ストーリーを教えてもらうスレ Part13

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1マロン名無しさん
暇がない、金がない、手に入らない、等の事情により、読めない漫画のストーリーを教えてもらうスレです。
次スレは>>950か、容量が450を越えた時にお願いします。

前スレ:ストーリーを教えてもらうスレ Part11
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1111715626/
まとめサイト(※全過去ログ保管済み)
http://f30.aaa.livedoor.jp/~malon/
未解決リクエスト表(※予約&進行中タイトルリスト含む)
http://f30.aaa.livedoor.jp/~malon/mikaiketu.htm

【リクエストされる方へ注意点】
その漫画が既出である場合があります。要望を出す前に、未解決リクエスト表にてご確認下さい。
どの程度のネタバレを希望するか、一言添えていただけると、書き手も書きやすいです。
(例:科白を含む等、出来るだけ詳しく・大まかな粗筋・←を混成したメリハリの利いたもの・ラストのみ)
この板は一般板なので、18禁の漫画のストーリーの要望はご遠慮下さい。
即レスは期待せず、気長にお待ちください。

【教えてくれる方へ注意点】
要望が出ている漫画のストーリーはどんどん書いて下さい(※解説が終了した作品の加筆・修正も大歓迎)。
ただ、要望が出ていないものは敬遠される傾向にあります。
この板は一般板なので、18禁の漫画のストーリーの紹介はご遠慮下さい。
名前欄に作品名を入れていただけると、まとめやすくありがたいです。
時間を置いて数回に分けて投稿する際には、混交を防ぐため、最後に「続く」とお書き下さい。
書く際は予め予約していただけると、投稿の重複が防げて大変ありがたいです(※必須ではありません)。
また、書くのはよそうと思われた時には、面倒でも予約の取り消しをお願いします。
2マロン名無しさん:2005/07/30(土) 23:26:12 ID:???
ドラ書いてたものですが。スレの容量が500オーバーしてしまい書き込めなくなったので
新スレたててみましたがこれでよかったでしょうか…あわわ。
スレたてるの初めてなんですっていうか>1にちゃんと450こえたら新スレってかいてあったのに
全然気づかず書き込みつづけてすいませんでした。
ちょっとこれでいいのかわからないので様子見ます。あほですいません。
3マロン名無しさん:2005/07/30(土) 23:27:49 ID:???
民明書房
4マロン名無しさん:2005/07/30(土) 23:57:19 ID:uO9ggPiz
うああ、>>1のテンプレ、前スレのアドレスが前のままになってる
正しくは
前スレ:ストーリーを教えてもらうスレ Part12
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1119630090/

です。もうホントにすみません_l ̄l〇
5マロン名無しさん:2005/07/31(日) 00:07:37 ID:???
ドラの人です。ええと、どうしよう。
誘導とかないまま新スレになっちゃってホントにすみません_l ̄l〇
もうどうしたらいいでしょうって感じですが、とにかく
前スレで投下途中だったやつを、もう一回落としてしまおうと思います。
6のび太の日本誕生:2005/07/31(日) 00:08:25 ID:???
川で魚を捕っている少年。
大物がとれ喜んで帰ろうとするが、遠くに火があがっているのを見つけ、慌てて駆け出す。
辿りついた村は、焼け果て村人は誰一人としていなくなっていた。泣き叫ぶ少年。
と、その時。空に黒い穴が開いたかと思うと、少年はその穴に吸い込まれ姿を消した。


本気で家出することを決意したのび太。
独立した人生を歩んでみせると息巻きドラえもんを感心させるが、結局道具は持っていく。
のび太はまず、空き地に住むことににするが、皆はどうせ続かないだろうとバカにする。
怒るのび太だが、空き地からは早々に地主に追い立てられてしまう。
次は裏山に行ってみるが、そこも宅地にするための工事が始まりやっぱり追い出されることに。
家に帰りドラえもんに泣きつくのび太。これが最後といってどこでもドアを出してもらう。
一度行ったことのある無人の村に行き、さっそく新生活を始めようとするが
今度は村がダムになるため、水の底に沈んでしまう。
あきらめろと言われても、どうしても家出したいのび太は外に飛び出し。ジャイアン、スネ夫、しずかに会う。
三人はさっきは散々バカにしたくせに、自分達も親と喧嘩したもんだからのび太を頼って家出してきたのだ。
さらに、家で預かることになったハムスターに怯え飛び出してきたドラえもんも家出仲間に加わることになった。

しかし家出しようにも場所がない。そこで五人はまだ人間が住んでいないころの日本に行くことにする。
タイムマシンに乗り込み、史上最大の家出といってはしゃぐのび太たち。
ところが突然四次元空間に時空乱流が発生する。早く行き先を決め、抜け出さなければ。
そこで既に人がいたと考えられている三万年前の倍の六万年前に更に一万年足した、七万年前の日本に行くことにする。
まず「原始生活キット」で原始人ルックに着替え、武器も装備することに。
次に家にするために洞穴を掘ることにするが、これはジャイアンが引き受けることにする。
花畑を作るのはしずか、畑の世話はスネ夫に決定するが、のび太には何をやらせたものかとドラえもん。
そこで、アンプルを注入するだけでできる簡単なペットを作る仕事をのび太に任せることにする。
バカにされたことを怒るのび太。しかし皆をあっと驚かせるようなアイデアを思いつく。
7のび太の日本誕生:2005/07/31(日) 00:08:57 ID:???

そのころ、のび太たちの町の上空にあの黒い穴が現れた。穴から放り出され裏山に落ちる少年。
もちろんそんなことはまったく知らないのび太たち。
それぞれ自分の仕事に精を出し、それをサポートするドラえもん。
のび太の作ったタマゴからも、無事ペットが誕生した。
なんとのび太は複数の動物のアンプルを混入し、ペガサス・グリフィン・ドラゴンを作り出したのだ。
自分の計画が大成功したことに喜ぶのび太は、大きく育つまでは皆には内緒にしていくことにする。
洞窟の家も完成し、畑で取れた食事にも満足したのび太たちは、このへんで一度家に帰ってみることにする。
今日のことは誰にも秘密と約束し、家に帰っていく仲間たち。
その晩のび太の家の屋根の上には、悲痛な叫びをあげる少年の姿があった。

翌日学校で、家出だって一日に少しずつすればいいんだよと話し合うのび太たち。
これからはきちんと宿題を終えてから遊びに行くことにする。
家に帰り早速宿題を終わらせるが、なぜか家の冷蔵庫が空っぽになっており買い物を言いつけられてしまう。
その間にやってきたジャイアンとスネ夫は、のび太たちの帰りを待つ間に着替えておくことにする。
そのとき押入れから原始ルックの見知らぬ少年が現れ、いきなり2人に襲い掛かってきた。
なんとかやっつけたジャイアンは、しずかを連れ部屋に戻ってきたのび太とドラえもんに
なんで勝手に仲間を増やしたんだと怒るが、のび太たちも少年に見覚えはなかった。
とりあえず気絶した少年も乗せ、タイムマシーンで家出先に向かうことにする。

少年の衣装や武器が本物なことから、まさかこの子は本物の原始人なのではとの考えに至った五人。
ドラえもんは、恐らく時空乱流に巻き込まれて現代に飛ばされてきたのだろうという。
この時代の日本にすでに人が住んでいたことにがっかりするが、
ドラえもんはこの子がどの時代からやってきたのかを正確に調べることにし
怪我の手当てはしずか、この辺りの村の探索はジャイアンとスネ夫の2人で行うことにする。
おミソになったのび太は自分のペットの様子を見に行くことに。
すっかり大きく育ち、ちゃんとのび太のことを覚えていて甘えてくる三匹。
8のび太の日本誕生:2005/07/31(日) 00:09:38 ID:???
村も見つからず、川で遊んでいたジャイアンとスネ夫はそこで突然ワニに襲われてしまう。
もうだめかと思った時、のび太と三匹のペットがワニを倒し助け出してくれた。
そのまま洞穴に帰ったのび太は皆にペットのお披露目をし、ようやく名誉挽回をする。
皆が出て行っている間に少年も意識を取り戻し、しずかの看病によりかなり回復していた。
ホンヤクコンニャクにより会話ができるようになった少年は、自分はヒカリ族のククルと名乗った。
ククルは魚をとって帰る途中に空の穴に吸い込まれたのだが、村人たちは川に行っている間に
ずっと前から狙われていたクラヤミ族にさらわれたらしい。
戦おうにも向こうには不死身の精霊王ギガゾンビがついているため、とてもかなわないと話すククル。
それはきっとまじない師のようなものだろう、とドラえもん。そんな迷信みたいなのが相手なら大丈夫と
息巻くのび太たちだが、ククルはギガゾンビの魔力はインチキなんかじゃないという。
しかしだからといってククルや捕まった村人たちをほっておくわけにはいかない。
ククルの村の場所が今でいう中国だと突き止めた一同は、明日大陸に出動することにする。

翌朝、一人で村に行くと言って出て行こうとするククル。
凶暴なクラヤミ族と精霊王相手の危険な戦いに皆を巻き込みたくないという。
そこでドラえもんは「風の精霊に命じて君を飛ばす」といってタケコプターでククルを飛ばしてみせる。
驚くククルに、ドラえもんは実はドラゾンビという偉いまじない師なんだよと続けるスネ夫。
だから安心して俺達にまかせろ、というジャイアンに、ようやくククルは心を開いた。
こうして一同はククルと共に村人救出のため中国大陸に向かうことになった。
今回はのび太のペットたちに乗っての旅なので、タケコプターの電池の心配はない。
その晩ククルの村に到着するが、やはりそこには誰一人として残っている者はいなかった。
悲しみにくれるククルに、捕まえられたなら取り返せばいいと励ます五人。
夜が明けると早速クラヤミ族のあとを追いかけることにする。
ここからは目立つといけないから、ペガサスたちはここに置いてタケコプターの旅である。
クラヤミ族に村人たちが連れて行かれたのは四日前。まだ間に合う距離のはずだと急ぐ六人。
9のび太の日本誕生:2005/07/31(日) 00:10:46 ID:???
縄に繋がれクラヤミ族に引っ立てられながら歩きつづけるヒカリ族の村人たち。
途中で倒れてしまい乱暴を振るわれた長老をかばい、手を縛られながらも戦うヒカリ族の男に対し、
クラヤミ族の男が担いでいる神輿の中から「手ムカウ者ハ殺シテシマエ」と声がする。
そこに、ドラゾンビに扮したドラえもんが現れた。
のび太やククルたちも加わり、クラヤミ族を追い払うことに成功する。
ところが残った神輿の中から、突然土偶が飛び出してきた。
この土偶こそがさっきの声の主・ツチダマである。
衝撃波を出して攻撃してくるツチダマだが、なんとか攻撃を跳ね返し粉々にすることができた。
なぜこんな土の塊が動いたり喋ったりしたのだろうと不思議に思う一同。
解放されたヒカリ族。ククルは両親と再会できた。皆一様に頭を下げドラえもんに感謝を捧げる。
村人たちを安全な日本に連れて行くことにした五人は、どこでもドアを出し移動を始める。
全員くぐり終わり扉を閉めるのび太。
だがその直後、なんと砕けたはずのツチダマが元の姿に戻り、どこかに姿を消していった。

日本に戻る前に、途中で置いていったペガサスたちを迎えにいったのび太たち。
しかし三匹の姿はどこにも見つからない。心配するのび太。
きっとあの三匹なら自分達の力で生きていけるだろうと慰められ、そのまま日本に戻ることにする。
日本についたヒカリ族の村人は、さっそく村の再建を始めることに。
ジャイアンたちもそれを手伝うが、のび太の姿がどこにもみえない。
ククルが探しに行くと、のび太は三匹を育てた川原でエサを持ってぼんやりしていた。
昔飼っていた狼の子が、いなくなって一月以上してから無事に帰ってきた話をのび太にするククル。
その話に励まされたのび太は、ようやく元気を取り戻す。
その晩、村人の祝いの祭りに招待された五人。もちろんドラゾンビは特等席である。
新しい村の順調な走り出しに安心した五人は、翌朝現代に一旦帰ることにする。
三匹のエサをククルにたくすのび太。
またすぐ戻ってくると村人に約束すると、タイムマシンに乗り込んだ。
10のび太の日本誕生:2005/07/31(日) 00:11:35 ID:???
そのころ、吹雪の吹き荒れる山にあるどこかでギガゾンビがツチダマを叱咤していた。
トコヤミの宮を完成させるにはもっと奴隷が必要だと怒るギガゾンビに、ドラえもんのことを報告するツチダマ。
それを聞いたギガゾンビはドラえもんの行方を探すようツチダマに命じる。

翌日、学校から帰ってきたのび太。なにやらドラえもんは深刻な顔をしている。
ドラえもんはツチダマの手首を拾ってきたのだが、それが砕いてもまた元の状態に戻ることに気づいたのだ。
これが石器時代にあるはずもない「形状記憶セラミック」だと気づいたドラえもん。
ギガゾンビはただのまじない師なんかではない。
ヒカリ族の身を案じた五人は、すぐにタイムマシンに乗って村に行ってみるが一足遅く、
村は焼け落ち、そこにはククルや他の村人の姿はなくなっていた。
そこにギガゾンビの映像が現れ「村人を返してほしくばトコミヤの宮にやってこい」と言うと姿を消した。
五人は昨日村人を助け出した場所まで戻ると、村人を助け出すための旅を始めた。

タケコプターで飛びつづける五人。
どんどん北に向かっているため、寒さが厳しくなってきた。
タケコプターを休ませるために歩かねばならず、早く走る道具を使うことにする(電車ごっこみたいなの)。
ハイスピードで走りつづけるが、吹雪で進めなくなったため洞穴に避難することにした一同。
そのとき、のび太がいなくなっていることに気づく。振り落とされてしまったのだ。
すぐさま探しに行こうとするが、この吹雪では皆も遭難してしまうだろう。
そこで、ドラえもんの道具にのび太の答案を着け捜索をさせることにする。
勢い良く飛び出していった道具に希望を託す四人。
だが、直後にそれを発見したツチダマによって道具は壊されてしまう。
11のび太の日本誕生:2005/07/31(日) 00:12:21 ID:???
待っている間に、洞穴の奥に地下に続いていく階段を発見した四人。
どんどん地下に下りていくと、そこで一人のクラヤミ族の男を発見する。
ここがトコヤミの宮であることを確信した五人は更に進んでいき、
遂に捕まった人たちが働かされている場所を発見する。
殴られそうになったククルを見つけて、時間の流れをストップさせたドラえもん。
まず先に皆を逃がす脱出ルートを用意しようと、通り抜けフープを使うと
ちゃんと地上に通じているかどうか、一人で確認のために穴に入っていくことに。
しかし歩いても歩いてもなかなか出口がなく不思議に思ったころ、
ようやく出た所はこの時代にあるはずもないコンピュータールームだった。
驚くドラえもんだが、さらに不思議なことに、時を止めたはずなのに扉の向こうから誰かが来るではないか。
やってきたのはギガゾンビだった。タイムロックは解除したという。
そこでドラえもんはギガゾンビが未来人で、歴史を作り変えようとしている時間犯罪者なことに気づく。
思ったとおり、ギガゾンビはここを根城にした永久王朝を作ろうと企んでいた。
捕まえてタイムパトロールに引き渡してやろうと立ち向かうドラえもん。
しかしギガゾンビは23世紀からやってきた未来人だったため、ドラえもんが敵うはずもなく
他の三人もすぐさま捕らえられてしまった。

一方、吹雪の中に取り残されたのび太は一人彷徨っていた。
しかし意識が朦朧として幻が見えるようになってき、遂には倒れてしまう。
意識を失ったのび太。自分が何かを飲んでいることに気づき目を覚ます。
そこにいたのはマンモスだった。栄養ドリンクのようなものを飲ませてくれたらしい。
マンモスが何かを言っているようだが、幻だと思ったのび太はただ眠たく、何も聞こうとしない。
何かを探しているようなことを言うと、小箱をのび太に渡しマンモスは去っていった。
次にのび太が目を覚ましたときには吹雪はすっかりおさまっていた。
なんだか変な夢を見たことしか思い出せないが、しかし体はすっかり回復している。
さっそく皆を探そうと歩き始めたのび太の前に現れたのは、
なんといなくなっていた三匹のペットたちだった。再会に涙を流して喜ぶのび太。
その後捜索に出た道具が落としていった答案を発見し、ドラえもんたちがこの近くにいることを知る。
12のび太の日本誕生:2005/07/31(日) 00:13:05 ID:???
捕らえられたドラえもんたち四人は、生贄としてサーベルタイガーのエサにされそうになっていた。
そこに飛び込んできたのは、三匹に乗ってやってきたのび太である。
お互いの無事を喜び合う五人は、ペットに乗って地上に逃げようと飛び立つ。
追いかけてくるツチダマも破壊し、今度は復活封じもすませるが
それを見ていたギガゾンビに落盤を起こされ地下に閉じ込められてしまう。
通り抜けフープは置いてきてしまったため脱出することができない。
そのときのび太は、夢でみたマンモスに貰った小箱を持っていることに気づく。
ふたを開け中のボタンを押してみるが、ピコピコ鳴りつづけるだけで何も起こらない。
絶望する五人。

そのころ、発信音をきいたマンモスの中からタイムパトロールの船が現れた。
実はあのマンモスは、ギガゾンビの基地を突き止めようと変装していたタイムパト―ロールだったのだ。
すぐさま機動隊が駆けつけてくると、瞬く間にギガゾンビは逮捕され、のび太たちは救出された。

こうして、ククルたちヒカリ族は再び日本に戻ることができた。
立派な村を作ると約束する村人たち。ここから「日本」が始まるのだ。
ペガたちは空想サファリパークに連れて行かれることになった。
架空の動物はどの時代にもおいておくわけにはいかないのだ。
「未来の子供達にかわいがってもらうんだよ」
のび太が別れを告げると、三匹を乗せたタイムパトロールの船は去っていった。

その後、気になってククルの20年後をタイムテレビで見た五人。
ククルは立派に成長し族長となり、村人たちに尊敬されていた。
それ以前の日本にも人間はいたようだ。だが彼ら(旧人)はやがて全滅したらしい。
だからあのとき、ククル一族(新人)が住み着いた瞬間こそが“日本誕生”だったのだ。
それから、ペガたち三匹も空想サファリパークで可愛がられ、幸せに暮らしている。

《完》
13マロン名無しさん:2005/07/31(日) 03:19:12 ID:???
生徒諸君!
生徒諸君!教師編
をお願いします。
詳しい方がいいです。
14マロン名無しさん:2005/07/31(日) 03:35:25 ID:???
大丈夫よ〜てかやっぱり新スレは早めに立てるが吉って感じね。スレ立て乙。ドラも乙!
15マロン名無しさん:2005/08/01(月) 00:54:28 ID:???
卓球戦隊ぴんぽん5とテレプシコーラの続きはまだかー
16マロン名無しさん:2005/08/01(月) 01:23:53 ID:???
ドラ乙
17天使禁猟区 44:2005/08/01(月) 02:07:13 ID:???
怒りで襲いかかろうとするラジエルをセヴィーは跳ね飛ばすと、
シャマイム爆破を手引きしした者だと偽り連行させようとした。
そこへザフィケルが飛びこみ、自分に免じてどうかお慈悲をと土下座をした。
それでは自分が犯人だと認めるようなものだと訴えるラジエルの頬をザフィケルは叩く。
「あの大惨事を招いたのは君です。援助品として君が申請したケーキやおもちゃの数々…
 誰でなくともIチャイルドのためだとわかります。あそこに罪深き子供たちが隠れているのだと!
 なのに君は不用意にも最高会にあの地へ入る大義名分を与えてしまった。
 彼らのためにいい事をしていると自己満足に浸りながら、君の愚かさがあの子達を惨殺したのです!」
冤罪は免れたが、ラジエルはその場に泣き崩れた。

ラジエルはザフィケルのもとへ訪れる。
「僕一人があんなところでわめいたって犯人に仕立て上げられ処刑されるのがオチだった…
 でも…あの時僕はあの方に頭を下げるより、潔白を叫びながら殺された方がどんなにか良かった!
 座天使長の名をこれ以上傷つけないためにも僕はここから出ていきます」
それほど決心が強いのなら面白いものを見せてあげよう、それからでも遅くはないと
言いながらザフィケルは服を脱いだ。ザフィケルの胸元には堕天使の烙印が押されていた。
一度堕天した者が上級天使になれるわけがない。どういう事ですかとラジエルは問う。
「知りたいでしょう本当の事を。見せてあげましょう、君の能力ならばたやすい事です」
そう言われ、ラジエルはザフィケルの胸の烙印に手を伸ばした。

ラジエルの頭の中にかつてのザフィケルの姿が浮かぶ。
ザフィケルはアナエルという女天使と密かに愛し合う一方で、
彼女の止める声も聞かずに兎狩りに精を出し虐殺を楽しみ、
アナエルの友人のライラにちょっかいをかけたりしていた。
「貴方の目はなんの真実も映し出さないのね…
 こうして触れ合っているだけでわかればいいのに…!
 貴方が見捨ててしまったこの世界にもまだ何かが残っている事を…」
最高会から命令されて行っている悪魔の研究≠ニさえ称される
プロジェクトに恐れを抱き始めていたアナエルは時折ザフィケルにそう言った。
しかしザフィケルが行動を改める事はなかった。
18天使禁猟区 45:2005/08/01(月) 02:09:41 ID:???
ザフィケルは極秘任務としてある叛乱軍を制圧する事になった。
ターゲットは赤髪を逆立てた若い女。彼女は言葉が不自由だ。
薄闇の中、言葉にならないわめき声をあげながら銃をこちらに向ける女。
ためらう事無くザフィケルは彼女を殺した。
その途端女は座っていた椅子ごと倒れた。
女からカツラが落ち美しい金髪があらわになった。彼女はアナエルだったのだ。
直後、叛乱軍の住処が何者かに爆破された。


「アナエルは叛乱組織に拉致されていた。それを根城ごと爆破するなどもってのほか。
 お前の部下も一人として生き残らなかった。この責任はお前の死をもって償ってもらう。
 自害しろザフィケル。もうこれ以上座天使長の名を汚さぬよう。2度と転生の道など辿れぬよう」
アナエルが拉致されていたなど聞いておらず、爆弾を仕掛けたのもザフィケルではなかった。
ザフィケルが踏み込んだ時には既に叛乱軍は何者かに制圧されていたのだ。
アナエルを暗闇で別人に見せるための赤いカツラ、濃い化粧。
天使軍用の見なれた手錠を紐で無理矢理手にくくりつけ、
そして首には声を失わせるための一本の針が刺されていた。
全てはザフィケルを失脚させるためのセヴィーの策略だった。
だがそれはもうどうでもよかった。
暗闇とはいえ愛する者を見分ける事の出来なかった自分をザフィケルはなにより憎んだ。
「もとより転生の道など望んではいない…!こんな世になんの未練があるか。
 我が死に様を見届けるがいい神の奴隷共!!」ザフィケルは自らの首を刃物で刺した。
激痛で唸り声をあげるザフィケルのもとに強い光を持つ何者かが一瞬姿を現した。
その光を浴びた途端ザフィケルの首の傷は癒え、命を取り留めた代りに失明した。
それが後にも先にもザフィケルがはじめて見たセラフィタの姿だった。
その場にいた最高会の長老は正気を失い、全ての実権はセヴィフォタルタへと渡った。
彼は証人や資料が全て失われたこの事件をもみ消し、
代りにザフィケルに服従を迫り自らの手でザフィケルに刻印を刻んだ。
「この痛みを覚えておけ。お前は私のものだ」

アナエルは『サンダルフォン』と呼ばれるプロジェクトに参加していた。
それはメタトロンの死産した双子の弟と同じ名だ。
19天使禁猟区 46:2005/08/01(月) 02:12:55 ID:???
アナエルはそのプロジェクトを恐れ、密かに叛乱組織と通じていた。
失明後のザフィケルはアナエルの意志を継ぎ叛乱組織の影の頭目となった。
全てを明かされたラジエルは、腐敗した天界に立ち向かおうとするザフィケルにより一層の忠誠を誓った。
「それでは…貴方に重大な任務を託します」

(ところ変わって元の体に戻った刹那)
九雷は刹那の体から取ったピアスは地獄でなくしてしまった。
その事を謝ると、ピアスは吉良にもらった物でまだ二つ残っているからいいと刹那は言った。
ウリエルがラファエルを呼び出せたのは、密かに連絡を取り合っているザフィケルからの
情報もあっての物なのだという。ウリエルは刹那がザフィケルと連絡を取れるように
通信機を渡して再び幽界へ帰っていった。加藤は刹那のもとに残った。
しばらくしてザフィケルからの連絡がきた。使いの者をよこすとの事だ。

ザフィケルの命令により刹那のもとへ訪れたラジエル。
通信装置により刹那とザフィケルは対峙する。
現在、天界で紗羅は裁判にかけられ処刑されようとしている。
『地水火風』を司る四大天使は一人でも亡くなると自然界の理は崩れ世界は乱れる。
ただし裁判により定められた死刑ならば、死の前に四大天使の力を他者に明渡す事ができる。
セヴィフォタルタは元素界を壊さずに合法的に紗羅を消そうとしているのだ。
紗羅を救うために、ラジエルがアナグラへ来る時に使った魔方陣から天界に行こうとする刹那。
しかしこの魔方陣は一人があと一回使うので精一杯だ。
刹那が使ったらラジエルが帰れなくなってしまう。ラジエルは反対する。
しかしザフィケルは、自分を信頼してもらうための人質としてラジエルを預ける、
ラジエルを残してこちらに来いと刹那に言う。
天界でライラに会えるかもしれないからと、幽界で廃竜に渡された種を手に刹那は魔方陣に入った。

(所変わってセヴィーに幽閉されている紗羅)
幽閉されてから、紗羅には聖巫女(シスター)がお付きとして常に傍にいる。
上級天使は身の回りの世話をさせるために、許可を取りグリゴールに肉体を与えている。
お付きの少女はその一人で元グリゴールなため、名前がない。
少女がよく紗羅に持ってくる、月の光を吸って咲く花・月神草(ムーンリル)から取り、
紗羅は少女にリルと名づけた。
20天使禁猟区 46:2005/08/01(月) 02:14:12 ID:???
続く。
今更ですがスレ立て乙です
21マロン名無しさん:2005/08/01(月) 04:14:35 ID:???
天使禁猟区とHoney Roseは全何巻でしょうか?
22マロン名無しさん:2005/08/01(月) 06:39:34 ID:???
天使禁猟区は全20巻(単行本)
Honey Roseは解らないす
23マロン名無しさん:2005/08/01(月) 10:28:39 ID:???
Honey Roseは未刊行。
詳細つttp://www.ne.jp/asahi/orange/lamp/utr/rose.html
24マロン名無しさん:2005/08/01(月) 10:38:40 ID:???
>>15
俺もぴんぽん5待ち続けてる。
あのまとめてる人うまいと思ったんだけどなー。力尽きたか?
25Honey Rose:2005/08/01(月) 20:17:09 ID:???
ドラの方、スレ立て乙です!日本誕生も乙です!
私も容量の事すごいうっかりしてました。ほんと乙ですた!

天禁乙!長いから大変そうですね。頑張ってください!

はにろ第6話あらすじ投下します。
あと単行本に関しては>>23さんが説明されてますが、将来的にもし単行本出たら
前スレにも書いたのですが、今書いてるあらすじと話が変わるかもです。ではでは。
26Honey Rose:2005/08/01(月) 20:17:52 ID:???
フィオナは部屋の中で恐怖に身をすくませていた。
見知らぬ女が部屋の中に座っている。乱れた黒髪の間から見える顔には何の
表情も浮かんでいない。だが、その瞳からつう、と涙が流れるのが見えた。
首に浮かぶ縄の跡が痛々しい。
縄の、跡……。
(ロウランドは首吊り)
頭の中で誰かの言った言葉が、がんがんと鳴り響く。
窓の向こうには、南館屋上。華やかな顔立ちの女がフィオナの方を振り向いた。
そして唇をささやきの形にゆがめると、その場所から身を滑らす。
(キングは身投げ)
くるってなどいないわ。彼女は飛び降りる前にフィオナにそう呟いた。
「ひっ………」
腰をぬかしてベッドの上に手をつくフィオナ。
(スタンリーは……)
ビチャリ
フィオナの手が、何か濡れたものに触れた。
恐る恐る振り向いた彼女の後ろには横たわる女の姿。
その口からは、ごぼごぼと音を立てて真っ赤な血が溢れ出している。
彼女の口元も、首筋も、ベッドの上も血まみれだ。
「キャアアアアッ!!」
慌ててベッドから飛び出た彼女にロウランド夫人が近づく。
あまりの恐ろしさに動けない彼女の耳に唇を寄せて囁いた。
(しんじてはだめ)
背後からはスタンリーがだらだらと口から血を流しながらフィオナを追いかけてくる。
(くちにしてはだめ)
そう呟くとスタンリーは、血まみれの手を何回も窓に叩きつけた。
ガラスが激しく音をたて、真っ赤な手形がいくつもそこに残されていく。
「あ、あァアアアっ!」
フィオナは耳をふさぐが、亡霊たちの囁きは聞こえ続ける。
27Honey Rose:2005/08/01(月) 20:18:32 ID:???
(うたがってはだめ)
細い、すんなりとした指がフィオナの胸元に下がる銀貨に触れた。
顔をあげるとそこには、ライナス達と一緒に眠ったときに現れた女の姿。
彼女の胸元には撃たれたのか、ぽっかりと穿たれた穴があり、そこから流れる血が
女のドレスを汚していた。
(うしなってはだめ)
すでに叫ぶ事もできずに、ただ浅く呼吸を繰り返すフィオナ。
(もう、ておくれ)
女の傍らには小さな女の子。女はその子の小さな手をしっかりと握っていた。
「フィオナ様!?」
音を立ててフィオナの部屋の扉が開いた。尋常ではないフィオナの悲鳴を聞いて
女中達が何事かと駆けつけてきたのだ。
だが、彼女たちが見たのはベッドで一人うずくまるフィオナの姿だけだった。
放心しながら女中達を見つめ返すフィオナ。
「ア……アニー、……」
見知った侍女の姿にフィオナはすがりつく。
「今……いまっ、真っ赤で四人も、私に話しかけたの聞こえたの」
「フィオナ様」
悪い夢でも見たのでしょう、というアニーの言葉をフィオナはさえぎる。
「ロウランドさんと、キングさんと、レイチェルさんと……!!」
フィオナの言葉に女中頭のマージは顔色を変える。他の女中達もみな一様に顔をこわばらせている。
「ベッドを見て!スタンリーさんが吐いた血よ、これでも夢だって言うの!?」
思わず口元を押さえる女中の一人。
フィオナの示した場所には、血だまりはおろか染みひとつない。
「お嬢…様…」
思わずマージはフィオナに語りかけるが、フィオナはその響きにひそむ感情に気づいて訴えた。
「……狂ってなんか、いないわ」
フィオナはなおも言いつのる。
28Honey Rose:2005/08/01(月) 20:19:06 ID:???
「見たでしょ?黒い長い髪の女の人が。嘘じゃないの、ほんとなの。信じて、お願い……」
女中達は真っ青になりながら部屋を後にしていく。アニーだけが彼女の傍に残った。
「夢だったんですよ」
彼女はフィオナをベッドへと戻すとそう言い聞かせた。
「ライナス様がお迎えにあがった日から、伯爵の子供だったという事も。
お兄様がたご家族が居たという事も。何不自由ない暮らしも」
フィオナは四人の異母兄達がベッドで一緒に眠ってくれた時のことを思い出す。
あの時は怖い事なんか、何もなかった。兄さんたちがいてくれたから。
「何もかもが偽りの絵空事。こんな呪われた家の事は夢だと思って忘れておしまいなさい」
アニーはフィオナの頭を膝に乗せながらささやく。そしてもう限界だ、今すぐにでも馬車を
用意するから故郷に帰った方が良いと勧めた。平凡で貧しくとも自分らしく生きられる場所へ、と。
だがフィオナはぽつりと呟く。
「目が覚めたらまた、誰も私とお話してくれなくなっちゃう……」
セブンダイアルズの家。食卓を囲む店の主人達。笑いあう彼ら家族。
だが、フィオナは暗い廊下で一人、着古した服を着て寂しさと寒さに震えながら耐えている。
食べるものは固くなったパンひとつに、水だけ。すぐそばに温かい食べ物があるのに……。
「夢の中にいられるのなら、命なんかいらない」
アニーの膝の上でフィオナはそう言うと瞳を閉じた。彼女の頭に手を乗せてアニーは呟く。
「ばかなお嬢様」
夜が明けてライナスは自室に一人、座っていた。そしてテーブルの上の拳銃を手にする。
ずっと昔に彼の母から、誕生の祝いにと贈られたものだった。
それを額に当て目を閉じ、まるで祈るようにしながら聖書の文句を口にする。
「『知恵ある子は父を喜ばせ、愚かな子は母の悲しみとなる』」
そして目を開けると、ライナスはどこか遠くを見つめて呟いた。
「ごめん、母さん」
今日は正餐会だ。食堂には兄弟たちが集まっている。
「……定例通り午後七時より本館を使用。本日はアルバート伯が爵位を継いで初めての正餐会です。
客人の行動言動、すべてが伯爵の評価に結びつく事を忘れないよう。
常に最善の判断と対応を期待します。以上」
伯爵の代理を務めているウィリアムが兄弟達にそう告げた。
29Honey Rose:2005/08/01(月) 20:20:51 ID:???
トーマスが手をあげて彼に質問する。伯爵がもし、正餐会に間に合わなかった場合
今回引き取られる事になっていた三人の処遇はどうなってしまうのか。
「伯爵が不在であっても招待客の九割が出席していれば正餐会は行われます。
君たちをこの家に迎える意向は伯爵のものですが、それを許可するのは親族です」
「もし……許されなかったら?」
おずおずと尋ねるトーマスにウィリアムは冷静な面持ちで答える。
「今晩中に館からの退去を命じます」
「こ、今晩中!?」
動揺するトーマスにフィオナ。特にフィオナは不安で胸をいっぱいにする。
(正餐会で失敗したら、今日限りでお兄さんたちに会えなくなっちゃう。
そんなの嫌…、私まだ上手にお話もできないでいるのに……)
思わず兄達の方を見つめるフィオナ。するとウィリアムと目が合う。彼もフィオナを見ていたのだ。
「フィオナ」
ウィリアムに気を取られていたフィオナは、背後からかけられた声に驚いた。
ライナスだった。彼は明日、墓参りを兼ねてジョン牧師の家に遊びに行かないかと誘う。
「奥さんがぜひ君たちに会いたいんだって」
明日の予定。それは今日の正餐会が過ぎてからの事だ。返事をするのに戸惑うフィオナ。
「ほんと!? 僕いくよ。ね、フィオナ。エリオットも行こうね」
エリオットは答えない。その様子を気にするフィオナだったが、ライナスに再度誘われて答えた・
「あ、行きたい! 絶対行く……」
「じゃ、約束です。ふたり共、時間までよく復習しておいで。
エリオットの仕事はヴィンセントのお守りですよ」
だがライナスの言葉にエリオットは暗い顔で答える。
「ヴィンス、居ないよ……。五日前から従者も見てないって」
(逃げたか……?)
疑うライナスだったが、トーマスもフィオナも純粋に疑問に思っているようだ。
なぜ、と問われてもエリオットは、知らないよ、バカ!と叫んでどこかへ行ってしまった。
30Honey Rose:2005/08/01(月) 20:21:31 ID:???
「やれやれ……」
ライナスはため息をつくとフィオナの頭をいつものようになでた。
フィオナは自室で正餐会のためのドレスに着替えている。はりきって歌の練習にも励んでいた。
「歌えるじゃありませんか、お上手ですよ」
アニーは彼女を着替えさせながらそう言う。そしてバターミルクや練乳、砂糖でできた
病人のための飲み物、クミスを持ってくる。
「これなあに、牛乳の臭いがする……」
「クミスです、元気になりたけりゃ全部お飲みなさい」
変な味…、と言いながらもアニーはフィオナに言われクミスを全て飲み干す。
「さ!できました。まあかわいい!」
鏡の向こうに映るフィオナは可愛らしい淡い黄色のドレスを着て、頭にも薔薇の飾りをつけている。
まるで、お話に出てくるような伯爵令嬢そのものだ。
「あの、似、似合わないと思うの……」
もじもじとしながらアニーに言うが、反対に叱られてしまう。
「お嬢様はただでさえトロいんですから!外見でごまかすしかないでしょう!!」
着替えたフィオナを見て、トーマスはもうそんな時間なのかと驚いている。
彼もまた、フィオナと同じように正餐会が不安な様だった。
「僕、緊張すると真っ白になっちゃうんだ。テーブルマナーですら
頭から抜けちゃいそうだよ。あ〜ど〜しよ〜」
「メシなんざ、美味そうに食えばいいんだよ」
トーマスの話に私も、とフィオナが相槌をうっていると背後からそう声がかかった。
振り向いた二人が見たのは、グレゴリーに似てはいるが見知らぬ男。
しばし考えた二人が出した答えは、あなたはアルバートお兄さん? というものだった。
「何言ってんだ。アイザックじゃないか」
「えええっ!」
呆れたように言うエリオットの言葉に二人は声をあげて驚いた。
「ひ、ひげはどうしたの?」
「品が無いとか不精たらしいとか、婆さん連中に不評なんでな」
いつもの髭面から髭を落とすと彼はずっと若く見え、おまけにグレゴリーにそっくりだった。
31Honey Rose:2005/08/01(月) 20:22:54 ID:???
「今回はお前らの事もあるし大人しくしとくわ。ま、あとは自分らでうまくやんな」
「ありがとう兄さん!」
アイザックはフィオナ達三人のために、身の回りを整えてくれたのだ。その気遣いが嬉しかった。
「ようし、僕兄さんの期待に応えられるよう頑張るよ!」
「わたしも!」
着替えてくるから後でね、とトーマスはエリオットと共に部屋に向かう。
アイザックは何の気なしに窓の外を見ていたが、屋敷に彼らの伯母モルゴースの馬車が
到着したのを見つけてしまった。女中頭のマージがモルゴースの馬車に駆け寄る。
「まあ…お嬢様、お帰りなさいませ!!」
喜びもあらわにそう声をかけた。
「道中お疲れでしょう、すぐにお茶をお持ちしましょうね。
お嬢様のお部屋はちゃあんと暖めてありますよ」
「ありがとう、マージ……」
アイザックはそれを黙ってみていたが、苦々しげに呟く。
「まだ七時間前だぞ……早すぎるだろ」
そしてフィオナの方を見て真面目な顔をして言う。
「いいか嬢ちゃん。余計な因縁つけられる前に真っ直ぐ食堂へ行け。顔をあわせるな」
「え……」
戸惑うフィオナに、解ったか、とアイザックはくり返す。
そう言うなりアイザックはくるりと背中を向けて立ち去ってしまう。
馬車から降りてくるモルゴースを、フィオナは窓に手をつけながら見つめていた。
いつのまにか、その背後にスタンリーが現れる。彼女はモルゴースの姿を見て口を開いた。
――――――ッ!!
突然の叫びにフィオナは驚いて振り返る。スタンリーだけではない。キングも、ロウランドも
レイチェルも叫んでいる。その叫びを体で感じながらフィオナはうろたえて辺りを見回す。
(何……、どうしたっていうの)
慟哭。怨嗟。声。声。声。亡霊達が喉をのけぞらせて声をしぼりだしている。
「や……」
(やめて!)
32Honey Rose:2005/08/01(月) 20:23:25 ID:???
その声は周りに怒りと苦痛を轟かせている。痛い、痛い、痛い、痛い……!!
それに気づいているのかいないのか、モルゴースの暗い瞳が、フィオナの瞳を……。
「お嬢様」
フィオナの肩に手を置いてそう彼女を呼んだのはアニーだった。
その声に振り向いたときには、女達は誰も居なくなっていた。
「どうかなさったんですか」
「……な、何も……」
怪訝そうな顔をしながらも、アニーはフィオナに伝えるべき事を伝えた。
「ウィリアム様が、お嬢様をお呼びだそうです。ですがその……、場所が……」
「南館……屋上?」
キングが、身を投げた場所。
「どうして……? だって……」
―― もう二度と、ひとりでここへ来てはいけない。
ウィリアムは確かにそう言った。フィオナは思わず頬を押さえて考え込んでしまう。
「私も人づてに伺いましたので、詳しい事は存じませんの……。
何でしたら、私が代わりに承って参ります」
だが、フィオナはアニーの言葉にも反応せず、思いつめた様子を見せた。
「お嬢様?」
「アニー、アニー」
そして彼女の傍に来て、瞳をつぶるとアニーにある事を頼んだ。
「今すぐぎゅっとして。お願いお願い」
(こわい)
「はあ」
どういう事か良く分かっていない顔をしながらも、アニーは彼女を強く抱きしめる。
アニーの胸に顔をうずめながらフィオナは決意した。
「私、行く!」
(ウィリアムお兄さんなら何かを知ってる、きっと……)
暗い階段を上りながらフィオナは屋上へと向かう。子供の手には固い引き戸を
力をこめてぐぐ、と少しずつ開いた。闇の中に光がさしていく。
33Honey Rose:2005/08/01(月) 20:23:58 ID:???
その時、ウィリアムは自室にいた。彼の前に小さな女の子、アリスが現れている。
アリスはどこかを、その小さな指で指差した。彼女が指差すその場所は。
「ライナス・キングを呼びなさい」
彼らしくもなく慌てた様子でウィリアムは部屋を飛び出し、周りの使用人たちにそう伝える。
「ライナス」
ウィリアムは自身でも、異母弟の名を呼びまわった。
そして南館屋上ではフィオナが思わぬ人物を前に、驚いた顔でその人物を見上げていた。
彼女の額に押し付けられる銃口。
「ロンドンへ帰れ」
その拳銃の引き金には指がしっかりとかかり、今にも引かれようとしていた。

―― 『Honey Rose』第六話 完。
34サバス・カフェ:2005/08/01(月) 22:13:25 ID:???
聖ジョージ・インターナショナルスクールに転校してきたシカゴ帰りの四布木大(よのぎ・だい)。
彼はいつも人から距離を置いていた。しかしひょんな事からクラスメイとのデリィの家に遊びに行く事になり、
そのお返しとして家にスクールメイトを呼ぶ羽目になってしまった。メンバーは4名。
デリィ    8年生(中2)。大と同学年。金髪の美男子。
ジェニー  大と同学年。おしゃべりな白人の少女。
マーティ  大と同学年。手先が器用な黒人の少年。
ホーマー  10年生(高1)。巨漢のフットボール選手。女の子が苦手と言いつつ惚れっぽい。
マイク    大と同学年。カメラ好き。影が薄い。
好んで一人でいるくせに賑やかに騒ぐ連中をいつも辛そうに見ている大を、
どんな家庭で育ったのかとデリィは思っていたが、大の両親はごく普通の日本人だ。
優しくもてなされ「ひねくれてるのはあいつだけか」とつぶやきながら帰るデリィ。
彼らが出ていった後に、大は先ほどまで両親を演じてもらっていた男女に金を渡す。
二人は大が雇った なんでも屋だった。二人も帰った後、大はパソコンに向かい、
ケン≠ニいう人物とパソコンを通じて会話をする。
『大 君のつくったソフトにまた買い手がついたぞ。
 なんと今度はJ・K社だ!最初の契約として50ドルだ!』
『まかせたよ。僕はもう十分持っている。後はケンが使うといい』
大はパソコンの前で、はじめて笑顔を見せた。

その日マーティは涙を浮かべながら登校してきた。
父親が、彼のつくったパペットを全て捨ててしまったのだという。
「マーティのパペットは映画に出せそうなぐらい上手なのよ。
 専門の学校に行って勉強すればプロだって夢じゃないわ。
 でも、マーティのパパは彼に別な将来を期待しているみたい」
ジェニーの説明を聞きながら大は思う。
どんな気がするものだろう。自分の望むもののために争うというのは

その夜、大は夢に見た。幼き日に「土曜日に迎えに来る」と言ったまま消えた人の事を。
35サバス・カフェ 2:2005/08/01(月) 22:17:44 ID:???
夢のせいで遅刻した大はバスに乗り遅れ、雨の中自転車で登校した。
マーティはゴミ置場からパペットを発見できたとの事で昨日とは一変笑顔だ。
パペットと一緒に捨てられたサバス・チャイルド≠ニいうアメリカで大人気の
ゲームソフトも見つかった。そのゲームは貴重品で、皆がうらやましがった。
まずはじめに六つの扉を選ぶ。そこから進んでキィ・ワードを拾いながら
サバス・チャイルドを見つけるという趣旨のゲームだ。

笑顔のマーティの一方で、デリィは不機嫌だ。友人思いの彼は
昨日マーティの父親を説得しに言ったのだが、相手にもされなかっのだ。
大事な物を守ろうと必死なマーティを冷めた目で見る大に苛立ち、
デリィは半ば八つ当たりで大と言い争い、その末に大を殴った。
家に帰ってから大はケンとの会話のためまたパソコンに向かう。
『ケン サバス・チャイルドのソフトをいくつか送ってくれないか?』
『作った本人の頼みだからきっと会社はいくらでも用意するぞ』

雨の中自転車に乗ったせいか、大は熱を出し三日も学校を休んだ。
俺が殴ったせいか、と心配したデリィとマーティが見舞いに来た。
大の熱はかなり高く、病人を置いて親はどこに行ったんだとデリィは怒る。
「大…この間僕たちがあったのは君の本当の両親?
 僕は人の顔の形や造りに興味があって――
 あの人は君と似ているところが一つもなかった」
マーティの問いに、熱に浮かされながら大は言う。
「父親はいない。肉親は母さんだけで、彼女ももう死んだ。
 あの人たちはお金を出して芝居をしてもらっただけだ」
「じゃあお前一人で暮らしているのか?」驚くデリィ。
「一人は気にならないんだ。ずっとそうしてきたから。
 ただ不便なのはこの事が知られたら 13歳で保護者がいない事が知られたら…
 僕はここにいられなくなる。ほんとに…平気なんだ。一人で生きてくコツは知ってる」
そう一気に言うと大は眠りに落ちた。目覚めると、マーティからの置手紙が残されていた。
それには大への心配が書かれていた。手紙の横にはマーティのつくったパペットが残されていた。
パペットの仕掛けを面白がり大は思わず爆笑した。
ケン 自分の事を話したのは熱のせいだけではないような気がするよ=@続く
36マロン名無しさん:2005/08/01(月) 23:05:32 ID:???
>サバス・カフェ
なんだかおもしろそう。がんばれ。
37マロン名無しさん:2005/08/01(月) 23:32:39 ID:???
はにろ乙です
いつも楽しみに読んでます
38マロン名無しさん:2005/08/01(月) 23:47:30 ID:???
はにろ乙!あと3話ですね。楽しみです。
続きが待ち遠しい
39マロン名無しさん:2005/08/02(火) 01:15:50 ID:???
サバス・カフェをリクエストした者です。
書き手さんが登場してくださって嬉しいです。
続きを楽しみにしています。
40マロン名無しさん:2005/08/02(火) 04:27:48 ID:???
インターナショナルスクールとはなんぞや?
41マロン名無しさん:2005/08/02(火) 05:13:25 ID:???
面白そうなスレですね。
実家に未解決リストの作品がいくつかあるので、盆に帰省したら参加できるかも。

一話完結のコメディものは、ひとつひとつ説明するのではなく
キャラクターと設定、根本のストーリーだけでいいんですよね?
42マロン名無しさん:2005/08/02(火) 07:20:53 ID:???
>>41
いいんです。どんどん書いてくださいな。
43マロン名無しさん:2005/08/02(火) 09:31:13 ID:???
>>41
一話完結ものでも、個人的には何個かは書いて欲しい
44マロン名無しさん:2005/08/02(火) 11:14:41 ID:???
>>41
リク主から特に注文がなければ、好きなように書いていいじゃないかな。
とりあえずひとつ書いてみて投下して様子見るってのもありか。
新しい書き手さん、大歓迎です。
45マロン名無しさん:2005/08/02(火) 22:21:34 ID:???
サバスカフェ乙です。
なんか面白そう。続きワクワク(・∀・)

今夜はドラもはにろも
天禁とかも投下ないのかな???
チョト残念だけどワクワクテカテカ待つとしよう。
46Honey Rose:2005/08/03(水) 18:45:42 ID:???
サバス・カフェ面白そうですね。続き楽しみ。

>>40
インターナショナルスクールってのは、確か色んな国の子が一緒になって
英語で授業を受ける学校だった気がする。日本だったら、日本に住んでる外国の子とかが
通ってたはず(英語力つけたい日本のことかも通うけど)。
海外に住んでる日本人の子とかもその国のインターナショナルスクールに通ったりとか。
間違ってたらごめんなさい。

ではでは、はにろ第七話投下。
47Honey Rose:2005/08/03(水) 18:46:20 ID:???
南館屋上でフィオナは、銃口の冷たさを額に感じながら体をこわばらせていた。
「今なら黙って見逃そう。選べ。裏に用意してある馬車で今すぐロンドンに
帰るか。ここから身を投げて五人目の女となるか」
夕陽を背にフィオナにそう言ったのは、ロレンスだった。
「心配するな。田舎娘が貴族社会に怖じ気づいて逃げ出すのは不自然じゃない。
身投げなら『嗚呼、五人目の女か』、それで納得する。お前がおかしいのは、皆知ってる」
そう言ってロレンスはフィオナに拳銃をつきつけ続ける。
「い……今の私は……、お兄さんの望むような理想的な妹には程遠いのでしょうけれど。
今日だけ、あと少しだけ。もし、認めてもらえなくても後悔したくないの。お願いです」
フィオナは震えながらロレンスに言った。
「駄目だ。正餐会に出席させるわけにいかない」
「ずっと勉強を教えてくれたライナス兄さんに褒めてもらいたいの。がっかりさせたくないの」
フィオナの口から出たライナスの名に、ロレンスは叫ぶ。
「俺の知っているライナス・キングは誰も愛さない。必要としない。関心を持たない!
……全てはまやかしだ。魔法は解けた。夢は終わりだ。
灰にまみれたぼろをまとって七つ辻にさあ、帰れ!!」
あざ笑うロレンスの言葉にフィオナは目を見開く。灰色?
「どうして灰色だって知ってるの。ぼろを着た私を、どこで……。いつ見たの!?」
「フィオナ?」
彼女の声が聞こえたのか、コツコツと屋上の扉を叩きながら
ライナスが彼女の名を呼んだ。
「外から鍵が……」
ライナスと共に屋上へと向かったアニーが扉に触れて呟く。
「そこに居るなら返事をしなさい、フィオナ」
「…………っ」
ライナスの言葉にフィオナは必死に助けを求めようとした。
だがロレンスに口を塞がれ、追い詰められた。
「さあ選べ!」
48Honey Rose:2005/08/03(水) 18:46:56 ID:???
開かないドアに業を煮やしたアニーがスカートをたくし上げる。
その下には、スカートを膨らませるためのクリノリン。
そしてアニーはクリノリンに仕込んだ拳銃を取り出した。
大きく、破壊力のあるものだ。
「年頃の女の子がそんな……」
思わずライナスが呟いた。拳銃の事か、ガーターベルトを巻いた太ももが見えるほど
スカートをたくし上げた事か。
「御免くださいまし」
アニーは言うなり銃で扉の鍵を撃つ。何度も何度も、狙いを定めて撃った。
「『我が身の果てはただ絶望のみ……』」
芝居の台詞をそらんじながらロレンスはフィオナの頭に銃口をぐい、と押し付けた。
間近に迫る死の恐怖に震えるフィオナ。
その瞬間だった。激しい音を立てて扉が開く。銃で鍵を壊したアニーが扉を蹴破ったのだ。
「ち……!」
思わず舌打ちをするロレンスに、アニーとライナスが揃って銃を向けた。
「弟を撃てるのか」
「口実次第」
キングの血を引く兄と弟が厳しい表情で向かい合う。
「正直になれよ」
そう言うとロレンスは傍らのフィオナの髪の毛を引き掴み、いらだたしげに叫んだ。
「アーサー・ロウランドがもっとも愛した女は、誇り高きキングでなければならない。
たかが女中のロザリンドなどではあってはならない。ましてやその娘がロウランドを名乗るなど!」
弟の叫びに対して、兄は静かに語った。
「私は母が愛した男の代弁人になる。それが私の選んだ贖罪。
その子を迎えることが、父の望みなら」
穏やかだが、強い瞳でライナスは言う。
「親父の子じゃなくてもか」
ロレンスは衝撃的な言葉を口にした。
49Honey Rose:2005/08/03(水) 18:47:39 ID:???
「……親父が俺だけに話したことがある。誰も知らない。あの親父が唯一手に入れ損ねた女、
それがローズ・ロザリンドだ。つまり、こいつの父親はアーサー・ロウランドじゃない」
フィオナはロレンスに髪を掴まれ、うなだれながらその言葉を聞いた。信じがたい言葉に顔色を変える。
「俺たちとは何の繋がりもない、他の男の言葉なんだ」
「……アルバートがそんなミスを。いや……、あのウィリアムが見逃すとは思えない。
頭を冷やせ、ロウ。お前はいつも感情に囚われて蛇の声を聴く」
ライナスはロレンスの言葉を信じない。そしてロレンスをそう言って諭した。
「兄ちゃんはいつもそうだ。いつも……、いつも!!」
ライナスの言葉にロレンスは唇を噛んだ。しばらく彼らの様子を見ていたアニーは
片眉をあげながらロレンスに銃を向け、ガチリと音を立てて撃鉄を引いた。
「兄弟喧嘩ならよそでやってくださいまし」
「!! 止め……」
思わずライナスがロレンスをかばい、アニーの銃を掴んで向きを変えさせた。
その隙をつき、ロレンスがフィオナを突き飛ばす。足が宙に浮き、踏みとどまれないフィオナ。
屋上の柵はフィオナの腰の辺りだ。フィオナの首に手をかけ、彼女のこめかみに銃口を向けるロレンス。
フィオナは声なき声で叫んだ。
「…………っ」
「お嬢様っ」
アニーが叫び、銃をロレンスに向ける。ライナスもまた、必死にロレンスを止めようと銃を向けた。
ロレンスがフィオナにつきつけた銃の引き金に、力をこめた。
響き渡る一発の銃声。
次の瞬間うずくまり、苦痛の声をあげたのはロレンスだった。フィオナは倒れてはいるが無事だ。
そしてロレンスを撃った人物は屋上の、壊れた扉の前で今だ煙の出ている銃を彼に向けていた。
ウィリアムだった。
撃たれたロレンスは、うめき声をあげながらも目の前の銃になおも手を伸ばしている。
「ロウ!!」
叫ぶライナス。だが、ウィリアムが銃を取ろうとしていたロレンスの頭に拳銃をつきつけた。
アニーはそれを、倒れたフィオナを抱きおこしながら厳しい表情で見つめる。
ウィリアムはロレンスに向かい、静かに言った。
50Honey Rose:2005/08/03(水) 18:48:09 ID:???
「くだらない……。嫉妬の感情だけが動機だと? 報酬があったから行動に移したのではないのか。
君に利益を約束したのは誰だ。ロレンス・キング、言いなさい。……これ以上、ライナス・キングに
恥をかかせるつもりかね?」
その言葉にロレンスは顔をゆがめる。
「汚ね……」
「私は確認したいだけだ。君が口にできないのなら私が言おう」
ライナスは困惑してウィリアムとロレンスを見つめている。そして思わず眉をひそめた。
「!!」
ロレンスは自身の頭を撃ち抜こうと銃を向けた。
だが、一瞬の差でアニーの撃った弾がロレンスを止めた。すかさずウィリアムがロレンスの横面を
殴打して昏倒させる。そこにライナスが飛び出してロレンスの体を抱きとめた。
「弟の躾を怠るからこのようなことになる」
眼鏡を直しながらそう言うウィリアムの言葉に、ライナスはただ謝るばかりだ。
「僭越ですが、ライナス様を責めるのは筋違いじゃございません?」
「庶子の問題は庶子の最年長である彼の責任だ」
ライナスはその言葉にもただ、うつむいていた。フィオナはその言葉に目を見開いた。
「……だから、私たちの面倒を見てくれたの?」
フィオナは思わずそう、ライナスに尋ねる。だがライナスは答えない。
気絶したロレンスを抱きしめたまま、振り向いてさえくれない。
(ほかの男の子供)
絶望的な言葉が思い出される。ロウランド以外の。ロザリンドの……。
(知りたかったのは、こんなことじゃないわ)
「私、いちども……お母さんからロウランドの名前を聞いたことがない。
お父さんに会ったことがない。顔も知らない、本当に……、私は伯爵様の子供なの?」
「フィオナ、何を馬鹿なことを」
ライナスにそう言われてもフィオナの疑問は止まらない。
「わたしは、誰ですか」
本当のことを教えてほしいと、フィオナは訴えた。
51Honey Rose:2005/08/03(水) 18:49:12 ID:???
「私は賢くないけれど、ほんとうの兄妹でもないのなら。伯爵様の子供でもないのなら」
思わずフィオナは立ち上がる。その胸にともる光は彼女自身の矜持だ。
「ご厚意だけで、あつかましく居座り続けられるほどの恥知らずじゃありません」
だがウィリアムは何も言わず、ただ懐から時計を取り出すとそれを眺めた。
「七時まであと五分もない。正餐会に出る準備をしなさい」
「出て……いいんですか。だって……」
「伯爵の意思がここでは絶対だと、前にも言ったはずだ」
「無茶です!」
そこでライナスが二人の元へ飛んできて叫んだ。
「狙われているのはフィオナですよ。正餐会に出たらどうなるかわからない。
ロウの後ろにいる者が誰かも」
「知りたくないのか?」
そのウィリアムの言葉にライナスの瞳に怒気が閃く。
「あなたは………!」
目の前の異母兄に対してライナスは叫んだ。
「フィオナは駒じゃない! あなたのような人間とは違う。
普通の、ちいさな女の子です!」
ライナスはそう言うと、フィオナの方へと向き直りその肩をつかんだ。
「フィオナ、荷物をまとめなさい。身の安全が保証されるまでこの家から離れよう。
大丈夫、落ち着けるまでは私が面倒をみます」
そう言い聞かせるが、フィオナは首を振る。
「正餐会は一族を名乗る許可を得るだけのもの。次の機会を待てばいい!」
だがフィオナはライナスの腕をつかむと、はっきりと言った。
「正餐会に出ます」
「……先に降りる。時間に遅れないよう来なさい」
ウィリアムは下に降りる階段の入り口に手をかけると、フィオナにそう伝えた。
そしてそのまま降りようとして、ふと立ち止まる。おもむろにフィオナを振り返り、聞いた。
「私を信じるか」
「はい」
フィオナの答えはただその一言だった。
52Honey Rose:2005/08/03(水) 18:50:36 ID:???
「……わかった」
ライナスは力なくそう呟くと、いつものようにフィオナの頭を撫でようと手を伸ばした。
だがフィオナは頭上にあげられた手に、びくりと身を震わせる。その姿にショックを受けるライナス。
「行ってください。ロレンスの手当てをしてから人目につかないように降りたい」
ライナスはそれだけ言った。そしてアニーと共に階段を下っていくフィオナを見送っていたが
彼女の背中に向かって声をかけた。
「フィオナ、何かあれば助けを求めなさい。私は君を助けるためにここにいる」
「……義務、だからですか」
フィオナは、ライナスの言葉にさみしげに呟く。だがその問いに対するライナスの答えは簡潔だった。
「兄妹だからだ」
西日を背に立ってそう答えた、彼の表情は逆光で見えない。
「自分の母が、一番愛された女であってほしい。他の女から生まれた子供を拒絶したい。
弟の気持ちを私には否定できない。だから、私は自分を騙す術を覚えた。
偽りも重ねれば、いつか真実と錯覚する。……君が、私を兄と慕ってくれたから」
フィオナはその言葉に、思わずライナスの方へ振り向いた。
「俺は君を妹だと思えた」
夕陽の眩しさと、階段の暗がりに慣れたフィオナの目がライナスの顔を映した。
さみしげな、切ない微笑みを浮かべた彼の顔を。
「………」
「いきましょう」
アニーに連れられてフィオナは屋敷の中を走っていた。
「まあ……、どうなすったんですか」
女中頭のマージに後ろから声をかけられ、どきりとするフィオナ。
だが傍らのアニーが心配ない、何でもないとマージをごまかした。
「急ぎましょう、お嬢様。時間がありませんわ。旧館のクローゼットなら
正餐会の準備で誰も居ないはずです。そこで替えのドレスを見繕って着替えましょう」
「うん。……ごめんねアニー。せっかくきれいに結ってくれたのに」
薔薇の髪飾りをつけて綺麗に結い上げたフィオナの髪は、先ほどの騒動で
飾りも取れ、すっかりほどけてしまっていた。
53Honey Rose:2005/08/03(水) 18:52:48 ID:???
「髪よりドレスです。出席者は老人ばかりというからわざわざ年代物を
仕立て直しましたのに。よくもあのドラ息子」
「ド……」
アニーの言い方に思わずフィオナは目を点にする。
そしてフィオナはアニーに手を引かれながら旧館へと向かっていたが、
そのアニーに明るい笑顔を見せると言った。
「あのねアニー…、助けに来てくれてありがとう」
フィオナの言葉にアニーは答えず、浮かべた笑みをただ深くした。
その時、トーマスはエリオットに、正餐会に出ないかと再び声をかけていた。
「亀のスープだよ?」
「めずらしかない。僕出ない」
だがエリオットは頑なに言い張る。トーマスはうーん、と呟くと彼に言った。
「もしほんとにこの家に居たくないのならさ。
正餐会に出てちゃんと伯爵にそう言うべきじゃないかなあ」
そう言うとトーマスは、アニーに連れられ傍らを駆けていくフィオナを見て、声をかけた。
「あれぇ? どうしたの? お花、可愛かったのに」
「あの……転んじゃったの」
「えっ、大丈夫?」
トーマスは心配そうだ。
「ん……私、着替えてくるから」
「じゃあ僕たち、先に食堂で待ってるね。ちょっと遅れても僕が説明しておくから大丈夫だよ」
トーマスは少しも疑問に思わないようで、笑顔でフィオナにそう言った。
だが、勘の良いエリオットは何かがおかしい、と直感的に感じたようだった。
走り去るフィオナとアニー。
影。影。廊下に映った二つの影が、影絵のように過ぎ去っていく。
フィオナはアニーに手を引かれながら妙な息苦しさを感じていた。
「………アニー」
目の前の侍女の名を呼ぶが、彼女は構わずフィオナを引っ張っていく。
「私ね……、セブンダイアルズで育ちましたの」
54Honey Rose:2005/08/03(水) 18:53:18 ID:???
アニーは突然そんな事を言い始めた。
「だから……」
(痛い…、体に力が入らない……)
フィオナは体中に走る痛みと脱力感に思わずその場にしゃがみ込んだ。
そんなフィオナをアニーは見下ろすと静かに言った。
「あら、やっとですの。お嬢様ったら本当にお丈夫。効きが悪くて難儀しましたわ」
フィオナはアニーに腕を引かれ、無理やりに立たされる。だが、抵抗する力すらない。
「お嬢様のお気持ちは解らなくもないんです。でも引き際を間違えましたわね」
アニーはフィオナを引きずりながら旧館の扉を開ける。
誰もいない、見捨てられたような館の扉を。
その扉が開く音を聞き、何者かが館の中の一室で目の前に置かれた銃を愛おしげに撫でた。
「なぜこのロウランドにひとりも女の姉妹がいないのか、不思議に思ったことは?」
館の中で、暗い部屋へとフィオナを引きずりいれながらアニーはフィオナに聞いた。
そしてアニーはその答えをフィオナへと教えた。恐ろしい答えを。
「産まれなかったんじゃない。間引かれていたからですわ。この館で産まれた女の子は全て。
アーサー・ロウランドの血を引くかもしれない。理由はそれだけ」
アニーの顔が暗がりにとけこんでいく。
「マージ様ならもっとご存知でしょうけど。……私は偶然息を吹き返したんですってよ。
だから、女中だった母は赤子の私を抱いて人知れず逃げ出した。誰ひとり私の存在を知らない」
そう言うとアニーは部屋の奥にある、両開きの扉へと向かった。そして扉の片側へと掴んだ
フィオナの腕を押し付ける。アニーの右手には、にぶく光るナイフが握られていた。
「でもそれでいいんですの。こんな狂った家など私から願い下げ」
アニーはナイフをフィオナの腕の、ドレスの袖へと勢い良く突き立てる。
「私の願いはただ一つ」
廊下から何か音がする。カツン、カツン、と幾度も乾いた、固い音が聞こえてくる。
「奥様はご自分の手で……お望みですの」
音が止まるとフィオナがいる扉の、反対側の扉が開いた。何者かが部屋に入ってくる。
闇にまぎれてその姿は影のよう。その手にはそこだけはっきりと分かる、握られた大振りの銃。
細く、大きな影がフィオナの見開いた瞳に映る。
55Honey Rose:2005/08/03(水) 18:53:54 ID:???
カツーン。
靴の踵が床を打つ、その音が部屋の中に響いた。
カツーン。カツーン。
禍々しく響きながら、音はどんどんフィオナへと近づいてくる。
「う、う……」
フィオナは必死に逃げようと身をよじる。だが力の入らない手では繋ぎとめられた
ナイフからどうしても逃れることが出来ない。アニーはそんなフィオナの姿を眺めながら
微笑みを浮かべると、部屋から出ていってしまった。
「…………!!」
カツーン。
音がひときわ高く響く。フィオナはおびえ、震えると、力の入らない手で
必死に壁を叩いてアニーの名を呼んだ。
「……ア、ニー。……ニー、アニー、アニー、アニー……」
扉の向こうでアニーは、フィオナの声を心地よく浴びるように聞いていた。
微笑んで扉に優しく手を触れると、そっと扉に口付けた。
そしてフィオナに最後の言葉を贈る。
「さよなら、私の……可愛いフィオナ」

―― 『Honey Rose』第七話 完。
56マロン名無しさん:2005/08/03(水) 19:50:17 ID:???
はにろ乙です!
恐いけど楽しみ!
57マロン名無しさん:2005/08/03(水) 20:32:45 ID:???
なんで男ばっかりと思ったらちゃんと理由があったんですか。
続きが気になります
58マロン名無しさん:2005/08/03(水) 20:48:17 ID:???
はにろ乙です。待ってました!
続き気になります。
59サバス・カフェ 3:2005/08/03(水) 21:23:35 ID:???
子供が一人だけで暮らすなんてさぞかし金に困っているだろうと気遣うデリィは、
別にいいよと断る大に無理矢理食べ物をおごるようになった。
困りながらも、自分を思うデリィの優しさに大は喜びを感じた。
九月から一年生になる、デリィの年の離れた妹のスウは大を
「マイ・スイート・ハート」と呼び、大に始終くっつくようになった。
ある日、デリィとマーティの話を盗み聞きしたホーマーによって
ジェニーとマイクにも大が一人暮しである事がばれてしまう。
皆は飲食物を持って大の家に集まった。
その時、シカゴから送られてきた大量の『サバス・チャイルド』が見つかった。
知り合いがゲーム会社に勤めているからもらったんだ、と嘘をつき
皆にゲームを渡す大。デリィは売って生活費にしろと騒ぐ。
「僕の叔父さんも勤めているけど、一個回すのが精一杯だって言ってたよ。
 叔父さんは、このゲームの製作者が僕と同い年の少年だって言ってた。
 社内でも知るのは一部の人間だけだって、笑いながらの話で…
 てっきり冗談だと思ってた――」大は自分がその製作者だと認めた。
大ヒットしたゲームの作者なら、金に困る事もない。
皆は口々にすごいと言い、「おごるんじゃなかったよ」とデリィはつぶやく。
ケン 僕はお金があったて欲しいものなんてなにもない
  でも おごってもらったハンバーガーやアイスが
  どれだけ美味しかったか どう言ったらわかってもらえるだろう 
大が居心地の悪さを感じていたら、ドアを激しく叩く音がした。
現れたのはスウだ。スウは大にクッキーをわたした。
「一つ確かめてもいいかしら。
 わたしって大の第1ガールフレンドよね?
 一番ってとってもたいせつなものなのよ」
スウのませた発言に皆が笑みをこぼし、場に明るい雰囲気が戻った。
ケン 僕にガールフレンドができたよ

もうすぐ夏休み。最後のテストでは皆成績が上がっていた。
何かと理由をつけては大の家に集まり、しょっちゅう勉強会を開いていたからだろう。
大はかなりいい点数を取った。前の学校でもさぞかし優等生だったのだろうと
うらやましそうに言うジェニーに、大は何も言わず顔をうつむけた。
60サバス・カフェ 4:2005/08/03(水) 21:26:52 ID:???
半ば無理矢理、アメリカンロックバンドのコンサートに連れていかれた大。
そのバンドのスタッフの中には、アメリカにいた頃に何度か顔を合わせた人物がいた。
「お前 字くらいは読めるようになったか? 学校に行ってないから読み書きが出来なくて…」
そこまで行ったところで彼は仲間に呼ばれて場を離れた。
ジェニーたちは先に会場に入っていた。聞いたのはデリィだけだ。
大は悲しみを隠すように笑いながらデリィに説明する。
「僕は日本に来るまで学校に行った事がないんだ。
 母の友人・知り合い、色んなところを転々として…
 4,5日から長くても1ヶ月、学校なんて行けるわけなかったから…
 こんなところで昔の僕を知ってる人に出会うとは思わなかったよ」
浮かない気分の大とデリィはコンサートを楽しむ事が出来なかった。

学校に行った事のなかった大が勉強を教わったのは、
最後に自分をあずかってくれたケンだという。
「読み書きどころかほとんどなにも知らない僕に毎日根気よく教えてくれた。
 いつも朝になると枕もとに教科書が積み重なってて、僕の一日はそれを読むことから始まるんだ」
一度に何年分もの知識を詰め込むなんてすごい、苦にならなかったのかとデリィは訊く。
「買い物を頼まれてもリストに書かれている事がわからない。
 おつりをごまかされている事すら気づけない。そんな経験君はないだろーね。
 昔 僕は空気みたいになりたかった。誰の邪魔にもならない空気のような存在。
 だけど毎日夢中になって本を読んでいるうちにそんな事は忘れた。
 実際そんな事考えてる暇はなかったものね。だから 僕は本当に楽しかったんだ」


