げんしけんSSスレその2

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1マロン名無しさん
「つまり荻上さんはSS作家の勝手な妄想で本スレの住人を傷つけてしまったのが」
「今も心に引っかかってるわけですね?」
「ん・・・ま・・・一言で言えばそういう事なんですが・・・・」

なんとかかんとか第二号のSSスレ。
未成年の方や本スレにてスレ違い?と不安の方も安心してご利用下さい。
荒らし・煽りは完全放置のマターリー進行でおながいします。

本編はもちろん、くじアンSSも受付中。名前欄にキャラ(カプ)記載を忘れずに。

☆講談社月刊誌アフタヌーンにて好評連載中。
☆単行本第1〜6巻好評発売中。7巻は12月22日発売?
☆作中作「くじびきアンバランス」ライトノベルも現在2巻まで絶賛発売中。

【注意】
ネタばれ含んだSSは公式発売日正午12:00以降。 公式発売日正午以前の最新話の話題は↓へ
げんしけん ネタバレスレ3
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1132569574/

げんしけん(現代視覚文化研究会)まとめサイト(過去ログや人物紹介はこちらへ)
http://www.zawax.info/~comic/

「エロパロはそっち!!」「え? え? え?」

【椎応大】げんしけん@エロパロ板 その2【くじあん】 (21禁)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1122566287/

げんしけん@801板 その4 (21禁)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1127539512/
21:2005/12/03(土) 20:45:22 ID:???
急ぎで作ったテンプレだから間違いの標記もあります。
あと何か訂正あったかな。

訂正
げんしけん ネタバレスレ4
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1132569574/

「げんしけん」 木尾士目 その107
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/comic/1133282397/


3マロン名無しさん:2005/12/03(土) 20:53:26 ID:???
前スレ(初代)
げんしけんSSスレ
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1128831969/
4マロン名無しさん:2005/12/03(土) 20:57:03 ID:???
【赤面】荻上さん崇拝スレ 6筆目【東北娘】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1132505112/

>>1
スレ立て乙!というか投下中に…ほんと5963です。
仕切りなおしで最初から投下されてはどうでしょうか?
5笹荻の帰省:2005/12/03(土) 21:04:13 ID:???
>>4
お言葉に甘えてリトライさせていただきます。
いや、びっくり。SSスレは容量の問題もありますから
次スレ立ては早めにしないとだめなわけですね。
あと本スレに誘導レス書き込みましたけど
十分でしょうか?それで?
6笹荻の帰省(1/12):2005/12/03(土) 21:05:27 ID:???
東北新幹線は年末の帰省客の混雑で押し合いへし合いのありさまであった。
指定席の取れなかった笹原と荻上は早朝から上野駅に向かい、自由席に乗り
込んだが、その混雑ぶりに疲れきっていた。外の景色をかえりみる余裕さえ
なかった。乗換駅で鈍行列車に乗り換えて座席に座る事が出来て、ようやく
二人はほっとして微笑んだ。

荻「すみません、こんな慌ただしい帰省に付きあわせてしまって・・・」
笹「いや、とんでもない。それにしても綺麗な雪景色だよね。山も綺麗だ。
 修学旅行以外で関東平野から一度も出た事無い俺には新鮮な光景だよ。こ
れが見れただけでも・・・」
荻「逆に東京に出てきた時、私には山が無い事が驚きでしたよ」
笹「そんなもんか。でもこれが荻上さんの『風景』なわけだ。」

鈍行列車はゴトゴトと音を立てながら、二人を荻上の生まれ故郷まで運んで
いった。ダイヤは大幅に狂い、予定よりも遅い時間に二人は到着駅についた。
古びた駅の構内。まばらな人。笹原は慣れない寒さにブルッと震えた。
7笹荻の帰省(2/12):2005/12/03(土) 21:06:04 ID:???
荻「寒いですか?もっと厚着してくれば良かったですね」
笹「いや、大丈夫。でもすごい雪景色だね」
荻「これでも昔ほど降らなくなったんですよ。温暖化の影響で。今年は珍し
くこの時期から降ったみたいですね。何も無くて恥ずかしいです・・・」
笹「じゃあ、行こうか!」
荻「すみません、車を運転できる父が用事で迎えにこれねくて。でもタクシ
ー使うほどの距離でもねし。」
笹「いいって。タクシー代がもったいないよ。それに荻上さんの生まれ故郷
 ゆっくり見たいしね」

二人はゆっくりと歩き出した。笹原の目からも荻上の表情が段々生き生きと
していくのが分かった。会話も自然にお国言葉になっていった。笹原は荻上
の嬉しそうに話す表情を見るのが心から楽しかった。

笹「けっこう、傾斜が多いね。あれが荻上さんの通ってた中学校?」
荻「ええ、山沿いの町の上、地形が入り組んでて曲がり道も多い上、平地も
少ないんです。寂れて全然変わってません。」
笹「駅前にはコンビニも無かったよね?」
荻「あるにはありますけど、駅前より、街道沿いの方が開けてます。車が無
いと東北の生活は不便ですから」
笹「ふーん」
8笹荻の帰省(3/12):2005/12/03(土) 21:06:44 ID:???
二人はどんどん歩いていったが、神社の前に差し掛かると、荻上は急に黙り
こくり、足早にその前を通り過ぎようとした。笹原はその理由がわからなか
ったが、何も聞かずに黙って従って荻上について行った。

笹「けっこう思ったより歩くね。」
荻「ええ、でも自転車だとそんなに遠くは感じませんでした。高校はとなり
町の公立女子高でしたから。駅まで毎日・・・始発で・・・」
笹「うわっ、すごいね!」
荻「これでも皆勤賞もらったんですよ。雪が降ると父が送り迎えしてくれま
した。本当に毎日、毎日・・・」
9笹荻の帰省(4/12):2005/12/03(土) 21:07:25 ID:???
とうとう二人は荻上の実家までたどり着いた。二人は緊張の趣きで顔を合わ
せ、意を決して玄関を開けた。
荻「ただいま!!」
母「はーい、あら千佳ちゃん!遅かったね。悪りかったね、迎えにいけねく
て!ああ、よくいらしゃった。御疲れでしょ!さあ、どうぞ汚いとこです
けど!」
笹「とっ突然押しかけて申し訳ありませんでした!笹原完治と申します!」
母「あんまし、固くなんねで、ゆっくりなすってください」
弟「いらっしゃい!ねえちゃん!土産は?」
笹「??こんにちは!(ええっ、ほんとに弟さんいたんだ!てっきりあの時
の苦し紛れのウソだと思ってたのに)」
荻「(だから本当にいるって言ったじゃありませんか)」
ヒソヒソと二人は話し合った。
荻「おとさんは?」
母「まだ、けえってこねよ。」
荻「んだか、したらあたしたちおとさん帰るまで自分の部屋さいていい?」
母「ええよ、けえってきたら呼ぶから、疲れてるべからゆっくりなさい」
10笹荻の帰省(5/12):2005/12/03(土) 21:08:07 ID:???
荻上と笹原は自室に入って、荷物をどさっとおろしてようやくハーと安堵の
声を上げた。
笹「いや、疲れた!いや緊張した!会社の面接より緊張したよ!あとお父さ
んへのご挨拶も残ってるよね!はー。持つかな俺・・・。」
荻「ちっ父は無口ですけどそんな気難しい人ではありませんから」
笹「うん・・・それにしてもなんか落ち着くねー、ようやくゆっくりできた
 よね。」
荻「全然女の子らしい部屋じゃなくて恥ずかしいです。本ばかり・・・」
笹「いや、荻上さんらしいよ」
しばし、沈黙が続く。二人の顔が赤らんだ。
弟「ねえちゃん!かあちゃん呼んでるよ!」
荻「!ノックしなさい!」
弟「ごめん、なして顔赤いんだ?」
荻「うるさい!」
母「あんた、元旦だけ隣町の宮司やってる伯父さんの手伝いに巫女さんして
ほしいんだけど」
荻「巫女?なして?」
母「当てにしてたバイトの子に逃げられたんだって!」
荻「んーわがった」
母「あと、夕食の支度手伝って。おとさんも今帰ってきたから」
11笹荻の帰省(6/12):2005/12/03(土) 21:08:34 ID:???
荻上が家事の手伝いが終わり、居間に戻ると、笹原がすでに父親の酒の相手をさせられていた。山盛りに盛り付けられた味の濃い田舎の料理と酒を、勧められるままに苦笑いしながら食べていた。
笹「もう限界です!!」
父「若いもんがだらしない!ささ!!」

そう言いながら先につぶれたのは父の方であった。荻上は笹原に正月
の元旦だけ、隣町の初詣の大きい神社の手伝いに行く事を告げた。
母「したら、父さんに送ってもらうかね。朝早いんだべ、年越しそばはもう
少ししたら、食べるかね。んで笹原さんにはどこで・・・」
荻上は顔を赤らめる。
荻「そしたら、笹原さん・・・」
笹「もも勿論、弟さんの部屋で!!いいよね!!君!!」
12笹荻の帰省(7/12):2005/12/03(土) 21:09:15 ID:???
弟「せまいけど、どうぞ。うれしいな、兄貴が欲しかったんですよ、俺。」
笹「頼りないお兄さんかもしれないけどね。」
弟「そんなこと無いですよ。編集の仕事されるんですって?いいなあ、俺も
 東京に出たいんですけどね。姉貴も地元にいるよりは東京の方がいいでし
 ょうし。」
笹「それは例の中学の時、好きな人に同人誌を見られたって話と関係が?」
弟「ええ、俺も小学生だったから、当時。また聞きですけど。親父もお袋も
その件は口を閉ざすし。なにしろネタにされた本人が登校拒否・・・」
笹「いや、ちょっと、具体的な話は聞いてないんだ。根堀葉堀聞く事じゃ無
いし。」
弟「やべ・・・」
笹「大丈夫、詳しく・・・」

笹原は弟の部屋を出て、廊下の窓辺の側を流れる小川を眺めた。
笹「俺って薄っぺらいな・・・」
13笹荻の帰省(8/12):2005/12/03(土) 21:10:00 ID:???
その晩、荻上は夢を見ていた。
幼い頃、東北でも有名な雪祭りに家族で旅行した光景だった。
夜、無数のかまくらから光がこぼれる。自分はその側にあるかがり火を見つ
めている。その焔は闇夜をこがすかのように夜空に向かって燃え上り、火の
粉は闇夜に吸い込まれて行った。不思議な興奮と畏れに襲われ、不安にから
れて、家族のもとに駆け出した。大きめのちゃんちゃんこと藁の長靴が体に
からまり、トテッと転んだ。父親が自分を抱きかかえ、そして父親にしがみ
つきながら震えていた。

荻上ははっと目を覚ました。両の目からは涙がこぼれている。あの時、あの
時の私が許されない罪を自分自身に対してしたとすれば・・・、あの時私は
罪の意識をしっかりと感じて、畏れを抱きながら同時に身も心も喜悦に包ま
れていた事を自覚していた事だろう。荻上はベットから起き上がり、廊下に
出ていった。すると笹原が窓辺にたたずんでいるのに気付いた。
14笹荻の帰省(9/12):2005/12/03(土) 21:10:38 ID:???
荻「眠れないんですか?」
笹「ああ、荻上さん・・・。そうだね」
荻「私もです。明日は早いのに・・・。」
笹「俺ねえ、荻上さんのコスプレ姿にいやらしいこと考えたことあるんだよ」
荻「・・・そうですか。私も笹原さんと斑目さんとでいやらしいこと考えた
事ありますよ」
笹「どうしようもないねえ、俺たち」
荻「どうしようもないですね、私たち」
お互いに微笑み合い、自然に二人は手を取り合って握りしめあっていた。
15笹荻の帰省(10/12):2005/12/03(土) 21:11:21 ID:???
明け方前、父親の車で笹原と荻上は隣町の稲荷大社まで連れて行ってもらっ
た。

伯父「待ってました!!じゃあ千佳が着替えている間、笹原さんにはお守り
とか破魔矢とか業者が搬入してくる奴を運んでもらおうかな!!」
荻「うわっちゃっかりしてるー」
伯父「まあまあ、ささ、こっちこっち!」

父親は一旦家に帰り、笹原は神社の職員の言われるままに社務所で手伝いを
していた。そうこうしているうちに、巫女姿に着替えた荻上が現れた。その
姿に茫然自失となり、白無垢と袴姿に我を忘れ、声をかけられてはっとする
まで気がつかないありさまだった。
笹「・・・綺麗だ・・・天女様かと思った・・・」
荻「馬鹿ですね!」
荻上は恥ずかしそうに小走りに立ち去っていった。
16笹荻の帰省(11/12):2005/12/03(土) 21:12:05 ID:???
昼頃に、ようやく二人は開放され、帰途についた。正月の残りの日は何をす
ることもなく、ゆっくりと過した。雪かきをして、転んで荻上に笑われたり、
二人でゴロゴロとみかんを食べながらコタツに横になった。
また正月番組のハードゲイの芸人の登場に咳き込んだり、荻上の買いためた
漫画を二人で読み返したり、おもちや雑煮をたらふく食べたり、荻上の体重
計の数字を覗き込んで怒られたり・・・。そうして過している内に帰る日に
なった。
17笹荻の帰省(12/12):2005/12/03(土) 21:12:57 ID:???
荻「じゃあ、『帰り』ます」
その言葉の真意を両親は悟った。
母「送ってかなくていいのかい?」
荻「しばらくこれないと思うからゆっくり景色を目に焼き付けていきたいか
ら」
父「まあ、がんばんなさい」
笹原も深く会釈して礼を言った。帰り道、再び神社の前に差し掛かった。

荻「ここに少し寄っていきたいんですが」
笹「ここに?」
荻上の弟から詳細は聞いていたが、弟もくわしくは知らなかったので、神社
が何を意味するかは分からなかった。
荻「キスしてください」
笹「ここで?」
荻「ええ、神前で心にやましいことなど一つとしてありませんから!!」
荻上の毅然とした態度に気おされたわけではなかったが、素直に荻上にキス
をしてあげた。
荻「じゃあ『帰りましょう』」
いつもの荻上に即座に戻った。笹原はこれからもこの子には振り回されると
思ったが、それが大変だとこれっぽっちも思わなかった。
18マロン名無しさん:2005/12/03(土) 21:27:45 ID:???
>1 乙。SSはまだ目を通してないけどw
前スレ見たら尻切れしてたから作者の身になにかったもんだと妄想してた
19マロン名無しさん:2005/12/03(土) 21:50:53 ID:???
前スレ>>885
初SSで今月号への想いはとりあえず全力投入したので、それやってみます。
妄想を練りこむ時間を下され。

前スレ>>886
残暑のひとコマへの感想有難うゴザイマス。どうやらヌルイものしか書けないっぽいです。

>>1,>>6-17
投下どころかスレスト&スレ立て、非常に乙です。
冬コミ後、そのまま帰省なんで日程ぎりぎりでしょうね。
GJでした。
ひょっとしなくても肝は巫女のシーンですよね。
20笹荻の帰省:2005/12/03(土) 22:36:05 ID:???
>>18
そうなんです。なんかあったんです。
容量オーバー?新スレ立て?おっ大野先輩呼んできてくださーいって
なってました。
>>19
そうなんです。肝いりです。巫女さん姿の荻上見たさに書いたようなもんです。
詳しければもっと細微な描写をしてみたいと思います。

前スレのSS投稿もったいないね。保守可能なのかな。
21マロン名無しさん:2005/12/03(土) 22:40:14 ID:???
一応今は専ブラにログ残ってるからブログなりwikiなり作るけど
っていうなら提供するよ
22マロン名無しさん:2005/12/03(土) 22:53:14 ID:???
>>21
たのんだあー!
っていうかマジ頼みます。
23マロン名無しさん:2005/12/03(土) 23:57:55 ID:???
大「お、荻上さんっ! み、巫女さんの格好をしたって本当ですかっ!?」
ヤバい目をして荻上に詰め寄る大野
荻「え、ええまぁ 格好っていうか、本当に巫女の仕事をしたんですけど」
大「笹原さん!」
笹「え? なに?」
大「デジカメとかで撮ってませんか!?」
笹「ああ、うん、ちょっとまって………ほら見てよ、荻上さんの地元。 本当にいいところだったよ」
大「違いますよ! 巫女荻のですよ!」
笹「(巫女荻……?) ごめん、ちょっと無いなぁ……」
大「……チッ!」
笹「(舌打ち……?)」
するとケータイを取出し誰かにかける大野
大「……はい……そうです……三日以内に荻上さん用の巫女コスをお願いします!……え?学校の課題がある?……巫女コス優先です!……頼みましたよ!」
ケータイをたたむ大野
笹「……今かけたのは……?」
大「荻上さんには三日後に私の前で巫女コスをしてもらいます!」
荻「はぁ? なんでですか!」
大「私が見たいからです! 会長命令です!」

なにはともあれSS乙です。グッジョブ。
24マロン名無しさん:2005/12/04(日) 03:06:06 ID:???
>>18
警察が踏み込んできて「もうだめぽ」みたいな何かだったら大変でした

>>21
激しく期待しています。よろしう頼みます。

>>23
そのリアクションSSもGJ!!
25笹荻、怒りの鉄拳 作者:2005/12/04(日) 03:43:46 ID:???
>>1
SS&スレ立てとは、何ともいろいろ乙&GJ!
俺の書く話って地の文が長くて字数多いので、スレに負荷かけ過ぎて早死にさせてしまってのではと心が痛みます。
お手数おかけしました。
前スレ>>884
ご意見ありがとうございます。
一応コピペなのですが、送っていい容量がよく分かってないのとパソコンが古いせいで、何回も送信失敗してえらい時間かかりました。
あと送信前の確認する度に手直ししてたのも大きかったです。
ジャンプが最も「努力・友情・勝利」だった時代の直撃世代なので、やはりその影響は大きいと思います。
前スレ>>886
ご意見ありがとうございます。
一番苦心した点を分かって頂けたので、苦労が報われました。
26マロン名無しさん:2005/12/04(日) 04:31:20 ID:???
いまSSスレ1見ようとしたら途中で終わってて???状態だった。
んで、他スレ覗いてようやく状況がつかめたw
すごーいw2スレ目突入ですよ、これまたw
>>6->>17
乙&GJw
いやはや帰郷編、楽しませていただきましたw
巫女オギの展開ちょっと俺も考えてたwさきにやられちったか。
皆優しそうな家族設定でよかったです。
でも、俺がちょっと思う不安。
弟君がいたとする。彼は姉のことでいじめられたりしなかったのかな?
そうだとしたら相当歪みまくってそうな気が・・・。
すまん・・・。変なこと書いちまった・・・。
わ、忘れてくれい!
27マロン名無しさん:2005/12/04(日) 06:06:15 ID:???
前スレ>>885
のリクエストが有ったので、書いてみました。

========================================================================
885 名前:マロン名無しさん 投稿日:2005/12/03(土) 12:39:53 ID:???
↓のシチュエーションおおいに萌えました。誰かこの設定でSS書いてください!!!!!!111ぬ

223 名前:名無しんぼ@お腹いっぱい[sage] 投稿日:2005/12/01(木) 21:34:05 ID:/OGL89t+0
>>220
二日目:
・遅れてやってきた田中と大野が二人でお出かけ
・春日部姉さんオギーのために一肌脱ぐつもりで、断腸の思いで二人っきりデートをあきらめ恵子も連れ出し三人デート
・斑目も空気読んでクッチーを連れ出して外へ

二日酔いでつぶれているオギーの介抱役を笹原に押しつける作戦

ベタなノリだが、回想で斑目に言い含んでいた伏線や、田中が遅れてやってくる伏線も全部活かせる


226 名前:名無しんぼ@お腹いっぱい[sage] 投稿日:2005/12/01(木) 21:43:38 ID:/OGL89t+0
やべえ、書いてたら妄想がむらむらと膨らんできた

二日酔いで意識朦朧としたまま、昨日の状態を引きずっているオギーが、看病してくれてる笹原を巻田と間違えtskwsdpv@:あばばばばば


すまんSSスレにいってくるノシ
つうかこれ以上書くのめんどいから、誰かこの設定でSS書いて。
=========================================================================
思ったより、かなり難しい設定でした(汗)。寝ぼけて間違えるってリアリティが…。
では、10スレぐらいになります。
28夢を見た1/10:2005/12/04(日) 06:07:14 ID:???
皆が寝てしまった深夜のロッジだが、荻上は一人起きていた。
過去を語って泣いてしまったあと、他の者には気丈に振る舞い、
男性メンバーも交えて談笑したあと就寝となったのだが、やはり眠れないのだ。
ノートを取り出し、過去の友人や今の仲間の絵を描いている。
といっても泥酔近いのでぐちゃぐちゃだ。それを直して…という事を繰り返している。

荻上「私が駄目だったんだァ…。でももう引き返せね…。」

独り言まで出ているが、ワインをかなりのスピードで飲み
トイレに行ってはリバース。なんという飲み方だろう。
今時の体育会系でもそんな技を実践している所は少ない。
小柄な割りにリセットを多用したこともあり、また肝臓が強いのだろう、
明け方に咲がトイレに起きた時、まだ荻上は飲んでいた。

咲 「うわ、オギーまだ飲んでたんだ(汗)」
荻上「あー、ろうも…なんふぁ眠れなふて…」
咲 「ついててやるから、もう寝なよ」
荻上「すみあへん…」

ろれつが回っていない。そして表情はとても暗かった。
ぐにゃぐにゃになっている荻上に水を飲ませ、ベッドまで荻上を
連れていくと、嘔吐窒息予防で横向けに寝かせた。
29夢を見た2/10:2005/12/04(日) 06:07:42 ID:???
咲 「大丈夫かい、飲みすぎだよ」よしよし…

荻上の頭をしばらく撫でている咲だが、

荻上「すいあせん…もうらいじょぶですから…ひとりで…」

と繰り返す荻上に、逆に落ち着かないか…と思って一旦離れた。
荻上はその後、独り涙を流しながら眠りに落ちていったのだった―――。


翌朝、というか1時間後。
田中が始発近い新幹線に乗ってやってきた。
皆が起きても、荻上は眠りについてすぐだ。しかも在庫の酒を
空にしてしまっている。
今日は起きれないことは明白だったし、起きたら介抱が必要だろう。

大野は、昨夜の話と、泣きながら眠る荻上を見て、今すぐ
笹原に荻上を救出させねば!と決意を固くして、笹原を
ロッジの外へ連れ出した。

大野「笹原さん、荻上さんはこのままじゃ幸せになれません!」
   「そんな訳にはいかないんですよ!」
笹原「え、ちょっとどうしたの…?まあ介抱は必要だけどさ」
大野「もう、何を呑気な…。いいですか、笹原さん…」
30夢を見た3/10:2005/12/04(日) 06:08:12 ID:???
過去のいきさつを説明する大野。

笹原「なるほどね…」
笹原『そうか…避けられてたのは、そういう事か…』
   『性格だと思ってたなんて、俺は―――。』
大野「どうなんですか、笹原さん。荻上さんの事が」

今まで淡々と語っていた大野だが、抑えていたものが溢れる。

大野「荻上さんの事が、好きなんでしょう?」

真剣な眼差しが笹原を射る。

笹原「うん、好きだよ。何があっても。」

笹原の方も真っ直ぐな視線で…いや、より強い意志が瞳に宿っている。
大野は安心と同時に、弱すぎると思っていた
笹原の強い瞳に少し驚き、後ろを向いてロッジに帰り始めた。

大野「じゃあ今日は、荻上さんの事、任せましたよ」

笹原『何があっても…。そう、荻上さんが幸せになるには、望んでいるのは何なのか。』
   『初恋と、自分の業、そして傷つけた罪の意識、か―――。』

森を見やる笹原。夏空がその上に広がる
31夢を見た4/10:2005/12/04(日) 06:08:40 ID:???
その後、田中と大野、高坂と咲と恵子、斑目とクッチーが
それぞれ出かける姿があった。
見送っているのは笹原が一人。
3人で出かける咲を見て、心なしか斑目は気が楽になった表情だが
それは一瞬のことで誰も見る者は無かった。
いや、見られる斑目では無いだろう。

皆を見送った笹原は、荻上の傍に座っていた。
眠りが浅いのか、寝返りをうったり何やら寝言が漏れたりしている。
夢でも見ているのだろうか。
手持ち無沙汰になった笹原は、ふと荻上の眼鏡を掛けてみた。

笹原『うわ、クラクラするな(汗)!これはかなり度がきつい』

そんな事を思いつつも、荻上の眼鏡は少し嬉しい笹原だった。
真剣に悩んでいても、嬉しいものは仕方ない。
経験が無いぶん、未だに思春期真っ盛りか。
いや、触れられる事だけで嬉しい、これが原動力でも有るだろう。
32夢を見た5/10:2005/12/04(日) 06:10:45 ID:???
その頃、荻上は夢の中に居た………。
801コピー誌事件のあと、荻上は家族内でも一度叱られたあとは
責められ続けはしなかったが、家庭も居心地の悪いものだった。
そして全校生から「ホモ上」。かつての文芸部仲間とも
表面的には親しくしていても、しこりは消えるものでは無い。

そんな時、転校した巻田が何故か学校に戻って来た。
夢の中なので整合性は取れてないが、転校した立場だがここに居る。
荻上はとにかく謝りたかった。

荻上「あ…あの、巻田君…。」

話しかけようとすると、巻田は冷たい視線で遠ざかってしまう。
しかも、周りの同級生達も、近づく事を妨害してくる。

男子「ホモ上、お前なにしてんだぁ。」
女子「ホモ上さん、あんた今更ずうずうしいべ。」

悲嘆に暮れる荻上は、階段の踊り場で坊主の同級生に声をかける。

坊主「俺もオメの事、許せないし気持ち悪いと思ってる。
   けんど、謝りたいっていうのはよく解った。
   呼んでくるから待ってろ。」
33夢を見た6/10:2005/12/04(日) 06:11:09 ID:???
階段で待ち続ける荻上だが、息苦しさがどんどん増してくる。
誰がどう見ても、倒れる寸前だ。しかし巻田は来ない。
ついに荻上は気が遠くなり、その場に座り込んでしまった。

巻田「あ…!荻上さん、大丈夫・・・!? 保健の先生呼んでくるから」

荻上はその声を遠くに聞いたように感じた。



荻上「あ、巻田くん…。」

不意に発せられた声に笹原は驚いた。
眼鏡をかけたまま、見ると荻上がこちらを見ている。

荻上「巻田くん、運んでくれてありがとう」
笹原『巻田君って、中学の…!しかし寝ぼけてるんだよな…?』
荻上「やっと話を聞いて貰えて良かったぁ。」
笹原「大丈夫?荻上さん。寝ぼけてる?」
荻上「や…私は大丈夫…。それよりも、話を聞いて。」
笹原『どうしよう…。いや、気がすむなら…話を合わせよう。』
笹原「うん、話してよ、荻上さん。」
34夢を見た7/10:2005/12/04(日) 06:11:36 ID:???
ぼんやりとしか見えない笹原を巻田と勘違いした荻上は、
夢の中の続きのままに話しかけ続けた。酒も抜けてない。
目はなんとなく笹原に向いているが、ほとんど見えてないだろう。

荻上「ほんと、私のせいで…私の絵で、ひどい事しちゃってごめんね。
   謝って済むもんじゃないし、言い訳も出来ないし。」
笹原「うん…。いいよ。」
笹原『どうする…?夢の続きかも知れないけど、荻上さんは今、
   中学時代に戻ってる。俺は巻田君か。』
荻上「ううん、よくないよ。気持ち悪いよね。でも、あれが私…
   本当の私なの。」
笹原『中学の時の後悔している事を、和らげられたら良いんだけど…。
   せめて今の眠りの中だけでも。』
荻上「こんな事なら、巻田君から付き合ってって言われた時に
   断っておけば良かったね。こんな気持ち悪い子。」
笹原「そんなこと…。」
荻上「今、大丈夫になった?今でも傷ついたままだったらどうしよう…
   そればっかり気になって…。」
笹原『これは、もう大丈夫としか言う他ないな…』
笹原「うん、もう気にしてないから心配しないでよ。」
荻上「良かったぁ…!ほんとごめんね。それでもやっぱり、ありがとう。
   こんな私でも、付き合ってって言われて嬉しかった。」
笹原「うん、そりゃ…好きだから。荻上さんこそ大丈夫?」
35夢を見た8/10:2005/12/04(日) 06:11:56 ID:???
笹原は、自分の気持ちと、巻田に対する気持ちが複雑に胸中で渦巻く。
汗が滲んでいるのは冷や汗だろうか。

荻上「うん、ありがとう。私、もう大丈夫だから…。安心したから…。」
笹原『どうなんだ?荻上さんが中学生だとしたら…何を望んでいるんだ?』
笹原「良かったらさ、また仲良くしてよ。一緒に帰ろう。」
荻上「え…!」

しばしの沈黙。

笹原『あれ?どうしたんだ…?目が覚めたか寝ちゃったかな?』

荻上「巻田君は…転校先で幸せになってるんだよね?私は…私も…。」
   「私も、好きな人が出来たんだよ…!まだ憧れてるだけだけど…。」

笹原『ええーーーっ!!』

荻上「私みたいな趣味の子から巻田君は離れられるんだから、幸せになってよ。」
笹原「え、いや…うん。」
荻上「私はどうなるか解らないけど、ひょっとしたらって…。」
   「や…どうにもならなくても…ほんとに好きなものは離れられないし…。」
笹原「荻上さん…。」

どう受け答えしたものか、笹原にはどうしようも無くなってしまった。

荻上「………スー…スー…」
36夢を見た9/10:2005/12/04(日) 06:12:20 ID:???
荻上はちょうど、また眠り始めたようだ。
笹原は溜息をついた。汗びっしょりである。
眼鏡を拭いて横に戻した。

笹原『巻田君が今、幸せになってるかどうか俺には解らないけど…。』
   『癒えない傷じゃないと信じたいな。せめてその後一生801に無縁なら…。』

眠る荻上の肌布団をかけ直す。軽井沢なので涼しいし
泥酔していると体温調整もあまりされていない。
荻上の頬に触れると、しっかりと温かい。大丈夫なようだ。

笹原『俺は、彼女の趣味を、全て受け入れられるだろうか…。』
   『俺が会った荻上さんは、801好きで、過去に傷つけた事に傷ついて…。』

荻上の寝顔を見つめる笹原の表情には、決意と少しの自信が覗えた。

笹原『恋愛経験、付き合った経験は無いから、何が不安かすら実感無いけどね。』
   『でも、俺も荻上さんが好きなんだ!これからもずっと…。』

結局、トイレに2回ほど起きただけで、荻上は夕方まで寝っぱなしだった。
荻上は夢のことはぼんやりとしか覚えて居ないし、笹原と会話したとは思ってなかった。
37夢を見た10/10:2005/12/04(日) 06:13:46 ID:???
翌日の飲み会では荻上はもちろん禁酒だった。
しかし早朝に咲が見た時のような影はもう無い。

荻上「あー、もう今日はお酒は要りませんよ。」
一同「あたりまえだ!!」

そして大野や咲に、隅の方でひそひそ話しに引き込まれては責められる笹原の姿が有った。

大野「もう、笹原さん、介抱だけって…!弱すぎですよ!」ヒソヒソ
笹原「え、いや、だってずっと寝てたし…!」ヒソヒソ

前日までは笹原を避けていたが、今日も距離は遠い。
いや、今日は笹原を見ている。その眼差しは和らいでいるようにも
何かの決意があるようにも見えることに、咲は気付いた。

咲「ふふ〜ん。」
  「ま、じれったいけど、なんとかなるかな…?」

少し微笑むと、咲は高坂傍に座りなおすのだった。
38夢を見た10/10:2005/12/04(日) 06:14:48 ID:???
以上です。
なんか僕が書くとヘタレ笹原しか出来ないような…というか自分がヘタレか!!
39マロン名無しさん:2005/12/04(日) 06:15:21 ID:???
って、名前欄が…orz
40マロン名無しさん:2005/12/04(日) 10:25:56 ID:???
>>28->>38
ええ話やなー(涙)
非メガネの人が好きな人のメガネに触れる機会があるとつい掛けてしまう。
そんな古典的な状況をこんな形で使うとは・・・いやー感服つかまつった。
41マロン名無しさん:2005/12/04(日) 10:43:59 ID:???
>>40です。
書き込んでから唐突に思いついた例え話。
夢枕獏の格闘技小説の格闘シーンに、よくこんな描写がある。
これから戦う2人の間に、透明な大きなガラス球のようなものが生じる。
それは2人の緊張と殺気を象徴していて、その大きさは間合いを示す。
やがて2人はジリジリと間合いを詰めると、段々ガラス球は2人に挟まれて歪んでいく。
そしてガラス球が破裂すると、互いの攻撃が届く距離に達して戦いが始まる。

今の笹荻の間にも、笹原の拒絶されることへの不安や恐れ、荻上さんのトラウマや罪悪感やためらいといった要因で出来たガラス球があるのだろう。
だが2人の思いは、自然にジリジリと互いの距離を詰めつつある。
当然ガラス球は徐々に歪んでいく。
それが破裂した時、2人を遠ざけていた諸々の要因は解決(または克服)して、笹荻距離は一気にゼロになる。
そんなハッピーな決着を来月号ぐらいにはお願いしたいものだ。長文失礼。
42マロン名無しさん:2005/12/04(日) 16:09:15 ID:r2FAucMf
笹荻が成立したあと、それを受けて咲に告白しようとする斑目
結果は相手にもされずギャグ扱いされ、斑目自身も「あ、おもしろくなかった?」とごまかす

その後部室に現れなくなる斑目
43マロン名無しさん:2005/12/04(日) 16:38:45 ID:???
>>42
二行で泣かすな
44マロン名無しさん:2005/12/04(日) 18:16:37 ID:???
いや、それマジにありそうだな
全米が泣いた


しかし斑目のことだ。告白までいけないだろ。
45マロン名無しさん:2005/12/04(日) 18:40:58 ID:???
>>42
切ねえ
切な過ぎる
46マロン名無しさん:2005/12/04(日) 18:46:10 ID:???
多分斑目、咲への思いは墓場まで持って行くか、お互いに洒落で流せるような何十年か後の再会時にそっと告げるか、そんなとこだと思う。
47マロン名無しさん:2005/12/04(日) 19:14:40 ID:???
昼休み
もう部室には行かないと決めてから職場で昼食をとっている
近くのコンビニに弁当を買いに行こうとすると、会社の入り口のところにコーサカがいた
高「こんにちは」
斑「あ、あれ、コーサカ? どしたの?」
高「ちょっとお時間いいですか?」

公園のベンチ
高「最近、部室に来なくなったらしいですね」
斑「あ、ああうんそうね いやー、いつまでも寄生してるわけにゃいかんだろ んで用はなに?」
高「……咲ちゃんのことですが」
斑「(ギクッ!) う、うん」
高「斑目さん……咲ちゃんに告白したんですよね」
斑「(キタ━━━━!!) あ、ああ、アレ? あ、あ、ああ、アレはギャグで……」
高「


駄目だ、上手く書けん……
48マロン名無しさん:2005/12/04(日) 22:07:57 ID:???
>>40
感想有難うございます(ノД`)
しかし読み返してみても、苦心した割にはちょっと無理ありますね(汗)。
43話の続き編は2つ書いてしまったので、他のをなんか練ります。

>>41
板垣漫画にもよく出てくる表現ですね。
しかし文章で現すのは難しそうです。
最初は「カルマ/BUMP OF CHICKEN」(TALES OF THE ABYSSのテーマ曲)
の話をしてるのかと思いました。
いや、ガラス玉=個人の居場所、って歌詞だったから。

>>42
書いてみたら?しかし>>46と同感です。
>>47を読んでも、やっぱり個人的には違和感が…。

でも何でもありですよね、SSは。
49マロン名無しさん:2005/12/04(日) 23:07:40 ID:???
笹荻専門だが、斑咲の進展も興味が出てきた。
告白してすべったところから書いてみるか・・・。
50斑咲 告白のその後:2005/12/05(月) 00:21:36 ID:???
本来、笹荻の人が挑戦してみました。一方的な片思いの関係に妄想がはさ
む余地あんのかと思ったけど、わりとここまでは進められた。
自分の願望が入り込まない分・・・良否は自分でも分かりません!
ここまでが俺の限界・・・その後は他の人にまかせます!
51斑咲 告白のその後:2005/12/05(月) 00:22:41 ID:???
公園にて・・・

咲「よっよう、斑目!元気かー、こんなとこで一人でモソモソ弁当食ってんじ
ゃねーよ!」
斑「・・・やあ、春日部さん・・・モグモグ、どこで食おうといいだろ、別に。」
咲「かー、しけてるね!部室に顔出せよ!お前がいないと何か落ちつかねーん
だよ!」
斑「・・・この前は悪かったね。いや、すまなかった。」
咲「あっ謝るんじゃないよ・・・」
斑「いやいや、しょせん『美女と野獣』・・・いや蛇だな・・・。」
咲「!お前のそういうところが嫌いなんだよ!わざと自分を作りやがって!」
斑「春日部さんこそ・・・作って、隠してるじゃないか・・・」
咲「あたしのどこが!」
斑「高坂に強気な態度取ってるようで・・・本当は不安や甘えたい気持ちを持
つ『女の子』なところをさ!」
咲「・・・帰るわ、あたし・・・」
斑「・・・・春日部さん!」
咲「・・・ん?」
斑「ひとつ、言いそびれた事があるんだ。聞きたかった事が・・・。」
咲「なっなにさ?」
斑「昔さー、覚えてないと思うんだけど、部室で春日部さんが漫画読んでた時!
 あん時、春日部さん鼻毛出ていたの自分で気付いてた?ひょっとしてあの
 状態で講義とか出てたの?ずーと知りたかったんだよね。」
52斑咲 告白のその後2/3:2005/12/05(月) 00:23:36 ID:???
バキ!!
咲「おまえって!ほんとーにサイテーな奴だな!!教えろよ!!そん時!」
斑「つー、あっあのな!俺まだ勤務中だぞ!どうしてくれんだ!メガネひん曲がったじゃないか!」
咲「あの似合わない四角いメガネかけりゃいいだろ!」
斑「かー、やっぱり俺、外見に惑わされてたわ!やっぱり暴力女だわ!」
咲「なっなんだと!お前こそ殴られたがってるマゾなんじゃねえのか!」
斑「なにをこの、暴力女!暴力女!暴力女!暴力女!暴力女!暴力女!」
咲「このマゾラメ!マゾラメ!マゾラメ!マゾラメ!マゾラメ!マゾラメ!」

おばあさんが通りかかり「お若い方〜夫婦喧嘩は良くないですよ〜」
テクテクテク

斑・咲「・・・プッ!わはははははははははは」
咲「はーおかしかった!斑目!明日は部室に顔出せよなー」
斑「・・・ああ」
53斑咲 告白のその後3/3:2005/12/05(月) 00:24:17 ID:???
そんで次の日の部室・・・
笹「あれ?斑目さん!久しぶりですね!」
斑「ああ、モグモグ、やっぱ落ち着くなここ・・・」
笹「いや、あんまり落ち着かれても問題なんですが・・・でも・・・」
咲「いよー!笹原と荻上!いつもご一緒で仲のよろしい事で!おや!(ニヤー)
 マゾラメさん!今日のお仕置きは鞭がよろしいですか?それともろうそく
 がよろしいですか!」
斑「ばっ馬鹿言え!!」
でもすこしうれしかったりする斑目であった・・・。
54マロン名無しさん:2005/12/05(月) 01:12:46 ID:???
>>51-53
難しい題材で、しかも萌え領域違いでの作成、乙でした!
喧嘩の掛け合いはGJっす。

しかし2スレ目への誘導うまくいってるんでしょうか。すごい閑散…。
55マロン名無しさん:2005/12/05(月) 02:16:06 ID:???
俺的には斑目が咲に告白して初めはギャグのつもりか、からかってるつもりだと
思ってた咲が実は本気だったんじゃないか?と後から斑目の告白に真剣に悩み始め
普段の咲からは想像もつかない、慌てた様子の咲ちゃんが見たかったりもする・・・
56マロン名無しさん:2005/12/05(月) 02:47:44 ID:???
高坂とうまくいかなくて落ち込んでいる咲に、
不用意なことを言って傷つける斑目。
普段と違い、ますます落ち込む咲を慌てて慰める斑目というのも見たい。
57マロン名無しさん:2005/12/05(月) 03:01:26 ID:???
>>51〜53
速攻作成&投下、乙。
しかし咲の台詞回しが、ちょっと微妙ですね(汗)。
どの時期を基準に考えるかによって言葉遣いけっこう違いそうだけど…。

>>55>>56
複合で作れそうな気がするけど、咲の心理ってなかなか目線が
読者まで下がってこない(木尾目線?)から洞察しづらいんだよねぇ。
つまり自然に作るのがちょっと難しい気がする。
58マロン名無しさん:2005/12/05(月) 05:22:12 ID:???
>>54
過疎っていうか>>28-37とか前スレ>>823-833とかみたいな重い純愛狙いが
連投されて胃もたれっぽくなってるんジャマイカと言ってみるテストw
批判じゃないけど笑えるのやら軽くエロ萌えパロも希望.
59マロン名無しさん:2005/12/05(月) 08:00:05 ID:???
この咲は斑目が本気と知ってるのかな。
落ちは斑目が喜ぶと知ってて言ってる気もしたり。
60マロン名無しさん:2005/12/05(月) 17:46:30 ID:XmudhyM7
>47 別の人ですが続きを考えてみました。

高「…とっちゃだめですよ」
斑「はぁ!? な、なにイッテンダヨ!オレは別に…」
慌てる斑目に高坂が微笑む。

高「最近ですね、咲ちゃんに会えないんです」
たわむれる子犬を見ながら高坂がつぶやく。

斑「…いそがしいのか?」
同じように子犬を見ながらたずねる。
高「そうですねー。 なかなか家にも帰れないんですよ」
斑「…」
高「いつも一緒にいてあげられないのはすごく申し訳ないと思ってたんです。
  …でも、本当は一緒にいて欲しいのは僕の方だったのかも知れない」

斑目は横目でちらりと高坂を見る。
穏やかなの表情は相変わらず感情を読み取りにくいが、ほんの少しだけ寂しそうに見えた。
61マロン名無しさん:2005/12/05(月) 17:48:58 ID:XmudhyM7

斑「勘違いしてるんじゃネーヨ」

斑「オレと春日部さんじゃ住む世界が違うっての。
  オレはお前らの間に割り込む気はねーし、第一、春日部さんはお前にベッタリじゃねーか。
  なに心配してんだよ。だいたいオレと会ってるヒマがあるんなら、部室へ行ってこいよな、まったく」
高「…ははっ。そうですよね。
  じゃあ僕、今から部室へ行ってきます。咲ちゃんいるかな」
斑「おう、早く行けよ。オレも会社に戻るかな」
高「はい。それじゃあ、すいませんでした。変な事言っちゃって」
にっこりと微笑むと高坂はかるくおじぎをした。
斑「ん、ああ。じゃあガンバレよ」

斑「…まったく、しょーがねーなー」
高坂の去った後、ベンチにだらしなくもたれかかった斑目は空を見上げる。
斑「まったく…」

高い空が夏の終わりを告げていた。
62マロン名無しさん:2005/12/05(月) 17:51:09 ID:XmudhyM7
激しく後悔した。
ハズカシィ
初めてなので笑って許して欲しい。
63マロン名無しさん:2005/12/05(月) 18:02:46 ID:???
>62 なかなかおもろかったよGJ
64マロン名無しさん:2005/12/05(月) 18:03:16 ID:???
俺的に>>47の展開は

・斑目が咲に告白したことを知るコーサカ
・咲は「ギャグ」だと思い込んでるが、既に斑目の咲への想いに気付いていたコーサカは「マジ告白」だと気付き考え込む
・「咲ちゃんが学生な今でさえ全然会えない状態なのに、咲ちゃんが社会に出たりしたら全く会えなくなるだろう……僕は咲ちゃんを幸せにできない」
・斑目に咲を頼むことを決意するコーサカ

な感じだな
65マロン名無しさん:2005/12/05(月) 21:10:55 ID:???
よし、その2初投下。
げんしけんの日常ラブコメ風味。
笹原頑張ってるー!スペシャル。
9レスで投下。
66めぐりあい、アキバ(1/8):2005/12/05(月) 21:13:27 ID:???
「あれ?」
「あ・・・。」
休日の昼、アキバのメイン通り。
ばったり、といった表現が似合いすぎる状況で出会った二人。
笹原と荻上。
「こんにちは。」
「こ・・・、こんにちは。」
少しぎこちなく挨拶を交わす。
「買い物?」
「ええ・・・、まあ、そんなところです。」
「お昼食べた?俺これから行くんだけど、一緒に行かない?」
笹原にしては勇気を出した発言であった。
「へ?・・・私もこれから食べようと思ってたんでかまいませんけど・・・。」
荻上としても断る理由がなかった。そう思っていた。
いや、断りたくなかったのかもしれない。
「じゃ、行こうか。どこか希望とかある?」
「いえ、特には・・・。」
「そう?」
67めぐりあい、アキバ(2/8):2005/12/05(月) 21:15:54 ID:???
アキバといえどもマックぐらいはある。
二人はそこで食事をすることにした。
「いつもマックで食べるんですか?」
「いやー。うどん屋とか定食屋とかね。色々あるけど。」
少し話がしたかった笹原は、落ち着ける場所を選んだのである。
笹原、今日はがんばってます。
「そうですか。」
「そういえば、買い物っていってたでしょ?何買いに来たの?」
「えっと・・・。パソコンのパーツなんですけど・・・。」
話によると、この前買ったPCの動きが多少悪くなったようなのである。
「フォトショ使ってるときに特に良くなくて・・・。
ネットとかで色々読んだんですけど・・・。訳わかんなくて・・・。
CPUとか、換えればいいのかなって思ってきたんですけど・・・。」
まだまだPC初心者である荻上には、わからないことが多い。
「いやー。たぶんメモリが足りてないんだよ。容量の問題もあるかな?」
「メモリ?」
「うーん、この前あのPCの形とかは見てるから、どうすればいいか分かるよ。」
「本当ですか!?」
「うん。それじゃ、ご飯食べた後に一緒に見に行こうか。」
「え・・・。笹原先輩も何か用があってきたんじゃ・・・。」
「いやいや。いつもの巡回。気にしないでいいよ。」
「はあ・・・。じゃあ、お言葉に甘えて・・・。」
68めぐりあい、アキバ(3/8):2005/12/05(月) 21:18:27 ID:???
さて、到着したのはパーツショップ。
「中古でも出回ってないわけじゃないんだけどね、値段そう変わんないからさ、
新品買った方がいいだろうねえ。穴の数も分かってるし・・・。」
「はあ・・・。」
この二年間でそれなりのPC知識が笹原にはついていた。
ああいうものを持つと色々いじりたくなるのは男の性である。
「他になんか欲しいものとかないの?」
「タブレット使ってみようかなって思うことはあります・・・。」
「ああ、そういうのあると便利そうだよね。」
会話をしながら笹原は必要なメモリを店員に訪ねていた。
「えっと、1万ぐらいだね。」
「え、そんなもんでいいんすか?」
CPUの値段を見てきた荻上にはすごく安く感じた。
「まあ、メモリでもおっつかなくなったらCPU換えた方がいいけど・・・。
多分、当面はそれですむと思うよ。」
「はあ・・・。それじゃ、タブレットも見てみようかな・・・。」
「うん、それがいいんじゃない?」
タブレットに関してはたいした知識がない笹原だったが、
店員に話を聞きにいったり、色々と手助けをしてまわった。
購入して、外に出る。
「結局、二つあわせても予算より安く済みました・・・。」
「うん、良かったね。」
69めぐりあい、アキバ(4/8):2005/12/05(月) 21:21:03 ID:???
パーツショップからの帰り道。同人ショップの目の前に差し掛かる。
「ちょっと寄ってく?」
「え・・・。あ、はい・・・。」
荻上ははじめ寄って帰るつもりだったが、笹原と一緒に行動しだして諦めていた。
しかし、店の前に差し掛かったとき、顔に出てしまったのだろう。
気を利かした笹原が声をかけたのである。
「じゃ、買い物終わったら店の前で待ち合わせね。」
おそらく、買い物風景を見られたくないだろう荻上を思い、
店内では別行動にすることを提案した笹原。
まあ、見られたくないのは笹原も一緒だろう。
「わかりました・・・。」
そういって別れ、それぞれ買い物をする。
(何かさっきの約束、恋人みたいだったなあ・・・。)
買い物をしながらもそんなことを考えて顔が真っ赤になる荻上。
しかし、すぐに顔を振って、その考えを打ち払おうとする。
(いやいや・・・。そんなんじゃねえって。笹原さんは別にそんなんじゃ・・・。)
しかし、先ほどの言葉が頭でリフレインしては同じ問答の繰り返しである。
70めぐりあい、アキバ(5/8):2005/12/05(月) 21:23:38 ID:???
買い物が終わって、階段を下りていくと、入り口にはすでに笹原がいた。
「あ、すいません!」
思わず出た謝罪の言葉に気付いて、笹原はこっちを振り向く。
笑顔で手を軽く振って、気にしてないよ、の合図を送る。
しかし、あせって駆け下りていく荻上は、後二段のところでつまずいてしまう。
「きゃ・・・。」
階段から転げ落ちそうなところを笹原が抱きかかえた。
「・・・大丈夫?」
「え・・・。あ、はい・・・。」
抱きかかえられた状況に、少ししてから恥ずかしくなる荻上。
「あ、あ、も、もう大丈夫ですから・・・。」
「あ、ご、ごめん・・・。」
しっかりと荻上を立たせて手を離す笹原。
「いえ・・・。迷惑おかけしました・・・。」
「いやいや・・・。」
お互い、妙な緊張感が走っていた。
「じ、じゃあ、いこうか・・・。」
「は、はい・・・。」
71めぐりあい、アキバ(6/8):2005/12/05(月) 21:26:33 ID:???
駅に向かう途中で、次に寄ったのはゲームショップ。
歩いているうちに徐々に緊張感はほぐれていた。
「最近のゲームって面白いのあります?」
「ワンダ、面白かったよ。」
「へえ。イコのチームが作ってるんですよね。」
「そうそう。やって損はないよ。今度貸してあげるよ。」
「じゃあ、お願いします・・・。」
ふと、荻上がショップの二階に向かう階段の張り紙を見る。
あるソフトのタイトルが書いてあった後にこうあった。
『本日13時より限定版販売します!』
二階はいわゆるパソゲー、もっと端的に言うとエロゲーなのだが、
それが今日発売してるのがあったようなのである。
(あ、もしかして・・・。)
前、そのゲームのタイトルを斑目と話しているのを聞いたことがあった。
「あの、先輩、もしかして、あのゲーム買いに来てたんじゃ・・・。」
ん?と言われてそっちの方を向く笹原。
「あはは。まあ、目的のひとつじゃないって言えば嘘になるけどね。」
今はすでに15時。限定版はもうないだろう。
「す、すいませんでした。」
「え、え、別にいいよ。時間通り来ても買えるとは限らないしさ。」
「で、でも。」
「それじゃ、これからそれ通常版で買ってくるよ。ちょっと待ってて。」
「は、はあ・・・。」
笹原の気遣いにまた少しどきどきする荻上であった。
笹原の目的がエロゲーであるという事実は、どうでもいいようだ。
72めぐりあい、アキバ(7/8):2005/12/05(月) 21:28:33 ID:???
二人は近くに住んでいるので、降りる駅も一緒である。
電車の中でも色々話をした。
ゲームのこと、漫画のことから、取り留めのない日常のことまで。
駅の改札から下りて、二人の家への分かれ道。
「今日は、本当にありがとうございました。」
「いやいや。今度からは何かあったら先に相談してよ。
今日俺にあわなかったら大損してたよ?」
「本当、そうですね・・・。反省しました。」
「あはは。まあ、それつけるのに分からないことがあったらメールでもしてよ。」
そういって、買ったメモリに視線を送る。
「はい・・・。何から何まですいません。」
「いや、でも、今日は楽しかったよ。」
「そうですか?・・・そうですね。楽しかったです。」
にっこり笑う笹原の言葉に、
最初疑問で返したのは迷惑だったんじゃないだろうかという気持ちがあったから。
でも、その笑顔に、また今日を振り返って、楽しかったと思った。
「それじゃ、また大学でね。」
「はい。また。」
そして、二人はそれぞれの帰途についた。
73めぐりあい、アキバ(8/8):2005/12/05(月) 21:29:49 ID:???
荻上は思った。
(今思うと、ああやって二人で歩いたのって二回目だけど・・・。
周りから見たらそういう関係って思われてたのかな?
うわー。スゲーハズカシー・・・。でも、本当楽しかったな・・・。)
顔を赤くしながら、歩く。
笹原は思った。
(よし、今日は頑張った。頑張ったよな?
最後、楽しいって言ってくれたし。俺も楽しかったし。
限定版捨てて良かった。本当に、良かった。)
ガッツポーズを決めながら、歩く。
74めぐりあい、アキバ(オマケ):2005/12/05(月) 21:30:27 ID:???
「こにょにょちは〜。」
「こんちは。」
「・・・・こんちは。」
「こんにちは。・・・何かご機嫌ですね?」
「いやいや、昨日アキバへ行きましたらこんなシーンを撮りまして・・・。」
「ま、まさか・・・!」
「あら!笹原さんと荻上さんじゃないですか!」
「あちゃー・・・。」
「あらあらあら・・・。こんな風にデートする中だったんですねえ・・・。」
「違います!たまたま会って、買い物手伝ってもらっただけで・・・!」
「いずれにせよ、朽木くん、GJですよ!」
「いや〜、褒められると嬉しいですにょ〜。」
「あはは・・・。」
75めぐりあい、アキバ(後書):2005/12/05(月) 21:31:32 ID:???
まー、特にいうことはありません。
アキバをカップルで歩かせるな!という原理主義の方には怒られそうですな。
76マロン名無しさん:2005/12/05(月) 21:57:09 ID:???
>>58
グハッ 名指しでウザがられてる…どっちも書いたの僕です。。。
連投は控えますorz
内容は自分が萌えられるものしか書けないので…読みやすいように
自然なようにガンガリマス。

>>60>>61
初トライ乙!!高坂が弱みを見せる難しさに頑張って挑まれましたね。

>>66-75
これはイイ!! けっこうな量なのに読みやすくて乙&Good JOBっす!!
時期的には恵子の「つきあってんでしょ」の前か、今後ニュートラルに戻るとしたらか…
こういうのが読みたかったと思いました。
本誌1月号の重さに引きずられてる場合じゃないかもですね。

アキバデートは田中×大野カプもやってるからおkでしょw
77斑咲 その後:2005/12/05(月) 23:07:32 ID:???
>>60-61
ふーむ、高坂の弱気な面を描くとこんな感じですかね。乙&GJ!
>>66-75
地方在住でまだアキバ行ったことありません(涙)
軽やかな雰囲気がいいデス。乙&GJ!

>>54-59
まとめて亀レスしてスマソ。
その内容も興味引かれる・・・。書いてみようかな。
実際、斑咲の描写は難しいんすよ。前半は咲と斑目は明らかに対立して
咲は破壊者、斑目は偽悪者の立場で行動してたし、かなりキャラ変わった。
すでに咲はコスプレしてアレの仲間入り(?)して対立の理由も無いし、
咲は高坂に精神的に依存しまくってるし・・・。相思相愛(?)前提の
笹荻より難しいんジャマイカ。でも二人とも人間的に好きだ。




78マロン名無しさん:2005/12/06(火) 02:44:52 ID:???
>>66-75
GJ! こーゆーほのぼのストーリー大好き。
本編でもこういう話を読みたいなぁ〜。
リアルタイム崩壊したんだから、書いてくんないかな。
79マロン名無しさん:2005/12/06(火) 07:32:29 ID:???
>>42>>55>>56を元に考えてみた。
自分の中ではこういう流れになりそうと思ったので(っていうか混ぜすぎ)
…リクエストと違ったらスマソ。
80長い夜1/9:2005/12/06(火) 07:33:08 ID:???
残業を終えて帰宅する斑目が、咲を見かけたのは師走のある夜のこと。
こんな時間にどうしたのだろう。

斑目「やぁ、春日部さん」
咲 「…ひっ!」
斑目「えっ!?」
咲 「あ、ああ斑目かぁ。ゴメン、ちょっと気付かなかった」
斑目「やー、ああ、そう?」」
咲 「残業帰り?なんかすっかり斑目も社会人だねぇ。」
斑目「はは…」

いつも通りの二人の会話。しかし咲は伏目がちだった。

斑目『なーんか、元気無くねぇ?』
斑目「んー、俺、晩飯まだなんだけど、どう?安いとこなら奢るヨ?」
咲 「えー?斑目が?どうしたのホントに社会人みたいじゃん。」
斑目「ふふん、サラリーマンの特権、ボーナス様の御威光ですよ!」
咲 「ありゃ〜、じゃ、遠慮なく!」

咲に笑顔が戻る。

斑目『うむ!この笑顔なんだよな。だいたい強気じゃないと…』
咲 「ねえ、寒いし、そこに見える焼き鳥屋なんてどう?安そうだし。」
斑目「あ〜、そうね。」
81長い夜2/9:2005/12/06(火) 07:33:54 ID:???
ガラリ…
店員「へらっしぇ!何名さまですか?」

鳥の焼ける煙と臭いを少し感じる。平日なので満席ではないが賑やかだ。
カウンターではなく、こじんまりとしたボックス席に通される。
焼酎ブームなのでこの店でも豊富だ。焼き鳥のセットを頼むと
咲は、黒じょかという土瓶で水割り焼酎を七輪で温めるものを頼む。

斑目「へ〜。俺、こういうの初めて見るよ。」
咲 「なんかこんな小さな焼き鳥屋でも凝ってるもんだねぇ。」
斑目「じゃ、まぁ、まずは一献。」

まずは突き出しと、すぐに出てくる角煮で熱い焼酎を飲む。

咲 「あったまるねぇ。」
斑目「いやー、しかし会社の人以外と呑むのも大事だね。気が抜けるよ。」
咲 「なーに言ってんのよ、あんだけ部室に来てるくせに。」
斑目「はは…。」

やがて焼き鳥も運ばれ、次の焼き物や湯豆腐なんかもオーダーする。

斑目「しかし、最近冬コミ前だからなあ、笹原も荻上も全然見ないなぁ。」
咲 「一時はどうなるかと思ったけどねぇ。ヨロシクやってるみたいね。」
82長い夜3/9:2005/12/06(火) 07:34:21 ID:???
湯豆腐を取り分けて貰い、少し斑目が赤らむのは酒のせいではない。

斑目『うわー取り分けて貰うのって、なんか家庭っぽいんだよなぁ。』
  『しかし、やっぱり元気ねぇなぁ…。高坂となんか有ったか…何も無さ過ぎか?』

斑目「後輩に先を越されちまったなぁ。って今更だけどな。」
  「高坂と春日部さんなんて初っ端からだもんなぁ。」
咲 「はは…うん、そう…だね。でも………。」
斑目「あら?あらら?どうよ…!?高坂、ついに別の星に帰っちゃうの?」
  「やー、そうですか、特撮ものでもSF映画でも宇宙人は最後に別れるもんだしね!」
斑目『よーし、これでガーっと俺に怒れよー!』
咲 「SF映画でもって!そんな言い方ねーだろ!」
斑目「いっつも言ってるじゃん…って、あれ?」
咲 「………。」

咲の目に、ちょっと涙が浮かんでいる。

斑目『えぇぇーーー!!ちょ、やべぇー、失敗(しく)ったーーー!!』

斑目はやはり斑目だ。泣きそうな、いやちょっと泣いている咲を
しばしアタフタと眺めることになってしまう。
83長い夜4/9:2005/12/06(火) 07:34:53 ID:???
斑目「いやいやいや、いやゴメンって!」
咲 「………。」

今日の咲はいつもと違う。いくらなんでも何かしら喋るだろう。
答えずに、咲はバッグからハンドタオルを取り出して目元を拭く。

斑目「なんかあった?俺で良ければなんかアドバイスするよ?」
  「ほら、恋愛はともかく、オタクのことはオタクに聞くのが一番っしょ。」
咲 「………泣かしといてひでぇな。」

ようやく、咲が口を開いた。

咲 「オタクだからってんじゃないけど…。」
  「まだコーサカ学生なのにさぁ。もう働きすぎなんだよね…。」
斑目「あー…。つまりアレだね、逢える時間が無い、と。」

咲は落ち着くためだろうか、ぬるくなった杯に少し口をつける。

咲 「そうなんだけど、これから先、どうなるんだろってさ…。」
斑目「まあ、ゲーム業界は忙しいんだろうけどねぇ。」
咲 「コーサカがあたしから離れないでいてくれるか、いつまで惚れて貰ってるか…。」
  「もう、自信無いんだよ…ね………。」
斑目「う…そんなこと無えよ、春日部さん。4年も持ったのに…。」
咲 「うん…。」
84長い夜5/9:2005/12/06(火) 07:35:13 ID:???
うん、とは言ったものの、斑目の言葉は響いてない。とりあえずの相槌だ。

斑目「いつまで惚れられるかって…そんな…。だってそもそも俺がこんなに―――。」
斑目『あれ?あれ!?俺、何を言おうとしてるの???』
斑目「俺だって、春日部さんが好きなんだから…!!」
斑目『えーーー!言っちゃったの、俺??なんでだー!?』
咲 「…ぷっ!!」
  「あは、あはははははははは!!」

笑い始めた咲を見て、しばし呆然とする斑目だったが、はっと気付いて一緒に笑う。

斑目「はは…!!ははは………!!」
咲 「あーーー、もう、ありがとうね、斑目。」
  「捨て身のギャグがこんな時に出るとはねぇ!」
斑目「やー、まあねぇ。」
斑目『やっべー!っていうかアウトだよアウト!………助かった…のか?』

そこへ前掛け姿の若い店員がやってくる。
店員「申し訳有りません、ラストオーダーのお時間ですが、何か御座いますでしょうか?」
咲 「んー、や、良いや。お勘定して。」
店員「かしこまりました。」
85長い夜6/9:2005/12/06(火) 07:35:41 ID:???
財布を準備しかかる咲だが

斑目「あー、いいって春日部さん、今日はマジで全部払うから。」
咲 「えー、年末にまた散財すんでしょ?大丈夫?」
斑目「ほんと、解ってきてるねぇ、春日部さん。」
  「そんだけ解ってるなら、もう馴染み過ぎでしょ!大丈夫だよ。」
咲 「あんがとね。」

結局、この日は本当に斑目の奢りとなった。
外に出るとかすかに雪が降っていた。

斑目「こりゃー明日も早起きだなぁ。あ、駅まで送るよ。通り道だし。」
咲 「なんだか今日は、何から何まで悪いねぇ。斑目じゃないみたい。」

雪は積もる感じではなく、服に触れるとすぐに溶ける。
しかし今度は、咲が斑目を見て怪訝な表情だ。
斑目の背中には哀愁が漂い、何よりさっきから咲の方も見なくなっている。

斑目『捨て身のギャグねぇ。助かったけど、やっぱり俺って…対象外過ぎるんだなぁ。』
86長い夜7/9:2005/12/06(火) 07:36:30 ID:???
そんな斑目を眺めながら歩くうちに、やがて咲はハッとした表情になる。
思わず立ち止まる咲。

斑目「あれ?どうしたの春日部さん?」

斑目が咲に振り返ると、驚いたような…、そして眉が軽くハの字になり
済まなさそうな表情でこちらを見ている。

斑目『…!!まさか、さっきのが今更マジだとバレちゃった!?』
斑目「あ、あのー、春日部さん?」
咲 「え?」
斑目「さっきの話だけど。」
咲 「え?さ、さっきの話って…!」
斑目「高坂とうまくやっていけるかって話。マジで大丈夫だよ。」
咲 「あ、ああ…!」
  「…うん、うん。」
斑目「ああ見えても、俺らにもノロケてくるぐらいだし、心配要らないって。」
咲 「あ、そうなの?それって初耳だなー。」
斑目「やー、まあほとんど何考えてるかわからんけどね。」
咲 「ははは…!でもけっこうわかってくるもんだよ。」
斑目「その調子だよ。」
斑目『うーん、なんとかなってないけど、なんとかなったな。たぶん…。』
87長い夜8/9:2005/12/06(火) 07:36:55 ID:???
少し歩くとすぐに駅に着いた。駅前には足早に帰る人、タクシーを拾う人が数人。

斑目「じゃ、気をつけて。」
咲 「うん。」
  「………色々、ほんとにごめんねー。としか言えないけど…言えないけど。」
斑目「いや、いーって。」
斑目『春日部さん、それ以上は言わないでくれ…。』
咲 「うん、ありがとう。だな。それと、これからもヨロシク!」
斑目「はは、こちらこそ。じゃ、おやすみ。」
咲 「うん、おやすみ…コミフェスはコーサカと行くからね。」
斑目「あー、なんか卒業記念大会だなぁ。」

咲は駅の改札に入り、斑目は駅前通を逆方向へ歩く。
遠ざかる二人は振り返ることは無かった。

斑目『なんだか、けじめが付いたような、何もかも失ったような…。』
  『いや、俺の方が何も無かったように接さないと…。』
88長い夜9/9:2005/12/06(火) 07:37:20 ID:???
コンビニのドアをくぐり、寝る前の飲み物と明日の朝食を買う。

斑目『春日部さんに、これ以上は気を遣わせないのが、男の美学…ってか。』

雪はもうやんでいた。水道管が破裂したりすることも無いだろう。
植え込みに少し載っている雪も溶け始めている。

斑目『何年経てば、今夜のことも笑って話せるようになるんだろうな。』

なかなか家に向かって歩きだせない斑目の姿が闇に溶けていった。
89マロン名無しさん:2005/12/06(火) 07:38:42 ID:???
以上です。もともと斑萌えだったとはいえ、やっぱり難しいですね。
>>77さんのおっしゃる難しさに禿同です。
90マロン名無しさん:2005/12/06(火) 18:31:15 ID:???
>>89 長い夜
乙&GJ!
77っすけど、俺の斑目のイメージに近い描写です。斑目っていい人だから
自分の気持ちを押し付けるような真似はできないと思える。まして愛してる
人を傷つけるなど・・・。
高坂は反対に、善意善行も背徳悪行も天使の笑顔でやってのけそうで怖い。
まさにサタン!いや魔王か・・・。
91巫女神楽:2005/12/07(水) 00:55:23 ID:???
前作の挿入編・・・やばい!巫女荻にのめりこんだ。誰か巫女荻絵に描いて!
大変遅レスですが・・・
>>23
大変面白かったです!乙&GJ! お付き合いして・・・

荻「横暴です!いくら会長だからって!ねえ笹原さん!」
笹「・・・・・・」
荻「?笹原さん?」

笹「(大野さん!田中さんにですね・・・その・・・巫女コスできれば・・・
 譲ってもらえないかと・・・)」
大「(キラーン)同志ですね!!」

荻上回想編タイトル 「目眩く(めくるめく)」
笹原新境地編タイトル「覚醒め(めざめ)」

>>26
巫女ネタ本スレで見かけて・・・ちょいネタとして借用したのはいいが、
どっぷりはまってしまいました・・・。少し調べただけでもう
クラクラ。興味なかったのに・・・。今回ので消化できず後戻りできなか
ったらどうしようか悩んでます。

今回ので荻上幸福願望が満たされたので、今後は軽い流れに変えたい。
今回だけ!さあ!投下して寝よう!もうヤバイ。
92巫女神楽(1/5):2005/12/07(水) 00:56:43 ID:???
昼近くになった頃、伯父が荻上を呼び止めた。

伯父「お疲れさん、そろそろ交代のバイトが来るはずだからお昼にしなさい」
荻「ええ、わかりました」
伯父「どうだね、千佳、久しぶりにわしに巫女神楽見せてくれんかね?」
荻「えっ、久しぶりだし、自信無いから、嫌です!」
笹「えっ、荻上さん、巫女神楽って舞でしょ!踊れるんだ!すごい!」
荻「むっ昔少し教えてもらっただけです!」
伯父「ケホケホ、めったに帰ってこんのじゃろ?老い先短いわしに酷い仕打
ちじゃの、この先、いつお前の姿を見れるか・・・頼むよ、千佳・・・」
荻「ええ・・・伯父さんがそこまで言うなら・・・」
93巫女神楽(2/5):2005/12/07(水) 00:57:30 ID:???
渋々と荻上は社務所の稽古場ひかえに向かった。

笹「お加減、悪いんですか?」
伯父「いや、全然」
笹「(汗)・・・」
伯父「全然、変わっとらんな!あの調子じゃ、東京でも巧い事丸め込まれて、
高い物買わされたり、騙くらかされてんじゃないのか?」
笹「(汗・・・図星です・・・)」
伯父「そんなことだから・・・ああいや・・・もう知っとるか?」
笹「・・・ええ」
伯父「まあ・・・ゴタゴタあって、親も心配してな、わしが勧めたんじゃ、
 神楽舞を。ほれ、出てきた。演目は『三姫舞』の『多紀理姫命(たぎりひ
めのみこと)』正式な装束とは違うがな」

三人の巫女の中に荻上がいた。正式には天冠に直垂を着るが、今回は手に榊
(さかき)と鈴を持つだけの簡単なものだった。荻上はゆっくりとした動作
で舞い始めた。最初はぎこちなかったが、しだいに体が覚えていたらしく、
柔らかに舞始めた。
94巫女神楽(3/5):2005/12/07(水) 00:58:24 ID:???
笹「綺麗ですね、でもこんな特技があるなんて初めて聞きました。」
伯父「少しの間だけだったしな。それに勧めたのもわしだが、止めさせたの
もわしなんだ」
笹「えっそれは何故・・・」
伯父「あまり熱心に習いすぎて、見てて痛々しすぎたからな。舞は心を表す。
 結局、あの事件は大事になって、関係者は逃げる、知らぬ存ぜぬ、心無い 
 輩は陰口をたたく。謝る相手もどこかに消えた。誰を責めていいかも分か
らない。」
笹「・・・・」
伯父「そんな中で、誰を責めるでなくあの子は学校に通いつづけた。それこ
そ、休まずにな。自業自得とは言え、登校拒否してもおかしくなかったか
ったのにな。意地もあったのかもしれんが、人の心はそんなに強いもんで
はない。とても神様に捧げる舞とは言えん」
笹「でも今の舞はそんなふうには見えません」
伯父「それはあんたに捧げる舞だからじゃよ。本来神楽は『生の悦び』を神
に捧げるもんだ!見なさい!あのしなやかに伸びきった手も!足も!
あんたに捧げられたもんだ!」
95巫女神楽(4/5):2005/12/07(水) 00:59:27 ID:???
荻上の舞は伯父の言うとおり次第に艶やかさを増していった。
おしろいを薄くぬった透明な白い顔にひかれた口紅が、煌々(こうこう)と
輝く。
楽曲の鳴り響く中、なめらかに舞おどり、その動きに合わせて白衣が波打つ。
肩までおろした黒髪がなびく。
足の運びに合わせて紅い袴がゆらめく。
榊の葉がさらさらと音を立てる。
金色の鈴の音がシャン!シャンと単調なリズムを繰り返す。

漆黒の漆(うるし)のような荻上の大きな瞳が笹原を見つめる。
なめらかな舞の動きの中にあって、その瞳はけっして笹原から離れない。
笹原はその瞳と官能の美しさに激しい動悸(どうき)に襲われる。心臓の鼓
動がドキドキと音を立てる。

やがて、舞の動きは止まり、寒い稽古場の中で、荻上は白い息をふーと吐き、
荻上の薄く透明な白い肌は次第に紅色に上気していく・・・。

笹「・・・素晴らしかった!」
荻「馬鹿ですね・・・」
96巫女神楽(5/5):2005/12/07(水) 01:00:05 ID:???
荻上を含めた三人の巫女が控え室に戻って行くと伯父が再び笹原に話し掛
けた。

伯父「ところで同人誌ってそんなにエロイのかね。今度わしにも見せてくれ」
笹「いや、趣味に合うか分かりませんが・・・(ホントに神職か?)」
伯父「趣味と言えばヤオイってのも分からんな。感受性と想像力が強いのは
うちの家系かの。親父はカタブツなのに・・・」
笹「(あとエロイのも間違いなく・・・)」
伯父「なのに何であんなに胸が小さいんだろな、うち多産系なのに。笹原君、まだ間に合う!!君の努力があれば!!」
笹「へっ?いや、それは・・・、はっ!背後に殺気を感じるんですが・・・」
伯父「わしも今それを感じた・・・。」
荻「・・・・・・・・・」
9765:2005/12/07(水) 01:15:45 ID:???
まとめてですまんですが、感想ありですよー。
>>76->>78
わざと軽いノリで書いてみたんですが、そこが好評みたいで
良かったです。笹原と二人のときだけ比較的素直な荻上さんに萌える!

