1 :
マロン名無しさん:
) 《 ネギ「今日はみなさんに殺し合いをして
, '´ バ `ヽ もらいます」
l リハリ))ヾ〃
ハ(l ゚ ヮ゚ノ 〃
⊂)_k£ltつ
L__i__l〃
し' し'
華麗に2get
はい 終了。
2JET
5 :
マロン名無しさん:05/02/08 19:16:21 ID:OrMYa1w8
) 《 ネギ「そこ、うるさい
, '´ バ `ヽ なんちゃらかんちゃら光の矢よ」
l リハリ))ヾ〃
ハ(l ゚ ヮ゚ノ 〃
⊂)_k£ltつ
L__i__l〃
し' し'
光陰矢のごとし?
7 :
マロン名無しさん:05/02/08 19:28:37 ID:lb7VSrd3
,,,,__ | | | | | | |
■ |O>、,_ _,---、 | | | |
▼O/'0 l ̄ 「 \| | | |
ゞ----' /\_∧| | | |
/、__|_ノ┤ / ヘ\) | |
( ) ヘ \ノ V |
\_ ノ<_丿 / )|
| ヽ \ / /丿
\ > >--、 | , へ、,,,_
~| (, < / /---、 \
( / \__| と-、 ''ニつ
/ ) | |∧|ヽV|ヽヽ- |
/( \ ~ | /
| ヘ |\_ \
 ̄ \ ノ  ̄
出席番号3番
>>3死亡
8 :
マロン名無しさん:05/02/08 19:58:43 ID:lb7VSrd3
_,.ィ≡三ミミ:;、、
,,r'";ノ彡三ミ;;;;;;;;;;゙ー:、
,,ノ;;;;彡三彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、_
/;;;;;彡三Ξ彡;;;;;;;;;;;;;;;ミミ;ミ
!;;;;;r''"´"´ー''"ノ'ヽ;;;;;ミミ;;;l
,ハf -‐--‐'' ,.、 ゙`ヾ;;;;ノ
__,」.f.} r'''ヽ. `゙'ー レ_ やっぱりバキスレ住人は誰もワカってない。
r二二''く´ 0 ,.>、l ` ゚''′ ,r'。`) /ィj _,..、
,r''/´  ̄,フ´ /l ,... 、  ̄´ /,シ'ーo、 ,.fヒi'-! 今頃3Pになってるという事を・・・・・・
/ ,f′ / / .! ( ,、_ヽ..ノ _ ,イ´ ヽ=:.,`'',ヒ,i ヽ
ノ! i \,ィ'´! ヽ ヽ、``゙;ゝ‐'ノノ,! ゙i、`~.! ゙i、゙!,.ゝ、
ノ/i l _,.ィ''´ i \.  ̄´ ,/ ,i`ヽ、/ ゙i t ヽ ヽ`i.
,/l .i,! ii t ヽ i、 ,.ィ'^t:、,,...ィ''´ ,ノ `ヽ、 ゙t,_ヽ ` ヽ,t、
リ ヾ i ,..、 ゙t, !.゙´ ゙i__,ノ ヽ// /. ,f´彡彡 /l `i
ヽ、 ゙iY `゙''ー-=ヽ、 .゙i, ,/' ゙t, / / 彡i,,彡 ' ' /ノ l
ヽゝ、j'i=:、O `ヽ、 ゙t, / ゙i ,/ ,/-O---, ,i'` f′ l
\ j l `ー--=.イ\ ゙V′ / / `ー'゙ー‐'ノゝ、 ノi ノ
)l l l \ ゙t, / ,.ィ"/ ̄ ̄o ̄7′,.ィゝ''´ ,ハ、 )
ー--‐ハ.゙:-:、_ l. \ ソ ,.ィ'´ /` ゙̄`ー'"i′ ,i/ t, l
l ヽ `ー-=''′ / / / 冫'" ヽj
とっとと殺し合わないと僕が全キャラ犯しちゃうよん
糞スレ立てんなゴミ
面白いと思ってんのか
10 :
龍宮真名:05/02/08 20:09:38 ID:lb7VSrd3
_
..'´ |-|ヽ
,' |_llノリリ」〉_
,'!リノ||゚ ー゚ノ|<>l≡ヨ
ノ⊂〈_=人〉!つ]
/l[◇]
/_l___l
私は死にたくないから乗るよ。まずは、適当なヤツから殺すか。
11 :
明石裕奈:05/02/08 20:13:33 ID:lb7VSrd3
,..-、
ノ|::::::゙、
j゙ ヽ:::::::::゙>‐ - .、
, -‐ッ' `‐-く__ ゙i_
, -‐ッ'゙ / __) `、
,:'' ,'゙'´ ノ゙゙、|, -、 ゙i
i゙ ,... , ' 〉 ./
, -゙'-、、 `ヽ i´ 〈
,' i! j i .i __,' / _. , ' ヽ.
〈 jr=; ゙、! _.. = ュ__. -、 .〉'゙''゙'‐'゙ `‐゙、 \
゙ 、_/,.__....ノ_ ´ ゙、^ヽ ' ア--'、 ゙、
゙ 、 / ゙i , . ,._ / ゙ー'
゙ 、_,, ''‐-'-〈. ヾ.'、/__゙''゙'''゙
` ‐- 、゙、 hふ
゙ -'‐'゙
出席番号2番明石裕奈死亡
sage
ネギ「今日はみなさんに殺し合いをしてもらいます」
ザワザワ、ネギ「そこ!うるさい!なんちゃらかんちゃら光の矢よ」
ドシュ!まき絵「きゃー!あきらー!」
出席番号6番大河内アキラ死亡
アスナ「このクソネギー!」せつな「アスナさん今はこらえて!」
ネギ「さあみなさん好きな契約のアーティファクトを選んで下さい」
そしてゾロゾロと町に出ていく生徒達。
ついに、アスナの番になり学校を出ようとした時、
出席番号五番和泉亜子の死体が転がっていた。
出席番号5番和泉亜子死亡
アスナ「こっこれは、だれが狙ってるの?」
屋根の上に人影が見える、アスナ「千雨さん!」
千雨「私はこんな所で死にたくない!
私はナンバーワンネットアイドルになるのよ!」
アスナは和泉亜子の死体に突き刺さっていたボウガンの矢を引き抜くと
千雨に投げつけた。矢は目に命中し千雨は屋根からころげ落ちた。
千雨「ぎゃーーー!」その瞬間に必死で逃げるアスナ、、
しばらくして千雨は起き上がった。しかし、すぐにまた倒れた。
そして後ろには出席番号12番クーフェイが立っていた。
クーフェイ「私、こんな所で死ねないあるよ」
出席番号25番長谷川千雨死亡
そのころ北の岬に早くも到着してる人影があった。
椎名桜子、柿崎美砂、釘宮円であった。
桜子「このゲームが始まったらもう助からないわ」円「死にましょう」
三人は岬から飛び下りた。
出席番号17番椎名桜子7番柿崎美砂11番釘宮円死亡
南の端では
エウァンジェリン・マクダニエルと絡操茶々丸が話合っていた。
ちゃちゃまる「マスター、ネギを殺すのですね?」
エウァ「、、わたしはどっちでもいいんだこれに乗ろうと乗るまいと」
ちゃちゃまる「え?」
エウァ「どうするかコインで決める事にしたんだ、、」
その時ちゃちゃまるの体が凍りついた、
エウァ「私はこのゲームに乗る事にした、さようならちゃちゃまる」
出席番号10番絡操茶々丸死亡
そのころ、西の端では、
超「クーフェイと茶々丸は来なかたネ?」
はかせ「でもこれだけ武器があれば、、」
パラララララララララ、はかせ「え?ぐろぇば」
超「これだけ武器があれば私が優勝ネ!」
出席番号24番葉加瀬智美死亡
アスナは宛てもなく歩いていた。
私に配給された武器はハリセン、こんなので戦えるの?
