【かかってこい】ネギま!萌え統一スレNo.78【キモヲタw】
(こ、殺される。この、拙者が・・・・・・)
楓は生まれて初めて心の底からの恐怖を感じた。顔を上げると、目の前に爽やかな笑顔をした青年が
ニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべていた。 助けて、怖いよ拙者、ネギ先生!!
* * * *
「あっ・・・・・離すでござる、離すでござるよっ!」
クウネル・サンダースに頭を鷲づかみされて、長瀬楓(女子20番・さんぽ部)は情けない声を上げた。しかしこのネギに似た男は
意に介せず、楓の身体を高々と持ち上げた。そして楓に視線を移す。
そしてニタリと笑いを浮かべると、地面に落ちていた短剣――元々は楓の武器だった――手に取った。
そして楓の首に当てる。
「ひっ」
楓は息を飲んだ。だが、すぐ元の戦士の表情に戻り、決然と言った。
「こ、殺すなら、早く殺すでござるよ」
それは彼女なりの最後のプライドの誇示であった。だが、クウネルは短剣を持ち返ると、胸元にズブッ
と差し入れた。そしてそのまま下方向に力を込め、楓の忍装束を真一文字に切り裂いた。
「ひぁああああああっっ」
胸元から下半身まで服をはだけさせられ、さすがの楓も情けない叫び声を上げざるを得ない。
元々胸にサラシを巻いていなかったため、その豊かな乳房は直接外気に晒されてしまった。
観客席がざわっ・・・となる。アスナ&刹那戦のパンチラや、高音・D・グッドマンのセミヌードなどで
こういった濡れ場には免疫がつきつつあったとは言え、武道会始まって以来の鬼畜な展開なのだから。
「ふふ、まさかネギ君の大切な生徒さんを殺す訳ないじゃないですか。・・・でも少しお仕置きが必要かも知れませんね。」
下衆な笑みを浮かべるクウネル。もはや完璧な悪人としかいいようがない。
―――ズシュッ!
クウネルは刀を再び地面に突き刺した。彼が短剣を手に取ったのは、楓を殺すためではなく服を切り裂く
ためだったのか。
楓はあらわになった胸元をなんとか会場の観客達の視線から隠したかったが、右の掌は手首の骨を折られて
しまっているため動かない。仕方なく彼女は、痛んだ肩に鞭打って左手で、胸元を閉じようとした。
だが次の瞬間、その手はサンダース (どうでもいいけど、なんかポケモンみたいだな、元ネタはケンタッキー
フライドチキンなんだろうけど) のごつごつした右手に掴まれた。
「なっ、なにするでござるか。放すでござる、放すでござるよ!!」
しかし皮肉にも、じたばたすればするほど、はだけた胸の隙間は開いていく。クウネルは、
頭と左手を掴んだままニタニタと歪んだ笑みで、奴隷のささやかな抵抗を楽しんでいた。
楓は 「こいつの手なんか握りつぶしてやるなり」 と思い、噛み合った男の掌にぎゅっと握力をかけた。
だが、打撲したその左腕ではさほどの握力が出ない・・・
「か、楓姉ちゃーん。や、やめろー貴様ぁーッ」
小太郎がたまらずに飛び出したが、審判の和美に制止されてしまう。クウネルはそれを一瞥すると、
お構いなしに続ける。
「ふふふ、まさか貴方。こんな弱い握力で私の手を握りつぶそうとしていたのですか?」
ネギ少年にどことなく面影が似た男は楓の横に顔を近づけ、彼女の顔を覗き込みながら言った。
楓はその不快な笑みをキッっと睨みつけた。一瞬でもネギに似ているなどと思った自分が恥ずかしく、
心の中でネギに謝罪をする。しかしその楓の苦悶の表情は、牛尾の嗜虐心を刺激するものでしかなかった。
「ふふふ、少しお手本を見せて差し上げましょうか」
クウネルは、先ほどの重力魔法を至近距離で放つ。
「あがっ、あがいぁーーーっ! あがっ、あがががががが」
楓は泡を吹き、おかしな悲鳴を上げる。バリバリッとにぶい音がし、各指の骨と同時に
神経組織まで破壊されたようだ。無理もない、圧縮されたこの重力魔法の力によってかかる負荷は
優に200kgを越えているのだ。
「先ほどの呪文をパワーはそのままに、適用範囲を100分の1に圧縮させてあなたの手元に放ちました・・・無事でいるほうが異常です」
クウネルは満足気な顔で舌なめずりをした。観客席からはフードで隠れている為分からないが、正面にいる楓には、
この卑しい男の下衆な微笑みがうざったい程に見て取れる。楓は顔をひねり、肩口で口元の泡と涙を拭った。
悔しかった。この男どもの前で、そして勇気付けるべき小太郎の前で涙を流したことが情けなかった。
もっとも掌を握り潰されて涙が出ない人間など稀なのだが。
「も、もうガマンできねぇ」
小太郎が、和美の制止を振り払って、助けに入ろうとした。しかし、
「く、来ちゃダメでござるッ! これは戦士と戦士の1対1の戦いでござるよッ!