>>長い夜
せづねえ・・・。せづねえよ、斑目しゃん・・・。
帰り道で咲が気付くシーンなんてもうね!
やっぱ本誌でも告白はしてほしいなあ・・・。誤爆でもいいから・・・。

>>巫女神楽
いいですねw描写が美しいw
>>26は自分のレスですが、そうですか、はまっちまいましたか。
では、アフタ連載中の神社のススメもお勧めですよ。
神職なのにエロイ伯父さんはきっとあなたの影でしょうな・・・w
98マロン名無しさん:2005/12/07(水) 03:04:03 ID:???
長い夜を書いた者です。感想、本当にありがとうございます!!

>>90
斑目のイメージって感情移入し易いから、ぶれませんよね。
今回書くに当たって、やっぱり32話フタリノセカイ、読み返しまくりです。

>>97
咲が気付くけど、二人とも沈静化させるのが、一番ありえるかなと…
自分の中の斑目は切なさ炸裂し過ぎで、なかなか幸せになれそうにありませんw
本編で告白って、やっぱり「誤爆」「吹っ切った後で過去形として告白」の、
どっちかで連載終了までに来て欲しい気がします。

>>92-96巫女神楽
GJ!!エロい伯父さん神官によって明るい読み心地ながら
過去の重さも消化できる展開が良いですね。
伯父さんエロイよ伯父さん
99巫女神楽:2005/12/07(水) 21:18:47 ID:???
>>97
そうなんです。はまっちゃったんです。お勧めに従って「神社のススメ」も読んで
みます。来年の元旦、間違いなく確実に初詣でお守り買ってる気がします。賽銭
放り込んで終わってたのに。

>神職なのにエロイ伯父さんはきっとあなたの影
ひんしゅく覚悟のオリキャラでした。今回限りの登場にしますが、どうしても
地元の荻上の状況説明や神楽舞を舞わせる必然性のため必要でした。でもやはり
自分の気持ちが見え隠れしてますね。ご推察どおりですね。
>>98
長い夜も読ませていただいてました。フタリノセカイのラストシーンは好きですね。
あの沈黙の間が素晴らしいです。斑目の「切なさ」がなんとも言えません。咲は
斑目を信頼してるんでしょうね。「秘すれば花なり」とは言いますが、告白の
機会も与えてほしいですよね。

>過去の重さも消化できる展開
どうしても「逃げることのできない記憶・・・」ですから避けられない。
でも重くなって、ただでさえ心象描写や情景描写に凝るのに困ったと
思ってました。でもこういう人が側にいてくれたら、いくらかでも
荻上の気持ちも和らいでいたろうと思って、やってしまいました。

コメントはしてませんが、全員の作品には目を通して楽しんでます。
すこし軽いエロパロタッチのリレーもしてみたいですよね。

100マロン名無しさん:2005/12/07(水) 21:46:28 ID:???
本スレに毎日のようにSS書き込んでる人いるね
携帯からだからたぶん同一人物なんだろうけど
101マロン名無しさん:2005/12/07(水) 23:56:11 ID:???
>>100
そんな熱く萌えた雰囲気が『げんしけん』という枠に相応しくないか?
毎日が脳内萌炸裂で奮え我慢ならずにSSを投下してくれるなんて
次の号が待ち遠しくて堪らない漏れには最高に愛せる存在だよ。
その姿勢が他のファンのSSインスピレーションを触発、発展させ
ココSSスレも生まれたワケだし、何よりその集大成の原点ともいえるべき行動である。
出来れば恥ずかしがらず毎日でも投下されれば嬉しいなぁ・・・あんたはそう思わないか?

102マロン名無しさん:2005/12/08(木) 00:52:15 ID:???
>>99
長い夜はフタリノセカイの、僕なりのインスパイア作品と言って過言ではありませんw
告白、沈静化を経て数年経つと、斑目と咲はきっと一生の親友になりそうな気がします。

まず、リレーに適した基本設定とタイトルを考える所からですが良いですね。
何しろ2月号発売までまだ2週間ちょっとも有りますから!
いくらでも時間が…。
その前に7巻出たらオマケページを元に新たな妄想ネタが有りそうで楽しみです。

>>100
スレが熱を抱き続けてるのは嬉しいですね。
もっとも僕は荻スレとSSスレばっかりで本スレは見てるだけなんですけど。
103マロン名無しさん:2005/12/08(木) 03:05:40 ID:???
リレーやるとして、ノリはかるーい(ここ重要よ)エロパロ。
ふむ。面白そうやね。
基本設定か・・・。みんな書きやすい時期っていつ頃かな?
三人衆卒業前?冬コミ前後あたりかな?
どんな内容を今皆は望んでいるのか?
アンケートでもとってみる?
104マロン名無しさん:2005/12/08(木) 04:30:09 ID:???
本格エロースなら、エロパロスレへ逝け!てなもんだしなぁ。
つーか、誰かエロパロスレでエロSS投下してあげんかww??
まぁ、今SS書いてる人らの作風からいくと無理っぽいけどなー。

んで、軽いエロが必然的に含まれるネタっていうと普通は海とかだけど
全然行ってないもんなぁ。

リレーネタやり易いんなら、宴会かな?侵入部員ゼロ…いや、1。
で、恵子の新入生歓迎コンパの席で、会議始めちゃうネタとか。

あ、やっぱ水着は外せないか。「もうつきあってんでしょ。」でかたくなになる前の
タイミングで、げんしけんメンバーでプールに行くとかどうだろ。
笹荻二人で行くのとどっちが話を転がしやすいんだろうな。
105マロン名無しさん:2005/12/08(木) 05:29:03 ID:???
水着着用の混浴スーパー銭湯みたいなとこ無いの?
アミューズメント施設付き。何かが起こるぜ。
106マロン名無しさん:2005/12/08(木) 09:01:54 ID:???
軽いエロって言ってもエスカレートしちゃうのは目に見えてるし、
ここはぜひ過疎ってるエロパロスレでやろうじゃないかね?

リレー続いてる間は新規さんとか別のSSとか投下しにくくなっちゃうだろうし。
107マロン名無しさん:2005/12/08(木) 12:36:23 ID:???
>>103-106
でもさエロパロ板ってさ・・・

【椎応大】げんしけん@エロパロ板 その2【くじあん】 (21禁)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1122566287/

>418 :名無しさん@ピンキー :2005/12/04(日) 12:39:33 ID:HtK+CGQe
そしてこっちは風前の灯火。
はやくコッチにもエロパロSSの神が降臨しないものか・・・('A`)

なーんて書かれてるくらいココ最近閑古鳥なんだよね、ほんと誰も投下しない状態。
俺的にはこの雰囲気良さげなこのSSスレでもエロパロ投下はアリアリだと思う
んだけどねー・・・まあこの意見については賛否両論分かれると思うから難しいんだろうけど

108マロン名無しさん:2005/12/08(木) 13:07:01 ID:kzGDqCLT
オレ好きなマンガってなんかエロを想像しにくい。
なんでかなあ?
109マロン名無しさん:2005/12/08(木) 14:23:18 ID:???
>>107
エロパロの方がエロの許容範囲が広いんだからそっちでやるべき。
「軽い」エロを認めるとその範囲でもめるかもしれんし。
…微エロ宣言は余分だったかもなー。

俺的には本編の描写がボーダーライン、つまり乳首は隠す
110マロン名無しさん:2005/12/08(木) 19:03:39 ID:???
言い出しっぺだけど、エロパロは見合わせた方がいいかな?
開放的なショートコメディのリレーっぽいのを考えてたけど、絶対
開放どころか暴走するよね。私たちはそういう人たちですから、ええ・・・。
とりあえず、109の言うように原作レベルがボーダーラインかな?
それ以上はエロパロスレで。
111マロン名無しさん:2005/12/08(木) 19:12:18 ID:???
と言うかエロパロはもうほとんど雑談オンリーで降臨待ち状態…
数ヶ月に一度投下されるかされないかのSSで何とか生き延びている寂れた町…
どうか来てください…ぱらいそさ連れてってくだせ…と懇願したくなるくらい神に飢えています。

それに、どうせやるならエロも全開で行きたいじゃん?
112マロン名無しさん:2005/12/08(木) 19:50:41 ID:???
>>104
プール、今度のSSのネタで考えていたのに!ヒドスwww

エロはやめたほうがよさげやね。
そうだなあ。
テーマ。「げんしけんメンバーの一日」
ある一日を様々なメンバーの視点で描く。
サウンドノベルの「街」のイメージ。
誰が誰の何時の時間かをタイトルに表記して書く。
始まって以降は何時誰がどのキャラのどの時間を書いてもかまわない。
ただしかぶらないこと。
どう?(二、三日分にしてもいいかもね。)
113マロン名無しさん:2005/12/08(木) 22:17:00 ID:???
以外と大勢居たのね、このスレ。
とりあえず、エロパロスレと、このスレ両方でリレー開始なんかな?

リレー案としては>>112のが面白そう。
114マロン名無しさん:2005/12/09(金) 00:13:03 ID:???
>>112
面白そうな提案。エロパロボツとなると他にアイデアなければいいかも。
問題はリレー形式にすると、誰か指摘してたけど新作や新人が投稿しづらく
なるということか・・・。期日を決めて集中するというのは?

エロパロに海水浴の設定でリレー形式投下してみたよ。微エロだけど。
エロパロスレはこちらとはコインの表と裏の関係。あんまり廃れて消
えちゃうと、こっちにそういう投稿がふえそうな気がしたんで。
続くかどうかはワカリマセン。
115112:2005/12/09(金) 00:27:41 ID:???
>>114
俺が考えてたのは、逆にね、期間を決めずにやるっていうこと。
散文的って言うのかな?
一つ一つの文がワンシーンに相当していくから、
続きがすぐ来なくてもいいわけだし、
違うキャラの話に飛ぶ可能性もあるから、
途中、普通のSSが入ってきやすいかなって事。
新人さんも書きやすくなるんじゃないかな、この企画の中で。
元ネタがあるほうが書きやすいでしょ、俺もだが。
あと、一日の描写だから、当然夜の部もあるわけで、
そこはエロパロ板に投下ー、とかでもいいかなって考えてたの。
116114:2005/12/09(金) 00:38:48 ID:???
>>115
なるほど。そういう形式なら可能かな。
117マロン名無しさん:2005/12/09(金) 00:40:15 ID:???
>>115
そうだなあ。…リレー書く時に一部共有コテ使うのはどうかな?例えば
リレー××/○○リレー/△リレー△/みたいに、一部に共通の単語を使うみたいな。
これならリレー以外のSSも投下しやすくなるし、リレー嫌だって人はNGできるし、
個人の判別もできるし、時間を限られることもないし、
新規さんが投下しにくくなることもないんじゃないかな?
118マロン名無しさん:2005/12/09(金) 00:41:06 ID:???
というかリレー共通のタイトル使うんでしょ?
119112:2005/12/09(金) 01:12:21 ID:???
>>117
こんなのでどう?
[リレー]げんしけん24[笹原 08:00]
これをタイトルに入れていく。
120マロン名無しさん:2005/12/09(金) 01:25:16 ID:???
>>119
その案に乗ります!
あとは時期と何らかの設定ですね。
恵子が入部して1ヵ月後のゴールデンウィークのある日とか、
もしくは夏休み前の平日だとか。

しかし>>112さん、ソレとは別にプールネタ期待してますよw
121マロン名無しさん:2005/12/09(金) 14:06:23 ID:???
日時等の設定は最初に書いた奴の特権かな。
122112:2005/12/09(金) 15:43:00 ID:???
日時かあ。平日の方が面白いかなとは思うんですよね。
語られない現視研メンバーの日常を勝手にでっち上げようって企画だから。
あいまいな感じでいいとは思うんで、
荻コス笹発見前後でどうですかね?
123マロン名無しさん:2005/12/09(金) 20:45:42 ID:???
久しぶりに来たら、容量オーバーで前スレダメになってたのね。
しばらく2chの海を彷徨ってしまったよ。
やっと見つけたら、リレー形式SS「げんしけん24」的な物の
案が出てるのね。少し面白そう。
124マロン名無しさん:2005/12/09(金) 22:51:56 ID:???
>>122
だいぶ案が煮詰まってきましたね。

ではまとめ

>テーマ。「げんしけんメンバーの一日」
ある一日を様々なメンバーの視点で描く。
サウンドノベルの「街」のイメージ。
誰が誰の何時の時間かをタイトルに表記して書く。
始まって以降は何時誰がどのキャラのどの時間を書いてもかまわない。
ただしかぶらないこと。

日時
平日 時間軸 荻コス笹発見前後

タイトル
例 [リレー]げんしけん24[笹原 08:00]

投稿期間
期間は未限定

この形式でスタートしてみます?


125マロン名無しさん:2005/12/09(金) 23:12:14 ID:???
ここってほんっっと稀に見ない良スレ杉す・・・
俺こんなに居心地いいスレなんて個人的に知らないよ〜。・゚・(つД`)
126マロン名無しさん:2005/12/09(金) 23:17:41 ID:w3aqPY4T
あのー
夜寝る前の行動が何となくわかる人が数人いますが…w
127マロン名無しさん:2005/12/09(金) 23:36:05 ID:???
>>126
その表現も本編に準拠でw
128112:2005/12/10(土) 00:18:44 ID:???
おおむね、良さそうですなw
では言いだしっぺが口火切っちゃっていいかな?
こんな風に書いていこうや、みたいな。
129マロン名無しさん:2005/12/10(土) 00:29:26 ID:???
>>128
もちろんです!どうぞww
楽しみにしてます。
130[リレー]げんしけん24[笹原 08:00]:2005/12/10(土) 00:42:28 ID:???
ピピピピピピ・・・・。
「う・・・。」
けたたましい目覚ましの音で目を覚ます。
「ん・・・・。何か最近規則正しい生活してるなあ・・・。」
そういいながら伸びをして、体を起こそうとする。
就職活動を始め、時間をきっちり過ごすようになった。
ゲームで徹夜もあまりしなくなっていた。
「最近新作かってないしなあ・・・。」
就職活動には何かと金が掛かる。時間にもお金にも余裕はすでになくなっていた。
ふと、携帯を見ると。メールが一件。時間はついさっき。
「斑目さん・・・?」
『今度の0時売りいけるよな?』
社会人になった斑目に怖いものはない。
以前以上の買い物をしていることを知っていた。
「酷っすよ・・・。」
苦笑いするしかない笹原。なぜならその次の日に、就活の日程が入っていたから。
「いけません・・・。と。」
そう一言メールを送ると、その後、家を出る準備を終えた。
「今日はとりあえず大学によって・・・。就職科寄らないとな・・・。」
独り言をつぶやくと、ひとまず家を出た。
131112:2005/12/10(土) 00:48:45 ID:???
こんな感じでいいかな?
なるべく他キャラの行動を想起しやすいシーンを入れるといいかも。
今回だったらメールを受けた斑目がどういう反応をするか、とか。
ひとつの会話シーンも、視点を変えると面白みが増すと思います。
さて、口火は切られました。
同時間の他メンバーについて書くもよし、
笹原の行動の続きを書くもよし、
いっそのこと一日の終わりに飛ぶもよし。
スタートとオチが決まって間がない、って言うのもまた面白いw
発想ひとつでいろんな切り口があると思うので、よろしくお願いしますw
132夢と想いと:2005/12/10(土) 02:32:40 ID:???
 軽井沢二泊三日の旅。その一日目も終わり、はしゃぎ疲れたためか、それとも
ただ単に酔いつぶれたのか、げんしけんメンバーは眠りについていた。
 ゆっくりと意識がまどろむ中、笹原完士は夢を見ていた。
 ――部室、夕方だろうか? オレンジの光が部屋の中に差し込んでいた。外で
は、つくつくぼうしが鳴いており、夏の終わりを告げていた。
 笹原は手にした『くじアン』単行本のページを一枚めくった。ちょうど会長が
卒業した巻である。
 その向かいには頭髪を筆型に纏め上げた少女、荻上がイラストを描いている。
 部室には二人以外来ておらず、会話も無い。ただ、セミの鳴き声だけが響いて
いた。
 笹原は、ちらりと荻上のノートに目をやった。しかし荻上は、かなり顔をノー
トに近づけて描いているため、よく見えない。
 視線に気づいたのか、ふっと顔を上げる荻上。一瞬目が合い、笹原は慌てて本
で顔を隠した。
 心臓がバクバクと早鐘を叩いている。このまま無言でいるのは辛い。そう思っ
た笹原は、口を開いた。
『あ、あの!』
133夢と想いと:2005/12/10(土) 02:33:14 ID:???
 笹原は目を丸くした。彼が口を開くと同時に荻上も話しかけてきたからだ。
「な、何?」
「先輩は何で現視研に入ったんですか?」
「へ? いや、アニメとか好きだったからかな」
「そうなんですか」
「うん、そんな大した理由じゃないのは確かだよ。でも何で?」
「あ、いえ。特に理由は無いです」
 荻上は視線を逸らした。その仕草が何か可愛いなと、笹原は思った。
「荻上さんはどうして?」
「私は……、漫研追い出されましたから」
「あ、そうか。……そうだったね、ごめん」
 失敗した、笹原はそう思った。
「いえ、別にいいです。気にしないで下さい」
「……うん、ごめん」
「……そんな事より、先輩の事教えてください」
「……え?」
 笹原はドキッとした。どういう意味だろう、俺の事知りたいなんて。まさか、
いやでも。
134夢と想いと:2005/12/10(土) 02:33:46 ID:???
「別にいいけど、どうして?」
 はやる気持ちを抑えながら笹原は聞いた。
「……別に深い理由はないですけど」
 また荻上はそっぽを向いてしまう。その行動に笹原は少し悲しくなった。
「……ただ知りたいだけだから」
 かなり小さな声で呟く荻上。しかし、その呟きは笹原には聞こえなかった。
「え? 何か言った?」
「な、何でもありません!」
 急に声を荒げる荻上に、笹原は驚いた。
「ごめん……、俺何か気に障る事言ったかな?」
「いえ! そんな事無いです。違いますから……」
 そのやりとりから何か気まずくなり、二人は会話をしないまま時は過ぎて言
った。
135夢と想いと:2005/12/10(土) 02:34:18 ID:???
 雰囲気が重い。辛い。何とかしなきゃ。そう思った笹原は、もう一度話しか
ける覚悟を決めた。
「あ、あの……」
「先輩、よければ一緒に帰りませんか」
 先に口を開いた荻上によって笹原の言葉は遮られてしまう。しかも、荻上の
言葉があまりに意外だったため、頭の中が真っ白になってしまった。
「え、いや、あの」
「今日はもう誰も来ないみたいですし、それに私美味しいラーメン屋見つけた
んですよ。……あ! 別に変な意味じゃ無いです。ただ、まだ夏コミ手伝って
くれたお礼もしてませんし……ただそれだけですから」
 顔を真っ赤にし、視線も定まらない荻上を見て笹原は吹き出してしまった。
「な、何で笑うんですか!?」
「ご、ごめん。何かちょっと面白かったからさ」
「酷いです! もういいです、一人で行きますから!」
「ご、ごめんってば。うん、はい。ちょうどお腹も空いてたし、行こうか」
136夢と想いと:2005/12/10(土) 02:34:42 ID:???
 斑目晴信は夢を見ていた。
 ここは綺麗な夜景が見えるので有名なホテルの上層にあるレストラン。その
中でタキシードに身を包み、斑目はワイングラスを傾けていた。
 彼の前には、真紅のドレスに身を包んだ金髪の女性、咲が座っていた。
「いやー、まさかね。あたしとアンタがこんな事になるなんてね」
 苦笑混じりの笑みを浮かべる咲。
「いや! 我々はいずれこうなる運命だったのだよ!」
「相変わらずオタクくさいよねーアンタも。今度は何のキャラ?」
「いやーこれは、ファーストガンガルに出てくる長兄なんだけど。結構好きな
キャラなんだよね。わかる?」
「いんにゃ、全然」
「あーそうですか」
「あたしにそんなオタク要素を求めるのが間違ってんだよ、だからさ、いじけ
んなって」
「別にいじけてないですよーだ」
「はいはい」
「でも本当にこれで良かったのか?」
 咲はその表情に影を落とした。が、すぐに笑顔に戻る。
137夢と想いと:2005/12/10(土) 02:35:10 ID:???
「……それは言いっこなし。今は今を楽しもうよ」
「いや、春日部さんが良いんならそれで良いんだけど」
「そうだ! せっかくだからさ。あたしの事ちゃんと名前で呼んでよ、ね」
 咲は、憂いを帯びた眼差しを斑目に向けた。
「でもさ……」
 恥ずかしいのか、斑目は声まで小さくなっていった。
「呼んでよ、ねぇ。……は・る・の・ぶ」
 からかうような表情で斑目に詰め寄る咲。
「……さ……さ……咲…………さん」
「さんはつけなくていいよ」
 妖艶さすらかもし出して、正面から斑目を見据える咲。その行動で、斑目の
中の何かがキレた。
「さ、咲!」
 ガッと咲の肩を掴む斑目。今度は咲が驚く番であった。
「えっちょっ、斑目?」
「す、好きだ! さ、しゃき!」
 大事な所で斑目は噛んでしまった。見る間に斑目の顔が赤く染まっていく。
「……。ぷっ、あっはっはっ。だめだろー、そんな大事な所で噛んじゃ」
 斑目は全身を真っ赤にして押し黙ってしまった。
「……ほら、もう一度言ってみなよ」
 驚きの表情で咲を見る斑目。そして……。
138夢と想いと:2005/12/10(土) 02:35:37 ID:???
 春日部咲は夢を見ていた。
 アニメグッズや同人誌が散乱しており、足場の無い部屋、現視研内でも屈指
のオタク度を誇る高坂真琴の部屋である。
 部屋の中心で、18禁ゲーム攻略に勤しむ高坂の姿がある。その横に置いて
あるベッドの上で咲は退屈そうにしていた。
「コーサカぁ、そんなに面白いのそれ?」
「うん、面白いよ」
 満面の笑みで答える高坂に、咲は苦笑を浮かべざるを得なかった。
 このままではまた退屈な時間を過ごすハメになる。もっとかまって欲しいな
と咲は思った。
「ねぇ、コーサカぁ。もっとかまってよぉ」
 普段の咲からは想像も出来ないほどの猫なで声で、高坂に呼びかけた。
「うん、そーだね」
139夢と想いと:2005/12/10(土) 02:36:15 ID:???
 しかし、高坂は生返事をしただけに留まる。なんて事は無い、これがこの二
人の日常なのである。
 だが、咲はやはり納得出来ない。何故別れないのかという声もあるが、高坂
が見せる優しさが咲はたまらなく好きだった。その優しさがいつもあれば文句
は無いのだが、毎回見れるわけでもない。ただ、本当に寂しさを感じた時には
必ず傍に高坂はいるのだ。だから、別れるなんて考えもしないのである。
(あーあ、コーサカ。こっち向いてくれないかなぁ)
 すると想いが通じたのか、高坂はゲームをする手を休め、咲の方へ向き直っ
たのである。
(え? 通じたの?)
 驚きとは別に嬉しさがこみ上げてくる。ああ、この人は自分が本当に見て欲
しい時には必ずこちらを向いてくれる。コーサカ以外考えられない。
 微笑みながら高坂は両手を広げた。咲は幸せを感じながら、その胸に飛び込
んでいった。
140夢と想いと:2005/12/10(土) 02:36:42 ID:???
 朽木学は夢を見ていた。
 彼は不思議な民族衣装に身を包んでいた。右手には剣、左手には小ぶりの盾
を装備している。RPGで言う『勇者』の姿である。
「さあ! 皆で力を合わせて魔王を倒すにょー!」
 しかし、彼の後ろには誰もいなかった。
「NOー!!!!!」
141夢と想いと:2005/12/10(土) 02:37:07 ID:???
 笹原恵子は夢を見ていた。
 彼女の部屋は、ブランド物の鞄、服、帽子等で埋め尽くされていた。
「スゲー! スゲーよ! 安いし、たくさんあったし、もうヤバイよ! うふ
うふふふ、ね! アニキ!」
 笹原はその総額を見て青くなっていた。
「や、やばいよ。ホントやばいよ」
「ヤバイよね! ホントヤバイよね! うふふふふ」
「……俺の言うやばいは、お前のとは意味が違う……」
 笹原が泣いている横で、恵子は幸せそうに笑っていた。
142夢と想いと:2005/12/10(土) 02:37:34 ID:???
 大野加奈子は夢を見ていた。
 午後も少しまわった頃、部室には一つの垂れ幕が下がっていた。
『コスプレ研究会』
 満面の笑みを浮かべている大野。それとは対照的に顔を青くさせている現視
研メンバー。
「あ、あのさ大野。これどういう事?」
 口元を引きつらせながら咲が口を開いた。
「はい! 今日からここはコスプレ研究会になります」
 笑顔で答える大野。
「絶対嫌で……」
「ダメですよ」
 荻上の抗議の声は、大野の一喝により最後まで言う事は出来なかった。
「ハハハ、大変だなぁ」
 既に卒業している斑目は、実害が無いので落ち着いて茶をすすっていた。
143夢と想いと:2005/12/10(土) 02:39:19 ID:???
「何言ってるんですか? 斑目さんもやるんですよ」
 思いっきり茶を噴出す斑目。その様子はさながら鯨の潮吹きのようであった
と、後に笹原は語った。
「げほっ! えふっ! な、何言ってるの大野さん。俺もう卒業したから昼休
み位しかここ来れないし。そんな短い時間じゃやる意味ないでしょ?」
「何言ってるんですか本当に。会社もコスプレで行くに決まってるじゃないで
すか」
「無理! それ絶対無理!」
 必死になって抗議する斑目。その肩を咲がポンと叩いた。
「ダメだあれは、目がマジだよ」
 咲の言うとおり、にこやかながらもその目はちっとも笑っていなかった。つ
いでに言えばその口元には、いつの間にか大きめのマスクが着けられていた。
 斑目はパクパクとまるで鯉のように口を動かし、声にならない悲鳴を上げて
いた。
 不敵な笑いを上げ、大野はじりじりとメンバーに近づいていく。後ずさるメ
ンバー。そのなかで咲はメンバーに耳打ちをした。
「ほとぼりが冷めるまで逃げるよ」
 メンバー全員は力強く頷くと、踵を返し部室から走り去った。
「あ! ちょっと皆さん! 待ってくださーい!!!」
144夢と想いと:2005/12/10(土) 02:39:49 ID:???
 荻上千佳は夢を見ていた。
 東北の片田舎、暖かくなったと言うがまだ少し寒さの残る季節、セーラー服
姿の荻上は学生服姿の少年巻田の事を考えていた。
 偶然と必然の交じり合った事件により、彼は荻上の前から姿を消してしまっ
たのだ。
 その事を思うたび、胸が苦しくなる。
 逢いたい。逢って謝りたい。ただその思いに縛られていた。
 しかし彼にはもう逢えない、彼の笑顔、彼の声、彼の想い。それら全てを失
ってしまったのである。
 縛られる想いにより、荻上は少し心を閉ざしてしまった。
 時は過ぎ、東京の大学に入学してもその傷は癒えなかった。ふとした時に思
いだし、罪悪の念に駆られるのである。
 彼女の記憶にある巻田の笑顔、それが笹原の笑顔と被っていく。自分の妄想
により傷つけてしまった記憶が甦る。もう自分は人を好きになってはいけない
んだ、好きになったらまた同じ事を繰り返してしまう。
 苦しい、謝りたい、許して欲しい、もう失いたくない。
 荻上は中学の時のそのままの姿で泣きはらした。その肩を、ポンと何者かが
叩いた。
 顔を上げると、そこには笑顔の、まるで全てを包み込んでくれそうな笑顔を
自分に向けている人物がいた。
145夢と想いと:2005/12/10(土) 02:40:24 ID:???
 夜中急に目を覚ました荻上は、眠い目をこすった。
(思い出せないけど、何か悲しい夢を見ていた気がするな……)
 不思議に思いながらも、枕元に置いてあるメガネをかけ起き上がった。
(トイレ、トイレ)
 軽い二日酔いを覚えながら、ふらふらとトイレに向かう荻上。その手がトイ
レのドアノブに触れた時、急にそのドアが開いた。
「あっ」
「あっ」
 トイレから出てきたのは笹原であった。
「ごめんね」
 笹原は、つい反射的に謝ってしまう。
「いえ、別に」
 何か気まずさを覚え、荻上は目を逸らした。その荻上の顔を見た笹原は、涙
の後を見つけ驚いた。
「えっと、あの。大丈夫?」
146夢と想いと:2005/12/10(土) 02:40:53 ID:???
「……何がですか?」
「いやだって、あの。涙の跡」
「これは、寝起きだからです」
 夢で泣いたとは言えないので、寝起きだからと荻上は誤魔化した。誤魔化し
きれるものではないが、本人が言い切るので笹原は強く聞けなかった。
「そう」
「あの、もういいですか」
 荻上はトイレを指差した。
「ああーごめん!」
 慌てて場を開ける笹原。そしてそのまま部屋に戻ろうとした背中に荻上は声
をかけた。
「……先輩、おやすみなさい」
「え? あ、ああ。おやすみ」
 返事を返した笹原はほんの少しだけ笑顔になり、部屋に戻っていった。
147夢と想いと:2005/12/10(土) 02:42:12 ID:???
と、ここまでです。リレーの合間にでも暇つぶしとしてどうぞ。
148マロン名無しさん:2005/12/10(土) 02:53:13 ID:2L2KEnEO
おいおい、暇つぶしにしちゃGJ!
149マロン名無しさん:2005/12/10(土) 02:59:08 ID:???
>>132->>146
うまーにゃー。GJ!
夢・・・。それは人の願望が現れるという・・・。
とかいうけど、実際はあったら嫌なことが現れることが多いそうですけどね。
それはかんけーないけど、面白かったですよ。
150マロン名無しさん:2005/12/10(土) 04:15:20 ID:???
>>132-146
うまーーーーーい!(スピードワゴン風) GJ!

さて色々とお題がでたりとか新規SS神参入とか、あと2週間楽しめそうです。
151夢と想いと:2005/12/10(土) 04:34:55 ID:???
>>148
ありがとうございます。
久しぶりに書いたので、頭が沸騰しそうになりました。
>>149
ありがとうございます。
夢は人の心理状態や未来を表すとも言いますね。
>>150
ありがとうございます。
ちなみに自分、SSスレ設立当初からいる香具師だったりします。
余談ですが。
152マロン名無しさん:2005/12/10(土) 07:07:09 ID:???
>>132->>146
たまにはこんなんもええでえ!
大野さんと恵子の夢は、シャレになってなさそう。
高坂の夢は・・・やめときましょう。
仮死状態に近い深い眠りだったので、脳停止中ということにしときます。
>>130
生活パターンがオタからカタギにシフトしつつある様子がGJ!
なかなか面白い企画だが、俺は参加しにくそう。
みんな全体的に純文学かジュニア小説みたいなカチッとした文章書くけど、俺の作風って内容ハチャメチャな割に文体が古いから、凄く違和感出そう。
例えるなら、「花とゆめ」に「カラテ地獄変」が掲載されるみたいな状況になりそう・・・
観客として楽しませて頂きます。
153マロン名無しさん:2005/12/10(土) 12:08:38 ID:???
>>152
花と夢と空手地獄変…そのゴッタ煮感がアフタヌーンっぽくてイイ!!のでは!?
げんしけんもあれば、宙のまにまにからガガガガまで!みたいな。
今後も期待しております〜〜〜
154夢と想いと:2005/12/10(土) 13:43:11 ID:???
>>152
ありがとうございます。
自分も152さんの作品、見たいです。是非参加して下さいね。
自分もがんばりますので。
155マロン名無しさん:2005/12/10(土) 15:16:19 ID:???
高坂は夢の中でもゲームやってたりしてな。
156マロン名無しさん:2005/12/10(土) 21:56:47 ID:???
>[リレー]げんしけん24[笹原 08:00]
GJ!
新しい試みへの挑戦乙!多元視点での展開は楽しめそう。俺も普段脚光を
浴びない田中あたりの外堀から、掘り下げて内面描写してみようかな。

>夢と想いと
GJ! 間奏曲どころでは無いと思いますよ。これもちょっとした多元視点の
挑戦的試みですね。

157リレー]げんしけん24 [田中 08:00]:2005/12/11(日) 02:14:09 ID:???
さっそく、リレー継続。十時からは大野と合流という設定。
158リレー]げんしけん24 [田中 08:00]:2005/12/11(日) 02:14:56 ID:???
田中は携帯のアラームの音で目を覚ました。
田「いかん、いかん!寝過ごしたか!」

田中は苦笑してベットから這い出した。昨日は遅くまで、コスプレの衣装作
りをしていた。今日は専門学校の講義は無い。午前中に大野さんに約束の衣
装を渡す事になっていた。軽くシャワーを浴びた後、パンをかじりながら、
ミルクだけを入れたコーヒーで軽く朝食をすませた。

田「ああ、大野さん!ごめん、今起きたとこ!十時ぐらいには、そっちにつくと思う」

実は田中には約束のコスプレ衣装の他に大野に見せたいものがあった。大野
に着てもらう普段着である。もちろん田中の自作だ。普段着の衣装は初めて
作った。縫製の専門学校に通い始めて、このアパートに引っ越してから、大
野と会う機会は以前より少なくなっていた。それだけに今日久しぶりに会う
事が田中には心から楽しみであった。この意外なプレゼントにどんな表情をするだろうか?

縫製の専門学校では田中の技術に講師はじめ、同級生も目を見張った。専門
の教育を受けていないとは思えない、独学の技術とは思えなかったからだ。
しかし、一方で田中は基礎の技術やファッションの歴史や流行の潮流、伝統
や精神の知識がいかに足りないかを実感していた。遠回りだったが、自分の
したい事が見つかった自分は幸せだと思う。また遠回りしなければ、大野始
め、気の合う友人たちとも出会わなかったのだから。
159リレー]げんしけん24 [田中 08:00]:2005/12/11(日) 02:15:29 ID:???
上野駅に向かい、乗り込んだ山の手線の電車の中で、田中は大野の驚く顔を
想像して、細い目をさらに細めて、笑みを浮かべた。隣の人が怪訝そうな表
情をしたのに気付いて、あわてて顔をそむけた。しかし、表情が崩れるのを押さえることができなかった。

大「いらっしゃい!田中さん!さあ上がって!」
田「久しぶりだね、約束のコレ!」
大「ああ、やっぱり田中さんはすごいです!これは荻上さんのですね!お茶入れますからゆっくりしてください」
田「ああ・・・」

田中はいつプレゼントを渡そうか、機会をうかがっていた。が、大野の方か
らその機会を作ってくれた。
大「あら、その包みは何ですか?」
田「ああ、これ・・・見てもらえる?」
大「いいんですか?じゃあ・・・」
田中は内心の動悸を押さえることができなかった。
大「うわ!ダサー!これ、学校の課題ですか!縫製はしっかりしてるのにデザインひどいですね!
ファッションにうとい私でも着ませんよ!こんなの・・・」
田「あっあっそう!そうなんだ!ひどい課題で・・・」
大「せっかくの田中さんの腕がもったいないですね!」
田「ははっそうだね・・・」
田中はフーと息を吐き、遠い目をして窓から見える景色を眺めた。
よく晴れた初夏の日差しがまぶしかった・・・。
160マロン名無しさん:2005/12/11(日) 02:21:54 ID:???
>>リレー]げんしけん24 [田中 08:00]
乙&継投GJ!
田中・・・。カワイソス・・・。
田中がんばれ田中
161夢と想いと:2005/12/11(日) 02:46:29 ID:???
>>156
ありがとうございます。
多元視点的って結構面白いですよね、その分難しいですが。
>>158-159
田中……(つД`)
162マロン名無しさん:2005/12/11(日) 03:27:49 ID:???
>>158,159
GJ…大野と田中の関係がなんかリアルだ(泣)。田中カワイソス…。
163リレー]げんしけん24 [斑目 07:45]:2005/12/11(日) 03:28:51 ID:???
ジリリリリリリリ…(カチッ)リンッ!
ベッドの中から細い腕が伸びる。
上に金属鐘のついたクラシカルな目覚まし時計を掴むと
裏のスイッチに指をかけ、斑目はベルを止めた。
高校の頃から使っているだろうか、もう10年物の時計だ。
(あー、今日も仕事か…うーん……)
昨夜はついつい、某ロボット対戦で夜更かししてしまった。
再び布団に入って目を閉じてしまう斑目…それは危険だ。

「………はっ!!」
がばっと起き上がり、時計に目をやると8時25分だ。
まだ新入社員なのに遅刻は洒落にならない。
大慌てで顔を洗い歯も簡単に洗うと、カッターとスラックスを着込む。
「やっべ!」
ネクタイに焦る。長さの具合が不満だが、仕方ない。
斑目は朝食も取らずにドアから飛び出すと、アパートから走って
10分の会社まで駆け出していった。
『あーくっそ、なんか今日はツイてねぇなぁ…!!』
なんだか赤信号に捕まりすぎる気がする。

斑目「おはようございます…!」ハアハア ハァハァ…
社員A「おーう、おはよう、ギリギリだったなぁ(笑)」
社員B「まあ若者は眠いんだろ。俺なんて朝目が覚めちまってなぁ」
社長「さ、朝礼しようかね」
斑目の今日の労働が始まる。
164マロン名無しさん:2005/12/11(日) 03:33:39 ID:???
たぶんこんな感じかなと。
165マロン名無しさん:2005/12/11(日) 06:31:20 ID:???
ども、>>152です。
増えてる増えてる!!
笹やんから始まったリレーSS、今度は田中と斑目か。
何かいいね、こういうの。
日常的な描写の積み重ねで、あんまり変ったことせず、読者には「あるある」とうなずかせる。
俺、実はこういうのがやれないのよね。
どうしてもウケ狙いで過激で過剰でギャグな方に走ろうとしてしまう。
(クッチーが電車で酔っ払いボコボコにする話とか、恵子が中島殴る話とか)
こんな俺がもしこの企画に参加しようと思ったら・・・あいつしかいないな。
そんな訳で、みなさんあいつは出来れば置いといて下さい。
166マロン名無しさん:2005/12/11(日) 07:43:03 ID:???
>>165です。
何時までもあいつを寝かせとく訳にも行かないので、書いてみました。
167リレー]げんしけん24[朽木8:00]:2005/12/11(日) 07:51:01 ID:???
「にょにょにょー!」
奇声と共に布団から長い腕が伸びてきて、枕元の携帯電話を掴みボタンを押す。
そしてガバッと起きると、時刻は8時ちょうどだった。
「僕ちんの勝ちにょー!」
携帯相手にサムアップのポーズで勝利宣言するクッチー。
どうやら彼の中には、目覚まし替わりの携帯が鳴るより先に起きたら勝ちという自分ルールがあるらしい。
「いやー昨夜は頑張り過ぎたにょー」
ベッド周辺に散らかったエロパロ系の同人誌や某声優の写真集、それに使用済みのティッシュなどを片付ける。
いや正確には片付ける途中で同人誌の1冊を読みふけってしまい、ついでに昨夜の続きを敢行して、さらにゴミを増やしてしまうという過程を経て片付けた。
普通はそれで疲れるところだが、彼はむしろそれでシャキッと目が覚める。
洗面所に行き、テキパキと手を洗い、歯を磨き、顔を洗い、ひげを剃る。
そして適当に脱ぎ散らかしていた服に着替える。
続いて台所に行き、レンジでご飯を温め、それが鳴るまでにポットのお湯でお茶を用意し、卵やしょう油を用意する。
用意が済む数秒前にレンジが鳴る。
「しまった!これで一勝一敗にょー」
どうやら毎朝こんな風に電子レンジとも勝負してるらしい。
そしてテレビを見ながら、卵をかけた丼飯だけのシンプルな朝食を取る。
食事が終わって後片付けをした後、パソコンに向かう。
彼は2ちゃんねるのヘビーユーザーだった。
「さてと、まだ残ってるかにょー?」
漫画板の某作品のスレを開けてみる。
レス数が1000に達していたので、次スレを開ける。
「やっぱ終わってたにょー(キーを操作しながら)次スレの1さんに乙と・・・何々、前スレの>>945・・・僕チンだにょー・・・(怒り)何ですと!!」
自分のレスに対する反論のレスにマジ切れし、猛烈な勢いでキー操作して再反論する。
ところが相手もヒマ人なのか、再度反論してきた。
「何の、負けませんぞ!!!ここで退いては、それは己の負けにょー!!!」

こんな調子で、その日の朝の講義をクッチーはすっぽかした。
168マロン名無しさん:2005/12/11(日) 12:57:09 ID:???
>>167
その行動、俺そのものw
169マロン名無しさん:2005/12/11(日) 13:34:13 ID:I4OCKYCU
大好きなクッチーキター
170マロン名無しさん:2005/12/11(日) 15:14:22 ID:???
>>167
今までクッチーは俺の中で単なるお約束キャラ=
記号に過ぎなかったが、あなたの為に今ここに
俺の心にリアリティーのある生きたキャラとして
産まれた。
171マロン名無しさん:2005/12/11(日) 16:58:58 ID:???
>>132-146
遅いけど GJ! なんか「うる星やつら ビューティフルドリーマー」を
思い出してしまったよ・・・歳がバレるな・・・。
172マロン名無しさん:2005/12/11(日) 20:19:35 ID:???
クッチキターーーー!!!荒らしにはスルーだよ、クッチー!GJ!
今後の神出鬼没っぷりに期待。
173[リレー]げんしけん24 [斑目 09:00]:2005/12/11(日) 20:34:39 ID:???
「ん?」
仕事開始してから、メールが入っていることに気づく。
「そういや、寝ぼけてメール打ったっけか・・・。」
相手は笹原。休日前の0時売りに誘ったのだった。
「いけない・・・か。マジメにやっとるようだね・・・。」
就活をはじめたことはきいていた。
笹原が自分よりもマジメに就活をしてることに対して少し引け目を感じる。
「何か、あんのかねえ・・・。」
自分と似ていると思っていた男の真剣な様子に、少々勘ぐってしまう。
少し呆けていると。
「おーい、斑目ー。休憩なくなるぞー。」
先輩社員の冗談交じりの脅しに、驚く。
「あ、はい・・・。すいません・・・。あはは・・・。」
そういって仕事を再開した。
174マロン名無しさん:2005/12/11(日) 20:36:19 ID:???
↑書いたものですよ。
笹原 8:00と斑目 7:45に強引に整合性をもたせようとしました。
175マロン名無しさん:2005/12/11(日) 20:45:21 ID:???
>>174
Σ (゚Д゚;) 斑目作成した者ですが、笹原が受信したメールを斑目が送信したのが
「ついさっき」っての見落としてました(汗)!!
すんません…!!そして修正サンクス!!<(_ _)>
176マロン名無しさん:2005/12/11(日) 21:02:15 ID:???
>>175
ドンマイw
強引に整合性をもたせようっていうのもこの企画の笑いどころだと思うので、
問題はなかとですよ。
177リレー]げんしけん24(大野10:00):2005/12/11(日) 21:56:02 ID:???
田中[8:00]の続きを大野視点で・・・。複眼視点で進めてみます。
誤解無きように言っておきますが、けっして田中を悲しませようとしたわけでは・・・
「趣味」という絆で強くつながっている二人にも、ささいな行き違いもあるのでは
と思って書いただけで・・・。笹荻が趣味で理解しあうのが難しい(?)反面
二人には壁が無さ過ぎてむしろ、逆に絆を強める機会が無いんじゃと思えますから。

[朽木8:00]書いた方!
苦手どころか、キャラが生きて「動いて」ると思いますよ!
俺も苦手な分野ありますが、苦手とは思えない描写でした!

大野と田中の午前は書いちゃいました。午後、大野は大学、田中は専門学校という設定で
継続お願いします。

178リレー]げんしけん24(大野10:00):2005/12/11(日) 21:57:31 ID:???
大野は午前中の出来事を思い返していた。早朝、田中から大野の携帯に電話があった。

大「ええ、分かりました。気をつけて来てください。待ってます」

8時半の事だから・・・あと1時間半・・・。急いで部屋を片付けて掃除を
始めた。会うのは久しぶり・・・。少しうきうきして、家ではあまりしない
化粧もした。昨日作り置きしておいた手作りのお菓子もある・・・。そわそ
わしながら田中が来るのを待った。田中さんもきっと久しぶりに会う事を楽
しみにしてるにちがいないと大野は思っていた。

それなのに今、大野の目の前にいる田中は元気が無い。どうしてだろう?と
大野は思った。午後からは大野は大学の講義があり、今日会えるのは午前中
しか無い。それなのに・・・。
大「わたしが会長となったからには学祭は必ず成功させてみせます!」
田「うん・・・がんばって・・・」
大「?この荻上さん用のコスもぜひ着てもらいますよ!」
田「あまり、無理強いしないようにね、はは」
大「いえ!荻上さんもコスプレすれば変わります!!ん?間違ってますか?わたし・・・」
179リレー]げんしけん24(大野10:00):2005/12/11(日) 21:58:02 ID:???
田「ははは、元気でるよ!君を見ていると!俺も元気出さなきゃな!講義は無いけど午後から俺も学校出るよ!」
大「わたしも『会長』としてがんばります!」

帰り際に田中は普段見せない真剣な表情をしてこう言った。
田「次は必ず君を喜ばせてみせるよ!」
大「ええ」
その言葉に首を傾げながらも、大野はニコニコ笑っていつも通り手を振って
田中を送り出した。

不思議な事を言う・・・。田中さんはいつも私を十分過ぎるほど喜ばせてく
れているではないか・・・。この上何を喜ばせる事があるのだろうか?と大
野は思った。大野は田中の作ったコスプレをそっとなで、思った。りっぱな
仕事・・・。作り手の心が分かる。初めてその衣装を着た時はその衣装を通
して、田中の人柄を感じ、尊敬の念すら覚えたものだ。
大「さあ、わたしも学校!学校!」
180マロン名無しさん:2005/12/11(日) 23:57:35 ID:???
>>178-179
なんていうか大野LOVEですね。GJです。
黒大野もあれはあれでアリですよ!
181マロン名無しさん:2005/12/12(月) 01:55:16 ID:???
>>167です。
みんな大変だな、整合性に四苦八苦して。
(まあ本来それを楽しむ企画なんだが)
その点俺は、マイペースで好き勝手に書けるやつを選んじまったから、ちと心苦しいです。
その意味ではクッチーネタって、この企画の趣旨から見れば番外編だな。
>>168
実は俺もそうなんです。
て言うか、俺の起床後の行動を少しアレンジしただけに近い。
殆ど自分語りのSS化に近い反則技でスマン。
>>169
俺も大好き。
出来の悪い子ほど可愛いってやつかな。
>>170
俺はクッチーって、読者の代表だと思ってる。
いい面の代表が笹やんで、あかん部分の代表がクッチー。
その意味で笹やんとクッチーって、コインの裏表の関係にあると思う。
>>172
男の中の男クッチーは、荒らしに対しても後ろは見せんのです。
182マロン名無しさん:2005/12/12(月) 02:15:54 ID:???
>>178->>179
いやはや、GJ!
田中かわいそうって最初書いたのは俺だったけども、
それはリアルだったからだねえ。
大野さんも喜ぶ一般服作れるようになったら、
大野さんの尊敬の度合いもさらにアップしそうだな、と思う。
だからこその田中がんばれ田中。ですよ。
>>181
そうねー、クッチーは独立小隊的なw
でも、奇妙な行動してるクッチーを見かけるぐらいは他で書いてもいいでしょ?
そこから強引に話膨らましてください・・・、とか言ったらひどいかw
183マロン名無しさん:2005/12/12(月) 02:34:11 ID:W5GQwe3n
みんなから「朽木くんは知らない」されてる1日か…
ア、ナミダガ…
184マロン名無しさん:2005/12/12(月) 02:47:35 ID:???
たぶんお昼頃から、あちこちでクッチー目撃される予感。
瞬間移動でもしてるのか?ってぐらいの勢いで!
185マロン名無しさん:2005/12/12(月) 02:59:40 ID:???
みんなオギー書かないねえ。いっちゃん最初に書かれるかなとも思ったのだが。
あとは咲とか、高坂とか。
久我山もか。ある意味一番メンバーと触れなさそうだ。メールとかないと。
あとな、初代もいるんだよ・・・。ダレカカイテモイイヨ?
俺は笹原の続き書くー。
186[リレー]げんしけん24[笹原 10:00]:2005/12/12(月) 03:06:30 ID:???
「・・・・。」
しかめっ面で就職情報を見つめる笹原。
かれこれすでに一時間が経過していた。
(だいぶ減ってきてるな・・・。そりゃそうか・・・。)
出版業は人気の職種だ。大手なら募集も早い。
規模の小さいものでも早々決まってしまうものだ。
(大手も大半は受けたけど・・・。はぁ・・・。)
結果は、今も活動をしている様子を見ての通り。
「ん・・・?」
ふと窓の外から見える道を見ると。
「荻上さん・・・?」
なぜか不機嫌な表情で構内を突き進む荻上。
声をかけようと立ち上がったが、片づけをしてる間に見失ってしまった。
「あちゃー・・・。ま、後で部室で会えるかな。」
少し気分を変えようと、学食の方へと笹原は向かった。
187マロン名無しさん:2005/12/12(月) 22:51:41 ID:???
GJ! [笹原 10:00]
主人公動く!ですね!荻上を何故書かないのかと不思議に思ってらっしゃる
ようですが、設定が荻コス前後ですから、原作と重複しますからねー。皆
そうした理由で書かないんじゃないですか?原作の内面描写か補足エピソード
か、荻コス後のエピソード挿入に限られますしねー。

咲とコーサカ、久我山あたりは書けそうですが・・・。久我山は単独行動での
エピソードくらいでしょうか・・・。彼の日常か・・・。漫画家の道を断念し
未練を残しながら、仕事に励む姿でも描けそうですね・・・。ふーむ。
初代会長は不可能、と思う。だって人間じゃないから・・・。
188マロン名無しさん:2005/12/13(火) 04:51:14 ID:???
荻コスの前なのか後なのか、によって描写が変わるから
どっちだ?と思って睨み合いが続いたというか…
それで誰も書かなかったんじゃないでしょうかね(苦笑)。
さてそろそろ、遭遇したり離れたりの展開が出てきそうですね。
189マロン名無しさん:2005/12/13(火) 05:10:22 ID:???
>>188
まあ、誰かが決めていいと思いますよw
そうそう、>>187さん、
私が提案者なんだけども、オギコス前後、っていうのはその日って意味じゃなかったのよね・・・。
荻がコスした日の前後のある平日って意味で・・・。
別にその日でもいいんだけども。
それは荻上書く人にゆだねていいかなあ??と投げっぱなしジャーマン。
190マロン名無しさん:2005/12/13(火) 23:14:37 ID:???
新作マダー?
191マロン名無しさん:2005/12/13(火) 23:15:35 ID:???
平日は生産量が落ちる罠。というか寒くてタイピングがつらい…。
192マロン名無しさん:2005/12/13(火) 23:37:55 ID:???
>>191
日本中が大寒波に見舞われてるからなあ・・・。
みんな、大丈夫か?
193マロン名無しさん:2005/12/13(火) 23:53:53 ID:???
>>192
荻上の家は大丈夫だ。俺が雪下ろししておいたから。
部屋に暖房の無い環境の人にはつらかろうな。皆さん体気をつけて。
本格新作期待してます。俺はネタ切れで・・・。
194マロン名無しさん:2005/12/14(水) 00:17:12 ID:???
本スレに書かれてたSSの続きを書いてくれる神はいないのか……
195マロン名無しさん:2005/12/14(水) 00:18:16 ID:???
本人が明日来るんじゃないのかw
196マロン名無しさん:2005/12/14(水) 00:22:21 ID:???
>>195
本人と約束したからな!
197マロン名無しさん:2005/12/14(水) 00:39:10 ID:???
『またの機会』だからいつだか分からない罠
198マロン名無しさん:2005/12/14(水) 00:39:58 ID:???
なあにかえって(過疎への)免疫力がつく。
199マロン名無しさん:2005/12/14(水) 18:17:58 ID:???
過疎化してかえってラッキーかも
200マロン名無しさん:2005/12/14(水) 20:26:00 ID:???
げんしけんメンバーが戦闘機オタだったらと仮定しての会話

斑目「好きな戦闘機って何?」
笹原「うーん、普通にF-15イーグルですかねえ」
高坂「ラファールとかフランス戦闘機が好きですね」
大野「Mig-31フォックスハウンドなんてかっこいいですよね」
荻上「……グリペン」
笹原「斑目さんは?」

斑目「フライングパンケーキ」

斑目「円盤状の機体でな……
   これでオリジナリティーを演出するのだよ……」
一同(そんなのあるの?)

オギーにグリペンと言わせたくてやった。今は反省している。
201マロン名無しさん:2005/12/14(水) 20:31:02 ID:???
グリペンはいい機体だと思うがオギーとの関連が分からない…
202マロン名無しさん:2005/12/14(水) 20:57:32 ID:???
グリンベも戦闘機も正直わからん
203マロン名無しさん:2005/12/14(水) 21:48:31 ID:???
あえて最近のシチュにする必要あるのか…
田中を何でその会話に参加させないんだw
クッチーや久我山は?
204マロン名無しさん:2005/12/14(水) 22:15:29 ID:???
>>203
もう一回六巻のオマケ読んできなしゃい。
205リレー] げんしけん24[荻上 08:00]:2005/12/14(水) 23:43:56 ID:???
 けたたましく鳴る携帯の目覚ましアラームを止め、荻上は目を覚ました。
 寝起きのせいなのか、それとも目が悪いだけなのか、荻上の目つきはかな
り悪い。他人が見れば機嫌が悪いのかと勘違いされそうである。
「ん、んー」
 荻上は軽く伸びをした。縮んでいた筋が伸ばされ、全身に血の気が蘇る。
 荻上は夢うつつのまま、メガネに手を伸ばした。
「どうしよう。当選通知来たけど、本当に出すのか?」
 通知の封筒をあらためて見た。当選したという事実が紛れも無い真実だと
いう事を確認する。
 嬉しいと思う反面、不安もある。いまいち踏み切れないのだ。
「誰かに相談出来るもんでもねぇしなぁ……」
 本当は相談したい。大丈夫だと背中を後押しして欲しい気持ちがあるのだ
が、性格なのかその一歩が踏み出せない。
「本当にどうしようかな」
 荻上は少し憂鬱になった。が、すぐに気を取り直した。
「はぁ、悩んでも仕方あんめぇ。とりあえず学校行くか……」
 荻上は仕度を始めると、大学に向かうのであった。
206205:2005/12/14(水) 23:45:57 ID:???
規制に巻き込まれて3日間お預け喰らってました。
な、長かった……orz
207マロン名無しさん:2005/12/14(水) 23:54:26 ID:???
>>205
乙&GJ!
なるほど。コスプレ当日でいくってことですな。
他のメンバー考えるときに気にしとかないとな・・・。
208マロン名無しさん:2005/12/15(木) 00:21:12 ID:???
[荻上 8:00]
乙&GJ!
いよいよ、本命(?)登場ですね!あの回の内面描写に焦点当てるのは
いい試みです。正直あの回は立ち読みで終わらせてしまったので、描写
の読み取りが自分にはできないので、ぜひぜひ、内面も深く掘り下げて
いただければ!単行本発売までもう少しあるし!
209マロン名無しさん:2005/12/15(木) 05:16:45 ID:???
>>205
規制とは乙でした!そしてGJ!方向性がつきましたね
210マロン名無しさん:2005/12/15(木) 06:57:01 ID:???
>>200
今更6巻ネタだけど触発された。
まあ7巻出たら7巻オマケ改変ネタばっかになりそうだから今のうちという事で…。

げんしけんメンバーが格闘技オタだったらと仮定しての会話


タイトル「それってやっぱ反則気味」

斑目「好きな技って何?」
笹原「うーん…… フツーにハイキックですかねえ」
高坂「ロシアンフックとかパンチ系が好きですね」
大野「スピニングチョークなんておいしいですよね」
荻上「……袖車絞め」
笹原「斑目さんは?」

斑目「立ってる時にロープごとフロントチョーク」

斑目「ロープ掴むの反則と書いてないルールでな…
    これでヒクソンが追いつめられたのだよ…・・・」
一同(そんなのあるの?)
211マロン名無しさん:2005/12/15(木) 09:02:04 ID:???
タランチュラキター
212マロン名無しさん:2005/12/15(木) 10:29:11 ID:???
>>205
ようやくリレーの道筋が決まりましたな。GJ!
>>167はクッチーの目覚ましを携帯にしたけど、荻チンもそうだとは・・・
クッチーに教えてやったら「ナカーマ」とか言いつつ馴れ馴れしく肩に腕回したりしそう。

それはさておき、これで当面の課題は本編に登場しなかったクッチーをどこで話に一枚噛ませるかになったな。
はてさて、ここが思案のしどころだ。
213マロン名無しさん:2005/12/15(木) 15:24:03 ID:???
>>210
俺的にウケた
214リレー] げんしけん24[荻上 10:00]:2005/12/15(木) 18:07:32 ID:???
 荻上は憤慨していた。
(朝一からの講義だから早めに起きたのに、何で休講になってんだぁ!)
 口を尖らせ、心の中で叫ぶ。言葉が口をついて出ていないところが唯一
の救いだろうか。
(前々から思ってたけど、あの教授って急にってのが多いよなぁ。急に休
講とか、急にレポートとか。やってらんねぇっつーの、まったく)
 荻上は嘆息した。
(やることねぇし、現視研でもいくかなぁ。でもなぁ、うーん)
 その時、荻上の腹が可愛らしい鳴き声を上げた。
(あーそういえば朝ご飯、食べて来なかったなぁ)
 荻上は腹を押さえてしばし考え込んだ。
「学食、行ってみっかな……」
 そう言うと、荻上は学食に向けて歩き出すのであった。
215214:2005/12/15(木) 18:10:05 ID:???
さて、ここからがSSの醍醐味展開になるかな?
一応整合性は考えているつもりです。
続きは考えていませんが。
さてさて、どうなることやら。
216マロン名無しさん:2005/12/15(木) 21:20:07 ID:???
誰か前にここのSSスレをまとめたページを作る〜みたいな人いたけど、どうなったんかな?
ここまでの力作SSをただスレ内だけで風化させるのはあまりにも惜しい・・・
特にリレーが始まったココでは今後まとめページの存在が不可欠だと思われる。
Wikiなんかで運営するのが一番てっとり早い気もすんだけど・・
217マロン名無しさん:2005/12/15(木) 21:44:04 ID:???
>>216
今スレ>>21が、作るならログ提供するって言ってたね。
ただ、下手すると>>21が作るって勘違いした人いたかも。
ちなみに漏れは、作る知識と道具が無いので……。

Wiki 誰か 頼む…… orz
218マロン名無しさん:2005/12/16(金) 00:37:01 ID:???
wikiってなんじゃろ と思ってググッたが 俺には無理です…
219マロン名無しさん:2005/12/16(金) 02:06:08 ID:???
無料のWikiコンテンツ配布してるようなのでもいいの?
一から作るんじゃなくて、どっかをお借りする形で。
ようけわからんけど、それならできそうな気がすると、ヤフッて思った。
220マロン名無しさん:2005/12/16(金) 02:18:04 ID:???
とりあえずさっきlivedoor wikiに登録して四苦八苦、試してみたけど
結局挫折して断念、削除しますた。

>>219さん宜しくっす
221マロン名無しさん:2005/12/16(金) 02:20:34 ID:???
>>220
マジで??
まあ、時間かかるかもしれないけどやってみる・・・。
222マロン名無しさん:2005/12/17(土) 18:10:22 ID:???
ではクレア×ナミという夢が現実のものに…
くっはー俺を萌え殺す気カヨ!
223マロン名無しさん:2005/12/17(土) 19:53:20 ID:???
え?どう見ても誤爆…?
224マロン名無しさん:2005/12/17(土) 23:34:18 ID:???
>>211
がんばってください!という他力本願な人・・・。

どうみても誤爆ですね!
皆さん寒い日の続く中、お疲れ様です!新作期待してます!お体に気をつけて!
えっ俺はって?・・・・・(汗)かっ書いてますとも・・・・。
225マロン名無しさん:2005/12/18(日) 03:32:32 ID:???
一応仮版だけど作ってみたよ。
とりあえず過去ログと、現行スレへのリンクのみ。
今後カテゴライズしていく予定。
メニューはまったく触れられないけどそこはスルーで。
すぐに・・・!すぐに作りますから!

ttp://www7.atwiki.jp/genshikenss/
226マロン名無しさん:2005/12/18(日) 04:08:20 ID:???
>>225
GGJ!!(グレイトグッジョッ!!)
乙…ほんとに乙です。
227マロン名無しさん:2005/12/18(日) 06:28:54 ID:???
>>225
よくやった! 感動した! 好きになった!
いや、好きかどうかは置いといて、ホントにGJ!
その勢いに触発されて、新作SSでも書いてみるか。
228216:2005/12/18(日) 09:01:58 ID:???
>>225
うわぁお・・・神しゃまが来てくれた( ´Д`)ハァハァ

自分じゃやっぱり作れなかったから発言してみたのだけども、実際にお造り
なさって頂けるとわ。 本当嬉しいなー
229マロン名無しさん:2005/12/18(日) 15:58:49 ID:???
>>225
ア…アンタ何ちゅうもんを立ててくれたんや…
こういうのは言うは易しっていうようにめんどくさいと思うのだけど
本当によくやってくれました GJ乙
前スレSS書きより愛をこめて
230マロン名無しさん:2005/12/18(日) 16:33:40 ID:???
>>225さん乙&GJ!

ところで、リレーSSの続きを投下しようと思います。
クッチー編の続きです。
231[リレー]げんしけん24[朽木10:00]:2005/12/18(日) 16:51:38 ID:???
「ハラショーッ!!!」
勝利の雄叫びを上げるクッチー。
朝っぱらから2ちゃんねる漫画板の某漫画スレを舞台に繰り広げたクッチーVS暇なヒッキーの対決は、遂にクッチーに軍配が上がった。
執拗なクッチーのレスの猛攻にヒッキーが音を上げたのだ。

クッチーがそこまでその漫画とスレに入れ込んだのには訳があった。
その漫画とは、ある架空の大学のオタク系サークルのぬるい日常を描いた作品だった。
同じ様なサークルに所属するクッチーは、その漫画を気に入って我がことのように感情移入していた。
中でも彼がご執心なのは、特徴は無い(強いて言えば平凡なことが特徴)が真面目で心優しい主人公と、その相手役とされているロリ顔ロリ体型ツンデレのヒロインだった。
その漫画のスレでは、この2人のフラグが立ってる派と立ってない派の2派に分かれて、日夜熱い論争を繰り広げられていた。
クッチーはフラグ立ってる派の急先鋒だった。
だから立ってない派のヒッキーに執拗に噛み付いたのだ。

クッチーがその漫画のスレに入れ込んでいるのには、もう1つ大きな理由があった。
それは最近のげんしけんの雰囲気だった。
かつてクッチーが入会した頃のげんしけんは、ぬるいオタクが集ってぬるいオタ議論を繰り広げるぬるいサークルだった。
だが斑目たちの代が卒業し、笹原たちの代が就職活動に入り、現役会員が大野会長、荻上さん、クッチーだけになると、その雰囲気が変った。
(クッチーにとっての恵子は、時々遊びに来る先輩の妹という認識だ)
大野さんと荻上さんという、表現する側・作る側のオタが主流派になった為に、げんしけんはぬるオタサロンというよりガチオタ製作現場に近くなったのだ。
それはそれで嫌いじゃないが、かつてのようにぬるいオタ議論が延々続くげんしけんが消えつつあるのは寂しかった。
そんな彼が、2ちゃんねるの自分の好きな漫画のスレに活路を求めるのは、当然の帰結だった。
後編に続く
232[リレー]げんしけん24[朽木10:00]:2005/12/18(日) 16:58:11 ID:???
後編行きます
一通り関連スレに目を通して、ようやくクッチーはパソコンの電源をオフにした。
そして出掛ける用意を始めた。
リュックサックの中をざっと見て、枕元の携帯を取る。
メールの着信があったようだ。
2ちゃんねるに夢中で気付かなかったらしい。
「おー斑目さんからだにょー。何々・・・今度の0時売り・・・他のみんなは来れないから2人だけだけど一緒にどう?、か」
いつ、何処でも、誰の挑戦でも受けるをモットーにしてるクッチーは、敵に背を向ける訳には行かなかったので「ラジャー!!!」と返信した。
一通り用意が済むと、昼の講義にも昼休みにも間があり、中途半端に時間が空いてることに気が付いた。
そこで先程2ちゃんねるでの死闘の原因になった漫画の掲載されてる、分厚い漫画月刊誌の今月号を読み始めた。
改めて読んでみて、彼は自分のフラグ立ってるという主張は正しかったと確信した。
そしてふと、ご執心の漫画内のカップルに似た、現実の男女に思いを馳せた。
『春日部さんはあの2人フラグが立ったみたいに言ってたけど、どうなんだにょー?まあ確かに、あの2人ならお似合いだとは思うけど・・・』
『でもあの2人って、カップルと言うより血のつながってない兄妹みたいな感じだからなあ。カップル成立するには、何て言うか、お互いに異性だということを意識するような、そういうイベントが必要な気がするにょー』

「さて、出掛けるかにょー」
自分自身に言い聞かせるように呟いて、立ち上がってリュックを背負う。
「電気も窓もオッケーと」
部屋を見渡して、ふと壁を見つめた。
壁にはたくさんのポスターがあった。
萌え系女の子キャラと硬派系男キャラのポスターが混在する壁の一角に、パネルにした写真が貼られていた。
被写体の女の子は、斜め後方からというアングルのせいで、横顔しか見えない。
その写真を見るクッチーの顔付きは、普段ほとんど見せることのない、優しさに満ちた柔和なものだった。
「ちっとはお洒落して、ニコニコしてれば可愛いんだから、もっと素直になるにょー。そうすりゃ笹原さんなんてイチコロだにょー」
かつて携帯で盗撮したものを引き伸ばした、イベントの行列に並ぶ筆頭の少女の写真にそう呟くと、クッチーは部屋を出た。
「昼の講義まではヒマだから、とりあえず部室に行くにょー」

233マロン名無しさん:2005/12/18(日) 22:17:56 ID:???
>>231-232
ぬおおぉぉぉぉ、あ、あんたクッチーの天才だ!
オギーの写真を飾ってるとは…問題作だけどリアリティー有るよ!GJ!