「きゃーーー」アスナは悲鳴の方向に走った、
明石裕奈が宮崎のどかを殺そうとしていた。
アスナ「ほんやちゃん!裕奈何してんのよ」
いつもの調子で裕奈の頭をハリセンで叩いた、
しかし、裕奈の頭はパックり割れてしまった。
出席番号2番明石裕奈死亡
アスナ「そんな、、」ほんや「アスナさん、、ありがとう」
美空「はーはは、死ねー、アーメン」
アスナ「美空ちゃん!」ズドーン、美空の頭にかなり大きな穴があいた。
龍宮「死にたくないなら戦いな」
出席番号9番春日美空死亡
その時佐々木まき絵は震えていた、
徐々に近付く足音、超「大丈夫、私に敵意ないネ!」
まき絵は超に抱きついて言った、
まき絵「私怖かったのー、ネギ先生にあんな事言われて、
超に会えてよかぐれぉば」
まき絵の頭には超とはかせの新発明アーミーナイフが刺さっていた。
超「バカね!まき絵」
出席番号16番佐々木まき絵死亡
アスナ「龍宮さんありがとう」
龍宮「真名でいいよ。それにあんたらを助けるためにやったんじゃない」
その時どこかから声が聞こえて来た。
夕映「みんな聞くですー」パル「みんなここに来て!協力しあいましょう」
ほんや「ユエ、ハルナ!」マナ「行くな」ほんや「!?」
マナ「こんなゲームでも乗るやつは必ずいる、
あんな事をすればいい的だ!」
アスナ「だったらなおさら助けなきゃ!」
シュンシュンシュン、
パル「キャー」ユエ「おもらししちゃうですー」
マナ「もう遅い、、
どうやら魔法を使うやつがゲームに乗ってるらしいな。」
出席番号4番綾瀬夕映、14番早乙女ハルナ死亡
マナ「とりあえず日が暮れる前に寝床を探そう」
出席番号20番長瀬楓は坂を急スピードで走っていた。
楓「まさかエウァンジェリンがゲームに乗ってたでござるとは」
楓「!!誰だ」物陰から鳴滝姉妹が出てきた。
風香「楓〜、怖かったよ〜」史枷「楓〜」
楓「大丈夫でござるよ!付いてくるでござる」
楓は家を改造しトラップを仕掛けた所をアジトにしているようだ。
楓「ネギ坊子はやりすぎたでござる、
甲賀流の爆弾でとっちめるでござるよニンニン」
鳴滝姉妹「楓、すごーい」
夜もふけアスナ達は探し当てた家で休んでいた、
アスナ「ホントにこのゲームから逃げれるの?」
マナ「ああ、だが最後じゃないと出来ない、、、、静かに!誰か来る!」
セツナ「おーい、桜咲だ!誰かいないかー!」
アスナ「桜咲さん!」
マナ「セツナ!お前も加わってくれないか?」
セツナ「そこに、このかお嬢様はいるか?」
ほんや「いいえ?」
セツナ「私はこのかお嬢様を探さなければならないんだ、、」
マナ「、、、、見つけたら私のケータイにワンギリしろ
そしたら狼煙を炊く。このかを連れて逃がしてやる」
セツナ「ありがとう、、」セツナは闇の中に消えて行った。
次の日になり、ほんやが熱を出したため医院で薬を調達する事になった。
マナ「気を付けろよ!待て、誰かいる!」
出席番号12番クーフェイだった。こっちに気付いているようだ。
クーフェイ「死ぬアルよ!」
マナ「お前まで乗ったのか、、アスナ私が援護するから前衛を頼む!」
アスナ「クーフェイちゃん、、」マナ「ちっ!」
クーフェイと龍宮の戦いが始まった。
クーフェイ「私が超も真名もみんな殺して助かるアルよぐふぇげろ」
出席番号12番クーフェイ死亡
マナ「アスナ、このゲームは同情したやつから死ぬんだ!
次からは躊躇うな」そこにまた人影が、
シュンシュンシュン、
マナの頬に傷が付く、
マナ「魔法!正体をみせろ」
木陰からエウァンジェリン・マクダウェルが姿を現した。
マナ「のどかを背負ってこいつとやるのは不利だ!逃げるぞ」
、、、、、、、マナ「不利切れない!クソ!」
エウァ「ニヤニヤ」
アスナ「私がオトリになるわ。」
マナ「え?」アスナ「私にはマジックキャンセルがあるの、
私なら助かるかもしれない!」
そしてアスナはエウァに立ち塞がった。
マナ「必ず合流しろよ。」アスナ「・・・」
アスナの体が凍りついていく、
エウァ「人間は脆いな」
アスナが完全に凍りつくとエウァンジェリンは行ってしまった。、、
その頃、セツナは超と対峙していた。
超「私、仲間にするネ」
セツナ「あなたは、信用おけない、、」
超「何であるネ?ワタシ、役立つヨ?」
セツナは超に背を向け去ろうとした。
超「信用してないなら背向けたらだめネ」
セツナ「!?」
超の攻撃を何とかよけすぐに逃げるセツナ。
超「凄い体捌きネ」超はこれ以上追おうとはしなかった
楓「これを学校に投げ込むでござる」
楓と鳴滝姉妹は学校が見える校舎裏にいた。
その時、鳴滝史枷の体と楓の腕が凍りついた!
楓「しまった!ここまで気付かないなんて!
爆弾が出来た喜びで気が抜けていたか、不覚でござる」
楓は風香の手を引いて家に逃げ込んだ。
楓「もう腕は使えぬでござるな、やつはかなりの手誰、、」
風香「、、史枷は?死んじゃったの?」
楓「、、、ニンニン」
風香「あっ、、」今度は風香の体と楓の右足が凍りついた。
楓「ちぃ!」
エウァ「二人をかばいながら私は倒せんだろう?長瀬楓、
二人を見捨てておれば勝機もあったろうに」
楓「二人は見捨てれんでござるよ。おろ〜」
ぐしゃあ!
出席番号22番鳴滝風香23番鳴滝史香20番長瀬楓死亡
アスナはベットから起き上がった。アスナ「ここは?」
アスナ「私は凍りついたはず、、なぜ?」
いいんちょ「アスナさん岬に倒れていたんですのよ」
アスナ「いいんちょ、、そっかマジックキャンセル、、
ここには誰がいるの?」
いいんちょ「朝倉さん、千鶴さん夏美さん五月さんの四人ですわ」
アスナ「そう、、、」
アスナ「そうだいいんちょ、龍宮さんが逃げる方法を知ってんのよ」
いいんちょ「ほんとう?とりあえずお食事をして話ましょう」、、、
村上夏美は恐怖していた。アスナが裕奈を殺すのを見ていたのだ。
夏美「私のアーティファクト、毒で早く殺さなきゃ殺される」
そしてアスナのシチューに毒を入れた、、
五月「あー、アスナのシチューちょっと頂戴!」
夏美「!!」五月「ぐうせらぇぼぉ」
五月は顔を紫に染めて倒れた、
出席番号30番四葉五月死亡
朝倉「誰がこんなことを、、、、アスナに決まってるわ!」
千鶴「まだ決まった訳じゃ、、」朝倉「うるせぇー」
いいんちょ「騒がしいわね、少し見て来ますわ」
、チュドーン!千鶴「あ、朝倉さん、、ごぼぉ」
出席番号21番那波千鶴死亡
いいんちょ「な!朝倉さん何を!」
朝倉「五月をアスナが殺したんだ!アスナを殺すどけ!」
いいんちょ「アスナさんがそんな事する訳ありませんわ、、」
朝倉「なぜお前に分かるんだよー、お前が犯人かー!」
チュドーン!いいんちょうの腹に風穴が空いた、
いいんちょ「くっ!」
いいんちょは朝倉に打ち返したドーン!
朝倉「ぐへぇ」
出席番号3番朝倉和美死亡
アスナ「ちょっと、何なのよこれー」
夏美「いやー」アスナ「あっ、夏美!」
いいんちょ「私は、もうダメみたいあの子だけでも助けてあげて、、」
アスナ「ちょっと、いいんちょ!」
いいんちょ「あなたの事は親友って思っていたわ、、」
アスナ「あやかーーーーーー!」
出席番号29番雪広あやか死亡
屋上、、
アスナ「夏美!」
夏美「来ないで!全部私のせいなの!もう生きていけない。さよなら!」
アスナ「夏美ーーー!」
ぐしゃあ!
出席番号28番村上夏美死亡
そのころ、ザジ「私、ネタないし自殺でもしとくか」
ズキューン!!
出席番号31番ザジ・レニーディ死亡
セツナは洞窟を探っていた。
セツナ「まさか超さんがゲームに乗るなんて!
早くお嬢様を探さないと!」
ガサ、
セツナ「誰かいるの?」
パーン!
セツナ「ぐぅ!」
セツナの腹に風穴が空いた。
このか「せっちゃん!!
まさかせっちゃんやとは思わんかったんや!」
セツナ「、、このかお嬢様よく聞いて、、
今からマナのケータイにワンギリして、、
そしたら狼煙が炊かれるから、、
そこにアスナさんとマナとのどかさんがいます、
助けてくれるはず、、」
このか「せっちゃん死なんといてやー」
セツナ「このちゃん今までありがとう、、」
セツナ「私はいいから早く!ごぼぉ」
出席番号15番桜咲刹那死亡
このか「せっちゃーん」
超「そんなに一緒がいいなら一緒に死なせてあげるネ!」
パララララララ、
チャオとハカセの新発明マシンガンで
このかの体に大量の穴が空く!
このか「げるぉじょばぁげぉ」
このか「せ、、せっちゃ、、」
パララララララララララ
出席番号13番近衛木乃香死亡
超「いい事聞いたヨ、マナの携帯ネ!」
超「!!?」ガシャーン、
エウァ「お前の発明は厄介だが先に凍らせてしまえば何の事はないな!」
超「ちょっと、待つネ!!話を、」
シャキーン、ガシャーン!
超は凍り漬けとなり砕けちった。
出席番号19番超鈴音死亡
エウァ「ケータイか、」ピッ、
マナ「セツナからだ!」
ほんや「アスナさんは大丈夫でしょうか、、」
マナ「待つしかない、」
エウァ「あそこか、、、」
マナ「誰か来た。誰だ?」
アスナ「私よ、狼煙見えたから、、」
ほんや「アスナさん、無事だったんですね」
、、、、マナ「何かオカシイ、
魔眼!あれは、エウァンジェリン!」
マナ「こっちに来るぞ!」
アスナ、ほんや「え??」
マナ「セツナが殺られたのか、、、」
「アスナ今回は躊躇するな確実に死ぬ!迎え撃つぞ、」
アスナ「うん!」
エウァに飛びかかるアスナ、
エウァに銃弾を浴びせるマナ、
しかし全て避けられる
マナ「くっ!」
ほんや「私、心が読める本持ってます」
マナ「何!」
ほんや「右です!」
チュドーン!!
エウァ「ぐふぅ、」
アスナ「まだまだ〜」
バキィ、
アスナのハリセンを受け流石のエウァンジェリンも
脳をやられ死亡した。
出席番号26番エウァンジェリン・A・K・マクダウェル死亡
ほんや「ついに私達だけになっちゃったね」
アスナ「早速逃げようマナちゃん」
マナ「、、その話なんだがないんだ」
アスナ「え?」
マナ「ウソなんだ全部、、
お前らのおかげでエウァンジェリンも倒せた有難う、」
そう言うとマナはアスナに鉛玉をぶちこんだ
チュドーン!
アスナ「ぐふぅえぐぁ」
ほんや「きゃーー」
マナ「お前もだ、、」
チュドーン!
