!! 怒っとらんて言うとるやろ!!!」

ひとの話を聞かんかい!と原田は血管が切れそうな勢いで怒鳴り、
しょんぼりとうなだれていたひろを更に萎縮させる。

「ほら、やっぱいじめてるじゃんか」
「…ひろ、かわいそうにね…ククク…」

怒鳴った後ぜいぜいと肩で息をしていた原田は、もはや反論する気力もないようだ。
ひろ早よ仕事せえ…とだけ言うと、同級生たちに関しては無視を決め込むことにしたらしい。
先刻からずっと握り締めていた報告書を机の上に広げ、よってしまった皺の除去作業に取り掛かっている。
泣く子も黙る強面生徒会長にしては、なにやらいじましい姿だ。


放課後の生徒会室。
――山積した作業はまだまだ終わりそうにもない。
787マロン名無しさん:2006/06/08(木) 20:54:00 ID:???
忍法バロスwwwwww


ホントに神が多いなこのスレ
788マロン名無しさん:2006/06/08(木) 21:40:36 ID:???
>>623-635の流れ見ててオモタんだが

福本作品で苺があるなら



福本作品で薔薇乙女とかあってもいいんじゃないか?
789マロン名無しさん:2006/06/08(木) 23:09:28 ID:???
青年赤木=真紅
少年赤木=蒼星石
平山=金糸雀
市川さん=水銀燈
鷲巣様=翠星石
治=雛苺
南郷さん=ジュン


こんな感じだろうか?
790マロン名無しさん:2006/06/08(木) 23:14:55 ID:???
薔薇乙女のところ割り込み投下失礼。
平成赤木家次男編。
女体化&パラレル注意。



----------------------------

何故来てしまったのだろう。
そう思いながら涯子は指の切り傷を見る。
紙で切ってしまったごくごく小さな傷だ。かすかに血が滲んでいる。
これぐらいなら舐めておく程度でも十分だったじゃないかと、自分の行動を悔いた。
何故わざわざ悪魔の元へと足を運んでしまったんだろう。
唯一の救いはその悪魔がいまだ寝入っていることだ。
保健室の真っ白なベッドで。
791平成赤木家次男編 2/5:2006/06/08(木) 23:16:39 ID:???
(2時限目からいないと思ったらこれか…)

保健室の奥のほうにあるベッドで、シゲルは静かに寝息を立てていた。
お得意のサボりだ。
保健教諭がいない絶好の隙を狙ってのサボりである。
その横で、涯子は絆創膏をもらおうと保健室へ来たことをまず悔いる。
そして誰かいるのかとベッドの傍まで来てカーテンを開けてしまったことも悔いる。
何も見ないフリして出て行けばよかったのだ。何故気になってしまったのか…。

(それにしても、随分幸せそうだな…)

ぽかぽかとした日光が窓から丁度良く射しこみ、シーツからは石鹸の匂いがふわりと漂う。
なるほど幸せそうなわけだ、と涯子は一人納得する。
出来ることなら自分もこのままダイブしたいところだ。
…このままダイブしたら身投げ同然なのだが。

(…さっさと絆創膏貰って逃げよう)

寝ていてくれてよかったと涯子は思う。
もしカーテンを開けた瞬間に起きられでもしたら、何をされてたかわかったもんじゃない。
何をされるか見当などつきたくも無いが、相手は赤木シゲルだ。
否が応でも悪い方向へと思考が飛ぶ。
考えるな、と涯子は頭を振る。
ともかく、寝ている悪魔を見つけても、寝ている隙に逃げればいいだけだ。
出来るだけ足音を立てないように、そっと振り向きベッドから離れようとした。
その刹那。
792平成赤木家次男編 3/5:2006/06/08(木) 23:18:49 ID:???
「ひゃっ…!?」

臀部に手のひらの感触を感じて、涯子は思わず声を上げた。
まさか、と後ろをすぐさま振り向く。
しかし予想と反して、そこには先程と変わらず寝息を立てているシゲルしかいない。
特に動いたようなあともなく、手の位置も変わっていなかった。

「え…?」

てっきり(九分九厘の確率で)シゲルの仕業と思った涯子はその様に驚く。
振り向くのには何秒もかかっていない。
慌てた様子で引っ込める手ぐらい見えてもいいはずなのに、残像さえも見えなかった。
つい気になってしまい、涯子は再度ベッドに近づく。

(寝てる…よな、狸寝入りとかじゃなく…)

涯子はシゲルの顔を覗き込む。
瞼はしっかりと閉じられ規則的な寝息が聞こえていた。確かに寝ている。
しかし狸寝入りかもしれないという疑いは簡単に消せなかった。
何しろ相手が相手だ。
本当に寝ているのか、注意をしつつじっとシゲルの顔を見つめる。
…何の変化もなし。眉ひとつとも動かさない。

「…やっぱり寝てるのか」

呟いた後、はっと涯子は自分のしている馬鹿な行為に気付く。
別に本当に寝ているかどうかなんて確認しなくてもいいじゃないか。
793平成赤木家次男編 4/5:2006/06/08(木) 23:19:53 ID:???
寝てるなら寝てるで、狸寝入りでも別に離れてしまえば逃げおおせる。
むしろこうやって顔なんか近づけた状態からだと―。
涯子の思考が最後まで辿り着くより先に、パチッと目の前の瞼が開いた。

「いや、起きてるぜ?」

楽しそうな声とともに、腕が涯子の首へ回る。
声を上げるのも抵抗するのも追いつかないまま、涯子はぐいっと引き寄せられた。
中腰からバランスが取れなくなりベッドの上に手をつく。
衝撃に思わず目をつぶり、ぐっと唇を引き締めた。
何か柔らかいものが当たる感触がする。
驚きで目を開けてしまえば、それが唇だと気付くのにそうかからなかった。

「なっ…何っ…してっ…!?」

涯子の目の前にはシゲルの喉元がある。
そしてその上では涯子の額にシゲルの唇が触れていた。

「人の顔じろじろ見てさ、なかなかいい趣味してるじゃない」

額から顔を離して、シゲルは涯子と同じ位置へ目線をずらす。
何が何やらわからないと言った顔で、涯子はまだ目を見開いていた。
ただ、額に受けた感触はしっかり伝わったらしく、真っ赤である。
それを見てシゲルはクク…と笑う。

「だから、見物料もらっとくぜ」
794平成赤木家次男編 5/5:2006/06/08(木) 23:21:04 ID:???
満足そうにニッと笑みを浮かべると、シゲルは涯子の横を抜けてベッドから降りる。
上履きを潰して履くと、そのまま保健室から出て行こうとドアへ向かった。
涯子はしばらく呆然としていたものの、やっと思考が展開に追いついたらしく、赤い顔を更に赤くして勢いよく立ち上がる。
怒りと羞恥が入り混じった思考の中で、涯子はばっと身体を翻した。

「…っ赤木ぃぃぃー!!」

廊下にまで響きそうな大声で呼ばれ、シゲルは振り向く。
眉を吊り上げた真っ赤な顔でわなわなと震える涯子を見ると、意地の悪い笑みを浮かべ人差し指を唇に乗せた。

「なんだ、デコじゃなくて口のほうが良かったか?」

瞬間、涯子の中で何かが切れた。

「…っ!ぶん殴るっ!!」

ぐっと己のこぶしを握り締め、ほぼ涙目で涯子は走り出す。
それを受けてシゲルもたんっと廊下へ走り始めた。

「赤木っ!待てぇーっ!!」
「待てといわれて待つやつはいないでしょー」
「うるさい!ぶん殴るっ!」
「ハテコさーいい加減にその言葉遣い直したらー?」
「ハテコって呼ぶなーっ!」

怒声とからかいが飛び交い盛大な足音が辺りに響く。
「廊下を走るな」と言う張り紙が、悲しく揺れていた。
795平成赤木家次男編:2006/06/08(木) 23:23:13 ID:???
おくばせながら保管庫裏ドラ乙です〜。
あと>>724さんもグッジョブ!
796平成赤木家次男編:2006/06/08(木) 23:28:44 ID:???
>>742さんだったな。
なんかグダグダでスマソ
797マロン名無しさん:2006/06/08(木) 23:51:52 ID:???
>>796
GJ乙プッシュ!!


萌え過ぎてヤベェェェェェwww
保健室のベットエロいwww
798マロン名無しさん:2006/06/09(金) 00:35:33 ID:???
ももも萌えっ…!萌えすぎてどうしようかと思ったwww
学園名物になってそうなふたりだな…!(*´д`)
799マロン名無しさん:2006/06/09(金) 01:51:19 ID:???
>>789
治=雛苺
にもへた・・・(*´Д`)ハァハァ
800南郷さん女体化:2006/06/09(金) 02:47:36 ID:???
ふと思いついたので南郷さん女体化ネタ。
苦手な方はスルーよろ。
以下2レス消費。
801南郷さん女体化:2006/06/09(金) 02:49:43 ID:???
まだ、何もかも信じられない気持ちだった。
正座した南郷は、落ち着かなさげにさっきから意味もなくスカートの裾を直し
ている。
「食べないの、南郷さん。麺がのびるよ」
アカギに言われて、はっと箸を握り、しかしその箸が丼に伸びる事はない。只
ぼうっと、うどんをすするアカギを見ているだけだ。
(信じられない……やっぱりまだ…。理解の範疇外っ…!)
昨日
の晩、もう二度と帰って来れないと悲壮な思いで家を出て行ったはずなのに。
どうしても借金が返せず、麻雀にも負け、南郷は後一歩で死ぬ寸前だった。い
や、もしかしたら死ぬよりも酷いことになっていたかもしれない。それをアカ
ギが救ったのだった。
しかし、助かった事や借金が消えたという喜びより、まるで何もなかったよう
に生きているのが不思議だった。近いうちにもう一度命懸けでやくざと対決す
る事の方が、よっぽど現実感を持っている。

『みどり』を出た後、さっさと行ってしまおうとするアカギを引き止めたのは
南郷だった。
「アカギ…!ちょっと待ちなさいっ…!」
「何か用ですか」
聞き返されて答えに詰まった。自分でも、なぜアカギに声をかけたのかわから
ない。
802南郷さん女体化:2006/06/09(金) 02:50:29 ID:???
(何かっ…何か言わなきゃっ…!そうだ!)
「家に寄って行きなさいっ…!海に飛び込んだ後徹夜で麻雀…。尋常じゃない
疲れのはず…!それに汚れてるでしょうっ…服…!」
一気にまくし立て、はっと気が付くと、アカギは眉間に皺を寄せていた。それ
は南郷の言葉の真意が読めなかったからなのだが、南郷からは突然家に来いと
言い出されて腹を立てているように見えた。
「あっ…!いや、その、別に…無理に来いと言ってるんじゃなくて…」
急に自分が馬鹿なことをしているような気がして、しどろもどろになって言い
訳をする。
「行こうかな…じゃあ…」
だからアカギがあっさり首を縦に振ったとき、南郷は本当に驚いた。
「親切なんだね、南郷さん」
アカギのセリフに、どういうわけか南郷は目をそらしてしまった。

