――そうなのだ。
DARK MOONの時の演技が認められて、私にも徐々に仕事が入るようになってきた。
やっぱり未緒みたいな陰のある役柄が多いけど、“それをも利用して知名度を上げて、
もっと幅広い役のオファーがくるような役者になってみせるんだから!”…って
意気込んでた最中に舞い込んできた仕事が今回の単発の特別2時間ドラマ。
仕事が増えたといっても休み無しなほど多くもないし、なにより演技ができる場を
与えられたことが嬉しくて、詳しい話も聞かずに受けてしまった。
……が、断ればよかったと痛感したのは、台本を貰ってざっと読んだついさっきの事。
受けた時にそのドラマの主演が敦賀さんだってことを聞いたけれど、
私は相手役じゃないってことだったから安心してたのに!!
まさか敦賀さんの元婚約者役で、“身を引く婚約者の私が別れの挨拶に敦賀さんとキス”
なんていうシーンがあるだなんてぇ!
『なんなのよ、このありがちなベタ設定はっ!脚本書いたの誰よっ!普通別れ際にしないわよっ!』
なんて悪態がうっかり口をついて出そうになったわよ!(危なかったわ…)
出演者の顔合わせまではまだ日があるから、それまでどうしようなんて悩んでたら
まさか今ここで会っちゃうなんて…。
「あの…、敦賀さんはもうお読みになられたんですね?台本…。」
「うん、俺は次のクールのドラマも入ってるから、早めに内容を頭に入れとこうと思ってね。」
ああ、そうですか。お忙しくて何よりで。
数々のドラマや映画こなしてる敦賀さんなら、そりゃキスシーン程度お手のものよね。
動揺もへったくれもないわよね。
「…で、その事?俺とは嫌なの?」
ん?なんだか体感温度が下がったような。何かしら?このピリピリした空気は…?
「い、い、嫌だなんて、めめめ、めっそーーーもございません!!そうじゃなくてですね、
えっとですね、あの〜、むしろ初めてが見知った人とでよかったというか、
尊敬してる先輩が相手で光栄だと思ってます!」
息つくタイミングも見失うほどに一気にまくし立てて弁解した。
―う、嘘じゃないもん。それもちゃんと私の気持ちだもん。
そうしたら、ちょっと張り詰めた空気が緩んだような気がした。
「…それはどうも。じゃ、何で悩んでるの?」
うっ、まだつっこんできますか?あうう、でも言えないよ…。
「そ、それはですね…」
「それは?」
ちょ、ちょっと!そんなに顔近づけないでくださいってば!
「え、ええと、私、初めてのキスのシチュエーションにはちょっと憧れがありましてね、
それを実現できそうにないのがちょ――っと残念なだけなんです。そ、それだけなんです。」
―これも本当。誤魔化すためについ口走っちゃったけど、嘘じゃない。
昔はあれやこれやと乙女思考炸裂で理想を想い描いたものだった。
今でも…やっぱり憧れるけど、叶えられそうもないから仕方ない、と諦めている。
「へぇ…。理想のシチュエーションってどんなの?…教えて?」
すんごく甘やかな笑みで問いかけてくるから、私は抗えない。
…というか、そのテの話にノリ気になってしまった…。
「えっと、そうですね〜、色々考えてたんですけど、候補のひとつはやっぱり夜の海辺ですかね!
月と星がキレイに輝いてて、聴こえるのは波の音だけで…言葉は交わさなくていいんです。
そんな中でどちらからともなく、っていうのが理想かな?あ、もちろんいっちばん大好きな人とですっ!!」
って!なに力説しちゃってるの、私!あっ、敦賀さん笑いこらえてるし!
「わ、笑わないでくださいよ!どうせ乙女思考と妄想が激しい女ですよ!」
「ごめんごめん。あんまりキラキラした目で語るから、つい…ね。」
むっとして頬を膨らませると、敦賀さんはあやすように私の頭を大きな手でなでる。
…コドモ扱い。
「機嫌なおして…?あ、最上さん、今日仕事終わるのいつ?」
「へ?ええと、これからラブミー部の仕事があるから…8時くらいでしょうか。」
唐突な敦賀さんの質問に面食らいながらも、今日の予定を伝えた。
「俺もその位には終わると思うから、終わったら君の部室でちょっと待っててくれる?」
「?はぁ、かまいませんが…。」
「よかった。じゃあまた夜にね。」
そう言って敦賀さんは待っていた社さんの所へ戻っていった。
なんだろう?何か用があるのかなぁ。
はっ!何か私また失礼なことしたかな?
