「!!」
ガサリと草が擦れる音。真名は近くに置いた拳銃を手に取る。
どうやら少し考え事をしている間に誰かの接近を許してしまったらしい。
(本当。まったく、私らしくない…)
だが、相手の正確な位置が分からぬ内に先に発砲するのは無駄弾を使う事であるし、迂闊な事だ。
それにそこに隠れている気配はふたつ。たとえ銃が一方に上手く当たり仕留められたとしても、もう一人に襲われる可能性がある。
そうなのだ。真名は"らしくない"ピンチだった。
一度かぶりを降って真名は叫ぶ。
「…誰だ!!」
こんな事で相手が姿を現すとは到底思えない。
とりあえず相手を声によって牽制しその動きから相手の位置を特定しようと、そう考えての事だった。
「ひゃぁい!」
だから、その草陰から声が返ってき、しかもその声の主がゆっくりと顔を出すなど真名にとっては全く予想外の出来事だった。
「……宮崎のどか」
真名は一人呟く。
そして、そののどかを遮る様に夕映が渋々と立ち上がる。その目は危険な奴に会ってしまったと言っていた。
正直言って真名は二人を顔を見て、少しの間呆れた。
【那波千鶴(出席番号21番)死亡 残り21人】
【龍宮真名(出席番号18番) 拳銃(コルト ガバメント(M1911))所持 ☆むっつ】
#33 リート(独歌曲)
「全く…、お前たちはこのゲームを舐めているのか」
真名は痛そうに頭を押さえた。
「別にそんなつもりは毛頭在りませんが…」
「そうか?そうは見えないがな…」
真名との会話が少しではあるが成立している時点でのどかは緊張感は少し緩まる。だが、夕映は真名がそんな甘い相手ではないと既に感じ取っていた。
「その千鶴さん……一体どうしたですか?」
夕映は真名に訊ねる。のどかはそこで初めて視線を落として真名の足元にクラスメートの死体がある事を確認しヒャッ、と悲鳴を上げる。そののどかを夕映は右手で押さえた。
「私が殺した。その理由も聞きたいか?」
「いえ、結構です…」
その言葉だけで十分だというように夕映は自身の拳銃を構える。
夕映は出来る事ならもう人を殺したくはなかった。だが、こいつも夏美と同じだ。のどかと自分の生命を守るためなら、もう一度人を殺す覚悟はあった。そう、夕映には確かにあった筈なのだ。
「――見逃して貰えませんか…」
「ク、ククク…」
夕映の問い詰めに突然、真名は笑い出す。一体何が可笑しいのか。銃を突きつけられ、笑う真名を夕映は奇怪なものを見る目で見つめる。
「――『見逃して貰えませんか』だと?普通、自分が銃を突きつける場合『見逃してあげます』だろう、が!」
「あ……」
瞬間、真名の左手の銃は夕映の方を向いている。咄嗟に反応出来なかった。
その真名の行動があまりに早過ぎて、真名が拳銃を構えた事すら理解出来ない。当然、それに思考が追いついて自分の指が掛けていた銃の引き金に力を込める事さえ適わない。
「――却下だな…」
冷徹な真名の声。所詮自分などが真名相手に早撃ちを挑むのが無謀なのか。夕映の肌に遅れて汗が噴出す。その時、夕映は目を瞑り自分とのどかの死を覚悟した。
「――逃げるでござるよ。夕映殿!のどか殿!」
声と同時に石つぶてが真名に飛ぶ。真名はそれを銃を横に傾け払う。木の上から人影が飛び降りる。
「長瀬さん!!」
それは長瀬楓(出席番号20番)。手には楓の武器の鉄扇を所有している。
「早く逃げるでござる!二人共!!」
「でも…」
言い淀むのどかを楓は黙って見る。片目を開けたその目は強い決意が潜む。のどかの手をとり、夕映は駆け出す。
「行きますよ、のどか」
「夕映っ…。でもッ…!」
「早くッ!」
そして、駆け出した夕映は結局一度も楓の方を振り返る事は無かった。そうして夕映達はその場を離れる。
そうさせまいと真名は片手で銃を挙げた。それを遮る様に楓は真名の前に立ち塞がる。
【綾瀬夕映(出席番号4番) 拳銃(ピースメーカー)、日記帳所持 ☆よっつ】
【龍宮真名(出席番号18番) 拳銃(コルト ガバメント(M1911))所持 ☆むっつ】
【長瀬楓(出席番号20番) 鉄扇所持 ☆みっつ】
【宮崎のどか(出席番号27番) 武器未所持 ☆よっつ】
#34 ボレロ(舞踏曲の一種)
「真名…。何故こんな事をするでござる!」
「何故?」
それを言いたいのはこちらだという様に真名は楓に視線を投げる。
「どうして邪魔をするんだ楓…。あの二人を殺しておけば星が十二個集まったというのに…」
「…な。正気でござるか!」
狼狽する楓に真名は冷静に笑って返す。
「――狂っているでござる。千鶴殿だけでは飽き足らず、あの二人もその手に掛けようとは…」
楓はそう言って顔を押さえた。
「なあ楓、私は正直お前とは戦いたくない。――お前は私の"大切な友人"だからな。今後一切邪魔をしないと言うなら逃がしてやってもいいぞ」
「邪魔をしない…。だが、お主を放っておけばお主はまた新たに人を殺すでござろう」
そうだろうな、と真名は何も考えず答えた。だがそれも全てクラスメイトの為なのだ。多少の犠牲は止む得ないと考える真名と少しの犠牲も認めない楓の主張は平行線を辿る。