夏休みがはじまり、大は自転車で旅に出る事にした。
「夜になると遠くで波の音が聞こえてくるの」
「長い坂道を下ると、向こうにキラキラまぶしいくらいに輝く海が見えた」
幼い大に幾度もそう語った母の生まれた場所を探すために。

続く
61サバス・カフェ 4:2005/08/03(水) 21:31:24 ID:???
>>46
説明ありがとうございます。
作中で詳しい説明はないので自分もよくわかってませんが、
それであっていると思います。

>>34の三行目、5名と書くべきだったところを4名と書いていました。
まとめサイトに載せる時に修正をお願いします。
投稿する直前までマイクの存在を忘れていたのでそのなごりです。
62マロン名無しさん:2005/08/03(水) 21:31:41 ID:???
はにろ乙です。
>「俺たちとは何の繋がりもない、他の男の言葉なんだ」
言葉?
子供、の間違いでしょうか?
63マロン名無しさん:2005/08/03(水) 21:32:55 ID:???
はにろ乙!
い、いったいこの先どうなっちまうんだぁ!!
続き楽しみだなー。

サバス乙!
大くん、なんか可愛いな。
64マロン名無しさん:2005/08/03(水) 21:41:05 ID:???
サバスカフェって谷地恵美子の本だったのか。
この人の「ヴィシャスのなんたら」という本を昔読んだ事があるが、
少年がヤクザの要人を殺しかける→ヤクザに原型を留めないぐらいボコられる→
逮捕→刑務所内でヤクザに手を回された男たちに掘られる→首吊り自殺
というえらく暗い話だったから、あんなのを書く人が友情がメインっぽい話も書いてたのかと思うとびっくりだ。
65マロン名無しさん:2005/08/03(水) 21:41:45 ID:???
>>62
ライナスはアーサーの代弁者だからそれで良いんじゃないか
66マロン名無しさん:2005/08/03(水) 21:44:21 ID:???
宮城とおこの「白桜の園」
TONOの「犬童医院繁盛記」お願いします。
67マロン名無しさん:2005/08/03(水) 23:49:27 ID:???
サバス乙です。おもしろい。
68マロン名無しさん:2005/08/04(木) 06:48:48 ID:???
はにろ、サバス・カフェ、乙です。

はにろ 続きがとても楽しみです。どうなるのかな。
サバス 雑誌掲載の頃、楽しみにしてました。懐かしい話に再会できて嬉しいな。
69はにろ投下者:2005/08/04(木) 08:54:50 ID:???
ちょっとこれだけ。

>>62
( д) ゜゜
そ、その通りです…。
打ち間違いです。うっかりしてますた_| ̄|○

という訳で
>>49
×「俺たちとは何の繋がりもない、他の男の言葉なんだ」
○「俺たちとは何の繋がりもない、他の男の子供なんだ」
です。あああ遂にやってしまった〜〜orz
まとめサイトでは直してもらえないですかね。。。
70マロン名無しさん:2005/08/04(木) 12:13:19 ID:???
頼めば普通に直してもらえるよ。
纏めサイトの管理人さんが気付いてくれればだけど
71マロン名無しさん:2005/08/05(金) 01:36:46 ID:???
フロイト1/2をお願い島s
72マロン名無しさん:2005/08/05(金) 02:16:32 ID:???
はじめちゃんが一番!という漫画のストーリーを教えてください。

>>71
たしか短編集の表題でもあり、短編のタイトルでもあるはず。
短編集をまるごと知りたいの?その短編だけ知りたいの?
73マロン名無しさん:2005/08/05(金) 05:50:17 ID:???
未解決リクエスト集から「.hack//黄昏の腕輪伝説」予約します。
7473:2005/08/05(金) 06:23:16 ID:???
書き忘れましたが、ゲームや小説とのリンクはどの程度注釈すべきでしょうか?  
75マロン名無しさん:2005/08/05(金) 08:59:27 ID:???
.hackの事だよね。>ゲームとかの注釈。

話の内容が、それを知らなきゃ分からないって事なら入れてほしいな。
でも基本的に書き手さんに委ねるよ。

入ってなくて、もしも話がつながらなかったら聞くかもしれないけど。

何にしてもガンガッテくだちい。
76マロン名無しさん:2005/08/05(金) 09:34:22 ID:???
ゲームやってない&アニメ見てない&小説読んでない俺でもわかるくらい
バリバリに詳しい注釈を希望するぜ
77Honey Rose:2005/08/05(金) 16:53:37 ID:???
.hackってちょっと気になってたので楽しみ。

>>70
一応まとめサイトの方でも訂正掲示板に書き込みしてきますた(・∀・)
レスどもです。

では、はにろ第八話投下です。
78Honey Rose:2005/08/05(金) 16:55:50 ID:???
フィオナの心に、幽霊の女達の言葉が響いていた。
(しんじてはだめ)
「アニー……アニー、アニー」
(くちにしてはだめ)
アニーが持ってきた食べ物、飲み物。クミス。
(うたがってはだめ)
兄さん、兄さん達……。
(うしなってはだめ)
影が、靴の音を響かせながらゆっくりとフィオナに近づいてくる。
早く逃げなくては。殺される。殺される。
(もう、ておくれ)
その言葉にフィオナは目を見開いた。私は、手遅れになんかならない!
フィオナはナイフに刺された袖を、力を振り絞って全身の体重をかけて引いた。
布が引き裂かれる音がして、フィオナの体が床に投げ出される。
その時食堂では、正餐会を控えて兄弟たちや招かれた客人たちが集っていた。
「あら、今度は何が見えるの?」
ロウランドの親類である老婦人たちが窓の外を眺めていたグレゴリーにそう尋ねた。
顔をこわばらせるグレゴリー。
「小さい頃から幽霊が幽霊がって、よく泣いてたのよね」
「ねえ」
その言葉にトーマスが驚きのあまり、思わずぱかりと口を開けてしまう。
普段恐い顔をしてばかりのグレゴリーが老婦人達を前にたじたじの様子だ。
「へえ、フィオナみたいだ」
「違うっ!」
わざとグレゴリーをからかうように言ったエリオットの言葉をグレゴリーが必死になって否定した。
エリオットはそんな風にして食堂で時間を過ごしていたが、ふと思い立った事があるのか席を後にした。
「どこいくの」
トーマスが慌ててそう聞くがエリオットは行き先を答えず、ただ言った。
「トムはグレッグが都合の悪い報告をしないように見張れ!」
79Honey Rose:2005/08/05(金) 16:56:47 ID:???
「なっ……、失敬な!」
慌てるグレゴリーに老婦人達は信用がないのね、せわしないこと、などと
思い思いの事を口にしていた。しばし騒然としたその場所に突然美しい音楽が響く。
イアンがピアノを奏で始めたのだ。
「わあ、私この曲大好き」
「素敵よねぇ」
老婦人たちも、その他の客人たちもその演奏に満足げだ。アイザックは客人のホスト役を
務めていたが、ヴォルテール兄弟の思わぬ手助けに思わず笑みを浮かべた。
そして廊下ではライナスがロレンスを背に背負って、歩いていた。
だが、突然後ろから切羽詰った様子で名を呼ばれ振り向く。
名を呼んだのは他でもない、数日の間姿を消していたヴィンセントだった。
「お前今まで……!?」
思わずそう言うライナスに、ヴィンセントは言葉を一瞬つまらせるが
必死にフィオナはどこにいるか、とライナスに尋ねた。
「フィオナならアニーと一緒に部屋へ……」
「部屋にはいないよ」
そう言ったのは食堂から出てきたエリオットだった。
言うとエリオットは窓から身を乗り出すようにして外を見て、こう続けた。
「……火薬と血の臭いだ。で? フィオナが何?」
フィオナは旧館の一室で死の恐怖と戦っていた。
今までフィオナが居た場所には既に三つの弾痕。
死の顎から一瞬の差で逃れ、フィオナは床に倒れこみながら必死に考えた。
(力が入らないだけ。重いけど体は動く。窓際へ。ガラスの割れる音で誰か……)
だがアニーはここに来る時にこう言ってはいなかったか。「誰もいない」と。
フィオナは力の入らない手を握り締め思った。誰にも気付かれずに皆こんな風に殺されたのか。
(事故? 自殺? 違うわ、狂ってなど)
首をくくったロウランド。屋上から身を投げたキング。
(どんなに辛くて寂しかっただろう)
二人だけじゃない。スタンリーや他の皆だってきっと。
(狂わされたんだ! 悲しい気持ちで追い詰められて、独りぼっちにされて!)
80Honey Rose:2005/08/05(金) 16:58:00 ID:???
「だめ…。こんな事、私で終わりにしなくちゃ……!」
顔を上げ、すぐ近くまでやってきた影に向かってフィオナは言う。
「……兄さんたちに言います。貴女がしてきた事を全部!」
影はフィオナを見下ろす。銃をかまえたその姿はフィオナたち兄妹の伯母モルゴース、その人だった。
「お父さんの事を大切に思うなら、何故お父さんが愛した人たちを傷つけたの?」
「アーサーがあんな低俗な女たちを愛する筈がありませんよ」
モルゴースはきっぱりと言うと、銃の引き金に再び手をかける。
「認めたくないんですね…。お父さんの好きなもの全部とりあげて
お父さんを独り占めできましたか? お父さんは……」
パァン!
鋭い音を立ててフィオナの耳元を弾がかすめた。思わず震え上がるフィオナ。
「お前の父親はアーサーじゃないわ。灰色の髪の陰気な男!
半年早く辞めていった同僚の侍従よ!」
モルゴースがいらだたしげに叫んだ。
(ほかの男の子供)
浮かび上がった言葉を必死にフィオナは否定する。
「う、嘘です!」
「生まれを詐称してまんまと上がりこんだ薄汚いドブネズミ!
お前の正体を知れば気高いあの子たちはどう思うかしらね!」
「嘘です、私信じません!だって兄さんが」
「証拠も無しに頭のいかれた裏切り者の言葉を誰が信じるというの」
証拠。証拠などない。それに証拠になるものは今頃全て処分されてしまっているだろう。
『誰も知らない。何も残ってない』
ライナスはそう言っていた。彼ですら真実に辿りつけなかったのだ。
モルゴースは残酷に言い放った。
「このロウランドにお前の味方など一人もいませんよ!」
フィオナは恐怖と悲しみにつぶれそうになる心を必死に支え続けた。
「わ、私は……」
(お父さんはお母さんが好きで。私は大好きな人の子供で。伯爵に望まれて)
81Honey Rose:2005/08/05(金) 16:59:18 ID:???
ここにいてもいい、信じてもいい。
―― 正餐会に出る準備をしなさい。
ウィリアムの言葉。胸にかかる銀貨。生きていてもいい。
「ウィリアム兄さんならきっと解ってくれます」
フィオナの言葉に、暗闇の中モルゴースの目だけがぎょろりと輝く。
モルゴースはくやしげに唇をかみしめて言った。
「もう…あの子を懐柔したというの……」
そして銃を振りかざし叫んだ。
「子供だと思っていたけれどやはり悪魔の血だわ! アーサーが私に逆らうようになったのは
お前のせいね! アーサーをどこへ隠したの!?」
モルゴースの叫びには、まぎれもない狂気がひそんでいた。それにおびえ涙を浮かべるフィオナ。
その時だった。モルゴースが入ってきた扉から、かたんと音がした。誰かが来たのか。
「………アーサー?」
モルゴースは弟の名を呼ぶ。そして入ってきたその姿を見て、狂気の笑みを
はりつかせたまま言った。
「どこに隠れていたの? 探したのよ、姉さんに心配かけて悪い子ね……。
今すぐ助けてあげますからね。これでお前は昔のような素直で好い子に戻れるわ」
「父を苦しめていたのは貴女です。二人きりの姉弟だから見捨てられなかっただけだ」
闇の中からそう言ったのは死んだアーサーではなく、ウィリアムだった。
フィオナは現れたウィリアムを呆然と見つめていたが、突然背筋に寒気を感じた。
(ざわざわする……)
誰かが後ろに立っている。頭ががんがんと響く。
(耳鳴り? 誰の声? 違う……。静かすぎる。何も聞こえない)
誰なの。振り向こうとしてフィオナは気づいた。
(体が動かな……)
光をうつさぬ瞳でウィリアムはモルゴースを見つめ、言った。
「何故、私の妻と娘を殺したんですか」
彼のその顔は絶望に縁取られていた。
82Honey Rose:2005/08/05(金) 17:00:34 ID:???
「まあ……、何を言い出すのウィリアム。お前の妻子は事故で死んだのよ。
でもね私は神様に感謝しましたよ」
穏やかに言っていたモルゴースの表情が突然激しいものに変わる。
「ガヴァネスの分際で……おぞましい! 天罰ですよ、お前を裏切ってほかの男の……」
「あれは私の娘です」
はっきりとした言葉でウィリアムは言った。
そう言うとウィリアムはフィオナを見た。モルゴースもウィリアムの視線の先を振り返る。
フィオナがゆっくりと身を起こしていた。だが、あげたその顔はフィオナのものではなかった。
あどけない小さな顔。ゆるく巻かれた肩までの黒い髪。小さな子供のつなぎのワンピース。
その子供は大粒の涙を流しながらウィリアムに言った。
「……ぱぱ…」
頭から血を流し、それでも必死に父親に訴えている。
「ひ……いああああ!」
モルゴースが叫び声をあげ、銃で子供の胸を撃った。
「アリス!!」
ウィリアムは悲痛な声で叫ぶと、小さなアリスに手を伸ばす。だがその手は届かない。
(ぱぱ)
のけぞりながらアリスとフィオナの姿が二重写しになる。倒れこむフィオナ。
だがアリスは倒れることはなく、その場に立ち上がると泣きながらモルゴースをにらみつけた。
(二度も撃った!)
アリスの叫びに応じるように、ごぉっと音をたてて炎が燃え上がり、モルゴースを取り囲んだ。
炎につつまれた部屋はアリスが見た最後の風景。
ウィリアムは銃を取り出し、モルゴースへと向けた。そして、彼の背後には
いつのまにか彼の妻レイチェルが現れ、長い黒髪を炎の中でなびかせていた。
彼女の胸元にはぽっかりと開いた穴。
そこから赤い血が流れていく。モルゴースが小刻みに震えながらそれを見開いた瞳で眺めた。
その、モルゴースの傍らにスタンリーが現れる。
スタンリーが喉を反らせて大量の血を吐くと、床に真っ赤な血溜まりができた。
炎と血が互いの色を深めていく。
83Honey Rose:2005/08/05(金) 17:02:23 ID:???
炎から顔をかばい、思わず一歩引いたモルゴースの足が血溜まりの中にどぼりと沈んだ。
足を取られて体勢を崩した彼女が見たのは、真っ逆さまに自分へと落ちてくるキングの姿だった。
そして驚きと恐怖に見開いたモルゴースの足元から細く、白い腕が出てきた。
血溜まりからその姿を現したのは、不快気に眉をひそめたロウランド夫人。
ぐっ、とロウランド夫人は後ろからモルゴースの首をしめる。
苦しげに身をよじる彼女の頭を、落ちてきたキングの手が押さえつけた。
ギャアアアアア!
モルゴースはのけぞりながら獣のような叫び声をあげ、床へと倒れこんだ。
すかさず彼女に銃を向けるウィリアム。
「撃つな!」
突然誰かがそう叫び、部屋中の明かりが一斉についた。
「フィオナ!!」
必死に彼女の名を叫びながらライナスが部屋の中に駆け込んできた。
「ウィル!やめろ。伯母上と『同じ』になりたいか?」
そう彼を制しながら部屋の中に入ってきたのは、髭をたくわえ車椅子に腰掛けた男。
彼こそはロウランドの兄弟たちの長兄、アルバート・ロウランド伯爵だった。
彼と共に入ってきた穏やかな顔立ちの黒髪の青年は、ヴィンセントの同腹の弟、ディックだ。
部屋の中には、彼らと共にヴィンセントにロレンス、エリオットも一緒に入ってきた。
女中頭のマージが彼らの後ろからついて来て、泣きそうな表情でモルゴースを見つめている。
ウィリアムはアルバートにそう言われながらも、ぐっと引き金に力をこめた。
「ウィル、俺がやめろと言っている」
アルバートのその言葉にようやくウィリアムは銃を下げた。そしてそれを彼に渡す。
「フィオナが死んじゃった!!」
エリオットがフィオナの傍らに座り込みそう叫んだ。ライナスはフィオナを心配そうに見つめている。
彼らの傍にディックが駆け寄ると、動かさないようにと鋭く注意した。
「ディック……」
ライナスが思わず呟き、フィオナの頭をそっとなでる。フィオナは大丈夫なのか。
「……僕にできるのは応急処置までです」
そう難しい表情で言いながら、撃たれたフィオナのドレスの胸元をハサミで切り開き始めた。
84Honey Rose:2005/08/05(金) 17:03:09 ID:???
するとディックは息を飲んだ。彼女は撃たれたにも関わらず無傷だった。
代わりに胸元のロケットと、その中の銀貨がひしゃげてその姿を変えている。
胸元を自由にしたことで息が入ったのか、ひゅっとフィオナの喉がなり激しく咳き込み始めた。
「フィオナ!」
彼女の異母兄たちがフィオナの名を呼ぶ。
「まるで奇跡だ……痛みは?」
ディックの問いにフィオナは黙って首を振る。
「骨に異常はなさそうですが後でお医者に見てもらいましょう」
そう言われ、思わずフィオナは胸元の銀貨を取り出した。sそしてゆがんだそれをそっと掴む。
(銀貨が……私を助けてくれたんだ……)
「お嬢様っ、お嬢様!」
するとマージがモルゴースに駆け寄って、抱き起こしながら泣き叫んだ。
エリオットはしばらくその姿を見て何か考えていたが、突然こう切り出した。
「……がっかりだ! 僕、ウィリアムお兄様はもっと道理の解る方だと思ったのに!
伯母様はこのロウランドを恥辱と堕落から救ったんだ! 誰よりも大切なお父様の為に!
僕たちの為に! フィオナにも、あの女たちにも僕たちが見抜けなかった殺されるだけの
理由があったに違いないよ! 自業自得だったんだ! そうですよね、伯母様!」
その言葉に思わずモルゴースは手を握り締め叫んだ。
「そうよ……私はアーサーを守ってあげたのよ。あの下賤で醜い女たちから!!」
「へえ……、やっぱりオバサンが殺したんだ?」
エリオットの言葉に引きずられて、モルゴースは幽霊の女たち、すなわち兄弟の母親たちを
殺したことを自分から言ってしまったのだ。その言葉に一斉にモルゴースに銃を向ける兄弟たち。
マージがおびえた顔で周りを見渡す。
「嘘だろ……」
銃を向けながらロレンスが顔色を変えて呟いた。
「兄さん?……何故教えてくれなかったんです」
ディックが静かにそう言って、ライナスに尋ねた。
「証明できない推理は妄想でしかないだろ」
ライナスは以前からその可能性を考えていたようだった。
「撃っていい?アル」
ヴィンセントは母を思ったのか、悲しげな顔でアルバートに聞いた。
85Honey Rose:2005/08/05(金) 17:06:27 ID:???
「い……いけません、いけません!血の繋がった御家族じゃありませんか」
マージがモルゴースをかばうように抱きしめそう叫んだ。
「罰なら私が受けます。お嬢様のお望みのままに従った私の罪です。
どうぞ勘弁してください。お嬢様は誰よりもこのロウランドを思いやって……!」
「ふ…」
マージの言葉にアルバートの口から息がもれた。次の瞬間、彼が大爆笑する声が響き渡る。
見つめる兄弟たちの前で、すまんすまんと手をあげながら、なおも吹き出して言う。
「ふふふ、くくくくっ誰のロウランドだって?」
その響きにマージはぞっと身を震わせた。
「この家はもう俺のものだ」
アルバートは底知れない微笑みを浮かべながらそう言った。
そして伯母に銃を向けている異母弟たちに向かってこう言って制した。
「銃をおろせ! 可愛い甥っ子の手で、最愛の弟の元へ旅立てる伯母上の幸せを想像してみろ。
何故親父が伯母上を断罪しなかったのかは俺は知らん。敬愛する親父の選択を尊重しよう」
そして指をちょいちょいと動かしエリオットを呼び寄せる。
「だから俺は今この場で起きた事を裁く。さあフィオナ、銃を取れ」
エリオットはアルバートに渡された銃をフィオナに差し出した。
思わず顔をこわばらせるウィリアム。アルバートはフィオナへ言葉を続けた。
「たった今殺されかけた被害者のお前にだけ権利がある。
これは復讐じゃない。正当防衛ってやつだ」
「フィオナ、やめ……」
「誘導するな。彼女が決める」
思わず声をあげたライナスをアルバートが制した。フィオナはアルバートにそう言われ、思った。
86Honey Rose:2005/08/05(金) 17:07:20 ID:???
(怖かったけれど)
「私、ライナス兄さんが自分だけのお兄さんじゃないって思い知るたびにがっかりしてたの」
(愛してもらえない寂しさを私はよく知ってる)
思わぬ言葉にライナスは目を見開いた。屋上から飛び降りた彼の母の事をフィオナは思う。
妻も、娘も失ったウィリアムの事をフィオナは思う。
(伯母様を撃っても死んだ人は帰って来ない)
フィオナは決意して顔を上げた。
そして穏やかな、凄絶な、悲しい笑みを浮かべて銃を受け取った。
「フィオナ!! 離せ!ヴィンス」
必死にフィオナを止めようとするライナス。だがそんな彼を見てロレンスが言う。
「大丈夫。伯母上がおかしいのは皆知ってる」
フィオナはぎこちない手つきで撃鉄を引いた。誰も止めようとしない。
「お前らどうかしてる!」
ライナスの叫びにアルバートは呟く。
「狂気は母親譲りだ。なァ、マージ」
問われたマージはただ震え、泣くばかりだ。
(罪は幾つ重ねた時から神様に拒絶されるようになるの?)
「撃てば君は天国へ行けなくなる」
ライナスはフィオナを説得しようとそう言った。
(私は神様に赦されなくても。天国へ行けなくても)
「兄さんたちはこれで幸せになれる?」
そう言ってフィオナは笑った。フィオナがモルゴースを撃つのは自分のためですらないのだ。
それが分かってしまい、ライナスは思わず顔色を変えた。
(兄さんたちがいる。私の天国はここ)
心を決めて銃を構えたフィオナの後ろから、突然手が伸びてきて彼女が持った銃に触れた。
「もういい」
ウィリアムがそう言って、彼女から銃を取り上げた。
その瞬間、マージはモルゴースを抱きしめて泣き崩れた。
マージの腕の中でモルゴースは、ぎらぎらした目つきで兄弟たちを睨み付けて叫んだ。
87Honey Rose:2005/08/05(金) 17:08:24 ID:???
「お前たちはやはりあの女たちの子ですよ。悪魔の血が流れているんだわ!」
その言葉にアルバートは思わずため息を一つつくと、モルゴースを蹴り飛ばした。
にぶい音を立てて床に倒れこむモルゴース。そして見てみれば、彼女を蹴ったアルバートの左足は義足だった。
「ウィル、医者と施設の手配をしろ。伯母上は重症だ」
緊張の糸が切れたのか、思わずライナスがぺたりとその場にへたり込む。
フィオナは今になってガタガタと震えてきた手を一心に見つめていた。
深いため息を吐くとライナスはフィオナの元へ走り寄り、思い切りその頭を拳で叩いた。
「痛っ!?」
「この、ばか娘っ!」
その言葉に振り向いたフィオナの目に映ったのは、片手で目元を押さえながらも
こらえきれない涙を流したライナスの姿だった。
「お……お兄さ……」
フィオナが思わず声をかけるがライナスはそのままその場に座り込んでしまう。
そして、声もなく涙をこぼした。
うろたえるフィオナの頭を今度はエリオットが殴りつけた。
「痛い……」
「お前が泣かしたんだ!」
何とかしろと言わんばかりのエリオットの剣幕にフィオナは思わず言った。
「ど、どうして?」
「僕が知るもんか!!」
エリオットだけではなく、フィオナは背後に別の怒りを感じてびくりとした。
これはロレンスだ。ライナスの涙にものすごく怒っている。
(ど、どうしよう……)
「ごめんなさい……。ごめんなさい」
思わず謝ってみたフィオナだったがライナスは黙って泣くばかりだ。
フィオナはおろおろしながらも、いつもライナスがしてくれるように頭をなでてみる。
「おにいちゃん、ごめんね……」
顔を覗き込んで謝ってみるが、一度流れ出したライナスの涙は止まらない。
必死に頭をなでながらフィオナは謝り続けた。
「ごめんね、ごめんね」
88Honey Rose:2005/08/05(金) 17:09:09 ID:???
(うたがってはだめ)
あの言葉が胸にしみわたるように響いた。フィオナはライナスを抱きしめながら呟く。
「ごめんね……」
そしてフィオナはライナスの涙をドレスの袖でぬぐい始めた。
「ごめんねお兄ちゃん。ごめんね。ごめんね」
「…………」
ごしごしと力任せにこすられて遂にライナスが苦笑交じりにもう良い、と手で示した。
「ごめんね」
フィオナの胸に下がっている、ひしゃげた銀貨を見てアルバートがフィオナに聞いた。
「……代わりの新品の銀貨をやろうか?」
「いいえ……これでなくてはいけないんです」
アルバートの問いに、フィオナは命を救ってくれた銀貨を握り締めて答えた。
「思い出の品か! 誰にもらった?」
「名前は知りません。でも……」
「顔は覚えているか? よし!来い」
ヴィンセントがアルバートの車椅子を押しながら、フィオナを案内する。
その部屋には肖像画や写真が所狭しと飾られていた。
「うちに来た客はたいてい写真が残ってる。ちょっとした貴族名鑑てとこだ」
アルバートはそう言ってフィオナに、壁に飾られた写真を見せる。
「その人はいるか? お前が会った頃と年代が違えば多少印象は変わるかもしれん」
写真を眺めていたフィオナが突然立ち止まり、頬を紅潮させた。
「この人……、この人です」
その写真は飾られている写真の中でも大きな立派なもので、
そこに映っているのは穏やかそうな顔の紳士だった。
アルバートはそれを見るとフィオナに言った。
「……彼の名はアーサー・ロウランド伯爵。お前の……俺たちの父親だ」

―― Honey Rose 第八話完。
89Honey Rose:2005/08/05(金) 17:13:52 ID:???
上で書き忘れてた。
なんか変な所とか妙な変換とかあったら指摘お願いします。。。(´Д`;)
90マロン名無しさん:2005/08/05(金) 19:38:38 ID:???
はにろ乙!
あと一話ですね。面白かった〜
91マロン名無しさん:2005/08/05(金) 19:58:36 ID:???
はにろ乙です!
面白い!
92マロン名無しさん :2005/08/05(金) 20:13:46 ID:???
はにろ乙でした!
面白かったです!次も楽しみにしています
93マロン名無しさん:2005/08/05(金) 20:28:10 ID:???
はにろ乙!GJ!
面白かった〜。フィオナ良かったね、みたいな。

あと一回で最後か。
ちょとさみしいが楽しみにしてるんで書くのガンガってくれ!!
94マロン名無しさん:2005/08/05(金) 21:42:29 ID:???
おばさまが犯人だったんですか?
しかしライナスの性格に呆然・・・
95マロン名無しさん:2005/08/05(金) 23:50:41 ID:???
はにろ乙!!GJ!!
96マロン名無しさん:2005/08/06(土) 00:57:23 ID:???
>>94
情緒不安定ってとこは変わってないよ。
方向性は違うが・・・。
97マロン名無しさん:2005/08/06(土) 01:55:04 ID:???
>>72
短編だけでお願いします
98マロン名無しさん:2005/08/06(土) 02:12:46 ID:???
え? フロイト1/2って川原泉のだよね?
それだったら短編集ってのは違うと思うし、作品自体も短編というより中編だが。

川原泉のじゃなかったら知らんが。
99サバス・カフェ 5:2005/08/06(土) 03:18:36 ID:???
海辺の田舎町についた大は、人のいい和尚によって荒れ寺に泊まらせてもらう事になった。
金閣寺や五重塔などの立派な寺しか知らなかった大はこういうのも寺というのかと驚いた。
その寺には親の都合で一時的に預けられている少年がいた。
少年に大はかつての自分を重ね合わせた。
大は、荒れ寺には似つかわしくない立派な観音を見つけた。
それは慈母観音といって、子に対する母の深い愛情を司るのだという。
「母親は必ず子を愛してるものなんですか」
「当然じゃ。自分の血と肉をわけて生んだ子じゃもの。愛しくないわけがないでの」
和尚はそう答え、すぐにでも新たに旅立とうとしている大に、
夏は来年もあるのだからもう少しのんびりしなさいと言う。
「1年の約束で来たから今年の夏しかないんです」

和尚に言われるままに寺に留まりつづけていたある日、少年の母親が迎えに来た。
母の手をうれしそうに握る少年を見て、大は安心した。
自転車に乗って家路に着く大。そして、自分の母の事を思う。
もう大には、彼女がどんな顔でどんな声だったのかも思い出せない。

帰宅した大は、スウに言われて荒れ果てた庭の手入れをする事になった。
スウ一家はイギリスに里帰りをしたのだが、祖母の庭は大変きれいだったそうだ。
デリィは祖母のお気に入りなのでまだイギリスに引きとめられたままだという。
庭の草刈の最中に疲れで眠った大のくちびるに、スウはこっそりキスをした。

数日後、帰国したデリィは憤りながら叫ぶ。
「俺は一生髪を切らないぞっ 館のばーさまが切れと言ったからだ!」
デリィは幼い頃に床屋に誤って耳を切られたというトラウマがあり、
定期的に自分で切ってはいるものの、髪を耳より上に切った事がない。
しかし、父と祖父が通っていたイギリスの名門校にデリィも通わせようともくろんでいる祖母は
「そんなみっともない髪では入学できませんよ」と断髪を迫るのだ。
決められた名門校になど絶対に行くかと起こるデリィ。
そんな彼に父は「自分の道は自分で決めるべきだとあの人もわかっているさ。
だけど、あの人は好きな人間の困った顔が大好きでなあ」とニヤニヤしながら言う。
大は親子の様子を見ながら、何代もの繋がりがある家系を持つというのはどんなものなのだろうと思った。
100サバス・カフェ 6:2005/08/06(土) 03:21:10 ID:???
ハロウィン、感謝祭、クリスマス、ニュー・イヤー…日々は目まぐるしく過ぎていく。
その間に、ホーマーに彼女が出来たりマーティが失恋したりなど様々な事があった。
もうすぐ大が転入してきてから一年が経とうとしている。
昔はいつも無表情だった大も、今は豊かな表情を見せるようになった。

普通の高校に通うミーハー少女二人は、よく聖ジョージ学園の生徒たちの写真を隠し撮りしていた。
(ちなみに彼女たちは第一話からちょろちょろと登場している)
彼女たちが大の隠し撮り写真を雑誌に送ったところ、掲載されてしまった。
「あの子は誰?」と反響の手紙が多く届く。その中に一つ気になるものがあった。
少女たちは意を決してその手紙を大に渡しに行った。
『あの写真の少年の面差しは昔私が存じ上げた方にとても良く似ています。
 あの少年の母上様はもしかして四布木霖子様とおっしゃる方ではないでしょうか。
 不躾ではありますがご存知でしたら是非ご連絡いただきたく どうかお願い致します』
そう書かれながらもその手紙には差出人の住所も名前も書かれていない。
しかし文体は真面目で、母の名を知っている。悪戯ではないと大は確信した。
探偵に手紙の主を探すよう頼むが、手がかりはなかなか見つからない。
自分の写真をまた雑誌に載せればいいのだと、大はマイクに写真を撮らせる。
それで目立って一人暮しがばれたらどうするとデリィは言う。
しかし大は、学校を辞めさせられてもかまわないかのような態度だ。
なんでそこまで焦るのだとデリィたちは不審がった。

自分の写真を眺める大。
現像された写真の中には、デリィやマーティが映ったものもあった。
学校にいられなくなったって日本に住めなくなったって
  誰だろうとすぐに別れるんだ とうの昔に慣れた
  ぜんぜんかまわない――そう思ってたのに
それらの写真を眺めながら、雑誌に写真を載せるのをやめようと大は思った。
大は夜眠れなくなった。優等生だった大が授業中に居眠りをするまでになった。
心配するデリィたちに大は唐突に告げた。「今からシカゴに帰る」と。
もうすぐ大の二度目の夏休みがくる。それまで待てないのかと訊くが大は目を伏せるだけだ。
大はその日のうちにシカゴ行きの飛行機に乗った。
続く
101マロン名無しさん:2005/08/06(土) 03:30:40 ID:???
このスレの未解決テンプレ見てて
いっぱいもってるんだがここの職人になってもいいかね?
当方某エロゲーのストーリー教えてスレでも時々書いてるんだが
102マロン名無しさん:2005/08/06(土) 03:38:59 ID:???
サバスカフェ乙です。
和尚さんいい人

>>101
じゃんじゃんやってください。
103マロン名無しさん:2005/08/06(土) 12:06:44 ID:???
>>82
>その、モルゴースの傍らにスタンリーが現れる。
>スタンリーが喉を反らせて大量の血を吐くと、床に真っ赤な血溜まりができた。

これはキングじゃないかなあ。巻き毛で等身高いし。
んで最後に落ちてくるのがスタンリーでは?
まあどっちでもいいんだけどね。
104マロン名無しさん:2005/08/06(土) 12:25:31 ID:???
>103
死因からいってあってるのでは?
現物読んでないけど
105罪に濡れたふたり:2005/08/06(土) 15:19:28 ID:???
しかし愕然とする香純、そして勝ち誇った顔のレンと恭子の前で由貴は
「信じない、香純が俺を裏切る筈はない」と言って香純を連れて立ち去った。
会社に携帯電話を置き忘れたことに気が付いた由貴はその番号に電話を
かけると出たのはレン。「本当はもう1つアゴの裏にもあるよ、オレの印」
香純の顎の裏には、確かにレンが言ったとおりの位置にキスマークがあった。
キスマークの一件以来ぎこちない雰囲気の由貴と香純に、更に追い打ちを
かけるかのようにレンから宅配便が届く。中身は浅田教授の完成本と香純が
レンに抱かれたときに着用していたキャミソールだった。
破れ目も、生地の伸びも全く無いキャミソールを見て由貴は香純が自ら
レンに抱かれたというのが事実だと知る。
追い詰められた由貴は香純との関係を白日の下にさらそうと、鍵のかかって
いない発掘現場の小屋で香純を押し倒すがレンと恭子に発見されて失敗に
終わる。しかし大学のチャペルの前、結婚式を挙げるカップルや参列者、
そして恭子とその父親の目の前で由貴と香純は熱烈な抱擁、そしてキスを
交わすのだった。
106罪に濡れたふたり:2005/08/06(土) 15:23:59 ID:???
恭子と由香に別れを告げた由貴と香純はブライダルショップで二人だけの
結婚式を挙げる。その頃レンと恭子は警察に由貴が香純を誘拐したと通報
していた。
警官に見つかり由貴は連行される。パトカーに押し込められる寸前、由貴は
香純に「元に戻るんだ、お互いを知らなかった頃に戻ろう」と言う。
由貴の言葉を「二人が最初に出会ったローマのフォロ・ロマーノで再会しよう」
という意味と解釈した香純は実家から由香のブランド品を盗みだして換金し
ローマへ渡航しようとするが、空港で見ていたTVのニュースでローマで
列車事故があった事、そしてその事故に警察から逃げ出して先にローマに
行っていた由貴が巻き込まれて死んだ事を知った。
どうしても由貴の死が信じられない香純はローマへ行き由貴を探すが由貴の
パスポートを持った損傷の激しい遺体を目のあたりにした香純は
「もう離れないから」と遺体にキスをするのだった。
事故の合同葬儀の場で香純と再会した由香は一緒に日本に帰ろうと言うが
香純は何も言わずに微笑む。それを見た由香は自分が由貴だけでなく
香純までも自分の手の届かない所へ行ってしまったことを悟ったのだった。
一方、恭子は香純に平手打ちをし「あなたに関わるとみんな不幸になる」と詰る。
香純は恭子に「頭の中で何度もそうしたように早く殺して」と言うが恭子は
「1人で楽に由貴の所に行こうなんて許さないわ、由貴がいない世界がどんなに
空しいかあなたも思い知ればいい」と泣き崩れた。
107罪に濡れたふたり:2005/08/06(土) 15:24:50 ID:???
会社を辞めニューヨークへ向かおうとする由香にレンはプロポーズをする。
「僕には一生迷惑をかけ続けて下さい」
一方由貴と香純のせいで大学にいられなくなった恭子とその父親は和樹の墓前で
別れを告げる。
クリスマス、閉ざされたフォロ・ロマーノの門の前に立ち由貴との思い出にひたる
香純。神父が「これからクリスマスミサがあるんです、恋人同志で祈りを捧げませんか?」
と声をかける。(香純はイタリア語分かりません)そこへ「ありがとう、神父様」と
聞き覚えのある声。振り返った香純の目の前には死んだ筈の由貴がいた。
(由貴はイタリア語ペラペラです)何でも、ミラノで荷物を盗まれパスポートの再発行を
待っていたらその間に事故が起こり飛んでいきたかったけど説明や手続きで身動きが
取れなかったとの事。
再会を喜び抱き合う二人。「今度こそ誰もあたし達を知らない場所に行こう、
2人だけで暮らそう、2人で一緒に生き続けよう、ずっとずっと」
所変わって由貴と香純が結婚式を挙げたブライダルショップ。店頭に飾られた由貴と香純が
キスをしている写真を見ているカップル。「あ、いいなーこの2人。幸せそのものって感じ
じゃない?」この二人が実の姉弟だという事は露ほども知らぬカップルはいそいそと
結婚式を申し込むため入店するのだった。
最後のページはそのキスをしている写真に「神様に背いた罪の証があたしたちの愛の証」
という香純の台詞。

108マロン名無しさん:2005/08/06(土) 23:31:58 ID:???
書き手の皆さん乙です!

>>103
多分スタンリーであってると思うよ〜。
現物読んだけど、スタンリーもちょっとくねくねした髪だし。
あと前からスタンリーの幽霊って、げぼげぼ血吐いてたし。
109マロン名無しさん:2005/08/07(日) 00:27:34 ID:???
未解決表のあんみつ姫って、倉金章介版と竹本泉版のどっち?
110マロン名無しさん:2005/08/07(日) 00:44:53 ID:???
>>109
前に似たようなレスがあったけど、リク主さんの反応なかったなぁ……
111マロン名無しさん:2005/08/07(日) 01:10:32 ID:???
はっぴBOUND をお願いします。詳しく。
コミックスを読みたいんですが、国会図書館の蔵書にもなくて
私にとって幻の作品となっているんです。
112マロン名無しさん:2005/08/07(日) 02:06:19 ID:???
リク主じゃないけどオリジナルの倉金章介版の方を知りたいな。
113.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:31:06 ID:???
(.hackは小説・アニメ・ゲーム・漫画でそれぞれ時系列中の位置が異なり、
 この漫画はゲーム版から4年後、現在出ている中では最後期に位置する。)


 ある日、中学生・国崎秀悟は双子の妹の国崎れなに誘われ、世界最大の
ネットゲーム「THE WORLD」を一緒にプレイする事になる。れなはキャン
ペーンでTHE WORLDの最後の謎をクリアしたと言われる伝説のパーティー
「ドットハッカーズ」のPC(プレイヤーキャラ)を手に入れており、秀悟は
その一員である双剣士・カイト(ゲーム版の主人公)の姿のPC、れなは同じく
その一員である重剣士・ブラックローズ(ゲーム版のヒロイン)の姿のPCを使う
事になり、それぞれのPCをシューゴ、レナと名付けた。
 2人は早速カオスゲート(転送装置)を通ってレベルの低い初心者向けのエリア
に移動した。しかしゲーム慣れしていないシューゴは武器も防具も装備せず
モンスターに挑んだためにあっさり返り討ちにされ、さらにレナに説教されて
逆ギレ。いきなりゲームをやめようとするが、レナが何とかなだめて思い留まる。
そこに高レベルのモンスター・ゴーレムが出現。変だと思いながらも逃げ回る
2人だが、シューゴはレナをかばってゴーレムの一撃を受けてしまう。
 HPが0になったシューゴは一面に水が広がる空間に飛ばされていた。さらに
水面に横たわるシューゴの目の前に、髪も服も真っ白な少女のキャラクターが現れる。
彼女はシューゴを「.hackersの伝説を継ぐもの」と呼び、唇を重ねてシューゴの
HPを全回復させ、さらにシューゴの右腕に手をやり、眩い光を発生させる。
目を眩ませながらもシューゴが名を問うと、彼女は「アウラ」と名乗り、
シューゴの目の前から消えていった。
 
114.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:32:27 ID:???
光がおさまるとシューゴは元の初心者向けのエリアに戻っており、右手には
金色の腕輪が装備されていた。自分を呼ぶレナの声を耳にしてシューゴが顔を
上げると、白い翼を持つ端正な剣士の青年のPCがレナを抱き上げている。
どうやらレナは彼に救われたらしい。しかしゴーレムはまだ生きており、なお
も攻撃を仕掛けてくる。
 剣士の「腕輪を使え!」という声に応じてシューゴがゴーレムに右手を向けると
腕輪から閃光が発せられ、ゴーレムのデータは書き換えられて超低レベルの
モンスター・カカシに姿を変えた。剣士にこの腕輪の事を聞こうとするシューゴだが、
彼はどこかへ姿を消していた。
 2人の隙を突いてカカシは逃げ出すが、何物かの雷呪紋を食らって息絶える。
2人が驚いていると、「ミレイユ」と名乗る白い服の呪紋使いの少女のPCが
現れた。彼女はレアアイテムを収集するプレイヤー・レアハンターで、シューゴの
腕輪に興味を示す。2人はゲーム経験豊富な彼女とパーティーを組む事にした。
(ミレイユはゲーム版の仲間PC・ミストラルにそっくりな姿をしている)
 腕輪を見つめるシューゴを先程の剣士が遠くから見下ろしていた。
「“カイト”と“ブラックローズ”。“世界”はまたあの2人を求めているのか…?」
115.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:34:02 ID:???
 THE WORLDを運営するCC社のオンライン管理ルーム(ゲーム内の仮想管理室)
で、あの翼の剣士は上司らしき人間に前回の一件を報告していた。
「アウラのユーザーとのコンタクト……第I種接触が認められました」
「危険な兆候だな。管理者<オペレーター>バルムンクよ」
 上層部は4年前の事故“黄昏”(ゲーム版で起こった事件。THE WORLD全体に
バグが蔓延し、ゲームに無関係な場所にも回線を通じてシステムダウンなどの
事故を発生させた)の再来を恐れていたが、面倒くさがり自分でログインして
確かめようともしない。剣士――バルムンクは内心で舌を出しつつ、イベントの
時間だと言ってさっさと出て行ってしまった。
 シューゴ達はミレイユのアジト(貸し部屋)に集まって相談していた。ミレイユの
予想ではアウラの一件や腕輪はシューゴとレナの2人のキャラに仕込まれた
限定イベントの一環ではないかという。ゲームを進めていけば「最後の謎」に
辿り着けるかもしれないとシューゴ達は胸を躍らせる。
 その時ミレイユの元にミレイユの仲間・凰花からメールが届く。メールを読んだ
ミレイユは広場へと走って行ってしまった。シューゴとレナも後を追う。
広場にはバルムンクの開催するホワイトデー・イベントの告知が貼られていた。
イベント限定のレアアイテム目当てのミレイユに連れられ、一行はイベントが
開催されるエリア「広き 恵みの 大地」へと向かった。
(THE WORLDでは3つのワードの組み合わせでどのエリアに行くかを決める)
116.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:35:07 ID:???
 イベントエリアには無数のハート型の野菜が植えられており、それを破壊
すると宝箱が出現した。この中からアイテムを探すイベントらしいが、宝箱の
中身はスカだったりトラップだったり。レナはこの企画を開催している管理者
バルムンクは妙に凝ったイベントをやる奴だという噂を思い出していた。
(レナは翼の剣士がバルムンクだと知らない) きっと性格の悪いキモヲタプレイヤー
だろうと想像して盛り上がる女2人。それを見てドン引きのシューゴ。遠くで
クシャミをするバルムンク。
 何十個もの野菜を掘った3人だが一向にアイテムは見つからない。しかし
ミレイユは告知の中に「パンプキン・パイ」という言葉があったのを思い出し、
ハート型の野菜ではなくカボチャが当たりだと気付く。
 走り回ってミレイユはカボチャを見つけるが、手に取った瞬間カボチャは
モンスター・パンプキンヘッドに変身する。シューゴは早速腕輪の力で弱体化
させようとするが不発。その反動で全員がステータス異常になるが、シューゴ
の渾身の一撃でパンプキンヘッドを撃破。レアアイテムを手に入れる……が、
その中身はセーラー服、メイド服、ネコミミ&尻尾というコスプレグッズ。
レナはおもいっきり引くが、それでもレアアイテムだとミレイユは上機嫌。
シューゴはこれを身につけた2人を想像して鼻血を吹く。アイテムはミレイユが
持ち帰り、この日の冒険は終了した。
117.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:36:50 ID:???
一方、管理室ではバルムンクがコ○プティークを見てつぶやいていた。
「……あれではマニアックだったのか?
 ああいうのがはやってるのではないのか……?」
 ゲーム版の設定ではかなりモテる男だったはずなのだが……
118.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:39:28 ID:???
 THE WORLDを始めて1ヶ月が経ち、ゲームに慣れてきたシューゴ。
今回はミレイユの案内で満開の桜が用意された季節限定のエリアに行き、
ゲーム内で花見をする事になった。ミレイユは出店回りに行ってしまったので
シューゴとレナが場所取りをしていると、2人の前に犬のようなキャラクターが
現れた。モンスターでは無いようなのでレナはNPCと予想する。
 シューゴとレナが犬型キャラと遊んでいる後ろでは、バルムンクが桜の
グラフィックの出来に満足した笑みを浮かべ、自作データの日本酒を呷っていた。
そこにバルムンクの部下のPC・レキ(呪紋使い・男)が現れ、また上層部から
呼び出しがかかっている事を告げるが、バルムンクは放置してイベントに取りかかった。
 犬に芸をさせたりミレイユから貰った首輪のアイテムをプレゼントして遊ぶ
シューゴ。レナはシューゴが昔から動物好きだった事を思い出して微笑む。
と、そのとき犬が桜の木の根元を嗅ぎだした。何かが埋まっているらしい。
2人がそこを掘ってみると、現れたのはモンスター・スケルトン。バルムンク
いわく「桜の下には死体が埋まってるのが常ってもんだよ」これがイベントらしい。
続々と姿を現すスケルトン。シューゴは腕輪の力で一気にケリをつけようと
するが、また失敗してステータス以上になるかも知れないからその“呪いの腕輪”
は使うなとレナに反対される。ちょっと傷つくシューゴ。と、そのときシューゴの
背後からスケルトンが襲いかかる。が、何者かの指示でなんとか回避。声の主は
あの犬だった。どうやらPCだったらしい犬はさらにグラマラスな美女の姿に
変身し、圧倒的な強さで瞬く間にスケルトンを片付けてしまう。
 しばらくして戻って来たミレイユは犬になっていたPCに親しげに話しかけた。
このPCこそ以前メールを送ったミレイユの仲間・凰花。職業は拳闘士の上位職
である人狼族。(拳闘士と人狼族はゲーム版に登場しない漫画オリジナルの職業)
凰花にからかわれてドギマギしている所をレナにド突かれ、本日のシューゴの
冒険(?)は終了。
 シューゴ達が去った後、凰花が暴れたせいで散ってしまった桜の下で
バルムンクは大きく肩を落とした。
119.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:40:19 ID:???
 レベル上げに行こうとしたシューゴとレナの前に、たどたどしい日本語で喋る
呪紋使いの少女型PC・ほたるが現れる。ほたるは病気のプチグソ(ブタに似た
乗用動物)の子供を連れていたが、治し方が分からないという。さらに通り
かかった金髪縦ロールでバラの花を持った見るからに胡散臭い重斧使いのPCに
もって余命1時間、また新しいのを飼えばいいと言われてしまう。性格の悪い
重斧使いはコミヤン3世と名乗るが、シューゴはきしょい笑い声で重斧使いの
プレイヤーをクラスメートの小宮山と見抜く。シューゴとレナも素性を明かすが、
露出過多なデザインのレナを変な目で見るコミヤンとシューゴはケンカになる。
「この僕がゲームキャラにハァハァするかッ!!」
「右手でコントローラー握って左手でナニを握ってるんだか!!」
 この醜い争いに呆れたレナはパーティーから離脱。シューゴとほたるは2人で
プチグソを治す「不死鳥の羽」を探すが、ショップでは高くて手が出ないので
エリア「炎立つ 煉獄の 谷間」にいるモンスター・ケルベロスから手に入れる
事にする。
 エリアについた2人はモンスター・ヘルハウンドに遭遇。シューゴは倒そうと
するが、ほたるは話せば分かり合えると言ってそれを止める。無論ゲームの
敵モンスターと分かり合えるはずもなく、2人はヘルハウンドの大群に追い
回されて崖から落下。そこにケルベロスが出現するが、強過ぎてマトモには
倒せそうにない。シューゴは覚悟を決めて腕輪の力を使用する。
 ルートタウンで待つミレイユ、凰花、レナの所に戻って来たシューゴとほたる。
無事に不死鳥の羽を手に入れプチグソの病気を完治させる事に成功し、レナも
シューゴを見直すのだった。
120.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:42:09 ID:???
 バルムンクの企画する次のイベントは七夕イベント。進行管理はレキに任せ、
バルムンクはプレイヤー側で監視するというが……
 イベントに参加するシューゴ達はとりあえず笹に短冊を下げる。
『レア人生☆(ミレイユ)』
『求む!強敵(凰花)』
『争いのない平和な世界になりますように(ほたる)』
ついでに『レナちゃんのくつ下を与えたまえ コミヤン3世』という短冊を
見つけたので速攻で破く。
 続いて織姫争奪バトルレースのイベントが始まる。レースに勝てばプレイヤー
から選出された織姫とデートできるという企画で、織姫にはレナが選ばれる。
ミ「レナがネカマだったらみんなどーすんだろ」
凰「それはそれで……」
 一同は天の川エリアに移動し遠泳レースをスタートする。いつぞやの剣士
(バルムンク)が参加するのを見てシューゴは対抗心を燃やす。コミヤンはプチ
グソに乗ってラクに勝とうとするが、シューゴの腕輪の力で魚型ザコモンスターに
変えられてリタイア。
 ゴールに近づいたシューゴはサメモンスターに襲われるがバルムンクに助け
られる。もっと強くなって貰わねば困るというバルムンクにシューゴは言い返す。
「なめんな!! 俺はドットハッカーズを継ぐ勇者になるんだ!!」
結局レースは僅差でシューゴが征するが、レナは憧れの剣士との再会に心を
奪われ、シューゴは眼中に無し。精神的ダメージを受けるシューゴ。レースが
終わり、元のエリアに戻ったシューゴは短冊に願いを書いてログアウトした。
『強くなる! シューゴ』
『シューゴが勇者になれますように… レナ』
121.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/07(日) 11:45:16 ID:???
ここまでで1巻です。
説明の足りない部分があれば後で書き足します。
122マロン名無しさん:2005/08/07(日) 20:46:39 ID:???
乙です。バルムンクさんわろす。
シューゴは双子の妹とのデート権を争ったのか…シスコン?近し(ry
123マロン名無しさん:2005/08/08(月) 17:04:18 ID:???
よしながふみ「フラワーオブライフ」と竹宮恵子「私を月まで連れてって!」をお願いします。
124マロン名無しさん:2005/08/08(月) 17:21:47 ID:???
語り部の皆さん乙
暁星記お願いします(他スレではスルーでした…)
縄文のナウシカ?みたいな雰囲気でしょうか?
125マロン名無しさん:2005/08/08(月) 21:11:20 ID:???
最近おわったといういちご100%をお願いします。
簡単にどんなストーリーでどんな終わり方なのか知りたいです
126いちご100%:2005/08/09(火) 10:31:00 ID:???
主人公の真中は映画監督になりたい中学3年生。
ある日、校舎の屋上で出会ったいちごパンツの美少女に一目惚れ。
彼女をヒロインに映画を撮りたい、と考える。
真中が、そのいちごパンツの女の子と勘違いしたのが西野つかさ。
明るく元気な女の子でルックスはアイドル並み。真中は彼女に告白する。
告白にはインパクトが大事だと言われたので懸垂しながらというとんでもない告白の仕方で。
だがなんと、つかさはそのインパクトに負けて「君ならあたしをわくわくさせてくれるかも」とOKする。
だが真中は、小説を書くのが好きな東城綾(この子が屋上で会ったいちごパンツ)とも映画の夢で意気投合。
綾の書いた小説を見て、いつかこの小説を元に映画を作る事を約束する。
健気で優しい東城綾。明るく可愛い西野つかさ。二人の間で揺れ動く真中。
つかさは最初は面白いからという理由だけだったが、夢にひたむきな真中をいつしか本当に好きになる。
綾は、ずっと優しくしてくれて、いつか二人で映画を作るという夢を与えてくれた真中の事が好きでたまらない。
そんな風に真中の事が好きな、つかさと綾はお互いの存在を強く意識する。

高校に入って映研部を作り夢に向かって頑張る真中だが、つかさと綾だけでなくお色気美少女
北大路さつきや、年下幼馴染可愛い妹分、南戸唯などからもアプローチされる。
八方美人な態度や、思わせぶりな態度をとってしまったりと真中はどんどん泥沼にはまっていく。
だが、高校生活の中で真中は自主制作映画を作ったりと、少しずつ夢に向かって歩いていく。
東城の気持ちには最初全く気づいていない真中だったが、映画を一緒に作っていきながら彼女の
気持ちに周囲の言葉や本人の態度から少しずつ気づく真中。そしてその綾はどんどん小説を世の中に
発表し、遂には本当に小説家になってしまう。それを見て自分はまだ夢に到達できない、と焦る真中。
127いちご100%:2005/08/09(火) 10:35:54 ID:???
そしてそんな中で真中は、つかさと別れたりもう一度付き合ったりを繰り返しながら二人の関係を
真剣に考えていくようになる。そしてさつきや綾から、遂には直接告白されるがそれを断る。
綾は真中にちゃんと自分の気持ちを伝えると吹っ切れたように、真中と初めて出会った時の
小説を最後まで書きあげた。そしてその小説を真中に渡す。
それを見た真中はつかさに別れを切り出した。綾が原因ではなく小説が原因だった。
真中はつかさに告げた。どこまで分かってもらえるか、解らないが自分の夢はこの小説を映画にする事なのだ。
だが、自分はいつまでも夢に対して中途半端。だから自分は一人になってどこまでできるか確かめたい。
いつか夢を形に出来る自信がついたらまた会いに来る。だからその時に、まだ付き合って
やってもいいと思ったら、自分の告白を受け入れてくれと。

数年後、高校の同窓会を兼ねて映研部の面々が旅館に集まっていた。
それぞれ自分の将来を形にしている。そこに来た真中は少したくましくなっていた。
そして世界を回って見てきたという真中は、綾の小説のロケをするには何処が良いか考えたと話す。
いつか自分達の夢を叶えよう。そう真中は綾に言った。綾も真中の言葉に嬉しそうに笑った。
そして真中はその座を途中で抜け出すと、どこかに向かう。真中が向かったのはつかさの元だった。
真中はつかさに、もう一度自分と付き合ってもらえないか、と言う。
つかさは真中に向かって笑いながら答えた。あたしをもっとわくわくさせてね、と。
〜終わり〜
128いちご100%:2005/08/09(火) 10:40:27 ID:???
こんな感じ。まとめサイトに少しあるから後半だけかなと思ったけど一応最初から最後まで。

私は真中は東城綾とくっつくと思ってたけどつかさだったのでビックリ。
でも後半つかさに対してきちんとし始めた真中は格好良かったよ。
良かったら読んでみてね。ビミョーにえろいけど。
129マロン名無しさん:2005/08/09(火) 12:22:28 ID:???
いちご乙。
東城とくっつかなかったとは意外。
130Honey Rose:2005/08/09(火) 14:24:47 ID:???
書き手の皆さん乙です!
.hachのバルムンクさん萌え。いちご、私も東城なのかと思ってた。
でもつかさも可愛かったので良かったね真中という感じ。

>>94
そうなんです。おばさまが犯人だったのですよ。何となくですが私はアーサーの死因も
この人がらみなんじゃね〜か、とか怪しんでます。推測つか妄想ですが。
>>96
禿同です!

>>103
た、多分スタンリーだと思うのですが、この部分幽霊の顔が
微妙にはっきりしてないんですよね。。。

という訳ではにろ最終話投下。
131Honey Rose:2005/08/09(火) 14:25:24 ID:???
フィオナは頭上に飾られているアーサー・ロウランド伯爵の写真を呆然と眺め、言った。
「おとう……さん? このひとが?」
「そうだ」
「このひとが……」
(私に、福音をくれた人)
フィオナは思わず銀貨を握り締めた。
「そんな出来すぎた話あるもんか!」
その時、突然鋭く叫んだのはエリオットだった。そして写真を指差しながら言う。
「フィオナは今、ここにある絵の中で一番兄さん達に似た男の絵を選んだんだ」
「違うわ! 私は本当に……」
必死にフィオナは弁解するがエリオットは信じない。
「アイザックがヒゲを落としたら、もう誰だか解らなかったくせに! 銀貨の事も作り話なんだろ」
「でも嘘じゃないわ……本当に……私」
(他の男の子供。同僚の侍従)
冷たい言葉がぐるぐると心の中をまわり、フィオナは思わず声をつまらせる。
「私……っ」
それを見て、ヴィンセントが思わず頭をかいた。
「ん……、フィオナには銀貨一枚はその……大金だよ」
この館にやって来た時、フィオナは着古した服を身に付けていて、荷物といえば小箱一個だけだった。
「苦しい生活の中で使わずにいたのは思い出が……えーと、だから……うん。
俺は、銀貨をもらったって話を信じるよ」
そう言ってヴィンセントはフィオナに微笑んだ。
「俺、ロンドンで調べて来たんだ。五年前、セブンダイアルズで日中雪が降った日は二回。
そのうちの一回と同じ時期に、ロンドンの馴染みのホテルの宿泊帳に父さんとアルの名前があった」
「じゃあ……!!」
思わずフィオナは顔を輝かせる。
「だけどね、でも……ごめん……。こ、降雪記録の時刻と父さんの登院記録が…えと。
ゆ、雪が降った時間に父さんは議会に出席してたんだ。
フィオナに銀貨をくれたのは父さんじゃないと思う」
132Honey Rose:2005/08/09(火) 14:26:05 ID:???
ショックを受けるフィオナの肩に、後ろからロレンスが触れた。
「もし親父がお前のあの暮らしを知ってたらきっと、いや絶対に!
放ってはおかなかった!」
ロレンスは自ら、個人的にフィオナの事を調べていた。
セブンダイアルズの家でのフィオナの暮らし。とても貧しく、家族はフィオナに辛く当たっている。
ロレンスが見た時、フィオナは店の主に何回も殴られていた。
「……そうだろ? では何故だ? ローズが辞めたのは十六年前。
それきり親父はローズに会えなかった! 行方を知らなかった!」
「ロウ、よさないか」
ライナスが慌ててロレンスを止める。だがロレンスは更に言葉を続けた。
「ローズは元同僚の男を追ってロンドンへ! ふたりはまもなく結婚した。
さあ問題です! アーサー・ロウランドが手に入れ損ねた女、その娘。
汝を創りし片割れの、その男の名は!?」
ロレンスの言葉にフィオナは思いだす。母は、フィオナが生まれる前に父は
亡くなったのだと言っていた。ではアーサー伯はやはり父ではないのか。
「手に入らなかったのは体か? 心か?」
アルバートがロレンスの言葉にそう返した。そしてふふん、と鼻で笑う。
「あの親父の言葉を額面通りに受け取るなぞ、まだまだガキだな。ロウ」
その言葉にロレンスは怪訝そうな顔をする。構わずアルバートは続けた。
「ローズは自分だけを愛してくれる男と結婚しただけ。旦那は親父に惹かれたローズを愛して
持病であっけなく死んだ。親父は登院を口実に誰にも咎められず堂々とロンドン通いだ。
……あの日も、娘の顔見たさにこっそりセブンダイアルズに出かけたって訳さ」
「議会は!?」
その問いにもアルバートは、笑みを浮かべて答えた。
「親父は無口で地味だ。爺連中に黙ってりゃウィルと変わらん」
「そりゃあ…アリスはよく間違えてたけど……、ウィルが!?」
ヴィンセントが困惑しながら疑問を口にする。
すると兄の問いに今度はディックが自らの日記をぱらぱらめくりながら答えた。
133Honey Rose:2005/08/09(火) 14:27:05 ID:???
「僕の日記によるとウィリアム兄さんは父さんたちより二日早く
ロンドン入りしてますね。名目は自社の視察と」
「そりゃ……ええ? 何書いてんの」
あまりの詳しさにヴィンセントは目を見張った。
ディックの日記帳は異様に分厚い。十年日記と書いてある。
「だからって親父がこいつに会ったって証明にはならないぜ!」
だがロレンスはフィオナの肩をつかむと、そう言い張った。
「じゃ、改めて確認しよう」
そう言うとアルバートは、指をすっと二本立てた。
「通りすがりの紳士はふたり。フィオナが持っていたのは小麦二袋」
「紳士はひとりでは?」
思わずライナスは聞き返した。フィオナは紳士が二人いたなど一度も口にした事などない。
「やっぱりでたらめだ!」
エリオットがそう叫ぶ。だが当のフィオナは一瞬押し黙り、そして顔色を変えた。
「いいえ……、どうして!? 私誰にも……」
雪が積もって寒かったあの日、転んだ自分を助けてくれた紳士。彼には連れがいた。
なぜアルバートがその事を知っているのか。それは……。
「その連れの男が俺だからさ」
「三文芝居だ! 死んだ後でならなんとでも言える。俺は信じないぜ!」
ロレンスはアルバートの言葉にも、認めないと叫んだ。
ふとその時エリオットが隣のヴィンセントを見た。コートのポケットに何か入っている。
「!?」
突然ポケットの中に手を入れられて驚くヴィンセント。
ごそごそとエリオットはポケットを探ると中から一通の封筒を取り出した。
「何だこれ!ひきだしに入ってたやつ!?」
「ダメだよ!これは」
慌ててヴィンセントが取り返そうとするがエリオットは構わずその宛名を読みあげる。
「ローズ・ロザリンド宛?」
「あ、えと…開いたんだ…。な、中にその一通だけ」
134Honey Rose:2005/08/09(火) 14:27:54 ID:???
「あっ!」
エリオットは横からロレンスに封筒を奪われ、思わず声をあげた。
ロレンスは封筒の中から手紙を取り出すと、その字を読んで呟いた。
「………親父の字だ」
「日付は十四年前ですね」
ディックがそれを確認する。
「ちょっ……何、勝手に他人の手紙を」
「前の手紙で送金を断られたようです。未亡人になったローズの生活の心配と……」
「ディック!?」
ヴィンセントの非難の声にも構わず手紙を読み進めるディック。
エリオットが続きを早く読め、とせかす。
「………口説いてます。要点は……ここかな」

『今すぐにでも、どうか私を頼って欲しい。私達の娘と君を館に迎えたい。』

「!!」
その一文にフィオナは思わず目に涙を浮かべた。本当に自分はアーサー・ロウランドの
娘だったのだ、と嬉しさがこみあげる。
「末の三人とも、母親達が手放したがらなくて引き取れなかったんだが
子供が成長すれば事情も変わる。親父の葬儀をきっかけに、俺が交渉しなおした」
アルバートの言葉に涙ぐむフィオナをライナスが抱き寄せた。そして慈しむような優しい目でフィオナを見つめた。
「私、私は、本当にお父さんの子供で、お兄さん達の本当の妹で」
「始めからそう教えているでしょ」
必死にそう確認してくるフィオナに、ライナスはそう言って答えた。
「だってお父さんが私に会いに来てくれてたなんて。こんなの嘘みたいで。
今でも本当は何だか信じられなくて……」
フィオナは思わず目をつむって嬉しさをかみしめる。
その彼女の頬をライナスとアルバートが両側から思い切りつねった。
「痛い、痛い、痛い!」
135Honey Rose:2005/08/09(火) 14:28:46 ID:???
フィオナはびりびり痛む頬を押さえた。そんな彼女の顔にアルバートが笑いながら
ちょん、と触れ彼女に聞いた。
「目は醒めたか? ん?」
その言葉にフィオナも笑い、こくんと頷いた。
「さて、初めての正餐会で二十分もの遅刻。大変なマナー違反だ。客は空腹で印象は最悪」
アルバートがそう声を張り上げる。フィオナは思わず息をのんだ。そう、正餐会はまだ始まってもいなかったのだ。
「だが安心しろ! 心優しいロレンス君が舞台経験を活かしてお膳立てをしてくれる」
「な! ふざけんな、何で俺が!?」
名指しで指名されたロレンスは思わず眉を上げて叫んだ。
だがアルバートはそんな彼にぴしゃりと言い放つ。
「三ヶ月前、地下劇場が焼けたそうだな?」
その言葉にロレンスの頬がぴくりと動いた。
「伯母上にいくら積まれたか知らんが未遂で幸いだ。うやむやにできると思うなよ? 全額突き返せ!」
それを聞いて、フィオナの肩を抱いていたライナスの顔色が変わる。
「……金なら再建費に注ぎ込んじまった。一セントだって残っ…」
「ロレンス!」
思わずアルバートから目をそらしたロレンスの名を、ライナスが低い声で呼んだ。
「てめえ! あんな婆ァに手を貸して恥を知れ!!」
ライナスはロレンスの胸倉を掴み上げると、ドスのきいた声でそう叫んだ。
「かっ、母さんの事知ってりゃ耳を貸さなかったさ!
俺だって家の事は考えたし、兄ちゃんに心配かけたくなかっ」
冷や汗をかきながら必死に弁明するロレンスだったが、ライナスはそんな弟の頭を勢い良く殴りつけた。
「痛えっ!?」
ガギン、とすごい音がした。思わずヴィンセントがうわ、と呟きフィオナの目を隠す。
「わ、解ったよ。やるよ……悪かったよ……」
もう一発殴られたいか、と言わんばかりのライナスに睨まれて、ロレンスが涙目になってそう言った。
「ようし! じゃ……」
「嘘だ!!」
アルバートの呼びかけに、それをさえぎるようにしてエリオットが叫んだ。
136Honey Rose:2005/08/09(火) 14:31:07 ID:???
「……エリオット?」
ディックが名前を呼ぶが、エリオットは答えない。思いつめた顔をしてうつむいていた。
「父さんは……結婚の口実が欲しかったんだ。ママの持参金が目当てだったんだ。
子供なんか、本当は欲しくなかったんだ!」
エリオットの言葉にディックは困ったような微笑を浮かべ、そして彼に本当の事を伝えた。
「……父さんは医者だったんだよ」
その言葉が意味するところは。
「正しい避妊の知識もあって、むしろ望んで、その……、意図的に……」
そこまで言うとディックは顔を赤らめて口ごもってしまった。
そしてアルバートがディックの言葉を引き継ぐ。
「財産や女だけが目当てなら。子供を愛せないなら。子供は寄宿学校へ
厄介払いするだろう。でも親父は結婚は望まずに子供を引き取りたがった。
親父が欲しかったのは財産よりも女よりも、自分の子供だったのさ」
アーサー・ロウランド伯爵の写真が兄弟たちを見つめている。
エリオットは父の写真を眺め、そしておもむろに異母兄に尋ねた。
「……ほんとに?」
「本当だ」
その答えに、エリオットの顔の表情が変わった。頬が赤くなり、目がうるむ。
泣き出しそうな彼の顔を見て、フィオナはようやくエリオットの真実を知った気がした。
だが突然エリオットの顔がくもる。そしてぽつりと呟いた。
「……けど今さらだめだ。僕、何も準備してこなかった……。認められっこないや」
そう言ってエリオットはうなだれる。フィオナはそんな彼の前に進み出て、笑いかけながら言った。
「一緒に歌おう。私よりずっと上手だもの。きっと褒めてもらえるわ」
その言葉に、思わずエリオットはフィオナの顔を見上げた。
食堂に兄弟達が皆集まって、ようやく正餐会が始まった。
「待ちくたびれたわアルバート! お前ときたらいくつになれば、その遅刻癖を治せるの?」
親類の一人がそう声をかける。そして別の一人が空いた席を見て言った。
「あら、モルゴースは欠席かしら? しようのない子ね……」
そしていよいよ三人のお披露目が始まった。
137Honey Rose:2005/08/09(火) 14:31:47 ID:???
まずトーマスが舞台となっている壇上に立ち、ドイツ語の詩を朗読する。
無事朗読し終えると、客席から沢山の拍手がなった。その拍手の中、舞台の裏側で
ロレンスが、緊張で体をこわばらせているフィオナとエリオットを振り返った。
「何故正餐会に出席させたくなかったか解るか? あの婆さん連中はお前らみたいな
田舎臭いガキが大好きだからだ。胸クソ悪い…。客を待たせるな早く行け!」
壇上ではもうルイスとイアンがピアノの前で用意を済ませていた。
ふと、フィオナは隣のエリオットを見た。すると彼は顔を青くして震えていた。
フィオナも同じくらい不安だったが、必死に笑顔を作りエリオットの手を握る。
「たった三分頑張ればいいのよ。独りじゃ難しいけど、ふたりで助け合えば簡単な事よ」
(意地悪で憎らしい時もあるけど私はエリオットを嫌いになれない)
フィオナはそう、思った。そして微笑みながらエリオットに言う。
「一生懸命やればどんな結果でも受け入れられるわ。ねっ」
彼女の笑顔にエリオットもまた、緊張でこわばりながらも心のこもった笑みを返した。
(私達は、兄妹だから)
エリオットがフィオナの手を引いて、舞台に上がる。
そして、人々の拍手が――
「暇を出したマージは伯母様の入院先に居るようです。アニーは行方が知れません。
当分ロンドンにも戻らないでしょう」
正餐会が無事終わったその後、ライナスはアルバートの部屋でそう報告していた。
アルバートは新聞を読みながらそれを聞いている。
同じ部屋でウィリアムが窓から、外の庭を見つめていた。
そこではトーマスが手に園芸道具を持って歩いている。談笑しているその相手は、フィオナだった。
ロウランドで飼っている犬が二人を追いかけてじゃれついてくる。するとフィオナが嬉しそうに
犬の頭をなでた。トーマスがそれを見て楽しそうに笑う。
「……満足したか?」
アルバートの言葉にウィリアムは昔を思い出した。
あの日、白い冬の中にあったロンドンでの事を。
138Honey Rose:2005/08/09(火) 14:32:21 ID:???
―― ローズ・ロザリンドはセブンダイアルズにいるらしい。
ホテルで記帳しながらアルバートがウィリアムにそう告げた。
―― 彼女は五年前に消息を絶ったと伺いましたが。父さんはご存知なんですか?
ウィリアムがそう尋ねるとアルバートはいや、と首を振った。
―― 夕べの娼婦が引っ越し先を知っていたんだ。冷やかしに行こうぜ。
そう、アルバートは言ったのだ。
「兄さん」
呼ばれてウィリアムは現実へと心を戻した。庭の方からディックが自分を呼んでいる。
「お茶の葉を見て欲しいんですけど」
下に行くため出て行ったウィリアムと入れ違いに、今度はヴィンセントが部屋の中に入ってきた。
「あ……、えと。用って何?」
「出せ」
アルバートはただそれだけ言った。
「? ああ……、アニーが残したメモ……フィオナに投与してた薬の処方箋だったんだ。
成分は解ったし、もうディックが……」
そう言うヴィンセントにアルバートは、彼を一言で呼ばわった。
「ヴィーニー」
「な、何!?」
意味が解らずヴィンセントは聞きかえす。
「初めに箱を開いたのはお前だ。お前なら朝飯前だよな」
「何……え? 鍵の事?」
ライナスは何の話かと不思議そうにその会話を聞いている。
するとアルバートはヴィンセントのネクタイを掴んで引き寄せ、はっきりと言った。
「『本物』を出せ」
庭ではディックがウィリアムを待ちながらも、アイザックに教育的指導を下していた。
アイザックの持っている酒瓶を全て没収し、中身を捨ててしまっていたのだ。
ショックのあまりアイザックは震えている。
「煙草も処分しますから出してください。ほら早く!」
腰に手を当ててそう言うディックにアイザックが掴みかかる。
わーわーと、取っ組み合いの喧嘩をしている二人を物珍しげにエリオットが眺めていた。
139Honey Rose:2005/08/09(火) 14:34:43 ID:???
その脇をトーマスとフィオナが笑いながら通りかかる。
扉の所にウィリアムが出てくると、トーマスが彼の姿を見つけて嬉しそうに報告してきた。
「ふたりで春の苗を植えたんです。フィオナは苗の扱いが上手なんだ」
トーマスに褒められて、フィオナは照れてもじもじとしていた。
「トム! フィオナ! 早く着替えてこないとお前たちの分食べちゃうからな!」
二人の姿を見てエリオットが叫んだ。テーブルの上には午後のお茶の支度が
できていたが、エリオットは二人を待っていたのだ。
「すぐ戻るよ、待ってて!」
「あ……」
まずトーマスが、それを追いかけるようにフィオナが駆け出す。
だが、フィオナは扉の前の敷石に足を滑らして転んでしまった。しかも、ぼてっと胸から
突っ込む形で倒れこんでしまった。恥ずかしさに顔を赤らめるフィオナ。
立ち上がろうと身を起こすが顔をあげられない。
その姿にウィリアムは娘の在りし日の姿を思い起こしていた。
小さなアリス。転んでしまって泣き出しそうになっているアリス。ウィリアムは手を伸ばした。
掴まりなさい、と言うようにフィオナの前に手を差し伸べる。フィオナは差し伸べられた手に驚いた。
頬を真っ赤にしながらウィリアムの顔を見上げる。そして掴まろうとおずおずと手をだすが、ふと自分の手が
土だらけなのに気づいてしまった。こんな手じゃ……。フィオナは手をぱっと後ろに隠した。
だがウィリアムは、フィオナの隠した手をそっと握る。そしてフィオナを引っ張りながら立ち上がらせた。
その瞬間、フィオナの頭の中に見知った映像が浮かんだ。降り積もる雪。突然感じた妙な既視感。
ぱん、とフィオナのスカートについた土を払うウィリアム。
(あの日)
ぱん、と幼いフィオナのスカートについた雪を払う紳士。
(あれは)
間近で見た、紳士の顔。
「お父さんじゃない……」
(あれは)
思わずウィリアムの顔をまじまじと見つめるフィオナ。
140Honey Rose:2005/08/09(火) 14:37:12 ID:???
「どうして嘘をついたの?」
その言葉にウィリアムは思わず顔色を変えた。フィオナは窺うように彼の顔を見て、そして眉をひそめた。
そしてきびすを返すとウィリアムの傍を離れ、どこかへと駆け出していく。
フィオナが向かったのはアルバートの部屋だった。
息を切らして扉を開けると、アルバートにライナス、ヴィンセントたちが驚いたようにフィオナを見つめた。
机の上には皿が置かれ、その中で数枚の紙が燃えていた。部屋に飛び込み、その紙を引っ掴むフィオナ。
「!? あっ!」
そしてフィオナはそれを、見た。
「こらっ!!」
アルバートはすぐさまフィオナからそれを奪い返した。
「熱っ……、危ないだろう! 火傷したんじゃないのかね」
その言葉にも答えずフィオナは空ろな目で燃えていく紙を見つめていた。
「何故燃やすの」
炎を瞳に映しながらそう問うフィオナ。
ヴィンセントもライナスも、かける言葉を見つけられずにいる。
「ただの…俺の書き損じだ……」
アルバートはそう言って、笑顔を作った。ふらふらと扉の方へと戻り、そのまま駆け出て行くフィオナ。
フィオナを追いかけてきたウィリアムが扉の所でアルバートに言った。
「気づかれました」
火傷になった指を見て、ため息をつきながらアルバートが言葉を返す。
「大丈夫だ。あの子はまだ文章を……」
「読めますよ」
だが、彼が最後まで言う前にライナスがそれを伝えた。
フィオナはもう文章を読める。なぜなら……。
「あなたが、手紙をくれと書いたから。だから……!」
ライナスはやり切れない気持ちを抱えて言った。
フィオナは暗い廊下を自分の部屋へ駆けていく。ただ、一人で泣きたかった。
たった独りになって思う存分泣きたかった。

