テレビ:中国共産党は安保廃棄を評価すると発表。これによりミサイル攻撃の可能性はほばなくなったと言えるでしょう!
また安保廃棄により米軍に負担していた「思いやり予算」はなくなり基地周辺の住民の不安も解消!
英断を下した大橋内閣の支持率は急激に高くなっています!(映像は祝安保廃棄に沸く人々)
―沖縄・嘉手納基地―
大橋首相による日米安保廃棄宣言からまだ12時間しか経過していないにもかかわらず、日本各地の港湾や
米軍基地から撤退が始まった。東シナ海に展開中の戦闘機及び戦艦を除くほとんどの輸送機や輸送船が
日本から立ち去っていったことを、テレビは伝えた。(注:戦艦という艦種は数十年前から存在していません)
一方、桜木事務所では桜木が首をかしげていた。まるで大橋総理が安保廃棄を言い出す前から準備していたかの
周到さだ、と。そこに鯨井が報告書をもって現れた。そして、桜木は驚愕した。
―赤坂9丁目・防衛庁―
米軍撤退後、自分たちは暇になるだろう、と言っていた偵察レーダー室では、米軍の輸送機の進路のおかしさに
気づいた。撤退先はハワイであったはずなのに、進路がおかしいのだ。報告は上にあげられた。
―首相官邸―
米軍基地撤退の『式典も無事終了、どのマスコミも大橋を戦後最高と褒め称えており、内閣支持率も最高をマーク。
「アジア危機サマサマってところだなフォッフォッフォッ」と祝杯をあげているところに防衛庁長官からの報告。
祝杯を挙げに誘う首相に無視して長官は報告。自衛隊のレーダーが確認。撤退中の米軍部隊が大きく進路を変えた、と。
桜木事務所では鯨井が携帯で連絡を受け驚愕しつつ報告した。撤退中の米軍部隊は急遽北に進路を変更したのだ。
そして桜木は気づき、述べた。
調査報告書に有るロシア高官とのひんぱんな密室会談という証拠を。そう・・・アメリカは冷戦時代の仇敵、
ロシアと手を結ぶ気だ!と。そして、撤退中の輸送隊の目的地は・・・と(千島を指さした)。
アメリカは今なお開拓者精神を忘れていない。米国は日本を見限り、「完全なるアジア制覇」に向け始動した!
新たな西部開拓史の始まりだ!と。ホワイトハウスでは米ロ首脳の緊急記者会見が開かれていた。(第5話 了)