「ここで引くわけには行かないでござるよ。ここで引けば犠牲者は増える一方でござる」
「交渉決裂か…」
楓と真名は共に自身の武器を構える。じっと真名は楓を睨み付けた。
先に動いたのは楓。距離を詰め、持っている鉄扇を振り下ろす。だが真名はそれを銃によって受け止めた。
「――もう一度聞く、楓。お前は何のために戦う?」
「拙者は…お主のような殺人鬼に殺されそうになったクラスメイトのために戦う。こんな狂ったゲームに乗る必要はない!!クラス全員で協力すれば!協力すれば、必ず何か解決策が見つかるでござる!」
「――フ。やはり、それがお前の答えか」
距離をとるように真名は後ろに飛ぶ。楓は一瞬、真名の銃を警戒したが銃を撃つ様子はない。
「…なあ、楓。お前は綾瀬の首輪の星の数を見たのか?」
楓は真名の問いには答えなかった。だが、その沈黙は肯定を意味する。
「なら分かってるはずだよな。綾瀬はよっつの星を持っていた。しかも、武器食料持ちだった。ええ!」
楓は黙っているままだ。まるでその先の会話を拒否するかのように。
「つまり、綾瀬は人を最低でも既に一人殺してる!奴も立派な人殺しだ!」
真名の口を止めるように楓は突進するが真名はそれを躱し、続く言葉を言い放つ。
「私を殺人鬼と呼んだな。だがな、楓。お前が助けたのも人殺し!人殺しなんだよ!」
楓は三度鉄扇を振り回す。だがそれを真名は軽くいなした。
「…お前では無理なんだ、楓」
ふっと楓を見る真名の表情がさめる。
「人を殺さずにこのゲームは終えられない。お前がどんなに強くても人を殺した事の無いお前では永久にこのゲームは終わらせられない」
「拙者は!」
ドン
口を開けた楓は真名の撃った銃弾を紙一重でギリギリ躱す。だが迷いのある楓の動きに切れはない。加えて真名の正確無比な銃撃を躱すのは並大抵の事ではなかった。
「ふん。よく躱したと褒めてやりたいが…どうやら今は力的には私の方が上だな。気配を消して奇襲されれば私も危なかったが、こう正々堂々出て来られては殺してくれと言ってるようなものだぞ」
真名はそう言って銃口を楓に定める。楓は片目を開け真名を見た。その頬に汗が浮かんだのは実に久々であった。
#35 レクイエム(鎮魂曲)
真名と楓は対峙している。けれど、その二人は互角ではない。
武器の拳銃という差。そして、人を殺す覚悟という部分で真名に圧倒的に分があった。
「これで最後だ。もう一度だけ言う。お前とは戦いたくない。今なら見逃してやる、逃げるんだったら…」
「…拙者の答えは変わらんでござるよ」
そうか、と真名は諦めたように目を細めた。少しの間、静寂が訪れる。
そして二人は同時に動いた。
真名の頬を楓の投げた鉄扇が通り過ぎる。それが楓が真名に放った最後の攻撃だった。
「……くっ」
楓は腹を押さえ膝をつく。その腹部の銃痕からは大量の血が溢れ出していた。
「…流石でござるな。真名」
真名はじっと楓を見下ろした。しかし、その目は千鶴を殺した時と同様憂いの色を帯びている。
「すまないな。お前を戸惑わさせる事ばかり言ってしまって」
「何、惑わされるのは拙者の修行不足でござるよ」
楓の傷からは次から次へと赤い鮮血が指の隙間から地へと溢れ出して来る。それはどう処置しようが止まりそうになく、致命傷なのは明らかだった。
「――確かに夕映殿は一人、人を殺したのかもしれない…」
ふと楓は呟く。
「しかし、拙者は目の前でもう二度と人が死ぬのを見たくはなかった…。拙者のせいで人が死ぬのは御免だったでござる。もう、風香殿や四葉殿の時のように何も出来ないのは嫌だったでござるよ…」
楓は最後に真名に語りかけるように言葉を紡ぎ、ハァ…と苦しそうに息を吐く。楓は腹を押さえていた手を地に付けた。その表情は苦痛に歪む。対する真名の表情は変わらない。
「もし良ければ、真名。トドメをさされる前に遺言を頼めるでござるか…」
「――何だ?」
「このゲームで生きて史伽殿に会えることがあったら伝えて欲しいでござる…。拙者の死を悼む必要はない。拙者は自分の信念を貫いただけでござる。
だから、史伽殿も自分の意志で風香殿や拙者の分まで精一杯生きて欲しい…。決して後悔はしないで欲しいでござるよ…」
「何から何まで、随分と自分勝手な遺言だな」
「…すまないでござる」
真名は銃の照準を楓の頭に定める。ドン、と静寂を破るように一発の銃声が響き渡った。
楓は前のめりに倒れる。そして、そのままもう動く事はなかった。
傾陽の空。その中で真名はただじっと楓の死を看取ってやる。
「――お前の死を悲しむのは、なにも鳴滝妹だけじゃないんだがな……」
天を仰ぎ真名は呟く。――楓の事を"大切な"友人と呼んだ気持ちに偽りはなかった。その気持ちは真実だ。
いつの間にか真名の頬の片筋に彼女のマスターが死亡した時枯れた筈の涙が一筋、伝っていた。
【長瀬楓(出席番号20番)死亡 残り20人】
【龍宮真名(出席番号18番) 拳銃(コルト ガバメント(M1911))所持 ☆ここのつ】
今日はここまで。
明日の投下分でやっと一日目が終了するので、
その時ついでに参加キャラの初期星数を明らかにしたいと思います。
GJ!!!!
