【読むのが】ストーリーを教えてもらうスレ Part6【面倒】
1 :
マロン名無しさん :
04/05/14 21:13 ID:SZV22CbA
【注意点】 ・要望に出ている漫画のストーリーはどんどん書いて下さい。 ただ要望に出ていないものは敬遠される傾向にあります。 レスは期待しないで下さい。それでも良いというならどうぞ。 ・この板は一般板なので18禁の漫画のストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。 ・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。 ・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。 そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。 ・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、 投稿の重複が防げて大変ありがたいです。 また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。
4 :
1 :04/05/14 21:53 ID:???
>>3 ごめん。なんかコピーにミスったみたい。thnx。
1さん3さん乙ー
東京探偵団、好色少年のススメ、ユーベルブラッドをお願いします
このスレの1〜5のストーリー教えてください
施設内のCゲノマーは以前の半数以下に減っていた。 薬の拒絶反応が出始めているのだ。『神々の黄昏』という各臣に寄付をしている金持ち団体は、 C計画の進行が思わしくない事を知り圧力をかけてくる。 そこへ、防音の壁を越えて何者かの歌声が聞こえてくる。声の主の珠呂は妖に会わせろという。 妖のもとへ訪れた珠呂は右手を見せる。指の付け根の皮膚が微かに爛れている。――薬の拒絶反応だ。 心配する妖に「俺は十分やりきったんだからいい」と言い、珠呂はそのままライブ会場へ向かった。 ライブの途中、ファンの前で自分は女だと告白する珠呂は、天女へと姿を変え呪力を使った。 施設内で妖はライブの様子を見ていた。テレビを通して珠呂の呪力が伝わり、妖の呪力を制御していた腕輪が取れる。 響き渡る歌声は拘束されていた始祖のもとへも届く。珠呂の呪力により明は目覚めた。 呪力を使った事で薬の拒絶反応は更に進む。それでも妖を救うため歌い続ける。 傍らで死んだ敬の姿が見えるような気がした。呪力を使い果たし、珠呂は死んだ。 神々の黄昏は、もう研究は引き上げろ、全ては我々がもらうと言う。 各臣はC計画のメンバー達に解散を告げる。各臣はセレスを迎えにいき、 無数のヘリコプターのうちの一つに入れる。他のCゲノマー達も連れて行こうとするが、 「外は汚れている。醜い人間が沢山いるから。行きたくない」と彼女たちは言う。 仕方なく、妖と完成したマナと受精卵をヘリコプターに入れ、巨大な船に運ぶ。 C計画は諦めない、船が研究所の代わりだという各臣にセレスは言う。 「愚かな…話しましょうマナの事を。マナは我々の体の一部。 私たちは人間のように進化が出来なかった女のみの種。 我々がマナを生み出したのかマナが我々を生み出したのか… 体を変化させながら長い時を生き、引き換えにマナ無しでは生きられぬ体となり… マナの無い天女はやがて死ぬ。羽衣をつけ天に還るとは、人間でなくなる事。 我々はとても弱いのです。なのに何故地球最強の生物である貴方達が… マナを返して。御影の子よ。愚かな私の子孫たち…」 自分を見つめるセレスを、各臣はきつく抱きしめた。 そこへ、月光を背に翼を生やした十夜が舞い降りた。十夜の手にはマナが。
十夜は飛麗と戦う。押さえつけられた飛麗の、光を失った左目に十夜は手刀を近づける。 「今返してやる」目の大きな傷が消え、視力が戻る。「何者なんだあいつは……!」 オバQ似の使用人のセスナに乗り雄飛もやって来。額には天女の紋章の描かれたベルトが。 雄飛はセレスを助けようとするが、逆に各臣に銃を突きつけられた。 「セレスだけは渡すわけには行かないんだよ」やってきた十夜により救われる妖。 各臣は部下から連絡を受ける。施設に残ったCゲノマー達が自殺したのだという。 羽衣のない天女達は自らの呪力で天に帰ったのだ。 十夜にすがりつき嬉し涙をこぼす妖と雄飛。何故マナを持っていたんだ? 「俺は始祖に頭を打ちぬかれ死んだが、すぐに生き返った。俺はマナに創られた。マナがセレスの元へ戻るために」 五千年も昔。ミカギはマナを海に捨てた。マナは天女がいなければただの物体、やがて朽ちていく。 だが海の中で微生物を取り込んだ事で生命が宿り、自分の片割れのセレスを求め、進化し続けた。 人間としての姿を得てもマナの細胞は変化する。翼を生やし空を飛び、水かきを生やし海を泳ぎ、 剣を創りそれで戦う事も可能だ。銃により頭を撃たれても、マナの力により再生できた。 十夜が妖に惹かれたのも、マナが半身――セレスを求めたためなのかもしれない。 「…違う!俺がお前を求めたのは俺自身の心だ!惹かれあったのはお互いの心だ!」 二人は抱き合う。十夜はマナを返すというが、マナにより生まれた十夜はマナがなくなれば… 明は何かに惹かれるように船内を歩いていた。行く先には人工的に作られたマナがあった。 マナに触れると明の体は細胞レベルで変化し、ミカギへと姿を変えた。 妖は自分が十夜の子供を孕んでいる事を伝える。十夜は涙を流す。 「十夜と血の繋がった子供が生まれるんだよ!あたし達家族になれるんだよ、この子が繋いでくれるんだよ」二人は抱き合った。 そこへミカギがやって来て、十夜もセレスも子供も殺すとミカギは言い、妖の胸を貫く。 雄飛が鉄箸でミカギを攻撃した。額のベルトを通して納涼の呪力がミカギを攻撃する。 「お前も力を貸してくれたんだな…」傍らに死んだ千鳥の姿が見えるような気がした。
瀕死の妖のために十夜はマナを渡す。マナを失ったら近い未来死が訪れる。 だが、死ぬためにマナを渡すわけじゃない。不思議な力を持たない、ただの男になるだけだ。 十夜は生身でミカギに向かいボロボロになる。マナを得た事で完全な天女になり、 女神のような姿となったセレスはミカギを殺そうとする。そこへ現れた雄飛をミカギは殺そうとした。 ミカギの背中から明の上半身が生え出し、ミカギの腕を押さえつけた。 「妖…遅くなってごめん。俺はこれが精一杯だ!俺ごと早く殺してくれ!」 ミカギの皮膚がただれはじめる。人工的なマナは不完全なものだったのだ。どのみちもう助からない。 セレスはミカギを――明を呪力で殺した。元に戻った妖は明を抱きしめ泣いた。 二人の呪力のぶつかり合いで船は沈みかけていた。 無事な受精卵は外に運び出されていた。「ここまでだな…僕も」各臣は自嘲する。 「アナタには御影インターナショナルの次期社長のイスが用意されている! C計画がなくとも…!何故デシか?そこまでC計画にコダワルのは…」各臣は渡したい物があると言う。 それは厚い封筒で、中には御影家の過去の犯罪データが入っていた。 落ち着いたら世間に公表してくれと各臣は言う。「沈むのなら御影も一緒だ。 ……僕は御影の子じゃない。母はいまの父の後妻だ。僕は別の行きずりの男との子らしい。 御影の縁じゃない母と僕に祖父は冷たかったよ。母は御影に認められるために 僕に過大な期待を押し続け、あげく心を病み…」母の事を思い泣いた日々を思い出す。 「天女の受精卵――子供たちはお前に任す。お前にならもっと別の方法で未来が…」 各臣は死んだ明を抱く妖を見つける。 「これがてめえらのやった事の結果だ!」泣きながら雄飛は各臣を殴りつける。 そこへオバQ似の使用人がセスナに乗ってやって来る。 「迎えが来たぞ、早く行け。妖は…きっといい母親になる。その子供を護れよ、十夜」 各臣は沈み行く船の一室で、一人静かに天女の古ぼけた写真を見ていた。
この世ではない所で、セレスとミカギは二人きりでいた。 「ミカギ、私の声が聞こえる?」 「ああ」 「ずっとお前に聞きたかったの。私の事を愛していた?」 「…お前、判らなかったのか?」 セレスを失う事におびえ、自分さえ壊してしまうほどに、ミカギは深くセレスを愛していた。 セレスは涙を零す。 「私も…愛していた。眠りましょうミカギ。私と共に。これで眠れる。終わったのだ、やっと――」 半年後。納涼はニュースを見ていた。 ニュースでは捜査員が御影の会社に入る様子が映っていた。アレクにより御影の犯罪が暴かれ、 警察が動きだしたのだ。雄飛の父は御影の家もこれで終わりだなと言う。 「いいえお義父さま、あの子が…妖がいます。あの子は…あの過酷な運命を乗り越えたんやから…」 妖と十夜の暮らす八丈島に雄飛は来ていた。妖の中の子供はだいぶ大きくなっていた。 「妖ずいぶん元気になったよな!珠呂や明君の葬式の時は心配したけど。 あいつはこれから幸せになるんだ。あんたと…子供と」二人きりの雄飛と十夜は言葉を交わす。 「――俺は多分そう長くない。妖もわかってる。一年か二年かもっと先かはわからないが…もしその時が来たら…」 十夜は雄飛に向かい笑顔を見せた。 眠っている妖を十夜が起こすと、妖は夢を見ていたという。妖の頬には零れた涙があった。 「あれ?あたし居眠りしてた?あのね、夢を見てたの。 珠呂や千鳥、浦川さんや美緒里…セレスが天女になって天に帰っていく所。 そして、二年前渡せなかった誕生日プレゼントのピアスをつけて笑ってる明。みんな、笑ってたよ…」 十夜は妖を抱きしめた。生まれてくる子供に、生まれてくるという意味、生きるという事、愛するという事、 みんなに教えてもらった大切な事を、十夜と一緒にたくさん伝えたいと妖は笑った。
運命(さだめ)を断ち切り 愛は命を紡いでいく ――罪を背負いながらも これから生まれる たくさんの子供たち未来を託して―――― 我が子らに至福の喜びを。 <完>
完結おめ ゆっくり読ませていただきます
「MとNの肖像」やります
>>9 の二行目、
オバQ似の使用人のセスナに乗り雄飛もやって来た。額には天女の紋章の描かれたベルトが。
でした。
下から三行目
そこへミカギがやって来て、十夜もセレスも子供も殺すと言い、妖の胸を貫く。
でした。
人物紹介 香澄 :主人公。優しくてちょっとおっちょこちょい。偽善者との呼び名も高い。 小学生のときに出会った初恋の相手「すすき野原の男の子」との思い出と、 彼がくれた星のかけらを大切にしている。 真理子:くるくる巻き毛で可愛い。よくも悪くも女の子っぽい性格。久住のことが好き。 沙樹 :ショートカットでメガネ。サッパリした性格。司のことが好き。 久住:出来すぎた中学生。かっこよくて頭が良くて優しくて家事が得意。星が好き。弓道部。 司 :久住の親友で同じ弓道部に所属。大勢の女の子と付き合っているプレイボーイ。 沙樹とはおさななじみで、同じマンションの隣人同士。 すすき野原の思い出 その1:ほたる狩りの夜、香澄はすすき野原で知り合った男の子に「シリウスの星のかけら」をもらう。 (男の子は母親が「香澄ー!」と呼んだのを聞いて、香澄の名前を覚えていたらしい) その2:ほたる狩りから半年後、すすき野原でうずくまって泣いてる男の子を発見。 「帰れったら帰れ!」と言われるが、とりあえず隣に座って一緒に泣いた。
香澄は弓道場で出会った男の子に好感を抱くが、それは真理子が想いを寄せている久住だった。 がっかりしつつもあきらめようとする香澄だが、ひょんなことから香澄と久住は挨拶を交わす仲になる。 一方調理室の窓から弓道場が丸見えだということに気づいた真理子の提案により 三人はクッキングクラブを作り、以後弓道場を眺めながらクッキング→部活後の久住と司が食べにくる→ 五人でわいわい会食、というスタイルが確立。 久住と仲良くなるにつれ「久住くんがすき」とはっきり自覚した香澄が困っていたある日、ラジオから 「一言謝りたいのです ごめんね すすき野原の男の子より シリウスの星のかけらの女の子へ」 というメッセージが流れる。自分あてのメッセージだと思った香澄はラジオ局を訪ね、 すすき野原の男の子が書いたリクエストハガキを受け取るがそこには名前も住所も書いてなかった。 香澄は沙樹の提案により、「星のかけらずっと大切にもっています」というメッセージを 流してもらうことにする。 メッセージが流れる当日、遅刻しそうな香澄は出会い頭におじさん(実は久住の父)と衝突、 かばんの中身を道にぶちまけたときに星のかけらを落としてしまう。 真理子・沙樹と一緒に衝突現場でどぶさらいまでして必死に探すが、とうとう見つからない。 その夜香澄から男の子へのメッセージは流れ、「うそついちゃった」と激しく落ち込む香澄。
そのまま春休みに突入し香澄はずっと落ち込む。 真理子と沙樹が沙樹の家で香澄を励ます会を開いてくれて、ちょうど隣の司の部屋にいた 司と久住も加わり久しぶりに楽しい時間を過ごす。久住は見事な料理の腕を披露する。 春休み最終日、河原で香澄と久住は偶然ばったり。久住の家庭事情 (子供の頃に母親が死に、今は父と二人暮しで家事全般を久住が担当)を知る。 香澄も「絶対ついちゃいけないうそをついちゃって落ち込んでるんだ」と久住に打ち明け、 久住はそんな香澄を励ます。夕方シリウスを見ながら久住は香澄に何かいいかけるが、 途中で「なんでもない」と黙ってしまう。 三年生になり、真理子と久住は同じクラスになる。香澄は沙樹、司と同じクラス。 はしゃぐ真理子。香澄はがっかり。 成績が良い久住は名門・青陵高校を目指すと司が教えてくれる。 「香澄ちゃんなら入れるよ」と励ます司。香澄の気持ちに気づいてる? (成績は 久住>香澄>沙樹・司>>>>>真理子 という設定) 教科書を忘れた香澄は真理子に借りにいくが席を外していて、たまたまその場にいた久住が 教科書とノートを貸してくれた。しかしノートの文字がすすき野原の男の子が書いた ハガキの文字にそっくりで、すすき野原の男の子は久住?と疑念を抱く香澄。
久住は香澄に何かをいいかけては話をそらすことを何度か繰り返す。 疑念のこともあり気になってしかたない香澄はある朝久住を弓道場で待ち伏せて 「何を言いたいのか教えて」と詰め寄る。久住は星のかけらを香澄に渡す。 泣いて喜ぶ香澄だが、よく考えてみると何で久住が落とした星のかけらを持ってるのかわからない。 クッキングクラブの会食タイムで改めて確認すると、久住の父親が拾ったこと、 久住と同じ中学の制服で「ボブカットで元気な女の子」だと父親が言っていたので ひょっとして香澄じゃないかと思ったこと、を久住は説明。 しかし「それだけのヒントで私だとわかるなんて…」とますます疑念を深める香澄。 香澄は知らない男子・二階堂からラブレターを貰う。返事をするため指定された図書館に行くと、 久住が本を読んでいて動揺。そこへ二階堂が現れ図書館中に響く大声で告白される。 香澄は立ちくらみから頭を強打し、気を失ってしまう。おろおろする二階堂にしびれを切らし、 久住が香澄をお姫様抱っこして保健室まで運ぼうとする(途中で転んで落とす)。 香澄は二階堂と久住の前で、二階堂に「今誰とも付き合うつもりはない」と告げる。 翌日熱を出して学校を休むが、その間に二階堂と香澄はくっついたという噂が 校内に広まっていることを見舞いにきた沙樹と真理子から聞かされ激しく落ち込む。 そこに久住から励ましの電話が入りあっというまに回復。 久住は香澄を運んだことで株を上げ、ますますモテモテになる。
夏休み、香澄は真理子と久住が一緒に歩いているのを目撃、大ショック。 (図書館帰りの久住に真理子が声をかけたことが後で判明)「真理子を選ぶのだけはやめてほしい」 と心の中で叫ぶ。その裏で真理子の前ではついつい真理子を励ましたりけしかけたりする 言動を繰り返し「私って最低」と落ち込む。 夏休みの宿題大会を沙樹の家で開いていると例のごとく司の家に久住がいた。 司は香澄と久住が一緒に夕飯をつくるようにしたり、久住に香澄を家まで送らせたりなどと画策する。 そんな司に沙樹は「三角形のバランスを崩さないで」と警告する(沙樹も香澄の気持ちに気づいてた)が、 司は聞く耳を持たない。司は香澄本人にも「好きなんだろ?久住のこと」と問い質し、「頑張れよ」と励ます。 更に司は久住・香澄と同じ青陵高校を目指すべく、今まで付き合ってた女の子全員と手を切って 勉強に専念するようになる。 真理子は香澄が久住を見つめていたことに気づき、ひょっとして香澄ちゃんは…と思い始める。 香澄は自転車に乗った久住と衝突し、久住は怪我をして学校を休む。 心配した香澄は家まで見舞いにいくが、その道の途中であのすすき野原を発見。 さらに久住の部屋に入ると、久住はすすき野原の男の子が例のメッセージの際にリクエストした 太田裕美の「星がたり」という曲をかけていた。 久住はやっぱり星のかけらの男の子だったのだ。 久住は最初に弓道場で再会したとき沙樹が香澄の名前を呼ぶのを聞いてすぐに気づいたが、 ひどい言葉をかけた(思い出その2参照)ことから嫌われたんじゃないかと思い、 それが怖くて言い出せなかったという。思い出その2は久住の母親が死んだ日だった。 6年振りにすべての謎が解けて笑いあう二人。
クリスマスイブ、5人でパーティーを開く。帰ろうとする久住に、香澄は真理子を送ってと頼む。 香澄は司に送ってもらう。その夜、沙樹は司から香澄が好きだと聞き出す。 香澄の気持ちは明らかだし、久住も香澄に対する態度と他の女の子への態度は明らかに違う (名前で呼ぶ女の子は香澄だけだし、香澄だけには用がなくても声をかけているらしい)。 そんな二人を見てるとじれったいので早くくっつけて自分もスッキリしたいという司の言葉を聞き、 沙樹は部屋で一人泣き崩れる。 受験は無事終了、全員合格。久住・香澄・司は青陵高校に行くことになった。 卒業式当日。真理子は香澄に「久住くんのことどう思ってる?」と聞かれる。 香澄は「友達以上には考えられないわ!」と言うが、それを久住本人にも聞かれる。 思わず「もうやだーっ」と叫んで真理子の前を走り去ると沙樹とぶつかる。 沙樹も香澄の想いに気づいていたことを知り、「ばかじゃない…あたし」と呟いて沙樹の前も去る。 恋も友情も一気に失った香澄。「青陵なんて受からなければよかった」と泣く。 久住と司は金ボタンを求める女子生徒のせいで制服がぼろぼろ。 久住は「身も心もボロボロだぜ」と呟く。 つづく
>>20 その5の下から7行目
× 卒業式当日。真理子は香澄に「久住くんのことどう思ってる?」と聞かれる。
○ 卒業式当日。香澄は真理子に「久住くんのことどう思ってる?」と聞かれる。
逆でした、ごめんなさい。
自宅の神戸からわざわざ電車で大阪の高校へ入学した安部みつる、 同じく京都からやって来た甘草夏彦。偶然にも二人はある共通の思いを抱えている。 今度こそまともで穏やかな学園生活をなんとしてでも死守したい――― お水系美少女顔に内気で控えめな性格のみつるはすぐに男子生徒のアイドルに。 一方、目がいいのに何故か眼鏡をかけている夏彦は、眼鏡を外すと美少年だと評判に。 五月蝿い同級生から逃れるため視聴覚室へ逃げた二人は鉢合わせる。 そこでみつるは夏彦の足に引っかかり転び、顔を腫らし鼻血を出す。 大丈夫かと訊く夏彦に、イっちゃった目をしたみつるは迫る。 「あなたって最高…っ…その鋭い肘で私をぶって…この足で私を蹴って…いじめて… 踏みつけて…いたぶって…お願い…私をあなたの好きにしてーーーっっ」 夏彦に迫ろうとして、みつるはまたもずっこけ気を失う。夏彦はみつるを保健室へ運んだ。 眠るみつるは過去の記憶を夢に見る。名家である安部家のため、優秀な人間になれと 母に鞭で叩かれる日々。人より出来ない分人より十倍努力し、皆に尊敬された中学時代。 卒業式の総代に選ばれ、後輩からは安部先輩と親しまれ、母の望む人間となった頃、 みつるは的外れな蹴りにあい、マゾっぷりを公衆の一面で晒してしまう。 母に鞭で叩かれるうち、暴力がどこかで快感になっていたのだ。 鞭で叩かれる度、自分は叩かれるだけまだ見捨てられていないという安心感があった。 高等部進級の大事な時期にマゾっぷりを披露したみつるは総代から下ろされ、 こんなふしだらな娘とは思わなかったと、殴る価値すらないと母に言われた。 目覚めたみつるは夏彦にそう説明した。遠い地での高校では騒ぎを起こさずに 母の信頼を取り戻そうとしたのに入学早々夏彦にばれてしまうとは…みつるは泣く。 夏彦は自分が内緒にして、ばれそうになったら協力してあげればいい話だろうと、 優しい態度を見せ、家まで送っていってくれた。 誰にも深入りしないと決めたのになんであんな事をしてしまったのだろうと 夏彦は溜息をつき、ポケットから美しい少女の映った写真を取り出して見る。 あの時、人に気を許す少しの油断が取り返しのつかない後悔になったんだ。 同情なんてしてる場合じゃない。みつるには関わらないでおこうと夏彦は決心する。
あ、続きます。
下から13行目、「公衆の面前」でした。
連レスすまそ。 下から三行目、「映る」じゃなくて「写る」でした。
ついに異世界へやってきたクリオ達早速仲間探しを始める。ところが魔物達は常に一匹しか 出てこないので効率が悪く、なかなか仲間にならない。(クリオ達は不思議がってたが DQ1は絶対に一匹しか敵が出てこない)最初は強気だったクリオも次第に弱気になっていく。 そのタイミングを見計らって姿を変えたワルぼうが、砂漠の真ん中にある町に話の 分かる強い魔物が棲むと嘘アドバイス。言われた場所に言ってみるとそこは廃墟だった。 そしてそこで現れた悪魔の騎士という上位の悪魔系モンスターとM・B。 うまく撹乱しながら戦力差を補いながら戦っていると向こうからストップがかかる。 これを好機とみて仲間に入れようと話合い、途中まではいい感じだったが竜王を倒そうと 言った瞬間に交渉決裂、悪魔の騎士は竜王の手下だったのだ。 仲間探しもふりだしに戻ったように思えたが様子をずっと見ていたスライムベスのライム♀がなんと仲間になってくれた。 それから数日がたち、仲間探しをしながら戦いのコツをつかんできたクリオはいつものよ うに倒した魔物を説得しようとしたがその魔物は魔物ハンターに殺されると一目散に逃げ ていってしまった。 その後しばらくしてクリオ達の前に巨大な熊の魔物が現れた。先ほど逃げた魔物リカントの長ダースリカントである。 とっさの出来事に反応が遅れスラおが先制攻撃を受けてしまい、慌てて逃げようとするが回り込まれて ジュニアが手痛いダメージを負ってしまう。その後、必死で逃げ続けなんとか逃げる事に成功する。 クリオ達を見失ったダースリカントはその時別の人間と対峙していた。いつものようにその人間を襲うが 次の瞬間倒れたのはその人間ではなくダースリカントであった。 「魔物ハンターか…確かにお前達から見ればそうかもしれんな…許せ」 彼こそ伝説の勇者ロトの子孫にしてアレフガルドの勇者である。
その後勇者はアレフガルドの地をいくつか回り、町々の様子を見て回ったが昨夜までは確 かにいた人々が消えている事に気付き危機を感じた勇者は始まりの地ラダトームへ向かう。 その頃クリオは重傷を負ったジュニアを治療するため、一人で町を探していた。 首尾よく町を発見したのはいいが、人影がどこにも見当たらない。代わりに家屋の間から なぜかドラゴンが現れクリオを襲うが、時を同じくして現れた勇者によって助けられる。 勇者とドラゴンはほぼ互角の攻防を繰り広げるがクリオが囮となり何とかドラゴンを倒す。 やっとスラおとライムが駆けつけ改めて自己紹介しあうが、勇者は魔物と共にいるクリオ を魔物の罠かと少し疑いはじめる。 その後ドラゴンがいた場所に謎の大穴ができ、クリオは迷わずそこに飛び込むが 勇者はやはり魔物の罠か?と穴の前で悩み続ける。 飛び込んだ先は神殿のような所だった。そしてその先でついにテリーと竜王を発見する。 竜王は自分はテリーに創られたと語り、テリーにほしふりの大会後に起こった事が明らかになる。 M・Mを極めようと冒険に冒険を重ね、配合に配合を重ねたテリー。そしてある時、究極 の配合に近づいた時、力を求めた旅の先にテリーは魔神デスタムーアを生み出した。 「我はお前が求めている究極の力以上に力を得る秘法を知っている。それを知りたくはな いか?受け取るがいい、邪の波動の源…邪の宝玉を」 「…知りたい、まだ誰も知らない力を…」 「そうだ、我を創るがよい。全ての魔物を糧に…究極のモンスターを…!」
起こった出来事を語るとテリーは消えてしまい、いよいよ竜王とM・B ライムは戦力外、ジュニアは瀕死のため一人で竜王と戦うスラお、序盤こそいい勝負だっ たが次第に状況は不利になっていく。ライムはただ見る事しか出来ない状況に怒りを感じ その怒りでなんとメラを使用するがやはり力不足でピンチに。 その時、突然竜王の体を切り裂く影が… 「貴様は…何者…!?」 「人呼んで勇者…世界を正す者だ!」 勇者は一目で目の前にいる竜王は竜王であって竜王でない事を見抜き、竜王もまた見たこ ともないはずの勇者の姿に心を乱されそれまであった余裕はもう無くなっていた。 そこにライム、スラお、勇者の集中攻撃を受け、ついに竜王は倒れたかに思えたが勝利を 確信した瞬間、再び起きあがった竜王に勇者は古代魔法バシルーラをうけ、本来いた世界 に飛ばされてしまう。 さらに竜王は邪の波動の力を使い、タイジュで見せた黒い竜の姿へと変身していく。 竜となった竜王の力は凄まじく、一瞬でスラおもライムも倒されてしまい勇者も もはやいないという絶望的な状況、しかしなんとさらに乱入者が現れた。 現れたのは目の前にいる竜王とまったく同じ姿をした竜だった。新たに現れた竜は竜王 の喉笛を食いちぎり、クリオを見下ろし口を開く 「人間の子供よ、その胸に刻み込むがいい …我が名は竜王、誇り高き竜族の王にして…この世界の覇者…!」 クリオは神殿を去っていく真の竜王を呆然とみつめ、つぶやく事しか出来なかった。 「本物の竜王…あれが勇者さんの戦う相手…」 異世界の主はとりあえず倒されたので、ワルぼうに連れられ再びタイジュに戻ってきたク リオ、異世界の出来事を語りあっという間に夜は更けた。 翌日、ライムとジュニアが配合をすると言いだしクリオの元を離れ、去っていった。 後に残されたライムとジュニアの子供、ドラゴスライムのドラムが新たに仲間になり 目的をテリー捜索からテリー打倒に変え、クリオは再び次の冒険へ旅立つ。 空には邪の波動に取り込まれたはずのしんりゅうがモンじいの所へ帰っていくのが見えていた。
補足 メラ:火球で相手を攻撃する呪文、メラ、メラミ、メラゾーマとランクアップする。 バシルーラ:小さな旅の扉を作り対象を異世界へ強制退去させる呪文。 配合:魔物同士が結婚する事。親達はどこかへと去っていくがM・Mの元には両親の力を 受け継いだ子供が残される。魔物は強くなろうとする本能で配合を求め、M・Mに従う事 でそのチャンスを得、M・Mはその代わり魔物に力を貸して貰う。 続きます。
前にドラモン+がうpされたときにちょこっと話になってたけど、簡単にでいいなら、 既に出てるダイとかDQ7とかの他にそのうちYGの影響でロト紋リクも来るだろうし、 DQベーシック呪文表でも作ろうか?
>>15-21 「星の瞳のシルエット」乙です。
当時「りぼんっ子」(読書はりぼん誌内でそうよばれてた)だったので、
記憶が蘇ってきて懐かしい〜!
香澄、真理子が幼心にDQNっぽかったなあ。
アオリが「150万人乙女のバイブル!」「もう毎号クライマックス!です」
だったハズw
続きが待ち遠しいです。
>31 「150万人乙女のバイブル!」>250万乙女の恋の聖書だよ。 マシュマロ感覚 ドリーミィー・ラブなんてのもあったねw
>>30 そういうのやりだしたらきりがないし、やめとこうや
>>33 わかったやめとく。最悪「手近なDQの攻略本立ち読みしなされ」でもいいしな。
35 :
RAVE :04/05/16 00:15 ID:???
>前446続き レイナの攻撃にされるがままのムジカだったが、ある可能性に気付く。 リゼは確かにシルバーレイを盗みに行ったのかも知れない。 けれど、そこにはすでに無かったのだとすれば辻妻が合う。 戦意を取り戻したムジカだったが、六析DBの前にムジカも敗れてしまう。 【エリー×ユリウス戦】 ふとしたことでユリウスの顔に傷をつけてしまうからさあ大変。 ナルシストのユリウスは理性を失い猛攻撃してくる。 エリーはグリフを庇い腕を折り、そんなエリーを、今度はグリフが庇い真っ二つに斬られた。 グリフが殺されたショックでエーテリオンが発動。 (封印されているが一時の感情によってはみ出した) 自分のせいでグリフが死んでしまったと泣く。 そこにハルが助けに来た。 しかし、ハジャの一撃により倒れてしまうハル… 絶体絶命のピンチを救ってくれたのは、かつてエリーを殺そうとしたジークだった。 「この星を救うにはハルやエリーの力がいる。その力を守りにきた」 ジークの登場に分が悪いと悟ったハジャは、一時退散を命じ、去って行った。 ジークのおかげでレット、ムジカが助け出され実はグリフも生きていた。 ジークは皆に大事な話があると話し出す。 「最も邪悪で強大な者が現れ、この星が破滅するかもしれない。 その男こそ金髪の悪魔。ルシア・レアグローブ、キングの息子」 一方、DCは完全復活に向け着々と準備を進めていた。 残るは、巨大な要塞、六人目の六析将軍、新たな王。 DCはキングの息子ルシアを新たな王として迎えた…
36 :
RAVE :04/05/16 00:17 ID:???