帰る途中、商店街で買った二玉のうどんを手早く茹で、漬け物と一緒に出して
やった。具なんて何もないかけうどんだが、それをがつがつ勢い良く食べるア
カギを見て、食べ盛りなんだなと南郷は思う。自分の丼もアカギの前に押し出
し、食べなさいと言うと礼を言ってそれも食べた。
その間に押入れから出した布団を敷く。
(一つしかないけど…。まあ…良いか…)
南郷は女だが、並の男以上に背が高い。おまけに、筋肉質だった。一人用の布
団では一緒に寝るには小さすぎるし、第一アカギの方が嫌がるだろう。
「着替えはここに置いておくから…。食べたらこれを着て寝なさいっ…!」
803南郷さん女体化:2006/06/09(金) 02:52:12 ID:???
満腹になって気が抜けたのだろうか。アカギは大人しく南郷の言うことに従っ
た。南郷も食器を片付けて、横になる。しかし、疲れているのに目ははっきり
冴え、全く眠くならない。
(親切なんだね、南郷さん)
さっきのアカギのセリフが、耳にこびりついている。
(違うっ…!私は優しくなんかないっ…!仮に…仮にそうだとしても、その優
しさのせいで借金を作ったようなものっ…)
子供のころから南郷は大柄だった。初めは誇らしかったが、少女になるにつれ、
段々それが恥ずかしくなっていく。もっと恥ずかしかったのは次第に柔らかく、
そして丸くなっていく自分の体。
それを隠すために、人よりずっと多く働いたし、力仕事も進んでやった。おか
げで、今の女らしくない体を手に入れたのだ。

「う…。っ…う…」
アカギのうなされる声で、はっと目を覚ます。どうやら少しの間うとうとして
いたらしい。
酷い夢を見ている様子だったので、体を揺さぶって起こした。アカギはしばし
焦点の合わない目で南郷を見つめ、「ああ、南郷さんか」と呟いた。
その表情を見て、南郷の心に痛みが走った。アカギの表情は、寝ぼけた子供の
それではない。れっきとした大人の顔だった。彼に麻雀をさせたのは間違いだっ
たのかもしれない……今更ながらそう思う。
しかしアカギは目を閉じ、再び眠ろうとするようだった。それにほっとして、
布団をかけなおしてやり、ふと思いついて南郷もアカギの布団に潜り込む。
眠りに落ちようとするアカギを自分の胸に抱き寄せ、ぽんぽんと背中を叩く。
まるで小さな子供にするように。
南郷は、アカギが軽い寝息を立てぐっすり眠った後もずっとそうしていた。
804南郷さん女体化:2006/06/09(金) 02:53:36 ID:???
2レスじゃなくて3レスだった...orz
あんまり女体化ならではの萌えにならなくてごめん。
805マロン名無しさん:2006/06/09(金) 02:55:04 ID:???
>789
平山=金糸雀
鷲巣様=翠星石

バロスwwww合うwwwwwwwwwww
じょうろ持った鷲巣様カワユスwwwwwwwwwwwwwwwwwww
806マロン名無しさん:2006/06/09(金) 03:19:00 ID:???
母性南郷さん・・・こういうのも切なくていいな
807「天」学園パラレル その2(1/7):2006/06/09(金) 06:01:40 ID:???
「じゃあね、ひろ…」

煙草も回収し、同級生をからかうのにも飽きたらしいしげみは、生徒会室を去ろうとする。
そのしげみを名残惜しげに見送っていたひろだが、唐突に何かを思い出したらしく、
ぽん、と手を打ち合わせると、待って下さい!と呼び止めた。

「しげみさん! 僕、おいしいケーキ屋みつけたんです! 今日一緒に行きませんか?」
「今日?」

先ほどまでの殊勝げな態度はどこへやら。
語尾にハートマークがついてそうな調子でしげみを誘うひろを、
あいかわらず赤木に思いっきり懐いてるなー、と呑気に天はながめている。
いらんこと言うとらんと仕事せえよ、という原田のもっともな指摘は、今のひろには届かないらしい。

「ええ。…甘いものお好きでしたよね?」
「嫌いじゃないわ…
 だから……本当に行きたいんだけど…ちょっとそれは無理ね」
「どうしてです?」
「私は、もう今日は、帰らなくちゃいけないのよ…
 今日は家族麻雀の日…来月の食事当番をかけての勝負…!」

いつも気だるげな雰囲気を身に纏っているしげみの、その背後に青い炎を見た天は息を呑む。
いかに賭けているものがくだらなかろうが、これは真剣勝負なのだとっ…!

「食事当番をかけて…って、ビケをひいたやつが当番に?」
「…ちがうわ。トップが当番を指名するのよ…。性質が悪いことに…」
808「天」学園パラレル その2(2/7):2006/06/09(金) 06:03:24 ID:???
一部女体化。平成赤木家・家族構成借用(別人)。※エセ関西弁注意
============================================================

つまりトップをとった者の気分次第で、家族全員誰もが当番にあたる可能性があるということだ。

「シゲルくんにも食事当番をさせるんですか?」
「…末っ子が当番の月は、
 玉子焼きとインスタントラーメンとカレーのヘビーローテーションよ…」
「それでも作らせるんかい、チビに」

また始まってしまった雑談、しかし興味を覚える話題だ。つい原田も参加してしまう。
献立のバリエーションの貧しさに眉をしかめつつも、当然のように食事当番に組み込まれる
13歳の男子中学生に同情し、とりあえずツッコミを入れておく。

「おいおい、しげるさん料理なんてできるのか?」
「…適当な材料、謎の調理法で、得体の知れないものを作るわね、アニキは…。
 なんであれでおいしいのか、理外のセンスね…」
「マジ!?」「うまいんかい!」「おいしいんですか?」

思わず同時に疑問の声をあげる3人。

「ええ…ククク…、ひろ、
 アニキが食事当番になったときに、その味確かめに来ればいいわよ…」
「そりゃあさすがにちょっと興味がわくなあ」

若いっていいな好奇心があって…と年寄りくさいことを思いつつ、天もまた好奇心のままに訊ねてみる。

「赤木さんは?」
「親父が料理するわけないでしょ…
 ……一ヶ月間、出前だけっていうのもキツいものよ…」

普段感情をあらわにしないしげみだが、今その声にげんなりした響きを感じるのは気のせいではあるまい。
809「天」学園パラレル その2(3/7):2006/06/09(金) 06:04:03 ID:???
「結局、普通の料理をしてるのは赤木だけか…」
「赤木が料理出来るとは限らんやんか。弟より下手とかいうオチかもしれんで」
「その手があったか、なるほどねー」
「……失礼ね…原田も天も…」

勝手なことを言っている同級生2人に、さすがのしげみも不満げなつぶやきをもらす。

「しげみさんは料理上手ですよ!!
 僕、こないだ夕食ごちそうになったんですけど、すっごくおいしかったんですから!」

失礼な先輩たちの会話に、ひろは、憤然と割り込み異議を申し立てた。
まるで姫君の名誉を守る騎士ででもあるかのように。だが、

「…………」「…………」
「な、なんですか、お2人とも、揃ってその疑いのまなざしは! 本当ですよ!」

普段ケンカばかりしているくせに、このことに関して天と原田の意見は一つだ。
しげみの料理の腕について、ではない。
ひろの、しげみ贔屓に関してだ。「度がすぎる」と。

「…ひろの赤木に対する評価は当てにならんわ」
「そうそう。赤木大好きラブラブ状態のひろが、赤木の手料理をまずく感じるはずないし」
「な、ラブラブってなんですか! ヘンなこと言わないで下さい!
 それに僕は事実を述べています! 本当にしげみさんは料理上手です!!」
「わかったわかった。…相変わらず冗談通じないなー、ひろは」
「そないにムキにならんかてええやん。軽いジョークや」

はいはい、とでもいう風に、ひろを軽くいなす2人。
そして、顔を紅潮させて懸命に自分の擁護をするひろに、しげみは苦笑しつつ声をかける。
810「天」学園パラレル その2(4/7):2006/06/09(金) 06:04:44 ID:???
「…ひろ、ムキになると、こいつらを楽しませるだけよ…」
「でも、しげみさん…」
「…ククク、からかいたくなるわけだわ…」
「! しげみさんっ!」

その声を制するように、

「……ひろは面白いわね…」

す、としげみの手があがり、目の前の後輩の頭をなでる。
からかうような言葉とはうらはらに、その声音も髪をなでる手つきも優しげだ。

「…しげみさん……」

わずかに位置の高いしげみの瞳を、ひろは頬を染めつつ見つめる。
生徒会室に差し込む夕刻に近い午後の光が、やわらかく2人を包みこんだ。

「…リリカルな光景だねぇ」
「…リリカルだかどうだかよう知らんけどな。そろそろ作業再開せえよ、ひろ」

2人の世界といった感の麗しい光景だ。
だが、それに感銘を受けた風でもない原田は、無粋なことを言いつつ、更に、
しっしっと犬でも追い払うような仕草を見せる。

「関係者以外はさっさと出ていかんかい。おどれらの妨害で、今日は作業のはかがいかんわ…」
「自分もムダ話に参加してたくせに。やだねーひとのせいにしちゃって、克美ちゃんは」
「克美ちゃん言うな!」
811「天」学園パラレル その2(5/7):2006/06/09(金) 06:05:20 ID:???
また間の抜けたやり取りが始まるかと思われたその時、
「天居る〜!?」
と、いかにも元気そうな声とともにドアが引き開けられて、2人の女生徒が入ってきた。

「天ー! ここにいた〜!」
「おっそーい!」
「…そういえば、天、彼女たちがさがしてたわよ…」
「そうみたいだな…って、早く言ってくれよ赤木」
「……また部外者が増えよった…ええ加減に勘弁してほしいわ…」
「あっ、少年だ」
「やっほー、少年。こんなところで何してるの?」
「こんな所って……生徒会室ですから生徒会の仕事中です」

今日はちっとも仕事してへんやろ、と原田がぼそりとつぶやく。
ひろは原田のそのツッコミは聞こえなかったふりをして、天の2人の彼女に、以前から不満に
思っていた事に関して要望を述べてみた。

「…それより、そろそろ少年って呼ぶのやめてくれませんか? 僕ももう高校生ですし」
「えー! いいじゃない、高校生でも。少年は少年だし」
「そうだよ。別に不都合ないでしょ?」
「…不都合…なくてもやめてほしいんですけど…」

ぶつぶつと不平を鳴らすひろを見て、原田も以前から疑問に思っていたことを尋ねてみる。

「前から聞きたかったんやけど、自分ら、なんでひろのこと『少年』て呼ぶん?」
「え? そりゃあ最初に会った時、男の子だと思ったから」
「うん。どっから見ても立派な男の子だったよね。あの時」
「はぁ? ひろを男と間違うたん?」
812「天」学園パラレル その2(6/7):2006/06/09(金) 06:06:44 ID:???
原田は目の前に立つ後輩を、あらためて頭の上から足の先まで眺めてみる。
ショートカットが確かにボーイッシュではあるし、三白眼気味の目元も多少きつめではあるが、
制服のスカートからすんなりと伸びる脚やきゃしゃな体つきは、どう見ても『女の子』。
間違える方が難しい気がするが…。

