蒼天航路 ネタバレスレッド 其の弐

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253マロン名無しさん
蒼天航路

最終話「Beyond the Heavens」

ベン「元宵節のお祝いにおめでたい詩でも詠んでくださるものと思っておりましたのに」
黙々と遺言を書き続ける曹操
ベン「これって遺言ではありませんか(唖然とする文官たち)
   死ぬのですか」
何事もないような顔で粥を催促する曹操
ベン「死ぬのですね(呆れ顔で)大騒ぎになりますね」
曹操「騒ぐな と書いておく」

ベン“死ねばどれだけ多くの人がどれほど動揺するか やっぱり普通の人のことは全然わかってないのね”
曹操「“うむ・・・・・書いてるうちにだんだん”死んだ気分になってきた」
シバイ“なんと浮き浮きと・・・・・”

側室の生計の立てかた、女官・妓女の処遇のことばかり書いている内容を見て
ベン「もう少し王様らしい事を書かれたらいかだかしら」
曹操「死ぬのも力が要る」

“大騒ぎか 十日くらいは騒ぐだろう こいつらまた大仰に泣くんだろうな”
嫌な顔をしながら文官達の方向を向くが、誰も居なくなってることに気づく
“俺はもう死んどるのか?”
ベンのくごの音色が聴こえてくる
“いや まだ生きとる これは新しい曲だ”
ベン“ええ もうずっと昔から覚悟はできておりますよ この41年戦に発たれるたびに・・・・・・なのに”

254マロン名無しさん:2005/11/07(月) 12:48:15 ID:???
巨大な関羽の像が運ばれてくるのを見て
“死んだ後まで畏れ敬われ続けるのは天をゆく者だ 地をゆく曹操のこわさは百年ほどで忘れ去られる
 百年も経てば名さえきれいさっぱり消えてなくなろう    清清するな”



場所は国境に変わり
北方異民族と戦いに挑む曹操
黄鬚の活躍に喜ぶが、その瞬間あおいきばに首と胴を斬られる

またところ変わり日の光が射す庭
光を背に佇む惇

曹操「惇 死んだのかお前も」
惇「なに馬鹿なことを言っとる?こんな所でうたた寝しておったら風邪ひくぞ」
曹操「首も胴も飛んでいた“いや・・・俺は地獄にしか行けんか”」

惇に酌をし、末娘を嫁にくれと頼むが一蹴される
庭先の鶴を見ながら語り合う二人

曹操「あたたかだな 惇」
惇「なにをいうか まだ寒・・・・・・」

春の日差しを浴び、うたた寝をしてるかのように安らかな顔で息をひきとる曹操

建安25年
曹操 洛陽で死没 齢66
255マロン名無しさん:2005/11/07(月) 12:49:32 ID:???
転がるように曹操の遺体のもとに到着した長老
長老“間に合わんかった!逝ったか孟徳 関羽は神になり 劉備は物語となる しかし孟徳よ
   人の世は曹孟徳を残す 百年たとうが千年たとうがおぬしを忘れ去ることはない”
葬儀の最中に城を出てゆく青州兵
吐血しながら泣き叫ぶキョチョ

自分は曹操に知られているのだというおっかない認識
曹操の死はその消滅である この数年のうちに次々と人が他界する

惇・テイイク・呂蒙・法正・黄忠・張遼・干禁・凌統・張飛・甘寧・馬超・曹仁・曹彰・カク
そして223年 劉 玄徳
セキさん死亡の報せを聞いて怒り狂う劉備の姿

白馬にのって天に昇ってゆく曹操

はるか西の彼方で夥しい数の人間が移動している
此処彼処で人が棲んでいた地を狭く感じ始めたのか
大地を駆け大海を渡り人間はさらに遼遠に夢を求め 出会い 戦い 交わるのか
  どこだ    ここは     中華はもう見えん
        
        
        
        ならばよし



水晶を探しにいくか


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