GJです。
中々の良作かとおもわれ
GJ!
なんかやる気の奴が多いからか脱出のために努力してる奴の印象が薄いわw
いや、個人的にやる気多数は喜ばしいんだけどな
話とタイトルのつながりがわからないものが多いです
もうすこしわかりやすくしてほしいです
俺は別にタイトルなんて何でもいいと思うけど
それよりどっちにしろ意味わからないから、いちいち(何とか曲の一種)みたいに説明しないで
カタカナのみにした方がかっこよくて良かったかも
今日の分を投下します。
#36 カンツォーネ(伊歌曲)
「桜子…」
思わず声が漏れた。円は片手で口を押さえる。
円とアキラは川辺の草陰で自身の親友、桜子の死体を発見していた。草虫がチリチリと鳴いている。それは死者を冒涜するかのようにあまりにあっさりと放って置かれていた。
「――裕奈も」
その側に歩を進めたアキラも同時に裕奈の骸を見つける。一方の裕奈はかなりの抵抗を試みた為だろうか。銃痕以外の傷がいくらか見受けられた。勿論、それらの傷はあやかから逃走する時に付いたものだ。
「酷い…こんなの酷すぎる…」
円達は死体を見つめ、裕奈達を殺した殺人鬼は誰だろうと頭の中で思考を巡らす。だが、その思い浮かぶ誰もが怪しく、疑わしく彼女らには感じられた。
尤も、その中にあやかが浮上する事が一度としてなかったのは彼女達にとってすれば無念な事だろうが。
円は涙を堪える。桜子が死んだという事は、とっくの前に知った事ではないか。だが、親友の死体を前にしてまで気丈に振舞えるほど強くなかったのだ。
「桜子…」
もう一度親友の下の名を口にする。円は確かめるように自分の武器のバットを強く握り締めた。その瞳は地に伏してもう二度と動かない桜子を見つめて。
その時、カサリ、と茂みの草が揺れる。アキラは近くの草陰に別の人間の気配を感じた。
「逃げよう、円」
「……え!」
突然、アキラは円の手を引きその場から駆け出す。円は何が何だか分からずに混乱した。
だが、すぐにアキラが何に感づいたのか気付く。悔しいが歩みを止めざるを得ない。
今まで居た場所から10メートルも走らぬ内に、茂みを飛び出したザジは道を塞ぐ様に円たちの前に立ちはだかっていた。その左手には光るカッターナイフを持ち。
「ぐっ…」
思わず舌打ちをしてしまう。相手のカッターナイフを見て円はすぐさま金属バットを構えた。
一瞬、ザジが桜子と裕奈を殺した犯人ではないかと考えたがそれは単なる自分の浅はかな思い違いだと気付く。武器が違うのだ。二人は銃で殺されていた。カッターナイフのような刃物傷ではない。
「――…ザジ…さん」
低く震える声で円はなんとかザジに語りかける。円は声をかけた後、失敗したかなと思った。相手は武器を構えてるのだ。それに答える可能性は低い。
事実、ザジは円の話に言葉ひとつ返さない。いや、ザジが声を返さないのはいつもの事だと割り切り、円は声を掛けるのを再開させる。
「――…私達は美砂を探してるの、柿崎美砂。知らない?」
ザジは何も答えず、ふるふると首を振る。それは否定。
だが、会話に応答した事に僅かに円達の緊張が解かれる。まだザジが構えたカッターナイフは下がった訳では無いので油断こそしない。けれど、出来れば円は誰が相手だとしても殺し合いなどに参加したくは無かった。
「私たちは殺し合いなんかしたくないの…。ザジさんもしたくないでしょ、殺し合いなんて…」
「…………」
三人の間を無言が支配する。ザジはそれに首を振るわけでもなく頷くわけでもなく黙ったままであった。それは肯定とも取れるし、また同時に否定とも取れた。
武器を構えたまま、交戦でも交渉でもない時間を過ごすのは円やアキラにとって何やらもどかしく、じれったい気分である。そして、ちょうど円がもう一度声を掛けようとした時、意外にも先に口を開いたのはザジだった。
「――…ふたつ、くれる?」
一瞬、円とアキラはザジの発した言葉の意味を図りかねる。その円達の表情を感じ取ったのか、もう一度ザジは訂正して言い直す。
「――…星を…ふたつくれる?」
そう言ってザジは構えていたカッターナイフを下ろした。
【大河内アキラ(出席番号6番) 星三点セット(武器を選んだ筈が中身は星がみっつ)所持 ☆むっつ】
【釘宮円(出席番号11番) 金属バット所持 ☆ふたつ】
【ザジ・レニーデイ(出席番号31番) カッターナイフ所持 ☆むっつ】
#37 コンチェルト(協奏曲)
『――…星を…ふたつくれる?』
ザジのその言葉を聞いて一番驚いたのは円でもアキラでも無い。それは先程からザジの後ろの草陰に隠れ、ザジたちの様子を伺っていたザジの仲間、チャオであった。
なるほど、円やアキラにとってその言葉は今の時点で脅迫程度の意味しか持たないだろう。だが、チャオにとってそれが成立する事は自分の計画が崩壊するほどの危険を意味していた。