「だって、少年、胸ないし」
「胸ないのは見たまんまやけど、性別まで間違えてやらんでも」
「………胸ない胸ないって……せめてスレンダーとか言葉を選んで下さい…」

ひろは低い声でもっともな文句を言ってみるが、誰も聞いてはいないようだ。

「男物の服着てたし。一人称が『僕』だったし。ホント、男の子に見えたんだってば」
「でも結局は、なんかいかにも『少年』って感じだから、かなー」
「そうそうそんな感じー」
「そうだよねー」

彼女らがひろを少年と呼ぶ根拠は、なにやら感覚的なものであるらしい。
ほんなら俺にわかるわけもないわな、と、原田は理解する努力を早々に放棄した。

「ようわからんけど、まあええか」
「…よくないですっ!」

ひろは抗議の声をあげる。
が、その訴えを柳に風と聞き流して、招かれざる部外者たちは帰途に就くところだ。

「じゃーねー。あたしたち帰るから」
「しげみちゃんも帰るんでしょ、一緒に帰ろ?」
「そうね…どうせ近所だしね…それじゃ、ひろ、お先に失礼するわ…」
813「天」学園パラレル その2(7/7):2006/06/09(金) 06:07:22 ID:???
「じゃあなー。仕事しっかりやれよ、2人とも」

妨害しくさりよったやつに言われたないわ!という原田の言葉に送られて、天が部屋から出て行く。
そしてドアが閉じられると、ようやく生徒会室は本来の静けさを取り戻した。

が、

「なんや、今日はドッと疲れたわ…」
「同感です…」

2人とも、本来持ち合わせているはずのやる気を削がれてしまったらしく、
原田は手にしていた報告書を机の上に放り投げ、ひろも手近な椅子に座りこんでしまった。
いつもぴしっとしていることの多い2人には珍しく、ぐんにゃりとした雰囲気だ。

「……ひろ、資料早よ揃えてや…」
「……会長も報告書のチェックが、まだこんなに残ってますよ…」

そして原田とひろは顔を見合わせ、情けない表情でがっくりと肩を落とす。

「仕事したないな…」
「同感です…」


――放課後の生徒会室。
山積した作業は毫も減っておらず、それを見て生徒会所属の2人は深いため息をついた。
814マロン名無しさん:2006/06/09(金) 06:40:27 ID:???
うお、ふと気付けば500kBが近いぞ
815マロン名無しさん:2006/06/09(金) 06:44:58 ID:???
>>807-813
面白かったっ…!何気にひろに騙されたw
>>814
作品投下があれば今日中にでも次スレか?
816マロン名無しさん:2006/06/09(金) 06:49:27 ID:???
うわあ〜
次々とネ甲技職人さんが降臨しているよwww
どちらも皆さんGJGJGJwww
817マロン名無しさん:2006/06/09(金) 06:51:14 ID:???
↑間違えた…ネ申だ
818マロン名無しさん:2006/06/09(金) 07:44:56 ID:???
>>807-813
ちきしょー騙されたww 僕っ娘ひろテラモエスッ…!
黙々とたまごやきを作る次男を想像してうっかり萌えたw
819マロン名無しさん:2006/06/09(金) 08:31:04 ID:???
>>807->>813
GJ!!ひろ可愛いよひろ


ひろスレ住人としてはこのSS投下の激しさに嫉妬
(´・ω・`)あっちはレス200もいってるのに未だに投下が来ない…
820マロン名無しさん:2006/06/09(金) 08:56:07 ID:???
>>819
…けっ …けっ……
 書 け っ … !
821マロン名無しさん:2006/06/09(金) 09:03:12 ID:???
福本でいちごとか薔薇乙女とか話が出てるから、
ここはいっちょラブひなとかネギまとかもどうだろうと言ってみる。
景太郎=ひろゆきみたいな。
822マロン名無しさん:2006/06/09(金) 09:28:25 ID:???
景太郎が赤木だったら…怖ぇwww

鷲巣様は成瀬川か素子ちゃんかな?
823マロン名無しさん:2006/06/09(金) 09:48:26 ID:???
ネギはアカギだよな(魔法使いだから)

ラブひなだと、治→しのぶくらいしか想像できねぇw
824マロン名無しさん:2006/06/09(金) 14:44:39 ID:???
>>807->>813
すげぇ!まんまと騙されたっ・・・!女ひろとしげみの関係にハァhァした!!
825ひろ×しげみ1/6:2006/06/09(金) 15:02:17 ID:???
容量大丈夫かな…ひろ×しげみ完結編投下します。>>683-686続き。
女体化・捏造・ポエム気味注意っ…!

*

15分程歩いて辿り着いた墓地は、案の定閑散としていた。
目当ての墓はすぐに見つかる。何しろあんなに判りやすい墓は他には無い。

以前来た時よりも随分と「痩せて」しまったその墓の前で、ひろゆきは苦笑した。
「…相変わらず凄い人気ですね、赤木さん…」
まるで本人に話しかけるように言ったひろゆきをしげみが見つめる。
何やら言いたそうな、寂しげにも見える表情にひろゆきは「ん?」と首を傾げてみせたが、
しげみは何も言わずひろゆきから眼を逸らすと、途中で買った線香とライターを取り出し、
線香の先に火を点けて墓前に供えた。

白い煙がゆらゆらと空へ昇ってゆく。
畏まった白檀の香りは、この風変わりな墓とその下で眠っている人物には
なんとなく不似合いに思えて、ひろゆきはまたも苦笑しながら墓の前にしゃがみ込み、
瞑目して手を合わせた。

赤木しげるが逝って一年と半年弱。
だと言うのに、眼を閉じれば鮮明にあの飄々とした顔が、姿が、声が胸の中に蘇る。

ひろゆきは思う。自分はまだ、この人の死を受け入れられていないのではないか。
だってどうしても想像してしまうのだ。今にもそこいらの物陰からひょっこりと
赤木しげるが出てきて、自分に笑いかけてくれるのではないかと。

(…ここでしげみちゃんと初めて会ったときも…そんなことを考えてたな…)
826ひろ×しげみ2/6:2006/06/09(金) 15:03:01 ID:???
―――落としたよ、お兄さん…

初めて耳にした時の、あの涼やかな声を思い出す。
そういえばあの時は、どう見ても女の娘のしげみを赤木と見間違えたのだった。
(フフ…考えてみればどっちにも失礼な話だよな…)
その時の自分を客観的に思い出すと妙に可笑しくて、ついつい頬が緩む。

そういえば、しげみはその時の事を覚えているだろうか。
ふと聞いてみたくなって、ひろゆきは目を開け――隣で自分と同じように
眼を閉じ、手を合わせているであろう少女の方を見た。

「……?」
――だが、しげみは眼を閉じても手を合わせてもいなかった。
初めて出会った時と同じく墓の前に佇み…能面のような無表情で、春の風に
銀の髪をなびかせながら、ただただ真っ直ぐにその不恰好な墓石を見つめていた――。

「…し、―――…」
立ち尽くすしげみにひろゆきは声をかけようとしたが、他者を撥ね付けるような
その雰囲気に気圧され、続く言葉を飲み込んだ。

随分親しくなった、と思っていた。
遠回しに過ぎる言い方で、不器用ながらも自分の気持ちを伝えたこともあった。
いつもの涼しげな微笑も、楽しそうな笑顔も、いつだって思い出せる。
けれど、もしかしたら自分は――この少女のことを、まだ何も知らないのではないだろうか。
この無表情な横顔の裏に秘められた感情が読み取れないように。

「…っ………しげみちゃん!」
耐え切れずひろゆきは俯き、半ば叫ぶようにその少女の名前を呼んだ。
827ひろ×しげみ3/6:2006/06/09(金) 15:04:15 ID:???
「――えっ…?」

一瞬の間の後――ひろゆきには永劫の時に思えたが――しげみはハッとしたように
自分の隣にしゃがんでいるひろゆきを見下ろした。
ひろゆきは顔を上げ、しげみと視線を合わせ…そして安堵した。いつものしげみだ。
膝の砂を払いながら立ち上がり、何も気づかなかったように笑顔を作ってみせる。

「…はは、どうしたのボーッとして…卒業の報告するんでしょ、赤木さんに…?」
「……あ、そうか…そういえば言ってたっけ、そんなこと…」
ひろゆきにつられたのか、しげみもほんの少し微笑み、そして、自分の制服の胸に留まっている
…恐らく卒業式で在校生から渡されたのだろう、布製の花飾りをぷちりと外すと
それをそっと、墓前に供えられた様々なギャンブル関連グッズの上に置く。
もう四分の一ほどが灰になった線香の煙が、ゆらりと揺れた。

けれどもやはりしげみが手を合わせる気配はなく、また二人の間に沈黙が降りる。
だが、その沈黙を破ったのは、今度はしげみの方からだった。

「…学校なんて卒業したからって、この人が喜ぶとは思えないけどね…」

抑揚の無いしげみの口調に、そんなことはない、とひろゆきは反論しようとしたが
すぐに考えを改める。確かに、赤木という男ががそういった事に拘るとはとても思えない。
しかしだからといって、自分からそんな風に思ってしまうのは些か寂しすぎる気がする。
言葉を探しあぐねていると、しげみがひろゆきの顔を見てぷっとふきだした。

「あははっ…ひろさんてばまた困った顔してる」
くすくすと笑われ、ひろゆきは慌てて片手で口元を覆い顔を隠す。
「あ…あのねえ、大人をあんまりからかうんじゃ――」

「…大丈夫だよ、わかってるから」

憮然たる面持ちでひろゆきが文句を言おうとするのを、しげみの静かな声が遮った。
828ひろ×しげみ4/6:2006/06/09(金) 15:05:36 ID:???
「…ちゃんと判ってる…この人がどういう人なのかなんて、嫌ってほど判ってる」
再び墓の方を向いて、呟くように放たれた声は意外にも優しい響きを含んでいた。

「ひろさんや、天さんや…この人の墓石を持ってく人たちがこの人を慕う理由もちゃんと判ってるよ…」

さやさやと葉擦れの音が聴こえて、どこからか桜の花びらが舞い降りてくる。
見れば、墓地の外れには真っ白な花をつけた桜の木が一本。
まるで散り急ぐかのように、その花びらを風に乗せていた。梢が揺れる度、はらはらと、はらはらと―――。

空を仰いだしげみが手を伸ばし、花びらの一枚を掌に乗せる。
しげみはしばらくそれを見つめていたが、また風が吹いてその花びらを空へと攫っていった。
それをしげみは眼で追って、ひろゆきに背を向ける。表情は見えない。