助太刀は無用でござるッ!!」
「・・・か、楓姉ちゃん――」
小太郎は諦めて背を向けた。確かに、自分が同じような状況に追い込まれていた時、
仮にネギや楓に助けられたとしたら、小太郎は彼らを一生許せなくなるだろう。
1対1の真剣勝負を汚すようなことは、小太郎の武士道精神に許されることではなかったのだ。
これ以上、楓の痴態を見るのが耐えがたかった小太郎は、控え室に戻ることにした。
「ふふふ、良いんですか。小太郎さんに助けてもらわなくて。」
「笑止。拙者は、例え力及ばずとも、最後まで正々堂々戦う所存にござる」
「なるほど。しかしこの状況では・・・そろそろ降参された方がよろしいのでは?
私もネギ君の知人にこれ以上ひどいことするのも、良心が痛みますし」
(お主にも良心なんて高尚なものがあったんでござるか、初耳でござるな)
と心の中で悪態をついて見せた。
「それにしても貴方、大きい胸してますね? 忍びにしておくには少々勿体ないかと思いますよ〜、」
そう言うや否や、クウネル・サンダースは楓の背に手を伸ばし、忍装束を下方向に勢いよく引っ張った。
前面が 上から下までぱっくりと裂け、肩のところでかろうじて引っかかっていた装束が、ビリリと音をたてて
破れ、全て剥ぎ取られてしまった。もはや楓の身体に残されたのは、腰巻―――女子用の和装下着、
フンドシに似たパンティ―――1枚だけになった。観客が歓喜の声を上げる。
「おおおおーっ、これはすごい見物だぞッ!」
一方、和美はどのタイミングでクウネルを制止すべきかタイミングを計りかねていた。大会の建前上、
男女平等なので、例えセクハラ紛いのことがあっても容易にはクウネルを止めることが出来ない。
(う〜ん。難しいな。アイツがパンツを脱がせたら、さすがにそれはやり過ぎなので、彼を失格にしよう。)
和美はそう決心した。
「ぐ、ぐぅぅ・・・・・・」
楓は自分の不甲斐なさが口惜しかった。優勝できると思っていたのに、まさかこんな猛者がいたなんて。
クウネルの存在は彼女にとって致命的な誤算だった。
「いいねぇ、戦場の白いセミヌード!いよっ、最高ッ!」
「ナイスバディだし、ことさら映えるよなぁ・・・」
「しかも滅多におめにかかれんぞ、こんな巨乳少女には。へへ」
観客達が黄色い声を楓に浴びせる。楓の頬はみるみるうちに桜色に染まった。無理はない、
いくら楓が強いといっても女の子なのだ。
「みっ・・・見るなぁっ! あっち向くなりよぉーーーーーーっ!!」
だがそんな言葉に耳を傾ける観客達ではない。若い女の半裸姿を、 まばたきするのも惜しいとばかりに
鑑賞している。
一方、クウネルも困惑していた。彼にはある理由があって、楓に自ら「降参」してもらう予定だったのだ。
しかし、いくら追い詰めても、楓は降参する気はないようだ。それに、これ以上やるとネギにも
嫌われてしまいそうだった。迷いつつも、クウネルは続けることにした。それは彼の本意ではなかったが。
クウネルは両腕を後ろから楓の身体に回し、きつく抱きしめた。というよりも魔力で・・・締め付けた。
半透明の黒い7匹の竜の幻像が、楓の上半身をとぐろを巻くように蠢いた。
「うぎゃあ・・・・・・ああ・・・・・・や、やめ・・・・・・らああ」
魔法の蛇たちが楓を締め付ける。まるで全方向から30Gの圧力でもかけられているようだ。
30Gと言えば、水深290mの海底の水圧と同じ圧力である。肺がうまく収縮できず、息が止まる。
楓は必死に、背後から締め付ける牛尾に右エルボを叩き込むが、クウネルは一向にひるむ様子を
見せない。メリリッ――楓の胸が嫌な音を立てる。どうやら肋骨にヒビが入ったようだ。
羞恥心で赤く染まっていた楓の顔が、次第に紫色に変色していく。
(し、死ぬ・・・・・・このままじゃ、拙者は・・・・・・)
「!?」
突然、魔法の締め付けの力が引き、楓は地面に放り出された。このまま拷問が続くと思っていたのに、
少し拍子抜けした。
「けほっ・・・けほっ・・・」
楓は咳き込みながらも、右肘をついて起き上がり、なんとか立ち上がった。だがその足元は
ふら付き、激しい呼吸で肩が上下している。
「どういう風の吹き回しでござるか? きゅ・・・急に攻撃の手を緩めるなんて」
「・・・・・・」
クウネルは何を思ったのか、フードを突然、取り外し放り投げた。美貌の好青年が
顔を現した。
「もう、止めましょう。私には、これ以上貴方と戦う気はありません。」
「な、今さら何を・・・!? ふ、ふァアッ」
ゆっくりと楓の身体が宙に浮き、次の瞬間、楓は場外にいた。楓の場外負けである。
和美がおもむろにアナウンスする。