ザジと共に星を集める。その計画はチャオ自身がザジを殺す事を前提に入れて計算したものだ。従ってザジを殺す段階になって、ザジ以外の仲間が居てはいけない。居ればその分ザジを殺す機会や確率が減ってしまうからだ。
ザジならば話しは通じないだろうし仲間を引き入れるほど器用でないだろうと考えての計画であった。
だが、自分がザジに披露した(チャオのではなくザジの)首輪を外す作戦を話されれば、円とアキラだって自ら協力を申し出るかもしれない。
当然、それでは不味いのだ。繰り返して言う、チャオにもう仲間は要らない。チャオにとってはここでザジは円かアキラのどちらか一人を殺してくれるだけで良かったのに…。
(仕方ないネ…)
チャオは持っている拳銃を取り出した。この拳銃の銃声一発でおそらくザジの拙い交渉は破綻する。そして出来ればその一発の銃弾で円かアキラの内どちらかを葬り去れればよいとチャオは考えた。
チャオは銃を円の後ろでただ突っ立っているだけのアキラに向ける。
(バイバイネ…)
チャオの所有する銃はそうして火を噴いた。
「――あ…」
呆けた様にアキラは声を出した。その場に血飛沫が舞う。
一瞬何が起こったのか判らず瞳孔を収縮させる。それはザジの後ろの草陰から放たれた物であった。自分は前のザジに気を取られ見過ごしていたのだ。――ザジの仲間の存在を。
「――そんな…」
ワナワナと手が震える。そんな、一体どうして…。
「大丈夫…?アキラ…」
アキラの眼前。円はニッと笑いかける。その腹部にはチャオの銃弾が喰い込み、紅の鮮血が流れ出していた。
出血に力が抜け円は体はその場に倒れそうになる。アキラは震える手でそれを支えた。だが、その手にはベットリと円の血が付着する。
「――あ…あ……」
チャオがその銃口をアキラに定める少し前、偶然にもチャオの存在に気付いた円は咄嗟に横に跳びアキラの身を庇った。その結果、チャオの銃弾はアキラの代わり円の体に命中する事となったのだ。
ザジは睨み付けるようにチャオの隠れる草陰の方向を向く。その瞳に僅かであるが怒りの感情が感じられる。その視線に気付き、チャオもその草陰から出ざるを得なかった。
【大河内アキラ(出席番号6番) 星三点セット(武器を選んだ筈が中身は星がみっつ)所持 ☆むっつ】
【釘宮円(出席番号11番) 金属バット所持 ☆ふたつ】
【超鈴音(出席番号19番) 拳銃(ルガーP08)所持 ☆いつつ】
【ザジ・レニーデイ(出席番号31番) カッターナイフ所持 ☆むっつ】
#38 ポリフォニー(多声曲)
「やれやれ…。そういう顔は止めて欲しいネ。ザジサン…」
チャオは両手を挙げ渋々といった様子で草陰から出てくる。
「私はザジサンのためを思ってやったのヨ」
実際は自分の為であったのだが…。その嘘に罪悪感を感じる事も無く、チャオは語る。同時に片目をザジの横のアキラ達に移した。
その前でアキラはひたすら円の名前を連呼する。円はそれに苦痛に表情を歪めながらも答えていた。
(どうやら、少し浅かったみたいネ…)
元々アキラを狙ったチャオの銃弾は円に即効性の致命傷を与えてはくれなかった様だ。
と言っても即死で無いというだけ。あの様子ではそう長くは無い。何も処置をしないのなら、長くて半日、早ければ数時間後には死に至るだろう。
だが、それで十分。チャオはひらひらと手を振りおどけて見せる。あともう少しだ。チャオの戦いはもうすぐ終わろうとしている。
「本当、アキラサンを撃つつもりがうっかり手が滑ったネ」
「…………」
ザジは黙ったままだ。チャオに対して一言も言葉を発さず大人しくしている。もう自身の交渉が破綻したのを受けてチャオに発する苦言すら諦めたのだろうか。チャオはもう一度アキラに目を移す。
「アキラサン、クギミーをそのまま置いて行くネ。何処へなりと好きに行くといいヨ。さもなくば…」
チャオは軽く笑ってアキラに銃を向ける。
「アキラサンも後を追うことになってしまうヨ」
別にチャオはアキラを殺すつもりなど無かった。それは単なる脅し。もう、円の首の星を足せば星の数は十分だったし、これ以上の殺人は必要ない筈だった。
「――人殺し!殺人鬼!!」
……なんだと。
叫ぶアキラの声がチリチリと耳の奥を付く。
「あなたが裕奈や桜子も殺したんだ!その銃、その銃で殺した!」
……こいつ、何を言っている。裕奈?桜子?確かにそいつらがその場に転がっているのは知っている。だがそれは自分の仕業じゃない。自分が来た時にソレは既にそこにあった。それをコイツは…何故こんなにトチ狂った事を言うんだ。
「狂ってる。円が何をした。円は美砂を助けたかっただけだ。それなのに……。裕奈を返して!桜子を返して!円を返して!……人殺し!自分の為なら人はどうなってもいいの。そんなの…非道い、あなたはまともじゃない!!」