色々と考えを巡らせながら、去っていく敦賀さんの後ろ姿をぼーっと見つめる。
…ごめんなさい敦賀さん。
さっき言った事は本当です。でも嘘でもあります。
それは悩んでる一番の理由がその事じゃないからです。
でもそれはあなたにだけは絶対言えないんです。
――たとえ演技でもそんなシーン、私の“すき”が加速しそうで怖いから、なんて…。
でも私はあなたに想う人がいること、知ってます。
だからこの想いは今のうちに封印してしまわなければならないんです。
告げない私を、意気地無しだと人は言うでしょうか?
そうです、私はまた傷つくのが怖いだけの臆病者です。
それでも…今の関係を崩したくはないんです。
せめて…後輩としてあなたの傍にいたいんです。
―少し早かったか?
彼女を待たせるわけにはいかない。
少々無理をして仕事を早く終わらせ、待ち合わせ場所に着いたのは8時すこし前。
彼女と会うためなら、少しの無理もたいして苦にならない。
「…ヤバイくらいにはまってるな、俺…。」
誰もいない部屋でポツリと呟く。
『大切な人を作れない』『まだ幸せになる資格がない』
そんな誓いは“DARK MOON”が視聴率に加えて業界の評判までもが“月籠り”を超えた時に、吹っ切った。
いや、そんなものは吹っ切るきっかけに過ぎなかった。
頑として貫こうとした誓いは、彼女へ募る想いの前では無力だった。
日毎着実に…確実に育っていく想いはもう俺の許容量を超えてしまっていて。
なのに彼女の新しい一面を見つける度に、さらに募る…溢れ出す。
しかし今は…想いを彼女に告げるつもりはない。
それは、彼女が俺を先輩以上には見ていないことを知っているから。
せめて先輩以上の感情を俺に向けてくれるようになるまでは…言わない。
昔、つらい恋で傷ついた彼女だから。
…嫌われたくはない。警戒されて距離を置かれるのも嫌だ。
我ながら臆病だとは思う。卑怯だとも思う。
けれど、こんな想いを抱いた相手は彼女以外にいないから。
ゆっくり、ゆっくり進みたい。はやる気持ちは理性で抑えて。
たとえ今は“ただの尊敬する先輩”に甘んじていたとしても…本望だ。
にしても、今日の誘いはちょっと強引だったかな?
――でも、思いついたことがあったから…。
8時を少し過ぎたところで彼女がやってきた。
「すっ、すみません!お待たせしてしまいましたか?!」
「いや、さっき来た所だから。気にしないで?」
ちゃんと時間通りに来てるのに相手を気遣う所、彼女らしいな…。
「あの…何か御用でしょうか?私、何かやっちゃいました?」
オドオドと怯えた様子で上目遣いに俺を見上げてくる彼女に、俺の鼓動がまたひとつ跳ねる。
…やめなさい、そんな目で見るのは。
一瞬のうちに起こった激しい動揺を得意の笑顔で隠しながら、彼女に告げる。
「ごはん、食べに行こう?」
半ば強引に彼女を連れ出した。
最初は遠慮気味だった彼女も、「今日一緒に食べに行ってくれなきゃ、ごはん食べない」、
「美味しいハンバーグを食べさせてくれる店」の2つの切り札を出したら承諾してくれた。
ズルいのは承知。
ハンバーグが食べられてご満悦の彼女の様子が見られただけでも、連れてきてよかったと思う。
…さて…と。
「あれ?敦賀さん、この方向は帰り道じゃないですよね?」
「うん、ちょっと付き合ってくれる?疲れてるなら寝てていいから…。」
最初は“運転されてる先輩の横で眠るなんてっ!”と恐縮していた彼女だが、
しばらくすると小さな寝息をたてて眠ってしまった。
疲れてるんだろうな。最近仕事も増えてきたようだから。
男である俺の前で簡単に寝てしまう事に関しては少し思うところがあるが、
信頼されてる証だとも言える事実にすこし頬が緩む。
…さぁ、お嬢さん?もうすぐ着きますよ…。
助手席のドアを開けて寝ている彼女を起こし、降りるように促す。
「ここ、どこですか…って、わあぁっ!」
――そこに広がるのは、一面の海。
闇の帳が辺りを包んでいる時刻ではあるが、実際は輝く星と月の光で眩しいくらいだ。
雲というフィルターもなく、その光は透き通った水面を照らして反射させる。