最近クッチーもウザイというより馴染んできてたけど、思いいれ深まるナァ。
234マロン名無しさん:2005/12/18(日) 22:48:54 ID:???
>>231-232
まじでリアル杉。すご杉。おもろかった。
でもこのクッチーはオギーが好きなのかな。斑目みたいに
気持ちを秘めて人の応援してるのかな。とすれば作中で
一番切ないなあ。
七巻発売までリレーの笹荻の描写は控えようと思ってたけど
書いてみるかな俺も。
235マロン名無しさん:2005/12/18(日) 23:12:35 ID:???
クッチーで泣いたらどうしてくれる
236マロン名無しさん:2005/12/19(月) 00:38:02 ID:???
>>231->>232です。
いろいろ感想ありがとうございます。
>>233
>クッチーの天才
本スレ最高の褒め言葉ですね。
謝々。
>>234
俺はクッチーのポジションって、読者の代表と考えています。
例えるなら、70年代の特撮ドラマのレギュラー子役キャラみたいな。
だからクッチー当人の想いというより、読者の想いを代表して行動させる為に、こういう捻じれ設定をでっち上げました。

とは言うものの、やっぱり密かに好きなのではと思ってます。
ただ斑目と違い、割と初期から意識してて、そのくせ初期に悪い印象ばらまき過ぎて早々に自分は無理だと諦め、今は幸せになって欲しいと見守ってる、そんな感じだと思います。
>>235
あと3日我慢して、7巻の1本目の話を読んで共に泣きましょう。
237リレー]げんしけん24 [笹原11:00] :2005/12/19(月) 01:56:06 ID:???
新作の力作ぶりに触発されて二本投下します。
といっても後者のげんしけん童話は書き上げてボツにしてたやつで
アニメの「雪の女王」見るたびに書こうとして、内容が気に入らず
何回も書き直してボツにしてたやつでした。げんしけんの女性キャラ
を季節のイメージに合わせて書いたのだけど、なんかハッピーエンド
感が無くてしっくりしないやつだったのですが、お蔵入りしても気持ち
がふっきれないので過疎してる今の時期に投下します。

春は言わずとしれた咲さん・・・生命の再生の象徴ですか
夏は惠子・・・エロスと享楽、快楽の象徴として・・・
秋は荻上・・・荻の季語が秋だし、豊穣と実りの結実の象徴、
       沈思で精神性の充実のイメージで。同時に夏と
       冬に挟まれた矛盾の季節でもある。
冬は北川さん・・・まあ冷酷非情な現実主義、理想や夢は排斥ってイメージ
雪は大野さん・・・不本意ながら雪の女王にぴったり・・・
キャラのマッチングはあってそうな気がしながら失敗感を感じるのは何故か
という作。なんでだろ・・・。投下して寝よう。

       
238リレー]げんしけん24 [笹原11:00]:2005/12/19(月) 01:56:47 ID:???
笹原が学食に向かうと、まだ昼には早いので、学食の中は閑散としていた。
だから荻上の姿を見つけるのにそう時間はかからなかった。

笹「荻上さん!ずいぶん早いね!どうしたの?」
荻「あら、笹原さんこそどうしたんです?わたしは午前の予定の講義が休講
になったんで、遅めの朝食と早めの昼食を取りにきたんです。」
笹「俺も同じだよ。俺の場合は就職活動だけどね」
荻「大変ですね」
そう言いながら二人は同じテーブルで食事を取り始めた。

荻「いつもあの教授は勝手なんです!」
荻上は憤慨していた。
笹「まあ、俺の時からそういう人だったからねえ・・・」
あいかわらず、怒りや軽蔑、敵意を隠そうとしない。それで漫研でトラブル
になったのに・・・難しい子だよな・・・と笹原は思っていた。
笹「午後からは部室に顔出すの?俺もヤボ用片付けてから、顔出すつもりだ
けど・・・」
荻「ええ、そうですね、あいかわらず、大野先輩はコスプレの事しか頭にあ
りませんけどね!そう、わたし・・・」
と言いかけて荻上は口をつぐんだ。
笹「どうしたの?何か相談したいことでも?大野さんの件は俺からも少し釘
をさしとくけど・・・」
荻「いえ、別に・・・」
時々、この子は不可解な行動や言動を取るな・・・。無意識の行動にも見え
る。でも礼儀正しく素直なところも見せる。惠子もこんなだったら、妹萌え
もできたかな?と笹原は内心で苦笑していた。
239リレー]げんしけん24 [笹原11:00]:2005/12/19(月) 01:57:26 ID:???
突然、荻上はそわそわし始めた。見ると向こうのテーブルに例の漫研女子が
数人固まって、こっちを見てクスクス笑っている。
荻「わたしこれで失礼します!」
笹「じゃあ、また後で・・・」
荻上は立ち去った。
(荻上さんは何を過剰に意識しているのだろう。不可解だ。サークルの先輩
と後輩が飯を一緒に食っても別に変じゃあるまい。漫研女子の下世話なかん
ぐりでも気にしているのだろうか・・・。女子のそういう噂話などよくある
ことではないか・・・。でも漫研の女子に一般教養で一緒になった子もいる。
無視はできない。声をかけるか・・・)

笹「やあ、久しぶり」
漫「ひさしぶり!仲いいわね!変わってるでしょ、あの子」
笹原は内心むっとした。そんなことは分かっている。だが彼女を何も知らな
い他人からそんな事を言われると何故か腹が立った。
笹「おかげさまでうちじゃ仲良くやってるよ!」
とにっこりして答えた。表情と裏腹の強い皮肉の言葉に漫研女子も黙りこく
った。

さて・・・見栄でヤボ用とは言ったものの時間がぽっかり空いてしまった。どうしたものか・・・と笹原は思いながら学食を後にした。
240雪の女王1−2:2005/12/19(月) 01:58:34 ID:???
これは小さな男の子と女の子のお話です。二人は春の国に住んでいました。男の子は
コーサカ、女の子は咲と言いました。二人はとても仲良しでいつも一緒に遊んでいま
した。
ところがある時、コーサカの目に悪魔(斑目)が作った魔法の鏡の破片が入り、コー
サカはすっかり人が変わってしまいました。エロゲーや格ゲーに夢中になり、「神」と
呼ばれるようになりました。

そんなコーサカを雪の女王(大野)は大変気に入り、オタクの国へ連れ去ってしまい
ました。咲はコーサカを取り戻す旅に出ました。そんな咲を悪魔は数々の試練を与え
て、妨害しました。

夏の国では、惠子という歩く不良債権を社会復帰させました。
秋の国では、笹原と荻上という煮え切らないオタップルを無理矢理成立させてあげま
した。(どんな方法を使ったかは怖くて聞けません)
冬の国では、放火犯の濡れ衣を着せられそうになったところを切り抜け(本当は真犯
人)、副町長の北川を脅迫して通行証を手に入れました。

幾多の困難を乗り越え、とうとう咲は雪の国、別名オタクの国にたどり着きました。
241雪の女王2−2:2005/12/19(月) 01:59:53 ID:???
咲「コーサカ!やっと会えたね!さあ、一緒に帰ろう!」
高「やあ、咲ちゃん僕はずっとここにいるよ。生きた花は枯れちゃうけど、ここの雪
の結晶の花はいつまでもきれいだからね。それにここにはエロゲーや格ゲーがいっぱ
いあるんだ。」
咲「あんたは悪魔の作った鏡の破片でどうかしちゃったんだよ!」

大「コーサカはここの住人ですよ!どうしても返して欲しかったら『永遠』という名
のゲームでコーサカに勝ってみなさい!」
咲「約束したよ!」

でも人の心を持たないコーサカは情け容赦無く一分で咲を粉砕しました。
咲はよろよろとよろめきながら、そばにあったベットにもぐりこみ、毛布をかぶって
こう言いました。
咲「ぷよぷよ・・・・」
高「咲ちゃん・・・それはぷよだよ・・・」
コーサカの目からとめどなく涙が流れ、悪魔の鏡の破片がこぼれ落ちました。
そして、二人でゲームを攻略したのでした。
大「くやしいけど約束です!」
そう言って雪の女王は二人を解放しました。

帰り道、二人は悪魔の斑目に会いました。
斑目は腕を組み、足を組んだ姿勢で柱にもたれかかって、さびしげに咲の方を見てま
した。いやがらせしている間に斑目は咲の事が好きになっていたのです。

咲「あたしの勝ちだね!」
咲は嬉しそうに言いました。
斑「ああ・・・」
二人は立ち去りました。
斑目はつぶやきました。
斑「まあ、試練はこれからなんだけどな・・・」
寂しげな視線で斑目は二人の背中を眺めて見送りました。
242雪の女王追加:2005/12/19(月) 02:00:38 ID:???
咲とコーサカは手を握り合って、生まれ故郷の春の国に帰りました。
そして花と新緑に囲まれた美しい春の国にたどり着きました。
二人は咲のおばあさんのうちに向かいました。そこでは咲のおばあさんが明るいお日
様の光を浴びて、バラの花畑の中で聖書を読んでいました。

「もし、なんじら、おさな子のごとくならずば、天国に入る事得じ!」

こうして、二人は、おとなであって、しかも子供の二人は、心の子供たちは座りなが
ら、お互い見つめあいました。

高「ねえ、咲ちゃん・・・」
咲「ん?」
高「僕きっと面白いエロゲーを開発してみせるよ!」
咲「ガハッ!!」
243マロン名無しさん:2005/12/19(月) 21:35:56 ID:v+3cH5n/
>>231-232
>>240-242
GJ!!っす
両方とも(特に231-232)ナミダが止まりません
妄想と知りつつも……こうした楽しみが沁みるのも
げんしけんならですわ
「終わりのある、日常」
「いつか終わる、こんな日々」
切なさを――人生のぬるくも熱い刹那に生きる歓びを
噛みしめ直し味わい直す作品ですな
244マロン名無しさん:2005/12/20(火) 03:49:38 ID:???
>>231-232
>>240-242
乙&GJ!
まさにクッチー。生き生きとしたクッチー。

そしてこの童話パロもオチが素敵過ぎww

まとめスレのカテゴライズ、前スレ分だけ終了しました。
見返してみて、新たにSS魂を燃やそうではないかw
その2のぶんはまた今度w

ttp://www7.atwiki.jp/genshikenss/
245マロン名無しさん:2005/12/20(火) 05:06:45 ID:???
>>238-242
リレーと童話、乙そしてGJでございます。
笹原カッコヨス
人知れずいい先輩だ…

>>40
なんたる偉業を…!!寄って集って登録する形式かと思いきや
一人で分類と登録をされるとは、、、神を見た!
そこに痺れる!憧れるゥ!

いや、作成試みて失敗したものでorz頭が下がります。
246マロン名無しさん:2005/12/20(火) 05:36:01 ID:???
>>238->>239
いよいよ主役カップルが動き出しましたな。
荻コスへの冥府魔道を突き進んでるとも知らずに・・・

ここで11:00現在の各人の動向をまとめてみた。
笹原 学食から何処かへ
荻上 学食から部室へ
大野 多分部室でコス広げ中
朽木 多分登校中
斑目 仕事中
田中 多分専門学校へ登校中

いろいろ見所は尽きないな。
247マロン名無しさん:2005/12/20(火) 09:06:05 ID:???
>>244
乙でし!
248マロン名無しさん:2005/12/20(火) 17:51:08 ID:???
御神体が完成と聞いてスッ飛んで来た俺ガイル
249マロン名無しさん:2005/12/20(火) 17:52:04 ID:???
オギー崇拝スレの誤爆です…
250マロン名無しさん:2005/12/20(火) 18:17:57 ID:???
>>249
罰としてみんなが萌えるSSをかくこと。
先生との約束だぞ。
251マロン名無しさん:2005/12/20(火) 21:14:53 ID:???
なんか本スレが変な話題で盛り上がってるな
各キャラクターの性別を入れ替えるって言う…
252248:2005/12/21(水) 00:13:55 ID:???
センセー!
罰としてSS書きましたが、萌えるものになりませんでしたorz
でも宿題のページ数で勘弁してください。
253いくらハンター1/4:2005/12/21(水) 00:19:00 ID:???
とある金曜の深夜、コンビニにやってきた筆頭の女学生…。
荻上千佳は弁当を買いに来た。
いつもはけっこう自炊だが、今夜はコミフェス等とは無関係に
漫画を書き始めて、気分を少し変えようと思ったのだ。

弁当コーナーの前に来て、まあ安くお結びランチなど買おうとした
その時!オレンジ色の透きとおったものが視界の隅に入ってきた。
「いくら丼新発売」の札がかかっている。今の残りはあと一つ。
思わず手に取るが、
「うーん、650円か…私には多いなぁ。それにコンビニの弁当だし
 どうせイクラを食べるなら、もっとしっかりした機会に…。」
そう思い、棚に戻す。
鶏そぼろ弁当、洋風幕の内、ミートソーススパ。。。
結局決まらなかった。イクラを振り切ったものの、無意識に
影響を受けていたのだろう。
「はぁ、買い置きのカップ麺にすっかぁ。」
店を出る荻上。すると朽木とすれ違う。
「あ、おぎちんにょー。夜遅くに奇遇だにゃ…」
「ちっ!」
鋭い一瞥を投げつけると、ガン無視で立ち去るのだった。
254いくらハンター2/4:2005/12/21(水) 00:19:50 ID:???
まあ大学近くに住んでるのでコンビニで会う事も珍しくない。
すっかり朽木のことは忘れて岐路につく荻上だが
「あーやべ、なんか頭がイクラモードだ。他の物を食べる気しね…。」
そう思いつつ数歩歩いたが、やはり引き返しはじめた。
「やっぱり買ってこよう。このままじゃ描けないわ。」

店に入り、一直線に弁当コーナーへ。しかし―――。
棚には既にいくら丼の姿はない。振り返りレジに目を遣ると
いくら丼をビニール袋に入れてもらう朽木の姿があった!
「―――な!!」
愕然とする荻上だが、朽木に気付かれないようにすぐ目を逸らし
棚の後ろで朽木が店を出るまでやり過ごすのだった。

「あーもう、ムカツクー!」
いくらを食べないと今夜は描けないとまでになってしまった荻上は
少し遠いが同じ系列の別のコンビニに向かった。
学生の町ではあるが、少し危なくないだろうか…。
しかし確かに、一人で深夜に出歩く女子学生もよく見かける。
255いくらハンター3/4:2005/12/21(水) 00:20:54 ID:???
そしてコンビニに入ろうとすると、なんたる偶然、今度は笹原に出会った。
「やぁ、荻上さんこんばんは。どうしたの。」
「あ、こんばんは。いえまぁ、別に…。」
その笹原がいくら丼の入った袋を手に持っているのを見て、嫌な予感がした。
「では、失礼シマス。」
急いで店に入り、弁当の棚を探すと、案の定…。
「あーーーっ!!」内心絶叫した。いくら丼は無かった。
もうこれ以上、系列のコンビには歩いていける範囲には無かった。
笹原に頼んでいくら丼を貰うなんて事は出来るわけがない。
諦めて、うなだれながらチキンカツサンドと…
「あ!」
あった!いくらおにぎりが1つだけ有ったのだ。
思わず口元がほころぶ。
すぐにおっと、という感じで冷静な表情に戻る荻上だった。
結局、サンドイッチとおにぎり1つを買って帰路につくことにした。

「や………。」
「あ………。」
店から出ると、笹原が待っていた。
「なんか最近ぶっそうだしね。深夜だし送るよ。」
柄にもないのは笹原自身よくわかっているのか、苦笑いしている。
「そんなに気を遣ってもらわなくても…。」
と、言いつつ笹原と一緒に歩き始める荻上だった。
そっけない感じの会話をかわしつつ二人で並んで歩く。
256いくらハンター4/4:2005/12/21(水) 00:22:03 ID:???
「気になる…。」
さっきから、ちらちらと笹原の持っているいくら丼に目が行ってしまう。
ラーメンやカレーなら、その食べ物しか受け付けないモードになるのも
解かるが、いくらでここまでとは、荻上自身も驚きだ。
「やべ、これ以上は気付かれる…。」
そう思った時にはもう気付かれてるものだ。
「荻上さん、いくら丼が気になるの(苦笑)?」
「っ!! いえいえ!決してそんなわけじゃ…!」
「いや〜、そう言われてもねぇ…。」
みるみる真っ赤になっていく荻上。
「そういえば、寿司ネタでもいくらが好きだったよね。」
「………ぇぇ、まぁ。」
「これ、じゃああげるよ。最期の一個だったもんなぁ(苦笑)。」
たぶん恵子に色々と譲る人生を歩んできたからだろう。
非常に慣れた感じで弁当を荻上に譲ってくる。
「そんな………ご迷惑を………。」
「じゃあさ、荻上さんが買ったのと交換で良いでしょ。」
「どうもすみません。」
顔は真っ赤で、目元が微妙にニヤケそうになるのを我慢しながら
無表情っぽく礼を言う荻上だった。
二人は街灯の道を歩き、遠くなっていく。
笹原が荻上の部屋に上がりこむ事は…無理だろうなぁ。
257マロン名無しさん:2005/12/21(水) 00:23:17 ID:???
以上です。。。
はーまず7巻まであと3日。おまけページでSSだろうか。
258マロン名無しさん:2005/12/21(水) 00:49:05 ID:???
>>253-256
毎晩、新作の投稿チェックしてる俺がきましたよ。
宿題出した先生とは別ですが、合格点ですよ!!萌えた。
あなたの描くオギーは、俺の中の生真面目なオギーより、生き生き
はっちゃけて良いですね。七巻と今月号が待ち遠しい。ああイクラ
食べたい・・・。
259マロン名無しさん:2005/12/21(水) 02:45:22 ID:???
>>253-256
先生、感動で涙が出ちゃいました。
GJ&乙!いい感じの日常だねえ。こういうの大好きで。
宿題出した甲斐があったというもの。
いあいあ、偉そうだなwおれw本当にありがとうw

それにしてもどーも最近過疎気味やね。まあ、注意報出てるからなあ。
260マロン名無しさん:2005/12/21(水) 02:52:22 ID:???
>>255-256
> 思わず口元がほころぶ。
> すぐにおっと、という感じで冷静な表情に戻る荻上だった。

> 顔は真っ赤で、目元が微妙にニヤケそうになるのを我慢しながら
> 無表情っぽく礼を言う荻上だった。

やべー。荻上の色んな表情が頭の中を駆け抜けていくよ〜
ぐぐぐぐぐっじょーーぶ!!
261マロン名無しさん:2005/12/21(水) 03:10:00 ID:???
会社からの帰りに某イレブンで、いくら丼弁当を見た瞬間に「荻萌え回路」が
高速回転してひらめきました。ええ、買って帰って食べながら書きましたよ…。
某ーソンの生イクラ入りおにぎりも好きです。

>>258
別の先生、ありがとうございます!
はっちゃけてるというか、読み返すとかなり男っぽいですね…。
でも実際の女の子って思ったより男っぽかったので、これぐらいでもアリかな…。

>>259
先生、合格のようで嬉しいです!
しかし注意報は恐いです。崇拝スレすら今回不穏かも…。期待も大きいです。
7巻と2月号でSS大増殖間違いなしですね、きっと。

>>260
やっぱりオギーは素直じゃないのがデフォですよね!!
ありがとうございますーーー
262マロン名無しさん:2005/12/21(水) 05:03:46 ID:???
>253->>256
いーねーこーゆーの!
最近リレーSS以外に日常的な1コマの話て少ないから、何かほっとしますな。

そう言っておきながら、あえてハチャメチャなSSを投下します。
前々から少しずつ書いてたのですが、何とか来月号発売に間に合いました。
内容は来月号の話の少し後の予想的SSです。
と言っても、当たる可能性は殆ど無い妄想暴走気味な話です。
テーマは荻上さんのトラウマ克服です。
なお、次のような前提条件で話を進めます。
@合宿で笹原が告白し、笹荻付き合い始めてます
A時期的には秋の連休(どの連休かはあえて特定しません)直前から連休までの数日間です
B以前にどなたかが書いたSSの、笹原が荻上さんで抜いたことを全員の前でカミングアウトした設定をお借りしました
Cあと東北弁には自信ないので、基本言語は標準語でお送りします

およそ10ぐらいに分けて送る予定です。
五分後ぐらいに投下開始しますが、パソコン調子悪くて長時間占拠することになります。
もし他に投下する予定のある方がいたらレスして下さい。
263鬼上がくる! その1:2005/12/21(水) 05:18:26 ID:???
大講義室の片隅。
荻上さんの耳には講義の内容は殆ど入っていなかった。
その代わりに、先程から一枚の葉書を見つめていた。
昨日届いた往復葉書。
差出人は中学の同級生で、巻田君との仲を取り持った、あの坊主君(仮名、以下本作中ではこう呼称する)だった。
葉書は中学の同窓会の案内(出欠確認の返信用葉書付き)だった。
以前なら無視して欠席するところだが、パソコンで書いたらしい無機質な文字の日時・場所・会費等の下に書かれた、坊主君の肉筆の文字が彼女の心を揺らした。
「いろいろあって出づらいのは分かるけど、いっぺん帰って来い。俺はもう気にしてないし、みんなももう忘れてるよ。あとそれから、この間巻田に会った。元気そうだった。連絡先聞いたから書いとく」
そして巻田君の住所と電話番号が記されていた。

合宿で笹原から告白され、荻上さんは彼と付き合い始めた。
中学生のように、ぎこちない不器用な、だけど初々しいデート。
(下手すれば今時の中学生の方がスレてるかもしれない)
そんなデートを繰り返してきた甲斐あって、荻上さんは以前に比べ落ち着いた穏やかな顔を見せることが多くなった。
だが当然、それでトラウマが全て解消した訳ではない。
いつかは彼女自身がトラウマと向き合い、対決し、克服しなければならない。
笹原に出来るのは、それを支え見守ることだけだ。

「時が来たのかもしんねえな・・・」
講義中なことも忘れて、荻上さんは呟いた。

264鬼上がくる! その2:2005/12/21(水) 06:03:34 ID:???
講義が終わり、荻上さんは部室に寄ることにした。
部室の前まで来ると、中から咲ちゃんの怒号が聞こえた。
「このド変態!!!」
それに続いて、漫画なら擬音で「ドンガラガッシャン」とでも書かれそうな騒がしい物音。
荻上「何やってんだか」
ドアを開けて室内を見ると、咲ちゃん・大野さん・恵子が肩で息をしつつ立っていた。
そしてその足元には、ボロボロになったクッチーが転がっていた。
傍らには笹原・斑目・高坂が冷や汗を流しつつ固まっていた。
荻上「何かあったんすか?」

咲ちゃんの説明は、以下の通りだった。
荻上さんの来る数分前。
久々に7人も集まったせいか会話が弾み、話題はいつしか合宿の話になった。
合宿で、笹原が全員の前で荻上さん(のコス姿)をオカズにしてしまったことをカミングアウトしたことについて、例によってクッチーが問題発言をやらかした。
朽木「失礼ですが、笹原先輩はまだまだ修練が足りませんな」
笹原「と言うと?」
朽木「笹原先輩がオカズにしたのは荻チンだけでしょ?わたくしなんぞ、げんしけんの全メンバーをオカズにして毎晩美味しくいただいておりますぞ」
部室沈黙。
だが次の瞬間には、話題は別の話に移行し始めた。
265鬼上がくる! その3:2005/12/21(水) 06:09:46 ID:???
この反応に、クッチーは慌てた。
オカズ云々は事実だが、このネタで思い切りツッコミ喰らってドッカンと大受け、そういう狙いでの発言だったのに反応が静かだったからだ。
朽木「あの・・・みなさん、何でそんなに冷静なんですか?」
咲「いや、お前のこったから、それぐらいは有り得ると思って」
大野「今さら驚きませんよ」
恵子「まあ面と向かって言われると、さすがにキモイけどね」
朽木「にょにょにょ、ショボーン」
その時、斑目の脳裏にある疑問が浮かんだ。
斑目「あの朽木君、念の為に聞くけど、全メンバーって全女子会員っていう意味だよね?」
朽木「何をおっしゃる!見損なってもらっては困ります!わたくし朽木学は、そんな器の小さい男ではありませんぞ!」
部室内に「ザワッ」という音が響き渡った。
斑目と笹原は、青ざめて冷や汗をかいている。
高坂は相変わらず笑みを浮かべているが、冷や汗はかいていた。
笹原「それってひょっとして・・・」
朽木「もちろん男女不問!クッチーの前に差別無しであります!」
高坂「それじゃあ僕も?」
朽木「高坂先輩は3日前に美味しくいただきました!わたくしの中では、げんしけんメンバーは全員穴兄弟の竿兄弟の総攻めの総受け、これぞ真のジェンダーフリー、フォー!」
某お笑い芸人のように、腰を動かしつつ絶叫するクッチー。
ここで女子3人がキレて、前述の咲ちゃんの怒号と共にクッチーをタコ殴りにしたという訳である。
266鬼上がくる! その4:2005/12/21(水) 06:21:12 ID:???
溜め息をつく荻上さん。
荻上「そんなこったろうと思いました」
咲「あれっ?荻上、どうしたんだ?」
荻上「何がです?」
咲「だってお前、クッチーのオカズには当然お前も入ってるんだぞ。怒んないの?」
荻上「もう慣れましたから」
それは本当だった。
以前は毛嫌いして露骨に拒絶反応を示していたが、最近ではそうでも無くなった。
人間の環境への適応力は凄いものだと思う。
1年半近くも一緒のサークルに居る内に、彼のウザさが段々気にならなくなってきた。
笹原と付き合い始めていろいろ話をする内に、クッチーもまたオタの一形態だと理解したのも大きかった。
斑目「荻上さんも丸くなったもんだ」
咲「(ニヤリと笑い)やっぱ男が出来ると女は変るねえ」
荻上「(赤面し)そっ、それは関係無いっす!」
笹原「ハハっ、(クッチーに)朽木くーん、大丈夫?」
267鬼上がくる! その5:2005/12/21(水) 06:25:21 ID:???
クッチーは気絶してなかった。
倒れているのは、実はダメージのせいではなかった。
朽木「おー、集団SMで総受けー、いー、にょにょにょー・・・」
実は女子3人に殴られた快感に浸っていたのだ。
さすがに青ざめる女性陣。
恵子「うわー、さすがに引くなこりゃ」
大野「最低ですね」
咲「もうほっとこう」
朽木「おー、放置プレイ!」
咲「やめんか!」
そんな騒動を無表情に見つめている荻上さん、やがて目を閉じて動きを停止する。
荻上(ほんと慣れちゃったんだな。こんな状況でも何とも思わないな。それにしても朽木先輩、ジェンダーフリーって・・・それ意味違うでしょうが。待てよ、男女不問で総受けで総攻めか・・・)
大野「あの、荻上さん?」
笹原「あっ大丈夫だよ。多分今ワープ中だよ」
一同「わーぷ?」
笹原「彼女って何か1つの考えに捕われると、こうなっちゃうんだよ」
恵子「へー、さすがは彼氏」
笹原「うるせえ」
やがて荻上さんのワープが解除された。
荻上「帰ります」
笹原「もう帰るの?」
荻上「ちょっとやっちゃいたいことが出来たんで、失礼します」
268鬼上がくる! その6:2005/12/21(水) 06:34:28 ID:???
それから3日間、荻上さんは部室に姿を見せなかった。
さすがに気になった笹原、その間何度か携帯に電話してみたが、ずっと電源が入ってない。
そこで荻上宅へやって来た。
チャイムを押してみたが、しばらく待っても出てこない。
留守かなと思い引き上げようとしたその時、ドアが開いた。
トレーナーを着て髪を下ろしてメガネをかけた、合宿の風呂上りの時と同じスタイルの荻上さんが出てきた。
荻上「あっ、笹原先輩・・・」
笹原「荻上さん・・・どっか具合悪いの?」
分厚いレンズ越しにでも分かる目の下の隈、少し痩せこけた頬、ガミラス星人のように青白い皮膚、笹原がそう訊くのも無理は無かった。
そんな荻上さんが、突然倒れた。
笹原「(慌てて抱き起こし)荻上さん!しっかりしてっ!」

意識を取り戻した時、荻上さんは自室のベッドの上に寝ていた。
そして傍らに笹原が座っていた。
笹原「気が付いた?」
荻上「先輩が運んで下さったんですか?」
笹原「急に倒れたからびっくりしたよ」
荻上「すいません・・・3日ぶりにお日様見たもんで眩暈がして・・・それにここんところくに食事してなかったし・・・」
笹原「そう言えば部屋の中、机のスタンド以外点いてなかったね。電気のスイッチ捜すのに苦労したよ」
荻上「原稿に集中したかったんで、カーテンも雨戸も閉めて、スタンドだけにしたんです」
笹原「まるで江戸川乱歩だね」
(注、江戸川乱歩は原稿を書く時、土蔵にこもってロウソクを灯りにして執筆した)
269鬼上がくる! その7:2005/12/21(水) 06:37:31 ID:???
荻上「(ハッとして)原稿!」
部屋を見渡す荻上さん。
アフタヌーン1冊分にも及ぶ、膨大な枚数の原稿が机の上に積まれ、その上に重しのようにアフタヌーンが置かれていた。
荻上「(ギロリと睨み)見ましたね?」
笹原は、荻上さんの背後に「メラメラメラ」という擬音の文字が見えたような気がした。
笹原「(慌てて)だっ、大丈夫!見てないから!」
荻上「(積まれた原稿を見て)でも・・・」
笹原「いや確かに、部屋の電気点けた時に、原稿らしきものが部屋中に並べてあったのは見えたよ。でも、多分見たら荻上さん嫌がると思って、天井見ながら手探りで集めたんだ」
荻上「(ほっとして)よかったー」
笹原「随分たくさん描いたみたいだけど、どっかに投稿でもするの?それとも冬コミ用?」
荻上「・・・今はまだ訊かないで下さい。全ての決着がついたら話します」
笹原「決着って・・・まさか中学の時のあのこと?」
コクリと頷く荻上さん。
その瞳には、何かを確信した光が見えた。
笹原はそれを見て、荻上さんのやり方に口出ししないことにした。
笹原「分かった。でも、俺にも何か手伝えないかな?せめて荻上さんがやることを見守りたいんだ」
しばし考え込む荻上さん。
荻上「・・・次の連休って、空いてますか?」

270鬼上がくる! その8:2005/12/21(水) 06:42:43 ID:???
そして連休初日、笹原と荻上さんは東北新幹線の車中に居た。
傍らには、田中から借りた大型のリュックサックと、荻上さんの小さな可愛らしいリュックが置かれていた。
荻上「すいません、付いて来てもらった上に荷物持ちまでさせちゃって」
笹原「いいよいいよ、これ荻上さんには重過ぎるし、荷物持ちでも役に立てるのは嬉しいから・・・」
笑顔でそう言ったものの、凄く気障なこと言った気がして赤面する笹原。
一方荻上さんも、彼の笑顔に赤面している。

2人は昼過ぎに同窓会の会場である居酒屋の最寄の駅に着いた。
取り立てて特徴の無い、ごく普通の地方都市だった。
笹原「実家には寄って行かないの?」
荻上「今回はやめときます。こっから5駅も先だし、駅から遠いから時間が無いです」
笹原「5駅ぐらいなら、そんなに遠くは無いんじゃ・・・」
荻上「山3つ越えますよ。それに駅から歩いて30分はあるし」
笹原「(冷や汗)分かった」
荻上さんの中学校の卒業生の多くは、農家を継ぐ者や都会で進学や就職する者を除いて、この町に働きに出るか、この町にある大学に進学する。
だから今ではこの町に引っ越した者も多い。
幹事の坊主君がこの町の居酒屋を会場に選んだのは、そういう理由かららしい。
とりあえず2人は荷物をコインロッカーに預け、時間まで荻上さんの案内であちこち回ることにした。
271鬼上がくる! その9:2005/12/21(水) 06:51:00 ID:???
そして夜。
荻上さんと笹原は、同窓会の会場である居酒屋にやって来た。
入る前に、荻上さんは自分のリュックから小さな瓶を取り出した。
笹原「荻上さん?」
それはアルコール濃度50パーセントを超えるバーボンウイスキー、ワイルドターキーのミニボトルだった。
「バキ」の花山薫のように、荻上さんはそれを一気に飲む。
(注、瓶は普通に開けた。決して瓶の首を折ったりはしてない)
笹原「ちょっ、ちょっと荻上さん!」
真っ赤になった荻上さん。
荻上「(不敵な笑いを浮かべ)さあ、行きましょう」

座敷に入ると、同窓会はもう始まっていた。
一瞬会場が静まり返る。
「もしかして・・・荻上?」
「何か変な髪型してるな」
「隣の男って彼氏?」
「来たばっかりなのに、何で顔赤いんだ?」
そんなひそひそ話が聞こえる。
部屋の片隅に、中島たち文芸部の連中も居た。
「あれ荻上?」
「今さら何しに来たのよ」
中島を中心に、冷ややかな視線を向ける。
それらを無視して入ってくる荻上さん。
笹原も付き人のように続く。


272鬼上がくる! その10:2005/12/21(水) 06:56:58 ID:???
坊主「荻上・・・だよな?」
髪型は相変わらずの坊主君が声をかける。
荻上「久しぶり」
荻上さんと笹原は空いた席に座り、黙々と料理を食べ始めた。
(出席の返事の葉書を出す時、もう1人分席と料理を頼んでおいた)
それは宴会で料理を楽しむというより、単に腹ごしらえをするという感じの食べ方だった。
周囲の者たちは。彼女の発散する異様な気配に話し掛けることも出来ずに眺めていた。
やがて気まずい雰囲気に気を使ったのか、禿の面積が5年前よりも広くなった担任の先生が声を掛けた。
先生「元気そうじゃないか荻上、そっちの彼は彼氏か?」
荻上「まあ・・・そんなとこです」
笹原「ハハッ・・・荻上さんと同じサークルの笹原と言います」
先生「おおそうか、あん時はもう彼氏が出来んかと気をもんどったが、よかったよかった(田中リュックを見て)えらい荷物だな」
荻上「みんなへのお土産ですよ(ニヤリと笑う)」
たじろぐ先生。
先生「おうそうか。それは楽しみだな」
荻上さんは田中リュックを開けて、その中からA4サイズの黒い封筒の束を出す。
封筒には一枚一枚、名前の書かれた白いラベルが貼ってあった。
荻上「(ニヤリと笑い)それはもう、楽しみにしてて下さい。これ先生の分です(封筒を渡す)」
273鬼上がくる! その11:2005/12/21(水) 07:01:43 ID:???
たじろぐ先生を尻目に、荻上さんは立ち上がって声を上げる。
荻上「みんな久しぶり、今日はみんなにプレゼントあるから持って帰って」
そして封筒を配り始める。
笹原もアシスタントのように手伝う。
黒い封筒に不吉なものを感じて、怪訝な顔で受け取る元クラスメートたち。
中島「ねえ、なにくれるのよ?」
荻上「(ニヤリと笑い)開けてからの、お・た・の・し・み!」
やはりたじろぐ中島。
何人かが「荻上、開けていい?」と尋ねる。
荻上「(ニヤリと笑い)家に帰ってから開けた方がいいと思うよ」
それに不吉なものを感じて凍りつく一同。
最後に坊主君にも封筒を渡した荻上さん、耳元で小声で囁く。
荻上「特にあんたは絶対家まで開けちゃダメだよ」
坊主「(ドキッとして)うっ、うん」
荻上「そんじゃ私たちは帰ります」
中島「あら、もう帰るの?」
先生「もちっとゆっくりしてったらどうだ?」
荻上「すいません、寄るとこがあるんで。みんな、くれぐれも家帰るまで開けないでね」
274鬼上がくる! その12:2005/12/21(水) 07:46:02 ID:???
荻上さんと笹原は、タクシーで巻田君の家にやって来た。
タクシーを降りると、荻上さんは自分のリュックからA4サイズの白い封筒を出した。
そして呼び鈴を押す。
笹原はそれを後方で見ていた。
巻田君本人が出てきた。
巻田「はいどなた?・・・荻上・・・さん?」
荻上「お久しぶり・・・(ガバッと頭を下げ)あの時はほんと、ごめんなさい!」
巻田「あの時?・・・(笑い)ああ、あれね」
荻上「(顔を上げて)あれねって・・・怒ってないの?」
巻田「そりゃあの時はショックだったさ。好きな子にあんな絵描かれちゃね」
再び顔を伏せる荻上さん。
巻田「でもあれからいろいろ分かったんだ。あれは中島たちが仕組んだらしいってことも坊主から聞いた。あん時は頭ん中真っ白で、荻上さんが人を傷つけるためにあんな絵を描くはずないってことまで頭が回んなかったけど・・・」
275鬼上がくる! その13:2005/12/21(水) 08:07:20 ID:???
巻田「それに、漫画描く女の子にとっては、あーいう絵を描くのは一種の愛情表現だってのを、彼女に教わったんだ」
荻上「(顔を上げ)彼女?」
巻田「大検取る為に通ってたフリースクールで知り合ったんだ。彼女も絵描きでね、ヤオイってもんについていろいろ講釈を聞かされ、君とのこと話したら怒られたよ」
荻上「そりゃまた、何で?」
巻田「彼女言ってたよ。それはむしろ好きだからこそ描いたんだ、言わば荻上さんからのラブレターだ、それを見て登校拒否してどうすんだ、今度会ったら謝れって」
荻上「ハハッ・・・えらく過激な人みたいだね」
巻田「そんな訳で、(頭下げて)ゴメン、あん時は分かって上げられなくて」
荻上「(慌てて)ちょっ、ちょっと頭上げてよ。それじゃ逆じゃない」
巻田「(頭上げ)そんなことより、ずっと気になってたんだ。漫画は続けてるの?」
荻上「えっ?」
巻田「もしあのことが原因で君が漫画描くのやめてたらと、それだけは気にしてたんだ。あんなに好きだったのに・・・」
荻上「優しいね・・・相変わらず」
持っていた白い封筒を差し出す荻上さん。
荻上「お詫びのしるしの積りで持って来たんだけど、それに答えが入ってるよ」
巻田「(受け取り)分かった(後方の笹原を見て)彼氏?」
荻上「うん」
巻田「(笑って)そう(笹原に頭を下げる)」
釣られて頭を下げる笹原。
276鬼上がくる! その14:2005/12/21(水) 08:18:11 ID:???
荻上さんたちが帰りの新幹線に乗った頃、居酒屋の空気は凍り付いていた。
家に帰るまで開けるなという荻上さんの忠告を無視して、出席者の何人かが封筒を開けてしまったのだ。
封筒の中身は、今日の出席者1人1人の総受け本だった。
その内容は、「〜総受け化計画」と題に挙げられた者が@同性にやられるA異性にやられるB男女両方からやられる、という3部構成だった。
最初に悲鳴を上げたのは中島だった。
思わず「中島総受け化計画」と題されたコピー本を放り出し、それに回りの目が集中すると今度は本に覆い被さって「いやー、見ないでー!!!」と叫んで泣き出した。
他の元文芸部女子も泣いたり青ざめたりしていた。
そして他の出席者たちも同様の反応をし、口々に怒りや恐怖を訴えた。
「あのホモ上、まるで懲りてねえじゃねえか」
「あの頭の筆みたいなの、角だったんじゃねえか?」
「顔も赤かったし、荻上が鬼上になって帰ってきたんだ」
「東京は恐ろしい所だ」

277鬼上がくる! その15:2005/12/21(水) 08:33:39 ID:???
笹原「クラスメート全員の総受け本?!!!」
居酒屋がパニックになっていたちょうどその頃、帰りの最終の新幹線の車内で思わず笹原は大声を上げたが、まばらな乗客たちに一斉に睨まれて縮こまる。
笹原「そりゃまたえらい過激なものを。でもどうして?」

先生「まあみんな落ち着け」
居酒屋では、先生がみんなを鎮めた。
先生「わしが思うに、この漫画は多分わしらに対する仕置きだと思うんだ」
一同「仕置き?」
先生「お前ら散々荻上のこと、からかったりいじめたりしただろう?」
出席者の大半が下を向く。
先生「おいおい、言っとくがあいつは自分にされたことを怒ってるんじゃないぞ。あいつはいつも言ってたよ。自分は何を言われても仕方ない。ただ、巻田が物笑いの種になってることがつらいって。あいつが怒ってるとしたら、多分そのことにだよ」
一斉に先生の方を見る出席者たち。
先生「みんな1度同じことをやられてみないと、巻田の気持ちが分からんと思ったんだろうな。あいつらしいやり方だな」

278鬼上がくる! その16:2005/12/21(水) 08:52:50 ID:???
同じ頃、新幹線では荻上さんが笹原に、居酒屋で先生が言ってることと同じ内容の説明をしていた。
笹原「漫画が発端で起きたことだから、漫画で決着をつけるか。なるほど確かに荻上さんらしいやり方かもしれないね」
荻上「でもそれだけじゃないんです」
笹原「と言うと?」

同じ頃、居酒屋では先生がもう1つの理由を説明していた。
先生「おそらくあいつは、あえて漫画を描き続けることで罪の十字架を背負い続ける積りなのかもしれない」
「やめることが出来れば1番楽なんだろうが、それも出来んのだろうな。あの漫画好きの漫画馬鹿は」

同じ頃、新幹線でも荻上さんが先生の言葉と同じ趣旨の説明を笹原にしていた。
そしてさらに続けた。
荻上「それにこれで漫画をやめたら、ただ巻田君を傷付けただけで終わっちゃうわけですよね。でもそれじゃあ、お互いに嫌な思い出しか残らない」
「せめて彼を傷つけてしまった分、出来れば彼も含めていろんな人に私の漫画でちょっとでも、笑ったり元気が出たり萌えたりして欲しい」
「だから私はまんが道を行く。そんな私の決意表明なんです、あの総受け本は」
(注、長台詞であることを強調する為に、あえて不自然なカギカッコで切りました)
279鬼上がくる! その17:2005/12/21(水) 08:58:20 ID:???
同じ頃、居酒屋でも先生が荻上さんの意図を説明し終えていた。
シーンとなった座敷に「くっくっくっ」と低い笑い声が響いた。
中島だ。
自身の総受け本に覆い被さった体勢から、ようやく起き上がる。
中島「どうやら私は、とんでもない大馬鹿をからかってしまったみたいね。賢い奴をからかうのは知的なケームかもしれないけど、馬鹿が相手ならからかう方も馬鹿よ」
「荻上は私らとはスケールの違う本物の漫画馬鹿よ。そしてそれを分かってなかった私もまた大馬鹿だわ」っ
呆気に取られる一同。
中島「みんなごめん。(頭を下げる)あの時荻上にあれ描かせたのも、本にして巻田に渡したのも、みんな私なんだ」
周囲から彼女を庇う声がした。
「もういいよ。済んだことだ」
「俺たちだって面白半分に荻上からかったんだから同罪だ」
「謝るなら今度会った時に荻上に謝ってやれよ」
涙を流す中島。元文芸部員たちも泣き出す。
先生「よしよし。お前らほんとに荻上に謝りたいんなら、あいつの漫画を応援してやろうや」
「今日はあいつの門出だ。よーし改めて乾杯やるぞ。あれ?坊主はどこ行った?誰か呼んで来いや」
280鬼上がくる! その18:2005/12/21(水) 09:04:46 ID:???
再び新幹線の車内。
笹原「そう言えば、巻田君にも何か渡してたね。あと幹事の彼も他のと微妙に違ってたみたいだけど・・・」
やや酔いの覚めかけていた荻上さんが、再び真っ赤になった。
笹原「・・・もし嫌なら言わなくていいよ」
荻上「いえ、大丈夫です。聞いて下さい」
笹原の耳元に口を寄せる荻上さん。
少しビクッと反応し、赤くなる笹原。
だが次の瞬間、荻上さんの小声の告白に再び大声を上げ、再び乗客たちに睨まれる破目になった。

同じ頃、巻田君は自室で固まっていた。
荻上さんから渡された封筒の中身、それは『荻上さん総受け化計画』と題されたエロパロコピー本だった。
中身はやはり3パートに分かれていて、中学時代の荻上さんが@巻田君にやられるA文芸部の女子たちにやられるB巻田君と坊主君に3Pでやられる、といった内容だった。
不意に巻田君は笑い出した。
「荻上さんらしいお詫びと意思表示だな」


281鬼上がくる! その19:2005/12/21(水) 09:09:50 ID:???
さらに同じ頃、居酒屋のトイレの個室では坊主君が固まっていた。
彼に渡されたのは、巻田君に渡した分を一部修正したコピー本だった。
「巻田君総受け化計画」に攻め側とは言え参加させてしまったことへのお詫びだった。
巻田君にやられてたパートが坊主君にやられてる絵に変り、巻田君の分には露骨に描き込まれていたピーがボカされていた。
そのことで1番の被害者の巻田君との差別化を図ったらしい。
巻田君の場合と違い、坊主君はすぐにピーが反応してしまい、どうしていいか分からない状態になってしまった。
そこへ外から声がかかった。
出席者の1人「おーい坊主いるかー。今から乾杯もう1回やるって先生が呼んでるぞー」
慌ててコピー本を封筒に仕舞い、さらにシャツの下に入れる坊主君。
坊主「わっ、わかった!すぐ行くから!(小声で手を合わせつつ)荻上、ありがとう」
282鬼上がくる! その20:2005/12/21(水) 09:18:44 ID:???
再び新幹線の車内。
笹原「しかしお詫びのしるしに自分の総受け本かー。思い切ったことやったもんだね」
笹原の表情に、かすかに嫉妬の色を見た荻上さんが弁解する。
荻上「(赤面し)で、でも顔は中学ん時のメガネ面だし、かっ、体のボリュームは・・・その・・・サービスで実物の3割増しぐらいになってるから・・・今の私自身とは・・・全然違います」
荻上さんの意図を理解して微笑む笹原。
笹原「ハハッ、でもちょっと見たかったな、その本(赤面する)」
荻上「(赤味増して)絶対ダメです!!!」
またまた周囲の乗客に睨まれて小さくなる2人。
笹原「分かってるよ、ハハッ」
荻上「(そっぽを向いて小声で)その内本物見せたげますから・・・」
笹原「えっ?」
荻上「(赤面し)何でもねっす!!」
こうして笹荻の距離は、また少し近くなった。

283鬼上がくる! 後書き:2005/12/21(水) 09:24:45 ID:???
以上です。
死闘4時間、遂に送信終了しました。
パソコンが古いせいか、スパイウェアのせいか、1回の送信に最低5回は失敗し、えらい時間がかかってしまいました。
長々とSSスレをしょーもない話の為に占領して、申し訳ありませんでした。
今日は夕方から仕事なんで、もう寝ます。
284マロン名無しさん:2005/12/21(水) 10:31:52 ID:???
>>262-282
G〜〜〜〜〜〜J!

荻上さん総受け化計画、だれか描いてくれ!!

>>283
つSpybot[ttp://www.spybot.info/en/]
285マロン名無しさん:2005/12/21(水) 14:35:37 ID:???
>>284
崇拝スレ住民(信徒)の立場からすると
「荻上さんの身体に触れて良いのは笹原だけ。しかも和甘じゃないと萌えない」
のでご協力出来ません…
286マロン名無しさん:2005/12/21(水) 16:51:54 ID:???
禿同
287マロン名無しさん:2005/12/21(水) 23:20:58 ID:???
>>284
たしかG-LINKのコミケ情報の中に確かあったような・・・。
288マロン名無しさん:2005/12/21(水) 23:28:51 ID:???
鬼上が来る 乙! 荻上すげ・・・。
トラウマを超えるというより、踏みつけて進むって感じだね。
こういう力強く逞しい荻上もまあありか。しかし二度と故郷
には帰れんな・・・。「復讐と謝罪」このエピソードは原作
ではおそらく語られない分、必要な人には必要でしょうね。
289マロン名無しさん:2005/12/22(木) 00:38:31 ID:???
本スレでの性別反転見てて浮かんじゃったくだらないネタ。
第17話より

「そんなにヤオイ好きか?」
「い、い、いーじゃないの!好きで!あんたには関係ないでしょ!」
「そりゃ、おめーらにはかんけーねーよ!いくらでもやれよ!」

「でもよ・・・。」
「ふーん、ふん、そーですか。」

「無駄無駄、彼氏いたってヤオイは見るよ!全然別だもん!」
「何でだよ!」
「当たり前よー!現実がヤオイにかないますかって!」
「うわ・・・。」

「・・・・!俺よりもヤオイの方が上ってか!彼氏もいねーやついうか!
そんなえらそーな事こというんか!」
「言っとくけどかっこいい男が出てるとかそんなレベルじゃないんだよ!!
そもそも男と男が絡むシチュエーションを生み出して肉欲の対象にするのは
ただの性欲より遥かに高い精神活動なんだから!!」
「精神活動!?笑わせるじゃねえか!やってることは結局同じじゃねえか!」
「うわ、最低!だから現実の男なんて萌えられないのよ!
少しは優しい言葉でも言ってみたらどうなの!?」

「私がヤオイやめるなんてありえないから。」

「優しい言葉なんてもてまセン。」
「ソウデスネ。」

290マロン名無しさん:2005/12/22(木) 00:51:21 ID:/SqedBDa
>289
こんなのも面白いねぇ
GJ!
291マロン名無しさん:2005/12/22(木) 00:51:29 ID:???
>>289
性別などはるか及ばぬ高みに屹立するせつなさと苦笑いの最高級コラボレーション、
それが斑目→春日部の片思いであることがここに証明された!
292マロン名無しさん:2005/12/22(木) 01:06:45 ID:???
見事に成り立つところが恐ろしい・・・
笹荻ではこうはいかんな。
293289:2005/12/22(木) 01:35:27 ID:???
笹荻性別転換シチュを探してたが、断念。
意外と会話ないよ、二人。
荻と大野さんとの会話なら変換可能だが、キモオタの痛い会話にしかならんかったので公開停止。
294289:2005/12/22(木) 02:14:46 ID:???
>>290-292
さんくす。
この元ネタを見たとき、ほんま本スレはカオスやでえ。と思った今日この頃。
脳内妄想で、天国までいけそうだ!
295マロン名無しさん:2005/12/22(木) 03:03:43 ID:???
これから、笹原卒業5年後の「げんしけん同窓会」を考えてみます。
296リレーげんしけん24[荻上11:00]:2005/12/22(木) 21:50:13 ID:???
やっと7巻発売されましたね!読み逃した内容や四コマ、あとオマケ(!)も
読んで、リレーの日の読み直し、解釈のし直しして楽しんでます!発売日まで
過疎るかとは思いますが、(コミケもあるだろうし)解禁になったらまた新作
ラッシュでしょうか?

誰か7巻発売までに荻上の描写書いてくれないかなと思いましたが、
せっかく手元に7巻ありますし、誰もいないようですので、笹原対置
で描きます。この回はけっこう深読みができそうですね。
リレー続いてくれると嬉しいですね。もちろん他の新作も。
297リレーげんしけん24[荻上11:00]:2005/12/22(木) 21:50:54 ID:???
荻上が学食で、ランチを注文しテーブルに運ぶと、笹原に声をかけられた。
(こんな時間にめずらしい・・・)
そう思いながらも、勧められるままに一緒に食事をとった。

荻「いつもあの教授は勝手なんです!」
笹原は笑いながら荻上のグチを静かに聞いている。
(この人は怒るという事無いのか・・・いや一度だけあったな・・・)
いつもニコニコして、自分のように感情を荒げる事の無い笹原に対し、
自分の意志が無いのかと思ってた時期もあったが、色々と行動を共にする
につれ、次第にこの目の前の男を理解するようになっていた。今では安心し
てグチや不平を口にするようになっている。そんな自分に少し驚いてはいた。

笹「午後からは部室に顔出すの?俺もヤボ用片付けてから、顔出すつもりだ
けど・・・」
荻「ええ、そうですね、あいかわらず、大野先輩はコスプレの事しか頭にあ
りませんけどね!そう、わたし・・・」

言いかけて、荻上は口を閉ざした。

笹「どうしたの?何か相談したいことでも?大野さんの件は俺からも少し釘
をさしとくけど・・・」
荻「いえ、別に・・・」
298リレーげんしけん24[荻上11:00]:2005/12/22(木) 21:51:29 ID:???
(この人に相談したところでどうなるだろう・・・。理解できる訳が無いの
だ・・・)
コミフェス当選の相談をしようとして、相談相手として相応しくない人間に
相談しようとした自分に内心で苦笑した。
(そう・・・分かるわけが無いのだ、この人に・・・男の人に・・・。でも
大野先輩なら・・・でもあの人も読みはしても描いた事がある訳では無い・・
それに大野先輩に相談するのって何かなー、あの人に弱み見せるのって何か
やだしなー)
そんな事を考えて、ボーとしている荻上を笹原は不思議そうな表情で見つめ
ている。

荻上は、背後に視線に気付き、嘲笑のささやき声を聞いて、ビクッとした。
昔、トラブルを起こした漫研女子の連中だ。突然不安感が荻上を襲った。一
人でいるときには感じない。あんな相手はいつも通り無視するか、侮蔑の表
情を返してやればいい。別に自分がどう思われようと知った事では無い。で
も何かいやな感じだ。自分でも何か分からない。何か大事なものを傷つけ、
失う喪失感と絶望感に囚われそうになる。急に笹原から離れたくなった。

荻「わたしこれで失礼します!」
笹「じゃあ、また後で・・・」
荻上は立ち去った。

(また、変な行動を取ってしまった。逃げた。逃げた?何から?)
自分でも分からない感情を抱きながら、荻上は学食を後にした。
299マロン名無しさん:2005/12/23(金) 04:26:03 ID:???
>>296->>298
前に同時刻の笹原のリレーSS書いた人とは別の人ですか?
もしそうならGJ3割増し!
この整合性こそリレーSSの醍醐味。
300マロン名無しさん:2005/12/23(金) 12:34:08 ID:???
本当はここに書きたかったんですけどまだ駄目なんでバレスレにSS書きました
もしよければ読んでください
301マロン名無しさん:2005/12/23(金) 13:06:04 ID:???
>>300
乙!
発売日まで待ちきれずにあふれ出た感が伝わってきました!
302木尾:2005/12/23(金) 13:26:28 ID:???
ここはアイデアの宝庫だ。
メモメモ
303木尾:2005/12/23(金) 14:14:49 ID:???
>>302は偽者だ!
304木尾:2005/12/23(金) 14:28:12 ID:???
>>303
おまえこそ偽者だ!
305マロン名無しさん:2005/12/23(金) 14:34:48 ID:???
24人の木尾士目
306木尾:2005/12/23(金) 15:18:07 ID:???
>>304
にゃにおう!偽者の分際で!
307マロン名無しさん:2005/12/23(金) 15:43:14 ID:98JjZl9q
うわ、本人さんたちキター
308マロン名無しさん:2005/12/23(金) 16:38:16 ID:AvaHLzOo
「たち」ワロスww
309マロン名無しさん:2005/12/23(金) 18:38:57 ID:???
>>300
読みました! 乙です!
やっぱり木尾だし鬱展開も・・・ムハァーーー!
310マロン名無しさん:2005/12/23(金) 19:39:56 ID:???
まとめサイトに前スレがUPされてるね。
311マロン名無しさん:2005/12/23(金) 19:51:31 ID:???
>>310
>>244

これは一人で転載しまくるのは重労働だよね…偉業だ
312マロン名無しさん:2005/12/24(土) 00:23:08 ID:???
時々くる木尾さん「たち」好き
>>299
ごめんなさい。リレー笹原と同じ人です。三割減です。でも違う人の同軸
時間帯の別視点で描いてみたいですね。誰かメンバーが一同に集まる機会
設定思いつきませんか?機会としては荻コス後になるかな・・・。

>>300
残念。ネタバレには行かないようにしてるんです。解禁後にこちらに投下
されてみてはいかがでしょう。
ぜひ読みたいですね。
313マロン名無しさん:2005/12/24(土) 02:29:39 ID:???
7巻オマケでクッチー、コスプレに目覚めてたね。
SSリレーの時系列時点では開眼済み…
うはwww夢が広がりんぐwww

しかし女装ものばっかってどーよwww
314マロン名無しさん:2005/12/24(土) 02:45:32 ID:???
自前であれだけの数をいきなり揃えてるハマリっぷりがすごいw
315マロン名無しさん:2005/12/24(土) 02:57:44 ID:???
ランブルローズ(byコナミ)のイーブルローズって…
木尾の中でもクッチーはアレ系がお似合いかwww
前にソウルキャリバーのヴォルドのコスプレさせるSS有ったよね。
316マロン名無しさん:2005/12/24(土) 08:32:52 ID:???
こっそり本物も交じっている木尾さんたち。w
317マロン名無しさん:2005/12/24(土) 12:10:33 ID:???
2月号、読んだ直後は何も手が着かないわ絶叫&発狂だわ大変でした。
発散の為のSSも書きようがない………と。しかしやはり書かないと
収まり付きません。
さらに読み込んで3月号予想(というか希望)書きます!!!萌え燃えだ!
318マロン名無しさん:2005/12/24(土) 20:15:38 ID:???
以前「鬼上がくる!」を書いたドアホウです。
返事がえろう遅なってすんまへん。
>>284
長〜〜いGJありがとうございました。
次の冬コミには間に合わんと思うが、来年の夏には誰か描いてくれるかも・・・
>>288
ご意見ありがとうございました。
今月号の話の弱く脆い荻上さん見ると、やっぱり俺のSSは妄想なのかなという思いと、だからこそこうなって欲しいという願望とが入り混じった複雑な心境になります。
俺はトラウマってものを解決出来るのは、結局本人自身しかないと思います。
家族や友だちや恋人と言えども、金や労力や知恵を提供するか、精神的に支援することしか出来ないのです。
だから俺のSS内の荻上さんは強気なキャラにしてます。
この問題についてのみんなの笹荻のイメージって、捕われの身のお姫様荻を白馬の王子様or騎士笹が助けに来る、てな感じだと思います。
でも俺の場合は、同じお姫様でも時代劇のお姫様で、いざという時には小太刀を持って自分も戦う、そういうイメージです。
(笹はその身の回りの世話や警護をする家臣)
トラウマの克服は仇討ちで、最終的に仇を討つのはお姫様当人、そういうイメージからこの話書きました。
>原作ではおそらく語られない
俺もそう思ってたけど、今月の流れ見ると分かんなくなってきました。
笹も心優しい真面目人間だから、事情を知ったら巻田君のとこへ謝りに行かせようとするかも。
もちろん自分も付いて行って。
あるいは居所を聞いて(転校したとされてるが引っ越したとは言ってない)先ずは自分が行ってみるとか。
まあ仮に原作で描かれてなくても、そういう類いのことやりそうな気がします。


319マロン名無しさん:2005/12/24(土) 20:28:55 ID:???
>>318
なるほど、戦うお姫様と警護の家臣ですか。ほんとに荻上主役で勇ましいですね。
僕のイメージは、お姫様(荻上)と騎士(笹原)というより、トラウマ解消は
戦いというより求道の長い旅路と思ってますので、旅人と伴走者って感じでしょうか。

西遊記ではなく、実在の玄奘三蔵っぽいというか…。
平山郁夫の「求法高僧東帰図」みたいな(絵画です)。

ちなみに、夢を見た、とか、雪溶けの前に、書いてます。
助けるというより、これから長く寄り添って歩いていこうというスタンスです。
さて…また書きたい欲求は渦巻いてますけど…まとまらねぇぇぇぇーーー。
320マロン名無しさん:2005/12/24(土) 20:55:01 ID:???
>>318
> この問題についてのみんなの笹荻のイメージって、捕われの身のお姫様荻を白馬の王子様or騎士笹が助けに来る、てな感じだと思います。
いやー、それはなんか微妙に違う。
直すのはやっぱ自分自身なんだけど、でもそれに強気が必要とは思ってない。
弱く脆い荻上ではあるんだけど、その上で自分を見つめ直して回避は可能だと思ってる。

そもそも人は決して世界・社会の中で1人で生きてるわけじゃないので、
何かしらの相互影響があるのは当たり前で、そういう一環として
笹原との新しい関係と自分の心の変化があって、物の見方が変わって、
最終的にトラウマの克服に至るのではないかな、と。

笹原との関係は必要だけど、笹原が助けるわけじゃないと思うんだよね。
また、ほとんど別人に変身しての克服も違うんじゃないかと思うし。

でもまぁ、それはそれで、鬼上みたいのアリだと思いますよw 面白いし。
でも今月のを読むと、ウイスキーミニボトルをストレートで一気飲みは
翌日相当に悲惨なことになりそうだなーと思ったw
321マロン名無しさん:2005/12/25(日) 00:43:15 ID:???
>>318
288です。意見というほど偉そうなものでも無く、ただ迫力に飲まれたというべき
でしょうか(笑)それだけ、すごい迫力とすごみ、面白さがありましたよ。ただ
個人的には「報復と謝罪」の必要性を感じないと思ってたんで、違和感は感じました。

今月号の悪夢がそれを暗示してます。飛び降り未遂があったかは考えたく無いですけど
少なくとも陥れた中島が罪悪感か、後ろめたさかは分からないが、荻上を庇い、共謀者の
友人も青ざめて、事の大きくなった事に動揺している。そして荻上自身認めたくない友人の
悪意が中島の表情の変化として現れ、飛び降りたはずの自分が巻田と入替り、うすら笑いで
それを見つめているのは自分自身。加害者であり、被害者である自分への攻撃と自己嫌悪。
そして周囲への無意識の憎悪。何が悪かったのか、誰が悪かったのか・・・。もう荻上にも
分からなくなってるんだと思いますから。自分しか責められんないというのはつらいと思う。
人のせいにするのは楽ですから、それが出来ない分・・・。

と、自分の主観だけ言ってもしょうがないですね。問題はこれから。それぞれが自分の荻上の
イメージで困難に立ち向かおうとしている。318さんの荻上は、人から与えられたお仕着せの
イメージじゃ無く自分自身のイメージですから大事にされた方がいいです。俺のイメージも
萌えキャラとはかけ離れたものですから。

今夜中に一本、自分だけの笹荻書くかもしれません。今回は本スレにも荻スレにも意見や議論
する気になれません。明日は休みだし、どうせもう寝れませんから。
322雪の華:2005/12/25(日) 04:02:46 ID:???
今月号買って平井堅のCD聞きながら今週号読んだら泣いてしまいました。
涙腺が緩んでポロポロ涙流して、一日ボーとしてるのを家族に悟られない
ように必死でした。特にミラクルとリングが荻上の心境と笹原の心境に
ぴったりはまって繰り返し聞いてました。漫画のキャラ相手にこんな聖夜を
迎えるとは思ってもいませんでした。「人間交差点」以来かな・・・。

思い巡らし、二人の幸せの形とは何だろうと考えました。咲高は咲の一方的な
依存関係にありますけど、高坂は趣味以外では十分要望に答えています。大田
は趣味の強い絆があります。二人の女性は自分の彼氏こそ一番と疑いません。
(特に大野は自分の尺度で笹原を『それ以上でも・・・』と評し、高坂を非人情
と評して、田中こそ才能と情愛のバランスのとれた存在と『値踏み』している)

荻上は笹原に何かしてほしいんだろうか。人に何かしてもらうのを重荷に感じ
、それに対して何か応えずにはいられない荻上が。愚鈍なまでの誠実な愛情が
あればいいんではないかと思う。という『願望』が妄想されたので、書いちゃ
いました。笹荻成立は原作と他のSS作家に任せます!成立後の二人の長い
その後の余韻にひたって、来月まで生き長らえます。解説みたいな長文スマソ。
323雪の華1−4:2005/12/25(日) 04:04:50 ID:???
笹原と荻上は冬コミが始まる前の週、東京近郊の自然公園に足を運んだ。
今年は例年にない寒波で関東一帯に大雪が降った。交通網がマヒし、慣れな
い大雪に歩行者が足を取られて転ぶありさまの中を二人は、自然公園へ向か
った。

そこは山桜の名所で有名な場所であったが、季節が季節だけに人はまばらで
寂しげであった。

笹「寒くは無い?」
荻「わたしは大丈夫です。笹原さんは?」
笹「俺は大丈夫・・・」

しかし寒気は思いのほか厳しく、二人が会話すると、二人の吐く息は白くな
り、少し風が吹くと地面の粉雪が舞い散り、顔に吹きかかった。アスファル
トで舗装された道を外れると、霜柱が土を盛り上げ、踏むとシャリシャリと
音を立てた。

荻「面白いですよ!土を踏んづけると、バリバリ、シャリシャリ音を立てて、靴が沈んでいくんです!」

荻上は何ということも無い事に、普段とは違って笑顔でキャッキャッとはし
ゃいで駆け回っていた。笹原は普段通りの表情で微笑み、目を細めてそれを
眺めていた。
324雪の華2−4:2005/12/25(日) 04:05:38 ID:???
荻「こっちです!先に行きますよ!」
荻上は小走りにタッタと小高い丘に駆けていった。
笹原はゆっくりとした足取りで荻上の後を追った。今日は荻上が雪の華を見
たいと言うので、この公園に来ていた。笹原の卒業までに二人で会える時間
は少ない。出来るだけ可能な限り出かけられる所に二人で出かけてみたかっ
た。
(あまり外に出歩きたがらず、自分の希望は極力口にしない彼女にしてはめ
ずらしい願いなのだ。かなえてあげなければ・・・でも運動不足で息が切れ
る。だらしないなあ・・・)
笹原はふうふう言いながら、どんどん先に進む荻上の後を追っかけていった。
すると丘の上を先に歩いていた荻上が急によろめいて、倒れそうになった。

笹「ととっ」
笹原は慌てて荻上の腕を支えた。
荻「すっすいません!思わずはしゃいで馬鹿しちゃいましたね!」
笹「ははっ、でも全然元気だよ!俺なんか息切れだよ!」
荻「わたしもですよ、この辺なら雪景色や雪の華がきれいでしょうね!」
笹「じゃあ、この辺に腰掛けようか」
荻「そうですね!」
325雪の華3−4:2005/12/25(日) 04:06:26 ID:???
二人は小高い丘の中腹に腰掛け、まわりの景色に目を見やった。あたり一面
うっすらと真っ白な雪化粧でおおわれていた。木々の枝は網の目のようにな
っており、その上に白い雪が枝を覆っている。風が吹いて、枝が揺れると小
雪がまるで白い花びらのように舞い降りる。その様子はまるで雪の華のよう
であった。

