1 :
マロン名無しさん:
修羅の門 川原正敏 8点
異種格闘技の面白さがたっぷりと味わえる格闘漫画の金字塔。
『バキ』『タフ』と並んで3大格闘漫画と称されることもある。
あっさりとした絵と単調なコマ割が格闘漫画として迫力に欠ける面は
あるが、色々な格闘技の技がぶつかり合う面白さは格別。
実在の人物をモデルとした格闘家が数多く登場する格闘シーンは
リアル寄りではあるが主人公が繰り出す奥義はかなりファンタジー。
特に足を交差して真空波を生み出す龍波はもはや黒歴史か?
最大の欠点は主人公が千年無敗の流派の最強の継承者であるという
設定であるため、どんなに窮地に追い込まれても負ける気がせず
緊張感を削ぐということ。
いよいよクライマックスに向けて動き出したところで実質未完のままで
最終回を迎えてしまった。
続編の登場が強く望まれる。
ラブひな 赤松健 6点
『美少女に囲まれるさえない主人公』という図式のハーレム漫画の
ひとつの到達点。
数多く登場する萌えキャラたちの造形の見事さは特筆に価するが
良くも悪くもそれだけで成立している作品。
幼少の時の約束を果たすために東大を目指すという設定が
無理ありすぎだし(相手がその約束を忘れている可能性に
ついて主人公は全く思い至っていない)、展開もベタ。
ハーレム漫画で主人公がさえない男というのはお約束だが、
その中でもこの漫画の主人公のダメ人間ぷりは頭ひとつ
抜けており、なぜいきなりもてはじめるかが理解できず、
その辺りが受け入れられない読者も多いと思われる。
とにかくストーリーは無視して、萌えキャラたちの生き生きとした
リアクションを楽しむのが吉。
ただ、無理矢理連載を引き伸ばされた終盤は無視できないほど
ストーリーがグダグダになっているのは残念。
4 :
マロン名無しさん:05/02/22 11:46:36 ID:eBHgmR9L
童夢 大友 克洋 9点
大友克洋が『AKIRA』でブレイクする前に描き上げた日本SF大賞受賞作品。
全編ホラータッチで描かれ、特に次第に日常が崩れていく前半の
緊張感が素晴らしい。
そしてそして終盤のカタストロフィは『AKIRA』に勝るとも劣らない
迫力。
最初から最後まで全く隙のない一気読みの大傑作。
軽井沢シンドローム たがみよしたか 7点
元暴走族総長のカメラマンが軽井沢でモテモテの日々を送りつつも
暴走族の抗争に巻き込まれたりもしてデンジャーなイベントもありの
青春ストーリー。
ハーレム漫画でありながら主人公が不良性の強いプレイボーイ、
濡れ場多数という点で俗に言うハーレム漫画と対極をなす作品。
こわもての兄ちゃんたちが多数登場するが、そのキャラが
3頭身になったり、オタクネタにやたら詳しかったりするギャップが
作品の魅力。
ただ終盤は絵も登場人物の掘り下げも軽くなりすぎ、やや空気漫画
と化したのが残念である。
バルセルク 7点
蝕辺りまでの話はデビルマン臭が非常ににじみ出ているが
エログロ描写も非常に心地いいぐらいに作品にあっていて
とても面白かった。
しかしそれ以降はどこか抜けたガッツとうざったいエルフが
作品の重々しさを失わせている。
普通の作品になってしまった
>>6 べルセルク 7点
蝕辺りまでの話はデビルマン臭が非常ににじみ出ているが
エログロ描写も非常に心地いいぐらいに作品にあっていて
とても面白かった。
しかしそれ以降はどこか抜けたガッツとうざったいエルフが
作品の重々しさを失わせている。
普通の作品になってしまった
グラップラー刃牙 9点
最強を目指す主人公の少年が東京ドームの地下闘技場で
熱戦を繰り広げるリアル格闘漫画。
地上最強の父の背中を追いかけて様々な強敵に立ち向かう
という設定を忘れてしまう程、戦闘の内容にインパクトがある。
しかし、話しが進むにつれてリアルからかけ離れていくのが玉に傷。
ちなみに、続編の「バキ」は内容の薄さから6点。
保守
ハーメルンのバイオリン弾き 渡辺道明 6点
大筋は王道的な冒険ファンタジーだが、過酷な宿命を背負った
主人公の運命とヒロインを徹底的にさらしものにしたやりすぎな
ギャグとのギャップが強烈なインパクトを残す。
ただ終盤になるとギャグとシリアスのバランスが崩れてしまい
一本調子になってしまうのがかなりのマイナス点。
紅い牙 ブルーソネット 柴田昌弘 7点
世界の支配を目論む秘密結社とエスパーたちの戦いを描いた
SFアクション。
少女漫画ではあるが作者が男性であるために美少女たちの
アクションシーンやサービスカットも充実の、むしろ
男性の方が楽しめる娯楽大作。
70年代作品なのでさすがに設定に古さを感じるところはあるが
スケールの大きなストーリーは読み応えあり。
ヒロインのランよりも敵キャラのソネットの方が可愛い。
しかし、最終回で伏線を回収しきれず、なんともあっけなく終わって
しまったのが、作品全体の印象を悪くしてしまっている。
12 :
マロン名無しさん:05/02/23 19:10:42 ID:dWAW055U
まほろまてぃっく ぢたま某 8点
メイド萌え漫画。
しかし、その本筋は地球の命運を賭けた戦いを描いたSFアクション。
アニメのトンデモ最終回にショックを受け、原作を手にしてみたのだが
その完成度に感動(アニメも終盤以外は悪い出来ではない)。
萌えとシリアスがバランスよく配置されてあるその構成。
先行したアニメ最終回と同じようなシチュエーション採用しながら
感動のラストへとつなげた木目細かな描写。
文句なく傑作である。
ただひとつ残念なのは作品の肝であるまほろさんの
命のカウントダウンが途中で曖昧になってしまったこと。
光る風 山上たつひこ 8点
急速に右傾化する架空の日本を舞台に、その動乱に巻き込まれる少年・弦の姿を描いたポリティカル・フィクション。
物語の中核となる藻池村の畸形達の密祭から始まり、特務警察による容赦ない弾圧、
カンボジアに投下される中性子爆弾、国際協力の名の下に海外派兵する自衛隊、
傷痍兵となった弦の兄の壮絶な姿等、およそ少年マガジンに連載されていたとは思えないほど
