(笹原ドキッとした表情)
笹原「………… ………… …………」(久我山と荻上の顔がフラッシュバック)
「……私がサークルで係わった描き手は二人いるんですが」
「一人は真面目でほっといても原稿あげてくれるのでとても楽でした」
「もう一人は画力ややる気はあるのに決定的な一歩がなかなか踏み出せない人で」
「衝突した事もありました」
「……でもそういう描ける人達と一緒にできたのは」
「とても楽しかったです」
小野寺「ほ───!」「ふんふん」「へ───!」
小野寺「……じゃあ あえてものすごく端的な質問するけど」
「編集者が一番してはいけない事は何だと考えますか?」
笹原「作家のやる気を無くさせる事だと思います」(バストアップ大ゴマ抜きで)
(小野寺、ちょっと感心したような微妙な表情)
小野寺「ふ──ん」
笹原「あ……違いますか?」
小野寺「いや別に……」「それもアリなんじゃない?(俺とは逆だけどね)」
「んじゃガラっと話題を変えて」「好きなマンガは?」
笹原「あ──……うーん……何だかんだ言いつつも『くじびきアンバランス』とかですかねえ……」
小野寺「あぁアレね」
笹原「ま──会長卒業して「終わったな」感ありますけどね──」
(二人してあははははと笑う)