ほんや「ぎゃあぁあぁおぉ」
出席番号番号8番神楽坂明日菜27番宮崎のどか死亡
マナ「さあ、私の優勝だ!さっさと連れて帰れ」
ネギ「まだですよ、えーと出席番号18番龍宮真名さん」
さよ「私がいます〜」
マナ「な、見えないぞ!どこだ!」
さよ「もう、取り付いてますよ」
マナ「え、、、手が勝手に、、」
チュドーン!
龍宮真名は自殺してしまった、
出席番号18番龍宮真名死亡
ネギ「えーと、出席番号1番相坂さよさん、、
優勝おめでとうございます」
さよ「みんな死んじゃいましたね〜私だけ生きてるのやだな〜」
ネギ「大丈夫ですよさよさんも死んでるじゃないですか〜」
さよ「それもそうですね〜」
ネギ「ハッピーエンドですよ〜よかったですね〜」
371 :名無しさんの次レスにご期待下さい :05/02/09 00:15:52 ID:I1J3YcUF
, -、_, '⌒ヽ、
バトルロワイアルというと、早漏非が結構本気出してSS書いてたの覚えてる。
島の地図とかAAで作ってバカだな、とは思ったけどオモロかった。
おもしろかったよ。さよはつかえるかも
32 :
マロン名無しさん:皇紀2665/04/01(金) 05:14:19 ID:MQIEjEfW
お
33 :
マロン名無しさん:皇紀2665/04/01(金) 05:18:59 ID:MQIEjEfW
も
34 :
マロン名無しさん:2005/04/02(土) 14:12:15 ID:BIuF7ANJ
ら
35 :
マロン名無しさん:2005/04/02(土) 16:50:49 ID:gcIeWcKV
し
夕
映
?
39 :
マロン名無しさん:2005/04/28(木) 23:55:43 ID:8sKfc/Mn
ご愛顧ありがとうございました
このスレはここまで です。。
thank you 2ch and...good bye 2ch world!!
ここでageたらどうなるかやってみようじゃないか!ハハハッ!
WE HAVE A GOOD TIME!! THANK FOR YOU
このスレをご愛顧いただき
ありがとう ございました
43 :
ネギま!ファン:2005/06/04(土) 21:21:07 ID:/3pnYsor
最後さよが入るの忘れとった・・・・
ザジが・・・
45 :
ネギま!ファン:2005/06/06(月) 22:54:04 ID:sx371Kyr
45氏の作品に期待します
WE have GOOD time thank you
このスレのご愛顧
ありがとう ございました
48 :
マロン名無しさん:2005/06/11(土) 05:54:36 ID:UihAbhKj
jlihjdvjasdl;ofmvldj
lflkrlkf
u
kll
llo
fkllflf
l
いままで2chのご利用 感謝します
50 :
マロン名無しさん:2005/06/22(水) 20:54:52 ID:GarzaR7e
潰れたSSサイトからみつけた
「ま、待て!!」
長谷川が振り返る。
「じゃあな」
ヒラヒラと右手を振った。そして、普段と全く変わらない歩き方で倉庫らしき建物を出て行った。
和田は必死になって手を結んでいる縄を解こうとした。かなりきつく縛ってあるらしく、動かすだけで痛い。銃にも、手榴弾にも手が届かない。
「………くそっ!」
ただでさえ、怪我をしている左肩が痛む。その上、左足まで怪我をした。
銀色の手錠が鈍く光っている。
(殺してやる!絶対に殺してやる!)
刹那は自由になる右足で、必死に鉄パイプを蹴った。ガン!ガン!という音が倉庫内に響く。
保守
>>50 だったらお前が書けよ!!
どうせ特厨非FANは多分これもう書くきないんだからさあ。
保守
某SSのバトロワ
「熊ちゃん……おまえ馬鹿だ。大馬鹿……」
豊の頬を、涙が伝う。
「そんな……余計な心配しなければ……殺られなかったのに!!」
豊は左手で刀を払いのけると、右手でポケットから何かを取り出し、熊沢に押し当てた。
途端、熊沢の全身に凄まじい衝撃が走る。
刀が手から離れ、立っていられない程の脱力感が、全身を襲う。
「そうか、電気、か……」
意識が朦朧とする中、熊沢は豊の右手に握られた武器を見た。
それは、本来渡辺に支給された筈のスタンガンだった
。 豊はもう一度、熊沢に電撃を仕掛ける。
熊沢は意識を失った。
そして再び気付いた時、熊沢の眼前には、刀の切っ先と、それを構える豊の姿があった。
「形勢逆転だね、熊ちゃん……」
「ああ、そうみたいだな……」
「……バイバイ……」
そして豊は、刀を握る手に力を込めた。
渡辺の時には感じなかった嫌な感覚が、掌に伝わって来る。
そして路上に拡がる血溜まりを見ながら、ニヤリと笑った。
【残り13人】
保守
七原秋也をぶっ殺せー!!
58 :
マロン名無しさん:2005/08/22(月) 16:20:16 ID:sdCc8QHa
age
7 名前:特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/02/06 04:18 ID:0CjR6dZw
ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・
その時突然聞きなれない電子的な音が鳴りはじめた。
クラスは騒然となった。皆、音の発生源を特定しようと周囲を慌しく見回した。
ガチャガチャッ
一人の男が慌しく立ち上がった。
>>6であった。
彼の首には見たこともない奇妙な金属製の首輪が巻かれており、
その正面中央部のランプが断続的に点滅していた。
音の発信源はどうやらそこのようだ。
血相を変える
>>6 「お、おい・・・な、なんなんだよ、コレ・・・」
>>6は周りの女生徒らに哀願するように問いかけた。
誰も答えようとはしない。近くにいた佐々木まき絵(女子16番)に近づいた。
「な、なあ?佐々木・・・」
「しっ、知らないよっ、そんなのっ」
ガッ
次の瞬間、
>>6が見たのは眼前の天井、そして宙を泳ぐ自分の身体だった
8 名前:特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/02/06 04:33 ID:xAOR6XcI
「うわぁっ」
ドタッ
鈍い音がして
>>6は教室の隅に叩きつけられた。
腰の痛みを我慢しつつ、視線を前に向けると、背を向けて教室の反対側に走り去る
まき絵の後ろ姿が見えた。
(・・・まき絵、突き飛ばしたのか?俺を)
彼女がそんなことをするなんて、ショックで
>>6は呆然とした。
その醜態を新しい担任となった外人教師の子供が冷笑していた。
(クソッ!このガキ。ぶッ殺してやる!!)
>>6は足を引きずりながらも、この謎の少年教師につかみかかろうとした。
「うあっ」
ネギ・・・と呼ばれるその少年教師まであと一歩というところで
>>6は前につんのめった。
必死に態勢を立て直そうとしたが教卓の過度に右肘をぶつけた。
ネギの横にいた専守防衛軍兵士に足を引っ掛けられたらしい。
(この、クソッタレが!)
そして立ち上がる間もなく、首に冷たい感触が触れた。
おそる、おそる首を回すと・・・銃口(コルトM733コマンド)が彼の喉元に突きつけられていた。
9 名前:特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/02/06 04:54 ID:0CjR6dZw
全身を硬直させる
>>6。ゴクっとつばを飲み込んだ。
それを尻目にネギは壇上に躍り出てクラス全体によく通る声で言った。
「それからー、言い忘れましたけどぉー。皆さんの首に巻かれてある首輪。
これは皆さんの体内パルスを随時モニターしていてぇー、先生からは皆さんがどこにいるかぁ、
手に取るように分かります。この中には爆薬が詰められていてー、不審な行動を取ったりぃー、
禁止エリアに入るとぉー、あ、禁止エリアについては後で詳しく解説しますけどぉー、
そうした時に爆発するようになっていまーす。爆発したらぜーったいに、助かりませーん」
賢そうな顔でわざと冗長に言ったそのセリフは、特に
>>6には、ことさたイヤミに聞こえた。
「そうだ。ちょうどいいですねぇー、ここに良い実験台がいますしぃー。」
ネギはそういって手元にあったリモコンを――まるでTVのそれだった――
>>6の方向に向けて
ピッとスイッチを押した。
10 名前:特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/02/06 05:07 ID:0CjR6dZw
ピッピッピッピッ・・・
ネギがリモコンを操作した途端に、断続的に鳴っていた
>>6の首輪の電子音の間隔が
早くなった。前よりも小刻みになったその単調で耳障りな音とともにランプが激しく点滅した。
「鳴り始めてからー、3分以内にぃー、爆発しまーす。首との間に鉄板を挟んだりしてもー、まず
助かりませーん」
そうネギが言い終わらないうちに専守防衛軍兵士はネギの胸倉を掴んで
>>6を投げ飛ばした。
転がる
>>6は教室の中央にうつぶせになって倒れた。
「ちくしょううちくしょうちくしょう、なんだってんだよ一体、クソ、あ、ああ、あああああー」
「皆さん気を付けた方がいいですよー。首輪の爆薬は結構強力なのでー、
近くにいたら巻き添え食いますよー」
まるで他人ごとのように、むしろその状況を楽しむような口調でネギは冷たく言い放った。
ざわっ。ネギのその一言でクラスの空気が変わった。
皆、おそるおそる後ずさりして
>>6から離れようとする。
「おい!助けてくれよ?なぁっ、俺を――俺を見殺しにすんのかよっ?」
>>6は大声で女生徒達に向かって叫んだ。が、誰も彼を相手にしようとはしない。
そうしている間も首輪の不快な電子音のペースは上がっていく。額から汗が噴出すのを感じる。
11 名前:特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/02/06 05:09 ID:0CjR6dZw
とうとう溜まらなくなった
>>6は教室の端に固まっている女生徒達めがけて走り出した。
「うあ、うあああああーーーー」
「キャー」
「こっち来ないでよーーー!」
クラス内は騒然となった。皆、
>>6から出来るだけ離れようと逃げる。
>>6は逃げ遅れた宮崎のどか(女子27番)をようやくのことで捕まえた。
のどかは何も言えずただ首を振るばかりだった。
「なあっ!?宮崎、なんで逃げるんだよっ!俺を、俺を、」
ドスッ。
不意に脇腹に衝撃を感じ、
>>6はその場に崩れ落ちた。
倒れる瞬間に綾瀬夕映(女子4番)が聖拳突きの構えを取る姿が見えた。
そして耳元でぼそっと呟くくぐもった声がした。
「ごめんなさいです・・・」
喉の奥から酸っぱいものがこみ上げる。
12 名前:特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/02/06 05:29 ID:0CjR6dZw
「ぜぇっ・・・ぜぇっ・・・」
額を押さえて
>>6は立ち上がった。
数秒間失われていた視力もようやく戻ってきた。
そして化け物でも見るかのように、周囲を見渡した。
真っ先に宮崎のどかと彼女の肩に手をかける綾瀬夕映の姿が飛び込んできた。
「ごほっ・・・」
思わず大振りの咳をする
>>6 血か胃液が出るかとおもったが、何も出なかった。
「どうして・・・だ」
>>6にはあの小さな身体でこれだけの威力を持った聖拳突きをしたそのことよりも、
あの綾瀬夕映が自分にそれをしたという、その事実にただただ驚いていた。
「それがお前の、お前の友情ってやつかよ!・・・宮崎のために、俺に一人で死ねってかよっ!」
思わず怒鳴り散らした。夕映はのどかを助けるために、俺を攻撃したんだ。こんちくしょう!