「………風なんて、吹かなければよかったのに」


独白のようなその一言に、ひろゆきは答えることが出来なかった。

…隣に立つこの少女と、目の前の墓に眠っている男がどういった親子関係だったか
ひろゆきが尋ねた事はないし、しげみの口からもそんな話題が出たことは無い。
赤木が生前、娘が居るなどと一言も言わなかったこと、滅多に無いが――しげみが赤木の事を話すとき、
「あの人」や「赤木しげる」と呼び、決して父親と呼ばないことからも、複雑な事情があるのは察しがついていた。

だが、少なくとも冷え切ったものでは無かったのではないか、とひろゆきは思う。
でなければ、しげみが赤木しげるの影を追い求め闇に身を投じているわけがない。
こんな風に、小さな背中に寂しさをたたえているわけがない。
829ひろ×しげみ5/6:2006/06/09(金) 15:07:29 ID:???
(―――もしも…風が吹かなかったら…)

しげみの背を見つめながら、ひろゆきはここではない未来に思いを馳せる。

風が梢を揺らさなければ、この桜がここまで散り急ぐこともなかったように――

もし、赤木が病魔になど侵されていなければ。
もし、この少女と赤木しげるが共に過ごす時間が、もう少し長いものであったなら。

そこまで考えて、ひろゆきは俯き、首を横に振る。
(…駄目だ)
「もし」なんて言葉は、自分たちのような…赤木しげるを心に宿す人間が言ってはいけない。
そんな風に後ろばかりを見ていては、「今」に殉じたあの人にそれこそ顔向けが出来ない。

見るならば、前を。前だけを――。

…ひろゆきが顔を上げた先には、まだ少女の背中があった。
一歩を踏み出し、後ろから少女を抱きすくめる。
大して逞しくはない自分の腕の中にすっぽりと包まれた少女の体はとても華奢で、小さくて…
自分はもしかしたら泣いているのかもしれない、と、ひろゆきは思った。

「――――好きだ」

言おうと思えばいくらでも、言葉は重ねられたのかもしれない。
けれど、心の中のすべての感情を集約したらたったの三文字になった。

「…うん」

そして、しげみの返事はもっと短い。
けれど、そのたったの二文字で…しげみが自分の気持ちを受け入れてくれたのがわかった。
830ひろ×しげみ6/6:2006/06/09(金) 15:08:51 ID:???
しげみは自分の体を包む腕をそっと外すと、ひろゆきに向き直る。
ひろゆきの頬に手を伸ばし、やわらかく微笑んで…ひろゆきの頬を伝うものを拭った。
「…こういうの、普通は逆かもしれないね」
「うん…はは、面目ない…」
顔を見合わせて笑いあう。

「…じゃあ、これなら普通かな」
「え?」
何のこと?と聞く前に、ひろゆきにはしげみの意図が判った。
目の前のしげみの顔は少し上に向けられ、その長い睫毛を伏せていたから。

(……!)
ひろゆきの心臓が途端に早鐘を打つ。
自分が次に何をすればいいのか、何をするべきなのかははっきりと判るが
虚をつかれて一瞬体が動かなくなってしまう。

―――と。
また一陣の風が吹いた。
先程までとは違う方向に、まるでひろゆきの背中を押すように……いや、
確かに誰かの手のようなものが、自分の背中をトン…と軽く押したのを、ひろゆきは感じた。

風に混じって、かすかに懐かしい煙草の匂いがしたと思ったのは、気のせいだっただろうか。

(……ああもう、ほんとにあの人は…)

ひろゆきは心の中で苦笑する。
自らの腕に、唇に、愛しい少女の温もりを感じながら―――。

(了)
831マロン名無しさん:2006/06/09(金) 15:10:24 ID:???
おおおおお!!GJGJ!!
感動したっ・・・!!
832マロン名無しさん:2006/06/09(金) 15:28:55 ID:???
全米が泣いたwwwww

最後がいいなぁwwニクイ!
GJGJGJ!!
833マロン名無しさん:2006/06/09(金) 15:43:26 ID:???
感動…したっ…!
GJ…GJだっ……!!
834マロン名無しさん:2006/06/09(金) 16:38:24 ID:???
うおおおGJ!GJ!GJ!!
ええ話や…!な、泣いてなんてないからな!
835マロン名無しさん:2006/06/09(金) 18:15:35 ID:???
落ちるな!
836マロン名無しさん:2006/06/09(金) 18:22:53 ID:???
GJ…泣いた…
837マロン名無しさん:2006/06/09(金) 19:23:34 ID:J91kH/pz
次スレの準備したほうが良いかな?
838マロン名無しさん:2006/06/09(金) 20:55:27 ID:???
落ちたら目も当てられないから用意したほうがいいかもね
839マロン名無しさん:2006/06/09(金) 21:19:47 ID:daQjT589
激しく乙!
GJ・・・・っ
840マロン名無しさん:2006/06/09(金) 21:29:54 ID:???
(嫁いで)こいよ、鷲巣衣和緒・・・嫁き遅れし者・・・

ツンデレのプロポーズ・・・!

841マロン名無しさん:2006/06/09(金) 21:37:32 ID:???
>>840
キタコレ!!(*´Д`)ハァハァ
842マロン名無しさん:2006/06/09(金) 23:36:25 ID:???
真紅アカギ「ジュン、お茶ぐらいいれてくれもいいんじゃねぇの…?」
南郷ジュン「何で俺がお茶なんかっ…!!」


パァン…パァン…


真紅アカギ「お茶」
南郷ジュン「あ、はい…」
843マロン名無しさん:2006/06/10(土) 01:23:33 ID:???
>842
ワラタww
844マロン名無しさん:2006/06/10(土) 02:51:15 ID:???
次スレは470kb越えたあたりかな?
8451/2:2006/06/10(土) 03:14:10 ID:???
〜もし、しげみがギャングスターに憧れてたら〜

アバ「しげみちゃんだっけ……?立ってるのも何だからここ座んなよ。
   お茶でも飲んで……話でもしようや…… さあ飲みなよ、あんた歳いくつ?」
しげみ「15です…… いただきます…… うっ……!」
ブチャ「俺にも一杯注いでくれ」
アバ「ああ、後でな……」
しげみ「……」

アバ「どうした?お前は俺がわざわざ注いでやったそれをいただきますと言ったんだぜ。
   いただきますと言ったからには飲んでもらおうか。それともヌルイから飲むのは嫌か?」
フーゴ「プ!」
ナラ「クスクス……へへへ」
ミスタ「仲間になりたくねーから、飲みたくねーんじゃねーの?」
ブチャ「? 何やってんだ、オマエらッ」
しげみ「……ククク、狂気の沙汰ほど面白い……!」

グイィィ〜〜ッ

一同「えッ? 嘘だろッ!オイッ!」

ざわ… ざわ…

ナラ「うわお!バッチィッ!飲みやがったこいつッ!」
フーゴ「違うッ 飲んでるわけではない!なあ、どうやったんだ!どこに隠したんだ!?」
ミスタ「わははっ!お…お前、面白いな!本当に飲んだのかッ!教えてくれよ俺だけに、な!」
しげみ「さあね……あんた達だって『能力』を秘密にしているんでしょ?」
8462/2:2006/06/10(土) 03:15:32 ID:???

一同「!!」

しげみ「そうね……どうしても知りたいのなら私と賭けをして勝ったら教えてあげてもいいわ。
    但し、もしあなた達が負けたら『腕を一本』貰い受けるわ……」

わざ……ざわ……。

アバ「こいつ……クレイジーな女だな……飲んだ方法を知るために腕を一本だと?どうにかしてんじゃあねーのか!」
しげみ「不合理こそ博打ってもんでしょ……?受けるの?受けないの?」

ゴゴゴゴ……。

アバ「言葉に気ィつけろよ貴様……勝負したいのは俺もオマエと同じ気持ちだ。
   だが、『腕一本』じゃあ高すぎる!『小指一本』だ!それなら受けてやる……」
しげみ「拒否するわ……!『腕一本』を要求する……!」

グオオオオ

アバ「先輩である俺の要求を拒否するってんだな!いいだろう……。その勝負受けてやる……。
   但し、貴様が負けた場合も『尿を飲んだ方法』ではなく『腕一本』を代償に払ってもらう……」
しげみ「ふふ……元からそのつもり……!ケチな代償払う気無し……」

ゴゴゴゴゴ……

ブチャ「よ、よくわからんが……しげみ……コイツには常人にはない 凄 味 がある……!」
847マロン名無しさん:2006/06/10(土) 03:31:03 ID:???
>845
荒木絵のしげみ想像したwwwwwwwwwwww
848マロン名無しさん:2006/06/10(土) 03:46:22 ID:???
>>847
違和感がねぇwwww
849マロン名無しさん:2006/06/10(土) 06:53:50 ID:???
さすが神域…
850マロン名無しさん:2006/06/10(土) 13:46:41 ID:???
>825-830
なんか娘の嫁入りを見守る父親の気分だ(つд`)グスン
しかし初チッスが墓地ってのもすごいなw
851アカギ×しげみ(5/4編)68:2006/06/10(土) 23:41:58 ID:???
>>691-696
の続きを投下します

 しげみは急いで化粧直しを終え、忘れ物がないか確認した後、
布バックをかついで女子トイレから出た。
 トイレの外には、アカギが待っていた。
 しげみの姿をちらりと見たアカギは、口にくわえたままのタバコを
二本の指で押さえたまま、ぼそりと言った。
 「バケツ」
 「ああ…」
 しげみは慌ててトイレの扉を開け、二つのバケツを外に引っぱり出した。
すかさずアカギが片方のバケツを、右手で持ち上げる。
 不意に至近距離まで来たアカギに、しげみは思わずはっとしたが、
気が付くと、彼はもう階段を上り始めており、火のついたタバコを
左手指ではさみながら、こちらを振り返りニヤリと笑っている。
 「おーい!…もう一つも持ってよ…」
 しげみは、肩からずり下がった布バックと、
ぬるま湯が、なみなみと注がれたバケツを持ち、ガニ股で、おたおたしていた。