自分たちがいる周辺は輝くばかりに明るくて、とても夜とは思えない眩さ。
「スゴイですっ!海も星も月もキレイ…ロマンチック!」
彼女は目をキラキラさせて、こっちを向いたり空を眺めたり海を見つめたりとせわしない。
あぁ、ここにも本当に連れてきてよかった。
「敦賀さん、こんな素敵な所を知ってらっしゃったんですね。」
「ああ、一人になりたい時に…よく来るんだ。昼間の海はあまり好きじゃないんだけど、
夜はここにいるとなぜだかとても気持ちが落ち着くから。」
「ふふっ、なんだかわかるような気がします。敦賀さんって太陽か月って言ったら、月のイメージ。
物腰柔らかで、穏やかで、落ち着いてて。…コドモみたいなとこもあるのはたまにキズですけど。」
「…最後何か言った?」
「い、いいえっ!私に対して意地悪するところが大人気ないとか…思ってませえぇん!」
ぷっ、言っちゃってるし。本当に嘘がつけない子だな…。
怒ったフリをしてみると、彼女は涙ぐんで見上げてくるから…頭をポンポンとなでて諌める。
「怒ってないよ?」
そんな一言で、彼女は花のようにキレイに微笑んでくれるから。
それだけで俺の心は…満ちる。
浜辺にある木のベンチに2人で並んで座って、言葉を交わすわけでもなくただ波の音を聴く。
会話がなくても気まずくはなくて…そんな空気を共有できる事が心地いい。
「ごめんね。」
「何がですか?」
「ドラマの事。君のファーストキス、俺が奪っちゃうことになりそうだから。」
「…敦賀さんが謝る事じゃないですよ。」
「でも君の夢、潰しちゃうことになるでしょ?」
「いいんですよ。…もう恋はしませんから、遅かれ早かれ演技で経験するんだと覚悟してました。」
「…そう。でもね、その前に“キレイな空と海”だけは叶えてあげられるかと思って、
ここへ君を連れてきたんだ。」
「…え?」
「ごめんね。一緒にいるのが君が一番好きな人じゃないと意味無いとは思うけど。
それは叶えてあげられそうにないから…。」
「…」
自分で言ってて胸が締め付けられる。
彼女の“恋をしない”発言。
君はまだ過去に囚われているのか…?未来を絶望視したままなのか…?
俺を男として見てくれる日は、来ないのだろうか。
そんな動揺を悟られないようにそらしていた視線を、再び彼女に戻した時…
――彼女は大粒の涙を流していた。
嬉しい…。
私のために、ここまでしてくれるなんて。
そんな敦賀さんの心遣いがすごく、嬉しい。
嬉しくて嬉しくて…胸が苦しい。
これ以上好きになるの、つらいよ…!
嬉しさと苦しさがごちゃ混ぜになって、私はもう溢れる涙をこらえきれなかった。
「ど、どうしたの?」
「…違うんです。」
「え…何が?」
言っちゃダメ!報われない想いは吐き出しても意味が無い。
報われないならせめて今のままの関係でいたいのに。
でも、もう…言葉が、想いが…溢れ出してしまう。
告げたらすべてが崩れる事はわかりきっているけれど…、もう言わずにはいられなかった。
「違うんです…。さっき話した理想のシチュエーションの事はホントだけど、
それが一番の理由じゃないんです…。」
「?どういう意味?」
「私の中で敦賀さんはどんどん大きな存在になっていて…。
でもそれは先輩への尊敬の念からくる情愛だ、って自分を誤魔化そうとしました。
…けど、ダメでした。」
相変わらず涙は止まらない。止められない。
ポツリポツリと話す私に、敦賀さんは黙って耳を傾けてくれる。
「私…、敦賀さんに好きな人がいる事、知ってます。
だから、気持ちを伝えるつもりはありませんでした…。
キスシーンのことで悩んでたのは…、好きって気持ちがこれ以上育つのが怖かったから…なんです。」
敦賀さんの反応が気になって、チラリと目線を合わせたけれど…、
彼は無表情で私を見つめているだけだった。
きっとどう断ろうかと困ってるんだ…。
私のバカ!やっぱり言わなければよかった…っ。
「いっ、言うつもりはなかったのに、困らせてごめんなさい…。
敦賀さんが私の気持ちに応えられないのはわかってますから!