夕映はばつがさすがにばつが悪そうに
>>6から目をそらした。
のどかはただただ震えるばかりだった。あまりに突然のことでまだ状況の変化が飲み込めていないのだろう。
そんな彼女らに誰も責めるような視線は向けなかった。
むしろ、
>>6に対して同情と侮蔑の入り混じったような視線を向けていた。
ネギまロワイアル
66 :
《1-1》:2005/08/31(水) 04:22:01 ID:???
「起きるでござる。明日菜殿。」
肩を揺すられて、神楽坂明日菜(女子8番)は目を覚ました。
「ん………着いたの………?」
目を擦りながら、少しずつ意識を取り戻す。
長瀬楓(出席番号20)が明日菜を見下ろしている。
「………あれ?」
そこはバスではなかった。
あたりを見回す。どうやら教室のようだ。自分は床に転がっていた。どうりて腰が痛いはずだ。
「………私たち、運ばれたの?」
「みんな気が付いたらここにいたのでござる」
楓が続ける。
「ここはどこ?」
早乙女ハルナ(出席番号14)が呟く。この部屋にある唯一のドアを開けた。廊下があった。一本道。
この教室はちょうどその廊下の突き当たり、どこかへ行くには、この廊下を進むしかない。
「とりあえず、行ってみる?」
「行くです。」
すぐ横にいた綾瀬夕映(出席番号4)が相槌を打ち、部屋の外へ出ようとした。その時だった。
『3−Aのみんな起きたかぁ〜。』
無邪気な少年の声が教室に響いた。
扉の向こうから、三人の人物が入ってきた。映画で見るようなコンバット風の衣服に身を包み、頭はヘルメットで覆われている。
そして、両手で抱えている銃。明日菜が立ち上がる。
「ネギ、これってどういうことよ!?ちょっとあんた、悪い冗談なら、私怒るわよ?ねぇあ・・・」
ネギの隣にいる兵士が明日菜に向けて銃を構える。さすがの明日菜も口を噤まざるを得なかった。
「はいはい、アスナさん?質問はぁー、説明が最後まで終わってからにして下さいー。」
67 :
《1-2》:2005/08/31(水) 04:23:11 ID:???
いつもと違う他人行儀なネギの態度に明日菜は慄然とした。
『一から説明をしたいと思います。今日はみなさんに、ちょっと“殺し合い”をしてもらいます』
全員がポカンとする。意味がわからない。
――…え?今、なんて…?殺し合い??
ただでさえ混乱気味の頭が更に混乱し、言葉を失う。
一瞬の静寂に包まれた後、張り詰めた空気を壊し最初に口を開いたのは椎名桜子(出席番号17)だった。
「アハハ、ネギ君。私は騙されないよ!これってドッキリの撮影かなんかでしょ?」
それを聞き、皆の顔から不安の色が消え、笑顔や笑い声がこぼれた。
「なーんだ。それにしても大掛りだし、殺し合いをネタにするなんてちょっと…」
そう話し掛けようとした瞬間、
バァァァーーーーン!!!
耳を突き刺すような音の元を振り返ると、側にいたミタリー男の手元には白く煙を上げた銃があった。
おどけてカメラを探す仕草をする桜子は額を撃ち抜かれ地面に崩れ落ちた。
ドサッ
「いやああああ!」「桜子ぉぉーーーー!!」
額の空洞から鮮血を吹き、即死した桜子を見て皆一斉に恐怖と悲しみの声を上げる。。
同時に、クラスメイト全員の『冗談であってほしい』という希望も粉々に打ち砕き、深い闇へ落ちていった。
「はいはい。静かにしてくださいね」
その言葉に皆一斉に黙りだした。
無理もない
現実に一人、目の前で死んだのだ。
【出席番号17番 椎名桜子死亡 残り29人】
68 :
《2-1》:2005/08/31(水) 13:51:21 ID:???
5分程して、ようやくざわめきが落ち着いてきた3−A。ネギは再び話を続けた。
「えーと、いいですね?不穏な行動を取ったら桜子さんみたいなことになりますんで。
気をつけて下さい。」
そう言ってネギは一端話を止め、白のチョークで黒板に文字を書き始めた。
B R 法
黒板にはそう書かれた。
コホン。可愛らしくすました顔で咳払いをした後、少年は続けた。
「最近ー、治安が良いと言われたこの国でもー、犯罪が頻発するようになってきましたぁ。
殺人、強盗などの凶悪犯罪もぉー、年々増加の一途を辿っていますぅ。
これは何でだと思いますかぁ。国民のぉー、モラルが低下してきた結果ですー。
人間のぉー、モラルってのはぁー、一朝一夕で形成されるもんじゃありませんー。
特にぃー、大人になってからはぁー、なかなか更正できるもんでもありませんー。
そこでぇー、この国の偉い人たちはぁー、皆で集まって相談してぇー、新しい法律を
作りましたぁ。」
「 バ ト ル ロ ワ イ ア ル ! ! 」
69 :
《2-2》:2005/08/31(水) 13:51:54 ID:???
「えー、皆さんも知ってると思いますけどぉー、新世紀教育改革法、新世紀テロ対策特別法に続くぅー、
国民のぉ、特に青少年のぉー、風紀を正す意味でのぉー、新法案ですぅー。新世紀性道徳等風紀保護法。
通称BR法。そこでぇー、今日は皆さんにぃー、この法律に基づいた、ちょっとしたゲームをしてもらいます。
ハイ!注目ぅー」
「注目ー!!」「注目ぅーー!!!」
専守防衛軍のけたたましい声が教室に鳴り響く。もう夕方になりかけている教室の外がライトアップされる。
3−Aの生徒達は、全員窓側に寄って、外を眺めた。照らされた校庭――いつも通っている麻帆良のものではない
生徒達、特に大半を占める女生徒達の間に不安な空気が広がった。
皆、お互いの顔を見合わせながらネギの言葉を見守っている。
「ゲームのルールは簡単ですぅー。みんなで殺し合いをしてもらいますぅー。最後の1人になれば、
優勝ですぅー。優勝者はぁー、すぐにお家にぃー、帰れますぅー。」
生徒達に動揺が広がる。
ネギはそんな明日菜をみるとクスっと侮蔑したような笑みを浮かべ、続けた。
「この島はぁー、無人島でぇー、ついでに絶海の孤島になっていてー、泳いで逃げるのは不可能ですー。
まぁ、西側の海岸からぁ3km離れたところにぃー、小島がありますがぁー、大して意味はありませーん。」
心なしか、彼の目がいやらしく光ったような気がした。嘗め回すかのように生徒達全員を見渡す彼の目の光は、
強姦の恐怖に脅える少女達の心模様を想像して、楽しんでいるかのように思えた。
それはとても10才の少年とは思えない、ドス黒いざらつきのある目だった。
70 :
《2-3》:2005/08/31(水) 13:53:34 ID:???
ネギが手で兵士に合図すると、彼は教室の隅(前方左)に据え付けてあったOHPを
横に転がしてネギの前まで運んできた。もう一人の兵士が、黒板の上にたたんであった
白のスクリーンを下に下ろす。ネギがOHPのスイッチを入れ、シートを中央に合わせる。
スクリーンには、島の全形が浮かび上がった。
ネギはポインターを手にとって、教卓の上に飛び乗り、そこに座りながら説明を再開した。
「これはー、この島の概略地図でーす。後でゲーム開始時に皆さんにも配布しますんでー、
安心して下さーい。これが今行った南北を分断する丘陵地帯ですねー。ここを乗り越えて
東西を行き来するためにはぁー、島の最南端の丘陵でない低地帯を通るかぁー、
険しい岩だらけの坂を登るしかありませーん。まぁ探せばなだらかな場所もありますんでぇー、
各自探してみて下さーい。それからぁー、西側にはぁー、数は少ないですけどぉー、
深い洞窟がありまーす。 あっ?今誰か、そこに逃げ込めばいいじゃんって思いませんでしたっ!?