……ああ、そうか。チャオは今更になり思う。
やはり、こんな奴らを助けてやる義理など無かった。これ程までに自分勝手な妄想で喚き散し、想像の中で私を三人の殺害者に仕立て上げた。――本当、下らない。こんな奴ら助ける価値も無い。
「――口上はそれだけカネ」
銃を一層アキラに向け、チャオは冷たく口を歪める。表情を引きつらせるアキラ。その時、ザジは驚いたようにハッとチャオに叫ぶ。
「―…チャオ!」
チャオはザジの叫びを無視し引き金に手を掛ける。
一発の銃声が響いた。一人分の体が地に伏せる音。ザジは、絶句した。
腰まで伸びた綺麗な栗色の長髪。麻帆良学園制服は二人目の血を吸い、更に紅に染まる。
「――これで二人目…。タカミチ褒めてくれるかなぁ…」
チャオの後ろ新たに現れた少女、キネはうっとりとした表情で銃に口を付ける。
そのキネの前、うつ伏せに倒れたチャオの頭から赤い液体が放射状に延びた。
【超鈴音(出席番号19番)死亡 残り19人】
【大河内アキラ(出席番号6番) 星三点セット(武器を選んだ筈が中身は星がみっつ)所持 ☆むっつ】
【釘宮円(出席番号11番)重傷 金属バット所持 ☆ふたつ】
【ザジ・レニーデイ(出席番号31番) カッターナイフ所持 ☆むっつ】
【キネ・スプリングフィールド 拳銃(トカレフTT-33)所持 ☆ここのつ】
#39 フーガ(遁走曲)
「ハァッ…ハァッ…!」
あれから何をどう走ったのかは知らない。目的地など知らずアキラはただひたすら必死に走駆する。
「う…あ……」
背負った円が僅かに呻き、アキラは走っている足を停止させた。
「ここは……。――あ…クゥッ」
同時にゆっくりと顔を上げる円の胴の傷が痛んだ。円は自身の武器の金属バットと一緒に長身のアキラに負われている。
「気付いた?円。…多分、もう大丈夫だと思う。さっきから追われてる気配は無いし…」
それは嘘。確かに追われている気配は感じていない。だがそれは自分がそんな事にまで気を回す余裕が無かったからに過ぎない。勿論、そんな事は手負いの円に言っても仕様がない事だ。
アキラはチラリと今まで自分が駆けて来た方を振り返る。
自分はもしあのままであればチャオに銃で撃たれ死んでいただろう。それをネギが銃をチャオの頭部に穿ち、阻止した。だが、アキラは何故ネギがあんな事をしたのだろうかと考えを巡らす。
(――いや、それよりもあれは本当にネギ先生だったのか…)
アキラはネギのあんな表情は見た事が無かった。
無論、彼女の言うネギとはキネの事であり、キネは別にアキラを助けるつもりだった訳ではない。
単にチャオがキネのターゲットの条件に当てはまり、尚且つ隙を見せていたからであって、別にアキラ達の為でない。言い換えればチャオは単に運が悪かったとも言える。
アキラはしばらく自分の来た道を振り返っていたが、追って来るものは誰もいないようだった。
「アキラ…。私、重いでしょ…」
ふと円が苦しそうに呟く。アキラは円に目を移す。
「――足手まといになるみたいなら、…捨てていって…」
「…弱気になっちゃ駄目だ、円!どんな事をしても美砂を探す…。私にそう言ったのは円でしょ」
円はそれに答えなかった。目は虚ろになり時間の経過と共に体力が低下していっているのが判った。
アキラは辺りを見渡す。
「あ……」
丁度、その先。道を進んだ先にぽつりと一軒、コテージ佇んでいるのが見えた。
アキラはそこに向かって走り出す。その背に負われた円はもう会話を交わす気力も無く、ぐったりとアキラに体重を預けていた。
【大河内アキラ(出席番号6番) 星三点セット(武器を選んだ筈が中身は星がみっつ)、金属バット所持 ☆むっつ】
【釘宮円(出席番号11番)重傷 ☆ふたつ】
#40 ミサ(弥撒曲)
先程からずっと自分の後ろをつける足音があった。
その音を無視して柿崎美砂(出席番号7番)は歩き続ける。その自分の歩く足音について近づきも離れもせず、ひとつの足音が後を追ってくる。
その足音は美砂が足を止めると同時に止まり、美砂が歩き出すと同時に動き出す。
(もう沢山…。一体、誰なのよ…)
その余りにも不器用で筒抜けな尾行はもう二時間にも及んでいた。勿論、美砂は途中何度か振り返ってはみたのだ。だが、その人物はたとえ尾行がばれていると知っても決して自分から姿を現そうとはしない。
時計が示す時刻はあと少しで午後六時、首輪の規定数が引き上げられる時間になる。
美砂は荷物を星ふたつと食料ひとつを選択していた。従って星はみっつあり既に規定数をクリアしているが、武器は無く襲撃者に対抗しうる手段は持ってないという事になる。
(相手は、まさか私の星を狙ってる?)