ハードな描写で描かれる物語は骨太で、一歩間違えれば作者に圧力がかけられそうな内容。
”国家”と”権力”と”戦争”について考えさせられる作品。
ゲッターロボアーク 石川賢 6点
待望の漫画版ゲッターシリーズ最新作
・・・だが話数が極端に少なく、必殺技の名前がダサく、今まで以上に3(カーン)の出番が無く、
そして最後は戦力外通告を受けてヘタレ化したり(仕方ないけど)そして未消化気味で終わった敵との戦い、
そしてトドメにエヴァの・・・・・と個人的にゲッターサーガで初めての駄作と思っている。
雑誌が休刊したからという理由もあるが・・・・・。
しかし、前作の敵との共闘、ゲッターエンペラーの本格的な登場、そして仲間との決別を
最後の最後で描き、「戦いはこれからだ!!」とはまた少し違った終わり方で「第1部完」
という形で終わらせた作品。
6点は以上3つの点からと作品への期待として・・・・・。
川原正敏を語るならパラダイス学園はかかせないな
16 :
マロン名無しさん:05/02/24 01:18:26 ID:/Hl8mDOp
パラダイス学園 川原正敏 3点
「この作者がこんな漫画を?」の代表的作品。
『修羅の門』『海皇紀』等の格闘冒険路線で
月刊マガジンをしょって立つ男、川原正敏のデビュー作。
この作品を読む限り現在の路線は全く予想できないエロ萌え漫画。
内容はひとことで言うと意地悪なライバルや欲望丸出しの
生徒たちによってヒロインがいつもひどい目にあうといものだが、
このヒロインがおとなしいだけが取り柄のうざい勘違い女で全く萌えない。
デビュー作だけあって絵も展開もこなれておらず全体に駄作感が漂っている。
ただ、ヒロインが子豚の群に舐めまわされる、おもらしを2回もする、
最終回が主人公とヒロインの新婚初夜(2人は中2です)など
その手の読者には強いインパクトを残したと思われる作品である。
17 :
指し指 ◆6wmx.B3qBE :05/02/24 08:41:45 ID:fuvRHd5w
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 満点, |
|__∩ .. ∩_|
| /三三二=-
ヽ(a ´3`)/
| /
18 :
マロン名無しさん:05/02/24 13:40:37 ID:aaZAA1On
ジュリエットの卵 吉野 朔実. 8点
兄と妹の近親相姦をテーマに描いているが、一昔前の少女漫画なので
直接的なエロシーンはなし。
情緒的な絵と洗練された言葉を併せ持つ完成度の高い作品。
コミカルなシーンも多いので安心して読んでいたら
悲劇的な結末になってびっくりした。
19 :
マロン名無しさん:05/02/25 05:57:12 ID:20UJ9xzz
That'sイズミコ 大野安之 7点
超科学を駆使する美女、イズミコの日常と冒険の物語。
ハードSFとファンタジー、ギャグとシリアスが混在した
ごちゃごちゃの展開はクセがあり、万人向けとは言えないが
妙に忘れ難い味わいがある。
特に物語中盤で見せるスタイリッシュな情緒性は個人的に
お気に入り。
イズミコの親友、夕湖とエスパー小学生・嵯峨の濡れ場は
当時衝撃的だった。
しかし、最終回は唐突であまり面白くない。
ドラゴンクエスト4コママンガ劇場4 すずや那智、石田和明他 5点
月刊少年ガンガンが創刊される直前の巻。
これら4コマの成功によって
ガンガンが世に出るに至ったと言っても過言ではないだろう。
総勢13名+αで構成される豪華な内容。
ドラクエに魅了された少年達の二次娯楽として大きな役割を果たす。
作家によって才能に落差があり、それらを楽しむもまた一興。
この中のメンツで一番化けたのは柴田亜美か。
栗本の画力は必見。
21 :
マロン名無しさん:05/02/26 05:51:20 ID:jj5+DyML
押忍!空手部 高橋幸二. 6点
不良格闘漫画だが、インフレがハンパじゃない。
初期の頃は主人公の強さは現実レベルだったのに
最後の方はドラゴンボール並の超人対決を演じている。
また崖で宙吊りなってタイマンしていた主人公が
後に高所恐怖症の設定になっていたりして整合性も皆無。
ただただ勢いだけで走っていく作品。
寄生獣 岩明均 9点
人間に寄生し、頭部を完全に乗っ取り、人間を捕食する生物。
平凡な高校生は右腕に寄生生物を宿し、
否応無く寄生生物と人間の境界に追い込まれていく。
生物とは何か、人間とは何か。環境問題を扱ったこの漫画は、
最後まで明確な結論を提供しない。
ただ、登場人物(生物)たちが自分なりに考えて行動していくだけなのだ。
そこに押し付けがましさはなく、現在でも通じる思想が生きている。
それは哲学の弁証法さながらだ。
私たちも自身を新一に投影し、ミギーとともに考えていく。
漫画初心者に素直に薦めることができるのは、その優しさゆえにだろう。
絵は見るからに下手である。癖のない、プレーンな下手さだ。
寄生生物たちの変形は当時としてはインパクトがあったものの、
今となっては多くに影響を与えたがために風化している。
しかしどれだけ画面が垢抜けていなくとも、
この漫画の真価が決して色あせることはない。永劫にない。
文句なしの10点…といいたいところだが、やはり過去の作品だ。
いささかテーマが古びて感じることもある。
絵柄のことも併せて、-1点で9点としたい。
23 :
マロン名無しさん:05/02/26 11:16:27 ID:jj5+DyML
誰かなるたるのレビュー希望
GTO 藤沢とおる 5点
元ヤンキーの型破りな教師が問題を抱える生徒たちにぶつかっていく
熱血ストーリー。
ドラマ化もされた有名作で確かに熱い展開は面白い部分もあるのだが、
後半のループぶりはひどすぎ。
主人公・鬼塚の前に次々と立ち塞がるのは
「大人に裏切られて(実は誤解)屈折した生徒」というパターンだけで
バリエーションというものが全くない。
伏線投げっぱなしのラストも唖然。
25 :
マロン名無しさん:05/02/26 12:23:21 ID:J8/dV5ek
>>5 ×たがみよしたか
○たがみよしひさ
とがしよしたかと混ざったか?