『今すぐにでも、どうか私を頼って欲しい』

燃えていく紙。手紙。おとうさんの手紙。
141Honey Rose:2005/08/09(火) 14:38:12 ID:???
『彼が残した大切な娘と君を、家族同様に迎えたい。
フィオナと私の間に、血の繋がりは無くとも』

(きょうだいじゃ なかった)

フィオナは絶叫した。あまりにも、あまりにも残酷な事実を前にして。
「フィオナ」
泣き疲れて横になったフィオナの耳にヴィンセントの声が届いた。
部屋の戸を叩きながらヴィンセントがフィオナを呼んでいる。
「フィオナ……」
「フィオナ? 明日ゆっくり話そう。いいね?」
ヴィンセントの後ろから、ライナスもまたフィオナにそう語りかけた。
フィオナはそれを、ひしゃげた銀貨を握りながら聞いていた。
扉の前から立ち去った二人の気配。フィオナは落ち着くと、黙って荷物をまとめ始めた。
ベッドに寄りかかりながら座り、綺麗な、真ん丸い満月をぼうっと見つめてフィオナは思った。
(すぎた場所でした。何もかもが夢のよう。まるでおとぎ話)
次の日、フィオナの部屋には誰もいなくなっていた。彼女の机にただ、書き置きと銀貨だけが残されていた。
それを見つめるアルバートとウィリアム。ライナスは頭を抱えてソファに座り込んでしまっていた。
「兄弟全員をここへ呼べ」
アルバートはそう、ウィリアムへと言った。
残された書き置きには、たどたどしくこう書かれていた。

『ご親切と思い出は一生忘れません。
 銀貨をお返しします。  ふぃおな』

馬車がロウランド領内の路を通っていく。その馬車の中でアルバートはライナスや
ヴィンセント達の前でぽつりと語った。
五年前のあの日、あの店先で、フィオナの姿を見て生活が苦しいのはすぐに解った。
142Honey Rose:2005/08/09(火) 14:57:24 ID:???
「……アリスが死んだ後だった。俺たちは同じ事を考えた。
ローズが死んだと知っていれば連れ帰っただろうが」
ローズ・ロザリンドは夫を亡くした直後、援助を申し出たアーサー・ロウランド伯爵の前で
それを、毅然たる態度で断った。そして彼に心配をかけまいと、気丈にふるまっていた彼女のあの笑顔。
それがアルバートの頭からずっと離れなかったのだ。
(親父には知らせない方がいい。彼女から助けを求めない限り部外者の俺達が口を挟む問題じゃない)
雪の中、銀貨を握り締める小さなフィオナを見ながらも、アルバートとウィリアムはその時はそう思ったのだ。
「過ぎた事を今悔やんでもせんないが、言うべきだったのかもしれん」
父は死んだ。ローズも死んだ。だが、フィオナは生きている。
(己の価値を忘れた娘に。孤独な養父と孤児のローズが焦がれ続けた血の絆を)
「養女じゃなく、実子としてひきとりたかったんだ」
雪の中、セブンダイアルズのとある店の前でフィオナは立ち尽くしていた。
「やっぱりここにいたんだね……」
彼女の後ろ姿にライナスが声をかける。
「……おかみさん達はどこに行ったの? あのお店にいるのは誰?」
フィオナはそう言うが、店主達家族は何も変わっていない。一つ変わったのは
こき使われている子供がフィオナではなく、誰か別の少年だったという事だった。
「店も店主も君が出た時のままだよ。ほら、お嬢さんだ」
ライナスはそう言うが、フィオナは怪訝な顔でそれを見つめる。
「……知らない…だれ……?」
あの時、あれだけ家族の絆を欲していた者たちを前にしても、フィオナの心は少しも懐かしさを感じなかった。
ライナスはフィオナの前に来ると、彼女の前でしゃがみこんだ。
そしてフィオナと目線を合わせて言った。
「私がロウランドに引き取られたのは、君より少し若い頃。母が死んでからだ。
私達はずっと、父以外の男の子供ではないかと疑われていた」
ライナスは物陰から幼いロレンスと共に、言い争う伯母と父の会話を聞いていた。
「伯母がそれを責めた時、父さんはこう答えたんだ」
――愛した女性の子供であればそれだけで愛おしい、忘れ形見であるならなおのこと。
その子らの幸せを願うのは自己満足でしょうか、と。
143Honey Rose:2005/08/09(火) 14:58:34 ID:???
ライナスはそう言うと、フィオナの肩を掴んでぐるりと一回転させた。
「こら! 家出娘、無断外泊の罪は重いぞ!」
フィオナの目線の先で、そう言ったのはアルバートだった。その傍らにはウィリアムがいる。
そしてアルバートはフィオナの所へやって来ると、こう尋ねた。
「なあ、十二人も兄がいるのは嫌か? この二ヶ月間、逃げ出したいほど辛い事ばかりだったか?」
舞い散る雪を見ながら少し遠い目をしてアルバートは微笑む。
「ま、確かに。お前に都合の良い事ばかりじゃ無いわな。ひとりで気ままに
生きていきたいのなら止めはせんよ。それがお前の心からの選択なら」
彼の言葉をフィオナはスカートを握り締めながら聞いていた。
「あまりしつこくくいさがって、可愛いフィオナに嫌われたくない。
一回だけ尋ねるからよく考えて答えてくれるか。どっちがいい?
ひとりがいいか? 俺達の兄妹になるか?」
そこにはアルバートがいる。ウィリアムがいる。ライナスがいる。
フィオナは思わずうつむいた。するとウィリアムが進み出てフィオナの手を取った。
一瞬びくっ、として身を引いたフィオナだったが、ウィリアムは黙ってその手に何かをかぶせる。
フィオナはそれをこわごわと見つめた。
あの日、雪の日。銀貨をくれた紳士の姿。
――手袋を買いなさい。
ウィリアムがフィオナの手にかぶせたのは白い手袋だった。
両手にはめた手袋を見て目を見開くフィオナ。
「フィオナは……、俺達のこと好きじゃないか?」
アルバートがそう聞いてきた。
144Honey Rose:2005/08/09(火) 14:59:59 ID:???
「フィオナ!」
雪の向こうに何台も馬車が止まっている。フィオナの名を呼んだのはトーマスだった。
フィオナのコートを持って、手を振っている。
馬車の中には、グレゴリーの姿もある。ルイスにイアンも来ていた。
ヴィンセントが傘を持って、ディックと一緒に心配そうに見つめている。
エリオットが顔を赤くしてトーマスに何事か話し掛けていた。
そして、セブンダイアルズの裏道で隠れて様子を見ていたロレンスを
アイザックが引きずり出していた。
兄さん達、十二人の兄さん達。フィオナは目頭が熱くなってくるのを感じた。
「俺達と一緒にいるのは嫌か?」
アルバートの言葉。必死にこらえたものがつかえて、言葉がでない。
「…………や」
フィオナの兄達がそろって彼女の言葉を待っていた。そしてフィオナは口を開いた。
「もう、ひとりなんかやだ。兄妹がいい」
その瞳から大粒の涙がこぼれだす。顔をくしゃくしゃにしながらそう言った。
かぶっていた帽子も落としてしまって、泣き出すフィオナ。
そんなフィオナを前にしてアルバートが頭をかいていた。
これは俺が泣かした事になるのかとうろたえている。
泣いているフィオナを前にライナスが血相をかえ、アルバートを押しのけるようにして
フィオナの傍にやってきた。
真っ白な雪が、フィオナと彼女の兄達の周りにとめどなく降り続けていた。
145Honey Rose:2005/08/09(火) 15:03:37 ID:???
〜 エピローグ 〜
今は亡き、アーサー・ロウランド伯爵の館には、彼の十三人の子供達が暮らしている。
そしてここには、十三番目のフィオナ・ロザリンドの母へとアーサーが送った手紙が残されている。

『親愛なるローズ。遠く離れた今でも、君が私を兄のようだと慕ってくれるのが嬉しい』

館の正門玄関に馬車が止まる。その中にいるグレゴリーやライナス、アイザックにディックたち。
彼らの目には、玄関から続く階段を軽やかに駆け下りてくるフィオナが見える。
「お兄ちゃん! お帰りなさい、お帰りなさい、お帰りなさい!」
満面の笑顔で兄達を迎えるフィオナ。グレゴリーは相変わらずの不機嫌顔だが
それは別にフィオナの事が嫌いなのではない。今ではフィオナもそれを良くわかっていた。
そしてフィオナはライナスの手を取ると、温室へと駆けていく。

『今年もあの温室で、君の髪と同じ色のばらが咲く』

温室では、フィオナの母が大好きな薔薇が咲き誇っていた。
それを指差しながら嬉しそうに笑うフィオナ。
「はちみつ色!」
フィオナは笑いながら言った。咲いた薔薇は、彼女の髪と同じ色だった。

『いつか、君の可愛い娘をつれておいで』

温室の中では兄弟たちが皆集まって、思い思いに過ごしている。そんな兄達に甘えるフィオナ。
温室の中にはやわらかい光が満ち満ちていた。

『君達の幸せを心から願っている。館より、愛をこめて。
アーサー・ロウランド』

―― 『Honey Rose』 完。
146Honey Rose:2005/08/09(火) 15:07:52 ID:???
これではにろの話は全部おしまいです。
アニーとかロレンスが、フィオナはローズの子供だから認められないと言い張った理由とか
アニーがどうなったか、とか色々謎はあるのですが、特に作中では明かされてません…。
(ローズうんぬんは推測はできますが)

この後は過去編『Under The Rose』に続きます。この下は既出ですが一応。
◆冬の物語
五男、ライナス・キングの少年時代。まとめサイトに書かれています。

◆春の賛歌
次男、ウィリアム・ロウランドの少年時代。物語はロウランド家にやってきた家庭教師(ガヴァネス)、
レイチェル・ブレナンの目を通したものを中心に描かれます。

◆マーガレットさん
ヴィンセントとディックの母親、マーガレット・スタンリーの少女時代。
おまけ漫画なので超!短いですがラブコメ満載で、はにろとかあんだろ本編とはかなりノリが違います。

◆ライナスくん
これもおまけ漫画らしいですが現物見た事ないです。

あと未解決リストから『なんて素敵にジャパネスク』予約します。
147マロン名無しさん:2005/08/09(火) 16:21:42 ID:???
はにろ乙!ありがとう
フィオナの髪は本当ははちみつ色だったんですか?
148マロン名無しさん:2005/08/09(火) 16:45:45 ID:???
エリオットは『灰色』て言ってるけど
カラー(昔コミケで配ってた袋)とか見ると
何となくハニーイエローと言えなくもないって所。
149マロン名無しさん:2005/08/09(火) 17:04:21 ID:kNxSzL6D
はにろ乙!
詳しくて本当に面白かった。
ありがとう!
150マロン名無しさん:2005/08/09(火) 17:27:32 ID:???
はにろ超乙。
ブロス休刊のどさくさで最終話だけ見れなかったんだ。
本当にどうもありがとう。
151マロン名無しさん:2005/08/09(火) 17:29:07 ID:???
はにろ乙!
最後の方のフィオナめちゃくちゃ可愛かった。
面白かったー
152マロン名無しさん:2005/08/09(火) 18:01:19 ID:D6XAXbDz
BASARA教えて
153マロン名無しさん:2005/08/09(火) 18:46:03 ID:???
はにろ8話でライナスが泣くところ、脱脂綿持たずにマジ泣きですよね?ww
154マロン名無しさん:2005/08/09(火) 20:12:26 ID:???
はにろ乙でした。
毎回衝撃の内容で最終回は思わず涙してしまいました。
長年の心のつかえがとれたよう、ありがとう!

ライナスくんはアルバートがライナスを遊びに連れ出して云々って内容だった様な。
155マロン名無しさん:2005/08/09(火) 21:09:12 ID:???
どなたか弐瓶勉さんの
「ネットスフィアエンジニア」
「ABARA」
「ブラム学園」をお願いしますヽ(;´Д`)ノ
156マロン名無しさん:2005/08/09(火) 21:14:33 ID:???
はにろ乙です。
途中から雑誌立ち読み(単行本が出ると信じてた)だったので、補完させて頂きました。

>154
ライナスくんは今2話出てるんだっけ?
寄宿学校で伯爵から手紙を貰う話と、154さんの話。
157マロン名無しさん:2005/08/09(火) 21:39:55 ID:???
はにろリクしたものです。
ありがとうございました。最後思わず泣きました。
現物がとても読みたくなってきた。
158マロン名無しさん:2005/08/09(火) 23:35:13 ID:???
はにろ乙です
文章上手くて面白かったよ
159マロン名無しさん:2005/08/10(水) 00:14:42 ID:???
はにろ乙です。面白かったです〜

あとうろ覚えちっくですが、
「ライナスくん」の寄宿学校編投下してもよろしいでしょうか?
アルバートとお出かけ編はもっとアバウトにしか覚えていないので・・・。
160少年怪奇シリーズ:2005/08/10(水) 01:30:39 ID:???
●隣の町で死んだひと
受かるはずの有名私立中学の受験に失敗した戸倉坂拓考(コクラザカ ヒロタカ)と、
双子の弟がその中学に合格したという落柿キタ(ラクシ)は公立中学で同じクラスになる。
戸倉坂は無愛想で口調がきつく、いつも読書(ポスタルガイドや漬物図鑑など妙な本)ばかりで
クラスから浮いた存在。
それに対し落柿は茶髪にピアス、明るく人気者のラーメン屋を夢見る少年。
共通点皆無の二人だが、楽柿は戸倉坂の読んでいる本の奇抜さから彼に対して興味を持ち
なぜか戸倉坂もしばしば楽柿のことを観察しているのだった。
ある日偶然校外で戸倉坂に出会った楽柿は、何故自分が彼に興味を持っているのかを話す。
すると戸倉坂は「『隣の町で死んだひと』ってなんだかわかるか?」と尋ねて店を出て行った。
その後彼は帰り道で妙な中年の男に
「出席をとります。出席番号10番 戸倉坂拓くん。返事は?」と尋ねられる。
名前が間違っていたため戸倉坂が返事しないでいると男はいきなり激昂し、戸倉坂の首を締めだした。
しかしそこで戸倉坂を追いかけて来た楽柿が助けに入る。
戸倉坂が「楽柿」と呼ぶのを聞いて男は「君はまだだ・・・39番だよ。」と言い、
戸倉坂に再び返事を促す。
戸倉坂が返事をするとオヤジは何事も無かったように去っていった。
彼らの街では最近このような出席を取る通り魔による事件が多発していたのだった。
161少年怪奇シリーズ:2005/08/10(水) 01:31:36 ID:???
●隣の町で死んだ人(続き)
戸倉坂は犯人が自分の名前を間違えていた事を手掛かりに
犯人は塾のチラシなどから成績優秀者の名前を「あ」から順に
一人ずつ選び出席をとっていること、楽柿は成績優秀な弟と間違えられている事を推理する。
彼の予想通り犯人は再び楽柿の前に姿を現した。
楽柿は素直に返事をするも彼の茶髪ピアスに激怒し襲い掛かってくる。
しかし場所が学校だったので犯人は無事逮捕された。
事件後戸倉坂は『隣の町で死んだひと』は今は亡き従兄弟が書いた小説だという事を楽柿に教える。
ひたすら勉強ばかりしていた戸倉坂はその小説に感動し、彼のような小説を書くには
学校で習うことだけではなく幅広い知識が必要だと考え
あらゆる本に手を出し(その結果受験失敗)、また楽柿がその従兄弟と似たところがあるから
しょっちゅう観察していたのだと言う。
楽柿は頭がいいのに行動が極端すぎる戸倉坂に親しみを覚え、晴れて二人は友達になったのだった。
162少年怪奇シリーズ:2005/08/10(水) 01:32:52 ID:???
●怪談六話
都古(ミヤコ♀)と忍(♂)は従兄弟であり、小さな頃からの友達だった。
忍に固い友情を求める都古は幼い頃、丘の上の城跡公園に伝わる
『友達同士で夜公園に行くと6つの怪談が見える』という呪いによって自分達の友情を証明しようとし
実際幼い二人は、公園でいまだ彷徨い続ける武士や農民など6つの霊を目撃する。
その後二人は中学生になり、何となく肉体関係を持ちながらも依然都古は忍に対して友情を求めていた。
しかし忍以外の友達がいない都古に比べ、周囲と上手くやっている忍は、昔と態度が変わり
このままではいつか自分から離れてしまうのではないかと感じた都古は、公園の呪いを思い出す。
あの呪いには続きがあり、『6つの怪談を見た二人は城主の呪いによっていつか殺し合う。
呪いを解くには城主の霊を見つけるしかない』というもので、これを7つ目の怪談といった。
7つ目の霊を見つける事により、もう一度友情を確認しようとした都古だったが
忍は乗り気ではない。その時都古は不注意で学校の屋上から転落してしまう。
意識不明の重体となった都古にどうする事もできない忍は、あの公園に向かう。
忍が公園に着くと、そこに幼い頃の姿をした都古(幽体)が現れ二人は再び夜の公園を歩き回る。
しかし結局7つ目の霊どころか1つも霊に会う事は出来なかった。
幼い姿の都古は涙を流しながら「あたしと忍ちゃんって今友達かな?」と尋ねる。
長い長い時間をかけて忍が「・・・わかんねー」とだけ答えると、それを聞いた都古は
忍の自分への思いが友情だけではないこと、そして自分の忍への思いも
友情だけではないことに気付き「うん、あたしも」と答えたのだった。

その後都古は無事目を覚まし、そんな彼女に忍は「7番目の怪談は生霊に会うこと」だと説明する。
二人の顔にはどこかさっぱりとした笑顔が浮かんでいた。
163マロン名無しさん:2005/08/10(水) 07:57:52 ID:???
>>159はにろライナスくん寄宿学校編
投下待ってます。読みたいです。
アルバートとお出掛け編も誰か知ってる人が
投下してくれるといいんだが。
164マロン名無しさん:2005/08/10(水) 12:05:29 ID:???
いちご、ありがとうございました。
別スレで、くっつくと思ったほうとくっつかなくてひどい終わり方だったとあったので、
どんな話かきになって。
165はにろ投下者:2005/08/10(水) 20:08:42 ID:???
少年怪奇シリーズ乙!
微妙に気になってた漫画なので見れて嬉しい。

はにろ、このスレの皆さんに喜んでもらえて良かったです。
リク主さんにも読んでもらえたし。

>>147
フィオナの髪の色は>>148さんも仰ってますが何となくはちみつ色と言えなくもない感じ。
正直に言うと話の展開上ああ書きました…orz (カラー少なくて良く分からんです…)
でもエリオットの「(ばらの花の色は)おまえの髪みたいな色だ」とか言う台詞が
伏線になってんのかな〜と思ってたので。タイトルも『Honey Rose』なので多分。

>>153
マジ泣きですwww でも目を押さえて泣く時のポーズが少年時代の時と微妙に似てるのが何とも…(´Д`;)
言動は別人だけどちゃんと同一人物だな〜とこの漫画の作者の芸の細かさ感じます。

>>159
「ライナスくん」投下ぜひとも! 内容知りたいです。

今度は『なんて素敵にジャパネスク』投下
166なんて素敵にジャパネスク:2005/08/10(水) 20:12:25 ID:???
時は平安。今をときめく名門大納言家の瑠璃姫は、年の頃十六と結婚適齢期。
にも関わらず、当の瑠璃姫は届けられる文にもろくに返事もしないので求婚の話も一つ減り、二つ減り。
よもや大納言家の姫は身体に欠陥でもあるのかと噂される始末だ。
このままでは婿も取れん、と瑠璃の父は頭を抱えるばかり。
毎日のように瑠璃の部屋にやって来てはやれ結婚を考えろ、婿を取れ、と小言を言ってしまう。
当の瑠璃も毎日の事にうんざりとしながらも、ついつい売り言葉に買い言葉で叫んでしまうのだった。
「あたしは一生独身で通すんだからーーーっ!」
だが瑠璃が結婚しない、と言い張るにも理由があった。
世の男達ときたら何人もの妻を抱えて平気な顔。
瑠璃の父だってそうだ。瑠璃の母が亡くなって一年も経たずに今の母を邸に連れてきた。
その母だって、父の女遊びは悩みの種だ。男なんてみんな浮気者。
そう非難する瑠璃に、弟の融(とおる)がおずおずと言った。
「でも姉さん、父上の遊び好きと言ったって、世間じゃ普通の話だよ」
「融!! あんたまでそんな事言うなんて姉さん思っても見なかったわっ!」
手元にあったものを投げつけ弟を黙らせると、瑠璃はこう言って嘆いた。
「やっぱり男なんて女を人間として見てないんだわ。きっと吉野君のような人はもういないのよ!」
吉野君(よしののきみ)、というのは瑠璃の初恋の男の子だ。
その昔、瑠璃は病で伏せた母の代わりに、母の実家の吉野で祖母に十の年まで育てられていた。
そこで出会ったのが吉野君だった。とても綺麗な顔をした、優しい男の子で瑠璃と吉野君は
毎日のように、花摘み駆けっこかくれんぼ、と一日中一緒に遊んでいた。
祖母の話では彼はさる高貴な方のご落胤という事らしく、母の身分が低く認知もされないため
この、吉野の里に逃れてきたという事だった。吉野君自身も、父の名に関わるので
自分の名前は明かせない、と言っていたため、瑠璃は今でも彼の本名を知らない。
167なんて素敵にジャパネスク:2005/08/10(水) 20:13:58 ID:???
だがある日、彼は瑠璃にこう言ったのだ。
「瑠璃姫……。やがてわたしが父上に認められ、都に呼ばれ官位を授かったら
お迎えに行ってもいいですか?」
幼い瑠璃は良くわからないながらも、なんだかとても嬉しくて笑顔でうなずいた。
「では……あの、お約束に接吻を……しても…」
真っ赤になりながらそう言った吉野君の言葉に幼い瑠璃はうんいいよ、とにこにこ笑って手を差し出した。
接吻の意味がわからなかったのだ。だがそんな瑠璃に吉野君は微笑み、足もとにあった
菫の花を摘んでそれを彼女に差し出したのだった。
(ああっ!なんて純情可憐な初恋の日々よ!)
瑠璃はしばらく美しい思い出に浸っていたが、それが長くは続かなかった事も思い出してしまった。
幼い瑠璃の元に、京の都で母が亡くなったとの知らせが届いた。瑠璃の祖母は心痛のあまり
今度は自分が寝付いてしまった。そして心細がり瑠璃を片時も傍から離さない。
瑠璃が何とか暇を見つけて吉野君に会いに行ってみれば、なんと彼はその前日に流行病で亡くなったという。
傷心さめやらぬ二月後、今度は祖母までもが帰らぬ人となったのだった。
そして泣く泣く京の都に帰ってきた瑠璃を迎えたのは。
「新しい母上だよ、瑠璃」
「よろしくね、瑠璃さん」
(か、母さまが亡くなって一年も経ってないのに!? ああ、人間てなんてムナシイ……)
男なんて薄情でアテにならぬもの。こんな思いをするくらいなら一生結婚なんてしない!
幼い瑠璃はそう心に誓った。彼女はわずか十歳にして人生を悟ってしまったのだった。
だが彼女の悟りをよそに、父は瑠璃をなんとか結婚させようと躍起になっていた。
そんな折、瑠璃の父が主催する管弦の宴が大納言邸で開かれた。出る事をしぶっていた
瑠璃だったが父にむりやり引っ張り出され、十二単の正装で宴の席についていた。
その宴の席では、妙に瑠璃に話し掛けてくる権少将(ごんのしょうしょう)という男がいた。
話を聞いてみればなんと、その男は以前吉野へと権少将の父と共に、母の違う弟に会いに行った事があるという。
瑠璃の父も、権少将の愛人がその息子と共に、行く末を悲観して吉野に移り住んでいたという話があったと言っている。
(じゃあ、この権少将って吉野君の兄上!?)
168なんて素敵にジャパネスク:2005/08/10(水) 20:16:48 ID:???
瑠璃はがぜん彼に興味を持ち始めた。そして少しこの事を良く考えようと、部屋に戻るため宴の席を後にした。
「あれ瑠璃さん、宴の途中なのにもう退がるの?」
瑠璃と弟の融、二人の共通の幼なじみ、高彬(たかあきら)が部屋へ渡る途中の瑠璃に、
そう声をかけた。彼もまた早々に宴の席を後にしていたのだ。
その高彬に興奮気味に吉野君の兄かもしれない男の事を話す瑠璃。だが高彬の反応は薄い。
よくよく高彬に聞けば権少将の父というのは評判の愛妻家で、多分権少将と吉野君はなんのつながりも
ないだろうと彼は言った。おまけにこの宴自体が瑠璃の見合いを兼ねており、大方瑠璃の父と
権少将とで口裏あわせをしているのだろうという事だった。知らぬは本人ばかりなり。
怒る瑠璃だったが、でも年頃の子供を持つ親なんてそんなものだよ、と高彬は瑠璃に言う。
彼もまた祖母に強く兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)の二の姫との縁談を勧められていたのだった。
兵部卿宮の二の姫といえば美人の聞こえ高い才媛。
瑠璃より一つ年下で、小さい頃はぴーぴー泣いては鼻をたらしていた高彬がそんな才媛と
結婚するなどとは、と驚く瑠璃。思わずその驚きで一瞬忘れていたが、瑠璃はそうだと思い出す。
今日の宴での出来事の真偽を父に確かめなければ気がすまない。
そう思って父の部屋に向かった瑠璃だったが、部屋の中では母が父に、そんな無体な、と
訴えている声が聞こえた。何かと思えば瑠璃の父は瑠璃が権少将に興味を持った今のうちに、
権少将との間に既成事実を作ってしまえばいいという計画を立てていたのだった。
そうすれば瑠璃も、もうじたばたしないで結婚するだろうと、権少将に瑠璃の部屋まで教え、
その部屋付きの女房達も下がらせていたのだった。
(どこの世界に娘の夜這いをお膳立てする親がいるってゆーの!?)
瑠璃はがっくり肩を落としながらも、とりあえず弟の融の部屋に逃げ込んで対策を考える事にした。
だが、不運にもその途中でばったりと権少将に出会ってしまう。出会い頭に彼は瑠璃を口説き始め、空き部屋へ
連れ込もうとする。瑠璃は彼を殴り飛ばして弟の部屋に駆け込むと、必死に助けを求めた。
「融! 助けてっ、姉さんの貞操の危機なの!」
「瑠璃さん?」
そう返事をしたのは融ではなく、幼なじみの高彬だった。
169マロン名無しさん:2005/08/10(水) 20:39:29 ID:???
ジャパ、好きな作品だー

さいとうちほの円舞曲シリーズをお願いします。
170ライナスくん(Under The Rose):2005/08/10(水) 21:18:10 ID:???
それでは「ライナスくん」を投下させていただきます。
一応アルバートとお出かけ編も・・・。
保存しようが無かったので記憶だけが頼りです。
間違っている箇所がありましたら、訂正をお願いします。

補足:
○○編と言うのは私が勝手につけたサブタイトルです;

ttp://www.gentosha-comics.net/comicmarket68/
このページの一番上の左と
一番下の画像が「ライナスくん」寄宿学校編の1ページ目です。
171ライナスくん(Under The Rose):2005/08/10(水) 21:19:43 ID:???
(寄宿学校編)
寄宿学校に入ったライナスにアーサーから手紙がくる。
次の日も、また次の日も毎日アーサーから手紙が来る。
それを見た周りからママが心配なんでちゅか〜、と冷やかされ、
ライナスは喧嘩して反省房行きに。

そんな中、一人の少年がライナスに手紙がよくきていいなぁ、と言う。
よく見ていると、その少年にはいつも手紙がきていない。

ライナスはアーサーに「回数を減らせ!」と手紙を送る。
すると、確かに回数は少なくなったが毎回物凄く分厚い手紙が送られてきて、
またライナスは周りからからかわれる。再び喧嘩→反省房行き。
ライナスはアーサーに「もう送ってくるな!」と手紙を出す。

手紙がこなくなってのんびりしているライナスのところに、
アルバートが面会に来る。
アルバートは、「自分のところに来る手紙におまえのことしか書いていないからおまえが読め!」と怒る。

流石にちょっと気を悪くしたライナスは、「一回の量を少なめに」とアーサーに手紙を出す。
次にきた手紙の中身はその名も『ろうらんどしんぶん』
「豚の子供が生まれました」という見出しやロレンスの書いた絵などが載っている。
しんぶんを見た例の少年は「すごくおもしろいね!」と大喜び、
それを見たライナスは「まぁいいか・・・。」と思う。

その頃ロウランドでは、
「次は印刷機を買おう!」と言うアーサーに「それより写真機だよ!」と言うヴィンセント、
「やっぱり手作りが一番よ」と言いながらマーガレットが
絵を描いているロレンスとディックを微笑みながら見ている。


終わり
172ライナスくん(Under The Rose):2005/08/10(水) 21:20:38 ID:???
(アルバートとお出かけ編)
寄宿学校のライナスのところにアルバートが面会にきてやったぞ、
とやってきて外に連れ出す。
アルバートに「おまえもお年頃だし、いいところに連れていってやる」
とニヤニヤしながら言われて行った先は娼館。
アルバートはここの馴染みであるようだ。
そこでアルバートと別れたライナスはお姉さんたちに囲まれ「かわいー」と可愛がられ、
「赤ちゃんがどこから生まれるか見せてあげるv」と
(以下『イメージ映像』と題された薔薇の写真が表示)
何かを見せられ、ライナスは目が点になる。

その後、他の部屋にいたアルバートに「どうだったか?」
とニヤニヤしながら聞かれたライナスは一言
「きもちわるい・・・」と顔面蒼白。そしてさめざめと泣き出す。
それを見てアルバートは、「こいつって結構純情だったんだ・・・」
牧師目指してるくらいだもんなー、と妙に納得する。


終わり(だったと)
173ライナスくん(Under The Rose):2005/08/10(水) 21:26:29 ID:???
>165
ジャパネスクも大好きです!人妻編の2巻も出ましたね。
これを読んでいたから、古典で初めて「女房」とか出てきても混乱しなかった(笑)
174マロン名無しさん:2005/08/10(水) 21:35:37 ID:???
「卓球戦隊ぴんぽん5」のストーリーを書いていたものです。
第五話を投下したあと、次はまたヒマな時にでも投下しようと
思っていたら、1年(!)たってしまいました。

今さら言うのもなんですが、第六話以降は私は書きません。
待っていてくれた皆さま、ごめんなさい。
私の拙い紹介にレスをくれた皆さま、ありがとうございました。

私が投下したのは花とゆめCOMICS第一巻までの内容で、第二巻で
完結となっています。
新書版は既に絶版となっていますが、文庫版で復刻されています。
ラストがどうしても気になるかたは、実物を読んでいただくか、
別の書き手さんが現われるのをお待ちください。

ちなみに、花とゆめCOMICS「ほとんど以上 絶対未満」には
番外編が載っています。
175マロン名無しさん:2005/08/10(水) 21:59:45 ID:???
そういや、前に続き読みたいってレスあったのに補完希望の中に入ってないね>卓球戦隊ぴんぽん5
書き方が悪かったかな
これを機に補完希望に含めたらどうですか?管理人さん
176マロン名無しさん:2005/08/11(木) 00:43:07 ID:???
できれば作品の名前の後に通し番号つけてくれー
177マロン名無しさん:2005/08/11(木) 01:22:05 ID:???
>>174
あんたの文読みやすいし面白かったから残念だけど
まあいいや
改めて乙
178マロン名無しさん:2005/08/11(木) 01:34:29 ID:???
鮮血の法則
電影少女
キャットストリート
金田一少年の事件簿黒死蝶殺人事件

を詳しくお願いします。
金田一はトリックとかは省いてあらすじだけお願いします。
179マロン名無しさん:2005/08/11(木) 08:28:18 ID:???
ライナスくん乙です!
しかも2話両方とも。ありがとう。
現物はカラーみたいですね。読みたい・・・!
180なんて素敵にジャパネスク:2005/08/11(木) 17:06:36 ID:???
なんでこんな所に、という瑠璃の問いに彼は答えた。
「酒の匂いに酔ったので休んでいたんだよ。おまけに瑠璃さんの見合いの席にいたって面白くもないし」
憮然とする高彬の様子を不思議に思いながらも瑠璃は高彬でも良い、このままでは権少将と既成事実を
作らされてしまう、助けてくれ、と必死に頼んだ。
高彬は大内裏(だいだいり)を守る衛門佐(えもんのすけ)。腕は確かだ。
「だけど大納言さまを敵にまわしてまで瑠璃さんを助ける義理はないし……」
「高彬ーーーっ! 小さい頃色々面倒みてあげたじゃないっ、忘れちゃったの!?」
「忘れてるのは瑠璃さんの方じゃないか」
良く分からない事を口にする高彬。すると二人の声を聞きつけたのか権少将が部屋にやって来た。
「瑠璃姫、こんな所で衛門佐と一緒とはどういう事か。あなたは私の妻となる身ですよ」
(誰が妻だ誰がーーっ!)
心の中でそう叫びながら高彬の背中に隠れる瑠璃。するとぶちぶち言っていたはずの高彬が権少将の前に進み出てくれた。
「妙な事を言われます権少将殿。わたくしと瑠璃姫は行く末を固く契った
振り分け髪の頃からの筒井筒の仲ですよ」
ええっ、と瑠璃は驚く。筒井筒とは幼なじみの事。伊勢物語に詠まれている、
幼なじみの恋人同士の歌から使われている言葉だ。
高彬と幼なじみなのは確かだが、筒井筒、と誓い合った覚えなどない。
権少将も、瑠璃姫の筒井筒の君は吉野で会った子供だろうと言ってふふん、と笑う。
「その吉野君を亡くされて悲しんでいた姫をお慰めしたのがわたくしです。
その時に誓い合ったのです」
そう高彬は言い張る。そして瑠璃も一緒になって叫んだ。
「そうよっ、あたしと高彬はぶっちぎりの仲なんだから!!」
権少将は思わず鼻白んで呟いた。すでに通う男がいるのに結婚の話をすすめるとは
大納言も恥知らずな、と。だが、高彬は恥知らずはお互い様、と前置きして彼の醜聞を指摘する。
思わず黙り込みやり込められてしまった権少将。
181なんて素敵にジャパネスク_5:2005/08/11(木) 17:07:47 ID:???
捨て台詞を吐きながら立ち去る権少将の背中を見送って瑠璃は高彬に言った。
「助かったわ高彬。あんたが筒井筒なんて機転利かせてくれて」
「……なんだ、思い出したわけじゃないんだ。いいんだ、どうせ昔の約束だし」
高彬はまたもそんな事を口にした。約束? 瑠璃は昔に思いをはせてやっと思い出した。
京の都に戻ってしばらくの頃、吉野君も祖母も亡くし、瑠璃は毎日泣いていた。
そんな瑠璃に幼い高彬が言ったのだ。
「どうしたの? 泣かないでよ瑠璃さん。寂しくないよ、ぼくがいつも一緒にいるよ」
「ほんと? お約束よ、ずっと一緒よ。瑠璃を残して死んだりしないでね」
「うん、約束するよ」
(約束――)
瑠璃はころっと忘れていた。そーいやそんな事があったわねー、と冷や汗をかきながら言う瑠璃。
「ころっと、ね……」
高彬はぶすっとしながら言う。高彬はずっとその約束を覚えていて大事にしていたのだ。
浮気者は嫌だと瑠璃がいうから、兵部卿宮の二の姫との縁談もすぐ断ったのだと言う。
それを聞いて瑠璃は考えた。今回は高彬が助けてくれたが父が諦めない限り第二、第三の権少将を
けしかけてこないとも限らない。そんな奴等に比べれば高彬はずっとマシ。
何より高彬は自分だけ、と言ってくれる。真面目だし浮気しなさそうだし……。
そう改めて高彬の事を考え始めると何だか瑠璃はどきどきし始めてしまった。
「じゃあ瑠璃さん、ぼくとの事考えてくれるの?」
「う、うん……。考えておくわ」
ほんと!? と高彬は喜ぶと瑠璃に約束するなら手を出して、と言った。
理由もわからず出した瑠璃の手に、高彬は突然そっと口付けた。
「!! た、た、た、高彬!?」
仰天する瑠璃に高彬はにっこり笑いながらこう言った。
「約束だよ、瑠璃さん」
「男ってのはこれだから油断も隙も……」
瑠璃はそう言いながらも、何となく顔がほころんできてしまうのを抑える事ができなかった。

(続く)
182ジャパネスク投下者:2005/08/11(木) 17:21:44 ID:???
>>176さんの指摘、多分ジャパネスクの事ですよね…??? それとも全般的に?
とりあえず通し番号入れようと思って4もやったんですが
すんません、なんか変になっちゃって入ってなかった。この先は入れます。

ライナスくん面白かった!内容気になってたからとっても嬉しい。
投下者さん乙です!
あと『BLOOD ALONE』という漫画、どなたか知ってる方いたら投下キボン。
183マロン名無しさん:2005/08/11(木) 17:35:30 ID:???
通し番号って入れたほうがわかりやすいのかな。
はじめから、例えば1/10みたいに表示されてるならストーリーの長さがわかっていいと思うけど
ただ単に数字だけ入れるのはなんかメリットあるの?
184マロン名無しさん:2005/08/11(木) 17:53:15 ID:???
ジャパの人乙。
小説も読んだし漫画も読んだのに、今さらながら面白いな。
文庫出てたっけ、買おうかな…。
185マロン名無しさん:2005/08/11(木) 18:55:23 ID:???
通し番号か〜。どうなんだろうね。
私はあってもなくてもどっちでも良いや。
確かにただ書いてあるのはメリットは不明。それまでにこれくらいありますよ、と分かるとか?

ただ今まで書いてくれてた人とか、今回書いてくれたジャパの人とかは
番号書いたままで良いんじゃない?みたいな。
ま、書き手さんの好きでいいんだけどさ〜。
186マロン名無しさん:2005/08/11(木) 19:54:44 ID:???
通し番号は初代の頃はつけてる人が多かったから
特にメリットはないがついてないと落ちつかない
187マロン名無しさん:2005/08/11(木) 20:08:22 ID:???
どれだけ進んだかがわかるのは良い
188マロン名無しさん:2005/08/11(木) 21:42:35 ID:???
原作の何話中の何話目とか、何巻目とか表記しておいてくれると
ありがたいかもしれない。
189マロン名無しさん:2005/08/12(金) 00:01:01 ID:???
通し番号って全部書いてないとつけられないと思う
ジャパネスクは相当ちまちま進んでるから無理なんじゃないか
あれって十巻くらいまでなかったっけ
190少年怪奇シリーズ:2005/08/12(金) 00:15:02 ID:???
●この国は深夜限り
ドイツ人の老人カールは現在日本に住んでいる。窓から見える小さな橋は、
いつも故郷の村にある小さな橋を思い出させる。その橋は霧のかかる夜に死者の国に繋がるという。
ある夜カールはその橋に懐かしい少年の姿を見た。

(場面はカールの青年時代へ)
カールは幼い頃大切な友人ミハイルと共に川に落ち、
彼が川の中で自分の身を犠牲にしたおかげでカールだけが助かった。
それ以来カールはずぶ濡れのミハイルの姿を橋の周辺で見かけるようになり
自分が代わりに死ぬべきだったといつも過去を悔やんでいた。
その頃、彼の暮らす村では何人もの人が不審に死亡していた。
死体を発見した者たちは事件現場でミハイルの亡霊を目撃しており
村人達はミハイルが恨みから村人を橋の向こうへ連れて行っているのだと噂する。
それを聞いたカールはその恨みは自分にこそ向けられるべきだと考え
ミハイルに会うため、霧のかかる夜にあの橋を渡ってしまう。
橋の向こうに着くとそこには見知らぬ町があり、死んだはずの多くの村人達が暮らしていた。
驚いているカールの前にミハイルが現れこう言う。
「ここにいるのは生きていたときの記憶から離れられない人間ばかり…だから生者を呼ぶ」
さらにミハイルは言う。
「僕は怒っている。僕は何故・・・ここでこんな思いをしているの?」
「僕が今もここにいるのは君のせいだ。僕は君に・・・謝ってほしい」
それを聞いたカールは、自分のせいで君はそんな水浸しの姿になってしまった、と謝る。
するとミハイルは自分の濡れている手をカールの口元に当て、水が塩辛い事を教えた。
実はミハイルをずぶ濡れのままにしていたのはカールの涙だったのだ。
「僕はずっと怒っているんだよ。こんな思いをさせてくれるのも、僕を縛るのも
 この世に一人しかいないんだ・・・・・・泣かないで」

(場面は現在へ)
カールは橋のところまでやってきて、今はもう濡れていないミハイルと対峙する。
「もう泣いてたつもりはないのだけど、どうした事かな?もしかしたらついにお迎えかな」
そう言った瞬間、先程までカールがいたマンションの一室がガス爆発を起こした。
炎の出るマンションに驚き、カールがミハイルの名前を呼ぶがそこにはもう誰もいなかった。
191少年怪奇シリーズ:2005/08/12(金) 00:16:47 ID:???
●終電時刻
宝くじで当てた2億円を豪快に使い切った日に、駅にて運悪く死んでしまった一登(21)は
未練も無いはずなのになぜか成仏できず、寂しさから駅の構内で話し相手を探していた。
ある日、終電過ぎにバイオリンを弾く霊がでるという噂を聞き
怖い物見たさからその幽霊を探しにいった一登は、
駅を練習の場とするバイオリンを弾く少年(幽霊ではない)テツを見つける。
テツは幽霊が見えるらしく、一登を見ると「楽器は?」「持ってねえって事は歌か!?」
「俺は合奏なんかしないし、お前らに聴かせる演奏もない!!」と怒って行ってしまう。
次の日再びテツに会いに来た一登は、テツの演奏を褒める。
するとテツは顔を曇らせ、本当はバイオリンを弾くのが嫌なのだと話しだした。
テツは幽霊が見える体質で、音楽学校やホールや素晴らしい楽器の傍で
死んでもなお楽器を弾き続ける霊、歌い続ける霊を見てきた。
その霊達に、「お前も永遠にバイオリンを弾き続けるために生まれたのだ」と言われ続け
バイオリンを弾く事が好きな反面、恐れを持っていたのだった。
それを聞いて一登は自分は家族や周囲の人間と一緒にいるために生まれたのだと話し
「もっと一緒にいたかった。当たり前すぎて未練でもないよ、そんな事」
とも言う。そして自分の生まれた意味は自分で決めろとテツに言った。
それで迷いがなくなったテツは、バイオリンの上達を目指し始める。
そして世界中のコンクールに一登を連れて行き、一位になるところを見せると約束する。
一登が嬉しそうに笑うと、いきなり空に続く階段が目の前に現れた。
そこで一登は、自分が成仏できないのは未練があるからではなく、単に49日前だからで
今日は自分が死んで49日目だという事に気付く。
戸惑う二人だが、二人の口から出た言葉は「会えただけで嬉しかった」だった。
そして一登は見送りの一曲をリクエストし、階段を昇っていった。
192マロン名無しさん:2005/08/12(金) 00:28:19 ID:???
じじいになってからガス爆発で家を失うのはツラス
逃がすんじゃなくてガスが漏れてるよと一言教えてやれ
193マロン名無しさん:2005/08/12(金) 13:48:52 ID:???
木島日記おねがいします
194少年怪奇シリーズ:2005/08/12(金) 16:58:11 ID:???
●番町サカナ屋敷
『月光仮面』の放送終了に日本中の子どもが悲しんでいた昭和の時代、
近藤と新田という仲のいい悪ガキがいた。二人は皆をアッと言わせるために
魚屋敷を探検する作戦を立てる。魚屋敷とは、
昔戦時中にもかかわらず高価な錦鯉を飼っていることが国にばれて
非国民と町中からいじめられ、そのうち孫娘が事故、嫁が病気で死に
それ以来いないはずの鯉がはねる水音や、孫娘の姿を見るといういわく付きの屋敷だ。
二人は屋敷の庭に入り込んだ。
するといきなり激しい雨が降り出し、閉められていた屋敷の雨戸が勢いよくはずれた。
二人が驚いて逃げようとすると、かつて鯉がいたであろう池から
ずぶ濡れの幼い少女が顔を出し「あか・・・にぃ?」と呟いた。

幼い十美は、戦争に行った父は池の斑の鯉が真っ赤になったら帰ってくると
祖母から教えられていた。それは祖母の十美への愛情だった。
父に早く帰ってきてほしい十美は、いつも自分の赤い着物の袖を池に浸し
「朱にぃー朱にぃー、十美のべべみたいに朱になぁれ」と鯉を見つめていた。
ある日祖母は、お菓子に彩りとしてダリアの赤い花びらを添え十美に与える。
喜んだ十美は池のほとりでお菓子と一緒に花びらまで食べてしまう。
しかしダリアの花びらには毒があるといわれていて、お腹が痛くなった十美は
バランスを崩して池に落ち、助けを呼ぶこともできずに死んでしまったのだった。

二人は気がつくと庭の池に浮かんでいた。
彼らは意識が無い間、この家の過去を垣間見ていたのだ。
そのことを誰にも言えないでいた彼らは、もう一度屋敷に行く決心をする。
今度は家の中にまで入り込むが、そこにこの屋敷の血縁者が現れた。
様々な現象は、あまり強すぎて時間にもなかなか流すことのできない思いが残っただけ、
だけど昔の悲しい気持ちがいつまでも残っているのはイヤだから
この屋敷にもう一度鯉を住ませてやりたいのだとその人物は言う。
その話を聞いた二人は、話の内容を幼いながらも理解しようとする。
いい思いも悪い思いもいつかは消えていく。それでも、少しでもいい思いが
時間に勝てるようにと彼らはいっぱいの朱い金魚を屋敷の池に放った。
195少年怪奇シリーズ:2005/08/12(金) 16:59:43 ID:???
●ディープフリーズ
学生のユキヤ(♀)は世間で話題のネット上のゲームをただ一人だけクリアし
賞金一億をもらえる事になった。そのゲームはただ質問に答えるだけという物なのだが
その質問の面白さにツイツイ引きこまれてしまう不思議なゲームだった。
ユキヤも初めは面白がっていたが質問が進むごとに妙な事に気付く。
質問の内容が、自分の過去を知らなければ作れないようなものなのだ。
ゲームの最後の質問『全ての人間の人生の価値は同じですか?』という質問で
ユキヤは父親の事を頭に思い浮かべていた。

ユキヤの父親は車で人をはね、相手の国立大学生を四肢不随にしてしまう。
父は家族に負担をかけないために離婚し、膨大な慰謝料を一人で払う事を決めた。
ユキヤは悲しみながらも、父の人の良さに笑顔を見せる。
しかし彼女は被害者の入院している病院で、被害者の家族が
「向こうもバカだね。そんな金を払う価値の無い人間のために自分の人生を潰すなんて」
と話しているのを聞いてしまう。
実は被害者は罪を償うにあたいしないような最低な人間だったのだ。

彼女は質問に涙を流しながら「同じだと オレは 思う」と答える。
父がそう信じているのだから。
196少年怪奇シリーズ:2005/08/12(金) 17:01:52 ID:???
●ディープフリーズ(続き)
賞金の受け渡しに現れたのは、
ゲームの主催者で大学院生兼作家の手白沢(テシロサワ)という男だった。
彼はユキヤを見ると結婚してほしいと言い出す。
実はこのゲームは手白沢が自分好みの人間を探すために企画したものだったのだ。
手白沢には不思議な力があり、その内容は『強い感情を伴う記憶を読み取ること』と
『維持しようとする情熱が無い記憶や想いを凍結させる(忘れさせる)こと』というもの。
手白沢は自分の凍結の能力が効かないような心の強い人間を探しており
能力を使ってゲームの参加者の心を読み、そして最も惹かれた心がユキヤだった。

ユキヤは手白沢に結婚と引き換えに
事故の被害者の心を凍結させてほしいと依頼する。
二人が病室に入ると、被害者の男は
「キミ達家族に会うと僕はますます悪くなる」「これは立派な心因性の病気だ」
「帰れよ!!僕が治らなくなっちゃうだろ!!」「最低だぞお前ら!!」
と一方的に怒鳴りだす。
そんな男を見て、手白沢は男の心の中のコンプレックスや
本当は社会復帰せずずっとベッドの上にいたいという醜い思いを読み取る。
そしてそんな思いを手白沢は凍結させてしまった。

こんな事をしても結局は何も変わらないかもしれないという手白沢に
それでも少しでも変わるかもしれないからとユキヤは答える。
「ところで本当に結婚してくれるのか。卒業するまで待ってもいいが」
「高校卒業する頃、あと4年経ったら出直して。考えといてあげるから」
てっきりユキヤを高校生だと思っていた手白沢は少々落胆しましたとさ。
197少年怪奇シリーズ:2005/08/12(金) 17:08:32 ID:???
これで少年怪奇シリーズは終わりです。
これだけ書いておいて何ですが、
この作品は言葉に出来ない部分がすごく多くて
自分ではそれを表現することができませんでした・・・
ちょっとでもこの漫画に興味を持ったなら
全二巻という短さですので実際読んだほうがいいと思われます。
198マロン名無しさん:2005/08/12(金) 21:38:31 ID:???
吸血遊戯お願いします
199マロン名無しさん:2005/08/13(土) 07:52:40 ID:???
>>195
「同じだと オレは思う」
ここが一番泣けるな。
そしてオレキャラ女子中学生ってかわいいな
200マロン名無しさん:2005/08/13(土) 15:56:06 ID:???
>197
少年怪奇シリーズ乙です。
老婆心ながら申し上げると、今月3巻が出たようですよ。
まだ買ってないのですが、ディープフリーズの続編が載っているとか…
201マロン名無しさん:2005/08/13(土) 16:18:23 ID:???
鬼魔あづさ「夜の燈火と日向のにおい」
お願いします
202マロン名無しさん:2005/08/13(土) 19:55:39 ID:???
>>200
全然知りませんでした。情報サンクスです。
手に入れたらまたココに来ます。
203マロン名無しさん:2005/08/13(土) 21:18:54 ID:Ev65pr5x
「カードダス少年団」をお願いします。
204騎士ガンダム物語 伝説の巨人:2005/08/14(日) 12:22:31 ID:???

 サタンガンダムを討伐してラクロアに帰還した騎士ガンダム。
彼を待っていたのは倒壊したラクロアの城と、住民が消えたラクロア城下町。

 国王レビルは精神を病んでいた。

「伝説の巨人が……伝説の巨人がラクロアを……」

 その夜、眠りに就いた騎士ガンダムをサタンガンダムの亡霊が襲う。
騎士ガンダムに取り憑く隙を見出せなかったサタンガンダムは、ガンキャノンを憑依する先に選んだ。

205マロン名無しさん:2005/08/14(日) 13:13:00 ID:???
未解決表にある「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」って姫川明氏のやつでいいのかな?
それでいいなら予約します。
他の姫川氏のゼルダコミカライズ作品のリクエストがありましたら、
それも合わせてお受けしますよ。
206マロン名無しさん:2005/08/14(日) 17:46:34 ID:???
「逆境ナイン」島本和彦
「バッテリー」柚庭千景(かわぐちかいじの奴じゃないです)
この二つをお願いします。
207マロン名無しさん:2005/08/14(日) 19:16:41 ID:???
「神々のトライフォース」はリクされた時はかぢばあたる版だった気がする。
でもリクした人もういないかも。
208マロン名無しさん:2005/08/14(日) 23:27:08 ID:???
おっ騎士ガンダムまた始まった
がんばれ〜
209.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:39:33 ID:???
投下前に訂正。

>>115
× ゲーム版で起こった事件。THE WORLD全体にバグが蔓延し、ゲームに無関係な場所にも回線を通じてシステムダウンなどの事故を発生させた

○ ゲーム版で起こった事件。THE WORLD全体にバグが蔓延し、複数のプレイヤーが意識不明になり、ゲームに無関係な場所にも回線を通じてシステムダウンなどの事故を発生させた
210.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:40:46 ID:???
海岸エリアでイベント情報を集めていたシューゴ達一行は、凰花が持ってきた情報で
隠しイベントが行われるというエリア「呪われし 樹海の 殺人館」に向かう事にした。
 到着したエリアにはその名の通り不気味な洋館が一軒。夏といえば肝試し、と
いう事で一行は早速中に入るが、お化けの類が苦手なレナは落ち着かない。
レナが扉を開けるとコミヤンが顔を出すが、レナは化け物と勘違いして剣を
振り上げる。コミヤンを一撃で倒して奥に走って行ってしまったレナを追い
かけてシューゴ達が先に進むとモンスター・インビジブルが出現。しかし
シューゴは双剣でインビジブルに斬り掛かり瞬く間に撃破する。
シューゴってこんなに強かったっけとミレイユは首をかしげる。
 逃げ回った末に館の最深部の拷問部屋に辿り着いたレナは上級モンスター・
リッチロードに襲われるが、ギリギリで間に合ったシューゴに助けられる。
さらにシューゴはパーティー全員に的確な指示を出してリッチロードに挑む。
レナはそれに見とれ、思う。「まるで、伝説の“勇者”カイトみたい!!」
シューゴの雷技「雷舞」がヒットし、リッチロードは倒れた。
 花火イベントを見るためルートタウsンに戻った一行。いつの間にあんなに強く
なったのかとレナが尋ねると、シューゴは暇をみてレベル上げし、攻略BBSも
一通り読んだと明かした。
「……どういう心境の変化?」
「約束したじゃんか。「勇者になる」って」
 楽しい時間を過ごしながらも、中3の受験生なのでゲームをやれる時間は
あまり残されていない事をシューゴは考える。もう一度アウラには会えないだろうか……。
メンバーから抜けていたほたるも合流するが、花火イベントは時間になっても始まらず、
ルートタウンには雨が降り出す。レキはバルムンクを問いつめるが、彼の仕業では
なかった。さらにBGMも勝手に切り替わってしまう。
「聞いた事のない曲……歌!? これは――“彼女”が歌っている!?」
 一方、シューゴ達は橋に座って歌を口ずさむ白い服の少女と遭遇する。
「ア……!! アウラ!?」
211.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:42:59 ID:???
 少女に話しかけるシューゴだが、よく見るとアウラより幼く髪の色も違う。単なる
人違いかと思うシューゴだが、少女はシューゴの腕輪を見るといきなり抱きついてきた。
「ママ……!!」
もちろんそんな訳はない。ゼフィと名乗った彼女はプレイヤーはいないようだが
NPCにしては反応が人間的だった。彼女の事をミレイユはゲームと独立した人工
知能型AI、通称「放浪AI」と予測する。とりあえず自己紹介したり色々と
話しかけるが、シューゴにしか懐かないゼフィは悪口を連発し不思議な能力で
レナ達をアフロに変えてしまう。シューゴはとりあえずゼフィを連れて逃げる
ようにその場を離れる。ずっと一人でママを探していて、シューゴの腕輪から
ママのにおいがしたからこのタウンに来たと打ち明けるゼフィ。
「腕輪……!? ゼフィ!! 君のママって…ママの名前は?」
「アウラ。ママの名前はアウラ――」
 何とかアフロ頭を治したレナ達の所に戻ってきたシューゴ。アウラは人妻
だったんかなどとくだらない事で肩を落としつつも、シューゴはゼフィのため
にアウラを探す事を提案し、皆も賛同してくれる。
「……ありがとう…シューゴ」
そう言ってシューゴにキスするゼフィ。シューゴ放心。レナ激怒。
 一方、仕事しながらシューゴ達を監視していたバルムンクは、CC社の
デバッグチーム「碧衣の騎士団」がシューゴの周辺を調べていた事を聞かされる。
バルムンクとレキが話しているその時、碧衣の騎士団は外部のハッカーが
流した放浪AIを発見・拘束していた。愛らしい少女の姿をした放浪AIは
涙を流して命乞いをするが、騎士長を務める左右色違いの目を持つ重槍使いの女性
PC・神威はキャラデータを抹消する「ヴォ―タンの槍」を振りかざし、一撃でそれを仕留めた。
「くずデータめ……この騎士長神威がすべて消し去ってやる!!」
212.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:45:42 ID:???
アウラの情報を集めるシューゴ達はミレイユの案内で新しく開設したルートタウン
「幻の都ネーベル・モント」に向かう。水に浮かぶタウンをミレイユは
「ニルスの不思議な旅」に登場する海に浮かぶ都になぞらえる。幻にされて
しまった街を物語の主人公ニルスはコインを持っていないために救う事ができ
なかったが、ミレイユは「ボクらはコインを拾っている」――「腕輪」「ゼフィ」という
イベントフラグを立てていると話す。THE WORLDに解けないイベントはない、
後は俺達次第と言ってシューゴ達はネーベル・モントに足を踏み入れる。
 街中を散策して情報を探すシューゴ一行だが、シューゴにやたらベタベタして
あまつさえ「お兄ちゃん」などと呼ぶゼフィにレナは焼き餅を焼く。
 一方ミレイユは街の酒場を訪れ、“賢者”ワイズマン(ゲーム版の仲間PCの
1人で、THE WORLDのあらゆる事に精通する超ベテランプレイヤーだが、
中身はなんと小学生。ゲーム版の4年後なので中学生か)と接触する。情報の
代わりとしてミレイユはあのバルムンク発案のコスプレグッズを差し出すが、
ワイズマンはありきたりなレアアイテムに興味はないと一蹴。代わりにシューゴ達の
情報を要求する。少し迷うがワイズマンを信用して話すミレイユ。一方シューゴ、
ゼフィと離れて情報を集めるレナとほたるに、身分を隠した神威が接触してきた。
213.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:47:10 ID:???
ミレイユの話を聞いたワイズマンは、4年前にアウラの目撃談があった事を
話し、個人サイトを調べてBBSの過去ログを探すようにと助言する。
ミレイユが去った後にワイズマンの背後からバルムンクが姿を現す。
ワ「4年前――か。われわれドットハッカーズは
  4年前……勇者カイトに導かれてこの“世界”の核心を垣間見た…」
バ「「最後の謎」――これは新しい流れなのか……?」
ワ「さて。
  彼らが捜し求める“ワード”を見つけたとき、彼らの世界が開けるだろう――」
 神威の素性を知らないレナとほたるは放浪AIを調べていると話してしまう。
すると神威は、放浪AIやチートキャラのようなTHE WORLD内の不正規データや
ハッカーが集まるというエリア「ネットスラム」の事を教えてくれる。
ネットスラムにはハッキングのような不正規な方法でしか行けないらしい。
 礼を言って去って行くレナとほたるの背を見て不敵な笑みを浮かべる神威だが、
彼女にレキが声をかけた。シューゴ達への対応はこちらに一任されているので
越権行為は控えるようにと言うレキに、神威は槍を向けて半ば脅すように言った。
「なぁぼうや……少しぐらいさ、ゲームで遊んでもいいだろう…?
 バルムンクを見習って遊んでみただけだ。彼らには手は出さないよ」
(そう……今はまだ……な)
 その頃、凰花はといえば、女性プレイヤーに懐かれて立ち往生していた。
214.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:48:37 ID:???
 バルムンクは神威がシューゴをマークしている事をワイズマンに打ち明ける。
神威とバルムンクはCC社内では対等の立場らしい。「フィアナの末裔もすっかり
社会人だね」とワイズマン。
(フィアナの末裔:ゲーム版よりさらに前に、伝説のイベント「ザワン・シン討伐」
をクリアしたバルムンクとそのパートナーのPC・オルカにつけられた称号)
 碧衣の騎士団はCC社内のデバッグチーム。バルムンク達ゲームマスターと
役割は違っても同じシステム管理社だが、騎士長の神威というのが石頭でなと
バルムンクはこぼす。昔の君のようだと苦笑するワイズマン。
(ゲーム版の中盤までバルムンクは主人公・カイトを不正規プレイヤーとして敵視してくる)
CC社上層部の直属である騎士団に対抗するため、事によっては力を借りるかも
しれないとバルムンクは言う。
「大人になったねエ、バルムンク……」
「……きみには言われたくないな」
 放浪AIについて聞き込みをするが成果の上がらないシューゴ。(ここで聞き
込みをしている相手はゲーム版の仲間PCであるレイチェルとニューク兎丸。
この漫画には関係ないシーンで他メディアのキャラがちょくちょく出て来る)
シューゴがゼフィに年齢を聞いてみると、3日という返事が返ってきた。彼女
の中に設定された情報は「わたしのママはアウラ」それだけらしい。
「それじゃあまるで、ゼフィは迷子になるために生まれてきたみたいだ――」
レナからのメールを受け取り合流しに向かうシューゴを、コミヤンが物陰から
睨みつけていた。いつも女性PCに囲まれている上に、七夕イベントのとき
自分のPCを魚に変えた(しかもまだ顔の半分が魚のまま)シューゴに対する
復讐を誓い、何やら企てているらしいコミヤン。
215.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:50:41 ID:???
 合流したシューゴ達だがネットスラムへの行き方はミレイユにも分からない。
とりあえず4年前の情報を当たってみると言って3人がログアウトし、シューゴと
レナだけが残された。レナは4年前に隣の家に住んでおり、THE WORLDを
始めるきっかけとなった「カズ兄」という人物を思い出す。彼はその頃、
倒れて入院していた事があるらしいが……。彼にも何か聞いてみようと決め、
2人もログアウト……しようとしたものの、ウルウルした目でゼフィに見つめ
られて置いて行けなくなるシューゴ。それが面白くないレナは1人でログアウト
してしまう。シューゴはゼフィを連れてアジトがあるルートタウンマク・アヌに戻った。
 深夜のアジトでゼフィは自分の生まれてきた理由を考えていた。もしも
“世界”が完璧なシステムなら、不必要な物を削除し外部に大して閉鎖すれば
システムは安定する。“子供”などという不確実な要素は要らないはずと
ゼフィは呟く。よく理解できないながらも答えるシューゴ。
「要するにさ、それだとつまんねーからじゃない?
 いろんな奴がいて…いろんな場所があって…そういうもんだろ?“世界”って!
 「閉鎖して安定した場所」なんて何も起きないし誰も入れない。
 そんなん……おもしろくもなんともねーよ! だろ? なあゼフィ」
シューゴの答えを聞いたゼフィは安心しきった顔になり、シューゴとしりとりを始めた。
 その頃、神威は部下の女性呪紋使いPC・マギからバグ通報メールを受け取り、
目を通していた。するとその中に気になるメールがあったらしく、神威は金髪
縦ロールのどこかで見たようなPCの通報者に連絡を取り、詳しい報告を受けた。
「――ええ、なるほど。問題のPCの名前は――“シューゴ”」
 一方シューゴは、ゼフィとのしりとりバトルに疲れて眠りこんでいた。
216.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:53:39 ID:???
 翌日、シューゴは一晩中しりとりに付き合ったせいでウトウトしていた。
5人が目を話している隙にゼフィは川に近づき、ママがいると言って飛び込んで
しまう。水面に映った自分の顔をアウラと見間違えたらしい。レナに笑われて
内心に怒りが渦巻くゼフィ。個人BBSを調べていたミレイユは何か分かった事があるらしい。
「キーワードは「4年前」。6人の「意識不明者」――」
 バルムンクはオンライン管理ルームに呼び出され、提出したレポートが
アウラと腕輪の危険性を報告するものでなかったという理由で叱責されていた。
それでもあくまでアウラやシューゴをかばうバルムンク。業を煮やした上層部は
ついにバルムンクから管理者資格を剥奪する。
 ミレイユは4年前の事件について聞く噂を事をシューゴ達に話した。横浜で
起こったネット障害による大災害(ゲーム版vol.2同梱のDVD)、意識不明になった
何人ものプレイヤー、倒せないモンスター、ゲートから行けないエリア……
さらに.hackersの登場、アウラが目撃されたのも4年前である。.hackersがクリア
した「最後の謎」について漠然と考えるレナやシューゴだが、ゼフィのイタズラ
で川に落とされシリアスからまたギャグモードに。
 一方、バルムンクを待つレキの元にマギが現れ、バルムンクの権限剥奪と
シューゴの処遇は騎士団に一任された事を告げた。バルムンクには手を焼いて
いたとはいえ、こんな終わり方は嫌だとレキは拳を握りしめる。
 所変わってミレイユのアジト。ゼフィをかばうシューゴと焼き餅を焼くレナ
はまたケンカになっていたが、そこにコミヤンが姿を現す。そしてその後ろに
は碧衣の騎士団とそれを従える神威の姿があった。
「シューゴ。悪質なチート容疑でユーザー規約に基づき、そのPCを拘束する!!」
217.hack//黄昏の腕輪伝説:2005/08/15(月) 00:55:51 ID:???
 通報したのは案の定コミヤンだった。コミヤンが半分が魚になった顔を見せつけると
一同は大爆笑するが、七夕の時の事を思い出しシューゴは冷や汗。罰を受けるが
いいと高笑いするコミヤンだが、神威はシューゴだけでなくパーティー全員を
拘束し、ゼフィも連れて行ってしまう。レナに好意を持っていたコミヤンは唖然とする。
 管理区画のどこかに閉じ込められていたバルムンクの所にレキから連絡が
入った。4年前の事をぽつぽつと話すバルムンク。その頃もCC社は腕輪を持つ
カイトを削除しようとしたが、それは事件の被害を拡大するだけだった。そして
バルムンクにはパートナー・蒼海のオルカ(バルムンクと同等のベテラン
プレイヤーで、カイトの現実での友人だが、ゲーム版ではすぐに意識不明者の
仲間入りで、クリアするまで欠番状態)を救う事はできなかった。カイトと共に
“世界”の核心に触れ、“世界”のためにバルムンクは管理者になったが、
CC社の方は何も変わらずアウラの存在も認めようとしなかった。
「――で、どうするつもりですか。蒼天のバルムンクさんは」
「決まっている。この“世界”を守れるのは“世界”に生きるプレイヤーだけだ」
レキと入れ替わりに通信してきたのはCC社上層部。考えを変えないバルムンクに
対し、上層部はとりあえずの謹慎処分を下した。
 シューゴ達は騎士団詰め所の留置所に入れられていた。やがて姿を現した
神威とマギが告げた処分はシューゴとレナのアカウント停止。腕輪はイベントで
手に入れたと主張するシューゴだが聞き入れられず、さらに他の3人も下手を
すれば同罪だと釘を刺される。アカウント停止をチラつかされ、何もできず
涙を呑む3人。しかしシューゴは俺のせいで消されなくてよかったと安堵する。
「では、君たちはそのまま処分を待ちなさい。犯罪者さん方――」
神威はほくそ笑みつつ姿を消した。
218マロン名無しさん:2005/08/15(月) 12:23:18 ID:???
乙です。
よくやきもちを妬く人だな>レナ
219RAVE:2005/08/15(月) 20:51:23 ID:???
声の主はコアラに体を改造されたブランチだった。
こんな姿で生きるのは嫌だ、殺してくれと頼まれるハル。
ナギサをあんな目に合わせ、カトレアにも酷い仕打ちをしてきたブランチ。
けれどハルにはどうしても殺すことは出来なかった。

BGはエリーから時空の杖を奪うと何故か一気に撤退し始めた。
それを見て、アジトに爆弾が仕掛けられたから逃げろと言うブランチ。
アジトの一部は飛行船になっていて仲間も全員脱出に成功。
しかし、そこにブランチの姿は無かった。
爆弾はブランチの体に埋め込まれていたのだ。
ハルが叫ぶ中、ブランチは一人地上で爆死した…

時空の杖は、リーシャがエンドレスを呼び寄せる為に造ったものだとユーマは言う。
エンドレスを倒す為、奴を星の記憶につれ込む際に必要なのだと。
リーシャの時代にはエンドレスが現れなかった為、サガの予言に従い50年後のエリーに杖を託した。
杖を使えるのはエリーだけ。なのに、BGがエリーを追って来ない事に疑念を抱くユーマ。

5年振りの飛行に無理が生じ飛行船の調整をする為に一つの町に降り立った。
そこでハルはベルニカという少女に出会う。
聞けばベルニカも旅の途中で無理が祟って休養していると言う。
ベルニカはハルの腕におまじないをしてくれた。すると、不思議と痛みは消えていた。

船の調整も終わり、遂にBG船侵入に成功。
しかし、先客がいたらしく既に何人もの敵が倒されていた。
ハードナーは不敵な笑みを浮かべる。
「今日で魔界は滅びる。エンドレスの力によって」
魔界出身のレットとジュリアは困惑する。
シュダとユリウスも加わり、ハル達は散り散りになってハードナーを追う。
ハルは、そこでベルニカと再会。ベルニカは唯一無二である筈のエーテリオンを人工的に得た少女だった。

25巻終わり
220RAVE:2005/08/15(月) 20:51:55 ID:???
ベルニカは侵入者を倒しにやって来たのに、ハルがレイヴマスターだと知り驚きを隠せない。
平和が目的なのに、何故同じ目的の人達と戦わなくてはならないのか。
納得できず、ハードナーを追う。
騙されていた事を知るが、父親のように慕っていたジェリーボーンを人質に取られ命令に従うしかなかった。

そんな中、遂に、生を司る禁断の地『誕生の祭壇』に到着。
15年前まで同じBGの一員だったユーマは、ハードナーを止める為にやって来た。
しかしハードナーは呆気なくユーマを撃ち殺す。
邪魔者を消し去ったハードナーはベルニカと共に祭壇へ。

チャンスは今しかない。ベルニカはエーテリオンを使って自爆を試みるが失敗する。
そこへハルが到着し、何もかも忘れたいというハードナーと戦いを開始する。
「エーテリオンならその杖を壊せる。杖を壊せ!」
ハルの言葉に力無く首を横に振るベルニカ。
15年間、毎日を痛くて苦しい修行と実験に費やしてきた。
全てはエーテリオンを修得する為に。
「やはりこれはリーシャへの冒涜だった」
ハルに言われる前からずっと杖を壊そうとしていた。けれど壊せなかった。
自分にエーテリオンがなかったと気付き、涙するベルニカ。

ハードナーの目的。それはエンドレスと一つになり、神として生まれ変わる事だった。
誕生の祭壇は生命の融合進化が可能な唯一の場所。
そのあまりの危険性に魔界元老院が一部を破壊し全面閉鎖する程…
しかし、ハードナーの持つDBは再生の力(アナスタシス)
その力を使い、祭壇を復元していく。
ベルニカが駄目ならエリーでエンドレスを呼ぶまでだ。
ハルとベルニカを突き落とし、ハードナーは高らかに笑った。

26巻終わり
221RAVE:2005/08/15(月) 20:53:38 ID:???

