るろうに剣心連載中 巻ノ十四

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154るろうに 第壱幕 2/5:2006/03/24(金) 21:17:34 ID:???
「人斬り抜刀斎」とは、幕末に攘夷志士だった父の同士。
父は彼を一番強いと称えていた。だから父は二番目に強い。
薫も言う。人斬り抜刀斎は、一振りで三人斬るという「飛天三剣流」の使い手らしい。
しかしその剣術は昔話に出てくるだけだから胡散臭い、と。
優男は話を変え、「西脇」について質問するが、薫は怒鳴る。
あんた何様。只の流浪人。やんわりかわされ、薫の怒りが頂点に達した瞬間。
神谷家に卑劣そうな青年と、取り巻きたちが来訪した。
恵は言う。「西脇さん……」 
話題の人物の登場に薫は穏やかではない。竹刀を構え西脇に怒鳴る。
元は神谷道場の師範代でありながら、弥彦たちの父が死んだのを契機に道場を奪い取った。違う?
西脇は涼しい顔だ。恵が自分の妻になればすべて丸く収まるとうそぶく。
弥彦は西脇に立ち向かう。斬りたかったのは西脇らしい。
だがとりまきのゴロツキに殴り飛ばされる。下がれ。薫と流浪人が言う。だが聞かない。
薫の叱責が飛ぶ。下がりなさい。足手まといになる。なおも立ち向かう弥彦。
そこへ騒ぎを聞きつけた大家が登場し、西脇達は立ち去った。恵に身の振り方を考えるよう言い残し。
流浪人は気付く。弥彦が見当たらない。

星空の元、弥彦を探す流浪人と薫。薫の怒りは全く冷めてない様だ。
西脇の入門を許した父を詰る。黒い噂のある西脇の入門を許したせいで今の薫達は…
怒る薫を流浪人は優しく諭す。
人の良いあの人の事、誰彼の区別なく剣を通して人の正道を望んだだけ。そう責めるな。
まるで生前の父を知っているような口ぶりに、薫は疑問を浮かべる。
流浪人が、屋根の上に居る弥彦を見つけた。
「男同士の話」だと薫を残し、一人で屋根に登ると弥彦の心情を代弁する。
嫌いなのは足手まといした薫ではなく、大好きな姉たちを守れない非力な自分。
西脇を斬ろうと思ったのも、薫達を守りたいから。
小さくても日本で二番目に強かった父ちゃんの息子だから、神谷弥彦は強くありたいでござるよな…
弥彦はただ静かに泣いている。
背中合わせで、流浪人はのんびりと諭す。
でもやっぱり人斬りは良くない。父も人斬りになれと呼びかけていない。
人斬りの強さなどまがい物。後悔しか残らない寂しい剣だ。
155るろうに 第壱幕 3/5:2006/03/24(金) 21:18:57 ID:???
という流浪人に弥彦は蹴りを入れる。弱いくせに一丁前の事をいうのが気に入らないらしい。
それはそれ。弥彦は今に強くなる。嬉しくない保証に怒る弥彦。声を聞きつつ、うつむく薫。
神谷家に戻ると、弥彦の気持ちについて恵に嘆く。
姉の自分でなく、どうして流浪人が分かるのか。いや、どうして分かろうとしなかったのかと。
恵は二人の苦しみを理解し、西脇の元へ行く事を決意する。自分が諦めれば全てうまくいく……

翌朝。恵の書置きを読んだ薫は激怒し、西脇のところへ乗り込む事を決意する。
不幸を恵一人に押し付けるのは真っ平。弥彦は同意しつつも、非力をわきまえ悔しそうに俯いた。
そんな彼へ薫は、恵姉を守れと力強く竹刀を差し出す。緊張の面持ちで受け取り、頷く弥彦。

神谷道場に行った恵は唖然としていた。道場には賭場の下準備がされている。
そこに登場した西脇が説明する。世間から隔離されたここは賭場にもってこいだ。
警察に嗅ぎつけられる寸前に土地を売れば、一財産を楽に築けるとも。
ぞろぞろと、賭場に入ってくる博徒達。一人は服に「禿」という文字をあしらってる。オシャレだ。
西脇は恵の顎に手をあて、剣術など時代遅れとまで言い放つ。
恵は涙目で西脇を最低と罵る。なんとでも。西脇はチロリと舌を出す。
道場に飛び込んでくる薫と弥彦。あわや一触即発かと思いきや、流浪人が二人を止めた。
「内輪もめに来たのか」と呆れる西脇に、流浪人は提案する。
道場ともども家伝の「神谷括心流」の後継者は、神谷家長男たる弥彦がふさわしい。
弥彦が成人するまでは、男の気性の薫が代理を務めれば良い。一言多い。殴る薫。
確かにスジは通っているが…と鼻白む西脇。手を引くと思うか?
意を通したくば、その腰の刀で「神谷括心流」師範代の自分と、博徒九人全員をねじ伏せろ。
あくまで攻撃的な西脇に呆れつつ、流浪人は、「それでいいなら」と鯉口をくつろげる。
制止する薫。だがその手を流浪人はそっと剥ぎ取り──
156るろうに 第壱幕 4/5:2006/03/24(金) 21:20:16 ID:???