それは皆さんの勝手ですけどぉー、あんまりお奨めはしませーん。
鬼畜から逃げたいばっかりにあまり奥深くに立ち入らない方が僕はいいと思いますけどー。
中はまるで迷路のように入り組んでいてー、島民達すら普段は近寄らなかったそうでーす。
もしそこで迷子になってもぉー、多分誰も助けてくれませーん!洞窟の奥深くで干からびて、
誰にも発見されず永遠のミイラとなるのがいいのかー、1/30の確率で生涯が保証される
可能性をかけて戦うのがいいのかー、各自判断してみて下さーい。
おっと、私語はいけませんよっ?桜子さんと同じような目に遭いたいんですか?」
そう言ってネギは一緒に逃げようと相談していた明石裕奈(女子2番)と和泉亜子(女子5番)を牽制した。
「さてー、皆さんがいるのがぁー、島の南東、ポイントVの中学校でーす。もっともこの島はぁー、
1982年以降住民がいなくなってしまって無人島と化していますんでぇー、当然ながら廃校でーす。
島の北東部のポイントLにはぁー、同じような小学校がありぃー、そこはここよりも幾分大きいでーす。」
71 :
《2-4》:2005/08/31(水) 13:54:07 ID:???
「それから海岸線ですがぁー、島の西部と南部はみての通り砂浜になっていますがぁー、
北部、北東部のあたりは切り立った崖になっていますのでぇー、自殺したい人はそこでして下さーい。」
釘宮円(女子11番)――彼女は教室の中央に近いところに立っていた為、死んだ桜子の返り血を
浴びていた――は思わずネギに飛び掛ろうとした。が、すんでのところで美砂に引き止められた。
彼女の目は、「今はダメ」と言っていた。本当は彼女も辛いはずなのに。
「最後にぃー、気になってる人も多いと思いますけどぉー、島の西部に小島がありまーす。
そこに逃げ込んで時間稼ぎをするのもいいかもしれませんけどぉー、一番近いところでもぉー、
2.5km離れているのでぇー、波も高いしー途中で溺れ死んでしまうかもしれませんよぉー、
さーて、少し長くなりましたがぁー、島の説明は以上でーす。」
その言葉を聞いて、一部の生徒がピクリと反応した。
楓、クー、超はネギからあまり目立たないように互いに視線を交わした。
刹那は、窓際で震える木乃香の背を見つめながら、傍らの剣の鞘を握り直した。
72 :
《2-5》:2005/08/31(水) 13:58:01 ID:???
「地図に縦横の線が引かれていますねぇー?それが各エリアですぅー。時間ごとに、立ち入り禁止区域が発表されますぅー。
知らせた時間以降そのエリアにいた人は、爆死することになりますよぉー。」
あまり身近ではない『爆死』という表現に、実感がわかない。そもそも『爆死』と言ったのだろうか?それとも聞き間違い?
「どうして爆死なのかわかってないと思いますのでぇー。その首輪でぇーす。」
全員の手が自分の首へと伸びる。
「無理矢理外そうとしたら、爆発しますよぉー。」
一斉に全員の手が首から離れる。
「その首輪から出ているパルスに反応して、立ち入り禁止区域のチェックをしますぅー。
皆さんがどこにいるかも、その首輪を通してわかりますよぉー。皆さんの出発地点はバラバラでーす。
一人一人ヘリで運んでー、ランダムに島の各地に振り分けまーす。
これはぁー、最初から仲の良い人達同士が組んで行動していても面白くないからでーす。
せっかくの機会なんでー、偶然近くにいた普段は喋らないお友達とも親睦を深めてみて下さーい」
「スタートしてからの集団行動は自由でーす。 単独行動した方がぁー、目立ちにくくぅー、最後まで命を
守れる可能性は大でーす。でも逆にー、たった一人でいる時に運悪く集団に遭遇してしまったらぁー、
まず勝ち目はないでしょうからー、集団行動していた方がいいかもしれませんねー」
明日菜は周囲の生徒を見回していた。このBRゲームは、仲間を作る時に必要以上に警戒して
相手を厳選する必要はない。それでも全てのクラスメートが完全に信用できるかというと
勿論そんな簡単な問題ではないだろう。誰かを罠にはめて、殺すような卑劣なマネをする者が出る可能性は否定できない。
73 :
《2-6》:2005/08/31(水) 14:04:58 ID:???
明日菜はエヴァンジェリン.A.K.マクダウェル(出席番号26番)の横顔を見た。
まるで、動じていない。エヴァはクラスの中でも一番落ち着いて見えた。それは当然だろう。
彼女は囲まれても、魔法をお見舞いしてやればいいのだから。
不安材料はネギが完全な敵だということだ。エヴァンジェリンを味方に加えてもネギが敵では
魔法が相殺されてしまうかもしれない。しかし、信じられない。これがあの生意気だけど、
思いやりのある優しい少年と同一人物なのだろうか?目の前にいるあいつは本当にアイツ?
今までのは全て演技だったのだろうか?それとも催眠術でもかけられている?あるいは、偽者?
他のクラスメートの様子も窺う。絡繰茶々丸(女子10番)、龍宮真名(女子18番)、
超鈴音(女子19番)、那波千鶴(女子21番)、ザジ・レニーデイ(女子31番)、
このあたりのメンツは比較的事態を冷静に受け止めているように見える。
同じ冷静でも柿崎美砂や桜咲刹那(女子15番)の目には、なにか決意めいたものが
感じられた。彼女らは今何を考えているのだろう。自由に会話が出来ないのがもどかしい。
逆に、和泉亜子、近衛木乃香(13番)、鳴滝史伽(23番)、
宮崎のどか(27番)、村上夏美(28番)あたりはかなり取り乱している。心配だ。
明石裕奈と春日美空(9番)佐々木まき絵(16番)は顔色が悪く、意気阻喪の様相を呈していた。
普段明るい彼女達だけに余計に痛々しい。
「今回のゲームの制限時間は三日間でーす。もっともー、このBR方式のゲームもぉー、
今回で通算14回目に当たるわけですがぁー、今のところ制限時間いっぱいまで使った例はありませーん。
午前と午後の0時と6時に、定期放送を流しまーす。一日四回です。
そこで新しい立ち入り禁止区域の発表をしますからぁー、聞き逃さないようにー。一緒に死んだ人の発表もしますぅー。
ゲーム開始以降30分後にこことランダムで3箇所、生徒の皆さんとっては、 禁止エリアになります
皆さんはー、共和国女子(新田などの邦人教諭はこのことを大東亜ナデシコという。ゴロが悪いったらありゃしない)
の名に恥じないようにー、 明るく、楽しく、元気良く、生き抜いてくださーーい!」
74 :
《2-7》:2005/08/31(水) 14:06:40 ID:???
もはや、ネギの言葉には説得力も糞もなかった。クラスのあちこちからため息を押し殺したような吐息が漏れる。
「それから今回のゲームは武器のあたりはずれが激しいでーす。ない人には本当になにもありませーん。
でもアタリの人にはー、かなり強力な銃火器などを用意してありまーす。
もちろん、体力的ハンデを軽減してくれると思いますぅー。ここまでで何か質問がある人ーー!」
「あのぅ・・・ネギ先生、何でうちのクラスが選ばれたんですかっ!?」
部屋の後方に立っていた長髪の女生徒、雪広あやか(女子29番)がおそるおそる尋ねた。
彼女の顔は当惑していた。憧れていたネギの豹変振りに戸惑いの色を隠せないようだ。
「厳選なる抽選の結果でーす。他に質問がある人ーー!」
クラスがしん・・・となった。このまま、質問攻めを続けていれば、私達がこの世の地獄を見る時間を
少しでも遅らせることができるだろうか?しかし、こんな時に限って的を得た質問がなかなか
思い浮かばないものである。
そのよどんだ沈黙が30秒程続いた後、廊下側に腰掛けていたまき絵がゆっくりと手を上げた。
75 :
《2-8》:2005/08/31(水) 14:08:43 ID:???
「ネギ君・・・ねぇ・・・嘘だよね?嘘だって言ってよ!ねぇってば!」
叫ぶまき絵を一瞥して、ネギは一言フッとため息を返すと踵を返し、彼女に背を向けた。
「ネギ君・・・私は、ネギ君信じてるよ!?だって今までいっぱいいっぱいみんなで思い出作ってきて、
それで、ネギ君が私たちをこんな目に遭わせるわけないって・・・だってネギ君は・・・」
「まき絵・・・」
裕奈の制止を振り切ってまき絵はまくし立てる。
「・・・嘘だよ。嘘って行ってよ、ネギ君。今までの・・・わたし、たちは・・・・・・だから・・・」
「まき絵、もう止めて」
裕奈が泣きじゃくるまき絵を抱きとめた。
そして、顔を上げずに床を見つめながら抑揚のない声で言った。
「・・・・・・始めて下さい」
それを聞いてネギはにっこり微笑んだ。
「それではいいですね!じゃあ皆さん一人一人スタート地点に配置しますんで、
ヘリに乗って下さい!!」
こうして、悪夢の宴が開始されたのだった・・・
76 :
《3-1》:2005/08/31(水) 18:30:34 ID:???