 「…まったくドジっ子め…ククク…」
 両手に二個の空バケツを持ったアカギが、階段を上りながら笑っている。
 「うるさい…!」
 アカギのひやかしを聞きながら、しげみは、濡れた布バックの中身を漁りながら
後を追った。
 (あー…財布の中まで水浸しだ〜…トホホホホ…)
852アカギ×しげみ(5/4編)69:2006/06/10(土) 23:45:58 ID:???
 落胆するしげみをよそに、アカギは一足早く階段を上りきり、
雀荘の前辺りだろうか、バケツをぼこりと置く音が響いた。
 しげみはバックを抱えながら、急いでアカギの後を追う。
 ふと見上げると、彼はなぜか雀荘前の踊り場でしげみを待っていた。
 「さてと…」
 後から階段を上って来て、唖然とするしげみの右手をつかんで引っぱり、
そのまま階段をさらに上へ上へと、上り始めるアカギ。
 「雀荘に入るんじゃないの…?」
 驚くしげみに、アカギは肩越しに振り返り答えた。
 「今…雀荘を覗いてみたけど…、レジのじいさん以外、誰もいなかった。
………こんなときに雀荘に入ったところで、何の意味もない」
 「ええっ…?……じゃあどうすんのよ」
 しげみは少々苛立ち気味に、アカギの背に言葉をぶつけた。
それにたいして背を向けたままのアカギの答えは、しげみを唖然とさせた。
 「…フフ…そうだな…
………暇だから、またふたりで屋上にでも行こうか…」
 しげみは階段の途中で、アカギの手をやんわりと振り切り、立ち止まった。
 「……ぐぅ…」
 そして困惑し、眉をよせた。
 まゆみと美香に、三好がもうここに戻って来ないということと、
逃げるのなら今がチャンス、ということを一刻も早く教えてあげたいのに…、
……そんな悠長な事をしている暇なんかない。と、焦燥に駆られた。
 アカギは、しげみの苦り切った顔を階段の上から覗き込むと、
愉快そうにのどの奥で笑った。「不満そうだな、しげみ…」
 しげみは、まなじりをつり上げた。
 「しげみって言わない…!赤木さんって呼びなさいよ…!」
 しげみが苛立ちをぶつけても、彼は知らん顔で一足早く屋上扉前に到着し、
後ろにいる憮然とした表情のしげみも見ずに、屋上にスッと出て行った。
853アカギ×しげみ(5/4編)70:2006/06/10(土) 23:48:46 ID:???
 屋上は月明かりに照らされ、爽やかなそよ風が吹き、頬を撫でていく。
 しげみは扉を開け、うつむきながら、屋上に一歩足を踏み入れた。
 「…いい星空だ…雲もなくなってきたな」
 しげみの到着を待っていたかのように、アカギはのんきにつぶやき、
しげみに背を向けたまま、たばこに火を付け、夜空を見上げながら一服している。
 しげみは顔を上げ、アカギの側にゆっくりと歩み寄る。
そして、まっすぐ伸びているアカギの左腕をそっとつかむと、
自らの両腕をスッと絡ませた。
 突然のできごとに、アカギはくわえていたタバコを取り落とし、
驚いた様子で、近くに退いたしげみを見た。
 「なんだいきなり」
 アカギはしげみを一瞥し、下に落ちたタバコを靴で踏んで消すと、
おぼつかない手つきで、新たなタバコを取り出し、火を付けた。
 しげみがアカギの横顔を目で追ったとたん、彼はむせて咳き込んだ。
 「あらら……フイルターに火を付けちゃってだいじょうぶ?
………くわえるところが逆だったわね……残念」
しげみはくっくっくっ…と笑った。
 アカギは、すぐ側で微笑みながら立つしげみを横目で見、
タバコを下に落とし、踏みつけた。
 しげみは、ふっと無表情になり、目を伏せてつぶやいた。
 「……本当に呆れちゃった…
…………あなたの考えていることがよく分からない……怒る気力も失せたの」
 アカギは、両手をジーパンのポケットに突っ込み、
厳しい表情で、黙ってしげみを見つめている。
 しげみは続けた。
 「赤木さんのほうは今…、なんだかあたしをからかう気力が失せてるようだけど…
………どうして?……あたしが、おたおたしてないから?」
854アカギ×しげみ(5/4編)71:2006/06/10(土) 23:51:56 ID:???
 アカギは、新たなタバコに火を付け、鋭い目付きでしげみの姿を見ながら、
タバコに指を添え、煙を吸い込む。
 しげみはそれでも、見開いた目をアカギの姿から逸らさず、さらに続けた。
 「……赤木さんはあたしと、何の目的でここに来たの…?
……ここまであたしを強引に引っぱって来て、何をしたかったの…?
……あたしに、どぎつい皮肉を言いたかった…?それとも……」
 しげみは、片唇の端を吊り上げた。
 「…………お得意の思わせぶりをしたかった…?
……まゆみと美香のことが、気になって、気になって、しょうがないあたしを…
……おたおたしているあたしを見て…楽しみたかった…?」
 アカギはタバコを下に落とすと、ポケットに両手を突っ込み、しげみに近づいた。
 アカギに真っ正面に立たれ、しげみはさすがに表情を硬くした。
 口元に微笑を浮かべながらも、鋭い目でしげみを見下ろすアカギは、
気怠くこう言った。
 「……あなたの考えていることが分からない…か…
……いろんなヤツに言われ過ぎて…もう慣れたな…そんなことは」
 そして、ポケットから両手を抜き取ると、そっと、正面にいるしげみの両肩を
包み込むように抱いた。
 しげみは一瞬ビクリとしたが、両手掌をアカギの胸に置いて、身体を硬くした。
 彼の身体の温もりと、染みついたタバコの匂い、
心臓の鼓動が、しげみの両手掌に伝わってくる。
 「…特に…特別な理由はないのさ……ただ…」
 さらにアカギの両腕に力がこもる。しげみは右足のブーツを、足で振り捨てた
 「…通し一味がまだこない合間に…
………きれいな服を着ているあんたと……星を見ようと思っ……」
 アカギのつぶやきが、唐突に途切れた。

――――ドスン!

「それから…どうするの?」しげみの無邪気な問いが、屋上にこだました。
855アカギ×しげみ(5/4編)72:2006/06/10(土) 23:53:56 ID:???
 「『なんちゃって巴投げ』よ!………こんなに上手くいくとは思わなかったけど。
…ビックリした…?……ごめんなさいね本当に。
………いい星空ねっ…!ふふふ…
…この言葉が聞きたかったんでしょう?……あたしの口から、……ねぇ、赤木さん」

 しげみは、ペタンとアスファルトに座り込み、銀髪を夜風に踊らせながら、
澄んだ瞳でアカギに微笑んだ。
 「ああ…すっきりしたっ…!!」

 アカギは仰向けになったまま、しげみのすぐ後ろのほうで呆然としていた。
 「………このお転婆め……いてて…」

 そのとき、屋上扉の向こうから、がやがやと人の話し声が聞こえてきた。
しげみと、上半身をやっと起こしたアカギは、その方向を見た。

(続く)
856アカギ×しげみ(5/4編):2006/06/10(土) 23:59:34 ID:???
…もうスレも、終わりに近いんですね…
このSSも、スレの終わりと共に一段落したいとこですが
まだかかりそうです

ウザイかもしれませんが
自分の萌えに、もうしばらくおつき合い下さいノシ
857マロン名無しさん:2006/06/11(日) 01:29:13 ID:???
とりあえず、次スレのためのテンプレ貼っておきますよ(スレタイは仮称)
修正あればヨロ
-------------------------------------------------------------

【妄想】福本作品でラブコメっ…!2【歓迎】


一切の妥協を許さない息をもつかせぬような恋の駆け引き……!
まさに命を賭けたラブでコメが見たいっ…!

 福本伸行作品(カイジ・アカギ・天・銀と金等)で
 ラブコメが見たいっ…!という人のためのパロディスレです。
 女体化妄想だってウェルカム…! 受け付けない人はご注意を。
 小説投下、妄想歓迎。なお女体ネタを披露する際は注意書きを入れること。

野暮は言いっこなし…萌えればいい…ただ…!


前スレ:
【妄想】福本作品でラブコメっ…!【歓迎】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1146758670/
スレ1:
【福本先生はラブコメを描くべき!】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1139238446/

ラブコメ保管庫
ttp://lovecome.web.fc2.com/index.html
858マロン名無しさん:2006/06/11(日) 01:32:43 ID:???
>>857
おおGJ!
もう実質3スレ目かー。早いな。
859マロン名無しさん:2006/06/11(日) 01:55:43 ID:???
すごい速さwwww
860マロン名無しさん:2006/06/11(日) 02:15:17 ID:???
新スレでも職人さんいっぱい来ますように…!
861マロン名無しさん:2006/06/11(日) 06:48:54 ID:???
>>851-855
きた!久々のしげみちゃん
いつもGJ!
>>857
GJ!そのテンプレでいいとオモ
862マロン名無しさん:2006/06/11(日) 06:53:29 ID:???
現在470KB。そろそろ立ててみる。立ったら誘導入れます。
863マロン名無しさん:2006/06/11(日) 06:58:40 ID:???
カイジ君おまたせっ……!
そういえばここって即死判定どれくらいだっけ

【妄想】福本作品でラブコメっ…!2【歓迎】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1149976539/
864マロン名無しさん:2006/06/11(日) 07:04:56 ID:???
>863
おお!早速
仕事テラハヤシスGJ!
865マロン名無しさん:2006/06/11(日) 23:47:09 ID:???
埋めついでにラブひなパロ
http://www.vipper.org/vip274035.png.html
↑誕生日プレゼントと一緒に拾ったパンツをアカギに渡されるおさめ
http://www.vipper.org/vip274036.png.html
↑温泉入浴中の衣和緒
866マロン名無しさん:2006/06/12(月) 00:41:27 ID:???
404…!?なぜ…orz
867マロン名無しさん:2006/06/12(月) 06:35:36 ID:???
>865
漏れも見れなかった
衣和緒…っ!orz
868マロン名無しさん:2006/06/12(月) 07:51:11 ID:???
さ…再うpを…是非…!
869マロン名無しさん:2006/06/12(月) 17:57:18 ID:???
うp、ぜひともお願いします
衣和緒のお風呂シーン・・・!
870マロン名無しさん:2006/06/12(月) 19:45:50 ID:???
871マロン名無しさん:2006/06/12(月) 20:07:46 ID:???
じ〜ん・・・>>870くん、やさし〜
872マロン名無しさん:2006/06/12(月) 20:54:18 ID:BTyjqoyu
>870
GJ!やさしいおじさん!
モエス!
873女体です。衣和緒とアカギ1:2006/06/13(火) 09:11:59 ID:???
埋めがてら小ネタでも。
________________________________________________________________

 鷲巣麻雀では、全ての牌はいったん卓中央の穴に収められる。
 そして穴のふちに手で触れると、洗牌が自動的に行われる仕組み――。

「さて……じゃあ行くか、洗牌」
 卓の上へと手を伸ばす赤木。
(ぴとっ…)

「あれ……ククク…おかしいな、動く気配がない……」
(なで…なで…)

「あ か ぎ く ん」

 血気に顔を染め、怒りに震えながら、鷲巣がゆっくりと口を開く。
874女体です。衣和緒とアカギ2:2006/06/13(火) 09:12:44 ID:???

「今、お前が触っているのは……わしの手っ……!
 当然じゃろうっ……動かなくてっ……!」

「おっと、悪い悪い。近くにあったからつい間違えちまった。
 ククク……ククク……!」

 大人しく腕を引っ込めるものの、
 楽しくてたまらないといった様子で赤木は笑い続ける。

「ぐっ……!」
「よせ、もう笑うな…! アカギ…!」

 鷲巣の表情に今にも爆発せんばかりの剣呑なものを感じ、
 安岡は慌ててアカギを止めに入る。
 そんな光景を後ろから見つめ、冷や汗をにじませる仰木。

(見誤った……! ……地獄行き…!
 このままじゃこの凶人に引きずられ、俺まで地獄行き……!)