「もしかしたら、死してなお我が子を案じる越路郎殿の魂が
拙者を此処へ流れ寄せたのかもと思ったでござるよ」

ぽつりと呟いて西脇達に向かっていく。
恵は驚く。なぜ、一言も言っていない『父の名前』を。
薫も思う。流浪人はやはり父の事を知っている。一体……


「弥彦!! お前の父ちゃんが一番と称えた剣。しかと見とけ!!」


流浪人は抜き打ち一振りで三人の博徒を倒し、返す刀の一振りで更に三人、叩き伏せる。
その周りを囲む残り三名。だが結果は同じ。やはり一振りの元になぎ倒された。
薫はこれが飛天三剣流かと息を呑み、恵と弥彦は流浪人の正体に気付く。
「この人が… この流浪人さんが」「父ちゃんが一番強いと称えた」
人斬り抜刀斎。
薫は顔面蒼白で固唾を飲んだ。たった三振りで九人皆殺しなんて。
人聞きが悪い。えもいわれぬ顔で呟く抜刀斎は。手にしているのは、峰と刃が逆の逆刃刀だ。
普通に振るっても人を殺さずに済む刀だが、なぜ人斬り抜刀斎が。
疑問を抱く薫に抜刀斎は「それでいい」とだけ答え、西脇に凄む。
この姉弟から手を引け。
西脇は逆上し、手にした刀を抜きつれ──ようとしたが、間髪居れず砕かれた。
今度は西脇、拳銃を構える。抜刀斎に姉弟から手を引くよう再び忠告されるが、構わず発泡する。
だがなんと銃弾は、あえなく避けられた。
焦る西脇は銃を乱射する。だがいずれも当たらない。
目線と銃口の角度さえ見れば弾道ぐらい読める。抜刀斎は叫び、柄で西脇の右頬を殴り飛ばす。
ベグ! ぶげ! 倒れた西脇の両足の間に刀が突き立てられ──
この姉弟に二度と手を出すな。
抜刀斎が最後の警告をすると、西脇は息も絶え絶えに了解し、気絶した。
157るろうに 第壱幕 5/5:2006/03/24(金) 21:21:33 ID:???
一息つき、恵と薫に今後を頼む抜刀斎。そんな彼に、弥彦は飛天三剣流を教えるよう頼むが断られる。
昨晩言ったように、人斬りの強さは所詮まがい物。
神谷括心流で強くなり、そして父の名に恥じない立派な剣術家になれ。
弥彦の頭を撫でると、抜刀斎は道場の扉へ歩いていった。
何処へ行くかと問う薫に、抜刀斎は寂しそうに微笑んだ。

「拙者は”流浪人” また…流れるでござる」

カランコロンと下駄を鳴らして立ち去る彼の後ろ姿に、薫は呟く。
「…人斬り抜刀斎… いや… 名無しの… 流浪人……」

 昔、幕末の動乱期。京都に「人斬り抜刀斎」と呼ばれる志士が居た。
 修羅さながら人を斬ったその男は、やがて動乱の終焉と共に姿を消した──

今日こそ逮捕だ! 橋の上で昨日の老警官に追われる流浪人。いい加減しつこいと辟易している。

 そして、今。明治十余年。東京に。
 「流浪人」と名乗る剣客が一人、時代の中を飄々と流れていた──


「でも、流浪人さん、父の同士だったってことは、今お何歳(いくつ)なのかしら…」
恵の呟きを弥彦は理解してないようだが、薫はハッとした。
「そー言えば………若くても三十前後…」
(完)
158マロン名無しさん:2006/03/24(金) 21:31:19 ID:???
恵って、香、弥彦の姉だったのか 知らんかった
159マロン名無しさん:2006/03/24(金) 21:40:45 ID:???
>>153
>>143