「DCの目的は星の記憶。おそらくシンクレアを完成させて星の記憶へ入るつもりだ。 奴を倒すには全てのレイヴを集め、 レイヴを一つの完全な形に戻さなくてはならない」 リーシャの死後、5つにわかれてしまったレイヴは、 エーテリオンによってしか一つになることはないだろうとジークは考えた。 しかし、エリーにはエーテリオンを制御できない。 その為にエリーの記憶を取り戻すのが重要だという結論に達する。 それを解く手がかりはエリーの腕のELIEの文字。 ELIE、3173は世界座標と考え、早速その場所へと進む。 結界魔法によって守られていたその場所には、一体のガイコツが。 ガイコツは何故かエリーと全く同じ首飾りをしていた。 森の奥にはリーシャの墓、そして一部的に蘇るエリーの記憶… しかし、エーテリオンには繋がらなかった。 ジークは、時を守る使命があるのでここで別れることに。 一行が次に向かったのは風の村、デバコ。 エリーの骨折の治療の為、秘薬エリクシルを求めにやってきた。 調合したアリス(508才じいさん)から薬をもらうと、今度はアカペラ島へと船を進めた。 残り二つのレイヴどちらから進むべきか予言者の言葉に従うことに。 一人一人に向け予言がなされる ハル:運命は南に集う。そこに未来が見える。 ムジカ:南の地で人生を左右する大きな二択をせまられる。 エリー:南の地で悲しみの中に身をおく。逃げてはいけない。 レット:南の地で大切な何かを失う。 ルビー:巡り会い、そして剣を抜く。 プルー&グリフ:光を求め彷徨う。 12巻終わり →続く
>>20 の続きです。
高校入学。髪をさっぱり切った香澄は司と同じクラスで、久住は違うクラス。
香澄は同じクラスにおケイという友達が出来る。おケイはさっそく気になる男の子がいると言う。
「友達以上には〜」発言以来気まずくて久住と顔をあわせることをを避け続けている香澄には
そんな彼女がうらやましい。
久住は入学以来香澄に会わないことを気にしている。司に「避けられてる!」と冗談交じりに指摘され、
「友達以上に考えられないなら避ける必要ないじゃないか」と思いつつも直接本人に会いには行けず
いらいらする久住。
おケイが気になる男の子とは久住だった。それを知った司は香澄に真理子のときと
また同じ想いをさせたくなくて、おケイに「久住はやめろ」とせまる。おケイは猛反発、説得効果無し。
久住くんが天文部に入部した情報を聞きつけ、おケイは香澄を引っ張って天文部に入部。
ついに久住と対面する香澄。司も後から(おケイの邪魔をするために)入部してくる。
久住と香澄は二人で下校。久住がいつもと同じように話しかけてくるので安心しつつも
「久住にとっては別に何でもないことだったのね…」と少しがっかり。
しかし久住は久住で香澄への想いを自覚しつつあり、実は何でもない様子を無理して装っていた。
香澄はおケイから久住が好きと聞かされ慌てるが、勢い負けして自分の想いをおケイに伝えるタイミングを逃す。
中学時代の繰り返し?と悩みつつも、とりあえず沙樹との仲直りを果たす。
真理子は久住をあきらめられず、青陵高校の最寄り駅(青陵駅)で下校する久住を待ち伏せては 遠くから眺めることを繰り返していた。時には香澄と久住(と司)が一緒に帰る様子を目撃することもあり、 そのたび心を痛めていた。そのうちひょんなことから久住の同級生で同じ天文部の日野と知り合う。 日野は可愛い真理子に一目ぼれ。 ある日、いつものように久住・司・日野と下校していた香澄は、その様子を見守っている真理子と目が合う。 あわてて追いかけるが真理子は逃げてしまう。一部始終を見ていた日野は気になってしょうがない。 香澄は沙樹から真理子がよく青陵駅に通っていたことを聞き、真理子の心情を思い久住と一緒に 帰ることを避けるようになる。 夏休み。沙樹と香澄が入った喫茶店で、久住とおケイがバイトをしてた。 おケイは、たまたま入った喫茶店で久住くんが働いてたのでその場で自分もバイトを申し込んだという。 沙樹は一瞬でおケイの目的を見抜いて香澄に「また中学のときの二の舞繰りかえすつもり?」と釘を刺す。 おケイは久住をしつこく誘うが全然乗り気でない様子に苛立ち「香澄のこと好きなんでしょ?」と 問い詰める。久住は「人の心に踏み込むな」と捨て台詞を吐いて去る。 天文部の夏合宿。久住は司と香澄が仲良くしているのが気になる。 香澄はおケイに自分の気持ちを伝えようとするが、やっぱり言い出せない。 そして最終日の夜。草むらで二人っきりになり、久住は香澄に「君が好きだ」と告白。 香澄は真理子のことを思い「ごめんなさい」と言ってしまう。 真理子も久住も選べず、結果的に二人を傷つける結果となった。
新学期になり、久住と香澄は前と同じように友達付き合いをしている。 香澄はおケイにようやく久住が好きだと告げる。おケイは「知っていたけど香澄が言ってくれるのを 待っていた」と言い、二人は握手。香澄はちょっと後ろめたい。 日野は真理子が久住を好きだということを知りショックを受けるが、真理子の恋に協力するべく 青陵高校学園祭に真理子を誘って久住に真理子を案内させる。しかし香澄とはちあわせしてしまう。 香澄は真理子に仲直りをしたいと言うが、真理子は拒む。 改めて香澄は自分の偽善者っぷりを反省。いろいろ考えた挙句、ある日真理子の家を訪ねて 「私…失恋しちゃった」「久住くんに告白してごらんよ」と言う。 その言葉に乗せられて、真理子は告白を決意。 久住と司はお互いに香澄が好きなことを確認。久住は「香澄を誰にも渡したくない」と言いつつも 香澄は司が好きだと勘違いしているので司に「頑張れよ」と言う。 久住が既にふられていることを知らない司は「『頑張ろうぜ』だろ?」と訝しがる。
真理子はついに久住に告白。久住は香澄を忘れるためにOKしてしまう。 真理子は香澄に報告し、二人はいったん仲直り。 沙樹は香澄に本当にそれで良いのかと詰め寄り、夏合宿での一件を聞き出す。 一方久住は司に報告。司はマジ切れ、殴り合ってケンカ別れする二人。 納得できない司は、その勢いで香澄に「久住なんか忘れてオレと付き合えよ!」と告白する。 初めて司の真意を知った香澄は衝撃を受ける。 沙樹は久住に「香澄のことがまだ好きなのに真理子と付き合うなんて残酷だ」となじる。 久住は「香澄はじきに司と付き合うだろう」と勘違い発言。 動揺した沙樹は「香澄が好きなのは司じゃないわよ!」と口走ってしまう。
司は香澄を映画に誘う。そこで真理子と久住の初デートと出くわし、 司と香澄は逃げるようにその場を去る。 真理子と久住はそのまま映画を見てお茶するが会話は全く弾まない。 久住の真意が見えず悩む真理子。 香澄は司に「久住くんのこと好きなまま司くんと付き合うなんて出来ない」と断る。 司は久住が香澄に告白→ふられていたことを初めて聞き、二人は想い合っているのに 不自然だと香澄を責める。ただ泣くばかりの香澄を司は抱きしめるが、香澄は突き放して走り去る。 ふられてすっぱりした司。家に帰った後、沙樹に「初恋はお前だった」と告げる。沙樹泣く。 その日の夕方、久住は帰宅途中にすすき野原でしゃがみこんでいる香澄を発見。 香澄も久住に気づき、走って逃げるが久住は追いかける。 手をつかまれた香澄は、泣きながら久住の胸に飛び込んでしまう。久住もそんな香澄を抱きしめる。 翌日。司は香澄に「ふってくれてスッキリしたよ」と告げる。司の優しさに感謝する香澄。 部室で香澄と久住は出くわす。昨日のことを思って互いに照れつつ、 久住は香澄に司と付き合ってるのかと尋ねる。香澄は否定。 「同情は やさしさなんかじゃないんだよな」「君はえらいね」と久住は言う。 そして、どうして忘れられるなんて思ったんだろう、と心の中で香澄への想いを再認識する。 司と久住はようやく仲直りした。久住の勘違い(香澄は司が好き)を知り、司はあきれる。 つづく
>>31-32 始めの頃は200万部だったのに、途中で部数が増えて250万部になったんですよね。
あっさり3レスぐらいでまとめるつもりが、いざ書き出すとどのエピソードも捨てられなくて
結局てんこもりになってしまいました。
元乙女のみなさまにも満足してもらえると良いのですが。
沙樹ちゃんがけなげで好きだったなあ 連載中もどかしくて大変だったのを思い出す これからもがんばってくださいね
翌日、夏彦と親しい態度をとるみつるに嫉妬し、 女子生徒達はみつるにバケツの水をかけようとする。 夏彦は見知らぬふりをしておけず、みつるをかばい水まみれに。 みつるは着替えを探しに行った。戻ってくると、夏彦は涙を流して鏡を見つめていた。 「…なぜ、僕はこんなにキレイなんだろう…この目、この髪、この鼻、 この口…まるで奇跡のようだ…僕は…美しすぎる。パー…フェクト…っ! 僕にとって友達は君だけだ。僕と同じ顔の鏡の中の君。愛して…いるよ…」 正気に戻った夏彦は人気のない公園へ行きみつるに説明をする。 幼い頃、体の弱い夏彦は黴菌があるからと外へ出れず、友達とも遊べず、 いつも一人家の中にいた。そんな時鏡の中の自分を見て、そこから『美』を見いだし、 『自分』に興味を持つ事を覚えた。それから病気のように、鏡に映る自分の姿を 見るだけで恍惚状態になるようになった。いつ何時自分の美しい姿が目に入り 恍惚状態になるかわからないから、夏彦は目が悪くもないのに眼鏡をかけるようになった。 しかし、水でぬれたために眼鏡を外し、鏡を見てしまったために… 同病相哀れむように、みつるは同情して誰にもナルシストだとばらさないと誓う。 一先ず安心して夏彦は帰り、中学時代を思い出す。 美しい自分に何人もの女子生徒が告白してきたが、一番好きなのは自分だから 一度も承諾しなかった。ある日、自分に匹敵するほどの美貌を持つ女子・後藤が現れた。 夏彦は後藤と付き合うようになり、自分がナルシストである事も打ち明けるが、 後藤はそれを気持ち悪がり夏彦の性癖を学校中に言いふらした。 生まれて初めて興味を持った他人だから、ありのままの自分を知ってもらおうとしただけなのに… それがもとで夏彦は遠くの高校へ入学したのだった。 翌日、みつるは夏彦の、美少女の写った写真を見てしまう。 ナルシストとはいえ、好きな人がいるんだ、その人の写真なんだろうとみつるは落ち込む。 一人落ち込むみつるの顔面にサッカーボールが当たる。二年生の聖英一の物だ。 「その逞しいボールさばきで私を…あなたの愛の奴隷にしてください」 激しい快感のためまたも人格の変貌したみつるは、聖に迫る。 夏彦はみつるの気を失わせその場から連れ運んだ。
翌日、みつるを見つけた聖は、みつるに一目惚れをしたと公衆の面前で宣言。 夏彦はみつるを助けるため、彼女は俺と付き合っている、何かの間違いだと嘘をつく。 しかし、マゾである事をばらさないかわりに付き合えと聖は脅してくる。 聖は大の犬嫌い。みつるに付き合おうと言ったのはみつるが好きだからじゃなくて、 帰り道にいる自分に懐いてくる犬を引き離してもらうためだという。 脅されて付き合い始めた事も、実は犬係になっただけだと言う事も 夏彦に言えず、誤解されているだろうとみつるは落ち込む。 しかし誤解が解け、夏彦は「友達になろう」とみつるに言ってきてくれた。 二人は手を繋ぎ喜びあった。みつるは写真の女の事を夏彦に訊ねる。 後藤と公平に張り合うために女装し、その勝利の記念写真だとはとても言えなかった。 あっという間に七月。ナルシストの息子に友人ができた事を知った夏彦の母は、 連れて来い連れて来いと五月蝿い。みつるは聖と共に京都の甘草家へ。 聖は夏彦がナルシストである事に感づく。夏バテで倒れた夏彦をみつる達は 夏彦の部屋へと連れて行く。そこにはお堂のような物があり、中は一面鏡張りの 鏡の小部屋となっていた。夏彦の憩いの場所だ。みつるはすぐに扉を閉めるが、 聖が覗こうとしてくる。覗かれれば夏彦がナルシストである事が完全にばれてしまう! みつるは慌てて扉を閉めようとして鏡をわってしまい、怪我をしてM人格が目覚める。 騒ぎに起き上がった夏彦も鏡の欠片に写る自分の顔を見てN人格に目覚め、 部屋は恐ろしい状況になる。夏彦の婆やのチョップで二人は目覚めた。 みつるは「甘草くんの事は内緒にしてください」と聖に泣いた。 現場を見てしまった夏彦母は、気持ち悪がるどころか 「みつるちゃんって面白い方ねえ…お嫁さんにほしいわ」と声を踊らせた。 夏彦は壊れてしまった心のオアシス・鏡の小部屋を泣きながら掃除をした。 夏休み、学年の合宿の肝試しの時、夏彦は気を失ったみつるとキスをしてしまう。 目覚めてから、気を失ってる時に何があったのかなど知らない みつるは夏彦の態度の変化に不安を感じる。キスをした事で夏彦はみつるを 意識するようになり、やがて自分がみつるに恋をしている事に気づいた。
冬。一、二年合同でみつる達はスキー合宿へ行き、夏彦・みつる・聖と、 一年の辻理々花の四人は遭難する。理々花は女子の嫉妬の的に なっているみつるに気さくに接し、みつるは初めて友達が出来たと喜ぶ。 夏彦は理々花の鏡ゴーグルに映る自分に向かい愛の告白をし、 理々花はそれを自分に向かった言葉だと勘違いしドギマギする。 無事ホテルへ戻り、四人は風呂へ入る。みつるは理々花に誘われ 生徒が入る事は禁止されていた混浴の露天風呂に入る。 そこで夏彦が理々花を好きらしいと聞きみつるはショックを受ける。 理々花が荷物を取りに行った隙に男子大学生の集団が露天風呂に入っていた。 一人残されたみつるを助けるために夏彦と聖がやって来るが、 みつるは途中で倒れて真っ裸を男たちに晒してしまう。大騒ぎになり、 夏彦と聖は反省室で一夜を過ごす事に。理々花とみつるは 夏彦のおかげで普通の部屋に。みつるは眠ったので理々花は一人、 夏彦達の部屋に差し入れに行く。 「だからもっとやさしく…」 「ムリですよこれ以上…先輩…」 夏彦は同じ布団の中で聖にマッサージをさせられていた。 それを見た理々花は二人がホモだと疑う。 遭難事件・混浴事件を聞いた安部母はみつるを迎えにいくと言う。 母に怒られる事を想像し、自分が混浴で倒れたときM人格を 目覚めさせ裸に迫っていたんじゃないかと想像し、みつるは落ち込む。 扉の外から、安部は性格が悪いという噂なのになんでかまうんだ、と 女子が理々花に言ってるのを聞く。 「みつるちゃんはいい子だよ」 理々花が自分をかばっているのを聞きみつるは涙を流した。 落ち込んでいるみつるのもとへ、夏彦が来る。 夏彦は「俺は安部さんが好きだよ」と告白する。 「私も…好きです」ホモ疑惑も解け、みつるは夏彦に告白した。
四人は進級する。ある日みつるの兄で、歯科医の一臣が歯科検診にやって来る。 兄・姉・妹の三兄妹の中でみつるは一番母に似ている。 マザコンで、みつるに歪んだ愛情を抱いている兄は、みつるの誕生日に プレゼントを渡そうとデートを持ちかける夏彦を妨害する。 何をあげればいいのかわからないので直接みつるに選んでもらおうと 思ったのだが、一臣に先にプレゼントの服を渡されてしまい、 落ち込んで帰ろうとする夏彦を追いかけてみつるは事故にあい、 それをかばって夏彦は顔に傷を追う。ナルシストは顔が命。夏彦は半狂乱に。 みつるは一臣のプレゼントの服の裾を破ってまで夏彦を治療した。 傷はニ針ですんだが、後に残るものだという。だが夏彦は整形で治す事を拒んだ。 この傷はみつるをかばった勲章なのだから…… 進路指導の日、三社面談でもないのに安倍母はやって来た。 一臣からみつるに親しい少年がいると聞きつけたのだ。 「この子は卒業後しかるべき娘に引き合わせ、花嫁修業を兼ねた 家に恥じない大学を出させた後、すぐにでも嫁がせるつもりです」 教師にそう言う母の言葉を聞き、みつるは固まった。 帰りには雨が降っていた。みつるが置き傘を取りに行っている間、 玄関で待っていた安倍母に夏彦は傘をかす。 安倍母は夏彦に好感を持つが、夏彦はナル人格を見せてしまう。 「汚らわしい…」安倍母は嫌悪を剥き出しにする。 安倍母はみつるを車に乗せ帰る途中、 「あのようなみっともない人間と貴方が付き合っていたなんておぞましい」と言う。 「甘草くんははみっともなくなんかありません!彼は私の好きな人です!」みつるは叫んだ。 朝は一臣に連れられ、夕は母に迎えられ、日中は教師に見張られ…みつるは 周りから監視されるようになる。 みつるは監視の隙を見て理々花に夏彦と 付き合っている事を告白する。理々花かはショックを受けるが、どんな時も味方だと言ってくれた。
続く
下から13行目 「この子は卒業後しかるべき人に引き合わせ、花嫁修業を兼ねた でした。
すごい話ですな
「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」 本当に荒い筋だけ書きます。 「マサルさん」の本質はギャグにあるので だからあらすじだけ読んでも意味がないといえば、ない。 それじゃここから↓
県立わかめ高校に転入してきた高校2年生の藤山起目粒(ふじわら・おこめつぶ)。 肩に奇妙な円盤を装着した高校生・マサルの隣の席に座ることに。 藤山はマサルに「フーミン」とあだ名をつけられる。 これがフーミンのトレンディライフの始まりであった。 校内の不良に絡まれるマサルとフーミン。 マサルは奇妙な技「セクシーコマンドー」を使ってヤンキーを軽々と倒し、 倒れたヤンキーの額に「肉」と書き込む。 逆恨みした不良に一人でいるところを狙われたフーミンを助けたのは 空手部主将のマチャ彦であった。 先生から廃部を言い渡された空手部建て直しのために、 マサルを空手部に勧誘するマチャ彦。 マサルはそんなマチャ彦のために奔走。 先生にかけあって、 三日以内に5人を集めれば「セクシーコマンドー部」を作ってもよい という約束をとりつけてきた。 マサルたちは不良の妨害を乗り越え部員5人を集めることに成功し、 ここにわかめ高校・セクシーコマンドー部が設立される。 部員は マサルさん フーミン(強制的に入部) 近藤真茶彦=マチャ彦(漢らしい) 磯部強=キャシャリン(華奢) 田中スーザンふ美子(じじい。その正体はわかめ高校校長) 部のテーマソングを決めたり ヒゲ好き女子高生のモエモエがマネージャーになったり、 たらこ唇の中年体育教師(そして権力には弱い)トレパン松田が顧問になったり、 留年したり、モテない田中(アフロ)が新たに入部したり、と セクシーコマンドー部の活動は次第に充実したものに(なったような気がする)。
休日にみんなでハイキングにでかけたセクシーコマンドー部員たち。 山の洞窟の中の「どすこい喫茶ジュテーム」で 「メソ」というとんでもなくかわいい生物を発見。 背中についてるチャックの存在すら忘れさせるそのかわいらしさに ついメソを連れ帰ってしまったマサルたち。 メソとともにマサルの家に泊まったフーミンはその夜、 暗闇の中でメソの中身を垣間見てしまう。メソの中身…それは謎。 メソはセクシーコマンドー部のマスコットに。 セクシーコマンドー部が全国大会に出場決定。 部員一同はマサルの驚異的な強さと 校長が過去何度も優勝していたという事実に驚く。 順調に勝ち進むわかめ高校セクシーコマンドー部。 準決勝にも勝ち、決勝進出決定。そして…温泉へ。 セクシーコマンドー部合宿。 マサルさんが決めてきた合宿場は「男宿(おとこじゅく)」。 謎の中国人Kやアメリカ人Jの試練を乗り越えるも 結局豪華晩御飯は食べられず、卓球で男の汗を流す。 キャシャリンが謎の宇宙人に洗脳されて マサルさんの肩についてる円盤を盗み出した。 …紳士的に変身したマサルさんと宇宙人との対話… そして和解。円盤はマサルさんの手に戻り、 キャシャリンの頭には宇宙人にくっつけられたアンテナが残った。 (いろいろあって) 最終回。わかめ高校が暗黒先生ジゴックに乗っ取られる→取り戻す エンドテロップ。おわり。
トレパンたしか国語教師じゃなかったっけ
あ。そうでしたっけ。ゴメン。 奴はいつもトレパン(たまにケミカルウォッシュ)だったので 勘違いしてたかも…
夏休み中祖母の家で勉強尽くめになる予定だったみつるを、夏彦達は変装し、 安倍母に嘘をつき聖の実家へと旅行に行く。聖の実家は寺で、そこには聖の弟で 霊感幼児の陽一がいた。みつるは聖と共に流れ着いた小島に遭難、 夏彦が見つけた時にはM状態になり聖に抱きつくみつるの姿が。 嫉妬で夏彦はみつるを責めた。夜、酒に酔った夏彦はみつるに抱きつきキスをする。 夏彦はみつるの上に乗っかったまま眠りこけた。 旅行から帰り、その事を聞いた夏彦母は既成事実が出来たと喜び(抱き合ってキスをしただけ)、 素早く安部母に「宅の娘さんをお嫁に下さい」と言いに行く。 安部母は怒り、二学期、校内で問題が起こらないよう監視役の男を雇った。 文化祭が始まり、みつるはコスプレ喫茶でキャバクラ版鶴の恩返しの衣装を着せられる。 それを見にきていた一臣に見られそうになり、みつるは夏彦たちと共に逃げる。 客の男性も聖が引っ張ってきてしまった。みつる達は幹要という男から、その男性は みつると結婚する予定の御曹司だと聞いた。翌日、文化祭二日目。 みつるは着物を着せられ、いきなり見合いに行かされる。 そこには昨日の男性・鞠小路成顕(32)がいた。成顕は高校生の頃から当時三歳の みつるを見初めていたのだという。どこぞの誰かと違う誠実な人だと母は言い、 結婚を嫌がるみつるを殴る。みつるはM人格に目覚め母にもっと殴れと迫る。 「今のは何か打ち所が悪くて…そうよねみつるさん!私の娘がこんな醜態…おぞましい」 正気に戻ったみつるはショックを受ける。見合いの事を聞きつけやって来た夏彦は 「安部さんはおぞましくなんかありません」と言い、みつるを連れその場を去った。 みつるは勘当され甘草家で暮す事に。親が保護者になり通っている学校には もちろん勘当を解かれるまで通えない。寂しそうに独りで勉強するみつるを心配して 夏彦母は学校へ行き、みつるはいずれ甘草家へ嫁に来るために同棲中、 という事は自分が保護者だ。保護者として学校復帰について相談したいと言う。 学校中に同棲の話が広まり、その事で夏彦と母は言い争いをする。自分のせいだと 落ち込むみつるを聖は励まし、好きだと告白した。 動揺するみつるに聖は冗談だと言うが、とてもそうだとは思えなかった。
落ち込むみつるに夏彦は「辛い事があっても誰も責めずに独りで我慢して そうやってマゾにまでなった、どうしようもなく不器用な安部さんが好きだよ」と言う。 夏彦母はそれをプロポーズだ!と興奮し、二人の結婚式招待状を方々に送りつけた。 二人はそんなの出来るかと反対していたが、結局式を行う事に(籍はまだ入れられない みつるの母・麗華は夢を見る。昔から影で人の十倍努力と策略をし、背伸びして 多彩で非凡な夫、夫似の才長けた美しい子供達に囲まれ人の羨む理想の家庭を手に入れた。 しかし末の娘のみつるだけはドジでのろま。麗華は気付いた。上の二人は外見は 自分に似、中身は夫に似たが、みつるは中身も外も自分にそっくりだという事に。 隠れ馬鹿の麗華の娘は馬鹿だったのだ。インターフォンの音で麗華は目覚める。 扉を開けると夏彦とみつるがおり、二人は結婚する、当日来てくれるのを待っていると言った。 結婚式当日。聖はみつるの耳元で「幸せに」と呟き、頬にキスをした。 一臣が協会入場の付き添いになった。麗華も最終的には結婚を認めてくれた。 二人は甘草家で新婚生活を始めるが、それには条件がある。 一に、厳として清い関係を貫く事。 二に、成績が下がったら即離婚。 三に、月に一度は安部家へ顔を見せる事。 しかし、しばらく学校を休んでいた事でみつるには留年の可能性すらある。 麗華は新たな条件を出した。全教科を90点以上クリア出来なければ、フランスへ留学させると。 テストでは無事90点以上取れたが、みつるは揺れていた。 「お母様に私達の事を心から納得して欲しいんです。 もっとしっかりした人間になってお母様や甘草君にきちんと認めてもらえる 人間になりたいから。色んな事に逃げてばかりいたけど、 これを機にそういう自分を変えたくて。一歩踏み出せる人間になりたくて」 夏彦は行っておいでと優しく言った。二人は電気を消した部屋の中で一夜を過ごした。
卒業式の日、聖は桜の木の下でサボっていた。桜には、いい思い出が無い。 小学五年生の時、父が死んだ。母は二人で生きていこうといいながら、 次の桜の頃には葬式の時に来てくれた坊さんと再婚した。 母の再婚で田舎へやって来たのもまた桜の季節だった。 そこで聖は恐ろしい顔の犬に懐かれ、更に犬嫌いが悪化した。 桜のように淡く散った恋もあった。女子にモテまくりで、小学生の時に 初体験を終えたと自称している(実は嘘)聖は男子の憧れの的。 キスなんか腐るほどしたと嘘をついてしまい、テクニックを見せろと 言われて片思いの相手・越智を呼び出し、キスを飛び越して胸を触ってしまう。 当然越智には嫌われるが男子達には「すごい」と益々憧れられる。 だが、実はキスさえした事が無い。失恋がきっかけで聖は大阪の高校へ行った。 都会の高校では皆軽い恋愛を楽しんでいる様だ。聖は早く都会に 慣れなければと数をこなすが「誰が本命なの!」と軟派扱いされる。 仲の良い子は沢山いて、人気は有っても一線を超えた相手はいないのに… 次の桜の季節、聖はみつると出会う。みつるは自分に迫ってきた。 変な告白だが自分の事をそれだけ好きなのだろうかと思い、 やっとマトモな恋愛が出来る!と聖はみつるに会いに行く。 しかしそれは誤解だとわかり、つい悪戯をしてしまった。 いつの間にか彼女を好きになったのは、不器用なみつるに 聖の不器用な部分が惹かれたのかもしれない。 結婚式の日の頬のキスは恋への別れを告げるキスでもあった。 あれでも、渾身の思いで身を引いたのだ。 過去の回想に浸っている聖を理々花が迎えに来た。 一番に自分を見つけた褒美だと、聖は制服のボタンを渡した。理々花は赤面した。 不器用なりに恋もしたし、みつるは別れを惜しんで泣いてくれたし、 今年の桜は悪くない思い出が出来た。次の桜の頃には実る恋に出会えるだろうか。
みつるは一週間後パリへ旅立つ。時を同じくして聖も東京へ。 三人は聖の荷造りを手伝わされた。アパートには霊感幼児の陽一が来ていた。 皆には秘密だが、陽一は水晶玉を通して過去や未来を見通す事が出来る。 陽一は水晶玉を通して未来を見た。そこには、化粧品会社の社長になった 相変わらずナルシストで鏡に向かってモナムールなどと呟く夏彦の姿が。 そして彼の妻で相変わらずマゾのみつると、ナルシストの血を引いた双子の息子の冬彦・春彦。 長女で、麗華とそっくりな性格と見かけで、生まれつき優秀な なつみ。 なつみの叔父である一臣は、麗華にそっくりな なつみを溺愛している。 理々花は東京に出て出版社に務めている。聖は平成の陰陽師という 異名を持つ霊能力者に。実は聖自身が霊能力を使っているわけじゃなく、 12歳になった陽一が陰で活動を支えているのだ。 自分は将来こうなるのかと陽一はショックを受ける。だが、未来は 自分次第で変わる物だと思い直す。四人+陽一は最後の一日を過ごした。 これから先の自分達がどんなに変わろうと、ずっと一緒にいられるといいな。 楽しいといいね。笑って毎日過ごせる自分だといいね。 大切な人たちといつまでも繋がっていられる未来だといいね <完> 「コナコナチョウチョウ」予約しておきます。ぬ〜べ〜はそろそろ帰ってきそうです。もうしばらくお待ちを。
61 :
マロン名無しさん :04/05/16 21:58 ID:bAq3ARem
銀河超特急投下してる者ですが最近学校とかバイトで忙しいので気長に待っててね
おケイは久住に彼女が出来て以来ずっとくさっていたが、 ちょっかいを出してきた司とデートすることにする。 そのデート現場に沙樹と香澄は遭遇。不機嫌になった沙樹に、 香澄は「司くんのことが好きなんでしょう?」と尋ねる。沙樹は初めて自分の気持ちを認めた。 おケイは以降司のことを追い掛け回すようになる。 お正月に沙樹と香澄が初詣していると、真理子にばったり出会う。 久しぶりに三人揃ったのが嬉しくて香澄は思わず泣いてしまう。 香澄が席を外しているとき、沙樹は真理子に久住とのことを聞く。 真理子は、久住が自分のことを好きなわけじゃないことはわかってる、でも離したくないという。
三学期スタート。香澄はすすき野原の一件以来久住の顔をまともに見ることが出来ない。 夜、ラジオから「次の日曜日10時に青陵駅前「ブラジル」で待ってます シリウスの星のかけらの女の子へ すすき野原の男の子より」というメッセージが流れて香澄はびっくり。 同じラジオを聴いていた久住もびっくり。彼が出したメッセージではなかったのだ。 次の日曜日は翌日で、香澄は一睡も出来ないまま朝早くからブラジル(喫茶店)へ向かう。 店のなかにはラジオを聴いていた真理子と沙樹もこっそり隠れて様子を見守っていた。 そこへ久住が駆けつけて、香澄に「あのメッセージは僕じゃない」と告げる。香澄と久住のやりとりから、 久住がすすき野原の男の子だということが真理子・沙樹にもわかってしまう。二人は店を出る。 10時を過ぎてもそれらしい人が来ないので、久住と香澄も店を出る。久住は香澄に 「僕はもう、自分に嘘はつかないよ」と言って去る。 混乱する真理子。今回のメッセージハガキを出したのは真理子だった。 香澄をすすき野原の男の子と再会させることにより、久住と香澄の関係を断とうとしたのだった。 久住がすすき野原だという事実を受け入れられない真理子は 「すすき野原の女の子ふって 私なんかと付き合う? 聞き間違いよ」と主張。 沙樹は真理子に、ふられたのは香澄ではなく久住だと告げる。 ますますショックの真理子は夜になっても家に帰らず、沙樹と香澄は近所を探しまわる。 (余談:香澄ははんてん姿) 久住家の近所で発見したが高熱を出していた。久住の父親に頼んで病院に連れて行くが うなされた真理子は「…行かないで 久住くん」とつぶやく。
真理子はしばらく学校を休むがほどなく復活。バレンタインの日、 三年分の想いをこめて久住にチョコレートを渡す。久住からは「好きな人がいるんだ」と 別れを告げられるが覚悟していた真理子は笑顔でさよならを言って久住のもとを去る。 そこで日野と偶然出会い、真理子は我慢できずに日野の胸で泣き出してしまう。 久住にふられた真理子を励ますため二人は遊園地に向かうがすでに閉園。 後日改めて一緒に行こうと約束する。 久住は香澄に真理子と別れたことを告げ、「もう自分に嘘はつかないって言っただろ?」 と思わしげな発言。香澄はちょっと期待しつつも真理子のことが心配。 真理子と日野が遊園地へ行く約束の日。真理子は好きでもない男の子と遊園地なんて…と すっぽかそうとするが気になって待ち合わせ時間を8時間も過ぎてから現場に行ってみる。 日野はやっぱり待っていた。真理子はみじめな気分になり、「もう会えない」と言って 泣きながらその場を去る。 新学期。二年生になった香澄は久住と同じクラスになる。夢がかなったと喜ぶ香澄。 真理子と沙樹が街を歩いていると、久住・日野と遭遇。日野は怒ったような顔をして通り過ぎ、 真理子はショックを受ける。更に、しばらくしてから久住と会っても何も感じなかったことに気づく。 自分の中で久住より日野が大切になっていたんだと認識し、激しく後悔する。
司の提案により司と沙樹は初めてデートをするが、駅で待ち伏せていたおケイと遭遇。 二人の関係を問い詰めるおケイに、司は「沙樹がオレを好きなわけないだろう 今日のデートはシャレだ」と言う。沙樹はその場を去り、追いついた司が振り向かせると泣いていた。 沙樹は司を平手打ちして電車に飛び乗る。司は沙樹の気持ちに初めて気づいた。 その日はお互いに素直になれずケンカ別れに終わったが、翌日沙樹は司に 「あんたのこと大好きだよ」と改めて告白。司は「おれも…」と告げる。→カップルその1誕生 香澄は真理子に謝りに行き、今度こそ本当に二人は仲直りした。 香澄は真理子に、明日久住に告白すると告げる。「久住には夏合宿以来嘘つきっぱなしだから、 謝って自分の正直な気持ちを伝える」という香澄に励まされ、真理子は日野の自宅まで会いに行って謝る。 日野はあっさり許して仲直り。→カップルその2誕生 翌日。久住から放課後つきあって欲しい場所があるといわれ、連れて行かれたのはすすき野原。 そこは金網で囲われ、「分譲予定地」との看板が掲げられていた。泣き出す香澄。 ついに初恋がすすき野原の男の子だったこと、中学からずっと久住のことが好きだったことを告白。 香澄「ずっとあなただけを想ってきたの」 久住「君にもう一度『好きだ』と言ったら 今度は…違う返事をくれるだろうか」 香澄「はい…」 抱き合う二人。→カップルその3誕生
(あとは後日談のようなものです) おケイはシングルのまま。 香澄はカウンセラー、沙樹は弁護士、真理子はお嫁さん、久住は天文関係を目指す。 久住と香澄の初デートはプラネタリウム。初めてのキスは夏合宿。 シリウスのように 輝いていたい いつも 輝く瞳で 夢を追いかけていたい 思い出せば いつもそこに まぶしい季節が 拡がるようにー おしまい
→カップルその1誕生 に激しく笑った GJ!
