ストーリーを教えてもらうスレ Part11

このエントリーをはてなブックマークに追加
130お父さんは心配症:1
単行本に第一話として掲載されている投稿作品版を紹介します。
手っ取り早くあらすじがわかる濃縮版ですのでまるまるご紹介。

放課後の公園で、佐々木典子は腕時計を見て大慌て。
「きゃあーもう5時50分、帰らなくちゃ」
「えーもう帰るの?」BFの北野は不満そう。普通の人なら当然の反応だ。
「ごめんね北野くん、うちのおとうさん心配症なの」
まあしょうがないかと快く手を振ってくれた彼に何度も謝り、必死で走る。
『うちのおとうさんのことだから今ごろきっと大騒ぎしてるわ』
「ただいまぁ」
「娘がまだ帰ってこんのですよ、ちゃんと聞いてるんですか?あんた本当に警察官?」
『やっぱり…』
典子の父光太郎は、案の定警察に電話をしていた。その受話器を奪い電話を切る典子。
「おとうさんたらちょっと遅くなっただけで大騒ぎしないで!
私はもう16歳よ!門限が5時半だなんて守れないわ!」
「なんだと、かあさんが死んで以来男手一つでお前を育てたのはわしだぞ!」
毎回恒例の問答中、電話のコール音。ぶつぶつと部屋に戻る父を尻目に受話器を取る。
「あっ…典子か、おれ北野!」「えーーー!」
男の子からの電話は困るとわかってはいたが、ノートを借りたままだったからと言う。
「あっ…うんわかったすぐに行く。大丈夫よおとうさんはトイレにでも行ったみたい。うんじゃあね」
早口で話して受話器を置く。…光太郎が電話の横に座って、紙筒を耳に当てていた。
「おとうさん!」「典子!今の男は誰だっ!」
「どっ…同級生よ、ただの友達!いってきまァース」