呼ぶ手間が省けたと喜ぶハードナーだったが、融合進化には数分を要す。
その間互いが静止していないと成り立たない。
魔界を消し去る勢いのエンドレスに、ハルもハードナーも為す術無く立ち竦む。
その動きを止めたのは、リーシャの意識を持ったエリーだった。
チャンスとばかりに融合進化を始めるハードナーに、ハルはハードナーと祭壇を同時に攻撃。
体と遺跡を同時にはなおせないだろうとの読みは大当たり。
意識を取り戻したエリーは、エーテリオンでエンドレスをここから消し去ろうとする。
不死身と思われていたハードナーだったが、レットとの戦いで確実に体力を消耗していた。
「つみ重ねてきた意思が今 オマエに刃を向けてんだ」
レットはまだ戦っている。
この戦いの意味が分からないなら、オレ達には絶対に勝てない!
ハルの言葉通り、ハードナーは倒れ、そしてエンドレスは姿を消した。
ボロボロの体で尚、自分の体を再生するよりも祭壇を復元しようとするハードナー。
あの日を忘れたい…ハードナーが悲痛の面持ちで過去を語り始めた。

15年前、BGがまだ小さな空賊だった頃、隣にはいつも妻ソフィアと親友ユーマがいた。
もうじき自分の子供も生まれる、正に幸せ真っ只中だったある日。
飛行船の突然の原因不明の墜落事故で全てを失った。
身重の妻と仲間は全員死亡。生き残ったのはハードナーとユーマだけだった。
その日を境に一人旅に出てエンドレスの事を知ったという。
悲しみを忘れたかった。
何をしても思い出すあの日を、忘却の王なら忘れさせてくれると思っていた。
そう涙するハードナーの目の前に、一命を取り留めていたユーマが立っていた。
怒りの矛先が見付からないで苦しむハードナーにユーマはある事実を告げる。
「オマエの娘は生きている」
15年間自分の娘として育てた。それは他でもないナギサの事だった…
驚愕するハードナーは自らの過ちに泣き叫んだ。
その姿を見て、「戦いは終わった」と剣を収めるハル。
222RAVE:2005/08/15(月) 20:56:12 ID:???
しかし、戦意を喪失していたハードナーに斬りかかる者が。
先客として現れていたルシアだった。目的は私欲に溺れた制裁とマザーDBの回収。
以前よりも強さを増しているルシアは、底の見えぬ亀裂にハルを突き落とす。
助けてくれたのは、魔界人達だった。
瀕死のハードナーまで助ける事に納得がいかないナギサ。
ユーマはハードナーの言葉を思い出していた。
「ナギサに会えなくてもいい。事実も伝えなくていい。だけどただ一つ願う。
これからもオレの代わりにナギサを守ってやってくれ。…友よ」
その言葉を胸に、ナギサを抱き締めるのだった。

そして、ハル達は人間界へ帰還する。

最後のレイヴの在り処は、デルハリア山脈。
そこには、蒼天四戦士アルパインとあのシバの姿があった。
アルパインだけは生き延び、他の四戦士の霊魂を動物に宿し待っていたのだ。
真実のレイヴを手にする為に、今までで最大の試練がハルを待ち受けていた。

28巻終わり
223RAVE:2005/08/15(月) 20:56:57 ID:???
真実のレイヴの眠る場所、それは蒼天四戦士の眠る場所でもあった。
ハルは仲間を残し、一人で奥へと進んだ。
嫌な予感がするというベルニカに仲間は気にしていないが、エリーだけは浮かない顔をしていた。

中で待ち受けていたシバにアリスにムジカのじいさん。
そして、蒼天四戦士アルパイン。
シバの手から光り輝く真実のレイヴを手渡されるが、ハルが手にすると光は消え失せた。
真のレイヴマスターはシバだと示しているのだ。
それでも尚、ハルが先へ進むと言うのなら、道はただ一つ。
「初代レイヴマスターを超えてゆけ」
シバを倒せば真のレイヴマスターになれるだろう。
そう言い、シバはムジカのじいさんから剣を受け取り、アリスの秘薬を口にした。
薬の効果は15分。剣聖と呼ばれた全盛期の頃のシバにハルはたじろいだ。
レイヴマスターの座を賭けて今、真剣勝負が始まった…

シバを斬る?ハルはまだ実感が沸かないでいた。
そんなハルに容赦なく剣を繰り出すシバ。
「主の剣は軽過ぎる」
剣に宿す想いが軽過ぎると言うシバに、ハルは世界にかける想いは自分を強くしたと反論。
数々の死線をくぐり抜け、身も心も成長したハルの2年間は確かだろう。
しかし、自分の想いは50年だと圧倒的な格の違いを見せ付ける。倒れるハル。
「全ては、リーシャの為に」
だったら、自分は何の為に戦う…?
ガラージュ島の為に、姉ちゃんの為に、仲間の為に。
それだけじゃ足りないのか…
情けない。結局何一つ守れないで、たった一人の女の子さえも。
エリーさえも。
…そうだ。
エリーを不安や悲しみや恐怖から、そして何よりルシアから守りたい。
そうだ、この想いだけは誰にも負けない。

「エリーの為にオレは戦う!!」
224RAVE:2005/08/15(月) 20:57:33 ID:???
想いを込めた一撃に、レイヴもハルを真のレイヴマスターだと認めたようだ。
シバは見事だと言いその場に崩れ落ちた。
尋常でない様子にハルはうろたえる。アリスに何か薬を!と頼むが皆黙って涙していた。
シバが先刻飲んだ薬は、若さを取り戻す代わりに命を奪う秘薬だったのだ。
涙が止まらないハル。
そこへやって来たエリーを見て、シバは全てを悟る。
リーシャは生きていたと…
エリーに抱き締められながら、シバは長岐に渡った旅を終えたのだった。

こうしてシバはこの世を去り、ハルの手に、全てのレイヴが集まった。

アルパインは、最後に一つだけ告げなければならぬとDBの正体を話し始めた…
「エンドレスとは“時”を犯した我々人類の罪」
遥かなる古、世界規模の砂漠化、気温上昇、疫病、出生率の低下により世界は滅んだ。
最後の人類になった一人は、星の記憶に辿り着いた。
そして、世界がまだ豊かだった時代へ時を戻した。
それが、我々のいるこの世界“平行世界”
時空を操作した時、世界は二つに分かれたという。
その歴史を元に戻そうとする力、それはこの世界そのものを消そうとする力。
それこそが、忘却の王、エンドレス。
人類存続という新しい未来を手に入れたと同時にエンドレスという恐怖と共に生きなければいけない。
そんな絶大な力が一人の人間の手に渡ろうとしていた…

その頃、一人別行動をしていたシュダは、ジークの元へと急いでいた。
ルシアが全てのマザーDBを揃えた時、「それ」は起こる。
ミルディアンに封印した最後の一つを守るべく、ルシアの目の前にはジークが立ち塞がっていた。

その頃、エンドレスは刻一刻と迫っていた…

29巻終わり

→続く
225マロン名無しさん:2005/08/15(月) 20:58:48 ID:???
RAVE一年以上ほったらかしですみませんでした。
本誌が最終回を迎えたので途中までですが続き投下しました。
30巻以降が今見当たらなかったので最終巻のコミクス出たら最後まで投下しに来ます。
226RAVE:2005/08/15(月) 21:04:48 ID:???
すみません一話抜けてました。
>>220の次は↓です。
まとめサイトの管理人さんすみませんが訂正お願いします。

ハードナーの部下ルナールはエリー確保に動き出した。
祭壇から落下したハルとベルニカは、ベルニカの力によって一命を取りとめた。
15年間の修行はエーテリオンの替わりに別の魔法を授けてくれたようだった。
そしてベルニカは気付く。ハードナーはエリーと融合するつもりなのだろうと。
しかし動くことは出来ない。ハルとベルニカは侵略者と認識され魔界の民に捕らえられてしまったのだ。

レットとジュリアは魔界を守る為、それぞれ、ハードナーとシックスガードのボスに戦いを挑む。
ジュリアは命と引き換えに攻撃するも、力の差は歴然。
しかし、ハルの心の強さを思い出し、ジュリアは見事ボスを打ち負かす。
そしてレットもまた、何度倒されようともハードナーに果敢に立ち向かっていた。

捕らえられていたハルとベルニカの元に傷ついたジュリアとハルの剣TCMを乗せた竜がやって来た。
竜人であるジュリアを抱きかかえて進むハルに魔界人は圧倒されて手を出せないでいた。

その頃ルナールは、エリーを手中にハードナーの元へ戻って来ていた。
倒れたレットは最後までハルの無事と勝利を信じていた。
願いが通じて現れたハルは、再びハードナーに戦いを挑む。
そこへ唐突に魔界に現れたのは忘却の王、エンドレスだった…

27巻終わり
227マロン名無しさん:2005/08/15(月) 21:17:12 ID:???
乙。
続き楽しみにしてます
228ジャパネスク投下者:2005/08/17(水) 15:32:32 ID:???
瑠璃の父、大納言の大臣(おとど)は結婚しない!と言い張る娘が悩みの種だったが
突然その瑠璃が高彬と結婚する、と言い出したので大喜びだった。
なまじ幼い頃から知っていたため思い及ばなかったが、高彬といえば
性格は温厚で真面目。おまけに右大臣家の四男と、将来性はばっちりの出世頭。
これ以上ない良縁よ、と瑠璃の父は高彬が邸に来ると婿も同然と下にも置かない扱いで歓迎していた。
その高彬の方も、瑠璃の弟、融にかこつけてはちょくちょく
大納言家を訪れては瑠璃に会いにきていたのだった。
だがその高彬が十日前を境にぱったりと来なくなってしまった。おまけに使いの者も、文もなし。
瑠璃の父は、喧嘩でもしたならお前のほうから頭を下げて高彬殿に来てもらえ、と説教の嵐。
いい加減、瑠璃がうんざりし始めた頃突然高彬が邸にやって来た。
それまで高彬が来ないなら来ないでいい!などと言い張っていた瑠璃だったが高彬が
来るとなると態度を一変、うきうきと用意し始めた。だが、何だか様子がおかしい。
瑠璃の腹心の女房、小萩(こはぎ)が言うには高彬は急ぎの相談があるという事で瑠璃の父を
訪ねたという事だった。結婚の申し込みかと瑠璃と小萩は首を傾げるが、瑠璃は高彬から
事前に求婚の歌どころか文すらもらっていない。おまけに小萩が言うには高彬は
青ざめた顔でまずいことになった、ともらしていたそうだった。
そして瑠璃の部屋に瑠璃の父に融、それに高彬がやって来た。すると瑠璃の父は
瑠璃に向かうと、厳しい顔をしながら心を落ち着けて聞け、と前置きして言った。
「今夜、高彬殿と一夜を共にしてもらいたい」
一夜? 瑠璃は思わず目を点にする。段々とその意味が飲み込めてきて瑠璃は叫んだ。
「あたしに高彬と初夜を迎えろってえーーーーっ!?」
高彬は真っ赤になってうつむいている。なんて事を言いに来たんだこいつは、と
瑠璃は怒るが、高彬側の事情を聞いてなお怒りは増した。
なんと高彬が縁談を断ったという、兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)の二の姫へ高彬の名前で
文や歌が贈られていたのだという。身に覚えのないその内容に両親を問い詰めたところ、
高彬の祖母の大尼君が兵部卿宮の二の姫を大層気に入っており、孫息子と二の姫を
是非結婚させんと企んでいたのだという事が分かった。
229なんて素敵にジャパネスク_7:2005/08/17(水) 15:34:13 ID:???
だがそうするうちに祖母が病に倒れ、加持だ祈祷だと大騒ぎで外出できなくなってしまった。
そして病の床で祖母は高彬に涙ながらに、自分を安心させるため早く身を固めてくれ、と言ったのだという。
高彬は進退窮まって、急いで日を選び大納言家に来たのだった。
この平安の世では、結婚するならば男は女の元に三日続けて通わねばならない。そして二人で
三日夜の餅を食べ、露顕(ところあらわし)の儀をすることで晴れて夫婦と世間に認められるのだ。
とにもかくにも三日通わねばならないため、日の吉凶などを調べた結果最初の一夜を
今日にするしかなかったのだ。そうしなければ日がずい分空いてしまい、その間にも
高彬の立場はどんどん難しいものになる。渋る瑠璃に父は言った。
「いいか世の中やったもの勝ちなのだ!」
今夜高彬と結ばれた後、露顕で二人の仲を公表してしまえば、いくら右大臣家の大尼君でも
大納言家の総領娘を押しのけてまで二の姫との縁談を進める事はできない。
今夜高彬と既成事実を作って結婚するか、高彬が二の姫と結婚するのを黙ってみているか。
選べるのは二つに一つなのだ。
そうまで言われてしまえば、瑠璃としてもいきなりなんて嫌だと言い張るのも諦めるしかなかった。
ぼんやりと用意が整っていくのを眺めていたが、ふと高彬がそんな瑠璃に声をかける。
「急な事で……ほんとに悪かったと思ってる」
その言葉に瑠璃は思う。いまさら、遅いわよ。本来は結婚が決まるとその娘のために日、一日と
新しい調度類が部屋に揃っていくのだ。それを見ながら、ああ自分は結婚するのだと実感していくだ……。
なのに自分は……、と瑠璃は突然自分がみじめに思えて耐え切れずに泣き伏す。
その泣き声に驚いて高彬が瑠璃の所に飛んできた。その高彬に瑠璃は訴える。
「あんまりあたしがみじめだから泣いてるんじゃない……。 あたしは求婚の歌どころか文さえもらってない。
それだけならまだしも新婚のための調度類だって何一つないのよ!
こんな使い古した髪箱で初夜を迎える姫なんて都中探したってあたしだけよーーーーっ!」
230なんて素敵にジャパネスク_8:2005/08/17(水) 15:35:42 ID:???
そう言って泣いていた瑠璃だったが女房の小萩もいなくなり、いざ高彬と二人きりにされて
思わず動揺する。お互いに緊張しまくっていたが、ふとした事から後朝の歌(きぬぎぬのうた)の
事で言い争いになり、瑠璃はうっかり吉野君の名を引き合いに出してしまう。
吉野君の名に高彬は、新婚初夜に妻になる人の口から他の男の名が出るなんて、しかもそれが
死んだ子供の名だなんて、と不快感をあらわにする。だが瑠璃の方も今さら後には引けず
この結婚を考え直すなら今のうちだ、と言ってしまう。
「あたしも年下との結婚なんて考え直した方が……」
するとその言葉に高彬は今まで見たこともないような怖い顔をして言った。
「あなたは何かというと子供っぽい子供っぽいと言うけれどやめてくれないか。不愉快だ……!」
そんな二人の所に小萩が慌てた様子でやって来て声をかけた。
なんと高彬の祖母が亡くなってしまったのだという。
身内の死があったからには高彬は喪に服し、五ヶ月は身を慎まなければならないのだ。
当然夜歩きなどもってのほか。瑠璃の部屋から出て行きながら高彬は言う。
あなたの言うとおり色々考え直してみるべきかもしれないね、と。
次の日の朝、瑠璃が今だ高彬とは結ばれていなかった事を知って、瑠璃の父は愕然とした。
高彬がこの邸に来られるのは五ヵ月後。その時には年も明けて瑠璃は十七。
「十七で婿が決まらぬ姫が一体どこにいるというのだ!!」
父の言葉にぐったりとしながらも瑠璃は、よくよく思い返せば自分も悪かったと反省していた。
そしてその時は、年が明けたらきっとまた高彬は来てくれるはずだ、と瑠璃はそう思っていた。
だがしばらくして瑠璃は、弟の融から思いがけない言葉を聞くのだった。
「なんですって!? 高彬が二の姫と結婚ーーーーーっ!?」
あくまで噂だとは言いながら融は聞いた話を姉に伝える。先だって亡くなった
高彬の祖母は遺言で、高彬に二の姫と結婚するよう言い残したのだという。
兵部卿宮でも元々乗り気の縁談であったために、早々に話をまとめるのだという。
どういう事なのか、瑠璃にはさっぱりだ。おまけに服喪中という事で高彬からは
文の一つも届かない。だがお祖母ちゃん子だった高彬が遺言でそんな事を言い残されたと
知ったら情にほだされて二の姫と結婚するという事は充分にあり得る。
231なんて素敵にジャパネスク_9:2005/08/17(水) 15:37:56 ID:???
ショックを受ける瑠璃だったが、なんとその噂は女房の小萩も早々に知っていたのだという。
ただ、不確かな情報で女主人を不安にさせるわけにもいかず黙っていたが、遂に証拠を掴んだと
一通の文を差し出した。それはなんと高彬が二の姫にあてた文だった。
大尼君が死去した日から二人は頻繁に文のやり取りをしており、近々高彬が祖母の遺品を届けに二の姫を
訪ねるという計画もあるのだという。しかもその文には、『耐え忍んでいてもあなたへの熱い想いに
身を焦がす、私の気持ちをご存知ですか』という恋の歌が書かれている。服喪中にも関わらず
何度もこんな手紙を差し上げるのは不謹慎だと思うが気が急いてしまい、と但し書きまで書いてある。
(なぁーにが、『私の気持ちをご存知ですか』よ、下手くそな字のくせして!!)
むかむかしながら瑠璃は文を読み進める。自分には一通も文をよこさぬくせして二の姫には
こんな熱烈な恋文を送っていたのだ。遂に瑠璃の怒りは頂点まで達した。
「尼になってやる!」
瑠璃は叫んだ。男なんてやっぱりどうしようもないもの。尼になって吉野君の初恋を胸に
生涯を終えてやる。結婚したいなんて二度と思うものか。
だがその前に、高彬に一泡ふかせてやらなければ気がすまない。
(あたしが受けた屈辱、倍にしてつっ返してやる!!)
高彬が二の姫を私的に訪ねるという話を聞きつけ瑠璃は、小萩の必死の説得も聞かず
網代車(あじろぐるま)に乗り込んで、兵部卿宮邸へと向かう。邸の中、瑠璃が見つけた
二の姫の部屋で、楽しそうに話している高彬と二の姫。そして二の姫がこう言った。
「わたくし、高彬さまからの文を毎日心待ちにしておりますのよ。これだけまめまめしく文を
お書きになる殿方なんて都中に二人といませんわ。女性なら、皆心動かされてしまいましてよ。
せいぜいお書きあそばして」
「……そうでしょうか」
そう言いながら照れる高彬の姿を見て、瑠璃はついかっと頭に血がのぼり、
二の姫の部屋の戸をがらっと開いた。慌てて振り向いた高彬の瞳が驚愕に見開かれる。
232なんて素敵にジャパネスク_10:2005/08/17(水) 15:40:32 ID:???
「る、瑠璃さん!? ど、どうして……ここに……」
「どうしてですって!? あたしと結婚の約束をしておきながら
二股かけた高彬に思い知らせてやるためよ!」
そう言って瑠璃は懐刀で自らの髪を切り落とそうとする。慌ててそれを止める高彬。
「何てことしたんだ瑠璃さん! 二の姫に失礼だとは思わないの?」
「お、思わないわよ! みんな…高彬が悪いくせに!」
わーっと泣き出した瑠璃だったが、その騒ぎを聞きつけ兵部卿宮邸の女房たちが駆けつけてくる。
焦る高彬と瑠璃だったが、二の姫が瑠璃を自分の御簾(みす)の中に招きいれて隠し、
女房たちもごまかしてくれた。
瑠璃は招き入れられた御簾の中で二の姫の顔をまじまじと見る。
見れば見るほど可憐で気品ある姫だった。
噂通りの美しさに加えて姫は優しく機転が利く女性だった。
これは完敗だ、高彬を諦めるしかないかも、と思う瑠璃。
だが二の姫は瑠璃を見て高彬に言った。
せっかく瑠璃姫がいるのだから勉強の成果を見て頂いたら、と。
なんと二の姫と高彬の間柄は、歌の師弟の関係だったのだ。
二の姫から高彬の元に大尼君の葬儀の後、お悔やみの文が届いた。
その返事の中、瑠璃の事を文で『自分の恋人は気難し屋で、良い歌ができるまで
結婚してくれそうにない』と書いた事から二人の師弟関係は始まったのだった。
233なんて素敵にジャパネスク_11:2005/08/17(水) 15:41:22 ID:???

瑠璃のために歌が上手くなりたい、という高彬に対して二の姫は毎日一首高彬に
歌を書かせて、それを添削するというやり取りを繰り返していたのだ。
何もかも全て自分の勘違いだったと分かり、顔から火が出そうな瑠璃。
二の姫は瑠璃と高彬の仲を笑顔で祝福してくれた。
そして帰りの牛車の中で、高彬は瑠璃に説明していた。
「だからさあ、その……。気丈な瑠璃さんが歌も、もらえないなんて
あんまりだって泣くから。これはよほど歌が欲しかったんだろうと反省してさ」
色々考え、歌の素晴らしさでは定評のある二の姫に指導を受けていたのだ。
そして多少の意地もあり、歌が上手くなるまで瑠璃には手紙も書かないと決めていたのだった。
高彬は瑠璃との事を真面目に考えてくれていた。何となく良い雰囲気になる二人。
瑠璃はそこで高彬に一つ歌をねだった。勢い込んで詠んだその歌は、それ程上手くはなかった。
まあこんなものか、と思う瑠璃は、二の姫に色々教えてもらいなさいね、とだけ伝える。
ほめて欲しかった高彬としては最近じゃ一番よく出来た歌だと思うんだけど……、と
気落ちしてしまう。
「……そうねぇ、男性的といえばいえなくもない歌よね」
気落ちした高彬を見て、瑠璃が改めてそう指摘すると、高彬はぱあっと顔を輝かせた。
少しは上達したでしょう、と得意げだ。
思わず瑠璃はくすっと笑ってしまったがそれと同時に、なんか年下も悪くないなぁ、
などと思い始めていた。

(続く)
234マロン名無しさん:2005/08/17(水) 18:57:30 ID:???

いいカップルじゃないか
235マロン名無しさん:2005/08/17(水) 20:37:07 ID:???
ジャパ乙。
人妻編が楽しみ。まだずっと先だしどこまで書いてくれるかわからんが気長に待ってるよ。
書き手さんガンガレ。
236マロン名無しさん:2005/08/17(水) 23:54:43 ID:???
ジャパネスクなつかし
237マロン名無しさん:2005/08/18(木) 16:53:19 ID:???
まがりひろあき「魔女っ娘つくねちゃん」をお願いします
238マロン名無しさん:2005/08/19(金) 02:10:33 ID:???
山本賢治のブラック・ジャック〜黒い医師〜を書いてほしいです。
ピノコが萌えキャラ化してるとかキリコが助手にメイド少女を連れ歩いてるとか
オリジナル要素が多いと聞いたんで気になってます。
239マロン名無しさん:2005/08/19(金) 09:19:29 ID:???
>>238
すごいBJだなw
私も気になる。キリコはどんな顔してメイド少女を連れ歩いているんだろう…。
240マロン名無しさん:2005/08/19(金) 12:27:09 ID:???
絵だけならこれで見れた。メイドって言うより殺人マシーンに見える…
ttp://i39.aaacafe.ne.jp/~sekiha/BJ/
ついでにこっちは青池保子版ブラックジャック。顔が長い
ttp://pds.exblog.jp/pds/1/200501/31/67/a0029667_23301712.jpg
241マロン名無しさん:2005/08/19(金) 12:33:04 ID:???
「てるてる×少年」の続きお願いします。
242マロン名無しさん:2005/08/19(金) 12:35:21 ID:???
URL削ったらもういっこあった山本賢治版ブラックジャック。猫耳裸エプロン少女
ttp://i39.aaacafe.ne.jp/~sekiha/BJneko/index.htm
243マロン名無しさん:2005/08/19(金) 20:56:14 ID:???
真月譚月姫(電撃の)お願いします
原作はもうヤフオクで大金払わなきゃ手に入らないし
アニメはどこにも置いてないわでストーリーが気になります
244ドリームネットPAPA:2005/08/20(土) 00:41:19 ID:???
前回からかなり間が空いてしまいすみません。
依頼主さんがまだいらっしゃるかどうか分かりませんが投下します。
久しぶりなので一応人物紹介を。メディアは次のエピソードに出てきます。
245ドリームネットPAPA:2005/08/20(土) 00:42:57 ID:???
ネット…1歳にしてホログラフィーのバーチャルペット「ウサたん」を操るゲーム機「トイボックス」を造った天才ベビー。
メディア…ネットのことが大好きな天才ベビー、2歳。バーチャルペット「クマたん」とゲーム機「ラブボックス」を造った。
ヒデハル…ネットの父。大手ゲーム会社のプロデューサー。妻クラリスとはささいなことで離婚→死別。
アキラ…雇われゲームクラッシャー。血と猟奇物が大好きな医大生。
イリエ…ヒデハルの会社のライバル社「リアール」の社長、もとい総統。
秀樹…リアール社のサラリーマン。ネットの持つ「トイボックス」を狙っている。
246ドリームネットPAPA・エピソード4-1:2005/08/20(土) 00:44:03 ID:???
ある日アメリカから、ネットのガールフレンドがやってきた。
彼女の名前はメディア。マサチューセッツ工科大学でのネットのクラスメートで、
ネットとおそろいのバーチャルペット「クマたん」を操るゲーム機「ラブボックス」を作った天才2歳児だ。
彼女との対面を避けようと、防犯レーザー・落とし穴・バズーカ…様々な罠をしかけて彼女を迎えるネット。しかしメディアも手段を選ばずそれに反抗、36年ローンのヒデハル邸はボロボロになる。
「いやでちゅわー、あたくちったらはちたない」
たまたま遊びに来たアキラに仲裁され、今度は結婚をかけてゲームで争う事になった二人。
勝負は集中力を欠いたメディアの自爆で終わる。ショックで飛び出すメディア。
ネットに邪険にされ彼女が可哀想だというアキラにネットは言う。
「恋は盲目とはよく言ったもんだ…それに…最後に女を落とすのは男に決まっとる!」

飛び出したメディアに偶然出会ったのはネットの「トイボックス」を狙う、リアール社の秀樹だった。
メディアの持つ「ラブボックス」に目をつけた彼は、メディアに協力しゲームでの再戦をネットに申込む。
今度のゲームは「アルティミットダンシングマスター」。
メディアとネットが大学で共同開発したダンスゲームだ。
1000種類の踊りが組み込まれているというそのゲームのために、2人の赤ちゃんは丸二日、ダンスの猛特訓をする。
ネットが勝ったらメディアはアメリカに帰り、メディアが勝ったらネットは彼女の言うことを何でも聞かなければならない。
247ドリームネットPAPA・エピソード4-2:2005/08/20(土) 00:46:56 ID:???
勝負の日。ヒデハル・秀樹・アキラの見守る中メディアとネットは激しいダンスバトルを展開する。
ケチャ・ハンガリーのビンの踊り・室戸市シットロト踊り…
なかなか決着が着かない勝負を中断する人物が現れた。胸にシリコンを持つメディアの母、もとい父のエリオットだ。
有名会社の社長でもある彼はヒデハルとも知り合いだった。驚く周囲。
「私はクラリス(ネットの母・故人)と親友だったのよ…」
彼女はこんなしみったれたしょっぱい男と結婚する人じゃなかった、とヒデハルを批難し嘆くエリオット。
「アタシは五味ヒデハルの家になんて一秒もいたくないの、帰るわよメディア!」
勝負半ばにメ娘を連れ帰ろうとするエリオットに2人の赤ちゃんが抵抗。
「理由はともあれ、勝負を途中で投げ出させるのは教育上良くないぞ」
「ダディーにはオカマの意地ってものがありまちぇんの!」
二人に説得されエリオットは勝負を見届けることに。戦いは次のナンバー・コサックダンスに移る。
やはり実力は五分、ヒートアップする超コサック。
勝敗を決めたのはメディアのポケットからころがりおちた5円玉だった。
「ダメ…!!」
5円玉を追い床に手をついてしまうメディア、そしてゲームオーバー。ネットはその5円玉を見て驚く。
「メディア、それ…持ってたのか…」
「当たり前じゃないでちゅか」
メディアは泣きながら答えた。
「ネットちゃまがメディアにくれたプレゼント…女の子だったら持ってて当たり前じゃないでちゅか…!」
248ドリームネットPAPA・エピソード4-3:2005/08/20(土) 00:50:12 ID:???
ネットが5円玉をメディアにプレゼントした日、それは母を亡くしたネットが日本へ発つ日だった。
飛行機を爆破してでもついて行くというメディアに、ネットが渡した5円玉。
「クラリスママからもらったラッキーアイテムだ。ご縁があるように、という言霊が込めてあるらしい。」
ご縁の意味が分からないメディアに、ネットは「また会えるさ」と言い残し日本へ発ってしまったのだ。

「お母ちゃま亡くしてネットちゃまもつらいんだから…メディアがまんしまちたの…いい子にしてればまた会えるって……でも、「また」っていう日はいつなんでちゅのっ!!」
泣き崩れるメディア。エリオットはかつてクラリスに5円玉を渡したであろうヒデハルを責める。
「アンタでしょ、クラリスにそんな迷信教えたの…だからアタシはアンタが嫌いよ!
 いい加減なことばかり言って…女にとって好きな男の言葉はすべて真実なんだ。……曖昧な言葉で俺の娘を泣かせるな!」
それを聞いたネットはゲームプログラムにラストナンバーを要求した。曲はテネシーワルツ。
泣くメディアの手をとり踊るネット。学校の単位は取得したが、自分たちはまだ人から与えられて生きているのだと言う。
「…きっと、ボクがキミに何かを与えて、キミにボクが何かを与える日がやってくる」
だから待っていてくれという言葉に、前回の別れよりも真実を感じたメディアはうなずく。
一方、踊る二人を見てエリオットはネットの母・親友クラリスのことを思い出していた。
(踊ってくださる、カウボーイ?)(聞いて私、結婚するの…)
249ドリームネットPAPA・エピソード5:2005/08/20(土) 00:51:51 ID:???
メディアとエリオットが帰る日。ネットは見送りにはいかないと強がりながらも異様にしおらしく、ヒデハル邸には常にない静かな朝がやってきていた。
そこに取り乱したエリオットがやってくる。やはり恋に生きたいメディアが、ホテルをぬけだしてしまったのだ。
さらに彼女を「ラブボックス」目当ての秀樹が誘拐、メディアの行方はわからなくなってしまった。
クマたんの情報でそれを知ったネット達は、東京のネットワーク中にウサたんを送りこみ、秀樹の車を探しだす。
追う車の中でヒデハルはネットに言う。
「メディアちゃんにあったらちゃんと自分の気持ちを言葉にするんだぞ!」
大人になったらそれができなくなることもあるのだ、と。助手席で黙って聞くエリオット。
「わかったぞヒデハル」

そして追い付いたヒデキの車にエリオットが呼んだ軍用ヘリが発砲、
「命惜しけりゃオレの娘を置いて行きな!」という父の一喝にメディアはあっけなく解放される。
解放された彼女を、ネットは軽く指でついた。
「…また勝手な行動をとって皆を困らせたな。お前をひとりにしておくと心配だ……ボクのそばにいろ」
泣きながらネットに抱き着くメディア。
笑んで見守るヒデハルにエリオットが話しかける。
「卒業パーティーでクラリスとワルツを踊ったわ…アタシはカウボーイの格好、クラリスは初めてドレスを着てみせて…結婚するとアタシに告げたの」
自分の本当の気持ちに気付いたのはその時だけだ、と語るエリオット。
「すまん、俺はクラリスを最後まで…」
「謝るなよヒデハル。殴りたくなるから」
そしてメディアの父は1人で帰国。ヒデハル宅の赤ん坊は2人になった。
250マロン名無しさん:2005/08/20(土) 01:41:59 ID:???
乙。ちょうどよくまとまってて、いいと思う。ぜーたくを言うと、
柴田亜美の漫画ならもうちょっとギャグを強調して書いてくれた方が読んでて面白い
251マロン名無しさん:2005/08/20(土) 15:55:07 ID:???
 翌朝、それぞれが伝説の巨人の情報を求めて旅立った。
騎士ガンダムは、ガンキャノンとともにサタンガンダムの髑髏の杖を求めて火口へ向かった。
髑髏の杖の力があれば伝説の巨人を倒せるというのだ。
 しかし、それはジオン族が流したブラフだった。ガンキャノンに取り憑いたサタンガンダムは、
火口に期しガンダムを突き落とそうとたくらんでいた。彼のその企みは予期せぬ闖入者の手によって失敗に終わる。
 火口で髑髏の杖を発見したガンキャノンを、杖を回収しにサタンガンダムの息子ドラゴンベビーと、
ドラゴンベビーの魔力で蘇ったモンスタージャイアントジオングが狙撃する。
 かつて騎士ガンダムに炎の剣で胴体ごと下半身を横一文字に斬り捨てられたジャイアントジオングだったが、
頭部の角と左右の両腕を自在に操り、足なんて飾りですよとばかりに猛威を振るう。
 激闘が繰り広げる最中、ガンキャノンは旋回する角によって胴体を真っ二つに切り落とされ、
流れ弾に被弾したドラゴンベビーは火口に落下する寸前、騎士ガンダムの投げた力の盾によって救われる。
252マロン名無しさん:2005/08/20(土) 15:57:37 ID:???

「サタンガンダムが死んだ今、俺達が争う必要は無い。無駄な戦いは止めるんだ。ジャイアントジオング。」
 ドラゴンベビーを救い、ジャイアントジオングを諭す騎士ガンダム。その余裕ある態度に火を付けられたのか、
ジャイアントジオングは躍起になって騎士ガンダムを倒そうとする。

「サタンガンダム様は死んでいない。髑髏の杖とルフォイの星が出会ったとき、サタンガンダム様は蘇られるのだ。」
「何だと! ジャイアントジオング。ルフォイの星とは何だ?」
「預言者サラサのこと。そして、彼女が持つ恐るべき魔力を秘めた宝石の事だ」
 その巨体ごと騎士ガンダムにのしかかって押しつぶそうとするジャイアントジオング。  
その時、雲を突き破るようにして現れた巨大な足が、ジャイアントジオングを逆に踏みつぶした。
 呆気にとられて呆然と立ちつくす騎士ガンダムは、さらに彼の想像を超える光景を目の当たりにする。
下半身を失ったはずのガンキャノンが火口の淵に立っていた。

「あーあ、今のショックで髑髏の杖が火山の中に落ちていってしまったぜ。あれは回収不能だな。」
「ガンキャノン、お前は一体……。いくら我々モビルスーツ族でも、切り落とされた部分の再生は不可能のはず。」
「へ。あれしきのことでくたばるガンキャノン様じゃねーぜ。騎士ガンダム、こうなったら、ルフォイの星を探すしかないな。
彼女の力で伝説の巨人の居場所を突き止めるんだ。」
「ああ。そうだな。」

(そして、ガンキャノン、お前の正体もな!)
253騎士ガンダム 伝説の巨人:2005/08/20(土) 19:28:27 ID:???
 ルフォイの星を持つという預言者サラサを探す騎士ガンダム達。
途中立ち寄った森でジムスナイパーと再会する。彼が連れた妖精キッカから、
巨人を眠りから解き放つ目覚めの星と、心の星の二つが存在することを聞かされる。
ジオン族は、伝説の巨人を目覚めの星の力で覚醒させたが、心の星を持たなかったため、
巨人を制御することが出来なかったのだ。

 一方、砂漠では、預言者サラサを先に見つけた騎士シャアがジオン族と戦っていた。
ジオンの戦士と兵士を斬り散らしたシャアだったが、騎士ガリヴァルディβが呼び出した
モンスタージャイアントスコーピオンザクのはさみに捕まって呑み込まれてしまう。
強烈な溶解液で溶かされていくシャアの衣服の下から、隠された異形の姿が現れでようとしていた。
 シャアの危機を救ったのは、主の危急を騎士ガンダムに知らせに奔った彼の愛馬彗星号だった。
彗星号の背から飛んだ騎士ガンダムは、シャアを突き飛ばしてスコーピオンザクの体内に侵入。
霞の鎧の力で溶解液を弾くと、電磁スピアーの力を開放してスコーピオンザクを電磁波の高熱で逆に
溶かし尽くした。不利を悟った騎士ガリバルディβが呪術師メッサーラに助けを求める。
254騎士ガンダム 伝説の巨人:2005/08/20(土) 19:39:50 ID:???
 メッサーラの呪いで砂漠の砂が実体無きモンスターとなって襲いかかる。
苦戦する騎士ガンダムを救ったのは、ジオン族の総帥ジークジオンの魔力で
獣人へと変化させられたシャアの爪と牙だ。シャアの助けでメッサーラの呪いを
切り抜けることに成功したガンダムだったが、ジークジオンの魔力の力で竜巻に
巻き上げられたシャアは行方不明。巨人を眠らせるべくルフォイの星の力で
伝説の巨人を呼びだしたサラサは、代わりに現れたジオンの造り上げた泥の巨人
に連れられて砂漠の奥へと連れて行かれてしまった。残されたのは、サラサが必死で
守った巨人の心、ルフォイの星のみ。
255マロン名無しさん:2005/08/20(土) 20:51:58 ID:???
騎士ガンダムなつかしー。
256なんて素敵にジャパネスク_12:2005/08/21(日) 10:07:53 ID:???
いよいよ瑠璃にその日がやって来た。あまりに浮かれている瑠璃を、思わず女房の小萩がたしなめる。
右大臣家の大尼君の喪が明けてからは、高彬も瑠璃に律儀に文をよこしてきており、
文才も歌才も無いながら、兵部卿宮の二の姫に指導を受けて必死に歌を考えては贈ってきていた。
瑠璃としてもその気持ちが嬉しくてしっかり今までの文は取ってある。
また、調度類も今度は新婚のための、新品のものが一揃えされて瑠璃としても上機嫌で
その日を迎えられるというものだった。
(ああ、新たに広がる人妻の日々……!)
なーんちゃって、などと瑠璃はうきうきと高彬の訪れを待っていた。そしてその高彬がついに
瑠璃の元を訪ねてくる。新年も迎え一つ年をとったせいか、瑠璃の目には高彬は妙に凛々しく見えた。
雰囲気も高まっていざコトに及ぼうとしていたその時、またも騒動が巻き起こってしまった。
邸の中で騒ぎ声が聞こえ、気になってそれどころではない瑠璃と高彬。女房の小萩に聞いてみれば
なんと弟の融が太刀傷を受けて帰ってきたのだと言う。坊ちゃん坊ちゃんしている融とて高彬と同じ十六。
夜歩きをしてもおかしくはない年齢だ。そんな中、怪我をして帰って来たと聞き、二人は驚く。
だが、融の受けた傷は、太刀傷は太刀傷とはいえ、かすり傷だった。
ピンシャンしている融を見て瑠璃は高彬に部屋に戻ろうと呼びかける。
しかし高彬は真面目な顔をして融の傷を見ていた。夜盗の類だろうかと見当をつけて
融に尋ねると、六条の辺りで襲われたと言う。都の治安を守る衛門佐(えもんのすけ)である
高彬は夜盗が出たという事で靫負庁(ゆげいちょう)に報告に出て行く。
瑠璃に自分の衣を渡し、気持ちはもう夫婦だから、と言い残して。
その夜から半月、高彬は忙しく瑠璃に文さえ渡せない生活を送っていた。
それというのも夜盗事件におびえる東宮が、警護のため梨壷に高彬を連日宿直(とのい)
させているからであった。東宮の信篤いという事は高彬の将来の出世にも関わってくるの
だからと瑠璃の父は瑠璃を説得するが、瑠璃としてはどうにも納得できない。
自分にとって大切なのは東宮でも、出世でもない、高彬自身なのだ、と。
257なんて素敵にジャパネスク_13:2005/08/21(日) 10:08:35 ID:???
その高彬が久しぶりに瑠璃の元を訪れるが、どうにも様子がおかしい。
瑠璃が理由を聞くと、どうやら「六条で襲われた」と言っていた融がそれから先何も
話そうとしないというのだ。多分本当の事をいえば、恋の相手の女性が世間に知られてしまうから
隠しているのだろうと高彬は言う。夜盗を捕まえるには融の証言が大切なのだが、その証言
が得られないのだった。
夜盗事件が一段落しなければ東宮の警護から開放されず、自分達の結婚は遠いけれど
融の気持ちも分かるから無理に聞き出す事もできない。待つしかないよね、と高彬はため息をつく。
名残惜しそうに帰っていく高彬を微笑んで見送る瑠璃だったが彼の姿が見えなくなると
指をぱきぱきと鳴らしはじめた。
(融め……、あたし達の結婚の夜をぶちこわして自分の恋のためには
高彬に協力さえしようとしないんだからアタマくるじゃない!)
無粋で結構! 洗いざらい吐かせてやる!! と瑠璃は融の部屋に乗り込んでいった。
乗り込まれた融は、最初こそ瑠璃の剣幕に押され気味だったが斬られた場所については頑迷に
口を割ろうとしない。そして自分の恋する人がばれたら身の破滅、絶対に場所は言わない!と言い切った。
おまけに融は、とばっちりを受けて梨壷警護を命じられた高彬には気の毒だけど、どうせ高彬は好きな人と
結婚するのだからちょっとくらい辛い思いしたっていいじゃないか、とエゴイスティックな事を口にする。
思わずショックを受ける瑠璃。今までうすら呆けたところはあっても姉思い、友達思いの
やさしい弟だと思ってたのに…と。そして言うなり融はその場から立ち去ってしまった。
取り残された瑠璃は、最初のショックが段々と薄れてくるとふつふつと怒りが湧いてきた。
(この姉にタテつこうなんて十年早いってことを思い知らせてやる!!)
融は傷が癒えると、早速どこかへと夜歩きを始めた。それを見こして瑠璃は自分でも車を用意し
弟の後をつける。瑠璃は、融の相手の女を確かめてやる!と意気込んでいた。
258なんて素敵にジャパネスク_14:2005/08/21(日) 10:09:16 ID:???
お相手はどんな方なんでしょうね、と車の中で言う小萩に瑠璃は、きっと身分賤しい
財産目当ての年上の未亡人の性悪女に決まってる!と言い張る。
(それでなきゃ、なんであの子があんな事……)
くすん、と膝を抱えていたが、融の車は名家権門建ち並ぶ堀川へと向かっていく。
しかも堀川の中でも車は二条へと向かっていく。止まった所は二条堀川邸。
思わず瑠璃と小萩は顔を青くする。二条堀川邸の主といえば先帝の第八皇女、藤の宮だ。
現在の帝の声がかりで内大臣に降嫁したのだが、若くして夫に先立たれ、今は花の二十歳の
未亡人であるはずだ。もう降嫁しているとはいえ、元内親王の所に年下の恋人が足しげく
通っているなどと知れたらスキャンダルのまとだ。だから融は「ばれたら身の破滅」と言ったのだ。
(どうしよう……、世間の人はそういう話に敏感だもの。融なんか噂に押しつぶされちゃう!)
いてもたってもいられず、瑠璃は思わず車から飛び出て融の腕を引き掴んだ。
二条堀川邸の門の前でうろうろしていた融を人目のない所まで連れてきて瑠璃は、
本当に藤の宮が恋の相手なのかを確かめる。融はすっかり藤の宮に恋しているようだったが
実はなんと片思いなのだという。心配して焦って飛び出して損したと思いながらも
話を聞いていると、なんと夜盗に襲われたというのも違ったらしい。
藤の宮には通う男がいるらしく、そのみすぼらしい牛車を前に融はこんな男が通っているのかと
嫉妬のあまり「どこの者だ!」と声をかけたらしい。するとその牛車の中にいた男が突然切りつけて
きたのだという。そんな事情を話すわけにもいかず困っていたのだが、高彬が夜盗の仕業と勘違い
してくれたので、これ幸いと黙っていたのだと融は怒る瑠璃を前に、びくびくしながらも白状した。
「このボケナスッ!!」
瑠璃に殴り飛ばされてもこりずに融はまたもや、その車を見つけたといきり立つ。
259なんて素敵にジャパネスク_15:2005/08/21(日) 10:10:20 ID:???
車の前に立ちはだかり、何やかやと話をつけているらしく小萩が心配して瑠璃に声をかける。
放っときゃいい、と弟を置いて帰ろうとしていた瑠璃だったが、そんな彼女の前で融が、
その車から出てきた男を前に崩れ落ちた。まさか刺し殺されでもしたのかと慌てて駆け寄る
瑠璃だったが、融は怪我をしているわけでもなく単に当て身を受けて気絶していただけだった。
しかし、融がいくら普段抜けているからといって斬りかかってみたり、当て身をくらわせて
いいというわけではない。瑠璃は冗談じゃない、と去っていく男を車で追いかける。
(こうまでコケにされたんじゃ、姉として黙ってられるもんですか!
正体をつきとめて何が何でも融に謝らせてやる!)
だが瑠璃は、西洞院(にしのとういん)あたりで男を見失ってしまう。この邸に入っていったのかと
瑠璃はそっと忍び込む。だが全く男は見つからず、反対に瑠璃の方が、邸で見張りをしていた
侍達に見つかりそうになってしまった。あやうく床下に隠れて難を逃れた瑠璃だったが、
その床下でとんでもない話を聞いてしまうのだった。
何者かが、今の東宮を亡き者にして、自分達の手で新たな東宮をたてよう、という陰謀の計画を立てており、
それについて話していたのだった。あまりにも危険な話を聞いてしまい、慌てて早く逃げなければと焦る瑠璃だったが、
そんな彼女の前に、男が一人現れる。思わず恐怖に足がすくんでしまった瑠璃に向かってその男は刀を抜いた。
次に瑠璃が気がついたときには見知らぬ邸の部屋の中だった。
周りに控える女房たちに聞けばここはなんと二条堀川邸、藤の宮の邸だという。
現れた藤の宮を前にして、瑠璃は彼女の噂に違わぬ美しさに一瞬見惚れる瑠璃。
藤の宮は瑠璃になぜあの邸の下にいたのかを尋ねる。瑠璃は黙っていても自分の立場が
悪くなるだけ、と弟の事から、邸の床下での事まで洗いざらい全て彼女に喋ってしまった。
だが瑠璃が邸の床下で話を聞いていた事を知り、藤の宮は少し厳しい顔になる。
そして鷹男(たかお)という名の雑色(ぞうしき)を呼んだ。
260なんて素敵にジャパネスク_16:2005/08/21(日) 10:10:54 ID:???
彼はなんと、瑠璃に邸の床下で刀を突きつけてきた男だった。そして藤の宮の邸まで
瑠璃を運んできたのも彼だった。おまけに融に切りつけたのも彼だったのだと藤の宮は言う。
そして彼女は瑠璃の前で顔を伏せると、鷹男の非礼を詫びた。思わず瑠璃は焦りながらも
藤の宮に鷹男の素性を尋ねる。ただの雑色とは思えなかったからだ。
すると鷹男はこれから話す事は他言無用、もちろん高彬に対しても何も言ってはいけないと
前置きして説明を始めた。瑠璃が聞いた東宮をめぐる陰謀には前左大臣、入道がからんでいるのだという。
今の東宮は皇族出身の母を持ち、血筋は良かったものの後見となる財力や権力がなかった。
そこで右大臣家が姫を妃として差出し、後見としてつく事で彼は東宮になったのだった。
しかし、東宮が決まった直後、左大臣家の姫が第二皇子として生まれた。これが正良親王である。
入道は当時左大臣の位についており、正良親王が東宮として何とかして立てないものかと様々な
働きかけをしていた。だが、今の東宮に対した落ち度もないためその望みは叶わず、出家して
入道と呼ばれるようになったのだった。だが出家してからもなお権力欲は強く、正良親王の
東宮擁立のため画策しているのだった。
東宮はその動きに気づいているが、なるべくならば元凶の入道のみを捕らえ、陰謀とは縁のない
現左大臣や、その他縁の者には累が及ばぬようにしたいと考えていた。
鷹男は東宮からその様な命を受け、表沙汰にはならぬよう密かに入道一派の陰謀の証拠固めを
するため動いているのだ、と瑠璃に告げた。融を斬ったのは、彼が突然太刀を手に怒りもあらわに
声をかけてきたので入道の手の者と勘違いしての事だった。
261なんて素敵にジャパネスク_17:2005/08/21(日) 10:12:14 ID:???
高彬がそれを夜盗の仕業だと報告したために、鷹男も動きにくくなったが彼の有能さは
鷹男も良く知っており、そのため彼が先頭に立って動けぬよう梨壷警護を命じるよう東宮に
言ったのだという。それを聞いて瑠璃は思わず怒りをあらわにする。
高彬は東宮に信頼されているからと思って働いているのに!
だが、高彬が動きを封じられているのには彼が右大臣家の人間だという事も関わっていた。
もしも彼がこの陰謀を知ってしまえばそれは右大臣の耳にも入り、そうなれば事を極秘に
運ぶ事は不可能になってしまう。瑠璃は説得されるが、黙っている代わりに条件をつける。
すなわち、鷹男の仕事を自分にも手伝わせる事。鷹男は思わず呆れて言った。
「瑠璃姫……、これは鬼ごっことはわけが違うのですよ」
「なら自分ひとりで調べます。誰にも話したりしないのでご安心ください」
「姫! なんでそう駄々をこねられるんですか」
瑠璃は少し赤面しながらも勢い込んでいった。
「入道一派が掴まるまであたし達の新婚生活もありえないんだもの!
一刻も早く事件を解決したいのよ!!」
瑠璃の迫力に負け、鷹男は瑠璃が協力を受け入れる事になった。
藤の宮は困ったように鷹男に良いのか、と確認するが、鷹男は姫は諦めないだろうと彼女を諭す。
そして鷹男は衛門佐もこのような姫を妻にとは何て奇特な……と頭をかいて考えていた。
当の瑠璃はといえば鷹男がしぶしぶ承諾したのを見て喜んでいたが、おもむろに拳を握り締めると心に誓った。
(よぉーーーしっ! あたしは頑張るからね、高彬っっ!!)

(続く)
262おっとり捜査:2005/08/21(日) 12:16:38 ID:???
母子家庭の女子高生みずほは家計を支えるためにモデルのバイトをしている。
モデル仲間が次々と殺され死姦される事件が起き、みずほは刑事の秋葉と会う。
なんとか犯人逮捕。その後も事件に巻き込まれるみずほを秋葉が助けていく。
(ちなみに秋葉は逮捕した犯人に小便をぶっかけるという悪癖がある)

その後、クールビューティな黒崎、ダンディな心理捜査官、
体育会系なノリのファンキー、監察医の伊達、
麻薬捜査官の五十子(いらご)、マル暴のサクヤなどが出てくる。
そして秋葉の過去が次々と明かされていく。

かつて謎の連続殺人鬼が現れた。殺されるのは女ばかりだった。
その殺し方から、犯人は医学知識が豊富な者であると推察された。
刑事になったばかりの秋葉。彼は中学生の頃に母と弟を事故で失った。
悲しくて堪らなかったが、泣きながら謝る運転手を憎む気にはなれなかった。
その時の事を仲の良い監察医の橘に話した数日後、事故を起こした運転手が殺された。
手口は連続殺人鬼のものと同じだったが、男が殺されたのははじめてだった。
タイミングが良すぎた。秋葉は橘が犯人ではないかと疑った。
そしてそれは当たり、橘は本性を現し自分を追う警察官たちを殺した。
秋葉と同じく連続殺人事件を追っていた女刑事サクヤも怪我を追う。
「秋葉、橘を撃て!」サクヤはそう言うが、兄のように慕った橘を撃てるはずもなかった。
その時の秋葉の行動によって、橘は逃げ延び更に犠牲者が生まれた。
結局逮捕されたものの、殉職していった刑事たちの行動を秋葉が無駄にしてしまった。
その連続殺人事件を担当していた刑事たちはほとんどが死に、
残ったものも橘による怪我がもとで若くして引退を迫られた。
刑事を続けられたのは秋葉とサクヤだけだった。
263マロン名無しさん:2005/08/21(日) 12:17:49 ID:???
ある日 身元不明の遺体が発見される。橘は自分が殺した者だと言う。
しかし手口があまりに違う。別人の手で殺されたとしか思えない。
実はそれは、愛した女を殺して食らわずにはいられないという性癖を持った竹迫という男の仕業だった。
社会的な地位を持つ竹迫は、自分の犯行がばらされるわけにはいかず、
橘の脱獄を手伝うかわりに、罪をかぶってもらったのだった。
真相を知った秋葉を、買収された警察官たちが襲う。
しかし、脱獄した橘によって警察官たちは殺され、秋葉を殺そうとした竹迫をも殺す。
「秋葉を殺すのは俺だ」

竹迫は死んだものの、竹迫に買収された警官たちはまだ大勢潜んでいた。
雇われた女殺し屋は秋葉を殺そうとする。
橘は女殺し屋の両親を殺害、娘を拉致する。みずほも拉致される。
橘の起こした連続殺人を知ってから秋葉は壊れていった。
しかしみずほに出会ってから秋葉の傷は癒されていった。
橘は秋葉の希望を奪おうとみずほを殺そうとするが秋葉に追いつかれる。
秋葉は橘を撃つが、みずほの無事な姿を見て留めを指さずに病院に助けを呼びに言った。
そこへ女殺し屋もやってくる。「娘はどこ?」車のトランクには少女の遺体が入っていた。
女殺し屋は橘に留めをさし、失踪した。
数ヶ月後 彼女らしき人物が見つかった町で惨殺死体が幾つも見つかった。
殺人鬼橘が死に、また新たな殺人鬼が生まれた。

やがてみずほの卒業式が行われた。
「おめでとう」「ありがとう」二人は肩を並べて歩き出し。
終わり
264マロン名無しさん:2005/08/21(日) 13:48:59 ID:???
>新たな殺人鬼が生まれた
何も解決してねえ!

書き手さん乙したー。
265マロン名無しさん:2005/08/21(日) 16:31:17 ID:???
世紀末リーダー伝たけし!のリーダー229から237のストーリーを教えてください。
ワイド判にまだ収録されてない分です。出来るだけ詳しくお願いします。
266マロン名無しさん:2005/08/21(日) 22:23:39 ID:cK+uzE3E
九条キヨの「ZONE00」の粗筋みたいなの誰か教えてください。
内容によっては買ってみようかな…てな感じなんです。
267マロン名無しさん:2005/08/22(月) 04:26:32 ID:???
いや。一応少女漫画専門なんで・・ 私も少年漫画の話はわからないので
268マロン名無しさん:2005/08/22(月) 09:07:31 ID:???
ロトの紋章Returnsをお願いします。
269エビアンワンダー_1:2005/08/22(月) 13:28:05 ID:???
金髪の美女フレデリカ。彼女は弟のハウリィと共に、奇数羽(いちまいばね)の妖魔
ヨーヨーを連れて旅をしていた。フレデリカは、信心深い人々から『忌まわしき者』と
疎まれる『銀符(ぎんぷ)』である。銀符というのは、悪魔に願いを叶えてもらう代償に、
地獄のエネルギーとなる悪人の魂を集める契約を結んだ者の呼び名だ。
フレデリカは胸に鷹のタトゥーを持ち、それを発動させる事で魂を地獄へと送る。
通称『炎の鷹(ネイズー)』と呼ばれる銀符だった。一方、弟のハウリィは銀符の護衛
『侍符(カラムス)』として彼女の身を護り、彼女が悪人の魂を狩る手伝いをしていた。
世の中には悪がはびこっており、フレデリカが獲物に困る事はない。
だが悪人の魂を狩っても狩っても、彼女の悪魔に対する負債は一向に減る気配を見せなかった。
なぜならばフレデリカの負債は途方もなく大きなものだったからだ。
彼女が悪魔と契約した望みは『家族を得る事』だった。幼い頃、両親に雪山へ
捨てられたフレデリカは、家族の愛情に絶望し、目の前に現れた悪魔ペイシェントに
『自分を捨てない家族が欲しい』と望む。
「ひとりだけでいいの! 大人はもういらない、私よりちいさいのでいいの。
それなら私を見捨てたりしないでしょ!?」
その言葉に、ペイシェントは雪山で死んだ子供の骨を取り出して男の子を作った。
名前をつけてあげてね、と言い残して。それがハウリィだったのだ。
フレデリカはそうして望んだ家族を得たが、命を望む事は悪魔に対して
果てしない負債を負う事を意味していた。
もしも生きている間に負債を返せなければ、死んでからも負債を返さなくてはならない。
それが悪魔との契約だ。その場合、死んだ銀符は『前任(フェル・フェザー)』として
自分の後を継いだ銀符を育てる。フレデリカもまた、同じようにして負債を残したまま
死んだ前任、エレクトラに育てられたのだった。
旅を続けるフレデリカはある時奇妙な僧侶、フェイ・イと出会い、以来たびたび後を
追われる事になる。彼は神の道を説き、フレデリカを改心させるとうそぶいていたが
何やら別の目的を持っているようにフレデリカには思えた。彼はなぜか、フレデリカの
過去を知っており、時折謎めいた一面を見せるのだった。
270エビアンワンダー_2:2005/08/22(月) 13:30:22 ID:???
フレデリカの持つ『炎の鷹』。それは所有者の、悪への怒りでできている。
だがフレデリカはその事を知らない。悪を前にすれば鷹は飛ぶと思っており、悪を犯した相手に
悲しみや同情を少しでも感じてしまえば鷹が飛ばなくなるとは、フレデリカには思いもよらなかった。
そのためハウリィを得た代償として、鷹を飛ばして悪を狩る事に何の疑問も抱くことはなかった。
彼女自身、悪を心から憎んでいたからだ。そして強くなろうとしていた。
弱さは悪を生むと思っているからだ。そして魂を狩る旅の中、出合った人々はそんなフレデリカに言う。
(あなたは私と同じねお嬢さん、ここは籠の中。怒りと復讐という名の籠よ)
(フレデリカ、あんた子供みたいな目をする……のね)
大人は裏切る。弱いものを利用して。棄てる。子供だった私のように。
フレデリカの悪への怒りの源はその思いだった。
ある時、その思いが暴走して街を一つ滅ぼしてしまう。そしてその街で、フレデリカは
天と契約した七錘(なのすい)のセスと出会った。彼はフレデリカに君の事は良く分かる、
僕らは兄弟みたいなものだから、と前置きして彼女に言った。
銀符や七錘は孤独でいなくてはならない、と。
フレデリカにはハウリィがいる。だが、自分が街を一つ滅ぼしたにも関わらず、少しも
自分に対しておびえも、怒りも見せないハウリィを前にフレデリカは思った。
ハウリィは私を見捨てない。でもそれはハウリィがそういう風に作られたからだ……。
おまけにハウリィはある年齢を境に成長を止めてしまっていた。ハウリィは普通の人間ではないのか?
フレデリカはその事を不安に感じて悪魔ペイシェントを問いただす。するとペイシェントは笑いながら答えた。
「成長するなんて言ってないわ。まあ、ずっと弟なんだからいいじゃない。あれはあなたのもの、お好きなように」
「私のものじゃない。ハウリィは――将来を夢見たり、いつかは恋をして――家庭をもったりするべき」
「いいえ、ありえない。契約したでしょうフレデリカ。『私を見捨てない、私より小さな――』」
271エビアンワンダー_3:2005/08/22(月) 13:32:12 ID:???
うなされて目が覚めたフレデリカは自分が死んだ後の事を考えていた。
もし自分がいなくなればハウリィやヨーヨーはどうなるのだろうか。
その時ハウリィはといえば、フレデリカが負債を完済し、銀符を辞めた時の事を考えて、
武術の試験を受けていた。斗仙にまで昇れば生活には困らない身分が手に入る。
自分がフレデリカを養わなければ、とはりきっていたのだ。

フレデリカは段々北へと向かっていく。なぜなら北に、自分を捨てた両親をいるからだ。
両親を狩るつもりだが、自分とハウリィは本当の姉弟ではないので、子供を雪山に捨てるような親は
ハウリィの両親ではない。だからこのことは気にしなくてもいいのだ、とフレデリカはハウリィに伝える。
だがハウリィはきょとんとして答えた。
「姉弟って本当と偽物があるの? ……あのさ、気にしないでいいんじゃないかな。
どうせ、フレデリカと俺だけの家族なんだから」
ハウリィはフレデリカの事を姉として本当に慕っていた。彼女がいなくなってしまえば
どうすればいいのか分からなくなってしまうほど。だがフレデリカは、ペイシェントの
契約という呪縛からハウリィを解き放ちたかった。
だからそのためにもある雪の日、山に立ち寄ったフレデリカはハウリィをそこに置いていく。
そして妖魔のヨーヨーだけを連れ、一人旅立った。フェイ・イはそれを追いかけ、フレデリカと
共にいるか、いないかはハウリィに選ばせるべきだと諭す。
そしてハウリィに本当の事を伝えるべきだと言った。
すなわち、ハウリィはフレデリカが悪魔と契約し、得た弟なのだと。

(続く)
272エビアンワンダー投下者:2005/08/22(月) 13:39:03 ID:???
単行本が『エビアンワンダー@、A』、『エビアンワンダーREACT@』と
出ていてその出ているところまでのストーリーです。REACTは続編に当たってるので、
エビアンワンダー@、A読んでからじゃないと分かりづらい所があります。

>>269が大体エビアンワンダーの内容。>>270-271はREACTの方です(混じってますが)。
ちなみにREACTは今現在、コミックゼロサム増刊 "WARD" にて連載されてたはず。

すごく独特の雰囲気がある漫画です。あらすじだけだとその雰囲気が出せないので
是非読んでみてください。面白いっすよ〜。
273マロン名無しさん:2005/08/22(月) 15:06:00 ID:???
面白そうっすね〜。
面白そうにストーリーを書くのも一種の才能だね。
漏れも以前、ここでリクされてた面白い漫画のストーリー書きはじめてみたけど、
なんだかつまらなそうなだらだらと長いだけの文になっちゃってやめちゃった。
274マロン名無しさん:2005/08/22(月) 15:30:26 ID:???
樹村みのり「贈り物」と大島弓子「ロングロングケーキ」をお願いします
275マロン名無しさん:2005/08/23(火) 09:48:54 ID:sj9YM+SJ
真月譚月姫お願いします
276アスターリスク:2005/08/23(火) 12:17:41 ID:???
八神あやめは中学三年生。占い師の姉と二人暮し。
姉は「嫌な感じがする」と言っては引越しをくり返し、あやめは転校ばかり。
新しい転校先であやめは、小学生の頃の同級生・水原周と偶然に再会する。
あやめがかつて小学校を転校した後に周も転校したのだという。
小学生のころ二人は仲が悪く、喧嘩ばかりして生傷が絶えなかった。
しかし、あやめが転校する事になった日に周はあやめを好きだと告白し、
七夕神社のキーホルダーを渡してくれた。織姫と彦星のようにまた会おうと。
二人の中を冷やかす同級生は周に、あやめが転校した時は寂しかっただろうと訊く。
「いや…あの時はそれどころじゃなかった。あそこんち両親が一辺に亡くなったんだ」
あやめは両親の謎の惨殺事件によって転校していったのだった。

あやめは教師の後藤が一瞬、黒い角を一本生やした鬼に見えた。
その事を周に話すと、周とその友人の九十九光(つくも・ひかる)も
後藤の正体に気づいている、あやめが見た通り後藤は鬼だという。
「幽霊やUFOが見える奴がいるだろ。それと同じように鬼を見る奴もいる。
 そういう奴はアスターリスク…日本語だと星紋だと言われる」
アスターリスクは5種類いて、それぞれ五感で鬼の存在を感じる。
あやめは恐らく角を見る事で識別する視覚のアスターリスクだ。
周は触覚。鬼に触れると煮えた湯をかけられたようにその部分が痛む。
光は嗅覚。鬼が近づくと辺りに血なまぐさいにおいを感じる。
「俺たちは鬼を絶滅させるために生まれた選ばれた人間なんだ」
光の家系は星紋ばかりで、皆がそういった使命感を持っているという。
星紋の能力が発生するのは血筋によるところも大きいが、
鬼に怪我を負わされながらも生き延びた場合にも発生する。
また、突然発生する事もあり、あやめと周は恐らくそのタイプだ。

あやめの怯えた態度に後藤が勘付き襲われるかもしれないと、
周は端午の節句に使ったという『あやめの刀』を護身用に貸してくれた。
あやめの花は鬼を払う退魔の力があるといわれる。
その名を星紋が持っているとはすごい偶然だ。
277アスターリスク 2:2005/08/23(火) 12:19:23 ID:???
家に帰ってから、あやめは周との再会と星紋の事を姉に話す。
そんな事は信じられないと姉は何故か怒りだし、
七夕神社のキーホルダーを大切にするあやめに言う。
「あの神社はけして結ばれてはいけない神様同士が奉られてると言われているのよ。
 七夕神社の神が結ばれてできる子は世界を滅ぼすなんて伝承があるぐらいなんだから」
姉のいきなりの態度にあやめは拗ねながら就寝した。
「どうしよう…どうすればいいの…」その傍らで姉はつぶやいた。

周は道で落し物をしたあやめの姉を手伝う。その時姉の手にふれると、痛みが走った。
痛みを感じる相手は鬼だけだ。何故あやめの姉が鬼?