「神聖モテモテ王国」の一巻から五巻までと単行本未収録分をお願いします。 六巻だけは手に入れているのですが。
さいとうちほの「ほのかにパープル」と「もう一人のマリオネット」と 「少女革命ウテナ」をお願いします。
おケイは大学編の特別読切で彼氏ができたね いやあ懐かしいおつかれさま
>>63 その12 2段落目の4、5行目
× 久住がすすき野原だという事実を受け入れられない真理子は
× 「すすき野原の女の子ふって 私なんかと付き合う? 聞き間違いよ」と主張。
○ 久住がすすき野原の男の子だという事実を受け入れられない真理子は
○ 「星のかけらの女の子ふって 私なんかと付き合う? 聞き間違いよ」と主張。
すいません、間違えちゃいました。
>>67-68 こんなに長いの読んで貰ってありがとうございます。
すべてのカップルは二日間で誕生してるんですよ。三年間のすったもんだが二日で解決。素敵です。
(
>>65 では時間軸を表現できませんでしたが、日曜日−真理子 月曜日−香澄、沙樹という具合)
>>71 ENGAGEですよね、手元にないので勝手に断念してしまいました。
どなたか書ける方がいたら、お願いします。
73 :
辺境警備 :04/05/17 02:04 ID:???
前スレ353からの続き 人物紹介 ●カイル 流れ者の黒呪術師(ドラティア)。 15の時に亡くなった黒呪術師の祖父を深く尊敬し、誇りにしている。 意地っ張りで天の邪鬼だが、仕事に関しては真摯で真面目。 祖父の一番強大な使い魔、焼けた鉄のような爪を持つ妖魔を封じ込めた卵を 肌身離さず持っている。 辺境へ戻る道中、術具を返せと迫るカイルと、断固拒否する神官さんの押し問答が続き いたたまれない雰囲気の中、二人の間に入ろうとする隊長さんだが 逆に普段の行いがたたってやぶ蛇をつつく結果に。 神官さんの挑発的な言動に業を煮やしたカイルは、呪術をかけるも失敗。 邪霊に憑かれないため、身を清めにいったカイルがなかなか戻ってこないのを心配し 様子を見に行った神官さんは、そこでカイルの身体に幾筋もの大きな傷跡がついてるのを目にする。 縄張り争いで怪我を負わされた祖父の仇を討とうと、怒りに駆られたカイルは 「力量以上の使い魔に手を出してはならない」という祖父の厳しい教えに背き 祖父の一番強大な使い魔を解き放ってしまう。 戻ってきた使い魔に襲われるカイルを助けようと、祖父は使い魔を 封じ直し、力を使い果たしてしまった…。 呪術師はやめない、というカイルにどうして…と尋ねる。 「俺はそんなふうに生まれついている──わからないのか? 生きてあんたと同じ大気を呼吸してても、立っている世界は違う──」
74 :
辺境警備 :04/05/17 02:04 ID:???
カイルと向かい合い、理解したい。 その思いから神官さんはカイルに呪術道具を返す。 迎えに来た兵隊さん達に、「大変偉い呪術の先生(マスタ-)」として カイルを紹介し、辺境に客人として招く。 「さぁ、家までもう少しです。行きましょう」 「ふざけんなゴルァ!(#゚Д゚)」 なんだかんだで結局不本意ながらも辺境で過ごす事になったカイル。 国境の北の美枝森は薬草の宝庫で、しかも人気がないのが気に入った模様。 ──しかし、何度近付くなと言っても、森の庵に兵隊さん達が掃除をしにきたり 差し入れを持ってきたりするが。 ある日、カイルに死の国は日も星も花も無い、不毛の地だと聞き 兵隊さん達は落ち込んでしまう。隊長に死の国がそんなだったらどうするだ?と 聞いても、死んだ半分は女だから全然かまわない、と言う。 話にならん、と神官さんの元へ向った兵隊さん達は 死の国は人によって違っていて、よく知っていたものなら 死の国にもあると聞き、ほっと息を付く。 深く知る、という事の意味。しかしひどく難しいことではない。 あなたがたならきっとできますよ…と神官さんは語った。 いろんないいものをいっぱい知りたい。宵の明星を見上げ、しばし見とれる。 「死んでも見られるように、ここんとこ(胸の中)にしまっておくべぇ」 「んだんだ」 兵隊さんを心配して様子を見に来たら、兵営ではカイルと隊長さんが イカサマバクチに興じていた。そこに兵隊さん達が帰ってきて ──開いた扉から星の光が九つ、転がるように飛び込んできた。 兵隊さんは私などよりずっといろんな事を知っているのかも知れない── 宵の明星の光を手に入れた兵隊さんを、神官さんはやさしく見つめた。 (続く)
星の瞳の職人さんサンクスコ。 消防厨房の頃大好きだったんだが、久住と真理子がくっつくあたりで りぼん読まなくなって後味悪いまま何となく気になってた。スッキリしたyo
椎名高志の短編、 「GSホームズ極楽大作戦!!」 「江戸浪狼伝」 「パンドラ」 「絶対可憐チルドレン」 の四つをお願いします。
妖しのセレスの方、星の瞳のシルエットの方、お疲れ様でした! 一度漫画を読んでストーリーを知ってるものの、何年も前だったので どちらも楽しく読みました。
緑子は白墨の粉を恐れている。 白墨の粉は吸い込むと肺の中に溜まって二度と出てこないと聞いたからだ。 それに白墨の粉は蝶々の鱗粉を想像させて気持ちが悪い。 男子生徒に人気の有る緑子に嫉妬した女子達は緑子の荷物に白墨の粉をかける。 思春期の女の子は嫌いだ。些細な事ですぐ泣いて怒って、とても不安定で 不気味な生き物に思える。緑子には『グリーン』というあだながある。 英語の時間にクラスメートのチロがMrs.Greenを「みどり夫人」と訳したからだ。 グリーンには『未発育』という意味がある。 それを発見した誰かが緑子の『未発育な体』と『緑』をかけて グリーンと名づけ、その名はすぐにクラス中に広まった。 チロは自分のせいだと緑子を度々かばうようになり、 クラスで一人だけ本名で緑子を呼んでくれた。 女子達によって白墨の粉を靴の中に入れられるが、 緑子は触るのさえ嫌で取り出せない。そこへチロがやって来て取り出してくれる。 緑子はチロをガキ臭いチビッ子だと思っていたが、眺めているうち変な気分になる。 靴を掃除し終え笑顔を見せるチロに緑子はドキリとする。 緑子は両親の都合により転校する事になる。別に悲しくは無い。こんな所に未練は無い、 むしろせいせいする位だ。しかし目を瞑るとチロの姿が浮かび、胸が苦しくなる。 ―――白墨の粉が胸に溜まったらこんな感じがするのかもしれない。
放課後、一人きりで窓の外を見ている緑子にチロは話し掛ける。 女子達の仕掛けて行った白墨の粉がチロに降りかかろうとする。 緑子は反射的にかばい、大嫌いな白墨の粉を浴びる。 「向こう行けよ!さっさと帰れ!あんたなんか大嫌い!!」 自分の胸が苦しいのも、白墨の粉を浴びたのもチロのせいだ。 緑子は白墨の粉のたっぷりついた黒板消しでチロを殴る。 チロは怒り、無言でその場を去ろうとする。 「……嘘。私……チロが好き……」緑子は涙を流し、チロに告白する。 赤面して振り返るチロを緑子は女子トイレへ連れ込む。 振り切ろうと思えば振り切れるのにチロは逃げず、 トイレの個室で緑子と抱き合いながら震えていた。 白墨の粉が体中に纏わりついている。 「健全な学び舎」という校歌の歌詞がスピーカーから聞こえてくる。 校歌は嘘つきだ。今の学校には『健全』よりも 『官能』の文字のほうが似合っているじゃないか…… チロが女子トイレで目覚めた時にはもう朝になっており、緑子はいなかった。 担任の口から緑子が転校した事を知ったチロは緑子に電話を掛け、緑子の事は絶対に忘れないと言った。 自分は学校の皆の事なんてすぐに忘れてしまうだろう。皆も自分の事を忘れてしまうだろう。 それでもチロにだけは忘れて欲しくない。ずっと憶えていて欲しい――― 転校してしばらく。緑子は白墨の粉を恐れないようになった。 胸の中に少しずつ白墨の粉が舞い降りるたび、チロの事を思い出す。 そうすると、以前は冷たく扱っていた他人の事が少しだけ考えられるようになる。 その後はとても気持ちが軽くなり、背中に羽が生えたような気持ちになる。 まるで蝶のように。 <完>
トイレで何しとったんや・・・
校舎裏で練習に励むいつものメンバー。裕次郎が突然「試合に出たい」とつぶやき石黒に まとわりつき始める。「皆も出たいよね」と裕次郎が尋ねると、自分も試合で"奥の手"を 使ってみたい、と山吹。水野は返事こそしないものの、そっと、しかし力強くVサインを 送ってよこした。 しかし石黒は「6500万年早い」と相手にしない。いくら顧問と監督がいれば同好会でも 試合に出れるといっても、このメンバー(ドヘタの裕次郎、ヒキョー者の山吹、力だけの 水野)で、誰が顧問や監督になってくれるんだ、と石黒は言う。スカウトは諒ちゃんを 見せゴマにして騙そう、と裕次郎。何か秘密を握ってゆするのが楽だよ、と山吹。水野は 何も言わないものの、そっと、しかし力強く手の骨を鳴らした(「力ずくで」と言いたいらしい)。 答の出ない問題に、一同は沈黙するしかなかった。 「話は聞いたぞ卓球同好会の諸君!」 突然、校舎の窓を開けて男が叫んだ。漢文教師の 本部(もとべ)だった。感動させてもらったよ、と言いながらスルスルと窓から降りてくる 本部。「僕はこのテのスポ根に弱いんだ! やっぱり青春はスポ根だよな」 どうやら本部は、4人のキャラクターを―― ・卓球能力が普通以下でありながらそこに自己実現を求めて無様にもしがみつく紅 ・一時は県大会優勝まで昇りつめたものの不祥事を起こして卓球部のないウチの高校に 来たがやはり卓球を止められない石黒 ・卓球に打ち込むあまりラフになりがちなプレイを理解してもらえない山吹 ・皆に不良と思われやすい印象を払拭しようと懸命な水野 ――と勝手に決め付けて、そんなオチコボレたちがガッツを見せて上を目指すという図に 感動しているようだった。
そのデタラメな設定に石黒は抗議するが、本部はマイペースで話をすすめ、僕でよければ 顧問になると宣言。実は監督も連れてきたと、女性音楽教師の基(もとい)を紹介する。 一気に顧問と監督ができてホクホク顔の裕次郎。裕次郎は、これも卓球の神様に毎日 お祈りしたおかげだと感激するが、石黒からは「お祈りで全て叶えばお前は今ごろすごく 上手になっているはず」と冷静にツッコミを受け、山吹からは「大方この二人はデキて いて、一緒に行動する大義名分が欲しいだけなのでは?」と冷静に分析される(図星)。 本部は公私混同していることを認めた。しかし君たちと楽しく活動したい気持ちに偽りは ない、よければコーチも兼任するとも言い出す。だが恨みのこもった?石黒の打ち込みで 身のほどを知り、コーチは辞退することになった。 とにもかくにも顧問と監督ができて、やっと公式戦に出られると大喜びする裕次郎。 そんな裕次郎を見て石黒は(それなら俺は公式戦の直前に同好会を抜けてやる!)と 決心するが、万が一それで裕次郎がショックを受けない可能性(と、それで自分が ショックを受ける可能性)を考えて、すぐさまそれを打ち消した。 公式戦に向けて気合いを入れる裕次郎。しかしコートに向かってみると、全くまともな プレイができない。頼むからサービスぐらいはまともに打てるようになってくれと懇願 する石黒。そんな二人の様子を山吹が何やら書き留めている。 それに気がついた石黒は「お前も身体を動かせ!」と山吹に掴みかかるが、ヒソヒソと 何かをささやかれて、慌てて手を離して後ずさった。石黒は山吹の持っていたメモ帳を 見て「それが"山吹メモ"か。まさか本当にあったとは」と動揺する。 山吹メモ、それは対戦相手の知られたくないプライバシーや触られたくないトラウマが 詳細に記されている、山吹の「ネタ帳」だった。 「試合前の挨拶の時なんかに耳元でそっとつぶやくんだ。効果あるよ」 石黒は呆れつつも恐れていたが(何を言われたのやら)、裕次郎は素直に感心していた。 水野は上達が早く、特に言うことはなかった。しかしパワフルな水野が使った球は どれもボコボコになった。練習が終わってからは、アウトドア同好会から借りてきた コンロと鍋で球を煮て、ヘコミを直すのが同好会の日課となった。
翌日の放課後。いつもの校舎裏の練習場所で、裕次郎はみんなが来るのを待っていた。 そこに一人の女子生徒が現われる。美人だが、ちょっと表情の乏しい娘だ。彼女は 裕次郎に声をかけるが、次の言葉が出てこない。彼女が何かを言いあぐねているうちに 裕次郎はマイペースで無理やりお願いして、彼女に練習相手になってもらう。 彼女のサーブ。球がコートを駆ける。その鋭さに裕次郎は手も足も出ない。手加減して (まるで温泉卓球のように)軽く打ってもらうが、それでも裕次郎はまともなプレイが できずに彼女を呆れさせた。 「少し卓球をやっていた」という彼女を裕次郎はマネージャーに誘う。彼女がまた何か 言いあぐねていると、そこへ石黒がやって来る。彼女は石黒の声を聞くと、慌てて走り 去ってしまった。裕次郎は「女子マネをスカウトしてるところだったのに」と不満を洩らすが、 話を聞いた石黒にしてみれば女相手に手も足も出なかった裕次郎のほうが問題だった。 走り去った彼女は、校舎の陰で胸の鼓動を抑えていた。 部室のない卓球同好会は、校舎裏にテントを張ってそれを部室代わりにすることにした。 場所は生徒会室のすぐ裏。裕次郎の天敵の白井さんのすぐ側だ。 テントの中で裕次郎が着替えていると、外から「こんなとこにカッテにテント張らないでよ」と 声がした。裕次郎が外に出てみると、白井さんが窓から顔を出していた。 監督も顧問も見つかって公式戦に出られることを裕次郎は嬉しそうに報告するが、 白井さんは「あっそ」とつれない。練習を始めた裕次郎に白井さんは尋ねる。 「そんなに卓球が好きなの?」 うん、と裕次郎。 「三度のご飯より?」 同じくらい、と裕次郎。 沈黙する白井さん。 「……女の子より?」 裕次郎も沈黙した。そして答える。「白井さんよりは好きだ」 次の瞬間、裕次郎は白井さんからバケツの水を浴びせられた。 「つめて〜! 何すんだよ!」「何よ!」「理由は知らないけどやつあたりはやめてくれよ!」 「何ですって! キ〜〜!」 たちまち口喧嘩の始まる二人。 生徒会室の中では他の生徒が「白井さん普段はやさしいのにな」「会長、白井さんが」と 白井さんの変貌ぶりにおののいていたが、生徒会長はコメカミに青スジを立てながら、ただ 「放っておきなさい」と言うだけだった。
白井さんの「どヘタ!」という最もな罵倒が裕次郎を押しつぶしたことで、口喧嘩は終了 したかのように見えた。しかし裕次郎も怯むことなく、前向きなプランでまだ反論する。 たとえ今はドヘタでもそのうちきっとうまくなる、練習して評判を上げて仲間を増やして 同好会から部に昇格する、と。しかし白井さんはそれを「ケッ」と一蹴する。どうせあんたが 足を引っ張って、6500万年かかっても同好会のままだわよ、と。 ムキになってそれを否定する裕次郎。そこで白井さんが一つの提案を出した。 「それなら、これから一年間のあらゆる試合で、あんたがもし相手から一ゲームでも取れたら、 その場で同好会を部に昇格させてやろうじゃないの!」 裕次郎もその提案を受ける。 「本当だなっ! あとでちゃんと誓約書を書いて生徒会長印を押してよこせよっ!」 これには放置を決め込んでいた生徒会長も黙ってはおれず、「白井さんはただの書記で 会長はアタシ」と自己主張を始めたが、激しい火花を散らしている二人には全く届いて いなかった。 練習場に行った裕次郎は、既に集まっていた3人に「生徒会」との約束を話した。逆の条件が 無いことに呆れる石黒。水野は裕次郎の濡れた頭をタオルでゴシゴシと拭いてやる。 山吹によれば、公式戦は2ヶ月先に市民大会があって市内大会も始まるとのこと。 石黒は「その前に練習試合なんかで慣れておければいいんだが」と言って心配するが、 直後にそれが本気の心配だと気がつき、心の中でそれを必死に打ち消した。(べ、別に そんなことしなくてもどうせ出ると負けで裕次郎はガックリでいいんだけどよっ) 石黒の「練習試合」と言う言葉を受けた裕次郎は、テキトーなヨソの学校に行って 練習試合しよって言えばいいの、と石黒に尋ねる。無礼なマネはよせと石黒が否定すると 後ろから声がした。 「練習試合の相手なら……"向ヶ丘高校"と話をつけてきたわ……」
声のしたほうを向くと、息を切らした白井さんが承諾書を持ってそこに立っていた。 裕次郎が感心しながら「いま走って行ってきたの?」と尋ねると、白井さんはゼイゼイ 言いながら「それがどうかした?」と睨みつけてきた。「約束」を確認すると、あれは 練習試合も数に入るとのこと。「せいぜいそれまでに上達することね」と言い残して、 ハァハァ息を切らしながら白井さんは去った。 石黒は「ガッツのある女だな」と感心かつ呆れていた。裕次郎は「やっぱり親切なのか イジワルなのかよくわからない」と首をかしげていた。 ふと石黒が気がつくと、側に一人の女生徒がいた。石黒が「鹿内(かのうち)じゃねーか」と 呼んだ彼女に、裕次郎は見覚えがあった。前にマネージャーにスカウトした、卓球のうまい 無表情なあの娘だ。 鹿内が何かを言おうとした。しかし石黒と裕次郎はそれに気がつかない。「諒ちゃん知り合い?」 「中学の卓球部で一緒だった」「マネージャーにスカウトしたのこの人だよ」「あの」「そうか。 鹿内が相手じゃオメーがかなうわけねえな」「あ、マネージャーやってくれる気になったんだ!」 「えっ……」「そうだったのか」「真ちゃん、蒼ちゃん、この人がマネージャーをやってくれる人だよ」 「……」 鹿内が何か言いあぐねているうちにまたもや裕次郎のペースで話は進み、結局、彼女は 「鹿内桃子……」と自己紹介をしてマネージャーをやることになった。 必須アイテムの「美人マネージャー」もできたし後は勝つだけだ、と張り切る裕次郎。 石黒が「その前に練習だっ!」と裕次郎を小突く。 「言っておくが、市内のどの学校のどの部員もお前よりは確実に上手いぞ」 しかし裕次郎はメゲない。 「大丈夫! 今いちばん下にいるならあとは上に行くしかないもんね!」 無言でうなずく水野。そんな時に僕のやりかたは重宝するよ、と山吹。 女子マネより弱い裕次郎が果たして1ゲームいや1ポイントでも取れるのだろうかとハラハラ している石黒。 「ダブルスも2組できて、しかも組み合わせは6通りもあるんだよ!」 「俺は誰とも組みたくないから(泣)」 第三話 完
>>81-85 本部先生と基先生……
たぶん戦隊物によくある、本部とか基地とかそういうことなんだろうな。
桃でピンクの人も出てきたか。人数多いな。
相変わらず石黒いい人だなあ。あと生徒会長がなんか気になる。
そして濡れた頭を拭いてあげる水野がなんかツボだ。
とにかくGJ。続きもよろしく。
あるスレでみて気になった マザコンでホモでロリコンの聖徳太子がでてくるという「日いずる処の王子」 おねがいしまつ。
『ぴちぴちピッチ』お願いします。
90 :
マロン名無しさん :04/05/18 09:31 ID:VeT8Fvk9
トリコロをおしえて
こなみ詔子の深海少年をお願いします
悪魔のオロロンの続編で 真夜中の帝国をお願いします。
93 :
RAVE :04/05/19 08:23 ID:???
>>36 新しい六析将軍は、帝国にスパイとして送られていたディープスノー将軍に決まった。
DCは復活。それはまたレアグローブ王国の再建を意味していた。
早速シンクレアの集結を急ぎ、まずは南の地サザンベルクにレイナ、ジェガン隊を向かわせる。
そこでは、一時的に同盟を結んだドリュー幽撃団と鬼神が2つのシンクレアを手にしていた。
ハルはリーシャの夢を見る。
『あたしが死んで50年…もうすぐエンドレスが来る…』
夢の中のリーシャはエリーに瓜二つ、罪人と呼ばれ手枷と足枷をしていた。
何故かルシアもまた、同じ夢を見ていた。
サザンベルクについたハル達は、岩にはさまっていた人魚セリアを助け、お礼に村(海中)に誘われる。
しかし、案内された村は、荒れ、人魚たちの姿もない。
一年ぶりに村に帰ってきたセリアは混乱。
セリアの姉だけが、ぽつんと佇んでいた。
「村は鬼に壊された」
人魚の持つ魔力が狙いで、兵器の動力として連れて行かれたという。
ハルは、すぐさま助けに行こうと息巻くが、ハルがレイヴマスターと知ると、セリアも姉も遠慮。
「レイヴマスターは世界の剣。こんな所にいるべき人じゃありません」
「確かに俺達は世界を守る為に旅してる。
けど目の前でつかめそうな小さな平和を通り過ぎて、俺達はどこに行けばいい」
皆もそれに同調し、人魚を救う為、セリアと共に鬼神のいる海底基地へ向かった。
13巻終わり
94 :
RAVE :04/05/19 08:26 ID:???
基地を目指す途中、鬼の大群と遭遇し、ハルが囮になる。 ムジカ達は、無事に基地:宵藍(シャオラン)に到着するが、罠にかかり全員牢に閉じ込められてしまう。 一方大群を打破したハルだったが、敵幹部とのバトルに突入。 動きの不自由な水中戦でピンチに陥る。 牢から抜け出たプルーとグリフによりムジカ達を救出。 人魚を救出し、魔法によってハルを助けるセリア。 しかし、毎日魔力を取られていた人魚達は次々に力尽きて行く。 だが人魚達は死を覚悟してまで力を使い続ける。 これじゃあ父の時と変わらない、誰にも死んで欲しくないとハルは敵を打ち負かす。 一方エリーは、人魚よりも強大な魔力を持つと気付かれ、オウガ(鬼神総長)に捕えられてしまう。 ムジカが助けに入るが、ドリューに殺され、ルビーは連れ去られる。 エリーを連れて本部リバーサリーに戻るオウガ、ドリュー。 エリーの魔力を使ったマーメイドキャノンを放ちハル達ごと宵藍を消滅させる気だった。 気付いたレットは、逃げようと言うが、ハルはエリーの力で何かが壊れたら悲しむだろうと斬ると言う。 エリーも無意識に力を使い、二人の気持ちが通じ合いマーメイドキャノンは斬られた。 ハル達はリバーサリーを目指すが途中でドリューの戦艦に引き込まれる。 未来永劫の闇の世界を作る為レイヴマスターを殺すと告げられる。 仲間を取り戻す為、そしてドリューを倒す為、先へ進むハル達。 まず現れたのは15年前に処刑された筈の最凶殺人鬼、クラッシュクッキーだった。 14巻終わり →続く
ヤングソロモンで連載中の月餅 流宇栖先生の ケルベロスって作品をお願いします。
>>95 捨て犬だった主人公ブロンディは、ある男に拾われた
その男の名はナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラー
人に対しては冷酷なアドルフも、ブロンディだけには苦悩と優しさを見せた、
満たされた時は永遠に続くかと思っていた
しかし戦況の悪化で追い詰められたナチス軍、完全に包囲され
絶体絶命のヒトラーのもとに、アークエンジェルズと名乗る4人の男が現れた
ナチス残党の命、メンゲレの研究記録、そして世界中から収集した
聖なる遺産を差し出すなら、世界の支配者にしてやると言う契約書を提示した
人間は嘘をつき裏切る だがおまえだけは 絶対に裏切らなかった…
ブロンディにそう呟くと、アドルフは契約書にサインをした
残党は無論、愛人エバも殺されブロンディも毒を飲まされた
だがブロンディ死ななかった
聖なる遺産の中から聖杯を盗み出したブロンディは、
その杯から湧き出した血を呷り、魔犬と化した
愛しき今は憎む主に届くともわからない満月の夜空に遠吠えをあげた
数日後、撃沈された戦艦の生き残り乗組員が、不気味な証言をした
地獄から来た黒い狂犬に船を沈められたと…
それが、アメリカ全土を激震させる魔犬伝説の序章だった
〜犬 風 伝 奇 ケ ル ベ ロ ス〜 1巻〜2巻までのストーリー
>96さん丁寧な解説有り難うございます、3巻の発売が今から楽しみです あと題名忘れたんですが、ジョー・ディマジオが身の丈ほどもある バットを持って、マリリン・モンローとケネディ家に復讐する漫画も できればお願いします。
RAVE乙
>>98 まあまあ。
書いてくれるなら自作自演でもありがたい。
>100 95-97=100でつか?