つかレビューするのに作者名間違うなYO
キャプテン翼 高橋陽一 10点
サッカーの天才少年大空翼の国内、海外のライバル達との熱戦を描いた大作。
荒唐無稽なトンデモサッカーという印象があり、事実その通りなのだが
小学校→中学校→世界大会のストーリーの軸、流れ自体は完璧である。
日向との長きに渡るライバル関係の果てに、同じ日本代表としての共闘。
小学生大会から3年ぶりに世界で結成される岬とのゴールデンコンビ。
そして第一巻での煽りの通り、翼と若林、二人の力で日本を世界一に導いたJrユース大会。
数々のカタルシスが作中に盛り込まれ、完結の仕方も完璧と言って良いものだった。
今の作者から考えるとここまでまとまったストーリーが作られたのは奇跡としかいえない。
ルールを無視した荒唐無稽な試合、作者のちょっとピントの外れた恋愛シーン
もむしろギャグとしては最強なので+評価になってしまう。
キャプテン翼〜ワールドユース編〜 高橋陽一 4点
キャプテン翼の続編に当たる。成長した翼たちの世界を相手にした死闘を描く。
はっきり言って駄作である。4点のうち3点は前作のブランド効果みたいなものだ。
(新連載だったら間違いなくもっと早く打ち切られていただろう)
基本的には前作と変わらない、しかし、作者の贔屓が翼と若林、さらにひたすらウザイ
新キャラの葵に完全に偏っており。
3試合無失点の日向、事故で強制退場させられる岬、悲惨なくらい弱体化した三杉、かませ犬と化したシュナイダー
など前作のファンにケンカを売ってるとしか思えない展開の数々に人気は急落の一途となり
連載前の読み切りから散々因縁、伏線を貼ってきたオランダ戦が見開き2ページで終わるという
ある意味伝説となる事態が起こった。
前作の価値を貶める存在でしかないはっきり言ってなかったことにして欲しい漫画である。
キャプテン翼〜ROAD TO 2002〜 高橋陽一 6点
ワールドユース編のさらに続編、ブラジルからスペインのバルセロナに
移籍した翼他、若林、日向らの2002年を見据えたプロでの闘い描く。
ワールドユース編よりはかなりマシである。
完全無敵状態だった翼にリバウールという新しい壁が立ちはだかったり
シュナイダーが再び活躍したり、楽しめる要素は十分あった。
作者がなまじリアルサッカーをかじりだしたがゆえ、中途半端にトンデモサッカーに
リアルな要素が混じり、余計滅茶苦茶なサッカーとなってしまったが。もともと
マトモなサッカーなどこの漫画に誰も求めていないので、ネタとしては最高に楽しめる出来。
基本的には面白いのだが、やはり面白さの8割方が作者の意図とは違う「ネタ的」な面白さ
となってしまっている点でやはり無印には遠く及ばないだろう。
まーじゃんほうろうき 西原理恵子 8点
ごく初期のころは麻雀を良く知らない素人娘(西原理恵子)の
ぼけっぷりを描いたほのぼのとも言える作風だったが、
どんどんギャンブルにはまっていく主人公(西原理恵子)を
描いたなんだかささくれだった作風に。
両方とも面白いが、単行本で一気読みするの初期と後期のギャップに
少しクラクラする。
30 :
マロン名無しさん:05/02/27 09:55:58 ID:i7tKJewq
>>27 ワールドユース編は、脱かませ犬宣言しながら
あいかわらずのかませ犬で最終回になって
若林の取ってつけたようなフォロがあるのみの
若島津も納得いかねえ。
ディスコミュニケーション 植芝理一 7点
ファンタジーの皮をかぶった変態漫画。キャッチフレーズは
摩訶不思議恋愛漫画。
目隠しプレイ、女装、のぞき、ボディペインティング、おもらし、唾液など
毎回さまざまなフェチズムが登場し、SF的解釈が加えられたりする。
エロ漫画ではなく、あくまでもファンタジーとして描かれているのが
ミソでそれが逆に淫靡な雰囲気を醸し出している。
32 :
マロン名無しさん:05/02/28 03:37:44 ID:ozZoBYuC
きまぐれオレンジロード まつもと泉 5点
80年代を代表するラブコメ漫画。
おしゃれっぽい絵とラブコメの王道をいく展開が受けてヒットしたが、
ストーリはベタ、主人公がエスパーという設定が生かしきれてない
など個人的にはイマイチな作品。
33 :
マロン名無しさん:05/02/28 10:40:40 ID:elqDwrLr
ドラゴンボール 鳥山明 7点
日本を代表する漫画に7点というのも失礼な話だが
しかし、あの今となっては伝説的な迷台詞、
「最終回じゃないぞ、あとちょっとだけ続くんじゃ」の後の
回を追うごとにひどくなるグダグダ感、止まらないインフレ
単調なパワー合戦、どんどん役立たずになるかつては
輝いていた脇役たち、といった要素は大きな減点対象だと思う。
それでも復刻版を通して読んだりすると当時は不満だった
個所もそれなりに面白く読めてしまうのはさすがだと思うけれど。
ホーリーランド 7点
掲載誌、ヤングアニマル。2005年TVドラマ化決定。
ストーリーは引篭りの少年が街の不良たちと喧嘩をしていくなかで