荻「きれいですね!」
荻上は目を輝かせて言った。
笹「そうだね・・・」
笹原は雪の華よりも、それを見つめる荻上の大きな深い透明な黒色をたたえ
た瞳に見つめていた。その瞳は雪の乱反射にキラキラ輝き、希望と歓びに満
ち溢れた色をたたえていた。
かつてその瞳は深い絶望と虚無の深い漆黒の色を帯びて、笹原を見つめてい
たのだ。そしてその瞳が涙に濡れるのを、笹原は胸が引き裂かれる思いで見
たのだった。
(彼女は普段は気丈で弱いところを見せようとはしない。でも時々、瞳が憂
いの色に沈む時がある。そんな時俺は何をしてやれるのか・・・)
326雪の華4−4:2005/12/25(日) 04:07:15 ID:???
荻「きれいですね!この雪景色のように清らかなままでいられたら、どんな
に素晴らしいでしょうね・・・」
笹「(自分はそうでは無いと言いたいの?)・・・そうだね・・・。あっほら、
山桜の冬芽だ!」
荻「こんなに寒いのに生きてるんですね!」
笹「そう、この赤い芽は堅い殻に覆われているけども、きれいな花をさかせようと懸命に生きてるんだね。でも根本がとても脆くて、触ると壊れてしまいそうだ・・・(まるで君のようだ・・・)」
荻「動物に食べられちゃうんでしょうか?」
笹「そんなことは無いさ!食べられてもその後から新しい芽が出るしね!」
荻「かっこ悪いですね・・・食べられちゃうなんて・・・」

笹「いっ生きる事自体、こんな風にかっこ悪くて、無様でなさけない姿さら
していくようなもんだよ!俺みたいに・・・。でも春になったらきっと、き
れいな花を咲かせると思うよ!一緒にまた見に行こう!」
荻「かっかっこ悪くて、無様なのはわたしも一緒です・・・。また一緒に見に行きましょうね」
自然と二人は手を握り合っていた。

笹「俺・・・何も君にしてやれてないな・・・。漫画描けるわけでも無いし・・・田中さんみたいな特技があるわけでもないし・・・」
荻上は微笑んで笹原に言った。
荻「一緒にいてくれるだけでいいです。それだけで十分です」

そうして二人は寄り添って、丘を降りていった。
327マロン名無しさん:2005/12/25(日) 04:38:35 ID:???
>>323-326
乙&GJ
冬コミの前だからカプール成立後か。
なるほどねえ。こう、幸せになってくれるといいな。
じゃ、俺は次回の予想をちょっちかく。
いくつになるかはわからんけども、勢いで書いてみたくなった。
328マロン名無しさん:2005/12/25(日) 05:44:59 ID:???
>>323->>326
こういう繊細でデリケートな話、いいなあ。
作者の方、感性が鋭くて神経が細やかなんだろうな。
感性鈍くて無神経な俺には無理な芸当だ。
(まあ俺の歳では普通そんなもんだろうが)
だが、それでいい。
俺は俺で、戦災でバリケードな話を書くだけだ。
329マロン名無しさん:2005/12/25(日) 06:28:46 ID:???
予想SS書いてたんだけど・・・。
難しいわ、次回のは。
うまく荻上の心を解凍する方法が見つからん。
今日は寝る。起きた時にネタが浮かぶといいなあ・・・。
ネタ(寝た)だけにな!
330マロン名無しさん:2005/12/25(日) 07:04:11 ID:???
>>323-326
すごく良い!!GJ!!
あーーーー癒されるーーーー。
しかし次月を自分なりに形作らないと1ヶ月は持たないので、次月予想SS書きます。

>>392
斑目っぽいですねその駄洒落。
しかし難しいですねホント、だいぶ流れは頭に浮かんできたけど
決定的な決め手が欲しいけど、なかなか…。
同じく寝ます。明日は帰宅したらずっとSS書くぞう。年賀状なんて知らん。
331マロン名無しさん:2005/12/25(日) 07:12:58 ID:???
笹原の再告白と議論と言うことで、場面が確定してるっぽいから
かえって難しいな…。
議論だけで済むのか飛び降りが絡んでくるのか、場面は変わるのか…
332マロン名無しさん:2005/12/25(日) 12:10:51 ID:???
昔隣のお洒落なお姉さんがクリスマスの日私に言った。
「今夜、8時になればサンタが家にやって来る」
「違うよ。それは絵本だけのお話」
そういう私にウインクして。
「でもね、大人になればあなたもわかる、そのうちに」
333マロン名無しさん:2005/12/25(日) 12:32:51 ID:???
こんなところに誤爆してたのか。スマソ。
334マロン名無しさん:2005/12/25(日) 12:48:51 ID:???
2カ月前に考えたネタです。投下しようかどうしようか悩みましたが、思いついちゃったし、
書いちゃったし・・・で迷ってる間に、時節的に一番、あった時期にきちゃたので
思い切って投下しようと思います。
童話パロネタです。「マッチ売りの少女」のパロで題名は「同人誌売りの少女」です。
多少、エロが入ってますが・・・童話パロはこのスレだと思うし、許容範囲内・・・
ですよね??(汗)
それでは 思い切って・・・
335同人誌売りの少女1/4:2005/12/25(日) 12:49:49 ID:???
ひどく寒いクリスマスの夜でした。街はカップルで賑わい、クリスマス用の
イルミネーションが美しく輝いている街中を一人の少女が歩いていました。
少女は手に同人誌を一たば持っており、同人誌を売ろうと日がな一日歩き回
りましたが誰も少女から同人誌を買いませんでした。やがて、街はすっかり暗
くなり、人通りも絶え、雪がちらほらと降り始めました。
ひらひらと舞い降りる雪が少女の筆頭を覆います。少女の髪は頭の真ん中で
くくられ筆のように立っています。同人誌はまったく売れていません。少女は道の
一角に座って小さくなりました。引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつ
きましたが、少女の体はどんどん冷えていきました。少女の頬も、むきだしになっ
た小さな両手も冷たさのためにかじかんで真っ赤に染まっています。寒さから体
もガタガタと震えています。あまりの寒さに耐え切れず、少女は身体を暖めようと
マッチを取り出し、1冊の同人誌に火をつけました。
≪ボッ!≫ 何という輝きでしょう。何とよく燃えることでしょう。小さな少女には、
まるで大きな鉄のストーブの前に座っているようでした。すると不思議なことに燃
える同人誌の中から笹原さんと斑目さんが出てきました。笹原さんは斑目さんの
ネクタイを絞めながら関係を迫っています。
「何ですか このネクタイは?ボクを置いて卒業しようとでも?」
「あ・・・こ・・・これは・・・。」
そうです。少女が同人誌の中に描いてあった状況が目の前でリアルに再現されて
いるのです。
「お仕置き・・・ですよ。」
笹原は微笑みを浮かべながら斑目を縛り上げ、Yシャツのボタンをはずし始めました。
336同人誌売りの少女2/4:2005/12/25(日) 12:50:53 ID:???
(おー。がんばれー笹原さーん。)
少女は心の中で笹原を応援しながらその光景を目を凝らして観察していました。
やがて斑目は全裸にされ、笹原の攻めも佳境に入ってきました。
「あ・・・ああっ。」
笹原の攻めに斑目の顔が歪みます。
しかし・・・斑目がもう少しでクライマックスに達しかけたその瞬間、炎は消え、同時に
二人も消えうせ、そこには燃え尽きた同人誌だけが残っていました。
「うーん。眼鏡君受けが基本の私としてはメガネくんが最後までイってくれんことには
納得いがね・・・。」
そういうと、少女は心ひそかに期待して、もう一冊、同人誌を燃やしました。同人誌
は明るく燃え、その明かりが壁にあたったところから高坂(魔王)が出てきました。
魔王は田中・笹原・久我山と次から次へと手をつけていきます。そして、いよいよ
斑目に手をつけ、斑目がもう少しでイってしまいそうになった時――同人誌が燃え
尽き、厚く、冷たく、じめじめした壁だけが残りました。
「なんでメガネくんがイク寸前で燃え尽きるんだー納得いかねー!!」
少女はプンプン怒りましたが、消えてしまったものは仕方ありません。
少女はその後も次から次へと同人誌を燃やしていきました。そのたびにくじアンの
千尋x麦男とかハレガンとか スクラムダンクとか最後は高柳まで出てきましたが、
少女の希望する“.メガネくんがイク”という設定までいくことなく同人誌が燃え尽きて
しまいます。
少女はプンプン怒っていますが、遂に同人誌は最後の1冊になりました。
「今度こそ・・・。」
337同人誌売りの少女3/4:2005/12/25(日) 12:51:23 ID:???
少女が最後の1冊に火をつけると燃え盛る炎が再びあたりを照らしました。そして、
その光輝の中に笹原が一人で立っていました。笹原はとても明るく光を放ち、とても
柔和で、愛にあふれた表情をしていました。 そしてゆっくりと両手を広げて少女を
抱き寄せようとしました。
「笹原さん!」と小さな子は大きな声をあげました。「お願い、わたしを連れてって!
同人誌が燃えつきたら、笹原さんも消えてしまう。もう一人は嫌なの!!寒いのも
嫌なの!!」
すると同人誌はとてもまばゆい光を放ち、昼の光よりも明るくなりました。このとき
ほど笹原が美しく、大きく見えたことはありません。笹原は、少女をその腕の中に
抱きしめました。二人は、輝く光と喜びに包まれて、高く、とても高く飛び、やがて、
もはや寒くもなく、空腹もなく、心配もないところへーーーーー
338同人誌売りの少女4/4:2005/12/25(日) 12:52:08 ID:???
「千佳ちゃん?」
ふと少女を呼ぶ声が聞こえたので、目を覚ますと笹原の顔がすぐ横にありました。
「眼鏡かけたまま寝ちゃったんだね・・・。」
「えっ・・・」
少女は思い出しました。そう。昨日の晩、笹原さんに
「眼鏡をかけたままイク千佳ちゃんの顔が見たい」
といわれ、嫌々いいながらも眼鏡をかけたまましたことを・・・。
そして、イってしまったことを。
少女の顔は真っ赤になりましたが、それはもう寒さのためではありませんでした。
恥ずかしそうに笹原の胸に顔を押し当てながら少女は思いました。
(もう、わだし一人じゃねえんだ・・・)
窓の外では雪がちらほらと降っていました。
笹原と荻上がつきあって2年目のクリスマス・イブの夜の出来事でした。

どっとはらい。
339マロン名無しさん:2005/12/25(日) 13:55:50 ID:???
>>335-338
ええ話やなぁ

こっちでOKかどうか微妙な処だが
別に直接的な描写もないし

ともかくオギーかわええよオギー
340マロン名無しさん:2005/12/25(日) 13:58:29 ID:???
本編レベルなのでおけ
荻上(*´∀`*)
341マロン名無しさん:2005/12/25(日) 16:18:25 ID:???
SS書いてたら感情移入しすぎて気持ち悪くなってきた…
342マロン名無しさん:2005/12/25(日) 16:29:17 ID:???
 むかしむかし、天界に荻上千佳と言う女の子がいました。仲間内からは通称
荻悟空と呼ばれていました。
 彼女が仲間と一緒に天界で801同人誌を作り、配るという活動をしていた
ところ、目の前にまばゆいばかりの光を纏った朽木如来様が現れました。
「オギチン、ちょっとやり過ぎだにょ〜。いろんな人から苦情が出てるヨ。し
たがってワタクシが懲らしめに来たのであります!」
「――チッ」
「し、舌打ち!? 舌打ちでアリマスカ!? その余りの酷い仕打ち、ワタク
シの繊細なグラスハートがボロッボロッでアリマス! ガー!!!」
 朽木如来様が雄叫びを上げると、天のさらに上から大きな岩が落ちてきまし
た。荻悟空はあえなく岩の下敷きになってしまったのです。
「……この程度の岩、壊せないとでも思っているんですか?」
 冷めた視線を向けてくる荻悟空。しかし、朽木如来様はまったく動じません
でした。
343げんしけん西遊記:2005/12/25(日) 16:30:03 ID:???
「このお札を岩に貼っておくにょー。このお札があるかぎり、壊そうとすれば
いつでも僕チンがオギチンに説教をしに来るからねン」
 その言葉を聞き、青ざめる荻悟空。一方朽木如来様は、話を続けています。
「今から五年の後一人の坊さんが通るので、彼のお供をするなら許してあげま
すぞ〜」
 しかし、荻悟空の耳に言葉は入っていきませんでした。
(壊そうとする度にこいつと顔を会わせるなんて、ぜってぇ嫌だぁ!)
 荻悟空は、それどころではないといった風に俯き、微かに震えていました。
 一方朽木如来様は、言いたい事を言いきり満足したのか、
「それでは、バイバイにょー」
 そう言い放ち、天に帰っていきました。
344げんしけん西遊記:2005/12/25(日) 16:30:45 ID:???
 あれから五年、荻悟空は気力を失っていました。
 五年の月日、やはり我慢出来ず何度か脱出を試みていた荻悟空。だが、その
度に朽木如来様が現れ、荻悟空を戒めていったのです。
(……誰か通りかからねぇかなぁ。一人でいるのはヤだなぁ、話も出来ねぇし
退屈だぁ。そう言えば、あいつが言っていた坊さんってどんなんだろ? って
考えても無駄かぁ、どうせ来るわけ無ぇもんな。はぁ……寂しいなぁ……)
 その時です。急に空が暗くなりました。
 何気なしに荻悟空は、ふと顔を上げました。するとそこには驚いた表情を浮
かべた一人のお坊様が立っていました。
 どうやら空が暗くなったのではなく、お坊様の影に入ったためでした。
「……えーと、何やってるの?」
 お坊様が聞きました。
「……朽木如来の奴が、私をここに閉じ込めたんです」
 荻悟空は視線を合わせずに答えました。
「あー! もしかしてキミが如来様の言っていた、荻悟空さん?」
345げんしけん西遊記:2005/12/25(日) 16:31:14 ID:???
「私の事、知ってるんですか?」
「うん、俺が旅に出る時にね。如来様が教えてくれたんだ」
「え? じゃあアナタが朽木如来の言っていたお坊様ですか?」
「あー、うん。たぶんそう」
 お坊様は苦笑しながら頷きました。
「……」
「あ、ごめん。すぐにお札を外すからね」
 お坊様がお札を外してくれたので、荻悟空は何とか岩から抜け出すことに成
功しました。
「……あ、ありがとうございます」
「ん? ああ、いやいやどういたしまして。あ、そうだ。これも如来様から頂
いたんだけど……」
 お坊様は懐から金色のわっかを取り出し、荻悟空に渡しました。
「……これは?」
「何か証みたいなものって言ってたけど」
「……」
「ん、じゃあ俺行くね」
 お坊様はくるりと背を向けると、歩き去ろうとしました。
「え? ちょっと待ってください。私を旅のお供にしないんですか?」
346げんしけん西遊記:2005/12/25(日) 16:32:14 ID:???
「ん? 確かに如来様にそんな事も言われたけどでも、無理強いは出来ないし
ね」
 少し寂しそうな笑顔を浮かべるお坊様。それを見た荻悟空は、
「……ついて行きますよ、約束ですからね。それに助けてもらった恩もありま
すし」
 そう言い、金のわっかを頭に被りました。不思議な事にそのわっかは、荻悟
空の頭にぴったりとはまりました。
「でも、いいの?」
 聞くお坊様に荻悟空は答えました。
「もう決めましたから、イヤならいいですけど」
「イヤじゃない! イヤじゃないよ。うん、はいOKです」
「なら問題ないですね、えーと」
「あ、俺は笹原完士。笹原法師って呼ばれてます。本当は完士法師なんだけど
ちょっと語呂が悪いしね」
「笹原法師様、うーん。お坊様のお供って事は弟子に入るようなものですね。
じゃあお師匠様って呼んだほうがいいですね」
「別に好きな方でいいけど……」
「では、お師匠様って呼びます。これからよろしくお願いしますね」
「あ、うん。よろしく」
 こうして、荻悟空は笹原法師と旅に出るのでした。
                        続く……かも
347マロン名無しさん:2005/12/25(日) 18:16:02 ID:???
>>335-338
げんしけんレベルぎりぎりのエロだけどほのぼのしててGJ!
まあ五年生レベルのエロだと確実にエロパロスレ行きですけどねw
みんな傷つき過ぎて癒しの方向に向かってるんでしょうか。非常によく解かります…。

>>342-246
是非、続けてください!!乙です、そしてGooood J!


さて、悶々としながら書いた来月予想(というより願望)ですけど
思ったような話と違うほうに転がりました。
転がるに任せると、重く深刻で脳内麻薬萌えじゃなくて、ちょっと軽い感じになりました。
これはこれで自然な仕上がりになったん…でしょうか…。
では、5レス分です。
348点灯夫1/5:2005/12/25(日) 18:16:33 ID:???
笹原「荻上さん」
荻上「あ………」
振り返って笹原の方を向いていた荻上だが、すぐに山の方に向き直る。

荻上「追いかけて…来られても、私どうしたらいいかわかんないんですよ」
笹原「駄目だと思うけど、もう一回言うよ」
荻上「………」
笹原「俺、やっぱり…… 荻上さんが好き……だから」
  「さっきも 笑ってたけど、泣いてたよね? …守りたいんだよ」
背中で聞いて、やはり嬉しさが込み上げる。
笹原の笑顔が脳裏に浮かぶ。が―――。
次に浮かぶのは、屋上から飛び降りる巻田でなく、落ちていく笹原だった。
荻上『私はこの人を…殺してしまう…』
そして涙がこぼれる。

振り返ると、やはり冷たい笑顔で泣いている。
荻上「さっきも言いましたよね 私は男の人とは つき合わないんです」
笹原「うん、ごめん、オタクとは付き合わないって言ってたしね…」
  「俺はオタクだし、なんの特技も無くて、地味で、冴えない男だし…」
荻上「違うんです!」
叫んでうつむく荻上。
荻上「ありがとうございます…けど、駄目なんです」
笹原「え……?」
ありがとうございます、で一瞬喜色が浮かぶ笹原だったが再び神妙な面持ちで話を聞く。
荻上「気持ちは嬉しいです、本当に…でもきっと、笹原さんの心を」
349点灯夫2/5:2005/12/25(日) 18:17:21 ID:???
荻上は顔を上げて、涙が流れ落ちる強い瞳を笹原に向ける。
荻上「…心を殺してしまう事になるんですよ」
笹原「そんな……え? そんなわけ無いじゃない!」
一瞬、笹原はきょとんとしてしまったが、次の瞬間には必死で否定する。
笹原「心を殺すなんて…さっき断られて一人で残ってた時の方が、よっぽど死ぬかと思ったよ」
普通だったら親しい人を振った相手を追い詰める台詞だが、笹原は思わず本音を述べてしまう。

荻上『笹原さん…私の事をそこまで!?』
荻上は、笹原への想いが笹原からの想いと繋がる嬉しさが胸の奥から込み上げてくる。
荻上『ああ、でも…つきあっても結局私は傷つけてしまう…この大事な人を…』
  『なのに、断っても死ぬかと思うって…どうしたら……』
きっぱりと断ろうとしていた気持ちに動揺が生じて、鋭かった目に迷いの色が浮かぶ。
しかし、意を決して笹原に過去を語り始める荻上。
その行為は、無意識に笹原に救いを求めているのかも知れない。
荻上「聞いてください、中学の頃、私は……」

その頃、げんしけんのメンバーは
斑目「今頃、どうなってるかなあ〜〜〜(冷や汗)」
咲 「ま、笹やんもヤルときゃヤル男になってるでしょ」
斑目『笹原、お前、男だぜ……』
茨の道を歩み続けるのも、それはそれで男の中の男なのだが、
本人はそこまで客観的に自分に酔ってる余裕は無い斑目だった。
大野「う〜〜〜」
田中「まぁまぁ、今日全てが解決するとも限らないでしょ。じっくりと一歩ずつ前進すれば良いんだよ」
今日夜の宴会の用意をしながら、大野をなだめるのだった。
恵子「あれ、クッチーが居ねぇ……」
350点灯夫3/5:2005/12/25(日) 18:18:07 ID:???
ひとしきり話し終えた荻上は、今は泣かないように堪えている。
荻上「巻田君はきっと、今でも傷ついてます…一生…」
笹原「荻上さんの罪の意識は…一生消えないかもしれない」
  「それは巻田君が赦してくれたからといって、過去は永遠に変わらないし」
告白という人生初のステージに浮足立っていた笹原だが、荻上の人生の話に気構えが定まってきた。
落ち着いた表情で荻上を見つめる眼差しは、暖かい。
笹原「過去は変わらなくても、人は変わっていくものだよ。荻上さんも、俺も、巻田君だって」
荻上「それでも私は、801を辞められないんですよ…変わろうとして、変われなかったんです」
笹原「うん、変えようと思って変えられない事は有ると思うよ」
  「俺みたいなヌルイ隠れオタクだった奴でも、辞められなかったんだし」
荻上「私はやっぱり、男の人…いえ、笹原さんと付き合ったら必ず傷つけちゃうんですよ…!!」
笹原「もう、傷ついてるよ」
荻上「……!」
笹原「断られるのって傷つくんだよ(苦笑) 俺の存在が全て無駄みたいでさ…」
  「それに、荻上さんが一生傷ついて生きていこうと傷ついてる事に、俺も傷ついてる…」
はっと笹原の目を見遣る荻上。頭でなく心が、通い合ってくる笹原に反応している。しかし―――。

荻上「やめてください! 私は私のことが一番赦せないんですよ!」
笹原「荻上さんは本当はどうしたいの?一生誰とも…俺とじゃなくても付き合いたく無いの?」
荻上「それは……」
荻上『ううん、笹原さんとじゃなきゃ、嫌……なんだ。それはもう分かったけど……』
荻上「私にそんな資格 あるわけないじゃないですか!」
  「人を 傷つけて…今度は笹原さんを…」
もう、何に必死なのか荻上自身も分からなくなってきた。罪の意識に縛られているので仕方ないが。
351点灯夫4/5:2005/12/25(日) 18:19:40 ID:???
笹原「誰だって…俺だって、妄想は止められないよ」
顔を真っ赤にさせながら笹原は告げはじめる。
笹原「荻上さんの内面だって好きだけど、同じように身体だって、全部好きで…」
赤さにおいてはそれを聞いた荻上も負けてはいない。
笹原「その…荻上さんの体で、想像して…妄想して…○○○○した事だって!」
荻上「なっ……!!」
笹原「だっ…だから! 妄想は止められないよ」
荻上「………。」
真っ赤になりすぎて荻上の表情は判別不能だ。脳内も真っ白かも知れない。
笹原「止められないんだから、俺も荻上さんの妄想も込みで好きになるよ!」
荻上「……無理ですよ」
笹原「だって男でも801読む奴も居るし、荻上さんの作品だってこの先きっと…」
  「いろんな人に読まれるよ!」
編集者の卵としての性もあらわれたような夢を語る笹原の表情は嬉しそうだ。
笹原「それで、一番のファンは俺なんだよ」
  「それに、編集者の一番の特権ってさ、最初に読める事だよ(笑)」
荻上「笹原さん……私…でも、あの……」
笹原「すぐにオッケー貰えなくても良いから」
荻上「でも、まだ801好きになってないじゃないですか…」
  「うん…傷ついても構わないから 傍に居る方が嬉しいんだ」
  「好きだから… これからも、守らせて…よ…」
荻上の目から流れる涙は、悲しいものじゃない。笑顔から生まれる涙だ。
荻上「ありがとうございます、私も……私も、笹原さんの……」
352点灯夫5/5:2005/12/25(日) 18:20:34 ID:???
パシャッ!
朽木「…あ、オートフラッシュが働いたにょー」
笹原「朽木くん、なにをしてるのかな……?」
珍しく怒り顔で青くなっている笹原は貫禄が出てきている。
朽木「イェーーーー!!」
猛ダッシュでホテルに戻っていく朽木であった。


結局その後、とりあえずホテルの浴場を借りた荻上も合流して、
合宿2日目のバーベキューでの宴会になるのだった。
冷やかし過ぎると、笹原がマジギレしそうになるので
みんな空気を読んで、今日はあんまり根掘り葉掘り聞かない。
荻上は今日は流石に酒は飲まないし。
しかし、荻上に寄り添って肉やおにぎりを皿に取り分ける笹原と
それを素直に受け取る荻上の姿を見て、皆ニヤニヤせずに居られない。
まぁ斑目はいじけ気味だし、クッチーは撮影熱心だが。
しかし確かに、言葉少なめだが、荻上の目には喜びの光が宿っていた…。
353マロン名無しさん:2005/12/25(日) 18:26:27 ID:???
いやー、先月も2本ぐらい予想SS書きましたけど、木尾先生は凄いですね…。
笹原の告白はエネルギー的にも流れ的にも難しいと思ったんですけど、
なんと自然な流れ!そしてオギーの反応も予想以上だし、夢もああ来るとは。

ただ、10数レス分とか書くと、本誌で2話分ぐらいになりそうですよね(苦笑

といった訳で僕のSSですが、まあ願望…来月まで書かないと精神的に持たないから
書かざるを得ないというか!

まさに353ページの
> 大好きで大好きで、だから描きたい。
> そんな気持ちを持てるのは、幸せなことなのです。
> さあ、あなたも「こちら側」の世界へ―――。
って感じですよ!!漫画じゃなくてSSですけどね!!
354マロン名無しさん:2005/12/25(日) 21:38:00 ID:???
>>348->>352
いきなり来ましたね。
GJです!
まあこのぐらいで落ち着いてくれることを祈りたいものです。

クッチーよ、今度からは暗視カメラを用意しなさい。
そんでパネルにして二人にプレゼントしたら・・・喜んでもらえるかな?
355マロン名無しさん:2005/12/25(日) 22:08:29 ID:???
>>348-352
GJ! 乙です! やっぱり予想SS読むとおっきおっきしてきますね!

じゃあ勝手にアナザーストーリーで
笹「朽木くん……いつから……?」
朽「笹原さんに並走してきたので最初からであります! いやー二人とも萌え萌えでしたよー………ひっ!? さ、笹原さん?」
笹原が見せたことのない凄い顔を迫ってくる
朽「い、いやこれはジョークでして……ひいっ!」
クッチーの胸ぐらを掴み、顔を近付け睨みつける笹原
朽「ひいいいいいい! ごめんなさい!ごめんなさい! もうしません!もうしませんから!」
いつもの笑顔に戻る笹原
笹「じゃ荻上さん帰ろうか」
荻上をおぶって歩きだす笹原
暗闇の中に完全に笹原が消えるのを見て
朽「あ、ああ、あああ!」
恐怖のあまり山道のど真ん中で失禁してしまうクッチー
朽「最恐だ……現視研最恐は……笹原さんだった……」

笹「ただいまー」
咲「あれ、荻上寝てんじゃん」
笹「うん、疲れちゃったみたいだね」
大「それでどうだったんですか!? 結果如何では笹原さんただじゃおきませんから」
笹「はは……おかげさまで……」
咲「うっそマジ?」
大「うっ、うっ、うわあああああん! 荻上さんよかったですねえ! ほんとによかったですねえ!」
笹「しっ! 荻上さん起きちゃうから…… じゃあ俺、荻上さんちゃんと寝かせてくるね」
咲「お、おう ところでクッチー見なかった? 行方不明なんだけど」
笹「……ああ、朽木くんなら今夜はどこかに泊まるからカギ閉めちゃっていいですよ、って言ってたよ」
咲「あそ わかった」

笹原マジ鬼
356マロン名無しさん:2005/12/25(日) 22:29:23 ID:???
>>335-338
久々に童話シリーズきた!!荻ーのメガネ受けフィニッシュ見たさにプンプンと怒る姿が
目に浮かびますwエロ落ちも大好きなのでG----j!!

>>348->>352
来月の展開が最強のツンこと荻がいよいよデレ荻に変わるものと思われる笹荻クライマックス
なだけに中々パラレルSSを投下する人がいない中、なんともげんしチックに
まとめられたSSに御座る。クッチーで落とすトコなんかもーPGJ!!(ペタグッジョブ)
357356:2005/12/25(日) 22:35:21 ID:???
>>355
そんな貴方のアナザーネタの落とし方が最強に鬼オモシロ杉ス。本気で吹いたww

GJ+α!!
358雪の華:2005/12/26(月) 00:23:07 ID:???
荻「うわーやばかった!スゲー見ちまった!」
 「だって」
 「スンゲー投下ラッシュなんだもん」

ということでまとめてですまないがGJ!!
投下順に感想書かせてくださいね。

その前に・・・
>>327 >>328 >>330
ありがとうございます。これ泣きながら書いたら心が不思議なほど落ち着いて
ました。やっぱり書きたいと願うものの中に心の真実があるような気がします。
328さんぜひ戦災でバリケードな元気なやつを!今のところ俺にはセンチなやつ
しか書けません。元気なオギーを書く人だと思いますが、けっこう好きなんです。
そういうオギーも。俺に「動かせない」分。

>同人誌売りの少女
エロスおKです!究極のエロは幸せの最大表現ですね!
>げんしけん西遊記
荻上求道の旅!面白いですね!ぜひ続きを!お釈迦様総う・・・。
>点灯夫
キタキタ 正統予想SSが!順当な内容でいいですね。
わかります。「大好きで、大好きで、大好きで」書かずには先に進めない
んですよね。
>アナザーストーリー
吹いた。クッチーが○斗の拳か○ヨジ○のやられキャラのよう。
でももしかして本気でキレルと怖いのは本当に笹原かもしれない・・・。


359木尾:2005/12/26(月) 00:32:51 ID:???
>>348-352
ようし、これもメモメモ
本当にここはネタの宝庫だ
360木尾:2005/12/26(月) 00:54:15 ID:???
>>359
偽者が何を言う!
361マロン名無しさん:2005/12/26(月) 01:10:25 ID:???
>>335-338
GJ!いいねいいねえw最後の落ちがとても新鮮でしたw
荻自身がそうなりたいって願望説あるもんね、眼鏡受け。うまいなあw

>>342-346
今後の展開に期待したい。会話が二人そのままでおもろかった。

>>348-352
いいですねええ!!GJ!
二人がいかにして心を通わしていくか。
それが難しい。うまい流れでよかったです。

俺も今鋭意製作中ですよ。予想SS。
あと一時間もしたら完成します。
がんばろー。
362点灯夫:2005/12/26(月) 01:31:13 ID:???
点灯夫とは灯台の明かりを灯す職員のことです。
まあ僕はいつもマイナー邦楽の曲名からとっているんですけど…。

>>354
ありがとうございます!!
これぐらいで落ち着くのが最初に書いて流れていった感じですが、
飛び降りは有るのか、キスとかまで行くのか、色々可能性はありますよね。

>>355
笹原最恐伝説!!こちらこそ貴方がGJです!!ありがとうございます
オチの効きが強くて笑えますwww

>>356
ありがとうございまう。早くデレ荻上見たいです。ツンツンも捨てないで欲しいです。
いかしそうですね、なかなか今回は予想SS難しいです。
シチュエーションが限定で、描くのが恐いような、なんというか。

>>358
サンクスです!貴方もGJでしたよ!!是非、デートSS今後も書いてください。
僕も書きたいし、他の人のデートSSも読みたいです。
センチメンタリズム全開のも、ドタバタのも、熱いのも(?)有りですよね。

>>359>>360
また木尾さんたちですかwww 変形のGJとして有り難く受け取っておきます。

>>361
ありがとうございますーーー
変化とか成長をテーマに書こうと思ったら、心が通じることに重心がかかりました。
予想SS、wktkでお待ちしております。がんがってください!
僕もまだまだ書き足りませんよ。

あと僕の作風で良いんでしたらリクエストも受けます。
363361:2005/12/26(月) 01:44:19 ID:???
あははははははっははは!!!
書きながらテンションが三つぐらい上がってきました!

こうなったらいいな、三月号!
多めだけど12レスで投下するぞ!
多めなだけに大目に見てやってくれ!
364正夢〜恋は夕暮れ【1/11】:2005/12/26(月) 01:45:35 ID:???
「お、荻上さん・・・。」
笹原は息を切らしながら、ひざに手を突き、前かがみになる。
顔を上げると、荻上は沈んだ表情で俯きながらそこにいた。
「・・・・!」
よもや追いかけてくるとは思ってなかったのか。
その顔が驚きに染まる。
「なんで・・・。なんで来るんですか・・・。」
「ん・・・。」
「私は!人を傷つけて!大切だった人を傷つけて!
 それでもまだ自分の好きなことをしたくてたまらなくて・・・。
 それがその人を傷つけたのに・・・。」
「・・・・。」
笹原は最初何を言い出しているのかがわからなかった。
戸惑いを表情に出そうとしたすぐあとに、夏コミのことを思い出した。
『精神的なものなので・・・。』
「それなのに!私は幸せになりたいと思ってしまって!
 私は・・・。そうなっちゃいけないんです・・・。」
そういって、再び涙を流す。
「そっか・・・。」
「だから、笹原さんも私にかまわないで・・・。
 笹原さんは私みたいなのに近づいちゃいけないんです・・・。」
(そっか。そういう意味だったのか。)
先ほど振られたときの言葉の本意を聞けた。
大野と咲がなぜ追いかけろといったのか。
全てがつながったような気がした。
365正夢〜恋は夕暮れ【2/11】:2005/12/26(月) 01:47:14 ID:???
そしてその態度で、
自分への感情がどういうものなのかを読み取るには十分だった。
「・・・それはできないよ。」
すこし困った顔で笹原は笑う。
「な・・・。なんで・・・。」
「だって、俺がそうしたいから。これは俺のわがままで。
 荻上さんに幸せになって欲しいから・・・。」
「だから私は!」
「いいよ。自分ではそう思ってても。
 それでも俺は、荻上さんを守りたいと思うから・・・。」
その台詞にまた心の温かみが戻っていく。
しかし思い浮かべるのはあの『悪夢』。
「だめ!私は・・・!」
「荻上さんは・・・・。俺のこと、どう思ってる?」
口の端は笑みを浮かべてはいるものの、笹原の目は真剣だ。
いつにもない真剣な表情で見つめられて荻上は鼓動が早まる。
「・・・・!私は・・・。」
嘘をつけばいい。
また、「オタクが嫌い」といえばいい。
この人が嫌いだといえば、あの悪夢は起こらないはずだ。
でも・・・!でも・・・!
「荻上さんが、俺のこと嫌いだって言うなら、
 もう、何もしないよ。」
「・・・・!」
366正夢〜恋は夕暮れ【3/11】:2005/12/26(月) 01:48:43 ID:???
嫌いといったら、もう笹原は近くに来ない。
言えばいいじゃない。嫌いだって。
それで全てがすむのなら。この人を傷つけずにすむのなら。
その瞬間、今まで見てきた様々な笹原がフラッシュバックする。
頼りない笑顔。
真剣な表情で意志を通した意外な顔。
困った顔で諭す顔。
私のことをまるで自分のことのように喜んでくれた顔。
いつからか、自分のことを気にかけてくれていた。
そんなこの人に。
言えるはずが無い。
「・・・嫌いなわけ、無いじゃないですかあ・・・・。」
本音が漏れた。弱ってる荻上がいつもの外面を保てるわけも無く。
目を腕で覆いながら、涙を流した。
「それなら、俺は荻上さんを助けるよ。
 何の役にも立たないかもしれないけど。」
荻上は首を大きく振る。
「笹原さんは・・・。今までたくさん助けてくれました・・・。
 だから私はあなたを・・・。傷つけたくないんです・・・。」
 近くにいると・・・。傷つけます。きっと。」
「それでも、俺は傍にいたいからさ。」
そういって、笹原は笑う。
「やっぱ、俺はわがままなんだな。オタクだしね、はは。」
「笹原さんは・・・。気持ち悪くないんですか、私のこと。」
荻上にとって聞きたかったことだった。
あの本の中身を見ても、なぜこの人は私を・・・。
367正夢〜恋は夕暮れ【4/11】:2005/12/26(月) 01:52:59 ID:???
「ん?ああ・・・。別に・・・。俺だってエロゲーやるし。
 そんなこと、人に言えるわけないじゃん。」
「でも・・・。」
「いやね、理解はできないよ?でもさ。それはそれかなって。
 それもひっくるめて・・・。好きなんだ・・・。」
再度の告白。今度はさっきよりも自信を持って。はっきりと言った。
「なんで荻上さんが昔、人を傷つけたのかはわからないけれど・・・。
 多分、俺は大丈夫だから・・・。」
笹原は言葉を終える。
「私は・・・。私も・・・。」
荻上は、もう感情が爆発寸前だった。
うれしい思いと反面、やはり思い浮かぶのは・・・。
「でも・・・。それでも・・・。」
「俺のこと、信用できないかな・・・。」
少し沈んだ表情で自嘲の笑みを浮かべる笹原。
「そんなこと・・・!」
自分はきっと人を傷つけるから。どんな相手でもそうだろうと。
でも、今笹原は大丈夫といった。
それを信用するの?できるの?
できる。
この人なら・・・。きっと・・・。
「ないです・・・!私は・・・。」
バタン。
「お、荻上さん!!」
葛藤の末、体力もなかったこともあり、荻上は倒れてしまった。
368正夢〜恋は夕暮れ【幕間】:2005/12/26(月) 01:54:56 ID:???
夢を見た。
いつもの悪夢かと最初は思った。
中学の教室。
始まる怒声。
逃げる私。
屋上。
フェンスを乗り越える。
落ちる。
しかし、そこからが違っていた。
手を握る人がいた。
私は助けられた。
気付くと今の自分だった。
そして、その手の先にいたのは。
笹原。
369正夢〜恋は夕暮れ【5/11】:2005/12/26(月) 01:56:41 ID:???
「ん・・・。」
荻上が目を覚ますと、もう外は暗くなっていた。
「どうしてたんだっけ・・・。」
体を起こそうとする。二日酔いはかなり消えていた。
腰の横の辺りになにか、黒い塊が見える。
「笹原さん・・・。」
それは笹原の頭だった。つっぷして、寝てしまっている。
「お、起きたね。」
声の方を振り向くと、惠子が入ってきていた。
「大丈夫そう?」
「ええ、まあ・・・。」
「そりゃよかった。兄貴もおきたら安心するよ。」
惠子はにやりと笑って寝ている兄の方を見やる。
「びっくりしたよ。あんた抱えた兄貴が帰ってきたときは。
汗だくになってさあ、必死な形相でさ。」
「・・・。」
その様が想像できて、心が痛む荻上。
それと同時に、うれしさもこみ上げる。
「で、どうするのさ。」
「どうするって・・・。」
「兄貴の告白、咲さんと大野さんから聞いたけど。
 付き合うのかってきいてんの。」
「・・・・付き合います。」
少し笑みを浮かべた表情で惠子の言葉を肯定する荻上。
370正夢〜恋は夕暮れ【6/11】:2005/12/26(月) 01:58:39 ID:???
「へえ。なんだ、私の読み当たってたんじゃん。」
「でも、あの時点では付き合ってませんでしたから!」
「オタクとはなんちゃらって言ってたじゃん?
 まー、それはともかく。兄貴はいいやつだから。よろしくね。」
そういって、惠子は外に出て行く。
寝ている笹原の顔を見る。それだけで、今は十分だった。
「・・・あ。荻上さん。起きてたんだ。」
笹原が目を覚ます。大きく伸びをした後、肩をならす。
「体、大丈夫?」
「ええ。もう大丈夫です。迷惑おかけしました。」
「ん?いいよ。気にしないで。」
そうやってやはり笑う。
「・・・・。あの・・・。」
「ん?ああ・・・。」
少しの沈黙。荻上が、声を絞り出す。
「私は・・・。やおいが好きで・・・。
 人を傷つけて・・・。わがままですけど・・・。
 それでも・・・。好きなんですか?」
「ん。そうだよ。わがままはお互い様だし。
 荻上さんはいつも一生懸命だし、現視研で本出したときも、
 すごく頑張ってくれたじゃない。とてもうれしかった。
 それに、いつも頑ななのに、どこか、脆く見えてさ・・・。
 ほっとけない。そう気付いたらそう思ってた。」
微笑みながらの笹原の言葉。
荻上は、その言葉に顔を満面に赤くした。
そして自分のことをここまで見てくれて、
その上で自分のことを好きになったこの人のことを大切にしなければ、と思った。
371正夢〜恋は夕暮れ【7/11】:2005/12/26(月) 01:59:51 ID:???
「私も・・・。笹原さんが好きです。」
面と向かって言われ、顔が赤くなる笹原。
「でも、傷つけたくないから・・・。付き合いたくなかった・・・。
 なのに笹原さんは自分を信用しろって言うんですね。」
「うん・・・。ごめんね。」
「謝らないでください!・・・わかりました・・・。」
「え?」
「信用したかったんです。本当は。でも・・・。怖かったから・・・。」
表情を沈ませる荻上。笹原は言葉が出ない。
「・・・。」
だがその後、すぐに顔を上げ、少し微笑んで荻上は言う。
「でも、もう逃げません。」
「それって・・・。」
「笹原さんと・・・、付き合いたいです。」
「ほ、本当?」
「はい・・・。いいですか・・・?こんな私で・・・。」
「いいもなにもないよ。勿論。はあ・・・。」
ため息をついて、安堵の表情を浮かべる笹原。
「こううまくいくとは思わなかったよ。」
「・・・きっと後悔しますよ?」
「ん。大丈夫。色々あるだろうけど・・・。きっと、楽しいよ。全部。」
「だったら・・・。いいですね・・・。うふふ・・・。」
満面の笑顔を浮かべる笹原に対し、荻上も、笑う。
目に光が宿る。
その表情に鼓動が早くなるのは笹原。
(うあ、始めてみたかも。荻上さんが笑うところ。)
372正夢〜恋は夕暮れ【8/11】:2005/12/26(月) 02:01:07 ID:???
「じゃあ・・・。これから・・・。よろしくお願いします・・・。」
「ん?ああ、そうね・・・。こ、こういう時どうするもんなのかな?」
「え、え?わ、私にわかるわけないじゃないですか・・・。」
沈黙が二人を包む。
(え?普通にしてればいいのか?何をするって?え?え?
 ゲームじゃここから普通は・・・。)
(やべ。わがんね。付き合ってすぐって何するもんなんだ?
 別に何もしないものなのか?それとも・・・。)
悩む二人の視線が交わされる。見詰め合う二人。
二人の距離が縮まる。
少し・・・。少しづつ・・・。
唇が触れそうになったその瞬間・・・。
「おー!元気になったって!!・・・・って。」
咲。扉を開けて最高に最悪なタイミングで登場した。
「え・・・?何かあった・・・。おい?」
「どうかしまし・・・。えええ?」
その横から斑目と大野も顔を出す。
二人は視線を三人に向けたまま固まる。
「あー、ごめんね?お楽しみの最中でしたか。すまんすまん。
 ・・・続きどうぞ。」
「できるわけないじゃないですか!」
荻上の叫びが軽井沢に轟いた。
373正夢〜恋は夕暮れ【9/11】:2005/12/26(月) 02:02:24 ID:???
次の日。みんなは一緒に観光をしていた。
「よかったじゃない。」
「あはは・・・。本当、感謝してます。」
「たぶん笹原が頑張ったからだよ。私たちだけじゃどうもならなかったって。」
そういって咲は前の方で大野と一緒に会話をしている荻上を見た。
髪は完全に下ろしていた。服はワンピース。咲が荻上のために用意したものだった。
その服には帽子が良く似合う。
「そういってもらえると・・・。」
「どうやって説得したのさ?」
「ん・・・。一緒にいたいって。ただそれだけ。」
そういって笹原も前にいる荻上のほうに、優しい目を送った。
「でも、すぐはなれちゃうことになるね・・・。」
あと六ヶ月。卒業まで。
「うん。だからこの六ヶ月、できる限り一緒にいようと思うんだ。
 まだきっと心に残ってるから。消えてないだろうから。
 その間に、少しでも心が軽くなれば・・・。」
「聞いたの?」
「んー。具体的には聞いてない。でも、それでいいと思う。」
「そっか・・・。」
いずれ、荻上は自分からそのことを言うだろう。
そのときは、きっと二人の心が本当に通い合ったときだろう。
374正夢〜恋は夕暮れ【10/11】:2005/12/26(月) 02:03:22 ID:???
「なーんか、かっこよくなっちゃって!」
「へ?」
「始め合った時とぜんぜん違うじゃん。」
「あはは・・・。いろいろ、あったからねえ・・・。」
「笹原さん・・・。」
「ん?」
気付くと目の前には荻上がいた。
「あの・・・。そ、その・・・。」
「なに?」
「なにじゃねーよ、笹原!一緒に歩きたいんだろ!
 ったく、そういうところがまだまだだねえ・・・。」
咲が苦笑いで笹原をけしかける。
「あ、あー。ごめん。一緒に行こう。」
「は、はい。」
そういって二人は先に進む。
375正夢〜恋は夕暮れ【11/11】:2005/12/26(月) 02:04:58 ID:???
「・・・うまくいったじゃねえか。良かったなあ。」
近くには斑目がいた。
「そうだけど、二人が大変なのはこれから。でも、荻上、表情良くなったよね。」
「ああ、それは俺でもわかる。目が生きてるよな。」
昨日から、荻上の目は少し変わっていた。光が小さくだが、宿った。
「ん。まあ、色々あるだろうけどさ、笹原なら大丈夫じゃない?」
「うん、大丈夫。笹原君ならね。」
高坂も現れて会話に混ざる。
「でも、荻上さんを不幸にしたら許しません!」
「うわ!いつのまに!!」
気付くと後ろに大野と田中がいた。
「まあ、これからこれから。大野さんも長い目で見てあげなよ。」
田中が大野の発言に答えていった。
「兄貴が彼女持ちかー。よく考えてみたらすごいことじゃん。」
惠子も近づいてきた。
「んー。一段落だね。後は笹原にお任せだね。」
咲がそういった後、みんなで二人の方を見る。
そこには、今まで見たこともないような笑顔の荻上がいた。
376正夢〜恋は夕暮れ【オマケ】:2005/12/26(月) 02:06:19 ID:???
「あ、笹荻にクッチー接近。」
「写真とってますね。」
「荻上さんが普通に対応してるね。」
「・・・・何枚とるつもり?あの人。」
「やべ、荻上さんが切れそう。」
「撮るたびイエー!イエー!いってればなあ・・・。」
「ああ!ついに怒った!」
「お。でも笹原ナイスフォロー。朽木君しょんぼりして戻ってきます。」
「あはは・・・。
 しかし、ああいうちょっとしたことでもうまくいきそうな予感はするね。」
377正夢〜恋は夕暮れ【後書】:2005/12/26(月) 02:09:09 ID:???
今月号は、今後のハッピーエンドを匂わせる終わり方でしたね。
でも、そう簡単にトラウマって消えないよな?
ってことで、今後頑張ろうエンドにしてみました。

難しかったよー。でも何とか形にできました。
378マロン名無しさん:2005/12/26(月) 02:12:32 ID:???
必ずしもトラウマを消さないといけない、ってわけじゃないからなー。
まず拠り所を作って、後は時間をかけて解決していこう、って話じゃないのかな >本編
379げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:19:36 ID:???
>>347
ありがとうございます。
点灯夫って言葉はじめて知りました。GJ!
>>358
ありがとうございます。
センチなのは読むと、心が洗われる気がします。
>>361
ありがとうございます。
いいですよね、ハッピーエンド。やっぱお話は、
めでたしめでたしが好きです。
では、続き投下します。
380げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:20:23 ID:???
 二人が歩いていると、前方から奇妙な格好をした人達が道で途方に暮れて
いました。
 一人はまるで軍服のような服装、一人は西洋に伝わると言われる冥土服と
呼ばれる物、そして最後の一人は露出度の高い下着のような服と、猫の耳の
ような物を着けていました。
「どうしました?」
 笹原法師が尋ねると、猫耳の少女が答えました。
「この先の峠道で物の怪に服を取られて、無理やりこんな格好をさせられて
途方に暮れております」
 すると今度は冥土服の女性が口を開きました。
「お坊様! こんな格好のままでは恥ずかしくて旅を続けられません。お願
いですから私達の服を取り返して下さいませんか?」
 冥土服の女性に詰め寄られて、それほど悪い気もせず、笹原法師はつい了
承してしまいました。
「……お師匠様のスケベ……」
「い、いや、だって困ってる人は放っておけないでしょ?」
 笹原法師は、しどろもどろな返事を返し、赤くなった顔をパタパタと扇ぎ
ました。
381げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:20:54 ID:???
 この後、笹原法師は小一時間かけて荻悟空を説得し、何とか件の峠道にた
どり着く事が出来ました。
「ここが彼らの言っていた場所みたいだね、確かに禍々しい妖気が漂ってる
よ」
 なにやら怪しげな気配漂う中、笹原法師と荻悟空は進んでいきました。す
ると、どこからか誰かの泣き声のような物が聞こえてきました。
 声のする方へ行ってみると、そこには旅芸人のような格好をした一人の女
性がうずくまっていました。
「ど、どうかしましたか?」
 笹原法師が聞くと、女性は答えました。
「じ、実は、この峠道を歩いていたところ急に物の怪に襲われまして、驚い
て逃げてきたところ足を挫いてしまったのです」
「そ、それは大変だ。さぁ俺の肩に?まって下さい」
「危ないお師匠様!」
 笹原法師が女性の手を取ろうとしたその時、急に荻悟空に突き飛ばされま
した。
「げふぅ!」
 笹原法師は身体が一瞬九の字に曲がり、壁に激突しました。
382げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:21:26 ID:???
「げほっげほっ! な、何? 一体どうしたの?」
 息も切れ切れに笹原法師は聞きました。
「危なかったですよお師匠様、もう少しでこの物の怪の攻撃を喰らう所でし
た」
 荻悟空が見ている先に目をやると、先ほどまで笹原法師のいた場所には、
見たことも無い衣装が落ちていました。
「えーと、もしかしてこの人が?」
「そうですお師匠様。危うくコスプレさせられるところだったんです!」
(コスプレの方がダメージ少なかったような気がする)
 笹原法師はそう思いましたが、口には出しませんでした。
「あーもう! もう少しだったのに!」
 女性は毒づくと、すっと立ち上がりました。
「お前だな! 道行く人々にコスプレを無理強いするという物の怪は! 名
は何と言う!」
 敵意むき出しの荻悟空に女性は冷静に答えました。
「私の名前は大野加奈子といいます。まぁ天界時代は八戒って呼ばれてまし
たけど」
383げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:22:12 ID:???
「八戒? 聞いたことあるぞ! 確かコスプレが趣味で天界を混乱に陥れた
物の怪がいるって。お前、あの八戒加奈子か?」
「ええ、たぶんその八戒だと思います」
「……あのー、話が全然見えないんですけど……」
 置いてかれるのに耐えかねた笹原法師が口を挟みました。
「お師匠様、こいつの名は八戒。コスプレ好きの変態豚の物の怪です」
「誰が豚ですか!!!」
 八戒加奈子は激怒しました。
「豚の物の怪を豚と言って何が悪いんですか? 豚は豚でしょうが!」
「私のどこが豚だって言うんですか!?」
 荻悟空は一瞬言葉に詰まり、視線を逸らし言いました。
「……胸とか(ぼそっ)」
「……は?」
「胸とかですよ! 何でそんなにでかいんですか!! あからさまに必要じ
ゃ無いです! 贅肉ですよそれ!!!」
 八戒加奈子は、にやりと笑いました。
「あー、もしかして妬みですかぁ?」
「ち、違う!」
「どーこーがー違うんですか? 小さいですもんねぇ、荻悟空さんは。心が
小さいと胸も小さくなるんですよぉ」
 二人は笹原法師がいる事も忘れ、口げんかをはじめてしまいました。
384げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:24:01 ID:???
「そんなの聞いた事もありませんよ! そ、それに、大きければ良いっても
んでもないですよ。小さい利点って物もあるんです」
「へぇ、どんなぁ?」
「そ、それは……。は、走る時に邪魔にならない! とか……」
「あらあら、そんな理由なの? まるでお子様ですねぇ。負け惜しみは見苦
しいですよー、お・さ・る・さ・ん(はぁと)」
 ピキッ!
「誰がサルだー!!!」
 怒りが一気に爆発した荻悟空は、頭の筆を抜き取ると軽く振った。
 すると、見る見ると筆は変形し、あっと言う間に一つの棒に変わっていき
ました。
「この如意棒で叩きのめしてやるぅ!!」
 半分涙目で襲い掛かる荻悟空。怒りに我を忘れた攻撃は八戒加奈子に当た
るわけもなく、悠々と避けられていきました。
「くそっ! くそっ!」
 ただひたすらに感情に任せて攻撃を繰り出す荻悟空は、ついに足を滑らせ
転んで気を失ってしまいました。
385げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:24:30 ID:???
「あらら、勝手に自滅してしまいました。……この隙にコスプレでもさせち
ゃおうかしら」
 懐から衣装を取り出す八戒加奈子。しかし、その行動は実行に移される事
は無く、代わりに八戒加奈子の首にチョーカーが取り付けられました。
「……え?」
 八戒加奈子は不思議そうに後ろを振り向くと、そこには苦笑を浮かべた笹
原法師が立っていました。
「あのさ、今まで俺の存在忘れてたでしょ」
「……あ」
「……やっぱり」
「そ、そんな事より、こんなチョーカー一つで私を縛れるとでも思っている
んですか?」
 そう言うと、八戒加奈子はチョーカーを外そうとしました。するとどうで
しょう。急に耳元で何かが囁きはじめました。
386げんしけん西遊記:2005/12/26(月) 02:25:00 ID:???
『パンパカパーン! ただ今より、朽木如来のお説教タイムどぇーす』
「いやぁー!!! 何なのコレぇ!」
「あー、やっぱり。それ、如来様から貰った物なんだ。困ったら使えって言
われてて」
「は、外してくださーい!」
「ごめん、外せないんだ。如来様が言うには、天竺に着くまで外れないって
言ってたから」
 八戒加奈子は本気で落ち込みました。やがて気を取り直すと、こう言いま
した。
「わ、わかりました。私も旅に同行します。連れて行ってもらえますね!」
「え? あ、うん。大歓迎だよ」
 こうして仲間に八戒こと、大野加奈子が加わり、一行は天竺を目指し旅を
続けるのでありました。

                      一応、続きかな……
387マロン名無しさん:2005/12/26(月) 02:26:28 ID:???
>>げんしけん西遊記
いいよーいいよー!
オモシロスwww
乙&GJ!
笑えるパロディは心の清涼剤だなあ。
388マロン名無しさん:2005/12/26(月) 02:57:31 ID:???
>>364-376
「追いかけて再告白シーンを書く」って同じ条件なのに、やっぱり全然違うものですね!
長編乙!そしてヴェリGJ!!
もう、タイトル見た瞬間に読まずにスピッツのDVDセットしてから読みましたよw
過去話は聞かない所とか、わがままというなの意志力とか良かったです。

やーやっぱ僕も書き足りないわ…。全力投入したつもりでも。


>>380-386
西遊記続編キタコレのGJ!!
オギー嫉妬かわいいよオギー。
389マロン名無しさん:2005/12/26(月) 06:36:21 ID:???
増えてる増えてる!
しかも次号予想的SS早くも2本!
年内はチトきついが冬休み中には新スレ立ちそうな勢いだ!
感想が追っつかなかった分をまとめてレスしますです、ハイ。

>同人誌売りの少女
夢オチって基本的にはアカンと思うが、今回は許可&GJ。
でも荻上さん、火付けは重罪だよ。
一つ間違えたら咲ちゃんの二の舞だ。
それにオタクなら、イブの夜こそ禁欲すべき。
ネロとパトラッシュの命日なんだから。
>げんしけん西遊記
オギー孫悟空と笹三蔵法師はともかく、大野八戒と朽木如来ですか・・・
ナイスキャスティング!(大野さんは怒りそうだが)
クッチーの長ーい説教はキツそうだな。
ある人があるSMクラブの女王様たちと「1番キツい拷問は何か?」という議論をした時、「縛られて1日中デーブ・スペクターにギャグを聞かされる」という結論に達したそうです。
クッチーの説教はそれを軽く凌駕しそう。
>点灯夫>正夢〜恋は夕暮れ
まとめてでスマン。
点灯夫の感想は実は書き込んだのだが、正夢〜との比較プラス追記ということで1つご容赦を。
早くも意見が分かれましたな。
トラウマを話す前者と話さない後者。
どちらもそれぞれ一理あり、どちらも有りそうです。
恋愛スキルの乏しい笹やんなら、トラウマを知った上で付き合う方がいいかもしれない。
その一方で知らぬまま荻上さんの全てを包み込み受け入れる、そういうやり方の方が笹やんらしいかもしれない。
甲乙つけ難いです。
あとアナザーストーリーのクッチー、カワイソス。
クッチーよ、年に何回かしか怒らない人が怒った時は怖いのです。気をつけよう。
あとげんしけんの皆さん、クッチーが野生化する前に入れてやって下さい。
390マロン名無しさん:2005/12/26(月) 09:27:53 ID:???
くはー! 予想SS増えましたねー!
そうか、あの扉絵は咲ちゃんが買ってきたものって見方もできるんですね……
ってことでそっから妄想膨らませました。トイレでウンコしながら携帯片手になにやってんだ俺wwwwww
携帯からなんで乱文かもしれませんがおねがいします。突発的なものなんでタイトル無しですが。
391マロン名無しさん:2005/12/26(月) 09:28:58 ID:???
咲「あ、おはよ もう……うん、大丈夫だね」
荻「……ご迷惑をおかけしました」
咲「身体だけじゃなくて心も良くなったんじゃない?」
荻「はぁ……おかげさまで」
咲「あ、そうだ! お前に渡したいものがあるんだった! ちょっと待ってろ」
荻「?」
咲「ハイ! コレお祝いだから」
荻「? なんすかコレ」
そういって袋の中を見る
荻「……ん……ワンピース?」

咲「せっかくの旅行なんだしもっとかわいい服着せたいなって思ってね ほらお前こういうの持ってないだろうし」
荻「……いや、ありがたいっすけど……いいんすか?」
咲「ただし今日はそれ着ること! 男物みたいなのに逃げんなよ」
荻「はぁ……こんなの着たことねえや……」
大「あ、おはようございます」
咲「おはよー」
大「それじゃ私からもこの帽子を……」
荻「い、いや……その……そんなにしてもらっちゃ悪いですよ!」
咲「ん? 笹原も喜ぶと思うよ?」
荻「あ……じゃ、じゃあ……」
大「くすっ」
咲「それじゃさっそく着てみようか」
392忘れてました→(2/2):2005/12/26(月) 09:39:18 ID:???
荻「………どうですか? なんかスースーする……」
咲「うわ……これは我ながら…… (ちょっとオタっぽいの選んだのが逆に良かったのか!?)」
大「きゃあああ! かわいいですっ!」
荻(赤面)「……え……あ……」
咲「……おーい! 笹原ちょっと来てー!」
荻「!!! ちょ、やめ……」
笹「な、なに? ……へ? あ、あ、あれ? 荻上さん?」
荻(赤面)「………………」
咲「(……うん……この二人はこれから上手くやってけそうだな)」
大「(笹原さんは幸せ者ですね……うふふ)」
リビングに向かう咲
咲「じゃあ今日は予定通り記念撮影するからね 田中よろしく」
田「……あ、実は昨日からカメラの調子が……」
咲「えー? じゃあどうすんのよ」
朽「ワタクシのデジカメの出番ですな!」
咲「……しゃーないか……じゃあクッチーよろ」
朽「ハラーショ! ハラーショ!」


であの扉絵、と
393マロン名無しさん:2005/12/26(月) 14:03:35 ID:???
この怒涛のSSラッシュは何事か!
皆さんGJ且つ乙です

今月号を読んで、とうとう私の脳ミソも煮えくり返ってしまったようで
もう予想を通り越して只の妄想垂れ流しですがご勘弁願います
どうにかして頭の中を掻き出さないとおかしくなってしまいそうで…

※VIP STARをお持ちの方は聴きながら読んでもらえれば
より一層お楽しみ頂けるかと思われます
394【それなんてエロゲ】(1/21):2005/12/26(月) 14:04:41 ID:???

何で逃げてんだ私…

…今更戻れねえし…

顔も合わせられねぇ…

謝れねぇ…けど…

謝らねえと…そして…


…また傷つけるのか…?


…だめだ、私じゃ…

迷惑だって…

最低だ…
395【それなんてエロゲ】(2/21):2005/12/26(月) 14:05:18 ID:???

俺何で走ってるんだ?

そりゃ荻上さんを連れ戻しに…

でもさっき振られたばっかなのは

もう分かりきってるけど…

何て話せば…

…いや

そんなことより…ついさっきまで寝てたのに…

あのままじゃ風邪ひいちゃう…

放っておいたら何処に行くのか分からないし…


まさか…川に飛び込んだり…

……!
396【それなんてエロゲ】(3/21):2005/12/26(月) 14:05:50 ID:???

荻上 「笹原さん……」
笹原 「…ハァ、ハァッ……」

 ようやく追い付いた橋の上で、荻上さんが振り返る。
名前を呼ぼうとしても、喉がひりついて声が出ない。全速力で走ったのなんて、何年ぶりだろう。

荻上 「……何しに来たんですか…」
笹原 「……ハァハァ……何って……」
荻上 「……」

 言葉が続かない。
連れ戻しに来た、なんて言った所で、今の彼女が素直に頷いてくれるだろうか。
それが先程あんな事を言った相手だったら、尚更だ。

荻上 「さっき言ったじゃないですか… 私は男の人とはつき合わないって…」

 改めて聞かされると堪(こた)える。
拒絶されてる以上、一体俺に何が言えるんだろう。無力感が募る。

笹原 「あ……ごめん……」

 結局反射的に漏れる言葉。自分で自分が情けない。

荻上 「……なんで謝るんですか」

 だって荻上さん、そんなに辛そうな顔をしているのに。
 今は目の前にいる君を、ただ安心させてあげなきゃいけないのに。

 何も出来ない。 なんの言葉も浮かばない。

 今謝ったって何にもならないのは分かっているけれど。
397【それなんてエロゲ】(4/21):2005/12/26(月) 14:06:32 ID:???

荻上 「悪いのは私です」
笹原 「…どうして!?」

 俺の視線から少し目をそらしつつ、荻上さんが答える。

荻上 「せっかく優しくされても……、………また裏切っちまう…」

 …一体何の話だろう?
 ……荻上さんが?裏切る?誰を?

荻上 「もう怖いんです…」
笹原 「え?……」

荻上 「…もう私の所為で、人を傷つけるのは怖いんですっ!!」

 今にも壊れてしまいそうな声で、荻上さんが叫ぶ。

荻上 「私と関わったら、ロクなことにならねえっす!!間違いないです!絶対に…!」


 今立っている場所からほんの数歩歩けば、荻上さんの場所まで行ける筈なのに。
 今の俺と荻上さんの距離が、ものすごく遠く感じる。

 この人は、ずうっと今までこうして、人との距離を測りながら生きてきたんだろうか。
 まるで、自分のトゲで仲間を傷つけないよう、臆病に生きるハリネズミのように。

 そんなの、あまりにも辛すぎる。
398【それなんてエロゲ】(5/21):2005/12/26(月) 14:07:03 ID:???

荻上 「絶対に…」
笹原 「そんなことあるもんかっ!!」

 思わず叫んでしまった。
 荻上さんは驚いた目で、俺の目を見つめる。

笹原 「こ、コミフェスで、荻上さんを見てたときっ…」

 視線があってドギマギしてしまい、舌が思うように廻らない。

笹原 「どれだけ、…どれだけ嬉しかったか!!」

 相手の目を見つめ返しながら、あの時の気持ちを。
 少しでも、ほんの少しでも、自分の気持を伝えられたら。
 そう心の底から思いながら、言葉を口にする。

荻上 「ふっ…は、ははっ」
笹原 「何も可笑しくなんかっ!…」

荻上 「嬉しいんす」

笹原 「え?」
399【それなんてエロゲ】(6/21):2005/12/26(月) 14:07:45 ID:???

荻上 「笹原さんの気持ち、嬉しいんです」


 ドクン。

 一瞬、心臓が飛び跳ねる音が聞こえた気がした。
 微笑みを浮かべながら、荻上さんが話す。
 さっきコテージで見せた、どこかで何かを諦めきっているような、哀しい微笑み。

荻上 「でも駄目なんです」
笹原 「…」
荻上 「もう、決まってるんです」
笹原 「荻上さん、何を言って…」

 荻上さんの言葉と表情に気を取られていた俺は、すぐに後悔することとなる。
 気付いた時には、荻上さんが橋の柵を跨いだ後だった。

荻上 「来ちゃ駄目です!それ以上来たら…」
笹原 「だっ、駄目だよ、荻上さん…!」
400【それなんてエロゲ】(7/21):2005/12/26(月) 14:08:16 ID:???

 手を膝ほどの高さの柵の手摺りに引っ掛けて、つま先だけ地面に乗せながら、
こちらを今にも泣きそうな目で睨んでくる。いつ川に転落してもおかしくない。

 ここからもし落ちれば、一体どの位の高さなのか。荻上さんから目を逸らせず、確かめようも無い。
山の奥から、激しい滝の音が聞こえる。
 追いかけて来た時の嫌な考えが頭をよぎった。

笹原 「何で…!なんで、そんなにっ、荻上さん…、自分を…」

 なんて上ずった声だろう。一瞬自分の声か分からなかった。

荻上 「だって、…わがんねえんです!…」
笹原 「……」
荻上 「嬉しくても…駄目なんです…」

荻上 「もう、私、どしたらいいか…!」


(笑えば良いと思うよ)

 突然、ふっと頭の中に例のフレーズが浮かんでくる。

笹原 「わ…わら…」

(…こんな時に何浮かんでんだよっ!!馬鹿っっ!!)

笹原 「笑わなきゃ…!」
荻上 「えっ…?」

笹原 「そんな…嬉しいんだったら…笑わなきゃ…!」
401【それなんてエロゲ】(8/21):2005/12/26(月) 14:09:04 ID:???

笹原 「そういえば荻上さん…あんまり笑ったことないよね…」
荻上 「…」

笹原 「ずっとそうやって…、周りに壁作ってたの?」

 自分でも何を言っているか分からない。
 恥ずかしさを抑えるように、一気に話しかける。


笹原 「確かに、ヌルい部活だけどさ…」
荻上 「…」

笹原 「俺ら同じ部活仲間じゃん」

 いつもなら絶対言えないような言葉だと思う。
 俺じゃない別の誰かが喋っている感じだ。


笹原 「皆だって荻上さんのこと…好きだと思うし…」

 振られたことが頭をかすめて、とっさに”俺”を”皆”に置き換える。
 言っていることに間違いはないと思うけれど。

 荻上さんはまだ俺の方から目を離さないでくれている。

 話し掛けながら、気付かれないよう少しずつ、足を近づけていく。
402【それなんてエロゲ】(9/21):2005/12/26(月) 14:09:53 ID:???

笹原 「そんなに、自分のこと…責めないでよ」

荻上 「!」

 荻上さんの表情が変わった。
 自分の言葉が空回りじゃなかったと思えて、少しほっとする。

 あと一歩歩けば荻上さんに届く場所まで近づいた。


笹原 「とりあえず…、戻らない?…皆の所へ」

 そういいながら、そっと手を伸ばしてみる。


荻上 「…、……」


 荻上さんの視線が、俺の頼りない手へと落ちていく。

 そして。
 彼女の手が、だんだんと近づいて…
403【それなんてエロゲ】(10/21):2005/12/26(月) 14:10:29 ID:???

荻上 「ひゃっっ?!」
笹原 「!!」


 突然足場の土が崩れて、荻上さんがバランスを失う。
 近づいてきた手が、今までと反対の方向へ離れていく。
 まるでスローモーションのように。


笹原 「荻上さんっ!!」


 すぐに離れた手を追いかける。
 次の瞬間には二人とも地面から離れていた。


 相手の手を掴む。
 水が激しく跳ねる音がした。


 何も見えない中で、腕を引っ張り手繰り寄せる。
 身体の何処かが擦れたような痛みが走った。
 とにかくがむしゃらに水を掻く。
404【それなんてエロゲ】(11/21):2005/12/26(月) 14:11:16 ID:???