102 :
マロン名無しさん :04/05/20 07:04 ID:rnEWMRIB
保守あげ
攻殻機動隊という漫画の内容を教えていただけませんか? 気になっているんですけどどのような話か知らないので。
>100 月餅 流宇栖でgoogle検索→0件 ヤングソロモンでgoogle検索→1件(ただし『ニール・ヤング』と『ソロモン・バーク』という名前が並んでただけ)
単なるネタってことか。
すいません前スレに書いてしまった。再度こっちに書きます。 大分間空きましたがXの続きです。 前スレ >347-350 譲刃は回復し神威たちの元へ帰ることにした。 草薙に告白し、優しい返事をもらって犬鬼を失った痛手を乗り越えようとする。 しかし帰る途中で地震を起こそうとしている封真と遭遇し、またも封真に草薙を重ねる譲刃。 『結界』を張ったが犬鬼がいない譲刃は戦えず、一気にピンチに陥ってしまう。 「死にたくないと本気で願っているなら死ぬことはない」と不思議なことを言い、封真はとどめを刺そうとする。 そこに神威が現れる。封真は神威相手に再びSMショー(もういい)を繰り広げ、譲刃は神威を守りたい、 「力が欲しい」と切に願った。すると譲刃の中から新たな力が生じた。 その力は子犬の形をとって神威を守り、封真は退散する。譲刃は子犬に「犬鬼」と名前を付け抱きしめた。 神威は譲刃、空汰、嵐と共に丁の所に向かい、新たに壊される『結界』の場所を聞きに行く。 しかし小犬鬼は丁に怯え、神威は丁に何か違和感を感じた。 丁は次に壊される『結界』は靖国神社だと夢見し、神威達は先回りして向かった。 それがもはや別人となった丁の策略だとも気づかずに。 そして昴流は一人丁に呼ばれ、別の場所の『結界』ことレインボーブリッジが危ないと告げられ、単身向かった。 レインボーブリッジで再び昴流は星史郎と会う。昴流は『結界』を張り、攻撃に入った。 一方靖国神社で敵を待っていた神威達だが、別の場所に『結界』が張られたことを察知する。 張ったのが昴流で、戦う相手が『桜塚護』であることを見た神威達は二手に分かれ、神威と嵐は昴流の所へ急ぎ向かった。 だが丁は一人ほくそ笑んだ。 「無駄だ 『天の龍』には 一人ずつ死んでもらう」
戦い続ける昴流と星史郎。そして二人がぶつかり合い、昴流の張った『結界』が解けた。 『結界』が解けるのは術者に何かあった時。急いでかけつけた神威と嵐が見たものは、昴流が星史郎の胸を 貫いた光景だった。呆然とする昴流に息も絶え絶えの星史郎は真相を話す。 「貴方のお姉さんが…命をかけた 最後の術です」 昴流の姉・北都が星史郎にかけた術。 それは星史郎が北都を殺したのと同じ方法で星史郎が昴流を殺そうとすれば、それがそのまま返ってくる というものだった。昴流は星史郎に己の想いを訥々と語った。 自分の心から星史郎の存在を殺して生きていこうと思った、しかし星史郎にとって昴流が数ある贄の一つでも、 昴流は星史郎の存在を無くして生きていくことはできなかったのだ、と。 「だからせめて 貴方に殺されたいと思った」 昴流の告白を聞いて、星史郎も答える。 そして「昴流君 僕は 君を…」と言い、耳元で何かを囁き息を引き取った。 「貴方はいつも 僕が予想した通りの言葉は… くれないんですね」 そう呟き、泣きながら昴流は星史郎を抱きしめる。神威はそれを見守るしかなかった。 そして『結界』が解けて守りを失ったレインボーブリッジは全壊した。 牙暁は過去の夢を見る。北都が星史郎に術をかけたときの夢だ。この術が発動しないことを信じたい、 昴流にも星史郎にも生きていて欲しい、そう願って北都は星史郎に自分がかけた術の内容を教えていた。 「償えない罪は確かにあるけど 人を愛しちゃいけない人なんていないんだよ」 そう星史郎に告げて北都は死んだ。北都が命をかけた『願い』は叶わなかった、自分は何もできなかったと牙暁は泣く。 しかし封真は昴流と星史郎を見て淡々と言った。 「少なくともこの二人は幸せだと思うがな 殺されたい者に殺される 生きていることに執着していないんだから 幸せな最期だろう」 そしてこれから起こる未来を話した。『結界』は守るべきもののために作るもの。守るべきものがないなら…。 「『七つの封印』のひとつは消えて 『地の龍』の空席が埋まる」
暗い部屋で閉じこもる昴流に、意志に反してレインボーブリッジから昴流を連れて逃げたことを神威は詫びた。 そして昴流は『桜塚護』を殺すために強くなったと思っていたのに、なぜ殺されようとしていたのかを尋ねた。 昔星史郎に殺されかけた時、昴流は殺す価値もないモノだと見られていた。だからせめて彼にとって 「目障りな存在」でもいい、『殺してもいい』存在となれるよう強くなりたかった、昴流はそう答えた。 けれどそう思っていたことすら間違いだったのだと。 そして神威には、自分の望みを叶えることだけ考えればいいと話す。自分の望みが誰かにとって不幸でも? と訊いた神威に「誰もが幸せになれる道なんてないんだよ」と答え、昴流は姿を消した。 丁はこの結果に不気味に笑んだ。 「皇の当主は『天の龍』としては死んだ いずれ本当に死んでもらうがな そろそろ妾の夢見通り 次の『天の龍』に死んでもらう 今度は本当に…な」 壊れゆく『東京』、そして『地球』。 CLAMP学園で作戦を練るも、丁の夢見がないと『地の龍』にも対抗できず行き詰まる神威達。 そんな中、常に頼りになる要となり明るい空汰に嵐は段々と惹かれていた。 二手に分かれ神威と空汰は銀座に、嵐と譲刃は井の頭に向かった。 嵐と譲刃は颯姫の『獣』に襲われ『結界』を張り応戦する。必死に戦い小犬鬼を愛おしむ譲刃を見て、颯姫は 「自分にはいなくなったから動揺する存在もないし 生きていることが喜びとなることもない」 とかなり厭世観漂う台詞を吐いた。それに対し『獣』は不可解な反応を再び見せる。 井の頭公園が襲われたことを感知し向かおうとする神威と空汰の前に、丁の式神が現れこのまま銀座にいろ、 という指示が出された。しかし神威は式神の符に不信を抱く。 この符は神威が東京に来たときに彼を殺そうと放たれた符と同じものだったのだ。 『結界』中で空汰と密談する神威はとうとう丁に対する疑惑を話す。空汰は符に細工し、スパイとして丁の元へ放った。
『獣』と戦う嵐と譲刃。間一髪、というところで嵐は何者かの護法童子に救われる。 それは空汰が初対面の時に嵐につけていた守護だった。そして血だらけになった空汰を抱え神威が現れる。 嵐は事の真相を知り、空汰に縋って泣き叫んだ。 重傷で空汰は入院した。 泣く嵐を慰めて「わいの命をやる相手は ねーちゃんやからな」と明るく言う空汰に、 嵐は自分の気持ちはどうなるんだ、と訴える。空汰は嵐の想いを知り、嵐は空汰に縋って泣いて二人は結ばれる。 病室のベッドで目覚めた嵐(こいつら病院でヤりおった。しかも重傷のくせに)は己の変化を感じ取った。 自分の伊勢の巫女としての力は消え、剣も出せなくなったことを知る。 皆の足手まといになることを恐れ、嵐は姿を消した。 一方封真は「元は封印であったものを迎えにいってくる」と言い、昴流の元へと向かった。 昴流は星史郎の生家にいた。もう自分は何にも興味ない、とつれない昴流に封真は 「お前の望みは叶わなかった けれど 桜塚護の願いは叶えられるかもしれない」と話す。 封真は他人の『望み』が分かる。その人間が何を一番望んでいるのか、強く願っているのかを。 そして「桜塚護の望みはその傷を消すことだ」と昴流の右目を指して言った。 亡骸からとられ封印された星史郎の目を使い昴流の傷を消す、それが星史郎の望みだと。 それは『桜塚護』の力も受け継ぐことになる。しかし昴流はその目を受け取った。 丁は征一郎と火煉を招き、次は銀座が狙われる、と夢見する。 二人が銀座に向かうのを見て、丁は再び暗く笑った。それを影から見ているのは、空汰の放った符である。 牙暁は閉じこめられた本来の丁と話し、『天の龍』『地の龍』の未来を夢見する。 『地の龍』に新しく埋まったのは昴流。そしてもう一人埋める者がいる…それは嵐だった。
銀座の『結界』を守る征一郎と火煉。 そこを攻めてきたのは霞月だった。しかしどうも様子がおかしい。 実は霞月は火煉に好意(親子のような)を持っており、火煉を『結界』の場から追い払おうとしていた。 辛そうな顔の霞月に「貴方にはちゃんと感情があるわ 優しい心が」「貴方は子供なの」と優しく語る火煉。 そんな火煉に霞月は己の生い立ちを語り、『地の龍』にいるのは『神威』の側にいたいからだと話す。 そこに『神威』である封真が登場。征一郎をダブらせる火煉に、それが貴方の一番大事な人だからだ と告げる。 火煉をかばい逃げる霞月は大好きな封真に逆らうことに葛藤しまくる。しかし火煉の 「その心が告げる通り動けばいいの」という言葉に、霞月は己の『願い』を選んだ。 そして封真は「お前のその願い 俺が叶えてやろう」と言って激しく攻撃してきた。 崩れるビルから火煉をかばい、霞月は重傷。そして近寄ってきた封真から火煉をかばい続けて胸を貫かれた。 ありがとう、と火煉に告げて霞月は死んだ。 火煉は激怒し泣きながら封真に詰め寄った。 封真は『一番大事な人を守って 一番大好きな人の手にかかって死ぬ』 それが霞月の願いだったと話した。父を封真に、母を火煉に重ねていたのだろうと。 なおも怒り、泣きながら「誰も誰かを殺すことは許されていないわ」と訴える火煉に、封真は 「ならどうして大事なことを見失ってしまうんでしょうね 大事なことを」 と不可解なことをのたまい飛び去る。 霞月の遺体を抱きしめ、封真の台詞を反芻する火煉は、封真自身の『望み』について何か気づいたようだった。
その戦いを見ていたのは『地の龍』となった皇昴流。黒一色の出で立ちで『桜塚護』の雰囲気満点である。 その右目は星史郎のものを受け継いでいる。『地の龍』となってもやる気ゼロの昴流だが、 自分が死ぬと星史郎の目も死んでしまうため自殺も出来ず生きる屍状態。 神威の願いが分かるんだろう、と尋ねる昴流に封真は 「知っている だからこそ神威は俺に勝てない」 とまたも不可解MAXの答えを返す。 神威の本当の願いは、神威自身も気づいておらず封真しか分かっていない。 さらに昴流が君の願いは?と尋ねると 「俺の願いは 神威にしか叶えられない」 と封真は柔らかく笑った。 『天の龍』の神威が『地の龍』の『神威』の願いに気づかない限り、未来は変わらない。 牙暁は小鳥の願いは叶わないのか、と嘆いた。 しかし神威は霞月の墓参りをしていた火煉と話し、封真の『願い』の片鱗を掴む。 「とても大事なことだけど 忘れてしまうこと 誰かを大切に思えば思うほど見失ってしまって その大切な人を傷つけてしまうかもしれないこと」 火煉は貴方もそうかもしれないと神威に告げた。 『結界』は後ふたつしかない。『東京タワー』と『都庁』。丁は暗く笑んで呟いた。 「そろそろ 最後の戦いを始めてもらおうか」
これまでのまとめ+補足 ・丁の読み通り、昴流は星史郎を殺し『天の龍』の席を失い、代わりに『地の龍』となった。 ・さらに星史郎の目を受け継ぎ『桜塚護』を継いだ。 ・星史郎は自分が殺した母に「貴方は一番好きな人に殺される」という予言をされている。 ・星史郎が昴流に囁いた最期の台詞は未だ不明である。 ・嵐は空汰への想いを自覚し、二人は結ばれる。 ・セクース後、嵐は巫女としての力を失い行方をくらました。 ・封真は本人ですら気づいていないような、他人の『一番の望み』を知ることができる。 ・さらにその人間の一番大事な人を模倣?することが出来る。 ・神威は自分の『望み』に気づいていない。 ・封真にも『望み』があり(判明していない)、それは神威にのみ叶えることが出来る。 ・現在の時点で、『天の龍』は神威、空汰、譲刃、火煉、征一郎 『地の龍』は封真、牙暁、草薙、遊人、颯姫、昴流 となっている(これに嵐が加わるらしい)。 これで既刊分は終りです。いつ出るやら19巻。 一応雑誌掲載分はまだ残っているんですが、内容がかなりうろ覚えですので どなたか知ってらしたら継げたしお願いします。 やっぱり東京BABYLON→Xと入ったので、どうも昴流と星史郎に比重がおかれてしまいますね。 贔屓してるつもりはないんですが。描写がしつこくてうざかった人スマソ。 (しかしこれで本当に未完になったら、Xは単なる東京バビロンの続きものと認識されてしまいかねないぞ…)
おつかれさま〜
114 :
X :04/05/22 02:49 ID:???
かなり長々と書いてしまったので、それこそ読むのが面倒な人も多いでしょう。 ちなみにXを一レスでまとめるとこうなります。おいおい。 まとめサイトの管理人さん、面倒でなければこれを最初に持ってきてもらってもいいかもしれません。 母の遺言で東京に帰ってきた少年・司狼神威。 彼は地球を壊す『地の龍』と、地球を守る『天の龍』のいずれかを選び、地球の未来を左右する運命を負っていた。 幼なじみの封真と小鳥の兄妹を守るため神威は『天の龍』を選ぶ。それは悲劇の運命の幕開けでもあった。 封真は神威の対となる天地の龍となるべき存在だったのだ。封真は『地の龍』となり妹の小鳥を殺し別人となる。 愛する小鳥を失った神威は、せめて封真だけでも取り戻したいと願い彼と戦う道を選択した。 悲しい運命を背負った神威の元に集まってくる仲間達。彼らもそれぞれの出会いや別れを果たし、天地の龍は戦い合う。 そして全てを見通す盲目の占い師、丁。彼女は地球を守ることを願いながらも、 闇の心を持つもう一人の自分に乗っ取られる。 『天の龍』を導いていた丁の守りを失い、地球は『地の龍』が選ぶ崩壊へと向かっていく。 占い師が預言した地球の破滅を神威は食い止めることができるのか、望みを叶えて封真を取り戻すことができるのか。 そして明かされていく封真の望みとは?天地の龍の運命は? →以下続刊 <注意事項> * 封真と神威、昴流と星史郎、封真と牙暁などは、男同士でありながらかなり絡みが濃厚です。 耐性のない方は注意してください。 * Xは休載中です。復旧のめどは立っておりません。未完とならないよう祈ります。 * 東京BABYLONは読んでおくといいでしょう。
乙。
Xの方乙ー 昔映画だけ見たのだけど、案外みんな生き延びてるんですね。 面白かったです。
Xのリク主です。 ありがとうございました。 東バビの二人の続きが気になってたんで詳しく書いて頂いて感謝です。 そう来るのか〜とちょっと驚きました。先が気になりますね…
>>94 死んだ筈のクッキーは、ドリューの反魂の術によって蘇ったゾンビだった。
日の光を浴びて消滅するのを見てセリアは気付く。
ドリューは、闇魔法を極めた為、反対属性の光には弱いだろう…
次に現れたのは狼男と博士マミー。
狼男は、マミーに改造されたムジカだった。
アリスにもらった薬を飲ませ、見事ムジカは復活しマミーを倒す。
その頃ルビーは、リリスという女に殺されそうになっていた。
タイミングよくハル達登場。
水中戦に持ち込まれたので、セリアが食い止め、ハル達はルビーを連れて先を急ぐ。
(セリアは見事リリスを打ち負かす)
次に現れたのは、毒霧のオロチ、幽撃団一の強者。
レットが対戦するも、力は互角で毒霧により見失ってしまう。
足跡を追うと、呆気なく殺されたオロチがいた。
それはDC六析将軍ジェガンの殺し方だった。
ジェガンとジュリアが気になるレットは、別行動することに。
最後に現れた敵には、ムジカが残り、ハル達は城内へ。
プルーとグリフは通気孔を通ってエリーを助け出すことにした。
遂にドリューの元へ着いたハル、ルビー。
元々キングと互角だったドリューだが、DBを極めた為にキングをも超えたと自負する。
DBを極める、それは、DBは一つの能力だけでなく、対極にある力も持てるということだった。
(キングは知らなかった)
つまり、ドリューのDBは引力支配だが、その対極の、斥力も使いこなせるという。
ハルは、ドリューに攻撃を当てられず、逆にドリューの剣に貫かれた。
「人類は今…ひとつの希望を失った」
15巻終わり
突然、ルビーの持つ鐘が剣に変わり、蒼天四戦士の一人ダルメシアンの祠へと移動。 生きていたハルの治療を行ってもらう。 ムジカは、オウガの基地リバーサリーへ移動していた。 リゼの意思には反すが、シルバーレイを使いドリューを倒すつもりだった。 DCレイナも到着し、再会を果たす。 ムジカは、オウガを倒す為、レイナと一時的に手を組む。 シルバーレイは発動していた。 照準は合わせられず、大陸一つ消滅するという。 オウガのマザーDBは、物理的な力を無効にするもので苦戦する。 ムジカは『紲の銀』を使うことを提案。 信じ合う二人の銀術師が使える究極技で、物理を超える。 オウガは消滅したが、シルバーレイは止まらない。 レイナは、核を破壊すれば止められるかもしれないと言う。それはシルバーレイと二人の死を意味する。 ムジカは承諾するが、レイナはムジカを船から突き落とす。 「死ぬ前にもう一度人を愛せてよかった」 海へ落とされたムジカに銀を使って会話するレイナ。 「離れていても繋がっていれば紲の銀は使えるわ」 レイナだけを犠牲にするなんてできないと叫ぶが、ムジカは死ぬべきじゃないと諭される。 その時、予言が脳裏をかすめた。 『人生を左右する二択をせまられる。心して選べ』 一つの兵器は消滅し、一つの武器となって誕生した。 レイナの想いが詰まった銀槍を手に、ムジカは仲間の元へ… ハルは、瀕死の体でドリューの元へ行こうとしていた。 止めようとするルビーにハルは言う。 「俺はこの戦いで死ぬかもしれない。だからこれから俺が言う名前を忘れるな… そいつが三代目レイヴマスターだ」 16巻終わり
続きます
田村マリオ「社会不適合者の穴」「春ノ虫虫」太田出版 三原順「ムーン・ライティング」白泉社 お願いします。
レイブって話があるんだかないんだかわかんないねえ 乙〜
「真月譚 月姫」のあらすじ教えてください。
>>123 今月単行本1巻が出るからそれを読んだ方が早いような気が…
「春ノ虫虫」は短編集だから、1冊読んじゃった方が早いですよ
126 :
121 :04/05/22 21:32 ID:???
>>125 調べてみたらそのようで。春ノ虫虫のリクは取り下げます。
アラベスクと姫ちゃんのリボンって予約入ってなかったよね?なければ予約しときます。 ついでに花咲ける青少年は2カ月近く中断されてるんですが、もし 後1カ月ほど職人さんが戻って来られなかったら続きを書いてもよろしいですかね? リクですが、「カムイ伝」のあらすじをお願いします。
128 :
マロン名無しさん :04/05/23 10:19 ID:uUQxh3wC
「水鏡綺譚」をお願いします
130 :
マロン名無しさん :04/05/24 05:22 ID:hrU184xT
DQM+の続きまだー?
福原鉄平の「響鳴(キョウメイ)」と園山二美の「蠢動」をお願いします
こなみ詔子の「深海少年」予約・・・てか書きます。
※登場する人物は擬人化された海の生物で、深海少年とは深海魚のことです。 光の届かない深い海の底に棲む二人の少年、イントとラフル。 夢見がちな少年・イントは、沈没船で拾った本を見るのが好きだった。 本にはイントの知らない綺麗なものがたくさん載っていた。 光溢れる青い海、色とりどりの魚や珊瑚。 時々深海を訪れるクジラは、それが〈上の海〉であること、 更に上には〈空〉と呼ばれる所もあることをイントに教える。 〈上の世界〉に憧れ、次に生まれ変わるならクジラになりたいというイント。 だがラフルは「夢ばかり見るのはやめろ。何かに為り変わりたいなんて今の自分から逃げているにすぎない。 上の世界のことなんて考えるな」と冷たく言う。 イントは衝動的に〈上の世界〉へ向かった。 ラフルが止めるのも聞かず、クジラの助けを借りて、光射す海へ上がっていくイント。 しかしもう少しで海の上へ出るというところで、イントの体は泡となって水面に消えてしまう。 暗い深海でラフルはクジラに告白する。 〈上の世界〉に恋焦がれていたのはラフルのほうだった。 だが自分の体が〈上の世界〉に対応できないことを知っているラフルは、そこへ行くことができない。 夢と現実に苦しむラフル――その状況がラフルの体を二つに分けてしまった。 夢を否定し現実に生きるラフルと、夢を求め追い続けるイントの二人に。 イントを殺したのは自分だと嘆くラフルをクジラは優しく慰める。 「また夢を見よう。想い続けた空の夢を…」 『叶ってしまえばそれは夢ではなくなってしまうのに… それでも夢を持たずに生きることはできない…』 おわり
短編なんでこれだけなんですが、『叶ってしまえば・・』ってのは泡が水面に出たからだと思われ・・。 よくわかりませんけど。 それと、クジラの慰め方も良くわかりませんが、夢を見てまたイントを作ろうってことなんでしょうかねぇ。 でもそうするとまた話が廻ってイントは消える?・・そしてまたまた夢を?・・・やっぱりよくわかりません。 あらすじはまんま書いてみましたが、内容の理解はでけまへん。
135 :
91 :04/05/24 18:28 ID:???
深海少年リク主です。 その感じなら私に合う話かも。 ありがとうございました。
>>135 スレ違いなレスですんませんが・・
買うんですか? 深海少年は36ページ、あとの150ページ程はタイルの水っつーユーレイの話っすよ。
夢の果ての人が早く帰ってきてくれないかなあ
日渡早紀のアクマくんシリーズのストーリー教えてください。
妖獣戦線ブライオーと強殖装甲ガイバーお願いします
海の闇月の影 闇のパープルアイ 天は赤い川のほとり お願いします。
海闇月影やります
双子の姉妹の流水と流風。同じ体と心をもち、同じ人に恋をした。 二人の思い人の、県下随一のスプリンター・当麻克之は流風を選んだ。 流水は「月曜になったら好きって言いなよ」と流風を応援してくれた。 日曜。女子陸上部全員でハイキングに行く。克之に恋する朝子は、 流風との事を知り休んだ。部員達は雨にあい、古墳の横穴に避難した。 そこで岩が崩れた途端、妙な匂いがし、気分が悪くなる。 異変を察しそこから出て海辺まで歩いた所で皆気を失った。空には満月が。 目覚めると流風は病院にいた。ハイキングから三日経っていて、双子以外は死んだという。 朝子は克之の事で嫉妬し、学校に戻った流風に嫌がらせをする。 「違うわ、あたしは流水よ」流水は朝子を強い力で押さえつけ指で朝子の額を貫き、殺した。 朝子の死体を発見した流風は、逃げるように去っていった流水を犯人じゃないかと疑うが、 警察によると朝子は外傷もないのに血を流し、脳を潰され死んだと聞いた。 そんな殺し方は流水に出来る筈がない…。やがて年が明けた。 流水は「あたしだって当麻先輩がずっと好きだった。あんたにだって譲らない」と言う。 元から自分だけが、と負い目もあり、流風は克之を避けるようになる。しかし克之な尚も好きだと言う。 家に帰り陸上部の記録ノートを見ていて、流水のタイムに以前よりばらつきがある事に気づく。 先月中旬がピーク、月末が最悪、最近また元に戻ってきた。窓の外には満月が見える。 朝子が死んだ時、先月中旬も満月だった。古墳に入った日も…満月の時に事件が起きている!? 「ただいま」声に振り向くと、床から生え出るように流水が現れた。 流風の悲鳴に家族がやって来る。流水はいつもと変わらない態度をとる。 「さっきの事言ったって誰も信じないわよ」流風の耳元では囁いた。 流水の変化はあの古墳に関係するんじゃ?流風は事件の新聞を調べるが役に立たない。 そこへ現れた克之は「あの事件は日本版ツタンカーメンの呪いみたいだ」と言う。 確かにあの事件と状況が似ている。その事を調べれば何かわかるかもしれない。 流風が流水に呼び出され指定された場所で待っていると、天井を通り抜け流水が現れ、 宙に浮かびながら言った。「あたしは当麻先輩が好きなの。あんたには死んでもらう」 流水は流風を非常階段まで追い詰め突き落とした。
五階から落ちたに関わらず流風は大した傷を負わず、一応入院した。 夜中、流水は壁を通り抜け病院に侵入、放火し、逃げられるぬよう流風を押さえつける。 「同じ物が二つあるから紛らわしいのよ。一つになったら当麻先輩の気持ちは変わるかしら?」 火が目前に迫り、流水は壁を通り抜け逃げた。流風は窓から逃げようとするが、ここは三階。 そこへ火事を聞いて駆けつけた克之が来る。「飛び降りろ!受け止めてやる!」 飛び降りた流風の体は宙に浮かんだ。「流水と…同じ?これで昨日も助かったの?」 翌日家へやって来た克之に、流水の異変の事を話す。 夜、克之は流風に電話をするが、何時の間にか入ってきた流水に妨害される。 直接話そうと流風を学校に呼び出す。流水は流風を殺そうとする。 「君は病気なんだ流水!」克之はそう叫ぶ。 ツタンカーメンの呪いについて書かれたある本では、発掘に関わった者が死んだのは古墳に眠る 古代のウイルスのためではないかと書かれていた。古代には現代では考えられないような、 不思議な力を持たせるウイルスがあり、そのために部員たちは死に、 双子はそのウイルスに適応できたために生き残れたのではないかと言う。 「そんなのどうでもいいわよ!あたしは克之さんが欲しいだけ!」流水は走り去って行った。 翌日流風は、流水が男子陸上部の石倉主将に唇が切れるほどの激しキスをしている所を目撃する。 克之が好きだからこそ自分を殺そうとした流水が他の男と?流風は混乱する。 自分のの陸上のタイムも流水と同じくばらつきがある事に流風は気づく。 もしかして、月の満ち欠けに能力が影響されているのだろうか? 新月期。力がほとんど無い流水は、流風を人気のない場所へ連れて行く。 そこには石倉がいた。「あんたを殺したいけど殺せないから、彼に頼んだのよ」 石倉はわずかならが、宙に浮いた。「唇を切ったらね、見事に感染したのよ。面白いのよ。 彼、あたしの言う通りに動くの。石倉さん、流風を好きにして。そして、殺して」 石倉は流風を犯そうとする。克之が助けに来るが、正気を失った石倉は尚も流風を襲う。 流風は助けを求めに走る。流水は竹をしならせ、その勢いで流風を殺そうとするが、 克之にかばわれたために流風は助かり、石倉の喉に竹が突き刺さり死んだ。
流水は姉の流依子にキスをして感染させる。 それを知らない流風は、警察の事情聴取から帰り、 これ以上流水に人を殺させてはいけないと、流依子にウイルスの事を話す。 流水に命令されていた流依子は流風を殺そうとする。両親も既に感染していた。 家族に殺されそうになった流風を克之が助ける。 流風はウイルスについて一度調べてもらおうと病院へ。 しかし医師は既に流水に感染されており流風を殺そうとする。 克之に助けられるが、流風は泣いた。克之は自分の唇に傷をつけ流風にキスをした。 「もし感染しても俺は君の自由に動くわけだ。敵にはならない。それに流水のように君のも感染するとは限らない。」 そこへ現れた流水を追いかけ二人は学校に着く。もうとっくに学校は終わっているのに何故? 大会が近いため、陸上部員だけが残っている。流水は陸上部員に次々と感染させ、 流風を襲うよう命令する。今年に陸上部に入った真理子も流水にキスをされた。 真理子の脈が止まる。急激に体温が下がり、流水のウイルスで体が変化したのだろうか、 皮膚が深い海のようなマリンブルーに変わっていった。やがて色が戻り脈も戻った。 二人を見つけた流水は部員たちに克之を押さえつけさせ、キスをする。 克之がまだ正気でいるうちに、流風は克之を連れ校内へ逃げる。中で教師に会い 事情を説明するが、現れた陸上部員に教師は首を捻じ曲げられ死んだ。 克之も陸上部員のように無感動に人を殺すようになってしまうのだろうか。 しかし克之の脈は止まらなかった。校外へ逃げながら克之は仮説を言う。 「この前の君とのキスのおかげで助かったんだ。流水はウイルスを広げる力が、 君はウイスルに対する抗体があるのかもしれない」克之は流風を自宅へ連れて行った。 事情を説明するが、克之の両親は当然信じる事ができない。流風は宙を浮いてみせる。 「可哀相に心細かったでしょう」克之の母は流風を抱きしめる。作家をしている克之の父は、 変な知り合いも多いから自分も調べてみようと協力的な態度をとってくれた。 匿ってくれているかわりにと、流風は克之と共にお使いに行く。 その間に当麻家へ進入した流水は、克之の母の胸を、右手で貫き殺した。 「克之さん。家族を失った時、貴方はどんな顔をするかしら」流水は笑んだ。 続く
暗っ('A`)乙です ところでキャラ名読めないのでプロフ一覧ください
紹介者さんじゃないけど 流水=るみ、流風=るか、流依子=るいこ だったと思う。
読めるかぁ('A`)アリガト 今時のドキュソ子供ネーミングよりはマシなのかなあ・・・ ラッキー星クンとか たまてば子ちゃん とか
小早川流風(こばやかわ・るか)
双子の妹。穏やかな性格をしている。
満月時には宙に浮いたり物体を通り抜けたりできる。
唾液や血液に流水のウイルスへの抗体を持っている。
小早川流水(こばやかわ・るみ)
双子の姉。元々は流風と同じような性格だったが、
ウイルスにより、嫉妬・憎しみなどの負の感情が前面に出、
人殺しさえ平気でやるようになった。
血液や唾液に含まれるウイスルを使い、
他人を意のままに操る事ができる。
