586 :
その1:
第43話「ウェルカム・パーティー」
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表記ルール:
通常のセリフは「 」
手書きセリフは「 」内に( )
モノローグは『 』
ナレーションは【 】
シーン説明は( )
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■冒頭柱:……みんなそろって軽井沢に来ましたよ!
■煽り:合宿だ!
■作者近況:HBのつもりで8Hの鉛筆を大量に買ってました。悪くなったのは目でしょうか頭でしょうか。
587 :
その1:2005/10/23(日) 01:13:59 ID:???
(軽井沢駅前にて。合宿メンバー全員の抜きショット。
参加者は恵子、咲、朽木、笹原、高坂(立ったまま寝てる)、斑目、荻上、大野)
(別荘の前で)
【軽井沢2泊3日の旅】
恵子「あ──アレじゃん?」
咲「37番?」
(咲と恵子、先陣きって中を物色)
咲「へ──────」
「ほーほーほー!」
「作りは面白いじゃない」「吹き抜けにロフトかぁ(軽井沢の別荘としては全然小さいけど)」
恵子「でしょ?でしょ?元別荘だって!」「フツーのホテルより超オモシロクない?」
咲「で? 専用の温泉あんでしょ?」
大野「温泉!」
恵子「露天風呂!」
咲「どこどこ?」
恵子「なんかァ 隣接してるって話だったけどォ」
大野「外からはわからなかったですね」
咲「探そ探そ!」
(その背後で)
笹原「(荷物とりあえずこのへんですか)」
斑目「(そーねとりあえず)」
588 :
その1:2005/10/23(日) 01:14:45 ID:???
(温泉を探す咲と大野)
咲「こっち トイレと階段しかないよ?」
大野「このドアは違いますか?」
咲「それはテラスに出るんじゃない?」
(その背後で)
朽木「(はーー)」
笹原「(女の人ってそんなに温泉好きなの?)」
大野「あ!」
咲「あった?」
大野「ありました……けど…………」
咲「……コレ テラス仕切って桶置いただけじゃないの?」
大野「ブラインドで囲ってありますね……」
恵子「まーこれも露天っしょ?」
咲「屋根あんじゃん」「それに向こうの別荘から見ようと思えば見えるんじゃ……」
「──ってうわ!! え? クッチー!?」
大野「これ 部屋の窓から丸見えじゃないですかー」
咲「あっ そうか雨戸! 雨戸閉めればいいんだ!! 閉めろ閉めろ!!」
朽木「ああっ そんな殺生な」
笹原「はははテンションたけ──」
朽木「なんの! 中から開けられるデスヨ!!」
咲「開けんな」
「クッチー絶対盗撮すんなよ」
朽木「あ〜〜そう言われるとやりたくなってきますなぁ!」
咲「お前マジだよ?」
(そのやり取りを笹原の隣で見ている荻上、しかし不意にそっぽを向いて、
下駄箱でみんなの靴を整理しだす。それを横目に見る笹原)
笹原「…………」
589 :
その4:2005/10/23(日) 01:15:49 ID:???
(女性陣が出かけ、男しかいなくなった別荘)
笹原「ふ───……」
斑目「やっと落ち着いたな……」
「女子は早くもどっか行っちまったけどな」
笹原「まー 新幹線で早かったですし」
「高坂くんなんか今日な寝っぱなしですけどね──(朝から)」
「仕事がギリギリだったらしくて……」
斑目「あの高坂ですらこうか……(ゲームって大変だな……)」
笹原「でも」「まさか本当に軽井沢に来る事になるとは思いませんでしたね──(場違いだー…)」
斑目「お前の妹がしつこく言ってたところに」「みんなのタイミングが合っちゃったよな」
「俺も休み取れたし」「高坂来るから春日部さんもついて来たし……(田中は明日合流だけど)」
「でもまぁ」「お前が就職決まったってのが一番驚きかね」
笹原「驚いちゃいましたか」「まーそれは自分でもですけど」
斑目「編集プロダクションつったっけ?」「イマイチよくわかってないんだけど……」
笹原「ん〜〜ひとことで言うと編集者の派遣会社みたいなもんですかね……」
「いろんな出版社の編集部に何人かずつ派遣して……」
「まぁコストの面とか切りやすさとか」「出版社としてのメリットはそのへんにあるみたいですけど」
「こっちとしても最初からマンガの編集者として働けますからね」
「たとえばマガヅンの編集部に行く可能性だってあるわけで」
斑目「ほ───う」
「そんな会社あるんだなー」「知らんかった」
笹原「そーですね俺も……」「編集者って全員社員だと思ってましたよ」
「(たまたま新聞で見つけたんですよ求人欄にズバリ「マンガ編集者」って まー途方にくれてた時期ですからねー…)」
斑目「……………」(話を聞きながら、前に咲に言われたことを思い出している様子)
590 :
その5:2005/10/23(日) 01:16:19 ID:???