だから、返事とかは結構ですから!」
さらに溢れてきそうになる涙をなんとか押しとどめて、強がって平気なフリをした。
私なんかのことで、気に病ませたくはないから。
「さぁ、そろそろ帰りましょうか?」
そう言って立ち上がろうとした私の腕を引いたのは、敦賀さん。
そのまま私を自分の腕の中に閉じ込めたのも…、敦賀さん…。
彼女は今なんて言った?
俺の事が…好き?
…俺は夢でも見ているのか?
俺は応えない?返事はいらない?
…冗談じゃない!
勝手に自己完結してしまった彼女がベンチから立ち上がろうとした瞬間、
俺は本能的に彼女の腕を引き、そのまま胸に掻き抱いていた。
「つっ、敦賀…さん?」
「今の…ホント?俺の事、好きって。」
「えええっと、あの、……ハイ…。」
本当の本当に?胸の奥に熱いものが込み上げてくるのがわかる。
彼女が俺と同じ想いを抱えてくれていたという事実に心が躍る。
「…今まで生きてて一番嬉しいかもしれない…。」
「へ?」
困惑する彼女。もっとはっきり言わないと伝わらないかな?
両肩を掴んで抱き締めていた身体を離し、じっと彼女の瞳を見つめる。
不安げに揺れる彼女の瞳。…安心させてあげたい。
「俺も最上さんの事が好きだよ…。」
急に抱き締められて、告白されて…。
でも私の思考はその事になかなか追いついてこなかった。
だって、そんな事あるわけないもの。
だってだって、敦賀さんよ?日本中の女性の憧れの人よ?
私なんかを…選ぶわけがない。
「私をからかってるんですか…?今この状況で、ちょっとヒドイですよ。」
「からかってなんかないよ。好きだよ?さっき君が言ってた“好きな人”っていうのは君の事。」
「嘘…。あなたは望めばなんだって手に入るじゃないですか。私なんか選ぶはずが…」
「“私なんか”って、自分を卑下するのはやめて?俺は君がいい。」
「…」
じっと私を見つめる敦賀さんの瞳は真剣そのもので。嘘をついてるとは思えなかった。
「信じて…?俺には君だけしか見えてないし、君さえいれば何もいらない。」
「ホント…ですか?嘘じゃないんですか?」
「もちろん。」
「信じていいんですか?」
「信じてくれないと、困るかな。俺は絶対に君を裏切らないよ?」
「私で…いいんですか?」
「君じゃなきゃ…ダメなんだ。」
もう、再び溢れてくる涙を止める事はできなかった。
受け入れてもらえた事が嬉しくて、ただ嬉しくて。
止まらない私の涙を、敦賀さんは何度も何度も優しく拭ってくれる。
「私も敦賀さんのことが…好きです。」
泣きながら、はにかみながら、彼女は俺の想いに応えてくれた。
その姿が可愛くて、誰よりも愛しくて、その華奢な身体を強く抱き締めた。
「ありがとう…」
耳元で囁くと、彼女は言葉の代わりに俺の背中に腕を回してくれた。
そうやってしばらく抱き合って、俺は彼女の感覚を確かめた。
「…ねぇ、今ってさ、最高のシチュエーションだと思わない?」
「え…?…あ…?!」
勘付いた彼女は一瞬だけ面食らった顔をしたが、すぐ俺の好きな笑顔を見せてくれる。
そうして微笑みあいながら、彼女と星空の下でキスを交わした―――
唇を離して、見つめあって、また微笑みあう。
「夢…叶えてくださって、ありがとうございます。
初めてが敦賀さんで…いちばん大好きな人とで、嬉しい…です。」
顔を赤くしながら彼女は恥ずかしそうに、そう言ってくれた。
マズイ。その顔は…そのセリフは反則だろう…。
無表情を通り越して、俺は自分の顔が顔が赤くなっているのがわかった。
「敦賀さん、顔、赤いですよ…?」
「君こそ…真っ赤になってるけど?」
「「……」」
「…ふふっ。」
「ははっ!」
互いに赤い顔をしてるのがなんだかおかしくて。
また2人で顔を見合わせて、笑いあってしまった。
ふいに彼女が俺の服の裾をちょいちょいと引っ張る。
「もっかい…しませんか?」
そんな可愛いこと言ってくれちゃうもんだから。
「仰せのままに。」
もちろん俺には断る理由なんか塵ひとつもないわけで。
彼女が思い描いてた理想の地で、俺たちは何度も何度もキスをした…。
【蛇足なその後】
――帰りの車中にて
「そういえば、どうして俺に好きな人がいるの、知ってたの?」
「ええっ!え〜〜と、それはですねぇ、あの、その、風の便りと言いますか…。」
「…ふ〜ん、まぁいいけど。じゃあその事については今夜ゆっくり聞かせてもらう
ことにしようかな?…俺の家でね☆(キュラ)」
「……!!」
最上キョーコ17歳、悩みが解消されたと思ったら、新たな悩み事ができてしまいました…。
954 :
935:2006/04/19(水) 01:38:17 ID:???