当麻克之(とうま・かつゆき)
双子より一つ年上。情熱的で少し強引。
遅れましたが、まとめも兼ねて。
>>146 ありがdです。
リヴァイアサンお願いします。
「リヴァイア(苗字)さ〜ん」みたいだ。
午後三時の魔法お願いします
流水は克之の父を殺し、怯えて逃げる克之の弟・隆をも狙う。 流風達が帰って来たために隆は無事だったが、恐怖で錯乱しており、 流水と瓜二つの流風を「化け物!人殺し!」と泣きながら罵った。 克之の両親の葬式の日、流風は居たたまれなくなり、その場を離れる。 「貴方はルミ?ルカ?当麻夫妻を殺したのはどちらですか?」 克之の両親の葬式に来ていた、金髪の白人男性が流風に話しかけた。 彼はジーン・アルバート・ジョンソンと名乗る。国籍はイギリス。ジーンは流風を車に乗せ、 海へと向かい走る。海へ落ちる寸前にジーンは車から素早く降り、流風は車ごと海へ。 水圧でドアは開かない。流水がしたように、車から体をすり抜かせ流風は地上へ。 「古代のウイルスが貴方にどういう力を与えたのか知りたかったのです。私は貴方の敵では有りません」 ジーンに言われ、流風は流水を呼び出す。古墳に入った者が死ぬのはウイルスのせいではないか… その説を書いた本の著者は自分だとジーンは言う。自分は副産物として本も書いているが、 電子工学・考古学・医学に精通しており、双子の役に立てるかも知れないと言う。 ジーンは克之の父に相談され双子の能力を知った。彼は双子を自分の部屋へ連れて行き、 ウイルスを調べるために血を取った。二人はジーンの家に泊まる。 夜中、幅広い知識をもつジーンを自分の物にしようと、流水はジーンの部屋に忍び込むが、ジーンはいない。 ジーンは流風の部屋に忍び込み、流水にいつ感染させられるかわからないと、抗体を得る為にキスをした。 翌日、ジーンはウイルスを研究して流水に操られている者の治療薬を開発すると約束した。 家族が元に戻るかもしれないと流風は笑む。克之が迎えに来た後、流水はジーンにこの能力を どこまで広げられるか試したいと言う。ジーンは協力しようかと笑んだ。 流水はある病院を乗っ取り、自分の血液を薬に混ぜ患者に投与した。 この病院を名実共に手に入れるには権利書と実印が必要。それを持つ院長は縛られていた。 「まだあんたを信用したわけじゃないわ。あんたのお手並みを見せて」 流水がそう言うと、ジーンは銃を院長に突きつけ、権利書の入った金庫の番号を聞き、 聞き終わると院長の頭を撃ち抜いた。「いいわ。一応認めてあげる」
政財界の子弟ばかりが集まる城惺(ジョウセイ)学園に流水が転校した。 ジーンの家は既に引き払われている。嫌なものを感じ流風は城惺へ侵入。 理事長は流水により感染させられており、マリンブルーの肌をして倒れていた。 人の気配に振り向くと、以前流水に感染させられた陸上部員達がいた。 全員流水により転校させられたのだ。全員を転校させるのに一体どれだけの人を感染させたのかと流風は泣く。 知らぬ間に感染者が増えていく。取り返しのつかない事になってしまう。 克之は陸上部を通して知り合った城惺の生徒・岡部に、流水が転校してきた時に 金髪の男がエスコートしていたと聞く。流水とジーンが手を組んでいる!? 克之のもとへ流風から電話がかかってくるが、突然切れてしまう。一体何が… 気付くと流風は、流水の支配下の病院にいた。ジーンに眠らされていたのだ。 「城惺で明日ね、予防注射をするの。もちろんこの病院から、あたしのウイルス入りのがね。 城惺には大手菓子メーカーのお嬢様がいるわ。その会社の食品にウイルスを混ぜたらどうなるかしら? 市会議員や市長の息子もいるわ。その親達を感染させたら行政はどうなるかしら? あんたを生かすのはその為よ。あたしにそっくりなあんたは何かの役に立つかもしれないから」 流水はそう言って笑った。流水を止めてとジーンに泣くが、ジーンは笑顔で断わり、 体の自由を奪う薬を流風に投与し、キスをした後去って行く。満月なのに薬のせいで 指が震えて壁を通り抜けられない。看護婦が入り、ドアを空けた隙に廊下へ逃げる。 やがて薬が切れ、流風は交番へ逃げて克之を呼ぶ。そこへジーンと数名の医者が現れ、 その子は精神病だ、病院から脱走したのだと言う。流水や両親まで来て、 警官は流風を引き渡そうとする。ウイルスの事を話しても信じてもらえない。 そこへ現れた克之がバイクで流風を連れ去った。流水が城惺を狙っている事を告げ、 二人は翌日ジーン達を妨害する。双子は工事現場に行き、戦いの末に大怪我を負う。 ジーンは手術をすると双子を連れて行く。克之は止めようとするが、その間にも 感染者は薬を生徒に打とうと学園へ向かっている。やむなく一時的に流風を預けた。 双子は元は一つの卵だった。それが何故二つに分かれたのか。 二人がもし一人の人間として生まれていたら、誰も悲しまずに済んだのに―――
続く
おまかせ!ピース電器店をお願いします
エニックスのGファンタジーの「レヴァリアース」3巻のストーリー教えてください 手にはいらんorz
「夢幻街」と「ヴァンパイアセイヴァー魂の迷い子」を教えてください
薬は校内へ運ばれてしまう。克之は服に流風の血がついている事に気付き、 生徒に抗体を与える為貯水タンクに服を放り込む。多くの人が水を飲む事を祈って。 マリンブルーの肌をして倒れる生徒の中、何人かの生徒は水を飲んだため正気だった。 感染した教師は克之も含め、正気の者達を体育館に閉じ込める。何故かジーンが命令している。 感染者を操れるのは流水だけのはずなのに。直後、体育館はジーンにより爆破された。 双子が目覚めると窓の外には海があった。監禁する気かと流水は怒り、ジーンを窓から突き落とすが、 ジーンは宙にふわりと浮いた。何故ジーンに力が?しかも今は新月だ。 流水は感染者を使い逃げようとするが、感染者への命令はジーンの方が強力で、聞かない。 「私と貴方達が手を組めば、世界中が手に入る。私が欲しいのはこの青い惑星一つです」 ジーンは双子にそう言った。流水は利害が一致するのなら手を組んでもいいと言う。 夜中、力が無いため逃げられない流風は、外への扉を探して広い家を歩き回る。 そこで地下へと続く階段を見つける。それは洞窟に繋がっており、妙な匂いがした。 全ての始まりの日、ハイキングの時に入った古墳と同じ匂い。流水も後から入ってくる。 中にはジーンがおり、ここは古墳と繋がった穴なのだと言う。流風から抗体を手に入れ 死ぬ可能性をなくした後にここに入り力を得たのだ。ジーンは日本の古墳の薀蓄を語る。 日本に来てまだ日が浅く、日本の古代史はかじった程度だと言うにしては知識がある。 同じ感染方法なのに双子より強い力、幅広い知識……この人は一体何者なんだ。 窓から逃げようとして落ちかける流風をジーンは助け、克之のもとへ戻りたがる流風に言う。 「トーマは亡くなりましたよ。五日前城惺が爆発して、その中に彼はいました」 52人死亡と書かれた新聞と、克之の履いていた焼きこげた靴を渡す。 他校生がいると面倒だと、新聞から克之の存在は消されていた。 爆発で死体はばらばらになり、どれが克之の体かもわからないとジーンは言う。哀しみで流風は倒れる。 「あたしが克之さんを愛している事知ってたでしょ?いつ寝首か気をつけなさい」流水も怒りを露わにする。 いまだに信じきれていない流風を、ジーンは城惺の燃え尽きた体育館へ連れて行く。
体育館に閉じ込められた時、克之と、知り合いの岡部、 内海は改築した時に出来た隙間から逃げた。 パニックになっている他の生徒は逃げ遅れた。 克之は夜中に隆のもとへ戻り、流風を取り戻すと誓う。 隆達はジーンの事を調べ、克之は父のコレクションの短剣を持ち城惺へ。 克之は理事長室に侵入。足音を聞き棚に隠れる。足音の主は流風。 燃えた体育館を見て、改めて克之の死を実感し傷つき、一人になろうと来たのだ。 外からの物音で「どうしたの」と言いながら流風は走っていく。その声に流風は 無事だったのだと克之はホッとする。物音は、流水が人を突き落とす音だった。 ジーンに命令され体育館を爆破し、克之を殺した憎い男だと流水は言う。 自分を口説いてくるジーンから流風は逃げ、その間に近寄ってきた克之は、 流水の後姿を流風と勘違いして、姿を現す。流風が戻って来た時には 克之は逃げており、流風はジーンと流水の微妙な態度の違いに違和感を感じる。 その晩、流水がジーンと寝ている所を目撃する。性格は変わっても、 克之を愛するという気持ちだけは変わってなかったのに何故だと流風は動揺する。 調べてみるとジーンに関する資料は山のようにあった。12歳でケンブリッジ大学に入学、 15歳で最初の博士号を取得、以来九つの博士号を持ち、工学関係の特許を10以上持つ。 凄い経歴を持つジーンは、12歳の時からほぼ毎年写真付きの詳細な記事が雑誌に載せられている。 だが、それ以前の写真はどこにも載っていない。出身地や家族についても。 意図的に隠しているようだ。ジーンは女王陛下によりサーの称号を持っている。 貴族年鑑なら家系図も載っているだろう。克之は英国大使館へ行く。 克之が大使館に行っている間、内海は病院を張り、隆と岡部は城惺を張る。 理事長を尾けていくと、そこには別荘が。隆は別荘の存在を知らせるため一旦帰り、 岡部は流風に克之が生きている事を知らせようとするが、ジーンに殺害される。 「そうやって克之も殺したのね……」力の戻っている流風は、ジーンを殺そうとするが、 軽く受け止められる。一方克之は、大使館で双子が四組も写った写真を発見する。
ジーンは双子に語る。生まれた国はフィンランドの東の外れ、ソ連との国境地帯。 そこはカレリアと呼ばれ、今はソ連に割譲され、行政上の空白地帯。ジーンの本名はジーン・ヨハンセンという。 カレリアは一卵性双生児の出生率が80%以上あり、ジーンの父も母も従兄弟も妹も双子だ。 突然変異でまた一つに戻ったが、ジーン自身も胎児の頃は双子だった。 そのため内在する力は二人分ある。知識も、ウイルスにより得た力も。 それが4歳の時連れて行かれたモスクワの研究所での結論だった。 当時からジーンのIQは270あった。その後12歳の時にイギリスに亡命した。 「ルカ、愛しています……大切にしますから」ジーンは跪きキスを求めるが流風は拒む。 「貴方は以前、流水と一人の人間として生まれたかったと言ってましたよね。 私は二人で生まれたかったですよ。ちゃんと双子として…」 父と叔父で一組、母と叔母で一組、妹達で一組、従兄弟達で一組、 ジーンの家族に双子が四組も居る事に何か秘密があるんじゃないだろうか? 克之は隆に教えられ流風のいる別荘へ。流風は克之が生きていた事を知り喜ぶが、 ジーンは双子を連れ船に乗りどこかへ逃げていった。別荘には岡部の死体が放置されていた。 目覚めると、流風は家にいた。両親と流依子は、既に起きている。どういう事?夢? 「どう満足?あんたこーゆーの望んでたんでしょ?」流水は、ジーンが設定したのだという。 流風はわけがわからず克之の家へ行こうとするが、電車もバスも流風を乗せない。 電話も克之の自宅には通じない。「町中の人がウイルスに感染してるのよ」流水は笑う。 この町は私鉄の終点。私鉄と系列会社のバスさえ抑えれば隔離されたも同然の場所なのだ。 内海から伝言が入り、流風は指定された場所に向かうが、感染した人々が次々と妨害する。 克之は流風を救うために、短剣で二人殺してしまう。流水は感染した警官から銃を奪い、 流風に向かい発砲する。まだ感染していない、隣町の管轄の建物に克之は放火し、 隣町の消防士を呼ぶ。サングラスをかけたジーンが現れ消防士たちを殺す。 流風を取り戻そうとするジーンとの戦いの途中、克之はサングラスの下を見る。 普段はアイスブルーの瞳が白濁していた。他の消防士に運ばれ流風は手術を受ける。
銃痕に気づいた医者と刑事は訳を問い、克之はウイルスの事を言うが信じてもらえない。 「少しでも僕を信用してくれるなら舐めてください」克之は流風の血のついた服を医者に渡す。 医者は馬鹿らしいと思いながらも克之が真剣なので舐めた。刑事は流水により感染させられ、 流風を連れ出そうとする。刑事は医者に流水のウイルスを注射するが、抗体を舐めたので効かない。 医者は流風をかばい刑事の銃に倒れる。用意周到なジーンが周りに人がいるにも 関わらず銃を使わせた。ジーンは切羽詰っている。あの白濁した目が関係するのだろうか? 二人は場を逃げホテルに泊まる。テレビでは、流風と克之が病原菌を持った患者で、 病院側が探しているので協力してくださいと報道されていた。こんな大掛かりな事までして ジーンは流風を捕まえる気だ。消防士や医者が殺された事は隠蔽されていた。 まとめも兼ねてキャラ紹介 ジーン・アルバート・ジョンソン(ジーン・ヨハンセン) カレリア出身。12でイギリスに亡命。 流風から抗体を得て、後に双子と同じ古墳で感染。 力は月齢に比例しない。自分には抗体も感染作用もないが、 感染者を操る力は流水以上。 続く
(;゚Д゚)ひームチャクチャだ 乙
「超獣伝説ゲシュタルト」 「ゲマインシャフト」 お願いします
陽の末裔 風の杜夜話 湘南純愛組 淫らな旋律卑猥な指先 お願いします。
最後のはタイトルからして18禁じゃないのか?
165じゃないけど、最近エロ化の進んでいる 中高生向け少女雑誌で掲載された作品ですよん。 作者は新城まゆか刑部真芯だったと思う。
本屋いった時チーズコミックスとかいうのの棚みたけどエロマンガみたいな タイトルがずらっと並んでてびっくりした。
チーズってそれこそ>167辺りのデンジャラス枠だよね 小学生が読むんだよ。嫌な時代だ
克之は変装してホテルを出るが感染者に捕まる。 流風は後を追って流水の支配下の病院に着く。意識を失った克之を流水は抱きかかえている。 流水なら克之に危害を加えないだろうと、白濁した目の事を調べにジーンのもとへ。 ジーンは暗い部屋の中サングラスをかけて座っていた。 流水のふりをする流風を、ジーンはベッドに連れて行く。 流水とジーンはそういう関係にあるのだ。キスの反応で流風だと知り、ジーンは薬を出す。 「感染者を治す、治療薬です」以前流風とした約束をジーンは守っていた。 ジーンは流風の血を薬に混ぜ、真理子を呼ぶ。薬を打たれた真理子は、 感染した時のように肌をマリンブルーに変えた後、正気に戻った。 安静が必要だからと真理子はすぐに連れて行かれるが、流風はこれで家族を元に戻せるとホッとする。 「サンプルとして三人分つくりました。あと二本あります。欲しいのなら、もう一度私のベッドに戻りなさい」 流風は泣きながら従う。「心がついてこないなら自分のものにしても意味がない」 ジーンはそう言い、やめる。だが、流水との関係はとても愛し合った末の仲とは思えない。 「私の中の悪の部分が彼女に惹かれ、彼女とのあの関係を楽しんでいる。 そして多分、私の善の部分は貴方を欲している。わがままだと思いますか? そうでしょう、私もそう思います。でも、私は貴方達二人にカレリアを見せたい」 カレリアは今共産国の向こう側。そこを亡命したジーンは二度と帰れない。 でも世界中が手に入れば…流風の言葉にジーンは冷たい目をした。 流水から逃げてきた克之が来る。感染者は克之を殺そうとし、流風はそれを止める。 ジーンは薬の入ったアンプルを手から離す。アンプルは床に落ちたら割れてしまう。 だがそれを受け止めればその間に銃が克之を…。床から流水の手が伸び、アンプルを掴む。 治療薬なんて余計な物を作るなと流水は怒る。 「ルカの血を混ぜると治療薬になりますが、ルミの血を混ぜた場合、 抗体を持つ者にもウイルスを感染させる事ができます」流水は克之で試そうとする。 流風は暴れ、克之の拘束を解き二人で逃げる。克之がジーン達を引き付けている間に、 流風は残り一個のアンプルと処方箋を取りに行く。そこへジーンがやって来る。 ジーンは疲れたような様子で、目が白濁している。手探りで歩いている。
流風はジーンの目の前で浮いて見せる。ジーンの反応はない。 目が見えていないのだ。流風の気配に気づき、ジーンは流風の首をしめる。 「私の望みの妨げになるのなら、例え貴方でも殺す」しかし、ジーンは首にかける手を解いた。 内在する力は二人分でも体は一つ。そのためか、力を使いすぎると 体が力を受容できないのか、体の弱い部分に一時的に障害が、目が見えなくなるのだという。 殺すべきだった、目の事は話すべきではなかった。行かせてはいけない。 そう思いながらもジーンは流風を逃がしてしまう。流風を殺す事はジーンに出来なかった。 当麻家は感染者に見張られているため、流風・克之・内海・隆は内海家の別荘へ。 そこへ流水は現れ、克之が抵抗するために、流風の抗体を得ている隆に薬を注射する。 隆の肌がマリンブルーに変わっていく。「なるほどジーンの言う事は本当だったのね」 こんな事をして満足なのか、ジーンは二人の血を利用しているだけだと言う流風に流水は言う。 「流風、手を組まない?ジーンを殺すのよ。薬があればあの男に用はないわ。 あんただってジーンは邪魔でしょ?あたし達が協力すれば必ずあの男を殺せるわ」 今まで流水は何人も殺し、今も隆を感染させた。だが、今一番重要なのは薬だ。 アンプルを手に入れて成分を分析すれば治療薬が大量生産できる。そうすれば皆元に戻る。 二人は手を組む。ただし、ジーンが死ぬまでだ。次の満月期が決戦の時。 流水はごみ処理場へ流風を連れて行く。高温の熱でゴミを焼却しているのだという。 この処理場へ、ワゴンが毎日ジーンのところから往復している。 流風は流水のふりをして近づく。ワゴンからは押さえつけられた真理子が出てきた。 「何万人かの確率で感染してもジョンソン博士の命令に従わない者が出ます。 また、流風の抗体を持つ者もいます。そういった者が毎日何人かずつここへ送られてきます」 男は真理子を引っ張る「何をするの!」「安心してください。高熱処理で骨も残りませんから」 真理子は焼却所の扉の向こうへ押し込められていった。燃え盛る炎の音と悲鳴が聞こえた。 泣く流風に、これで本気で協力する気になっただろうと流水は笑いながら言った。 続く
ジーンが六万トン級の豪華客船を買った。薬を大量に作るための研究所兼工場にするつもりだ。 双子の住む県で望み通りの結果が得られたため、外国でもウイルスをばらまく気だ。 満月。様子を見るための短い航海らしいが、研究設備を見るためにジーンは船に乗る。 双子はジーンに向かい立つ。「いいでしょう、双子たち。お望みなら相手になりますよ」 船の上で、ジーンの命令を受けた感染者達と戦う。双子であるためか、息があう。 二人は抱き合い、元に戻れるかもしれないと思う。ジーンは一緒に行かないかと最後に聞くが、 双子は嫌だと答える。空中でジーンは流水の胸を手で貫き、流水は海へ落ちていった。 「許さない!貴方が流水を殺した!」ジーンは何かを言おうとするが流風は聞かずに攻撃する。 「流風!薬か処方箋を探すのが先だ!」流風は克之の胸元で泣いた。人殺しでも流水は自分の姉なのだ。 目が霞むので撤退していたジーンは、ソファに座って自分の双子の妹達を思い出す。 天才的な頭脳を持つため家族と引き離されていた12歳の頃のジーン。 「こっきょうを超えたら、お兄ちゃまとくらせるのね」 両親と、妹のアイノとエーダと共にジーンは国境まで行くが、 そこで家族たちは国境警備兵に撃ち殺された。 父は、自分達にかまわず国境を越えろと言い残し死んだ。 ジーンは処方箋を五つに破り、意味深な表情を浮かべた。 どこかから爆発音が聞こえる。克之が船中を爆破させているのだ。 流風が壁をすり抜け現れる。霞んだ目に流風が妹のアイノに見え、 油断した隙に腹を流風の腕が貫く。流風は腕を突き刺したまま、 ジーンの腹から流れ落ちる血に違和感を感じる。 空中で胸を貫かれた流水。あの時流水からは血が出ていなかった。 「気がつきましたか。私はルミを殺していない。あの時私はルミを殺すつもりでした。 しかし、一瞬躊躇しました。そこへ流水が自分から飛び込んできた。 私たちは物体を通り抜けられるでしょう。つまり…その逆も可能なのです。 何故ルミがあんな事をしたかが不思議でしたが、貴方の攻撃を受けてわかりました。 なるほど…流石双子だ。あなたの性格を把握している……」 「だから あんたは甘いというのよ」床から流水が現れアンプルを手に取った。 続く
かつて少女コミックで連載されてたとは、とても思えない名作っぷりですな。
「BLANC Project(ブランプロジェクト)」をお願いします
「予報使いサリア」「RH± Run2HappyUpDown」「ハイパーあんな」のストーリー教えてください
「予報使いサリア」「RH± Run2HappyUpDown」「ハイパーあんな」のストーリー教えてください
「予報使いサリア」「RH± Run2HappyUpDown」「ハイパーあんな」のストーリー教えてください
連投したってリクがうぷされるわけじゃないんだから、モチツケ(w
書き込みできてたのに気付かなかったOTZ
今2ちゃん全体がこんならしいよ。 書き込みエラーが出ても焦らずにスレ更新してごらん。
「おろち」お願いします
100年に一度永い眠りにつくことによってその若さと美しさを保っている「おろち」という謎の美少女。 彼女は手首に包帯の巻かれた右手から人の心を読み取ったり念動力を使ったりできるのだ。 ある時は屋敷のお手伝い・またある時は看護婦……。 行く先々で起こる不思議な現象や人間の業からなる悲劇を、 おろちは時に見守り、時に妨害してゆく……。 彼女がどこから来てどこへ行くのか、誰も知らない。 #基本的にオムニバス形式なんで、全体的に大きく話が動いたりはしませんが、 そのひとつひとつを紹介した方がいいのかな?
183 :
181 :04/05/27 23:30 ID:???
>183さん わかりました。なるべく流れ重視で軽めに紹介してゆきますね。 今夜は無理なのでまた日を改めて…。 2ちゃんやばそう(しばらく繋がらなくなる可能性もあるそうで…)なんで、 もしもの時はまとめサイトさんの掲示板を使わせていただくかもしれません。
魔術と錬金術を極め、不老不死の肉体をも持つ男…ドクター・カオスは得体の知れない怪物に襲われ窮地に陥っていた。 彼を救わんとするアンドロイド少女・マリア。 ところかわって19世紀のロンドン、ベイカー街。「赤毛連盟」事件を解決したばかりの ホームズの許に、窓をぶち破ってマリアが飛び込んでくる。 慌てふためくワトソンにホームズは憎々しげな顔で「古い知人」とマリアを紹介する。 マリアが人造人間と聞かされて驚くワトソン。愛らしいマリアの微笑はとても人工のものとは思えない。 「ワトソンを惑わせるのはやめろ」と睨み付けるホームズ。 彼女は行方不明になったカオスを探す為、ホームズに探索を依頼しに来たのだった。 調査に赴いたソールズベリーの屋敷跡。この地に古い神が封印されている事を突き止めたものの、 軽はずみにその封印を解いてしまったカオスは、建物の倒壊とともに行方不明になってしまったという。 マリアの探索能力をもってしても見つけられないという事は、どこかの異次元に飛ばされたという事か…。 カオスが封印を解いた方法に鍵があるに違いないと睨むホームズ。カオスが持ち込んだ「精霊石」は 五つ紛失しているから五芒星の魔法陣を敷いたに違いないが、霊波の痕跡として残っているのは二カ所だけ。 残る三点はどこに設置されていたのだろう? ホームズがパイプをふかして沈思する間、ワトソンはマリアに友と出会ったいきさつを尋ねる。 16年前、若き日のホームズの先進的な科学捜査に興味を持ったカオスは、彼に膨大な資料を与え、 助手として「娘のマリア」を使ってくれて構わないと言った。 「マリアは分類する作業は得意だが、データを立体的に捉える発送の飛躍がない。だから君に頼みたいのだ」と。 「立体的に」という過去の記憶に触発されて閃くホームズ。 五芒星は平面ではなく、建物の中で立体的に構築されていたのだ。 マリアが空中に五芒星を作り出すと、異界へのゲートが開く。 解決への糸口が掴めたものの不愉快そうなホームズ。 「今後二度と我々の生活を乱すことはやめてもらう」反応を見せぬマリア。 「16年前のようなことは、なしにしてもらう! いいな?!」
16年前。マリアを人間の女性と信じ切っていたホームズは彼女をデートに誘った。 音楽会からの帰り道、寄り添って歩く二人。「このままずっと歩いていたい…」 これを携帯するように、と、ホームズに精霊石のペンダントを授けるマリア。 だが彼女に口付けるとホームズは意識を失う。 気がつくとカオスの研究室。拘束されたホームズにカオスは、自分が人格を移植する為に、君は理想的な素材だと明かす。 マリアはその為にホームズに接触して、彼自身の能力を見定めていたのだ。 マリアの正体を知って動揺するホームズに、容赦なくカオスは人格転移を施す。入れ替わるホームズとカオスの体。 「おのれ!」飛びかかるホームズ(体はカオス)。カオス(体はホームズ)の窮地を救うためにマリアが発砲した弾丸は、 ホームズの首にかかった精霊石に命中し、その衝撃によって二人の体は元通りに入れ替わった。 爆煙の中、カオスを連れて飛び去っていったマリア…。 再度封印を解くと、取り込まれたかけたカオスごと、怪物が現れる。 「こいつは人間から知識と情報を吸い取る妖怪じゃよ、ああっ、もう何を吸われたのかも思い出せん!」 マリアが精霊石の弾丸で化け物を撃ち抜くと、怪物は爆発の中に消えていった。 世話になった、とホームズに礼を言うカオス。 「御礼にわしの所有しているものなら、なんでも譲ってやる」言われてホームズは表情を険しくするが マリアから眼を反らすと「僕には仕事そのものが報酬ですよ」と言って背を向ける。 笑顔で見送るマリアは、しかし、自分の笑顔プログラムを削除して欲しいとカオスに要請するのだった。 帰りの汽車の中。ワトソンはホームズがマリアに冷たすぎるのではないかと咎める。 「精霊石を授けたのは君を守ろうとしたに違いない」 それなのに何故彼女を譲り受けなかったのかと言う問いにホームズは 「命に限りのある者が持つべきではない」と答えた。 「君の書く物語の中で僕は永久に生きていく。彼女にもし魂があるのなら、その存在の方が慰めになるだろう。 『人はむなしく、業績こそすべて』業績だけは彼女と同じく不滅のものだからね」と。
マリアと自分しか知らない筈の精霊石の一件をどうしてワトソンが知っているのか、ハタと気づくホームズ。 実はワトソンはマリアの記憶データを出力したものをこっそり読んでいたのだ。 「こんな記録は、こーだっ!!」窓から紙片を撒き散らしながら、汽車はロンドンへとひた走る。完。 --- 短編なのに長くなってごめんなさい。 美神でカオスがボケていたのはここで記憶を吸われていたからなんですね。
>>187 そんな裏設定が…
もったいねー。ヨーロッパの魔王の知識や記憶がパーか。
しかも確か未来で大富豪になった後は痴呆老人になっちゃってるはずだし。
血を吐きながらも、まだ歩けるジーンは壁をすり抜ける。 流水が見てみると、アンプルの中は空だった。スピーカーからジーンの声が聞こえる。 「アンプルの中身は海に捨てました。どうしても薬が欲しいのなら処方箋を探しなさい。 フロア6の屋内プールにケースに入れて置きました。起爆装置をセットしました。船は30分で沈みます」 流風はケースを手に入れ克之と共に緊急用のボートに乗る。流水はそれに飛び乗る。 背後で船が爆発する。感染者と、既に命を無くしたジーンは海へ沈んでいく。 赤く染まったあの日の雪原。白いカレリア。帰りたかったわけじゃない。 ただ、ルミ ルカ。あなたたちに見せたかっただけだ―――― ジーンを殺した事に罪悪感を感じつつ、流風と流水は空中でケースの取り合いをする。 争いでケースが開き、中から白い伝書鳩が飛び出した。ケースの中のテープが再生される。 「双子たちへ最後のメッセージです。5羽の鳩の足には1/5ずつ処方箋がつけられています。 5枚そろえば処方箋は完成します。…愛していましたよ二人とも」鳩は既に飛び去っていた。 鳩の行く先を知りに、流風達はジーンがプライベートで使っていたマンションへ行く。 そこには流水によって荒らされた跡がある。克之は部屋にあったワープロを調べる。 流水はワープロを使えないので探った後はない。中には鳩の行き先が書かれてある。 白い伝書鳩は7匹いる。ここから3時間ほど行った所にあるY高原のペンション「スミオ」へ向かう。 そこには鳩舎があり、中に白い伝書鳩が1匹いた。処方箋の入った通信筒は外されている。 ペンションにはオーナーとその妻、子供、客の大学生たちがいた。流風と克之はペンションに泊まる。 オーナーの娘の真琴は兎の人形にコットンテールと名づけ可愛がっていた。 「ペンションが始まる前まではね、パパはフィンランド行ってたの。ペンションの名前のスミオって、 フィンランドって意味なんだって」フィンランド…ジーンと何か関係が? 翌日二人は処方箋を探し中、何者かが床をすり抜けるのを目撃。 感染者?いや、感染者に物体をすり抜ける能力はない。地下には物置がある。 何かあるのかもしれない。地下室に入ると、コンクリートの天井に、 泊まっていた大学生の一人が埋め込まれていた。手足と顔だけがはみ出ている。 コンクリートは、最近塗ったばかりのものではないように見える。一体何故だ?