何コレ?
ホントにジャンプに掲載されたの?
設定がだいぶ違うみたいだけど・・

一心太って剣心のこと?
恵と薫と弥彦は兄弟って設定なの?
これは和月が書いたのか?
160マロン名無しさん:2006/03/24(金) 21:41:36 ID:???
剣心、読み切りでは下駄を履いてたのか。
161マロン名無しさん:2006/03/24(金) 21:48:36 ID:???
162マロン名無しさん:2006/03/24(金) 21:49:08 ID:???
>>159さん宛てだった。
163マロン名無しさん:2006/03/24(金) 22:51:06 ID:???
こっちの終わり方のほうがヨカタ
164マロン名無しさん:2006/03/26(日) 21:35:05 ID:???
>西脇

どう見ても武田観柳斎です。本当にありがとうございました。
165るろうに 第弐幕 1/4:2006/03/26(日) 21:40:48 ID:???
週刊少年ジャンプ 平成5年 21・22合併号掲載分より。


特別編その3     るろうに -明治剣客浪漫譚- 第弐幕


昔、幕末の動乱期。京都に「人斬り抜刀斎」と呼ばれる志士が居た。
修羅さながらに人を斬ったその男は、やがて動乱の終焉と共に姿を消した──
そして時代は流れ、明治十年。東京──

「おろ?」
河原にて、左頬に十字傷のある小柄な優男が振り向いた。
その背中に一人の少女が隠れて、「助けなさい」と怒鳴りつける。
優男の前で、来迎寺の娘を渡せとがなるチンピラたち。少女は追われているらしい。
致し方ないと優男、悠然と少女を抱えて逃げ出した。
そのまま街中まで走りチンピラたちを撒くと、少女が「いつまで抱いてるのか」と優男を殴る。
人の良い顔で謝る優男へ、少女は言う。剣術家のようなのにらしくない。腰の刀が錆びちゃうわよ。

もともと、この刀斬れる代物ではござらんからね

優男は困ったような顔で答え、自分はただの流浪人(るろうに)だと自己紹介をする。
踵を返し、助けてくれたお礼だと流浪人を家に招待する少女。遠慮も一喝で押し込めた。
やがて豪勢な洋館につくと、少女は勝手口に回ろうとした。貿易商の祖父に見つかれば厄介らしい。
「千鶴、なんだその男は?」
背後に現われた祖父に、千鶴はうろたえる。この流浪人は痴漢から助けてくれた剣客──
刀を帯びている輩に碌な者などおらん。帰れ。祖父は毒づき立ち去った。
千鶴は話す。
祖父は侍や刀を帯びた者は誰であろうと嫌悪している。
幕末、祖父の息子とその妻(千鶴の両親)は、維新志士と幕臣の争いに巻き込まれ、斬り殺されたから。
それを十年後の明治でもまだ引きずっている。
やや寂しそうな千鶴を抱きしめ、胸の中で泣けという流浪人。また殴られる。
薄情なようだが、実は両親の死に対して悲しみはない。
166るろうに 第弐幕 2/4:2006/03/26(日) 21:43:16 ID:???
何故なら赤子の頃の話で、両親の顔すら覚えていない。だから悲しくない。悲しみようがない。
千鶴は複雑な顔で告白し、途中少し興奮したが、最後には祖父の無礼な態度を詫びた。
もともと逃げただけだから謝られる方が心苦しいと、流浪人はバツが悪そうに笑う。
ホントに刀が似合わないと呆れたように千鶴も笑い、今度は宿に夕食を差し入れると言い出した。
またも遠慮する流浪人に、千鶴は「人の好意は素直に受け取りなさい」と押し付けがましく言う。
人の話も少しは聞くべきである。

さて夕暮れ。橋の下で流浪人は、千鶴の両親の死因を反芻していた。
維新志士という単語に何か思うところがあるらしく、ため息をつく。
そこへ「るろうに〜」と聞き覚えのある声が流れてきた。
声の主は千鶴。弁当包みを抱えて河原べりをパタパタ歩いている。
流浪人から「橋下に寝泊りしている」と聞いたはいいが、橋が多くて所在が分からないようだ。
その背後に人影が一つ近づいた。流浪人かと思って振り向いた千鶴のレバーに強烈な一撃ッッ!
弁当箱は地面に転がり、レバーへの打撃が髪に回ってリボンもズリ落ちた。
先ほどのチンピラの仕業だ。気絶した千鶴をどこかに連れ去った。
少し遅れてその場に来た流浪人は、異常に気付き、落ちているリボンをただ強く握り締めた……