迷いながらも自らの「居場所」を模索していくというもの。
格闘シーンでは作者が自らの体験談も交え、独特の口調によって「解説」がなされる。
しかしその「解説」に信憑性があるか否かは議論の分かれるところである。
個人的には、むしろ主人公ユウの人間関係における心理描写の方が
上手い描き方がなされていると思う。
絵柄は可もなく不可もないといった感じで、特に印象に残るような絵柄ではない。
>>33 そうそう。漏れは連載時はセル編からいらないと思ってたんだけど
まとめて読むと、これが結構面白いんだよな。
そのあたりは、流石だと思う。
RED 村枝賢一 8点
ヤングマガジンアッパーズ掲載。
アッパーズ廃刊後、ヤングマガジンに移籍。現在も連載中。
ストーリーはアメリカ軍に皆殺しにされたインディアンの部族「ウィシャ」の生き残りである
主人公レッドが、復讐のために戦うというもの。
レッドのみならず、伊衛郎、村崎、グレイ、アンジー、スカーレット、チリカといった
サブキャラ達も丁寧に描かれ、主人公並みのキャラ立ちをしている。
銃撃戦描写は非常に上手く、躍動感、緊迫感がある。
青年誌に連載していることもあり、ムダに抑えた描写になることもなく、
銃撃戦で死ぬ時は頭が吹っ飛んだり腹に穴が開いたりして、壮絶さもしっかり魅せる。
また、日本とアメリカの時系列もストーリーに考慮され、
日本では幕末から明治維新の動乱時期、アメリカ大陸では先住民強制移住
法が制定される時期を「それらしく」描いており、その時代の雰囲気を感じさせることで
リアリティある背景が出来上がっている。
38 :
マロン名無しさん:05/02/28 12:18:11 ID:94rgSdMu
エルフェンリート 岡本倫 6点
ヤングジャンプ連載中。
本能的に人間を虐殺してしまう新人類「ディクロニウス」と
それを利用して世界を動かそうとする角沢一族、
そしてディクロニウスと出会った人間たちのさまざまな人間関係を描いたバイオレンスグロ漫画。
単行本の表紙はいかにも萌え漫画的な感じであるが
実は腕がちぎれ、首が吹っ飛び、血しぶきが飛び交うという暴力描写が満載であり、
表紙に騙されて買った人も結構いるらしい。
序盤で人気の出そうなキャラがあっさり殺されたり、
純粋な少女であっても腕や足が吹っ飛んだりと容赦がない。
かと思えば、少女のピンチに男がかけつけ悪い奴ををぶったおす、という燃え展開もあったりして
予想がつかない。
絵は序盤の頃は極めて下手であり、ネタとしてもてはやされもしたが
巻数を経るごとに上達している。
あと、妙にエロゲー的なというか変態なシーンも多い(おむつ等)
また、主人公がほとんどのサブキャラに個性や人気を食われており、ほとんど存在意義がない。
個人的には毎週の予想のつかない展開のインパクトと、女性キャラの「萌え」で楽しむ漫画だと思う。
おもしれーからこそグダグダになっても続いたんだろ>DB
まあ、終わりよければすべてよし だ
>>39 面白いとグダグダは両立するものだろうか?
人気があったのは認めるが、あのインフレ化に多くの読者が
辟易していたのも事実だと思うぞ。
鳥山氏に直接聞いた話だけど(一度だけご縁があった)
本人はセル編以降、とにかく止めたくてしょうがなかったそうだ。
編集がそれを許さないほど人気があったともいえるんだけど。
新方式
レビュー・リクエスト
どなたか 『俺たちの頂』塀内夏子(真人) をレビューしてください
グダグダでもおもしれーもんは面白いんだよ。
セル編糞とか言ってる奴もなんだかんだで10回以上読み返してるだろ。
完全版の売上げだってフリーザ編終了後も相変わらずトップクラスだった。
まぁここで議論はスレ違いですよ、と。
>>43 高得点つけて、そういうレビューすればいいじゃん
46 :
マロン名無しさん:05/03/01 09:15:14 ID:mmLbKdR+
人間凶器, 中野喜雄 7点
『巨人の星』『あしたのジョー』の梶原一騎原作の空手漫画だが
『空手バカ一代』などのストイックさとは対極にある
梶原一騎暗黒面大全開のバイオレンスコミック。
とにかく主人公が極悪。
大山倍達をモデルにした空手界の総裁にその才能を
見込まれているのだが、すぐに裏切り犯罪に手を染める。
女を人質にする、公衆の面前で裸にする、強姦、浣腸当たり前。
そのくせ覚悟の足りない臆病者で小便を洩らして命乞いしたり
するし、空手の腕は一流なのだが達人クラスにはあっさり負ける
ヘタレ野郎。
そんな悪い意味で人間くさい主人公が意表をついた
アンチヒーローものの異色作でエロとバイオ系の劇画が
好きな人にはオススメの一品。
ただし大人の事情で最終回があまりにもあっけなのは
残念の極みである。
アンチヒーロー
47 :
マロン名無しさん:05/03/02 05:11:45 ID:TjIWKbkv
なるたる 鬼頭莫宏 10点
タイトルは「骸なる星、珠たる子」の略らしい。
竜とは何か。
世界のあらゆる宗教に登場する竜。