(回想シーン、部室にて)
咲「この旅行で笹原と荻上をくっつけたいなーと思うんだけどね?」
斑目「はぁ?」
咲「そんなに強引な事はしたくないけど」
「ちょっとぐらい背中押さないとあの二人って全く何もないまま終わりそうだからさー……」
大野「(うんうん)」
斑目「あ」「あーあーあーそーか」「なるほど──」
咲「……何」「今さら気づいてなかったとか言わないよね」
斑目「いや もち気づいてたよ──」
「でも何で俺?」「高坂は?」
咲「一応 伝えてあるけど「手加減できないから何もしない」ってさ(コーサカはストレートだからね…)」
斑目「…………はは」
咲「だからまぁ斑目も特に何もしなくていいけど」
「一応含んでおいてね」
斑目「ん」「あいよ」
591 :
その6:2005/10/23(日) 01:16:49 ID:???
(回想終わり、再び別荘)
斑目「…………(ズズーーーー…(お茶を啜る))」
「あ そーいえばさぁ」
笹原「はい?」
斑目「コミフェ…」
(朽木とつぜん入室してきて割り込み)
朽木「サー!! やはりのぞきスポットはないであります!!」
「建物が湿気対策で高床式であります!!」
笹原「……あ フロの話か(どこ行ったのかと思ってたら)」
斑目「………………(怒)」
592 :
その7:2005/10/23(日) 01:17:38 ID:???
(場面変更、大野と荻上、別荘付近を散策)
大野「う──ん」「やっぱり涼しいですねー♥」
「気付きました? さっきのお部屋クーラー付いてないんですよ!」「必要ないんですね!」
荻上「……はぁ……」
大野「……コミフェスで笹原さんと何かありました?」
荻上「はぁ? 何ですかいきなり」「何もないですよ」
大野「そうですか? 結局 打ち上げも行かなかったみたいですし……」
「あれ以来ずっと」「今日も含めて」
「笹原さんと喋ってるとこ見た事ないですよ?」
荻上「別に」「だから」「どうって…」「…………」
「笹原さんっていうか……」
「スージーが」
大野「え?」
大野「ええ?」
「笹原さんの前で同人誌をひろげちゃったんですか?」
荻上「ええもう こうやって目の前で!」「しかも一番やばいページだったんすよ!」
大野「うわ〜〜……それは……(えっあのページかしら…)」
「大変申し訳ないです……」
荻上「いえ 先輩が謝らなくていいですけど」
大野「……そっかー 見られちゃったんですねー……」
荻上「見られちゃったんですよ」
593 :
その8:2005/10/23(日) 01:18:09 ID:???
大野『そっか』『やっぱりそこなんだ』
大野「……でも荻上さん」「いつか見せないわけにはいかないでしょう?」
荻上「絶対嫌です!!」(壮絶なツン表情で)
大野「…………………………」
大野『結局そこに突き当たる』
『……バレバレなのに』『どうして隠すのかなぁ……』
大野「……そうですかねぇ」「もう見せちゃったほうがいいと思いますけどねぇ」
荻上「嫌です!!」
大野『見せられない』
大野「うーん困りましたねー」
荻上「困ってないです!」
594 :
その9:2005/10/23(日) 01:18:39 ID:???
(再び別荘、買い物から恵子と咲が帰ってくる)
恵子「ただいま!!」「スゲ──買っちゃった!」
「買いすぎ?ヤバイ?」
笹原「んだよ 帰ってくるなりうるせーな知らねーよ」
「ショッピングモールっての行って来たのか?」
恵子「うんアウトレット!」「服とかクツとかバッグとかかなり安いよ?」
「スゲ──安いし!(ヤバイよ?)」
咲「はしゃぐな田舎くさい」
「ま 確かに意外にいい店入ってて驚いたよ」「観光地のわりに使えるかもね」
笹原「……ったく」
咲「ササヤンササヤン」
笹原「え?」
咲「あの妹のホントにヤバイとこは」「今日だけで私に20万借りてるとこだよ」
「ありゃ相当借金慣れしてるよ」
笹原「………………(汗)」
咲「どこにも行かなかったの?」
斑目「んにゃ この辺歩いたよ」「川の辺りまで」
咲「あー……」
595 :
その10:2005/10/23(日) 01:19:10 ID:???