来迎寺邸の一室には十名近い警官が駆けつけており、警部が脅迫状を読み上げていた。
内容はごちゃごちゃして書くのがめんどいので要約する。

千鶴誘拐した。身代金よこせ。
宗巌(むねいわ。千鶴の祖父の名前らしい)一人で悠久山丘陵の廃神社まで持って来い。
さもなくば千鶴を殺す。

差出人は神州近衛武士団回天党。政府に不満を持つ不逞士族の集まりだろう。
警部の推測に、宗巌は机を激しく叩き、侍への不平をブチ撒ける。
彼は一人で廃神社に向かおうとし、警官と押し問答の末言い放つ。千鶴が無事なら死んでもいいと。
いつの間にやら居た流浪人が、そんな事を言うもんでないと諭す。机の上で脅迫状を読みつつ。
赤子だったゆえに両親の死に悲しみを覚えていない千鶴。だが宗巌が今、不遇の死を遂げれば? 
悲しみの中で今度こそ一人ぼっちだ。あの子にそんな想いは絶対にさせてはならない。
167るろうに 第弐幕 2/4:2006/03/26(日) 21:44:50 ID:???
その逆も然り。家族を奪われる悲しみは二度も味あわせない。流浪人は軽やかに机から飛び立ち、部屋を出た。
だが宗巌は焦る。無謀な真似をすれば千鶴の身が危ない。流浪人を止めろ。
詰め寄られた警部は──震えていた。
流浪人の声と赤い髪。左頬の十字傷。それらに見覚えがあるらしい。

廃神社。流浪人の来訪に回天党はざわめく。党長を除いて。
千鶴は猿ぐつわを噛まされ、両手を緊縛されているが、まだ無事のようだ。
流浪人を勧誘する党長。が、答える流浪人の眼光はまるで別人のように冷たく、千鶴は驚いた。
流浪人は回天党を痛罵し、トドメとばかり言い放つ。回天党? 偉そうに。名乗るなら悪党と名乗りな。
回天党一味は逆上し、まとめて流浪人へ襲い掛かった。目を背ける千鶴。だが。
流浪人はたった一薙ぎで四人の回天党員を吹き飛ばし、裂帛の叫びを上げると跳躍した。
鳥居よりも高く跳ぶ流浪人を見上げ、回天党員たちは異口同音に叫ぶ。

な、なんだこいつは!!!!

「緋村抜刀斎」
来迎寺邸では警部が、流浪人の素性について話していた。
元は維新志士の一人。その名の由来は、幕末の京都においてあまりに強く、あまりに殺したため。
警部が語る間にも、抜刀斎の剣は回天党員に降り注ぐ。
そして服を見る限り、作者はこのページを書いてる時に眠かったようだ。
ともかく今は幕末ではなく明治。法を無視した殺人を防ぐべく、現場に急行する警部たち。

回天党は党長以外は倒されていた。
「だがてめぇに俺は倒せねェ!」 党長の体には、最硬を誇る黒南蛮鉄の甲冑が装着されている。
如何なる名刀もこれは絶対に斬れん!
言葉も終わらぬうちに、マントを抜刀斎に投げつけ、視界を遮り、最後に突きを入れる党長。
だが、千鶴の目線の先では──…後ろ髪のほどけた抜刀斎が、党長の背後を取っていた。
党長はなおも斬りかかろうとしたが、痛烈な一撃をわき腹に受ける。
苦鳴をあげる党長へ、抜刀斎は呟く。相手の得物をよく見なと。
甲冑にめり込みひび割れを作っていた刀は……刃と峰の部分が逆だった。
力なく倒れる党長。駆けつけた警部は逆刃刀かと目を見張る。
千鶴は抜刀斎…いや、流浪人の言葉を思い出していた。
168るろうに 第弐幕 4/4:2006/03/26(日) 21:45:47 ID:???

もともと、この刀斬れる代物ではござらんからね───

回天党一味は全員生きていた。
何故……と尋ねる警部に、流浪人は答える。「好きで人を斬り殺した訳ではない」
背中を意味深に見つめる宗巌に気付かず、千鶴の束縛を解く流浪人。
きょとんとする千鶴を抱きしめ、恐かったろうと宥める流浪人にまたも拳が炸裂した。
流浪人は、その明るさが明治の聖代には一番だと笑い、リボンを渡して去ろうとする。
ちょっと待って。千鶴は駆け寄るとリボンで流浪人の後ろ髪を結んだ。
「人の好意は素直に受け取れっていったでしょう! バカ…」
千鶴は少し頬を赤らめながら、流浪人の頭を叩いた。
この街に来た時は必ず来迎寺邸に。千鶴の申し出を流浪人は遠慮するが、重ねて宗巌がお願いする。
今度は心から歓迎できる──と。千鶴は驚きつつも喜び、流浪人も少し潤んだ瞳で喜色を浮かべ、礼を述べる。