以上です。長すぎですね…。
タイトルは“理想のシチュエーションって、どんなの?”の意です。
うまい日本語題が浮かばず、調子こいて英語にしてみました。
楽しんでいただけると幸いです。
それではお目汚し、失礼致しました。
うっわ〜〜〜〜!!!
禿げ萌えして死にそうです!
>935さんGJ!
起きてて良かった〜。
夜の海のシチュエーション最高!
おお、GJ! うんうん、夜の海はいいですね〜。
これからの季節にもぴったりだし。
いきなり自宅にお持ち帰りって……グッジョブだ、蓮w
GJ!
4巻見つかった!
良かったな。
誰もいない夜の海でキス…萌えますね……
情景描写ステキです!!GJ!
もうすぐ次スレ。スレタイにSS入れた方がいいと思う。
仲村佳樹作品SS&妄想スレ4 というはどうだろう?
11号のアオリなかったみたいだけど、この沈黙がレイノの不気味さを物語っているようだ…
嫌な感じを吹き飛ばすような
お笑い系の妄想ネタキボン
ローリィの一日とか、社さんの乙女っぷりとか…
>>960 少し長くなるけど、より親切でいいと思う。
>>961 社さんはこっそり少女小説とか読んでそうだ…
「女の子は大人になるのはやいよ」発言等
そんなにたくさんの女性と付き合ってきた感じではないけど
きっと中身のある恋愛を経験して来たんだろうな。
社さんの、キョーコちゃんへの秘めたる淡い恋心、ってのもいいなあ。
と思う反面、社さんにはきちんとキョーコ以外の女性とくっついて欲しい気も激しくいたします。
>964 あなたは私かw
社さんってキョーコの近くで、良さを一番素直に認めてる人だと思うし。
蓮とかモー子さんは素直じゃないし、マリアちゃんもなあ…。
モー子さんは最近会ってるのかどうかすら怪しいし…。
休載だと思って油断していたら、本スレがかなり伸びていてびっくりした…。
>>954 GJ!
オープニングで蓮とキョーコがキスシーンあるとこからワクワクした。
ロマンチックな場所で思いが通じ合った2人にもモエス。
社さんが蓮のマネージャーになったのって、いつなんだろう?
最初の頃に、まだあいつの性格を把握しきってない
とか言っていたから
まだそんなに長くないのかなって思ったんだけど、
既出だったらスマソ。
10代の頃は〜って言ってたなかったっけ?
だとしたら、20になってからとか? みじかっ!
そもそも蓮の(日本での)デビューっていつなんだろ。
芸能界一いい男だし、実力派とかも言われてるけど、
瑠璃子ちゃんとの映画で新人賞とかとってたりして…とちょっと思った。
すいません。
最後の最後に投下させてください。
ネタ元は>894-923の、ディズニーランド妄想です。
皆さんネタいただきました。
9レスほど消費します。
同じスレで投下した方が良いと思い、ギリギリですがすいません。
ディズニーは一応伏字にしましたが、全然意味ない状態。
また私は1度しかランドに行ったことがないので、変なとこがあるかもしれません。
その点大目にみてやってください・・・
よろしくお願いいたします。
971 :
1/9:2006/04/20(木) 01:24:12 ID:???
私、最上キョーコ。
今日は敦賀さんとはじめてのお約束の日。
しかも。
しかも・・・行き先はなんと、あのディ○ニーランド!