その竜と神の関係や宗教信仰について真っ向から挑んだ意欲作。
竜の子とリンクし世界の命運を左右するほどの力を得た子供達。
ある者は自分に課せられた使命を追い求め、またある者は自身の欲望により破滅していく。
「未来に贈るメルヘン」と銘打たれたこの物語に救済はない。
48 :
マロン名無しさん:05/03/02 11:05:01 ID:ISkbOQPX
ここだけのふたり 森下裕美 8点
高校教師の旦那と元教え子の妻、そしてその周辺に集まる
個性的な人々との交流を描いた4コマ漫画。
可愛らしい絵柄で雰囲気もほのぼのしているのに内容は
結構毒があり、そのギャップが最大の魅力。
日々変わらぬ日常が続いているが幼稚園児だった親戚の子が
大きくなっているなど所々に時の流れを感じさせる描写がある。
学生時や新婚時代は不思議ちゃんだった妻が、次第に
ツッコミ役になっていくのも面白い。
49 :
マロン名無しさん:05/03/02 11:54:54 ID:1WLRHiba
>>49 こんな漫画読んだことあるやついないと思うんだが…
ここでのレビュー待つよりお前が買った方が早いと思うぞ
なんだか頭の悪そうな漫画だ。
物事を単純化しすぎ。
北斗の拳 原哲夫 9点
核戦争によって滅びた世界で主人公:ケンシロウが北斗神拳を駆使して悪と闘う話。
劇画調の絵は苦手だったが、これを読んで素直にすごいと思った。
ストーリーは突っ込む所は多々あれど、その迫力に圧倒され妙な説得力を感じた。
このマンガのテーマは「最強」ではなく「愛」なんだなぁと。
愛すべきキャラが次々と散っていく展開は悲しくなった。
これほどキャラが立っていて、なおかつほとんど死ぬマンガはなかなかないと思う。
だから面白いのかもしれない。
蛇足と言われる第2部以降も、シャチやヒョウなど熱いキャラは相変わらずで全然読めた。
でもやっぱりラオウ編が一番。みんなラオウラオウ言う理由がわかった気がする。
最終回近くがちょっとグダグダなんで1点減点。
一番印象に残ったキャラはジュウザ。
魁!男塾 宮下あきら 6点
男塾に所属する主人公:剣桃太郎と仲間たちが上級生と戦ったり格闘技のW杯みたいなのに出たりする話。
劇画調の絵は北斗の拳同様見応え十分。キャラもかなり立っている。
ストーリーはあってないようなもの。バトルに特化してるという視点で見れば良作かもしれない。
しかし後付け設定がすさまじく、超ご都合主義な展開は笑うしかない。
死んだキャラが実は生きてたなんて日常茶飯事なのは萎えた。
所々に入る必殺技や流派の解説(通称:民明書房)は一見の価値あり。
作者自身も認めるネタ漫画なんだろうなぁと感じた。
セブンオブタスクス編以降は完全な蛇足なんで減点。
一番印象に残ったキャラは邪鬼。
混沌世界ボルドー 市川裕文 8点
高校生カズマはある日、地球の見えざるもう一つの衛星”ボルドー”に転移。
そこは魔法と科学文明が入り混じった混沌とした世界。数奇な運命から王子となったカズマは、竜神兵”ブランゼラー”と共に
戦いに身を投じる、という話。世界観・設定等、非常によく練られており、特に劇中の魔法+科学の設定は
漫画界でも最高峰の出来。アメコミの影響を感じさせる絵柄や台詞回しと相まって、作者独特の世界観を感じさせる作品。
全5部形成の壮大な物語だったが、惜しむべきは掲載誌の廃刊によって中断。作者も漫画界から退いたため未完の名作に。
56 :
マロン名無しさん:05/03/06 03:29:53 ID:2kKPGmIz
空手三国志 , 峰岸 とおる, 6点
骨法空手の使い手の主人公が様々な強敵と戦う格闘漫画。
ライバル的存在として極真空手をモデルにした団体も登場。
しかし、骨法空手のどの辺が骨法なのかよくわらないし、
必殺技の霞正拳は左手で右の拳を隠して撃つしょぼい技。
他に回し蹴りを回し蹴りで受け止めてその反動で360度
逆回転してカウンターを決めるカウンターKなど必殺技に
説得力は全くなし。
それでも個性的なキャラが最強を争うストーリーは
そこそこ面白い。
続編も出たが非常に中途ハンパな形で終わってしまった。
57 :
マロン名無しさん:05/03/07 13:18:10 ID:s5jt8dla
新レビューまだ〜
アニメみたいに盛り上がらんな
漫画サロンは厨ばかりだからしょうがないべ
漫画サロンは「漫画サロンは厨ばかりだからしょうがないべ」と言う厨ばかりだからしょうがないべ
漫画サロンは
「漫画サロンは厨ばかりだからしょうがないべ」と言う厨ばかりだからしょうがないべ
と言う厨ばかりだからしょうがないべ
ループ乙
週末になったらもう少しにぎわうんじゃないか?
賑わねえよこんな厨板w
どうせレビューしたとしてもお粗末な失笑もんのレビューが投稿されるのがオチ。
最初の頃にお手本としてレビューしてた奴はメロン板の住人だから、
ここの板の奴のみでこのスレが良スレになることはありえない。
下手なレビューで失笑を買うなのならレビューなんてするなよ餓鬼どもw
>>64 ( ;0M0)<ナンデヒッシナンダヨ?