背中に銃を突きつけられ連行されながら明石裕奈は歩いていた。
冷静にならなきゃ、冷静にならなきゃ、呪文のようにそう繰り返す自分に気付き我にかえる。
こう唱えていること自体、自分が正気を欠いていることの現われだ。焦ったら、やつらの思うツボ。
できるだけの情報を集めようと、裕奈は周囲の様子をじっと観察した。
校庭のような開けた場所にクラスメート達が連行されている。自分と同じように、
背に銃を突きつけられて黙って歩く者、半狂乱で取り乱し、兵士達に抱きかかえられながら強引に引きづられている者。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん、わたし――」
鳴滝史伽だった。裕奈が歩いている左後方10m程の所にあるヘリの中に押し込まれている。
「あ、安心しな、ボクが必ず迎えに行くから!」
たどたどしい言葉ながらも、裕奈のやや前方を歩いている姉の風香がそれに応答する。
子供っぽくても、一応お姉ちゃんなんだな。そうして、鳴滝姉妹のやりとりをかたわらで聞いていた裕奈は、
ふと、一つの重要な思いが脳裏によぎった。
(そうだ、仲間)
私もゲーム開始時早々に出来るだけ早く誰か友達と合流しないと。逃げるにしても戦うにしても
仲間がいた方が心強い。
これからヘリで運ばれて皆バラバラの場所に配置される。できれば親しい友達と早く合流しておきたい。
まき絵、亜子、アキラ―― 10秒程かかって裕奈は彼女らの位置を捕捉した。誰がどのヘリに乗って
どの方向に飛んでいくか、可能な限り押さえておくつもりだった。
「うわっ」
機体の高度が上がり始め、それと同時に身体が前方に倒れそうになる。前方に傾斜した状態で
ヘリは前方斜め上方に向かって上昇を続けていく。下の景色が次第に遠くなっていく・・・
77 :
《3-2》:2005/08/31(水) 18:31:30 ID:???
高度100m当たりまで上昇したところで、ようやく機体が水平になって少し楽になった。
今のところ、先に発進したアキラは同じ方向に向かって飛んでいる。亜子もやや後方だが、なんとか見える範囲にいた。
それにしても綺麗な眺めだった。この高さからだと島の輪郭が見える。亜熱帯気候の典型的な島である
この獄門島は、もう少し本土に近ければ良質のリゾート地になっただろう。こんな鬼畜ゲームではなく、
観光でくるならば、美しい島であっただろうに――
「あっ・・・」
あれこれ思案することに集中しすぎて、亜子の機を見失ってしまったのだ。
周囲を見渡すと、自分のヘリとまだ併走している機は7機だった。このうち、前方の1機がアキラのだから、
残り6機のうちの1機に亜子が乗っているだろうか?それとも自分達とは別れて別の方角へ飛んでいってしまったのか?
ヘリの機種が同じだけに分かりにくい。しかも、夕陽が落ち、視界が暗くなりつつある――
しまった。取り返しつかないことをしてしまった。動揺を隠せない様子の裕奈に、背後から兵士が声をかける。
「どうした?友達が乗ったヘリでも見失ったか?」
そう言って兵士はニヤリと笑った。
裕奈は愕然とした。自分の考えを見透かされたというそのことよりも、それを全く咎めようとしない
兵士達の態度に。それは、友達同士で合流してみんなで協力し合ってせいぜい頑張れよ。
と、そんな政府の余裕のあざけりのように思えたからだ。つまりそれは、過去のプログラムにおいて、
クラスメート同士協力し合うことがゲームの支障に全く繋がらなかったということを暗に示していた。
「そろそろ着陸だ。心の準備をするように」
背後で兵士から兵士の声がした。
高度30mまで降下すると、機長は右手に掴んだサイクリックスティックを引き上げた。
そして、左手に掴んだピッチレバーをわずかに上げる。機体が離陸直後とは逆に、やや後方側に
傾いた。思わずベルトを手を握り締める。裕奈はかなり前方に離れてしまった大河内アキラが乗った
ヘリの位置を最後に確認し、目をつぶった。降りた後ではもう捕捉しようがない。
地面すれすれの所でいったん静止したあと、彼女の乗った機は大地に着陸したのだった。
78 :
《3-3》:2005/08/31(水) 18:33:10 ID:???
裕奈が降り立つと兵士が彼女の方にデイパックを投げてよこした。
そして、何事もなくヘリが飛び出とうとしていた時ヘリの無線に割れるような音声が割り込んできた。
「こちら田島二尉、作戦本部、応答願います。」
少し遅れて、別の声が聞こえる。
「こちら本部、手塚三佐だ。何があった?」
どうやら、別のヘリと本部の交信らしい。裕奈を運んできた兵士達が無線の音量を上げる。
裕奈もそれを聞くためにヘリに近づいた。兵士達にそれを咎める様子はない。
「ポイントC方面に向けてに輸送中の女子12番、古菲なる生徒が我々にヘリ内で抵抗を示しました。
どうやらヘリをジャックしようとしたようです。射殺しますか?」
「現在位置は?」
「ポイントPです。高度150フィート。」
「こちら側の損害は?」
「横山二尉が、彼女がポケットに隠し持っていたハサミで切りつけられましたが、交わした為無傷です。
その後暴れましたが、計器類にも異常はありません。現在私と二人で羽交い絞めにしています。」
「そうか、わかった。で、彼女に支給予定の武器は何だ?」
「中国製カラシニコフU.S.S.R. AK47/V型です。」
「・・・それはまずいな。離陸直後に撃ってくるかもしれん。よしわかった。彼女に武器は支給するな。
それから、足を一発打って地面に放り出せ。地図も食料も渡す必要はない、殺す必要はない。」
後、彼女を降ろす地点は変更せよ。暗号化した信号を二分後に送る。以上」
79 :
《3-4》:2005/08/31(水) 18:34:35 ID:???
交信が終わったらしい。裕奈にデイパックを投げた兵士が口元を不適に歪めさせつつ笑う。
「はっはっは。聞いたか?軍に無謀な抵抗を示した者がいるらしいな。バカなガキだ。
お前は少しは賢そうだから、良く考えて行動しろよ?じゃあな」
「・・・・・・くーふぇ」
裕奈がそう呟く否や、ヘリは飛び去った。彼女はヘリが見えなくなるのを待って、デイパックを
開けた。中には先程、中学校だった建物の教室の中でネギに見せられた地図と同じものが入っていた。
それから、食料。乾パンとりんご。ハム、ソーセージ。果物の缶詰が数ビン。ミネラルウォーター。
錠剤も入っている。下痢止めと、頭痛・生理痛薬だった。黒い袋につつまれてズシリと重い物が入っている。
開けてみると、ボウガンが入っていた。これが私の武器らしい。
裕奈は装弾を開始した。いつ敵が現れるか分からないので、早めに臨戦態勢を築いておいた方がいい。
しかしこの長さではポケットにしまえない。どうせなら、トカレフみたいな小型拳銃が良かったのに。
それでも銃火器があるだけマシだろう。贅沢は言っていられない。そもそも、銃など握ったこともない自分が
これを使って敵と交戦するというとからして、信じられなかった。
裕奈はデイパックを左肩にかけ、右腕にボウガンを構えるとアキラのヘリが飛んでいったと北の方角に向けて
移動を開始した。
80 :
《4》:2005/09/04(日) 09:00:54 ID:???
神楽坂明日菜は壁づたいに移動していた。右手には、岩石質の丘陵地帯がある。
島の中央を縦断するというそれだった。ライトをつけて地図を確認する。これに沿って移動すれば、
少なくとも方角を間違うことはない。
彼女のスタート地点は、北端の崖からそう遠くない、草原地帯だった。傍らには幾つかの
岩石が転がっている。彼女は南下することにした。仲間を見つけるためである。
しかし彼女の移動速度は遅かった。右手に引きずる金属質の棒のせいである。政府から明日菜に支給された
武器は何の変哲もない無駄に重いだけの鉄パイプだった。何度も捨てようとしたが、他に武器もないので、
これを携帯したまま(正確には地面に引き摺りながら)行軍していた。もし、腕力のない誰か別の生徒に
これが支給されていたら、おそらくその生徒はまず間違いなくこれを放棄しただろう。怪力の明日菜だからこそ、
なんとか実用に耐えそうな武器だった。
明日菜は裕奈のように選り好みせず、基本的には出会った友達誰とでも協力しようと考えていた。
エヴァンジェリンや桜咲さんも加えれば、かなり強力なチームになる。十分に戦えるはずだ。
「ゲホッゲホッ」
急に咳き込む声が聞こえたので、明日菜は身を硬くした。
誰――?腰をかがめて周囲をそっと窺うが、誰の姿も見えない。
咳は前方の方から聞こえた。明日菜は用心しながらゆっくりと前進していった。
岩陰に人影を認めて再び立ち止まる。忘れもしない、あの髪型は・・・
白人特有の髪の色をした少年が岩の陰に倒れていた。
「ネギ―――!?」
明日菜は鉄パイプを地面に置いて、少年の傍らに駆け寄った。
81 :
《5-1》:2005/09/06(火) 23:32:36 ID:???
長谷川千雨(出席番号25)はデイパックの中に見つけた拳銃をためつすがめつして
観察していた。千雨の手にも少し余るほど大型の銃器であること、筒型の付属品(サイレンサー)は
銃身の先端に取り付ければいいらしいことがわかった程度で、銃器の知識などない千雨には
これが本物かどうかという基本的な判別も怪しいままだった。
銃を手に持ち横になったひざに肘をついてわずかに姿勢を低くした。
千雨は人が人殺しになる瞬間を見たかった。人を殺さない人が人を殺す人に
なるのを見たかった。
例えば、日々絶えない殺人事件の報道を見てときどき考えるのだ。
殺人の動機は様々だが、だいたいは恨み、怨恨である。千雨だってもちろん
人を恨んだことはある。でも相手を殺していない。殺そうと考えたことさえない。
一体、人殺しとそうでない者を分かつのは何だろう。生まれた時から悪人だとか、そんなのはない。
人を殺さない自分と人を殺す人の違いなんて大したものではなく、例えば
その時、殺傷能力のある武器たり得る物をたまたま手に持っていたとか、
普段の判断能力を失うような状況にたまたま直面したとか…
たぶん『たまたま』なのだ。人が人を殺すという行為を行なうのは。
動物は本来、同種族間で殺し合うことはしない。
共食いなどはあるが、それは自然の摂理に則り行なわれていることである。
動物には『たまたま』がない。
今、自分はたまたま武器を持ち、たまたま人を殺すことを強制された状況にいる。
自分は人を殺すのか?