はやる気持ちをちょっと抑えて今、テレビ局地下の駐車場で一人こっそり隠れて待っています。
・・・話のはじまりは先週。
収録後、いつものように敦賀さんと社さんに車で送ってもらうとき、ちょうど近くの(と言っても結構遠いけど)アミューズメントで花火の打ち上げがあって。
綺麗ですね、私まだあそこ行ったことないんです、ってボソッと言ったのが発端で。
じゃあ今度終わる時間が同じ日に寄ろうかって話になって。
シンデレラ、白雪姫、眠れる森の美女、美女と野獣、それからそれから・・・とにかくおとぎ話にでてくるお姫様や王子様が山盛りウロウロし放題のディ○ニーランド。
その後の敦賀さんと社さんの声も聞こえないほど、うっとりとしてしまったの。
でも・・・私はともかく敦賀さんはどうするんだろう。
例え夜中と言えども満員御礼の誉れ高い彼の地では、きっと周りの人間にあの「敦賀蓮」だってばれてしまうに違いない。
一抹の不安を感じ見上げる私に、敦賀さんも社さんも「大丈夫大丈夫」とニコニコ笑っていただけで。
・・・本当に大丈夫かなあ。
972 :
2/9:2006/04/20(木) 01:26:02 ID:???
「おまたせ〜キョーコちゃ〜〜ん♪」
社さんの妙にウキウキした声で、私ははっとし、振り返った。
「お疲れ様です。社さん、敦賀さん。今日はわざわざ時間を割いていただき・・・」
後輩の礼儀として挨拶をしようとした私の口は、途中であんぐりと開いたまま、止まってしまった。
そこにいたのは、金髪、サングラス、帽子にノースリーブの革ジャンとチェーンの、つ、敦賀さん・・・???
私、反射的に「レイザー○モンですか?」って叫んでしまった。
社さんは顔を真っ赤にして笑いながら、「そうそう。これサービスだよ」と敦賀さんの左腕に油性マジックで錨マークと『LOVE』を書く。
敦賀さんは私の反応にも、社さんのいたずら書きにも、非常に不愉快そうに顔をしかめた。
それが妙にツボに入り・・・私はどうしても止まらず、大笑い。
アレだけど、アレな初ディ○ニーランド。
駐車場で大いに盛り上がった社さんと3人で記念撮影の後、2人だけで出発したので・・・ありました。
・・・社さん、一緒に来れば良かったのに・・・。
到着したのは時間ぎりぎりで、施設はほとんど回れない時間帯。
でも、それなりにランドの雰囲気は充分堪能できて、私はすっかり目が眩んでしまった。
それに楽しみにしていたパレードは、本当に本当にすばらしかったのです。
感動した。
赤青黄色ピンク電飾電飾電飾。
最高の音楽、最高のムード、最高のキャラクター達。
小林幸子からはじまって、ミッ○ーやプーさんや、知らないキャラクターやら、どんどん出てきて眼がぐらぐら回っている私。
更に、ピーターパンやウェンディが飛びまわり、アリスとチエシャが手をふって、白雪姫やオーロラ姫が気品あふれる高貴な笑顔で手をお振りになる。
「すっすごっっ・・・ううわああぁつっ・・・すごいですすごいです敦賀さぁぁあんんんっっっ!!!!」
せっかく変装している敦賀さんの名前を声高に叫びつつ、腕をひっぱりつつ、ぶらさがりつつ、感涙で声がうわずりつつ・・・自分でもハイの極致だと。
うん、自覚はしている。
しているけど・・・。
私っ・・・!今が幸せっ!人生の中で一番幸せよぉぉおぉぉっっ!!!
「敦賀さん、あれ、あれですっ。ご存知ですかっあれがミニーマウスですっ。素敵・・・ぃっ!綺麗なドレス・・・!!!」
叫びが止まらない私の腰に、敦賀さんいつの間にか手を回していて、そしてクスクス笑いながら耳元で呟いた。
「キョーコちゃん・・・できるなら俺のことは『コーン』って呼んでくれる・・・?」
974 :
4/9:2006/04/20(木) 01:30:10 ID:???
その一瞬、私は素に戻り、敦賀さんの顔を見上げた。
帽子もサングラスもとっていた敦賀さんは、電飾に照らされた黄金の髪をなびかせて極上の天使スマイル。
パレードのどのキャラクター達よりも、美しく、私は心臓が止まりそうになる。
「敦賀さん・・・?」
敦賀さんが何か言おうと、口を開いた瞬間。
ドドーン!!パーン!