 昔、幕末の動乱期。京都に「人斬り抜刀斎」と呼ばれる志士が居た。
 修羅さながらに人を斬ったその男は、やがて動乱の終焉と共に姿を消した──

階段を歩く流浪人の後ろ姿を見て、道行く女性がクスクス笑う。
リボンが女性の装飾とはつゆ知らない流浪人であった。←バカ。でもちょっと似合う。

 そして時代は流れ明治十年。東京──
 「流浪人」を名乗る剣客が一人、時代の中を飄々と流れていた──


宗巌が呟く。
「しかしあの男、幕末の志士だったのなら、今一体何歳なんじゃ?
若くても三十路越えてんじゃないか?」

そーいえば…

衝撃の事実。千鶴は嫌な汗を垂らして、青ざめた。
(完)
169マロン名無しさん:2006/03/27(月) 00:53:38 ID:???
こ・・・これは・・・、やってもいいよな・・これは仕方ないよな・・・・・・・・





ツンデレキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
170マロン名無しさん:2006/03/27(月) 01:01:12 ID:???
薫より好みかも知れんな
171マロン名無しさん:2006/03/27(月) 07:52:56 ID:???
本編よりこっちの方が好きだなあ
172マロン名無しさん:2006/03/27(月) 10:29:59 ID:???
終わり方が○
173マロン名無しさん:2006/03/27(月) 18:35:32 ID:???
構成力があるんだな
和月、週間向いてないんじゃないか
174マロン名無しさん:2006/03/27(月) 22:09:34 ID:???
確かに本編より面白かったかも。千鶴が本編で薫ポジションだったら別だけど
175マロン名無しさん:2006/03/27(月) 23:08:56 ID:???
薫が中途半端に戦えるキャラだったのがいまいちだったしな。本編だと
176マロン名無しさん:2006/03/28(火) 00:08:35 ID:???
回天党の中に安慈と宗次郎っぽいのが…
177マロン名無しさん:2006/03/28(火) 04:22:34 ID:???
「秋風」の回で、
恵が「もう剣心の体はボロボロであと4、5年・・」
みたいな事剣心に言ったみたいだけど、
コレって剣を使えるのがあと4、5年ってこと?
それとも命があと4、5年なの?

最終回って結局縁との戦いから何年経ってるの?
178マロン名無しさん:2006/03/28(火) 07:49:18 ID:???
>>177
身体が戦闘に耐えられなくなる、みたいな意味合いで言ったんだろ。
全身の骨に微細なヒビが入ったせいで戦えなくなったヒュンケルみたいなもんだ。
179メテオ・ストライク 1/5:2006/03/28(火) 21:28:21 ID:???
週刊少年ジャンプ 平成9年 32号掲載分より。

特別編その4                  メテオ・ストライク

 「隕  石」

宇宙から降り注ぐそれは時として、恐竜絶滅や月の誕生の原因ともなったと言われる程の力を秘める。
そして又、それは時として「流れ星」と名を変えて、人の願いを叶える奇跡を起こす─────

信矢の頭に隕石が直撃した!
幼なじみの智歩は大慌てで救急車を呼んだ。

薄れゆく意識の中で信矢は走馬灯を見ていた。
智歩に虫を採ってもらったり、智歩に何かから守ってもらったり、智歩に頬へついたご飯を取ってもらったり。
あと、不良たちに襲われている所を助けてもらったり。

不良が一年生からカツアゲしようとしてたので止めたと言う信矢に、智歩は呆れる。
幼稚園の年少組から一緒なので知っている。
信矢は後先考えずにもめ事に飛び込んで、損ばかりをかぶる性格だと。
現に信矢が助けようとしてた一年生も、信矢が殴られている間に礼も言わず逃げたのだ。
もう中学生なんだから、いい加減もめ事に首を突っ込むのはやめたら?と智歩は言う。

「正しいと思うコトをするのに、立ち止まっていちいち考えるコトなんてないよ」

無邪気に笑う信矢に、智歩は一瞬自分の意見を引っ込めそうになったが、心を鬼にして忠告する。

「いい、信矢。『力なき正義に意味は無し』 ハイ。復唱」
「『力なき正義に意味は無し』?」
「よし!」
180メテオ・ストライク 2/5:2006/03/28(火) 21:30:09 ID:???
信矢は生まれつき小柄なタイプで、体力だって学年ビリだ。
正しいと思うコトをするのはちゃんと力がついてから。
そんな智歩の忠告を、信矢も自ずと分かっているが納得できない部分もあるようだ。