(殺さないかもな…)
動機がない。理由もないのに殺せない。
千雨は組んだ足の上の銃を手に持ち、茂みから出てきた四葉五月(出席番号30)に向けた。
五月は転げるように走り転んだ。茂みの向こうに隠れて見えない姿がしばらくして起き
上がり、転ぶ前の勢いが嘘のように肩を落としてとぼとぼと歩き出す。
―――動機は?
動機は、たまたま選んだバッグに入っていた武器が銃で、その銃が本物なのか知りたいから。
それでいいか。どうしても今知りたい。今すぐ知りたい。
人殺しとそうでない者の違いを。今を逃せばきっと一生わからないままだ。
82 :
《5-2》:2005/09/06(火) 23:33:12 ID:???
千雨は校舎に向けて銃を構えた。この大きさ、重さの銃器では反動も相当だろう
とあらかじめ予想し、正座のような格好になって地面についたひざを開き、つま先で
土草を踏ん張り、上半身と引き金の指に力を入れる。
手もとでボッと小さな音がし、そこから腕、背中にかけて反動が来る。
本物だ。
五月は誰かにぶつかられでもしたようにくるりと半回転してこちらへ背中を向け倒れた。
五月の左の太ももの裏から血が出ている。一応上半身を狙っていたのに
かなり外れてしまっていた。
今にも倒れそうにゆらゆらしている的を目掛けて二発撃ったところで、五月の
姿が茂みの向こうに消える。それきり起き上がってこなかった。
千雨は銃を下ろした。
さっきまでの自分と今の自分。どこか変わっただろうか。
痺れる手を見つめて考える。
別に何も変わりはしない。やはり自分の考えは合っていたようだ。
誰もが殺人者になり得る、みな殺人者の予備軍なのだ。
そう確信し、千雨は知的探究心を満たした充足感に打ち震えた。
【出席番号30番 四葉五月 死亡 残り28人】
83 :
《6-1》:2005/09/09(金) 22:56:47 ID:???
東の端の崖に座り夜空を眺めながら、那波千鶴(出席番号21)はもう二度と
会えぬであろう友や親を思い描いた。
「小太郎ちゃん……。」
今頃彼は何をしているだろう。自分達がこんな事になっていると知ったらやはり驚くだろうか。
先ほどデイパックを覗いたら、中にはパンや水、そして武器―グロック17
ガサガサと後ろから人の気配がして振り返れる。
そこには村上夏美(出席番号28)がいて、千鶴は緩く笑って地面に置いてあった銃を構えた。
自分の最期を看取って貰うのにこれほどの人物はいない。
千鶴の行動に夏美は驚き、必死に訴える。
「ちづ姉ぇ!止めて、そんな」
「夏美、動かないで。動いたら撃つわよ。そのまま話を聞いて。」
夏美は黙った。
「夏美。私、みんなを殺すなんて出来ないわ。」
「ちづ姉ぇ!」
「誰かを殺してまで生き残って……元の生活に戻っても3-Aの皆はいない……。」
千鶴は肩にかけていたデイパックを夏美に向かって投げ、一歩ずつ下がる。
84 :
《6-2》:2005/09/09(金) 22:59:07 ID:???
「荷物と武器あげる。夏美、生き残ってね。もし天国で会った時は、また一緒に遊びましょう。」
また一歩、下がる。
「ちづ姉ぇ!止めて!嫌ぁ!!」
「生きて帰ったら、虎太郎ちゃんにごめんって伝えてね。……私、この学園の皆に会えて
よかった。ありがとう。」
千鶴は柔らかく笑んで、夏美に背を向ける。夏美が走り出す。
目を閉じた千鶴が銃を地面に落とした。
夏美が手を伸ばす。
しかし無情にもその手は空を切った。
その脳裏に学園の懐かしい日々を思い浮かべながら千鶴は夜の海へ消えた。
「……ちづ姉ええええええ!」
那波千鶴が目の前から消えた。
夏美はただ、涙を流すしか出来なかった。
【出席番号21番 那波千鶴 死亡 残り27人】
GJ
おもしろい。
職人乙です!!
そしてGJ
90 :
《7-1》:2005/09/11(日) 21:33:44 ID:???
「次、春日美空」
「…はい」
…飛び出てもう2時間以上が経った。
春日美空(出席番号9)は町並外れに見つけた工場の中にいる。
(これなら隠れていられる…)
そう考えてずっと動かずにいた。
どこからか銃声が聞こえる度に身をちぢ込ませ、震えながら。
美空の武器はフライパンだった。
これじゃ人なんて殺せない(もちろん殺す気なんて初めからなかったが)。
殺し合いに参加する勇気なんてない。
本来の学園生活だってそうだ。
自分の出番は何も同然。人気投票だって最下位だ。
違う。
始めは…期待されてた。
だけど他の生徒に次々と抜かれて、期待すらされなくなった。
期待から逃げていた。
…この勝負でも私はここでも逃げを選択している…
ふぅ、とため息をついたその時だった。
「誰かいる?」
「…!!」
突然の声に驚いて慌てて紙ロールの間にある隙間に隠れた
(誰…!?)
91 :
《7-2》:2005/09/11(日) 21:34:23 ID:???
心拍数があがり両手がびっしり汗をかく
ドク…ドク…ドク…
殺される…殺される?…
「…いないの…」
背中が見えた。
柿崎美砂だ。
(武器は…何を持ってるんだ…)
暗くてよく見えない。
デイバックを下ろして休む美砂。完全に無防備だ。
…今ならもしかして、フライパンでも殺せるのかもしれない。
殺す…殺していいのか?
いいのよ…ゲームなんだから。
どうする!?…どうすれば…。
地図を見る美砂の背中をじっと見つめ、美空は迷っていた─
「ここもうすぐ禁止エリアになるじゃない!!」
美砂の言葉にハッとする美空。
(ここが禁止エリアになる…)
さっきよりも心臓の鼓動が早くなる──ここにずっといられない。
だったら、美砂を殺してこの場所から逃げるしか道はない。
そう、決断した。
「とりあえずここは危険ね、早くここから…」
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
叫び声が工場内をこだました───…
92 :
《8-1》:2005/09/11(日) 22:15:45 ID:???
神楽坂明日菜はネギの姿をした少年を抱き起こした。苦しそうだ。
急いでデイパックを取り出し、彼に飲ませる。咳き込みながらも水を飲み干し、
ようやく、目を開けた。彼の目は明日菜の顔を認めたようだ。
「あれ・・・?アスナさ・・・げほっ」
「ネギ?ちょっとあんたどういうことよ!?なんであんたがこんなところで
倒れてるのよ?あんたはBRの作戦本部にいたんじゃなかったの?」
「・・・臨海学校の最後の日、しずな先生に呼ばれてタカミチが泊まってる部屋に行ったら、
そこは、・・・ま、っくらで・・・突然背後から頭を殴られて・・・で気付いたら狭いところに・・・げほっ」
そういってネギは咳き込む。明日菜はおデコに手を当てた。体温が低いような気がする。
ネギの背中をさすりながらこう言った。
「・・・大丈夫?無理して話さなくてもいいよ?」
「だ、大丈夫です。はぁ。そ、それで、狭い所に押し込められた僕は、そこは暗くてどこか分からなくて、
遠くからタカミチとしずなの話し声が聞こえるんだけど、僕は猿轡をはめられてて、声が出せなくて、
その内また意識が遠のいてきて、その次に目が覚めた時にはここに倒れていたんです。」
「・・・・・・」
ようやく、事情が飲み込めてきた。ネギがおかしなことに巻き込まれたのは、秋の臨海学校の
前日、つまり昨晩だ。彼の話が真実なら、一日近くにわたって監禁されていたことになる。
「さっき、教室で私達にBRの説明をしたのはあんたじゃないのね?」
ネギの目を真っ直ぐみつめ、確認のためにそう問う。
「説明・・・?BR・・・? な、んのことですか??」
93 :
《8-2》:2005/09/11(日) 22:16:32 ID:???
やはりネギは知らないらしい。ということは、さっきのネギはおそらく魔法か何かで変装した偽者か。
そして、高畑先生としずな先生はどうやら今回のBR戦闘実験作戦本部要員らしい。
「高畑先生・・・」
信じたくなかった。が、信じなければならなかった。彼らと、政府軍と私は戦わなきゃならない。
敵側に回ったタカミチへの情念を吹っ切らなければならなかった。
彼女の強い決意を支えたのは目の前のいたいけな少年の姿だった。こんな幼い子供すら、
プログラム遂行のための道具にしてしまう、奴らのドス黒い魂胆に心の底から嫌気がした。
「・・・立てる?」
明日菜はネギに手を貸し、彼を立ち上がらせた。本当はもっと、ネギを休ませてあげたいのだけど、
既に狂気の戦争は始まっている。ここに長居している暇はなかった。
幸い、ネギの身体の調子は思ったよりも良いようだった。最初動けなかったのも、一日近くに渡って
猿轡をはめられ、閉じ込められていたことによるものだった。
明日菜は手短に今日自分たちの身に起こったこと、バトルロワイアルのことなどについて説明した。
その内容は10才の少年に聞かせるにはあまりに過酷なものではあったので、多少オブラートは聞かせたが、
賢い少年は明日菜の言うことを理解した。
「それで、アスナさんは戦うんですね?」
「もちろんよ!降りかかる火の粉は払いのける!あったりまえじゃない」
その自信たっぷりのアスナの表情に、ネギは思わずくすっと微笑まざるを得なかった。
アスナさんらしいや。こんな状況下でもしっかりしてるんだ――
94 :
《8-3》:2005/09/11(日) 22:17:39 ID:???
「・・・・・・そうですね、僕もできるだけなんとかしてみたいと思います」
「あ、そうだ。あんた魔法使ってなんとかならない?