 煙草を持つ手の肩から先に、ひどく冷たい予感が流れていた――。
875マロン名無しさん:2006/06/13(火) 12:35:36 ID:???
バロスwww赤木セクハラしすぎwww
876マロン名無しさん:2006/06/13(火) 12:36:44 ID:???
狂人…狂人…狂人…めがwwww
テラワロス
877マロン名無しさん:2006/06/14(水) 01:40:40 ID:???
「ラブレターは確かにもらったっ・・・!
 だが返事の時間と場所は指定されてない・・・!
 つまり私がその気になれば・・・10年・・・20年後での返事も
 可能・・・ということ・・・!」
878マロン名無しさん:2006/06/14(水) 02:39:04 ID:???
ざわ…ざわ…
879マロン名無しさん:2006/06/14(水) 09:09:15 ID:MQkkTrpE
あの国のあの法則を忌避する護法術
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1149787691/

情報提供のご協力をお願いいたします。皆様のご協力が絶対に必要なのです。


関連スレ
あの国のあの法則★Part49
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/korea/1150212535/
880アカギ×しげみ(5/4編)73:2006/06/14(水) 13:18:50 ID:???
>>851-855レスを埋めるれす。続き投下。

 しげみは…。

…………この雀荘で、初めて出会ったばかりなのにもかかわらず、
今まで自分を振り回し、悶々とさせてきた複雑怪奇なアカギに、
『なんちゃって巴投げ』で、一矢報いた事により、
爽快感と、なにやら自分でも分からない、満足感に浸っていたのだが…。

 「そら……通し一味のお出ましだ」
 アスファルトに両足を投げ出したまま、アカギは笑った。
 ギィー…と、鋼鉄製の扉がゆっくりと動き、まず美香が顔を出した。
続いて木村、最後に硬い表情のまゆみが屋上に足を踏み入れた。
 「しげみ…ちょっと話がある」
 まゆみが両腕を組み、怖い顔で、座り込んだままのしげみを見下ろしている。
 他の連中は、しげみに声をかけることもなく、そそくさと屋上から立ち去った。
 アカギはというと…、
しげみのほうを振り返りもせず、最後に扉を開けて出ていった。
…美香と手をつないで。…美香と手をつないで。…美香と手をつないで。
 鋼鉄製の扉が、ゆっくりと閉まっていく。

 (……あああ?………およよよよよよよよ………?)
 ただ、呆然と固まるしげみ。
………しげみの爽快感、そして満足感は、海の泡粒のように儚く消え去った…。

 しげみは締まらない顔をしながら、ゆらりと立ち上がった。
 視界がぐにゃりと曲がる。
 (…な…なに?…今の…、何?…
………なんであいつ、美香ちゃんと手をつないでいるんだ?
……しかもこの上なくナチュラルに…っ!
………見間違い?……………でも…確かだぞ…確かに…)
不意に、すぐ側で声がした。「…この」
881アカギ×しげみ(5/4編)74:2006/06/14(水) 13:22:52 ID:???
 バチン!
 左頬に鋭い痺れが走り、しげみは我に返った。
 目の前にまゆみの顔がある。その顔は、般若の面のように歪んでいる。
 「あんた!…いったい、何をしでかしたのよ…!」
しげみは、まゆみに詰め寄られ、彼女に胸ぐらをつかまれた。
 先ほどのショックも手伝い、しげみの心中は、やるせない怒りで満ちている。
思わずしげみは、まゆみの目を挑発的に見返した。
 「ふん…!なにって…」
 しげみは、自分の胸ぐらをつかむ、まゆみの手を引き剥がし、
強く手首を握り、彼女のほうに押しやった。
そして、よろけるまゆみを見ながら、暗く光る目でニヤリと笑った。
 「……三好を…半殺しにしてやった」
 まゆみの顔から、血の気が引いた。……身体が小刻みに震えている。
 「あんた…なんて事を……!」
 しげみは無感動に、自分に背を向け、言葉を振り絞るまゆみを見つめていた。
 「三好から連絡があった!……ここには…もう戻ってこないと言っていたわ…そして…
……そして私たちに『通し』を使って今日中に…五十万かき集めろと言ってきた…!」
 しげみは、片唇を持ち上げ、鼻で笑った。
 「…ふん、……三好のヤツ見栄張っちゃって。
……戻らないじゃなくて、正確には……戻ってこられない、でしょうが…!
……そうだろうなぁ、自分が、チビガキ、チビガキ…って、バカにしてた相手に、
……半殺しにされたなんて、言えないよなぁ、特にヤーさんとしての立場上…」
 そこまで言いかけ、しげみはハッとして叫んだ。
 「……えっ!……ご…五十万…!?」
 屋上の柵につかまり、しげみに背を向けて立つまゆみの髪が、屋上の風に煽られる。
 「……ふふふ………五十万よ…
…………ねぇ……五十万も掻き集められると思う…?しかも今夜中によ…?
………無理よね……でも…やらなきゃ…やらなきゃ、私達全員…」
 しげみは、そこまで言いかけ口をつぐむまゆみの様子から、
まゆみを取り巻く状況が、一気に悪化してしまったことを知った。
882アカギ×しげみ(5/4編)75:2006/06/14(水) 13:25:51 ID:???
 雀荘に戻ったしげみとまゆみは、未使用の卓の上に山盛りにされた菓子を前にして、
黙ってうなだれていた。
 まゆみは、好きなタバコも吸わず、顔面蒼白。
 しげみは、三好に対する怒りが込み上げ、両手拳を強く握り締めた。
 (強者に負けた弱者は、さらに自分よりも弱者に、怒りの矛先を向けたがるもの…)
 しげみは下唇を噛んだ。
 (くそっ…!そうだった。あたしは大バカだ!思慮が足りなかった…。
…三好が、そういうことを恥も臆面もなくやる種類の男だってことは、
今までの、ヤツの行動を冷静に見ていれば、分かることだったのに…!
三好のヤツ!…あたしに腹の中を見抜かれ、それを皆の前でばらされたものだから、
あたしをこの賭場から追い出そうとした。
…それがうまく行かず、返り討ちにあったものだから、
今度は、即、配下であるまゆみ達に無理難題を押しつけ、八つ当たりを始めた。
……いや、八つ当たりぐらいならまだいい。
これを機会に、まゆみ達を見限る腹かもしれない。
この無理難題を達成できなかった事を理由にし、
まゆみ、美香ちゃん、沙織ちゃんの三人全員に、多大な代償を背負わせて……)
 しげみは深くうなだれ、両手で前髪を掻き上げるようにして、頭を抱えた。
 (あたしの行動は…間違っていたのか…!?)
 「…とにかく…レート…レートを上げなくっちゃ…」
青白い顔をし、自らの顔前で両手掌を組んでいた、まゆみがつぶやいた。
 「…デカピンなんかどうかしら…それでも足りない場合は…
…………私達の預貯金掻き集めて補ってしまえば、なんとかなる…かも」
 しげみは目を剥き、まゆみの肩を揺すった。
 「そんなんで取り繕ったって何の意味もない…!
……まだ、三好に媚び続けるつもり!?…こんな思いさせられて、まだ懲りないのか…!」
まゆみは答えず、鋭い視線をしげみにぶつけるのみである。
 (…だめだ……あたし自身の行動を悔やむ以前に…、まゆみに、
……『通し』を止めたい……『通し』なんて二度とごめんだ…
…と、いう思いを抱かせないと、この問題は解決しない……いったいどうすれば…!)
(続く)
883アカギ×しげみ(5/4編):2006/06/14(水) 13:28:00 ID:???
とにかく…限度いっぱいまで行く!
884マロン名無しさん:2006/06/14(水) 19:22:37 ID:???
>>877
とかなんとか吉岡本に言いつつも、お見合い話を
一蹴する衣和緒を妄想

岡本、ずっと一緒に居てくれるわよね・・・
885マロン名無しさん:2006/06/14(水) 19:28:45 ID:???
>884
萌えさせてくれや!
おまいの妄想で!!
886衣和緒×吉岡本1/4:2006/06/15(木) 00:35:57 ID:???
>>877さんと>>884さんに萌えた!僭越ですが投下させていただきます
※女体化注意
※877さんのセリフをそのまま使用してしまいました
 事後承諾となってしまいましたが、どうかご勘弁を

 「吉岡本はいるか?…呼んでこい…今すぐにだ…!」
 鷲巣衣和緒は、ステッキをビッと振り、鈴木の喉元に突きつけた。
 「はっ…!鷲巣お嬢様!」
 白服の鈴木が、慌ただしく衣和緒の書斎から走り出て行った。
 衣和緒は、書斎机に座り、頬杖を付き、眉の片方を不自然に引きつらせ、
ベージュ色の台紙と、それに一緒に添えられていた写真一枚、手紙を、
盛んに見くらべては、目をぎらつかせ、美しい顔を台無しにしていた。
 いつもは青白い顔色の衣和緒だが、込み上げる怒りのため、
頬が真っ赤に変色している。
 「吉岡本入ります…!」
 ドアを開け、吉岡本が書斎に入室するなり、『気をつけ』の姿勢を取る。
 衣和緒は、つかつかと吉岡本に歩み寄ると、ステッキで吉岡本の頭めがけ、
一発殴った。
 「…遅いわ!ちゃっちゃと来んか…!」
 「はっ…!申し訳ございません…鷲巣お嬢様…!」
 吉岡本は、頭からこめかみにかけて一筋の血を流しながら、直立不動で答えた。
 「…何だこれは!この見合い話は断れと貴様に命じたはず…!
それが…、またスナップ写真と…手紙まで付け加えてきおって…
貴様…!きちんと先方には、断りを入れてあるのだろうな…!?」
 衣和緒は、まなじりを吊り上げ、吉岡本に向かってステッキを突きつけた。
887衣和緒×吉岡本2/4:2006/06/15(木) 00:38:33 ID:???
 「はい!もちろんです。鷲巣様…」
 吉岡本は、冷や汗をかき、苦笑いをしながらさらに付け加えた。
 「…衣和緒お嬢様が、あまりにお美しいので…
………先方も諦めきれないのでしょう…」
 衣和緒は鼻で笑った。
 「…ふふん、なるほど………吉岡本…それでは無理もなかろう…」
 衣和緒は少し機嫌を直したようで、書斎机に座ると、吉岡本を手招きした。
吉岡本が急いで向かうと、机上に手紙が広げて置いてある。
 「…これは何だと思うかね?…吉岡本」
 衣和緒は、机に頬杖を付いたままクスリと笑い、
その手紙の上で人差し指をコツコツと弾いた。
 「はっ!ど、どちらかといえば…恋文…今風に言えばラブレター…かと」
 衣和緒はニヤリと笑うと、流し目をして吉岡本を見た。
 「ラブレターは確かにもらった…!
だが返事の時間と場所は指定されてない…!
つまり私がその気になれば…十年…二十年後での返事も
可能…ということ…!」
 吉岡本は、手紙だけでなく、机上のスナップ写真も覗き見た。
 「…と、言うわけで、……今は返事をする気はない…
……そのように先方に伝えておけ」
 衣和緒はクールに言い放ち、吉岡本を見た。
888衣和緒×吉岡本3/4:2006/06/15(木) 00:40:38 ID:???
 「ぷ…クククク…」
 吉岡本は吹き出していた。
 スナップ写真には、半裸で頭にネクタイを巻いた小太りの男が、
カラオケマイクにしゃぶりつかんばかりにして歌う様子が写っていた。
 「貴様…!何がおかしい…!こいつ、こいつめ…!」
 衣和緒は、顔を真っ赤にして怒り、
吉岡本を、ステッキで何度も何度も殴りつけた。
 「も…申し訳ございません…!鷲巣様…!はうっ!」