可能性は十分ある。それに対し美砂は武器も持っていないと言う有様。相手がその気になれば大した抵抗も出来る筈が無い。
けれども、それは相手がそれなりの武器を持っていればの話。相手は自分をつけているだけなのだ。従って相手も武器を持ってはいない、もしくはそれに準ずる大した武器では無い可能性が高かった。
日は沈みかけようとしている。そろそろ覚悟を決めねばなるまい。寝床を確保しなければならないし、何時までもこんな不審者の相手をしている暇は無い。
(本当はこういうの全然柄じゃないんだけどね…)
美砂はそこでやっと決心した。
突然、美砂が歩いていた道を駆け出した。それが余りに唐突であったのだから、美砂の追跡者は慌てて後を追う。
追跡者の足はこれでも美砂よりよっぽど速い。美砂が逃げ出したところでそれが無駄である事を追跡者自身が十分承知していた。
美砂はある木をポイントに90度方向転換する。同じ調子で追跡者は木をコーン代わりに曲がり視界から消えた美砂を追った。
「!!」
そこに居たのは向き合って細い倒木を構えた美砂。美砂は逃げ出す振りをして追跡者に反撃の機会を窺っていたのだ。
「このぉ!!」
「…グッ!」
視界がブレ、眩暈がする。美砂の倒木による殴打の直撃。
「う…ぅ…」
追跡者はよろめく。振り下ろした倒木を引き、その追跡者の姿を認め一瞬美砂はたじろいだ。だが、まともな取っ組み合いでは追跡者には敵わないと悟ったのか、初撃に使用した倒木を再び構える。
「――ごめんね…」
美砂は追跡者に謝罪の言葉を投げかけると倒木を振り上げる。追跡者の瞳がその美砂の姿を映す。
同時に一発の銃声が響いた。
「ぐ……。あ……」
美砂の口に生温かい血が逆流する。胸に追跡者の銃の銀弾が埋まっていた。
意外だという様に美砂は追跡者、古菲(出席番号12番)を見る。クーの側頭部からも美砂の殴打によって赤い血が流れ出していた。その震える手にはキネという少女から奪った銃が握られている。
美砂は後退り背後にあった木を背にぺたりと座り込む。
「まさか…銃持ってたなんてね…。予想外もいいとこ…。アハ…ハハ…」
クーは咄嗟に襲ってきた美砂に対して拳銃を撃った。それは十分正当防衛と呼べるもの。けれど、そのクーの顔色は蒼白に変わっている。
「私は間違ってないアル。私の選択は正しかった、アルよ……」
「そう、だね…。間違ってたのは、私の方…」
呟くように美砂は考える。そう、やっぱりこんなのは私の柄じゃなかったと。
「――ごめんね…」
美砂が死の間際にクーに向かって放った最後の言葉もまた「謝罪」の言葉であった。
【柿崎美砂(出席番号7番)死亡 残り18人】
【古菲(出席番号12番) 拳銃(ベレッタ M92)所持 ☆むっつ】
#41 ア・カペラ(無伴奏曲)
「…冗談じゃない!冗談じゃない!……冗談じゃない!!」
春日美空(出席番号9番)はその自慢の足で必死に駆けていた。
「こんなバカな事、あっていい筈が無い!!」
美空は天に向かって猛る咆哮を上げる。
一日中歩き回った。誰かを求めて徘徊した。それなのに誰とも遭遇しない。
声も上げた。神に祈った。人の集まりそうな場所も探索した。それでも美空は誰にも会えなかった。
時刻はもうすぐ夕刻の六時になろうとしている。
美空の首輪にある星はふたつ。つまり、誰かの星がひとつ無ければ美空の首輪はあとほんの数分で爆発する事になる。
手にはいつでも撃てるようにと美空に支給された拳銃が一丁握られている。だが生憎と美空には発射するような機会は無い。
空に向かって撃とうかとも考えたのだが、そんな事をして寄ってくる馬鹿もいないだろうと行動には移さなかった。
「ああ、時間が!」
もう、協力し合うとか話し合うといった選択肢は美空には残っていない。
そんな事をしている間にいつ自分の首輪が爆発するとも限らないのだから。もし、自分以外の人間に遭ったのなら、それこそ美空は速攻で手に持っている拳銃を打ち込むつもりでいた。
カサリと美空の近くで草が揺れる。
それは普段なら気にも留めない程の本当に僅かな物だった。だが今の鋭敏な美空はそれを聞き逃さない。美空はそれこそ間髪入れず銃を放つ。今のがもし、空耳だったら。そんな風に考えると美空は背筋に悪寒を感じた。
茂みの中ではギュという音がし、しばらくしてその下から赤い液体が見えた。
「やった!」