66 :
マロン名無しさん:05/03/11 20:28:24 ID:FlhtTDsz
>>56 人のレビューにケチ付けるようでなんだが、
「骨法」というのは、組み討ちを主とする柔術に対して、
当身を主とした日本の古武術の総称だから、日本本土の古式拳法というだけで骨法と呼べる。
(何故それが沖縄の唐手と一緒になってるんだということを仰りたかったのならスマソ)
霞正拳は、某古武術に実在の技。(名前は違うが)
実在の武術の技ってのは地味なものなんです。
カウンターKは……仰るとおり。
漫画はタイトルが多すぎるから逆に書きにくいのかな
ジャンルを絞った方がよいのかも
今月はこのジャンルみたいな
眠い
一生眠ってろw
70 :
マロン名無しさん:2005/03/26(土) 11:10:40 ID:zalotsHa
ここもじき腐海に沈む・・・
71 :
マロン名無しさん:2005/04/06(水) 07:34:35 ID:gnHUw9Kq
【カメレオン】加瀬あつし 6点
いじめられっこで高校デビューの矢沢栄作が持ち前のハッタリで成り上がる不良漫画。
不良漫画ではあるもののこの漫画の肝は独特の言い回し。
ただのダジャレ(それでもここまで思いつくのは凄いが)をイカレタ絵で笑いに昇華させる。
また、不良漫画と言って敬遠する人も多いが結構オタクネタも満載。
北斗の拳、バーチャファイター、セーラームーン、銀河鉄道999、エヴァなど笑えるネタも多数。
ただ、下ネタに抵抗がある人には少々きついかもしれない。あと少々暴力描写もきつい。
少年漫画の宿命の引き延ばしのせいで後半は勢いが落ちる。
スキンヘッドの椎名がイタズラによってできた口紅の日焼けのせいで、
頭がチンポそのものになる受難を描いた「ルージュの伝言」は必見。
【花田少年史】 一色まこと 9点
一昔前の日本を舞台に幽霊が見えるようになってしまった悪ガキの話。
死んでしまった人間。また残された人間。その悲哀が少年の目を通して描かれる。
守れなかった約束。それを果たす為に死んでしまった、または死にかけた人間が主人公の元へ訪れ、
主人公はいやいや幽霊達の願いを叶える為に悪戦苦闘する羽目になる。
幼くして死んでしまった息子と残された母親を描いた「ひまわり」は必見。
72 :
マロン名無しさん:2005/04/06(水) 07:52:14 ID:gnHUw9Kq
【ワッハマン】あさりよしとお 5点
はるか昔のアトランティスから甦った不死身のヒーロー・ワッハマンの話。
ただの勧善懲悪ものではなく、次第に不老不死の苦しみや存在意義など深いテーマにまでつながっていく。
全11巻のうちの10巻が助走距離に過ぎず、最後で怒濤の展開を見せる。伏線好きには最高の漫画。
ただ、作者の趣味なのか所々で小さな女の子の裸などが出てくる。
正直、個人的にこの辺の流れは作品にとって欠点に写った。
あと最後の方が打ち切りだったのか、少々説明不足で終わる。この辺が無ければ文句無く9点の出来。
それでも充分魅力的な作品。ゆうきまさみのノリが好きな人には抵抗無く見れると思う。
【幕張】木多康昭 7点
ジャンプの問題作。変態・奈良と鉄人・塩田が織りなす馬鹿な高校生活。
その本懐はパロディ。同時期、ジャンプに連載されていてネタにされなかった漫画は無かったんじゃないだろうか?
おしっこが漏れそうな時にJOJO3部のダービー戦が背景に出たりする。はっきり言って書ききれない。
もはや何でもありで後半には編集部の暗部にまで手を出してしまう。下ネタが嫌いな人は見ない方がいい。
【おーい竜馬】小山ゆう 9点
幕末の志士、坂本龍馬の人生を描いた漫画。
歴史資料の少なさを利用し、独自のトンデモを史実の様に描いた少年期。
ゆくべき道に迷ったり、仲間との出会いや別れを繰り返す青年期。
完全に歴史の表舞台の人物として活躍する後年期。
よく坂本龍馬という人物を調べ上げていて、子供の勉強代わりにもなると思う。
岡田以蔵の最後は必見。なかなか泣けます。竜馬の最後をキッチリ描ききったのは凄い。
数少ない問題点は原作者の武田鉄矢の影響か、少々、漫画内にて坂本龍馬のマンセーがすぎる事。
特に大久保利通、桂小五郎などはわりを食い、情けない人物として描かれている。両者が好きな人には御勧めできない。
全く精神年齢低い奴はすぐに点数付けたがるな
痛いスレ立てやがって
75 :
マロン名無しさん:2005/04/07(木) 08:01:24 ID:SccLWc6h
【グラップラー刃牙】板垣恵介 8点
リアルに見せかけたトンデモ格闘漫画。
視神経が首にあったりつっこみどころ満載だが、独特の絵柄と怒濤の展開がそれを有無を言わせず叩き伏せる。
特筆すべきは物語後半に行われたトーナメント。4年という歳月をかけてほとんどの出場選手にスポットを当て、
そのおかげで物語は最高に盛り上がり、バキ人気を不動のものにした。
書いた作者も凄いがこの長期間のトーナメントを許可した編集部も凄い。大英断だったと言える。
おそらく少年ジャンプという土壌では出てくる事が無い漫画。
【国民クイズ】 作 杉本怜一 絵 加藤伸吉 9点
民主主儀が崩壊し、国民クイズ主義という政治形態が支配した日本の話。
国民クイズとはクイズで優勝すると何でも願いが叶うというもの。当然ペナルティも存在する。
国民クイズ主義では 人権=法律<国民クイズ。クイズの優勝者が望むのならいかなる理由であろうと戦争でもなんでも実行する。