残った大学生は犯人探しに躍起になる。オーナーがその場にはいない。 もしかしてオーナーが殺した?次々と大学生たちは奇怪な死に方をする。 流風はオーナーが石に塗り込められるように死んでいるのを発見する。 着ている厚手のシャツがぐっしょり濡れている。昨日から放置されているようだ。 感染者はオーナーじゃない?犯人はオーナーじゃないと知らせようと ペンションに戻るが人がいない。外にいったのかと扉を開けると、 残りの大学生たちが木に塗りこめられたような姿で死んでいた。 木の陰からオーナーの妻が現れた。お前がやったのかと克之は叫ぶ。 「違う…わたしじゃない!恐ろしいわ…あの子…どうして…」 その場にいない者がもう一人いる。真琴だ。宙に浮きながら真琴が現われる。 「おねーちゃんたち、これが欲しくて来たんでしょ」コットンテールの中から処方箋を取り出して言う。 「面白かったよお。皆たすけてって泣くの。おかしいね、大人なのに。 逃げようとしたけど、ほら、マコの方が強かったの」真琴は処方箋をしまい、逃げていく。 怯えながら真琴の母は言う。半月ほど前に金髪の長い髪の客が来て、 その頃から真琴の様子が変わり始めたと。流風は真琴を追う。 何故人を殺したのかと訊く流風に言う。「だってつまんなかったんだもん。 ママはいそがしいって遊んでくれないし」幼いために人を殺す事への罪悪感がない。 「おねえちゃんきらい。パパみたいに怒ってばっか」真琴は岩に埋め込まれたような オーナーの死体を引っ張る。すると流風が引っ張った時は抜けなかったオーナーの死体が するりと抜ける。真琴はオーナーの死体を投げて、その隙に逃げていった。 夜、感染者に乗っ取られた町の様子を見ていた内海が流水に捕らえられ、 流風の居場所が流水にばれる。ジーンの研究室にあった情報を流水は言う。 ジーンは双子のウイルスを変化させた。ウイルスはちょっとした条件の違いで性質が変わる。 資料によると、ジーンは5種類のウイルスを作り出し5人に投与していた。 どんな能力かは書かれていなかった。処方箋を持つ5人は未知の能力を持っているのだ。
本質は子供である真琴は、お腹がすいたと泣きながら帰ってきた。 「近づかないで人殺し!」母は真琴を恐れて地下の物置へ逃げ鍵をかける。 真琴と双子も追う。「マコが嫌いなんだ…」真琴により母は壁に頭を塗りこめられ死んだ。 真琴は泣きながら逃げていく。追おうとする流風を流水は止める。 「あの子を追ってどうしようっての。欲しいと願った時、助けてくれる手があんたにはあったじゃない」 克之に拒絶された流水と、母親に拒絶された真琴を、流風は重ねて見る。 真琴を探して歩く中、流風は現れた真琴に殺されそうになる。 本気を出せば真琴を殺す事など簡単だ。しかし、一つ違えば自分は真琴と同じような 立場にあったのだ。殺せない。克之によって流風は救われた。 一方流水は、木に兎の人形が埋め込まれているのを見つける。何故こんな所に? 双子は一時的に協力して真琴を探す。処方箋は兎のバッグに入っている事も告げた。 流風は真琴の泣き声を追って、母の死体のある地下倉庫へ行く。 真琴は壁の向こうから手だけを伸ばし、流風の頭を壁に埋め込もうとする。 「処方箋なんか…もういい。ねえ、真琴ちゃん、お姉ちゃんね、 真琴ちゃんの事…本当に大好きだよ」息も絶え絶えに言う。 流した涙が真琴の手に零れる。真琴は壁の向こうから現れ、流風に抱きついて泣いた。 泣き終わると、処方箋をあげると言い、池の向こう側に連れて行く。 しかし、向こう側にある事は覚えている物の、どこかを忘れてしまっている。 真琴のお腹が鳴る。流風は真琴にオムライスを作ってあげ、その間に死体を埋めようと、 克之は真琴に木から大学生を取り出してくれと言った。流水は流風に近づき、 流風の気を失わせ成り代わる。死体を取り出し、戻ってもいいと言われ真琴は オムライスを食べにくる。「お姉ちゃん処方箋の入ったぬいぐるみ見つけたの」 真琴は一口だけ食べたオムライスを残し、流風のふりをした流水に連れて行かれる。
流水は処方箋を手に入れると、真琴を池に押し込め殺した。 内海は真琴の亡骸を見つけ運んでくる。流風は泣きながら流水を責める。 「あの子が何人殺したのかわかってんの?自分の両親を合わせて9人もよ? 子供はいつまでも子供じゃない。いつか自分のした事の意味がわかる。 自分の母親に疎まれ嫌われ殺した。そんな事理解する前に殺したのは あたしの温情だと思わない?」流水はナイフで流風を人質にとり、 次の処方箋の持ち主を訊く。「あたしは本気よ。あのチビとは違う。 自分のやってる事はちゃんとわかってる。誰を殺したって傷ついたりしない」 玄関にペンションの取引先の者が来る。連絡を取れないので不審がったのだろう。 真琴の死体を残し、流風達はその場を去る。 流風は真琴が生きていた証として、コットンテールを持っていった。 次の処方箋の持ち主は、東京都南区に住む水凪薫だ。 住所と名前しか書かれておらず、歳も性別もわからない。 *まとめとかキャラ紹介とか。 真琴(まこと) 能力者が物体を通り抜ける事が出来るのとは反対に、 能力を持たない他人を物体に埋め込む事が出来る。 埋め込まれた物を引き出す事が出来るのは真琴のみ。 能力を面白がり、両親、大学生五人、流水の部下の感染者二人、 計九人を殺害。流水によって溺死させられる。 ・ジーンはウイルスを変化させ、未知の能力を持つウイルスをつくった。 ・ウイルスの種類は五つあり、五人に感染させた。 ・処方箋の持ち主の五人=五人の能力者。
続く
おまけの小林クン マリオネットジェネレーション お願いします
どうせ殺すならオムライス最後まで食べさせてあげればよかったのに
海闇凄いオモロイ。職人さん乙。 しかしジーン、「過程こそ報酬」みたいな男だな。 双子の明暗を出来るだけ偶然や本人達の運に委ねたかったんだろうけど、ケースの中に五羽ものハトを詰めこんだり、せっせとテープに声を吹き込んだりした努力を思うと…。 手段が目的になってる気がする。
嵐を避けるため、右手の力を使ってお手伝いとしてある屋敷に入り込んだおろち。 屋敷の美人姉妹は、なぜか暗い影が漂う。 心の扉が硬く閉ざされていておろちの読心術も通用しなかった。 姉のエミは17歳、妹ルミは16歳。姉妹はなぜか18歳を異常なほど恐れていた。 ある日おろちは姉妹の会話を聞いてしまった。 龍神家の女は18歳になると醜くなるという……。 あと一ヶ月で18歳になるというエミは恋人の弘だけが支えだったが、 この血筋の秘密を打ち明けることができずに自ら別れを申し出る。 屋敷に隠れ住んでいた姉妹の母が、発作を起こし死んでいった。 いまわの際にルミに重大な秘密を明かして。 おろちにはその遺言は聞き取れなかったが、ルミは激しくショックを受けたようだ。 倒れた母の人とは思えぬ姿を見ておろちは息を飲んだ。 あの美人姉妹がこんな姿になってしまうのか……。 ルミは姉のエミを優しく慰めるが、誕生日が近付くにつれて不安は増すばかり。 そんな中、弘がエミに会いに訪れた。エミは「会いたくない!」と怯えている。 納得のできない弘にルミは龍神家の呪われた血筋について説明する。 18歳になると額や手にホクロのような物ができて広がり、醜くなるのだと。 「君はなぜそんなにお姉さんに優しいのだ」 「それは……。私は龍神家の娘ではないのです!私は養女だったのです!」 だから私は18歳になっても醜くはならないのだ、 同じ姉妹として育ったのに姉だけが醜くなるなんて可哀想でならない、 だから私はどんなことがあっても姉に優しくすると決心した、と…。 ガシャン。ティーカップの割れる音……エミが立ち聞きしていたのだ。 激興したエミはルミにつかみかかった!自分だけが醜くなるなんて許せない、と。
その日以来、エミはルミに辛く当たるようになった。 誕生日が近付くにつれ理性を失ってゆくエミの暴力を甘んじて受けるルミ。 おろちが姉から逃げることを勧めても姉から離れないと健気に言う……。 誕生日の前夜、醜くなる兆候を見たくないと、エミは自ら焼けた鉄の棒を額と両手に当てた! そして誕生日、心配になってやってきた弘は額に醜い火傷を負ったエミに驚き戸惑う。 「どんなに醜くなっても私を愛すなんて嘘だったのね!」 ルミを人質に取り、おろちと弘をボウガンで撃ち、出て行けと叫ぶ。 おろちはその力で自分と弘に当たった矢の急所は外しておき、 去り際にどこにいても姉妹の様子が見えるようにしておいた――。 「もうすぐお前の18歳の誕生日だというのに、お前だけ美しいままだなんて!」 ルミに殴る蹴るの暴行を加えるエミ。 やがてルミの18歳の誕生日、嘆き悲しむエミの前に笑いながらやって来るルミ。 「お母さんの遺言は……龍神家の娘ではないのは私ではなく、お姉さまあなただったの!」 血を受け継いでるのは私の方だと、額と指先のホクロを見せてくる……。 「それでは私は………私のこの顔をどうすればいいの!?」 「お姉さま、あなたは私が美しいままでいるということに憎み嫉妬したわね…。 それと同じショックを私は受けたのよ!あなたと同じように憎み嫉妬したのよ! だから私は嘘をついた!あなただけが1人美しいままでいることは許せなかった! そうしてあなたは自分で醜くなったのよ、自分で! 私はこのことを告白できる日までどんなことがあってもあなたのそばにいることにしたのよ 屈辱を噛み締めながら!!」 ある日傷の癒えた弘が屋敷に行くと、そこには狂い死にした姉と、得体の知れない醜い女が1人いた…。 「姉妹」終
コエーな
「おろち」乙です。 以前文庫版「おろち」処分してしまったんで、 久々にあらすじを読んで面白かったです。 まとめかたも簡潔で分かりやすいです。門前家(だったかな?)の話が今から楽しみ。
流風達が水凪家へ行くと、そこに家は無く、酷く焼け焦げたような跡があった。 近所の人によれば、水凪薫は大学生の男で、1ヶ月ほど前に両親、祖母、 妹、婚約者を火事で亡くし、一人だけ生き残りどこかに移り住んだという。 夜。ホテルに泊まり流風が克之と眠っていると、コットンテールが流風の口に覆い被さった。 そして、流風の体が宙に浮いた。今は新月期。宙に浮かぶ力は無いのに。 何かに引っ張られるように流風の体が飛行する。壁に叩きつけられそうに なった所で克之が目覚めて止めた。ドアをすり抜け、片耳にピアスをした男が入ってきた。 「驚きなさんな。ただの挨拶代わりさ」水凪薫だ。薫は双子の片割れを出せと言う。 流水の居場所は自分も知らないと答えると、薫は部屋中を得体の知れない 力で荒らした後、そのうちメッセージを送ると言い残し去って行った。 薫には自分以外の物も宙に浮かせたり、自在に動かす力があるようだ。 数日経ち、満月が近くなり双子の力が戻る頃になっても薫は何も仕掛けてこない。 内海は薫を探しに、薫のよく行ってるという店を幾つか渡り歩く。 収穫は無く帰ろうとした時、虫のような物が内海にまとわりついてきた。 それはよく見るとルビーのピアスだった。薫のつけているものだ。 ルビーは内海の額に張り付き、食い込み、内海の脳を貫通した。 物陰に隠れルビーを操っていた薫は、命を失った内海の服を引き裂き、 背中にナイフを突き刺した。「あとひとり…当麻克之だったかな」薫は笑う。 流風はニュースで内海が殺された事を知る。内海の死体には 『双子へ。麻布ツインビルで待つ』と刃物で刻まれていたという。 出入口は警官に囲まれている。流風は宙に浮き、屋上へ直接行く。 そこにはニュースを見た流水も居た。隣のビルに薫の姿が。 「これを見てもらおう」薫は傷だらけの姿で意識を失った克之を見せる。 「こいつはまだ生きている。だが俺が力を抜けば50階下の地べたに叩き落される。 どうしようと俺の気分次第だ。こいつが大事ならどんな風に嬲り殺されようと 俺の機嫌を損ねない事だな」笑いながら薫は言った。
六本木の『ZZIY』という店で待つと言い薫は去る。双子が着くと、 中は真っ暗で、明かりのある一室に克之が吊るされているのを見つける。 双子が中に入ると薫が現れ、部屋の鍵を閉めた。ここは冷凍庫で、 内側からも外側からも鍵が無くては開かないと薫は笑いながら言う。 双子や薫は容易に抜け出せる。しかし、克之にはそんな力など無い。 鍵を取らねばと、克之を下ろし、流水にまかせて流風は外へ出る。 「あたしと克之さんを二人きりにしていいの?」「あたしを殺せても克之は殺せないでしょう」 流風が出て行った後の部屋で、流水は克之を抱きしめた。 屋上に薫はいた。流風はばれないように薫が脱ぎ捨てた上着を探る。 中には女性の写真が入っていた。薫は気付くと写真を返せと迫る。 何故こんな事をすると泣く流風に薫は、双子を狙う理由を話す。 写真の女の名は笑子。薫の婚約者だった。薫は数ヶ月前事故で 病院へ運ばれ手術を受けた。そこにはジーンがいた。 ジーンは薫の体をウイルスの実験台に使い、薫はその力の存在を知らないまま退院し、 笑子が泊まったある晩に力を目覚めさせた。物が宙を飛び、 キッチンから火が噴き、眠っていた家族の体はシーツに包まれ拘束された。 火事の中家族と笑子はは逃げる事さえ出来ず、火に包まれた。 薫ははじめての力に驚くだけでコントロールが出来なかった。 実験に気付いた時には既にジーンは死んでいて、ウイルスの母体である双子を憎むしかなかった。 「お前達さえいなければ、俺は家族を笑子を殺さずに済んだ!」 薫は復讐のためだけに流風を押し倒し強姦しようとする。 克之が目覚め、冷凍庫内のある壁だけが叩いた時の音が違うと言った。 向こう側は駐車場となっており、流水は運転手を感染させ車で壁を突き破らせた。 克之は流風を襲う薫を殴る。騒ぎを聞きつけ警官がやって来、4人は逃げる。 流風から薫が双子を恨む理由を聞いた流水は、薫の後を追い、 あんたのやってる事は八つ当たり、逆恨み、妬み嫉みだ、 そんな事はどうでもいいから処方箋を出せと言う。 三人の争いを知っている薫は、妬み嫉みはそちらだろうと言い返す。
「妬み、嫉み、そんなものが力になるなら あたしに勝てる奴なんていやしないわ!!」 そう言う流水を、薫は可愛い女だと言う。馬鹿にするなと流水は攻撃するが、 薫に腕を掴み避け、その場を去った。 内海は爆発した時に死んだ事にされているので死体の引き取り手が居ない。 その事を思い悲しんでいる流風達は、陸上部を通して知り合った牧瀬に会う。 牧瀬は克之と1,2位を争っていたスヒプリンターだ。ボロボロの服の克之に 服をやると牧瀬は家へ誘う。牧瀬家では牧瀬の所属する高校の 陸上部員達が酒盛り中だった。一時の平和な雑談を過ごす中、 薫が現れ牧瀬以外の部員を全員ピアスで殺した。 薫は、まだ家にいる流水に、流風の知り合いを殺した、楽しかったと言う。 「本気で楽しんでるならあんたおかしいわよ。本当はやった分だけ自分が傷ついてるんだ」 流水は自分が克之の家族を殺した事を思い出す。薫は突然流水にキスをする。 流水は去って行く。影で見ていた流風は、後を追う。苛立っている流水は 流風を噴水に押し込める。心の奥深くで流風を愛していた頃の気持ちがある。 しかし、それよりも何よりも、克之を愛するという気持ちが強い。理性さえ無くすほど。 何をしても、他のものを手に入れても気分が晴れない。この思いを誰かが 受け止めてくれないだろうか…。一瞬薫の顔が浮かんだ。 流水は手を止め、噴水で濡れた服を替えるためコインロッカーを開く。中からビンが零れ落ちる。 睡眠薬というラベルが張られている。そんな物を飲まなければ眠れないのか? 流風は訊き、流水は逃げる。流風が追おうとした所で薫がやって来る。 「流水、しばらく俺と暮らしてみないか。口説くつもりは無いが、あんたとなら 結構面白く暮らせそうな気がしてね」流風を流水と間違えているようだ。 流水がその場に現れるが、薫には区別がつかない。流水は流風の気を失わせる。 「克之さんはあたしと流風を間違えたりしないわ!あの人は正気でいる限り間違えやしない! まず流風を見分ける。そして残ったほうがあたし!それでもあの人は間違えたりしない…」 流水は薫から克之の居場所を聞き出す。会っても、流風と間違えて 抱きしめられる事さえ望めないのに。――正気じゃなかったら? 流水はポケットから睡眠薬を取り出し、笑んだ。 続く
>>203 上から三行目、
薫は流水の腕を掴み、避け、その場を去った。
に訂正お願いします。
テレビが大好きな3歳の男の子佑一は、信号無視の車にはねられそうになった。 佑一をかばいはねられる父。車は一瞬だけ停車したが、見捨てて走り去ってしまった。 偶然居合わせたおろちが父を助け起こすが、その夜父は死んでしまった。 尋ねてきた警察に「犯人を見た」と言う佑一。「おはようのおにいたんだよ」 朝の幼児番組に出てくるいわゆる「おにいさん」、田辺新吾。 彼のアリバイはなく、裁判での証言もしどろもどろ。 傍聴人として出席していたおろちの目にも彼が黒なのはあきらかだった。 だが、証言能力がないということから、田辺は無罪となってしまう…。 男手をなくした佑一の母は働かねばならなくなり、佑一は不満げだった。 ことあるごとに「おはようのおにいたんがひいた」と言い続ける佑一。 事件後、子ども番組から田辺は姿を消した。佑一は必死におにいたんの姿を探す。 偶然まわしたチャンネルのトーク番組に田辺が出ていた。 「私の普段の生活がもっとしっかりしていれば疑われずにすんだのです」 芸能生活に別れを告げ、田舎に帰ると語っていた。 テレビにアイロンをぶつけて画面を割る佑一。 それ以来、佑一はおにいたんのことを言わなくなり、すっかりテレビ嫌いになってしまう。 勉強もできず絵も音楽も興味なしでテレビの話もしない佑一には友達もできない。 家に帰ると母からお金をせびってラジオやレコードを買い、暇があると聞いていた。 不審に思う母親に「歌手になるんだ」と言う佑一。花田秀次と言う演歌歌手のファンらしい。 ある日、佑一はサイン会で花田の姿を見て、ますます歌手になる決意を固める。 おろちは、佑一がレコードに合わせて生き生きと歌う姿を目撃し、驚きを隠せなかった。 花田は生活態度もよく芸熱心で真面目で親切。人気はますます高まるばかりだった。 佑一は中学を卒業と同時に、書置きを残して家を出て行ってしまう――。
東京に出て花田が出演するというクラブに名前と年齢を偽って入店。 初めての給料でバンドマンたちに奢り、上手くおだてて「伴奏をつけて欲しい」と頼み、 閉店後にステージで歌の稽古をさせてもらうことに成功した。 花田が審査員を務める「あなたもスターになれる!!」という番組に出場する佑一。 最初から1位は決まっていると言うスタッフの言葉に動揺するが、 佑一は女性のブラウスの背中をカッターで切り裂いたり、 マイクにコショウをふったりと汚い手段で勝ち進み、予定外の1位となった。 劇団への斡旋を断り花田の弟子として勉強を始める佑一は、一生懸命兄弟子にも仕えた。 花田は佑一を信用し、車の運転も任せるようになっていった。 花田とともに歌や演技の指導を受けられるようになり、花田の特徴をつかんでいく。 「佑一からは過去の出来事は消されてしまったのだろうか? いや、過去の事が忘れられないからこそこの世界に飛び込んだのだ……」 佑一の策略で兄弟子の仕業に見せかけて花田に水銀を飲ませてしまう。 喉が潰れ、声が出せない花田の代わりに佑一が歌うことになった。 レコードは吹き込みだし、テレビでは袖で佑一が歌うことでなんとかなった。 花田の特徴をとらえ、さらに新鮮な魅力を持った佑一の歌は好評だ。 「花田の気持ちは複雑に違いない………」 佑一が代わりに歌っていることを知るおろちは、佑一の今後を思う。 花田のマネージャーが佑一に独立を勧めるが、佑一は「先生の力になりたいから」と断る。 佑一は花田に自分のお金で車を買い、自分が運転手になると言う。 「先生のイメージに合うスポーツカーです」車を見て花田はとても驚いているようだった。
佑一は日ごとに生き生きしているのに対し、花田は生気がなくなってゆくようだ。 酒を飲み、佑一の車で送られる花田。スピードの出しすぎが気になるようだ。 花田はいきなり佑一に代わってハンドルを握りだした! 後部座席に座り直した佑一は、花田に向かって宣言した――。 「僕の本当の名は目黒佑一!そして僕が3歳の時父はひき逃げされ死んだ…。 僕は犯人の顔をはっきり見たのです!おはようのおにいさん田辺新吾!つまりあなたです!!」 ハンドルを握ったまま、固まる花田に追い討ちをかけてゆく。 「顔を整形したことも昔の写真もみんな……みんな調べたのですよ!!」 動揺し運転を誤る花田。おろちの力で若干弱まったものの、車は塀にぶつかってしまう。 血を流しながら電話ボックスへと這いずる花田。しかし受話器をとっても声が出ない。 「計算通りハンドルを握る手元が狂った…それが犯人だという何よりの証拠だ。 俺は前もって覚悟していたから何ともない…このまま気を失ったふりをしているのだ」 通りすがりの車に助けられた2人。 「まもなく報道関係の人たちがやってきて、事故の原因を聞かれるでしょう。 でも先生には本当のことが言えないのです!もうこれでお会いすることもないでしょう」 病院のベッドの上の花田が、佑一に手紙を渡す。それを受け取り、去って行く佑一。 東京を後にする佑一をおろちも追いかけた。 電車の中で手紙を開く。「私が顔を変えたのはあの時の出来事を忘れたかったからです。 でも無罪となっても心の底から忘れることができなかった。 だからせめてよい人間として生きようと努力したのです」破れた手紙が窓から散った――。 その日の夕方、佑一は母の元に帰ってきた。 母と2人の生活を再開し、ラーメン屋で働く佑一。 ふるさとのテレビにも花田の姿は二度と映らなかった。 佑一は東京にいた時のことは語らず、歌やテレビの好きでない佑一に戻った。 だがその表情はつきものがおちたように晴れ晴れとしていた――。 「ステージ」終
>74から続き ●創世神話 はるか昔、この世は九つの星々によって創造された。 その力強い創世の光の中で、天や地や、様々な生き物が生み出されていった。 しかしある時、闇を司る創造星の一つが天空から地の底深くに堕ちてしまい 創造の力の調和が崩れてしまう。 地に堕ちた闇の星は、闇の王「冥王」を生み出す。 ●冥王 不死身の悪霊。目に多くの手が生えた姿で表わされる。 一千年前、東の岩砂漠の国・イドラグールに玉座を構え、世界を闇に飲み込もうとした。 「大暗黒」と呼ばれる時代である。獣虫と呼ばれる神聖獣を悪に染め人々を襲わせ、 地上に多くの災禍をもたらしたが、二人の英雄によって滅ぼされた。 ●獣虫 元は神聖獣の一種で、森林に生息していた。 脚などが昆虫に似ていたり、虫のような羽を持っている。 禍々しい姿をしているが、その鳴き声はえもいわれぬ美しさである。 蜘蛛型、蜻蛉型、地蝗型など色んな種類がいる。 大暗黒時代にその多くが冥王に操られ、利用されたが 冥王とともに一千年前に滅んだ。 ●神殿について 神殿はいくつかの種類に別れており、天文学や数学を専門的に学ぶ「星径神殿」 太古の獣や精霊について学ぶ「神聖獣神殿」などがある。 神官さんは星径神殿の正神官。
ルウム復活歴九九七年初秋──。 神学生エリアンの誘いで、ベルソル山の神聖獣神殿を訪れた神官さんと隊長さん。 しかし、何か不吉なことが起きたらしく、人々はよそよそしい。 神官長から、神罰を受けた不心得者が出たと説明されるが、この現代に神罰なんて…?と 疑問に思うも、話は一方的に打ち切られ、その上エリアンとの面会も許されず 明朝に引き取るように言い渡されてしまう。 泊まり部屋に通された二人は、湯殿へ向う。 その途中、創世神話が描かれた壁画や神聖獣、獣虫の彫像を見学する。 湯殿で神殿内の像を彫っているという老人から、神罰を受けたのがエリアンだと知らされる。 「かわいそうに…ありゃぁもうだめじゃ。もう二十年もこんなことはなかったのに…!」 そう言って、老人は走り去っていった。 胸騒ぎを覚えた神官さんは、隊長さんと共にエリアンを探し歩いていたら ある部屋からひどく衰弱した老人が、神官さんにすがりついてきた。 病気なのか、焙られたように縮んだ皮膚。その左手には見覚えのあるお守りが。 彼の身を案じた、彼の妹が自身の髪を編んで作ったお守りの腕輪──。 「エリア…ン…?」 あまりにも変わり果てたエリアンの姿に、神官さんは涙を流す。 そこへ神官長たちに見つかり、二人は捕らえられる。
エリアンの事を問いただすと、あれこそが神罰だと神官長は告げる。 神殿になじめず、修養を怠ったため神の怒りに触れたと。 一晩で急速に身体が老い衰え、今日で十日目だという。 逆に神官さんたちは、神罰のことを嗅ぎ付けて調べに来た間者ではないのかと疑われ 拷問にかけられそうになるが、隊長さんの機転でなんとか場をしのぐ。 エリアンを助けるべく、隊長さんのぁゃιぃ計略で脱出するが、エリアンはすでに どこかへ移されていた。湯殿で会った彫り師の老人に エリアンは地下の大聖堂にいる、つれだしてほしいと頼まれる。 一緒に出よう、という神官さんに、老人は神罰がこわいと首を振る。 二十年前に神罰を受けたのは、この老人だったのだ。 「わしはこれでも35じゃよ…」 そうしてるうちに間近にまで追っ手が迫り、慌てて逃げようとするが 隊長さんは建物の外に落下、神官さんは再び捕まってしまう。 エリアンのいる地下洞へ連れてこられ、神罰が人為的なものだったと 確信する神官さんに、その目で確かめるがよかろう、と神官長は神官さんを閉じ込める。 その中でエリアンを見つけるが、すでに息絶えていた。 その時、奥からなにか大きなものが動く音がした。 岩影から姿を表わしたのは、巨大な獣──一千年前に滅んだはずの獣虫だった。 エリアンもこの獣に襲われたのか…?肩口を噛みつかれ、神官さんは意識を失った──。
すいません、(続く)っていれ忘れました。
その朝、中学生の碇シンジは光の巨人を見上げる奇妙な夢を見た。 いつも通り、幼なじみのアスカに叩き起こされ、遅刻寸前で猛ダッシュしていると、飛び出してきた女の子に衝突する。 何とか始業前に教室に着いたところ、彼らのクラスには転校生が。 綾波レイと名乗るその少女こそ、シンジが激突したあの女の子だった。 「転んだときに私のパンツを見たチカン」とシンジを見るなり糾弾するレイだが、衝突の際に彼が怪我をしていた事を知ってしおらしくなる。 担任のミサトの指示でシンジは一応保健室へ。養護教諭のリツコは最初からシンジに用があったと言い、NERVからの要請だと言って彼の身体検査をする。 NERVはシンジ達の住む研究都市の中でも、最大の研究所。アスカの両親やシンジの両親もそこで働いているが、何をしているのか詳しくは知らない。 リツコはシンジに「あなたのお父さんが好きなのよ」と打ち明ける。動揺するシンジ。 放課後、シンジとアスカ、それにクラスメートのカヲル、トウジ、ケンスケはNERVの研究所に呼ばれる。 レイにも招集がかかったのだが、土地に不慣れで場所がわからない。アスカに同行を断られたレイは、シンジの手を引いて走り出す。 大胆な行動に出ながらも、他人と手をつないだ事に気づいて赤面するレイ。意外な一面に、シンジは「急ごうか」と自分から手をさしのべる。「うん」 一方、アスカは激怒しながらケンスケとともにNERVへ。ふと溜息をついたアスカの表情に見惚れるケンスケ。 トウジがクラス委員長のヒカリの仕事を手伝って遅れる事になったので、一人で研究所に向かうカヲル。 先刻、教室でシンジが話していた「光の巨人の夢」を思い出しながら彼は「来たんだ、とうとう」「アダム」と謎の言葉を呟く。 (つづく)
集められた六人はバイオパターンデータを取る実験に参加する事に。計測室のミサトとリツコ。 「適格者がみんな私のクラスからなんて」と複雑な表情のミサトに「第壱中学のAクラスは、AランクのAなんだし」と、こともなげなリツコ。 カヲルが異常に高いシンクロ率を記録し、二人は彼を不審に思う。 「この為に来た」レイなら騒ぐほどじゃないけど、なぜ今までノーマークだったカヲルが…? 「人間を乗せて移動するシステムの人体への影響を調べる為」として、今後ともNERVに集められることになった六人。 帰り道でアスカは怒りを爆発させ、笑顔でレイに手を振るシンジに平手打ちを喰らわせる。 翌日の授業は調理実習。相変わらずふて腐れているアスカは、同じ班のレイとシンジに協力したくなくてボイコット。 しかし、常識はずれなまでに料理を知らないレイに、シンジが甲斐甲斐しく世話を焼くのを見て爆発。 暴れた際に吹っ飛んだ鍋がシンジを直撃してしまう。 火傷を負ったシンジだが、アスカを責めることなく「自分は男だからいいけど、女の子に痕が残ったら大変」と逆にアスカの心配をする。 意地を張り続けてきたアスカは涙をこぼし、シンジに謝るのだった。 ある日の昼ご飯。一緒に食事しようとすると、トウジはそそくさとどこかへ行ってしまう。 実はここのところ、ヒカルの手製弁当を二人で食べていたのだ。知らなかったのはシンジだけ。 「羨ましいのかい」とカヲルにからかわれたケンスケはふと、アスカの笑顔を思い出して飛び出していく。 「みんな誰かを好きになって、こうしてバラバラに離れていく」とカヲルは微笑む。「シンジくんはどうかな?」 その頃アスカは、クラスメートにシンジとの仲をからかわれ、焦って否定する。 「自分のタイプはもっと大人な人」そこへ、遅刻したレイを伴って加持がやって来る。 加持はNERVの職員で、シンジやアスカには小さい頃よく遊んで貰ったお兄さん的存在。 彼はリツコとミサトに渚カヲルの調査結果を報告する為に来たのだ。 カヲルの履歴はデータ上、何の問題点もないのだが、不思議な事に在籍していた筈の小学校では誰も彼の事を覚えていない。 「そんな子がどうして『適格者』にリストアップされたの、どうやって紛れ込んだのかしら…」
教室にレイがやって来ると、クラスの女子は明らかに不愉快そう。レイは嫌われているらしい。 アスカは加持が来ていると知って、窓から身を乗り出し熱烈にラブコールを送るが、シンジがレイに加持との関係を説明していると二人の仲をやっかんでまたむくれるのだった。 放課後、ヒカリにつきあって学校に残っていたアスカは、カバンがなくなって探しているレイと出会う。 レイのカバンは彼女を嫌いなクラスの女の子達が、焼却炉で燃やそうとしているところだった。 アスカは単身乗り込んでいって彼女のカバンを取り返す。 シンジに色目を使うレイをこらしめてあげたのに、という彼女らをアスカは「私はこんな汚いことやらない!」と一喝する。 焼却炉の中にもぐりこむ様にしてカバンと中身を取り返した為、煤だらけのアスカにレイは感謝する。 「ただでさえ一人だけ制服違ってクラスで浮いてるんだから」と何かにつけ調子はずれなレイに忠告するアスカ。 レイは「実はここの制服は作っていない」「たぶんそんなに長くいる時間はないから」と打ち明ける。 帰り道、レイはアスカに、シンジの事が「好き…なんだと思う」と打ち明ける。「アスカは?」 答える事が出来ず、走り去ってしまうアスカ。 屋上からそれを見ていたカヲル。「また一人になった」「変わらなければいいのに」 「変わらなければ独りにならないのがどうしてわからないんだろう」 第一巻・おわり。