ベッドの上で智歩が一喝すると、信矢は3日ぶりに目覚めた。
状況がつかめてない彼に智歩は、これの直撃を食らったのだとニュースを見せる。

大隕石群飛来

世紀の大天体ショーだ。NASAの発表では1ヶ月程続くらしい。
信矢がびっくり仰天しつつ何気なく頭へ手を伸ばすと、ゴ ツ と硬い音がした。
鏡で異常の原因を認めた信矢は超ビックリ。
なんと頭に隕石が刺さっていた!
それは信矢の頭蓋骨をブチ破り脳まで達している。ので手術で取る事は不可能らしい。

1ヵ月後。
久しぶりに二人が教室に入ると、刺さった隕石を目当てに生徒たちが寄ってきた。
お祭り騒ぎになったが、走馬灯の中で信矢を殴っていた不良たちの登場で一気に静まり返った。
一人はリーダー格っぽい番長ルックのリーゼント。
二人目はスネオヘアーのかっぱ口。三人目に至っては上半身裸。
智歩が信矢をかばい(?)がてら、あまりに時代錯誤なファッションをネタに精神攻撃を仕掛けた。
今は男女平等の時代じゃあ!とリーゼントが殴りかかった。最低だ。
弾かれるように割って入る信矢。その頭のてっぺんで隕石がまばゆい光を放つ!!

 「隕  石」

それは時として「流れ星」と名を変えて、人の願いを叶える奇跡を起こす
181メテオ・ストライク 3/5:2006/03/28(火) 21:31:46 ID:???
信矢に拳を止められたリーゼント、黒板まで吹き飛び……突き破り、なんと隣の教室の黒板まで飛んでった。
周りの生徒も智歩も驚いているが、当の信矢も訳が分からないようだ。
その頭を上半身裸が鉄パイプで殴ったが、隕石に当たってストローのように曲がった。
信矢は平然と鉄パイプを伸ばしなおし、周りいっそうが驚く中で、いわゆる一つのメガネ君が推測を述べた。
人間の脳は、いまだ全容が定かではないブラックボックス的な物だ。
そこに宇宙線を大量に含む隕石が一つのパーツとして組み込まれ、何らかの特別な作用を引き起こしたとすれば───

『力なき正義に意味は無し』
しかし今ここに偶然突発的ながらも奇跡の”力”が誕生した!!
それからの信矢は八面六臂の大活躍。

引越しの手伝いをしたり、幼稚園児のために緑のおばさんみたいなコトをしたり
釘バット持って襲ってきた上半身裸たちを期せずして吹き飛ばしたりと。

町中の便利屋───もとい人気者となっていた。

少し寂し気に夕暮れの土手を歩く智歩、河掃除をしている信矢を見つけた。
鞄のそばに置いたラジオからは和月伸宏サンのリクエスト曲、筋肉少女帯で、再殺部…
もとい、タチムカウがかかっている。
「おーらふざけんじゃねーよタチムカウ 屍 累累タチムカウ……」
えらくハードな曲を聴きながら、智歩は河べりに体育座りをした。
ちなみにスカートの前に鞄を置いてしっかりガードしている。
話題は、とうとう地方紙の一面に載った信矢のコトから、NASAが発表したどでかい隕石の
落下地点へと移り、信矢自身の近況への質問に落ち着いた。
最近どう? 不良に絡まれて困ったりしてない? 全然。すこぶる快調だよ。
朗らかに空き缶を拾う信矢。彼の最近の変化が、智歩には面白くないようだ。
今までは信矢の先走りを智歩がフォローしていて、実の姉弟みたいだったのに──
隕石の力なんて信矢には似合わない。
でもボクは智歩ちゃんのルーズソックスの方が似合わないと思うよ。
鈍感ぶりに怒った智歩、鞄を思いっきり信矢の顔にぶつけた。
と、タチムカウが中断され、臨時ニュースが流れた。
なんと! 先ほどの「NASAが発表したどでかい隕石」は信矢たちが住んでるK町に落ちるらしい!
182メテオ・ストライク 4/5:2006/03/28(火) 21:34:07 ID:???
最初は「すごいな算出できたんだ」とか「近くのK市に原発あるからヤバイんじゃ」と
のん気に話していた二人だが、コトの深刻さに気付き、焦った。

(;゚ヮ゚)  メ  (゚ヮ゚;)

   メテオストライク
   大隕石直撃!!