校内で後藤に襲われるあやめ。刀を使う前に恐怖で失神した。
目覚めると、傍らに後藤の死体があった。
そして、後藤の心臓を取り出す姉の姿が。
姉には二本の白い角があった。姉は鬼だったのだ。
姉が鬼で、しかも後藤の心臓を取り出していた……
あやめは恐怖で泣きながら周の家へと走る。
周の家の玄関の鏡にうつったあやめの頭には…二本の金の角があった。
あやめは周のもとからも逃げ出す。それを追う周。
「水原くんには見えないかもしれないけどあたしに角があるの!鬼なの!」
しかし周は痛みを堪えてあやめを抱きしめ「痛くないお前は鬼じゃない」と言った。
やがて、あやめの角は消え、周も痛みを感じなくなった。
あやめは他の鬼とは違い、感情が昂ぶった時のみ角がでるようだ。
だがあやめが鬼である事に変わりは無いだろう。
周が星紋として目覚めたのは、かつて幾度も起こした喧嘩の中で
あやめが引っかいたり叩いたりして周に小さな傷を与えた結果なのだろう。
278アスターリスク 3:2005/08/23(火) 12:20:23 ID:???
帰宅したあやめは姉に鬼の事を訊ねる。
「お父さんにもお母さんにもあたしにも、いつも角はあったのよ。
 ただあんたに見えなかっただけで。
 あんたは鬼の角を持たずに生まれた特別な子なのよ。
 同族には見えるはずの角があんたにはない。
 目覚めないですむ血なら目覚めないでほしい。
 あやめ は封印の意味でつけられた名なのよ」
だがあやめの力は目覚めてしまった。
後藤の角が見えたのは星紋ではなく、同族だったからだ。
鬼とは一体なんなんだ、何故こんな生き物がいるとあやめは言う。
「八神って名前を見て。右と左に引き裂かれた八という字。
 あたしたちは神から引き裂かれたもの。
 少しばかり先の事を見る力や、人の何倍もの腕力を持つ。
 そして怒ったり恐れたりすると――力が溢れ出てくる。
 手から爪のように口から牙のように、天頂から角のように」
姉が後藤の心臓を取り除いたのは、そうしなければ蘇ってしまうからだ。
二人の両親を殺したのは星紋だ。なにもしていないのに鬼だというだけで殺された。
残った仕事を終えればすぐに引っ越す、星紋には気を許すなと姉は言う。
279アスターリスク 4:2005/08/23(火) 12:23:06 ID:???
光はあやめの姉が鬼だという事を察し、あやめの刀で刺した。
傷を負いながらも逃げた姉は、あやめに金を渡し親戚の家へ逃げろと言う。
鬼は強い生命力を持つが、あやめの刀でつけられた傷は癒えにくい。
「あたしね明日デートの約束してんのよ。まだ死にたくない。
 不思議ね。この呪われた血を持って生きたいなんて」
そこへ光とその父が現れ、あやめの刀で姉を惨殺した。
怒りに燃えたあやめは金の角を生やし、光の父を殺した。
光はあやめを殺そうとする。あやめをかばって周は倒れた。
あやめは光の片目を潰し、その場から逃げた。

もうじき退院する周は、あやめの残したキーホルダーを眺めていた。
七夕神社のですねとおばあさんが話しかける。
結ばれてはいけない神が奉られているらしいですねと周は言う。
「あら違いますよ。悪い世の中を壊すための救世主が生まれてくると言われているんですよ。
 あなたにも誰か織姫様がいるのかしら?」周はその言葉に肯き、あやめとの再会を心に誓った。
その二人のやり取りを影で見つめるあやめ。
周の無事を確認し、あやめは町を去っていった。
280アスターリスク 5:2005/08/23(火) 12:25:27 ID:???
あやめは鬼ではない親戚に引き取られるが、
その一家の父に性行為を強いられ、父を殺して家を出てしまう。
赤い二本の角を持つ神庭魁(さにわ・かい)があやめを匿う。
魁は星紋によって家族を失い、今は高校生にして一人暮しだという。
角を隠せないのなら誤魔化せばいいと、人間の友人たちと共に
鬼のコスプレをした格好でバンド活動をしているという。
・鬼の血を引く者には苗字に「神」が入っている事が多い
・あやめは普段角が出ない反動か、角が出た時は星紋以外の者にも角が見える
などの情報が明らかになる。また、魁は親からある伝承を聞かされたという。

 九十九は百を欲する
 千の鬼の血を流し 万の民を支配する
 いつの日か 金の花が咲く日まで

九十九とは星紋の中でも勢力を誇る九十九一族の事だと言われている。
黄金の花とは――普通の鬼とは違うあやめの事かもしれない。
たかが鬼を見る事が出来るだけで何故世界を支配できるのだとあやめは問う。
「奴らにだけ俺たちが見えるのは何故だと思う?
 多分血が近いんだ。二つに引き裂かれたという神の片割れ。
 俺たちのように未来を見たり鉄を裂く力を持つ者があいつらにもいるのかもしれない。
 もしもそうなら、支配者になれる。似て非なる俺たちは邪魔なんだ」

事件の報道によって周はあやめの居場所を着き止める。
再会に抱擁を交わす二人。しかし、光も同じくやってきていた。
光はあやめにつけられた傷により視覚の能力も併せ持つようになっていた。
光とその仲間の星紋たちに襲われた魁は、
知り合いの鬼たちの居場所を書いたメモをあやめに渡すと絶命した。
周を巻き込んでは行けないからと、あやめは周を置いてメモに書かれた場所へと旅立った。

続く
281マロン名無しさん:2005/08/23(火) 17:59:06 ID:???
282マロン名無しさん:2005/08/23(火) 20:54:31 ID:???
>>275
まだ2巻までしか出てないぞ
283マロン名無しさん:2005/08/23(火) 23:26:09 ID:???
巻数は特に関係ない
284真月譚月姫 前略1:2005/08/23(火) 23:57:34 ID:???
ストーリーをさくっと進めるために前座書いとく
主人公は遠野志貴(七夜志貴)
元は先祖代々伝わる混血(人と人外の交わったもの)を暗殺するための一族
近親相姦を繰り返すことでより強い遺伝子を継承していった一族でもある
志貴が5歳?のときに暗殺をやめたいと言ったところ、退魔のトップである遠野槇久と
軋間紅摩によって一族もろとも皆殺しにされ、槇久のきまぐれで引き取られる。
そして8年前に遠野四季という混血が紅赤朱(先祖還り)したところを刺される
そして奇跡的に生還したところ、七夜の血のせいもあり、物の死を見れる
直死の魔眼の力を手に入れる。そのまま行けば発狂してただろうが、偶然通りかかった
世界5大魔術師の一人である蒼崎青子に魔眼殺しの眼鏡をもらい、なんとか今日まで生き延びる。
貧血やめまいでよく倒れるし、目のせいで長くは生きられない

ヒロインの名はアルクェイド=ブリュンスタッド
12世紀頃に堕ちた真祖を狩る為の兵器として生み出された特別な吸血鬼の真祖。
自然発生した他の真祖とはその誕生の仕方が少々異なっているようだが詳細は不明。
吸血衝動を抑える必要のなくなった真祖達を処断してまわるほど真祖の中でも能力が突出している。
しかし兵器として在る為には必要のない知識を与えられる事はなかった為、
志貴に殺されるまでは言葉を発する事すらなかった。
はじめての吸血衝動に苦しんでいたところをロアという魔術師に騙されて彼の血を吸ってしまい、
結果暴走してブリュンスタッド城に居た真祖を全滅させてしまう。
その後は城に自身を封じ、ロアが現われるたびに覚醒して処断しに出向くようになる。
285真月譚月姫 前略2:2005/08/24(水) 00:08:08 ID:???
シエル先輩
志貴の学校の割と正体不明な謎の先輩。実は埋葬機関第七位の代行者。
第七聖典の所持を許される。本名はエレイシアで、シエルは正式ではないが洗礼名であるらしい。
ロアの転生体との疑いのある志貴を監視する為に暗示を駆使して潜入しているので正式な生徒ではない。
元々はフランスの片田舎のパン屋の娘で、ごく普通の人生を送っていた。容姿は東洋人だった母親譲りであるらしい。
瞳は青い。16歳になった頃にロアとして覚醒、両親をはじめ街の人達を殺してしまう。
結局アルクェイドに殺害され、その後、教会に遺体が引き取られるが3年後に蘇生
如何なる手段を用いても殺害することができず、「矛盾」により不死になってしまったことがわかる。
その後、教会の埋葬機関に引き取られて代行者となる。無類のカレー好き。

遠野秋葉
退魔一族の宗家遠野家の当主。遠野四季は実の兄。彼女は混血として半分化け物の血が
流れており、吸血鬼でもないのに吸血衝動があったり、先祖還りを起こすと
見えない髪の毛や物体を凝視することでそれから温度を奪うことのできる略奪の能力を持っている。
志貴思いで、遠野家の厳格な教えの中で、しっかりとした女性になり、志貴に厳しくあたるが
それでもやはり兄のことが心配な元祖ツンデレ娘。

ミハイル=ロア=バルダムヨォン
過去にアルクェイドを騙して死徒となり、今までに18回も転生を繰り返している。
アルクもシエルもこいつを探して日本にやってきた。
286真月譚月姫 前略3:2005/08/24(水) 00:12:24 ID:???
翡翠
過去に遠野家に感応者として姉の琥珀とともにやってきた。
現在はメイドさん。おとなしく無口な性格だが、昔は明るかった。
姉の事情を知ってからふさぎ込んでしまう。
琥珀
妹の翡翠思いの姉。明るくはっちゃけた人だが、
感応者として、幼少の頃より大変な目に会っているために精神が壊れ、
結果今のような明るいキャラを作っている。

乾有彦
志貴の友人。彼のことをよく知る。中学からの同級生
夜遊びばっかする不良。姉がいる。
弓塚さつき
志貴の中学の頃からの同級生。志貴のことをとあることで好きになる。
クラス内では結構な人気者。
287マロン名無しさん:2005/08/24(水) 00:27:18 ID:???
ごめ、長くなるのでまとまったら一気にのせる
288真月譚月姫 本編1:2005/08/24(水) 01:27:52 ID:???
主人公遠野志貴は病院で目覚め、自分の視界のあらゆるものに線が見える
のを不思議に思う。人に言っても信じてもらえない。ナイフでその線をなぞる
とすっぱり切れる。幼心に志貴はそれが死だと理解する。
死―死―死。世の中が死に満ちていると悲嘆した志貴は病院を飛び出す。
そして胸の傷のせいで遠くまでいけない彼はそこである人に出会う。

―――8年後。

志貴は、遠野槇久が死ぬとともに、8年間預けられていた有間家を後にする。
線は8年前の女性にもらった眼鏡のおかげで見えていないのだ。
その際、おばさんから何かの形見のナイフをもらう。そこには七夜と書いてあった。
利用法もわからないままそれをポケットに入れて登校した志貴は学校で不思議な
人物に出会う。眼鏡をかけた知らない女性が窓から手を振っているのだ。
訳もわからず手を振り返すと、親友の有彦に誤解され、ライバル宣言をされる。
志貴はその日、8年ぶりに遠野の屋敷に帰ることや、秋葉に久しぶりに会うこと
を憂鬱に思っていたために、街で起きている若い女性ばかりを狙った吸血鬼事件
が起きていることにも興味を示さない。結局貧血で倒れて早退してしまう…

街を歩いていると突然志貴は言いようもない衝動に襲われる。
アルクェイドとすれ違ったときに一つの欲求に脳が支配されたのだ。
「決まっているじゃないか――早く早く早く――ア ノ 女 を――――。」
公園までアルクェイドを付けた志貴は彼女を振り向きざまにナイフで―
17個の肉片に解体してしまったのだ――。
289真月譚月姫 本編2:2005/08/24(水) 01:28:29 ID:???
目が覚めるとそこは遠野の屋敷の自分の部屋だった。
周りを見渡すと翡翠、琥珀、そして秋葉がいる。
しかしさっきのことが頭を離れない。あれは夢だったのだろうか?
しかし服にも血は付いていないし、公園には誰もいなかったと琥珀から聞く。
夢だったと安心する志貴。その日、遠野家の当主としてまったく変わってしまった
秋葉の変貌や、自分付きのメイドである翡翠の丁寧さに居心地の悪さを感じながらも
久しぶりの我が家にて安心する志貴。
翌日登校しながら秋葉のことについて悩んでいると、後ろから誰かの声が聞こえた。
「見つけた。」
後ろを振り返るとそこには―――そこには昨日の夢でバラバラにしたはずの女性――
アルクェイドが笑いながら手をあげて立っていた―――。
「昨日私をこれでもかってナイフでバラバラにしてくれたじゃない―――。」
必死に逃げる志貴。夢か現かもわからないままひたすら逃げて学校に着く。
そして落ち着くとやはり夢だったと自分に言い聞かせる。

食堂で有彦さつきと食事しながら志貴は考え込んでいた。さっきの出来事が気になる。
するとそこに昨日の手を振ってきた女性がやってくる。彼女は親しげに
有彦とさつきに話しかけるが志貴はなぜかその人のことがわからない。
ショックを受けたその女性は文句を言いながら志貴の目をまじまじと見つめる。
その途端にシエル先輩と思い出す志貴。かくしてシエルは志貴の中で
親しい知り合いとなる。
テレビの殺人事件というニュースだけで反応してしまう志貴。
帰りにさつきに一緒に帰ろうと誘われても心ここにあらずといった状態だった。
心配したさつきは志貴に中学のときの思い出を話す。
閉じ込められたときに志貴が偶然助けに来てくれたことを。
しかし志貴はそれでも気分が滅入っている。結局また助けてねと約束したまま
志貴とさつきは別れてしまう。志貴は何かを考え込んでいるようだった。
結局、どうにも気になる志貴は結局あの公園に行くことにする。
自分の気が狂ってしまったことを確かめにいくように―――。
290真月譚月姫 本編3:2005/08/24(水) 01:28:58 ID:???
公園に着くと後ろから志貴のかばんを持ってアルクェイドがやってくる。
自分が気が狂ってしまったことを確認すると、その幻覚についてこいと言う。
行くあてなどない、ただ、この非現実から逃れるために歩き続けた。
結局路地裏の行き止まりにつくとアルクェイドに向かって話しかける志貴。
するとアルクェイドは志貴の自分に対する扱いに不満を漏らす。
そして自分が殺されたことや、痛かったこと、再生するのに一日かかった
ことなどをペラペラ話し出す。あまりの痛さに気が触れそうになる。
そしてまたあまりの痛さに正気に戻るそれを一晩中繰り返したことを志貴に告げる。
何がなんだかわからない志貴が、そんな人間はいないと言ったところ、
彼女はあっさりと自分が人間ではないと言った。
そう、吸血鬼であると―――。
よくわからないまま盾になれと言われる志貴。どうやら志貴の鮮やかな殺しの
手口に興味を持ったらしい。それと、弱っているために盾が必要だったのだ。
そしてアルクェイドの口から吸血鬼退治に協力するよう言われる。
混乱する志貴。自分が殺した女性が実は吸血鬼でさらに吸血鬼退治をしている。
訳もわからないままでいると、突然路地裏の向こうからでかい犬がやってくる。
見つかったというアルクェイド。すると物凄い勢いで犬が突進してくる。
避けるまもなく目を閉じ、開けると志貴は怖ろしい物を見る。
怖ろしく巨大な犬が壁を蹴ってこちらに向かってくるのだ―――
あわやと言うところで犬の顔が吹っ飛んで上に飛ぶ。
アルクェイドが爪で犬の顔を吹き飛ばしたのだ。何も出来ず呆然とする志貴。
そして見つかったから逃げようと言うアルクェイド。
志貴は自分は何も出来ないというが、アルクェイドによって半強制的に
連れて行かれることになる。そう、拒否権はないのだ。ここで死ぬか生きるか。
一変して笑顔になったアルクェイドは志貴に手を出してよろしくという。
「私を殺した責任、ちゃんととってもらうんだから。」
かくして志貴は吸血鬼退治に協力させられることになったのだ―――。
続く
291真月譚月姫 本編4:2005/08/24(水) 02:14:51 ID:???
アルクが借りたホテルに連れて行かれる志貴。
隠れ場所として利用することにしたのだ。そして倒れるアルク。
志貴にやられた傷がまだ回復してないのだ。夜になるまで寝ると言って
ベッドに横になってしまう。その無防備な姿に志貴は驚いてしまう。
もしこのまま逃げたら俺は日常に戻れるかもしれない―――。
しかし服から血がにじんでるのを見て、包帯を買いに行くにとどまる。
帰って来てみるとアルクが怒っていた。外に出ると志貴も危険だと言うのだ。
自分が逃げようとしたことを考えないアルクに驚く志貴。さらに
包帯を買ってきたことを告げると志貴をいい人だと言って笑いかけるアルク。
そんな姿に志貴は不思議な気持ちになってしまう。一方、
黒いマンとを着た男の影がホテルに近寄る。
志貴がナイフを取り出すとアルクはどうして自分を殺せたのか疑問に思ってしまう。
特別な概念をもった概念武装でやられたと思っていたのだ。
そして志貴は自分の目のことを説明して実演する。
それを見たアルクはその目のことを直死の魔眼だと言い、
童話の中でしか聞いたことのないような、怖ろしい力だと言う。
すべてを殺す目―――。志貴のことを自分よりもある意味で化け物だと言う。
すると突然階下で振動がする。
黒マントの男がホテルにたくさんの獣とともに乗り込んできたのだ。
一瞬にして一階が修羅場と化す。すべての人間が殺される。
そして逃げようと提案するアルク。途中で階段の下からわんさかやってくる
獣達を見てアルクは志貴に先に行くよう言う。そして志貴がエレベータに乗ろう
とすると、中から一匹の獣が飛び出てくる。中には無残な死体の山がある。
そして、志貴はその獣に食べられそうになる―――。
292真月譚月姫 本編5:2005/08/24(水) 02:16:11 ID:???
倒された衝撃で眼鏡が外れた志貴は、食われる直前に先刻からの頭痛のせいで
覚醒してしまう。目が青く光り、ナイフで次々とやってくる獣の死の線を
分断してしまう。気が付くと志貴は獣を二匹殺していた。
すると向こうから黒マントの男がやってくる。
その圧倒的な存在に敵がと認識する志貴。そしてその男のマントからワニの口
が出てきて食べられてしまう。間一髪でアルクに助けられた志貴。
その男の名はネロ・カオス。死徒二十七祖の代表としてアルクを始末しにきたのだ。
そして窓から飛び降りて逃げるアルクと志貴。追撃しようとしたところで
シエルがネロに短剣を突き刺す。結局逃げることに成功し、ネロも諦める。
翌日、遠野家では秋葉が有彦からの電話に出ていた。
志貴が学校に来てないそうだ。家に帰って来てないことを告げると有彦が機転を
利かして自分の家に泊まっていったのだと伝えて電話を切る。
家では志貴を心配する秋葉が、写真を見ながら昔を思い出していた。
一方、志貴が目を覚ますとそこはアルクの部屋だった。
志貴のために料理や傷の手当、服を渡してくれるアルク。
そして志貴は彼女が食事をとらないことで、彼女が吸血鬼であることを
思い出す。そして志貴は彼女に今までどれだけ血を吸ってきたのか尋ねらる、
しかし、彼女は血を吸うのが怖くて今まで吸ったことがないと言う。
そして志貴はネロの話を聞き、昨日のホテルでの騒ぎのニュースを見る。
百数十名が混沌と消えたのだ。被害者の名前が読み上げられる。
するとそこには見慣れた名前が―――。志貴は先日さつきが家族で
ホテルに行くと言っていたのを思い出した。
そして憤慨する。ネロを倒しに外に行こうとするも、アルクに止められる。
そして倒れるアルク。昨日の傷が治ってなかったのだ。
純粋な時間経過で回復するアルクは結局志貴と話しをすることになる。
いろいろ話をしていく中で志貴は過去に先生(青子)と約束したことを思い出す。
そしてアルクの名前を呼んで殺してしまったことを認めごめんな、と謝った。
293真月譚月姫 本編6:2005/08/24(水) 02:44:17 ID:???
忘れられたと思っていたから名前を呼ばれてうれしいというアルク。
そして一級の殺人鬼のくせして殺した相手に謝るなんて変な人という。
そしてネロが今晩やってくるから二人で協力すれば倒せると言う。
後悔するかもしれないが責任は取るし、ネロに復讐しなければいけないと考え、
志貴はアルクとネロを倒すことに協力することを約束する。
そして作戦をたてて後ろから志貴がネロの死の点を突くことになる。

その夜、公園で待ち伏せしていると、ネロがやってくる。
アルクと会話するネロ。チャンスだと思い志貴は後ろから突っ込む。
しかし振り向きもせずにネロの体から大きな犬が出てくる。
ナイフで応戦するも斬ったその体が志貴の体を覆ってしまう。
奇襲は効かないという。そしてアルクにネロの体から出てきた獣が襲い掛かる。
空想具現化(アルクの特殊能力)も出来ないほど弱っていたが、爪だけで十分と
獣達を圧倒する。そしてネロを爪で半分にしてしまう。
その圧倒的強さの前になす術もなくやられるネロ。そして力を使い切って
息を切らすアルク。しかしネロは体を起こして、死体となった獣達の体を
一つに集めてアルクェイドに襲い掛からせる。ネロ・カオスは個であることをやめ、
666の獣の因子を体内に固有結界「獣王の巣」として内包していたのだ。
そしてその体を500も集めて作った創生の土でアルクを閉じ込めてしまう。
弱っているために抵抗できないアルク。ゆっくりと全身が取り込まれていく。
ネロを倒すためには666匹を一度に殺すぐらいでなければいけないのだ。
志貴は頑張ってネロに突進するも、獣達に腹を刺され、そして囲まれてしまう。
ゆっくりと生きたまま咀嚼するというネロ。志貴は死の狭間で過去に一度
殺されたことを思い出す。そして見える死の点。彼の周りを囲っていた獣達が
点を刺されて次々と消滅していく。目が青く光り、笑い声をあげる志貴。
そしてネロに、さぁ、殺しあおう―――と言う。
294真月譚月姫 本編7:2005/08/24(水) 02:46:03 ID:???
流れるよな動きで獣達の死の点を次々と刺していく志貴。斬られただけで
消滅してしまい、再生できないことに疑問を投げかけるネロ。
そして志貴を障害として認識する。次々とでかい獣達が現われるが、
志貴はものともせず、鮮やかな手つきで消滅させていく。
そして怒るネロ・カオス。人間如きに後退してしまうことに憤慨したのだ。
そして自らの密度を高めて志貴に突進していく。
そして胸の死の点を突かれる。志貴はネロ・カオスという(世界)存在を殺して
しまったのだ。ネロは死ぬ間際にお前が私の死か…とつぶやいて消滅してしまう。
正気に戻ると傷の深さで倒れこむ志貴。もう死んでしまう。
そう思ったらアルクに腹を殴られる。寝たら死んじゃうよ、と。
そしてアルクは勝手にネロの体の一部を使って傷を埋めてしまい、
志貴にネロを倒すのに協力してくれたことを感謝すると、家まで志貴を運んでいく。
影でシエルはそれを眺めていたが、去っていってしまう。
翌日目を覚ますと志貴はすべて終わったのだと実感する。
しかし体中の傷を隠したほうがいいと琥珀に言われ、秋葉の小言を聞きにいく。
さつきも生きていたことが電話でわかり、安心する志貴。
二日間も何をしていたのか聞かれるが、何も心配するようなことはしてないと言う。
結局その夜、遠野家で志貴のささやかな歓迎会を行うことになる。
その夜、志貴は秋葉にもう吸血鬼事件は起きないという。
そう、すべておわったのだ―――。
しかし街ではアルクェイドが人ごみの中を誰かを探すように見つめていた―――。

既刊はここまでです(2巻)
電撃だと今は秋葉とシエルの対決をやってますが、何話か抜けてるのでここまでです。
文章下手だったらすいません。後、ちょっと細かいかもしれませんので悪しからず。
295マロン名無しさん:2005/08/24(水) 11:47:35 ID:???
乙!
296マロン名無しさん:2005/08/24(水) 11:59:27 ID:???
月姫、マンガしか読んでないんですが…。
>284のキャラ紹介はマンガではほとんどが未出の設定なのでは?
さくっとネタバレをありがとう。
297マロン名無しさん:2005/08/24(水) 13:44:19 ID:???
嫌味
298マロン名無しさん:2005/08/24(水) 13:50:32 ID:???
キャラ紹介は考察サイトにのってるの引用してきただけっぽいから
ネタバレでも仕方ないとは思うがな
299マロン名無しさん:2005/08/24(水) 14:04:58 ID:???
バレ(バラし)ちゃった?
300マロン名無しさん:2005/08/24(水) 14:15:16 ID:???
>>294
ひとつだけ。
文章の上手い下手なんて読み手の好みで変わるんだから
書き手がそんなことで気に病む必要なし。
301マロン名無しさん:2005/08/24(水) 14:15:56 ID:???
漫画読んでるならわざわざレス読まんでもいいんじゃないか
とは思うが自分も読んだことある作品のレスは見てしまう
というか読んだことない作品のはほとんど読まない
302マロン名無しさん:2005/08/24(水) 14:24:38 ID:???
>>301
そら、あんたの勝手だけど、最後の一文はいらない
303マロン名無しさん:2005/08/24(水) 14:36:28 ID:???
乙が一つしかないようなので俺がここで
>>294
乙!読みやすかったよ!
304マロン名無しさん:2005/08/24(水) 14:41:28 ID:???
284のキャラ紹介はあくまで原作のだからこれがこのまま
漫画版でも適用されうとは限らないじゃないか
いいからマターリ汁
>>294
305マロン名無しさん:2005/08/24(水) 15:09:57 ID:???
>>303
あらすじの良し悪しはそのまま乙の数に反映されるのか。う〜ん。
まぁ作品によって反応の濃淡にえらく差がつくのは事実だけど。
306マロン名無しさん:2005/08/24(水) 17:11:40 ID:???
騎士ガンダム伝説の巨人の人が規制をくらってまとめサイトの掲示板に書いてることに今気付いた。
乙です!
でもできれば、これ以後に規制でまとめサイト掲示板に書く人は携帯かなんかで一言スレに知らせてほしい・・・
307マロン名無しさん:2005/08/24(水) 17:53:37 ID:???
>>305
上の月姫の人の今読んだけど
なかなかうまく書けてると思ったよ
変なのが沸いてるだけ

一応乙。
308マロン名無しさん:2005/08/24(水) 19:52:16 ID:???
どれが「変なの」かわからん
309マロン名無しさん:2005/08/25(木) 02:45:50 ID:???
乙のレス数なんてタイミングひとつだと思うが。
310マロン名無しさん:2005/08/25(木) 04:35:51 ID:???
まとめサイト見たら
ストーリー紹介どころか
作品(のツッコミどころの傾向の)紹介でしかないのが
けっこう多かった。

ストーリーをちゃんと追っていれば
少々読みづらかろうが遅かろうが
GJの範疇に入る。
311アスターリスク 6:2005/08/25(木) 11:29:56 ID:???
あやめはメモに書かれた場所を何件か訪ねるが、すでに家人はいなかった。
おそらく星紋によって殺されたのだろう。
最後の一件を訪ねるため熊本に向かう途中、事故に遭遇する。
鬼の怪力であやめは犠牲者を救うが、助けた相手からすら恐れられてしまう。
逃げるようにその場を去り、あやめはとうとう神名木家へ着く。
神名木家の人は無事だ。彼らは青い二本の角を持つ。
一人息子は志郎という名だ。
このところ力のある星紋が出現し、仲間が次々と殺されているという。
神名木家の当主は、金の花に関する正確な伝承を言う。

 世界が汚泥に沈む時 九十九は百を欲する
 千の鬼の血を流し 万の民を支配する
 いつの日か 金の花が咲く日まで
 星供(ほしく)の夜に 運命(さだめ)の星が出会うなら
 金の花 必ず咲かん

星供とは星供養、七夕の事だ。運命の星とは、あやめが何者かと出会うという事だろう。
世界が汚泥に沈む時…それは今の澱み腐った政治や金融界を指している。
熊本の政治家で星紋の九十九十蔵は自分の手で政界を再編しようとしている。
九十九が百を欲する。星紋が権力を欲しているのだ。

周はテレビで、事故現場に金の角を生やした少女がいた事を知る。
すぐに熊本に向かおうと荷造りをする中、父が話しかける。
お前が鬼を探している事は知っている、祖父にも鬼を見る力があったと。
父自身にはその力が無かったが、祖父は周と同じく星紋だったという。
「おじいちゃんが何者かに惨殺された時、おばあちゃんは鬼がやったと泣いた。
 お前にもおじいちゃんの血が流れている…止めはしない。仇を討ってくれ」
周が星紋に目覚めたのはあやめのせいだけではなく、血縁者に星紋がいたからだったのだ。
しかし周は、仇を討つどころか鬼であるあやめを光の手から守るために旅立つのだった。
案の定、報道を見たであろう光も熊本行きの飛行機の中に乗っていた。
312アスターリスク 7:2005/08/25(木) 11:31:12 ID:???
熊本についた光は、従兄弟で十蔵の娘である燈子に会った。
「私ねぇ、五感全部を手に入れたのよ。
 鬼に噛ませたの。私の言う事なんでも聞く鬼がいるから。
 その鬼は神名木という家にいるわ。金の鬼もそこにいる」

七夕の夜。鬼は狩られるほどに凶悪なのかとあやめは当主に訊ねる。
「一角の奴らはな。鬼にはな、一角の鬼と双角の鬼がいる。
 血が違うのだ。あれは本能の欲望が天頂から噴出している者どもだ。
 確かに一角も双角も人間とは違う力を持っている。だが一緒くたにされては困る」
かつて、あやめを襲った後藤は一角鬼だった。

九十九の者は鬼の伝承を気にしていた。
七夕に金の鬼が誰かに出会う前に、金の鬼を殺さなければいけない。
金の鬼を匿っている神名木家の者諸共殺す気だ。
そう話す光と燈子のもとへ、志郎がやってくる。
燈子を噛んだ鬼とは、志郎の事だ。二人は恋仲だった。
「全部嘘だったのか?本当に全部!」
光に『あやめの刀』で刺され重傷を負いながら志郎は訊く。
「能力が増えるたびに近寄れなくなっていくのよ。
 結ばれるわけ無いじゃない私たちが。
 本当にそんな事がわからなかったの?」
その場に逃げ出した志郎に、通りかかった周が肩を貸す。
触覚の星紋でありながら痛みを堪えて自分に触れる周に、
志郎はかつての燈子を重ね合わせる。
「聞いてくれ。俺は九十九に手を貸した。
 九十九の女を好きになって、彼女に言われるまま力を渡した。
 あいつは触覚のアスターリスクだった。
 なのに俺に触れてくれた。それが……どんなに嬉しかったか」
志郎が家に帰った時には既に九十九の者たちが襲撃を仕掛けていた。
家の者には手を出さないでくれと志郎は燈子に約束していたのに。
「約束は今日で終わりよ。しかたないのよ志郎」
燈子はあやめを斬ろうとする。志郎は燈子を殺し、光の刃に倒れた。
313アスターリスク 8:2005/08/25(木) 11:32:15 ID:???
あやめは光に殺されそうになるが周に助けられ、
抱き合うような形で死んでいる志郎と燈子の死体を残して
神名木の生き残りたちと共に場を逃げた。
娘を殺されたことに怒った十蔵は、なんとしてでもあやめを殺すと決意した。
神名木の人々は、あやめの運命の星とは周だろうと言った。

周とあやめは二人で逃避行を送る。
新しい土地でアルバイトを始めるあやめ。
そこで出会った鈴木という男はあやめをいつもじろじろと見てくる。
まさか星紋ではないかと、あやめは怯える。
アルバイト先に来た周は、鈴木が鬼である事に気づく。
彼の本名は神田将。
神田の目には角はなくともあやめが金の光を纏っているように見え、
鬼ではないがその血を薄くでも引いていると思ったのだという。
以前には無かった金の光を怪しむ二人。
ある朝、出かける前に周があやめにキスをすると痛みが走った。
あやめは角を出していないのに…金の光といい、あやめの力が強くなっているのだろうか。
このままあやめの力が強くなっていけば、いずれ周はあやめに触れることが出来なくなってしまう。
同族の神田や、普通の人間ならあやめに触れることが出来るのに……
314アスターリスク 9:2005/08/25(木) 11:33:41 ID:???
周は以前あやめがほしがっていたスノーボールを買う。
名前入れのサービス期間中という事で、AYAMEと彫ってもらった。
その帰りに周は電車事故に巻き込まれた。意識の無い周を光が引き取る。
光は周に手術を施させる。脳神経を切り、記憶を失わせるのだ。
周の手によってあやめを殺させるためにだ。
九十九の力により、周は死亡したと報道された。
それを見て倒れるあやめ。入院してはじめて、あやめの妊娠が発覚した。
神田が見た金の光とは、あやめの中の子供から発せられるものだったのだ。
そして金の花とは、あやめの子供自身だったのだ。
周がいなくなっても、世界を汚泥から救う子供を必ず産まなければとあやめは決意した。

目覚めた周は、スノーボールに書かれたAYAMEという文字に懐かしさを感じる。
しかし今までの記憶はもうない。周はあやめの事を思い出せなかった。
光は、触れて痛みを感じる相手は鬼だ、鬼を殺せという。
周と光はあやめのもとへ向かう。光の手により神田は死んだ。
「あやめちゃんのお腹の中には…お前の子供が……」
神田は最後にそう言って周にすがりついた。周は混乱する。
追い詰められたあやめ。周は咄嗟に光を殺してしまう。
「何故君を助けたかわからない。僕が誰で、君が誰かも。
 ただ…君を見ていると胸が熱くて。でも…なにもわからないんだ」
「思い出していけるわ。きっと二人で…いいえ三人で」

そして半年後。
遠く北海道の地で金色の光に包まれた子供が生まれたという噂が流れた。
その子供は歳若い両親とともにどこへともなく去っていったという。
<終わり>
315マロン名無しさん:2005/08/25(木) 12:01:27 ID:???
「なんて素敵にジャパネスク」書き手さんいつも乙です!
遅くてすいませんが、
「honey rose」の書き手さんと同じだという事でお聞きします。
はにろ第二話でのヴィンスの言葉の中で、
「三番目に頭の良いライナス」
というのがありましたが、二番目はウィル?
一番目って誰なんでしょうか?
ついででいいので、分かれば教えてください。
316マロン名無しさん:2005/08/25(木) 12:40:22 ID:KiWL2P68
0p
317マロン名無しさん:2005/08/25(木) 13:23:33 ID:???
アスターリスク乙
中3にして子持ちの方が驚愕
318マロン名無しさん:2005/08/25(木) 13:40:59 ID:???
中3なのか?
作中でどんどん月日が経ってるんだろうなぁと思ってたけど
319マロン名無しさん:2005/08/25(木) 14:02:10 ID:???
子供のせいで周があやめを触れなくなってたんなら
周は子供に触れないってこと?
320マロン名無しさん:2005/08/25(木) 14:25:20 ID:???
嗅覚の星紋は鼻詰まりの人は効果ないんだろうか…
味覚や聴覚の場合どうなるか作中に書かれていましたか?
味覚はかなり気になる
321LIFE:ERRORS その1:2005/08/25(木) 15:03:03 ID:???
危険宗教グループ「グリム」が本部の教会で人質を取るという事件が起こった。
事件の解決のために警官隊が突入し、作戦に思いっきり遅刻したミアが
報道機関のヘリから突っ込んでくるみたいなことがあったものの、銃撃戦の末事件は無事解決した。
そして、警官隊が撤収しようとした時、指名手配中のマッドサイエンティスト・Dr.オーバーが現れた。ミアはDr.オーバーを逮捕しようとする。
その時ミアに対してDr.オーバーは「私のために…協力してもらいますよ…」と言った。
それと同時に周囲のガラスが割れ、謎の強化人間(以下ガロゾイといいます)達が現れた。
銃撃戦の最中にガロゾイ達は突然逃げ出した。しかし多数の犠牲者が出てしまった。そして、ミアがいなくなっていた。
その頃、ミアはDr.オーバーを追いかけていた。
しかし、ミアは後ろからガロゾイに捕まってしまい、Dr.オーバーによって刃物で心臓を一突きにされてしまった。
その後、同僚の警官であるユーリがミアを発見し、ユーリは救護班を呼びに行ったが、その間にミアは息絶えてしまう。
ユーリは救護班と共にミアを発見した場所に戻ってきたが、そこにいるはずのミアは見当たらない。
救護班の医者のアキラが残されたおびただしい血を見てユーリを問い詰める。そして、アキラは異常を見つけられなかったユーリをビンタした。

ミアは夢を見ていた。そして、ミアの前に謎の女が立っていて何か言おうとしてた。しかし、ミアの胸に剣が突き立てられた。

ミアはビルの屋上で目を覚ました。そしてミアは仮面の男に蹴飛ばされビルから落ちそうになる。
ミアは怒るが、仮面の男は「…別にかまわんだろ。キサマはもう死ぬことはないんだ」と言った。
ミアは理解できない様子だったが、手に付いた血を見て自分のされたことを思い出した。
そして仮面の男は「Dr.オーバーに…殺されたのだ」というが、それでもミアは現実を認めなかった。
そこで仮面の男はビルのネオンにミアを叩き付けた。ミアは何ともなかった。
それでもミアは仮面の男に向かって来るが、仮面の男に再び死んだんだと言い聞かされ、ようやく現実を受け止めた。
仮面の男はチェインと名乗った。そして、チェインはミアに自分はこれからの道を示す者だといった。
322LIFE:ERRORS その2:2005/08/25(木) 15:05:13 ID:???
次の日、オープンカフェにいるミアを監視する者がいた。Dr.オーバーと金剛グループの総指揮者であるコンコルザである。
一方、ミアはカフェから立ち去ろうとした時、アキラに出会ってしまう。ミアは人違いと言う事で逃げるが、アキラはミアを追いかける。
ミアの行く手にミアを連れて行くというDr.オーバーの命を受けたダイクンが立ちはだかるが、ミアに蹴っ飛ばされてしまう。
しかし、Dr.オーバーのことを知りたくないのかという声にミアは反応し、ダイクンを連れて人気のないところへ行った。
そこでダイクンは巨大化して、ミアを連れて行こうとするが、ミアと戦いになる。そして、ミアを追いかけてきたアキラも戦闘に巻き込まれてしまう。
戦闘の騒ぎを見つけてチェインはミアの元に駆けつけたが、ダイクンの他に、
新たに敵としてダデン=スーまで現れてしまう。そして、戦闘の最中アキラと離れ離れになってしまった。

離れ離れになってしまったアキラを探すためにチェインと分かれて行動するミアはユーリと出会った。ミアは人違いと言う事で逃げ、ユーリをまいてしまう。
そして、アキラを返してもらいためにダデンのもとに向かい、ダデンとの戦闘が始まってしまう。
戦闘の最中、ユーリが現れダデン=スーに向けて発砲するが、ダデン=スーはユーリに対して攻撃をする。攻撃を食らったユーリは気絶してしまう。
そして、ミアはダデン=スーに勝利したが、ヘリコプターからのミサイルの砲撃を受けてしまう。
ミアはユーリを助けるためにかばったが、自らは地面に叩き付けられて意識を失ってしまった。

ミアは再び夢を見ていた。最初に見ていた夢と同じように謎の女が現れたが、女の方に剣が突き立てられた。そして、そこにはDr.オーバーがいた。

ミアが目を覚ますと、そこはベッドの上だった。そこの家の主のバアさんはコンコルザの母親であった。
そしてその口から金剛グループの真の姿というものがミアに告げられた。
そして、ガロゾイ達が襲撃してきたが、ミアは撃退する。そして、金剛グループのヘリも現れたが、
ミアはバアさんからもらった金剛ブレードというビーム兵器をぶっ放して撃墜し、Dr.オーバーの元に向かうのであった。
323LIFE:ERRORS その3:2005/08/25(木) 15:07:09 ID:???
ミアはグリム教会の本部に到着した。そこにはダイクンがいた。ミアはアキラの居場所を尋ねた。
ダイクンは「負けられないんだぁ!!」と言い、巨大化した。
そして、ミアに襲い掛かり、「負けられないんだよオレは!!あの人のために…アキラ=リンシンのために」
(補足なんですが、ダイクンはアキラに惚れていて、Dr.オーバーにミアを止められなければアキラの命は無いと言われてます)
しかし、ミアは金剛ブレードからビームを発射し、ダイクンを倒した。その時ミアを呼ぶ声があった。
声の主はアキラであった。しかし、アキラの前にチェインが立ちはだかる。そしてチェインはアキラを殴りつけ、頭をわしづかみにして吊り上げた。
ミアはチェインに対し金剛ブレードを構えながらアキラを離すように言った。その時、チェインはアキラに手首を切りつけられた。
そして、アキラは「あなたにだけは気をつけろと言われていたけど…本当だったみたいね…チェイン…」と言った。
ミアはアキラの性格の変わりっぷりが理解できなかった。しかし、チェインはアキラがミアを監視し、Dr.オーバーに情報を送っていたのだと言う。
「そんなことない!!」とミアは否定するが、チェインはアキラが二重人格だと言った。ミアは絶望する。
その時、倒したはずのダイクンがチェインに襲い掛かった。そして、ミアも襲われ、右腕をちぎられてしまう。
324LIFE:ERRORS その4:2005/08/25(木) 15:08:50 ID:???
ここで、Dr.オーバーの子供のころの回想。
Dr.オーバーの両親(母親はミアの夢に出てくる女です)は黒服の男達に撃ち殺され、
Dr.オーバーは黒服の男達に連れられていった。

ダイクンにやられボロボロになったミアの前にDr.オーバーが現れた。そして、Dr.オーバーの目的のためにミアの目の前で儀式を始めた。
Dr.オーバーはアキラの両手を刃物で貫き、柱に留めた。その時、アキラはミアの知ってる人格に戻った。それでもDr.オーバーはアキラを傷つける。
ミアは「やめろぉおお」と泣き叫ぶ。しかし、Dr.オーバーは「そうだ…その心だ、分かるぞ…オレと同じだそうやって泣き叫ぼうが誰も助けに来やしない…
物語は…この世界はそんなに都合よく動くわけないんだ!!」と言う。
そして、アキラを殺し、「これが…現実だ…」と言った。
アキラの死体を見たミアは叫び声をあげ、光を放ちDr.オーバーに吸収されようとする。
その時、チェインがDr.オーバーを止めにかかる。そしてチェインはミアにこのままでいいのかと語りかけた。しかし、Dr.オーバーはチェインを刃物で刺した。
チェインは「これがお前の目的か…」と言った。Dr.オーバーは「オレは…彼女と一つになる…ルシフォン(Dr.オーバーの母親)の全てを手に入れる…
いつもいっしょにいられる…ずっと笑顔でいてくれるんだ…」と言った。
チェインは「…オレには泣き顔に見えるぜ…」と言った。Dr.オーバーはチェインを撃ち殺した。
そして「…どんなにきれいごとをならべようと…これが現実なんだよ…お父さん…」と言った。
325マロン名無しさん:2005/08/25(木) 15:09:14 ID:???
アスターリスク書きです

>>317
>>318の通り、作中では数年が経っています。
あやめが鬼に目覚めてから魁と会うまでに一年が経過していて、
その後は何年経ったというのは書かれていませんが
光の髪が伸びていたり、主人公たちがアルバイトで生計を立てたり
アパートを借りているところから見て18歳以上にはなってると思います。

>>319
言われるまで気づきませんでしたが、理屈でいえばそうですね。
その事については特に作中で触れられていません。

>>320
鼻詰まりや味覚については書かれていませんが、
聴覚の星紋の場合は耳鳴りがするそうです。
326マロン名無しさん:2005/08/25(木) 15:10:02 ID:???
あ、割り込んでしまった。すみません。
327LIFE:ERRORS その5:2005/08/25(木) 15:10:50 ID:???
コンコルザが教会に現れた。Dr.オーバーは従う理由がないとコンコルザを裏切った。コンコルザはガロゾイ達を召喚した。
しかし、突然ガロゾイの一体が倒れた。そして、ガロゾイの背後にはルシフォンの幻がいた。そして、ガロゾイの首を引っこ抜いた。
幻から醒めるとガロゾイは何ともなかったが、ガロゾイの動きは停止した。コンコルザはうろたえた。

ミアの目の前にルシフォンが現れた。ルシフォンはDr.オーバーを止めて欲しいと言った。
ミアは「Dr.オーバーはあんたを殺された憎しみに全てを支配されたバカな男…
でも…私も…大切な…大好きだった人を殺された…だから…私の心に生まれたのも…憎しみなのよ…」と言った。
そしてミアは「望みどおりDr.オーバーを止めてあげる…この憎しみの力で…」と言った。ルシフォンは悲鳴を上げた。
そしてDr.オーバーに異変が起こり、ミアがDr.オーバーの体内から光とともに飛び出した。
Dr.オーバーはうろたえた。ミアは「知りたい?私の方が…憎いから…」と言った。
Dr.オーバーはルシフォンの能力を使おうとした。しかし使えない。ルシフォンの幻はミアの元にあった。Dr.オーバーは「馬鹿な…」と言った。
その時、血まみれになったアキラが「どうして…」と言いつつDr.オーバーの元に近づいてきた。Dr.オーバーは恐怖のあまり逃げ出す。
次にDr.オーバーはダイクンに捕まり右腕をちぎられた。そして、チェインに銃を撃たれつつ追い立てられた。
ミアの足元に来たDr.オーバーに対して「どこ行くのよ…まだ私の番がすんでないわよ…」と言った。
ミアはDr.オーバーを空中に吊り上げ、体を破裂させた。
幻から醒めた。ミアは「サヨナラ」と言った。Dr.オーバーは息絶えていた。
Dr.オーバーの死体を見てコンコルザは腰を抜かした。そして、ミアににらみつけられ逃げ出した。
ミアの背後にはガロゾイ達がいた。ミアはガロゾイ達を見て「結局これのくり返し…私も…こいつらといっしょか…」

教会の周りには警官隊がいた。警官隊が突入し、ユーリが見たものは
ガロゾイの死体の山の上で笑みを浮かべつつ涙を流して佇んでいるミアであった。
328LIFE:ERRORSを書いた人:2005/08/25(木) 15:12:32 ID:???
以上「LIFE:ERRORS」でした。
話自体が消化不良気味なんで、分かりにくい所があるかもしれませんがあしからず。
あと、旧版(ガンガンWINGコミックス)に基づいて話をすすめてるんで、
もしかしたら新装版(ブレイドコミックス)と違う部分があるかもしれません。

>>326
いえいえ、気にせずに。
329サバス・カフェ 7:2005/08/25(木) 17:58:04 ID:???
インターナショナルスクールはもうすぐ卒業式(夏休みはその後)。
大はシカゴから帰ってこない。帰った来たとしても学校に大の居場所はもう無いだろう。
優等生の大が突然消えた時、学校側はすぐに両親に連絡した。
しかし通じない。家族が本当に存在していたのか、大の正体すらも疑問視された。

ホーマーは将来進学したいと思っている大学の見学にシカゴに行くと言う。
その時に大に会うと言うが、シカゴは広い。住所すら知らないから無理だ。
デリィとマーティは手がかりを探すため、大の家に訪れる。
R・J・キャラハンという人物からの手紙が残されていた。
封筒だけで中身はないが、どうやら法律事務所のものらしい。
この手紙の住所へ行けば大の居場所を教えてくれるかもしれない。
今年の夏休みもデリィはイギリスへ帰る。その時にキャラハンの元に行く事にした。
マーティはデリィに言う。
「ケンって人はどうして大をたった一人で日本に来させたんだろう。
 パソコンの会話だけで――心配じゃなかったんだろうか」

シカゴに着いたデリィ。美女のキャラハンは大の財産管理人だという。
「貴方に大を説得してほしいわ。あんな物に囲まれて一人で閉じこもっていたら病気になってしまうわ」
大が一人? ケンと一緒にいるんじゃないのかとデリィは訊ねる。
「ケン・ジョーガサキはもういないのよ。2年前に亡くなったわ」
以前サバス・チャイルドのソフトを送ったのもキャラハンだという。
それなら大はコンピューターを通して誰と話していたんだ?
大の住む建物に着いたデリィ。大は痩せたが特に以前と変わりない。
大は自分の部屋の、パソコンと車椅子が置かれた場所に連れていく。
「ケンはもういない。事故で悪くした脊椎の病気が再発して2年前に死んだ」
ちゃんと大がケンの死を理解していたとデリィはホッとした。
でも、パソコンの向こうのケンは一体……?
「ケンと二人で、もし僕が日本に行ったらパソコンでどんな話をするかって遊んだ事があるんだ」
その時の情報をこの部屋のパソコンにインプットし、
毎日決まった時刻に日本の大のパソコンへと送るよう設定した。
大の言葉に応じてパソコンは様々な返事を出す。
まるで生前のケンと話しているかのように。
330サバス・カフェ 8:2005/08/25(木) 18:01:06 ID:???
ケンは、自分が死んでから大がそうするだろうと察していたのか、1年でこの部屋を引き払うよう言っていた。
キャラハン弁護士はデリィに言っていた。
大はこの部屋の物を処分させまいと、シカゴに帰ってから部屋を出ないと。
帰ってきてからの2ヶ月の間、大はパソコンの中のケンと会話をしてばかりいた。
「一年以上も機械相手に無意味な会話をしてきてまだ足りないのか?
 記憶した返事しか答えない奴を相手にして何になるんだよ!しっかりしろよ!」
「君になにがわかる!」大は激昂し、デリィを押し倒し無茶苦茶に殴る。
椅子を振り上げそれでデリィを殴ろうとしたところで正気に戻った。
ごめんと何度もつぶやきながら大はうずくまる。隣の住人が心配してやって来る。
「あの…よく眠れる安定剤みたいな、そんな薬持ってませんか?」
隣の住人のコープは薬のかわりに酒をデリィに渡す。「母親の事で嫌がるかもしれんが」
とりあえず眠れとデリィは大に酒をすすめる。
「お酒で死んだんだ。僕のお母さん。やっぱり眠れなくて辛かったんだろうね」
大は酒を飲み眠りにつく。
デリィは部屋の中にマーティのパペットと、アルファベットの練習帳がある事に気づいた。
『うつくしいのは げつようびのこども』ではじまる有名なマザーグースの詩が書かれていた。

デリィは大を連れ出し、ホーマーに会わせる。能天気なホーマーに大は少し笑顔を見せた。
帰ると、部屋にあったパソコンと車椅子が処分されていた。デリィがキャラハンに頼んだのだった
外に行こうと誘うデリィの後ろめたそうな顔に、大はこの事を察していた。

キャラハンはデリィに言う。
「大があのコンピューターに執着していた時、少し私はホッとしたのよ
 ああこの子にも感情はあったのだって…あの子は母親が死んだときも
 ケンが死んだときも涙一つ流さなかった。冷たい子よ」
大の母親は酒場やクラブでピアノを演奏しながら生活していた。
他人に預けられてばかりの不安定な生活なら、感情がなくなるのもわかるとキャラハンは言う。
「どうしてあなたにそんな事が言えるんだろう。
 それほどあいつの事を知ってるの?
 あいつが ケンにはじめて字を教わった書き取りの本を
 今でも大事に持ってる事 あなたは知ってるの」
キャラハンはなにも答えられなかった。
331サバス・カフェ 9:2005/08/25(木) 18:03:47 ID:???
その夜キャラハンは、母が死んだ時どう思ったかと大に訊く。
「ただ腹が立ってた…それからどこかで少しホッとした。
 これでもうあちこち預けられなくてもすむ。
 きっとどこかの孤児院に入るんだろうけど、あちこち転々とするよりはマシだって…」
「お母さんの事…憎んでた?」
「憎むほど長く一緒にいた事はなかったから。
 それにどっちかというと母さんの方が僕を憎んでいた気がする」
ケンは好きだったかと聞かれ、大好きだと大は答える。
「母さんの時もケンの時も…僕は悲しくなかったわけじゃない。
 だけど、なにかが胸に詰まって…きっと僕はどこか…おかしいんですね」
キャラハンは大を抱きしめた。
「考えてみれば私は数えるほどしか貴方と話した事がなかったのね。
 他の皆だってそう。ほんの数日顔を合わせただけの大人たちの中――ごめんなさい」

デリィの祖母は、デリィがシカゴで遊んでいるとカンカンになっている。
何を言っても言い訳だろうとしか言われない。説明させるために大もイギリスに行く事に。
爵位を持っているという祖母・モートンの家は大きくて豪奢だ。
取っ付きづらいモートンにびびりながらも、大はその家で過ごすことに。
大はデリィの愛馬・ハーミーズに乗ろうと挑戦するが、なかなか上手く行かない。
ある日、大はデリィが女の子とキスしているところを目撃した。
彼女はフィオーナといい、デリィの幼馴染で恋人なのだという。
昔はお転婆で突拍子のない事ばかりしていた彼女も最近ではずいぶん落ちついた。
デリィは彼女の事を語るが、恋を経験した事の無い大にはピンと来なかった。

フィオーナとその友人たちがデリィの家に遊びにくる。
イギリスの学校にこいよと言われるが、デリィは日本のがいいと断る。
「あなたは私たちの社会にいるべきなのよ。あなたはわかってないわ!
 少なくとも私たちには生まれた時から家を転々とするようなみなしごの友人なんて――」
デリィは信頼できる恋人だからと大の生い立ちもフィオーナに説明していた。
人が大勢いる場所でその事を口に出すような子ではなかったのに……デリィは大を連れその場を抜けた。
数年前からフィオーナとは話があわなくなってきた。
口を開けば「アクセントが違うわ。学校のみんなは…」と細かい事ばかり言ってくる。
332サバス・カフェ 10:2005/08/25(木) 18:05:59 ID:???
翌日 乗馬の練習中に大はフィオーナと会う。
デリィは容姿がいいから皆に自慢できるが、学校の話題の時は恥ずかしい、
イギリスの格式ある学校に来てくれないと自分の肩身が狭いとフィオーナは愚痴る。
人間の本質はどこにいても変わらない、デリィは優しくて誰にでも自慢できる人だと大は言う。
「わかっているわよ。そんな事――そうね確かに優しい人ね」
――貴方のような人を友人だと紹介するくらいですもの。
彼女の目がハッキリとそう言っているようだった。
やがてデリィはフィオーナと別れてしまった。
大は恋愛を理解するためにもシェイクスピアの本を読むが
その凄まじさに辟易し、自分には無理そうだと断念した。
「書物で得るのは恋の比喩と格言。そういう物で理解しようとしても無理ですよ」
モートンはそう語る。ハーミーズに乗って家を出たデリィが帰ってこない事に大は気づいた。
しばらくし、頭から血を流したデリィが帰ってきた。重傷ではなさそうだが、
「ハーミーズが、ハーミーズが…」と言い、今にも泣き出しそうだ。
デリィはハーミーズと共に高いところから落ちてしまったのだ。
ハーミーズは足の骨を折り、筋もズタズタになってしまった。
馬は怪我をした足を支えるため体を支えてやらなくてはならない。
怪我が治るまでには数週間かかり、その間に体の機能は衰退し、内臓障害を起こす。
ハーミーズは元競走馬だ。不活動状態が長く続けば死ぬ事もある。
生きていても辛い状態が続くだけだ。今のうちに殺すしかない。
医師によりハーミーズが殺されている間、デリィは外で泣いていた。
大は一緒に泣く事が出来ず、慰め方もわからないがただ隣に座っていた。

次の日 デリィは朝早くに出かけ、帰ってくるとすぐに布団にもぐりこんだという。
心配して見に行くと、デリィの長髪がきれいサッパリ切られていた。
「死ぬかと思ったあのハサミの音。さっぱりしたろ?
 ハーミーズと一緒に埋めてきた。けっこうセンチだろ俺って」
おどけたようにデリィは言った。大はハーミーズの墓に花を添えた。
333サバス・カフェ 11:2005/08/25(木) 18:09:25 ID:???
大とデリィはモートンに連れられパーティに行った。
その途中、庭でフィオーナの友人たちが大の事を話しているのを盗み聞いてしまう。
「彼は危ないわ。フィオーナが言っていたでしょう。
 小さい頃から他人の家を転々としていたそうじゃない。
 恐ろしいわ。一体どんなところに預けられたのかわからないわよ」
「そうね。少年愛好者、サディスト…一体どんな目にあってきたのか。
 幼児期の酷い体験は消えない傷を残すものよ。きっと心がどこかおかしく…」
デリィはその場に飛び込もうとするが、大が止めた。

白けてパーティを抜け出る二人。
未遂で終わったが襲われた事はあるよと大は言う。
すぐに助けられ、身を守るためにカラテを習わされるようになったという。
その日の大のご飯は強くなるためにと山盛りのスパゲティだった。
「考えて見ると僕はすごくラッキーな子供だったのかもしれない。
 僕を預かってくれた人たちはみんないい人だった。
 他人の子供を押しつけられてるのに親切にしてくれて。
 僕はもっとみんなに感謝すべきだったよね。
 こま切れの思いでばかりでも、ちゃんと僕はあの人たちが好きだったんだ。
 今でも時々気がつくとケンに話しかけている時がある。
 一番好きで大切な人だった。長くて楽しい思い出を…たくさんもらった」
大は話しながら涙を流していた。その事に大自身が驚く。
「日本に戻りたくないか 大。ばあさまは学園の理事の一人だ。
 しかも理事長のミセス・アイアランドはばあさまの同窓生だ。
 お前が本気で望んでばあさまに頼むんだ。自分でやってみろよ」
デリィははじめから大をまた日本に戻すつもりでイギリスに連れてきていたのだ。

結果、大は日本に戻る事になった。デリィの父が日本での保護者となった。
再会を喜び泣きながら駆け寄ってくるスウに大は笑顔を向けた。

続く
334マロン名無しさん:2005/08/25(木) 20:23:58 ID:???
なんか今日は書き手さんが多いなーみんな乙
335マロン名無しさん:2005/08/26(金) 10:33:12 ID:???
>>274
ロングロングケーキは詳しく書いた方がいいでしょうか?
1レス程度に納めたあらすじの方がいいでしょうか?
336マロン名無しさん:2005/08/26(金) 12:57:35 ID:???
>>335
できれば、詳しい方がいいです。
337マロン名無しさん:2005/08/26(金) 13:35:26 ID:???
わかりました。ロングロングケーキ予約します
338マロン名無しさん:2005/08/26(金) 14:49:34 ID:???
遅レスですが月姫の人GJ!
339ロングロングケーキ 1:2005/08/26(金) 15:29:46 ID:???
雰囲気が独特なので、実際に読んで見ないと理解しにくいところも多々あると思います。特に後半は。


同人活動(現代のとは違う)に勤しむ大学生コタ(小太郎)のもとへ、
夢を媒介にして宇宙人の宇さんがやってくる。
つい先日宇さんの星は滅びてしまったので、住まわせてほしいそうだ。
それを承諾すると、地球マニアの宇さんはとても喜んだ。

宇さんはイメージの具現化、既成物体への擬似、物質転送などが出来る。
コタは宇さんを通りすがりの美女に変身させたりする。
コタは最近執筆が上手く行ってない。同人誌の締めきりを破ってばかりだ。
気分展開にコタは本を読む。その本の中にはチョコレートバーの理論が書かれていた。
一つのチョコレートバーがあったとする。それを半分だけ食べる。
そしてまた半分だけ食べる。いつもいつも半分だけ食べていけば、
理屈でいえばそのチョコレートバーは永遠に消えない事になる。
人間がその寿命を終えたとしても、皿の上には極小の
チョコレートバーが残る事になる。永遠とはなんだろうとコタは思った。

目覚めると、宇さんがコタの理想の朝の風景を具現化していた。
美味しい朝食、柔らか仕上げのタオル、アイロンをかけたシャツ、
仕上がった原稿、励ましのファンレター。コタは喜ぶ。
同人仲間の獅子雄と目方は今までの最高傑作だと原稿を誉めた。
「コタさん わたしこれからこんなこともできそうです。
 あらゆる試験はあなたの姿で受けて最高得点を取りますし
 卒論だって期日には机にそえてさしあげます」
宇さんの提案にコタは大喜び。
コタは大学にいるホモの天の川を嫌っている。
そいつに会わずにすむと、宇さんが大学に通ってる間
コタは毎日浮かれて遊んでばかりいた。
毎朝机の上には仕上がった原稿とファンレターが置かれていてコタは幸せだった。
340ロングロングケーキ 2:2005/08/26(金) 15:31:55 ID:???
宇さんはその日、カサの姿で帰ってきた。
雨の中困っていた人がいたので、カサになってあげたのだという。
その日大学では、獅子雄は授業中も宇さんの書いた原稿を見ながら泣いたり笑ったりしていた。
その様子があまりにも可愛くて、宇さんはコタの姿のまま獅子雄に愛の告白をしたと言う。
しかし思いきり拒絶されてしまい、すぐに誤魔化した。その後、天の川が話し掛けてきた。
自分はエイズになったから入院する、お前が好きだ、さようならと言ったそうだ。
それらの事を聞きコタは憂鬱になる。獅子雄に告白した上に天の川に近づくなんて…

翌日は自分で大学に行くと、帰りにチンピラに絡まれた。
帰宅してからその事を宇さんに話すと、自分のせいかもしれないと打ち明けられた。
「傘になる前の帰り道で昨日は色々な事がありました。ゴミを捨ててる人を怒鳴り
 次にたかりをやめさせ、犬をいじめてる人がいたのでその痛みを味わってもらいました。
 酔っ払って絡んでいた人をその場で覚醒させて、路上でピストルを撃ってる人がいたので
 ピストルを奪って警察の玄関に捨てました。そしてその後カサになったのです」
そんな余計な事をしないでいいと怒鳴るコタに、宇さんは悲しそうな顔を見せた。

翌日も机の上には原稿が置かれていた。自分で書いたわけでもない原稿を
自分の名で発表なんて出来ない、もうやめてくれとコタは訴える。
その小説は宇さんが作ったものではなく、宇さんがコタの脳に埋もれている
潜在的な作品を探り当てて文章化したものだから紛れもなくコタの小説だと宇さんは言う。
「あなたには何億という小説があなた自身にも気づかれる事なく埋もれているんですよ。
 でも こちらのファンレターはわたしが書きました。
 わたしはあなたの作品を一等先に読める読者として誇りに思います。
 いえ、あなたの全行動・全思考をすきなんだと思います」
コタは、日々増えていく自分へのファンレターの返事だけでも自分の手で書こうと決意した。

毎日 少しずつ永遠にぼくはラブレターを書きつづけるんだ。僕の永遠とはこういうことだ。
341ロングロングケーキ 3:2005/08/26(金) 15:33:08 ID:???
以前の宇さん(姿はコタ)の行動によってチンピラに襲われるコタ。
獅子雄や目方に助けられるが、獅子雄たちは怪我をする。宇さんは怪我を治療した。
そこへ、宇さんが以前に姿をコピーした女性が現れる。
自分とそっくりの顔の人物に驚く女性はその場に倒れた。
宇さんは女性の心を読む。彼女は桜野蒔絵という名で女子大一年。
先ほどのチンピラと戦う獅子雄の勇姿に恋をした様子だ。

獅子雄と目方と桜野は宇さんが宇宙人である事を受け入れた。
宇さんは実在の人物の姿になる事をやめた。コピーされる側の気持ちを配慮してだ。
しかし元の自分の姿でうろついては、国や軍が動き出して研究材料にされてしまう。
架空の人物を創造して欲しい、それまで自分は無生物の姿になると宇さんは言う。
しかし地球上にいない人物を新たにイメージするのはなかなか難しい。
創造にばかり気を使い大学にも行かず引きこもっていたら、郷里の父がやって来た。
コーヒーカップに変身している宇さんを父に紹介するコタ。
父はコタが精神病にかかったと思い、すぐにでも入院させようとした。
その夜、宇さんがコタに話しかける。
「コタさんお別れです。この世界はあなたを苦しませます。
 わたしはあなたの深層部を作動し あなたをこの夢の外に覚醒させます」
今までコタがいた世界ではコタは行方不明になり、やがて一年が経った。
342ロングロングケーキ 4:2005/08/26(金) 15:35:37 ID:???
宇さんに別の世界で目覚めたコタは、その世界で夢を見て、
更にその夢の中でも夢を見て、それを幾度も繰り返すうちにようやく元の世界に帰って来れた。
自分の部屋にまだコーヒーカップの姿のままでいる宇さんに再開する。
「ぼくは病院に行くよ。それがこの世界ではみんな嬉しいんだ。
 宇さん 一緒に暮らそう。
 君は変幻自在だし ぼくはどこにいたって君と暮らせるはずだ。
 君がまた同じ事をしてもぼくはまたここに戻ってくるよ。
 なんつってもぼくはここで君へのラブレターを書きつづけなければいけないんだから」
コーヒーカップ姿の宇さんはカタカタと震えると、元の姿に戻ってコタに抱きついた。

(以下は目方目線)
コタは精神病院に入院した。宇さんは鳥になり虫になりコタの傍にいるという。
医者は宇宙人というのはコタの造りあげた妄想にすぎないという。
妄想――夢、全てはコタの夢の世界の出来事なのかもしれないと目方は思う。
そうだと仮定すると、コタが眠っている側の世界にももう一人目方はいる。
その世界の目方が夢を見たら、もう一つ別な世界で目方は生きている事になる。
さらにまた目方の知り合いが夢の中で目方を見たら、更にその世界にも目方は生きている事になる。
途方もない数の目方が存在する事になる。
そう考えると気が遠くなるが、とりあえずははこの世界ではコタは作家の端くれとなっており
目方は普通のサラリーマンに、獅子雄は桜野と結婚し若きビジネスマンとなっている。

終わり
343マロン名無しさん:2005/08/26(金) 16:57:51 ID:???
>>339-342
ありがとうございます。
ある意味、宇宙人とのラブストーリーなのかな。
344マロン名無しさん:2005/08/26(金) 18:16:05 ID:???
乙です。
コタがどうしてもタコに見えて困った。
なんていう単行本に収録されてますか?
345マロン名無しさん:2005/08/26(金) 18:58:36 ID:???
宇さんの本当の姿ってどんなの?
346マロン名無しさん:2005/08/26(金) 19:29:39 ID:???
人間の輪郭をしてるけどのっぺりとした発光体?みたいなの
あとあらすじには書いてなかったけど、コタはシシオが好きだった
天の川を極端に嫌悪するのも、そういう思いの表れで、
でもそれだけじゃない気持ちももってる
そこを自分で告白する時のモノローグが作品通していちばん好きだ

収録単行本はあすかの「秋日子かく語りき」だけど、絶版
表題作になってる文庫が一番手に入りやすいと思います

あらすじ書きのひとじゃないけど答えちゃった
347マロン名無しさん:2005/08/26(金) 20:04:31 ID:???
>>346
なるほど。
潜在的ゲイで、でも自分じゃそういうところを認めたくなくて
ゲイを嫌悪するようになるっていう話なのか。
348マロン名無しさん:2005/08/26(金) 20:17:18 ID:???
ライフエラーズ乙
悲劇の主人公みたいなのがいきなりラストで復讐鬼になるのな。

サバスカフェ乙
相変わらずおもしろい。

ロングロングケーキ乙
不思議な話だ。夢の入れ子構造?
349マロン名無しさん:2005/08/26(金) 20:49:06 ID:???
>>347
あらすじ書きでも346でもないが。

美女姿の宇さんとラブラブしたり、
中学(高校だったかな?)時代の片思いの相手に変身してもらったりもしてるから
ゲイとは違うと思う。好きとはいっても恋愛感情とは違う好きじゃないかな。
大島弓子の作品は読み方が何通りかあるからあまり一概にはいえないけども。
350マロン名無しさん:2005/08/26(金) 22:08:45 ID:???
バイセクシャルなのかも
351マロン名無しさん:2005/08/26(金) 23:55:20 ID:???
>ロングロングケーキ
乙でした!