舞台は中世ヨーロッパ風の世界観。 黒い鎧に身を包み、右目と左腕はなく、その左腕には鋼鉄の義手をつけ、 そして身の丈ほどもある巨大な剣を背負った「黒い剣士」 ガッツが異形のモノと戦いながら旅をしているところから始まる。 (「それは剣と言うにはあまりにも大きすぎた。大きく ぶ厚く 重く そして大雑把すぎた。それは正に鉄塊だった」というフレーズは有名) 異形のモノ達は普段は一応人の姿をしているが人を食ったりし、 いざとなれば怪物の姿に変身する。(見た人が「こんな怪物が実在するとは」 と驚くところからして、通常人前で変身する奴はいないようで。 とにかく、表向きは現実的な世界観) ガッツはそいつらを倒すべく自ら近付き、誘い、戦う。 人外の上にいる存在「5人のゴッド・ハンド」を探しているようだが、 それの居場所は人外達といえど知らない様子。 ガッツの武器は大剣をはじめとしナイフ、小型ボウガンなどの大量の武器、 それに鍛えられた肉体と剣の技。更に義手には大砲が仕込んであって、 これはよく切り札となる。 また、ガッツの首には紋章のような「烙印」が刻まれていて、 魔性に反応して痛み、血を流し、悪霊などを引き寄せる。 冒頭でガッツに助けられた妖精(小さい人型で、羽根のあるやつ)の パックは恩を返すため(プラス興味本位で)ウザがられてもガッツについて回る。 彼には傷を治す力などがあり、結構役に立つことも。 それと、至るところでガッツの目の前に現れる、出来損ないの胎児のような 魔物がいて、その姿にガッツは苦しめられている様子。
ガッツ(+パック)が今度着いた街では、支配者の伯爵が 邪教徒狩りと称して次々と人を殺し、領民を震えあがらせていた。 「烙印」でその伯爵に「魔」を感じ取ったガッツは、 処刑された人の首を伯爵に投げつけ、宣戦布告する。 処刑の行われた広場を離れて路地を歩いていたガッツは、兵士達に包囲される。 大剣で次々と兵を斬り捨てるガッツ。巨漢の隊長ゾンダークを 手痛い目に遭わせたところで、煙玉を投げガッツが逃げる手引きをする者があった。 彼はバルガス。地下に動物や人間の標本の並ぶ研究室を構えた医者崩れだった。 彼の両足は義足で、顔も半分以上そがれ、皮を剥がれていた。 これは伯爵にやられたと言い、伯爵を殺してくれとガッツに言うバルガス。 伯爵が魔物であるということを「知っている」というガッツにもう1つ バルガスが見せたいと言ったもの、それは卵型で、目・鼻・口が人揃い、 バラバラについている奇妙な石であった。 それを見たガッツは言う。「・・・ベヘリット・・・」と。 バルガス曰く、7年前、城に立ち寄った隊商からこれを買って手に入れて、 伯爵は人ではなくなったと言う。人を生きたまま切り裂き、犯し、 喰らったのだ。彼はそれに堪えられず逃げ出そうとしたが捕まり、 身体を切り刻まれ、目の前で妻と子も食われたという。 バルガス自身は薬で死を装い、ベヘリットを盗んで逃げることができた。 それから研究を続けてきたが、これのことは分からなかったというバルガスに、 ガッツは「もう1つの世界との扉を開き、5人のゴッド・ハンドを呼び出す鍵だ」 と答える。 なお、石のようなベヘリットだが、時々目を開けるなど、確かに生きている。
アニメとの相違点 ・シンジとアスカは10年前から第三新東京都市で育った幼なじみ。 ・碇ユイは生きている。 ・レイは裏表なくニコニコ笑顔の天然キャラ。むしろ全く負の部分を持たないところが不自然。 ・カヲルは最初からクラスメートとして登場。アスカには「シンジに変なのが伝染る」と気持ち悪がられている。 ・ミサトのクロスがない。
ガッツに痛い目に遭わされたゾンダークは荒れていた。 そこに伯爵自らが現れると、「(ガッツに復讐したいという)望みを叶えてやろう」 と言い、自分と同じ顔をした芋虫のようなものを口から吐き出す。 「受け入れるがいい 我が分身」 伯爵を殺してくれと頼むバルガスを荒っぽくはねのけるガッツ。 とは言え、伯爵を殺そうということに変わりはない・・・そんなことを 言っているところへ、ゾンダークが乗り込んでくる。 歯が鋭く尖り、既に人間の様子ではなくなっている。 ガッツに右腕を斬り落とされるが、そこから触手のようなものが生え、 戦斧を持って鞭のように振り回す、そんな怪物になっていた。 しかし、ガッツもケタ違いに強い。目にも止まらぬ速さで振り回される触手の 攻撃を全て捌き、左腕も落とすと、頭の半分を斬り飛ばす。 だがゾンダークは倒れず、頭の切り口から伯爵の顔の芋虫が生えてきて、 バルガスの姿を確認するのだった。 戦っている内に建物が崩れ、火がつき、ゾンダークはその下敷きになったようだが、 ガッツ達は下水道を通って脱出する。逃げ延びると、ガッツがバルガスから 強引にベヘリットを貰いうけ、立ち去ってしまう。だがその後、 後ろの下水道から触手が追ってきて、バルガスは捕まってしまうのだった。 「処刑場で騒ぎを起こした男の仲間が捕まって、処刑される」という話は ガッツ達の耳にも飛び込むが、ガッツの反応は冷たい。 パックは喧嘩した挙げ句、1人刑場へ向かうのだった。 「また合ったなバルガス。いや・・・・・・七年ぶりと言うべきかな?」 バルガスはいきなり首を刎ねられようとしていた。とりあえず来たものの、 パックはどうすることもできない。そこで、やはりやって来ていたガッツの 姿を確認するパック。だがガッツは「出て行けば何百人もの兵隊に襲われる。 ヤツの最期を身に来ただけだ」と言い放つのだった。 突貫したパックはなす術もなく捕らえられ、バルガスは伯爵への 呪いの言葉を吐きながら首を刎ねられる。 その首を看取ると、ガッツは伯爵の城へ向かうのだった。
パックは伯爵によって鳥カゴに入れられていた。 そして持っていかれた先の部屋にいたのは、伯爵の娘の少女、テレジア。 「面白いものが手に入った」と言い、パックをテレジアに渡す伯爵。 だが一方で、伯爵は「邪教徒から守るため」と言い、娘を軟禁状態にしている 様子でもあった。娘も魔性の父を恐れ、触らせようともしない。 伯爵はそれでひどく苦悩している様子であった。 一方、城に乗り込んだガッツを、伯爵の分身と融合し、更なる異形に変身した ゾンダークが迎え撃つ。切っても再生し、ますます異形になり続ける ゾンダークに苦戦、痛めつけられるガッツだが、伯爵の分身の 「私の頭を砕かぬ限り何度でも蘇る」という言葉に、伯爵の顔をした頭部を 切断、潰して勝利する。 テレジアはパックに語っていた。立派な領主であり父だった伯爵が、 変わってしまった時のことを。7年前、邪教徒は伯爵の妻、つまりテレジアの 母を誘拐し、邪教の信仰を認めるよう迫ったのだという。 もちろんそんなことが認められるわけもなく、妻は邪神への生贄となった。 それ以来伯爵は、人を殺すことを楽しんでいるような、 人間ではないかのように感じられるものになってしまったのだと言う。 娘を軟禁しているのも、まだ街に邪教徒が潜んでいると考えているためのようだが・・・ テレジアにカゴから出してもらったパックは、ガッツを心配し飛んでいく。 パックと話して勇気づけられたテレジアは、ふと外へ出ることを考えるのだった。 伯爵の間の前で、伯爵の側近ダールの指揮する50人の兵がガッツを迎え撃つが、 ガッツはそれを次々と斬り捨て、突破し、伯爵のところへ乗り込む。 巨大なナメクジのような姿に変身し、襲い来る伯爵。それはやはり分身を 同じく、いくら手足を斬っても再生するものだった。 巨大な怪物が暴れたため、建物の一部が崩れる。それを聞いて駆けつけるパック。 テレジアの部屋も半壊する。扉が壊れたのを見ると、テレジアは勇気を 奮い起こして部屋を飛び出すのだった。
ガッツは側近ダールを身代わりにし、伯爵の頭部に一太刀を入れる。 しかし、片目を潰すところまではいったが浅い。逆に手の一振りで 吹っ飛ばされ、倒れる。カバンからベヘリットがこぼれ落ちる。 駆けつけたパックはそれを取り戻そうと伯爵に渡すまいと、抱えて飛ぶが やはり捕まりかける。だがそこへ、テレジアが駆け込んできた。 父の顔の異形におびえ、悲鳴をあげるテレジア。悲しみ、怒る伯爵。 それに対し、傷ついたガッツがなおも立ち上がり挑むが、叩きのめされるばかり。 だがガッツを完全に叩き潰そうとした時、伯爵の手が止まった。 ガッツはテレジアを抱え、人質にしていたのだった。 すかさずガッツの義手の大砲が放たれ、伯爵の頭を削る。 更に、手も満足に動かないガッツは剣の柄を口にくわえ、義手で刀身を支えて、 伯爵の首を刎ねるのだった。 娘の前で残忍にも伯爵を切り刻むガッツ。その血がそばに転がったベヘリットの ところへ流れ、伯爵が「死にたくない」と強く思った時、ベヘリットの 目・鼻・口が動いて顔の形をなし、血の涙を流して嘆き(?)始めた。 その瞬間、辺りの景色が変わった。階段にような構造が立体的に入り組んだ、 異次元空間が展開したのだ。 そしてその彼方からやって来る者達があった。黒い異形の5人、ゴッド・ハンドが。 伯爵はガッツへの恨みを晴らすことを望むが、ゴッド・ハンドは伯爵の 最も強い望み、生への執着を叶えるために降臨したのであって、 それはできぬと言い放つ。更に、ガッツが何人も眷属を殺していようと、 取るに足らない、とも。 だが、ガッツはゴッド・ハンドの1人、“フェムト”と呼ばれる者への 激しい怒りを抱き、剣を手に取って立ち上がる。「グリフィス」と相手の名を叫んで。 しかし、ゴッド・ハンドに近付くとその強大な魔に烙印が反応、血が噴出する。 苦痛に意識も遠のきながら、それでもガッツはフェムトに剣を振り下ろそうとする。 その精神力はゴッド・ハンドも感心するほどのものだったが、フェムトにあっさり 吹き飛ばされ、壁に激突して崩れ落ちる。
図らずも伯爵の望み通りになったが、いよいよ“降魔の儀”が行われる。 伯爵の望みを叶えるため、彼にとって自分に一部とも言えるような、大切な者を 生贄に捧げねばならない。すなわち、テレジアを。 更にゴッド・ハンドは、7年前の映像を見せ、その時の出来事を語るのだった。 伯爵は邪教徒討伐のため駆け回っていたが、実は彼の愛する妻が邪教徒となり、 淫らな儀式に身を捧げていたのだった。それを知った伯爵は怒り、その場にいた者を 皆殺しにしたが、妻を殺すことはできなかった。妻が勝ち誇り、伯爵が絶望した時、 ベヘリットが発動、ゴッド・ハンドが降臨して、伯爵は妻を生贄に捧げ、 怪物となったのだった。 (全ては因果律の内、伯爵は因果律に選ばれた者だった、とも言われる) そして今、ゴッド・ハンドの1人天使長ボイドは、ガッツの首に刻まれているものと同じ 烙印を手に出現させ、テレジアに向けていた。 後は伯爵自身が一言、「捧げる」と言えば良い。 それを止めるため、にも「(妖精の力で)右手だけでも動くようにしろ」と ガッツはパックに言うが・・・ 更にゴッド・ハンドは伯爵に言う。魔に関わった者は、死んでも黄泉で静かに 眠ることはできないと。この異次元空間のすぐそこには、巨大な渦が巻いている。 それは亡者達の集まったもの、地獄だった。この中に飲み込まれ、やがては自我も 溶けて保てなくなる、それが魔に関わったものの定めだと。 死にたくないと強く願い、苦悩する伯爵。しかし、最期に幸せだった家族の姿を 思い出し・・・テレジアに向けられた烙印ははじけて消えた。 ボイドは言う「因果律の糸は断たれた」と。 地獄の渦から亡者達が連なって伯爵を迎えに来た。伯爵の魂は連れ去られ、 ガッツも贄として連れ去られかけるが、大砲に弾を込め直し、フェムトに向けて放つ。 反動でガッツは亡者の手を逃れるが、大砲の弾はフェムトの一睨みで 当たる前に爆発してしまう。そしてゴッド・ハンド太刀は去り、異次元空間は消え、 元の城に戻ってきた。
「私をあの部屋に帰して」と泣き叫ぶテレジアに「じゃあ死ねよ」とナイフを寄越すガッツ。 死を選びかけるテレジアだが、崩れた床から落ちかかった時、手が切れてもガッツの 剣につかまり、助かる。そして一転、ガッツに「殺してやる」と叫ぶのだった。 それを背に立ち去るガッツ。 ―――――――――――――――――― なんか過剰に気合い入れて書いてしまった気もしますが、ここまでで大体3巻、 ここまでがプロローグって感じです。ここから面白くなるというのが大概の評判。 とりあえず、3巻末〜14巻頭にかけて、ガッツの過去、というか、 これまでの人生が描かれますので。引き続き(予定)
223 :
↑ :04/05/29 09:34 ID:???
あ、書き込めた。
なんか連投規制で少し間が空いてしまった。
それと
>>217 の人、失礼しました。
ベルセルクの人乙ー。 ここまででもすごく引き込まれるなあ。先が楽しみっす。
流風は目覚めると薫のマンションにいた。薫は耳につけたルビーのピアスを見せる。 ルビーは笑子の誕生石。元々は婚約指輪として買った物だった。 もう双子をいじめ飽きたので、さっぱりしたい、双子のどちらに渡しても 不公平だからと、間を取って克之に処方箋を渡すと言った。 流水は、薫に友人達を殺された事で怯えている牧瀬にウイルスを感染させる。 牧瀬は流水の命令に従い睡眠薬の入った薬を克之に出した。 朧な意識の中、誰かが囁き掛ける。抱いて、と。流風の声…? 夢か現かもわからぬまま、克之は流水を抱いた。行為の後の眠りから目覚め、 全裸の自分の体を見て夢ではないと悟る。傍には着衣の乱れた流水が。 「ステキな時間が過ごせたわ」克之は流水を叩こうとするが、仕掛けられたとはいえ 間違えたのは自分だと手を止める。「ぶってもいいよ。克之さんなら許しちゃう。 過去に何があっても構わない。あたし達の前に誰と付き合ってようと。 あたしが初めてってわけじゃなさそうだもの」流風が扉を叩く音がして流水は逃げた。 感染ている牧瀬は流風を殺そうとする。逃げる流風を追い牧瀬は轢死。 二人は逃げる。牧瀬の事で泣く流風を、今の克之は抱きしめてあげられなかった。 克之の態度の変化に不安を感じつつ、二人は薫のもとへ。 処方箋の入った封筒を受取るが、流水に奪われてしまう。 それを追って路地に入った所で流水は消える。 下水道へ地面をすり抜け逃げたのだ。 薫は後を追い、俺と一緒にアメリカに行かないかと誘うが拒まれる。 地上に戻り、またも流水は逃げ、地下へ行く。薫はそれを追いかける。 流風も行こうとするが克之が止める。「この下は地下鉄だ!」 地下へ降りた薫は電車に轢かれて死んだ。 流水を愛し始めたのかは薫にもわからなかった。ただ流水が破滅するのは見たくなかった。 流水は崖に向かい突進する野生馬のようだ。行く先には血まみれの谷底があるだけだ―― 天井に張り付き無事だった流水は、地上に戻り処方箋を見る。 しかし、封筒の中にはどこかの寺のおみくじが入っているだけだった。 騙されたのだ。薫はもういない。処方箋の在り処はわからない。
手がかりがあるかもしれないと、薫のおみくじの寺へ行く。 もう見つからないと諦めている流水は、克之に行為の事で脅しを掛け、 次の伝書鳩の持ち主を聞き出し去って行く。流風は克之を不審がる。 寺にいる鳩の内、一匹だけ白いのがいた。その鳩には通信筒がついている。 流風は餌をやっている女性に鳩を捕まえてもらう。処方箋を手に入れ喜ぶ流風。 一方、克之は固まっていた。「あら、克之!」鳩を捕まえてくれた女性は 克之を見て驚きの声を上げた。女性は椎名今日子と名乗った。 今日子は克之に親しい態度を見せ、克之は動揺していた。 リストに載っていた三人目の鳩の持ち主、桐原卓也のもとへ向かう。 侵入すると、部屋の中はバイク関連の写真や道具がでいっぱいで、 棚などには既に誰かが探したような跡があった。流水だ。 しばらく待つと卓也が帰ってきたが流水が既に接触していて 流水と間違えられ邪険に扱われる。その夜、ホテルで流風のもとへ バイク用の皮手袋をつけた肘から先の手と、眼球が襲い掛かってきた。 胴体も足も顔も無い。手と眼球だけが、いつの間にか現れた。 流風は手に首を締められ意識を失った。 *キャラ紹介。 水凪薫(みずなぎ・かおる) 自分以外の物も宙に浮かせ、自由自在に動かす力を持つ。 知らぬ間にジーンに力を与えられ、制御できない力のせいで 最愛の人を失い、ウイルスの母体である双子を憎むようになる。 自分と同じように行き場の無い思いを晴らすため人殺しを 繰り返す流水に近づくが、罠に落とされ轢死する。 続く
気まぐれである団地に住むことにしたおろち。 敷地内で遊んでいた男の子に嘘の道案内をされ、珍しく怒りを露にする。 そのひろゆき(wと言う名の幼稚園児は、「うそつき」と呼ばれて嫌われていた。 カギっ子であるひろゆきは、関心を引くためか両親にまで嘘をつき、こっぴどく怒られる。 隣の部屋の足の悪い寝たきりの恵美ちゃんの真似をして傷ひとつない足に包帯を巻いて さすがに団地のみんなもおろちも悪感情を抱いた。 そんなある日、留守番中のひろゆきはベランダを越えて隣室を覗きに行く。 すると隣室の恵美ちゃんが母親に首を絞められて殺されるところを目撃してしまう。 驚いて倒した植木鉢の音で母に気付かれ、鍵まで落としてしまった。 帰宅した母親に隣室のことを訴えるが、普段の言動がたたって信じてもらえない…。 翌朝母親は恵美の母に息子の酷い嘘のことを話してしまう。 恵美の母の表情の変化に気付いて怯えるひろゆきを置いて、母親は仕事に出かけてしまう。 幼稚園の先生も誰も信じてはくれない…。 翌日、恵美の母に「帰りが遅くなるのでよろしく」と挨拶をして仕事に行く母。 きっと恵美の母は自分が落とした鍵を持っているに違いない、自分を殺しにやってくるのだ。 部屋中の物をドアの前に置いてバリケードにするが、忘れ物を取りに帰った父親にバレて 酷く怒られてしまう。唯一の武器だったパチンコも取り上げられてしまう…。 父親が再び出かけた後、ひろゆきは団地の廊下から自分の部屋を見張ることにした。 合鍵を手にした恵美の母が、ロープを持った父親と一緒にひろゆきの部屋に入ってゆく。 「だれかたすけて!ぼく殺されるよう!」叫びながら団地の敷地を駆けてゆくひろゆき。 近所の主婦に訴えかけても信じてくれない。おろちはその様子をただ見ていた。 主婦が恵美の両親を見かけて話しかける。「恵美は施設に入れましたの」 逃げるひろゆきを追ってどこまでもついてくる夫婦。 ひろゆきは交番で、電車内で、バスの中で次々助けを求めるが、 上手く夫婦が丸め込んでしまって誰にも信じてもらえない。 とうとう捕まってタクシーに押し込まれてしまう…。 ひろゆきが窓に書いた「たスケて」という文字も鏡文字となって気付いてもらえない。 恵美の母がそれに気付いてこすって消してしまった。
恵美の部屋にひろゆきを連れて帰る夫婦。 「恵美を殺したんじゃないの、恵美は自分の薬をいっぱい飲んでしまったのよ、 いっぱい飲めば早くよくなると思ったからだわ! 私が帰ってきたらベッドの上でのけぞっていたのよ!!死んでいたのよ!! 生き返らないかと揺さぶったり吐かせようとしているところをあなたに見られたのよ!! みんな恵美が邪魔で殺したんだと思うわ、主人は昇進して海外に行くことになっていたのよ、 恵美が死んだということだけでも取り消されてしまうわ!!」 父親は恵美は冷蔵庫の中だと言い、ひろゆきの部屋の伝言板を差し出して 「遊びにいってきます わたなべひろゆき」と書くのだと強要する。 書こうとしても字が思い出せないというひろゆきに見本の文字を書いてやる父親。 書き終えた伝言板を母親が合鍵でひろゆきの部屋に置いてきた。 夫婦でひろゆきを縛り、猿轡をかませて放置する夫婦…。 すっかり日が暮れた頃、おろちはひろゆきのことを考えていた。 幼稚園の先生に会って彼の話を色々聞いてきたのだ。 ひろゆきの部屋の明かりがついていないことを不思議がっていると、そこにひろゆきの両親が。 ドアの外で様子を伺うと、ひろゆきはまだ帰って来ていない、伝言板があったと声が聞こえる。 隣室の恵美の母をたずねて息子のことを聞く母。だが彼女も知らないと言う。 ひろゆきの両親は団地の外へ息子を探しに行ってしまった――。 おろちはひろゆきの両親の元へ走り、伝言板を見せてくれと頼み込む。 「おかしい……私幼稚園の先生にもお聞きしましたがひろゆきくんは……」 恵美の部屋で大きな石をぶつけてひろゆきを殺そうとする夫婦。 そこに右手の力でドアを打ち破っておろちとひろゆきの両親が入ってきた! こうして危ないところをひろゆきは助かったのだ。 「ひろゆきは自分の嘘で苦しむことになったが、最後に無意識についた嘘で助かった…。 ひろゆきは自分の名前以外はほとんど文字が書けなかったのだ」 それからも決して「うそつき」の嘘は直らなかった。 でもおろちは「うそつき」を憎めなかった。 やがて「うそつき」が立派な大人になるような気がして、この団地を後にした――。 「カギ」終
>>119 一方、グリフ達の活躍により、エリーは助け出され、ドリューの前に全員集結した。
そして、ハルとルビーも現れる。
「一人じゃ勝てないかもしれない。けど皆がいれば勝てる」
ハルの言葉通り、最初はハル達有利に進むが、ドリューは闇魔法を使ってきて苦戦する。
それを止めたのは、ダルメシアンから魔法を教わったルビーだった。
ドリューが光を忌み嫌い、闇を好むようになったのは、悲しい過去にあった。
魔界の魔王だったドリューは、身分を捨ててまで人間界にやってきた。
亜人と人間が仲良く暮らせることを夢見ていたが、人間に裏切られてしまう
。
「光を受けるのは人間だけ、魔物は闇へ落ちろ」
囃し立て暴行を加えてくる人間達に、絶望するドリュー。
そんな時、偶然か、選ばれたのか、シンクレアが目の前に存在していた。
ドリューは、シンクレアを手に、人間への復讐を誓った…
ドリューは魔王の姿に戻り、更なる力を見せ付ける。
そんな中、傷が悪化しハルが倒れてしまう。
しかし、皆、ハルに希望を託し、諦めずドリューに立ち向かう。
それに応えるべく、ハルは立つのもやっとの中、命をかけた一撃をうちにいく。
ドリューは、禁呪でもって迎え撃つ。
「みんなの力が一つになれば、どんな強敵にも必ず勝てる。
信じることを忘れないでくれ。
みんなの声は俺に届く。
みんなが呼べば俺はそこにいるから」
ハルは、TCM第八の剣ミリオンサンズでドリューを打ち破った。
喜ぶ皆の前で、ハルは光の中に消えていった…
17巻終わり
死んだのかと思われたが、ダルメシアンが、治癒の為に光の中に連れ去ったのだった。 数日後、ハルの傷も治り、セリアが、お礼も兼ねて星歌祭に招待してくれた。 皆がはしゃぐ中、ムジカだけはレイナを想い、浮かない顔をしていた。 今年は魚がいないと残念がる人魚達だったが、何故か続々と魚が集まってきた。 銀色に光る魚。それはまるで銀術のようだった。 レイナの励ましを感じたムジカは心の整理をつけた。 人魚達に船を貰い、ハル達は旅立つことに。 ダルメシアンから未来のレイヴを受け取り、残るレイヴはあと一つ、真実のレイヴのみ… DC本部には、続々と強者達が現れていた。 DCと同じ戦闘力と言われる、ブルーガーディアンズ(BG) ドリューの力を遥かに超えると言われる、四天魔王。 そしてハジャの師にあたる、世界最強魔導師シャクマ。 これらを仲間に加え、新生DCが誕生した。 帝国本部は、六析将軍ディープスノーによって崩壊されていた。 その地で、ジークは死んだと思われていたシュダと会い、DCの近況を知る。 DCは、5つのシンクレアのうち4つを手に入れている。 ルシアが持つもの、BGのハードナーのもの、四天魔王アスラのもの、そしてオウガのはジェガンの手に渡ったという。 残るはハルが持つドリューのもののみ… 「ハル達に一斉攻撃をしかけてくるだろう」 その言葉通り、ハル達の船に六析将軍ジェガンが現れた。 夥しい数の龍を操るジェガン。 立ち向かうのは、もちろんレットだった。 18巻終わり
レットに全てを託し、ハル達は龍から船を守る為に加速させた。 その時、未来のレイヴから予言者の声がし、レットの予言は今だと告げる。 『大切な何かを失う』 それはジュリアのことなのか、それとも… ジェガンの強さにまだまだ敵わないレットは、秘策を持っていた。 自らの死をもってジェガンを倒す…伝説と言われる竜人最終奥義を発動させた。 「昔は友と呼べる男じゃった」 レットの言葉に、ジェガンは友だなんて思ったこともないと強がる。 しかし、レットは真摯な眼差しをジェガンに向けた。 「真の友じゃった」 レットは、ジュリアに向かってエリクシルを投げた。 元に戻るかは分からない。けれど戻ると信じて。 そして、ジェガンを打ち負かし、自らも倒れた。 意識が遠のく中、ジュリアが元の姿に戻ったのを確認できたレット。 ジュリアはレットに優しく口付けた。薬の半分をレットに飲ませたのだ。 薬のお陰でレットも復活し、二人は再会を喜んだ。 ジェガンが負けた為、ハル達を襲っていた龍達は帰っていった。 それを見ていたディープスノー。ジェガンが失敗したのを知り、部下達と攻撃を仕掛けてくる。 龍との戦いで負傷している為、ひとまず逃げることを選択したハル。 逃げる先にはシュダが立っていた。 「洞窟である男が待っている」 そう告げると、ここは自分が戦うと言いハル達を逃がしてくれた。 ハルは、DCに騙されているのを気の毒に思い、追って来たレイゼンビーも連れて洞窟の中へ。 そして、シュダとディープスノーの戦いが始まった。 19巻終わり
ディープスノーは、潜在能力を極限まで引き出す、五六式DBを解放した。 生まれてすぐ体に埋め込まれ、ある時、無意識に力を使った。 キングは、その力に驚愕し、以後の使用を禁じ、帝国へと送り込んだという… それでもディープスノーのキングへの忠誠は揺るがなかった。 生涯でただ一度、キングだけが自分を抱きしめてくれたのだ。 しかし、シュダも負けられない。 「ゲイルの血を受け継ぐのがハルならば、俺はゲイルの剣を受け継いだ」 自分の剣を托し、涙ながらハルを守ってくれと頼んだゲイルに、シュダは、心を動かされた。 絶対に負けない。その想いは、ディープスノーを超えた。 とどめをさす前に、シュダは、キングの話をする。 キングは、ディープスノーに、死んだルシアを重ねていた。 「できるなら平穏に暮らさせてやりたい。俺のもう一人の息子なんだ」 自分がキングを父として思っていたように、キングもまた自分を本当の息子のように思っていてくれた… 涙するディープスノーを見て、シュダは、そっとその場を立ち去った。 ハル達は、星跡の洞窟で、ゲイルの育ての親、エバーマリーという爺さんに会う。 「かつて、この場所には『星の記憶』があった」 驚くハル達。だが話の続きはルシアに奪われた。最後のシンクレアを奪いにやってきたのだ。 ハルはTCM第九の剣、サクリファーを使って立ち向かう。 しかし、それは、制御不可能、使用者の命までも奪おうとする危険な剣… 全てを理解した上でその剣を使うハルは、ルシアを一方的に追い詰める。 だが、既にハルの右腕は魔剣に取り込まれていた… 20巻終わり
レイヴ ・リーシャが自らの命とひきかえに魔導精霊力(エーテリオン)を使って造った ・レイヴを5つ集め完全な形に戻さなければ、DBの親玉『シンクレア』は壊せない (その為にはエリーのエーテリオンが必要不可欠) ・現在4つ所持 DB(ダークブリング) ・反則的な能力を持つことが出来る石 ・マザーダークブリングと呼ばれる『シンクレア』がある限り増え続ける ・現在、4つ所持。残り1つはハルが所持 星の記憶 ・そこでは時空を操作できるという ・歴史を覆すことでも、個人的なことでも叶えられる 魔導精霊力(エーテリオン) ・この世の最強魔法と言われ、ただ一人、リーシャが使える神の力 ・何故かエリーも使えるが制御は出来ない ・無から物を造り出すことが出来、全てを無に戻すことも可能らしい DC(デーモンカード) ・元は、ハルの父ゲイルとルシアの父キングが作った平和組織だったが、 DBを手にし、悪の組織へと変わる ・ルシアの即位により、ブルーガーディアンズ、四天魔王、シャクマがDCの支配下に入る 六析将軍(オラシオンセイス) ・DCの幹部。 ・初期はハジャ、ジェガン、ベリアル、レイナ、ユリウス、シュダ ・シュダ死亡(とされていた)後、ディープスノーが入る ・現在はジェガン、レイナが死亡し、ディープスノーも戦意喪失した為3人に
>>151 「午後3時の魔法」あらすじ投稿を予約。
単行本全4巻+番外編(単行本未収録)の計18話を3〜5レスでカバーするつもりだが
まだ1〜2レス目がほぼ固まった段階で、投稿開始までには更に日数がかかりそうだ。
(特にメインヒロイン周辺がややこしいので)
医学生で、医者の父を持つ今日子により流風は救われた。克之が呼んだのだ。 克之が一年生の時、今日子が三年生の時、二人は付き合っていた。 今日子の卒業と引越しで二人は別れ、流風と付き合うようになってからは一度も会っていない。 今日子の事で不安がる流風にそう言ってをキスするが、流水の顔を浮かべてしまう。 夜、戸締りはしているのに誰かに見られている気がすると今日子から電話が来る。 電話は途中で切れ、見に行くと、体中を切られ血だらけで倒れる今日子がいた。 幸い浅い傷だった。流風は今日子をベッドに寝かせ、克之は部屋の中を調べに行った。 そこへ、ナイフを持った手と、眼球が現れる。襲ってくる手を捕まえるが、それは消えてしまう。 体の一部を切り離し自在に動かす力を持つのだろうか?手の主は卓也? 今日子が襲われたのは自分が関わったせい。流風は能力やジーンについて話す。 「私…いまでも克之が好きよ。私と会えなくなった頃に克之が貴方と出会って、 貴方を好きになった事を知って彼を諦めたわ。でも……譲るんじゃなかった! 貴方達双子に巻込まれて克之のご両親が…こんな事になるなら譲るんじゃなかった!!」 自分と関わった事で克之が多くの物を失った事を実感し、流風は泣いた。 卓也には歳の離れた弟の柾巳がいる。生まれつき心臓が悪く入院している。 流水は、いい脅迫材料になると柾巳を拉致した。卓也は双子を見分けられず、 弟を帰せと流風に叫ぶ。卓也から聞いた流水の指定場所に流風と克之は向かう。 そこでバイクを運転する手と足だけが現れ、手が克之の肩を貫いた。 内臓にまで届いているかもしれない。弟を拉致された事で卓也が怒ったのだろうか。 克之はすぐに今日子の父の病院で手術を受ける。流風は柾巳を助けに行く。 流風は柾巳を助けるが、克之を傷つけた者の弟である柾巳に殺意を抱いた。 流水に乱暴に扱われ発作を出しながら柾巳は言う。自分の手術には金がかかる、 兄はそのために長い金髪の外国人から何かの仕事を請け金を貰ったと。 もしかして弟のために双子に危害を?殺意は消え、流風は不安がる柾巳を抱きしめた。