 吉岡本が煎れたコーヒーを飲み、すっかり機嫌が直った衣和緒は、
彼に微笑みかけた。
 「さっきは悪かったな……吉岡本」
 「い、いえ、…そんな…鷲巣様」
 吉岡本は、顔面に幾筋もの血糊を付け、
衣和緒のコーヒーカップに、コーヒーのおかわりを注いでいた。
 「…もしも私が嫁ぐことがあるならば…、
…………貴様だけ特別にお供することを許すぞ」
 ふふふ…と笑いながら、衣和緒は、そっと頬を赤く染めた。
 衣和緒のそんな様子や心中を、吉岡本は知らない。
(終わり)
889衣和緒×吉岡本4/4:2006/06/15(木) 00:42:34 ID:???
…自分も衣和緒様に
ステッキで叩かれたいです
890マロン名無しさん:2006/06/15(木) 05:03:20 ID:???
普通に「吉岡本」って呼ばれててワロスw
891安岡×女体化平山(ゆきみ):2006/06/16(金) 05:06:53 ID:???
小ネタ投下。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

喫茶店の席で向き合う、ゆきみと安岡。

平「な…なに……? 改まって話があるだなんて……(ドキドキ…)」
安「……ゆきみ。俺たちが付き合い始めてから、随分経ったよな」
平「えっ…?」
安「一緒に麻雀もやったし……お前のことなら俺はよく分かってるつもりだ」
平「う…うん……」(…安岡さん……何を言い出すつもりなの……)
安「……実は…お前を紹介したいんだ」
平「しょ、紹介っ…?」(紹介……ご両親に…!? これってプロポーズじゃ…!)
安「一緒に来てくれるか…?」
平「…………(頷く)」

・・・・・・

平「…………。安岡さん…なに? この異様に立派で巨大で
  門前を黒服+サングラス姿の同じような顔した連中が固めてる邸宅は…」
安「何って……組だろ」
平「くっ…組!? な、なんで私がヤ○○なんかに連れてこられるの…!?」
安「だから、紹介するんだよ。ここの組長に。お前を3ヶ月2千万で貸し出す予定だ」
平「え……ええぇぇっ!? 紹介って…そういうことっ…?
  聞いてないっ…! 私はそんなこと全然聞いてないっ……!」
安「ここまで来てナニ言ってんだ。そら、行くぞっ…!」
平「ああああ!!! 安岡さんのバカああぁぁぁ!!!!」

その後、安岡の後ろでカタカタと震えて縮こまる平山を見た組長は、
『代打ち・アカギ』のレンタルを二つ返事で申し込んだという……。
892マロン名無しさん:2006/06/16(金) 06:59:39 ID:???
薄幸モエスwww!
893マロン名無しさん:2006/06/16(金) 12:50:08 ID:???
ゆきみ(´・ω・)カワイソス
安岡は相変わらずとっぽいなっ…!
894赤木家の食卓1/2:2006/06/16(金) 14:51:31 ID:???
>>771 続けてみたっ・・・


大皿の上に盛られた大量のしゅうまいは、ほこほこと美味しそうな湯気を立てている。

だが──その湯気は、今の涯子にはまるで邪悪な瘴気のように感じられた。
そう・・・さきほどの、赤木しげみの一言によって。

     ──この中に一つ、鬼・・・激辛のものが混じっている──

(バカなっ…!ロシアンしゅうまいだって・・・!?馬鹿げている・・・
そんなことして一体何の意味があるっていうんだっ・・・!ていうか食べ物で遊ぶなっ・・・!)

涯子がざわざわとそんな事を考えていると、隣に座った赤木家次男、シゲルが
早速一個目を飲み込み、からかいを含んだ口調で話しかけてきた。
「クク・・・どうしたハテコ・・・しゅうまいは嫌いか・・・・・?」
「ハテコって呼ぶなっ・・・!嫌いとか好きとかの問題じゃないだろっ・・・・・!」
「普段は粋がってるくせに、案外度胸がないんだな・・・・・・クククク・・・・」
「くっ・・・!食べないとは誰も言ってないっ・・・!いただきます・・・!」

覚悟を決め箸を掴み、しゅうまいを一個口に入れる涯子。
細かく刻まれたネギや椎茸、挽肉の旨味が口中に広がる。更には、ぷりっとした海老の食感。
「・・・・・・・・・・・・お、おいしい」
思わずそう言うと、作り手である長女、しげみはくすりと嬉しそうに笑った。
「そう・・・?どうやら『はずれ』だったみたいね・・・口に合ってよかったわ・・フフ・・・・」
895赤木家の食卓2/2:2006/06/16(金) 14:52:13 ID:???
「しかし、しげみよ・・・・」
しゅうまいをつまみにビールを旨そうに飲んでいる父茂が、娘に意外そうに言う。
「単なる激辛が『当たり』だとは…お前にしては随分甘いじゃねえか…?」
それを受けて、長男しげるも続けた。
「そうだな…普段は、無免のフグ刺しとかなのにな…ククク…」

「ぶっ・・・・!」
そののほほんとした不穏な会話に、涯子は危うく口に入れたものを吹き出しそうになる。
(ど・・・・どういう家庭だっ・・・・!)

「さすがにお客様にそこまでリスクは負わせられないわよ・・・それに私、ハテコさんが気に入ってるしね・・・」
「ああ、俺もハテコは嫌いじゃないぜ・・・小ぶりだが形はまあまあ合格点だった・・・・・フフ・・・」
「何の話だ、しげる・・・・・まあこの娘はいい眼をしてるし、俺もハテコちゃんは気に入ったぜ・・・・・・
それに、どうやら本当にシゲルとは単なるクラスメイトみたいだしな・・・フフ、悪かったなヘンな誤解して・・・」
「だってさ、よかったなハテコ」
「家族そろってハテコハテコ連呼すんなっ!」

そんな心温まる会話の間にも、未だ「当たり」をその内に抱えた大皿の上のしゅうまいは順調に減っていく。
そう、しゅうまいの全体数はいわば分母・・・それが減るにつれ、引く確率はどんどん上がっていく・・・・・

そして一体誰がその「鬼」を引き当てるのか────今はまだ、勝負の闇の中である。



続けてはみたけどこれがせいいっぱいだった
896マロン名無しさん:2006/06/16(金) 15:29:50 ID:???
>ていうか食べ物で遊ぶなっ・・・!
なんかこれがツボにはまった。良識的ツッコミっ……!
897マロン名無しさん:2006/06/16(金) 15:35:22 ID:???
ハテコ真面目だよハテコ

つかおっぱいの形までしっかり把握してる長男スゴスwww
898マロン名無しさん:2006/06/16(金) 15:48:29 ID:???
おっぱい鑑定団www
899マロン名無しさん:2006/06/16(金) 17:53:33 ID:???
前スレの最初の頃は、赤木はラブコメには向かんキャラだろうと思ってたんだが、
おっぱい星人は妙にイメージに合ってて受け入れてしまうw
900マロン名無しさん:2006/06/16(金) 19:59:29 ID:???
女の娘の背中をポンと叩いてブラのホックを外す悪戯とか得意そうだよなw
まさに究静極技。

けどなんとなくハテコはノーブラかスポブラ派な気がするんだ、俺…
901マロン名無しさん:2006/06/16(金) 22:06:19 ID:???
俺・・・とか言わなければ何も思わないのに
902マロン名無しさん:2006/06/16(金) 23:35:58 ID:???
男は入っちゃダメ?
903マロン名無しさん:2006/06/16(金) 23:39:07 ID:???
んなこたぁない
904マロン名無しさん:2006/06/17(土) 00:53:05 ID:???
俺女発見!きんもっー☆ってことだよ
>>900 見たいに書くと、そうじゃなくても、まず認定されちゃうよ
俺・・・有りと無しじゃ随分印象が違うよ
905マロン名無しさん:2006/06/17(土) 01:23:44 ID:???
ふーん
906マロン名無しさん:2006/06/17(土) 01:24:51 ID:???
レスが900超えたから
むしろ小ネタを投下したほうがいいのかなと言ってみるテスト

|ω・`)
907平成赤木家 父の日:2006/06/17(土) 02:37:19 ID:???
…んじゃ、小ネタを一発

テレビのお笑い番組を見ながら、ちゃぶ台を囲み、夕飯を食べる赤木家一同。

茂 「…あ――――――っ!今夜も酒が五臓六腑に染み渡る……ぷっ…ククク…」
しげる 「…」
しげみ 「…」
シゲル 「…」
しげる 「……なぁ…『鉄拳』出ないかな…『鉄拳』…ククク…」
しげみ 「…そんなの知らない………ひじき…残さず食べてよね…」
シゲル 「…クク…じゃ俺、豆だけ食べる…」
しげみ 「…だめ!…ひじきも一緒に食べなさい…!」
茂 「…ところで………今日は何の日か知ってるか?……クク…」
しげみ 「…そんなの知らない…!
    ……ひじき…残さず食べてよね…父さんもよ…
    ちょっと!ひじき食べてから席立ってよっ…!お父さん…!」

――――ガラガラガラ……ピシャ!