美空は急いで草叢を掻き分ける。殺したクラスメイトから星を奪うために。
数歩進み、思わず息が止まる。
「――そん、な…」
悲しい哉。そこに居たのは美空の想像した血にまみれたクラスメイトではない。
眉間を撃ち抜かれた野兎が一羽寂しく転がっていた。美空は悲壮さに涙が出そうになった。
「――アーメン…」
美空は胸で十字を切る。
その時、ボンという音が辺りに響いた。だが、残念ながら美空自身の耳にその音が届く事は無かった。
【春日美空(出席番号9番)死亡 残り17人】
#42 インテルメッツオ(間奏曲)−2
「あーあー、夕方六時の放送だ…どうだい一日もいれば慣れてきただろう。
この時間を以って首輪の規定数は星三個に引き上げられる。首輪の装着した本人が死ぬ前に星を三個以下にすると首輪が爆発するから注意する事。
それとついでだから教えてあげよう。結局首輪の星が足りなくて死亡したのは今回一人だけだ。みんな案外しぶといね。まあ、その分みんな殺し合ってくれたという事だから僕からすれば別にかまわないんだけど…。
ところで食料は足りてるかな。僕の言ったとおり食料全く選ばないと厳しいんじゃないのかな。ま、足りない人はその分他のクラスメイトを殺して補充するしか方法は無いね。
それでは、気を取り直して死亡者の発表だ。
今回の死亡者は柿崎美砂(出席番号7番)、春日美空(出席番号9番)、早乙女ハルナ(出席番号14番)、超鈴音(出席番号19番)、長瀬楓(出席番号20番)、那波千鶴(出席番号21番)、葉加瀬聡美(出席番号24番)、四葉五月(出席番号30番)以上7名だ。
ついでに次の放送は明日の正午を予定している。そして明日の今の時刻までに星むっつを集めている事。でなければ首輪は爆発するからね。それでは明日の放送でまた会おう」
今日はここまでです。
>935
話の内容とタイトルの繋がりは一部を除きあまりありません。
#8のさよと掛けた小夜曲、#29のパルと掛けたパルティータ、
#30のカッターと掛けたトッカータ、#40の美砂と掛けたミサなどは単純に語呂合わせのため曲の雰囲気すら合ってません。
>936
個人的にはタイトルは全話「○○曲」という書き方に統一したかったのですが流石に無理でした。
では、初期星数と一日目の行動表を。
さよ☆☆→和美と遭遇→千雨と合流→一日目終了
裕奈☆☆→あやかと遭遇→あやかにより殺害
和美☆☆☆→さよ、千雨と遭遇→千雨により殺害
夕映☆☆→夏美を殺害→のどかと合流→真名、楓と遭遇→一日目終了
亜子☆☆☆→ザジ、チャオに遭遇→チャオにより殺害
アキラ☆☆☆☆☆☆→円と合流→チャオ、ザジと遭遇→一日目終了
明日菜☆☆→キネ、クーに遭遇→一日目終了
美空☆☆→首輪の爆発による爆死
茶々丸☆☆→首輪の爆発により戦闘不能→以後エヴァとともに→一日目終了
円☆☆→アキラと合流→チャオ、ザジ、キネと遭遇→一日目終了
クー☆☆☆→明日菜、キネと遭遇→美砂と遭遇→美砂を殺害→一日目終了
木乃香☆☆☆→一日目終了
ハルナ☆☆☆→ザジ、チャオと遭遇→ザジにより殺害
刹那☆☆→史伽と遭遇→聡美と遭遇→聡美を殺害→史伽と合流→一日目終了
まき絵☆☆☆→キネにより殺害
桜子☆☆☆→あやかにより殺害
真名☆☆→千鶴と遭遇→千鶴を殺害→夕映、のどか、楓と遭遇→楓を殺害→一日目終了
チャオ☆☆→亜子を殺害→ザジと合流→ハルナと遭遇→アキラ、円と遭遇→キネと遭遇→キネにより殺害
楓☆☆→五月と遭遇→真名、夕映、のどかと遭遇→真名により殺害
千鶴☆☆☆☆→真名と遭遇→真名により殺害
風香☆→タカミチにより殺害
史伽☆☆☆☆→刹那と合流→聡美と遭遇→一日目終了
聡美☆☆→刹那と遭遇→刹那により殺害
千雨☆→さよと合流→和美と遭遇→和美を殺害→一日目終了
エヴァ☆☆☆→茶々丸と合流→一日目終了
のどか☆☆☆☆→夏美と遭遇→夕映と合流→真名、楓と遭遇→一日目終了
あやか☆☆☆→桜子を殺害→裕奈に遭遇→裕奈を殺害→一日目終了
五月☆→自殺
ザジ☆☆☆→亜子、チャオと遭遇→ハルナと遭遇→ハルナを殺害→アキラ、円と遭遇→一日目終了
キネ☆☆→明日菜、クーと遭遇→まき絵を殺害→チャオ、ザジ、円、アキラと遭遇→チャオを殺害→一日目終了
投下&スレ立て乙であります
GJそしてまとめ乙あーんどスレ立て乙
↓以下、殺伐としたスレに救世主登場?