花火が壮大に、敦賀さんも私も、パレードを見ている人たちも、ランド全体を包み込んで、明るく炸裂した。
興奮最高潮の私は何が起こったのかわからなくなり・・・。
そして何もかも真っ白になってしまった。
「もしもし、お嬢さん?もしもし?そろそろ戻って来ませんか?」
ふと正気に戻った時は、私は敦賀さんに完全に寄りかかって貼り付き虫。
既にパレードも終わり、人影もちらほら、風は冷たく、閉園お知らせのアナウンスが音楽とともに鳴っていた。
975 :
5/9:2006/04/20(木) 01:33:26 ID:???
「はぅ・・・敦賀さん、すいませんですっ」
私、慌てて離れようとしたけど、できなかった。
腰を抱かれてたの・・・全然気がつかなくて、驚いた・・・恥ずかしい・・。
敦賀さんは心底楽しそうに笑って言った。
「そうだろうと予想はしていたけど、ここまで楽しんでもらえて、連れてきたかいがあったよ」
「あ、ありがとうございます。本当に楽しかったです・・・。で、では、離して・・・くださいますか」
ちょっとジタバタしながら、腕から逃れようとする私。
「ダメ」
うっ・・・!な、なぜ・・・。
「最上さん、パレードの最中1度迷子になったの気がついていた?」
「ええっ??本当ですか?そんなことないですよ・・・」
と、慌ててあれこれ思い返してみる。
うううーむ・・・やっぱり記憶にない・・・。
だって失礼ながらずっと敦賀さんの腕にぶらさがっていたような、いなかったような・・・。
で、でも心当たりがないとは言え、ありえなくはないって自分でも思ってしまうほど、興奮していたし・・・。
冷や汗たらたらの私に、敦賀さんは言った。
「だから、離れないようにしなきゃ・・・ね」
976 :
6/9:2006/04/20(木) 01:35:37 ID:???
ふ・・・む。
パレードの余韻でまだ興奮しているせいか、ま、いっかとか私も思って、敦賀さんの胸によりかかった。
あったかい・・・。
背中に手を回すと、敦賀さんも回した腕に力が入った。
顔をあげて、恥ずかしいけど、思い切って言ってみる。
「・・・ここに連れてきてくれて、本当にありがとうございます。一緒にいれてとても嬉しかった、です」
精一杯の笑顔で敦賀さんの瞳を見つめた。
敦賀さん、一瞬ぐらりと揺らいで口をふさぎ、「それ・・不意打ちだ」と呟いた。
?と思ったものの、でも私は、既に別のことで気をとられていた。
カラーコンタクトでブラウンになっている敦賀さんの瞳を見て、さっきのセリフを思い出したのだ。
『俺のことは『コーン』って呼んでくれる・・・?』
「敦賀さん・・・さっきの発言はどういう意味だったんですか?・・・『コーン』って呼んで、って・・・」
977 :
7/9:2006/04/20(木) 01:38:42 ID:???
この瞳・・・。
遠い昔の思い出がざわざわっと全てよみがえる。
もしかして、もしかして・・・?。
敦賀さん、あの時のコーンに似ている気がする。
ううん、すごく似ているわ・・・。
「ん?・・・別に。他意はないよ。君があんまり敦賀さん敦賀さんって叫ぶものだから、困ってたんだ。で、君の外国人のイメージって、コーンだろ?だからそう言っただけ」
「え・・・。わ、私・・・。敦賀さんにコーンが外国人だって言ったことありますか?」
一瞬、敦賀さん苦い表情をし、無表情で固まった。
「言っていたよ。いつだったっけ?彼は妖精だって、コーンのような綺麗な髪の色をしていたって話しただろ?」
セリフが終わる頃には、敦賀さんはもう優しい笑顔になって、私の目をのぞきこむ。
そうだっけ・・・?思い当たらない・・・。
まだドキドキ興奮しているからなのかな。
そう考えをめぐらせていると、敦賀さんの顔が近づいてきて・・・あっ・・・。
・・私は、キス・・・されてしまった。
978 :
8/9:2006/04/20(木) 01:43:32 ID:???