しげみ 「…」
しげる 「…」
シゲル 「…なんだろうね…父さん…………いつになく悲しそうだったぜ」
908マロン名無しさん:2006/06/17(土) 08:29:26 ID:???
父の日かwカワイソスww
909マロン名無しさん:2006/06/17(土) 08:38:36 ID:???
しげみなぜひじきにこだわるww
910マロン名無しさん:2006/06/17(土) 10:19:24 ID:???
父…(つд`)
911マロン名無しさん:2006/06/17(土) 11:15:34 ID:???
究極技を拝借して小ネタ

長男「おっと悪いな…」
長女「!! …兄貴、ブラのホック外したわね…さりげなく…!」
長男「クク…最近やってなかったから腕がなまったな…」
次男「あ、オレまだそれ出来ないんだよね…」
長女「出来なくていいわよ…出来なくて…!」
次男「ねえちゃんちょっと練習台に」
長女「断るっ…!」
長男「シゲル、ハテコがいるだろ…」
次男「…あいつスポブラだから無理…衣和緒さんならちゃんとしたのしてるかな…なんてね…」
長男「……衣和緒はブラするほどまだ胸が無い」
次男「…」
長女「…」
長男「…」
次男「…なんていうか、ごめん」
912マロン名無しさん:2006/06/17(土) 11:34:03 ID:???
長男、微乳でもオケ?
なんか極めてるなww究極のおっぱい星人(*゚Д゚)
913マロン名無しさん:2006/06/17(土) 14:08:54 ID:???
次男、なんでハテコがスポーツブラだと知ってるんだw
914マロン名無しさん:2006/06/17(土) 14:20:54 ID:???
ハテコの背中をポンと叩いてホック外そうとして、スポブラな事に気がついてがっかり、とか?w

次男「なあハテコ、たまにはちゃんとしたブラ着けたら…?」
ハテコ 「はあっ……!?な、何でお前にそんな事言われなきゃならないんだっ…!」
次男「だって『外す愉しみ』ってものがないじゃん……」
ハテコ 「なっ…!?(赤面)」

次男「ククク…何真っ赤になってんの…?ひょっとしてなんかヘンな誤解した…?」
ハテコ 「……………ぶっ殺すっ!!!」

そしてまた始まるいつもの追いかけっこ、みたいなのを妄想したっ…!
915マロン名無しさん:2006/06/17(土) 16:31:16 ID:???
ラブコメだwww
スカートめくりならハテコにもできるんじゃないか?
916マロン名無しさん:2006/06/17(土) 17:53:31 ID:???
>>915 みたいな事をシゲルに入れ知恵するしげる(後でしげみに殴られる)
917マロン名無しさん:2006/06/17(土) 18:30:29 ID:???
>916
鬼畜しげるモエス!
918マロン名無しさん:2006/06/17(土) 19:09:08 ID:???
赤木家はやっぱ最高だな
919マロン名無しさん:2006/06/17(土) 19:14:12 ID:???
鬼畜しげるイイ!!!
めくられてしまえハテコwww

保管庫管理人様、更新お疲れ様です!!
920マロン名無しさん:2006/06/17(土) 19:45:20 ID:???
しげる「ククク・・・」
ヒラリッ 
究極静技・・・しげるのスカートめくりっ・・・!
ハテコ「うわっ・・・!?風っ・・・!?」
しげる「・・・!」
がっ・・・!駄目・・・!
スパッツっ・・・!あのパンツ隠しがもぎとってしまった・・・!
しげるの未来・・・希望・・・エネルギーをっ・・・!
しげる「・・・・う・・・」ゆら・・・
ハテコ「何・・・!?何いきなり倒れてんのっ・・・!?」
921マロン名無しさん:2006/06/17(土) 20:01:21 ID:???
>>920
禿げるほどワロタ
さすがシゲル…命を賭したスカートめくり……!
922マロン名無しさん:2006/06/17(土) 21:28:27 ID:???
あ、赤木ーーーー!!
923マロン名無しさん:2006/06/17(土) 21:57:24 ID:???
容量いっぱいになる前に1000行きそうな予感w

しかし赤木家族は小ネタに向いてるなー
924マロン名無しさん:2006/06/17(土) 22:51:45 ID:???
乙牌伝説しげる
925マロン名無しさん:2006/06/17(土) 22:59:36 ID:???
>>924
誰がうまいこと言えと(ry
926マロン名無しさん:2006/06/17(土) 23:02:50 ID:???
あまりにもボインボインなので伝説視されてるのかあるいはその逆なのか
927マロン名無しさん:2006/06/18(日) 15:46:55 ID:???
しげるが…ボインボイン……?(ざわ…)
928マロン名無しさん:2006/06/18(日) 19:56:23 ID:???
本人かよw
929マロン名無しさん:2006/06/19(月) 18:40:08 ID:???
室井滋の例もあるし、しげるで女も有りなんじゃないかい
930マロン名無しさん:2006/06/19(月) 20:23:04 ID:jqA/1U7c
一旦あげる
931マロン名無しさん:2006/06/19(月) 22:11:07 ID:???
衣和緒に萌えて仕方が無いよ
932マロン名無しさん:2006/06/19(月) 22:16:09 ID:???
赤木家族長男編の続きを心待ちにしている俺ガイル
933マロン名無しさん:2006/06/20(火) 06:43:19 ID:???
赤木 族長

だけ目に入ってしまったぜ
934マロン名無しさん:2006/06/20(火) 07:09:57 ID:???
>933

赤木族長モエス!
アカギ、暴走族の総長になったらとふと妄想
ぜんぜんラブ米じゃねーし!
935マロン名無しさん:2006/06/20(火) 08:53:24 ID:???
>932
ここにもいる…!
つかもう赤木家族は全体的に萌え



>934
族長と衣和緒お嬢様とのラブコメもよし…!
936マロン名無しさん:2006/06/20(火) 10:12:38 ID:???
>935
「アカギ愛と誠」ハゲモエス!
総長アカギと衣和緒お嬢様が恋に落ち
後ろから衣和緒お嬢様を見守る吉岡本
「お嬢様のためなら死ねます!!」
937マロン名無しさん:2006/06/20(火) 14:36:38 ID:???
アパッチ族とかモヒカン族とかかと思った>赤木 族長
938マロン名無しさん:2006/06/21(水) 00:09:55 ID:???
森田×熟女銀さんもありだと最近思った。
939マロン名無しさん:2006/06/21(水) 00:13:13 ID:???
蔵前にまけたら頭脳になるだけでなく
全裸で檻に入れられて、監視されてしまう熟女銀さんモエス
940マロン名無しさん:2006/06/21(水) 01:23:31 ID:???
スレンダー系熟女なイメージ>銀さん
941マロン名無しさん:2006/06/21(水) 01:55:56 ID:???
>>938
ちょっ・・・地下に落とされてもいいから見たい!!
942マロン名無しさん:2006/06/21(水) 15:52:00 ID:???
原田とかひろのニョタ変換図は想像できるんだけど、
天の女体化像だけはどうしても頭に浮かんでこない。
943マロン名無しさん:2006/06/21(水) 16:15:21 ID:???
そこでガッツですよ。18歳未満の住人は検索しないように
944マロン名無しさん:2006/06/21(水) 16:24:19 ID:???
天は嫁がふたりも居るしこれでもかってくらい男くさいもんなあ
でもオネエ言葉は素で似合うと思うw

それより沢田さん女体化はどうだ…?
945マロン名無しさん:2006/06/21(水) 17:14:41 ID:???
粋な年増がポン刀担いでいるのを想像しました。イカスっ…!>沢田さん女体化
946マロン名無しさん:2006/06/21(水) 19:55:21 ID:???
「東映のように生きたいと思ってるのよ…」
うっとりしちゃうひろ(素人娘)
947マロン名無しさん:2006/06/21(水) 20:24:09 ID:???
スール関係の沢田さんとひろ萌えす
948マロン名無しさん:2006/06/21(水) 20:29:06 ID:???
>940
由美かおるみたいなのキボン
949マロン名無しさん:2006/06/21(水) 20:46:47 ID:???
沢田さんは美しそうだ
黒沢も一応女体化に成功したが、天は・・w
950マロン名無しさん:2006/06/22(木) 03:08:28 ID:???
>943先生!
ガッツの女体は想像出来るのに、天の女体は想像出来ませんorz
951マロン名無しさん:2006/06/22(木) 11:38:28 ID:???
>>943
そういや「ガッツ」のヒロインて「タカさん」っつー名前だったよね。
952マロン名無しさん:2006/06/22(木) 14:50:30 ID:???
ガッツググったらこんなのあったwwwおっぱい注意
ttp://www.russel.co.jp/hp/adult/theguts_majan/theguts_majan.html
953マロン名無しさん:2006/06/22(木) 23:10:29 ID:???
・・・タッタ今、天ノ女性化ニセイコウセリ。
954マロン名無しさん:2006/06/22(木) 23:25:26 ID:???
>953
なんだとーーー!

天は想像しようとするときっぷのいいオカマさんしか思い浮かびません
955マロン名無しさん:2006/06/22(木) 23:46:07 ID:???
>>953
絵描きさんなら、ぜひ保管庫の絵掲にうpしてくれっ…!
烈しく見てみたいっ…!
956マロン名無しさん:2006/06/23(金) 02:22:00 ID:???
>953
おお、猛者が現れた!
箇条書きでいいから、貴公のイメージした女体天を、ここに記してくれ!
957953:2006/06/23(金) 08:05:02 ID:???
す、すまないっ・・・
当方「頭なんか(ry」の勢いで描いたものだから確個たるイメージが湧いてませんでした。ただ、

・何もかもがデカい
・普通に嫁がいそう

という感じはありました。
うpは日曜辺りにでも。
958マロン名無しさん:2006/06/24(土) 20:17:13 ID:???
それにしても衣和緒ものが欲しい・・・
959マロン名無しさん:2006/06/24(土) 21:06:51 ID:???
>958
何がほしいのだね
と聞いてみるテスト
960マロン名無しさん:2006/06/25(日) 18:29:47 ID:???
保管庫の絵板に女体天キターーーーーー!!!!!!!!!
961マロン名無しさん:2006/06/25(日) 19:15:12 ID:???
やべww傷のある美女って萌えるな
962マロン名無しさん:2006/06/25(日) 20:34:31 ID:???
ちゃんと女体化されてるwwすげw
963マロン名無しさん:2006/06/25(日) 22:47:10 ID:???
女体天を見て、さらに萌えの幅がひろがったw
ありがとう! 絵師さんたち!
964マロン名無しさん:2006/06/25(日) 23:24:32 ID:???
天の場合、女3人の百合夫婦(?)と、旦那2人の一妻多夫、
どっちが萌えかね。
965マロン名無しさん:2006/06/26(月) 00:05:35 ID:???
百合夫婦wwww
しかし天ほど器のでかい人物なら普通にありそうだ…

ひろ 「天さん家って女性三人暮らしなんですね。どういう関係なんですか?」
天(♀)「ああ、あれあたしの嫁さんたちだよ」
ひろ 「Σ(゚д゚|||)!?」
966マロン名無しさん:2006/06/26(月) 00:10:05 ID:???
>>964
旦那二人の方が萌える
967マロン名無しさん:2006/06/26(月) 15:43:46 ID:???
>>965
女でも女に惚れられそうな感じだね
968マロン名無しさん:2006/06/26(月) 19:14:36 ID:???
>>938
お前のせいでここ最近熟女銀さん妄想が止まらないわけだが
終いには黄門のお銀を見ても妄想する始末…
どうしてくれる、責任を取れ

熟女銀さんはきっとツンデレかクールデレだと思うんだ
大穴だとツンエロ…っ!大きく胸の開いた服を着ていても
見せるだけで、男には一切触らせない…!魔性の女…っ!
969マロン名無し:2006/06/27(火) 18:19:49 ID:???
>965
百合夫婦天ファミリーの隣に越してきたひろゆきならラブコメにならなくね?
970マロン名無しさん:2006/06/27(火) 18:56:23 ID:???
天(♀)は女も男も拘らない器のでかい人な気もするw
971マロン名無しさん:2006/06/29(木) 20:10:53 ID:???
ここも後30か‥
早いもんだw
972.
それより500KBに達しているという事実が