なんかすんごい面白そう。
大島さんの作品なら少女漫画だよね。
読んでみようかな。
352マロン名無しさん:2005/08/27(土) 00:10:15 ID:???
平成版まことちゃんの最後の話を教えてください。台詞も含めてお願いします。
353マロン名無しさん:2005/08/27(土) 11:49:20 ID:???
台詞も含めてって・・・要求多すぎ
354マロン名無しさん:2005/08/27(土) 11:53:35 ID:???
書きたい人が書きゃいいのさ。
書ける人が書きゃいいのさ。
何の問題もないのさ。
355サバス・カフェ 12:2005/08/27(土) 13:57:08 ID:???
大は様々な事に積極的になった。陸上と格闘技と二つのクラブに入り、
恋愛を理解するために三人も彼女をつくった。すぐに三人共に怒られ別れた。
ジェニーは積極的になった大にときめいたりしたが、
「やっぱ僕はスウが一番いいよ。レベルがあってるのかな」との言葉にすぐに諦めた。
ある日ゲーム会社のバーンズ社長がやってきた。またゲームを作りたまえと社長は言う。
「もう作りません。もう機械だけを相手に空想の世界で遊ぶしかなかった子供はいないんです
 僕は今自分で立っているこの現実の世界が好きです。今ようやく空想も嘘も必要なくなったんです」

大はシカゴ帰国前にしていた母の身元探しを再開する。
結局手紙の送り主を調べれなかった探偵のアイディアで、
新聞の尋ね人の欄に四布木霖子の名を載せると、初老の女性から連絡がきた。
その女性――ふみが手紙の送り主だ。
ふみは、大奥様――霖子の母に当たる人物の家で働いているのだという。
霖子は逃げるように日本を出た、大奥様には会わない方がいい、
ふみはそう言うが、母以外の自分と血の繋がりのある人物がいる事に大は興奮し、
すぐにでも会いたいと言った。ふみは不安げな顔をした。
いきなり娘が死に、孫が現れても祖母は驚くばかりだろう。
ふみから連絡をしてもらい、しばし間を開けてから会いに行く事にした。
母には姉がおり、その姉ももう死んでいて祖母は一人暮しだという。
もし出来る事なら祖母と一緒に住みたいと大は願った。

祖母ははじめのころ「私に孫などいない!」とふみに言っていたらしいが、
昨日突然「連れておいで」と言ったという。すぐに祖母のもとに向かう大。
着いた先は大きな純和風の家。坂の下には眩く光る海が見えた。
出てきた祖母は、和服を着た厳しい顔をした女性だった。
「あの子はどんな死に方をしたんだい?自分で首でも括ったかい?
 手首でも切ったのかい?どっちにしろろくな死に方じゃなかったろうね」
一目見るなり祖母はそう言ってきた。
「私を頼っても無駄だよ。はっきり言っておく。
 お前の面倒を見る気など、ましてや孫だなどとは思ってないからね」
すぐに家から追い出された。ひどく落ち込みながらも、
まだ会ったばかりだ、徐々に打ち解ければいいと大は自分に言い聞かせた。
356サバス・カフェ 13:2005/08/27(土) 13:59:50 ID:???
ジェニーは祖父母の機嫌が悪い時は頬にキスの雨を降らせて仲直りするという。
大が祖母にキスの雨を降らせたら仲直りどころか殺されてしまうだろう。
仲直り以前に、大には何故自分があれほど憎まれていたのかわからなかった。
恐らくは母と祖母に確執があったのだろうが、大は母とろくに会話をした事もなくわからない。
昔、幼いながらも母に聞きたい事はたくさんあった。しかし何も聞けなかった。
何を言っても返ってくるのは冷たい拒絶と辛そうな顔だけだと知っていたから。
ほんの時おり、機嫌のいい母の話す情景が大の中に住みついていた。

 雪のように舞い散るうす紅色の花びら
 どこまでもつづく満開の桜
 静かな夜 海の音が聞こえる家


その家に再び訪れる大。死んだ叔母の名前は梛子というらしい。
ふみによると、とても体が弱い娘で祖母はいつも梛子を気にしており、
2歳年下の霖子はあまりかまわれず、父は気をまぎらわせるために霖子にピアノを習わせたという。
父は霖子が6歳の時に死んでいる。
祖母は、梛子が大事すぎて霖子を憎んでいるのかと大は訊ねる。
「まさかそんな、それだけで二人とも実の娘なのに――あなた、お父さんの事なにも聞いていないの?」
そこへ祖母の怒鳴り声と共に、追い出されるように家から男性が飛び出てきた。
その仁木という弁護士は、祖母が抱えている金銭的な問題を解決するため家を売るよう説得しているのだという。
大の財力があればどうにか出来るかもしれない。祖母の役に立てるかもしれない。
弁護士は、大の父親は蒔田敬之という人で、大が生まれる半年前に亡くなったと言った。
はじめて聞く父の名は、見知らぬ他人のものにしか聞こえなかった。

探偵に祖母の経済状態を調べてもらうと、株に失敗して560万の借金があるのだという。
土地を売ったりしてやりくりしたが、株以外収入のない老人にこれ以上返済は無理だ。
その程度なら大丈夫だ、祖母の役に立てると大はすぐに銀行にお金を振り込んだ。
祖母の家の近辺に聞き込み調査をしていた探偵は、引っかかる事を聞いていたが大には伏せた。
「四布木さんの下のお嬢さんもずいぶんひどいことをしたものだねぇ」
ある老婆はそう言ってため息をついていた。
357サバス・カフェ 14:2005/08/27(土) 14:07:27 ID:???
大は梛子の墓参りに行った祖母を追って、墓場に行った。
しかし祖母は拒絶する。
「お前にお参りなどされたら梛子が浮かばれない。
 流石の霖子も父親の事はお前に話せなかったようだね。
 蒔田敬之は梛子の夫だった男だよ。あの子は自分の姉の夫と……」
霖子は姉と母へのあてつけのために敬之の子供を身ごもったのだと言う。
傷つきおかしくなってしまった梛子は夫を車に乗せ無理心中を図った――崖から海に飛び込んで。
「お前は生まれるべきじゃなかったんだよ。どうしてお前が生きているんだい」
祖母が去った後、呆然としながら大は海を見に行く。冬の海はひどく荒れ狂っていた。
これが母に聞かされ、全ての喜びがそこに込められているかのように幼いころから焦がれた場所なのか。

大の祖母が財産目当ての偽者ではないかと調べに来日したキャラハン。
結果は白だったが、祖母がけして大を愛さないであろう事もわかった。
事情を知ったデリィは、最初からいなかった事にして祖母を忘れろと言う。
「ほっといてくれ!」大はこれからも祖母の財産支援をすると決めたのだった。

キャラハンは通訳を通し仁木と話し合う。
法律や手続きの事はどうとでもなるが、当の祖母は納得しなければどうにもならない。
大の名前でだめなら仁木の名で金を渡してくれと頼むが、それは不自然すぎる。
「君にすごい財産があるのはわかるけど、それを振りかざすのは少しいやみだよ。
 子供なら子供らしくお金ではなく別の事でおばあさんの力になってあげなさいよ」
そうは言うが、大にはお金以外に祖母を喜ばせるような事は出来なかった。
僕の名を聞くたび顔を見るたびおばあさんの傷口は広がってしまう。
  だから僕はもう会わないと決めたしあの家にももう行かない。
  他にやり方を知らないんだ。他のつぐない方を知らないんだ僕は
それでも祖母が金に困っているのなら自分は支えたいと大は言った。
「おばあさんが君になんと言ったか知らないけど
 霖子くんはけしていい加減な気持ちで君を生んだんじゃないよ。
 君のおばあさんは霖子くんを憎む事でしか辛さを乗り越えられなかったんだ。
 全てを彼女のせいにして、そうでなければ堪えられなかったに違いない」
358サバス・カフェ:2005/08/27(土) 14:10:37 ID:???
続きます
359マロン名無しさん:2005/08/27(土) 17:26:32 ID:???
>353
んー、でも現行スレならともかく、未解決一覧表から
書けそうなのを選ぶ時は、くあしく、とか、ざっとなんて
わかんないから。
ある意味書き手に一任されているかもね。
360マロン名無しさん:2005/08/27(土) 17:43:26 ID:???
英洋子が書いた名木田恵子原作の「プルミエミュゲ」なるべく詳しくお願いします。
探しているんですがみつからないもので
361マロン名無しさん:2005/08/27(土) 19:12:20 ID:???
騎士ガンダムって意外と需要人気あるのね。意外だわ。
362マロン名無しさん:2005/08/27(土) 21:00:54 ID:???
ガキの頃カードダスにはまってた世代もねらーには多いだろうし
363マロン名無しさん:2005/08/28(日) 04:08:53 ID:???
プレイコミックで20年ぐらい前に連載されていた内山まもるの「リバース」の終わり方をお教えください。

主人公は殉職したと思われた警官で、警察庁の幹部になっている親友がいて、彼だけが生きていることを知っている。
その主人公が、親友からの頼みなどで、身近な犯罪を解決していく、という一話完結の物語です。
たしか、中学生の付き合いか、と思えるようなプラトニックな恋人のような関係の人もいました。

最終回では警察官に戻ったのでしょうか?
恋人との間柄は進んだのでしょうか?

お教えください。
364マロン名無しさん:2005/08/29(月) 11:26:20 ID:b+Wo1kSY
0
365マロン名無しさん:2005/08/29(月) 13:11:56 ID:???
まとめサイトの何故か「地獄の子守唄」になってるあらすじ、
あれは関よしみの「血を吸う教室」収録の「堕天使の子守唄」ですよ。
366マロン名無しさん:2005/08/29(月) 15:06:35 ID:???
ちょっとage
367マロン名無しさん:2005/08/29(月) 15:09:22 ID:???
ハイスクール奇面組ってさ、
最期夢落ちだったんでしょ?

その夢落ちの少し前くらいから少し解説してくれませぬか?
368ジャパ投下者:2005/08/31(水) 09:44:16 ID:???
書き手の皆さん乙です!
読んだ事ないのたくさんあるけど、あらすじ読むと
すごい読みたくなりますね。

>>315
遅くなってすみません。
ええと、はにろの兄弟頭の良さランキングですが
一番目は多分同じヴィンスの言葉「誰よりも優秀だけど〜〜」からウィリアム。
二番目は謎です。多分アルバート(若い頃ですが、遊んでる割に余裕だったから)か
ヴィンセント(発明家になってるんで…そうかと)だと思いますが…。
とりあえずグレゴリー、アイザック、ロレンス、それから兄弟の下三人でない事は確かです。
369なんて素敵にジャパネスク_18:2005/08/31(水) 09:45:51 ID:???
ある日の事、大納言家の三条邸では先帝第八皇女、藤の宮からの迎えの牛車を前におおわらわだった。
ぜひ瑠璃を招きたいという申し出に、大納言の大臣はうちの瑠璃を招いていただくなど
あまりに畏れ多いと頭を抱えていた。だが、藤の宮の邸に行く事自体は誰も疑いはしない。
なぜならば瑠璃は鷹男の知恵で、瑠璃と藤の宮がひょんな事から交流を得て仲良くなった事、
それから文のやりとりをしていた事などを事前に伝えていたからだった。
瑠璃たちはこれから藤の宮の邸に集まり、入道一派の陰謀をつぶすための作戦を立てるのだ。
そのためには今までのように融に邸の周りをうろうろされては困るため、これまた鷹男に
言われ瑠璃は、弟に藤の宮は不甲斐ない男は嫌いらしい、下手でも心のこもった歌には
心が惹かれると言っていた、と伝える。こうすればしばらくは不甲斐ない真似――邸の周りを
うろつくような事はしないだろうと鷹男は言っていたが、案の定融は身を改めて
習字の練習などに励み始めていた。
そして瑠璃は二条堀川邸に向かう牛車の中で、女房達を前に具合の悪そうな様子を見せる。
これも作戦のうち。なぜなら瑠璃はこれから藤の宮の邸で病気になる『予定』なのだからだ。
そうすれば物忌みやら何やらで面会謝絶にできる。そうなれば、瑠璃は自由に動けるため
その間に秘密裏に調査を行うのだ。鷹男の知恵に感心しているうちに瑠璃の乗った牛車は
二条堀川についた。二条堀川邸で藤の宮は瑠璃を朗らかに出迎えた。
鷹男が来るのは夜になってからという事で藤の宮と話し込んでいた瑠璃だったがその最中、
藤の宮はふとこんな事を口にした。
「瑠璃さまは勇敢でいらっしゃるのね、わたくし羨ましいわ。わたくしも鷹男のために
役に立ちたいと思っているのですけれど臆病で何もできないのです……」
瑠璃は藤の宮の様子に驚く。彼女は鷹男の身を本当に心配しているようだった。
370なんて素敵にジャパネスク_19:2005/08/31(水) 09:48:02 ID:???
「もう、このように危ない仕事は他の者にやらせればよいのです。わたくし何度も東宮に
そうご忠告申し上げたのに少しも聞いてくださらない。もしも鷹男の身になにかあったら
わたくしきっと生きてはいられませんわ……」
瑠璃はきっと藤の宮は鷹男の事が好きなのだ、と思った。そしてそんな中、邸にやって来た
鷹男は心配がる藤の宮に優しく微笑む。なんて似合いの二人、と瑠璃は思わず嬉しくなってしまった。
だがロマンチックな雰囲気もつかの間、鷹男は瑠璃に役目を告げる。
その役目とは女房として入道たちの邸に潜入する事だった。入道たちはちょうど一人
新しく女房を雇いたい、と探していた。そこで瑠璃が身分を偽り潜入するのだ。
そして邸にやってくる者の顔を見覚える事、誰が陰謀に加担する者か調べるのである。
また、もう一つは邸に持ち込まれる変わったものに注意する事。
唐渡りの毒薬などそんな物が運び込まれるかもしれないからだ。
「連中がどういう手段で東宮を廃位においやろうとしているか、まだわかっていないのです。
ですが、確実な線を狙うなら毒殺でしょう」
厳しい顔でいう鷹男の表情と、毒殺という言葉に改めて瑠璃は、自分はとんでもない事に
足を突っ込んでいるのだ、と今更ながら不安に陥る瑠璃だった。

『三条』の名で入道たちの邸に瑠璃が潜入して十日。いつ素性がばれるかと
ヒヤヒヤしている瑠璃は、自然と口数も少なく物静かな女房として通っていた。
だが後ろ暗い所のある入道たちにとっては喋らぬ女房の方がありがたく、『三条』は
邸の主、入道にも気に入られていた。そして遂に入道たちに動きが見られた。
入道の邸に左馬頭(さまのかみ)という客人が来たのである。下品でスケベな態度に瑠璃は
思わず閉口するが、これもスパイの仕事のためとぐっと我慢する。
371なんて素敵にジャパネスク_19:2005/08/31(水) 09:49:16 ID:???
入道が上機嫌で迎えると、左馬頭の方もことは思惑通りに運んでいると笑みを浮かべながら伝える。
「もちろん法珠寺(ほうじゅじ)の方も……」
思わせぶりにそう言うが、入道はその話をするためにと瑠璃に下がるよう命じる。
そして、もう一人客が来たら酒宴を開くのでその旨古参女房の丹後(たんご)にも伝えるようにと言い置いた。
瑠璃は左馬頭が入道へ手渡した書状に気になって思わず凝視してしまう。だがそれはよほど
重要な書状らしく、入道は慌てて瑠璃に早く下がるよう叱りつけた。
瑠璃は酒宴を開くという言葉に焦っていた。わざわざ開くからには重大な集まりに
決まっているからだ。入道が持っていた書状が気になる上に、法珠寺という名にも
どこか瑠璃は引っかかるものを感じて気になっていた。こんな時こそ鷹男と話し合いたいのに
彼は文を一度送ってきたきりだ。来てくれたらいいのに……、と瑠璃はそう思った。

亥の刻、入道が言っていたもう一人の客人がやってくる。それはなんと僧侶だった。
僧侶がどうやって東宮廃位の陰謀に加担してくるのかは分からないが、どうやら
その僧侶は入道自ら迎えるほどの重要人物であるようだった。
酒も入り、宴では入道たちは終始上機嫌だった。酌をしながら瑠璃は何か
情報をつかめないかと聞き耳を立てていた。
「明日は必ずや観照が会ってくれるのだな」
「はい……ぬかりなく吹き込んでおきましたゆえ。明日こそは」
「……そうか。できればのう、観照と会って話している間に片がついてくれれば良いのだが」
そう言って入道はため息をつく。観照。法珠寺。何となく瑠璃はその言葉に聞き覚えがあった。
何の事だったろうと考えている瑠璃に向かって、顔を酒気に赤くしながら僧侶がふと、花も盛りの
年頃か、と呟く。そして盛りの花もいつか散るもの、そう心得なさいと説き始める。
「観如殿! ここでそういう向きの話をされるのは……」
「いやいや、確かに散るは花の運命。観如のいう通りじゃぞ左馬頭。
かといって何も知らずに散るのは哀れというもの」
そう言うと入道は余興だ、いいものを見せてやろうと、女房の一人にとある連歌状を持ってこさせた。
372なんて素敵にジャパネスク_21:2005/08/31(水) 09:50:31 ID:???
それには一つ一つ違う筆跡で、『春を待つ歌』が書かれていた。東宮は春宮とも書く。
つまりこの歌は、深読みすれば『新たな東宮の御世を待つ歌』なのだ。
この連歌状というのは入道一派に加担する連判状でもあったのだった。
決定的な証拠に思わず見入ってしまった瑠璃に入道がどうしたと声をかける。
「……ついすばらしいお歌に見とれてしまって。春を待つ心は皆同じですから」
瑠璃はそうごまかすが、何とかしてこれを手に入れられないかと必死に考えていた。
瑠璃は酒を頼んでくる、と言って自らの局に戻り歌を適当に書き綴ると、素早く偽の連歌状を作った。
そして宴の席に戻ると入道たちに次から次へ酒を盛り、前後不覚になったところで
瑠璃は、おもむろに灯台を蹴倒して部屋に火をつけた。
「火事です! 火事ですわっ! 誰か!!」
その言葉に女房たちが集まってくる。すると寝こけていた入道たちも慌てて部屋から外に出た。
瑠璃はその隙に本物と偽物の連歌状をすり替え、偽物に火をつけて燃やしてしまう。
そして本物の連歌状を手にして、火を消さなくてはと振り向いたが、火は瑠璃が思っていたより
燃え広がっていた。危ない所で邸の侍たちが集まって火を消してくれたが瑠璃はあやうく
焼死しかけるところだったと、思わず放心してしまっていた。

入道たちは連歌状が灰になってしまった事に大騒ぎしていた。あれがなければ結束も危うくなる。
慌てふためく入道たちだったが、その場は古参女房の采配で何とか落ち着く。瑠璃は自分の局に
戻ると、懐から連歌状を取り出し眺めていた。するとそこに何と鷹男が忍んでやって来た。
良い所にやってきた、と瑠璃は連歌状を鷹男に見せ、これまでの事情を話す。
すると、東宮の前では忠実だという左馬頭の裏切りや思わぬ人物達の造反に
鷹男は衝撃を受けたようだった。そんな鷹男の姿を見て瑠璃は東宮には、高彬や鷹男みたいに
きちんと守ってくれる人がちゃんといる。裏切るような人達ばかりではない、と激励した。
真心をもってそう自分を励ましてくれる瑠璃を見て、鷹男の顔から思わず笑みがこぼれた。

(続く)
373マロン名無しさん:2005/08/31(水) 14:40:34 ID:???
「なんて素敵にジャパネスク」乙です。
>>315です。
「honey rose」についての質問に答えてくださってありがとうございます。
>とりあえずグレゴリー、アイザック、ロレンス、それから兄弟の下三人でない事は確かです
に納得、笑わせてもらいました。
374マロン名無しさん:2005/08/31(水) 14:42:29 ID:???
撲殺天使ドクロちゃん
ももえサイズ
奥さまは魔法少女
誰かストーリーを教えてください。
375ももえサイズ:2005/08/31(水) 16:30:58 ID:???
誕生日にうっかり死神の体の封印を解いてしまったももえは
斬ったものの存在を肩代わりする死神のカマで斬られ、
死神風紀委員長になってしまう。

その後、不良やプラ板やブラックホールやチョコやらを斬って特殊能力ついたり、
下級生斬ってダブったりしながら、『(略)死神(略)ももえサイズ』と
ひたすらタイトルが長くなって、終了と新連載を繰り返していく。
何故だか憧れの先輩を斬ったら、行方不明だった母親になったり、
増殖するナルトが世界を多い尽くしたり、魑魅網力が跋扈する世界を
家族探して旅したりしながらテキトーに話は進んでいく。
結局、掲載紙が廃刊になって終了。
と思いきや時空間を斬って別紙に逃亡する。
以降は「ももえサイズPURE」、「電撃ももえサイズ」へ。
376マロン名無しさん:2005/08/31(水) 19:07:19 ID:???
一日もせずに書いてくれる人がいるとは思わなかった。ありがとうございます。
ただ、存在を肩代わりってところが意味がよくわかりません
377マロン名無しさん:2005/08/31(水) 20:41:22 ID:???
簡単に言えば相手の力や特性を取り込むこと、でいいかな?
そのたびに「死神チョコBH番長風紀委員ももえサイズ」と漫画のタイトルが伸びる。

・風紀違反の番長を斬って、代わりに不良のボスになる。
・チョコやプラ版を斬って、熱に溶けるようになる。
・縦ロールを斬ったらスネ毛が縦ロールになった。
・下級生を斬ってダブり、上級生を斬ってダブリ相殺。
など

完全版持ってる人はアトヲタノム
378マロン名無しさん:2005/08/31(水) 22:18:00 ID:???
ありがとうございます!
379ドリームネットPAPA・エピソード6-1:2005/09/01(木) 00:16:00 ID:???
ヒデハルの部下、アートディレクターの大嶋ナオトがネットの家に泊まりに来た。
次回作である「家族」をモチーフにしたゲームの絵コンテが行き詰まっているので、ヒデハルの家族を参考にしようというのだ。
家族の愛情がわからないと悩むナオトのため、そして天才幼児の存在を世間に騒がれないために「普通」のアメリカンなファミリーを演じようとするヒデハル。
しかしやはり理想と現実には高い壁があり、ネットとメディアのことはすぐナオトにばれてしまう。
「返答次第じゃ拉致換金ッ!」
仕方なくナオトを縛り上げたヒデハルに、ナオトは誰にも言わないと約束し、
ネットに、形はどうあれ父親に心配してもらうのは羨ましいと言うのだった。
「僕は父親に手さえ握ってもらったことがないよ」
幼いときに事故で母を亡くしたナオト。父はナオトが手を差出しても背を向けた。
父に背をむけられたナオトの不安は不信に変わり、今では病気となった父の見舞いにも行けないほど距離が開いてしまったのだと言う。
「オマエも大変だな。でもオマエの父も辛かったと思うぞ、自分の子供に戸惑わなきゃいけないなんて」
ヒデハルに我がまま放題のネットがそんな事を言うのに驚いて言い返すナオト。
「君たちだって言ってたじゃないか…父親だったら子供のためにもっとガマンして…」
「ボクとヒデハルは我慢なんかせんぞ。お互い大変だってことを見せつけあった上でワガママしてるんだ。
親は親なり、子は子なりに大変なんだからそれが分っていればいいんだ」
「それが分からない…分からないんだよ…」
380マロン名無しさん:2005/09/01(木) 00:19:37 ID:???
拉致監禁じゃないの?そういうネタだったのならスマン
381ドリームネットPAPA・エピソード6-2:2005/09/01(木) 00:22:52 ID:???
相変わらずコンテは描けないまま、悩むナオトに田舎から父の危篤の知らせが入る。
駆け付けたナオトが病室で見た父の姿は小さく、ナオトは途方にくれる。
「あんな弱そうな人じゃなかった…あんなの親父やない…」
もうどんな態度をとっていいのか分からないというナオトに、ナオトの叔母が昔起きた水害のことを語る。
その時流されたのはナオトとその母の2人だった。とっさの事に父はナオトの手しか取ることができず、
結果ナオトは母を失うことになったのだ。
口どめされていたが、あれがしこりになったのだろうと叔母が言う。
慌てて病室に入るナオト。枕元で泣きながら謝る息子に、父は母に会ったと涙を流した。
「あれがわらっとったよ…おまえば助けてくれてありがとうって…許してくれとったんやね」
ナオトの父は息子と手を繋ぐことを避けた。何かの罪であるように。
しかしそれは罪ではなかったのだと、ナオトは父の手を握り礼を言った。
後日、ネットの所に出来上がったゲームのオープニングムービーが届く。
父を亡くしたばかりのナオトがよくやってくれたとヒデハルが言う。
そしてネットにと言付けられた一通の手紙。ネットはその手紙を、決してヒデハルには見せなかった。

『いつかキミもお父さんの手を話す時がくるでしょう。
 だから今、しっかりとその手を握っててください。』
382マロン名無しさん:2005/09/01(木) 00:23:22 ID:???
まとめサイト管理人さん、リクがあったら未解決リストに加えていってるみたいですが、
リストの一番上の「05/03/27現在の」は実情に合ってないから消してしまっては?
383ドリームネットPAPA:2005/09/01(木) 00:28:18 ID:???
×換金 ○監禁です…orz
遅レスだけど >250さんにもごめんなさい。やっぱり笑い要素入らなかった…
次の話とかはギャグメインなんで入れられたらいいなぁ。自分の文で伝えられるかは微妙だけど。
384マロン名無しさん:2005/09/01(木) 18:54:15 ID:???
乙ー
385マロン名無しさん:2005/09/01(木) 20:13:31 ID:???
「僕は妹に恋をする」

メチャメチャ少女漫画だけど、いいのでしょうか?
出来るだけ詳しく、セリフとかも交えつつ
教えて下さる方、お願いします!
386マロン名無しさん:2005/09/01(木) 20:38:18 ID:???
ももえサイズって確かカマの部分をデスと読ませて
ももえデスサイズだと思ってたんだけど、変わったのかな。
商品紹介でもももえサイズになってるし。
387漂流教室とかかいたひと:2005/09/03(土) 02:31:36 ID:???
スレタイの「ストーリー」が半角だと気付かずに新スレ見失ってたよ○| ̄|_

まとめサイト掲示板に「平成版まことちゃん最終話」のあらすじを載せましたので報告です。
388マロン名無しさん:2005/09/03(土) 16:51:34 ID:???
山辺麻由の「みらくるドリーム ミンキーモモ」をお願いします。
389マロン名無しさん:2005/09/04(日) 12:22:13 ID:sUQw26Yb
0
390マロン名無しさん:2005/09/04(日) 12:30:01 ID:???
面堂かずきの「ロマンシングサガ2」をお願いします。
391マロン名無しさん:2005/09/04(日) 13:46:30 ID:???
エビアンワンダーの書き手さんて、少し前にナツノクモも書いてくれた人だよね。
あの作品の続きも楽しみに待ってます。

と、もうひとつ。
あだち充のスローステップをリクエストします。
よろしくお願いします。
392マロン名無しさん:2005/09/04(日) 14:38:02 ID:???
>>387
感謝。
393サバス・カフェ 15:2005/09/04(日) 20:22:09 ID:???
税理士から大が自分の借金を返済した事を知り祖母は激怒した。
祖母は大の家に出向き、デリィがいるにも関わらず大の頬を張った。
「お前は私を馬鹿にしているのか。お前の施しを私が喜ぶとでも思ったのか!
 お前たち親子はどこまで人を踏みにじればすむんだい。二度とこんなマネはするな」
去っていく祖母。何故なにも言い返さないとデリィは言う。
「僕はようやくわかった。僕は…おばあさんを助けようとしたわけじゃない。
 僕が生きている意味を金で買おうとしただけなんだ……」
心のすみであの家を守る事ができれば認めてもらえると期待してた
  僕がこの世にあるのはきっとそういうことなんだと 意味があったのだと 思われたかった
母は大を避け、いつも他人に預けてばかりで一緒に暮らそうとしなかった。
それなのになんで自分を産んだんだと大は苦悩した。

どんな金持ちの家で育ったか知らないが金でなんでもしようとする
大の性根がおぞましいと祖母は仁木にこぼす。
侮辱されるぐらいならと祖母は家を売ることを決心した。
「確かにあの子はお金に無頓着らしい。
 ですが、それは金持ちで贅沢な暮らしをしてきたわけじゃない」
仁木は大の生い立ちを語る。祖母は霖子を愚かだと切って捨てる。
「あなたはそれで思うところがないのですか?
 梛子くんと霖子くん……二人のような事をあなたはまた繰り返すつもりだ。
 大くんはやり方を間違っていたかもしれないけど、ただ肉親が欲しかっただけです。
 自分が誰なのか知ってくれる人…彼が欲しかったのはただそれだけだと思うんです」

祖母は家を手放す事にし、住み込みで働いていたふみも娘夫婦の家に行く事になった。
「大奥様は本当に一人じゃなにもできない方です」
ふみの言葉を気にする大。しかしまた怒鳴られるのを恐れ会いにいけない。
そうこうするうち、祖母が突然失踪してしまった。ただの旅行かもしれないが心配だ。
「恐れてないで会いに行けばよかった。何度拒絶されたって…」
大は過剰に心配し落ち込む。そこへ、観光のため来日したバーンズが訪れる。
デリィは気分展開をしろとバーンズの泊まるホテルに大を引きずっていった。
そこには祖母が泊まっていた。
394サバス・カフェ 16:2005/09/04(日) 20:25:32 ID:???
気晴らしにあちこちの温泉に行っただけだ、うるさく言うなと祖母は言う。
「ばかっっどんなに…どんなにみんなが心配したと思ってるんだ。
 なにか一言…だまって出ていったらみんながどんなに――」
大の怒鳴り声に動揺する祖母を、大は目に涙を溜めながら抱きしめた。

インターナショナルスクールにまた卒業式の季節が訪れた。
ホーマーは今年で卒業する。泣くホーマーに大は言う。
「そう泣かないでホーマー。また逢えるよ」
自分の何気ない言葉に大は驚いた。
別れたらそれっきりだと思っていた どの人間も
  どうせいつかは別れる 通りすぎるだけの自分とは関係ない――
  ずっと僕はそう思っていた でも 忘れることがなければ
  そう望めば とぎれることなどないんだ こんな簡単な言葉だったんだ

三年目の夏休み。ホテル暮らしをしていた祖母は倒れて入院した。
血圧が高いために発作が出たのだという。
ホテル暮らしは良くないと、大は祖母を自分の家に連れてきた。
祖母は料理をつくろうとして手を切り、鍋をひっくり返し足を火傷した。
ふみが言っていた通り、本当になんの家事も出来ない人だった。
大は、その分自分が祖母にしてあげられる事が増えると微笑んだ。
それに、あれほど自分を憎んでいた祖母が家に来てくれた事が嬉しかった。
夕飯を共にする大と祖母。大が話題をふっても、祖母は憎まれ口で返してしまう。
「――私は…はじめからあの子を憎んでいたわけじゃない」
祖母はそう言うと席を立った。布団の中に入って祖母は梛子たちの事を思い浮かべる。
病弱でいつも熱を出しては自分に甘えてきた梛子。
霖子は一緒に甘えてくるわけでもなく、ただいつもその様子を眺めてきた。
眠れずに祖母は起きあがる。大は眠れないのかと訊ねてから言う。
「あの…僕とこのままここでずっと…暮らしてくれませんか」
祖母は昔を語る。梛子はいつも何かあると夫より祖母を頼ってきたと。
必要とされずになんのための夫婦かと悩む敬之と、孤独な霖子。
二人があやまちを犯したのも、元々は姉妹をそう育てた祖母の責任だった。
それは自分でもよくわかっていると祖母はうな垂れる。
395サバス・カフェ 17:2005/09/04(日) 20:31:50 ID:???
「梛子が死んだ時、あの子のお腹の中には小さな命があったんだよ。
 2ヶ月だった…馬鹿な娘だよ。子供の命より自分の憎しみに負けてしまって…
 お前を見ているとどうしても思わないわけにはいかない…
 産まれる事なく殺されてしまったもう一人の孫の事を。だから私はお前とは暮らせない」
たった二日間だけ滞在した祖母は、家を売って残った金で小さな家を買った。
一人部屋の中で祖母はつぶやく。「手紙は燃やしてもこれだけは捨てられなかった…」

祖母とまた会う事もなく大の夏休みは終わった。
野外授業でデリィと店を見ていた大は、ふきのとうの漬物を見つけた。
以前に祖母と夕飯を食べた時、祖母は漬物がないと残念そうだった。
大は漬物を食べた事が無かった。デリィは不味いぞと言うが、祖母へのお土産に買った。
「一緒に暮らせないと言われたんだろう」デリィの言葉に大は穏やかに返答する。
「いいんだ一緒に暮らせなくても。僕におばあさんがいるってだけで。
 僕は今まで望んだもののために戦った事がない。望む前に諦めるくせがついてた。
 だけど今、僕は時間を味方にできると思うんだ。僕が君たちのおかげで変われたように、
 おばあさんもいつか変わってくれるかもしれない。いつの日か僕を肉親と認めてくれるかもしれない」

祖母は仁木に電話である連絡をした。仁木はそれを聞きひどく驚いた。
大は帰ってくるとすぐに漬物を祖母の家に届けに行った。デリィもついてくる。
発作を起こしたのか、祖母は家の中で倒れていた。大は窓を割り中に入った。
ガスが充満していた。家事の不得手な祖母が誤って点けたままにしてしまったのだろう。
祖母は無事なようで、外に連れだすとすぐに目を覚ました。
「…ああ…お前かい…お前の写真が……」
祖母を運ぶ時に写真が落ちていた事を思いだし、大は家に引き返す。
大はその写真に写るものに驚き立ち止まり、その時ガス爆発が起きた


『サバス・チャイルド』ははじめ、月曜日から土曜日の六つの扉を選ぶ。
どれを選んでもいい。どこからでもサバス・チャイルド――休日の子供は探せる。
マザーグースの詞の中で、日曜日の子供は何からも恵まれた子だとされた。
大にはそれがうらやましかった。誰からも愛されるであろう日曜日の子供が――夢の子供が。
続く
396マロン名無しさん:2005/09/05(月) 01:41:42 ID:???
うおー続き気になる
乙です
397マロン名無しさん:2005/09/05(月) 19:14:24 ID:???
>391
>エビアンワンダーの書き手さんて、少し前にナツノクモも書いてくれた人だよね。
いんや、『HoneyRose』と『ジャパネスク』書いたのと同じ奴が書きました。
エビアンすごい好きなもんで。
でもその『ナツノクモ』まとめサイトで読んだら面白かった。
私も続き楽しみにしてます。
ノシ
398マロン名無しさん:2005/09/05(月) 20:21:40 ID:???
>>397
素晴らしい書き手さんだし、また他の作品も書いてくれるかもって期待してるからあえて言うけど、
予約は半年は有効だから、これから書くときはいちど予約欄に目を通しておくといいよ。
399マロン名無しさん:2005/09/06(火) 01:38:52 ID:???
どなたか「闇の末裔」おながいします。(ペコ)
400マロン名無しさん:2005/09/06(火) 11:25:15 ID:???
既に闇の末裔は未解決リストに入っているよ。
登場人物と大まかな設定くらいなら教えられるけど・・・
ストーリーが支離滅裂で説明できん・・・
401ジャパ投下者:2005/09/06(火) 18:33:00 ID:???
エビアン予約入ってたんだね…orz
予約した人ほんとゴメン。全部見たつもりで見てなかったよ自分。
>>398
今度別の書く時はちゃんと予約欄気をつけて
読むようにするよ、ありがとう。
402なんて素敵にジャパネスク_22:2005/09/06(火) 18:33:41 ID:???
瑠璃の励ましに気を取り直し、話を聞いていた鷹男だったが、彼女からボヤ騒ぎの事を
聞くと顔色を変えた。連歌状は証拠としては申し分ない。だが、一歩間違えれば瑠璃は死んでいたかもしれないのだ。
「いいですか、姫。お約束してください、もうこんな無茶はなさらないと。
でなければわたしは安心できません」
そう言って鷹男は瑠璃の手を握る。
「瑠璃姫にもしもの事があれば衛門佐殿に合わせる顔がない。
ましてわたし自身も辛い思いをしなくてはならなくなる……」
「な、何も鷹男に責任感じてもらわなくたって、あた…あたしは!」
鷹男に真剣な目で見つめられて、瑠璃は慌てて手を振りほどいた。
そして何とかこの雰囲気を変えなければ、と瑠璃は観照と法珠寺の話をふる。

鷹男がいうには、観照というのは東宮の信任も厚い高僧であるという事だった。
そして無類の神通力を持つ祈祷僧だという話はあまりにも有名だった。
どうりで聞いた事がある名前だったと瑠璃は思う。きっと入道たちは観照に
東宮を呪い殺させるつもりなのだ。観照ほどの僧侶ならばそれができるはず。
きっとそれが入道たちの陰謀だったのだと瑠璃は鷹男に告げた。
入道が持っていた書状の事も鷹男に話し、瑠璃はどうやってそれを手に入れたものかと
悩むが、その話を聞くと鷹男は二度と危険なことはしてはいけない、と強い口調で瑠璃に言った。
そしてまたもや瑠璃を熱い瞳で見つめる鷹男。瑠璃は慌てて鷹男に責任感じてもらっても困ると言い張った。
「……衛門佐がうらやましい。あなたのような姫を妻にされて」
鷹男の言葉に瑠璃は口ごもりながらも、実はまだ本当の妻ではない事を説明する。
「でも心は妻よ!しっかり妻!!」
403 ◆ncXKkmcQGA :2005/09/06(火) 18:36:22 ID:???
>>401
スンマソ、記憶が正しければこないだ追加したときにあ欄から消した覚えがあるので
予約に移してはいけたけどあ欄から消すの忘れてたやもしれず…。
404なんて素敵にジャパネスク_23:2005/09/06(火) 18:39:14 ID:???
しかしそれを聞くと鷹男は瑠璃に、それでは自分にもチャンスはあるというわけですね、と
意味深な言葉を言い残し邸から出て行った。残された瑠璃は、夫の知らないところで他の殿方に
ときめいちゃったりして良くないわよね、こういうの。などと思いながらも、ついつい
とってもドラマチックなどと浸ってしまっていた。

次の日、入道は『三条』を名指しで呼びつける。信頼できる女房でなければ頼めないと
前置きした上で入道は、昨日左馬頭が持ってきた書状を瑠璃に渡した。
そして、これを法珠寺の観照に渡して欲しいと言うのだった。思いがけなく例の書状
を手にして、瑠璃はラッキーと喜ぶ。これを持ったまま二条堀川邸に駆け込んでしまえば
入道たちもジ・エンド。しかし、入道は護衛と称して侍達を瑠璃の監視につけてしまう。
逃げられそうもなく瑠璃はせめて書状の中身を確かめようと、法珠寺へ向かう牛車の中で
書状を開いた。その中身はどうやら男性が書いた文のようであった。
所々品のない文字が混ざっているが、全体的に身分卑しからぬ人物のもののようで、
瑠璃はどことなく見覚えがある字だと思った。そしてその内容はといえば、
『以前から頼んでいた祈祷の効き目がでてきたようだ。帝の病も段々と
重くなってきている。更なる祈祷を頼む』というものだった。
文の最後に書かれた書名は東宮、宗平(むねひら)。
瑠璃が渡された書状は、東宮の父帝に対する呪詛を頼む文だったのだ。
しかしこれは東宮本人が書いた物ではない。
大方、左馬頭あたりが東宮の手蹟を真似て偽造したものなのだ。
だが、東宮が書いたと思しき『帝の呪詛を頼む文』を身元を伏せた女房(瑠璃の事)が
よりによって東宮が信用している観照の元へ持っていった所を役人にでも見つかれば
多少疑わしきとも、これだけ条件が揃っているのだ。誰だろうと東宮が帝の
呪詛を頼んだと思うだろう。そうすれば自動的に現東宮は廃太子とされ、次の東宮には
入道一派が担ぎ上げた正良親王(まさらしんのう)が選ばれる。それこそが入道の陰謀だったのだ。
405ジャパ投下者:2005/09/06(火) 18:42:17 ID:???
おっとリロ忘れ。
>>403
いや、でも自分も不注意だったんで。。。
管理人さんは大変だからそういう事もありますよ〜。
書き手(私)の方も気をつけるのでこの件はこれでお手打ちという事で…。
406マロン名無しさん:2005/09/06(火) 19:00:06 ID:???
おっ管理人だ。レアいな。ここの管理人無口だから
407マロン名無しさん:2005/09/06(火) 19:13:51 ID:???
>>406
荒れるかもしれんと思って早めのご登場と見た
今回は管理人も一枚噛んでるらしいし

てか他にもそういうのありそう、予約欄に移し忘れてるやつ
俺は別に削る必要ないと思うけどね、予約欄に書き入れるだけでOKでしょ
どうしても消し忘れることってあるだろうし
408マロン名無しさん:2005/09/07(水) 00:18:05 ID:???
西炯子さんの「僕は鳥になりたい」と「ラブソング」をお願いします。
科白を含んだ詳しいあらすじを知りたいです。
409マロン名無しさん:2005/09/07(水) 01:13:19 ID:???
>>407
そうだね。書き手が予約欄のトコもチェックすれば、なんてこたない問題ではある。
410マロン名無しさん:2005/09/07(水) 04:06:20 ID:???
「8マン」と「8MANinfinity」をお願いします。
なるべく詳しく知りたいです。
411マロン名無しさん:2005/09/07(水) 10:02:58 ID:???
「D4プリンセス」お願いします
412BLOOD ALONE:2005/09/07(水) 10:47:37 ID:???
基本的に一話完結の漫画なので簡単なあらすじと人物紹介だけでも

吸血鬼の少女ミサキと売れない小説家クロエのほのぼのまったり日常漫画。

●ミサキ
 有名な血統の吸血鬼らしいが、その正体は作中ではまだ明らかになっていない。
 14歳前後の容貌の少女で、性格も年相応の明るい吸血鬼っ娘。
 過去に何かがあったらしく、クロエと一緒に生活している。
 クロエが大好き。

●クロエ
 売れない小説家にして私立探偵でもある青年。結構美形です。
 過去に最愛の姉を吸血鬼にさらわれた経験があり、
 一時期ヴァンパイアハンターをしていたことがあったようだ。
 吸血鬼のチャームが効かない特殊な目を持っている。
 普段はボケボケだが、いざという時はかなりキレます。
 ミサキのことを妹や娘のように溺愛してます。

以上の二人をほぼ中心に、ラブラブまったり生活が7、吸血鬼関連のダークでシリアスな話が3の
割合で物語が進みます。
 
413マロン名無しさん:2005/09/07(水) 15:30:23 ID:???
僕は鳥になりたい予約します。 のんびり待ってて。
414マロン名無しさん:2005/09/07(水) 17:14:42 ID:???
>412
乙です。
リクエスターじゃないけど本屋で気になってました。
415マロン名無しさん:2005/09/08(木) 00:39:51 ID:???
「青空少女隊」と「MAICO2010」をお願いします。
416青空少女隊:2005/09/08(木) 01:36:55 ID:???
飛行機大好きの主人公石動君は、ある日整備隊員として航空自衛隊の第801飛行隊に配属される。
でもそこは隊長を除けばパイロットもみんな女性の、女だけの第二のブルーインパルスを選定する
航空自衛隊のお飾り部隊だった…。

と、いうわけで、そんな第801飛行部隊を舞台に石動君を巡って
女だからということで馬鹿にされるのが大っ嫌いな腕利きパイロットの羽田二曹と
ハーフだということにコンプレックスを抱いているエースパイロットの三鷹二曹との
三角関係っぽいのが中心のラブコメ漫画です。
ラブコメの常道として、最初はみんなに嫌われる石動君でしたが、持ち前の明るさとひたむきさで
次第に他の女性隊員とも仲良くなっていき、犬猿の仲でもある羽田二曹と三鷹二曹との間を
取り持ったりしている内に、なんだか二人に好かれちゃいます。
んで、最後は実戦部隊の戦闘機パイロットとしてスカウトされた三鷹二曹でしたが、
石動君と別れるのがイヤでなかなか返事ができず、また素直じゃない性格から石動君といい仲の
羽田二曹とも、大事なテストフライト中にどっちが石動君が好きかで喧嘩してしまいます。
結局、自分が喧嘩の原因だと知った石動君の「一人は恋人、二人目は愛人でいいじゃないですか!」
という、よく考えたらすごいセリフで何故か仲直りした二人。
これからも青空少女隊は楽しくがんばります、みたいなモノローグが入って終わり。
417マロン名無しさん:2005/09/08(木) 03:03:22 ID:???
素早い回答に感謝!
ありがとうございます。
418マロン名無しさん:2005/09/08(木) 10:29:10 ID:???
>>416
>「一人は恋人、二人目は愛人でいいじゃないですか!」
これリアルで言ったら殺されるな
419マロン名無しさん:2005/09/08(木) 11:46:28 ID:0OFhQCS3
wre
420マロン名無しさん:2005/09/08(木) 17:03:59 ID:???
>一人は恋人、二人目は愛人でいいじゃないですか!
そのセリフ言った途端に冷められるんじゃないのかw
421僕は鳥になりたい 01/11:2005/09/08(木) 18:12:59 ID:???

 特に 春先になると

 ぎしぎしと何かが きしむような音がした

 それは何かが せめぎあってるような音だ

 そして常にその音は 俺の体の中にも あったのだった

東京から飛行機で一時間、大正末期にできた古い男子校の寮に、文芸部長の針間は住んでいる。
彼は三年にあがった年の春先、寮の部屋変えで、チクリと悪評高い二年の薬師と存在感のない三年の両角という、
あんまりご一緒したくない類の生徒ふたりと同室になった。
すぐ後には五月の開校記念祭があり、そこでその日のために準備したもの作ったもの全部燃やして灰にしたら、
翌日からは何事も無かったかのように、仁義なき受験戦争がはじまるのだ。

 だが俺は受験になんかとらわれちゃいない 

 誰にも何にも 縛られちゃいない

 俺の名前は針間克己 何かが足りない17歳だ

文芸部で年に一度開校祭にて売る同人誌を読んだ女の子達から、針間のもとへファンレターが届く。
彼は、どれも一様にまるっこい字の文面の中からよさそうな娘を選んで、休日会う約束をし町へくりだす。
普段野郎ばかり見ている針間は、たまに女の子を見ると軽い感銘を受ける。
特に柔らかい日差しの午前中などは、彼女らの背中に翼が見えてしまうのだ。
彼女らの翼はうっすらと紅色で、そして気まぐれにいじらしく震えている。
しかしどんなにタイプの女の子でも、こっちに本気になってしまったらもうだめなのだった。
自分を追いかけ始めた途端、彼女らの翼は瞬く間に消えてしまう。そして興味がなくなり、すぐに別れる。
はたから見たら俺ってばずいぶんな遊び人に見えているのだろうなあと、針間は思うのだった。
422僕は鳥になりたい 02/11:2005/09/08(木) 18:13:46 ID:???
こりもせずまた出かけた先で、針間はひとりの女の子と出会う。
ミッションスクールの生徒らしい彼女は、制服のままベンチに座り、ぶあつい聖書を暗誦していた。
これは照れているのだろうかと、それとなく声をかける針間。
 「――すいぶん熱心だね」
 「来週のミサで暗誦の当番なの」
 「ふーん。暗誦するほど読めば神様のいってることよくわかるんじゃない?」
 「ううん。暗誦は得意よ、聖書はほとんどそらでいえる。でも何書いてんのかよくわかんないわ」
 「わかんないで暗誦してるわけ」
 「うん」
打てども響かない受け答え、顔は十人並みだし、およそ身なりに男に対する緊張感がない。
にぎやかな手紙の印象とまるで違う。年頃の女としてその反応としてどうなのかと不満を感じる針間。
しかし手紙どおりにぎやかな女の子が遅れて後からやってきて、彼女はただの付き添いだったと判明する。
去っていく彼女の後姿から、何故か視線を外せない針間。

その日の寮の点呼で両角が遅刻し、寮監に殴られた。高圧的な態度の寮監に、お前は教師でも神様でもねーと不満を感じる針間。
部屋へ戻ると、薬師が両角に穀物くさいと言い出した。それになんだかホコリくさいと。実は針間も常々気になっていたことだった。
しかし両角は視線をゆっくり泳がせると、「お  し え な い」と言って、そのまま眠ってしまった。
途端に、ゴシップに敏感な薬師が両角の怪しさについて言及しだす。
挙動不審で口数が少ないし気味が悪い、それに中等部の連中が既に廃屋になった旧校舎で両角を見たらしいと。
だが得に興味もない針間は、うるさいと薬師を一括してベッドに入った。
何故かぼんやり、今日会った彼女の姿がよみがえる。

 聖書
 全部暗誦できるくせに 何をいってるかのか知らない 
 なんて
 かっこいい

薬師の時計の音が耳障りで、電池を抜こうと針間がベッドを降りる。すると、ふいに見えた両角のベッドは、見事にもぬけのからだった。
423僕は鳥になりたい 03/11:2005/09/08(木) 18:14:26 ID:???
翌日針間は食堂で、友達の生徒会長水上に両角の件について話してみた。
水上によると、両角は高等部から入ってきた組で、なじめないまま今に至っているらしい。
実家は新潟らしいのだが帰省はしてないようだし、正直何を考えているかわからないと水上は言う。
それ以上を追求したがる針間に、水上は、受験勉強もあるし周りが騒がしくなるのはありがたくないと話を切り上げた。
針間は冷めた顔で水上を見やる。

友達を使い、この前会った手紙の少女をだまくらかして例の彼女の名前を聞き出し、針間は彼女のもとへ電話をかけた。
女に電話なんてそれまで何万回もかけていたはずなのに、初めて女の子に電話をかけた時のように、針間は緊張していた。

 ケーブルを伝って信号になった 彼女の小さな声には 抑揚がなかった
 俺は細心の注意を払って 彼女を誘った

日曜日の午後、(午前中は彼女のクラブがあるのだ)二度目に会う彼女は、またもや制服姿でやってきた。
ふと、彼女は自分がどういうつもりで誘ったのか理解しているのだろうかと心配になる針間。彼女の学校は男女交際に厳しいので有名なのだ。
しかし制服を脱いでくれと言うわけもいかず、人目につかない場所で話でもするかと、そのままさびれた公園のベンチまで移動する。
今度は英語の聖書をもってきた彼女に、針間はそれも全部おぼえているのかと訊ねる。そうよと答える彼女にじゃあ英語はバッチリかと聞く。
 「全然、いつも”2”に近い”3”よ」
 「――え?」
 「わたし落ちこぼれだもの」
話している途中で、彼女が眠りこけてしまった。毎朝六時からランニングらしいからなあと、針間は彼女に上着をかけてやる。
遠く先では、男の子が犬とたわむれていた。豆腐売りが来て、近所の主婦が子供の手をひき集まってくる。
映画を見たわけでもない。お茶したわけでも、ボウリングもローラースケートもしてない。なのに針間はなんだか満たされた安らかな気分になる。
聖母のモニュメントがある丘の上の彼女の学校まで送っていった別れ際、針間は彼女にまた会えるか聞いた。すると彼女はたぶんと答えた。
その夜針間は白黒の穏やかな夢を見た。
424僕は鳥になりたい 04/11:2005/09/08(木) 18:15:06 ID:???
針間は学校の植え込みで小さな鳥をみつけて手に取った。
すると何かが頭にこつんと当たる。上の方を見てみれば、両角が窓辺に立ってこっちを見ていた。
鳥は両角のらしく、指に乗せながらお礼を言われる。どこかで飼っているのかと針間は訪ねる。同室でのゴタゴタはごめんだ。
すると両角はおもむろに頭に鳥を乗せて歩き出した。そして立ち入り禁止の旧校舎へと入っていく。
制止する針間に、両角は言った。「誰にも言わないでくれよ」

ほこりっぽい部屋の中には、羽切りしてない沢山の鳥と、鳥かご、そしてどうやら人間が飛ぶためとおぼしき翼が所狭しと吊り下げられていた。

 「翼を作ってるんだ。実際の鳥で研究してるうちに増えちゃってさ」
 「――あきれたな…」
 「さっきの鳥は二週間前にケガをしてね。なかなかよくならないんだ」
 「じゃあもしかしてこないだ夜にいなかったのは…」
 「あ バレてたのか。…うん、鳥が心配でね」
 「…翼って。作ってどうすんのよ。飛ぶとかいうなよ?」
 「飛ぶよ?ほら、すぐ裏の住宅地のむこうが広い空き地だろ。計算どおりに風に乗ればあそこに着地できるんだ。
  卒業する前にやるよ。もう翼も本番用があらかたできあがってるんだ」

そう言いながら両角はパソコンの画面を針間に見せ、自分の計画を熱心に語り出した。

 しまいには俺なんか無視して 熱でもあるかのように 翼の話をする両角は
 既に心が空を飛んでいるように見えた

 翼をもって空を飛ぶこと
 それはとうの昔に捨てて見失った望みだ
 心が翼を持っていた頃 俺も天使だったかもしれないとふと思った

 両角は少しずつ自分のことを話し始めた
 おそらくここへ来て 初めて 語り合う人間を得たのだろう(鳥以外に)
 ひと言ひと言かみしめるように話す姿に 彼のこれまでの孤独の深さが知れた

 が 話が実家のことに及ぶと 
 ふいに彼の口は重くなるのだった
425僕は鳥になりたい 05/11:2005/09/08(木) 18:15:44 ID:???

 無理に聞き出そうとは思わなかったが
 同じ缶からジュースを飲めるようになった頃 
 彼は思い出したかのように語り始めた
 「これ 母」
 「ぴゅう。美人だなあ」
 「僕が中一の頃までは家にいたんだ」
 「…今は?」

 「不思議の国」

 「母はもう僕が誰だかわからないんだ。一回だけ家に内緒で会いに行ったけど…それっきりだよ。
  親父のせいなんだ。僕が小学六年のとき突然庭に離れを作らせたかと思うと、
  ある日いきなり知らない女の人を連れてきてそこへ囲ってしまった。
  五社英雄の映画みたいだろ。親父は南部の生まれでね、恐ろしく豪胆な男なんだよ。
  母は神経が細くて…そのことが心労になって……。
  今 うちには 父とその女の人と兄弟と祖母が住んでいるんだよ。とうとう三年間一度もかえらなかったなあ…」
かたまっている針間に気付いて、両角は申し訳なさそうに続ける。
 「悪かったな、陰気な話しちゃって。ああそうそう針間くんが助けてくれた小鳥ね…。
  傷は治ったんだけど、骨をどうかしたらしくて、うまく飛べないんだよ。あ。これもあまり明るい話題じゃないね」

 卒業してもとりあえず家には帰らないだろう 彼は笑って最後にそう言った
 故郷から遠く離れたこの土地で 彼はひっそりと心の傷をいやしていたのだろうか
 孤独という代償を払って

その夜久しぶりに、針間は実家へ電話をかけた。
426僕は鳥になりたい 06/11:2005/09/08(木) 18:19:07 ID:???
夏になった。彼女は私服にはなったものの、相変わらず針間と会うたびにまず、”何か…?”という顔をする。
彼女は港町の生まれだと言っていた。針間はそれ以上のことは知らなかった。知らなくてもいいと思った。
だって彼女といるだけで、心は夜明けの海のように静かになる。
幸せ。どうにも確かな実感のない生活の中で、彼女といるときだけは確かに”幸せ”だと針間は思った。

針間は両角と彼女を会わせることにした。何も考えず、ただ新田由子(=彼女)という存在を両角に知らせたかったのだ。
例えるならそれは、ようやくたどりついた暖かな部屋に、まだ外で震えている友人を迎え入れてやる行為だった。
なぜならば、針間は新田をほかの女と同列に恋愛の対象にすることをためらっていた。
そして両角という男が、放っておけない存在になりつつあったのだ。

両角は新田を秘密の部屋に入れた。
 「わっ すごい…」
 「人にいっちゃダメだよ」
 「いうとどうなる?」
 「消えてなくなる」
休日とはいえよく他の人間を入れることにしたなと言う針間に、両角は笑顔で君の友達ならかまわないよと答えた。
針間はその友達という言葉に少しひっかかりを覚える。しかし恋人でもなく、こんなのをなんていったらいいだろうと思った。

針間は休日ごとに両角も一緒に外へと連れ出した。そのたびごとに、彼の表情に明るさが増してゆくのがわかった。
三人でたわいもない遊びをした。針間と新田が言い合って、両角が遠くで笑う。
そんな折ふと新田が、何故空は青いのかと聞いた。針間は理科で習った光の屈折について話すが、しかし両角が笑って言う。
 「空はきっと、海にあこがれているのでしょう」
 「じゃあ海が青いのはどうして?」
 「空にあこがれているからでしょう。だからお互い映し合いっこして同じ色になっちゃう」
 「じゃあねえ、どうして鳥だけが飛べるの?」
両角は空を見据えて言うのだ。
 「きっと他の生き物よりも強く、空を飛びたいと思ったからだよ」
 「…ああ…!うん!」

針間は何も言えなかった。
427僕は鳥になりたい 07/11:2005/09/08(木) 18:20:04 ID:???
夏休みがきた。しかし針間の学校では盆を除いて毎日平常と同じ授業が行われる。物理と英語が強制補修だと両角が言った。
あんなもん作って物理は得意じゃないのかと問う針間に、両角は関係ないと答えた。進路の方も、ずっとああいうことをやっていけたらいい、
食べてくだけの金があればいいと言う両角に、針間は、自分もこの学校じゃ変わっている方だが、両角もずいぶん変わった…と言いかけて、
ふと口をつむいだ。
空の話をしていた、両角と新田の背中が、よみがえる。
 ”変わってる”?
 俺 今 そういっちゃったよな
 両角の どこが変わってるっていうんだ?
 自分のしたいこと 自分の意思で 自分のしたいようにするのが変か?
 ははは  何が”縛られてない”だ  ”とらわれてない”だ
 縛られちゃって とらわれちゃってんのは てめえじゃねえか
 両角こそ本当に  自由じゃねえか……
両角と新田が手を繋いで、翼をひろげて、飛んでいく。ふたりだけで。自分はただそれを見上げている。そんな映像が、針間の頭に浮かぶ。
 「……くん」
 「どうかした?」
 「――え」
いつのまにか両角と新田が針間の前にいた。ぼんやり見返す針間に、雨だからトランプしようって君が言ったんじゃないかと両角が言う。
目の前で、両角と新田が話をしている。針間はそれが気になってしかたない。そこで何を話しているんだ。
様子のおかしい針間に気付いて、両角と新田が近寄ってきた。ふたりの手が、同時に針間の顔に触れる。
その瞬間、針間はどんとふたりを突きかえし、そのまま部屋を出て行った。新田がとっさに針間の腕を掴んで止めようとする。
 いけない
 「新田 俺と両角とどっちを選ぶんだよ」 
 ダメだろう
 そういうこといっちゃ 
 新田はそういうんじゃないだろう
 だから両角に会わせたんだろう
 それをてめーで
 「奴とは気が合うんだろ。俺はどうしたってあいつにはかなわねえからな。でも俺は――」
 あ もうやめろ やめろってば やめないと
針間は新田をむりやり抱き寄せた。
 最低だ 
 俺ってなんてあさましい野郎なんだ
428僕は鳥になりたい 08/11:2005/09/08(木) 18:20:59 ID:???
雨の降りしきる中針間は歓楽街につっ立っていた。通りかかった女連れの寮監に見つかって、声をかけられた。
寮監はそのまま女と別れ、寮に帰っていった。残った女に誘われ、針間はそのまま、女の部屋までついていった。

朝、部屋で服を着ていると、女が窓を開ける。その窓から少し遠くに、大きなマリア像が眺められた。
 「――ここ…」
 「んーー?うん。聖真女子のすぐ下よ」
どこからともなく掛け声が聞こえてくる。
 「あらっ。聖真軍団のランニングだわ。ということはまだ六時か…。バスケット部の子たちが毎朝ここ走るのよ」
 バスケット? 新田はバスケット部だったっ……?
その時ちょうど、集団の後ろを走っていた新田と、窓から女と共に顔を出していた針間の目線があった。
新田は驚いたように目を見張っている。針間のシャツは肌蹴ていた。集団の掛け声が小さくなり、その背が見えなくなっていく。
 「飲む?」
女が牛乳ビンを差し出した。

旧校舎が火事にあい半焼になった。原因は勝手に忍び込んだ薬師だ。薬師と両角は理事長室に呼び出され話を聞かれた。
針間が両角に聞いた所によると、鳥は半分くらいは逃がしてやれたらしい。両角は騒ぎにまぎれて、飛ぶための翼だけは持ち出していた。
両角事件はしばらくの間話題になり、そしてそのことによってにわかに学校は厳しくなった。他の生徒達はみな、両角に悪態をついた。
 「――まったく。目立たないと思ってりゃバカなことやってくれるよな」
 「とうぶん教師と寮監がガッチリ監視に来るらしいぜ。だいたいガキじゃあるまいしハネ作って飛ぼうなんてただのバカだよ」
 「おかげで無関係の俺たちまで巻き添えだよ。冗談じゃねえよ」
 「……両角は、遊びであんなことしてたんじゃねえ」
 「――なんだよ針間。おまえだって知ってて黙ってたっていうじゃないか」
 「両角が今度のことでどんなけ参ってるか知らねえだろ。
  おまえらは、俺もそうだったけど、奴が本当はどんな奴で、
  どんな理由でどんな気持ちであんなもの作ってたか知っちゃいねえだろ。
  というより、知る必要なんかねえと思ってるだろ。
  でも、心の底じゃ奴がうらやましいだろ」

新田由子が消えたのは、それからしばらく後のことだった。
429僕は鳥になりたい 09/11:2005/09/08(木) 18:21:44 ID:???
針間がはじめて新田に会った日、つきそわれてきた少女に、針間は呼び出された。
話によれば、新田の父が海難にあい一人になったので(新田は父子家庭だった)北海道の遠縁のもとへ引き取られていったらしい。
少女は針間の前に聖書を2冊差し出した。
 「で…、彼女の机の上にこれ…聖書。針間さんと”××くん”にってメモがあったの。
  ”両角”ってコレなんて読むのかなあ。”リョーカク”?”リョーカド”?
  あの子物大事にする子だったし、どうして2冊も置いてったのかと思ったのよね…」
移転先の住所は知らないと少女は言った。

 「何をしてるんだよ」
 「風を見てるんだよ」
 「見えるのか?」
 「うん」

 「おまえ、新田のことどう思ってたんだ」
 「――よくわからないけど、もうずっと昔からお互いを知っているような気がした。
  もうあんな子には会えないかもしれないな」
 「もうここには来ないんだな……」
 「おまえ、飛ぶのあきらめたのか?」

両角は、針間に向かって笑った。

 両角はその日から翼の仕上げを入念にやり始めた
 一足先に謹慎のとけた薬師は皆にそのことをいったまわったが
 
 「やらしとけよ。今度は火事にゃならないんだろ」
 「おまえこそその性格をどうにかしな」

 みんな一様にそしらぬふりでいた
 そして誰もそのことを教師に告げ口するものはいなかった
430僕は鳥になりたい 10/11:2005/09/08(木) 18:22:28 ID:???

 「――なに書いてんだよ、さっきから」
 「”やさしい翼の作り方” 
  今度のことをドタバタ喜劇にしてやる。
  そして俺が大作家になったとき”針間克己青春小品集”として単行本にまとめるのよ。
  よろこびも悲しみも一枚いくらで金にかえてやるぜ」


 ぎしぎしと 何かがきしむような音がする

 それは飛ぶことを夢に見て天を仰ぐわたしたちの

 飛べない翼が切なくせめぎ合う音なのだ


 両角のフライトが失敗に終わったのは 夏休みも終わろうとする頃だった
 教室の窓から息をつめて見守っていた級友たちの目の前で
 両角の翼は 乱気流にのまれて アスファルトの地面に叩きつけられた

 彼の所持品は大方焼失していたので 
 寮に置いていたわずかな服や教科書などが遺品となった
 それらはいずれも整然と整理されていて 荷造りはあっというまにすんでしまった


 17年生きたしるしというには あまりにもそれは――

431僕は鳥になりたい 11/11:2005/09/08(木) 18:25:39 ID:???
 「針間さん。おかえンなさい。今日は早かったね。大変だねェお役所も…ゴクロウさまぁ」
 「管理人さん、いや――冷えますねえ、今日は」
 「あのネエ、これ書留預かってたもんだから」
 「あ、どうも、すみません」

 俺は作家にはならなかった。

針間はそのまま、手にした書留の宛名を見る。

 「水上。あらーっ久しぶりだなあ。何いってきやがったんだ。あれっ、中に葉書が」

葉書には、新田由子の名前があった。
水上の手紙には、新田から針間に学校あてで葉書がきたことと、
針間の連絡先がはっきりしないので自分の所へ送られてきた旨が綴ってあった。

 【お元気ですか?
  わたしは今 北海道の港町の 小さな町役場に勤めています
  職場で飼い始めたカナリアを見たら ふと針間さんたちのことを思い出しました
  両角さんはお元気ですか?
  いつかまた手紙書きますね さようなら】

 両角のことを 彼女に知らせるべきか 俺は考えた

 が 結局 知らせないことにした

 何故そうしようと思ったのかはわからない

 ただ そのほうがいいと 漠然と思ったのだ

 そして心から 彼女の幸せを祈った

針間は新田からの葉書を紙ひこうきにして、そしてそのまま、空へと飛ばした。
432僕は鳥になりたい おしまい:2005/09/08(木) 18:33:04 ID:???
雰囲気を伝えようと思ったら異常に長文になった。
みじかくまとめられる人は改めてすごいと思った。
433マロン名無しさん:2005/09/08(木) 21:47:46 ID:???
いやいや、とてもわかりやすいし、雰囲気ばっちり伝わりましたよ。
長文でも全然問題無いと思います。
読みながら自分の中で情景が広がっていきました。
未読な作品ですが、とても読んでみたくなりました。
リク主さんではありませんが、ありがとうございました。
434マロン名無しさん:2005/09/08(木) 23:36:05 ID:???
全然聞いたことない漫画だけど、雰囲気いいなあこれ。
435マロン名無しさん:2005/09/09(金) 00:11:15 ID:???
姫君の条件、 月夜烏草紙、お願いします。
436マロン名無しさん:2005/09/09(金) 06:46:52 ID:???
僕は鳥になりたい、とても丁寧に書いてくださって嬉しいです。
空と海の色についての会話がいいなと思いました。
ちょっと泣いてしまった。リクエストして良かったです。
ありがとうございました。
437マロン名無しさん:2005/09/09(金) 15:16:35 ID:???
ドラえもん書いてたヤツです。
「日本誕生」後忙しくなってしまい&アク禁で、随分間が空いてしまいました。
ちょこちょこ時間が見つけられそうなのでウプ再開したいと思いますが、今このスレの容量っていくつぐらいなんでしょうか?
というか容量ってどうやって見るんですか?つД`) また同じことを繰り返したくないので…。

スレ立て後の自分のビビリっぷりが今見るとものすごい恥ずかしいノ(´д`*)
438マロン名無しさん:2005/09/09(金) 18:13:17 ID:???
東まゆみのエレメンタルジェレイド をお願いします
439マロン名無しさん:2005/09/10(土) 00:08:54 ID:???
今354KB
440エレメンタルジェレイド 1/2:2005/09/10(土) 15:02:25 ID:???
風の空賊団レッドリンクスの下っ端の少年、クーはある日盗みに入った屋敷で古ぼけた棺を見つける。
興味本位で棺を開けると中には、人形のように綺麗な少女が入っていた。
驚きを隠せないクーに対し、中にいた少女は棺から出してくれたことにお礼を言い、「エディルガーデンに行く」と言い残して
空賊団の飛行艇から出て行こうとする。
困惑しながらも、とりあえず止めようとするクーだったが、時同じくして謎の3人組が飛行艇を襲撃。
エディルレイド完全保護協会アークエイルの使者だと名乗る3人組は、強奪された棺の中にいた少女を回収しにきたと言う。
そこでクーはその少女の正体がエディルレイドと呼ばれる人の形をした武器だと知る。
エディルレイドとは、自分の体を変化させて契約した人間と一体化する最強の武器だった(形状は腕にからみつく剣みたいな)。
実力行使で少女を回収しようとする3人組に対し、少女を逃がそうと必死に盾になるクー。
そんなクーのひたむきさに触れた少女は、自分をレンと名乗りクーと契約することに。
飛空挺を犠牲にすることで何とか襲撃から免れ森に逃げ延びたクーとレン。
実力行使ではレンを回収できないと悟った3人組シスカ、ローウェン、キーアも、
せめて監視だけでもということで二人についてくることに。
こうしてクーとレンと変な3人組によるエディルガーデンを目指す珍道中が始まったのでした。
441エレメンタルジェレイド 2/2:2005/09/10(土) 15:03:24 ID:???
●クー
 空賊団の少年。熱血直情バカ。レンの契約者。エディルガーデンに行きたい、というレンの願いを叶えるため旅に出ることに。
 なぜか一緒についてきている3人組を訝しんでいる。

●レン
 エディルレイドの少女。七煌宝樹と呼ばれる貴重な種族らしい。普段はボケーとしていて無表情。いつも眠たそうにしている。
 人間が大嫌いだとか。なぜエディルガーデンに行きたがっているのかは謎。

●シスカ
 アークエイルの一員で、エディルレイド保護官の少女。短気で豪気。全身に銃器を仕込んでおり、気に入らなければ暴れます。
 その言動はがさつそのものだが、芯には熱い正義感で満ちている。エディレイドを狙っている謎の組織の情報を探るため
 クー達に同行することに。

●ローウェン
 アークエイルの一員で、エディルレイド保護官の青年。性根が気弱な優男。いつもシスカにパシらされている。でもやる時はやります。
 キーアの契約者。

●キーア
 エディルレイドの女性。いつも露出の激しい服を着ており、大飯食らいの姉御肌。楽しければ全てよしみたいな大雑把な性格をしている。
 武器としての性能はトップクラスらしい。

○エディルレイド
 普段は人間の形をしているが、人と契約することにより最強の武器となる種族。体のどこかに核石と呼ばれる宝石があり、それが力の源。
 存在自体が貴重なため、闇市場などで高値で売買されたりしている。

○エディルガーデン
 富と繁栄の地とか、エディルレイドの楽園とか、色々言われているけどよく分からない謎の場所。世界のどっかにあるらしい。

○アークエイル
 不当な虐待な差別、売買などされているエディレイドを回収して保護している組織。

と、言うわけで、以上の五人がエディルレイドを付け狙う謎の組織とかと戦いながらエディルガーデン目指して旅する漫画です。
442名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 17:47:11 ID:???
暁星記まだのようなのでやっていいですか?
というかやります。ファンなので。
とりあえず今晩くらいに。
443名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 18:45:26 ID:???
>>440-441
ありがとうございます
444名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 19:59:41 ID:???
>>442
やれやれ
445名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 20:30:03 ID:???
>>412
『BLOOD ALONE』希望した者です、ありがとうございました!
すごい気になってたマンガなので嬉しい。面白そうだなぁ。
なんかミサキちゃん可愛らしそうだし。

>>437
容量は>439でも書いてくださってますけどこのスレの下の方にある、
[2ちゃんねるが使っている 完全帯域保証 レンタルサーバー ]の隣に
書いてある奴がそうです。ドラ楽しみにしてます。

ではジャパネスク投下。
446なんて素敵にジャパネスク_24:2005/09/10(土) 20:30:46 ID:???
全てを理解した瑠璃は、何とかしなければ、と焦るが護衛の侍達は早く寺に行くよう
瑠璃を急かす。彼らの言葉の端々には全てを知っている、というものがあった。
にやり、と笑いながら、もう悩むことはないという護衛たちの言葉と、昨夜の宴での
入道たちの態度に瑠璃は確信した。このままでは自分は陰謀の要とされ、そして
口封じのため殺されてしまうのだ……と。
全ての罪をなすりつけ、殺すために入道たちは自分と関わりのない新参女房を探していたのだった。
今それに気がついた瑠璃だったが、牛車の中で一人ではどうすることもできない。
だが、やけになった瑠璃は少なくとも観如達の思い通りにはさせるものかと
法珠寺に着いた途端、観如に対してプレッシャーをかけていく。
小坊主たちの前で何度も何度も入道の名を口にしたのだ。
そうすればたとえ証拠はなくとも、今自分が死んでしまえば入道一味にも
疑惑の目は向けられるだろう、と。

だが、その観如は瑠璃のこととは関係なくどうにも落ち着きがなく見えた。
しかしそれでも、瑠璃の傍にやって来ると観如は遠まわしにだが
お喋りがすぎればすぐにでも殺す、と脅しをかけてきた。
思わずぞっとする瑠璃だったが、寺には肝心の観照の姿がない事を疑問に思う。
寺の小坊主が言うには観照は東宮に急に召し上げられ、参内したとの事だった。
そして瑠璃に、今日は東宮の使者が来ると観如に聞いていたけれど、違ったのかと尋ねる。
瑠璃は、自分は東宮の使者ではないと前置きして再度入道の名を出して話をしていた。
観照がいないのはきっと鷹男のさしがねだろうと思う瑠璃だったが、
当然こうなれば鷹男の助けは期待できない。
だが、こんな所で殺されてなるものか、と瑠璃は改めて自分を叱咤激励した。
447なんて素敵にジャパネスク_25:2005/09/10(土) 20:31:16 ID:???
観照が東宮に呼び出され、取調べを受けているという事で計画が最初の段階で
狂ってしまい、観如は大慌てだった。瑠璃と入れ違いで入道たちもこの話を聞いて
慌てている事だろう。するとさっそく左馬頭が法珠寺に牛車でやって来た。
瑠璃は証拠の書状を手にしている今、観如たちの話を聞いたらすぐに逃げ出そう、と
身支度をした。逃げ出しやすいように十二単を脱ぎ、髪を結う。

床下に隠れ、瑠璃は観如の部屋があると思しき場所まで移動する。
すると床上から左馬頭の声が聞こえた。間違いない、ここが観如の部屋だ。
瑠璃が耳をそば立てていると、左馬頭がせっぱつまった声で、『東宮は自分達の陰謀の
全てを知っている』、と観如に伝えているのが聞こえた。
観如も焦った声で受け答えしていたが、連書は燃えてしまっている今、偽の書状さえ
始末してしまえば陰謀の証拠はなくなる、と自分を落ち着かせるように呟いていた。
そして今、瑠璃を斬ってしまえば一切の証拠がなくなる、と低い声音で言うのだった。
それを聞いて瑠璃は顔を青くする。
だが観如は早々に寺の小坊主や、侍たちに瑠璃を探させるように申し付けていた。
こんな事になってしまって早く逃げれば良かったと瑠璃は後悔するが、もはや後の祭り。
侍に見つかりそうになってしまい、慌てて床下から這い出して、必死に門へと走る。
刀を持った男達に追われ、瑠璃は必死になって逃げながら思った。
(あたし、もうぜったいにこんなことしないわっ! 鷹男に頼まれたってぜったいやらない。
もうスリルとサスペンスなんかたくさんよ! 今度こそ、まともなふつーの姫になるんだからっ!!)

