「だぁ〜 ウゼェ!! てめーなんかアク禁だ! 死んじまえ!!
と言いたいところだが、言えないのがネットアイドルの辛いところ…」
先ほどより厚さを増した青筋が、ミミズのようにピクピクします。
悲しいかな、ネットアイドルは常に八方美人でなければならないのです。
その相手が、電波なイヤな客だとしても。
「あーもうこんな時間じゃねーか… 明日から新学期だってのにこのバカは。
サクっと削除してアク禁しちまおーかな・・・
ん? 」
―メールダッピョーン メールダッピョーン メールダッピョーン
「メールか、何々? “ちうたんはちゃぺるのものなのです あなたの本名も知ってるノデスよ?”
はぁ?何言ってんだこいつは… 契約は父親の会社名義で本名なんてわかるわけないだろ… ドメインみろよ。」
―メールダッピョーン メールダッピョーン メールダッピョーン
「またメールかよ、ん何々? “今ちゃぺるのこと疑ってましたね?” …あたりめーだろバカが
“バカはちうたんなのです。ちうたんの本名はハセガワ センアメ どうデス?”
うぎぃ、こ、こいつマジで知ってやがる!! 読み方間違ってるけど。」