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、 l _, -‐-、
ヽ/⌒ヘ~ ,ヘ ,rァ l
., 't,_,ノ丶 / '、 ,/ ,i '’
/ ! '` | '──--' { つ
,/ ● L_/ 'i,
/ l ,/ ● i, -っ
'i しii 丿 / ゝ-
|`:、\ 'ii __,/ `‐′
'i、 ̄~~ ij 乙__ノi ├
^-ァ __,ノ σ‐
r^~"i' 'l
!、 ! l ─‐
~^''!, ,_ ,!_ ー〜'ヽ
\ l,~^''‐--::,,⊃ ) ) ) ) )
`'‐’ ノ
殺伐としたスレに救世主が!!
⌒●__●⌒
ヽ|・∀・|ノ クーフェイマン!
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⌒●_●⌒
フ |・∀・|ノ よい
./|__┐
/ 銚子
""""""""""""""
⌒●__●⌒
((ヽ|・∀・|ノ しょっと
|__| ))
| |
銚子
"""""""""""""""""
梅
倦め
埋めないのか?
産め
孕め
γ´ ̄ソζ⌒ヽ ..'´ ヽ
l ノリ√ヽヾ)リ| |_llノリリ」〉
(d| ゚ -゚ノl ノノノ |ノ||. ゚ーノ| ノノノ
/ つ∪___ ザックザック ノ/ つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
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( ・∀・) ノノノ くノ(!|‐ヮ‐ノゝ ノノノ
/ つ∪___ ザックザック / つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
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/ つ∪___ ザックザック (/ つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
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ハミ((ノハ))ハ l((リハ从ハ)
从i| ゚ ヮ゚ノjj ノノノ 从(l ゚ ヮ゚从 ノノノ
/ つ∪___ ザックザック / つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
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|,ハリ(l ゚ ヮ゚ノ ノノノ ! l(l!゚ ヮ゚ノヾ ノノノ
/ つ∪___ ザックザック ノノ/ つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック ((し'⌒∪  ̄M ザックザック
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/il〈リノリノ))ヾ \ヘ iリノリノ)
ノノjハ "゚ -゚ハ( ノノノ ノj(b、゚ -゚ハ ノノノ
(((/ つ∪___ ザックザック ノ/ つ∪___ ザックザック
ノノし'⌒∪  ̄M ザックザック ノし'⌒∪  ̄M ザックザック
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i Lllノリリ」〉 \ l_i_i_i_l
| l ゚ _ ゚ノ| ノノノ /`ノリ@||゚ワ゚ノ|ノ\
ノ/ つ∪___ ザックザック レ´V´V.リつ∪__V ザックザック
ξ'⌒  ̄ M ザックザック / θ_θ ̄M ザックザック
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_ ィヽ∧ヘ
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i Lllノリリ」〉 \ l_i_i_i_l
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ノ/ つ∪___ ザックザック レ´V´V.リつ∪__V ザックザック
ξ'⌒  ̄ M ザックザック / θ_θ ̄M ザックザック
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, '´ バ `ヽ ,v,.'´ .iヘ`くv.`
l リハリ))ヾ <<)ミ(リ リ))〉
般(l ゚ ラ゚ノ ノj、(l ゚ ヮ゚ノ、
/ つ∪___ ザックザック ノ/ つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
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i Lllノリリ)」〉 l ノリ√ヽヾ)リ|
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ノ/ つ∪___ ザックザック / つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
'""''"~~ '""'''"~~
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,.'´ `ヽ ザクトハチガウエー γ´ ̄ソζ⌒ヽ
i Lllノリリ)」〉 l ノリ√ヽヾ)リ|
| l ゚ ヮ゚ノ| (d| ゚ -゚ノl
ノ/ つ∪___ ザックザック / つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
'""''"~~ '""'''"~~
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'´  ̄ ヽ ,v,.'´ .iヘ`くv.`
|!|((从))〉 <<)ミ(リ リ))〉
'(||" - "リ ノj、(l ゚ ヮ゚ノ、
/ つ∪___ ザックザック ノ/ つ∪___ ザックザック
し'⌒∪  ̄M ザックザック し'⌒∪  ̄M ザックザック
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ちづる「それはワタシのおいなりさんだ」