あまりにふざけた政治形態。ふざけた絵柄。なのに次第に「こういう政治形態もありなんじゃないか?」と思えてしまう恐ろしさ。
局長の「一生頑張って働き続けたサラリーマンが都内に家一軒立てられない社会は間違っている。しかし、国民クイズなら叶えられる」
この発言を覆せる言葉は今の民主主義には存在しない。最後が打ち切りなのか、消化不良に終わるのが少し残念。
76 :
マロン名無しさん:2005/04/07(木) 09:13:37 ID:Xef0qRJq
点数にはこだわるな。いろんな人の主観レビューを楽しむのが趣旨。
【サトラレ】佐藤マコト 7点
考えている事が筒抜けになってしま「サトラレ」という障害を持った人間とそれを保護する人間の話。
心の中がのぞかれる、という人間を通してコミュニケーションがよく描かれている。
最初は読み切りだったのが急遽連載が決まったせいで暗中模索の感がある。
中盤になってからは今度はネタ切れなのか、またしても迷走し始める。
それでもどうやっても無理のある設定をここまで矛盾を減らしたのは凄い。
一部の終盤の展開も予想のつかない、良い展開になった。現在、長期休載中。
【ストッパー毒島】ハロルド作石 8点
高校野球登板記録を持たずにプロを目指す高速球投手の話。
とは言ってもすぐにドラフト指名され、プロにはなる。しかし、そこはパリーグのお荷物球団。
はっきり言って最初の頃にカタルシスはほとんどない。
馬鹿な監督。無能な投手コーチ。やる気の無い同僚達に傲岸不遜な毒島がひたすら叩きのめされる。
むしろ話は2軍に落とされてから始まる(それでもしばらくの間、毒島は低迷するが。)
それでも話にさほど悲壮感はない。どこまでも傲岸不遜な毒島と癖の強い2軍選手達のおかげでコミカルに描かれている。
さらに終盤は叩きのめされた前半の鬱憤が全て晴らすが如く、爽快。
見開きの佐世保のホームラン描写には鳥肌が立つほど快感を覚える。
敵チームの選手のほとんどが実名(分かりやすい例ならオリックス時代のイチローなどが出る)。
毒島のチームの選手もかつての名選手達がモデルになっている。
当然、ハロルド作石特有のお遊びも多数。同著の「ゴリラーマン」の登場人物も出てくる。
パリーグマニアの伊集院光もこの漫画を絶賛している。野球、特にパリーグ好きな人にお勧め。
【砂ぼうず】うすね正俊 8点
化学兵器で人類が滅びかけた近未来の関東大砂漠。そこに住まう便利屋・砂ぼうずの話。
最初の頃はルパン三世のような一話完結の物語だったが、後半から前半で撒いた伏線を土台にした話が展開する。
主人公・水野灌太は極悪人。最近、よくある実はいい人でした。皆を救う為に悪役やってました、ではなく本物の悪人。
幼なじみだろうが、世話になった人だろうが自分の利益の為なら殺すし、陥れたりもする。
(とは言っても前半はコメディなのでそんなに殺伐とはしない。後半はけっこう政治的な話になる。)
むしろこの辺が作品の魅力にもなっている。偽善的な主人公達に飽きてるのなら見てみるのも良し。
あと銃器がよく出るが詳しい人からすると選び方が不評らしい。作者も砂漠では向かない武器と分かって選んでるらしい。
現在、砂ぼうず編が終わり弟子の小砂編が雑誌で始まっている。
伏線はまだまだたくさん残ってるし、作者が遅筆なのも有名なので本当に完結できるのかは微妙な所。
【デカスロン】山田芳裕 7点
高校野球の投手だった風見万吉が陸上十種競技をこなすデカスロンに挑戦するスポーツ漫画。
見開きを使った魚眼レンズでのぞいたような成功シーンは圧巻。この表現は今後の作者の漫画でも度々使われるようになった。
成功するのかしないのか。その一点にのみ集中した漫画だと言える。とはいえ、他の選手も個性的で十分な魅力を持っている。
万吉の「おぎゃあああああああああ」はなぜだか印象に残る。
デカスロンなつかしい。レビューに関しては何も言うことはないが、
十種競技という珍しい題材を扱った点は評価できる。最後が弱いのと絵のタッチが荒いのが難点か。
80 :
マロン名無しさん:2005/04/09(土) 15:57:31 ID:5wY1WMkj
【ぼくんち】西原理恵子 10点
まず、はっきり言って絵は下手だ。小学生が書いたような人物画と緑色のでかいミミズような山ばかりの風景。
ある三流漫画家が「西原の絵を見て自分でも漫画家になれると思った」と言っている。
しかし、読んでいるうちにこれが大きな間違いである事に気付く。
読んでいるうちに話に次第にのめり込み、円形の集合体が無垢な少年に、緑のミミズが壮大な山々に見えてくる。
絵の上手さがもてはやされる中でこういう絵が書ける漫画家は少ないんじゃないかと思う。
話は貧乏人が集まる島の一番貧乏な家の姉と兄弟の話。
話の中には作者の独自の幸福論のような哲学がちりばめられていて、それにひどく心を揺さぶられた。
自分はこの漫画で家族についてごくごく当たり前の事に気付かされた。
子供にとっては両親は肉親であるが、母親にとって父親とは一生交わる事の無い他人である。父親から見た母親も同じ。
法律上ではつながりがあったとしてもそれ以外のつながりは一切無い。愛し合っているという漠然とした基準でのみつながっている。
人ごとで解釈は違うがこの漫画はこういう発見に満ちている。中高生くらいの人生観なら軽く変えてしまうくらいの漫画。
絵に敬遠せずに一度読んでみてほしい。