(ぐっすり眠る高坂、それを優しげに見つめる咲)
咲「コーサカ全然起きなかった?」
斑目「ん──俺らがいる間はずっと寝てたよ」
咲「そっか よっぽど疲れてたんだなぁ……」「ま 今日はもうしようがないけど…………」
「…………」
斑目『──「明日は一緒に出かけたい」』『ってか?』
大野「ただいま戻りました──」
咲「おっ そろったね」「じゃ 夜ゴハンどうする」
(やいのやいのとやり取り、以下セリフだけのコマのため発言者は推測)
「あーよさげなレストランありましたよー」(おそらく大野)
「えっ このガイドには載ってないとこ?」(おそらく恵子)
「行ってみようか?」(おそらく咲)
「あのー朽木くんまだだけど……」(おそらく笹原)
(時間経過、おそらく夕食後)
咲「──さて じゃあ」「そろそろ お風呂入るけど」
「クッチーをどうしてくれようかなぁ?」
朽木「!」
斑目「え? どうって……?」
笹原「別にいいんじゃない?」
(背景には座ったまま寝ている高坂、それをハートマークつきで眺める恵子)
咲「ん〜〜でもここは「お笑い芸人」として!」「「空気読んで」もらいたいとこだね!!」
斑目「は? 芸人?」
笹原「空気?」
(荻上はお茶を飲みながら一人このやり取りを眺めている)
596 :
その11:2005/10/23(日) 01:19:41 ID:???
(帽子かけ?らしきものにベルトで後ろ手で縛られる朽木)
朽木「ああ! くそう! ほどけ〜〜ええ」(棒読み)
咲「じゃ よろしく──♥(温泉ーー♥)」
斑目「朽木くんも丸くなったもんだ」
(咲と大野、温泉にて。二人とも裸)
咲「こっちは灯りつけないから」「多分見えないと思うけど……」
大野「咲さん咲さん」
咲「ん?」
大野「……触ってみます?」
咲「……何で?」
大野「いや マンガとかアニメの温泉ネタなら 必ずあるかな──って……」
咲「……いや 私らマンガのキャラじゃないし」
大野「……じゃあ 咲さんの触っていいですか?(はふはふ)」
咲「何か変だぞお前」
「……前から思ってたけど」「大野って結構ヤラシーよな」
大野「し 失敬な! 私は温泉ネタの黄金パターンにのっとっただけですよ!」
咲「じゃあオタクがみんなヤラシーんだ」
(部屋にて)
TV「(では長野県の明日のお天気です)」
斑目「(…何か落ちつかんね)」
笹原「(そーすね)」
朽木「(ZZZZ)」
597 :
その12:2005/10/23(日) 01:20:11 ID:???
(再び温泉場面、湯船につかる咲)
咲「ぷふ──」
「……で?」「荻上はどんな感じだよ」
大野「そうですね……」
「何が問題なのかは大体わかりましたけど……」
「その理由となると」「まだちょっと……」
咲「ふ───ん……」
「なんだろね あそこまで頑ななのって」「性格?」
大野「ん〜〜……多分元々は素直なんだと思うんですけど……」
「キャラ作りがどこかで悪い方向へ行ったんじゃないかと……」
「昔 何かきっかけがあったんだと思いますね」
咲「あ〜〜〜〜やっかいだなオタクは!」
「んじゃまぁ それは後でね」
大野「ですね」
咲「お──い次入って来ていーよ──」
咲「…………」
「…………でも」
「ホント大きいよね」
大野「!」
「触ってみますかっ(汗)」
咲「だからいいっての(怒)」
(ドアが開き、赤面しながら中をのぞく荻上)
598 :
ラスト:2005/10/23(日) 01:21:33 ID:???
(部屋にて)
咲「ふぅ────」「涼しいから夏の温泉でも快適だね──」
「あのさ女が全員あがったら」「そっちの部屋でうちらだけで飲み会やるから!」
斑目「え?」
(咲目配せ)
斑目「あ!」「あーそう!」
「じゃあこの大量に買い込んできた酒類は大野さん用なわけね(あと冷蔵庫にも)」
咲「ほとんど自分用だってさ」
大野「違いますよぉ!(みんなで飲んで下さいよ)(汗)」
咲「わかってると思うけど」「入室禁止だしのぞくのも禁止 聞き耳立てるのも禁止ね」
「女だけのパーティーだから♥」
「ねっ!」
「荻上!!」
(そこにはいつの間にか風呂から上がり、髪を下ろしトレーナー姿の荻上)
荻上「は?」
(女性陣4人だけ別室へ)
咲「じゃーね──♥」(仕切りのドアを閉めながら)
笹原「?」
恵子「(カンパーイ!)」
【つづく】
■次号予告:次回,パーティーで語られる内容とは? ゆるゆる〜っと,見てみて〜!
■巻末柱:笹原さんに斑目さん、シャンプーなんかの香りには気をつけてね。もう遅いかな?