笹原 「っぱ、はぁ、ハァっ…、」

 水中から顔を出して、息を吸い込む。
 荻上さんは…。

 腕の中を確認する。
 きちんと、その存在があった。
 彼女を抱えたまま急いで、川原へと移動した。

荻上 「……ぷぁ、はっっ、ごほっ…っ、がはっ…」
笹原 「だっ、大丈夫!!?」

荻上 「…はっ、あ、いえ…、……ちょっと、水飲んだだけっす…」

 俺の呼び掛けに、荻上さんは答えた。
 どうやら、怪我らしい怪我も無いようだ。

笹原 「…は……良かったぁ…」
荻上 「…!!笹、原さ…」
笹原 「…ん?」

荻上 「…ち、…血が…」
405【それなんてエロゲ】(12/21):2005/12/26(月) 14:11:58 ID:???

 そう言われてから鉄くさい匂いに気付き、慌てて自分の顔に手を当てる。
 赤い。
 もう一度顔を触る。
 いったい何処から。

 しばらく出血場所を探すと、額の左上から目尻にかけて傷が走っていた。
 その場で傷を洗い、箇所をこする。うっすらと水で薄められた赤色。
 …どうやら浅い傷みたいだ。
 それほど大した痛みもない。

笹原 「…大丈夫、ちょっとこすっただけ…」


 ツー…


 荻上さんの目から、涙が頬を伝って落ちる。


荻上 「…う…うぅっ…」


 とうとう声を出して、泣き出してしまった。

 目を腕で隠しながら、必死に声を抑えようとして、嗚咽を漏らす。
 きっとこんな状況になってしまい、また自分を責めているのかもしれない。
406【それなんてエロゲ】(13/21):2005/12/26(月) 14:14:07 ID:???

 …こんな時、泣いている女の子に対して、一体どうすればいいのだろう。

 以前どこかで見たことがあるような気がする。
 何時だったかの、高坂君と春日部さんの姿がちらついた。

笹原 「ごめっ…」
荻上 「!!」

(声でねぇぇっ…)

 行動に移すべきか考える前に、体が先に動いてしまった。
 荻上さんの頭を抱え込む。
 

笹原 「ご、ごめんねっ…」

荻上 「うっ、ひぐっ、なんであやっ、まるんす、かっ…」
笹原 「いや、その…」

荻上 「わたすの、せいでっ……けが」
笹原 「…じゃなくて!…そうじゃなくて…」


 そうじゃなくて…何か言わないと…
 ……あの時、高坂君はなんて言ってただろう?

 ………
 そういうこと?


 …そういうことなのか。
407マロン名無しさん:2005/12/26(月) 14:14:39 ID:???

荻上 「わげ、わがんねっ…」
笹原 「荻上さんのこと!」

笹原 「気付いて、あげっ、あ、あげられなくて」


笹原 「ごめ…」
荻上 「…っう、うぅ…ぁあっ、うわあっ…」


 全て言い終わる前に、彼女は泣き崩れた。


荻上 「うーっ…、ぁう…ひぐっ…ぁっ…ひはっ…」

 背中に、彼女の腕が廻ってくる。
 自分の腕の中で泣きじゃくる声に、胸が痛む。

荻上 「はぁ…も、怖くでぇっ…はっ…ぅあ…」
笹原 「…うん」


 ただ頷くことぐらいしかできない。

荻上 「えぐっ…ひぃ、う…」

………
〜〜
408【それなんてエロゲ】(15/21):2005/12/26(月) 14:15:20 ID:???

〜〜
………

笹原 「お、…落ち着いた?」
荻上 「…」

 辺りが静かになり、
 今まで意識へ入ってこなかった音に包まれた。
 ひゅう、と風の音が聞こえる。

荻上 「寒…」
笹原 「あ…」
荻上 「い、いや!何でもないっす…」

 周りには何も風避けになるようなものがない。
 彼女の頭に回していた腕を背中に回す。
 少しでも寒さをしのげるように自然と力がこもる。


荻上 「先輩…苦しい」
笹原 「あっ…ごめ…」

 そう言われ、とっさに腕を放す。
 密着している状態じゃ息もできない。当たり前だ。
 …セクハラまがいのことをしてしまったのでは。
 急に不安になる。
409【それなんてエロゲ】(16/21):2005/12/26(月) 14:16:03 ID:???

荻上 「…さっきから…、謝って、ばっかりですよ…」

 腕を放した筈なのに、荻上さんと俺との距離は離れない。
 荻上さんの腕は俺の背中に廻ったままになっている。


 …もしかして、ものすごくありえない状況では。

 そういえばお互いの服がびしょ濡れのままだ。

 シャツが腕に張り付いて気持ち悪い。


 ……。

 やはり荻上さんの服も…。

 …さっきから胸の辺りに感じるやわらかいようなものは…


 ………。
410【それなんてエロゲ】(17/21):2005/12/26(月) 14:16:41 ID:???

笹原 「は…、早くもどろっか!か、風邪引いちゃうし…」
荻上 「…りたくねっす」
笹原 「え!?」


 一瞬自分の耳を疑う。


荻上 「戻りたくないです…」

笹原 「…でも…」
荻上 「…もう少し、こんまま…」
笹原 「!…?!」


 背中から、力が服越しに伝わってくるのが分かる。


トクン


 自分の心臓の音が聞こえる。…それしか聞こえない。


ドクン


 こんな大きな音、相手にも伝わってしまうんじゃないか。
411【それなんてエロゲ】(18/21):2005/12/26(月) 14:17:20 ID:???

笹原 「お、荻上さん!?」

荻上 「先輩…」


 か細い声を漏らしながら、荻上さんが上目で見つめてくる。

 …こんな表情、見たことが無い。


笹原 「…荻上…さん…」


 名前を呼びながら、彼女の肩に手を乗せる。
 改めて、小さな身体だと分かり、何だかとても愛おしくなる。
 ずっとこの小さい身体で、周りに虚勢を張りながら頑張って来たんだろうか。


 …もう、無理しなくたって大丈夫だよ。
 そんなことを思う。


 …自然と、顔が近づいていく。


荻上 「…だ…駄目っすよ!」

 荻上さんの突然の制止に、ふと我に返る。
412マロン名無しさん:2005/12/26(月) 14:17:54 ID:???

荻上 「さ、さっき…、吐いたばっかですしっ!」

 そういいながら二人の間に腕を挟み、押し返される。
 少しだけ距離が離れる。


荻上 「っ…、何でそんなこと言わせるんですか…」


 泣きそうな顔で、そう俯きながら零す。
 濡れた髪のせいか、曇りがちの表情がより健気に見えた。
 まるで落ち込んだ子犬みたいだ。


 …可愛い。


笹原 「…ごめん」
荻上 「え…?」


笹原 「…もう我慢できないや」


 そういいながら、目をつむって顔を近づける。


 ほのかに唇に当たる感触。
413【それなんてエロゲ】(20/21):2005/12/26(月) 14:18:30 ID:???

高坂 「なんてことになってたり」
斑目 「…それ何つーエロゲー?」
咲  「……ちょっと…キャラが違うような…」
大野 「高坂さん仕事のしすぎじゃ?」
恵子 「…ハハ……」
朽木 「タイトルは"おぎちん"とかドーデスカ?」
田中 「ありそーで嫌だな…」
朽木 「名前に引っ掛けてふたなりモノなんかイケそーな」

男一同「…………」

恵子 「何それ?」
咲  「…さぁ?」
大野 「…ちょ//……ちょっと!」

朽木 「… (うゎ、ハズしちゃったかにょー…)」
斑目 「朽木ー、後ろ、後ろ…」
朽木 「…はい?」

笹荻 「……………」
朽木 「……(大汗」
一同 「………………………」

荻上 「人が居ない所でなんの話してるんですかっッッ!!!!」

咲  「…何で二人とも濡れてんの?」
荻上 「へ?…!! …/////や、…あの、そのっ…」
笹原 「…ふぁっ……ックシュン!!」
414【それなんてエロゲ】(21/21):2005/12/26(月) 14:19:29 ID:???

翌日。


大野 「そんな曇り顔じゃ駄目ですよ荻上さん!」
荻上 「でも…私が原因で…」
咲  「いーからいーから!!笹原は男共に任せとけって!」


大野 「そこじゃ映りませんよ!せっかく可愛いワンピースなんですから!!」
荻上 「先輩、ちょっ…、引っ張っちゃ…」
恵子 「おーい、撮るよー」


           『パシャッ』
415マロン名無しさん:2005/12/26(月) 14:21:43 ID:???
ナンダコレ ('A`)

やはり扉絵は三日目ですよね とても来月まで待ちきれん…
こんなに正月が恨めしく思ったことは無いです

まあもしかしたらこんな展開もあるある……ねーよwww
ということでひとつ
416マロン名無しさん:2005/12/26(月) 14:27:23 ID:???
初めて投下中にリアルに読んだ。
だが残念ながら今から仕事だ。
詳しい感想は後ほど。
とりあえずGJ!
417木尾:2005/12/26(月) 15:06:30 ID:???
>>364-376
メモメモ
参考になるなぁ
418木尾:2005/12/26(月) 15:34:35 ID:???
>>364->>376
よし、これを参考に(インスパイア)斜め上に行こう!
スケジュールぎりぎりだな…

>>417
君は誰だ!?
419木尾:2005/12/26(月) 16:03:00 ID:???
>>418
お前こそ誰だ!
420マロン名無しさん:2005/12/26(月) 17:10:53 ID:???
またまた木尾さんたちキ(ry
421マロン名無しさん:2005/12/26(月) 17:38:01 ID:???
>>420
何故に『た』だけ略したのかが気にな(ry
422マロン名無しさん:2005/12/26(月) 18:40:24 ID:???
>>421
何故に『る』だけ略したのか気にな(ry
423マロン名無しさん:2005/12/26(月) 18:42:05 ID:???
>>364-377 >>391-392 >>393-414
イイヨ、イイヨー。次々と投下される予想SSみな独自のげんし味な
ドーパミンが脳内から出まくってるのが生っぽくてリアル〜・・思わず
漏れもアッチの世界に飛んで笹やんになりたい気持ちでいっぱいです!!!GJっ!!

>>379-386
お釈迦様にクッチーを持ってきたトコがスゴスww なんてマッチングなんだww
クッチーパワーで一気にオーノもオギーもタジタジになるとこなんかもうバロスwww

>>417-419
最近は木尾降臨ネタも落ちと考えて良いのかなw
ねっ木尾3兄弟?(必ず三人出てくるから)
424マロン名無しさん:2005/12/26(月) 19:15:00 ID:GDOD2nxC
>>423
本人さんたちキター

「たち」ワロスww

まででワンセットと考えた方が。
いや、そこで締められるまで第4、第5の木尾さんが…
425マロン名無しさん:2005/12/26(月) 22:14:27 ID:???
>>391-392
扉絵1枚だけなのに溢れ出てますね。
携帯でって、我慢出来なさ感ありまくリング GJでした。

>>394-414
VIPPERクオリティ?いや…上手いし長いし、力作ですね。
飛び降りからの展開がこんなに熱いとは…!!
あーこっち書きゃ良かったかなと後悔しそうなぐらいでした。
読んで脳内麻薬が誘発されました。
426マロン名無しさん:2005/12/26(月) 22:33:20 ID:???
ちょ、ここの職人の方々は俺を発狂させる気ですか?
今月号の展開に堪え切れず心を沈めようとここにきたのに…
427マロン名無しさん:2005/12/26(月) 22:35:38 ID:???
>>426
ここは心を静める場所にアラズ。
だいたい書いてる人達も我慢できずにガス抜きしたくて書いてるのに
書いてる最中によけいに脳内麻薬が出て大変なことになってます。
読んだ人にも悪影響(?)がッ!!
428426:2005/12/26(月) 22:43:06 ID:???
そのようですね…油断してました。
しかも若干の中毒になるようでここに常駐しそうです…
誰か助けてくだしあ
429マロン名無しさん:2005/12/26(月) 22:47:20 ID:???
>>428
まとめスレを読んでみるとか
http://www7.atwiki.jp/genshikenss/
リクエストしてみるとか、自分でも書いてみるとか。
430426:2005/12/26(月) 22:55:17 ID:???
>>429さん
わざわざすみません。助かります。
これでしばらくの禁断症状を回避できるかな…
自分で書いてみる…ですか。
大学に行ったことのない二十の男には大学生活は勿論…か
男女の機微さえわからんとです
431マロン名無しさん:2005/12/26(月) 23:12:11 ID:???
>>430
そんなん俺にもわかるかーい!
とか>>429でもないのに言う俺。
そんな俺でも書けましたSS。
さあ、あなたもこちら側へ・・・。
432マロン名無しさん:2005/12/26(月) 23:16:23 ID:???
>>430
色々経験したオッサンにしか書けない物もあれば、今がタイムリーな若者にしか
書けない物が有るんじゃないかと思ったりする。

そもそも、振られた経験しかないのに告白成功SS書いたり、童貞なのに(ry
とか、経験して無くても書けるのでは…
好きな漫画とか歌とかからインスピレイション受けたり。

まあ、書きたい欲が溜まってしまう人間はいずれ書くと思います。
そういうの書く側の人間にはなり得ないと思ってたのに、ここで読むうちに
そしてアフタ本誌連載を読むうちに、気付いたら書いてしまってました。
433マロン名無しさん:2005/12/26(月) 23:17:06 ID:???
>>431さん
もう少し勉強させてもらいます。
そうしてるうちにきっと妄想が濃くなり
堪え切れず放出するでしょう。
ここにはそれだけの魔力がある…気がする
434426:2005/12/26(月) 23:21:55 ID:???
すみません↑自分です。
うわ433さんがまさに僕の代弁をしてくれてますね。
ヤラハタを迎えた高卒男の哀愁も作品に滲みでたらいいですねぇ
いずれ…いずれ!
435426:2005/12/26(月) 23:24:08 ID:???
間違えたぁ!433じゃなくて432でした!
すみません!
436マロン名無しさん:2005/12/26(月) 23:28:37 ID:GDOD2nxC
じゃあSSリクエストいいかな?
今月号の笹荻以外の行動を知りたいんですが…
437天使達の午後SS版:2005/12/27(火) 00:06:47 ID:???
すごい投稿ラッシュ!まとめてGJ!

>正夢〜恋は夕暮れ
ああ、キラキラ瞳を輝かせた高原のワンピのオギー!(涙)
早くこんな幸せな姿みたいですよね!

>げんしけん西遊記
続編乙!こんなオギーが見てみたい・・・。ああ胸が・・・。

>それなんてエロゲ
POPSTARの方を聞きながら読みました!ワロスwエロスw

皆さんの連作で俺の張り裂けた胸も癒されました。ここで自分も息継ぎのつもりで
評判のいい「天使達の午後」をSSで。それでも原作の間の取り方には及ばない
でしょうね(涙)

それにしても部員増えなかったらどうなるんだろ。この流れだと立ち直ったオギー
と大野がレイヤーとやおい同人作家を部員に増やして、男オタの聖域から女オタの
聖域に変貌しそう。タイトルも「傷だらけの天使達」・・・。朽木君は知らない・・・。

438天使達の午後SS版(1−2):2005/12/27(火) 00:10:30 ID:???
部室の扉のドアノブに手をかけて回すと、鍵がかかってることに気付いた。

斑「ありゃ、今日はまだ誰も来てないのか!」

部室のスペアキーをポケットから出し、部室の鍵を開けた。本当は卒業の時
点で保安上の為、大学に返却しなければならない事になっている。当然、ス
ペアキーの事は部員全員知っている。知っているがまあ・・・。

(誰もいない・・・)
あたりまえの事を考えながら、一番奥の席に座った。そこは無言の約束で会
長の席と決まっている。かつては初代会長の席だった。それが斑目の席とな
り、笹原の席となり、今では大野さんの席になっている。そしてまた無言の
約束で、現会長が不在の場合には前会長が座る事になっている。そして現会
長が来れば、やはり無言の約束でその席を現会長に譲る事になっている・・・。

コンビニで買った弁当を袋からガサガサ音を立てて出し、バクバクと食い始
めた。弁当箱のへこむ音、箸を鳴らす音、そして弁当を噛む音、それらだけ
が静寂の部室に鳴り響く。

やがて食べ終わり、やはりコンビニで買ってきたお茶を一服し、フーと大き
く息を吐き、窓際に目をやった。
439天使達の午後SS版(2−2):2005/12/27(火) 00:11:14 ID:???
(今日は席を移動する必要はなさそうだな・・・・)
物思いにふけりながら、ぼんやりと窓からの景色を眺めていた。遠くでは昼
休みの時間を割いて球技に熱狂する人たちの歓声が聞こえてくる・・・。春
の日差しは次第に強く感じられるようになってきた。部室の側の木々には小
鳥たちがさえずって、巣づくりをしている。

(我らが雛鳥たちはどうしてるかな・・・朽木君は知らない・・・)
ふと、反対側の校舎に目をやると、児童文学研究会の部室が目に入った。
(そういえば今年も新人ゼロって言ってたな。しばらくあの『儀式』もやっ
てないな・・・。児童研の知り合いも卒業したし、もう廃れちゃうのかな・・・。
荻上さん以来か・・・その前が笹原・・・。)
斑目はあの二人の『儀式』の光景を思い出し、一人クスクス笑った。

急に雲間から強い日差しが斑目に差し込み、思わず斑目は目がくらんで立ち
すくんだ。キーンと耳鳴りがして目眩(めまい)がした。はっと部室を見る
と、大勢の部員たちのにぎわう姿が目に浮かんだ。耳鳴りがやみ、静寂から
外の球技に興じる人たちの歓声が再び聞こえると、その残像は消えた。

斑「まあ、そういう日もあるさ・・・」
と斑目は一人言をつぶやき、ごみを片付け、誰もいない部室を後にし、再び
鍵をかけて職場に戻っていった。
440マロン名無しさん:2005/12/27(火) 01:40:11 ID:???
>>438-439
うん、斑目さんが主役を張るとなんてーか・・まんま感情移入できちゃうんだよね。
もっとも世間とオタとの狭間で苦悩を繰り返し、今も何かを期待しつつ生きる様は
涙無しには語れない。(ノД`)

漏れは小さな幸せを掴み損ねてしまったけど、斑目さんには幸せになってもらいたいよ。
441364:2005/12/27(火) 01:48:44 ID:???
みんな投下しすぎ!!ww
一日で相当数投下されてるしww
一応職場で感想レスはしときましたww

>>378
きっとね、トラウマは簡単に消えない。
田中も言ってるとおりだと思う。これから二人が解決する問題だと。
これから、ね。

>>388
タイトルをスピッツから取ったことがばれるとは・・・w
本当はラズベリーにしようかと思ったけど、イメージがエロ過ぎたんでやめた。
正夢の『どうか正夢 君にあえたら』と
恋は夕暮れの『恋は 昨日よりも 美しい夕暮れ』からイメージしました。

>>389
実は先月予想のときはトラウマ告白で書きました。あの一番なげーのです。
でも、何かそれ必要ねえかなと一月で意見が360度、おおっと180度変わっちゃいました。

>>390
荻の扉絵の服については、俺の私見、というか、本スレであった発言でした。

>>天使たちの午後
斑目ー。斑目はいつまで部室に来続けるんだろう・・・。
せつない感じ、今後の現視研に思いをはせてるイメージ、GJでした!

二日でここまで盛り上がるこのスレはすげえな。
今後も更なる作品がやってくるのだろう。wktkですよ!
読んでくれた皆さんサンクス!
442364:2005/12/27(火) 01:54:45 ID:???
>>437
そう、それが見たいっつーか、脳の中で動き回るんです。
だけど、俺に絵を書く能力はなくて・・・・。
ああああ!はやく来月になれい!
443マロン名無しさん:2005/12/27(火) 02:02:57 ID:X0jMBNss
>>天使達の午後
ふー、少しだけ斑目分が補給できた。
ありがとー。

ところで「天使達の午後」って初期エロゲーのタイトルだよね?
444マロン名無しさん:2005/12/27(火) 05:09:03 ID:???
仕事が終わって来てみたら、やっぱり増えてた。
>それなんてエロゲ
二人ともドボンですか。
普通なら山小屋か洞窟で一夜を・・・でも近場でしたな、残念。
笹やん、こんな時でも「笑えばいいと思うよ」が頭に浮かぶ君はオタクの鑑だ。
あと荻上さん、普通なら一緒に風邪ひいて仲良く寝込むことになりそうだが、やはり東北の人は寒さに強いのか?
(まあワンピ写真撮る都合上だと思うが)
「朽木ー後ろ後ろ」
斑目にしては珍しく呼び捨てだなと思ったが、「志村後ろ後ろ」に掛けたのかな?
何にせよ、チューしたようなしてないような、ご想像にお任せします的構成にGJ!
>忘れてました(それタイトルか?)
携帯でここまで書けるとは・・・腱鞘炎になりそう。
貴殿の執念に感服つかまつった。
それにしてもトイレからですか。
俺は文章書く時けっこう音読する方なんですが、あなたもそういうタイプだったら・・・
傍目には怖いかもしれないから気をつけましょう。
>天使達の午後
斑目愛に溢れてますなあ・・・
あの4コマからここまで話を広げるとは。
でも斑目君、合鍵はまずいよ。

あと大学のサークル生活や男女交際の経験が無いから書けないって人が居たけど、そんなこと言い出したら推理小説作家は全員前科持ちだ。
そこは様々なメディアから仕入れた情報と想像力で補うんだ。
荻上さんだって言ってたじゃないか。
「(経験無くても)同人誌見てれば大体わかります」って。
445 ◆9rae7Hwib2 :2005/12/27(火) 05:12:37 ID:???
>>436
おう!書いたぜ!今月の、笹荻以外の行動!
446遠い海から来たスー(1/3):2005/12/27(火) 05:13:43 ID:???
こんな事を考えるのは自分だけだと思っていた。
世界中で一人だけ。私だけの、誰にも言えない秘密。
女の子なのに、男同士の恋愛に心躍らせるなんて――

カナコには感謝している。その妄想が、私だけのものではないと教えてくれたから。
私は突然変異の怪物じゃない、仲間は世界中にいる。
トウキョウでは年二回、仲間達が集まってお祭りを楽しんでいる――。

スーは夏コミ以来、荻上の同人誌を何回も何回も読み返していた。

すごい。自分の考えるYaoiなど児戯に等しかった。
オギウエはきっと狂気に近い才能を持った天才に違いない。

近くの図書館で、アンジェラと一緒に日本語を必死に調べた。
原本を手に入れた時の、いつもの作業だ。
わからない単語は、図書館のパソコンで何日もかけて検索した。
全てのセリフを記憶し、そらで言えるようになった。

手持ちの同人誌を堪能しつくした時、彼女の中に人生の悩みが一つ生まれた。
日本に住みたい。でも、今すぐ行けるはずもないし、どうしたらいいのかもわからない。
親友のテディベアを抱きながら、毎日考えた。
そのせいで宿題を忘れて怒られたが、それでもずっと考えた。
447遠い海から来たスー(2/3):2005/12/27(火) 05:14:20 ID:???
日本の男性と結婚すれば、ずっと日本にいられるだろうか?
でも、日本ではOtakuは迫害されていると言う話を聞いた。カナコもいやな経験をたくさんしたらしい。
女の子の恥ずかしい写真を撮って喜ぶような悪い男性もいるという。
あてもなく探すというのはあまりにも分の悪い賭けだ。

…ゲンシケンの仲間なら、どうだろう。少しは…いや、だいぶリスクを回避できるのではないか。

一番感じが良かったのはササハラだけど、彼はオギウエのものだという。自分も二人はお似合いだと思った。
カナコはタナカサンに夢中だけど、自分には何がそんなにいいのか全く理解できない。
コーサカはハンサムだけど、サキを毎晩のようにいじめるらしい。そんな怖い男性は嫌いだ。
あとは…Sou-Ukeの彼。私がアニメのセリフを言ったら、すごく緊張して真っ赤な顔をしてた。
よくわからないが、自分に好意を持ってくれたのだろうか?悪い気分ではない。候補に入れておこう。
他には…思い出せない。誰か気持ち悪い人が視界の隅をうろうろしてたような気がするけど。
448遠い海から来たスー(3/3):2005/12/27(火) 05:15:08 ID:???
どうしようか。おそらく、今は人生の分岐点だ。
日本に行ってOtaku生活を満喫するか、それとも故郷で生涯を過ごし、
遅れた情報と限定された作品との出会いで我慢するか――

行動しなくては。
彼女はベアを放すと、両親のいるリビングに向かう。
決断は早い方がいい。

「あなた、スーは日本語を学びたいんですって!」
「おお、そいつはいいアイディアだ。本人のやる気は上達への近道だからな。」
これでいい。障害を1つ1つとりのぞき、日本の大学に入るのだ。
今から周到に準備すれば、計画は必ず成就するに違いない。
「ソシテ タンキュウノタビハ ハジマッター!!」
「まあ!もう日本語を憶えてるのね、スー!」
「ははは、これは将来が楽しみだな!」
地球の裏側で、スーの物語…もう一つの「ゲンシケン」が幕を開けたのだった――
449 ◆9rae7Hwib2 :2005/12/27(火) 05:17:12 ID:???
という話だったのでした。すいませんどうも。
450マロン名無しさん:2005/12/27(火) 06:14:27 ID:???
>>446->>448
>>436のリクエストとは微妙にニュアンスが違う気が・・・
まあいい、書けば官軍だ、GJ!

それにしてもスーが来るのは何年後やら。
それまでげんしけんが残っていればいいのだが・・・
451マロン名無しさん:2005/12/27(火) 09:13:27 ID:???
>>446->>448
ちょwwwおまwww
確かに笹荻以外だけどさあwwwGJww

こんな風に考えて日本来たらテラモエスw
ついでにアンジェラも持って来い!!ww
452マロン名無しさん:2005/12/27(火) 13:12:17 ID:???
>>447-448
GJ!
単行本四コマでスーの目覚め?出かけたんで、美味しくいただけちゃいます。
斑xスーもツルペタでOKですしw

> 誰か気持ち悪い人が視界の隅をうろうろ
漏れのクッチーが…orz
453394-414:2005/12/27(火) 14:56:04 ID:???
何かもう本当破竹の勢いですねこのスレw
読んでくれた方感想くれた方ありがとお

本誌読み終わってからは飛び降りルートが頭をかすめたんですが
いっそエロゲ風に書いてみよう、多少キャラに違和感があってもイイやと
書き始めてみたら思いきり甘々な話になって書いてる本人も
コイツ大丈夫か、クリスマスに一人で何書いてるんだorz って感じでしたが
少しでも楽しんで貰えれば幸いでつ
笹荻のキャラが違うと思って読んで引いてしまった方は正直スマンカッタ


>423
もうドーパミン垂れ流しす これは酷い死亡遊戯ですね

>425
いや住民では無いですけど! 熱いですか! 有難うゴザイマスイヤッホオオウ!!
SS書き終えたのに未だ俺の脳ミソも熱く煮え滾ってます 死ぬ…orz

>426
ごめんね 発狂させるような悪影響でごめんね

>437
エロスってw 最高級の賛辞w

>444
荻上は…、そう、東北人は寒さに強いから…きっと… 後付設定thx
朽木ーは掛けたんですがやっぱ君付けor志村のままの方が良かったかな?
ご想像構成へのGJアリガトウ SSに書いてあるのはあくまで高坂の想像なので
実際はさっさと川から上がって来たかもしれないし
もっとすごいことしてたかもわからんしということで
454マロン名無しさん:2005/12/27(火) 14:56:36 ID:???
>438-439
斑目は本当絵になるよなぁ 哀愁が上手く表れてる
4コマの料理の仕方も大変上手いです ご馳走様でした!

>446-448
GJw 着眼点ワロスww
ウホッ いい婦女子
455マロン名無しさん:2005/12/27(火) 15:37:26 ID:???
でもこのスレのSSのオギーは乙女だよね、全体的に。
女心ってもっとこう複雑怪奇なモンだと思うけど。
地図もなくコンパスも効かない樹海?みたいな感じでw
そこを情熱とほんの少しの好奇心で、時折差し込む陽の光だけを
頼りに進む素人探検家ササヤン。
そのうち慣れてきたら視界も開けて進みやすくなってくるかもだ。
でも油断すると思わぬとこに落とし穴があったりする。
456マロン名無しさん:2005/12/27(火) 15:48:25 ID:???
ここの保管庫ってない?
457マロン名無しさん:2005/12/27(火) 16:03:27 ID:???
>455
そこはほら、やっぱり女性経験の無い俺とかが書くと
必然的に願望とか入り交じって乙女になるというか… orz

ただ今月号とか見るとオギーがもの凄く乙女に見えるし、
そう思ってるのは俺だけじゃないと思ってたのだが
今月号のラストページなんか乙女そのまんまだし
オギー可愛いよオギー

だが複雑怪奇な荻心も見てみたいところ
誰か書いて下さい こればっかりは俺には書けぬ
458マロン名無しさん:2005/12/27(火) 16:05:39 ID:???
>>456
このスレを全部見たらいいことがあるかもしれない。
459マロン名無しさん:2005/12/27(火) 18:50:47 ID:???
>>456
げんしけんSSスレまとめサイト
ttp://www7.atwiki.jp/genshikenss/

最近よーやく出来立てのほやほや!エロパロは除外されてるケドね。。。
460マロン名無しさん:2005/12/27(火) 19:34:16 ID:???
>>459
エロパロ合祀ってアリなん?
461天使達の午後SS版:2005/12/27(火) 21:15:45 ID:???
まとめてで恐縮ですが、読んでくださった方々ありがとうございます。
「天使達」の居場所が心配です・・・ええ。

>>455
>地図もなくコンパスも効かない樹海
スレ違いのマジレスになっちゃうかもしれないが・・・
確かに女心は不可解なもの・・・。しかし、その通りに表現しちゃうと大野さんに
なっちゃうのでは。本スレでも度々話題になり、一部でうざがられているのも、大野
さんがリアルに「女」らしいから。情け深く、世話好き、お節介、嫉妬深い、打算的
等女性の美点と悪い点の両方を持っているので、捉えどころが無く、キャラがコロコロ
変わると批評されているのもそこ。まさに深い樹海の森。

荻上にはどうしても「女」であることに畏れを抱いている「少女」のイメージがありますね。
「少女」を言い表して「妙」(不思議で曖昧で神秘的なもの)と言うと聞きます。その「神秘性」
はジブリヒロインが起こす「奇跡」に似ています。来月私達は「奇跡」的な感動を体験できるかも。
変な意味で無しに・・・。うわー言ってて恥ずかしくなってきた!

462マロン名無しさん:2005/12/27(火) 23:04:38 ID:???
>>461
まあ、その奇跡にものすごく期待してるんだけどね。

荻は中学から成長してないように見えるからね。
それ考えると、まだ少女なのかなあと思ったり。
下手な高校生の方が女だったりするからなあ、昨今は。
どっちがいいって、そりゃ荻上なんですけどね。
463マロン名無しさん:2005/12/28(水) 00:06:30 ID:???
「少女」=ロリ、未成熟っていう意味で無く、純粋性って意味でね。
嫉妬深くて、妙に親切ごかしで世話焼きのオギーってみんな見たい?
トラウマ克服しても、笹荻成立しようと変わってほしくないところ
はあるよね!強情はりで、負けず嫌いで、恥ずかしがりで、欲望に
弱くて、墓穴掘って、人の争いや痛みや苦しみにも敏感で・・・。

ああ、またSS書きたくなった・・・。
464マロン名無しさん:2005/12/28(水) 00:53:53 ID:???
>>446
スーって自発的な腐だったのかw
いったい何歳で男×男に目覚めたんだwww
465マロン名無しさん:2005/12/28(水) 01:00:57 ID:???
たまに携帯からSS書いてる者です。いや、PCで書き込むこともありますが。
また例によって突発的に思いついたものを書き込ませていただきます。
それだけ今月号が強烈だったんですね。中毒気味です。
駄文で短めですが御勘弁を
466新年、サークル始動 (1/1):2005/12/28(水) 01:04:21 ID:???
新年
おしるこパーティー
咲「んー! このおしるこ旨いねー!」
大「荻上さんの実家のお餅のおかげですねー」
荻「ん……ま……どうせ私だけじゃ食い切んねかっただろうし……」
大「冬コミも完売したそうで 去年は最高の年だったんじゃないですか? いろんな意味で」
荻(赤面)「はぁ……おかげさまで……」
咲「あれ? 荻上酒飲まないのー?」
荻「飲みません!」
笹「はは」


大「……そっか もう皆さん卒業しちゃうんですよね……」
荻「………………」
笹「思えば長かったような短かったような」
高「笹原くんもずいぶん成長したんじゃない?」
笹「え? そ、そうかな?」
大「あーそうですねー なんだかんだで会長務めあげましたし、コミフェス参加もしましたし」
咲「……そして守るものもできたしね」
荻(赤面)「………………」
笹「はは……はい頑張りマス……」
斑「………………」


笹「社会人かぁ……もう今みたいに遊べなくなっちゃうのかな」
咲「そこの人を見るかぎりじゃあそんなこともないんじゃない? ね、斑目」
斑「あれ? 俺、バカにされてないか? ……笹原、社会人は大変だぞ」
笹「はい?」
斑「親戚のガキにお年玉あげないといけないからな! 冬コミと合わせてスッカラカンですよ」
咲「……まさか今日はタダメシ食うために来たの……?」
斑「ま、否定はしません」
467マロン名無しさん:2005/12/28(水) 01:40:05 ID:???
斑目…君はどうしてそんなにも…
468マロン名無しさん:2005/12/28(水) 03:31:46 ID:???
>>466
若者はいいねー。
俺、携帯でこんなの打ったら手がおかしくなりそう・・・

あと、ちょっとだけ追加。
斑「守るものかあ。でもよ、この2人は何つーか、どっちかがどっちかを守るって言うより、2人が同じ方を向いて歩いて行くって感じかな・・・」
咲「ほー、言うじゃない」
斑「いやーちとカッコつけすぎたかなー」
最大出力で赤面する笹荻。
斑「あれっ?俺言ったこと、そんなにハズい?」
笹「・・・実は・・・2人じゃないんです・・・」
荻「・・・わたすん中に・・・もう1人・・・」
一同「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
469マロン名無しさん:2005/12/28(水) 03:39:17 ID:???
>>468
え〜〜〜〜〜〜〜〜!!!ww

今度はみんなが赤面する番だな
470マロン名無しさん:2005/12/28(水) 04:30:45 ID:???
>>446-448
スーいいね!GJですけど、僕はホントは斑×アンジェラ派ですwww
そしてスーにまで「朽木君は知らない」扱いを受けるとは!!!

>>466
こういうほのぼの世界が見たいと切望しますねぇ。
携帯での熱意に乾杯!しかし斑目…最高。


と、明るい流れをぶった切って、有り得ない鬱展開予想(?)SS書いてしまいました。
11レスになります。
471夢を見る方法1/11:2005/12/28(水) 04:31:38 ID:???
朽木が笹原から少し時間をおいて追跡すると、遠くで言い争う…
いや、一方的に怒っている荻上の声が聞こえた。
そして、向こうから荻上が走ってきた。
朽木のことは完全に無視で横を駆け抜けていった。
といっても、息も絶え絶えだ。
「ゼハ・・・ゼハ・・・」
そして、触るなという強い壁を身に纏っている。
ロッジに戻っていくのだが、朽木にも追いかけるのがためらわれた。
道の向こうの方には、道端にうなだれて座り込む笹原の姿が見える。
朽木『う………むしろ、あっちの方が 離れておいた方が良いよね』

ロッジに入ると、またしても怒っている荻上の声だ。
叫んでこそいないが、とりつくしまも無い。
荻上「よりによって、笹原さんをけしかけて…! 周りで介抱とか…仕組んで!」
  「私は誰とも付き合わないんですよ、なんで解からないんですか!」
大野「荻上さん、聞いて――!」
荻上「つきあったら、傷つけるんですよ、絶対に。それに私に資格なんて無いのに…」
  「断るしかないのに!……断るしか!」
大野「そんな事ないでしょ――」
荻上「それなのにあんな優しい…笹原さんまでさっき、断るしかなくて……もう」
  「もう、帰ります……そして、みなさんサヨウナラです………」
472夢を見る方法2/11:2005/12/28(水) 04:32:33 ID:???
着替えもせずに荷物だけ掴んで、ロッジから飛び出す荻上。
流石に咲や田中、高坂も留めようとするが、駄目だった。
力ずくでなら小柄で弱っている荻上を止めることなど容易だろうが
触ったところから壊れてしまう、そんな雰囲気であった…。

流石にスゥェットは駅で着替えたが、帰りの新幹線では
二日酔いのにおいが漂う虚ろな少女の隣に座る人は居ない。
荻上『ああ、なんて事…… 大事な居場所を無くしちまった……』
  『笹原…さん……本当はありがとうと言い尽くしても足りないのに……』
とめどなく涙が溢れる。嗚咽が漏れるのが止められないので
ダッシュでトイレに駆け込んだ。
荻上『でも、私なんかと付き合うより、これで良かったんだ』
  『私の罪は私だけのものだもの』
しかし、そんな考えのさらに奥の気持ちが別の声を叫ぶ。
荻上『また新しい罪を犯しちまってどうする!?まだ間に合う、引き返すんだ!』
  『本当はどう思ってるの?そうじゃないでしょう?本当は笹原さんと―――』
それ以上は荻上は自分の心を聞けなかった。涙で塗り潰す東京までの帰路となった。
473夢を見る方法3/11:2005/12/28(水) 04:33:34 ID:???
後期の授業が始まったが荻上は履修の手続きすら気が乗らなかった。
今まで真面目に単位を取得していた荻上は、必修以外の授業は受けなくても
通常の学生と同じペースに並ぶだけなのだが、ほぼヒキコモリになってしまった。

荻上『出席の返事以外、1ヶ月誰とも話してないわ…』
たぶん、声の出し方すら忘れたんじゃないかと思う。
荻上『まあ、中3から高校の時も一人みたいなもんだったし、慣れてるもんさ』
短期のアルバイトと仕送りで生活していたが、バイト代は夏コミで使い果たした。
仕送りだけで暮らすと、月の食費は5000円ぐらいしか無いが、なんとかなるものだ。
米は実家から送られてくるし、何しろ漫画しか描いてない。
今日も午後からの必修授業だけ受けて帰ってきた。
荻上『寂しいもんだなぁ、なんだかんだ言っても』
  『……でも、こんな私でも笹原さんに愛されていた、その思い出だけで生きていける、かな』

あの時必死に拒否する荻上に、それでもなんとか笑顔を作りながら笹原が最期に言ったのは
笹原「忘れないでよ、ずっと好きだから…荻上さんの見たい夢を見守りたいから」
荻上「いえ、私の事は忘れてください。それが私の一番の願いです」
それが最期の会話だった。

荻上『駄目だ!あの時の会話は思い出しちゃ駄目だって……』
駄目も何も、何枚笹原の絵を描いたんだろう。
801以外のオリジナル漫画は全て描きかけだが、どれも暗い恋愛ものだが
話として進まないので完成したものは無い。
荻上『私の見たい夢って、漫画家になる事なのかな……』
474夢を見る方法4/11:2005/12/28(水) 04:34:29 ID:???
げんしけんのメンバーとはすれ違いそうになるルートは通らないし、
見かけても視線を動かさない。今日も遠くに大野が居るのは分かったが
無反応で通してきた。
笹原も4年の後期なのでほとんど来ないだろう。
げんしけんは今はどうなっているのだろうか?しかし
荻上『もう行けるわけがねぇんだ。どの面下げて……だいたい笹原さんも居るし』

生活リズムが狂って夕方から寝ていた荻上は、また悪夢で目が覚めた。
巻田が飛び降りる所では終わらずに、今度は落ちるとまた自分になり
助けに来た笹原を屋上から突き落とすのだ(何故かまた屋上に居る)。
荻上『ひでぇ…本当はこんな夢じゃくて、笹原さんと―――』
思いかけて、やめた。
荻上『いや、考えんのもいけねぇな、それは……』

起き出してTVをつけても深夜の通販しかやっていない。
PCを起動して、何の気なしに巻田の名前でgoogle検索してみる。
と、ずばりヒットする項目がある。
荻上『え…?』
思わずクリックしてサイトを見てみると、まさしく巻田のブログだった。
普通は実名じゃないと思うのだが、内容はオサムシの収集に関するブログ。
研究目的の真面目なサイトには実名のものが時々有る。
昆虫採集の様子の写真を見てみると、どうみても本人だった。
荻上『………どうしよう』
475夢を見る方法5/11:2005/12/28(水) 04:35:27 ID:???
謝ることも出来ずに別れたのだ、許されたいと思うのもおこがましいが
謝ることだけはしたいと思う。そして出来れば今どうしてるのか
まだあの本のことは気にしてるのか……。メールを送ろうか……。
荻上『返事、期待しても駄目だな。謝罪を送るだけ送って、
   帰ってこなくても悔いの無いように書いて送ろう。』
最悪の場合、巻田がショックを受けすぎてサイト閉鎖とかしたら
またしても罪を重ねてしまう。慎重に書かねば―――。

結局、翌日は授業が無いとはいえ、メールを送ってから徹夜してしまった。
神経が昂ぶって眠れなかったし、眠りが浅いと悪夢を見そうだったから。
昼前まで無理やり起きていると、寝すぎないように夕方に目覚ましと
携帯のアラームを仕掛けると、泥のように眠り込んだ。
と、思ったらもう時計が鳴っている。
ああ、全く夢を見なかったんだ。良かった…。
起きてシャワーを浴びると、胃が動いていない。
メールチェックをするが、巻田からの返信は無い。
今のうちに買い物に行くか、という事でスーパーに行って
納豆と海苔佃煮、秋の安売りで1尾95円だったサンマを買ってきた。
グリルではなくコンロに載せる蓋付きの焼き網でサンマを焼くと
簡単に食事を済ませた。
荻上『ま、今日は豪勢なほうだなぁ』
食事が終わり、またメール受信をするが、迷惑メールの類しか来ていない。
荻上『ま、返事は無理だよな…いや、まだ早いはず』
476夢を見る方法6/11:2005/12/28(水) 04:36:32 ID:???
そしてメールチェックを繰り返すうちに夜中になり、ついに返信が来た。
荻上『来ちまった…!!』
自分で出しておいて返信が来ちまったも無いものだが、開封するのは恐かった。

「お久しぶりです。突然でびっくりしました。なんだか懐かしい気もしますね。
 椎応大で東京に出てるなんてびっくりです。すっかり都会人なんでしょうね。
 僕の方は、東北からは出てません。大学ではまだ研究室に分属してませんが
 昆虫学をやり、もう山に採集に出たり、標本を作ったりしている日々です。
 最近流行のオタク、昆虫オタクとでも言うのかな。昆虫は流行ってないけどね。

 さて、前置きはこれぐらいにしてお返事します。
 あの時の事を謝られてますが、確かにかなり吃驚しました。
 それにショックで、理解も出来なかったです。
 正直に書いて来られてるので僕も正直に書きますが
 今でも気持ち悪いと思っていますし、理解できません。
 それに君と親しくしていたのに、あんな事を考えていたなんて
 正直裏切られた気がしましたし、今でも引きずってないかと言えば
 まだ多少、女性が恐い気がします。
 全員が全員、あんな趣味の女性じゃないとは思いたいです。
 許してもらう気は無いと書かれていますが、奇麗事を言わなければ
 お互い、許さず、許されずで良いんじゃないでしょうか。
 荻上さんにとってああいう趣味が止められない、生きる習性そのもの
 だとしたら、僕とは相容れない関係だったという事でしょう。
477夢を見る方法7/11:2005/12/28(水) 04:37:45 ID:???
 僕が好きな虫のひとつ、マイマイカブリはカタツムリを食べるしかないし
 カタツムリとしてはマイマイカブリを恨むしかないし、一生会わずに
 過ごせば幸運だったと思うでしょう。
 生き物の世界ってそんなもんじゃないでしょうか。
 自然の摂理に沿って考えれば全ては無罪で、全ては有罪の生き物です。
 僕がカタツムリだったということでしょう。

 面と向かってたら、良いから気にしてないとか言いそうだけど
 メールだからか、素直に語れた気がします。
 まあ、30歳か40歳で同窓会ででも会えば宜しくです。
 さようなら。」

荻上『………なんだ?』
意外な形で全く別種のオタクと遭遇したことに頭がついていけないが
思ったよりサバサバしたメールに拍子抜けした気がした。
荻上『許されてない、巻田君は気にしてる、罪は消えない…』
再確認しただけだが、なんだか大きな荷物だと思っていたものが
体の一部になって、自由に動き出せそうな気がした。

だがしかし―――。
荻上『笹原さんへの片想い人生、か―――。こりゃ長い旅路だわ。』
  『なにしろ、もう目が無いどころじゃないもんな、一生』
自虐的な笑みを(ニヒ)と浮かべると、発売日になった雑誌を
並べ始めた深夜のコンビニに出かける荻上だった。
478夢を見る方法8/11:2005/12/28(水) 04:38:26 ID:???
メガネ分は少ないが、おおフル(おおきくフルスイング)は外せない。
とある分厚いオマケ付き雑誌を買うと、荻上は店を出て暗い夜道を歩き帰る。
暖かな風の匂いが強くなる。雨が近いかも知れないが傘は無い。
そこでバッタリ。
真正面から笹原に会ってしまった。
荻上『えっ!?近所じゃないのに……どうしよう!?』
笹原「や、やあ荻上さん、こんばんは」
どうやら笹原も動揺している。
荻上「………ど」
  「…………こ、こんばんは」
すれ違っていく二人だった。
荻上『……ごめんなさい笹原さん』
荻上の笹原への罪の意識からすると、荻上からは話しかけられない。
意を決して振り返り、声を掛けたのは笹原だった。
笹原「荻上さん、ちょっと話、いい?」
荻上「…っ!!」
話しかけられた背中が跳ね上がる。

荻上の家まで歩きながら、途中の児童公園の水銀灯の下に寄る。
笹原「携帯にも出ないし、訪ねても出ないって、現視研のみんなも心配してるよ」
荻上「すみませんけど、もう…」
笹原「いや、大野さんも強引だったって反省してたし……」
荻上「いえ…」
笹原「俺も、…あのときはごめん」
479夢を見る方法9/11:2005/12/28(水) 04:39:27 ID:???
荻上「えっ…そんな」
荻上『それって、やっぱりもう、私の事……』
  『そりゃ、自分でそう言っておきながら想い続けて欲しいなんてわがまま過ぎんだな』
荻上「そんな、謝らないで…下さい……」
そう言いつつ、荻上は足元が無くなるような感覚に襲われた。
笹原「いや、俺って大学で少しはマシになったかと思ったけど、情けないね」
荻上「そんなことありません」
笹原「でも…でも、さ」
  「ストーカーっぽいけど、断られても、まだずっと」
荻上の鼓動が大きくなりはじめる。
呆然とした感じに笹原の顔を見続けてしまう。
深夜だし二人っきりとはいえ、完全に無防備だ。
笹原「…好き、だし …守りたい」
  「荻上さんの夢を一緒にみていきたいと思う」
荻上『…っ!いけない、私はこんな事は許されない、許せないんだ、自分が』
荻上「わ、私の…夢?…ゆ―――」
夢なんて悪夢しか見ない、そう言い掛けた時に

ザアッ―――――――――

大粒の雨が辺りを叩き始めた。温暖前線のようだ。
荻上「キャッ!」
雷まで鳴り始め、最近では珍しくなってきた電話ボックスに
二人で駆け込み雨宿りをする。
480夢を見る方法10/11:2005/12/28(水) 04:40:15 ID:???
雨音が強くなり、電話ボックスの屋根は騒音を立てている。
そして稲光と轟音。
笹原「大丈夫?」
雷に反応して思わずその場で縮こまる荻上に優しく手を回す…
なんて事は笹原には出来ない。
笹原「しばらくしたら、通り過ぎると思うから」
とはいえ、雷が恐いのは生理的なもので、鳴り響くたびに荻上は過剰反応をし
いつしか笹原に寄り添っていた。
おびえる子を突き放すことも出来ないし、その服の下の細い肢体の感触に惹かれ
どさくさ紛れ気味に荻上の背中に腕を回す笹原だが、その行動は正解だった。
荻上『私の夢、私の欲しかったものはこれだったんだ……』
笹原の腕の中で荻上は、ようやく自分の心の底の声に耳を向ける事が出来た。
自分の思考だけでは辿りつけなかったが、体からの声も手伝った。

荻上「私の夢は…」
笹原「ぅん?」
笹原の胸に顔を伏せたままで荻上が喋り始めた。
荻上「私の夢は、同人やヤオイや一般作も自由に描ける漫画家になることです」
笹原「うん!」
481夢を見る方法11/11:2005/12/28(水) 04:41:13 ID:???
荻上「それと…… それと、笹原さんと一緒に居たい事…です……」
荻上『バカ……今更、あんな笹原さんを傷つけたのはなんだったの?図々しい…!』
荻上の肩、いや体は震えていた。寒さのせいではない。
笹原「うん…ずっと一緒だよ」
荻上の震えを止めようとするように、笹原はそっと回していた腕に力が入る。
荻上『―――許された、私は許されたんだ』
そう思うとともに、荻上の目から大粒の雫があふれ出した。
荻上「私も…好きです…」
か細い声だし、雨音がうるさいが笹原の耳には直結しているようにクリアに伝わった。
もう二人に言葉はいらない。
あとしばらく、電話ボックスは雨に包まれているだろう。
482マロン名無しさん:2005/12/28(水) 04:43:33 ID:???
うわ…なんだこれどう予想してもこうはならんだろう!
って出来上がりですが、もし告白失敗したら、っていうのと
今の巻田君の気持ちを自分なりにシミュレートしてみるとこうなりました…。
483マロン名無しさん:2005/12/28(水) 05:01:10 ID:???
>夢を見る方法
最初読みかけた時は「オイオイオイ、どうしようってんだ?」と焦ったが、意外にきれいにまとまったと思う。
なーんか来月号、これに近いもうひと波乱がありそうな気がしてきた。
この作品が鬱展開封じの魔よけ札とならんことを切に願う。
484マロン名無しさん:2005/12/28(水) 05:36:22 ID:???
>>470-481
こりゃまた凄いフラグを立てましたなー、エロゲの隠しルートみたいだw
誰もが予想しなかったしだからこそ新鮮。こんなカタチで救われるオギーも
いいですね、出来れば続きはエロパロでおながいします。( ´Д`)ハァハァ
                            
              ↑
             ここポイント。              
485マロン名無しさん:2005/12/28(水) 08:58:19 ID:???
>>470-481
可能性を模索すると、これもありだなあ。
最後はうまくいっとる訳だし。
終わりよければ全てよしってな!
巻田のブログのくだりはちょっと強引だったかなとは思うがww
それはそれでありだな!
486462:2005/12/28(水) 09:00:04 ID:???
>>463
うん、俺もそういう意味で成長してないって言ったのね。
人間的に成長すると自然と消えるからねえ、純粋性が。
たまーに消えない人もいるけど。
487マロン名無しさん:2005/12/28(水) 12:54:02 ID:???
>夢を見る方法
いやーいいですね! 乙です! 東京まで逃げちゃうのもアリですねえ(アリか?)
例によって追加妄想をば。オチなしです。

ガチャ
笹「こんちはー あ みんないるね」
咲「お 笹原 ………ん?」
笹原の背後に隠れるようにしてもじもじしている荻上
咲「……荻上?」
荻「ひっ!?」
大「……え? お 荻上さんですか!?」
笹「ほら 荻上さん みんな心配してたんだよ」
荻「……す、すいませんでしたっ!」
大「っぐ……えっぐ……うわぁぁあぁぁぁん!」
荻「大野先輩……」
大「……私が勝手なことして それで荻上さんがもう誰も信じられなっちゃって……でもよかったぁ 本当によかったぁ!」
咲「コイツこの一ヶ月ずっと思い詰めてたんだぞ ……荻上現視研来なくなっちゃったし 学内で見かけても……」
荻「本当にすいませんでした……っ……ひっ……ひぃー……」
荻上にハンカチを差し出す笹原
笹「よかったね荻上さん」
荻『──────そっか───あんときとは違う  ──私にはちゃんと居場所があるんだ───
  ───────────それに──────』
温かい笑顔を向ける笹原
荻『───私を包んでくれる人が─────』
咲「いやー よかったよかった! ………でその様子を見ると2人は…?」
ニヤニヤしてwktkしている咲
笹「……うん……」
荻「………………」
咲「ん そうか 時間かかったけどもう大丈夫だな おめでと」
大「うわぁぁぁああぁぁん! 幸せに……幸せになってください! おめでとうございます!」
荻「……ありがとうございます……」
488ある冬の日:2005/12/28(水) 21:06:05 ID:???
SS初投稿です
東北弁がまったくわからないので、荻上その他の会話は標準語で通しました
では…
489ある冬の日:2005/12/28(水) 21:07:22 ID:???
東京、有明。
 今日は冬コミの二日目である。その会場の中のブースの一つに荻上と笹原の姿
があった。
 笹原が言う
「連続で二回も当選するなんて、結構運がいいんじゃない?」
それに荻上が答える
「そうですね。おかげで新刊を出すこともできましたし」
 コミフェスの競争率は高いが、荻上は夏コミに続き、今回も当選していた。以
前に作った同人誌だけでは物足りないと言うことで、新たに本を作り、それらを
ブースに並べた。
「内容は今回もくじアンなんだよね?」
「そうっす、麦男×千尋ものの続編と言うことで」
二人の会話には合宿前のようなぎこちなさはない。でも、この二人が晴れて恋人
同士になった、と言うわけではない。確かに、笹原は荻上に「好きだ」と告白し
た。しかし、荻上の返事は「保留」、しばらく待ってほしいと言うことだった。
オタクで奥手の二人が普通に話せるようになったのはある意味進歩であるが、意
地の悪い見方をすれば、「同人誌の内容を笹原にみられる前」に戻った、と言え
なくもない。
「あいつらトロすぎ。なんでもっと積極的になんないのかなあ?」
とは、現視研の姉御的存在である春日部の弁である。
490ある冬の日:2005/12/28(水) 21:08:40 ID:???

 そろそろ午後になるという時間である。今のところ、個人の小規模サークルと
しての売り上げは順調で、二十冊前後を売っていた。
「あ!新刊出たんですね?買います!」
と言ってくれるリピーターもいた。
 笹原が冗談まじりで聞く。
「どうですか先生?なかなかいい売れ行きだと思うんですけど」
「そ…そうっすね…正直、ありがたいっす」
荻上は自分の作品が認められたという嬉しさをこらえられない表情でそう答えた。
 そのときである。
「やっほー!荻上ー!」
ブースの二人が声のする方向に目をやると、そこには見知った顔、中島がいた。
彼女は近付いてくると荻上に向かってこう言った。
「あ、新刊出たんだ!今回もくじアン?」
「う、うん。一応…」
「じゃあ買うよ。五百円?」
「いや、いい、いい、あげる!」
「そう?」
中島は取り出しかけていた財布をしまうと、かわりにバッグの中から一冊の本を
だした。
「これ、うちのサークルで出してる文芸本。あたしも文章書いてるんだ。本くれ 
たかわりって言ったら何だけど、良かったら読んでみて」
「あ、うん、ありがとう…」
荻上が本を受け取ると、中島は続けて言った。
「そういえば携帯の番号とアドレス聞いてなかったよね?教えてよ」
荻上と連絡先を交換すると中島は「じゃあね」と言って去っていった。
491ある冬の日:2005/12/28(水) 21:10:07 ID:???

「荻上さん、あの人って…」
笹原は荻上から具体的に何か聞いたわけではないが、彼なりの勘で、彼女のトラ
ウマの原因を探り当てて聞いた。
「ん、ま、そういうことです」
とだけ荻上は答えた。

 冬のコミフェスは無事に終了した。笹原は打ち上げにいこうと誘ったが、荻上

「もう疲れたので」
といって断った。自分の部屋に戻り、携帯をチェックすると、メールが届いてい
るのに気付く。中島からである。
 文面はこうであった。
『夏コミ以来だったね。今、あたしも東京に住んでるんだ。ねえ、年が明けたら
どこか遊びに行かない?一緒にお買い物とかしたいなぁ』
 正直、あまり乗り気ではなかったが、荻上は『いいよ、いつ行く?』とだけ返
信して中島の返信を待った。そろそろ決着をつけるべきかも、そう考えたのかも
しれない
 返信が帰ってきた。
『一月X日、午前十時、XX駅西口前で』
492ある冬の日:2005/12/28(水) 21:11:19 ID:???
 一月X日、XX駅西口前。
 荻上は予定より早めに来て、中島を待っていた。なんかおかしな日だな、そう
思いつつ人混みを眺めていると、待っていた相手がやってきた。
「ごめん!あたしも早めに来たつもりなんだけど、待った?」
「いや、別に…」
そう荻上は答えた。やや息を弾ませている中島は
「じゃあ、行こう。あのお店行ってみたかったんだよね」
と言って、荻上をつれていく。
「あ、私、ファッションとかはちょっと…」
「大丈夫!あたしが選んであげるから!」
そういって中島はなかば強引に荻上を引っ張っていった。

「荻上ってこういう可愛い服似合うよね」
「そう?自分だとちょっとわからないから」
「絶対似合ってるって!」

「ふーん、中島はこういうのが似合うのかあ」
「本当?じゃあ、買おうかな」
493ある冬の日:2005/12/28(水) 21:12:20 ID:???
 はたから見れば仲のいい姉妹のようにも見える。ひととおり買い物を済ませた
あと、中島がこう言った
「ねえ、海…見にいかない?」
別に断る理由はなかった。それ以前に、中島の表情があまりにも意味深だったた
め、というのもあった。
「どこへ行くの?」
と荻上が聞くと、
「お台場でいいんじゃないかな」
という返事が返って来た。

 二人は山手線からりんかい線を乗り継ぎ、下車した駅からしばらく歩いてお台
場海浜公園へ着いた。
「ここって眺めいいんだよね。海は汚いけど」
と中島が言う。
 それから二人は海を眺め、歩きながらいろいろな話をした。中島は今、専門学
校に通い、同人サークルに入って活動しているらしい。荻上も話す。一年のとき
に現視研全体で同人誌を作ることになり、なかなか出来ないので大変な目にあっ
たこと。先輩である春日部の口車に乗せられて生まれて初めてコスプレをしたこ
と、等。
494ある冬の日:2005/12/28(水) 21:13:18 ID:???
 話題が尽きかけて来たとき、突然中島が
「ねえ、”あのこと”気にしてるよね?」
と言った。
 ”あのこと”とは巻田のイラスト本を描いたことが全校生徒にばれたことを指す
のだろう。荻上の体がこわばった。
「うん、まあ…」
「やっぱり、ね…」
中島は海沿いの柵に寄りかかった。すでに夕刻が近い。公園の対岸にある、船に
荷物を運ぶためのクレーンがライトアップされて、美しい。
「あれをやったの、あたしなんだ」
と、中島が言ったとき、荻上は「やっぱり」と思った。当時の周囲の反応から、
彼女が犯人だと言うことは想像がついていた。
「でもなんで、あんなことをしたの?いや、ついのせられて描いた私が悪かった
んだけど」
荻上が勇気をもって聞いた。
 中島はしばらく黙っていたが、思いきったように口を開き
「あたしね、荻上のことが好きだったんだよ…」
といった。
495ある冬の日:2005/12/28(水) 21:14:29 ID:???
「え…?それはいったいどういう…」
荻上は混乱した。中島がいったいなにを言っているのかわからない。そんな彼女
に微笑を向けながら、中島は言った。
「ん、すごくシリアスな意味で。男女間にある恋愛感情ってあるじゃない?それ
とまったく同じ気持ちを、あたしはあんたに対してもってたわけ」
 突然の告白に、荻上は言葉を出すことが出来ないでいた。中島が続ける。
「だからさ、あんたと巻田が付き合うって知ったとき、あたし本当に悔しかった
…。もう嫉妬でぐちゃぐちゃになっちゃって…。それにあんたは永遠にあたしの
ものにならないんだって、そういう現実を突き付けられて、絶望的な気分になっ
てさ……だからあたし、もう巻田も荻上も…潰れちゃえ…って思って……っさ」
中島は…泣いていた。
「最低だよね、あたし…。大好きな人思いきり…傷つけて…。なんであんなこと
したのかって…自己嫌悪で、いっぱいで…!」
 荻上はあわてて中島を落ち着かせようとするが、なんと言っていいのか分から
なかった。かつての友人が自分にそんな気持ちを向けていたなんて想像もつかな
かったのである。
「とにかく落ち着いて!」
と、荻上はくりかえすしかなかった。中島はひたすら
「ごめんね…ごめんね…」
と言い続けた。
496ある冬の日:2005/12/28(水) 21:15:33 ID:???
 ようやく中島が泣きやむとあたりはすっかり暗くなっていた。目を真っ赤にし
つつ、彼女は「帰ろう?」といった。
 帰りのゆりかもめの中で、二人は無言だった。窓の外を景色が流れていく。お
互いに言葉を発することのないまま、列車は新橋駅に着いた。
 JR新橋駅の改札を通ったあと。中島は
「荻上は山手線内回りから中央線でしょ?あたし外回りだから」
と言って立ち止まった。何か考えている様子である。どうしたのか、と荻上が思
っていると、中島は何かを決意したような表情をして、突然荻上を抱きしめた。
「なっ…!」
「ごめん、しばらくこうさせて…」
中島は腕に力をこめた。通行人が怪訝そうな顔つきで二人を見ていく。荻上は顔
を赤らめていたが、無理に振りほどこうとはしなかった。ようやく荻上を解放す
ると、中島は
「あたし達、もう会わない方がいいかもね。荻上はコミフェスで一緒にいたあの
人のこと、好きなんでしょ?幸せになってね!」
と言って山手線外回りのホームへ向かって急ぐように去っていった。
497ある冬の日:2005/12/28(水) 21:16:55 ID:???