いきなりでひっくりして、反射的に顎をひいたけど、敦賀さんの唇は追いかけてきて。
唇をついばまれた途端、うなじをホールドされ、腰からがっちり引き寄せられてしまう。
「んんっ・・・」
舌の裏を舐め上げられて、くぐもった声が漏れる。
さっき飲んだコーラの味がとても甘くて、敦賀さんか私のものかわからない鼓動が響き、何がなんだかわからなくなり、私も応えた。
敦賀さん、唇を離すと耳元で
「外国のヒトだから、人前でこんなことも出来るんだよ」
とつぶやき、また口付けてきた。
ぞくぞくっと背中が何かを這っている感触に震えながら、横目で辺りを見ると、まだ残っていた何人かのカップルがこちらをちらちら見ながら通り過ぎていく。
敦賀さんは、私の上唇、下唇を順に味わうように舐めあげ、そのまま歯の裏まで侵入してくる。
そして、そのまま私を強く抱く。
「つ・つるがさん・・・ダメですっ・・人が・・・」
敦賀さんがやっと開放してくれたかと思ったら、すぐ喉元まで唇が降りていく。
私は必死で小声で拒否の言葉を出しただけで、何も抵抗できなかった。
「違うよ。人にばれてしまうよ。・・・コーン、だろう?」
耳たぶを甘噛みされて、私は思考能力を完全に奪われて。
「コーン・・・」
と大事な人にその名を呼び、肩に手を回した。
979 :
9/9:2006/04/20(木) 01:46:56 ID:???
「OK。じゃあそろそろ行こうか」
ふいに身体を離されて、私はぐらりと揺れる。
敦賀さんが、支えてくれなかったら座り込んでいたに違いないわ・・。
「え・・・と、どこへ?」
「もう閉園だし。ミッキーに追い出される前に退散しよう」
ほてった頬を隠しながら、私はあたりを見回した。
誰もいない。
さっきまでは確かに人がいたのに。
私達、一体どれくらいの時間・・・。うううっ。恥ずかしい・・・。
「残念だけど、お土産は明日買うことにしよう。そこのホテルまでダッシュ。走れ・・・そうにないか?」
「は、はいっ。いいえっ、大丈夫です・・・って、ホテルぅ?ですか?」
展開についていけない私を、敦賀さんはニッコリ笑って軽々と抱き上げた。
「そう。リザーブしておいたから。アン○サダーホテル最上階スイートルーム。おなかも空いただろう?」
「ひ、ひえ〜〜〜っっっ!!!」
『It's a small world』が名残惜しく流れるディ○ニータウンに、私の心の叫びが虚しくこだまし、そして消えていったのだった・・・
980 :
970:2006/04/20(木) 01:49:44 ID:???
終了です。
って、投下途中で気がついたのですが
970踏んだので、次スレは私が立てるのですよね?
スレ立て初めてです・・・。
ど、どなたかお願いできませんか?
テンプレ間違ったら恐いです。
重ねがさね申し訳ありません・・・。
981 :
970:2006/04/20(木) 03:30:26 ID:???
うあーーっ!!朝から良いもん読んだーーっ!
しかも便乗して書いたTDLネタ使って頂いてるし!
微エッチGJ!
オチも素敵。スゥイートルームで赤くなったり青くなったりしてるキョーコが目に浮かぶようだ…。
蓮がこんなお茶目な?変装するなんてワロス。
何気なく書いたネタが採用されてる! うれしいもんですね〜。
アン○サダーホテル最上階スイートルームでの様子も読みたい!
こちらでムリなら、向こうででもw
あそこのホテルの朝ごはんって、楽しそうだしね〜。
GJ!
大胆な蓮に萌え。
その後のスイートルームの2人も気になる。
いい締めサンクス!
GJありがとうございます。
コーンの話をもうちょっと膨らませたかったのと
ローリィ&後をつける社さん出したかったんですが、力不足ですいません。
こちらこそ元ネタありがとうございましたw
アン○サダーホテルはHPのイメージでそこで決めたので、
スイートどころか、ロビーにも行ったことないので、一行もかけませんorz
どなたかおられませんか?
花やしきとか、あらかわ遊園とか、ジブリなら書けるんですが・・・ダメじゃんw
アン○サダーホテルで朝食を食べると、ホットケーキがネズミさんの形だったり、
ネズミさんカップルが席まで遊びに来てくれる…ような気がする。
他の遊園地も楽しそう。ジ○リもいいなあ。ト●ロとか、キ●とか
キョーコ好きそうだしv