(続く)
448暁星記:2005/09/11(日) 00:37:50 ID:???
暁星記いきます。超稚拙な文章でスマソ。割り込みゴメン。

          1部はじまりの森
舞台は1万年後の金星。しかしその年月と自然は人からその叡智を奪い去るのに十分だった・・・。
金星は森に包まれていて人は森の中で生活している。とはいっても縄文、弥生時代程度で、
小さな村を作ってそれぞれが暮らしている。さらに村同士が連合して東西南北の四が一を作っている。
話はそのひとつ、南の四が一のスズシロ村の若衆達が狩りをするとこから始まる。

・ヒルコ  主人公。スズシロの若衆頭。圧倒的な強さを誇る。
・ゲンゲ  ヒルコの親友。口下手だが冷静で頼りになる男。
・オヒョウ  ヒルコの親友。臆病者でお調子者だが頭がいい。
・コブハチ  さらにお調子者。なんの役にも立たない。
・アシカビ  いじけたジャイアン。ヒルコに対抗心を燃やす。
・ヒバ   素直なスネオ。狩りのときは荷物持ち要員。
彼らがスズシロの若衆達。
狩りは無事終わり、獲物の解体や食事をしながら連れてきた村の子供たちに神話を聞かせるヒルコ達。
世界の始まりのこと。森の底、地獄のこと・・・その時ヒルコ達を襲うものが!
449暁星記:2005/09/11(日) 00:38:32 ID:???
襲ってきたのはシシザルというサルとゴリラを足したような化け物の群れだった。
森の生き物はそれぞれうまく住み分けているがシシザルは違う。森のどこでも現れてそして人を襲う。
ちなみにシシザルを殺せるものは獅子猛者と呼ばれる。(ヒルコは獅子猛者)
ヒルコのおかげでなんとか互角の戦いを演じるが次第に追い立てられる若衆達。
しかしシシザルのリーダーがそれを止めに入る。
このリーダーはあきらかに他と違ってまともにしゃべってる。ヒルコはこいつを「精霊」と見破る。
精霊はヒルコのような強い人間を探していたようだ。最後に精霊は「おまえはいずれ地獄に降りるだろう」
と予言し姿を消す。
450暁星記:2005/09/11(日) 00:40:11 ID:???
獅子猛者ヒルコは圧倒的に強く八分衆をバッタバッタとなぎ倒す。(ヒルコは人を殺さない)
で、倒したところでまたも精霊が現れる。「オチボ村に嫁いだナズナのことをそこの生き残りに聞いてみろ」
そういってまた姿を消す精霊。そこにヒルコの応援に来た村の親方、サカキが仲間たちと駆けつける。
オチボのいきのこりにナズナのことを聞いてみると3年前に村を追放されたという。サカキブチキレる。
サカキとナズナは愛し合っていたが村の掟で同じ村で生まれたものは結ばれることができないのだ。
村で生まれた女は別の村へ嫁がなければならない。マユミはヒルコと結ばれない運命を思い絶望する。

その頃精霊はなんと八分衆のもとへ赴いていた。その頭領モクレンに「おまえにはヒルコにはない、
人を束ねる能力を持っている。逆にヒルコは孤独な男だ。その強さが周りを引かせてしまう。だがおまえを
理解してくれる人間はこの森にはいくらでもいる。仲間を集めるんだモクレン!私がおまえを王にしてやる!」
451名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 20:18:21 ID:???
sage
452マロン名無しさん:2005/09/12(月) 01:13:34 ID:???
佐藤 史生のチェンジリング―SPACE OPERA

をお願いします
453マロン名無しさん:2005/09/12(月) 12:09:16 ID:???
こういう頼み方大丈夫なのか分からないのですが…。
大丈夫でしたら『うる星やつら』の
補足をお願いしたいです。

オカマの幽霊が出てきて、それが男の子みたいな女の子の
許嫁になってっていう話があるらしくて
それが知りたいです。
もしよろしければどなたかお願いします。
454マロン名無しさん:2005/09/12(月) 14:28:37 ID:???
>>453
スレのルール的にOKなら書けますよ。
見たところ、そのような補足を禁止するルールは無いようですが、
他の方はどうでしょうか。ご迷惑でないようならば予約します。
455マロン名無しさん:2005/09/12(月) 15:33:30 ID:???
サンデーで連載されていた『天使な小生意気』をお願いします。
12巻あたり?まで単行本を買っていたのですが
自然に呪いが解けるといわれる→女のままでいたいか悩む、の辺りで
話がだらだらしてきて買うのをやめました。
ですが、その後の展開やラストがどうなったのか気になっています。
おもしろそうなら最終巻まで集めようと思うので、ぜひお願いします。

また、未解決リストにもありますが『今日から俺は!!』も
各主要キャラがどうなったかという最終回辺りのみで構わないので
どなたかお願いします。
456今日から俺は!!:2005/09/12(月) 18:19:08 ID:???
んじゃラストだけ。
高校三年の冬になって卒業間近の三橋達。
そこへ因縁の宿敵サガラが戻ってきて、卑劣な手で仲間達を次々と襲いだす。
ついには理子まで攫われちゃうけど、相棒・伊藤との友情パワーでサガラを撃破。
んでそのまま卒業へ。
三橋と伊藤は広大な土地を買い占めて億万長者になる!とか言い出して北海道へ旅立つ。
そして1年後。
理子が卒業記念にみんなで取った写真を見ながら、「もうすぐ会えるね」って呟いて終わり。
ちなみに今井・谷川コンビもなぜか三橋と伊藤を追って北海道に行きました。
他のメンバーがどうなったのかはいまいち不明。
457マロン名無しさん:2005/09/12(月) 19:57:09 ID:???
未解決リストのハッピーファミリーって三原ミツカズのでいいのかな?
ありきたりな名前だから同じタイトルが他にもありそうなので。
458455:2005/09/13(火) 01:20:09 ID:???
>456
早速ありがとうございました。
誰と誰がくっついた!というような描写はなかったみたいですね。
ちょっと残念な気もしますが、
この作品だとそれで無難な最終回だったのかもしれませんね。
459マロン名無しさん:2005/09/13(火) 10:02:21 ID:???
>>458
まぁ、一応三橋と理子は卒業式で
三ちゃん「俺がどんなすごい男かずっとそばで見てやがれ」(超意訳=ずっと一緒にいましょう)
理子「うんっ!」
ってなやり取りがあるにはあるが、具体的に付き合うとかそういう描写はない。
460マロン名無しさん:2005/09/13(火) 12:28:43 ID:???
>>457
アマゾンで検索して見たけど、ハッピーファミリーという漫画はミツコツのしかないっぽい
461マロン名無しさん:2005/09/13(火) 12:58:59 ID:wuP9r2NV
9
462うる星やつら:竜之介と渚 1/4:2005/09/13(火) 14:04:51 ID:???
SSC32巻「渚のフィアンセ」
(前編)
諸星あたる一行は、藤波竜之介親子が島ごと浜茶屋を買い入れたとの情報を元に、その島を訪れる。
すると、竜之介親子は「島が対岸から4kmにあること」を理由に喧嘩中。
最初の客として歓迎されたあたるたちの質問に「300円は、ちと痛かった」と竜之介の親父。
その発言が元で、再び竜之介親子は喧嘩を始める。

竜之介がドラム缶風呂に入っている時に「娘の幽霊」を目撃。
その夜、竜之介の親父に島を入手した経緯を聞くと、この浜茶屋が親父の無くなった親友から譲り受けた物であることと
竜之介が見た「娘の幽霊」は、その親友のひとり娘「渚」であることが語られる。
すると、氷を削る音と共に、親父の親友「潮渡」と「渚」の幽霊が登場。
潮渡の口から、竜之介は渚のフィアンセであることが語られる。
竜之介は、自分が女であることを告げようとするがあっさりと無視され、潮渡と渚の死因が語られる。

その死因とは、客が入らない浜茶屋に客を呼ぼうと島の周りで獲れるウニを使った「氷ウニ金時」を
名物として完成させようとしたこと。
試食中、潮渡は98杯目、渚は166杯目で息絶える。
あたるたちがあきれる中、親父は氷ウニ金時を完成させ潮渡たちを成仏させると誓う。
しかし、渚は「成仏する前に竜之介とキスがしたい」と告げる。

(続く)
463うる星やつら:竜之介と渚 2/4:2005/09/13(火) 14:07:22 ID:???
(後編)
親父は竜之介に「何故キスしてやらん」と責めるが竜之介はそれを拒み、渚に「自分は女である」と告げようとするが
渚は「自分が幽霊だから嫌なのだ」と解釈し、泣きながら走り去る。
竜之介は潮渡に「自分は女だ」と告げるが、「それが何か?」と言われ、
逆に「成仏させられるのは君だけなんだがね…」と泣き落としされる始末。
悩む竜之介を親父が背後からハンマーで気絶させ、渚とキスさせようとするが、渚が幽霊であるために手ごたえが無い。
潮渡が言うことには「満月の夜に島に産卵に来る大ウニの涙に触れると生身になる」

ウニの涙に触れた渚は逃げる竜之介を追い回すが、一方、あたると面堂は自分たちが渚にチョッカイを出さない事を疑問に思う。
とうとう渚に捕まった竜之介は自らの胸を見せ、自分が女であると告げ諦めさせようとするが、
渚が服をめくって胸を見せると、渚は男だった。
そこで朝が来て、幽霊のままの潮渡は「帰る」が、生身になった渚は帰れず。竜之介を追いかけ続けるが、竜之介は逃げ続ける。

(続く)
464うる星やつら:竜之介と渚 3/4:2005/09/13(火) 14:10:07 ID:???
SSC33巻「一夜の攻防戦」
(前編)
「あたし行く所がないの。なんでもするから同居させて!」と藤波家(友引高校の購買部)に居候することになった渚。
しかし、渚は低血圧で寝坊する上に大飯食らいで竜之介は機嫌が悪かった。
いつものごとく竜之介にチョッカイを出すあたるに渚は抗議。
「竜之介は強い男に力でねじふせられるのが好きだっちゃ」というラムの言葉に渚は、
「早く言ってくれればいいのに」と嬉しそう。

その夜。竜之介の親父は浜茶屋協同組合の温泉旅行で留守。渚と竜之介の二人きりで夜を過ごすことに。
どこかに外泊しようとする竜之介に、渚は「私が怖いの?」と聞く。
喧嘩で決着をつけようとする竜之介に応戦する渚。そこに幽霊よけの護符を持ったサクラが現れる。
「今夜はうちに泊まるか」と言うサクラだが、竜之介は「決着をつけてやる」と断る。

(続く)
465うる星やつら:竜之介と渚 4/4:2005/09/13(火) 14:11:20 ID:???
(後編)
自宅に帰り竜之介は、幽霊よけの護符のせいか「体が消えそうだ」と言うわりには元気な様子の渚に、
「さっきの決着をつけてやる」と決戦を申し込む。
既に決着はついていると渚は言うが、竜之介は油断しただけだと応じない。
仕方なく応じる渚の動きに、サクラ、あたる、ラムは菓子を食べながら観戦しつつ、渚は一見なよなよしたポーズだが
構えに無駄が無く、間合いを見切っていると指摘。

「逃げずに真面目にやれ」と言う竜之介に渚は仕方なく応じるが、渚は竜之介をさばおりで行動を封じるのみ。
渚は竜之介を解放し、サクラが「勝負あったな」と。
あたるが渚に「特殊な拳法を心得ているらしいな」と問うと、渚は「浜の相撲大会で毎年横綱を……」と答え、一同納得。

竜之介は渚が本気を出さなかった事を責めると、渚は「あなたは女の子を殴れる?好きな女の子ならなおさらよ」
と答え「竜之介に嫌われたから」と去ろうとする。
しかし竜之介は「おれにぶっ倒されるまで居候しやがれ」と渚を引きとめ、渚は嬉しそうに笑う。

寝ぼけて竜之介の胸に顔をうずめる渚を、竜之介は押入れに閉じ込め「こんな野郎引き止めるんじゃなかった」

(了)
466マロン名無しさん:2005/09/13(火) 18:51:34 ID:???
なんで女なのに竜之介なんて名前なんだ?
467マロン名無しさん:2005/09/13(火) 18:57:05 ID:???
>>466
個人的には釣りとしか思えんが、考えてみれば20年も昔の漫画だし
マジで知らない世代もいるんだろうな…。

で、マジレスすると、浜茶屋を経営している父親に、息子として育てられた。
本人はまっとうな女の子として生きたいと思っているが、教育の賜物で
メンタリティは骨の髄まで男という設定のキャラ。
468462:2005/09/13(火) 19:10:14 ID:???
>>462
誤字してごめんなさい。2段落目2行目
親父の無くなった親友→親父の亡くなった親友
469マロン名無しさん:2005/09/14(水) 03:52:14 ID:???
小栗るみの「テディ・ベアシリーズ」の未刊行部分をお願いします。
あと「まるいち的風景」をもうちょっと詳しく。
470マロン名無しさん:2005/09/14(水) 21:00:11 ID:???
まるいちは基本的に一話完結ものだぞ
471学園アリス:2005/09/15(木) 08:42:32 ID:???
京都の田舎に住む関西弁少女・佐倉蜜柑(小5)。祖父と二人暮しだが明るく元気。
数年前に転校してきた正反対のクールビューティ・今井蛍とは大親友。
はじめはとっつきづらい蛍が苦手だったが
「可愛い子はキャラがかぶらないかぎりつるんでたほうが特なのよね」
と声をかけられて以来、怪しい関係に見えるほど蛍を慕うようになった。
前から頭のよかった蛍だが『アリス』という特別な天才である事が発覚、東京に転校してしまった。
転校先の『アリス学園』は一度入ったら高等部卒業まで外に出る事はできないのだという。
アリス学園に入学すると多額の金がもらえる。蜜柑は「世の中ゼニよね」という蛍の言葉を思い出す。
蛍からは季節が移り変わってようやくそっけない手紙がくるだけ。
自分より金が選んだのか、もう自分を忘れたのかと蜜柑は鬱々とした日々を送る。

蛍の父母は、蛍がアリスだと知ってからは学園から逃れるために何度も引っ越した。
しかし、蜜柑たちの通う小学校は廃校になりかけており、
蛍は廃校から救う資金を得るために自ら学園に行くと言ったのだった。
全ては蜜柑たちのためだったのだ。
『あんたの泣き顔は3割増しブサイク。だけどあんたの笑顔を見ていたら
 嫌なことを忘れられる気がする。だからあんたはいつでも笑ってて』
かつて泣いていた蜜柑に蛍はそう言った。だけど、蛍がいなければ蜜柑は笑う事など出来ない。
「ばかやろう…お前の愛はわかりにくいんじゃ…!」
蜜柑は祖父のヘソクリをギって東京へ向かった。

アリスとは特殊能力・能力者の総称。アリス学園にたどり着いた蜜柑は
鳴海という教師に『アリス』の可能性があると仮入学を許される。
愛しい蛍との再開、火のアリスで宿敵・日向棗との遭遇を経て、
やがて蜜柑はアリス学園の謎と自分の出生の秘密を知っていく。

現在連載中だからこんなもんでいいですか?
472マロン名無しさん:2005/09/15(木) 09:02:48 ID:???
>>471
面白そうー。

>火のアリスで宿敵・日向棗
このへんもうちょっと詳しく。
他にも風、地、水のアリスがいて四天王とかそんなの?
473マロン名無しさん:2005/09/15(木) 10:47:00 ID:???
>蜜柑は祖父のヘソクリをギって

これはぱくってってこと?
474学園アリス:2005/09/15(木) 10:50:32 ID:???
四天王とかはないですねー
棗は初等部内で飛びぬけたアリスという設定です。
能力は四第元素とかには関係なくかなりバラバラです。
「火を操れる」というのがあれば
「動物をメロメロにできるフェロモンを発せる」
「垂直の壁も歩ける重力無視の足の裏」
「ドッペルゲンガーをつくれる」などがあります。

アリス学園の生徒には階級があり、それは星のバッジで表されます。
上からスペシャル(幹部生。まる☆)、トリプル(☆三つ)、ダブル(☆二つ)、
シングル(☆一つ)、☆なし。
階級により、支給されるお小遣いや食事などの待遇がかなり変わります。
階級には能力の種類や強さ、普段の生活態度などが影響されます。
棗は生活態度は悪いですが、飛びのけた強さを持つので
初等部唯一のスペシャルです。
475学園アリス:2005/09/15(木) 10:52:53 ID:???
>>473
そういう事になります。
「孫が家出したーっっ わしのへそくりと共に…」
という台詞が作中にあります。
蜜柑は一応「ごみんね」と書置きを残しています。
476マロン名無しさん:2005/09/15(木) 14:30:33 ID:???
面白そうなのに全然タイトルを聞いたことも無いな。
漫画の世界は細分化されすぎてて、今買ってる雑誌と別ジャンルや別会社の漫画は
こういうスレに来たりしてあえて探そうとしないと一生知らずにおわりそうだ。
477マロン名無しさん:2005/09/15(木) 16:18:42 ID:???
ネット書店とかの「この本を買った人はこんな本も買っています」機能とか
漫画レビューサイトを回ってみるとか
478マロン名無しさん:2005/09/15(木) 18:49:13 ID:???
学園アリスは確かアニメ化してるぞ?
アニメ化するほど売れてなかったようだが
479マロン名無しさん:2005/09/15(木) 18:53:13 ID:???
しかもNHKで>学園アリス
480マロン名無しさん:2005/09/15(木) 21:46:58 ID:???
で、蜜柑や蛍の能力は何なの?
展開に関ってくる?
481マロン名無しさん:2005/09/15(木) 21:59:49 ID:???
調べたら、MとNの肖像の人だったのか
うほっ
482マロン名無しさん:2005/09/15(木) 22:58:15 ID:???
>>480
話の内容はシリアスのないハリーポッターって感じなんで
大筋と能力はそこまで関わらない感じかなぁ
483マロン名無しさん:2005/09/15(木) 23:23:50 ID:???
>>482
最近はかなりシリアスで、蛍はともかく蜜柑のアリスは話の根本に関わってるのでは
484マロン名無しさん:2005/09/15(木) 23:43:11 ID:???
気になるから既刊分書いていただけませんか
485マロン名無しさん:2005/09/15(木) 23:50:02 ID:???
>>483
いや、ハリポだと仲間とか死んじゃうからそういうんじゃないという意味で
486天使な小生意気:2005/09/16(金) 02:32:36 ID:???
>>455
じゃあ、とりあえず11巻辺りの男勝負編から書いてみる。
一応復習もかねて人物紹介をば。

●天使 恵
絶世の美少女。でもその正体は子供の頃悪魔に呪いをかけられて女になった元男。
男に戻るためその悪魔を探している。家は超お金持ち。男の中の男になるのが夢なので喧嘩は激強。
●花華院 美木
恵の親友。日本を牛耳るほどの超絶お金持ちな良家の一人娘。いろんな意味で大物な変わったお嬢様。
恵を女の中の女にするのが夢。
●蘇我 源造
恵に惚れてるヤンキーくん。昔は悪王と呼ばれる程の冷酷無比な不良だったのに、恵に一目惚れしてからはアホ王と呼ばれる程の馬鹿に。
普段はめぐめぐ言ってるただのアホだが、喧嘩となると鬼強。
●小林 一文字
げんぞーを悪い子とするといい子に当たる美形の少年。何事にも怯まず立ち居振る舞いが美しい恵を尊敬している。
でもその正体は変人の祖父に武士として育てられた武士見習い。武士なので喧嘩は鬼強。
●藤木 一郎
恵に惚れてる普通の少年。容姿から体力、知力、あらゆる全てが平々凡々。でもいざという時は普通代表として頑張ります。
●安田
いろんなフェチを持ってる変態盗撮眼鏡小僧。恵と美木コンビを女神のように崇拝しており、二人を盗撮することに命をかけている。
でも眼鏡を取るとどう見ても女の子にしか見えない容姿をしていたり。気配を消すスキルはゴルゴ並です。
○田中 桂子
自称恵のライバル。家は超お金持ち、容姿も美少女と完璧なのに何かと恵にちょっかいを出す変な高飛車お嬢様。
○坂月さん
美木の付き人兼護衛者。そして武士。武士の中の武士。一級武士なので全キャラ中無敵。通称石の人。
○岳山 隆雄
名門岳山家の跡取りにして美木の元婚約者。でも性格が俺様サイキョーな超自己中だったので、恵率いるめぐ団に婚姻をめちゃくちゃにされた過去を持つ。
そのせいか恵を憎んでおり、復讐の機会を狙って恵を付け回す
487天使な小生意気:2005/09/16(金) 02:35:41 ID:???
<男勝負編>
いろいろあって、ようやく出会えた小悪魔から、呪いを解かなくても放っておいたら男に戻ると言われた恵。
急に言われて混乱します。男に戻れる?でも戻っていいのか?だって今俺は女だし、みたいな。
んで、自分が男か女か確かめるため源造にキスしよーかと持ちかけるが、
キスしたら呪いが解けて男に戻るのでは的なことを恵に言われた源造はつい躊躇しちゃって結局未遂に。
そのことで恵は覚悟を決めたみたい。男に戻るというのならそれでいいや。元々男だし、と。
んで今まであったどこか女の子っぽい部分がなんだか消えてしまっておろおろするめぐ団一行。
このままではダメだ、と源造が恵に男勝負を挑むことに。それはどちらが先に男の中の男になるか。
その勝負に、いや俺こそが男、いやいや僕だとメンバー全員参加表明。
こうして男勝負が決するまで恵の自分が女か男か問題はうやむやになりました。

<大和撫子杯編>
ひょんなことから自称ライバルの佳子とどっちがより女らしいか勝負するはめになった恵。
その内容は、パートナーの殿方と力を合わせて目的地に辿り着くオリエンテーリングな大和撫子杯(主催佳子様)
それぞれペア組んで、なんだかんだ言いながら楽しくピクニック気分で出発する一行。
だけどお約束として恵・源造ペアが町のチンピラ柳沢くんにからまれます。
とりあず源造に吹っ飛ばされるも、プライド柳沢くんは自分が負けたのが我慢なりません。
恵に復讐する機会を狙っていた悪の親玉、岳山隆雄と組んで大和撫子杯をめちゃくちゃに。
山でオリエンテーリング中のメンバー達を、雇った手下達に襲わせ始めます。
ついには恵が罠にはまって攫われたりしますが、一筋縄じゃいかないめぐ団メンバーによってそのまま奪回。
這々の体で逃げ出した柳沢くんは、次の機会を狙っている岳山と一緒にどこかへと消えましたとさ。
488天使な小生意気:2005/09/16(金) 02:37:47 ID:???
<河童編>
恵が男に戻るのがどこか納得いかない美木ちゃんによって世界各国から色んな魔本が集められる。
違う悪魔を呼び出して、呪いが解けるのを遅くさせようというのである。
めぐ団が調べてみると、ほとんどの魔本が偽物だったが、たった一冊だけ本物を発見。
とりあえず召喚してみると、出てきたのは何故か河童。しかもしょぼそーな河童。
みんなになめられまくって傷つく河童だけど、そんな河童からともかく情報をゲット。
恵に呪いをかけた悪魔の正体は、大昔”銀の手”と呼ばれた魔法使いが彷徨える魂を本に閉じこめたものだという。
そして、呼び出してくれたお礼に願いをひとつだけ叶えてあげるとか言い出すが、
結局なんだかんだあって最後には叶えずじまいで河童は昇天しました。

<修学旅行編>
夏が過ぎ、秋になり、修学旅行の季節になりました。
修学旅行で京都に向かっためぐ団一行。旅行気分でみんな浮かれ気味。
そんな中どうも小林の様子がおかしいようです。
源造、藤木が問いつめてみると小林はどうも美木ちゃんのことが好きになったらしい。
美木は俺のもんだー、とか訳わからんこと言ってなぜか怒る恵でした。
そして、楽しい修学旅行の途中にあの岳山の影がチラホラと。何か企んでいる様子です。
489天使な小生意気:2005/09/16(金) 02:40:46 ID:???
<最終決戦編>
修学旅行から帰っても、どこか元気のない美木ちゃん。
このまま岳山の影に怯えて暮らすなんてまっぴらだ、と言う訳でこっちから乗り込むことにしためぐ団。
メンバーは、恵を筆頭に、美木ちゃん、げんぞー、武士小林、普通人藤木、ある意味魔法使い安田、
恵のボディーガード流坂さん、、そして美木ちゃん護衛の無敵武士坂月さん。
ある意味無敵パーティーで出発するめぐ団だったけど、警察に変装した岳山一味に騙されて逆に岳山のアジトに連れていかれちゃいます。
そこは寂れたテーマパーク。山奥なので近くに民家もないし。
無敵パーティーなのでとりあえず暴れまくって手下をばっさばっさと倒すけど、
様々な罠によってついには美木ちゃんが攫われて岳山の手に。仲間達も傷付き倒れていきます。
流坂さんは油断をつかれてアキレス切られてリタイア。
さすがの無敵武士坂月さんも催眠ガス吸わされたり仲間を庇って腹切られたりで、ついにはリタイア。
安田くんもちっちゃいながら山道かけずりまわって、武器調達してきて疲れ果ててリタイア。
藤木は山を降りて助けを呼んでくる、ってことで岳山の手下に山道追いかけ回されて最後には谷に飛び込んだりしてリタイア。
小林は岳山の付き人細井とタイマン勝負。卑劣な手で足の骨折られたりするけど、根性パワーでついには撃破。
でもダメージでかくてリタイアです。
残ったのは恵と源造。二人だけでも、仲間達のおかげでとうとう美木ちゃんの元に辿り着く。
源造の火事場の馬鹿力で美木ちゃんを救出し、そしてにっくき岳山あんど柳沢コンビをぶっ飛ばすことに成功。
岳山も柳沢もこれに懲りてちょっかい出すのはどうも止めるみたいです。
だけど限界越えて頑張った恵がそのまま昏睡状態に。
490天使な小生意気:2005/09/16(金) 02:42:32 ID:???
<エピローグ>
恵が眠りこけてから三日。ようやく目覚めた恵はみんなに会いに行く。
再会を喜ぶ仲間達のなか、源造だけが浮かない様子。恵を護りきれなかったことを悔やんでいるみたいです。
そんな源造に恵がそっとキスをする。
「俺は、オマエが好きだよ」
そしてそのまま意識を失う恵。ついに悪魔にかけられた呪いが解けた…。
恵は夢を見ていた。小さい頃の夢。
顔も見たことのない相手と結婚させられる美木。悲しそうな顔をしながら笑って、王子様なんていないと言う。
じゃあ俺が王子様になる!恵は胸をはって美木に言う。
美木みたいな本当に女の子らしいコが、女の子らしく生きられないのは許せない。
俺が男になれば…、男になれば…。
偶然もらった魔法の本。そこから出てきた小さな悪魔。そいつが恵に問いかける。
「ひとつだけ願いを叶えてやろう」
そうだ…、俺の願いは…。
「俺を男にしてくれ!」
そうして恵は夢から覚めた。
あのとき願ったことは、確かに叶った気がする。
でも俺は…「ごめん、俺、男じゃなかったみたい」
と、いうわけで、男だろうが女だろうが、今日も今日とてめぐ団はみんなで楽しくワイワイ騒ぐのでした。
終わり。
491マロン名無しさん:2005/09/16(金) 10:50:15 ID:???
え、つまり女だったってこと?
492マロン名無しさん:2005/09/16(金) 11:48:07 ID:???
どっちでもないってことじゃない?
493マロン名無しさん:2005/09/16(金) 13:10:59 ID:???
>>491
えーと、恵は元々女だった、というオチだったとオモ。
勝手に婚約者とか決められちゃった美木のために俺が王子様になる!とか言い出して
ずっと男になりたいと思っていたので、魔本から呼び出された小悪魔に男にしてくれ、と頼んだと。
でもこの小悪魔くん、物質領域にまで干渉するほど大きな力がなかったらしく
体を男にするのが無理なら、せめて心だけでも男にしてやろうっつーことで
元々男だったのが呪いをかけられて女になった、というような記憶操作を恵と美木にしてました、というオチ。
んで、結局げんぞーとキスしたせいでやっぱ自分は女だったこと思い出して
呪いが解けた=記憶が戻った、めでたしめでたし、かな。
494455:2005/09/16(金) 16:43:10 ID:???
>>486-490
シリーズごとにわかりやすい紹介ありがとうございます。

さすがに、呪い自体勘違いとか夢オチではなかったようですね。
実は女だったというオチは少々物足りない気もしますが、
無難におさまってよかった…のでしょうか。

気になるのは小林→恵から小林→美木になった?ということなのですが
恵⇔げんぞーを確定させるためだったとしたら
何かつまらなくてちょっと残念です。
495マロン名無しさん:2005/09/16(金) 17:29:44 ID:???
>>494
まぁ、もともと小林ははっきり恵に惚れていると明言してなかったし
恵の事どう思うかと聞かれて尊敬できる人だ、しか言ってなかったし
それに、一応途中ところどころで小林がやたらと美木のことを気にかけるシーンが
チラホラあったりするので展開的に無理がない訳ではない、と思う。儲補正かかってるけど。
496マロン名無しさん:2005/09/16(金) 18:09:40 ID:???
>でもこの小悪魔くん、物質領域にまで干渉するほど大きな力がなかったらしく
>体を男にするのが無理なら、せめて心だけでも男にしてやろうっつーことで
願いを必死で叶えて、なんか小悪魔すげーいいやつw
497マロン名無しさん:2005/09/16(金) 19:20:06 ID:???
>>496
あー、でも劇中では願いを逆さまに叶えたり人の幸運を勝手に吸い取ったりで結構イヤな奴に描かれてる。
でもなんかデフォルメされた格好がどこかかわいいので憎めない奴でもあるなぁ。
一応、最後に恵の夢に出てきて「私は願いを、約束を果たせなかった者だ」とかなんとか
哀愁たっぷりに語っているのでいろいろ事情があったんだろう、たぶん。しらんけど。
498マロン名無しさん:2005/09/16(金) 20:26:26 ID:???
谷仮面出来る人居ればおねがいします
499マロン名無しさん:2005/09/17(土) 16:25:55 ID:???
>>470
観葉少女やおろちみたいな感じでお願いします
500マロン名無しさん:2005/09/17(土) 16:40:08 ID:???
つまり一話一話台詞付きで丁寧に書いてほしいってことなのね
501マロン名無しさん:2005/09/17(土) 23:38:21 ID:???
文にしにくい回もあるからそれ以外の回だけでもいいならやろうかー?
502マロン名無しさん:2005/09/18(日) 00:02:50 ID:???
アンジェリク止まってるみたいだから、やろうかな。
前任者みたいに詳しくは出来ないけど…
503マロン名無しさん:2005/09/18(日) 17:48:24 ID:???
「妖精国の騎士」
○○編、▲▲編、くらいの大雑把さでお願いします。
504マロン名無しさん:2005/09/18(日) 21:36:30 ID:???
アレをまとめられる人がいるならぜひ読んでみたい。
505マロン名無しさん:2005/09/19(月) 00:00:30 ID:???
河惣益巳「火輪」
作者名忘れたけれど「バジリスク」お願いします
506マロン名無しさん:2005/09/19(月) 12:10:40 ID:E6qaHG3W
読んでないな
507マロン名無しさん:2005/09/19(月) 19:30:27 ID:???
>>501
お願いします!
508マロン名無しさん:2005/09/19(月) 20:30:02 ID:???
>>498
メチャメチャ打たれ強い谷となぜか可愛く見えてくる島さんの純愛ラブコメ。途中から喧嘩メインだが谷はその気無し。
主要メンバーは力が強く、素手でコンクリブッ壊したりする。男たちは名字しかない。
509アンジェリク:2005/09/20(火) 00:17:16 ID:???
(ざっと簡単に続き。手元に本が無いので少し前後するかも)

 共に暮らす内、ジョフレの人柄に触れ、彼を信頼するようになったアンジェリクは、プレシ家で隠した小箱の事を打ち明ける。
 ジョフレはすぐに国王暗殺に思い当たり、この事は秘密にするよう、アンジェリクに言い聞かせる。
 その時、ドアの外では新しく入った小姓=クレマンが聞き耳を立てていた。
 彼は別名を毒薬使いのエグジリというプレシ家からの刺客であったが、使用人達にも優しいジョフレに人間的に惹かれてゆく。
 やがてジョフレを愛するようになったアンジェリクは彼と婚約。
 同じ頃、若き国王=ルイ14世の結婚式に招かれた二人は目立ち過ぎ、ルイの反感を買ってしまう。
 いずれ反乱分子となるかも知れないと恐れを抱いたルイの側近が動き、反逆罪の濡れ衣を着せられ、ジョフレは投獄されてしまう。
 牢獄でジョフレを待っていた司祭は、いつかサンセの森で彼が倒した盗賊の兄であった。
 アンジェリクはジョフレの無実を証明する為、ルイに小箱の話をする。
 サンセで小箱を入手し、王宮へ帰る途中、ルイ暗殺一派に襲われたアンジェリクは、懐かしいニコラに助けられる。
 昔ニコラを連れ去ったやさぐれ男は流れ者達が暮らすスラム街=ネスレの塔の元締めで、今ではニコラも頼もしい青年に育っていた。
 ネスレの塔で傷を癒やしたアンジェリクは小箱を持って王宮へ向かう。
 小箱にはルイを暗殺する為の毒薬と、計画に荷担した貴族達の念書が入っていた筈だったが、中には白紙が。
 馬鹿にされたとルイは怒り、反逆者としてジョフレの火刑を宣言。
 何かの間違いだと泣き叫ぶアンジェリクだったが、なす術はなかった。
続く
510マロン名無しさん:2005/09/20(火) 01:05:26 ID:???
全ジャンル最強スレを見てももえサイズが気になってるんだけど
誰かもっと詳しく書いてくれませんか
511アンジェリク:2005/09/20(火) 01:53:10 ID:???
 サンセに戻されたアンジェリクはパリに出向く為、自慢の金髪を売り、旅費を作る。
 道中、力尽き倒れたところをネスレの情報屋=クロードに助けられ、何とかパリへ。
 火刑実行の日、処刑場に駆けつけたアンジェリクに気付いたジョフレは声を限りに愛の歌を歌う。
 「愛する乙女よ、私が死んでも勇敢な騎士と恋をしろ」と。
 やがて火刑が行われ、アンジェリクの目の前でジョフレは焼かれていった。
 放心状態で街をさまようアンジェリクはニコラに保護され、ネスレの塔で暮らすようになる。
 ニコラの献身的な看病で心身を回復したアンジェリクはプロポーズを受け、「3年待ってほしい」と返事をする。
 その間に、少しでもジョフレの恨みを晴らしたいと、アンジェリクはネスレの仲間達と盗賊団を組み、没収され貴族達にばらまかれたジョフレの財宝を取り返そうとする。
 「闇の天使」と呼ばれる盗賊団は鮮やかな手口で財宝を奪い、王宮でも噂になる。
 フィリップは盗賊団の中に緑の瞳の女がいるとの噂を聞き、アンジェリクとその目的に思い至る。
 いつものように貴族の家へ出かけたアンジェリク達は、待ち構えていたフィリップに捕らえられてしまう。
 「堕ちたものだな、従妹殿」冷たく言い放つフィリップ。
 いとこのよしみか、彼はニコラを捕らえ「返してほしければ、私の屋敷に取りに来い」とアンジェリクを逃がす。
 ネスレの塔に帰ったアンジェリクはクロードからプレシ家の苦しい事情を聞く。
 50万リーブル(約5億円)の借金を作った先代のプレシ公爵は、愛息であるフィリップさえも抵当にしていた。
 その為フィリップは金持ちの下級貴族の気がふれた娘と結婚せねばならない。
 アンジェリクは金策を条件にニコラを返してくれるよう、フィリップに頼もうとプレシ家に出向く。
 その頃、屋敷でニコラを見張っていたフィリップは、どことなくニコラがジョフレに似ていると思い、彼に黒髪のカツラを被せ、口紅で頬に傷を書いてみる。
 「なるほど、お前があの伯爵に似ているから、アンジェリクはお前のそばにいるのだな」
 丁度そこへアンジェリクがやって来て、ジョフレもどきと化したニコラに息を飲む。
 すぐに我に返り、ニコラの顔を拭いてやるアンジェリクだったが、騒ぐ気持ちはなかなか収まらない。
続く
512アンジェリク:2005/09/20(火) 01:56:57 ID:???
今思い出したら
「ネスレの塔」じゃなく「ネスルの塔」だった気が。
あんまり本筋には関係ないですが。
513マロン名無しさん:2005/09/20(火) 04:42:47 ID:???
ワールド・イズ・マインのストーリーを教えてください。
514宇宙(コスモ)なボクら!:2005/09/20(火) 14:25:39 ID:???
<主な登場人物>
森宮天湖(はるこ):中一。魔女名はシンシア(2代目)。泣き虫でおとなしい。
天湖の母:初代シンシア。天湖が8歳のときに病死する。
シルク:天湖が母から継承した使い魔の猫。夢の中で天湖と話しタロット占いをする。
城崎航:中二。昨年の運部門優勝者。天湖の使い魔。父親は医者。
豊田千翔(ちか):天湖の友人。色白小柄美人。さばさばした性格。
桐島茜:天湖の友人。顔黒コギャル。城崎に憧れている。
滝岡礼音(れのん):理事長の孫。城崎の友人。女の子に人気がある。
貴宮小手毬:中一。知識豊富な魔女。城崎の幼馴染で城崎が好き。
515宇宙(コスモ)なボクら!:2005/09/20(火) 14:28:27 ID:???
<ストーリー>
天湖は亡き母親から力を受け継いだ半人前の魔女だ。
とはいっても実際に何かができるわけではない。夢の中で使い魔の猫・シルクと
話をしたり、おまじないをしたりする程度だ。一見「ごっご」遊びである。
ある日、夢の中でシルクが「太陽のような恋人に巡り会える。しかし、その前には
多大な障害があるだろう」という占いの結果を伝える。

父親の海外転勤で親戚の家に住むことになり、そこに近い私立中に入学した天湖。
この中学はとても変わっており、いつも予告なしに変な行事や集会が行われる。
その日も突然のアナウンスによりイベントが始まった。各クラスから「知力」
「体力」「運」の3つのジャンルの代表者を出し、ウィナーを決めるというもの。
「運」のジャンケン大会にクラス代表者として出場した天湖は、あれよあれよという間に
勝ち進み、優勝者となってしまった。
そして、受け取ったトロフィーの中には手紙が入っていた。

「優勝おめでとう!!運のよい君にはハンターの称号を与えよう!! 
 君にしかできないゲームをプレゼントしたいと思う。
 ハンターは何かを狩る存在だから、君も何かを狩らなきゃならない。
 それはね、魔女だよ。
 魔女は放っておくと魔力を身につけて悪さをする。
 運の良い君でないと魔女を見つけられないんだ。
 さあ、早く魔女を捕まえて火あぶりの刑に処そう!!
 つまりこれは魔女狩りに似せた単なるオニゴッコだよ。君はオニなんだ。
 魔女と君のオニゴッコ。魔女は同学年の誰か一人だけ。
 明日から早速探した方が身の為だ。
 捕まえて!! 魔女を早く捕まえないと君は酷い目に遭うよ!!」
516宇宙(コスモ)なボクら!:2005/09/20(火) 15:39:35 ID:???
次の日から、天湖の許にヒントの書かれた手紙が次々に届くようになる。
校内で見知らぬ生徒に渡された手紙。
<早く魔女を探し当てて捕まえた方がいい。日数が経つと不利になる>
放課後帰ろうとすると下駄箱に靴はなかった。そこにも手紙が。
<ヒントを与える。魔女は女で長髪ではない。このヒントと引き替えに魔女は魔力を手に入れ、
 君の靴を奪った。早く捕まえた方がいい。もっと酷いことになる前に>
朝にもまた下駄箱に手紙。
<魔女は名前に『こ』が付く。このヒントと引き替えに魔女はさらなる魔力を手に入れた。
 君に災いがふりかかる。早く捕まえないと…>
教師からも手紙を渡され、「君は授業に参加出来ない」とまで言われるようになってしまう。
<魔女は猫を飼っている。このヒントにより、魔女にはさらなる魔力が与えられてしまった>
天湖の閉め出された教室では<森宮天湖をハブにしよう>というメモまで回されていた。

天湖はパニックを起こす。誰が何の目的でこんなことをしているのか。
魔女であることを誰かに話したことはない。
まだ天湖には引っ越してきたばかりでそれほど気心の知れた友達なんていないのだ。
思えばラックウィナーになったことが事の始まりだった。
悩んだ天湖はトロフィーを手渡してくれた城崎航を手紙の犯人ではないかと疑うが、
城崎は否定する。たが、最後に一言こう付け加えた。
「俺がなんとかしてやる」。
城崎の派手なパフォーマンスにより、天湖に対する嫌がらせは消えた。
それまで知り合いだったわけでもないのに、不思議なほど親身になってくれる城崎。
そんな城崎に彼の友人であう礼音は天湖が好きなのかとからかうが、
城崎には何か別の事情があるようで…。
517マロン名無しさん:2005/09/20(火) 16:56:10 ID:???
「魔女の宅急便」みたいに、魔女が一般に認知されてる世界設定なんですか?
518マロン名無しさん:2005/09/20(火) 17:51:33 ID:???
516じゃないけど、魔女がいない世界だよ。
だから主人公も魔女の話は誰にもしない。
このへん、先のストーリーで出ると思う。
519マロン名無しさん:2005/09/21(水) 00:27:43 ID:???
>>517
何の変哲もない現代日本という解釈で差し支えないと思います。
520マロン名無しさん:2005/09/23(金) 02:17:42 ID:???
ワールドイズマインのストーリーがしりたいです。
521マロン名無しさん:2005/09/23(金) 02:23:42 ID:???
数レス前のリクを繰り返さなくても
522マロン名無しさん:2005/09/23(金) 07:41:56 ID:???
ザ・ワールド・イズ・マイン
のことなら、>1のまとめサイト読め。

たぶん、わ行で探して見つからなかった?
さ行にあるぞ。
523マロン名無しさん:2005/09/23(金) 08:22:42 ID:???
間を置かずリク書き込んでる香具師がまとめサイトチェックしてるとは
とても思えん。
524マロン名無しさん:2005/09/23(金) 19:10:00 ID:???
さて、職も決まった事だし、日本国初代大統領桜木健一郎を再開しますが・・・どっからだったかなあ。
引越し当日まで書いたのは憶えてるんだけど。
525日本国初代大統領桜木健一郎:2005/09/23(金) 19:27:59 ID:???
第14話 桜木健一郎、ついに首相就任!

登場人物
桜木健一郎:初代公選首相
モリス・谷口:桜木健一郎の選挙対策本部渉外担当。メガネ。
エイミー・スパイダー:スパイダー米首席補佐官の娘。
鯨井洋介:元外交官。隻眼で、眼帯を着用。あごひげ。桜木とは調布のアメリカンスクールで知り合う。
榊 耕平:内閣官房副長官。全省庁の事務次官の人事権を有する。
      前大蔵省主計局課長補佐。
      超優秀、有能ながら、長年、上司に建白書を黙殺されるも桜木に抜擢される。

大河内重道(45歳):政和民主党 党首。ゴツい。5世議員。多分、モデルは大久保利通5世孫の麻生太郎議員。
各省庁の事務次官たち。

―桜木事務所―

「えぇっ!?こっ、これは・・・どういうことですか?」桜木から人事案を受け取った
榊内閣官房副長官は驚愕し、問い返した。
それは「すべての事務次官は30代後半から40代前半・・・しかも大多数を民間から登用・・・
     現職の審議官以上のポストの人間で留任するものは・・・皆無!」だったからだ。
桜木は、世代交代をまず官僚の世界で開始するためであり、それは榊の理想であったためだ、と
切り返した。

榊は全次官の解任は相当の反発が予想されます!と慌てたものの、桜木は「何の反発だ?」と冷徹に述べる。
官僚の幹部には非常に真面目で尊敬される人も多いのは事実であり、一部の人間の粛清のために
そういう人々も巻き添えにするのは如何なものか、と榊が反対意見を述べると、桜木はさらに畳み掛けた。

旧態に馴染む変化は改革ではないし、そのために、小事にこだわって大局をみあやまってはならないのだ、と。
「私に鬼になれというのか」という榊に対して、桜木は「キミほどの人間でも官僚社会のアカはぬぐえないのか」
といい、さらに、こう述べ、榊の肩に手をかけた。(続く)
526マロン名無しさん:2005/09/23(金) 23:29:21 ID:???
あさってDANCEについて
教えて下さい
527サバス・カフェ 18:2005/09/24(土) 23:37:22 ID:???
大は重傷だった。折れた肋骨が肺に刺さり、片肺が潰れた。
呼吸機能は完全に麻痺状態。壁に打ちつけた脳のダメージも深刻だった。
大は夢を見る。自分を残して死んだ母。いつもパソコンばかりしていたケン。
ケンがパソコンでゲームをつくるのを真似て大もゲームを作成するようになった。
やがてケンは薬でも抑えられない痛みに毎夜苦しむようになった。
僕を置いていかないで。お願いだからもう誰も。お願いだから…

手術は成功し脈も脳も正常に戻ったが大はそのまま1週間も目覚めない。
大の傍をすがりつくように離れない祖母に仁木は言う。
「頼まれていた、大くんをあなたの戸籍に入れる手続きは全て終えましたよ」
祖母は泣き出す。
「私は…なんと愚かな人間か。何度おなじあやまちを繰り返せば気が済むのか…
 私が死ぬべきなんですよ。こんな愚かな人生なんの未練もない…私が…」

ケンと通信するための大のパソコンのパスワードは
『お茶 お菓子 テーブルと椅子 にぎやかなサバス・カフェ』だとキャラハンは言う。
ゲームの中でサバス・チャイルドは最後にプレイヤーをサバス・ホームに連れていくが、
オリジナルではサバス・カフェだった。当時の大が知る最もにぎやかで楽しそうな場所だ。
その場所を大は確かに得ているはずだ。戻ってきてくれと皆は祈る。
528サバス・カフェ 19:2005/09/24(土) 23:40:15 ID:???
大の病室には一枚の写真が飾られている。
産まれたばかりの大を抱きかかえる霖子の姿だ。
写真だけならとても幸せそうな親子に見えるねとマーティは言う。
今はもう捨てられているが、写真と一緒に霖子からの手紙が送られてきていた。
『お母さまへ 私のことを決して許してもらえないことはわかっています
 けれど 遠く離れた国に私の息子 あなたの孫が生まれたことをお知らせしたくペンをとっています
 どんなに私を憎んでいるかよくわかっています
 でも もしも将来この子が大人になってあなたに逢いたいと訪ねていく事があれば…
 どうか どうか一度だけでも逢ってあげてください どうかお願いです 霖子』

やがて大は目覚めた。皆がそれを祝福した。
大にとって不思議だったのは祖母だった。
自分の顔を見るたびに「許しておくれ」と言いながら、何度も涙をこぼすのだ。
祖母は大の見舞いを終えると、大がいつでも帰れるよう大の家の掃除をしているという。

「デリィ 僕はこのごろ夜眠るのがこわいんだ」
次に起きた時は全てが夢で、
ケンが死んだ後の部屋に一人きりでいるのかもしれないと思うのだ。
もしそうだったらどうする?とデリィは訊ねる。
「そしたら、どんなことをしてでも日本に来る。
 そしてまた君たちに出会って…そして――」

傍らに置かれた写真を大は眺める。

ああ ケン
  会いたかった夢の子供たちはここにいる
  どこにでも いつでも そして
  僕もその一人だとあの写真が教えてくれる
  僕は ようやく自分を見つけたんだ

529マロン名無しさん:2005/09/25(日) 00:19:18 ID:???
グッジョブ
530マロン名無しさん:2005/09/25(日) 08:36:10 ID:???
おばあさんはツンデレだったのか
531マロン名無しさん:2005/09/25(日) 11:52:01 ID:BziHel9l
p
532マロン名無しさん:2005/09/25(日) 22:05:38 ID:???
メロディ連載のやまざき貴子作「ZERO」が完結したそうですが
コミックスがまだ出ていないので、ラストを教えてください。
533マロン名無しさん:2005/09/25(日) 22:08:48 ID:???
ZEROは既に未解決欄にあるよ
534マロン名無しさん:2005/09/25(日) 22:38:33 ID:???
>>533
一応そこも確認してあることを確かめたのですが、
それがストーリー全体のリクエストなのかラストだけなのかよく分からなかったので
再度お願いしてみました。
全体だと大変そうだけど、ラストのネタバレ程度なら誰かチョチョット教えてくれるかなー、と。
不適切だったらごめんなさい。
535マロン名無しさん:2005/09/25(日) 22:58:10 ID:???
>>534
前にリクした人がストーリー全体を希望していたかは知らないけど、
もしそうだとしたら、ラストだけを先にネタバレされてしまうのはちょい気の毒なので
仮にあなたがストーリーの全体像を把握してるんだとしたら、それを書いた上で
ラストだけ他の人に任せてみるっていうのはどうでしょう。
536マロン名無しさん:2005/09/25(日) 23:35:36 ID:???
>>535
わかりました。込み入った話な上、謎の部分が未解明なまま書くので
わかりにくいとは思いますが、簡単にあらすじを書いてみます。
537ZARO I:2005/09/25(日) 23:36:18 ID:???
西暦2017年。2000年に中国の核実験中に起きたトラブルで房総半島に核爆弾が投下され、
関東地方は放射能に汚染されて焦土と化し、主都は廃都となった。主都機能はどこかに移転し
「新都」があるとも言われているが、はっきりとしない。
数少ない生き残りの大部分は米軍の軍事基地Zooに収容された。
2000年以前の時代のことは「ゼロ時代」と呼ばれている。

ゲオ(中性体→♂)、ザット♂、コカ♂、イザヤ♂、カイエ♀、アギ♂は
17歳でZoo内に居住している。
アギが飲んで眠ると「ゼロ時代」の夢が見られるという薬Zeroを開発したところ、
自分の前世が見られるということで爆発的に流行。中毒になる者も出た。
そんな中、ゲオと付き合っていたカイエがゲオの部屋で死ぬ。
背中にナイフが刺さっていたので、ゲオと、同じくカイエと親しかったバツ♂が
殺人容疑で逮捕される。
家宅捜索で麻薬Zeroが発見されることを恐れたゲオはバツと手錠でつながれたまま脱走。
放射能汚染の危険がある外(砂漠状態)に出る。
行き倒れ寸前で「小川さん」の家族に助けられたゲオとバツは、その子供のジュリア(中性体)が
Zooに連れて行かれたことと、新都から水がきていることを聞かされる。
小川さんの家を出た後、ゲオとバツはZooに連れ戻されるが、Zooの元帥の孫であるバツは
別に収容される。同じ頃、ザットたちも麻薬所持で逮捕されていた。
コカはZeroの副作用で眠ったままになり、Zoo内の病院に収容されている。
再び脱走したゲオは、バツと出会い、バツから父の形見だというクリスタルチップを渡される。
ゲオとバツはZooの地下にある大型コンピューターZIPたどりつき、チップを入れてみるが、
共鳴が起こりゲオは激しい頭痛に見舞われる。
その後アギ、ザットと合流したゲオとバツは新都を探しに行く。
538ZERO II:2005/09/25(日) 23:51:46 ID:???
上の名前欄、間違ってます。Aではなく、E。

Zoo外のスラムに腰を落ち着けたゲオたちは、アギを中心にZeroの副作用で眠ったままの
コカを助ける薬を作ろうとする。米軍はゲオらを追う。
一方姉のカイエはゲオに殺されたと信じるイザヤは、米軍の軍人フレッドに拾われ、
復讐の機会を窺う。
元帥に捕らえられていたジュリアは隙を見て脱走し、ゲオたちと出会う。
しばらく一緒に暮らすが、米軍が捕らえに来たときにアギが負傷し、ジュリアは元帥のもとに
戻ることになる。
怪我をしたアギとザットのもとを、ゲオとバツがそれぞれ離れている間に、
アギとザットは廃都の者に助けられる。バツはフレッドに捕らえられる。
イザヤは何者かに殺され、ダイイングメッセイージで「ゲオ」と書く。

前世の「ゼロ時代」の話もぼちぼち出てきますが、ややこしいのでできれば後で
まとめて書きます。
539ZERO III:2005/09/26(月) 00:15:22 ID:???
ゲオは行き倒れているところを廃都に住む「達郎」に拾われ、傭兵としての訓練を受ける。
廃都は対立組織でありながら米軍に黙認されている存在であることが分かる。
そこでは双子の兄妹シャグナーヤとガラシャが救い主として崇拝されていた。
シャグナーヤとガラシャも17歳、ゲオたちと同じゼロ時代の夢を見ていた。
達郎は「地下に顔が広い」という焼老人に幼いころ拾われていたことが分かる。
そして焼老人は達郎に密かにゲオに強いZeroを飲ませて前世のことを聞き出すよう指示する。
焼老人はアギにも前世について話すように求め、アギは「ゲオがカギを握っている」と話す。
アギやコカに会いに行こうとして焼老人に捕まったゲオは、
強いZeroを飲ませられて4日間寝込む。
起きたときに、シャグナーヤはゲオにガラシャを連れて焼老人から逃げるように頼まれる。
ゲオとガラシャと達郎は廃都から出るが、その際に達郎はゲオに自分はゲオの前世
である「遠藤友也」の従兄弟であることを告げ、死ぬ。
その後ゲオの元に「イザヤの遺言でお前を殺す」というフレッドが現れ、ゲオは
イザヤが死んだことを知る。

一方、元帥の下にとらわれているバツは殺人術を仕込まれていた。
そして元帥はバツに催眠術をかけて「彼」を引き出そうとする。

ゼロ時代(夢の中)では、高校生の間でアギの前世である「横田」が父から入手したZIPANGUという
ゲームのようなものが流行していた。100の難問をクリアすれば神様の名前がもらえるという
ものだったが、結局クリア後に、名前を登録した者の中からランダムに「12天」が選ばれて
(その中にはザットやガラシャたちの前世も含まれている)、
「核爆弾投下プロジェクト始動」という文字が映し出された。


今日はここまでにします。わかりにくくてスマソ
540くだんからの伝言 1/4:2005/09/26(月) 11:55:02 ID:???
人口20万人 タマネギが特産の大杜市のラジオ局『FMオニオン』。
テレビや大きなラジオ局では扱えない地域情報を中心に放送している。
直枝結(21歳。DJ)と松家なつえ(31歳。DJ)と蛯名晋也(26歳。ディレクター)の三人が中心。
言葉を崩しがちな結を蛯名が叱り、松家がそれをなだめる、という感じの関係だ。

結がラジオを聞きつつ情報集めに街に繰り出していると、ラジオから悲鳴が飛び込んできた。
『放送切らないで。切ったら刺します。本気です』
牛のマスクで顔を隠した謎の少年に、放送中の松家が包丁をつきつけられたのだ。
『僕はくだんです。くだんは予言をする妖怪です。最初の予言…雨、降ります』
つい先ほど今日は天気だと報道されたのに、予言に合わせたかのように雨が降り出した。

結が急いで局へ戻ると、無事な様子の松家が外に出されていた。
蛯名は人質は一人で十分だろうと松家を外に出したのだという。
手錠で逃げられないようにされた蛯名は、包丁をつきつけられまた放送を入れる。
『次の予言……します。堤防…崩れます。西野川…工事してたところ』
自分のラジオ局から流れた情報が正しいかどうか確かめるのは当然だと、
蛯名はすぐに西野川に向かえと携帯で結に言う。堤防には男子中学生がいた。
当たるかどうかはわからないが危険だと中学生を引っ張った途端、堤防が崩れた。
爆弾などの人為的な物ではなく、自然な崩れ方だったと蛯名に報告する。
くだんは携帯での連絡を止める事はしなかった。お前は何がしたいんだと怒鳴る蛯名。
「…僕は祭りがしたい」くだんは牛のマスクの中に手を突っ込み涙をぬぐった。
まだ予言はあり、これから起こる事に誰かが巻き込まれ危険な目にあうかもしれない。
予言を聞く事によりそれを回避できるかもしれないらしい。予言を聞き出すため、
蛯名はやってきた警官たちに包丁で脅されているからビルに上ってくるなと告げた。
『次の…予言です。スーパー旭 あの大きな看板…落ちます。だから…近寄らないで』
地元民ですら聞く者の少ないFMオニオンに、事件を聞いた皆が周波数を合わせた。
541くだんからの伝言 2/4:2005/09/26(月) 11:59:08 ID:???
当たれば大事だが、外れても局が恥をかくだけだ。また確認のためスーパー旭に向かう結。
さきほど堤防にいた中学生もついてくる。彼はラジオネーム『帰宅部の中学生』として
FMオニオンに何度か投稿している常連だ(というか彼以外に投稿者がいない)。
本名は鈴木真人。
「くだん…僕知ってます…くだんは、僕の弟の理人かもしれない…!」
看板にはヒビが出来ており、そのままにしていれば確かに落下の可能性があった。
今は業者により撤去作業中だ。雨も上がり、作業は順調に進んでいる。
周りにはラジオを聞きつけた野次馬が大量にいた。突然、ミスで看板が落下した。
野次馬は整理されていたため怪我人は出なかった。しかし、予言は当たってしまったのだ。

真人の弟の理人は病気で生まれた時から入退院を繰り返していた。
学校にもたまに行くだけ。母によれば来週からはまた行けるらしいが。
理人は毎日、真人から学校の話を聞くのを楽しみにしている。
しかし真人は時々、そんな理人をうっとおしく思い
優しくする事が出来なくて罪悪感を感じる。
ある日FMオニオンで、結の声を聞いた。結には長く入院している姪がいるという。
『僕も病気の弟がいます。ずっとベッドの中です。
 弟は病気なのに時々僕は優しく出来ません。どうすればいいでしょう』
真人がそうFAXで送ると、結は「そんな事で悩む君は十分優しい」と励ましてくれた。
それから真人の生活はラジオ中心になった。理人とは自然に距離ができた。
いつしか理人は真人になにも聞かないようになった。
その代わりのように、妙な事を言うようになった。「くだんの夢を見るんだ」

結を通じ、ラジオに放送されないように真人はくだんに連絡する。
真人が思った通り、くだんは理人だった。理人は泣きながら言う。
「ごめんね真人くん。ごめんねいつも迷惑かけて。
 僕 祭りがしたかったんだ。そしたら来週学校行くのが怖くなくなる。
 大丈夫だよ僕一人でできるよ。真人くんの手借りなくても一人で。
 だって僕 くだんになったんだから」
542くだんからの伝言 3/4:2005/09/26(月) 12:02:05 ID:???
理人は窓からいつも空を見ているせいで天気予報が得意だった。
スーパーも堤防も病院への通り道だ。危ないのは知っていたのかもしれない。
お前がしているのは予言ではなく予測だと真人は言う。
「違うよ。だって僕にはわかるんだ。あ―――…びょーいんがばくはつする」

病院が爆発すると理人は放送もした。街は混乱に陥る。
その様子を局の窓から眺めて理人は笑う「祭りだぁ…」

入院患者の家族や野次馬で道は混雑していたが、結はなんとか病院にたどり着く。
未処理のヘアスプレーが焼却炉に捨てられており、それが爆発を引き起こした。
怪我人はいなかったが、通路のすぐ横なため予言がなかったら危なかった。
姪のまなみが不安がっていないかと結は向かうが、姪は笑顔だ。
「人がいっぱいでお祭りみたい。明日も明後日もこのお話ができるね。
 毎日同じ。看護婦さんともおしゃべりする事なくなって寂しかったから」
看護婦たちが話をしていた。新人看護婦が以前からヘアスプレーを捨てており、
何度注意しても直らないと。恐らく理人はその事を知っていて予言したのだろう。
そこへ、真人たちの母がやってくる。くだんが理人であるはずがないと言う。
「だってあの子、もうそんなに動けるはずないもの! あの子、もう長くないって…」
来週学校に行けると言ったのは、そう言えば元気が出るかもと思ってだった。

地元でさえ無名だったFMオニオンに今や全国が注目し、記者が殺到している。
犯人は放送以外なにも要求しない。局が宣伝のためにやっているのではと警察は疑い始めた。
警察は犯人がいるという証拠を出せと電話で迫る。理人は電話に出た。
「僕がくだんです。僕がラジオ局を占拠しました。たくさん迷惑かけてごめんなさい」
そう言うと、理人は倒れた。蛯名は機転を利かし、犯人が結だけを入れろと要求したと嘘をつく。
結は一人では怖いと嘘をつき真人と共にビルを上った。
倒れた理人に真人の制服を着せ、真人を荷物入れの中に隠す。
そして、窓から犯人は逃げたと結たちは偽りの証言をし警察の目をそらした。
その隙に理人を車に乗せ病院へと連れて行こうとしたが、理人は既に息をしていなかった。
「ごめんね理人…双子なのにわかってあげれなくて。理人……!」
真人は自分と同じ顔をした理人を抱きしめた。
543くだんからの伝言 4/4:2005/09/26(月) 12:05:29 ID:???
あれは去年の体育祭の後。理人は久しぶりに出席した。しかし違和感はなかった。
真人から学校生活を逐一教えられていた理人は、誰の会話にも混ざれた。
年号を全て暗記して歴史のテストに挑んだように自信満々だった。あの瞬間までは。

「暑かったよなあ」「水道の水が旨かったぁ」「Tシャツ汗でぐっちゃぐちゃ」「痛いんだよねえ太陽って」
クラスメートたちが語る体育祭の時の思い出。
空調の効いた部屋にいつもいた理人には、その感覚はけして知り得なかった。
「お母さん!学校行きたい!毎日行きたい!」
帰ってきた理人はそう泣き叫び発作を起こし、また入院した。
真人もまた、理人の学校に行けない寂しさを共有する事が出来なかった。
理人はただ、一つの大きな『祭り』を皆で語り共有したかったのだった。


犯人不明のまま事件は終わり、リスナーは少し増えた。真人は局に出入りするようになった。
今でもわからない事はたくさんある。弱っていたはずの理人が何故あそこまで動けたのか。
天気も看板も堤防も爆発も、予測できない事ではないが何故あそこまでタイミングよく起こったのか。
理人が「くだん」の事を口に出すようになった頃、真人は図書館でくだんの事を調べた事がある。
『くだんは半人半牛の想像上の生き物。予言はかならず的中する。数日しか生きない』








まなみは看護婦に言う。「もうすぐ彼氏ができるよーいいなあ」
看護婦はまなみの書いた絵を不思議がる。
牛の体にまなみの顔がついた奇妙な生物が書かれている。
「あれ? この絵は?」 
「くだんの夢を見たの」
終わり
544ZERO 訂正や追加:2005/09/26(月) 15:01:29 ID:???
ZEROI
>大型コンピューターZIPたどりつき
大型コンピューターZIPANGUにたどりつき

ZEROIII
>双子の兄妹シャグナーヤとガラシャ
シャグナーヤが妹で、ガラシャが兄。二人は恋人同士。

>シャグナーヤはゲオにガラシャを連れて焼老人から逃げるように頼まれる。
×頼まれる→○頼む

>アギの前世である「横田」が父から入手したZIPANGUという
横田ではなく、バツの父親である「伐明史」がその父(今の元帥)から渡された
ディスク(=クリスタルチップ)を挿入すると始まったゲームのようなものが
プロジェクト・ジパング。 そのディスクを不審に思った明史が横田に解析を頼んでいた。
545ZERO IV:2005/09/26(月) 15:02:05 ID:???
ゲオ、ガラシャ、ザットは廃都から出て新都市を探して西に向かう。
ZIPANGU(プロジェクト・ジパング)を動かすためにはクリスタルチップと「12天」+ミロクと
ヴィシュヌという神様の名を与えられた14人が必要であることが判明する。
その14人は米軍のZooの元帥や廃都の焼老人などから狙われているため、
ゲオはとりあえず生存確率の高い伐明史を探して事情を聞こうと考える。
移動用の車を奪おうと襲撃した米軍キャンプで、ゲオはタテシタ大尉が「12天」の話をするのを
聞くが、時間がなく、車を奪ってそのまま逃げる。
再び小川さんの家に行ったゲオたちは、そこで小川さんがゲオの父「影尾明」の友人
だったことを知る。
一方バツは米軍基地ZONEで脱出を図りつつも失敗を繰り返していた。
ゲオらはバツを救出し、偶然「立下順」(=タテシタ大尉)が「飛田茂人」「河野綾子」夫妻に
”ZIPANGUを抹殺するために12天が必要であり、だからZoo元帥が12天を狙っている”
ということを伝えるFAXを送ったらしいことを知る。彼らも12天だった。
タテシタ大尉の部屋では人が殺されていたが、それは人違いでタテシタではなかった。
壁には赤い鏡文字で「TATESHITA」と書かれていた。
ZONEを出たゲオ、ガラシャ、ザット、バツは飛田・河野夫妻に連絡を取る。
しかし米軍に捕まり、ガラシャとザットは脱出に成功するが、ゲオとバツは少し遅れる。
ゲオとバツが脱出してガラシャらと合流しに行く途中で、ゲオらはフレッドに襲われる。
しかし間一髪でどこからか銃弾が飛んできて助かる。
合流した4人は飛田・河野夫妻の家に行くが、夫妻はすでに殺されていて
壁に赤い鏡文字で「NEXT」と書かれていた。夫妻の息子真は立下が引き取る。
ゲオはカイエが殺されたときからすでに12天が狙われていたということに気づく。
546ZERO V-1:2005/09/26(月) 15:03:55 ID:???
・ゲオたちの状況(今回はほとんど動きなし)