 荻上は帰りの電車の中で、今日のことを思い出していた。特に、中島の告白は
衝撃的で、この先、一生忘れることはないだろう。彼女も悪意があってやったこ
とではないである。自分は泥沼の人生を歩くことになるだろう。しかし、中島は
もっとつらい道を歩くことになるのかもしれない。そして、中島の言った『幸せ
になってね』という言葉が頭の中で繰り返し再生される。
 荻上は自分の心の中で、何かが静かな音をたてて霧散していくのを感じていた

 電車を降りると、彼女は携帯電話をかけた。相手は笹原だった。
『あれ?荻上さん?どうしたの?』
笹原がのんきな声で話しかける。
 荻上は思いきって言った。
「あのっ……!!」

 空を見上げれは満天の星空である。その中を流れ星が一つ、光って落ちた。

                                おしまい 
498ある冬の日:2005/12/28(水) 21:19:27 ID:???
以上となります
妄想全開の駄文でスマソ
中島の設定は全くのデタラメです

さぁ、何でも言ってこいやーー!!(恐怖、半泣、悶絶、死)
499マロン名無しさん:2005/12/28(水) 21:39:17 ID:???
>>488-498
これだけ叩かれてる完全悪(今のトコはその方向性大)中島を、
嫉妬による(レズ?)イジメ説という設定に課した木尾スライダー投法。
これも考えさせられますな。SSだけでなくもし漫画としてなった時に
どれだけ中島のリアリティを引き出せるかを見てみたくもなったシチュでつ。

GJ!!
500マロン名無しさん:2005/12/28(水) 22:26:29 ID:???
>ある冬の日
まずはあなたの勇気にGJ!
本スレでは中島を「悪意と欲望のみで出来た完全な悪人」と断じ、SSスレでは中島仕置き話を2本(まあ内1本は中学のクラスメート全員だが)書いた者です。
そういう視点で読んだので、途中までは「騙されるな荻上さん!それは中島の精神攻撃だ!」とか言いながら読んでました。
まあでも、とりあえず決着をつけてくれたので良しとします。
(精神構造が東映系なので、善悪白黒ハッキリさせないと落ち着かない性質なのです)
501マロン名無しさん:2005/12/28(水) 22:51:32 ID:???
>ある冬の日
GJ!
最近、毎晩新作読めて幸せでつ。中島レズ説は初登場時、俺もふと思ったことが
あったけど打ち捨ててうっちゃってましたが、改めてSSにすると可能性として
一考察の余地ありますね。一度荻上の友人に架空の同性愛の庇護者を想定したこ
とがあったんだけど、オリキャラなんで放棄したことあったなー。ちゃっちゃい
荻上は同性でも庇護欲の対象になりやすそう。人の愛憎は不思議なものだしね。

502華風:2005/12/29(木) 01:17:57 ID:???
日常をまわりの人に普通に振舞って、普通に過していてもひしひしと心の奥から
にじみ出でくるものがある。満たされていないんだろう。部屋に引っ込んで、
平井堅の歌を聞くとやはり、こみ上げるものが押さえられない。またセンチな
やつになってしまった。童話パロから色々なジャンルに挑戦してみたけど、
結局自分が書きたいのはこういうんなんだろなと思う。これで満たされたんだろか・・・

笹荻成立は書けない、書かないと思っていたけど、書いてしまいました。センチも
センチ。今まで笹原に自己投影したこと無かったのに、かっこ悪い自分を投影した
ような気がします。
503華風1−5:2005/12/29(木) 01:18:47 ID:???
関東地方の桜の花の満開の時期が終わりを告げた翌週末、笹原と荻上は冬に
一度訪れた自然公園を再び訪ねた。花の散るのは早く、もう所々の木々にし
か花びらは残っていない。散った花のあとからはもう新緑が芽吹いている。

笹「すっかり、花見頃の時期をはずしちゃったねえ」
荻「いいデス、花見の時期の騒がしいのは嫌いですから」
笹「でもなあ・・・。散り終わった見苦しい時期の桜なんて・・・」
荻「酔っ払いの姿も見るのは嫌ですから・・・」
笹「ははっ、見苦しいといえば俺達もだったね・・・(汗)」

荻上のその言葉に笹原は合宿での出来事を思い出した。荻上も同様に合宿で
の出来事を思い出しているらしく、顔を赤らめている。あの時の出来事はお
世辞にもかっこいいと呼べるものではなかった。

あの時・・・。

周囲の林からヒグラシの鳴く音が鳴り響く中、笹原は荻上に追いついた。
笹「・・・やっと追いついた!」
荻「・・・どうして追っかけてくるんです!?」
笹「どうしてって・・・、心配だから・・・」
(違うだろ!春日部さんと大野さんにせかされて追いかけただけなの
に・・・俺は・・・不甲斐ない・・・)
荻「・・・かまわないでください!やさしくしないでください・・・お願いだから・・・」
そう言って荻上は肩を震わし、泣き崩れてしゃがみこんだ。
504華風2−5:2005/12/29(木) 01:19:36 ID:???
笹原はこの後に自分に起こった変化について、言葉で説明する事が出来なか
った。というか夢の中の出来事のようで、現実感の無い出来事のようにも思
えた。目の前にいとおしいと思っている女の子が泣き崩れている。苦しみの
声をあげている。なぜ苦しんでいるのか分かっている訳ではない。だがその
心からの苦痛の叫びは笹原の心に直接響いていた。
(ずっと側にいて何故気付いてあげられなかったのだろう・・・)
己の無神経、無理解、不甲斐なさが口惜しく感じられ、その心からの真実の
苦しみを和らげる手だての無い自分の無力さに腹を立てた。

笹「あ・・・」
言葉が続かなかった。光陰が交差し、その変化は一瞬に訪れた。笹原の両の
目からは涙がこぼれ落ち、目の前を見ることが出来なかった。この肩を震わ
せ泣き崩れる、この世で最も小さき存在が実はこの地上で最も力強い力を持
っていることを初めて知り、その力は地上のどんな堅固なものも破壊できる
力を持っており、その力によって自分の心が打ち砕かれた事を知った。
505華風3−5:2005/12/29(木) 01:20:14 ID:???
(たぶん、二人ともその時しゃべった事も聞いた事もよく覚えていないと思
う。とてもゲームやドラマで語られる気のきいたセリフは一言も出てこなか
ったはずである。支離滅裂で、意味不明な事を泣きながら、無様にしゃべっ
てたんだと思う・・・)

荻「・・・離して下さい・・・わたし汗臭いです・・・」
荻上もやはり泣きじゃくって言葉になってない。
笹「ごめん、気付いてやれなくて・・・」

どのくらい時間がたっていたかも覚えていない。思い出すのも恥ずかしい格
好の悪さだった。荻上がようやく安堵の表情を取り戻して、笹原にもたれか
かった後でも、ぐすぐすと泣いて鼻水まで出て、くしゃくしゃな有様だった。

二人で連れ添って、別荘まで戻り、荻上が女性陣に引き取られてた後でも、
笹原はぼんやりしていた。惠子からは「かっこ悪るすぎ!」と笑われる始末。
斑目からも気楽に「まあ、これでハッピーエンドか?」と慰められた。
506華風4−5:2005/12/29(木) 01:20:50 ID:???
(エンドなもんか!)
その後二人でこうして会っていても、不安はよぎる。彼女は本当に苦しみか
ら解放されたのか?幸せなのか?もっと自分に色々要望してくれた方がど
んなに安心できるだろう。甘えてわがまま言ってくれたほうがどれほど楽
か・・・。

笹「約束通りじゃなかったね・・・」
荻「何故そんな事を言うんです?とても楽しいですよ!」
荻上は笑ってそう言った。
笹「君に十分な事をしてあげていると思えないんだ・・・」
荻「そんなことはありません。この季節を清明って言うんだそうですね。す
べてが生まれ変わって、洗い清められる季節です!わたし好きですね!」
笹「ならいいんだけど・・・」
荻「じゃあ・・・じゃあ一つだけ約束してもらえますか?」
笹「なに?」
荻「・・・わたしの前から姿を消さないでください!いなくならないでくだ
さい!もう・・・もう失うのは嫌なんです・・・。失うくらいなら最初から・・・。
わたしももう逃げませんから!泣きませんから!」
体を震わせて荻上は言った。
笹「ん・・・約束するよ」
507華風5−5:2005/12/29(木) 01:21:34 ID:???
笹原はグッと泣けるのをこらえた。それしか言えなかった。彼女が泣かない
と言うのに泣いては情けない。それに彼女にとって自分がどうであるかを考
えるのはどうでもいいことだ。先の事は誰にもわからないのだ。自分の心は
決まっている。それだけで十分だ。

ただ彼女は心では泣いていたと思う。だって春の風が桜の花びらを舞い上げ
た時、その花びらがまるで彼女の涙のように見えたのだから・・・。
508マロン名無しさん:2005/12/29(木) 01:59:52 ID:???
>華風
泣き笹原キター!
前に俺の書いたSSでも、荻トラウマ聞いた笹を星飛雄馬ばりに怒涛の涙流させたけど、案外いい方法かもしれないな、笹涙。
人は自分がやるべき感情表現を誰かに先にやられると、その感情が冷めることがあるから。
(自分が腹が立った時に、先に別の人が激しく切れて、冷静になった経験はありませんか?)
まあ今回はそういうニュアンスじゃないけど・・・

それにしても、多分前に笹荻で雪見に行った話書いた人だと思うけど(違ったらスマン)相変わらず繊細でデリケートな文書くなあ。
これが若さというやつか・・・
509マロン名無しさん:2005/12/29(木) 02:37:21 ID:???
>華風
イイw繊細で、手折れそうな雰囲気。
とても文芸的でいいっす。
これからの笹原に期待してる感があっていいですな。

ともかく、俺は予想でないSSを書いてしまったわけだ。
今までの内容を見て思ったことや、
ちょっと軽い話を書きたかったのもある。
かなり前に予告した、現視研の日常会話RPG編だ。
12レスでぶち込むので、よろしく頼む。
510そして、すれ違い・・・(0/10):2005/12/29(木) 02:39:08 ID:???
夢を見つづけられるなら私はずっと眠っている方を選ぶ

この言葉に、心底共感した時期があった。
現実で許されないなら、悪夢を見続けたほうがいい。

・・・きっと、現実で私が許されることはないから。
511そして、すれ違い・・・(1/10):2005/12/29(木) 02:43:14 ID:???
「ちわー。」
「あ、こんにちは、笹原さん。・・・ごめんなさいね。」
笹原が現視研につくと、大野がコスプレを広げててんやわんやだった。
「や、いいよ。」
そういって苦笑いすると、空いてる席に座る。
「夏コミに着る衣装?」
「そうですねー。どっちにしようか悩んでるのがあるんですけどね・・・。」
「ふーん。」
そういってそのコスチュームの方を見る笹原。
「FFかー。」
「あ、わかります?」
「そりゃね。中学のときやったの思い出すなあ。」
大野が広げていたコスはFF第7作目のヒロインの衣装だ。
発売からもうすでに9年近くが経過していた。
「今年、AC出ましたからねえ。」
「あー、そっか。でもこれは原作バージョンでしょ?」
「そうですねえ。」
ACとは、その作品の映像作品。今年発売され、話題を誘った。
「これいいんじゃない?話題性もあるしさ。」
「そうですか?じゃ、そうしようかな・・・。」
「あはは・・・。ま、俺の個人的な意見だけども。」
512そして、すれ違い・・・(2/10):2005/12/29(木) 02:45:03 ID:???
そういって、笹原はポケットに入っていた携帯ゲーム機を取り出す。
「あ、何かやってるんですか?」
「いやー、古いゲームなんだけどね。ドラクエの3を。」
「そういえば、一番好きなゲームって言ってましたねえ。」
ドラクエといえば、知らぬものはいないほどの国民的RPGだ。
3はその中でも完成度とストーリーともに評価が高い。
はじめファミコンで出たが、年を経てスーファミ、GBCと移植された。
「中々就職も決まらんしねえ。気晴らしにやるにはいい感じだよ。」
「へえ。ドラクエは確かに面白いですからねえ。」
「大野さんは何が好きなんだっけ。」
「何でもやりますよお。好みのキャラがいれば・・・。」
にっこり笑う大野。
「たとえば?」
「FFは全部やりましたねえ。一人はいるんですよ。好みのキャラが。」
「あ、そういえばそうだ。」
「後はトライエンブレムのとか、ポポロとか。」
「ポポロ・・・。あ、ガミガミ。」
「そうそう!ガミガミさんは最高ですねえ〜。」
大野はうれしそうに語る。
「やっぱ結構やってるんだねえ。」
「コスプレしたくなることも多いですしねえ。」
513そして、すれ違い・・・(3/10):2005/12/29(木) 02:47:27 ID:???
ガチャ。
扉が開く。荻上だ。
「こんにちは。」
「やあ、こんにちは。」
「こんにちはー。」
荻上は入ってくるなり、怪訝な表情を見せた。
「・・・またですか。」
「ごめんなさいねえ。」
「いえ。いいんですけど・・・。」
笹原の顔を見て、少し気まずそうに顔をそらす。
「あはは・・・。」
笹原も同様。この前の件がまだ響いているよう。
(むむ・・・。この反応は・・・。)
口をへの字にして二人の反応をうかがう大野。
(まさかとは思いますが・・・。)
咲が言ったことを思い出した。
『あの二人、気にしあってるように見えない?』
(あの時は否定してしまったけど・・・。まさか??)
しかし、大野には荻上が笹×斑を妄想してることを知っていた。
だが、あの発言からは、妙な感覚は受けてはいた。妙な頑なさを。
『私がオタクと・・・!』
(ふーむ?)
二人は気まずそうに座っていた。お互いの視線を合わせないように。
「荻上さんは、RPGやりますか?」
大野は気まずそうな二人の雰囲気を察して、話題を振る。
「・・・まあ、それなりに。」
「へーえ。なにが好きですか?」
「テイルズはシリーズ全て良いですよね・・・。」
「確かに!」
空気を明るくしようとわざと明るくする大野。
514そして、すれ違い・・・(4/10):2005/12/29(木) 02:49:04 ID:???
「それも良かったですけど・・・。一番好きなのはヴァルキリーです。」
「ヴァルキリーですか!あれもいいですねえ・・・。」
ヴァルキリープロファイリング。
トライエンブレム会心の名作。
ストーリー、システム、ヴィジュアル、どれもPS最高峰といっていいだろう。
癖があるから、万人に受けるとはいえないが。
「そうねー。ヴァルキリーはいいゲームだよね。」
ようやく笹原が言葉を挟む。
「・・・ですね。」
それに答える荻上。まだどこかぎこちない。
「俺歯科とか、元帥とか、ヴァイオレンスアームズとか、
 いいRPGはPSで出尽くしちゃってる感はあるよね。」
「まあ、しょうがないですよね。ネタ切れ感はありますし。
 たまにPS2でもいいの出ますけど。」
「そうですね・・・。私と魔王とか、好きですよ。」
「PS2は続編が多くて、それも面白くないってよく言われてるけど、
 たまにある当たりは、すごくいいよね。」
「田中さんがサガのリメイクが面白かったって言ってましたよ。」
「あれはいいリメイクだったね。ヴィジュアルで文句がありそうだけど。」
「私としては、ラジストには・・・。ちょっと・・・。」
「ああ、あれはちょっといただけませんでしたねえ。」
そんな感じでわいわいRPG談義が続いた。
515そして、すれ違い・・・(5/10):2005/12/29(木) 02:50:41 ID:???
「あ、ちょっと電話しないと。」
そういって、笹原は席を立ち、外に出て行く。
「・・・就活のことですかね?」
「まあ、そうでしょうねえ。」
荻上は、出て行った扉の方を見た。
「やっぱ、迷惑ですよね。」
「え?売り子頼むことですか?」
「・・・ええ。」
表情には見せないが、その言葉の端に落ち込みが見えた。
「笹原さんがいいって言ってるんだから、断るのもあれでしょう?」
「まあ、そうなんですけど・・・。」
「だったらいいじゃないですか。」
「まあ、そうなんですけど・・・。」
(むむむ?やはりそうなのかしら?カシラ?)
荻上の表情は相変わらずだ。しかし、なにか感じられる物はあった。
「あ!」
少しの間の後、大野は声を上げた。
「・・・どうしたすか?」
「田中さんに電話しなきゃいけなかったんですよ・・・。
 やばいー。怒られちゃうー。ちょっとごめんなさいね。」
そういって、大野はあせった顔で外に出て行った。
516そして、すれ違い・・・(6/10):2005/12/29(木) 02:52:38 ID:???
「・・・。」
一人残った荻上は、少し思いをはせた。
(・・・笹原さんは・・・。何でこんなにも・・・。)
(手助けをしてくれるんだろう?)
そんなことを思いながら、ボーっとする。
テーブルの上にある携帯ゲーム機が目に入る。
(あの色は・・・。笹原さんのだ。)
刺さっているソフトはドラクエ3。
(ドラクエかー。本当に好きなんだなー。そいや、ドラクエといえば、
よく貸し借りがあったなあ。小学生ん時だけども。)
そう考え、ゲーム機に手を伸ばす。
(そんで、入ってるセーブに女の子の名前が入ってたって、
 騒いでる男子いたなあ。貸した方は災難だぁ・・・。)
その携帯ゲーム機を目の前にして。
この中に。笹原の本意が入ってるのかもしれない。
(小学生じゃあるまいし・・・。周りの人の名前とか付けるか?)
顔を少し赤くして、首を振る。
(じゃ、つけてみるか?いやいや。人のもんだぞ?
 でもちょっとくらい・・・。いやいや・・・。)
その問答が長い間続いた。
517そして、すれ違い・・・(7/10):2005/12/29(木) 02:54:18 ID:???
ガチャ。
心臓が跳ね上がる荻上。つい、ゲーム機を自分のかばんに入れてしまった。
「いやー、参ったよ、ちょっと急がなくちゃいけなくなっちゃった。」
そういって、笹原が入ってきた。苦笑いをした後、かばんを持つ。
「それじゃあね、荻上さん。・・・どうかした?」
「い、いえ!また!」
荻上の顔から出ている冷や汗。それに気付いた笹原。
「・・・?そう?うん、また。」
ゲーム機のことを忘れたまま、笹原は出て行った。
(返しそびれた・・・・!これじゃ泥棒だ・・・!)
そう思ったときには、遅かった。
518そして、すれ違い・・・(8/10):2005/12/29(木) 02:56:02 ID:???
家に帰った荻上は、そのゲーム機を持ってきてしまっていた。
「どうすべかな・・・。」
テーブルにのせたゲーム機。それを見つめる。
「今頃気付いてるよな・・・。」
そうはいっても、今日とりに来ることはないだろう。
「明日、それとなく戻しとくべ・・・。」
その前に。やりたいことがあった。
電源を入れる。
(わりいとは思うけど・・・。)
出てきたデータには、カンジ、と入っていた。
(自分の名前入れてる・・・。まさか・・・。)
データを選ぶ。城に移る。
『おお、カンジよ、よく戻った!』
出てきた仲間の名前は。
盗賊ハルノブ、武道家サキ、賢者マコト、だった。
「・・・。そっか。」
それを見て電源を切る。
「明日の朝、ちゃんと返しとこ。」
残念なような、ほっとしたような顔をした後、
寝るためにベッドにもぐりこんだ。
519そして、すれ違い・・・(9/10):2005/12/29(木) 02:57:44 ID:???
「あ、あった。」
翌日昼、現視研部室内。笹原は来るなり、自分のゲーム機を見つけた。
「やっぱここだったかー。よかったよかった。」
「なんだ、お前のだったのかよ。」
飯を食いに来てる斑目がいった。他には誰もいない。
「あはは・・・。昨日ばたばたして出てっちゃったから。」
「ドラクエ3か?相変わらず好きだな。」
「まあ、こういうときは好きなのをやるのが一番かと。」
「まあなあ。で、もうとっくにクリアはしてんだろ?」
「はじめなおしたんですけどね。クリアしちゃって。
 いま、いろんな職業育てて遊んでます。」
「ふーん。」
520そして、すれ違い・・・(10/10):2005/12/29(木) 02:59:37 ID:???
笹原は、家に帰ってドラクエ3をした。
「久々にエンディングでも見ようかな・・・。」
レベルアップ中のサキ、マコト、ハルノブをはずし、
元のメンバーであるキャラに入れ替えようと、酒場へ行く。
「クリアメンバーって転職できない性質なんだよね・・・。」
そう独り言を言って、メンバーを入れ替えた。
戦士ソウイチ、レベル99。
僧侶カナコ、レベル99。
そして。
賢者チカ、レベル99。
「初めてやったときからパーティはこれなんだよなあ。」
笹原にとって、特に魔法使いと賢者はお気に入りだった。
「やっぱ、魔法使いから賢者への転職が王道だよね。
 昔から・・・。この職には好きな名前付けてたけど。
 このこと知られたらめちゃくちゃ恥ずかしいな・・・。
 ま、誰も見てないだろうけど。」
521そして、すれ違い・・・(オマケ):2005/12/29(木) 03:01:36 ID:???
笹原がこのデータを始める前にした会話。
「ドラクエ3でいうと、先輩は盗賊っすよね。」
「え、俺盗賊?じゃあ、春日部さんは?」
「武道家です。」
「おお、確かに。」
「高坂君は遊び人から賢者って感じですよ。」
「ばっちりだ。」
「じゃ、田中は戦士で、大野さんが僧侶?」
「まあ、そういう感じですかね?」
「ふーん。・・・荻上さんは?」
「魔法使いかなあ。」
「久我山は?」
「残ってるので言えば商人?」
「トルネコかよ!じゃあ、お前は?」
「勇者?」
「ふざけんな!・・・じゃ、朽木君は?」
「えーっと・・・。」
「もう、残ってないな。」
522そして、すれ違い・・・(後書):2005/12/29(木) 03:03:49 ID:???
めっちゃ楽しかった〜〜。
こういうの書くのが楽しくて仕方がないのです。
読む人のことなんか考えていらんないのです。
好き勝手やって申し訳ございません。
もう少し自重しようと思う昨今です。
523マロン名無しさん:2005/12/29(木) 03:06:24 ID:???
荻ちんに救いが無いお・・・・
524マロン名無しさん:2005/12/29(木) 03:21:22 ID:???
>そして、すれ違い・・・
好き勝手やっていいけど、あんたもかい!
「朽木君は知らない・・・」
525夢を見る方法:2005/12/29(木) 05:40:17 ID:???
感想ありがとうございます。自己満足の物に評価頂き感謝です。

>>483
来月、もう一波乱ありそうって言うのは…確かにそうですね。
来月のしょっぱなから波乱無くもう一回説得、告白成功、ハッピーエンド
なんて展開は無いのかなとも思いますけど、もうこれ以上引っ張られると
胃に穴が開くかも知れません。あーでも…(汗)。

>>484
隠しルートwww
ある選択でフラグ立てて一回BADENDしてから2周目に…みたいな感じで(苦笑)。
でもエロパロは書けそうに有りません(汗)。

>>485
巻田のブログのあたりは、そうですねー。
あとはmixiに加入してみてなんとなく検索したらとか、
2chで自分語りしてる巻田の書き込みをオギーが発見してフリーメールで
連絡取ろうとするとかも考えたんですけど、回り道が多かったので。

>>487
後日談、thanks&GJです!
リアリティー有る遣り取りですねー。大野の反応、ホントこうなりそう。
526マロン名無しさん:2005/12/29(木) 05:53:38 ID:???
>>489-497 ある冬の日
中島、801と百合との二刀流って最強じゃないですか……!!
しかし、夏コミの時の友人のベタつき具合を思い出すと「あぁー」って納得しそう。
こんな可能性も見せてくれてありがとうです。初SSだそうですが今後も是非!
ラストの〆方が好きです。

>>503-507 華風
これはまた繊細なSSをGJです。
確かに、付き合ってからもエンドじゃなくてスタートなんですよねぇ。
痛みを抱えた二人っていうシチュエーションがグッと来ます。

>>510-521 そして、すれ違い・・・
過去エピソードの途中補完だから荻ちんに救いが無くても大丈夫ですよね!
だってチカ賢者見ちゃったらフラグ立ってしまいますから!
こういう日常風景と、笹荻話の絡み合い、面白いです
(難しいから僕には書けそうにありません)。
527マロン名無しさん:2005/12/29(木) 10:43:53 ID:???
笹原……クリフト
荻上……アリーナ
大野……ミネア
咲……マーニャ
田中……ライアン
久我山……トルネコ
528マロン名無しさん:2005/12/29(木) 13:45:56 ID:???
朽木・・・パノン ?
惠子・・・イラナイ子
529マロン名無しさん:2005/12/29(木) 15:02:37 ID:???
斑目……ブライ
530ある冬の日作者:2005/12/29(木) 17:50:15 ID:???
うおうっ!?俺の書いた駄文にこんなにレスがついてる!!
みなさん、読んでいただいてありがとうございます!!

>>499
実はこれ、ドラマの相棒の今年最後の放送を見て思い付いた
ものです。中島が荻上と巻田に嫉妬するってのもありかな、と。

>>500
そうなんですよね。素直に考えたら中島はやっぱり絶対悪
だと思います。でも、現時点では彼女に関する情報が少な
いので、これでいってみよう、と思って書きました。

>>501
そうですね。なんか荻上って意地っ張りなわりに脆いので、
守ってあげたくなるっていうか、そういうのは同性でもあり
えるんじゃないでしょうか?

>>526
801好きなのに百合っていう、なんか物凄い濃いキャラに
なっちゃいましたね、中島は(笑)
新作なんですが、まあ何かアイデアが思い付いたら書いてみ
ようと思います。
531マロン名無しさん:2005/12/29(木) 18:34:49 ID:6CY5NV4W
SSとは直接関係無いのですが、今日開催された冬コミ1日目で、げんしけん関連サークルに行ったら荻上のコスプレをしているサークルさんを発見!(西館ね−12)
服装は黒いだぼだぼパーカーにジーンズ、そして筆頭と耳元の飛び出た毛も完璧に再現し、また身長といい、顎の輪郭といい見事に荻上。これで無表情に座っていたらもう完璧です。
コミケではコスプレでの来場は禁止ですが、このコスプレなら家からそのまま来ても全く違和感ナシ、というくらい見事に周囲に溶け込んでいました。
明日も荻上関連の本を出すサークルが多数あるので、どんなSSが出てるか楽しみです。
532マロン名無しさん:2005/12/29(木) 18:38:11 ID:???
聖地の同人誌が出てくるのはいつ?
533 ◆9rae7Hwib2 :2005/12/29(木) 18:57:45 ID:???
書いてしまった…
446-448の続き、完全にスー×斑目です。甘々妄想展開嫌いな人は注意。
534オタクの国のアリス(1/3):2005/12/29(木) 18:58:46 ID:???
明日は冬コミ。
斑目はいつも通り、げんしけんに向かっていた。

「あ、斑目さん。」
校門近くで、大野さんに遭遇する。
そこには大野さんの他に二人。アンジェラとスーが当然のように挨拶を返す。
「え…また来たの?」
「そーなんですよもー、ホント、スーのご両親が甘々で…」
「…それに…それ…ローゼンの真紅?」
「ええ、何でか知らないけどどうしても着て行くんだって…」
「すげ…似合ってんね。」
「ええ、まあギリギリ大丈夫かなって。」
「ま…これだけ自然に似合ってれば、うるさいことも言われないか…」

スーはしばらくおとなしく会話を聞いていたが、退屈したのか
アンジェラの傍を離れて、斑目の方へ歩き出した。
「あ、スー…」
声をかける間もなく、スーは斑目に向かって、歌うように――語りかける――
535オタクの国のアリス(2/3):2005/12/29(木) 18:59:26 ID:???
My name is Susanna.
私の名前は<スザンナ>

The fifth doll of Rozenmaiden
ローゼンメイデンの第5ドール

And, Harunobu and you
そして晴信、お前は

It becomes a Susanna servant in the under from this...
これよりスザンナの下僕となる...
536オタクの国のアリス(3/3):2005/12/29(木) 19:00:35 ID:???
「え…ええええええ!!?」
「…?大野さん、彼女何て言ってるの?」
「ちょ…本気で…あっ!?」

というまに、斑目の腕をとり、首筋を引き寄せて…
頬に、ごあいさつの…キス。
その顔に幼艶な笑みを浮かべて、一足先にサークル棟に向かう。

「…!???ご、ごあいさつだよな!?はは、か、かわいいもんだね…」
「すすすすいません!もうホントに、スーったらよく判ってなくて…」
大野さんと斑目は何かを糊塗するかのように平静を装うのに必死だが、
スーとの付き合いが長いアンジェラだけが冷静に事態を把握していた。
「…あれは全部わかってやってるのよ。Madarame、これから大変だよ〜?」
生涯オタク童貞の斑目と、おませな小悪魔スザンナ。
本来は出会うはずのなかったフタリノセカイが、今まさに始まろうとしていた――
537 ◆9rae7Hwib2 :2005/12/29(木) 19:01:52 ID:???
…やっちゃった…
538マロン名無しさん:2005/12/29(木) 19:18:33 ID:???
>>534-536
ちょ!!!いい仕事してます!(GJ)
なんかもう、斑×アンジェラ派だったけどもう脳からすっ飛びました。
是非シリーズ化して書き続けてください。
539マロン名無しさん:2005/12/29(木) 19:32:16 ID:???
>オタクの国のアリス
やっちゃいましたね。
でもいんでねの、こゆのも。
あとはアンジェラも斑目気に入ってて、「私は3Pでもイケるクチだから」とか言いつつ迫る両手に花状態を期待したい。
ついでに勝手に後日談。
咲「斑目、スーと付き合い始めたんだって?」
斑「うん・・・まあね・・・」
咲「ところでスーって、何歳よ?」
逃げる斑目。
咲「待て!」
540マロン名無しさん:2005/12/29(木) 19:34:10 ID:???
>>オタクの国のアリス
いいっすねーwGJw
何か甘美で普通とは違った世界観になっちゃってる!

>>539の妄想にも笑わしてもらいやした。
541マロン名無しさん:2005/12/29(木) 20:23:23 ID:???
>>531
そのコスプレ俺も見た。あれは結構似合ってたね。
その近くにいた蓮子コスは少々きつかったが。
542マロン名無しさん:2005/12/29(木) 21:34:10 ID:???
>>391
荻コス?それだとコスというより普段着のオギー。
かわええ?
同人誌は買った事無いけどエロ以外の面白いストーリーもありそうね。
面白いストーリーあったら紹介してほしいね。

携帯からなんで後から新作鑑賞するよ。
543マロン名無しさん:2005/12/29(木) 21:38:15 ID:???
531でした
544華風:2005/12/29(木) 23:04:12 ID:???
遅レスですが・・・。
>>508
前作と同じです。社会人ですからそんな若くないですよ(汗)以前笹原涙シチュ
書いた人ですか!今回はおっしゃるように効果ねらいではなく、ただの感情移入
でしたけど(汗)でも願望も入ってますが、予想として泣いて欲しいなあ。

>>509
>手折れそうなイメージ
普段、陰口たたくご婦人がたのグチ相手に表面聞き流して、「目くそが鼻くそ
相手に何か言ってるよ」と内心思ってる現実の中で、不器用でまっすぐに自分の
感情をあらわにする荻上を眩(まばゆ)いと思ってました。今週の笹原のセリフ
は俺の気持ちの代弁のようで・・・。

>>526
ありがとうございます。そう・・・永いスタートであってほしいですね。華も実も
ある愛らしい人が不幸なのは見たくないのです。

>すれ違い
何気ない日常の気持ちのすれちがいの機微がすごくいいと思います。
楽しいの好きです。落ち着いたらコメディーも書きたいデス。
それにしても最近はやってますよね。「朽木君は知らない」オチ。

>オタクの国のアリス
すごい!悪魔主義的な甘美な雰囲気に飲まれました。読んだことは無いけど
このタイトルとは別の著名作の雰囲気再現できそうでしびれるwwww
545マロン名無しさん:2005/12/29(木) 23:08:15 ID:???
まとめサイトないのー?
546マロン名無しさん:2005/12/29(木) 23:09:55 ID:???
>>545
ん、俺作ったはずだよね?消えてる?
ああ、まだスレッド2は入れてないんだ、ごめんよ。
コミケ終わったらやるから許して。
547マロン名無しさん:2005/12/29(木) 23:10:28 ID:???
548マロン名無しさん:2005/12/29(木) 23:12:49 ID:???
>>547
わざわざありがとね
549マロン名無しさん:2005/12/29(木) 23:15:54 ID:RpjUMCY6
>500
「〜を書いた者です。」はいらないよ
なんかずっと前のSSの宣伝されてるみたいだ
550マロン名無しさん:2005/12/29(木) 23:19:00 ID:???
まあ同一スレ内の軽い自主宣伝なら良いんじゃないの…
551マロン名無しさん:2005/12/30(金) 00:44:17 ID:???
>>549
>>500です。
自分の立場をハッキリさせる為に書いたのですが、確かに「俺のも読んでくれー!」という気持ちも無い訳では無い。
ごめんなさい、もうしません。
552549:2005/12/30(金) 00:53:12 ID:cgTt1YAh
>>551
ごめん。
言い過ぎた。
キミがSS書いてくれてそれを読めたことに関してはすごく感謝してる。
ただキミの感想を読んで、その前の>>488からのSSの余韻みたいなものが>>500のパワフルなSSを思い出してしまい消えてしまったんだ。
あまり気にしないでくれると助かる。
553マロン名無しさん:2005/12/30(金) 00:55:21 ID:???
やたらと書きまくってる身としては>>546のまとめサイト管理神さんには非常に感謝です。
しばらく帰省で書けませんが脳内妄想蓄積で。

>>551
むしろあなたの作風だと、もっと押せ押せでいいぐらいなので
気にせず勢い任せ気味にお願いします。
554マロン名無しさん:2005/12/30(金) 05:08:13 ID:???
>>551
いいんだよ。見せたがりなのが俺たちの性だもんな。
555マロン名無しさん:2005/12/30(金) 11:10:19 ID:???
ここはとても懐の深いスレですね
556マロン名無しさん:2005/12/30(金) 20:27:42 ID:???
>>554
見せなきゃ面白いかどうかもわからんもんね。
自分で作ったーっていう感動は作品を素晴らしいものに見せるけど、
後で見返してみると・・・あちゃちゃ。みたいな。
そうなると、やはり他人の評価というのは重要であって。
基本は褒めながらもしっかりと必要なアドバイスを加えていくスレ住民に乾杯。
557マロン名無しさん:2005/12/30(金) 22:57:35 ID:???
コミケの同人誌買った人で面白いストーリー
あったら紹介して欲しいなー。
558マロン名無しさん:2005/12/31(土) 10:51:51 ID:???
>>556
>やはり他人の評価というのは重要であって。
基本は褒めながらもしっかりと必要なアドバイスを加えていくスレ住民に乾杯。

禿同
書いてる身としてはそういうアドバイスは凄くありがたいです
559マロン名無しさん:2005/12/31(土) 16:49:52 ID:???
さすがにもう年内は新作無いかな?
みんな忙しいだろうし。
俺もただ今大掃除中。
だけどなかなか進まない。
ちらかってた漫画、つい読んじゃうから。
今日だけでも、ガラかめとハガレンとあーる君を読破してしまった。
オタルームの大掃除はターイヘン・・・

それでは皆様、よいお年を。

560マロン名無しさん:2005/12/31(土) 20:21:48 ID:???
年始早々誰かが正月ネタを書くと見た!

という挨拶で今年の締めとしたいと思います。
ありがとうございました。

みなさま、また来年。
561君に読む物語0−3:2005/12/31(土) 22:00:34 ID:???
>>560
来年には持ち越しません。持ち越すのは「荻上の至福の瞬間」と俺の「焦燥」
だけです。

年末の大掃除も終え、正月見るつもりのDVD借りようとレンタル行くと、
げんしけんは全部貸し出し。ありゃ、じゃあ噂の「巌窟王」でも・・・
と思ってウロウロしてみれば、「君に読む物語」のタイトルが・・・。内容は
痴呆症の妻に昔の自分達の出会いを語り聞かせる老人の物語・・・。「くはー
ありえねーこんなコテコテの純愛系」と荻上ごっこしながら手が伸び、
観てしまった。映画のストーリーとは無関係ですが、その底辺にあるものを
笹荻に見てしまった。

書簡形式は自分も初めての試みなんですが、一度挑戦してみたかった。
俺は「さすがにネタがつきたか・・・」というまっさらな状態で新年を
迎えます。皆さん良いお年を。
562君に読む物語1−3:2005/12/31(土) 22:01:31 ID:???
200X 4月1日(土) 20:00 笹原
メールは届いてますか?今日から日曜もはさんで、一週間の研修開始です。な
かなか気軽に会うことが出来なくなりました。連絡はこのメールアドレスで。
200X 4月1日(土) 20:15 荻上
届きました。がんばってください。
200X 4月8日(土) 21:06 笹原
やっと研修から解放されました。明日はやっと休みです。会えますか?
学校はどんな様子です?
200X 4月8日(土) 21:32 荻上
大丈夫です。明日、朝電話します。大野先輩は相変わらずです。
200X 4月10日(月) 21:00 笹原
昨日は楽しかったね。部員の件、詳しく聞いたけど、しかたないね。すこし寂
しいけど。昨日見せてもらったオリジナルの漫画、すごくいいと思うよ。話し
してた出版社への持ち込みしてみたら?
200X 4月10日(月) 21:18 荻上
そうしてみます。
200X 4月13日(木) 20:19 荻上
漫画、持ち込んでみたら絵に個性が無い、もっとがんばんなさい、と言われま
した。昨日、実家から電話があって、進路のことをたずねられました。正直、
迷ってます。
200X 4月14日(金) 21:41 笹原
今、アパートに着きました。くたくたです。返事遅くなってゴメン!漫画面白
いのに!その人は見る目が無い。進路の件は君の好きな道を選んだらいいとし
か言えません。日曜日には会えそうです。電話します。
200X 4月15日(土) 09:38 荻上
そうですね。忙しくて、疲れているなら無理しなくていいデス。
563君に読む物語2−3:2005/12/31(土) 22:02:12 ID:???
200X 4月18日(火) 19:21 笹原
この前はゴメン。というか、正直君が終始不機嫌だった理由が分からない。俺
何かしただろうか?それとヤオイ系の雑誌への掲載デビューの件は止めた方
がいいと思うけど。自分のジャンルをそんなに早く狭めなくても。何をそんな
に焦っているか分からない。
200X 4月18日(火) 20:16 荻上
笹原さんは悪くありません。謝らないでください。それとデビューの件、やっ
ぱりヤオイ作家は嫌なんですか?焦ってるわけではありません。わたしは強く
なりたいんです。
200X 4月18日(火) 20:41 笹原
ヤオイが嫌だとか言ってないよ。そんなに俺は頼りないだろうか。君は一人で
何でも進めてしまう。去年の夏コミの印刷の時だって。この件はまた後で話そ
う。
200X 4月18日(火) 21:12 荻上
そんな事じゃないんです。この次会ったときに話しましょう。
200X 4月21日(金) 22:06 笹原
最近、連絡ご無沙汰でゴメン。不規則な仕事で、夜遅い時もあるから。
200X 4月21日(金) 22:32 荻上
気にしないでください。体に気をつけてください。
564君に読む物語3−3:2005/12/31(土) 22:02:54 ID:???
200X 4月22日(土) 20:17 笹原
今、合宿で朽木君が取った君の写真を見てる。君の瞳はとてもキラキラ輝いて
いてきれいだった。自然に涙が出てきた。この瞳を守りたいと思ったし、君に
必要な人間になりたいと思った。でもそれは大きな思い上がりと思い違いだっ
た。本当は俺自身が君を必要としていると気付いた。情けない事だけど、自分
と言う存在が君無しではとてもちっぽけに感じる。そばにいて欲しいと心から
思う。明日は休みだけど、今すぐにでも君に会いたい。
200X 4月22日(土) 20:35 荻上
わたしももう泣かないと誓ったのに今泣いてます。うれしいです。わたしも笹
原さんの重荷になるんじゃ無く、必要とされたいとずっと思ってました。待っ
てます。
200X 4月24日(月) 19:27 荻上
お仕事忙しいですか?デビューは引き受けましたが、連載は見合わせる事にし
ます。また相談します。メールのやり取りはもう必要ありませんね?
200X 4月24日(月) 20:15 笹原
いや、今とても可愛らしい人に恋してます。口下手な俺に、その人に恋文を書
き続ける事をお許しください。
200X 4月24日(月) 20:45
わかりました。でも他の人に見せちゃダメですよ。
565マロン名無しさん:2005/12/31(土) 22:20:32 ID:???
>>562-564
もー!誰ももう投稿しねーだろうからとまとめサイトの更新してたのに!
というのは嘘で、良かったですよー。GJ!
特に4月18日の流れが好きです。
あと、ラストの表現は映画からとったんですかね?
ともかく、よかったです!
では、引き続き更新を続けよ・・・。
566マロン名無しさん:2005/12/31(土) 22:32:38 ID:???
>>562-564
うひーー。これはいい〜。なんか身悶えしそう。
1→2→3の変化の流れがすごいいいな。
途中で実際に会うことで変化していく2人の距離感がいいね。

ラストの、普段の笹原らしくない遠回しな表現に、前日に会って
愛を確かめあったことで落ち着いた笹原の精神的余裕を感じました。
省略されてる途中のやり取りをついつい妄想してしまうなーw
567マロン名無しさん:2005/12/31(土) 23:54:53 ID:???
>>562-564
いいね。空白の23日にどんなラブい事があったのかと妄想を駆り立てられるよ。
脳みそ揺さぶられた。
568マロン名無しさん:2006/01/01(日) 00:41:47 ID:???
これはなんともエロい
569マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:07:34 ID:???
なんか笹やんの口調がウザイ。
570マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:14:00 ID:???
>>569
まあ、それだけを書き込むためにきたのなら、あまりここはお勧めしない。

というわけで、そのニもまとめサイトにアップしたぞ〜〜!!
リレーのを作るのに結構苦労したんで、有効活用してくだされえ。
カテゴリーで納得いかないのがあればここで書いてもいいよ・・・。
571マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:17:12 ID:???
>>562->>564
THE LAST SHOOTING of 2005 OTSU&GJ!
(ええ加減な英語スマン)
そしてあけましておめでとう。
荻が笹に頼る印象の強い笹荻だが、笹もまた荻を必要としているという展開に禿同。
今年もこのスレとあなたに栄光あれ!
572マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:17:14 ID:???
一応まとめサイトのリンク
ttp://www7.atwiki.jp/genshikenss/
573マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:19:58 ID:???
>>569
元先輩の彼氏が初めてメールで会話を始めるときはこんな感じかも。
と、その辺も結構なリアリティで俺は楽しめたな。
ここでやっと1ヶ月だし、GWを過ぎる頃にはもう少しくだけてるかもね。
>>570
これが初感想とは限らないんじゃ…
GJしか言うな、って押し付けもどうかと思う。
574マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:20:53 ID:???
>>570
前スレからいるんだが。
アドバイスのつもりで書き込んだんだが。
つか否定的な意見は叩かれる流れ?ねーよ
575マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:21:57 ID:???
>>573
うーん、そういうわけじゃないんだけどさ。
何か一言だけそういうこと言っていくのってあまりいい感じしなかったから。
でしゃばったマネしてすいません。
576君に読む物語:2006/01/01(日) 01:24:25 ID:???
>>565
まとめサイトの偉業をなされた方でしたか!本当に更新作業に支障はありません
でしたか?失礼しました。改めてまとめサイト更新乙 GJ!!
ラストのセリフは映画とは無関係です。セリフはポコッと頭に浮かんだんですが
オリジナルか何か映画か小説のセリフかは自分でも定かでないです。

>>566
>普段の笹原らしくない遠回しな表現
まあ、普段口にできないセリフも文章だと出ますしねー。
こころのゆとりの助けも借りて?!

>>567
>空白の23日にどんなラブい事
書いてる本人がはっとそれに気付いてワープしましたから(笑)

>>568
じゅ純愛のつもりがーーーエロかったすかーーー。

とにかくあけましておめでとうございます。
年越し食ったしあと寝ます。今年もSS楽しみましょう。


577マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:25:04 ID:???
569じゃないけど、ここはあくまで誉めレスしかしちゃいけないの?
まあ、投下しにくくなるからってのはわかるけど
でもあまりにもキャラが違ってたりしたら、げんしけんじゃないって感じがして萌えない
578マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:26:53 ID:???
>>574
>>570
なんつーか、書き方あるかなって思っただけ。
言うなとは言わないよ、何も。
否定的意見もあればいいに決まってるさ。
俺の言い方も悪かったと思います。すいませんでした。
579マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:28:16 ID:???
ミス
下のアンカー
>>577
580マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:28:58 ID:???
>>578
そんな謝んないで。なんか悪い事したみたい。
険悪なふいんき持ち込んで俺も悪かった。
581君に読む物語:2006/01/01(日) 01:34:17 ID:???
ありゃレス書くのに回線切断してたら増えてた。
まとめてでスマソ。
まっまあ、メールとか手紙だと普段と違う会話もあるかなと思ったけど
かなり、クサイかもとは自分でも思いました。その辺はご容赦。
読んでくれた方ありがとうございました。
582マロン名無しさん:2006/01/01(日) 01:56:02 ID:???
>>581
笹原は普段からそんなにメールとか使ってないタイプだと思うし、
その辺の設定が最初の「メールは届いてますか?」の一言で
押さえられてると思った。
そういう人が書く初めてのメールって結構こんな感じじゃないかな、
と俺は結構好意的にこの話を読んでます。

3-3前半で恐ろしく恥ずかしい文面になってるのは途中で険悪なムードが
生まれてるからだよね。(後半で恥ずかしい口調になってるのとは理由が違う)
こういうときって特にメールだと余計なことを色々考えてしまって
変にクサい文面を書いてしまうことってあるんだよね。(含む体験談w)
なので、まー若干の演出過多もあるとは思うけど、こういう流れも
結構ありそうだと思って、むしろ創作SSならではのリアリティを感じて
俺は楽しんでました。
一応、そういう意見もありますよ。っつーことで。
583マロン名無しさん:2006/01/01(日) 13:37:31 ID:???
あけましておめでとうございます。
新年早々投下します。
長らく放置してたリレーSSの続きです。
584リレー]げんしけん24[朽木11:00]:2006/01/01(日) 13:46:20 ID:???
クッチーは部室の窓から双眼鏡で向かいの部屋を見ていた。
部室と言っても、児童文学研究会(以下児文研)の部室である。
つまり、彼が見ていたのは現視研の部室なのだ。

クッチーは新人勧誘の日以来、部室に行く前に児文研の部室に寄るのが習慣になっていた。
あの日以来、彼と大野さんとの間には微妙な緊張関係が続いていた。
誤解が解けて笹原が間に入ってお互いに謝罪し、形式的には和解したものの、感情面でのわだかまりは当然残った。
そのわだかまりというのも、お互いに相手を責める気持ち半分、相手にすまないと思う気持ち半分の複雑なものだった。
だから2人きりになると、お互いに不自然な気遣いをし、腫れ物状態で接してしまう。
その緊張した空気に耐えられないクッチーは、なるべく大野さんと2人きりになることを避ける為に、児文研の部室から1度確認してから部室に行くことを思いついた。
(屋上からだと部室は見辛かった)

クッチーは児文研会長(5巻の冒頭で斑目たちに応対してた女性)に、正直に事情を話してお願いしたところ、快諾してくれた。
その代わりに児文研に名前だけ入会することをお願いされ、彼もまた快諾した。
その際に、現視研と児文研の古くからの関係について説明された。
この2つのサークルは、共に文化サークルの中では弱小で、古くから何度も解散の危機に見舞われてきた。
その度に両会は会員の籍の貸し借りを行なって乗り切ってきたのだ。
今年は児文研も入会ゼロだったので、クッチーの来訪は渡りに船だった。
と言うのも、この関係は誓約書を書くようなしっかりした関係でなく、恒例のドッキリ等のついでに代々の会員同志の口約束で行なわれてきた緩やかな関係だった為に、改まって請求しに行くのも気まずかったからだ。
つづく
585リレー]げんしけん24[朽木11:00]:2006/01/01(日) 14:02:27 ID:???
>>584の続きです。

実は児文研会長のそういった行動の背景には、もう1つ事情があった。
それは文化サークル同士の横のつながりだった。
文化サークルで1番女子の多い漫研は、文化サークル全体に対して大きな影響力があった。
そしてその漫研女子は、最大の反大野・反荻上勢力でもあった。
彼女たちは、新人勧誘の際の大野さんの、会長風吹かせた態度を快く思っていなかった。
だから今回の騒動に溜飲を下げ、文化サークル全体の女子の間に密かに「あそこには絶対救いの手は差し伸べるな」という暗黙の回状が口頭で回されていた。
だから個人的にはさほど悪感情を持ってない児文研会長も、表立って現視研に救いの手を差し伸べることは避けていたのだ。
その一方でクッチーについては、敵の敵は味方という毛沢東理論に基き、文化サークル全体の世論は同情的だった。
だからかつてのアニ研の仲間も「我慢出来なくなったら戻って来い」とまで言ってくれた。
もっともそれに対してクッチーは丁重に固辞した。
義理人情を重んじる男の中の男クッチーは、そうすることは受け入れてくれた春日部先輩や優しくしてくれた笹原先輩への義理を欠くと考えていたのだ。
つづく
586リレー]げんしけん24[朽木11:00]:2006/01/01(日) 14:10:38 ID:???
>>585の続きです。

朽木「うーむ大野さん1人だにょー」
大野さんはこちらに背中を見せて座っていた。
その周囲には様々なコスが広げられていた。
朽木「こりゃ当分部室から離れないな。それにコスだらけのとこに僕チンが突入したら、また機嫌悪くなるかも知れんし・・・」
腕時計を見るクッチー。
朽木「斑目先輩が食事に来るには、まだ時間があるにょー。仕方ない、ここでしばらく待つにょー」
児文研の会長がお茶を入れてくれた。
朽木「こりゃいつもすいません」
会長「いいええ」

朽木「あっ荻チンが来た」
現視研の部室の方には、荻上さんが入ってきた。
こちらから見て右側に彼女は座った。
背中を向けている大野さんの様子はこちらからは分からないが、荻上さんの口の動きと終始赤面してる表情から、何やら真剣な話し合いであることは推測できた。
いつの間にかそんな荻上さんの一挙手一投足に見入るクッチー。

やがて大野さんが立ち上がり、カーテンを閉めた。
朽木「にょにょにょ?」
カーテン越しに、大野さんと荻上さんの動きがぼんやりと見えた。
朽木「着替えてる?・・・コスプレ?」
すぐに見に行きたい衝動に駆られるクッチー。
だがあの2人だけのとこへ突入したら、また気まずいことになるかも知れない。
焦燥するクッチーだったが、常人より視界が広くオタクにしては目のいい彼は、視界の片隅で笹原がサークル棟に入っていくのを捉えた。
朽木「どうやらここが勝負どころにょー!」
クッチーは児文研部室から飛び出して行った。
587マロン名無しさん:2006/01/01(日) 14:13:48 ID:???
以上です。
正月早々、私は何をやっているのでしょう。
笹荻成就祈願の為、初詣に行って来ます。
588マロン名無しさん:2006/01/01(日) 15:18:39 ID:???
>>584-586
何この大学ウラ事情。
ここまで話を膨らましてくるとはおもわなんだ・・・・。
クッチーがものすごくいいやつに思えてくるから不思議だ。
いや、根本的にはいいやつなんだろうな・・・。
はっ!クッチーのイメージが塗り替えられていく!
何はともあれ面白かったですよ〜。
589マロン名無しさん:2006/01/01(日) 15:21:04 ID:???
>>582
> 3-3前半で恐ろしく恥ずかしい文面になってるのは
発情してるからですな。
先輩風吹かせて嫌がられて、虚勢はって放置プレイの我慢比べに出たら
自分が先に荻上分の不足に耐えられなくなったの図。
ぐっと親密になった週明けには、メール止めましょうかと
笹原自身の仕打ちそのもので軽く荻上の報復。
即刻下僕口調で泣きが入る笹原。ここへ来て完全に立場逆転と。

週末にどれほどの我慢が爆発したのだろうかモンモン
笹原が苛ついてるのも前の週やらせてくれなかったからだし。
って下劣な感想ですんません。
590君に読む物語:2006/01/01(日) 19:46:50 ID:???
>リレー朽木11:00
俺も初詣行って来ましたよ!
おお、さっそくの新年からのリレー再開乙!そして新展開の状況設定お見事!GJ!
すごいリアリティある状況の肉付けがされてきましたよね。同じ状況を外側から
見るのってやっぱ面白いですね。でもクッチーのぞきって・・・。

>>582
そう言ってもらえると(涙)自分もやや自分の実体験も含めた話を膨らませた
んですけどね。メールだと口に言えない事を伝えやすい反面、上っ面の言葉で
相手の気持ちが見えなくて不安になりましたからね。

>>589
そういう解釈もおKです!なるほどそういう読み方もできるなとニヤニヤしながら
読みました。まあ、どんな恋愛物も「下心」をオブラートで包んで美しく装うところ
ありますからねwwww
うざいかもしれませんが、オブラートに包んだ補足を入れさせてもらうと、今週号
でも笹原が「・・・下心みたいな?」ってうっかり言っちゃうみたいに、愛しい人と
親しくなって、肌をあわせたいって思うのは当然だし、守りたいって気持ちも本物
だと思いますね。そのために特別親切にする事は当たり前の事だし。
ただ、そういう優しさや親切は「負い目」を背負った荻上には苦痛だとも思いますね。
笹原も守るとか、庇護するとか気負えば気負うほど荻上を縛り付け、苦しめると思うし。
俺なりの笹荻の解釈は、笹原には気弱で情けなくなってもらって、荻上が自分を必要
とされてると実感、愛する人に必要とされているという女性や人としての誇りを感じ
させてもらいたいなーと思ったわけで。その結果がピーでもかまわんわけで。
で、身も心も華やいで輝いてるところを・・・ハアハア・・・。やっぱエロイな俺。
591マロン名無しさん:2006/01/01(日) 22:32:29 ID:???
>義理人情を重んじる男の中の男クッチー
なんかいいなこれ
592マロン名無しさん:2006/01/02(月) 00:32:30 ID:???
いやー、盛り上がってるね
リレーも再開したし、なかなかいい感じだ
593マロン名無しさん:2006/01/02(月) 01:25:02 ID:???
リレー朽木GJ!
ところで荻コスの時間帯って午前中の出来事?原作では時間帯の
記述が無いけど・・・。そうすっと昼に斑目登場させられるけど・・・。
594マロン名無しさん:2006/01/02(月) 01:27:02 ID:???
>>593
このSSの内容だと、昼になりそうですね。
原作の話の後、斑目、朽木、咲などなど総登場どたばた展開もありか?
595マロン名無しさん:2006/01/02(月) 01:47:18 ID:???
たまに携帯からSS書いてる人です。
久しぶりにPC立ち上げて、まとめサイトをはじめて拝見したしました。マジ乙&GJ!
俺が中途半端に書きかけた(書き逃げとも言う)SSもどきに続きまで足してくださって……感謝です。

斑目カテゴリの過去のSS読んでて湧き出てきた妄想ぶちまけてもいいですか。いいですよね新年だし。
ということで、そのSSの前の出来事という設定です。
596すいません無題です (1/2):2006/01/02(月) 01:49:36 ID:???
笹「ど どうぞ 散らかってるけど」
荻「おじゃまします ……ほんとに散らかってますね」
笹「だって急にウチ来たいっていうから…… あ コタツ入っててよ 今飲み物出すから」
荻「……………… (そういや男の人の部屋入るの初めてだあ……あ そういや去年久我山さんち行ったっけか 全然意識してなかったな 忙しかったし)」
笹「カルピスでいい? (……これからは普段から掃除グセつけとかなきゃなぁ)」
荻「あ はい (うわ エロゲーの山だ まあ私も人のこと言えねえか ……つかホントにお姉さんキャラ好きなんだな じゃあなんで私のことを)」
笹「(あちゃー! せめてエロゲーは常に隠しとくべきかー) あ な、何かゲームでもやる?」
荻「私あんまり複雑なの分からないんでぷよぷよくらいしか…… (たしかにゲームもやるっつったけんど、BLゲーとかエロゲーとか……やってもテイルズとかのRPGだしなあ)」
笹「(そういえば彼女を家に呼んだときって何すりゃいいんだ? んー……ゲームん中だとすぐにエロ行為に……)」
荻「笹原さん!」
笹「……え? あ ああ ごめんね!」
荻「どうしたんですか?」
笹「あー……いや ちょっと考え事」
荻「『ワープ』ですか」
笹「え? わーぷ?」
荻「あっ、いや、その なんでもないっす!」
597すいません無題です (2/2):2006/01/02(月) 01:50:55 ID:???
後日
咲「ねー、荻上と2人きりのときって何話してるの?」
笹「な、なに急に?」
咲「んー なんつーか想像つかないんだよねー、おまえらの会話 荻上もあんなだしー」
笹「そうだね……やっぱりマンガの話が多いかな でも普通の話もよくするし」
咲「ほー うらやましいねー それに毎日会えるんだしー」
笹「はは…… 春日部さん、ここ最近なんだか元気ないね」
咲「んー」
笹「やっぱりコーサカくんとあんまり会えないから?」
咲「んー……あー……んー、もう無理なのかな……」
笹「……え?」
咲「あ! なんでもない! 忘れて忘れて!」
笹「あ……うん」
咲「さてと! んじゃーあたしは帰るかね」
笹「あ そう バイバイ」
バタン
笹「(……うまく……いってないのかな……) ………ところでなんでさっきから無言なの?」
朽「はぁ……現視研で独り身はワタクシと妹さんと斑目さんだけですか」
笹「いや、斑目さんもう会員じゃないし しかも恵子も実はまたどっかで彼氏作ってるかもしれないし」
朽「はぁ……前の笹原さんだったらここで慰めてくれたのに……変わりましたね……」
笹「え? そ、そう?」

このあと、前にあった斑目告白話に続く
598マロン名無しさん:2006/01/02(月) 01:52:45 ID:???
まあ前半の笹荻話は、なんていうか話の補足程度で
599マロン名無しさん:2006/01/02(月) 04:10:32 ID:???
>>584->>586です。
今年初SSが喜んで頂けたようで嬉しいです。
>>588
@あの新人勧誘の1件以降、クッチー部室行きづらいだろうから、多分どっかから様子を見てから行くようにしたのでは?
Aでも部室の様子が完全に把握出来そうな場所って、児文研の部室しかないよな。
B本編の大野さんの様子と、他のリレーSSとの整合性から、多分荻上さんが部室に来るまでクッチーは来てないだろう。
そんな発想が発端になって膨らましていったら、予想以上に膨らんじゃいました。
>>590
まあ裏妄想設定全開にし過ぎてチトやり過ぎかなとも思ったんですが、そう言われたら救われます。
>>591
行動が伴ってるかは置いといて、そういう男でありたいと常々思っている。
俺の中のクッチーは、そういう奴です。
>>593
前に書かれたSSによれば、11:00現在で荻上さんは部室へ、笹原は何処かへ時間潰しに向かってたので、この少し後が本編の荻コス騒動と判断しました。
600マロン名無しさん:2006/01/02(月) 20:05:47 ID:???
ところでこのスレって書き手さんは何人くらいいるんだ?
601マロン名無しさん:2006/01/02(月) 20:29:37 ID:???
さあ?次々増えてってる気もするしなー
602[リレー]げんしけん24 荻上12:00 :2006/01/02(月) 22:45:18 ID:???
荻上主観にしましたけど、極力内面描写は避けて会話だけにしてます。
あと夏コミの話題はその後のストーリーとかみ合わなくなるので
避けてます。笹原も咲と一緒にさせるとかみ合わなくなるので退場させました。
あと笹原と斑目なにかメールで約束してたような・・・。
603[リレー]げんしけん24 荻上12:00:2006/01/02(月) 22:46:24 ID:???
荻「も やめます!着替えますから 笹原さん出ててください!!」
笹「はいはい」
大「えーもう一人くらい いきましょうーよ」
荻「なんかそれイヤです!!」

笹原は部室から出て行く

荻「外の男の人たちにまで見られちゃったじゃないですか!!」
大「えー、だって荻上さん 自分から突然飛び出しちゃうんですもの」
荻「そっそれはそうなんですけど・・・」
大「楽しかったですよね!」
荻「全然 分かりませんね! もうしません!」

笹「あのー、もういいのー?」
大「いいですよー、どうぞー」
荻「ちょっ まっまだです!! あっ開けないで!」
大「あら、わたしはいいのに・・・」
荻「わたしがよくありません!わたしはまだ着替え終わってないんですよ!なっなんて
ことすんですか! あれ? ここをこうして・・・あれ?」
大「ここをこうすんですよ あー せっかくこの胸元がかわいいのにー 笹原さんにも
見てもらいたかったですよねー 」
荻「全然 思いません! こんな過激な衣装と分かってたら 着替えませんでしたよ!」
大「このふくよかな おしりのラインも・・・」
荻「だから! さわらないでください 変態ですか!」
大「失礼ですね! 触んなきゃ手伝えないじゃないですか はいブラジャー 」
ドタバタ ドタバタ
604[リレー]げんしけん24 荻上12:00:2006/01/02(月) 22:47:44 ID:???
大「もういいですよー 笹原さん お待たせしましたー」
荻「・・・・・・」
笹「じゃ 入るよー」
大「あれー 顔赤いですよー 」
笹「いや はは (聞く気はなかったけど 声筒抜け・・・)」
荻「表の運動部の人たちはもう行きましたか? 帰りに顔あわせるのイヤです・・・」
笹「うん 廊下に俺いたけど 執行部の手伝い終わったら 行っちゃったよ もともと
部室の棟違うしね 」
荻「・・・そうですか・・・よかった」

笹原はソワソワして落ち着かず、荻上と顔をあわせようとしない
荻(こっちを見ない・・・ wwwwwwあんな過激な格好見られたー 大野先輩のせい
にはできね・・・ いつもいつも・・・わたしって本当に・・・ でもかわいいって言
ってくれた・・・)
そう思った時、つま先から背中に向かってしびれるような感覚が走ったのを荻上は感じ
た。

大「またやりましょうね!!」
荻「い・や・で・す!!」
笹「俺 ごめん 用事思い出した」
大「あら? そうですか 」

笹原が出て行くのと入れ違いに咲と斑目が部室に入る

605[リレー]げんしけん24 荻上12:00:2006/01/02(月) 22:48:22 ID:???
咲「? 今 笹原とすれ違ったけど 顔赤くしてたよ どうしたの?」
大「今コスプレ大会してたんですよ!荻上さんと!」
荻「だから・・・全然意味が違う・・・」
咲「へー 荻上がねー わたしはやらないけどね」
斑「へー俺も見たかったねー」
荻「もうしません」
斑「あれ それは残念」

朽木部室に入る
朽「あれー もうコスプレ終わったんですかにょ〜」
咲「・・・何でお前今来たばかりで コスプレしてたって知ってるの?」
606マロン名無しさん:2006/01/02(月) 23:33:36 ID:???
>>603->>605
GJだけど早いー!
クッチーもう出ちゃったか。
しょうがない、有りがちだがオチつけます。

朽「いや、それはそのー・・・(汗)
大野さんと荻上さんの目付きが厳しくなる。
朽「そっ、それは誤解ですよ!私のぞいてなどいませんよ!」
大「誰もそんなこと言ってないですよ」
荻「最低ですね」
笹「ハハッ」
咲が叱ろうと立ち上がったが、追い詰められてテンパったクッチーの顔に既視感を覚えて止まる。
そしてそれは笹やんや荻上さんが、ドッキリで見せたものと同じだと気付いた。
次の瞬間、クッチーは窓際に走った。
咲「(クッチーに抱きついて)ここは3階だー!!」
607マロン名無しさん:2006/01/02(月) 23:47:02 ID:???
>>606
オチストーリーGJ!

・・・・って、笹原は赤面して出て行ったはずなのになんで一緒に笑ってんですかwww

「ハハッ」は斑目発言と脳内で読み替えておきますた
608マロン名無しさん:2006/01/02(月) 23:47:28 ID:???
>>606
もう笹原いない!笹原いないよ!

何はともあれ>>603->>605GJ〜。
609マロン名無しさん:2006/01/02(月) 23:54:52 ID:???
>>607->>608
>>606です。
ほんとだ、こりゃ失敬。
じゃあその点は>>607さんの案で訂正ということで・・・
610マロン名無しさん:2006/01/02(月) 23:57:33 ID:???
>>609
まとめスレのせる時に変えちゃいますね〜。
なんにせよ面白かったから問題なし!

リレーも活気付いてきたなあ・・。
611[リレー]げんしけん24 笹原12:00 :2006/01/03(火) 01:55:54 ID:???
なんだかんだいっても、行くところはひとつしかなく。
「はあ。誰かいるかな?」
サークル棟に入ろうと向かっていると、妙な視線を感じた。
「ん?」
とはいえ、どの方向からあるかは分からない。
「気のせいかな?」
気にせずそのまま進む。部室の前まで行くと、喧騒が聞こえてきた。
612[リレー]げんしけん24笹原12:00:2006/01/03(火) 02:03:49 ID:???
なんと、荻上がコスプレをしていた。色々あった後。
「も やめます!着替えますから 笹原さん出ててください!!」
「はいはい」

外に出てさっき荻上を見た男たちの視線が集まる。
「あはは・・・。」
苦笑いでそれをスルーする。
しかし思い出すのはあの姿。
「・・・。」
ああもかわいい姿を見たことがなかった。
いや、かわいい後輩ではあったはずだろ?
でもあの姿を見たら・・・。
「このふくよかな おしりのラインも・・・」
「だから! さわらないでください 変態ですか!」
「失礼ですね! 触んなきゃ手伝えないじゃないですか はいブラジャー 」
聞こえてくる会話がさらに妄想を掻き立てる。
(うはあ・・・。)
悶々としながら時がたつのを待つ。

「もういいですよー 笹原さん お待たせしましたー」
「・・・・・・」
「じゃ 入るよー」
「あれー 顔赤いですよー 」
「いや はは (聞く気はなかったけど 声筒抜け・・・)」
「表の運動部の人たちはもう行きましたか? 帰りに顔あわせるのイヤです・・・」
「うん 廊下に俺いたけど 執行部の手伝い終わったら 行っちゃったよ もともと
 部室の棟違うしね 」
「・・・そうですか・・・よかった」
613[リレー]げんしけん24笹原12:00:2006/01/03(火) 02:09:04 ID:???

そわそわしている自分がわかる。顔もまともに見られない。
(俺・・・。もしかして・・・。)
その考えは、今まで思っても見なかったことだった。
しかし、思えば今までもそういう感情がなかったと言い切れるだろうか?
(そういうことなのかな・・・。)
考えがまとまらない。いてもたってもいられなかった。

「またやりましょうね!!」
「い・や・で・す!!」
「俺 ごめん 用事思い出した」
「あら? そうですか 」

部室から出ると、咲とすれ違う。
「あ、春日部さん。」
「・・・笹原?なにかあった?」
「い、いや?」
「・・・そう?」
咲はそのまま部室に向かう。
「おう、笹原。忙しそうだな。」
次に斑目が現れた。
「あはは。そうですね。」
「まあ、0じ売りはまた今度な。」
「ええ、暇があれば。」
「おう。じゃな。」
咲には微妙に気付かれたようだが、斑目にはばれなかったようだ。

一人で構内を進む。特に目的があるわけじゃない。
少し、頭を冷やしたかった。
この感情が本当かどうか。ただの下心なのか。
考えるためには一人の時間が欲しかった。
「はあ・・・・。」
614[リレー]げんしけん24笹原12:00:2006/01/03(火) 02:12:27 ID:???
荻上12:00読んだら盛り上がってきた!
ってことで笹原の感情をぶちまけてみました。
615マロン名無しさん:2006/01/03(火) 03:11:01 ID:???
>>611-613
クッチーでオチつけちゃった積りだったけど、まだまだ延長戦やれそうな可能性が見えてきた。
GJ!
実はクッチーについては、飛び出してきた荻コス見て笹原以上に興奮して、トイレ駆け込むか家に帰るかしてピーするという展開を漠然と考えていました。
笹原はそれやっちゃうと洒落にならなさそうなので(まあやっちゃっても一概には責められんが)性欲と理性の間で懊悩する展開の続編を希望します。
616[リレー]げんしけん24 朽木12:00:2006/01/03(火) 03:53:22 ID:???
次の瞬間、クッチーは窓際に走った。
咲「(クッチーに抱きついて)ここは3階だー!!」
----
その瞬間、朽木の顔はテンパり表情から至福の表情へとゆるやかに移り変わった。
朽「お、おお〜う・・・・ワタクシの背中に・・・やわらかなふくらみがの感触が・・・・(////)」
キラキラときらめく世界。すでに頭の中では2人はラブラブのカップルだった。抱き合いながら微笑みあう2人…。
脳内で「うふふふ〜あははは〜リーンゴーン♪(鐘)」のSEまで鳴り響く。ああ・・・・・。

だがしかし、その一言にピキッと凍りついていた咲。部室全体の雰囲気も暗転。

  ド  カ  ッ

朽「ま、待っ…!!落ちる!死ぬ死ぬー!」
般若の形相で朽木をガシガシと蹴りまくる咲。
咲「お前なんて死んで詫びろーーー!!」
大「咲さん!もってやって!…って言いたいけどさすがにそれはまずいのでは…」
でも傍観するだけで止める気配の無い大野。
咲「止めるな、大野ーー!!」
荻「大丈夫、バカは3階から落ちても死にませんって!!
  (え、ええ!? まさか着替えてるとこを見られてた…!? こんなやつに…!? 恥ずかしい! 死にたいーー!!)」
顔中まっかっかになって全く前が見えてない荻上。
大野と違って脱ぎ慣れしてない荻上はすでに冷静な判断ができていない。
朽「そ、そんな…おおうおおう、クッチーラストダイブ寸前ーーみなさんさようなら〜〜」
咲「死ねーーー!!」

でも、なんだかんだ言って、最初は水平方向に窓に向かって蹴っていた咲も、
窓際寸前では垂直なストンピングに切り替えてる辺り、意外と冷静です。


そして部室入り口付近でも軽くトリップしちゃってる人がもう1人。
斑「(くぅ…っ。春日部さんの胸の感触か…ちょっとうらやましい…。俺にも彼みたいなお笑いノリがあれば…)」
いや。妄想してないで助けなさいって。
617[リレー]げんしけん24 朽木12:00:2006/01/03(火) 03:54:40 ID:???
>>615
すいません。オチストーリー見てさらに続けちゃいました…
あそこで終わらせたくないw
618マロン名無しさん:2006/01/03(火) 04:24:44 ID:???
>>617
>>615です。
まさかあそこから続きを考えるとは・・・
それにしてもクッチー、命がけの大ボケに惚れたぜ。
GJ!
ちょっとだけフォロー。

その後、クッチーの様子を見て心配になって部室に来た児文研会長の証言により、彼が児文研の部室に入り浸っていたこと、カーテン越しなのでハッキリとは見えていないことなどが判明した。
それにより今回のことは不問とされ、微妙な緊張関係は続いたものの、前よりは部室に出入りしやすくなった。
619マロン名無しさん:2006/01/03(火) 04:27:48 ID:???
リレー落ちもついたけど、まだまだ書いてもいいとおもうんだ!
どんどん埋めていけばいいと思うんだ!
620[リレー]げんしけん24[児会長12:00]:2006/01/03(火) 08:47:40 ID:???
その頃、げんしけんの向かいの棟…児文研ではクッチーに引き続き
窓からこっそり双眼鏡でげんしけん部室を覗く1人の女性がいた。
なんと児文研会長(以下児長)だ。

児長「あらあらあらまーまーまー」
児文研会員A(以下児A)「会長ー・・・他所のサークル覗き見はよくないですよ」
児長「そんなことより…朽木さんがなにやら大変な状態になってましてよ…?」
児A「ほっときゃいいのにあんなバカ。会長もモノ好きですねぇ」
児長「あらあら。彼もうちの会員さんなんですのよ?暖かく見守ってあげないと〜」
児A「よりによってあんなのの名前を借りなくても…はあ〜。先輩を敬えと言われても無理ですからね?」
児長「そうねえ。3年の会員は彼だけなのよねえ。いっそ彼に会長の座を譲ろうかしら?」
児A「ひいいいいいい!!!会長!冗談でもそんなこと言わないでください!児文研を潰すつもりですか!」
児長「でもこのまま新入生が入らないと本当に潰れてしまいかねませんし…」
児A「私が何とかします!何とかしますって!…大体、会長職だって私が引き継いでも良かったんですよ?
  そりゃあ…、2年の私じゃ在籍期間もまだ短くて頼りないのかもしれませんけど…」
児長「あらそんなことはありませんよ?ただ私自身、まだ引退するには早いかなと思っただけですから〜」
児A「やっぱり大学院に進むんですか?就職活動やってませんよね」
621[リレー]げんしけん24[児会長12:00]:2006/01/03(火) 08:48:29 ID:???
児長「ええ。私はまだこの学校でやりたいことが色々ありますので…」
児A「例の、目標としてる人、ですか?・・・げんしけん元(初代)会長といい、あの朽木といい、
  会長って変人好きですよね…」
児長「個性的とおっしゃいなさいなv げんしけん初代会長様はそれはそれは尊敬できる…」
児A「その話はもう耳にタコができました」
児長「あらあら」
児A「・・・それであのバカがどうしたんでしたっけ?」
児長「そうそう。ほら、ごらんなさいな」
児A「・・・?」「…うわ、何やってんだあれ」
児長「落ちてしまいそうですわねw」
児A「いや、マジで落ちたら死にますって、あれ。げんしけんは落下傘部隊の集まりですか」
児長「あなた、それ児童文学ではなくてよ。そういえば荻上さんともお知り合いなんでしたっけ」
児A「こないだ講座でたまたま隣の席になっただけですって…あの女もよく分からん…」
児長「いけませんよ。未知への探求心なくして児童文学の追求もまたありえません。何事にも興味を持たないと」
児A「関係ありますか!それに会長はなんにでも興味持ちすぎです」
児長「それにしてもあの状態はいけませんね。ちょっとあちらにお邪魔してきます」
児A「お好きにどーぞ。私は次の会誌のテーマを考えておきます」
児長「メアリー・ポピンズなんてどうかしら〜」
児A「・・・朽木に傘持たせて窓から突き落とすんですか?」
622[リレー]げんしけん24[児会長12:00]:2006/01/03(火) 08:49:05 ID:???
さて、げんしけんの部室にやってきた児文研会長。

児長「こんにちはぁ、みなさま」
斑「おおっ!? お久しぶりです。まだ会長されてるんでしたっけ」
児長「おかげさまで…。斑目さんは卒業なされても毎日顔を出されてるようで、楽しそう…w」
斑「い、いや〜お恥ずかしい。何せ会社がすぐそこなもんで」
児長「それにしても何の騒ぎなんでしょう?向かいからも見えましたけど…」
大「彼が女子の着替えを覗いたんですよ!」
朽「おお〜う。クッチーそんなことしてないにょー」
大「黙りなさい!今更しらばっくれても無駄ですよ!」
児長「あらあらあら。朽木さん、それはいけませんねぇ…」
朽「ワタクシ、神に誓って着替えなど見てないと断言できるものでアリマス!」
児長「そうですねぇ。着替えされてるとき、部室にはカーテンがかかってて中までは見えませんでしたものねぇ」
大・荻「…はぁ?!」
児長「彼はそのとき、私たちの部室にいたんですのよ」
大「え、それはどういう…?」

以下、事情と状況を説明する児文研会長。

大「ふ、ふ〜ん…。でも女2人しかいない部室を外から覗いてるなんて十分悪趣味かと思いますけど」
児長「ええ、でも、彼なりに場の空気を読もうと努力した結果ですから…」
大「…あなたがそういうのでしたら…。でも気をつけてくださいね。彼を信用するときっと痛い目にあいますよ?」
児長「存じ上げておりますよ。お気遣いありがとう(にっこり)」
大「…う。ま、まぁそれなら特に何も言うことはありませんが…。私も少し大人げなかったかもしれません」
朽「まるで女神さまだにょ〜。クッチー、このご恩は一生忘れませんことにょ!」

斑「ええと・・・・そろそろ俺、飯食っていい?」
大「あっ!すいません。机の上に色々広げっぱなしですね。すぐ片付けますから!」
623[リレー]げんしけん24[児会長12:00]:2006/01/03(火) 08:52:58 ID:???
す。すいません。こんなの投下しちゃっていいのか俺!?と思いつつ、
>>618のフォローを読んで、そういう設定は是非リレー内で書きたいと思い…
あと、>>584の「児文研会長(5巻の冒頭で斑目たちに応対してた女性)」という設定に、
5巻冒頭の女性はあの時点で児文研会長だと思ってた俺にとって、
学年が噛み合わないのを整合性取りたくなって色々と俺設定を付加してしまいました。

いいのかこれ・・・・
624マロン名無しさん:2006/01/03(火) 10:32:44 ID:???
>>620->>622
いいです!よかです!オッケーです!
いやー実は俺、クッチーと児文研の関係を勝手にでっち上げた馬鹿野郎なんですが、まさかこんな形で乱入があるとは思いもよりませんでした。
早くも今年最高のGJ候補出現!