【女神の赤い舌】ウヒョ助 7点
ある日、路上芸人の鉄男の恋人・リカが突然いなくなってしまう。
途方に暮れる鉄男の目に飛び込んできたのはリカそっくりの謎の教団の教祖の写真。
鉄男はいても立ってもいられず単身、タイへと向かう。
こんなふざけた出だしで始まる漫画。絵は線が太く、どこか版画のような印象を漂わせる。
わりとありきたりな設定、登場人物でありながら、次々と読者を飽きさせない予想を裏切る展開になっている。
最後が打ち切りなのか、少し駆け足なのが残念。信仰のあり方を問うシンハのエピローグは一見の価値あり。
81 :
マロン名無しさん:2005/04/10(日) 02:26:13 ID:reKu24ET
【ペット】三宅乱丈 9点
人の記憶の中に入り込む超能力者達の話。
一見ありふれた設定ながら、どんな人間でも持っている、最高の記憶「ヤマ」と最悪の記憶「タニ」。
超能力者達の持つ「イメージ」など深い設定で掘り下げていているので斬新に感じる。
主人公達が超能力者と言っても基本的に超能力バトル物ではない。超能力者同士の対決など作中でも3、4回くらいしか無い。
むしろ記憶改ざんの際のスリカエなどの駆け引きを楽しむ漫画だと思う。
絵が少しバタ臭いのと、男同士が強く精神的に依存し合うので少々ホモくさいの唯一の難点か。
打ち切りなのか,中途半端な所で終わってしまう。書ききっていれば文句無く10点満点。
【天 天和通りの快男児】福本伸行 10点
いわゆる麻雀漫画。麻雀のルールを知っている人には充分楽しめると思う。
知らない人にもお勧めなのが16〜18巻で行われるアカギの葬式。この漫画はこの3巻だけで満点の価値がある。
カイジ、銀と金、最強伝説黒沢。これらに感銘を受けた人は絶対に読んだ方がいい。
死や成功。生き方。わりと人生で大事な事を学んだ気になれる漫画。全部が全部それが正解であるとは言えないが。
少なくとも読んだあと、なにかやってみようかな、という気になれる。やる気が出ない人にもお勧め。
82 :
マロン名無しさん:2005/04/10(日) 02:46:38 ID:3RVQgizT
83 :
マロン名無しさん:2005/04/10(日) 11:54:51 ID:sAIrO+Y5
【エンジェル伝説】八木教広 8点
天使のような心と悪魔の外見を持つ高校生が周囲に巻き込まれていくギャグ不良?漫画。
1/3ほどが戦闘でありながら、なぜか殺伐とせず常にのんびりとした空気が流れる。
学校の元番長、黒田はいいキャラ。こいつがいないとたぶん何一つ話が進まない。
最後の話では今までの登場人物敵味方を含めたほとんどが出てきて、なんだか少し寂しくも感じる。
北野君の締めの一言から実は「ボーイミーツガール」物だったのではないかとも思える。
純粋に笑えるし、嫌な気分にもならない。不良漫画が大嫌いな人にでも抵抗無く読める、はず。
【宇宙家族カールビンソン】あさりよしとお 7点
宇宙の旅芸人達が未開の星(おそらく地球)の宇宙船と衝突。
相手側で一人生き残ってしまった赤ん坊を哀れに思った座長はこの赤ん坊の為に、
一つの惑星丸ごと使って、赤ん坊の家族を演じる事を決意する。
残されたデータから再現される地球の習慣は所々破損があるのか、どこかおかしい。
(こどもの日に人間を簀巻きにして海に放り込む など)
あと、マニアックな特撮映画の批判などにも満ちている。(原住民の名前のほとんどが監督の名前)
どこもかしこも牧歌的でありながら殺伐としていて一種のペンギン村のような空気感。Drスランプが好きな人は楽しく読めると思う。
しかし、お父さん役のロボの話やいつかその赤ん坊とも離れなければいけない事実にどこか暗い影を落としている。残念ながら未完。
ny臭がプンプンするぜ
【バジリスク】作・山田風太郎 絵・せがわまさき 8点
山田風太郎の代表作、甲賀忍法帳を漫画化したもの。
人間関係が錯綜し、次々出てくる魅力的なキャラも躊躇無く葬られていく。
最後はやっぱりああいう終わり方しかなかったと思う。
全部見終わったあとに平和だった頃を描いた「二十」を見ると少々悲しくなってくる。
【プラネテス】幸村誠 8点
宇宙のゴミ・スペースデブリを回収する人間の話。
最初は読み切りだったので一話ではユーリが主人公だが、連載が決まったあとはハチマキが主人公に。
急遽連載が決まったせいか、作風がコロコロと変わり、単行本ごとに趣が大きく違う。
1巻は宇宙に住む人々に焦点を当て、2巻は主人公ハチマキが一人突っ走っていく。
3巻でハチマキは遠い所にいってしまい、4巻は一種の短編集のような出来映え。
3巻で精神世界に突入したり、4巻では今ひとつ分かりづらい話もある。作者の宮沢賢治への傾倒が少々鼻につく。
それでも不思議な熱さを秘めていて、1人で激化し、一人冷めていくハチマキは痛々しくて良い。
本格的SF漫画というよりは人間に焦点を置いていて、青春漫画、と言う方が近いかもしれない漫画。
86 :
マロン名無しさん:2005/05/07(土) 10:02:45 ID:8s1hhh3x
じきここも腐海に沈む
>>86 ユパ様が通りがかるたびに浮いてくるのね。
ご愛顧ありがとうございました
このスレはここまで です。。
thank you 2ch and...good bye 2ch world!!
90 :
マロン名無しさん:
kokomo
ziki
fukaini
sizumu