ゲオ、バツ、ガラシャ、ザットがテントで寝ていたところに
盗賊のキバ(21)とムクイ(13)に出会い、テントを破られたかわりに家に泊めてもらうことにする。
547ZERO V-2:2005/09/26(月) 15:08:30 ID:???
・ゼロ時代
ゼロ時代--------
遠藤友也はパソコンで「千堂知哉」と知り合い、会う約束をする。
横田は父の会社「ヨコタ理研」でプロジェクト・ジパングと関わりのある超巨大コンピューターが
ある顧客からの依頼で製作されていることを知る。
横田はその顧客が伐明史の父ではないかと疑う。
横田はプロジェクト・ジパングのハッキングを試みるが、12天の自爆キーワード
(3人一組で完成させる)しか分からず、その上、友也が自爆キーワードにランダムをかけてしまう。
横田はこの「ゲーム」がゲームではなく、本当に核爆弾の誘導装置であると感づくが、
どうせならみんな道連れに、と友也とその恋人リカコ、千堂知哉を
ミロク・ヴィシュヌ・シヴァになる可能性が高いと知りながら登録してしまう。
そして着弾点を東京都心から房総南部(ヨコタ理研の開発している巨大コンピューターZIPANGUの真上)
に変更する。
その後、横田は明史にディスクを返し、明史はそれを父親に渡しにドイツへ行く。
横田は明史に、父親から解除キーワードを聞くように頼み、自分でも必死に解除しようとする。
ドイツについた明史は核爆弾投下予定日になって「ゲーム」が真実であること、
それを作ったのが父親であること、そしてそれを止めたら父に殺されることを知る。
父親は解除キーワードは「沈む太陽」だと教えるが、父に銃を突きつけられた明史は
ケータイで必死にキーワードを尋ねる横田にキーワードを教えることができない。
そして8月9日、核爆弾が房総半島に投下された。友也たちはおそらく即死。
その様子を見て強い自責の念にかられた明史は、
衝動的についさっき知り合ったドイツの将軍の娘ユヴェールをレイプしてしまう
(おそらくこのときの子がバツ=本名:伐・F・永史)。

一方で、アメリカ人のエドワード・スチュアートは日本に来て父の知り合いである
沙羅マリアに恋をしていた。再開を約束するが、8月9日の核爆弾のため入国不可能となる。
9年後、軍人となったエディはようやく日本に派遣されるが、そのときにはすでにマリアは死亡、
娘の沙羅カイエと対面する。エディはフレッドの上官になる。
548ZERO VI:2005/09/26(月) 15:09:04 ID:???
コカを含むゼロシンドロームの患者には、突然外傷ができて死に至るという症状があらわれていた。
そのころ、ゲオ、バツ、ガラシャ、ザットはキバとムクイの家にいた。
ゲオたちはコカの危篤状態を知らせる無線を傍受し、コカがZoo-Xに運ばれたことを知る。
廃都で同じ無線を傍受したアギは、ショックを受けて焼老人にゲオの情報を渡すことを決心
してしまう。
ゲオたちはZoo-Xに行くことにする。キバがゲオたちの部屋の会話を盗聴していたことが
分かるが、キバとムクイもZoo-Xについて行くという。
一方、エディは元帥からバツの身柄拘束と、クリスタルチップの奪還を命じられる。
ZIPANGUはクリスタルチップを入れてミロクとヴィシュヌが動かし、12天が破壊する、
ということになっているが、元帥はジュリアを使ってクリスタルチップなしにZIPANGUを動かそうと
試みる。だがジュリアが昏睡状態に陥って失敗。
ある夜、キバがフレッドに命じられてゲオを殺そうとするが、未遂に終わる。
キバはそのままゲオたちとともに行動することにする。
ゲオたちはコカが輸送されているリニアを止めて、コカを奪還しようとするが失敗し、
ザットが捕まりムクイが銃弾を受けて倒れる。(キバはムクイをフレッドに預ける)。
ゲオはコカを救うため、Zeroを飲んでゼロ時代の夢の中でコカを前世である村山から引き離そうと
試み、成功する。(ゼロ・シンドロームは夢の中で前世の自分として2000年の被爆を経験すると
ショックで現世に戻ってこられなくなる症状)。
その後、ゲオたちはザットを救出するが、その場で血を見たバツは一瞬ショック状態になり、
ゲオはそこにあったパソコンに父である陰尾明の情報が入力されているのを見つける。
549ZERO VII:2005/09/26(月) 15:10:19 ID:???
パソコンの情報から、陰尾明はクローン研究に従事し、自分のクローン「暁(アキラ)」をつくるための
研究をしていたことが判明した。ゲオは自分の名前「暁(アカツキ)」から、自分のクローンでは
ないかとの疑いを抱く。
Zoo-Xで、ゲオたちは野生化したマウスや謎のキメラに襲われる。
そのときに発見した少女の案内でゲオたちは地下に行く。
そこはZoo-Xスペシャルラボと呼ばれるところで、スズ・カワズ・テフという少女たちと
ハシモトという老婆がいた。
彼女たちは遺伝子操作で作り出されたクローンで、同じくクローンのアキラを見たという。
ちょうどそのころ、ガラシャ・ザットは何者かに襲われ、バツは殺気を感じていた。
ゲオは地下からZoo-Xの新棟へ侵入し、父が人体実験をして両性体のクローンを作ろう
としていたことを知りショックを受ける。
陰尾明は元帥の命令によって、ZIPANGU実行権を握る一人「ミロク」であるアキラを
作ろうとしていたという。
ゲオを追ってきたバツは「アカツキ」に向けた明の伝言を発見し、ゲオは伝言に従って
Zoo-X1の場所をハシモトに尋ねる。
その直後、カワズが死体で発見され、近くの壁には赤い鏡文字で「ZATTODA」(ザットの本名)と
記されていた。
ゲオはZoo-X1で落ち合った小川さんの案内でかつての明の研究室を見つける。
そこにはゲオの母「華月」(明と実の兄妹であったことがDNA鑑定で判明)の遺体が
液体窒素に入れて保存されていた。
明は中性体の試験管ベイビーであったゲオ(華月が2000年の爆発で即死したため)を隠すために
クローン「暁アキラ」の実験をしていたのだ。
また、ゲオはアキラのために細胞を提供したのがジュリアであったことを知る。
ゲオとキバ(ゲオを追ってZoo-X1に来ていた)が留守の間に、
ガラシャたちは米軍の攻撃を受け、そのときにハシモトが犠牲になる。
ゲオとバツは明の研究室に火をかけてZooを出るが、そこにあったはずのアキラの棺桶は何者かに
奪われていた。
550ZERO VIII:2005/09/26(月) 15:14:34 ID:???
ゲオ・バツ・ガラシャ・ザット・キバはZoo-Xのすぐ近くの廃墟で足を止めていた。
仲間には新たに「源さん」と呼ばれる老人が加わっていた。
どうしてもハシモトに会いたがるテフとスズを連れて、ゲオはZoo-Xに行く。
そこで彼らののオリジナルであるドクター、「橋本蝶子」研究室を覗くが、
蝶子がクローンを代替の利くモノとして扱っていることを聞いてしまい、ショックを受ける。
そのころ、フレッドは12天の一人である「榎本春香」(現在の名は遙、元帥の愛人)に
ムクイを預けてスパイさせていた。
一方、タテシタは廃都でゲオたちの行方を探していてシャグナーヤやアギと出会う。
そこでアギはタテシタから榎本春香の情報を聞き、キーワードが揃うことを知る。
アギは焼老人のためにゲオを呼び出す。
ゲオは罠と知りつつ呼び出しに応じ、焼老人が元帥(伐元明、中国の二重スパイ)の子、バツの父、
「伐明史」であることを確かめる。
ザットはコカを守るために、スズ・テフを連れてZooへ行くことを決意する。
ザットの送別会の夜、バツがどこかへ消える。
ゲオはその夜バツに「俺を見張っててくれ」と言われたことを思い出す。
バツを探しに行ったゲオたちは源さん(米軍のイ=サンス少尉)の指揮する米軍に捕らえられ、
ゲオはイ=サンスに脚を撃たれる。
米軍の中にいたフレッドがイ=サンスを撃ってゲオたちを奪取、ゲオの脚から銃弾を抜く。
一方ザットはカバンの中から「KOKA」と赤い鏡文字で書かれた紙片を発見、スズ・テフを置いて
Zooに急ぐ。コカの病室につくが、そこにも「ZATTODA」「KOKKA」と赤い鏡文字で書かれていた。
そのことと、予想外にZooに簡単に侵入できたことにザットが不審を抱いた瞬間、
バツが手作りしてザットに渡していたトランシーバーが爆発、ザットは爆死、その衝撃でコカが目覚める。
Zoo内にいてその様子を見てほくそ笑んでいたバツは、我に返り、
自分がザットを殺したことを知って衝撃を受ける。
551ZERO 訂正:2005/09/26(月) 15:19:37 ID:???
ZERO IV
>夫妻の息子真は立下が引き取る。
息子の名前は真ではなく、「守(マモル)」。
552ZERO IX:2005/09/26(月) 15:46:06 ID:???
ゲオ・ガラシャ・フレッドはZoo-Yにいた。(クリスタルチップはガラシャが所持)。
ガラシャはキバがフレッドと親しくしているのを見て不審に思う。
また、イ=サンス少尉やキバを自分がかばったことで仲間が危険にさらされたことを思い
自分を責める。そして、脚を怪我しているゲオを守ろうとガラシャは決意する。
Zoo-Yの民間人たちとそこにいる米軍のジョナははイルマの民間人と交流して
物資を分けてもらうことにする。イルマの行商人とキバはかつて援交関係にあったらしい。
一方、アギはコカと再会するが、コカはザットの記憶をすべて失っていた。
ザットとはぐれたスズは奴隷にされた後エディに拾われ、テフはバツとともに元帥に捕らえられていた。
バツは内なる衝動(「彼」=伐王龍=12天の一人?)に突き動かされて近づく者を殺し続ける。
ゲオらはクリスタルチップを狙う米軍の攻撃を受けるが、そのときに負傷した米軍のシドを
治療する。後にシドはいなくなる。
アギは無線でガラシャを呼び出し、12天であるガラシャが側にいればゲオまでが危険に
まきこまれるから、一人でアギたちのもとへ来いと告げる。
ゲオたちは、フレッドからザットが死んだことを知らされる。
ガラシャは次は自分だと思ってゲオの側を離れようとする。
そのころ、蝶子はアキラの蘇生に失敗、殺される(?)。
ゲオとガラシャはクリスタル・チップを狙う米軍に攻撃されるが、ガラシャをシドが逃がす。
ガラシャはアギの呼びかけに応じることを決意、ゲオに置手紙をして離れる。
一人になったゲオは、西に元帥の自然要塞のようなものがあることを知り、
西に向かうことにする。
そのころバツは鏡文字で「GARASHA」と書き、シャグナーヤは不吉な予感を感じていた。
553ZERO 終:2005/09/26(月) 15:55:54 ID:???
以上、ZERO I-IXのあらすじです。
主人公ゲオたちの動きを中心に書いたので、登場人物の心情、陰謀術策、
ZIPANGUの各人のキーワードなど省いたところが多々あります。
また、肝心の部分(伐王龍の正体、キーワードの組、ラスト)が不明確なため
重要な伏線を書き忘れたかもしれません。
追加・訂正などあったらよろしくお願いします。


それから、改めて
ZERO X-XI
のあらすじをご存知の方、ストーリーを教えてください。
ストーリーを書くのが面倒でしたら
・主要人物で死ぬのは誰か
・ラスト
を簡単に教えてくれれば結構です。よろしくお願いします。
554マロン名無しさん:2005/09/26(月) 20:10:49 ID:zdEbMjGo
くだん、ZERO、乙。
555マロン名無しさん:2005/09/28(水) 00:10:47 ID:???
おおー乙
556マロン名無しさん:2005/09/28(水) 04:51:27 ID:???
くだんの作者はネラーなのか?
557マロン名無しさん:2005/09/28(水) 10:58:16 ID:???
「手塚治虫の旧約聖書物語」をお願いします。
558マロン名無しさん:2005/09/28(水) 11:17:12 ID:???
PAPUWA、まとめサイトにある分の続きを教えてください
559マロン名無しさん:2005/09/29(木) 00:45:04 ID:???
冨士宏「ワルキューレの降誕」を詳しく教えてほしいです。
サンドラとか出てくるんですかね…
560ふたばくんチェンジ!:2005/09/30(金) 22:43:51 ID:???
駒種中学校に通う締留双葉♂は、同じクラスの美咲に恋する普通の男の子。
ところが、彼は興奮すると女の子に変身してしまう突飛な体質の持ち主だった。
思春期を迎えて突然発現したこの体質にもなんとか慣れ、駒種中学に転校生
締留双葉♀として二重在籍する事に。
一人二役のハードな学校生活を送る中、双葉♀は美咲と親友になり、
彼女が双葉♂に思いを寄せている事を知ってしまう。
自分の体質の事をどうやって美咲に告白したものか悩んでいるうちに、
双葉♀はひょんな事からアイドルとしてデビューする事になった。
芸能活動に忙殺され、美咲に告白する暇も無いまま、
ついに双葉の体質が彼女の知る所となってしまう。
騙されていたと感じた美咲は、当然のように大嫌い宣言。
ショックで一時は引き篭もる双葉だったが、勇気を出して彼女に謝りに行く。
剃髪して平謝りする双葉に、ようやく心を開く美咲。
これでようやく相思相愛……となるはずだったが、好事魔多し。
締留家の本家から、双葉も知らない許婚がやってきて、二人の間に割って入った。
双葉を本家一同が住む島に連れ込み、無理やり祝言を上げようとする許婚。
美咲は双葉を座敷牢から助け出して逃亡を図るが、島民上げての追跡に、
ついに小さな洞窟に追い込まれてしまう。
万事休すかと思われたその時、突然地震が起こり、島が空に浮かんだ。
実はこの島、数万年前に地球に不時着した宇宙船が土台となっていたのだ。
締留一族は、その宇宙船に乗っていた宇宙人の末裔であり、
一族の体質もその宇宙人の特質だと言う。
双葉と美咲、そしてなぜか付いてきていた許婚を乗せて、宇宙船は
締留一族の故郷の星へと向かった。
ところが到着してみると、その星は巨大隕石の衝突によって滅んでいた。
これを見た双葉は、美咲と許婚、どちらもかけがえのない存在なんだと
悟りを開き、三人手を取り豊かな未来を築こうと誓い合って地球へ帰還。
戻ってみると、ウラシマ効果で地球では十数年の時が経っていた。
締留一族も世間に認知され、芸能人として活躍する者も居ると言う。
双葉も、宇宙から帰ってきたアイドルとして再デビューする事になった。

終わり
561マロン名無しさん:2005/09/30(金) 22:47:15 ID:???
初めて書いてみたんですが、こんなもんでいいんですかね?
一レスに収めようと思ったら、後半かなり電波な文章になってしまいました。
もう少し詳しいほうが良ければ、後日書き直します。
562マロン名無しさん:2005/10/01(土) 01:43:58 ID:Tu0PWkH8
YAWARAとHAPPYキボンヌ
563マロン名無しさん:2005/10/01(土) 02:04:59 ID:???
消火スプリンクラーが小便小僧ならぬ小便小娘になってたあの漫画か
564マロン名無しさん:2005/10/01(土) 08:53:57 ID:???
>>562
本気で知りたいんだったらちゃんと頼んだ方がいいよ
565マロン名無しさん:2005/10/01(土) 14:49:30 ID:???
>>562
Happy!はもうまとめにあったような気がする。
566マロン名無しさん:2005/10/01(土) 16:49:47 ID:???
>>561
乙。
一巻しか読んだことないんだけど、後半はすごい話になってんなー
567マロン名無しさん:2005/10/01(土) 21:44:28 ID:???
>>560
名前も書かれない許婚にワロス
568マロン名無しさん:2005/10/02(日) 00:18:42 ID:???
ちょびっと聖ルームメイトつー少女漫画思い出したよ。
569RAVE:2005/10/02(日) 19:11:17 ID:???



最後のDBを賭けてジークとルシアの戦いが始まろうとしていた。
そこに間一髪現れたシュダは、ジークにすぐに離れるように言う。
「マザーDBが一つの場所に集まると大変な事になる!」
それはルシアさえも知らなかった真実だった。
しかし、時は遅過ぎた。
集まったDBは共鳴し出し、ジークは自身の体の中に死守していたDBを奪われてしまう。
そして、5つのDBと、姿を現したエンドレスは一つになった。
「そうか…そういう事だったのか…
 マザー、エンドレス…一つになったんだ…」
震える手でルシアはそれに手を伸ばす。 
「いや…そうじゃない…」
確信をもって呟くルシアの目からは、涙が溢れていた。
「これこそが双方のあるべき姿だったんだ。次元崩壊のDB、エンドレス!!!!」

時を同じくして、エンドレスの正体をアルパインから聞かされたハル達。
全てのマザーDBが揃う時、エンドレスはDBへと姿を変える。エンドレスと同等の力を持つDBへと…
対抗出来るのはレイヴだけだが、レイヴはまだ完全ではない。
一つの姿に戻す為には、エーテリオンの完全制御が必要不可欠だ。
そして、それにはエリーの記憶を甦らせる必要がある。
予言者サガの言葉に従い、一行はシンフォニアにあるリーシャの墓を目指す事にした。

そして翌朝。
ハル達を飛行船が迎えに来ていた。それはジークの故郷であるミルディアンの船だった。
中には、ミルツや街の魔導士達、そして深手を負ったジークとシュダが待ち受けていた。
ルシアとエンドレスが一つになったと知り、一刻も早くレイヴを完成させなければならなくなった。
しかし、最強の魔導士シャクマによって行く手を阻まれる。
ハルとエリー、そして負傷して戦力にならないジークを下ろし、仲間はシャクマを迎え撃つ事に。
570RAVE:2005/10/02(日) 19:12:38 ID:???

ハル達がシンフォニアを訪れると再び結界を解いてくれ、姿を現したガイコツ。
やはりエリーと同じペンダントを首に下げていた。
エリーが全てのレイヴを手に祈りを捧げると、エーテリオンと反応してハル達は過去へと飛ばされてしまった。

52年前のシンフォニア。
ハル達の出現により、歴史は大きく変わろうとしていた。
その日、リーシャは故郷であるエリー村で舞を披露する事になっていたが、
レアグローブの暗殺者により攫われてしまったのだ。
祭りは3時間後。それまでにリーシャを連れ戻さなければならない。
そうしなければ、歴史が変わったままになり、レイヴの存在が消滅してしまう恐れがあるのだ。

(30巻終わり)

ハルの活躍により、無事にリーシャの救出に成功。これで歴史も守られる筈。
長居は無用と現代に帰ろうとするも、エリーがペンダントを忘れた事に気付く。
リーシャの身代わりをしていた時に外していたので、まだリーシャが身に付けている可能性が高い。
ハルとジークはそれを取り戻す為、宮殿に向かった。
そこで2人は国王(ハルの祖父)の口から信じられない言葉を聞く。
世界を守る為に、リーシャを殺すというものだった。

9月9日運命の日。
歴史上では、リーシャがエーテリオンの使い過ぎで、レイヴの完成と引き換えに死んだ日。
自分の祖父がリーシャを殺すなど到底信じられないハルは、リーシャの元へと向かった。
ハルを止めようとしたジークだが、不意にある仮説が頭を掠めた。
「まさか…そんな…」
否定しようにも、過去の事実は、その仮説が正しいと示している。
ジークは愕然としてその場に崩れ落ちた。
571RAVE:2005/10/02(日) 19:16:07 ID:???
1人残されていたエリーは、記憶を全て取り戻していた。
自分は、リーシャだった。国王と相談し、自分は死んだ事にして50年の眠りについたのだ。
全ては50年後に現れるというエンドレスを倒す為に…
それでも自分の犯した罪の大きさに耐え切れず、泣き叫ぶエリー。
ハルは真実を知った上で、エリーはエリーだと抱き締めるのだった。
そんな光景を静かに見守っていたジークは、ある決意を胸に秘めていた。

ジークが2人を連れて来たのはリーシャの墓が立てられる場所。
“時の亀裂”が3人を迎える。
あらゆる時と時を繋ぐそれは、入ったとしても現代に帰れる保証はないという。
だが、誰かが外から“時の亀裂を”操れば…そう言うと、ジークは2人を亀裂に押し込んだ。
「オレが必ずおまえたちを現代に還す」
ジークを置いて行けないと涙するエリーにジークは涙を堪えて諭す。
「帰るんだエリー…全ての時の為に。
 そして、何よりもお前がお前であるために」
泣き叫ぶエリーを見つめ、ジークは1人呟く。
「エリー…幸せになれ」
2人を送り出したジークは、静かに涙を零した。

ハルとエリーを現代に送り出してから4日が経った。オーバードライブまでは、あと361日。
ジークは、歴史を変えてはならぬ為、何も出来ずにいた。
する事もなくリーシャの墓の前にいると、そこにリーシャがやって来た。
取り返せなかったペンダントを手にしているのを見て、ジークは思わず声を掛けてしまう。
驚くリーシャに向かって、ペンダントを譲ってくれないかと頼む。
「心から大切に思っている友人のものなんだ…
 だけどオレはその友人とは二度と会えない…」
もう会えないと思っていたエリーが目の前にいる。
ジークは抱き締めたくなる衝動を必死に堪えていた。
「そのペンダントの持ち主は幸せですね。あなたのような素敵な男性に想われてて」
ジークはその言葉に笑みを返し、ペンダントを首に下げるとリーシャの墓の前に腰を下ろした。
『この時代では何も出来ないかと思っていたが、オレにもただ一つやれる事があった。
 それはエリー…お前を守り抜く事。何も心配しなくていい。全てのものから守ってやる』
572RAVE:2005/10/02(日) 19:20:34 ID:???
現代に戻ってきたハルとエリーは、目の前の一体のガイコツがジークだったのだと知る。
50年も自分を守り続けてくれていたジークの想いに、涙が止まらないエリー。
そこに現れたのはあのシャクマ。ルシアから命を受け、エリーを連れ去りに来たのだった。
微動だにしないエリーに焦れたシャクマは、魔法でガイコツを吹き飛ばした。
ジークを傷付けられた怒りに、エリーは立ち上がった。
エーテリオンはとてつもない威力を持つが、それでも経験と知識が及ばない為、苦戦する。
シャクマは国王を呪い殺したと告げ、エリーの怒りを煽る。
「本当に操れるとでも思っているのかね?オーバードライブをも凌ぐその破滅の力を」
一歩でも間違えれば、世界中を滅ぼしてしまう。
シャクマは、この平行世界が消えて無くなれば本望だとエリーに迫る。
「その怒りに満ちた魔力で全てを消し去るがいい!!」

(31巻終わり)

シャクマの狙い、それはこの偽りの世界を滅ぼす事にあった。
世界最強の魔導士シャクマ。その正体は、ルシアの祖父だった。その事は、ルシアさえも知らない。
エリーとハルは、剣と魔法を一つにする事でシャクマを打ち負かした。
シャクマはそれでも悠然と笑って言う。
「シンフォニアとレアグローブの最終戦争は面白い事になりそうだ」
ルシアはこの平行世界を滅ぼし、現行世界で神になる者だ。
そう言うと、シャクマは息絶えた。

ハルはジークの骨をリーシャの墓に埋めてやる事にした。仲間の前でハルは言う。
「オレはシバからレイヴを受け継いだ。親父やじいちゃんからはシンフォニアの血を…そしてジークからは信念を…」
TCMを地面に突き刺すハル。
「みんなの魂がここにあるんだ。だからオレたちは進まなきゃならない…
 運命とか宿命とかじゃない…自分の意思で前へと…」
みんな一つだけジークに約束してくれ、とハルは続ける。
「ここから先は誰一人死ぬな!何があっても絶対死ぬな!」
573RAVE:2005/10/02(日) 19:21:37 ID:???

所変わってDC本部。
ルシアは四天魔王である獄炎のメギド、絶望のジェロ、漆黒のアスラ、永遠のウタを呼び覚ました。
「オレはこの世界を滅ぼす為に生まれたんだ。全ての偽りを滅ぼす為に…」

飛行船では、エリーがエーテリオンを使ってレイヴを完成させようと頑張っていた。
ムジカは旅立ちの日に祖父から渡された本を読んでいたが、突然本を投げ出した。
近くにいたニーベル(ミルディアン出身の子供)を伴って2人でP・Stへ向かう。
四天魔王・絶望のジェロによって氷漬けにされてしまった街を見て、絶望するムジカ。
TCM第10の剣が存在しないと知って、祖父に聞きに来たのだった。
しかし、肝心の祖父も凍らされていたので打つ手がない。
ニーベルは、だったらムジカさんがやればいい!と嗾ける。
頑張るムジカだが、何度挑んでも剣は完成しない。
予想以上に体力を消耗するムジカ、遂には素手で剣を鍛え始めた。
仕上げにムジカが何よりも大切にしている紲の銀を垂らす。
そして…遂にハルの為の剣、聖剣レイヴェルトが完成した。

その頃、飛行船では、ムジカがいなくなった事に気付いたハルが探しに行こうと息巻く。
しかし、シュダはそれを諌める。
「ここから先は誰一人死ぬなと言ったが、オレの考えは違う。
 守るのに値するものの為なら死んでも構わん」
シュダは仲間の為に落とす命なら惜しくないと考えていたのだ。
結局、ハルは仲間と共にP・Stへと降り立つ。
凍り付いた街に驚きを隠せぬまま、とにかくムジカの元へ。
ムジカから最強の剣を受け取ったハルは、打倒ルシアを誓った。

飛行船に戻ると、エリーが遂にレイヴを完成させていた。
こうして新しい剣とレイヴを手にする事が出来たハル。
決戦はいよいよ明日。仲間達は飲めや歌えと大騒ぎして夜が更けていった。

(32巻終わり)
574RAVE:2005/10/02(日) 19:34:33 ID:???
騒ぎ疲れて皆が眠りについた頃、ハルは1人旅立ちの準備を整える。
これ以上誰も死なせない。扉を開けると、そこにはエリーが。
50年この時の為に待ったんだから一緒に戦いたいと言うエリーに、ハルは頷く。
「この戦いが終わったら一緒に暮らさないか?」
ハルの問いに「いいよ」と答えるエリー。それを影から見守っていた仲間達。

ルシアは星の記憶にいた。
そこには今まで一緒に戦った仲間が全て集結していた。
不思議がるハル達に手紙が届いたのだとミルツが告げる。
「ジークハルト。彼は全てを見越し、準備をしていた。自分の存在しない世界なのに…たった1人で未来を見つめていた…」
ハルは涙を流し、必ず勝つとみんなに誓うのだった。

ルシアの前には四天魔王が集う。アスラに命令し、見事エリーを手中に収める事に成功。
エリーを追うハルを援護する為、仲間達はそれぞれ四天魔王に挑む。
【ベルニカ+ジュリア+ニーベル×絶望のジェロ戦】
ベルニカはかなりの深手を負った。
それでもただでは死なないと、ジェロ相手に自爆を試みるがそれも失敗…
瀕死の状態になりながらも、一瞬の隙を作ればジュリアの攻撃が当たる筈だと粘る。
ニーベルは、自らの体を成長させ強大な力を得る事が出来る変身魔法を唱えた。
成長は止まることなく老いてゆく…
ニーベルの魔法でジェロは足止めを食らい、ベルニカは一瞬の隙を作る事に成功。
そして…ジュリアの攻撃により、遂にジェロを倒す。
【レット×永遠のウタ戦】
魔界一の剣の使い手と言われるだけあって、レットはとても敵わない。
けれども戦を楽しんでいるウタに、レットは昔の自分を重ねて勝てると確信。
「戦を楽しむだけの者にはこの技は使えん!!」
膨大な力を得られる代わりに自らの命を捧げる究極の技。
勝利も栄光も、武勇も快楽も何一ついらない。
ハルの言葉を信じているから戦えるのだとレットは渾身の一撃を放つ。
倒せたかと思ったが、修羅と化したウタがそこにいた。

(33巻終わり)
575RAVE:2005/10/02(日) 19:43:32 ID:???
今までどんな困難に陥ろうとも決して手を出さなかった秘策。
だが、命を失おうと、心を失おうと、仲間を守る為ならば。
レットは己を竜の姿に変えた。
圧倒的な力を見せ付けウタを倒すも、自らもまた命を失った。

【ハル×漆黒のアスラ戦】
ハルはプルーを庇った傷で動く事さえ出来ずにいた。
アスラはそんなハルを嘲笑い、聖剣レイヴェルトを取り上げる。
2人の想い、そして仲間の、父の想い。
ハルは立ち上げるのさえやっとの中、聖なる光でもってアスラを倒した。
しかし、ルシアによって再びエリーを奪われてしまう。
ハルの前には最後の四天魔王メギドが立ちはだかる。意識を失ったハルに向かって灼熱の炎が放たれた。
それを斬り裂いて現れたのはシュダだった。

【シュダ×獄炎のメギド戦】
「ゲイル、約束を果たす時が来た。ハルはオレが守る」
シュダはゲイルから受け継いだ剣を手に獄炎に立ち向かう。
『あのときの約束を果たす事が出来たなら。オレはアンタを越えられるだろうか…』
ゲイルの想いを乗せた剣で、シュダは獄炎をも斬り裂きメギドを倒した。
しかし、その凄まじい威力に地面までもが崩れ落ちてしまった。
シュダは瞬時に岩につかまるも、既に這い上がる体力など残されていない。
落ちかけたその時、シュダの手を掴んだのは、意識を取り戻したハルだった。
「あの時と同じだな」
自嘲気味にシュダが言うと、ハルはあの時とは全然違うと否定する。
「今は仲間だろ!!今度は絶対に落とさねェからな!!」
シュダは、ハルに支えられている方の腕に刃先を宛てた。
「ゲイルを越えて何一つ悔いはない」
「越えてねェよ!!ここで死んだら父ちゃんと同じじゃねーか!!」
その言葉にシュダは目を見開く。ハルの言う通りだ。自分は生きなくては。
ゲイルを…そしてハルを越えられる日まで…
新たな目標を胸に、シュダはハルの手を取った。
576RAVE:2005/10/02(日) 19:44:50 ID:???
ルシアはエリーを連れ、エンドレスの目の前までやって来た。
目を覚ましたエリーにルシアは告げる。
「エンドレスにより起こるオーバードライブ、その一撃はこの平行世界を消すのと同時に
 オレたち2人を現行世界へと導く」
エリーはエーテリオンを使ってエンドレスを破壊しようとするが、
ルシアに嵌められた腕輪によって魔力を封じられてしまった。

その頃、シュダを残し、1人でエリーを追っていたハルは体力の限界を超えていた。
そこに現れたのはムジカ。
ムジカはハルにエリクシルを飲ませて回復を祈った。
その時、大きな地鳴りが辺りに轟く。

ルシアの耳には、エリーを殺せという声が響いていた。
それでは新世界へ着いても人類は繁栄しないと反論するルシアだが、エンドレスは続ける。
『神とは、時に愛する者の命を奪わねば辿り着けぬ頂きなのだ』
「それが、マザーの意志ならば…」
エリーに向かって剣を振り上げるルシア。
「お別れだ、エリー。おまえだけはこのオレの手で殺してやる」
そこに現れたのは、エリクシルによって回復したハルだった。

(34巻終わり)

いよいよ最後の一戦が始まった。
ルシアの体を見て驚くハル。ルシアの体はエンドレスと同化しつつあったのだ。
エリーは2人が戦っている間に何とかして腕輪を外そうと格闘していた。
しかし、何をしても外れない。そこでエリーは自分の腕を切り落とそうとする。
それを止めたのは、追って来たムジカ。
自分には操れない金属などないと、エリーの腕に嵌っていた腕輪を破壊した。
そして時空の杖をエリーに託す。
それを見たルシアはエーテリオンの発動を阻止すべく、ハルをエンドレスの体内へ連れ去った。
ハルがいてはエーテリオンを使えない。エリーとムジカはハルの勝利を信じて待つ事に。
577RAVE:2005/10/02(日) 19:49:59 ID:???
中ではルシアとハルの戦いが繰り広げられていた。
この世界は間違っているから破壊しなければならないと言うルシアに、何の権利があってそんな真似をするんだと詰るハル。
「世界滅亡時に残った人類最後の1人、アルシェラ・レアグローブ。オレの先祖だ」
先祖の犯した罪を自分が破壊するのは当然で、その為だけに自分は生まれたと涙を見せるルシア。
けれど、何度倒されようと決して諦めずに立ちあがるハル。
ルシアは、そんなハルに最後の一撃を放つ。
「これで終わるんだ…やっと終われる…」
「この世界は終わらねェ!!!!」
ハルの想いの前にルシアは崩れ落ちた。
「人…は何の為に生きるのだ」
ルシアは息も絶え絶えに、ハルに問う。
「オレは新世界へと行きたかった…新世界へ行けばきっと…オレにも未来が待っていたんだ」
「この世界にもおまえの未来はあるんだ。これから切り開けばいいっ!!」
ルシアの体は限界を越え砕け始めていた。
この世界は終わらない、手をのばせ!と叫ぶハルに、ルシアは穏やかな顔で告げた。
「ハル…あとはおまえの好きにしろ…」

ルシアが滅んだのを確認して、ハルはやるせない気持ちながらも必死に出口を探した。
しかし、何をどうしてもエンドレスの中からは出られない。
ハルはエリーに呼び掛けた。
「オレに構わず撃ってくれ」
ハルの声はエリーに届いたが、エリーはその願いを拒否する。
「ここから先は誰も死ぬなって言ったじゃん…戦いが終わったら一緒に暮らそうって!!」
「思い出せよ。何の為に名前や50年間を捨ててここまで来たんだ。シバやジークは何の為に死んでいったんだ!!」
「わかってる…だけど今のあたしは…ハルの事で頭がいっぱいなの。せっかくあたしたち…出会えたのに…」
「だからこそ…守らなきゃ。オレたちはこの世界で出会えたんだ。この世界が無くなったらその事まで消えちゃうんだ。
 オレたちの出会いを消さないでくれ…この世界を守るんだ!!」
578RAVE:2005/10/02(日) 19:56:42 ID:???
エリーは泣きながら立ち上がった。杖をエンドレスに振りかざし、そして。
「あたし…ハルが大好き」
「オレもだよ、エリー」
この日、世界中に散らばる全てのDBが砕け散った。レイヴとDBによる石の戦争はここに幕を下ろす。
人々はこれから訪れるであろう平和に歓喜した。沢山の傷跡を抱えながら。
エリーは記憶を全て失っていた。
知らない方が幸せと、仲間はエリーに何も伝えないでいた。
そして、あの戦いから1年後。

ムジカ、ジュリア、ルビー、シュダ。そして死んだ筈のレット、ベルニカ、ニーベル。
仲間達は記憶の無いエリーを連れ、ハルの墓へと向かった。
エリーは誰の墓とも知らずに黙祷を捧げる。
その時だった。凄まじい光と音がして、現れたのは、あの日のままのハル。
そうして、みんな気付いた。
みんなが助かったのも、ハルが生き返ったのも、全ては星の記憶に守られていたからだと。
それが、この星の恩返しなのだろう。
「ただいま」
そう笑ったハルを見て、エリーは全てを思い出す。
「おかえり」
抱き合って涙する2人を見て、仲間もみんな涙するのだった。

場面変わってガラージュ島。
姉が待つ故郷に、ハルはエリーを連れて帰って来た。
約束を果たして帰って来た弟を、カトレアは笑顔で迎えた。

人生とは旅をする事。
旅をするとは生きるという事。
それは時に辛く困難でもあるけれど…みんながいるから歩き出せるんだ。
いつまでもずっと…この旅は終わらないんだ。

579RAVE書き:2005/10/02(日) 20:06:14 ID:???
長らくご無沙汰ですみませんでした。
単行本は本誌掲載時より加筆されているらしいです。
(これは単行本を元に書きました)
リク主さんはもういらっしゃらないかもしれませんが、
まとめ方が下手で時間が掛かってすみませんでした。
580マロン名無しさん:2005/10/02(日) 21:47:58 ID:???
ルサンチマン、鬼虫のラストを大雑把でいいので教えてください。
よろしくお願いします。
581マロン名無しさん:2005/10/02(日) 22:02:03 ID:???
花喰幻燈機を教えてください。よろしくお願いします。
582マロン名無しさん:2005/10/02(日) 22:44:36 ID:???
>>579
お疲れ様〜!
583ハッピーファミリー:2005/10/03(月) 10:22:23 ID:???
小学生の なるとは美しくおっとりとした性格の母・まゆらに恋をしている。
愛してると連発しまくる日々だがまゆらは家族愛程度にしか思っていない。
それに、父・うづし夫が常になるとの邪魔をしている。
うづし夫を退けてまゆらの愛を掴もうとする奮闘の日々。

それまではコメディ調だったが、小学校卒業前からシリアスになっていく。
性欲をもてあますなるとに、同じくまゆらに恋する岡内は言う。
「お前もわかってんだろ。本当の敵は血の繋がりとか年の差じゃなくて
 まゆらがあいつを愛してるって事だ」わかっているよと泣くなると。
やがてなるとは背が伸び大人っぽくなり、まゆらに迫る事もなくなった。
もう甘えてくれないのねと寂しがるまゆら。
しかし態度に表さないだけでなるとのまゆらへの思いは成長と共に強くなっていく。

中学に進学したなるとに、男女の双子の兄妹が近づく。
母を失ってから荒んだ父に虐待を受けてきた双子は幸せな家族を憎んでいる。
一方なるとは、もしまゆらがうづし夫と別れたら自分を見てくれるかもしれないと思っていた。
双子と手を組み、まゆらとうづし夫を離婚させようと企む。
しかし、うづし夫と距離が離れて行くにつれまゆらは元気を無くしていく。
眠るまゆらにキスをしようとするなると。眠りながらまゆらはうづし夫の名を呼ぶ。
相手に見返りを求めるのが恋なら、求めないのが愛。俺はまゆらを愛してる
自分を子供としか見てくれなくても笑っているまゆらが好きだからと、
なるとは双子兄に離婚計画をやめるよう言う。
兄は父から殴られるだけですんでいるが、妹はもっと酷い目にあっている。
幸せな君の家庭がうらやましいよと双子兄は言う。

双子となるとの謝罪によって夫婦はお互いの誤解を解き仲直りする。
双子は家に帰って行く。「あんな家でも僕らの家だ」

俺の欲しいもの 一生手に入らないとわかっていても焦がれてやまない
なるとのモノローグで〆
584マロン名無しさん:2005/10/03(月) 12:10:11 ID:???
>>583
乙。切ないね…
585マロン名無しさん:2005/10/03(月) 17:02:02 ID:???
>>583
乙。気になってたんだよなこれ。
586谷仮面:2005/10/05(水) 20:48:28 ID:???
>508
それだけでもなんなので書いてみた。

主要人物
谷・・・下の名前は不明。仮面を常に付けている。
    みんな何となく変に思っては
    いるようだが、あまり突っ込みは入れない。
島リホコ・・・谷が好きな娘
田島・・・不良。一応谷の恋のライバル
中岡・・・最強の不良。不良高統一に乗り出す
587谷仮面:2005/10/05(水) 20:50:08 ID:???
高校に入学した谷は、読書好きで仮面以外はあまり目立たなく友達も居なかった。
しかし、体育館でバレーをしていた島リホコに殺人アタックを当てられて島リホコに恋をする。
谷が仮面を付けていて目立っているのを快く思わない不良の田島にケンカを売られたり、
持ち前のタフさとパワーで影ながら島リホコを守る日々。
この辺りまではゆるいギャグ漫画。

二年に進級し田島が島リホコに惚れたり、転校生の格闘姉妹とケンカしたりと
いろいろある中で休学していた最強の不良中岡が復学し、
驚異的な強さの谷に目を付け島リホコとつきあえるようにする事を条件に
谷を仲間に引き入れ近辺の不良高統一を始める。
ついに島リホコとのデートにまでこぎ着け舞い上がる谷。
また、島リホコも谷の純情さに惹かれていく。
しかし谷達を上回るスピードで不良高統一をしていた
新撰高に島リホコがさらわれる。
仲間が次々と倒れていく中で何とか新撰高の首領・清河の元にたどり着くも、
最強の不良中岡も清河との一騎打ちに敗れる。
清河を倒し最愛の人を助け出すということを通して
谷は今まで解くことの出来なかった疑問、「人は何故生まれてくるのか」に気付く。
「人は人と出会うために生まれてくるんだ」
今までは信じられる人も友達もいなかったが島リホコや不良高統一のおかげで
多くの人と触れあう事が出来た。

愛の力の前に清河は敗れ、二人は結ばれる。
島リホコとのキスにより仮面が割れ素顔が明らかになる谷。
しかし人を信じられる今、谷の仮面は必要なくなった。
588マロン名無しさん:2005/10/06(木) 01:17:43 ID:???
仮面ねぇ…シャアみたいだな
589マロン名無しさん:2005/10/06(木) 11:11:35 ID:KqBY2bDX
r
590マロン名無しさん:2005/10/07(金) 21:14:16 ID:???
ひといねえ
591マロン名無しさん:2005/10/07(金) 21:34:25 ID:???
未解決リストの「コーセルテルの竜術士」予約します。
592マロン名無しさん:2005/10/07(金) 21:54:57 ID:???
稲中卓球部をお願いします
593マロン名無しさん:2005/10/08(土) 18:44:23 ID:???
ツバサクロニクル
お願いします
594マロン名無しさん:2005/10/08(土) 20:22:12 ID:???
>>593
「ツバサクロニクル」はアニメだという罠。
595マロン名無しさん:2005/10/08(土) 22:09:26 ID:???
てるてる×少年を途中まで書いてみたんですが、
なんかすんげー長くなってしまったので興味ない人ごめんなさい。
前の人の続きからになります。
596マロン名無しさん:2005/10/08(土) 22:10:59 ID:???
あ、いかん、その前に次スレか!
597マロン名無しさん:2005/10/08(土) 22:17:27 ID:???
てわけでたてましたー
次スレ http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1128777309/
598マロン名無しさん:2005/10/09(日) 17:25:38 ID:???
500まで使おうよ・・・・・
599マロン名無しさん:2005/10/09(日) 20:52:33 ID:???
地獄先生ぬ〜べ〜の「反魂の術の話」と「郷子とぬ〜べ〜の前世の話」をお願いします
600マロン名無しさん:2005/10/10(月) 02:13:10 ID:???
>>594
あれ?漫画なかったっけ?
漏れが本屋でみたのはいったい何の漫画だったんだろうか・・・
601マロン名無しさん:2005/10/10(月) 09:35:03 ID:???
>>600
漫画とアニメでは微妙にタイトルが違う。漫画版は「ツバサ―RESERVoir CHRoNiCLE」で
「ツバサ・クロニクル」はアニメ版。
…まあ、>>593はそのまま漫画版の「ツバサ」をリクエストと解釈すべきだろうけど。
602マロン名無しさん:2005/10/10(月) 19:21:47 ID:???
ところどころ小文字になってるのは何の意味が?
603マロン名無しさん:2005/10/15(土) 17:18:23 ID:???
わからない。漫画界七不思議のひとつです。
604マロン名無しさん:2005/10/15(土) 19:57:53 ID:???
>>602
くらむぷだから
605マロン名無しさん:2005/10/16(日) 02:06:04 ID:QKHL7qMC
花さかりの君たちへってどんな話ですか?
606マロン名無しさん:2005/10/16(日) 02:45:09 ID:???
天使な小生意気って最終的にどうなったんですか?
めぐは男に戻れたんですか?いきなりブチ切れて、実は喧嘩強かったみきの正体ってなんだったんですか?知ってる方教えて下さい。
607マロン名無しさん:2005/10/16(日) 02:53:39 ID:???
>>605
女の子が憧れの人を追いかけて
どうやってか全寮制の男子校に転入して生活するお話
608マロン名無しさん:2005/10/16(日) 16:20:07 ID:???
>>606
まとめサイトにある
609マロン名無しさん:2005/10/16(日) 16:59:29 ID:???
大分容量が余ってるので埋めついでに未解決作品書いてみる。

・僕は妹に恋をする

結城頼と郁は中学生の双子の兄妹。出来がよくもてる兄の頼に比べて妹の郁はバカでドジ。
しかし頼は幼い頃から郁に恋心を抱いていた。
思春期になって我慢できなくなった頼はついに郁に手を出してしまう。
最初は戸惑っていた郁も、頼と離れることよりも受け入れることを選ぶ。
両思いになってラブラブになったのも束の間、頼は寮のある高校に進学を決めてしまう。
しばらく遠恋を楽しむ(?)二人だが色々ごたごたがあって頼は高校を退学させられ結局、郁と同じ高校に編入しなおす。
(その間、頼の元彼女の友華が二人の仲を知って邪魔したりするがあっさり退場)
頼は頼で想いが叶ったものの郁にまで禁忌を犯させたことで罪の意識にさいなまされていた。
そんなことは知らず能天気な郁。

しかしそんな時、双子の母親の昔の男出現で、二人が兄妹じゃないかも疑惑が浮上。
わずかな希望を見出す頼だが、頼と郁は異父兄妹でかつ、双子だった。
(※24時間以内に二人以上の男性と関係を持つとものすごく低い確率で父親の違う双子が産まれるらしい)
二人の近親相姦は両親にバレ、郁と頼は家を飛び出す。
だがそれは二人の最後の時間だった。
結局家に戻った二人。そして頼は郁にメッセージを残し姿を消す。

10年後。バカだった郁は何故か海外で仕事もこなすキャリアウーマンになっていた。
郁は、頼の「郁が絶対来ないようなところに行く」「もしもまた出会えたら運命」という言葉を支えに
頼を探し続けていた。
そして郁が仕事で訪れたロンドンの図書館ですれ違う二人。頼と郁は再び巡りあい、抱きしめあう。

「僕は妹に恋をする」 完
610マロン名無しさん:2005/10/18(火) 16:56:57 ID:???
吉住渉「ウルトラマニアック」「ランダムウォーク」
上記2作品をお願いします。
611マロン名無しさん:2005/10/19(水) 03:59:25 ID:???
どなたか、作画 斎藤岬「退魔針胎動篇9」(全6巻)をお願いできませんか?
うちのまわりの本屋、漫図書全て全滅でして…トホホ。
612マロン名無しさん:2005/10/19(水) 23:05:35 ID:???
>>609
アメリカで白人の両親から、白人と黒人の双子が生まれた、というレアケースがあった。
それが元で両親が揉めて離婚に発展したそうだ。
613マロン名無しさん:2005/10/20(木) 01:15:46 ID:???
高瀬綾の『くるみと七人のこびとたち』をお願いします。
614マロン名無しさん:2005/10/20(木) 05:38:26 ID:???
ストーリーを教えてもらうスレ Part14
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1128777309/
615マロン名無しさん:2005/10/31(月) 11:03:20 ID:???
 
616マロン名無しさん:2005/11/04(金) 02:18:15 ID:???
RAVE改めて文字で読むと本当に薄っぺらだな
全然独自の掘り下げがなされてない。作者消えろ

それはさておき、まとめた人超乙
617マロン名無しさん:2005/11/09(水) 11:11:27 ID:???
それ片山ちがい
マウリシオは東北福祉大進学予定でメガネッシュ真壁の後輩になるらしい
618マロン名無しさん:2005/11/09(水) 13:46:19 ID:Etty875s
age
619マロン名無しさん:2005/11/10(木) 00:11:30 ID:lnzOWkv8
誰かエンジェル伝説の外伝で、北野の両親の話を知ってる人はいませんか?
前編後編に分かれていたのかな?…一話だけは見たのですが。


北野総一郎の父親が、隣町の高校の番長に、通っている高校をシメていると間違われて、狙われる。
その番長は細身で顔も美形だが性格はチンピラ、こいつの彼女が北野総一郎の母親。

ひょんなことから後の夫婦となる二人は出会う。

一方、隣町の番長は北野父の通う高校の番長を倒し、北野出せや〜と凄むが、
北野はただの顔が怖いだけのタダの生徒だ、学校占めてるのは俺だ、と倒した奴に笑われて腹を立てる。
勘違いからとはいえ、怒りを北野にぶつけなければ治まらない様子。

北野父と母は知り合って少しずつ、お互いの心が近くなってきていた。
美しい容姿を持つ北野母に彼は一目ぼれし。
かたや、大柄なガタイに強面ながら、真摯な態度の北野父に彼女は好感を覚えていた。

そんな時、彼らの前に番長が現れた。
「このイカサマ野郎…」


と、記憶を手繰りに書きましたが、この後がわかりません。
ブックオフでも後半の巻は全滅、このスレが頼りです。
お願いします。
620マロン名無しさん:2005/11/10(木) 16:27:18 ID:???
ブラックキャットのあらすじを教えてください。
621マロン名無しさん:2005/11/10(木) 20:13:26 ID:???
ここはもう終了だってば

ストーリーを教えてもらうスレ Part14
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1128777309/

移動よろ
622マロン名無しさん:2005/11/10(木) 20:17:41 ID:???
まだ余ってるじゃん
623マロン名無しさん:2005/11/11(金) 07:15:17 ID:???
>>622
確かにまだ書けてるけど、そろそろ限界だしなぁ

もしかして1000レスだけが、書けなくなる条件だと思ってる?
624マロン名無しさん:2005/11/11(金) 08:54:14 ID:???
まだ40KBも余ってる
625モジャ公:2005/11/12(土) 12:46:40 ID:???
世の中に対してどこか居心地の悪さを感じている少年、天野空夫は
毛玉のような宇宙人モジャラとポンコツロボットのドンモに見込まれ、おんぼろロケットで宇宙に家出する。

「地球人はこわいよ」
三人組が最初にたどり着いたのは、メルル星という宇宙では標準的な(地球よりは遥かに進んでいる)星。
宇宙食の食べ方も、移動用パイプウェイの使い方も知らない空夫はあたふたした挙句
パイプウェイの無賃利用で留置場に送られてしまう。ところが、出身を問われて「地球人」と答えたとたん
留置場の凶悪犯たちが青ざめて逃げ出した。宇宙人の間では、地球は野蛮で危険な星と見られているのだ。
さらに空夫は、宇宙人たちが解けずに困っている計算(コンピュータが浸透しているので、自力では足し算もできない)
をすらすら解いてのけ、仲間たちからも一目置かれるようになる。

「うまそうな三人」
次に三人組が訪れたのは、危険地帯に指定されているカミカミ星。
肝試しのつもりで上陸するが、カミカミ星人たちは気のいい人ばかり。しかしなぜか「日が暮れる前に帰れ」と言う。
夜に危険があるなら、自分たちもいっしょに戦おうとあえて帰らずに残る三人だが
実は危険の正体はカミカミ星人そのもの。彼らは月の光を浴びると狼人間と化し、人肉を好むようになるのだ。
カミカミ星人は「注文の多い料理店」よろしく、何も知らない三人がみずから料理になるよう仕向けるが失敗。
人肉嗜好以外は妙に理性的なカミカミ星人と三人組のこっけいな争いが続く。
そのとき、運良く月食が起きてカミカミ星人は元に戻った。三人は、その隙に慌ててこの星を離れる。
626モジャ公:2005/11/12(土) 12:48:08 ID:???
「さらば411ボル」
相も変わらずポンコツロケットで旅行中の三人。すぐそばを通り抜けた最新型ロケットに煽られ吹っ飛ばされる。
燃料が不足し始めて、慌てて寄航したのは人工惑星のコスカラ星。周りにはほかに補給の利く星がないため
コスカラ星人は旅人の足元を見てずるがしこく儲けようとする奴ばかり。
先ほど煽ってきた最新型ロケットを見つけ、ロケットの主に文句を言ってたかろうとする三人だが
ロケットの持ち主は金持ちで美人のお嬢様。モジャラも空夫もデレデレするばかりで文句を切り出せない。
空夫が有り金はたいて女の子に飲み物をおごっている間に、モジャラとドンモは詐欺にあって有り金巻き上げられ
スッカラカンになった三人は燃料を補給することもできずにコスカラ星を逃げ出す羽目になった。

「恐竜の星」
燃料切れで漂流していた三人のロケットは、近くの惑星の引力に引かれて墜落する。
救命ボートで不時着したのは、妙に現実味の無い静かなジャングル。「怪獣でも何でもいいから出てきてくれ」
と思わず叫ぶと、とたんに巨大な恐竜が現れ、逃げ遅れたドンモを血しぶきまき散らしながら食べてしまう。
「これはギャグ漫画じゃなかったか?」「作者はおかしいんだ!少しでも人気を取ろうと思って!」
と勝手なことを言いながら逃げ出す空夫とモジャラの前には、なぜか女の子や弁当の売り子が現れる。
相手を幻だと思ってとんちんかんなやり取りをするうち、恐竜が追いかけてきてモジャラと空夫を食べてしまった。
それを見ていた女の子は、光線銃を取り出して恐竜を撃ち、一撃で倒してしまう。
一方、恐竜の腹に入った三人は恐竜がロボットだと気付く。三人が不時着したのはこの星の遊技場だったのだ。
627モジャ公:2005/11/12(土) 12:49:03 ID:???
「アステロイド・ラリー」
恐竜ゲーム場で、コスカラ星で会った女の子と再会した三人は、彼女が宇宙的大富豪モナシス家の娘、モナだと知る。
彼女に引かれるように、三人は彼女が泊まっている最高級ホテルに部屋を取ることにした。
だが、このホテルの宿泊費はとてつもなく高いため、宿泊費代わりにバイトをするくらいではとても追いつかない。
もし支払い能力がないとわかれば、星流しの刑にされて死ぬよりつらい重労働をさせられるという。
なんとか逃げ出す方法を考えて思いついたのが、近くこの星で開催されるアステロイド・ラリー。
宇宙船レースに参加するふりをして、コースを離れ逃げ出そうというわけだ。
だが、いざレースが始まると、逃げようとしてコースを離れた三人の船を見た他の選手たちは、その動きを
画期的な新戦術だと深読みして、三人の船を追いかけ始めた。
皆が自分を追ってくるのを見て、彼らが宿泊費踏み倒しを邪魔するホテル側の刺客と勘違いする三人。
あわてて小惑星帯に突っ込んだ三人の船は小惑星に激突するが、暴走してそのまままっすぐ飛行。
星を盾にするかたちで小惑星帯を突っ切り、1位でゴールイン。高額の賞金を手にした。
628モジャ公:2005/11/12(土) 12:49:36 ID:???
「ナイナイ星の仇討ち」
ラリー優勝によって一躍有名人となった空夫のもとに、クエ星人ムエとなのる人物から手紙が届く。
空夫を父の敵と呼び、自分の手で仇を討つという。
ムエから逃げるため、賞金全額をはたいて即決でロケットを買った空夫たちは、逃げ回ったあげく
立ち入り禁止だというナイナイ星へ逃げ込む。だが、ムエは当然のようにナイナイ星へ追ってきた。
数々の超能力を持つムエを相手に、戦うことも逃げることもできない。
いっそ警察に捕まれば殺されずに済むと、パトロール船の前に飛び出す三人だが、パトロール船は三人を撥ね付ける。
ナイナイ星は伝染病のため隔離された星で、感染を防ぐため間もなく星ごと爆破される予定だったのだ。
父の仇が討てれば死んでもいいというムエは伝染病の話も意に介さず、ついに決闘が始まる。
どうしても自分が討たれるのが納得できない空夫にムエが突きつけたのは、なんと1000年前
ムエの父ヌエが、地球を探検中に源頼政に射殺された記録英像だった。異星人であるムエは地球人の顔が区別できず
地球人がクエ星人の20分の一の寿命しか持たないことも知らずに空夫を仇と思い込んでいたのだ。
伝染病に罹って動けなくなったムエに事情を説明して、やっと人違いに気付いたムエは大いに反省。
念力で、ナイナイ星を爆破しに来たミサイルを逸らして三人を助けてくれたのだった。
629モジャ公:2005/11/12(土) 12:50:24 ID:???
「自殺集団」
危険な事件続きに疲れた三人は、「誰も死なない星」フェニックス星を訪れた。
特殊な放射線によって、全住民が不老不死となったフェニックス星は、生き疲れた生ける屍のような人ばかり。
この星で、オットーと名乗る詐欺師と会った三人は、彼に習って「自殺屋」に挑戦した。
自殺する振りで同情を引いて金をせびる手口だが、誰も死なない星では人が死ぬのは珍しいイベント。
オットーのプロデュースにより、三人の自殺はフェニックス星をあげての一大イベントになってしまう。
本当に自殺するつもりがあるはずもなく、なんとかして逃げ出そうと画策する三人だが
たまたま居合わせた映画監督のタコペッティ氏に逃亡を阻止されてしまう。残酷ドキュメントを専門とするタコペッティは
三人の自殺をぜひ撮影したいので、逃げられては困るとのこと。
肝心のオットーは、自殺イベントで稼いだ金を持ち逃げしてしまい、なすすべなく会場に引き出される三人。
そのとき、突然会場に爆発音や銃声が響く。タコペッティが流した新作立体映画の予告編。
「同じ星の人間同士で殺しあう不思議で野蛮な星(どうも地球のことらしい…)」の映像にフェニックス星人は大興奮。
みんな戦争見物に行ってしまい、自殺イベントはうやむやの内に打切りとなってしまった。
630モジャ公:2005/11/12(土) 12:51:04 ID:???
「天国よいとこ」
タコペッティに命を救われた三人は、彼に連れられて危険な撮影旅行へ行くことに。
目的地はシャングリラ星。数億年前に住人が死に絶えたはずなのに、調査隊は「天国のような星だ」と言って
二度と帰ってこないという謎の星である。
途中、やはりシャングリラ製から帰ってこない兄を探す少女ミルルと出会い、共にシャングリラ星に行くことに。
いざシャングリラ星に降り立つと、廃墟の彼方には立派なシャングリラの都があり、住人が大勢生活していた。
「太陽も空気も無いはずなのに、ありえん!」と疑うタコペッティとは裏腹に、空夫たちはシャングリラを楽しむ。
この都では、なんでも念じるだけで目の前に出てくる不思議な力が働いていた。
だが、空夫たちとタコペッティは、やがて別々の観点からこの天国のような都のからくりに気付く。
古代シャングリラ人は、心に直接感覚を投影することで「実際にあるように思わせる」技術を開発していた。
シャングリラ人の体はすでに死に絶え、精神だけが保存されてヴァーチャル・リアリティの世界に存在している。
調査に来た者も、このからくりに気付かぬまま肉体が死に、精神がシャングリラに取り込まれていたのだ。
からくりに気付いた空夫たちを無理やり殺し、精神体にしようとするシャングリラ人たち。だがそのとき
精神を操る機械が故障し、シャングリラの幻は消え去った。ここに取り込まれていたミルルの兄が
妹を救うために身を挺して機械を破壊したのだった。一同はあわててシャングリラ星を後にする。
631モジャ公:2005/11/12(土) 12:53:13 ID:???
「地球最後の日」
惑星ポンコンのスラムで、詐欺師オットーに再会した三人。捕まえようとするが逆に罠に掛けられて
ロケットに押し込まれた三人は、なぜか地球にたどり着く。
久しぶりの故郷を満喫する空夫だが、その頃モジャラとドンモは、地球に向かうどくろ型の大流星を発見した。
地球の危機を報せようとする三人だが、誰もまともに話を聞いてくれない。
どくろ星のことを予言していた新興宗教があるというので行ってみると、その教祖は地球人に化けたオットーだった。
真意を問われ「地球人を騙してもうけて逃げるつもり」と言い切るオットーに、疑心暗鬼に陥った三人は
もっと複雑な企みがあるのかもしれないと、オットーを監視し続けることにする。
やがてどくろ星が地球からも見えるようになると、オットー率いる「ノア教」は一躍有名になり、救いを求めて
莫大なお布施が入るようになった。モジャラは金庫番として、自分の口の中にお布施を換金した宝石を貯める。
やがてどくろ星と地球が衝突する日になると、オットーは金も持たずひとりでこっそり地球を離れる。
三人が後をつけると、オットーはどくろ星の上で宇宙マフィアの使いと落ち合った。
実は全てオットーの仕込んだ詐欺。どくろ星の正体は巨人星で買ったゴムのおもちゃだった。
三人が自分の言葉を信じないことも計算に入れ、オットーは彼らが金を持ったまま、自発的についてくるよう仕向けたのだ。
「最初から嘘は言っていない」と開き直るオットーに、思わずモジャラが「この正直者め!」とどなると
その拍子に口の中に貯めていた宝石が飛び出し、すべて流星となって地球の大気の中で燃え尽きてしまった。
当ての外れたオットーは逃げ出し、三人も今さら地球に戻ることもできず、逃げるように再び宇宙へ発つ。
632モジャ公:2005/11/12(土) 12:54:31 ID:???
「不死身のダンボコ」
路銀が尽きた三人が職安で手に入れた仕事は、珍獣「ダンボコ」を狩りに行く星成金モクベエの案内人。
「ダンボコを知っているか」と問われて、三人があやふやででたらめな答えを返すと
なぜかモクベエは良く分っているなとばかりに喜ぶ。ダンボコはその「ダンボコ」という鳴き声以外
姿も大きさも特定できない謎の生き物なのだ。
件の惑星に降り立ち、ダンボコ狩りを始める一行だが、それぞれが「ダンボコ」と鳴いていた全く別の動物を
仕留めてきた。だがそのうち、ドンモが「ダンボコー!」と叫んで仲間たちに襲い掛かり
他のメンバーも「ダンボコ」と叫び始める。ひとりモジャラだけが無事に逃げ出した。
逃げた果てにモジャラが見たのは、巨大な食肉花と、その前に集まり「ダンボコ」と鳴く様々な動物。
種を動物に寄生させて、餌を集めさせた果てにその動物をも喰らう寄生植物、それがダンボコの正体だった。
操った動物たちに守られているダンボコの花に近づくことは難しかったが、モジャラは一計を案じ
自分も寄生されたふりをしてダンボコに接近、至近距離からの光線銃による攻撃でダンボコを倒す。
633マロン名無しさん:2005/11/12(土) 12:57:11 ID:???
解説
「モジャ公」藤子・F・不二雄 昭和44年〜45年
地球人の少年、一頭身の宇宙生物、ポンコツロボットの三人組が宇宙を冒険するというコンセプトながら
「少年漫画でこんなの描いていいの?」と突っ込みたくなるネタの数々ゆえに「裏21エモン」などと呼ばれたりもする。
事実、本作のエピソードの幾つかは、平成3年のTVアニメ版21エモンに流用されている。
平成7年にはモジャ公自体がアニメ化されたものの、ストレートな子供向けアニメに改定され
原作のブラックユーモアは影を潜めている。

なお、連載当初は「不死身のダンボコ」が最終エピソードだったが
単行本では「地球最後の日」を最後に持ってきて締めのエピソードとする改定がなされている。
特に、平成元年に出版された愛蔵版以降は「地球最後の日」のラストシーンが加筆され
「三人の前に、地球見物に来たモナ・モナシスが現れて、三人の冒険心を肯定。
 気力を取り戻した三人は、ふたたび未知なる宇宙への冒険航海に乗り出す」という前向きなラストになっている。
634マロン名無しさん:2005/11/12(土) 12:59:15 ID:???
乙!
635マロン名無しさん:2005/11/12(土) 13:30:49 ID:???
乙です。

>>630
最近この話にそっくりな小説を読んだ。
あれパクリだったのか・・・
636マロン名無しさん:2005/11/12(土) 13:46:49 ID:???
乙〜。
ホントにブラックだね。絵から抱いてたイメージと全然違ったよ。
すげー読んでみたくなった。
637マロン名無しさん:2005/11/12(土) 14:03:26 ID:???
面白いね
終わり方は微妙だけど
638マロン名無しさん:2005/11/12(土) 15:09:01 ID:???
>>627
「宇宙いけ!裸足のプリンセス」っていう21エモンの映画に、馬鹿高い宇宙ホテルに泊まって
その宿泊代のために宇宙レースに参加するっていう似たようなエピソードがあったなぁ。
それ以外の部分はローマの休日のパクリみたいな映画だったけど。
639桜蘭高校ホスト部:2005/11/12(土) 16:30:50 ID:???
桜蘭高校ホスト部 葉鳥ビスコ 1〜6巻(以下続刊)

<第一話>
父親と二人暮しの藤岡ハルヒは、学費免除の奨学生として超お金持ち高校の桜蘭に入学。
貧乏学生のハルヒには、どうにものん気で煌びやかな学校の雰囲気が馴染めない。
放課後、勉強でもしようと第三音楽室に入ると、そこには見目麗しい6人の男子生徒が…。
彼らはホスト部の部員で、第三音楽室は彼らの部室でもあったのだ。

客が男だろうと折角だから、と接客しようとする部長・須王環。間違えましたと、逃げ帰ろう
とするハルヒだったが、置いてあった壺を誤って割ってしまった。なんとその壺の時価や
800万円。当然ハルヒに払うことのできる額ではない。
結局「体で払え」と言われ、部内でお茶を出したり買い物に行ったりと、働くハルヒ。
しかしできることなんて限られている。ハルヒの貧乏っぷりに勝手に同情した環は、
ハルヒを「おしん」に見立てて指名客100人で借金をチャラにすると約束。
しかしぐるぐる眼鏡にハネた頭、制服さえ着ていないハルヒでは、客が呼べそうにない。
が、眼鏡を外したハルヒにピンときた環は、部員の常陸院兄弟に申しつけ、ハルヒを
コーディネイトさせた。眼鏡はコンタクトに、ちゃんとした制服を髪はスタイリングして…。
出来上がったハルヒは美少年になっていた。

これならイケルと接客させるとナチュラル紳士なハルヒの受けは上々。ホクホク顔の環だが
貧乏学生が珍しく、何かとハルヒに構いたがる部員達の姿に顔を歪ませる女生徒がいた。
彼女は環のファンで、ハルヒになにかと嫌がらせをしてくるようになる。段々と露骨になり、
鞄が池に投げ捨てられ、流石にショックを隠せないハルヒ。環は池に入って一緒に落ちたも
のを探してくれた。またいつものようにハルヒを可愛がる部員達に、例の女生徒はこっちが
客だと切れるが、部員に手を出す客はいらないと彼らは一蹴した。

ふとハルヒの生徒手帳の中を見た環。そこに貼ってあったハルヒの顔写真は、なんと綺麗な
ロングストレートの女の子。ハルヒは「美少年」ではなく「美少女」だったのだ。
他の部員達は皆気付いていたらしい。ハルヒにときめく環。これは恋の予感?と思いきや
ハルヒは女の子に騒がれるのが結構好きだとかで男装に徹することになったのだった。
640桜蘭高校ホスト部:2005/11/12(土) 16:36:30 ID:???
<主な登場人物>
藤岡ハルヒ 1−A。奨学生。男装美少女。他人の性別や美醜に興味がない。
        ホスト部の馬鹿騒ぎをいつも冷めた目で見ている。
須王 環   2−A。ホスト部部長。自称キングだが誰も呼ばない。通称「殿」。
        日仏ハーフの美形。理事長子息(妾の子)。アホの子。ハルヒを好き。
常陸院光  1−A。悪戯大好き双子の片割れ。馨より子供っぽい。右分け。
常陸院馨  1−A。左分け。ハルヒのことを二人でオモチャ扱いしている。
鳳 鏡夜   2−A。ホスト部副部長。影の部の支配者で全体の管理をやっている。
        出世欲旺盛で腹黒い。鳳家の三男。
埴之塚光邦 3−A。通称ハニー先輩。3年だが150pにも満たない小ささで可愛い。
        実は空手の達人。主食はケーキ。いつも兎のぬいぐるみを抱えている。
銛之塚崇  3−A。通称モリ先輩。代々埴之塚に使える一族で、主従関係が解けた今も
        いつも寡黙に付き従っている。剣道の家元。

藤岡涼二    ハルヒの父。オカマバーで働く金遣いの荒いオカマ。源氏名は蘭花。
宝積寺れんげ 1−A。フランス帰国子女。腐女子な趣味のお嬢様。
鷹凰子嗣郎  初等部5−A。通称シロ(君)。生意気で意地っ張り。
猫澤梅人    3−B。黒魔術部部長。日光が苦手。フードを取ると美形。
641桜蘭高校ホスト部:2005/11/12(土) 16:42:19 ID:???
基本的に一話完結のコメディです。
大抵ゲストキャラが出てきて、彼らに関わるトラブルを解消したり
学園内でのイベントや他の部との間で起きる事件の話や
メインキャラの過去や家族に迫ってみたりといった感じです。
サザエさん方式で何度季節が巡っても彼らは年を取りません。
メインキャラのほとんどがA組なのは、家柄と成績でクラス分けされるからです。
642マロン名無しさん:2005/11/12(土) 17:04:29 ID:???
オツage
643マロン名無しさん:2005/11/12(土) 17:09:58 ID:???
乙。
ホスト部前から気になってたんだよね。
質問なんだけど、ホモ臭強い?白泉社ってその辺がどうにも苦手で…。
644マロン名無しさん:2005/11/12(土) 17:52:08 ID:???
>>643
ホモ色はないと思います。
どっちかというと逆ハーレムな話かと。
上には書いてませんが常陸院兄弟もハルヒを好きなような感じなので
645643:2005/11/12(土) 18:46:14 ID:???
レスありがとう。
そっかー、そんならぜひ読んでみようと思います。
イイ男もいっぱいいるっぽいし。
646マロン名無しさん:2005/11/12(土) 21:22:40 ID:???
設定でハルヒに萌えたんだけど少女マンガなのかぁ。
男が読んでもおもしろいかな?
647マロン名無しさん:2005/11/12(土) 22:32:17 ID:???
ハルヒ萌えだけが目当てならなんとか読めると思う。ギャグのテンポとかは人を選ぶと思うのでなんとも言えない。
648マロン名無しさん:2005/11/12(土) 22:52:58 ID:???
>>646
ハルヒに俺女・僕女を期待してると撃沈するかも。
別段男っぽいわけでもないニュートラルな感じなので。
一人称も「自分」だし、基本敬語なキャラ。
649マロン名無しさん:2005/11/12(土) 23:06:02 ID:???
ホスト部は逆ハーレムとかホモとかをネタにして笑う、という感じの作品だから男でも読めると思う。
男でも読める少女漫画スレで紹介されているし。
650マロン名無しさん:2005/11/13(日) 00:47:27 ID:???
ネタ部分もあるけどマジ狙い部分もあると思うよ。面白いけど自分はちょっとそこ引くから。
651マロン名無しさん:2005/11/13(日) 13:49:34 ID:???
男だから少女漫画を読めないと言う人種がいまだに存在するのか
652マロン名無しさん:2005/11/13(日) 13:54:53 ID:???
まあ少女漫画は少年漫画より本来の対象外に媚びないからね…
653マロン名無しさん
保守ろう