それにしても児文研会長、女初代会長ですか・・・
何かこのリレーSS、宇宙が光の速さで膨張を続けるみたいな勢いで膨らんでますなあ。
でもいいか、行ける所まで行きましょう。
神の領域まで・・・
625マロン名無しさん:2006/01/03(火) 15:32:36 ID:???
>>620->>622
いいんじゃないすか??
よもやこういうアプローチで来るとは思わなかった!!
626マロン名無しさん:2006/01/03(火) 23:22:33 ID:???
リレー荻上12:00です

>>606
すまない!朽木は俺には「動かしずらい」キャラなんでお約束で出してしまった!
オチストーリーGJ!

>>608
どもです。
気付いたけど、笹原の心境の変化のほかに、大野と荻の関係の変化もあるから
どっちか退場させなきゃいけないと思うんだけど、それは次の人に任せますか!
リアルタイムだとそういう矛盾があるよね。一ヶ月咲はげんしけんのメンバー
の笹、荻、大がそろってるところに出くわしてない?

新作まとめてGJ!
>リレー笹原12:00
よかった!笹原の内面描写は俺のイメージと同じ感じでしたよ。セリフそのまま
使っていただきサンクス!

>リレー朽木12:00
これが合宿の拘束エピソードへと続くわけですね。これも運命か・・・。

>リレー児研会長12:00
無限の広がりを見せる「げんしけん」ワールドですね。「じどうけん」スタートですね。
童話パロが巧そう。

12時前のエピソードで埋まってないのは、咲と久我山?斑目は出社まで進んだんでしたか。
誰か書きます?

627[リレー]げんしけん24[児会長12:00]:2006/01/04(水) 01:40:43 ID:???
>>624
児文研の会員って、あんだけ何度も目の前で覗き遊びを見てますからね。
興味を持つ人が出てきても不思議じゃないんじゃないかと。
げんしけん初代会長の暗黒面を最も知りやすい位置にいる外部の人だと思います。
(今のとこ「目指してる」だけで初代会長には及びもつかないレベルだと思いますが)
しかもクッチーのこの挙動不審行為を快諾する辺りとか、
事情を聞いてる&名義借りという設定もあるんですけど
そこに「本音と建前」があると考えると倍楽しいかな、とか。
敵の敵は味方理論でクッチーに同情票が集まってるとはいえ、
「いつも」お茶を出して歓迎してる辺りも怪しい…

とか、SS相手に色々深読み&妄想しちゃってますw

で、児文研会長はクッチーに(人間的に)興味がある素振りを見せてるんですが、
このクッチーには今までずっと貸しを作らせ、今回さらにピンチを救って女神化。
これで児文研会長はいつでも好きなときにクッチーを裏技のコマとして使うことが
できるようになったわけですが、それはまた別のお話・・・・ww
628マロン名無しさん:2006/01/04(水) 01:41:57 ID:???
いけね。コテハンつけっぱなしだった。
629[リレー]げんしけん24笹原13:00 :2006/01/04(水) 02:38:04 ID:???
「なんでいるんだよ・・・。」
「オッス、兄貴〜。」
結局大学にいてもすることがなかったので、家に帰ったところ、
恵子が堂々と入り込み、ゲームをしていた。
「また勝手にゲームしやがって・・・。」
「いいじゃん、メモリーカードは自前だしぃ。」
そういって恵子は画面から目を離さずに話す。
やれやれといった顔で自分もテーブルの横に座る。
「お前、学校いってるのかよ。」
「ええ〜。いってるよ〜。」
「じゃあ何でいるんだよ。」
「今日はたまたま〜?」
やっぱりやめるな。
そう思ったものの、かける言葉も見当たらない。
「あ、そうだ、高坂さん部室いた〜?」
やはり画面から顔を離さずに。
「俺がいたときはいなかったけど、今頃はいるかもな。
 春日部さんも来てたし。」
「え、本当!?じゃ、あたし行ってくんね!」
そういって、恵子はすぐさまセーブするとゲームを切って外へ飛び出していく。
「ったく、ちゃんと片付けていけ!」
「また今度〜!」
その恵子の返事が聞こえたのはすでに玄関から外に出て行こうとしているときだった。
「今の片づけをどうやって今度やるっていうんだよ!全く・・・。」
しかし、いなくなってくれたのは好都合だった。
630[リレー]げんしけん24笹原13:00:2006/01/04(水) 02:39:53 ID:???
思い出すのはあの姿、あの顔、あの声。

一人買ってきた昼食をとりながら考え込む。
「はあ・・・。」
なかなか感情の収まりがつかない。
(結局は、どう思ってるんだ?)
荻上が入ってきて、少しずつ話すようになって。
去年の夏コミのときは一生懸命手伝ってくれて。
人を避けてるように見えるけどどこか抜けていて。
「そういえば冬コミのときは・・・。」
思い出をたどるたびに笑みがこぼれる。
サークルの会長として忙しかったし、考える事もなかった。
後輩で、ずっと妹のように思ってきたけど。
「そっか。そういうことか。」
情けない。今頃気付くなんて。
「自分がそういう感情持つようになるなんて思ってなかったからなあ・・・。」
だからオタクは!そう、咲に突っ込まれたような気がした。

だけど、自分はどう思われてるんだろうか。
「嫌われてはいないとは思うんだけど・・・。」
しかし、そういう関係になるほど好かれてるとは思えなかった。
第一、笑った顔なんて見たことがない。
「こういうときどうすればいいんだ?」
いろんな漫画もゲームも体験してきた。
実際なってみるとこうも役に立たないものか。
「主人公にもう文句つけられないな・・・。」
どうすればいいのかなんて見当もつかない。
いままで、体験したことのない未知の領域がそこにあった。
631[リレー]げんしけん24笹原13:00:2006/01/04(水) 02:41:54 ID:???
笹原の独白を書きたかったわけですよ。
恵子が出てきたのはまあ、広がりを作りたかったんですよ。
632マロン名無しさん:2006/01/04(水) 05:05:36 ID:P2gTXO0q
斑「もう5年たったのか・・・・。」
そうつぶやくと、斑目はテーブルに肘を置き頬杖をついた。
広い居酒屋の店内、早く来すぎた為かテーブルには彼一人しかいなかった。
そのテーブルの上にはハガキがありそこには、
今回の『げんしけん OB・OG会』の知らせがあった。
斑目が卒業して6年、正確に言うと部室へ行かなくなって5年がたち
久しぶりに顔を会わせるのである!
夏のあれから、笹原と荻上は付き合うことになった、
斑目自身、そんな二人を見守っていたい気持ちはあったが、
自然と部室から足が遠のくようになった・・・・。
そして笹原が卒業後、大野は荻上に会長を譲り、引退したと
田中から聞かされた。
633マロン名無しさん:2006/01/04(水) 07:27:43 ID:???
>>632
終わり?続き執筆中?それとももうスレの寿命が尽きた?
その確認の為、試しに書き込んでみます。
634マロン名無しさん:2006/01/04(水) 17:20:02 ID:???
>>629->>630
このぐらいに止めてくれた方が、かえって妄想喚起されるな。
GJ!
「主人公に文句つけれんなあ」ってのが、凄く笹原っぽくてワロタ。
>>632
続き無いの?
まあエピローグ風にもプロローグ風にも読める微妙な文章なんでこれで終わりでもいいけど、出来たら続き読みたいな。
超大作の続編執筆中かな?
それともパソコン壊れたのかな?

635マロン名無しさん:2006/01/04(水) 18:39:47 ID:???
笹荻がくっついた後、大野に「ほら、笹原さんも見たいですよね」とか言われてコスプレを迫られる荻上。
赤面しつつ、口では断りながらも、思わずチラチラと笹原の様子を窺う。

「前回だってちょっとしか見られなくて残念だったでしょ? 今度はもっとしっかり見たいですよね」
大野はここぞとばかりに強く押してくる。それに苦笑で答えながら、
「まぁ、確かに可愛かったし、正直に言えばまた見てみたいかな。もちろん荻上さんが良ければだけど」
という笹原の言葉に大野はぐっと身を乗り出し、荻上は抗議の声を上げようとしたところ、

「…けど、俺以外の男に見せたくないってのも正直なところで」
困ったような笑顔のまま続く笹原の言葉に、思わず二人は固まっていた。見る間に耳まで赤く染まる荻上。

「じゃ、じゃあ、身内レベルならいいってことですか?」
この際とっかかりは何でもいいとばかりに押す大野。
「ん? ああ、荻上さんさえ良ければ、ね」
二人の視線が荻上に向けられる。

「わ、私は、その……。さ、笹原さんになら…」
俯いたままか細い声で答える。
「荻上さん…」
「笹原さん…」
しばし見つめ合う二人。

突如として出現したラブ時空の外に追いやられた大野は、アメリカにいる友人の事を思い出して小さく呟いた。
「ばかばっか」
636マロン名無しさん:2006/01/04(水) 20:31:12 ID:???
キックオフという漫画がその昔
637マロン名無しさん:2006/01/04(水) 20:49:57 ID:???
>>635
「俺以外の男に見せたくない」人は、普通は身内レベルでもダメですw
つーか、むしろ知ってる男が見ちゃうのは特にイヤだよな。
全然知らない男にならむしろ自慢のつもりで見せられる。

わかってねーよ大野さん!
638マロン名無しさん:2006/01/04(水) 21:38:54 ID:???
大野さんに乗せられて半ば無理矢理ハレガンの大佐コスをさせられた笹原に
思わず胸きゅん(笑)になる荻上さんの話とか誰か書かないかな。
639マロン名無しさん:2006/01/04(水) 21:50:53 ID:???
>>638
まあ、俺が冬コミで出した同人小説の内容なんですけどね。
ちょっと違うけど似たような感じ。
640マロン名無しさん:2006/01/04(水) 21:52:01 ID:???
コミフェス前に散々語られたネタだ。
そうなるに決まってると信じてる者さえいた。
641マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:05:41 ID:???
>>638
笹原の大佐コスを見て
荻「……あ……あ……」
大「(ニヤリ) どーしたんですかー? あ、もしかして荻上さんも一緒にコスプレしたいとか!?」
荻「……いや……そんなこと……」
大「ほらほら笹原さんカッコイイですねえ〜 一緒にコスプレして並んだらそれはもう……」
荻「……だ、誰も今日来ませんよね……? ん、なら……」
笹「はは……俺コレまだ着てるの? (うわー! 荻上さんがコスプレしてくれんの!? うわ! うわー!)」
642マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:13:37 ID:???
>>639
ちょ、おま、通販希望
643マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:14:07 ID:???
>>641
で、荻上さんのコスがエドだったので、「そっちかい!」と落胆する笹原・・・

つーかそもそも、ハガレン(ハレガンか)に笹が好きそうなコスってあったかな?
(荻上さんには絶対出来んラスト除く)
644マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:18:52 ID:???
荻はランファンでバッチリなんだが、それには笹原が興奮するような要素が……

ハレガンでロリかつ露出の多いキャラ……いる?
645マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:23:22 ID:???
>>642
ぜひお売りしたいが、どうすればいいやら・・・。

>>643->>644
俺の作った本だと、普通に軍服着せたんだけどね。
中尉ってことで。まあ、カップリングを意識してね。
646マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:24:08 ID:???
>>643
露出面ではアレだけど、自分が大佐なら荻にはホークアイになってもらいたいと
笹原なら考えるような気がする。
647マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:25:26 ID:???
>>645
お。ビンゴだ。

でもここは腐女子的にはエド×大佐でキャー!なんだろうな〜と
>>643のリアルさに涙ちょちょぎれ
648マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:26:53 ID:???
いや待てよ。大野が着せる場合は大佐×エド想定の気がしてきた。
649マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:28:15 ID:???
>>648
大野さんは総統×豪腕だろ?
650マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:28:55 ID:???
咲……ホークアイ
大野……ラスト
笹原……大佐
荻上……ランファン(ピナコ)
斑目……ヒューズ(タッカー)
朽木……リン


朽「オギチンはボクにデレデレだにょー!」
651マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:33:52 ID:???
>>649
いや、自分が萌えるためじゃなく、笹×荻想定の上でだから。
652マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:36:40 ID:???
>>651
だったらノーマルカプでいくと思うけどね。
笹原と荻上くっつけようって考えるなら。
大野さんもそこまで逸脱してるとは・・・。

してるか。
653マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:37:44 ID:???
>>652
その方が荻が萌えてその気になると考えれば大野さんならやりかねんw
654マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:39:31 ID:???
>>653
笹原が無理っぽいが。
いや、いけるか。
中身オギーだし。
655マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:47:59 ID:???
大佐×中尉ではお互いに照れるだけで動かないからダメ。
大佐×豆にした上で

「いえいえ、大佐ならそこはこう言うんですよ!そうですよね、荻上さん!」
「は…そ、そうですね。確かに大佐ならここはもっとこう…」
「そ…そういうもんなんだ。こ、こう?」
「ええ、ここで私がこういう体勢を取るんで笹原さんはこう上から威圧するように…」
「な、なるほど…。こう?」
「そうです。そこで私がこう…。ほら笹原さんはそこで、こう」

「乗ってきましたね(ニヤリ)」
656マロン名無しさん:2006/01/04(水) 23:52:26 ID:???
>>655
>>大佐×中尉ではお互いに照れるだけで動かない
そこがいいんだがなあ・・・。
657マロン名無しさん:2006/01/05(木) 00:01:06 ID:???
くっくうー。ハガレン読んで無いからわっわからん!
漫画喫茶で読破かー。コメディー路線も面白いな。
他にも同人誌のストーリーで面白い設定あったら知りたいwwwwww

>リレー笹原13:00
GJ! 心境の変化がじわじわ見えてきましたねwww
笹原が一番時間先行しましたね。午前の空白のキャラ埋める人いなきゃ
埋めちゃうかな。
658マロン名無しさん:2006/01/05(木) 00:46:38 ID:???
>>649
大野さんの場合は、それもアリだけど豪腕×肉屋の旦那では?
>>650
クッチーは上半身に墨塗って線引いて、「最強の盾」全開のグリード。
あるいは無難に、弟君か死刑囚の鎧コス。
659マロン名無しさん:2006/01/05(木) 01:38:46 ID:???
ハガレン(ハレガンか)コスの話題が一段落したところで、チト長いSSを投下します。
内容は来月号の予想です。
(ぜってー当たんないけど)
15レスぐらいに分けて投下する予定です。
もし他に投下する方いらしたらレス下さい。
そちらが済むまで待ちますので。
およそ5分後に投下開始します。
660マロン名無しさん:2006/01/05(木) 01:46:22 ID:???
ハレガンコスプレにからめたSSを、たしかエロパロ板で読んだ記憶があるな
661地雷を踏んだらコニョニョチワー@:2006/01/05(木) 01:51:18 ID:???
クッチーは別荘周辺の森の中を彷徨っていた。
と言っても道に迷った訳ではない。
ヒップバッグの中には、周辺の地図とコンパスが入っている。
それも軍用のレンザティックコンパスだ。
彼は合宿直前、ランドナビゲーション(地図とコンパスで、現在地点や目標地点への方角や距離を正確に調べること)のやり方を一夜漬けながら一通りマスターしていた。
だから出鱈目に彷徨っていても、帰って来れる自信はあった。

彼の手には、相変わらずデジカメが握られていた。
念の為にヒップバッグには、予備のバッテリーやSDカードやカメラを入れていた。
さらに腰にはホルスター状の革ケースに入った、米軍払い下げの暗視スコープがあった。
すでに日は落ちたが、これがあれば夕暮れ程度の明るさで撮影できる。
(クッチーは夜目が利くので、暗視スコープも念の為に用意したマグライトも、歩く分には必要無かった)
それにフラッシュ使わないで済むので、隠し撮りにも最適だ。
とは言っても、彼は別にいかがわしい写真を撮る気は無かった。
いや正確には、チャンスがあれば撮るかもしれないが、それのみを求める積りは無かった。
662地雷を踏んだらコニョニョチワーA:2006/01/05(木) 01:54:46 ID:???
今回クッチーは写真係を務めるに当たり、新たにデジカメを購入した。
彼とてオタクの端くれだ。
何か新しい道具を仕入れるとついいろいろやりたくなり、可能な限り付属の道具を揃えようとする。
その結果が今回の重装備だった。
もっとも今回に限っては、それは正解だった。
日がな一日写真を撮り続けている内に、彼の中の眠れる光画魂が覚醒したのだ。
(注、光画=写真 またあーるネタでスマン)
写真の初心者であるクッチーに、どういう写真が撮りたいというビジョンは無い。
どういう写真がいいのかという判断基準も無い。
だが撮りたいという欲求だけは無限大に膨らんでいる。
ならば先ずは撮りたいだけ撮るだけだ。
従来のカメラと違って、デジカメならフィルム残数は殆ど考えなくていい。
撮りたいという気持ちに忠実に撮り続ける、彼の光画道はそんなスタイルで始まった。
663地雷を踏んだらコニョニョチワーB:2006/01/05(木) 02:00:35 ID:???
実はクッチーがこうして彷徨っているのは、建前上は写真を撮る為では無かった。
笹原が荻上さんを追って出た後、他のメンバーたちはとりあえず別荘で待っていたが、日が落ちても帰って来ないので全員で捜しに行くことになった。
そして手分けして捜すことになったのだが、彼にはその気は全く無かった。
彼は多少過大評価気味なほど、笹原のことを信頼していた。
だから「荻チンのことは笹原先輩にまかせておけば大丈夫にょー」と安心し切っていた。

世間一般には空気の読めない奴と認識されがちだが、実はクッチーは空気に敏感だった。
現視研で最も野生に近い感覚を持ったクッチーは、相手の表情や喋り方やしぐさから、大ざっぱにだが考えていることや思っていることを嗅ぎ取ることが出来た。
(新人勧誘の時にコス泥棒にいち早く気付いたのもその為だった)
ただそれに対するリアクションが末期的に不適切な為に、結果的に空気の読めない奴になってしまうだけなのだ。
だから彼は笹荻が相思相愛であることにも気付いていた。
それと同時に、荻上さんに何か重いトラウマがあるらしいことにも感付いていた。
だがその詳しい内容を知らないせいもあって、彼はそれでも笹原を信頼し、事態を楽観視していた。

664地雷を踏んだらコニョニョチワーC:2006/01/05(木) 02:05:43 ID:???
「さてと、戻るかにょー」
クッチーは別荘に向かった。
「笹原さんと荻チンは帰って来たかにょー?」
見つかり次第、見つけた者が他全員に連絡することになっていたが、まだ連絡は無い。
渓谷の向こう側に人影が見えた。
星明かりの下では2人ということぐらいは分かるが、顔や体型などの細かい所まで見るには暗く、距離も離れていた。
1人がもう1人から逃げるように走り、柵を乗り越えて川に飛び込んだ。
「何ですと?」
あとの1人も飛び込み、先に飛び込んだもう1人を助けて河原に上がった。
「何があったにょー?しまった!シャッターチャンスを逃したにょー!」
クッチーはデジカメを最大望遠にし、暗視スコープを出してデジカメのレンズに宛がう。
(接続できるアタッチメントは無い)
そして2人を見て驚愕する。
「笹原先輩と荻チン?」
レンズの向こうで、笹原は携帯を出して何やら操作していた。
だがやがてそれを放り出し、荻上さんの様子を見ている。
「そうか、救急車呼びたいのに携帯が濡れちゃって使えないんだな。よっしゃ、僕チンが呼ぶにょー」
665地雷を踏んだらコニョニョチワーD:2006/01/05(木) 02:10:30 ID:???
慌てて携帯を取り出したクッチー、119番に電話する。
だが場所を訊かれて答えに窮する。
山の中なので目標になるような建物も無く説明しにくい上に、そもそも今自分がどの辺に居るかが分からない。
追い詰められたクッチーの頭の中で、ザクロに似た物体が弾けた。
彼の潜在能力が目覚めたのだ。
常人では考えられないスピードで地図を広げてコンパスを操作し、自分の位置と笹荻の位置を割り出し、地図上の座標を用いて細かく具体的に彼らの位置を119番のオペレーターに伝える。
電話が終わるとクッチーは再び2人を見た。
思わず固まってしまった。
レンズの向こうでは、笹原が荻上さんに対してマウストゥーマウス(口移し)法で人工呼吸を行なっていたのだ。
だがクッチーの立ち直りは早かった。
すかさずシャッターを押した。
念の為に何枚も撮った。
確認してみると、ちゃんと撮れており、しかも上手く2人の顔が写る角度だった。
「ハラショー!」
今日最高のベストショットに、勝利の雄叫びを上げるクッチーだった。
666地雷を踏んだらコニョニョチワーE:2006/01/05(木) 02:15:22 ID:???
笹原は思ったよりも早く荻上さんを捕捉した。
拒絶して逃げたにも関わらず、荻上さんは追って来た笹原を見て喜びがこみ上げた。
だが次の瞬間、彼女の脳裏に浮かんだのは笹原が落ちていくビジョンだった。
いけない、今度は笹原さんを傷付けてしまう!
荻上さんは逃げ出した。
笹原も追跡する。
小柄軽量な為に本来敏捷なのだが、二日酔いで飲まず食わずで寝てたので、荻上さんの足はいつもより遅い。
一方笹原は体力はあったが、彼女ほど足は速くない。
そんな2人の追っかけっこは、付かず離れずで山奥まで続いた。
そしてクッチーが彼らを発見した渓谷まで来て、荻上さんはとっさに川に飛び込んだのだ。

荻上さんの飛び込んだ川は浅かったが、彼女の背丈では水面は口元にまで達した。
さほど流れは速くなかったが、疲れ切った彼女にとっては大きな負荷となった。
だから彼女はすぐに溺れて失神した。
一方笹原は首から上が何とか水面より上に出て、流れの速さにも体力的に対応出来た。
だからさほど泳ぎが上手くない笹原でも、荻上さんを抱き抱えて「歩いて」救助することが出来た。
667地雷を踏んだらコニョニョチワーF:2006/01/05(木) 02:22:08 ID:???
河原に荻上さんを横たえた笹原は、携帯で119番に連絡しようとした。
だが水に浸かった為に携帯は使えなかった。
どうするか一瞬迷ったが、やがてある決断をした。

話はおよそ1週刊前、笹原内定の直後に遡る。
「編集者ってのは、漫画家の為にいろいろ雑用をこなさなきゃならん何でも屋だ。やれることは1つでも多いに越したことは無い」
そういう信念から、小野寺は笹原にいろんな課題を与えた。
「普通免許ぐらいは持っとけ」と自動車学校に通わせたり、「絵描きの友だち居るんなら線の引き方と色の塗り方ぐらいは習っとけ。最悪の場合、君が原稿仕上げにゃならんことだって有り得るからな」といった具合だ。
そんなある日のこと。
笹原「応急手当講座?どうしてまた?」
小野寺「いいか、漫画家ってやつは精神病の一歩手前のデリケートな生物だ。締め切りに追い詰められてテンバったら、いつ自殺してもおかしくない」
笹原「なるほど、だから第1発見者になる可能性の高い編集者が対応しなきゃいけないと・・・」
小野寺「そうだ、何としても蘇生して原稿だけは上げてもらわないと」
笹原「そっちの心配ですか、ハハッ『この人鬼だ』」
668地雷を踏んだらコニョニョチワーG:2006/01/05(木) 02:27:35 ID:???
その応急手当講座は意外と本格的で、人工呼吸の方法まで教わった。
だから救急車が呼べないとなった時、真っ先に頭にそれが浮かんだ。
一瞬笹原はためらった。
『荻上さんの唇に俺の唇を・・・馬鹿っ、こんな時に何考えてんだ、俺!荻上さんの命が危ないってのに!』
だが次の瞬間には自分自身を叱り、荻上さんの唇に自分の唇を重ね、人工呼吸を施した。

意識の戻った荻上さんがまず見たのは、大粒の涙を流している笹原だった。
そして笹原はいきなり荻上さんを抱きしめた。
笹原「(泣きながら)良かった・・・もし荻上さんが死んじゃったら、俺、俺・・・」
多少びっくりしながら、荻上さんは自分に何があったかをようやく思い出した。
荻上『そっか。私また飛んじゃったんだ。笹原さんが巻田君みたいに傷付くのが怖くて逃げようとして・・・』
ここで荻上さんは、自身の思考の矛盾に気付き、混乱した。
荻上『笹原さん傷付けたくないから逃げたのに、それが笹原さん傷付けてしまった・・・』
混乱した荻上さんは、本能で答えを出した。
笹原の背に腕を回し、自分が抱かれているのに負けないぐらい強く抱きしめた。
笹原「荻・・・上さん?」
荻上「(泣きながら)ごめんなさい・・・」
そこでクッチーの呼んだ救急車がやって来た。

669地雷を踏んだらコニョニョチワーH:2006/01/05(木) 02:33:04 ID:???
救急車の中で、笹原は救急隊員から状況についてあれこれ訊かれた。
一通り問診が終わると、今度は荻上さんに声をかける。
救急「君ね、彼の処置が適切だったから助かったけど、下手したら危なかったよ」
荻上「すいません・・・」
救急「ほんと彼には感謝しなさいよ。愛のキスのおかげで助かったんだから・・・」
荻上「えっ?」
笹原「(赤面して)ちょっ、ちょっと、そっ、それは・・・」
救急「つまりマウストゥーマウス、即ち口移し式の人工呼吸を彼がやってくれたんだよ」
一気に赤面して失神する荻上さん。
笹原「荻上さん!しっかりして!」
救急「(荻上さんを見て)大丈夫、気絶しただけだから。(怪訝な顔で)キス、まだだったの?」
笹原「(最大級に赤面)・・・はい『それ以前に付き合ってないし・・・』」
救急「もしや・・・彼女とどうかというのも置いといて・・・初めて?」
笹原「・・・はい」
タイミングを合わせたように、荻上さんがうわ言を言う。
荻上「人工呼吸・・・初めてのキスなのに・・・」
救急「どうやら彼女も始めてみたいだね」
赤面したまま固まる笹原。
救急「(ニンマリ笑い)いやー青春してるねえ」
670地雷を踏んだらコニョニョチワーI:2006/01/05(木) 02:39:01 ID:???
やがて荻上さんを乗せた救急車は病院に着いた。
いろいろ検査を受け、とりあえず数日入院することになった。
救急隊員たちが帰る際に、笹原は素朴な疑問を口にした。
笹原「そう言えば救急車、どなたが呼んで下さったんですか?」
救急「やっぱり君じゃなかったのか」
笹原「俺の携帯、水に浸かって使えなかったんです。それよりやっぱりって?」
救急「名前訊く前に切っちゃったらしいんだよ、119番してくれた人。まあ物凄く正確に地図上の座標で現場教えてくれて、こっちも助かったから表彰したいんだけどね。何でも、語尾に『にょー』って付ける変な喋り方してたらしいんだけど・・・」
笹原「にょー?」

荻上さんの入院手続きを終えると、笹原は1度別荘に戻った。
みんなへの連絡と、荻上さんの荷物を運ぶ為だ。
たまたま戻っていた斑目の携帯で他全員に連絡し(クッチーだけつながらなかった)、斑目と一緒に再び病院に向かった。
(心配かけない為に、みんなには荻上さんが誤って川に落ちたということにした)
1時間後、クッチーを除く全員が病院に集結した。
泣きながら抱きしめる大野さんや、泣きながら怒鳴りつける咲ちゃんに、改めて大変なことをしたと後悔し、同時にげんしけんがいかに自分にとって大事な場所かを悟る荻上さん。
荻上『わたすには帰るところがあったんだ。こんな嬉しいことはねっす。って、こんな時にガンダム台詞パロやってる場合ですか?これだからオタクってやつは・・・』
671地雷を踏んだらコニョニョチワーJ:2006/01/05(木) 02:43:52 ID:???
みんなが揃ってから数十分後にクッチーも病院に着いた。
咲「どこまで行ってたんだよ?連絡もしねえで」
朽木「いやー申し訳無い、携帯の電池切れちゃって・・・」
それは本当だった。
ここ数日充電するのを忘れてた上に、119番した時に細かく具体的に場所を説明してたら予想以上に長電話になってしまい、名前を問われて答えようとした途端に電池が切れたのだ。
そんなクッチーに物凄い勢いで駆け寄り、彼の右手を両手で力強く握る笹原。
朽木「にょ?」
笹原「ありがとう(涙を流し)本当にありがとう朽木君!」
咲「何かあったの?」
笹原「朽木君が救急車呼んでくれたんだよ」
咲「ほんとかクッチー?(強く肩を叩き)でかした!」
荻上「あの朽木先輩・・・ありがとうございました」
他のみんなも口々にクッチーを褒め称える。
実はクッチー、病室に入るまでは人工呼吸の写真を見せる気満々だった。
だがさすがに空気への対応力の無いクッチーと言えども、このいい場面であの写真を見せる度胸は無かった。
それに彼の中には、みんなに見せたい反面、自分だけの秘密にしておきたい矛盾した欲求もあったので、今回は後者の欲求に従うことにした。
672地雷を踏んだらコニョニョチワーK:2006/01/05(木) 02:49:56 ID:???
それから数年後。
今日は笹原と荻上さんの結婚式。
咲「みんな揃ったか?」
斑目「大野さんと田中がいないみたいだけど」
咲「あの2人は新郎新婦の着付け手伝ってるよ」
斑目「今日の衣装って何かのコスなの?」
咲「よく分かんないけど、田中が作ったらしいから」
斑目「高坂は?」
咲「仕事で遅れるけど、式には間に合うと思うよ。久我山は受付だっけ?」
斑目「ああ。朽木君がまだみたいだな」
咲「またあいつか。あたしん時もすっぽかしやがったからなあ。(恵子に)何か聞いてないの?」
恵子「知んねえよ。2ヶ月前に南米の○○共和国でクーデターがあるから参加するってメールあって、それっきり音信不通、携帯も通じないんだ」
斑目「参加って・・・オリンピックじゃないんだから」
咲「またかよ。お前もえらいのと付き合っちまったな」
恵子「(少し赤くなり)しゃーねえだろ。戦場で写真撮ってるあいつ、けっこうかっこよかったんだから・・・」
斑目「ああ、去年NHKでドキュメンタリーでやってた、えーと『戦場の真ん中でイエーと叫ぶカメラマン』だっけ?」
恵子「そうそれ!あん時のあいつ、チョーかっこよかったんだよねー」

673地雷を踏んだらコニョニョチワーL:2006/01/05(木) 02:55:27 ID:???
クッチーは合宿後、本格的に写真を始めた。
田中から基礎的なことを学び、あとは写真の専門学校に入り、大学と並行して通った。
卒業後しばらくは某有名カメラマンの助手になり、独立後は「戦場なら腕やキャリアよりも、戦場に行く度胸だ」と某新聞社の記者にそそのかされて戦場を仕事場にするようになり、気が付けば戦場カメラマンとして有名になっていた。

斑目「でも大丈夫かな?確か3年ぐらい前に戦場で写真の仕事があるって聞いて行ってみたら記録写真担当の軍人で、戦場にいる期間より新兵の訓練期間の方が長かったってぼやいてたなあ・・・」
咲「あいつ語学力中途半端なくせに自分で仕事の交渉するからなあ」
恵子「そうなのよ。この間だってアフリカで傭兵の取材で行ってみたら、仕事の内容が傭兵そのもので、給料よかったけど写真はあんまし撮れなかったって言ってた」
咲「何やってんだか・・・」
斑目の携帯が鳴る。
斑目「(画面見て)久我山か(電話に出て)どした?・・・わーった、すぐ行く」
咲「どしたの?」
斑目「受付に何か荷物が届いたらしいんだ。ちょっと見て来る」
674地雷を踏んだらコニョニョチワーM:2006/01/05(木) 03:01:46 ID:???
受付に届いていた荷物とは、畳ぐらいの大きさの板状の包みだった。
久我山「斑目、これ、それに付いてた手紙。朽木君からみたい」
斑目「(封筒を受け取って中身を出し)何々、ご結婚おめでとうございます。お祝いの品を送ります。わたくしの生涯最高傑作をパネルにしました・・・どれどれ」
包みを開けてみて、仰天しつつ赤面する2人。
久我山「こっ、これは・・・?」
斑目「そうか・・・あの時のあれかあ。(ニヤリと笑い)久我山、これさあ、式の途中でお披露目するぞ」
久我山「そっ、それはちょっと過激では・・・」
斑目「(手紙を差し出し)まあ続きを読めよ」
久我山「えーと・・・本当は一生お蔵入りにする積りだったのですが、何しろ何時死ぬか分からん仕事だし、いい機会なので生きてる内にお渡しすることにしました」
斑目「命がけの男の大ボケ、男なら応えてやるべきだぜ」
久我山「そういう問題なのかなあ・・・」

そして結婚式のキャンドルサービスの直後。
斑目「それではここで、新郎の後輩で新婦の先輩、そして世界的戦場カメラマンである朽木学先生からのプレゼントが届きましたので、ご紹介します!」
司会の斑目の宣言と共に、前に運ばれてきたバネルのカバーが外される。
それを見て最大級に赤面する笹荻。
固まる新郎新婦の親族や仕事関係の出席者と対照的に、拍手喝采のげんしけん一同。
そのパネルの写真は、笹原が荻上さんに人工呼吸してる瞬間を撮ったものだった。
タイトルは「ファースト・キス」となっていた。

675マロン名無しさん:2006/01/05(木) 03:05:01 ID:???
以上です。
投下してから気付いたけど、笹荻ご両人、赤面してる場合じゃないよ。
だって結婚式なら、今からライブでそれやるんだから・・・
676秘密の夜〜失墜の魔法使い:2006/01/05(木) 05:15:34 ID:???
本スレで出てたネタからインスパイア。恵子×斑目モノ。
内容的には次号予測に近い。けど。こんなの絶対ありえませんから!w

レス5本分くらい。
677秘密の夜〜失墜の魔法使い その1:2006/01/05(木) 05:16:27 ID:???
荻上が上がってからまもなく、風呂から最後に上がってきたのは笹原の妹、恵子だった。

さすがに風呂上りではいつものあのケバイ化粧は無い。
笹原似ですっきりとした柔和な顔立ちの、案外馴染み易い顔が部屋を横切る。

斑目「へぇ…化粧を取れば案外普通…」
いつもの、外見からして自分たちを拒絶してるかのような恵子の
意外な側面を見たような気分になった。
化粧の濃い女の場合、すっぴんになると見られたものじゃない女の方が
多いのではないかと思うが(それは偏見か?)、恵子はむしろこっちの方が
ずっとかわいく見える。つーか、やっぱ普段のギャル化粧がありえねーよな。
こうして見れば結構かわいい方なんじゃないのか…?
女だらけの飲み会に向かう元気な笑顔も、この顔でなら実に素直ないい子に見え…
斑目「はっ!! いやいや俺は何を考えているんだ!!」

そのときふと視線を感じた恵子がそっちを見ると、慌てて目をそむける斑目が目の隅に入った。
恵子「ふーん・・・・?」


そして翌日の夜。
夕方のドタバタ騒ぎから無事に笹荻のカップルが成立し、祝福・野次馬に盛り上がる合宿面子。
斑目も最初こそ、その席で一緒に「いやー。あの笹原がねー!」などとわめいていたが、
1度トイレに行って戻ってみると、何だか場違いな空気を感じてしまう。
なんで俺が他人の恋愛を祝福せねばならんのだ?
斑目「…オタクの風上にもおけねーよなぁ」
などと一人ぼやいてみる。
もちろん、それが単なるひがみでしか無いのも分かっている。
678秘密の夜〜失墜の魔法使い その2:2006/01/05(木) 05:17:04 ID:???
何となくすぐに飲み会の席に戻る気になれず、コテージの外に出てその辺をぶらつく。
林の中は思ってた以上に真っ暗で、その闇の中にうるさいほどの虫の音が響く。
暗い森の中でしんみりと佇みたいと思ってたが、これも案外落ち着かないものだ。
あまり雰囲気にも浸れそうにないので、いっそその辺にどかっと座ってしまうことにした。

今日一日、春日部さんは俺らと共にみんなで行動してくれた。
てっきり高坂と2人でどこかへ遊びに行ってしまうのかと思ってたので、これはうれしい誤算だった。
だが、高坂と一緒に遊ぶ春日部さんというのも初めて目の当たりにしたわけで(海のときもほとんど別行動だったしな)
斑目「…あんなに…楽しそうな表情をするもんなんだな」
咲本人は大して意識してるわけではないのかもしれないが、やはり高坂に向かっているときは
ひときわ華やかな笑顔だったように見える。久々に高坂と遊べたことも大きいのかもしれないが。
斑目「ちぇっ。俺らなんかに気を使わず、田中たちみたいに2人で遊びに行っても良かったのによ…」
そう、つぶやいて頭上を見やる。
木の間に光る星の輝きが目に映った。
そして目を閉じる。
暗い、林の闇の中に俺は独り───

恵子「斑目さん」
斑目「う、うわっ!?」
いつの間にか後ろに笹原の妹が立っていた。
恵子「ねぇ斑目さんってさぁー・・・ひょっとして私に興味ある?」
斑目「(びくっ)な…何をイットルのかね。君は!?」
恵子「いや。ねー。オタクってどんな女に興味あるのかな、と思ってさ」
と、笹原の妹は唐突な質問をしながらすぐ後ろの辺りにしゃがみこんできた。
予想外の2ショットに、斑目は思いっきり困惑する。な、なにを答えろと言うんだー!?
恵子「うちの兄貴とアレはさー。…まぁ正直すげー趣味わりーと思うんだけどさ、今まで
   くっついてなかったのが不思議に思えるくらい馴染んでた2人だから、ま、分かるのよ」
斑目「そういうもんですかね。恋愛経験の無いワタシにゃ分かりませんよ」
679秘密の夜〜失墜の魔法使い その3:2006/01/05(木) 05:18:03 ID:???
恵子「でもさ、高坂さんはまー別格として、大野先輩の彼氏もえっれー濃いオタクみたいだし。
   オタクだからって結構ふつーに恋愛してんのね、みんな。絵の女にしか興味ないのかと思ってたよ」
斑目「・・・・・」
恵子「斑目さんは?誰か好きな女っていないの?それってどんな女?ねぇ、教えてよー」
斑目「いや、どんなって言われても…」
恵子「ねぇ…。私って、そんっっなに魅力ないかな。そりゃねーさんに勝てるとは思わないけどさ、でも…」
斑目「"魅力ないかな"って、またベタベタに『お約束な台詞』を…」
ゲシ
恵子「ああもう!ホントにあんたらってムカツクねー!!」
仮にも部活の先輩を足蹴にするか、こいつは!
斑目「俺らみたいのにそんな相談をする方が間違ってるんじゃないのかー!?」
恵子「あんたらに相談しないで誰に相談するってのよ。ぶっちゃけ、オタク好みの女ってのを教えれって言ってんの!」
斑目「ナ、ナニー!?」
恵子「もー。兄貴も今になってサカってるしさー!おせーっつーの!!お預け食ってるこっちの身にもなれっつーの!!」
いや、それはただの八つ当たりじゃないのか・・・!?
恵子「ねぇ、どうなのよ!あたしとじゃ全然そんな気になれない!?」
そういって笹原の妹は胸倉をつかんで引き寄せた。暗くてあまりはっきりとは見えないが、顔と顔が超接近する。
しかも笹原の妹の方がコテージ側になるので逆光となり、今もしてるはずのケバイ化粧もよく見えない。
ふと、昨日のすっぴん顔が脳裏に思い浮かび、ドキリとする…
斑目「い、いやー…そそそんなこと無いんじゃネ、ネーノ?た、た、たぶん…」
やべぇ。なんだか声が震えちまってる。
恵子「ホントに?斑目さん、あたしのこと好き?」
ナナナ、ナニー!?そんな風に言った覚えは無いんだが・・・!?


と思った刹那。


唇に暖かいものが触れていた。
680秘密の夜〜失墜の魔法使い その4:2006/01/05(木) 05:18:42 ID:???
おー・・・やわらけー・・・

・・・っておい!舌入ってきてんぞ舌!!
うをををを!そ、そんなあちこち舌をねじ込むものなのか・・・!
やべー。舌が絡み取られる・・・
熱い吐息が流れてくる・・・
すげー・・・これは気持ちイーかも・・・

ハァ…と大きく息を吐き、2人の唇が離れる。
そのまんま、斑目は地面に押し倒され、恵子に覆い被さられる格好になっていた。
恵子の両の手が、斑目の薄い胸に押し当てられている。
恵子「…すごい心臓がドキドキいってんね。ね、経験ないんでしょ?…全部任せてくれていーからさ…」
そして恵子は2度目のキスをしてきた。今度は軽く、チュッチュと音を立てながら。
その間に恵子の右手が、胸から腹、さらにその下へとゆっくり撫でながら移動していく…
その感触に、ゾクゾクするものを感じた。
カチャ、という音。ジー…、という音。少しヒヤリとしたと冷気を感じ、さらに暖かい感触が包む。

あー・・・要するにこいつも春日部さんと高坂さんのラブラブっぷりに当てられて
欲求不満になってるってことかね。まさかこんな形でピ──を捨てることになるとはな・・・



いやでもスマン。気持ちイカった。



って

ワシは誰に謝ってるんだろう。


・・・・・
681秘密の夜〜失墜の魔法使い その5:2006/01/05(木) 05:20:08 ID:???
恵子「…私、先に戻るね」
斑目「あ、あぁ・・・。えーと・・・・何と言ったらいいのカナ」
恵子「ん?まー気にしない、気にしない!…みんなにはナイショね!」
そう言って、なにやら機嫌が良くなったように見える笹原の妹は、軽やかな足取りでコテージへと帰っていった。
斑目「・・・遠い星どころか異次元の世界だ・・・」
斑目は地面に大の字になって寝転がった。
木々の間にチラホラ見える星が綺麗だ。


そういえば。
避妊って全然してなかった気がするが、そこに突っ込むのは野暮なんだろうか・・・?
ワタクシ、何がなにやらゼーンゼン分かりませんよ!!
682秘密の夜〜失墜の魔法使い:2006/01/05(木) 05:23:17 ID:???
正直スマンカッタ。恵子×斑目なら何でも良かった(ってわけじゃないけど)。今は反省している。


エロパロスレ行きにならないよう、本番シーンは全削除の方向でいったけどギリギリOUTかも…

つーか斑目ファンの方、こんな内容ですいません orz
683マロン名無しさん:2006/01/05(木) 06:06:12 ID:???
>>661-674
うわははは!すげー!かなりアリエネーw
展開以上にキャラがすごいことになってますな。

クッチーがどんどんものすごいキャラになってるwww 何モンだこいつーw
内定して1ヶ月もしないうちに人工呼吸まで勉強させてる小野寺さんも怪しいw
救急隊員も絶対そんな台詞はくやついねーww

まるでクッチーの幸せな初夢のようなSSにかなり笑わせていただきましたにょー!
現実でも、こんな風に誰にも何にも言わなくても水面下の行動を知ってもらえて、
みんなから褒め称えられる場面がやってくるといいね、クッチー!(ほろり)
684マロン名無しさん:2006/01/05(木) 06:53:49 ID:???
>>675
実際にやるキスは自分からは見えないけど、
パネル写真だと自分にも見えるからね!
そりゃ〜恥ずかしいでしょう…

ところでこれ、まともに勉強した上での人工呼吸となると、
荻上は笹原にあごの下と鼻の辺りをつかまれてやや上を向いた、
結構間抜けな格好で写っちゃってるんじゃないのかな…w
685マロン名無しさん:2006/01/05(木) 09:18:10 ID:???
>>661->>674
もはやクッチーが主人公だな。
ありえなさレベルもMAXなら、あなたのクッチー好きもMAX。
朝から笑わせないでください・・・。
686マロン名無しさん:2006/01/05(木) 18:58:46 ID:???
>>661-674
くはーありえねー でも面白れー クッチー好きもここに極まれりですね。
「戦場カメラマン」かー。生命落とさず生き延びられたのは少し不思議な気が・・・。
あのクッチーが・・・・。

>秘密の夜 失墜の魔法使い
なんかスルーされてない?凝ったタイトルだね。ネタは何?
NGのような気もするけど、まーいいんじゃないでしょか。
とすると何ですか・・・、笹原は「彼女」と「義弟(仮)」を手に入れた
のですね・・・。前作ではクッチーの彼女だし、ここでは斑目の?
ある意味、惠子っていいように利用されるキャラのようなキガス・・・。
687秘密の夜の人:2006/01/05(木) 22:00:45 ID:???
>>686
や、実は682=683=684なので、スルーしちゃってるのは685の方だけですね。
でも別に全部感想書かなきゃいけないわけじゃないし、あれ、書きにくいと思うし…
…すいません。NGネタで orz
でもエロが書きたかったわけではなかったので…
(エロパロだと今度はそっち方面が充実してないと物足りなくなっちゃうし)

タイトルはただのフィーリングですw
裏タイトルは「フタリノセカイ2」かなぁ。メインのテーマはやっぱ傷心斑目ですね。
ヤリ捨てされちゃうなんてあまりにもあんまりな扱いかもしれないけどw
この場合、むしろ利用されちゃってるのは斑目の方かもですね…
ごめんよ斑目。そんな君が大好きだよー。(←ヒドス

本番しない手もあるんだけど、あそこで本番しないと逆に「今後の2人の関係」が
できちゃうんですよね。精神的なつながりができちゃうから。
一応、「今後も今まで通りの関係に見える」形で、そのまま話が本編に繋がるように、
外伝になるように書いたつもりです。
そのため、「オタク好みの女を教えろ」に対する回答も、ヒントすらあえて出させていません。
(それ出しちゃうと、今後の恵子の行動に影響が出ちゃうから←まず化粧やめろ、になるよねw)

一応訂正
・「へぇ…化粧を取れば案外普通…」〜「はっ!! いやいや俺は何を考えているんだ!!」
 までの「恵子」の部分は「笹原の妹」
・恵子の台詞中の「兄貴」は「アニキ」
・斑目の「春日部さんと高坂さんのラブラブっぷり」は「春日部さんと高坂のラブラブっぷり」
勢いで書いてたので校正が甘い…なんかまだありそう。
688 ◆9rae7Hwib2 :2006/01/05(木) 22:13:50 ID:???
笹荻+中島IFの話が書けたので投下しようと思います。
例によって荻上が乙女ですが、まあそれはそれということで…
689夢であるように(1/6):2006/01/05(木) 22:14:34 ID:???
それはどこかにありそうな、でも決して手の届かない心地よい夢の物語。

荻上さんがげんしけんに入ったその日から――
690夢であるように(2/6):2006/01/05(木) 22:15:08 ID:???
中島「ほら、荻上ぇ。おめも何か言ってやれ。」
荻上「え?んと、そんのぉ…」
荻上「何でこんなにホモさ好きなんですかね?」
大野「ホモが嫌いな女子なんかいません!」
春日部「…それは私も入ってるの?」
「「「「当然です!!」」」」

荻上たちは中学からずっと一緒の仲良し5人組。
大学受験も、みんな一丸となってやりとげました。
中島が皆をまとめ、成績のいい中島と荻上が教え役となって、
なんとか皆一緒に、同じ大学に受かる事ができました。
荻上さんはもっと上の大学も目指せると先生に言われましたが、
人生でもっとも大切なものはすでに持っていたので、それは丁重に断りました。

中島「んで、荻上よ。巻田はどうなってんのよ?」
荻上「あら駄目だぁ。一緒にコミフェスさ行ぐべっつったら、荻上さオタグだったのがー、て…」
中島「…泣ぐな荻上ぇ!巻田なんがよりいーい男さいっぺーいるべ!なんつっても東京の大学だがらな!」
荻上「東京の大学だな…私らホントに東京の大学さ来たんだよな…」
中島「んだんだ!私らん先には茫洋たる未来さ広がってるだぁ〜!」
荻上「やな未来だな…」
691夢であるように(3/6):2006/01/05(木) 22:15:46 ID:???
東北の田舎娘も、一年も経てば立派な都会人。
要領のいい中島は男をとっかえひっかえ、よろしくやっているようです。
彼女なりに気を遣い、荻上を合コンに誘ってくれたりもしたのですが、
荻上がそのような席が嫌いな事を察知すると、別の角度からアプローチしてくるようになりました…

中島「荻上〜、おめ笹原さんのこどさ好きなんだべぇ〜?」
荻上「ん、んなごと…そんな。」
中島「隠し事は無しだべ〜荻上〜?」
荻上「そんなごた…ちった…あるがもすんね…」
中島「くはー、荻上はまんずめんこいなー!こんなん男が見たら一発KOだべー?」
「んだんだ、こんなんでアタックさすたらもーまつがいなぐメロメロだあ、ずすんもってげ?」

そして。笹原をどこぞの裏庭に呼び出し、荻上をけしかける――
まるで中高生のような恋愛舞台を設定した中島たちは、
影から二人を見守って…いや、ニヤニヤしながら最高の娯楽を楽しむ事にしました。
692夢であるように(4/6):2006/01/05(木) 22:16:23 ID:???
荻上「あ…笹原さん…」
笹原「え、何?あらたまって…」
荻上「さ、笹原さん…私…」
笹原「え?え?」
荻上「す、好きなんです!」
笹原「えええええ?」
荻上「……」
荻上の思いもかけない告白に、固まったまま動かない笹原。
(…駄目なんだべか…)
無言のままの笹原に、荻上が諦めかけたその時。
笹原「そっ!そうなんだ…嬉しいよ、荻上さん。俺なんかを好きになってくれるなんて…」
荻上「え…じゃあ…」
笹原「うん…俺も、好きだよ。」
笹原は――優しい笑顔を浮かべながら、荻上を抱き寄せ――
そのまま何をするでもなく、ただ、荻上をずっと包み込んでいた。
693夢であるように(5/6):2006/01/05(木) 22:17:08 ID:???
「よがったなー」
「んだなあ、やっど荻上に彼氏さできて…」
「おーいおいおい」
「泣ぐな!ささ、あどは若え二人さまがせて…」
中島「んだな…さーって、部室でスマブラでもやるべー」
「とりあえずナカジはアイスクライマー禁止つー方向でな〜」
「んだんだ。」
中島「えー?んでも私他の使えねー」
「やりすぎたのだよ…誰もが思うだろう、君のようになりたいと!」
「はは、皆勝てねーがらしょーがねえべ。」
中島「んー…じゃ一から出直しだぁ」

夕暮れの迫るキャンパスで。
中島たちが立ち去った後も、笹原と荻上はずっと、ずっと、抱き合って――
694夢であるように(6/6):2006/01/05(木) 22:18:06 ID:???
笹原「荻上さん…どうしたの?」
笹原が心配そうに荻上を抱き寄せる。
泣きはらした荻上の顔が、笹原の素肌に直接触れて。
(そうだ…昨日、私は…笹原さんと。)
荻上は一気に顔を赤くするが、笹原の胸に触れるのが心地よくて、あったかくて。
自分でも信じられないくらい素直に、心を語りだす。
荻上「夢を…見ていました。」
荻上「中学の…仲間が。中島も…。げんしけんに入って…皆、楽しそうで…」
思わずこぼれる涙。そう、これは夢。げんしけんも、中学の仲間も…本当は、大好きで。
失いたくなんかなくて。でも、現実には…ありえない夢となってしまったので。

荻上「とても…いい夢を――見ていました。」
笹原「…だったら、良かったよね。」
荻上「はい…しばらく、このままでいいですか…」
笹原「うん…」

これが現実。もう戻れないけど、でも、新しい何かを創り上げたなら――
未来を夢見て、荻上は再び笹原の胸の中で眠る。
695 ◆9rae7Hwib2 :2006/01/05(木) 22:20:34 ID:???
終わりです。
696秘密の夜〜失墜の魔法使い:2006/01/06(金) 00:08:57 ID:???
>>694
うひー。涙で前が見えませんよ・・・・・
げんしけんよりさらに古いノスタルジア。そして今、手の中にある夢。
おぎうえーー・・・!

なんか別の意味でトラウマの蓋をこじ開けられそう >二度と手に入らない夢
697マロン名無しさん:2006/01/06(金) 00:22:15 ID:???
いい感じで、小説の挿絵のつもりで見てください

ttp://pukapuka.s1.x-beat.com/img-box/img20060105233608.jpg

俺が描いたんじゃないケド
698マロン名無しさん:2006/01/06(金) 00:25:56 ID:???
本スレのやつじゃんか
699マロン名無しさん:2006/01/06(金) 00:44:04 ID:???
>>689-694
東北弁が使えるって羨ましいっ!!
しかし…これはこれでアリだけど、ありえなーいGJ!!
700マロン名無しさん:2006/01/06(金) 00:46:37 ID:???
>夢であるように
狂おしい光景ですね。永遠に失われた輝き・・・。幸せの残像。
まるで散文詩のよう。この余韻を胸に・・・寝るか・・・。
701マロン名無しさん:2006/01/06(金) 01:24:43 ID:???
>>689-694
スゲー良いっす
こーゆう発想俺には無いよ

どうでも良いが東北弁見ると某ジャズやるべの女子高生映画思い出すw
702マロン名無しさん:2006/01/06(金) 01:25:47 ID:???
恵子が自分の(高坂との)恋を上手く運ぶために、斑目を応援。
そのあまりの不甲斐なさに苛立ちながらも、やがて斑目の良さに…。

みたいなSSキボン。
703マロン名無しさん:2006/01/06(金) 06:10:07 ID:???
地雷を踏んだらコニョニョチワーを書いたドアホウです。
いろいろご意見ありがとうございました。
妄想原子炉にアリエネーウラン満タンに入れて制御棒引っこ抜いたら、核爆発してトンデモSSになっちゃいました。
まあ正月の無礼講ということで、ひとつご容赦を。

とは言え、予想的部分でこれはアリかもと思った点を2つだけ。
1つはクッチーによる笹荻ラブシーン撮影。
SS展開は置いといて、カメコクッチーはその伏線と見ています。
もう1つは、笹×荻人工呼吸
それぐらい極限状態の強引な状況が無いと、笹原やらなさそうなんで。

あと戦場では、極端に勇敢な人と極端に臆病な人が生き残るらしいです。
クッチーみたいに、それ以前に何も考えずに突っ込んで来るバカは、運が良ければ生き残ります。
704マロン名無しさん:2006/01/06(金) 09:43:09 ID:???
ラブシーン撮影はありそうだよね。
笹荻以外でも何かチェックしてくれそうなんだがw

…人工呼吸はどうだろう?
できれば、ちゃんと正面から向かい合って欲しいしなぁ。
705マロン名無しさん:2006/01/07(土) 00:04:11 ID:???
思い立ったが吉日。
初代の存在が非常に気になっていたので、妄想を繰り広げていた結果、
こんなSSが完成した。
んで、まあ落ちっぽいというか、最終回風味である。
色々自分でも突っ込みどころはあるが、せっかくできたので投下します。

13レスぐらいかな?
706現視研の秘密(1/13):2006/01/07(土) 00:05:42 ID:???
「ふう〜〜〜。」
冬が過ぎ、春の心地よい風が吹いてくる。
時は3月。別れのシーズンだ。
サークル棟の屋上にて笹原は春の心地よい風を感じていた。
「きもちいいなあ〜〜〜。」
もうすぐ卒業を控えた身。ちょっとした感傷に浸っていた。
「もう明日、か。」
そう、卒業式はもう明日に迫っていた。
しかし、卒業に対しての後悔は無かった。
「やるだけのことはやったしな。満足だ〜〜〜。」
そういいながら大きく伸びをする。
「お疲れ様。」
そう声をかけられれ、後ろを振り向く。ぎょっとする笹原。
「か、会長???」
いつの間にやら現れたのか、目の前には初代会長がいた。
「もう卒業だね。本当お疲れ様でした。」
「え、え、卒業したんじゃなかったんですか?」
「うん、そう。でも、今年君らが卒業するから、少し話がしたくてね。」
「はあ・・・。」
思えば会長が部室にいた頃まともに会話した事は無かった。
「笹原君は本当頑張ったね。」
「いやあ。俺なんて何もして無いっすよ。」
褒められて少し恥ずかしがる笹原。
「いや、君がいなかったらこのサークルはうまくいかなかった。」
707現視研の秘密(2/13):2006/01/07(土) 00:07:50 ID:???
「え?」
「もちろん、他の誰が欠けてもね。」
いつもの顔で淡々と会話を続ける初代。
「斑目君の世代が入ってきたときも思ってたけど、
 君たちの世代が入ってきてさらにサークルが活発になった。」
「そうなんですか?」
「元々ね、部員がいないなんて時期もあったから。僕以外。」
そういって笹原に近づき、横に並ぶ初代。
「それでも色々ごまかしてサークルは継続させてた。
 僕はこのサークルの意義を信じていたからね。」
「はあ。」
「現代視覚文化研究会なんて、聞いたことも無かったでしょ?ここに来るまで。」
「まあ、そうっすね・・・。」
初代は笹原のほうを見ず、大学の構内を見渡しながら言葉を続ける。
「僕がこのサークルを作ったのは、行き場の無い同好の志を救いたかったのがある。
 例えば、漫画やアニメ、ゲームは好きだけど創作までは行かない人。
 例えば、コスチュームプレイをするため、ほかのサークルではまかないきれない人。
 例えば、絵はかくけど公開はしたくないという人。」
「それって・・・。」
今あげたのはどう考えても笹原の知っているあの人たちのこと。
だがそれを口には出さず、話の続きを聞く。
「僕も、まあ似たようなところがあった。
 だから、力があるうちにそんな人を守れるところを作ろうと思った。」
初代は空に視線を移し、懐かしむように空を見る。
708現視研の秘密(3/13):2006/01/07(土) 00:09:42 ID:???
「だけど当初はうまくいかなくてね。
 勘違いして入ってくる人もいて、中々うまくいかなかった。
 そこで、一端部を閉じることにしたんだ。」
「はあ・・・。」
聞いたことがあった。現視研にある空白の数年間のことを。
「まあ、再開したのが丁度6年前。原口君が一年生のときだよ。」
そういえば、あの人はどこに行ってしまったんだろう?
そう思うくらい懐かしく感じる名前だった。
「彼も勘違いして入ってた部分があってね。まあ、一年目はこんなものだろうと。
 次の年。斑目君たちが入ってきた。これは、って思ったよ。
 彼らのような人を入部させたかったんだ。」
「・・・。」
その告白にもはや言葉の出ない笹原。なぜ、今自分にこんなことを?
「それで、彼らに関しては僕直々にあの伝統を行った。
 見事に引っかかってくれたよ。
 ・・・君のようにね。」
そこで笹原の方にくるりと体を向ける。
「その後は君の知ってのとおり。」
「でも、何でそれを俺に・・・。」
「君にいっておきたかったんだ。皆を繋ぎ止めていたのは君だから。」
「え?」
709現視研の秘密(4/13):2006/01/07(土) 00:12:19 ID:???
「君は気付いてなかったかもしれないけど、
 君がいなければ酷くなっていた関係もあると思う。
 例えば、春日部さんと高坂君とか。」
「え、でも俺なんもしてないっすよ?」
「いや、あのつかみ所の無い高坂君と付き合うのは不安が付き物だろう。
 それをある程度緩衝していたのは君だと思う。
 彼の趣味が、おかしすぎないものだということを君が証明していたよ。」
いつも少し笑っているように見える初代の顔が、さらに笑った気がした。
「それに、斑目君にしろ、田中君にしろ、久我山君にしろ。
 君のような後輩はとても一緒にいて楽しかったことだろう。
 初心者の君に色々教えて。僕らのようなタイプは教えたがりだからね。」
「でもそれはこっちが感謝してるぐらいで・・・。」
「控えめなのも良かった。しかし、その奥底で強いものを僕は感じていたよ。
 会長就任のあの演説。冗談めかして言ってはいたが、とても感じるものがあった。」
何でそれを?しかし、笹原は言葉が出ない。
「大野さんも、君がいたからこそ会長をやれているんだろう。
 君が自分の色を出したからね。彼女も自分なりに頑張ろうと思った。」
「・・・。」
「その後入ってきた後輩たちへの対処も良かった。
 朽木君。彼は厄介なタイプだよね。
 だけど、それも旨く溶け込めるよう皆に言い聞かせたり。」
「その辺は春日部さんの方が・・・。」
「まあ、それもそうだ。しかし、彼女がああいう風になったのも君のおかげでもある。」
風が吹く。春一番といえる暖かい強風だ。
「はあ。」
710現視研の秘密(5/13):2006/01/07(土) 00:15:23 ID:???
「それに・・・。荻上さん。彼女も厄介な子だった。」
「それはちがいますよ。素直に・・・、なれなかっただけで。」
その言葉にはすぐさま否定の言葉を入れる笹原。
「それを厄介、っていうんだよ、笹原君。
 でも、このサークルのメンバーと君とが。彼女を変えた。」
ざあっ、と風が再び強く吹く。なにか、何かを訴えるように。
「僕がこのサークルを作った目的が、様々な形で達成されている。
 久我山君が本を出せたり。
 朽木君が社会を知ったり。
 大野さんや荻上さんが自分を出せていけたり。
 斑目君が新たな感情に目覚めたり。
 うれしかったよ、僕は。
 だから、君には、言っておきたかったんだ。
 卒業する君に。」
711現視研の秘密(6/13):2006/01/07(土) 00:17:14 ID:???
「笹原君!」
呼ぶ声に笹原がそっちの方を見ると高坂がいた。
「やあ、高坂君。仕事はもう終わったの?」
「おとといかたがついてね。昨日は一日寝てたよ。」
「あはは・・・。あ、そうだ会長?」
振り向くと、そこにはすでに初代の姿は無かった。
「え・・・?」
「大野さんなら下だよ?」
「いや、初代が今いたんだけど・・・。」
「え・・・?でも、僕は見てないよ?」
「うそ・・・。じゃあ、あれは一体なんだったんだ?」
青ざめた顔をして笹原は彼のいた場所を見つめる。
「・・・笹原君、実はさっき気付いたことがあってね。」
「何?」
「初代のことと関係あるかもしれない。ちょっと来て。」
712現視研の秘密(7/13):2006/01/07(土) 00:18:54 ID:???
場所は現視研の部室前。
「ここ?」
「うん、おかしいと思わない?」
「え?なにが?」
「あ、そうか、笹原君は他の部室はいったこと無いんだよね。」
「うん。」
「ここの間取りって、他と変わらないはずだよね。」
「ああ、見た限りだと。」
「でも、中が他に比べると小さいんだ。心持ち。」
「え?」
「前、アニ研の部室に行ったことがあってね。そのときはもっと広く感じたんだ。」
そういって、部室の扉を開ける高坂。中は誰もいない。
「みんなは?」
「卒業式の前だから、色々準備してくれてるみたいだよ。
 追い出しコンパ。」
「ああ、そっか。」
「それよりも。こっちの方が、少し狭いんだ。なぜかは分からないんだけど。」
そういうと、高坂は同人誌ロッカーの前に立った。
「このロッカー、動かしたこと無いよね?」
「まあ、中身も多いし、重いからね。」
「ちょっと動かしてみよう。気になるんだ。」
「ええ?・・・まあ、いいけど。なんか面白くなってきたな。」
713現視研の秘密(8/13):2006/01/07(土) 00:20:42 ID:???
まず、中身を全部出す二人。
途中、懐かしい本なども出てきて手が止まるが、順調に全てを外に出した。
「よし、動かそう。」
「うん。」
二人で両端を持ち、手前に引きずり出す。
「あ・・・。」
「うそ・・・。」
そこには、小さい扉が一つ。
「こんな扉があったなんて・・・。」
「予感は当たったようだね。」
二人は顔を向け合い、お互いに頷く。扉を開け、中に入るのだ。
ギィ・・・。
重くさびたような音のした後、暗闇に包まれた中が見えた。
「電気ないのかな?」
手で暗闇の壁をまさぐる笹原。突起物が見つかり押す。
パチ。
電灯がついた。その奥に見えたのは。
「階段?」
「降りてみよう。きっと、何かが分かるはずだよ。」
笹原と高坂は息を呑みながら地下へと降りていく。
カツン・・・。カツン・・・。
乾いた靴の音が響く。途中何度か曲がりながら階段は続いていく。
714現視研の秘密(9/13):2006/01/07(土) 00:22:13 ID:???
丁度、四階分降りたあたりだろうか。
広い地下室へと出た。
「これは・・・。」
「まさかとは思ってたけど・・・。」
巨大なコンピューターと、学内を見渡せる数々のモニターがそこにはあった。
「初代の力ってこれだったのか・・・。」
「力?」
笹原は先ほどの初代との会話をかいつまんで高坂に説明した。
「なるほどね・・・。」
そういいながら高坂はそのコンピューターに向かう。
カチャカチャカチャ。
恐ろしいほどのタイプスピードで、コンピューターにつながったキーボードを操作する高坂。
「え・・・。」
「ど、どうしたの?」
高坂の仕事を見ているしかなかった笹原は、高坂があげた声に驚く。
「これ、超高性能のAIだ・・・。」
「AIって、スパロボで出てくるあれ?」
「そう、人工知能ってやつ。」
そういいながら再び作業を再開する。
「ん・・・。まるで人間の記憶を持ってるような・・・。」
ぶつぶついいながらその解析を続ける高坂。
笹原はというと、周りのモニターがありえないほどの数存在し、
あらゆる場面を写していることに驚いていた。
715現視研の秘密(10/13):2006/01/07(土) 00:23:53 ID:???
「これ・・・。部室も写してるし・・・。これは自治会室?
 あ、トイレとか・・・。これまずいでしょ・・・。」
そういいながらも興味なくも無い笹原は顔を赤らめながらも見てしまう。
そんなとき、画面に見えてきたのは。
「荻上さん!?」
すぐさま視線を別の画面にそらす笹原。そらしながらモニターの電源を落とす。
「やばかった・・・。」
別にばれるはずも無いのに、一人で勝手にほっとする笹原。
「わかったよ・・・。」
「え?」
高坂が上げた言葉に、近寄っていく笹原。
「これ、人工知能で、初代会長の記憶を元に動いてるんだ。」
高坂がした説明はこうである。
このコンピューターはあらゆる映像情報を常に捕捉し、
そのデータを解析する機能を持っている。
また、立体映像を写す能力もあり、実態に近い画像を作ることもできる。
「じゃあ、今まで会ってきた会長は全て映像??」
「うん、その可能性が高いね。でも、本人が今どうなってるか分からないけど・・・。」
「うそ・・・。」
「僕も信じられないよ。存在感の無い人だとは思ってたけど・・・。」
しかし、見つけた記録にこのコンピューターが会長像を映し出した履歴が残っていたという。
「じゃあ、この機械が初代の意思を継いで・・・?」
「継いで、っていうか、本人そのものだね。」
ベースの思考回路は人間をコピーしたようだった。
そこまで、精密な機械であったのだ。
「世界でも最高峰のコンピューターだよ。」
716現視研の秘密(11/13):2006/01/07(土) 00:25:29 ID:???
「すごいね・・・。でも、それを現視研のために?」
「初代自身が、それほどまでにここを守りたかったんだろうね・・・。」
ここに残るのは現視研を作った偉大な先人の証。
きっと必要になるだろうこのサークルを守るために。
「うーん、なんか、びっくりしちゃったね。」
「ねえ、みんなには黙ってようか。」
笹原がひたすら驚く中、高坂がそれを提案した。
「え?なんで?」
「僕らの守り神なんだよ、これは。存在を知ったら興醒めでしょ。」
「あ、そうだね。初代も、だから俺だけに言いにきたのかな・・・。」
「きっとそうだよ。笹原君は、現視研に大きく貢献したから。」
にっこり笑う高坂に対して、笹原は照れるしかない。
「いや、そんなことは・・・。」
「ううん。僕は好き勝手やってたしね。笹原君がいてくれるから、
 できてた部分もあるんだよ。ありがとう今まで。」
「いやいや。こっちこそありがとう。」
お互い礼を言って、少し黙る。その後、笑いがこぼれた。
「卒業しても、僕らは変わらなさそうだね。」
「うん、そうだね。今後も、よろしく。」
先に手を伸ばしたのは高坂。笹原も手を伸ばし、手を結ぶ。
「そろそろ戻って片付けなきゃ。咲ちゃんにばれたらうるさそうだ。」
「あはは・・・。それもそうだね。」
二人は急いで階段の方に向かう。
彼らが去った後。初代が姿を現す。
「ありがとう。君達はもう大丈夫だ。」
717現視研の秘密(12/13):2006/01/07(土) 00:27:03 ID:???
すぐに部室に戻った二人は、すぐさま片づけを開始。
ロッカーはすぐ戻せたが、目の前には魅力的な同人誌の山。
片付けなど、進むはずも無く。
かしましムスメーズが来た時には、二人してマジ読みしていた。
「何してんだお前らはー!」
「卒業を前にして二人して同人誌・・・。ある意味お二人らしいですね・・・。」
「・・・そんなに巨乳がいいですか・・・。」
笹原が読んでいたのは好みの巨乳キャラものだった。
「いや、これはその!」
「荻上さん、それはそれ、これはこれだよ!」
高坂もフォローになってるのだかなってないのだか分からない。
「だあ、早く片付けないと日が暮れるよ!こんなに出しやがって・・・。」
718現視研の秘密(13/13):2006/01/07(土) 00:27:45 ID:???
「ふむ・・・。大丈夫そうだね・・・。」
初代が地下室から現視研部室を覗いている。
笹原たちの卒業後、部員数が減少し、またも存続の危機になるかと思われたが。
「四人か。またも迷える子羊たちが・・・。」
入ってきた新入会員たちの顔を見ていく。
「しかし、もう、僕が出るまでも無いだろう。
 だが彼らの手におえないことがあれば、僕はいつでも・・・。」
その言葉を残して、初代の姿は消えた。
719現視研の秘密(後書):2006/01/07(土) 00:30:03 ID:???
ありえなさ100%で、妄想100%でお送りしました。
なんか学校には隠された秘密が!とか
実は教室に隠された地下室が!みたいなジュブナイルが大好きなんです。
そういうノリでお送りしました。
720マロン名無しさん:2006/01/07(土) 00:32:25 ID:???
初代なら有り得そうな辺りが怖い
途中まで初代幽霊のホラー感覚で読んでたw
721マロン名無しさん:2006/01/07(土) 00:34:36 ID:???
げんしけんがアルカディア号に!!
なかなか面白かったですYO。
722マロン名無しさん:2006/01/07(土) 00:44:20 ID:rtS6PXv+
ごめん、ちょっと泣いた。

いいよね、こういう「最終回」の雰囲気。特に笹原と高坂の会話に不覚にも萌えw
少年二人のちょっとジュブナイル。んでも最後は同人誌読みふけりwな日常へ帰還。

いいよねえこのスレッド。ほんと、力作が多い。たとえ本編とどんなにかけ離れようと、
それこそがSSの醍醐味だし。なによりどの作品にも愛がある。つうかあふれ過ぎ。

「げんしけん」本編が終わっても、時々はこんな風にSSの新作が読めるといいなあ。
読者たちの同窓会な感じで。
723マロン名無しさん:2006/01/07(土) 01:39:48 ID:???
>>706-
トチローーー!(ちが
いやこれ楽しかったーw
後半の探検シーンはワクドキでしたよ



でも笹原は荻ドッキリのときに児文研部室に入ったことあると思う…
きっとカーテン閉めてて部屋が暗かったから広さまで分からなかったんだねw
724マロン名無しさん:2006/01/07(土) 02:57:17 ID:???
すごいの一言。いや、こういう話もできるもんなんだなあとしきりに感心。
そういえば、どこかの回のカラーにモニターだらけの部屋の光景があった
よね。何故か咲がいたような・・・。
初代会長が笹原の卒業に出現するのも意味深げ。考えてみると、笹原って
キーパーソンだったんだなー。背景じゃなく・・・。
ただ、正統予想として、笹原卒業時に初代会長が出現する可能性は大きい
かもね。その時、本当にあのモニターだらけの部屋が出現したらホラー
だねー。あれ、まてよ、向かいの児童研の会長も・・・。
725マロン名無しさん:2006/01/07(土) 04:15:01 ID:rtS6PXv+
>>584-724
すげー。しばらく見ない内になにこの神がかりなスレラッシュ展開。

やっぱみんな25日まで待ちきれないんだな。オレもだ。
おかげで待つ身のじれったさがかなり解消できましたよ?
726マロン名無しさん:2006/01/07(土) 04:59:51 ID:???
さっきMGS3で泣いた俺がSS読んでまた泣いた。
・゚(ノД`).。ウワァァン
727マロン名無しさん:2006/01/07(土) 06:52:31 ID:???
>秘密の夜
流され受け斑目キター!
それにしても斑目、このスレではスーに迫られるわ恵子に姦られるわ、モテモテのハーレム状態ですな。
エロさはきわどいけどギリギリセーフと判定しました。
このあと有りそうな展開を妄想。恵×斑ピーシーンを・・・
その1 クッチーが激写「イエー」
その2 荻上さんが目撃して「女体化笹原さん×斑目さん」でワープ
その3 咲ちゃんが目撃して「未成年に手え出しやがって!」とマジ殴り
    (手を出されたのは斑目なんだが・・・)
>夢であるように
泣けた。この手の話って、叶わぬだけに読み終わると物悲しい。
(エヴァ最終回のラブコメ妄想とか、古い話なら銭ゲバの平凡で幸せな家庭妄想とか)
もし俺が笹やんなら、中島とっ捕まえて半日ぐらいかけて説得して、夢に近い状態にしてあげたい。
俺は基本的に中島完全悪人派だが、それで荻上さんが幸せになれるなら、いくらでも変節してやる。
>現視研の秘密
AIっすか・・・宇宙人や幽霊や部室わらしなど、過去にいろんな説があったが、案外一番アリそうかも。
それにしても巨大コンピューターか、高坂がいじってた辺りは新しいみたいだけど、大本の部分はけっこう古そう。
(紙テープみたいなのでデータが出たり、「バビル2世に警告」とか言ったり)
728マロン名無しさん:2006/01/07(土) 10:00:11 ID:???
>現視研の秘密

なんとなく、英雄伝説2のエンディングを思い出した
英雄伝説6セカンド茶ぷたー発売決定記念カキコ
729マロン名無しさん:2006/01/07(土) 10:51:28 ID:???
>現視研の秘密
昔、咲ちゃんが初代会長の盗撮の可能性を疑った時、みんながコミフェスに行ってる間に部室をあら捜し
したことがあったから、その時に秘密の部屋は見つけてそうな・・・

はっ!そうかっ!初代会長に記憶を消されたんだっ!!
730マロン名無しさん:2006/01/07(土) 20:33:51 ID:???
1.ロッカーや棚の中や隙間こそ調べてもその後ろまで探す必要は無いと思って見てなかった
  (動かそうにも重過ぎて咲ちゃん1人では無理だし)
2.実は立体映像装置が常に壁を隠してた。今回はわざとそれを外されて招待されてた。
  (それで高坂が違和感を感じてこのタイミングで発見に至った)
というのはどうだろう?
731719:2006/01/07(土) 20:35:51 ID:???
読んでくださった皆さん、ありがとうございましたw
>>720
そんな感じで読んでいただけたなら狙い通りでw
初代の不気味さを感じていただければそれで満足です。
>>721
アルカディア号!そういえばそういえばだ!
トチロー・・・。
>>722
高坂、笹原の二人の描写を書きたかったのもありました。
やっぱしめはなんだかんだいっても同人誌かなと。
笹原が第一話で最後にたどり着いたのも同人誌ロッカーだったしw
>>723
トチローーー(ちが
>>児文研
あ、そうだった!!まあ、階が違うってことで許してw
>>724
一巻にちりばめられてる謎の描写に自分なりの答えを考えて書いてました。
>封鎖された現視研の扉→空白の数年間
>モニタールーム→コンピューター
みたいに。初代再登場あるといいなあ。
732719:2006/01/07(土) 20:38:20 ID:???
>>726
ここは泣き、笑い、何でも提供してくれるすごいところ。
自分も何度泣きかけたことか。その分笑いもしたけど。
>>727
このコンピューターは自分で増殖し、再構築を行うのです!(マテ
ま、そんな近未来SFチックな設定はおいといて、
有りえそうって言葉が一番の褒め言葉ですw
>>728
英雄伝説2・・・。昔クリアしたのに覚えてねえよー。ウワアアアアン
>>729
咲ちゃんはロッカーを動かすまでにはいたらなかったと思ってます。
隠しカメラ探してたんだし。
まあ、初代が記憶消した設定もアリ!
>>730
2の設定もいいっすねえ。そのほうがしっくりくるかも?