同刻。指示に従い避難する市民たち。その中で、一人の女児が呟いた。
「信矢ちゃんに頼もうよ。信矢ちゃんならきっとなんとかしてくれるよ。ね」
いわゆる一つのメガネ君も叫ぶ! そうだ彼の力も元々隕石がもたらした力!
クラスメイトたちも期待を寄せ、上半身裸たちも渋々ではあるが”ひょっとしたら”と思い始めた。

風が強くなってきた道路の真ん中で、工事用ヘルメットを頭につけた智歩は怒鳴っていた。
だが信矢はのん気すぎる。智歩はヘルメットを投げつけ、信矢の胸倉を掴んでまくし立てる。
街は吹き飛んでも建て直せる。原発だって放射能漏らすほどヤワじゃない。

「今までみんなにいーとこ見せてた手前、もう引っ込みがつかないってのなら大丈夫だから。
あたしがちゃんと守ってあげるから」

信矢を連れて逃げようとする智歩。だが信矢は言う。
街は壊れても直せる。でも防げるなら防ぎたい。それを可能にするのが、…奇跡じみた隕石の力だけ。

「智歩ちゃんは『力なき正義に意味は無し』って言ったけど、
力があっても及ばないかもって思って、何もしなければ結局は同じ。
正しいと思うコトをするのに、立ち止まっていちいち考えるコトなんてないんだ」

智歩は走り去っていく幼なじみの背中を、驚いた表情で見ていた。

信矢の立った位置はドンピシャリ。隕石落下地点そのものだ。
手を上げて構えた瞬間、隕石が信矢の手に激突し、凄まじい衝撃をもたらした。
やはりビックリ人間に毛が生えた程度の力では無理だったのか。諦めがわずかに頭をよぎる。
183メテオ・ストライク 5/5:2006/03/28(火) 21:35:00 ID:???
そこに駆け寄ってきた智歩は思う。

変わらないいつもの信矢。自分が正しいと思ったらどんな相手にだって立ち向かう信矢──!

「頑張れェ───!! 負けるな信矢ァ!!」

智歩の声援に、信矢の頭に刺さった隕石が光を放つ。

お願いだボクの隕石。今一度だけ、もう一度だけ。このボクに奇跡の力を────!!!

信矢の願いに呼応するかのように、頭の隕石が大隕石にぶつかり。
みるみるうちに大隕石が粉塵と化していった……

新聞は、大隕石の消滅を『奇跡』とだけ掲載している。結局、信矢の活躍はうやむやだ。
だが信矢は気にしていない。
奇跡の隕石も消滅したが、大隕石を食い止めるために降ったのだと前向きに捉えている。
で、信矢ならその役をこなせると思って直撃した? それじゃファンタジーだ。
智歩は一笑に付したが、内心では──

でも、あの隕石は私の本当の気持ちを気づかせるためにも降って来たと思うのは、それこそファンタジーだね。

人の願いを叶える隕石の物語、メテオ・ストライクはこれにてお終い。
だが、しかし。

一人の医師が信矢のレントゲン写真を見ていた。
あの隕石の外に出ていた部分はなくなったが、中の部分は一層食い込んでしまっている。
医師はそばのナースに言う。これはもう、死ぬまで絶対に取れんな、と。

そんな事は露知らず、信矢と智歩は仲良くゲームボーイをしていた。

奇跡はまだまだ、終わらない───!?
(完)
184マロン名無しさん:2006/03/29(水) 00:07:14 ID:???
和月、現代ものでも結構いけるんじゃないの?
185マロン名無しさん:2006/03/29(水) 00:11:14 ID:???
なにこれ?
186マロン名無しさん:2006/03/29(水) 00:36:06 ID:???
和月のこういう青臭さ全開なノリ大好きだ
187マロン名無しさん:2006/03/29(水) 05:14:16 ID:???
モルダーもびっくり
188マロン名無しさん:2006/03/29(水) 09:02:20 ID:???
これは剣心とどう関係があるの?
189マロン名無しさん:2006/03/29(水) 12:00:51 ID:???
同じ作者が書いた<関係
190マロン名無しさん:2006/03/29(水) 12:21:57 ID:???
>>189
それだけ・・・・?
191マロン名無しさん:2006/03/29(水) 13:50:19 ID:???
るろ剣コミックスの最終巻に載ってた
192マロン名無しさん:2006/03/29(水) 17:50:27 ID:dD7yN1LT
うんこ漫画
193マロン名無しさん:2006/03/30(木) 14:14:06 ID:???
いつもモルダーよりもスカリーの方が先に驚いていると思うのだが
194春に桜 1/2:2006/03/30(木) 21:22:49 ID:???
剣心華伝 巻末収録分より