あんたの魔法なら御茶の子さいさいでしょ?取り合えず私の身体を強化してよ」
「ハイ!」
ネギは元気良く返事して、明日菜の仮契約カードを取り出し、呪文を詠唱する。
「ミニストラ・ネギイ・カグラザカ・アスナ!シス・メル・パルス・ベル・ゲントゥム・
オクトーギンタ・セクンダース!!」
・・・しかし明日菜の身体には微塵の変化も現れない。
「ねぇ、どうしたのネギ?」
「変ですアスナさん!ま、魔法が使えなくなってるんです・・・」
「えっ!?」
二人の顔から血の気が引いていく―――
95 :
《9-1》:2005/09/13(火) 03:54:10 ID:???
夕刻の黄昏と調和するかのように、小高い岸壁から落ちる滝の音が間断なく聞こえてくる。
悪夢のようなこのゲームには全く似つかわしくない美しい自然のハーモニーだった。
たった今、長瀬楓(出席番号20)は破いたブラウスを包帯代わりに、親友・古菲(出席番号12)
の足の 応急処置をしたところだった。彼女の話では、ここに運ばれてくるヘリの中で兵士達に抵抗
しようとして、足を銃で撃たれたとのことだった。彼女がここにくるまで座って途方にくれ
ていたという。
傷口からの血液の流れはまだ止まっていなかったが、適度にきつく巻いたその布で、
数分以内にとりあえずの止血はできると思われた。滝の水は綺麗に済んで見えるので、
あの水で傷口を洗ってもいいかと考えたが、見ず知らずの島でのこと、どんな病原体が
潜んでいるかも分からないので、止めておいた。ただ、デイパックの中のミネラルウォーターは
わずか2リットルである。おそらく亜熱帯に属するこの高温多湿の島では、脱水症状を免れるために、
衛生面のリスクは侵してでも滝の水を飲まざるを得ない状況になるかもしれない。
「古、もしかして武器だけじゃなくデイパックも支給されなかったのでござるか?」
「・・・そうアル」
古菲は消え入りそうな声で答えた。足を怪我し満足に歩けそうもない状況下で、
武器も食料すら支給しないするとは、なんという悪趣味な放置プレイであろうか。
死ねと言っているようなものである。
運良く楓が通りかからなかったらどうなっていたことだろう。
96 :
《9-2》:2005/09/13(火) 03:54:48 ID:???
それはさておき、楓はこれからどうしたものかと試案していた。弾丸は膝を直撃
している。膝蓋骨や半月板が損傷しているかもしれない。これでは歩けないのも無理は
ない。迷った末、楓は切り出した。
「拙者が、助けを呼ぶでござる」
「楓・・・?」
「古を背負って移動してもいいでござろうがそれでは襲われた時ひとたまりもないでござる」
確かにデイパックを持ったまま、同い年の人間を背負って険しい道を移動するのは
流石の楓でも生易しいことではない。
移動速度は極端に遅くなるし、万一敵に襲われたらとっさの対応ができない。
楓は裕奈と同じように、ヘリの窓から他の多くのヘリが島の北東部へ飛んでいくのを
見ていた。つまり、滝が落ちてくる小崖を上って続く丘陵地帯を越えて島の東側に出れば、
クラスメートに遭遇する可能性が高いということだ。できれば古菲を担ぎながら安全に
移動するために、2人以上の仲間が欲しいところだった。一人に古菲を支えてもらって、
もう一人が古以外の3人分のデイパックを運び、武装した残りの一人が周囲の警戒に
当たりながら、安全な家屋か洞窟まで移動するという段取りだ。
より多くの仲間を見つけるためには、東に向かわなければならない。しかし、そのためには
丘陵地帯を越えなければならない。平地ならともかく、岩山を上り下りするのでは、
急ごしらえの松葉杖も役立たないだろう。
97 :
《9-3》:2005/09/13(火) 03:56:29 ID:???
「ワタシを…置いていっちゃうアルか…」
「大丈夫でござる。拙者の荷物を置いていくから中身は好きに使っていいでござる。
武器も置いていくから出来るだけ早く戻ってくるでござる。」
そう言って楓は、支給された22口径のデリンジャーを古菲に手渡した。
「これは“でりんじゃぁ”と言う飛び道具で一応上下2連発撃てるようになっているでござる。」
足が折れて動けない分、この武器で自分の身を守れ、ということだった。
「でも、楓は、丸腰で大丈夫アルか?」
「大丈夫でござる。こういうときの方が動きやすいでござるから」
「・・・・・・わかったアル。ワタシ、楓を信じて待ってるアルね」
「拙者が戻るまで、出来るだけここにいて欲しいでござるな。もし誰か他の友達に会って、
その子らとどこか別の場所に行くことになったら、置手紙でも置いてくナリよ。」
「わかったアル。気をつけてね。」
「ニンニン」
古菲を笑顔で見届けると、楓は南側に向かってかけ出した。100m程走り、登りやすそうな
場所を見つけると、楓は砂と草に覆われた岩石質の斜面を登り始めた。
楓がいなくなったと同時期に、夕刻の闇が深くなってきた。滝周辺は木がまばらで
見通しが良いため、まだ淡い夕光の明度が保たれているいるが、周辺の雑木林の中は、
夜のように暗くなっているだろう。闇の中に一人ぼっち、おまけに足を負傷してほとんど
歩けない――古菲は徐々に取り残されたような孤独感が心を支配し始めた。
98 :
《10-1》:2005/09/13(火) 04:04:55 ID:???
開始当初の喧騒もどこ吹く風といったところで、今や作戦本部司令室の面々は暇を
もて余していた。生徒側が不穏な動きを見せない限り、教師達も兵士達も口でも開けて
モニターを眺めてさえいればいいのだ。仕事があるのは、死亡発表の放送を行うタカミチと、
生徒の動きを逐一記録する軍の記録係。そして計器類に異常がないか監視する技官達だった。
もっとも放送を行うのは6時間おきだし、記録係や技官達も3交代制で大部分は待機要員だった。
ちなみに本部の組織構成は、タカミチが総司令、しずなと新田が副指令で、学生時代に
情報処理技術者の資格を取得した瀬流彦が、情報処理班の班長、つまり技官達を統括する
最高責任者であった。歴代BR法には、“シビリアンコントロール”の条文があり、
全プログラムにおいて、教員達の下に軍人達が配属されるような指揮命令系統を作ることが
義務付けられている。もっとも、これも名目的なものに過ぎず、教師の選抜は軍関係者が
BRゲームを忠実に遂行してくれそうな者をリストアップして、その中から任命される訳で、
――あくまでも教育の一環として行っているという――国民向けのプロパガンダに過ぎない。
たかが数日後に解散される臨時作戦本部内での話である。教師側のメリットはたかだか数万円の
特別手当が支給されるぐらいだった。教諭達がBR遂行を妨げるような行動を取れば彼らはもちろん
拘束されて、軍人達が指揮を代行するだけの話である。形だけの文民統制であった。
ただ、“プログラム”の主旨に反しない限り、教諭達にはそこそこ自由な裁量と権限が
与えられている。特に専守防衛軍に人脈をもっているタカミチには、兵士達も一目置かざるをえない。
生徒達各々のスタートポイントや支給武器を決めたのもタカミチである。年配の新田を
差し置いて、タカミチが総司令に抜擢されたのはそんな経緯がある。プログラムが終わった後も、
麻帆良学園内での彼の影響力は強くなっていくだろう。
99 :
《10-2》:2005/09/13(火) 04:05:46 ID:???
タカミチ達4人には、士官クラスの軍人達と同様、この数日間を過ごすための個室が与えられて
いた。それぞれ(中学校の)音楽準備室や美術準備室を改造した粗末なものだったが、基地の
共同宿舎内に寝泊りしている兵士達より明らかに優遇されていた。
タカミチが周囲を見渡すと、仕事がなくて退屈した兵士達が、将棋や麻雀に興じていた。
「それにしても・・・・・・随分意図的にみんなを配置したのね」
中央の大画面を見ながらしずなはタカミチに同意を求めた。
「ああ、BRの醍醐味は生徒同士を戦わせることだからね。明石君と大河内君、
鳴滝姉妹、古君と楓君の位置が近いのは偶然じゃない」
「え?そうだったの。でも、おかしいわ。仲良し同士を最初に遭遇させたら、
彼女らはペアを作っちゃうんじゃない?」
タカミチは兵士が用意してくれたコーヒーを手に取った。
「それが狙いだよ。彼女らが一人で歩いている時に、誰か別の生徒と出会ったら、
怖さが優先されて、あまり信用できないクラスメートでも妥協してペアを組むだろう。
その後、自分の親しい友達に会ったらどうする?仲の良くないあの子でも大丈夫
だったんだから、親友だったらなおさら安全だ。そうやって大グループが出来るだろう。
最終的にはクラス全体が一つのグループにまとまるかもしれない。それじゃあつまらん」
タカミチはテーブルの傍らに置いてあったボールペンを手に取り、くるっと回転させてみせた。
「ということは、最初から親友同士をくっつけて小グループをつくらせて、
小グループ同士での疑心暗鬼を起こさせようって寸法ね?一人でいる時は不安の方が勝るけど、
何人かでグループを作って安心を得たら、猜疑心の方が強くなる。でも、
そんなにうまくいくかしら」
「いろいろ手段はあるさ。例えばゲーム後半になったら今回のゲームの優勝者は
2人に変更しますとアナウンスするとかね。BR法案ではゲームの運営について
ある程度柔軟な権限が指揮官である総指令に認められている。それに、こちらのいいように
撹乱してくれる伏兵も用意している。埋伏の毒ってやつだね。」
「ふぅん・・・・・・」
理解したのかしなかったのか、しずなの返事は曖昧だった。