実は新入生の四人というのも設定があり、すでに俺の頭には来年の現視研の妄想がw
しかし、これはオリジナルになりかけるのでやめとこうと思いますww
733マロン名無しさん:2006/01/08(日) 01:51:50 ID:???
キーボードが壊れてSSが書けずに悶々としていました。
ようやく解禁!その間に無関係な妄想が溜まってしまいました。
笹荻の繊細なデートシリーズ(雪の華とか風華とか)に触発されて
自分なりに笹荻デートを妄想してしまいました。
繊細さとはかけ離れたものになったうえに、なんと10レスにまでなってしまいました。
734リライト(1/10):2006/01/08(日) 01:54:08 ID:???
ある秋の午後、荻上はいつものように無表情な佇まいで駅前に立っている。
しかし今日は眼鏡だし筆頭ではない。上はTシャツの上にキャミソールで
下は今日は膝までのタイトなスカートだ。なにかよそ行きなのか?

通りの向こうに視線を遣ると、固かった表情がぱっとほころぶ。
この微笑を受ける人物は、そう、笹原だ。
ヘッドフォンを外しながらとててっと数歩前進する荻上に笹原も小走りで駆け寄る。
笹原「あ、お待たせ。いつから待ってたの?」
荻上「いえ、待ってませんから」
笹原「じゃあ切符買おうか」
荻上「はいっ」

そして車内で並んで座る二人。
笹原『うわ…ちょっと触れてる。なんか照れるな… 今更だけど』
笹原「それにしても、今日は髪も下ろしてるし、眼鏡なんだね」
荻上「ええ、後ろの席の人に髪が邪魔になったらいけないので」
  「それに今日はむしろ眼鏡でしょう!アジケンは眼鏡がトレードマークですし!(笑)」
笹原「ははは、そうだね(笑)」
そう、今日は二人でASIAN KENG-PO GENERATION(通称アジケン)のライブに向かっている。
荻上「でも、ライブって実は初めてなんですよね」
笹原「いや、俺も実は初めてで…… でも良い席なんて幸運だったよ」
笹原は、財布からチケットを2枚取り出す。その番号は[C列19番][C列20番]だった。
荻上「そうですよ!すごいですね!C列って前から3列目ですよね」
今日はかなり荻上のテンションは高い。まあ笹原と付き合いだしてから
前よりはテンションが高くなっている。二人とも悪く言えば「うかれバカ」だ。
735リライト(2/10):2006/01/08(日) 01:55:02 ID:???
笹原「いやー、俺もまさかここまでハマるとは思ってなかったけど…CD貸してくれてありがとうね」
荻上「いえ、とんでもないです。あっ!ライブDVD返してなくてスミマセンっ」
笹原「はは…また今度でいいって。予習はばっちりだね」
荻上「ええ、もう他のお客さんと一緒に飛んだり跳ねたり、拳を突き上げたりしますよ!」もうジャンプで!
そんな荻上の横顔を嬉しそうに眺める笹原だった。
笹原『就職活動中にチケット取った甲斐があったよ…』

そして電車を乗り継いで渋谷へ。
街に出るとちょっと居心地が悪い二人だが、出来立てカップルの二人に恐いものは無い。
荻上「ちょっと開場まで時間ありますね。席も指定ですし…」
と、笹原を眼鏡越しに見上げる。良い上目遣いだ。
笹原「うん、そうだね…あ、タワーレコードに寄ってみようか」
笹原『うーん可愛い……』
二人とも浮かれているのに奥手なので手を繋いだりはしていない。
荻上「ここは初めてですけど、ビルまるごとなんてでっかいですね」
邦楽をちらっと見た後は、アニメ関連コーナーを物色する二人。
しばし別行動だが同じ階だし、笹原は荻上を見失わないようにしている。
荻上は掘り出し物を発見したようで、いそいそとレジに並ぶ。
笹原「あ、これ使ってよ」
ポイントカードを差し出すが
荻上「ありがとうございます……ってこれいっぱいじゃないですか」
笹原「うん、3千円分だからね」
荻上「ええーっ そんな悪いですよ ……ありがとうございます。このお返しは必ず」
遠慮しようと思ったが、笹原の笑顔押しに負ける荻上だった。
736リライト(3/10):2006/01/08(日) 01:56:05 ID:???
しばしスタバで休憩する二人。
後輩だからとお盆を運ぼうとする荻上と、レディーファースト的に荻上を
エスコートしようとするので笹原もお盆を運ぼうとする。まだぎこちない。
笹原は緊張のせいか熱く感じてアイスソイラテのラージを飲んでいる。
そろそろホールに向かう時間が迫っている。
荻上「トイレ行って来まス」
笹原「うん、待ってるよ」
笹原『そうだね、会場じゃすごい混んでるかも知れないしね』

そして渋谷の街を歩く二人だが…
荻上「会場ってどこなんでしょうね……」
笹原「あ、なんかそれっぽい人たちが歩いていくよ。たぶんあっちが会場じゃない?」
こういうイベントの際は、それっぽい人についていくのが定石だ。
時間が迫っている時にしか使えない技ではあるし、間違った集会に向かうこともあるが。

荻上「なんか普通の人がいっぱいですね」
笹原「いや、あの辺は深いファンの一群っぽいよ」
そんな会話をしつつ、黒服のイベントスタッフに促されて並び始める。
荻上「整理番号あるのに並ばされるのって、どうなんですかね」
笹原「ん、まーねぇ。でも早めに入るなら仕方ないんじゃない」
とかいう会話をしているうちに、開場した。
737リライト(4/10):2006/01/08(日) 01:57:01 ID:???
スタッフ「カメラや録音機器は預からせていただきまーす。鞄を開けておいてくださーい」
会場に入ると、映画館のような扉を開けてホール内へ。
椅子に書いてある番号を探し始めると、ほとんど最前列で真ん中の方だ。通路脇の席だった。
笹原「うわっ近いな!」
荻上「すご……」わくわく
しかし席を確認すると、荻上は笹原のシャツの裾を引っ張ってきた。
荻上「笹原さんっ、グッズ売ってましたよ!早く並ばないと!」
笹原「ああ、そうね。行こうか」
今日の荻上の脳内テンションレベルは、コミフェスでの買い物時に近いのかも知れない…。

長い行列の後に、ツアーグッズを物色する荻上。
荻上「ツアーパンフに、缶バッジに、リストバンドに…Tシャツは…うーん」
笹原「ツアーのよりアジケンのTシャツが良さそうね」
荻上「そうですね!でも…財布が(汗)」
笹原「アジケンTシャツのホワイトLとブラックS1枚ずつ下さい」
いきなり二人分買う笹原。今日はちょっと強気なのか?
荻上「…っ!ありがとうございマス」
笹原「なにげにペアルックになるね(笑)」
白い肌が綺麗な荻上の顔に、首筋に、さっと桜色が差す。

席に戻ると意外と空席が目立ったが、開演時間が迫るといっぱいに詰まり始める。
荻上「うわーーすごいお客さんの数……」
振り返ると確かに壮観な長めだ。2階席、3階席まで人がいる。
掛かっていた謎の音楽が止まり、いよいよ開演だ。
738リライト(5/10):2006/01/08(日) 01:57:49 ID:???
暗い舞台にアジケンのメンバーが立ち、楽器を構えているのがわかる。
ドラムのスティックを打ち鳴らす合図からギターが響き始める。
1stフルアルバムの1曲目だからいかにもOP曲という感じで
周りの観客もイントロから総立ち。そして縦ノリに揺れ始めて右手を突き上げる。
笹原『うわっこれは想像以上だ…!』
荻上の方を見ると、荻上もちょっと呆気に撮られ気味のようで笹原と視線が合う。
もう周りは音の渦に包まれている。笹原はそんな荻上の耳元に口を寄せると
笹原「せっかくだし乗っていかないとね!」
そして笑顔で荻上を見たまま、周りの観客と同じく右手を突き上げて縦に跳ね始める。
はっきりいってそんなにリズム感はよく無さそうだ…。
荻上「ふふっ」
そんな笹原を見て荻上もふっきれたようだ。小さな体のぶん大きく跳ねている。
これで2時間持つのだろうか?
しかし「閃光バック」「Re;Fw;」「未来の欠片」とノリの良い曲で次々と進む。
もちろん笹原も好きな曲なのでだんだんと恍惚としてくる。
これはこれでコミフェスとは違う方法で、頭のてっぺんから何か開き始める。
荻上も楽しんでいるのかと思ったら…何か様子がおかしい。
笹原『なんだ…?荻上さんの向こうの男の動きが…変だ!』
なにやらオーバーアクションで席のエリアからはみ出して踊っている。
そしてリズムは全く合ってないし、ロボットか幽霊かというような様子だ。
それが気になるようで、荻上は集中しきれないようである。
なにより荻上は背が低いので、前の男性の背が高くてあまり前が見えない。
笹原「荻上さん、変わろう」
またしても荻上に耳打ちすると、席を入れ替わった。
少し通路にはみ出ると、荻上にも真っ直ぐ部隊がよく見える。
なんといっても前から3列目だし。
739リライト(6/10):2006/01/08(日) 01:59:22 ID:???
「∞ハングライダー」「君という華」と、荻上の好きな曲が続く。
時々笹原も荻上の方を見るが、だんだん集中してきたようだ。
次の曲は「君の町迄」で、笹原のお気に入りの一曲なのだが…。
ふっと視界の端の荻上にまたしても異変が。
荻上「ぐすっ……」
笹原『えっ…荻上さん……』
歌が響いてくる。
♪切なさだけ… 悲しみだけで 君の町迄 跳べりゃいい…
何故か荻上が涙ぐんでいる。やがて涙もこぼれ始めた。
笹原『この曲を聴くと俺は……春から先の、離ればなれ生活の事を考えちゃうんだけど…』
それは荻上も一緒なのではないだろうか。
荻上は舞台の上をじっと見たまま、涙をこぼしている。
その様子を見つつ一瞬考え込んでしまった笹原だが、荻上に寄り添って
笹原「これ、使ってよ」
と、おずおずとハンカチを渡す。この辺がまだまだ不慣れな感じだ。
ハンカチに気付くと、荻上は笹原の方に向いて会釈して受け取った。
そして眼鏡をちょっと持ち上げると涙を拭う。
ものすごく間近で荻上の顔を見る。ステージからのライトで照らされている。
ちょっと口紅はしているが他は化粧もしていなから、化粧崩れなんかは無い。
睫毛の先に涙の雫が光っている。
そして前を向いたまま右手でハンカチを構えると、左手は寄り添う笹原の手をとる。
曲はサビにかかって周りも盛り上がってきている。
♪隣に居る 冴えない君もいつか 僕らを救う未来の翅になる…
笹原『俺はこの先、どれだけ荻上さんを支えられるんだろうか』
笹原も前を向いてステージ上を見遣る。
740リライト(7/10):2006/01/08(日) 02:00:19 ID:???
しかし右手には荻上の汗ばんで冷たい手の感触。
なんて小さくて儚くて、大切な――――。
やがて曲が終わり、次は「振動角」で二人とも大好きだし、観客も
イントロから爆発したような盛り上がりだ。
荻上も手を離して跳ね始める。
笹原『うーん、少し勿体無いけど(苦笑)』
安心して笹原もまた集中……出来ない!
笹原『ええっ、こんな時に……腹痛が!?』
直前にスタバで飲んだ大量のアイスドリンクが悪かったのだろうか?
軽い波だったのが、曲が終わる頃には大波になってきた。
アルバムの流れのままに曲は「再書き込み」でライブはさらに盛り上がっていく。
荻上も、ハレガンのOP曲として、アジケンを聴き始めたきっかけだし
もう夢中な様子だ。
笹原『うわー、今、どいてもらってトイレには行けない……!!』
この曲が終わるまで笹原の腸は持っていてくれるだろうか。
嫌な冷や汗が笹原の額から、手のひらから、猛烈に流れ始める。
本当だったら笹原も今頃は恍惚とした幸福な時間を過ごしているはずだが
今やまさに生き地獄。こんなに4分ぐらいの曲が長く感じたことは無かった。
笹原『不用意に動いたら、何もかもが終わる……!!』
頭の中で最短距離を計画しながら、さりげなく、ぎこちなく、次の曲が始まるやいなや、
通路を後ろへ…横へ、全力小走りする笹原の姿があった。
笹原『南無さん!!』
741リライト(8/10):2006/01/08(日) 02:01:12 ID:???
ギリギリセーフだった。まさかこのあとノーパンや濡れズボンで過ごすわけにいかない。
やがて不気味にいい笑顔の成年が、客席へと帰還していった。
笹原『ああ、やっぱり荻上さんは可愛いなぁ。周りの女の子と比べ物にならないよ』
危機を乗り切って変な思考回路が働いている。
まあ、そんなこんなでMCに笑ったりしつつ、ライブは終演した。
「みんな、ありがとう!」
アジケンのメンバーが去っていく。
荻上「終わったみたいですね…凄い良かったです」
とか言っていると周りがリズムよく手拍子をしている。アンコールだ。
笹原「なんか、まだ終わらないみたいだね?」
荻上「アンコールってこういう風にやるんですか…!」
そんな会話をしつつも、笹原は後ろの席の男性客が自分達のカップルっぷりに
ムカついているのに気付いていた。が、仕方ないといえば仕方ない…。
笹原『俺も、ほんとだったらあっち側だったんだよなぁ(苦笑)』

アンコール3曲も終わり、客席に明かりがつく。今度こそ本当に終わった。
荻上「もう、へとへとですよ…でもすごい良かったです!ありがとうございました」
と言いながら笹原のハンカチで額の汗をぬぐう。
笹原「またそれ、そのまま返してね」
荻上「あっ、スミマセン。けど、洗って返しますから!」
笹原「いや遠慮しなくていいから」
荻上「……それは恥ずかしいですから」
と、荻上のポーチにハンカチは仕舞われていった。
笹原『あーあ勿体無い』
さすがにそれは下心が、というか変態っぽいので笹原も自重すべきだろう。
742リライト(9/10):2006/01/08(日) 02:01:56 ID:???
荻上「それにしても、着替え持ってくれば良かったですね」
笹原「うん、そうだね。こんなに汗かくなんて」
二人とも、汗でTシャツはべったり張り付いている。これは風邪を引きそうだ。
笹原「今日買ったアジケンTシャツ着ようか?上にもシャツ羽織るし」
荻上「そうですね」
期せずしてウレシ恥ずかし、ペアルックになる二人だった。
ホールのトイレから出たところで長らく待っていると、着替えた荻上が出てきた。
少しはにかんでいる。笹原はニヤケが止められない。
笹原「待っているあいだにアンケート書いちゃったけど、荻上さんも今から書く?」
荻上「私は絵も添えたいですし、あとから郵送します」
笹原「ん、じゃあ出よっか」
笹原『うーん、たぶん荻上さん、アジケンで同人誌作りそうな気がするなぁ(笑)』
もう夜の9時を回っている。
笹原『このあと食事とかだよな。一応奮発して1万円ぐらい資金分配してるけど』
笹原「お腹すかない?食事して帰ろうか?」
荻上「はい」
ライブも終わり落ち着いたのか返事は素っ気無くなった荻上だが、
一瞬口元がニマっと弛んだのが笹原にも分かった。
しかし金曜の夜である。カップルで入るような、今まで無縁と思っていた系統の料理店も
色気の無い居酒屋でも、どこも満席だ。
笹原『時間ばかりが過ぎていく……ごめん荻上さん』
焦ってきた笹原に、荻上が声を掛ける。
荻上「……もう帰りませんか?」
笹原『えーーーっ…せっかくのデートが……』
ものすごい勢いでガッカリ沈んでいく笹原。
743リライト(10/10):2006/01/08(日) 02:02:59 ID:???
荻上「あっ、いえあの。そこのお店で珍しいものでも買って帰って部屋で食べませんか?」
顔を上げた笹原が、荻上の指差す方を見ると輸入食材のショップが有った。
荻上「今日は料理は出来ませんけど、うちに来て貰って食べましょう。…ライブDVDも返しますし」
みるみるうちに笹原の顔が明るくなった。
あまりに嬉しそうなので荻上は何故か恥ずかしそうだ。
いや、たぶん嬉しそうな笹原を見て照れているんだろう。
店舗に入ると生パスタセットなんかを見ていた二人だが、やがて
インド・タイあたりのカレーのレトルトを物色し始めた。
荻上「トースターで焼くだけのナンも有りましたよ」
笹原「辛いのは大丈夫?」
荻上「激辛のじゃなければ。でもダルカリーとか豆のが柔らかい味で好きですね」
笹原「タンドリーチキンとかシシカバブーとかのレトルトも買おうか」
この二人の幸せな時間はあと半年までなんだろうか。
しかし二人の不器用さがかえって心配無用な気にさせてくれる。
初秋の夜風は冷たくなってくるが、笹原と荻上の春は続いていく。
744マロン名無しさん:2006/01/08(日) 02:05:00 ID:???
以上です。アジカンのライブDVD見ながら「あー、デートしてぇぇぇ!」と
叫びながら妄想してたら出来ました。

書き終わって気付いたんですが、まさに「山なし、オチなし、意味なし」。
また一歩、荻上さんに近づいた?
745マロン名無しさん:2006/01/08(日) 02:39:37 ID:???
>>744に命令する! 続きをエロパロスレで書け!
746マロン名無しさん:2006/01/08(日) 03:07:42 ID:???
アジカン好きな自分にはたまらない内容でした。
アジカンのライブ、去年は一人で行った回数のが多かったな…はは…
747マロン名無しさん:2006/01/08(日) 05:26:31 ID:???
>リライト
最後にこんな一文を入れれば、とりあえずオチはつきます。

そんなラブラブな2人には、百メートル後方で暗視スコープ付きデジカメを構えるひょろ長い男の存在など、知る由も無かった。
748マロン名無しさん:2006/01/08(日) 09:10:23 ID:???
>>747
やはり落ちは KU CHI KI か!
それはともかく。
>リライト
普段ぽくない感じがいいかんじ。
今後の二人の様子を妄想させるSSですた。
んで、>>745に賛成!
749マロン名無しさん:2006/01/08(日) 12:23:56 ID:???
チケット取ったのが就職活動中って…なんでそんなに余裕&その頃からデートの予定?ww
750632:2006/01/08(日) 14:22:03 ID:N5STRqjT
ども、只今構想中です・・・。
斑目視点にするか、それとも、他のメンバーの視点も入れてみるか
現在悩んでます・・・。
そんなに大作にならないと思いますので、でき次第発表します。
751マロン名無しさん:2006/01/08(日) 18:08:04 ID:???
>>745,>>748
続きをエロパロスレでですか!?
これって9月末ぐらいの想定で、合宿からまだ1ヶ月ぐらいしか経ってないので
笹原ならきっと、そこまで持って行けないと思うのですが。僕の中では。
いや童貞だと話しの持って行き方もわからないし(爆)。
確かに、荻上から部屋に誘ってる時点でフラグ立ってるっぽいですけど
この笹原はゴム用品の用意とか出来てませんよ?

しかしともかく、ありがとうございます。
僕の中では部屋に行くだけで帰ってますが、読みようによっては色々考えられるので、
これ以上続きを書くのは蛇足と思いやめときます。

>>746
アジカンのライブは行った事無いんですよ、残念ながら。
他のマイナーで他ジャンルのライブ経験とDVD見ながらの想像なので
全然違ったらという不安は有りましたが、良かったです。
僕は後ろから前の席のカップルにムカツク男の立場ですorz
しかし荻上さんハガレンアニメ観たらアジカンにも手を出すでしょ!絶対。

>>747
クッチーで落とすのってもう鉄板の安定ですね。

>>749
合宿が無くても、笹原はたぶんオギーにアプローチかけてたと思います。
あとチケット取るのって2,3ヶ月前から準備しとかないといけないので…。
そして付き合いだしてすぐのデートを書きたかったから、ちょっと無理が出ました(汗)。
確かに就職活動1日潰して、ぴあとかに朝から電話しまくったのかと。
752マロン名無しさん:2006/01/08(日) 18:18:28 ID:1kwWs6vq
>751
だいじょうぶ!
笹原の知識の避妊で、外にいやむしろ顔にッふ筆にッ…ハアハア
うは、夢がひろがっt!
753マロン名無しさん:2006/01/08(日) 20:27:15 ID:???
>>752
よし、いいぞ!もっと妄想を広げるんだ!
754マロン名無しさん:2006/01/08(日) 20:37:51 ID:???
>>751
> 確かに就職活動1日潰して、ぴあとかに朝から電話しまくったのかと。
それもあるし、そもそも就職活動っていつ終わるか全く分からないんですよ。
笹原の場合は終わる気配すら無かったw
これが半年前なら「いくらなんでもその頃には終わってるだろう」と楽観的に
構えることもできてたと思うんですが、2〜3ヶ月前だと丁度
「・・・厳しいね。もう去年からやってるけど…のきなみ…」の頃なわけで。
しかもそれで、すでに彼女ってならともかく、誘っても来るかどうかも
分からない人のためにS席チケット2枚は相当な太っ腹かなとw

ここはあれですね。実際に付き合い始めたのが合宿からさらに3ヵ月後で冬コミの後ってことにして
咲ちゃんに「ムチャクチャ最近じゃん 何やってんだよ笹原 情けね〜 お前らオタクはみんなそうか!?」
と言わせてみる方がリアルかもしんないですねw
755マロン名無しさん:2006/01/08(日) 20:56:40 ID:???
>>751
>リライト
雪の華とかデートSS書いた者ですけど、繊細など言っていただくのも恥ずかしい。
あなたの方が繊細に描いてますよ。さりげない気配りとかのしぐさの描写とか、気持ち
の機微の表現とかもね。ハンカチのやりとりのシーンはいいですね。デート後のテイクアウト
でタンドリーチキンとか買うシーンもこまやか。

昨日ちらっと見て、これはアジカンのCDをバックミュージックに聞く話と思って、今日聞きながら
鑑賞しましたら、さらに臨場感感じられましたね。本来哀調のある歌が好きなんですが、今回は
この話にあってます。はつらつとして生き生きとして、リズムにのって足踏みをしてるオギーが
思い浮かびましたねー。
756マロン名無しさん:2006/01/08(日) 22:15:24 ID:???
>>750
続編の執筆を頑張ってください。一緒に3月号までの日々を乗り切りましょう。

>>752
是非そんな感じでエロパロスレに短編でいいですから尾根がいします。

>>754
冬コミ後だと二人の関係はどんなもんでしょうねぇ。田中より手が遅いのかどうか。
実際のアジカンのライブもその時期だったのですが、初期設定ちょっとミスったかも…。

>>755
ありがとうございます!けっこうファンなのでほんと嬉しいです。
苦心した点が見事に言い当てられてます。流石…!


さあ3月号発売まであと半月。頑張ってまいりましょう。
757無題(1/3):2006/01/09(月) 00:26:43 ID:???
荻「あのー、さ、笹さん? ちょっといいですか」
笹「ん? なに?」
荻「実はちょっと…あの、その…」
笹「相談かなにか?」
荻「ちょっと言いにくいんスけど…その、大野先輩のことで…」
笹「あ、また無理矢理コスプレさせようとするの? ハハハ…」
コスプレ事件を思い出し少し顔を赤くする笹&荻。
荻「実は…その…」
もじもじ。
笹「?」
荻「コレなんですケド…」
鞄の中から数冊の同人誌を取り出す。

あれ? これは…

荻「…それ、最近大野先輩がオススメとして貸してくれたものに混じっていたんですけど…」

そこに広げられたのは数冊の百合モノの同人誌だった。
笹「こ、これは…」
巨乳の女の子が貧乳の女の子と絡む話ばかり。笹原も知っている大手のものも何冊かある。
百合モノにはあまり興味のない笹原でもこれなら…というハードコア。

荻「いや、その、なんていうか…変な意味はないとは思うんですが、
  最近、大野先輩がいつも近くにきて、その、なんていうか…。
  笹原さんは大野先輩との付き合いもながいので、ちょっとご相談できればと…」
758無題(2/3):2006/01/09(月) 00:28:09 ID:???
そう言えば801好きの女の子で、スキンシップが高じて、なんて話は聞かなくもない。
綺麗なものが好き、という延長で女の子にはしるというのも聞いたことがある。
でも大野さんの趣味って…(←田中に失礼)

笹「だ、大丈夫じゃないかな? ほら、大野さんって帰国子女だからスキンシップは普通の事だし、
  田中さんもいるし…」
…でも、たまに見せるあの手つきだとか、春日部さんにべったりのところとか、いや、まさか。
アメリカってそーいうのよくあるんだっけ? ていうことは大野さんは荻上さんを?
いや、そんな勝手に妄想に登場させるなんて失礼だし。
うわ、でも「どーしたらそんなに胸が…」「ゆっくりとマッサージすればいいんですよ。アメリカで流行っているマッサージ方法ですよ」なんてよくある…、くはーっ!

荻「笹原さん?」
笹「ハッ! あ、いや、大丈夫と思うよ? 絵が可愛かったんで貸してくれただけのことだと…」
荻「そ、そうですよね? アハハッ。あの、このことは誰にも…」
笹「当然言わないよ。大丈夫。」
荻「スイマセン」
いや、実際にそんなことはないとは思うけどもね。
でもちょっと、オレ…きっと…
759無題(3/3):2006/01/09(月) 00:29:26 ID:???
田「また、荻上さんのを作るの?」
大「はい。こんどはぜひ一緒にコスプレをしてもらうんです(ハート)」
田「あんまり無理矢理はだめだよ?」
大「わかってますって。うふふ。このコスはぜったいに荻上さんに似合いますよー」
田「(なんか、大丈夫かなあ。まあ仲良くなったようだからいいか…)」
大「田中さんの同人誌も、貸してあげたんできっと一緒にコスしてくれますよ」
田「え? そ、それってもしかして…」
大「ええ、絵が可愛かったので貸してあげたいって。言いましたよね?」
田「(そ、そういえば…そんな話も)」汗

760マロン名無しさん:2006/01/09(月) 00:35:13 ID:???
ごめん、ちょっと長めの書いたんだけど、2ちゃんねるの仕様って1カキコ何バイトが上限?
761マロン名無しさん:2006/01/09(月) 00:40:44 ID:???
2ちゃんじゃなく板ごとの設定。ここだと確か32行じゃなかったっけ?
総バイト数でも上限あるかもだけど、そこまで横に長いのを書かれても正直困る。
762マロン名無しさん:2006/01/09(月) 00:41:01 ID:???
バイトは分かりませんが、僕は
1つ25行(改行)までで送ってます。
763マロン名無しさん:2006/01/09(月) 00:45:48 ID:???
多分2048バイト/32行かと。
AA板とかはもっとでかいんだよねー
764マロン名無しさん:2006/01/09(月) 00:50:53 ID:???
>>759
田中・・・・おまえ・・・・
765マロン名無しさん:2006/01/09(月) 01:05:20 ID:???
>>757-759
うわー生々しい相談w ていうか田中…エロ同人を大野に把握されてるとは……www


>>760の作品投下に期待。
なんかこの時期でもまだまだ毎日のように発表されるのでwktkです。
766760:2006/01/09(月) 02:40:10 ID:???
ありがとー>教えてくれた人

多分前スレで誰かが試みたであろうネタなんだけど、リハビリのつもりで書いてるんで
明日あたりうpさせてもらいますわ。

ヒント:「エビのニオイがする!」
767マロン名無しさん:2006/01/09(月) 02:52:52 ID:???
768マロン名無しさん:2006/01/09(月) 03:08:32 ID:???
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
769マダやん(1):2006/01/09(月) 06:32:54 ID:???
―――――彼女は、筺の中にみっちりと埋まってゐた。

斑目晴信(23歳・会社員)は戦慄した。
成人の日を加えた3連休に、冬コミで買い込んだ同人誌を分別整理しようと思い立ち、
読み返しては段ボール箱に入れ、オカズとしての実用度を分類の尺度にすべきか、
あるいは上手い下手にかかわらずジャンル別に分類すべきか、決まらないままに始まった
終わり無き選別作業を続ける中、押し入れの奥に記憶にないビッグサイズの段ボール箱を
発見したのが数分前。
人間の死体でも入っているのではないかという重さに荒い息をつきながら、ようやく床に
下ろした段ボールには、トンデモナイ代物が収まっていたのである。

そこにあるのは、見知らぬ女性の新鮮な死体だった。
770マダやん(2):2006/01/09(月) 06:34:48 ID:???
年齢はおそらく20代、脱色したショートボブに一房伸びた前髪。ジーンズと、『はじめての
ブスコパン』とプリントされた、お世辞にも趣味がいいとは言えない白いTシャツ姿。

斑目の頭に「110番」「新聞沙汰」「猟奇殺人」「容疑者」「別件逮捕」「カツ丼」など
という単語が瞬いては消えるパニックの中、ようやく箱の中の女性が息をしている事に気付く
までには、心臓が数拍の鼓動を刻むまで待たねばならなかった。
何故、という斑目の疑問の回答が得られるよりも早く、箱の中の女性が伸びをするように
身体を動かし、段ボール箱を破壊して目覚める。
「ん〜っ」
「あの……もしもし?」
カラカラに乾いた喉から、どうにか問い掛けの言葉を吐き出した斑目の首筋に、
「せいっ!!」
という掛け声と共に彼女の渾身のチョップが炸裂し、斑目の意識は即座に途絶えた。
「ヤバい! カンペキに首の骨外しちゃった! ちょっと大丈夫、知らないメガネ人(びと)!
 つーか何ページよここ? M上さんからもらった台割表だと、このページでいい
 ハズなんだけど……ええい、コマの中にいるとノンブルが見えないぃっ!」
771マダやん(3):2006/01/09(月) 06:36:08 ID:???
「……つまり、話を要約すると」
どうにか蘇生した斑目が、彼女が勝手に入れたインスタントコーヒーを前に話し始める。
「この世界は実は漫画で、あんたは別連載の主人公で、雑誌の出てくるページを間違えて
 登場してしまったと、そういう事?」
「ついでにアタシが愛のキューピッドで恋愛成就率100%で愛に飢えたアナタの
 度重なるソロ活動のせいで引き寄せられてムリヤリこのページに登場してしまったと
 いう現実を直視して欲しいわネ」
「……。」
「…………。」
「……とりあえず名刺。斑目と言いまス」
「あ、アタシも」
そう言って彼女が差し出した名刺を受け取った斑目の眼前に、「ズゴゴゴゴ」という
書き文字が見えたよーな気がするのは、気のせいではなかった。

 ラブ時空ISO14001取得
 ラヴ組合所属
 キューピッド ブラックベルト二段

      ラブやん

 ラヴ電話(代)0120-XXX-XXX
772マダやん(4):2006/01/09(月) 06:37:44 ID:???
「なんじゃこりゃぁぁぁ!」
「ああッ、初対面で名刺破り捨てるなんて、めっさ無礼ッ! あんたにはビジネスマン
 としての基本から叩き込まなきゃならないようね! 覚悟結構! 迎撃準備完了ォッ!」
「こんな無茶苦茶な名刺があるか!? つーかあんた、(ピー)病院から脱走してきたんだろ!
 この世界が漫画? 連載? ページ間違えた? 黙って聞いてりゃ無茶苦茶を並べて!」
「ふんッ。この部屋の、カズフサを凌駕するエログッズの数々! あんたの方こそ(ピー)
 病院がふさわしいと見た!」
「ンだとこのキチガ(ピー)!」
「エロメガネのオナニス(ピー)!」

(しばらくお待ちください)

「ぜーはーぜーはー」
「ぜーぜー……フフ、クチゲンカでブラックベルト二段に勝とうとは片腹痛いワネ」
「百歩譲ろう……疲れた。じゃぁ俺は引き立て役のかませ犬という役どころなんだな?」
「ようやく現実を受け入れるつもりになったカシラ?
 そんな貴方に救済と春をもたらすべく、このラブやん様が見〜参! というワケよ」
 ビシッと決めポーズを取った彼女だったが、文章だといまいち決まらないのがイタい。
773マダやん(5):2006/01/09(月) 06:40:09 ID:???
「……で、このヘルメット被ったコスプレ写真の彼女がまだ忘れられないワケね」
「まぁ、高坂っていうちゃんとした彼氏がいるし、叶わない想いだってのは最初から……」
「違ぁウッ! そこはこう、『慌ててカルピスを溢したと言い訳したくなるホドに大量の』
 とか、『僕が夢中なフラグ立て・それ何てエロゲ?』みたいに、生々しく語るのが真の
 漢! っていうかあんたが変態じゃないともう仕事やりづらいからそういう感じで決定!」
「ヒデぇ!」
「早速、彼女とくっつく方法を受信してみようじゃないの……むンッ」
「あの……何を?」
「受信よ受信! キミん家に何かアンテナとかない? 作品違うから感度悪くって」
「あ、えーと、アニマックスとか見たいんでこないだスカパーに……」
「これね。ちょっと借りるわよ」
そう言って彼女はアンテナ線をひっこ抜き、トイレに駆け込んだ。
「いいわね? 終わるまで、ここを開けない! 聞き耳立てるのも禁止!」
「それどーするつもりだよ!?」
「私の身体にあるラブ穴にしっぽりと挿すの! このスレは18禁NGなんだから!」

彼女がそう言ってバタン、と閉めた扉の前で、
「あ、もしもし110番ですか。ちょっと頭のおかしい女が家に……ええ、はい」
と、落ち着きを取り戻した斑目が通報するまで奇妙な喘ぎ声とか発砲音とか轟音とか爆発
音が聞こえていたのは、彼の気のせいではない。安永航一郎の同人誌か、このSSは。
774マダやん(6):2006/01/09(月) 06:58:24 ID:w07eDPTl
「そんなワケで、計画は万事遺漏無し! 早速実行に移るわよ!」
「いやもう警察来るし」
「国家権力のポリスメンなぞ無用!」
そんな調子で、斑目は母校・椎応大学の部室へと引きずられてゆくのであった、南無。

所は変わって現視研部室。
春日部咲は今日も独立開業に向けてお仕事の真っ最中であった。
自室でやればいいものをわざわざ部室でやっていると言うのは話の構成上……もとい、
高坂に会えるかもしれないという、淡い希望によるものなのが何とも涙ぐましい。
「や、やぁ春日部さん」
「……誰それ?」
普段なら無視されるところを、見知らぬ女性を斑目が連れてきたという国家非常事態
並みの驚くべき状況によって、ようやく返答がいただけるというのが実に哀しい。
「ラ……じゃなかった、ヤンさん。児文研のOGで、久しぶりに来たとか何とか」
「こんちはー。あなたが春日部さん? お噂はかねがね」
「そう……噂、ね。日本語上手ですけど、元留学生?」
「ええまぁ。半分永住しちゃってるようなモンですけど。今は餃子のお店を出してます」
お店、という言葉に反応した咲が、コロリと表情を変えてノートPCから向き直る。
「え、なになに? お店持ってるの? すごーい」
(作戦第一段階成功! ツカミはOKよ!)
と、斑目の耳元でラブやんこと自称『ヤン』は呟いた。
775マダやん(7):2006/01/09(月) 06:59:56 ID:???
「お店は下北沢の外れにあるんですよー。斑目クンは常連さんで」
「あー、うん。そうそう」
「安く仕入れた韓国産の具だくさん餃子を美味しい美味しいって」
「えーと、まぁ、そう」
「その後、全身によくわからないブツブツができたり、下痢が止まらなくなっても
 週イチで通ってくれて」
「多分そうだったような気がしないでもない」
そこ、政治的にヤバい話はしない! Wikiに保存されて作者が日本海クルーズに連れ
出されたらどーするつもりだ!
「なんかずいぶん斑目と仲良さげじゃない。カノジョ?」
「いやいやいや、あくまでお客お客」
「そーですよー。私がオタクとなんかと付き合うタイプに見えますか?」
「そうよねぇ……苦労するもの。この四年間の茨道……二次元に負けまいという
 私の努力と涙とテクニックの数々……くゥっ、振り返るだけで涙が」
「こ、高坂とは、最近どう?」
「ご無沙汰。なんか会っても立ち絵がどうとか、オブジェクトがどうとか、ライセンス
 とか『ソフリン』とか、仕事の話ばっかり。嫌になっちゃう」
776760:2006/01/09(月) 07:02:32 ID:???
とりあえず前編っす。
リクエストあったら盛り込めるかもしれないので、ヨロシク頼んます。
777マロン名無しさん:2006/01/09(月) 10:48:11 ID:???
うわーすごい同人ノリ! 初めての食感っていう感想です。
げんしけんが漫画だったということを思い出すとともに「ま、アリだな」と思う俺ガイル。

「マスミ君ってユザミモリとかザバダックとか聴くんだー」 「誰だ初期のザバダックなんて業の深い曲入れたの」
って感じで続けてください。
778マロン名無しさん:2006/01/09(月) 17:46:14 ID:???
>>776
SUGEEEEE!! 予想以上の大物キターwww
田丸どころかマジ安永ノリっぽくてめちゃめちゃウケましたw

そのくせ前編!! オアズケキタ──────!!
イヤモウ、俺の想像を超えたギャグノリが楽しすぎるんで
是非その調子で小ネタ大盛りで最後までお願いしまっす!
779マロン名無しさん:2006/01/09(月) 21:02:33 ID:???
>>776
ノーパソの前でヒーヒー言いながらワロタwwwwwww
ところで聞いた?セカンドシーズン!記念SSキボン!俺も書こうかな・・・。
あー、俺地方在住だから見れないのかな・・・。
780マロン名無しさん:2006/01/09(月) 21:03:46 ID:???
第二期もCSでやんないのかな。キッズステーションに期待してる。
781マロン名無しさん:2006/01/09(月) 21:26:13 ID:???
俺もスカパー(キッズステーション)で見たよ
782マロン名無しさん:2006/01/10(火) 00:13:25 ID:???
笹荻 の検索結果 約 283 件中 1 - 10 件目 (0.18 秒) 
783マロン名無しさん:2006/01/10(火) 01:34:14 ID:???
>>776
ラブやーん、キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!

斑目の家にラブやん来たらどうなるんだろ?
って言うのは考えたことがあったけども。
予想以上に受けたww
784マダやん(8):2006/01/10(火) 03:20:18 ID:???
ひととーり咲が愚痴を並び立てた所で、部室のドアがガチャリと開いた。
「ハローハローご主人様〜、私アナタのガッツさ〜ん♪」
「あっ、コーサカぁっ▽(←ハートマークの代用。)」
トンデモない替え歌と共に登場したのは、咲の彼氏である高坂だった。
もっとも高坂にしてみれば、咲は『三次元の彼女』であって、咲にとってはナチュラル
ボーンエネミーである二次元の恋敵が多数存在するというのは、本編を読んでいる人なら
ご存じの通り。エロゲ好きがこうじてエロゲーメーカーのプシュケに就職が内定した高坂
は、まだ在学中であるにも関わらず、プログラマーとしてこの2週間駆り出されていた。
ところでプシュケの元ネタって『lain』ですよね?(SS内で訊くんじゃない)
「咲ちゃん久しぶりー▽(←ハートマークの代用。) 元気してた?」
「んー元気元気。今さっき元気になった!」
「良かったね(高坂スマイル)。……あれ、斑目先輩、その人は?」
「実はかくかくしかじか」
「へー。『かくかくしかじか』な事情なんですね。よくわかりました(高坂スマ(略))」
「……コーサカ、おまいは本当に意味わかってんのか?」
わかっていよーといまいと話は進む。それが2ちゃんねるSSスレクオリティ。
785マダやん(9):2006/01/10(火) 03:21:51 ID:???
(どーすんだよ、自称キューピッド。コーサカ来ちまったら春日部さんの眼中に俺なんか
 見えなくなっちまうぞ。つか、俺らが席外した途端にガチにパツイチおっ始めると見た!)
(エエ。そのヨォね。しかしながら、私の灰色ラヴ脳細胞は一波乱起きると予測してるワ)
(一波乱って何だよ?)
(アレよ)
そう言って彼女が指さした先には、見慣れないニット帽を被った高坂のドタマがあった。
「あ、初対面の人がいるのに帽子被ったままじゃ失礼ですね。はじめまして、有限会社
 プシュケ開発部の高坂真琴と言います。これ名刺です。まだできたてなんですけど」
名刺を取り出しながら帽子を取った高坂の姿に、咲が凍り付く。
そこにあるのは、数週間前までイケメンスタイルであった綺麗な金髪に代わって、坊主
ヘアに鞍替えした高坂の姿ッ! 英語で書くとすれば、それはそれは見事なBOUZU!
「人間、スタジオに缶詰で十日ぐらいお風呂入らないと、知らず知らずのうちに頭かき
 むしって血だらけになっちゃうんだね(筆者の実体験による)。キーボード叩いてるだけ
 でフケがパラパラ落ちて気持ち悪いから、咲ちゃんが教えてくれた美容院でバッサリ
 切ってもらっちゃった。どうかな、似合う?(高坂スマイル)」
「いやお前、普通美容院で坊主頼んだら止められるだろう!」斑目がツッコむ。
「えー、でもスッキリしていいですよー? ……あれ? 咲ちゃんどーしたの?」
「ボーズ……あたしのコーサカが丸坊主……若さ故のあやまち……坊主だからさ……」
そこには、エクトプラズムを吐き出しながら椅子の上で脱力に脱力しまくる咲の姿。
嗚呼、運命なんてしらない。
786マダやん(10):2006/01/10(火) 03:23:30 ID:???
「咲ちゃん咲ちゃん? 大丈夫だよ。今度の休みで演劇用のカツラ買うから、付き合って」
「お前はサミュエル・L・ジャクソンかーっ!」
斑目のツッコミが虚しく響く部室。残るは怪しく目を輝かせる自称キューピッドと、
あまりのショックで臨死体験真っ最中の咲。
(マダやん、マダやん)斑目の耳元でこっそりと自称キューピッドは呟いた。
(誰がマダやんか)
(余りのショックで春日部さんはグロッキー状態よ、畳みかけるなら今!)
(畳みかけるって、どーやってだよ?)
(むう、カズフサと勝手が違うから困るわね。屁理屈でねじ伏せなさいッ)
「二人で何話してるんですか?」
「幻覚……今のは幻覚よ……」
ニット帽を被り直した高坂の姿を見て、徐々にあっちの世界から帰ってきつつある咲に
向かって、斑目一世一代の大演説が始まった。
「あー、春日部さん? 誠に残念ながら、コーサカが春日部さんに無断で坊主頭になった
 のは、悲しいけどコレ現実。問題はさ、四年も付き合ってて髪型の変化ぐらいでショック
 受ける春日部さんのほうにあるんじゃないかな? 君らの絆はそんな脆弱だったのか?」
「だってボーズじゃない、ハゲじゃない! 嫌ァァァァッ、私のコーサカがーっ!」
787マダやん(11):2006/01/10(火) 03:26:41 ID:zof0At2L
「甘いッ! 彼氏が仕事に生きようと断腸の思いで(推測)非モテの道に半分踏み込んだのを、
 キミは否定するのか? 暖かくネオ・コーサカを受け入れてあげる寛容さなくして、これ
 から病めるときも健やかなる時も愛し続ける、その自信無くして何が愛か! 外観と職種の
 変化だけで拒絶反応を示すとは言語道断! キミの愛情はそんなにペラいものだったのか?」
「うっ……だけどだけど、何か今まで飲み干したり体内で吸収したコーサカ成分がヤな汗と
 共に拒絶反応でダラダラと排出されてゆくのよーッ! とにかくボーズだけは駄目!」
「ムぅ……その『コーサカ成分』とやらが何なのかはツッコまないでおこう。アフタヌーン
 愛読者のオタク予備軍……もといお子様チルドレンもこのスレを見てるかもしれんしな」
「どう考えても精子ですね」コーサカが笑顔と共に云う。
「本当にありがとうございました……アンタ相当なワルね」と、自称キューピッド。
「そこ、ガ板でしか通用しないネタを開陳するな! とにかく春日部さんは特訓が必要だな」
「と……特訓?」
「そう。コーサカがどんなキモメンになっても受け入れられる心の準備をすべきだ!」

そして三ヶ月の時が過ぎたッ!

788マダやん(12):2006/01/10(火) 03:29:37 ID:???
「えっと……ヤンさん、これでいいんですか?」
戸惑いがちの高坂が、自分の姿を見ながら言う。今は専門学校に居る田中のコネクションを
フルに使い、『防衛出動すら予測される最悪の服装』をコーディネートし、更に特殊メイク
まで駆使して今や別人となったコーサカの姿は、弁髪付きのコボちゃんヘアーにニキビブツ
ブツのツラ、スネ毛ボーボー半ズボン七分袖、背負ったリュックにエロゲポスター満艦飾、
ワイルドさを演出するために片手錠足枷首輪付きという、無茶苦茶なキモメンと化していた。
「スパシィヴォ……キモすぎて私ですら吐き気が止まらないわ。そして決めゼリフ、GO!」
「えーと……『オ、オデは中国株に手を出したのが没落の始まりだったんだな』って……?」

一方その頃、北朝鮮と中国の国境では(ぉい)。
「探せ〜っ! 男女二人組のイルボン人だ! 人民の太陽・将軍様の直命である! 死んでも
 脱北を許すな! なるたけ殺すなっ! 片方は痩せた眼鏡姿、もう片方は長い金髪だっ!」
ワールドワイドに特訓をプチかました斑目と春日部の二人が、何故か朝鮮人民軍と国境警備隊
に追われていた。お前ら一体何やらかしたんだ?
「……行ったか?」
「OK! 一気に川を渡ってこの国をオサラバするわよ!」
「しかし何だな、俺たちのこの三ヶ月はまるでメタルギ(ピー)ソリッドだったな……」
「蛇があんなに美味しいとは思わなかったわ。ありがとう、斑目。今の私なら、全てを愛せ
 そうな気がするの……行きましょう。コーサカが日本で待ってるわ」
「よし、3・2・1の1を言い終わった所で……」
「行きましょう」
「ああ……春日部さん、この三ヶ月、苦しかったけど、楽しかったぜ。ありがとう」
「私もよ」
全く芸風の変わってしまった二人が走り出す。そう、それは自由への疾走。
789マダやん(13):2006/01/10(火) 03:31:14 ID:zof0At2L
「……で?」
「三ヶ月も一緒に過ごせば、フラグの一つぐらいは立つと思ったんだけどね……」
「国連の輸送機ハイジャックして平壌にまで放り込んだアタシの苦労は?」
「全くの無駄だったんじゃないかと……コーサカ恋しさで春日部さん頑張ったみたいだし」
「はぁ……」
「ふゥ……このヘタレ〜ッ! ラブ時空道場直伝ラブ固めッ!」
「あ痛たたたた! 手首の古傷がァ〜っ! タップ、マジでタップ!」
それなりにお似合いのお二人になってしまった自称キューピッドとダメ社会人は、実はまだ
斑目宅で暮らしているのです。

そして一方、椎応大学キャンパスでは。
「コーサカぁ▽(←ハートマークの代用。)」
「咲ちゃ〜ん▽(←ハートマークの代用。)」
全く変わらないバカップルぶりを披露する春日部さんと高坂の姿があったとさ。
どっとはらい。

ンゴゴゴゴゴゴゴゴ……
さらに一方、大阪府平方市、大森カズフサさん(28歳・無職)のお部屋。
「ま、お茶でも」
「……す、すいません」
「で、主人公らしいキャラになりたいと、そォ言う事で?」
「ええ、まぁ……」
完全にこのSSでは無視された主人公・笹原くんがコタツでミカンを食っているのでした。
おちまい。
790マダやん(あとがき):2006/01/10(火) 03:34:37 ID:???
すいません、sage忘れてます。>>760です。
御意見無用! ここまで書いたら開き直るしか!
でも(ピー)病院はご勘弁いただきたい所存!
791マロン名無しさん:2006/01/10(火) 05:40:01 ID:???
>>784
> 「ハローハローご主人様〜、私アナタのガッツさ〜ん♪」
> トンデモない替え歌と共に登場したのは、
先生!歌の元ネタが分かりません!w
> ところでプシュケの元ネタって『lain』ですよね?(SS内で訊くんじゃない)
いやそれはさすがに深読みしすぎなんじゃ…素直にエルフのもじりじゃないの?
>>785
> 途端にガチにパツイチおっ始める
斑目も田丸ノリだw 壊れまくってるなぁw
> 英語で書くとすれば、それはそれは見事なBOUZU!
この辺の描写がホントに田丸でイカシテますw
> 「ボーズ……あたしのコーサカが丸坊主……若さ故のあやまち……坊主だからさ……」
咲ちゃんのオタク台詞キタ───!!
>>787
> 今まで飲み干したり体内で吸収したコーサカ成分がヤな汗と共に拒絶反応でダラダラと排出されてゆく
精子が汗と共に排出される咲ちゃん。エロいですw
> 「ムぅ……その『コーサカ成分』とやらが何なのかはツッコまないでおこう。
> 「どう考えても精子ですね」
伏せた意味全然ねぇ!(笑)
>>788
> 「蛇があんなに美味しいとは思わなかったわ。ありがとう、斑目。
素晴らしいです。予想以上です。壊れすぎですw ぶらぼーw

三ヶ月一緒に暮らしてフラグ0・・・・斑目ぇ〜〜〜!!

そして笹原オチまでお見事でした。
最高です。これw
792マロン名無しさん:2006/01/10(火) 05:49:30 ID:???
BOUZU…そして斑目…愛の天使の介入により事態はあさっての方向へ…
そしてこのスレはそろそろ次スレが…
793マロン名無しさん:2006/01/10(火) 06:16:13 ID:???
あと12KBか
794760:2006/01/10(火) 07:24:03 ID:???
―――全米がアメリカ。(挨拶)

おはようございます。あと11KBなら長文レスは控えたほうが良さげですね。
漏れの回線だとアレなので、どなたかおながいします。
795 ◆9rae7Hwib2 :2006/01/10(火) 12:47:29 ID:???
げんしけんSSスレその3
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1136864438/

たてました。
796マロン名無しさん:2006/01/10(火) 16:54:59 ID:???
>>794
どうやって後何文字でスレが打ち止めになるのかが判るの?
何かツールでスレッド文字限界値が表示されるとか?
797マロン名無しさん:2006/01/10(火) 17:15:08 ID:???
>>796
スレの一番下に赤い文字で
489KBとか書いてあるだろう?これが500KBになったら打ち止めだ。
もうそのスレには書き込めなくなる。
798796:2006/01/10(火) 18:52:05 ID:???
>>797
アリガトウゴザイマス、恥ずかながらそんな表示があるとは今の今までまるで
気付きませんでした 確かにありますネ。( ゚Д゚)ホー
799マロン名無しさん:2006/01/11(水) 00:31:41 ID:???
>マダやん
最高だ・・・。続編最高だ・・・。
もうね、すごすぎwwこういう発想できんからなあ、俺w
死ぬかと思ったw

前スレのストップは予想外だったもんね。新スレ立てた人GJですよw
800マロン名無しさん:2006/01/11(水) 05:42:47 ID:ay4eBQpe
>>632
の続きです・・・。
とりあえず、自宅のPCが使えないので現在夜勤中で
職場のPC使ってます。
睡魔がおそった状態で考えているからつたない文章になりますが
勘弁して下さい・・・・・。


そんなことを思い出していると突然、「メールだよ」と広い居酒屋に
響き渡る・・・・
テーブルに置いてある斑目の携帯からの着ボイスであった。
(ちなみにモモーイ)
メールの内容は笹原が遅れてくるとのことであった・・・・。
「2人とも大変だからなあ・・・」斑目は苦笑すると、胸ポケットから
煙草を取りだし火を付けた・・・。
煙草の煙をみながらあの日のことを思い浮かべていた・・・・。

8年前・・・・夏コミ前に全員でミーティングをしている時だった・・・。

咲は高坂について来ただけであったが、ミーティングが始まると
訳が解らなくなり、いつものように『米中』を読み出していた。
30分ぐらいたった後、「田中あ・・・煙草余分にある?
買い忘れちゃった・・・」声の主は咲であった・・・。
「ああ・・・あるよ」そう言うと田中はバッグの中から封の開いてない
新しい物を咲に渡した。
「今日はカートンで買ったから、それあげるよ!」
「悪いね!ありがとう!!」
咲は一本取りだし火を付け、一息吐き出した・・・・。
801マロン名無しさん:2006/01/11(水) 05:58:38 ID:ay4eBQpe
そんな咲を斑目は怪訝そうな顔で見ていた。
「春日部さん、よくそんな物を『吸う』気になれるねえ?」
「なによ!吸っちゃ悪いってわけ!」
「そんなわけではない!!」斑目はいつもの演説口調で声をあげた!!!
「女性が煙草を吸うことによって、母体が傷つき・・・etc]
一頻りまくし立てた後「つまり、女性が煙草を吸うのは俺たちにとって
萌えないわけだ!!!」
「はあ?」咲は訳がわからない顔をして斑目を見つめた!!
「まあようは斑目は『ロリスキー』だということを言いたいわけだ!」
田中は火のついた煙草を指に挟みながら笑いながら言った!
「ああ、女性が煙草を吸うなんて言語道断、萌えない以外に何がある!!」
そんな斑目を見て笹原は
「でも、『ましゅまろ蛇苺』なんかは女子高生が煙草すってますけど
 萌えますよ!」と応える。
「まあ・・・あれは例外だ!!」





すまん・・・そろそろ眠さが限界だ!続きは後日・・・。
802マロン名無しさん:2006/01/11(水) 08:07:58 ID:???
オアズケ・・・
803マロン名無しさん:2006/01/11(水) 08:49:21 ID:???
個人的にテラモエスだったので、本スレから移植させてもらう

602 :名無しんぼ@お腹いっぱい :2006/01/09(月) 18:21:30 ID:DtYGNTkyO
笹「そういえば荻上さん新成人だよね?」
荻「早生まれですけどそうなりますね」
笹「じゃあ地元帰ったりするの?」
荻「……帰りませんよあんなところ もう住民票移しましたしね」
笹「(ヤベ マズいこと聞いちゃったか?) じゃ、じゃあ成人式はこっちで?」
荻「そうなりますね ……この前、実家から振り袖が届きまして……ちょっと待っててください……」
笹「あ、これ? おースゲー!」
荻「なんでこんな派手なのを…… 正直着たくないです」
笹「ええー? 俺はこれ着た荻上さん見てみたいなー!」
荻「……ん……でも恥ずか……」
笹「いいじゃない コスプレだと思えば」
荻「もっとイヤです!!」
804マロン名無しさん:2006/01/11(水) 17:56:25 ID:???
>>800-801
斑目の吸ってる銘柄は何だろう…?
咲ちゃんならバージニアスリムとかっぽいが
805マロン名無しさん:2006/01/11(水) 18:48:22 ID:???
オタクは吸わない奴の方が多いんでない?
大事なものが黄ばんだりヤニが付くのは嫌だし。
806マロン名無しさん:2006/01/11(水) 19:09:54 ID:???
残り 7 KB

807マロン名無しさん:2006/01/11(水) 20:30:16 ID:???
斑やん、ポーカーフェイスしつつも天使長には萌えておきそうだな
808マロン名無しさん:2006/01/11(水) 20:32:38 ID:???
>>805
オタクにもピンキリだとは思うが、斑目は吸わなさそうだよね
809マロン名無しさん:2006/01/11(水) 20:33:33 ID:???
>>807
3次元で会った場合はどうかな…
810マロン名無しさん:2006/01/11(水) 20:48:06 ID:???
>>809
2次元と3次元で違うんだったよな
んもぅ微妙な斑やん
811マロン名無しさん:2006/01/11(水) 20:57:18 ID:???
>>810
斑目…なんか普通にラブやんとくっつきそうなイメージが。
あるいはミノっちにぱっくり食われてそのまま若干幸せそうな家庭を築いてたり。
812マロン名無しさん:2006/01/12(木) 06:22:37 ID:???
>>811
若干てw
813マロン名無しさん:2006/01/12(木) 23:51:02 ID:???
再アニメ化か…
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,__     | げんしけん人口が増えて職人も増えますように…
    /  ./\    \_____
  /  ./( ・ ).\       o〇
/_____/ .(´ー`) ,\   ∧∧
 ̄|| || || ||. |っ¢..||    (,,  ,)  ナムナム
  || || || ||./,,, |ゝ||ii~   ⊂  ヾ
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(   )〜
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
814マロン名無しさん:2006/01/13(金) 09:57:58 ID:???
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,__     | くじアンを完全アニメ化…いや本編を2クールで
    /  ./\    \_____
  /  ./( ・ ).\       o〇
/_____/ .(´ー`) ,\   ∧∧
 ̄|| || || ||. |っ¢..||    (,,  ,)  ナムナム
  || || || ||./,,, |ゝ||ii~   ⊂  ヾ
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(   )〜
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
815マロン名無しさん:2006/01/13(金) 10:35:02 ID:???
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,__     | 三月号で笹荻成就・・・、うまくいかなかったら、やべえよ?
    /  ./\    \_____
  /  ./( ・ ).\       o〇
/_____/ .(´ー`) ,\   ∧∧
 ̄|| || || ||. |っ¢..||    (,,  ,)  ナムナム
  || || || ||./,,, |ゝ||ii~   ⊂  ヾ
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(   )〜
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
816マロン名無しさん:2006/01/13(金) 17:01:08 ID:???
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,__     |  荻上かわいいよ荻上
    /  ./\    \_____
  /  ./( ・ ).\       o〇
/_____/ .(´ー`) ,\   ∧∧
 ̄|| || || ||. |っ¢..||    (,,  ,)  ナムナム
  || || || ||./,,, |ゝ||ii~   ⊂  ヾ
  | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(   )〜
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
817マロン名無しさん:2006/01/13(金) 17:22:25 ID:???
荒らさないでください。
818マロン名無しさん:2006/01/13(金) 17:31:02 ID:???
埋めじゃないのか?
819マロン名無しさん:2006/01/13(金) 17:55:19 ID:???
埋めでしょ
820マロン名無しさん:2006/01/14(土) 00:44:08 ID:???
あと4KB
821マロン名無しさん:2006/01/14(土) 01:00:42 ID:???
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  .ト、.  /ヽ |\  /ヽ  /”゙ォv' .// // /
  |. ヽ./ | ヽ! .`、/  ヽ,/     '     /__
: --! 木尾さんお願いします               ̄./__
\  荻タンと笹原がセックス出来るようにしてあげてください /
_ヽ お願いします、本当にお願いします            ̄ ̄ ̄ ̄''_,-
\  ぼくは童貞ですが笹原にはセックスさせてあげてください    ,r-'''゙ ̄
  > どうかどうか                            <_.
822マロン名無しさん:2006/01/14(土) 01:14:38 ID:???
うめますね
823うめ
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 川小'、__,. - |:i::::|::l!| 〃イ: / /  .__    _...、//|. /\  \_
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