特別編その4                        

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 番外 

「春に桜」

明治十六年 春──

春に桜を肴の酒を、美味いと感じる穏やかな日々になつかしい顔が…

「あ! 恵さん。こっちこっち!」
満開の桜の下で、薫が声をあげた。
その胸の中には剣路がいて、傍らでは剣心がにこやかに微笑んでいる。
呼ばれた恵は、何というか雰囲気が柔らかくなっている。
口紅はしていない。あと、髪にはわずかにウェーブがかかっている。
「お久し振りね。あれ? 他の人は?」
操たちはまだのようだ。弥彦は稽古が終わってから来るらしい。
それを聞いた恵は、剣心に体調を伺った。
「おかげ様で良好でござるよ」
剣心の十字傷がだいぶ薄くなっているのを見て、恵も頷いた。
「その様ですね」
険がすっかり取れた笑顔は、本当に5年前とは別人のようだ。
「チィースッ 来たよぉ───!!」
元気な声でやってきたのは操だ。
袴を履いて女学生のいでたちだ。三つ編みはもうやめて、背中の中ほどまで髪を下ろしている。
その横にいるのはもちろん蒼紫。黒のスーツ姿で、御頭時代のコートを脱ぎ掛けだ。
顔はあまり変わっていないが、伸ばした後ろ髪を括り、襟元から胸にかけてちょろりと垂らしている。
薫の歓待に操は屈託なく笑う。
「みんなで集まって上野で花見! 天気も晴れでいいねェ!!」
相変わらず元気でござるな、剣心がいうと操は「おー!元気っスッ!」と指を立てて能天気なご様子。
195春に桜 2/2:2006/03/30(木) 21:23:47 ID:???
一方、ようやく口を開いた蒼紫の言葉に、剣心の表情が変わった。
「頼まれた件。ようやく調べがついた。
斎藤一。あの男は今は、北海道にいるらしい… 
今度は何の任務までかはつかめなかったが、変わらず健在なのは確かだ」
北海道。
吹雪の中で斎藤は、森を眺めながら相変わらず煙草をふかしていた。
その表情は分からない──

剣心が斎藤の事を調べさせたのは、決着をつけるためではなく、単に気がかりなせいらしい。
「今となってはあの男が一番、危険の中にその身をおいているからな」
「……そうだな」
蒼紫が一拍おいて首肯すると、弥彦が燕と共にやってきた。
赤べこから酒とさかなを持って来るついでだというが……本当についでだろうか。
からかわれて怒る弥彦は剣道着姿。燕は赤べこ制服と称したメイド服だ。
これで全員……いや、もう一人だ。しかし所在が分からないから、仕方ない。
「っとそうだ。そのトリ頭から手紙届いていたぜ。さっき道場出る時見つけた」
意外な展開に一座はビックリ。とりあえず剣心が手紙を読む事になった。

『よう久し振り。みんな元気か? 一人ぐらい死んでねェか?
こっちは今、蒙古(モンゴル)で元気にやっている』
蒙古。
すっかり髪が伸びた左之助が、馬を駆っている。
上下衛門そっくりの無精ヒゲを生やして、口くわえているのはやっぱり魚の骨。
馬にかけた布には悪一文字もある。
『あれから、米国(アメリカ)→欧州(ヨーロッパ)→亜刺比亜(アラビア)と渡って、まぁ色々楽しんで来た。
もう少しここで遊んでから一度日本に帰るんで、その時はうまい白飯とみそ汁頼むぜ。じゃあな』
なかなかぶっ飛んだ手紙の内容に、驚きの声をあげる薫たち。
その中で剣心は、笑顔のまま「やれやれ」という風に息をついた。

明治十六年 春──
そしてかくも平穏な日々──
                                             おわり
196マロン名無しさん:2006/03/31(金) 13:36:29 ID:???
>「今となってはあの男が〜」
斎藤より左之の方が危険の中に身を置いてるだろうに……忘れ去られててカワイソス
197剣抜:2006/03/31(金) 14:28:11 ID:CiF3EJEZ
左之は永久に拙者の友でござるよ〜
198マロン名無しさん:2006/03/31(金) 21:13:18 ID:???
剣心との決闘から屁理屈こねて逃げ出したヘタレ斉藤は北海道まで逃げてたのかwwwwww
199マロン名無しさん:2006/03/31(金) 21:18:27 ID:???
操と恵がイイ女だ
200マロン名無しさん:2006/03/31(金) 21:44:39 ID:???
蒼紫…変な服きてなきゃかっこいいんだなw
201マロン名無しさん:2006/03/32(土) 10:58:32 ID:???
あのバナナ色のコートがなぁ
202マロン名無しさん:2006/03/32(土) 10:59:28 ID:???
バナナ色のコートがちょっとねぇ
203マロン名無しさん
( @д@)バ…バナナッ!