「じょ、場外・・・ク、クウネル・サンダース選手の勝ちです・・・」
その和美(女子3番)の声に弾かれたように、ネギ・小太郎・明日菜(女子8番)らが、
楓のところに飛び出した。
「楓ちゃん!」
「長瀬さん!」
「か、楓姉ちゃーん」
楓の姿は無残なものだった。左腕は打撲により損傷し肘から下を弱弱しく持ち上げるだけでも肩に負担がかかる。
拳も破壊されており、実質パンチを放つのは不可能だ。右肩は正常に回るが手首の骨が折られ、
左手同様に指は全く動かすことが出来ない。
右足は太腿に重力魔法の連打を食らい、動脈本流への直撃は免れたものの、動かす度に
ズキズキと痛む。出血も止まっていない。二足歩行は可能だったが、それでもびっこを引くような
歩き方しか出来ないような状況だ。
見ると、クウネルが会場から立ち去ろうとしていた。決勝を前にして、控え室で戦いの疲れを休息によって癒そうと言うのだろう。
小太郎と違ってこれまでほとんど沈黙していたネギ少年も、この時ばかりは、声を荒げざるを得なかった。
「クウネルさん!」
「・・・・・・はい!?」
クウネルが歩みを止め、ネギ少年の方を振り返った。
「貴方が何を企んでるか知りませんが・・・、ゆ、許しませんよッ、貴方だけはぁああッ!!」
生徒を弄ばれたことに対するネギ君の怒りが爆発した。その感情は、クウネルが父親に関係しているかもしれないと言う期待よりも
勝っていた。しかし、クウネルは全く動じることもなく一言。
「楽しみですね、決勝戦で戦えることを心待ちにしていますよ―――」
そう言って、控え室に消えていった。ネギは拳を握り締めて、彼の後姿を見送る。
そして楓のところに戻ると、タンカーで病室に運ばれていくところだった・・・。
一方のクウネルは、控え室で一人、マルボロ・メンソール・ライトを蒸かしていた。
彼の頭には、先ほどの楓との試合のことがありありと蘇ってきた。
「楓・・・大きくなりましたね。お父さんは嬉しいですよ」
そう言って、指をパチンと鳴らす。彼の指先から、小さな光の玉が発生、控え室を出て、
武道会場の方へ消えていった。俗に言う、遠隔魔法というやつだ。
「ふふふ、ネギ君。君と楓ちゃんが従姉弟同士だと知った時の、君の反応が楽しみだよ。ふふふふ」
控え室で一人不気味に微笑むクウネル・サンダースだったが、それをたまたま目撃してしまった生徒がいた。
長谷川千雨(女子25番・帰宅部)である。千雨は音を立てずにそっと、その場から離れると、
廊下を全速力で駆け出した。
「や、やべぇ。た、大変なこと聞いちまったぜ。おいおい、楓と先生は従姉弟同士だったのかよ。しかも
あの妙な男が、楓の父親ってか? まったく、おかしなことばかりだぜ、どうなってんだよ、この大会は・・・」
* * * *
一方、タンカーで運ばれていく途中だった楓だったが、突然、タンカーの上で立ち上がった。
慌てる救護班。
「だ、だめですよ。立ち上がったりしちゃ。」
「いや、もう運ばなくていいでござる。直ってしまったようなので」
そう言って、楓は立ち上がってピョンピョンとジャンプし、腕や足を回して、身体に異常がないことを確認した。
なんと、驚くべきことに、傷だらけだった身体が全回復していたのだ。楓は空を見上げた。
「まさか、クウネル殿が―――!?」
遠隔魔法で楓の怪我を全快させてくれたクウネルに対し、初めて親しみの情が沸き始める楓だった。
彼女は微笑すると、空を眺めた。青く晴れた空・・・はるか上空に若干の巻雲が見える。
「決勝戦、楽しみでござるな・・・」
長瀬楓(女子20番)は気だるそうに、大きく伸びをした。
会場からは相変わらず観客達の歓声が聞こえていた。 どうやら、ネギと刹那(女子15番・剣道部)の試合が始まるようだ。
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*・゜゚・*:.。. .・゜゚・*:.。. .。.:*゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*・゜゚・*:.。. .・゜゚・*:.。. .。.:* ☆彡
いかがでしたか、まほら新聞さん。萌え統の皆さん!
ちょっと今回は鬼畜過ぎるネギま小説になってしまい、ちょっと痛々しい場面もありましたが、
最終的には、なんとかハッピーエンド方向にまとめてみました!!♪(#^ー゜)v
こういう流れが事前にあった方が、
続くネギ&刹那戦や、ネギ&クウネル戦が
燃え上がるような気がするんですが、いかがでしょうか!?
感想、お待ちしていますね〜(#⌒〇⌒#)
ではー♪