やって来た卓也に政巳を渡す。「柾巳!戻っておいで!」流水の声に柾巳は従う。 柾巳は感染させられていたのだ。命令をされる時以外は普通なのでわからなかった。 命令により柾巳は海辺に立たされる。「あたしの命令一つで柾巳は海に飛び込むわ。 この子の心臓がダイブに耐えられるかしら?弟が可愛かったら処方箋を渡すのね」 命令するより先に、心臓を痛めバランスを崩して柾巳は落ちていく。 寸前で流風が助け、卓也に渡した。卓也は柾巳を連れバイクで去っていく。 怒る流水に、克之が重症を受けた事を知らせる。流水は動揺する。 病院へ戻ると、克之は何とか助かったと知らされた。 これ以上双子に関わると克之はもっと酷い怪我を負い、やがては死んでしまうだろう。 自分よりも昔から克之を愛している今日子になら任せられる。 流風は眠る克之に別れのキスをしてその場を去って行った。 処方箋を手に入れるため流水は卓也の家へ。 柾巳の手術には大金がいる。だから自分はジーンの要求を受けたと卓也は言う。 薫のように恨む理由は無いのに、何故殺そうとした? そう訊く流風に卓也は言う。自分は流風を襲ってなんかいない、 流風の言う超能力や処方箋の事も知らない。ただ白い鳩を預かっただけだと。 そういえば、白い鳩は7匹いた。しかし処方箋を持つ鳩は5匹。 卓也は能力者じゃない。ならば流風を襲った能力者は誰だ? 流水は感染者を連れ、克之を奪い返しに病院へ来た。 流水の支配下には幾つも病院がある。克之の治療はここでなくともいいのだ。 突然。二つの腕が現れ感染者の体を貫き、流水を押さえつけた。 「貴方達双子に巻込まれてどれだけ克之が迷惑したかわかる?これ以上克之を 巻込む気なら貴方も殺すわ!」今日子の腕はなかった。今日子が三人目の能力者だ。 今日子の家で手と目が現れた時。今日子は目を瞑り布団の中にいて、目も手も見せていなかった。 克之が襲われた時。手は流風を襲うつもりだった。目がいなかったので誤って克之を攻撃したのだ。 流風は病院へ向かう。辺りには激しい雨が降っていた。
ジーンは今日子の大学の医学部の研究室を使っていた。 今日子は助手をするうちにウイルスの一連の出来事を知り、 ジーンの作った能力を欲しいと頼んだ。 腕を流水から放し、正面から今日子は流水を貫こうとする。 流水は他人を盾にして身を守る。逃げながら流水は 病院中の者にキスをして感染者を増やしていく。 病院へ流風がつくと、首だけの今日子が現れ、じょじょに胴体も現れ、 流水と間違えて流風を殺そうとした。突然明かりが消える。停電だ。 堤防で事故がおき、その事故で電線が切れ、堤防も崩れて浸水の恐れがあるという。 患者を、克之を避難させなければいけない。二人は克之を運ぶ。 今日子の名がリストに載っていないのは、親戚の結城彬彦に鳩を 預けているからだという。もちろん処方箋は外している。 今日子は克之を車に乗せ避難する。流風は後を追ってくる感染者を足止めした。 流風を諦めろと言う今日子に、克之は命を賭けても辛くないほど流風が愛しいといい、 感染者に襲われている流風を助けに行った。助けられた流風と克之へ、 火花を散らした電線が倒れてくる。今日子は克之をかばって感電。 流水は処方箋の場所を吐かす為、今日子の手の平に石を突き刺す。 「まだ言う気にならない?じゃ、次は目玉だな」目に石を刺そうとした所で、 今日子は処方箋の場所を言う。流水が取りに行った隙に流風は 倒れている今日子を救おうとするが、今日子は冷たくなっていく。 「ずるいわね…憎み切らせてもくれない。克之は、いつか貴方の為に死ぬわ。 うらやましいわ…」今日子はロケットを流風に渡す。中には克之の写真が。 今日子の父を呼び行った克之が戻ってくるが、流風は隠れるように逃げた。 流風の涙がロケットの中の克之の写真に落ちる。それを拭き、 感触がおかしい事に気付く。写真の下には処方箋が入っていた。 *キャラ紹介。 椎名今日子(しいな・きょうこ) 手だけ、足だけ、目だけなど、体の一部分を切り離し 自在に動かす能力を持つ。自分から能力をジーンに求めた。 克之の最初の女。感電と流水に石で刺された事により死亡。
流風は何者かに薬品を嗅がされ意識を失い、気付くと広い旧家にいた。 そこには中学生ぐらいの車椅子に座った少女が。少女の隣には大きな犬。 真由夏は処方箋を渡すと言う。やがて、流水も連れられて来た。 双子に真由夏は言う。処方箋は屋敷のどこかに隠した、 先に見つけた方に渡すと。真由夏は足が悪くて歩けない。 ある日定期検診でジーンに会い、処方箋をもらった。 他の子のように遊べないから、こんなゲームでもしないと面白くないという。 流水は力づくで処方箋を奪おうとするが、真由夏の隣にいる シンと呼ばれる犬が流水に噛み付き妨害した。双子は犬が嫌いで近寄れない。 流風はその家に泊まり、風呂に入っていると何十匹ものヤモリが現れた。 流水も大量のムカデに遭遇したらしい。流風は不思議に思う。 家には真由夏と使用人が三人と、沢山の動物が飼われている。 「動物はわたしの足を笑わないもん…特にシンは弟…ううん親友だもん」 シンはよく真由夏に懐いていた。満月期。流水はまたも力づくで 処方箋を奪おうとする。すると飼われている羊が凶暴化して突進し、 驚いて宙に浮くと烏が襲い、地上に降りると猫が大量に迫ってきた。 真由夏は動物を操る能力があるのだ。真由夏は嬉しそうに笑う。 「双子さんたち、処方箋の隠し場所を教えてあげる。昨日シンの首輪に移し変えたの。 貴方達の苦手な犬に持たせとくのって、面白いでしょう?さあ、シン。 捕まらないように一生懸命逃げるのよ」流水は怒るが、 周りには動物が無数にいて手出しが出来ない。動物がいなければ… 流水は使用人三人を感染させ、動物達に毒を盛らせた。 翌日、使用人がいないため、流風に車椅子を押されながら外を出ると、 犬や猫、羊や鳥はことごとく口から何かを吐き出し死んでいた。 動物はもう手出しできない。シンを呼び出し、処方箋を渡せと 流水は迫るが真由夏は拒む。流水は真由夏の胸を貫いた。 足が悪くとも真由夏は能力者。宙に浮かぶのは可能だったのに。 流水も本気でやる気ではなかった。真由夏は地面に倒れる。 真由夏の悲鳴を聞きつけ、唸りながら現れたシンは宙に浮かんだ。 「シン!殺し…て……双子を殺して!!」真由夏は息絶えた。 続く
落第忍者乱太郎、長くて大変そうなんですけど知りたいです 誰か持っている人お願いします
アーシアンお願いします
中瀬村の農家に生まれた正一は、友人の紹介で都会に出ることになった。 ところが友達にまんまと騙され、借金を背負ってしまう。 空腹のあまりパンを盗んだことから闇の世界へと身を沈めることとなる…。 チンピラとの縄張り争いが元で、頭に大怪我を負ってしまう正一。 居合わせたおろちが助けに入ってチンピラは逃げて行ったが、 脳に鉄片が入ったため昏睡状態におちたままだ。 『帰りたい!!いなかへ帰りたい!!』 正一に代わって中瀬村に行くことにしたおろちは、電車内で正一の姿に驚く。 昔中瀬村にいたことがあると嘘をついて接触すると、確かに正一だった。 頭の包帯を外し、「医者の許可を得て帰るところだ」と言う。 峠から見える変わらない村に喜び、駆け下りる正一。 家に入ると、ご飯を炊いていた母がすがりつき泣いて喜んだ。 父親も奥から出てきて「お前の分のご飯もいつも用意していた」と言う。 だがおろちはこの村に異様なものを感じていた…。 翌朝、村を見てまわる正一は、石が祭られている神社のお堂に 良子という幼馴染を閉じ込めたことを思い出す。 石が光ると怯えていたなとお堂の扉を開いて石を確認する。ただのさびた塊だった。 神社を出ると昔の友達がいた。皆で再会を喜び合う。良子のことを話題に出すと、 子どもを生んだのだと言う。詳しく聞こうとするとなぜか皆怯えて去ってしまう…。 後をつけていたおろちは、去って行った仲間の1人が死んでいるのを発見する。 そばにつり道具を持った男の子がいたが、何も見てないといって走ってゆく。 バケツから落ちた魚は目をえぐられたり引き裂かれたりと酷い姿だ…。 正一や仲間たちも駆け付けたが、皆死体を担いで走り去ってしまう。 おろちは男の子の後を追って小学校へ。生徒も先生も男の子には逆らえないようだ。 怯えて逃げ出した健ちゃんを捕まえる男の子。 おろちが助けに入ると、男の子の目が光りだし、おろちの眉間を傷付けた! 額から流れ出した血が地面を伝い、男の子のいる窓のガラスを割って応戦。 男の子は諦めて行ってしまった。健ちゃんに聞くと、男の子は新ちゃんといい、 正一の幼馴染の良子の子どもだということだった。 良子の家のそばで様子を探るおろち。良子はずいぶんやつれていた。
そこに正一がやってきて猫と包丁を手にした良子の姿に驚く。 「猫の舌を焼いて食べたいと言うのです!!」 猫と包丁を手から落とし、正一にしがみついて怯える良子。 新次に睨まれると死んでしまう、あの子の目は光るのだと救いを求める。 「しゃべっていることをみんな聞いたよ」「新次許して!!」 自分の子なのに怯えるなんてと正一は不審がる。 お腹に抱えていた石が落ちた。慌てて服に隠す新次。 良子を連れて家に入る新次。おろちはそれを追って家に飛び込んだ! 中では良子が舌を切られて死んでいた……。 正一はおろちが来たからこうなったのだと怒って出て行ってしまう。 彼の口から良子の死が伝わり、その夜村中が戸をかたく閉ざしこもっていた。 おろちは新次が村から出る道の崖を崩して脱出できないようにするのを目撃する。 電話線まで切っていた。またお腹にあの石を抱えている。 「私を逃がさないようにするためだろうが、このくらいならいつでも脱出できる」 健ちゃんの家に強引に入り込み、怯える健ちゃんを畑の中に連れ出した! 不安がっている健の両親を尻目に後を追うと、お腹に何かを抱えた健ちゃんが 「ぼく新ちゃんとお友達だよ」と言い、普通に挨拶をして離れてしまった。 おろちや両親を無視して家に入ってしまう健。後を追うと中にはいなかった。 探しながら神社の石を確認すると、ただの石ころだった。 「そうするとやっぱりあの石は………」 健ちゃんが戻ってきた。石なんか持っていないとお腹を見せる健。 おろちには訳がわからない。 翌朝、正一は変わらず親子水入らずの生活を続けているようだった。 子どもたちに異変が起きた。あんなに怯えていた新次と一緒に輪になっている。 一言も喋らないのに皆一斉にニタニタ笑っている。
その夜、食事を残した女の子が父親に叩かれるが、女の子はただ父親を睨みつけている。 そこに村中の子供たちがやって来た! 抵抗する父親に襲い掛かり、身体中を折ったりちぎったり…。 子どもたちが去った後には無残な肉塊が残るだけだった。 おろちが後を追うと、子どもたちは一斉に小川を潰したり柳を折ったり村を荒らしていた。 翌朝、血相を変えた母に起こされて村の変わりようを嘆く正一。 村人に聞くと、前から村はこうだったと言う…。 すごい音がした。村の青年たちが小学校を壊しているのだ。 止めに入る正一に「学校を壊して墓場にする」と不気味な目つきで皆が答える。 村はずれでは子どもたちが行く手を阻むように立っていた。 逃げる正一とおろちを村中の人が追って来る。隠れてもなぜか見破られる…。 「あの連中は考えていることが伝わるのかもしれない…」 思考を停止させると、立っているおろちを素通りして正一の元へと向かって行った。 家に飛び帰る正一。だが母はもうさっきまでの母ではなかった。 石を手に、これを持てば楽になれると言う母。 「あの石が原因だ!!」 おろちが右手の力で石を粉砕した!それと同時に倒れて意識を失うおろち。 それからどれくらいの時間が過ぎたのだろう。おろちが目を覚ますと、 村はただの荒地と化していた。不思議に思いながら村を出て峠を越える。 駅のある町で中瀬村のことを訊ねると、3年前の台風で全滅したと言う…。 その頃、東京の病院では正一の手術が行われていた。 頭の中の鉄片が消えてなくなり、医師たちはただ驚くばかり。 「正一は助かったのね…。あれは正一が作り出した幻だったのだろうか… ふるさとがなくなったことや両親が台風で死んだことを後で知ったらどう思うかしら?」 「ふるさと」終
貧しい家に生まれた千恵は、まま母や酒飲みの父親に虐げられながらも 美しい女性に成長した。酒代のため売り飛ばされそうになった千恵に 前から目をかけていたと言う青年がプロポーズしてくれた。 二人で始めた新生活。千恵は初めて幸せを実感した。 そんなある日、夫が信号無視の車にひき逃げされ、 おろちが看護婦として勤める病院へ運び込まれた。 完全に回復するまで3年はかかるという。千恵はかいがいしく夫の看病をした。 退院し自宅療養中の夫の世話をしながら働きに出る千恵。 予想より早く歩けるようになった夫は散歩に出かけ、崖から落ちて死んでしまった…。 「あなた……生きて帰ってきてください!!」 葬式からもう1ヶ月は過ぎたというのに毎日泣き暮らす千恵。 そんな千恵のもとにおろちがやってきた。「ご主人を生き返らすことができます」 「嘘の慰めを言わないでください!あなたは私のような不幸な女をからかって さらに不幸にさせようとしてやってきたのですね…」 あまりにも悲しそうなのでつい口走ってしまったと詫びるおろち。 千恵はあんまりだと言ってさらに泣き続けた――。 「嘘ではない…生き返らすことは無理でも再びご主人に会わせることはできる。 準備はすでに整えていたのだ!」病院へと走るおろち。 深夜の実験室。おろちはそこにご主人に似せた人形を作っておいたのだ。 「死んだ人間を生き返らすことは無理でも命のないものを動かすことはできる」 人形の胸に穴をあけ、そこに右手を切って流れた血をかけてゆく…。 「命のないものよ動け!生きて動け!」ぼとぼとと流れ落ちてゆく血。 全神経を費やしたのに人形は動かず、砕け散ってしまった! 失敗のショックと出血で倒れるおろち。
その頃、千恵の夫三郎が土葬された墓地からうめき声がする。 暗闇の中目覚める三郎。「崖から落ちるまでの一部始終をはっきり思い出したぞ!」 千恵のもとへと戻るために必死に棺おけを抜け出し、地中から這い出る三郎。 舌が腐って零れ落ち、声が出せない……。 喉に穴があき、あばら骨がむき出している。「腐ったままで生き返ったのだ!!」 翌朝、血まみれの床の上で目覚めるおろち。 「私は命をとりとめたけれど、千恵さんとの約束は果たせなかった!!」 そこに運び込まれてきた身体中が腐った男。医師はしきりに不思議がるが、 おろちは自分の術が死体の方に効いたのだと気付く。 日々が過ぎ、だんだんと肉がついてきた患者。うなされる横顔はまさしく三郎だった! 「千恵さんを呼んでいるのですね!?あなたは千恵さんのご主人ですね?」 目覚めた男は千恵の元へ行こうと包帯を外すが、自分の身体を見てショックで倒れてしまう。 やっぱりそうだ!よみがえったのだ!人形にかけた力が墓場のご主人の方に…!」 墓場へ行くと、やはり三郎が抜け出た形跡があった。 千恵の元へ報告に走るおろち。「ご主人が生き返ったことを知ったらどんなに喜ぶだろう!」 ところが千恵のいたアパート部屋は空室だった。 千恵を見初めた男と再婚して出て行ったという。三郎の位牌と写真を持参して。 ショックを受け、とぼとぼと病院へ戻るおろち。 ある夜、三郎も病院を抜け出していなくなってしまう…。 おろちは「2人がいつかまた会えるように」とまじないをかける――。 2年後、おろちは千恵の再婚先をやっと見つける。中に入ると仏壇の前に千恵がいた。 「あなた……私をお許しください。こうして再婚してまいりましたけれど、 今もあなたのことは忘れてはいないのですよ。今の主人の間には子どもも生まれましたけれど…」 その腕に小さな男の子を抱きながら三郎の写真に話しかけている。 「千恵さん、あなたのご主人は生き返りましたよ」「えっ!?」 「自分の力でお墓を抜け出し倒れているのを病院に運ばれたのです、 ご主人もあなたを探しているはずです…さあ、あなたも探しに行きましょう」 「いやです!!そんな恐ろしい冗談はやめてください!!」やめてと叫び泣いて拒む千恵。 おろちは仕方なく去って行った……。
それからしばらくして、三郎の姿を町で見かけるようになり千恵は怯える。 町中で三郎らしき男に襲われ、息子のジュンのために買った人形にナイフを刺される。 仕事に行く今の夫に必死に訴えるが、信じてもらえない。 お手伝いさんも買い物に出かけ、自宅に残った千恵の元に三郎がやってきた! ジュンを奪う三郎を止めようとしてあばら骨を見てしまいショックで気絶する千恵。 そのままジュンは連れ去られてしまう……。 それから3日。夫や警察に死んだ夫が連れて行ったと説明するが信じてもらえない。 自宅待機する皆の元に小包が。中には子どもの手が……。ショックで倒れる千恵。 呼ばれた医者とともにおろちもやって来た。「私はあなたの味方です」 『私の呪文どおりご主人と千恵さんは会ったのだわ。 でもご主人がよみがえらなかった方がよかったのではないだろうか』 海岸沿いの空き家で鏡を見つめる三郎。骨の露出が酷くなっている。 記憶も途切れるようになっていた。千恵への恨みを復唱する三郎。 『千恵、お前を苦しめて地獄へ道連れにしてやるのだ! その訳はお前が一番よく知っているはずだ!なぜならお前が私を殺したからだっ!!』 その夜、千恵が部屋からいなくなった。夫の部屋にあったアフリカ土産の毒矢を持って。 矢を手に車を走らす千恵。「殺してやる!!こんどこそ!!」 その後をタクシーで追うおろち。 「やっぱり千恵さんは前のご主人の死に繋がる心の秘密を持っている。 もうそろそろ警察ではあの手の手が誰の物かわかる頃だろう。なぜならあの手は……」 海沿いの空き家の地下室にジュンを閉じ込め、海岸に佇む三郎。 そこに千恵がやって来た。ジュンをさらった時に、ここに来るように手紙を置いていったのだ。 「あなたがジュンを殺したのね……ジュンを返して!!」 毒矢で三郎を貫くが、貫通してしまって効き目がない。逆に首を絞められて意識を失う…。
その頃、寝ていたジュンにたくさんの虫が迫ってきた。ジュンは怯えてただ泣いている…。 縛り上げた千恵を自分のいた墓地に連れてゆく三郎。千恵の墓まで隣に用意されている。 棺おけに入れられそうになる千恵を、おろちが助けた。 「あなたは貧しく育ちやっとご主人と一緒になって幸せだったはず、 ご主人が死んでからというものあんなに泣き暮らしていたのに、ご主人が生き返ったと聞いてから 突然恐れるようになりましたね。悲しんでいるのは嘘だったのですね!」 「なぜみんなそんなに私を苛めるの!?どうして私の幸せはすぐに消えてしまうの!?」 三郎の死んだ崖へと走る千恵。記憶をほとんど失った三郎も後を追って走る。 「わからない……人の心だけはなぞだ」おろちも後を追いかける。 「来ないで!寄るとこのまま飛び降りるわ!!」三郎にしがみついて千恵が叫ぶ。 「あなたはケガをした足でここに来たのよ。私は心配で後をつけてきたのよ… でも崖から落ちてしまえばいいとも思ったわ。あなたの事故のケガは本当は酷かったのよ! 私は再び苦労を背負って生きなければならなかった!!私はみじめな生活が一番嫌なの、 私は幸せになりたかった!!だからあなたを殺したのよ!!」 三郎を崖から落とす千恵。三郎がつかまる手を必死に解こうとする。 「あの時もあなたはこうやってつかまった!あの時もこうやってつかまる手を無理やりはがした! だが今は違う!あなたはジュンを殺したの!!だから殺すのよ!!」 「あの手は私があなたの反応を示すために病院にあったのを送ったのよ!!」 おろちが止めに入るが、間に合わずに落ちてゆく三郎。千恵は高らかに笑っている…。 「なんということをするんです、行方がわからなくなってしまうわ、ジュンの行方が…」 風が三郎の肉を飛ばして、後には衣服と骨だけが残った。 おろちはいたたまれなくなり、ただ走る。ジュンを探してひたすら走るおろち。 やがて海岸の地下室を見つけ、ふたを開けてみた……。 そこには朽ち果てたジュンの死体があった。 「骨」終 #ここまでで文庫版2巻ぶんです。個人的にあまり好みじゃない話があるので 勝手ながら2話ぶんだけ紹介を避けさせていただきます、スマソ_| ̄|○ >200さん、門前家の話は書きますのでご安心を…。#
さては「秀才」と「眼」だな
>248 惜しい、「戦闘」と「眼」です_| ̄|○ 「秀才」は大好きなんで。 未読の方には申し訳ないのですが、いつか読まれた時のお楽しみということでご容赦ください。
おろちは神社で見かけたとても可愛い赤ちゃんに興味を惹かれ、 その子の人生を追って観察することにした。 立花家の赤ちゃん、優。K大を出ている父親と優しい母の元で幸せに暮らしていた。 「この子に勉強の無理強いはさせませんわ。心の優しい子に育って欲しいわ」 母が眠った優を抱いて寝室に行くと、そこに強盗が侵入していた! ナイフを突きつけられ、夫の元へ行く母。 夫はお金を出そうとするが、優が起きて泣き出してしまった。 強盗は焦って優の首にナイフを突き刺し、逃げてしまう。 強盗はすぐに捕まり監獄に入れられた。女房子どもにうまい物を食べさせたかったと言う 犯人の自供通りに彼の家には病気の妻と子どもが1人いた。 その出来事の後、立花一家は東京へ引っ越したが、すべては一変した――。 首の傷を怖がられて遊んでもらえない優。まだ幼い優に母は勉強を無理強いする。 めったに家から出してもらえず勉強とピアノを習わされる優。 「あなたはママの子だもの、ピアノぐらい弾けるはずよ!!」 強引に鍵盤に手を乗せ、弾かせる姿を見て父親が声を荒げる。 「優を虐げるのはよしなさい!!」「またお酒を飲んでいるのですね!!」 「やめて!!ママ!!」「ママと呼ばないでちょうだいっ!!」 すがりつく優を平手打ちにする母。お前は変わったと嘆く父に優の首の傷を見せ、 「これでも何も思い出せないというのですか!?悔しくはないのですかっ!!」と叫ぶ…。 幼稚園に通うようになった優。勉強はよくできたが遊びは全然だった。 傷をからかわれ、自分でも首の傷について考えるようになってきた。 「なぜ僕はこんな傷があるの?パパは木から落ちて怪我をしたって言うけど…なぜなの!?」 優に問い詰められ、強盗に優が刺されたのだと嘆く母。 そのせいでパパもママもすっかり変わってしまったのだと優の名を呼んで泣き出した。 「もう傷のこと聞いたりしないから泣かないで!」とすがる優を突き飛ばし、 「お前なんかに私の気持ちはわからない」と優を締め出してしまう。 ドアを叩きながら母を呼んで泣く優。その声を聞いてますます泣き喚く母。 「優!優!お前さえあんなことにならなければ!!」
ひとしきり泣き終えて優を家に入れ、勉強をさせる母。 「お前は刺されたあと酷い熱が出た、助かったがそのせいでお前はバカになってしまったのだ。 パパは諦めてしまったがママは諦めない、お前をなんとしてもパパが出たK大に入れてみせる!!」 優は小学生になった。成績はよかったが社交性がなくなり仲間はずれになってゆく。 5年生になった頃、宿題で10年前の新聞を調べていて、自分の家の事件の記事を発見する。 「立花浩氏の長男優ちゃん(1歳)が…賊に首を刺され………」大きく衝撃を受ける優。 帰宅して部屋に閉じこもり、翌朝ノートに自分を刺した賊の名を書き残して家を抜け出してしまう。 おろちはその後をこっそりつける。優は賊の夏江という長家に行く。 岩男は刑務所に入っていて、病気の妻シズが出てきた。咳き込みながら出てくるやつれたシズ。 優が名乗ると、突然泣き出して家に入ってしまった。「帰ってくださいっ!!」 「僕の首に傷をつけたのは誰です!?おばさんなら知ってるでしょう?」 「知りません、帰ってくださいっ!!」「おばさんっ!!」引き戸を挟んで泣き叫ぶ2人。 それを見ておろちは何十年ぶりかの涙を流す。だがその理由は他の誰にもわかるまい…。 それから優は変わった。自分からどんどん勉強をするようになったのだ。 母は父に優のことを相談する。何もかも知ってしまったのかと不安がる母に、 あの子がすべてを知って破滅が来た方が楽だと言う父…。 母が予想以上に勉強を進めている優。「あの子にはできるわけない!」とショックを受ける。 中学に進み校内2位となった優。1位は平井という男だった。 生徒達はK大志望なら付属校に入れた方が楽なのにと親を不思議がる。 体育の時間、優はいつもさぼって本を読んでいるが、こっそり教室に忍び込む。 生徒の持ってきた高級時計を取り、平井の机に入れた。 その後平井は泥棒扱いされて成績も落ち、転校していった――。 おろちは優の変わりようにショックを受ける。 優は母に平井の事件を話し、あれは自分がやったのだと言う。 母は驚くが、やっぱりって言ってるような顔だと言われて冗談はやめろと怒る…。
優は秀才ばかりの集まる高校にも難なく合格した。 おろちは遠くから見ているだけでは耐えられず、優と同じクラスに入った。 優は学校ではいつも漫画を読んでいたが、校門を出ると顔つきが変わる。 おろちはコーラス部に入らないかと優を誘い手に触れるが、 硬く閉ざされた心は変わらず、力が通じない。優は去って行ってしまった。 K大受験の模擬テスト前夜。母がコーヒーを差し入れるが無視して勉強している。 おろちは優の部屋の明かりを見ながら、「少し休みなさい」と力を送る。 手を休め、コーヒーを飲む優。安心しておろちは立ち去る。ところが……。 優は突然胃痛に苦しみ始めた!部屋を飛び出すとドアの外にいた母がどうしたのと叫ぶ。 優はなんでもないと部屋に戻った……。 翌朝。「優はきっと寝ているわ…起きれるはずがない…だってあんなに………」 部屋に行くと優はいない。もう模擬テストに行っていたのだ。 テスト会場に向かう優の様子に気付きそっと手で触れるが、優に拒まれ少ししか手当てできない。 それでも優はかなりの成績を収めた。 こうしてK大受験前夜。優の部屋に古い新聞が置いてあった。夏江シズの自殺記事だった。 「こんな記事を読んだくらいで眠れなくなるようなぼくではない!」 ぐっすり眠って受験を受けに行った。受験後優は3日間死んだように眠り続けた。 K大の教師に優の成績を電話で聞く母。合格を取り消してくれ、勉強人間にしたくないからだと 必死に頼むところに優がやってきた。慌てて電話を切る母。 「あんなに勉強を強制しK大に入ることを望んだあなたが今になってそんなことを言う訳は… 僕を苛めるための手段に過ぎなかった!なぜならぼくはお母さんの子どもではないからだっ!! ぼくは強盗の子どもなのだっ!!この前自殺した夏江シズの子どもなのだっ!!」
優が見た新聞には「優は首を刺されて死んだ」と書いてあったのだ。 そして夏江の近所の人に尋ねたら夏江家に子どもはいないと言われたのだ。 息子を殺された憎しみで犯人の子どもを無理やり引き取った。 そうして勉強を強要することが復讐だったのだ。 強盗の息子に何ができるかと思ったのだ、それを知って優は辛かったが必死に耐えた。 「実の母親からは手放されあなたからは苛められぼくはずっと一人ぼっちだった、 だが僕はついに勝ったのだ!きっといい成績でK大にパスしてるはずだ」 首の傷をつけたのは誰だと母に詰め寄る。母はタンスからナイフを取り出した! 「このナイフであなたを刺したのよ!お前なんかに子どもを殺された私の気持ちなど わかりはしない!まだお前は勝てやしない!!」 ナイフを優に向け刺そうとする。優はナイフの向きを逆にして避けた。 ところが母は自らナイフに身を押し当てた!!深々と刺さるナイフ。「おかあさん!!」 「おかあさんと呼ぶのはよしてちょうだい!!お前が呼ぶたびにどんなに苦しかったか… でももうお前の負けよ、今お前は私を突き刺して殺そうとしたのよ…!! やっぱりあなたは殺人犯の血を引いているのね、これで入学は取り消されるわ!!」 母にすがる父。「あなた!!ついに破滅の日が来たのよ!!」 「優!!私の優!!」涙を流す母。「優!!優!!」「おかあさんっ!!」 涙を流しながら母にすがりつき、母と抱き合う優。おろちは窓からその様子を見ている。 「これでいいのだ……どんなに憎しみあっていてもこんなに長い間一緒に生活してきたのだ… 2人は親子なのだ、そうでなければこんなに長い間暮らしてはこれない……」 その夜、立花家は静かだった。親子3人抜け殻のように眠っていた。 おろちは右手の包帯を解くと優の首に、母の傷に、父の疲れた顔にわけて当てると去って行った。 きっとみんなの傷は癒えるだろう。 「秀才」終
おつかれさまです
えっ、戦闘っておろち全編中の白眉だと思ってた
>255 ごめんなさい、「戦闘」も「眼」もいい話だと思うのですが 主人公が誤解されて苦しむのはとても辛かったので…テーマも深くて重いし。 あくまでも個人的な嗜好の問題ですのでお許しを。 作品自体はとてもよい物なので未読の方は機会があったらぜひどうぞ。
>256 読みたくてネット書店で調べたら文庫も現在絶版だったよ・゚・(ノД`)・゚・
逆に気になっちゃうよねw誰かそこだけかわりに紹介して欲しい…
「少女少年」予約します。
絶版でしたかΣ(゚Д゚) では責任とって後日軽めに紹介することにします(´・ω・`) はしょるけど許してください_| ̄|○
>260 ありがd。楽しみにしてます。でも無理しないでね。
クロノクルセイドの続きお願いします
未来冒険チャンネル5(柴田亜美)ってまだでしたよね? よければ近日中に書きますぜ。5巻まででいいんですよね? (リクされたのかなり初期だった気がするので依頼主おられるかしらん) ナーガスも書きたいけどコミクス少ししか持ってない。 集まったら書きますが当分先なので他の方もよければどんぞ
お疲れ様です&お久しぶりです。 ちょっと時間できたし溜まってるので更新しようとしたら人大杉…。 (IEで取ったログを元ネタにしてるため) 今週中には更新できると思いますので気長に待っててくださいー。 ちょっと前まで「ニュースサイトに紹介されて人増えたのはいいけどリクばっかだな…」 と軽くヘバってたんですが、最近またあらすじ書いてくれる人が増えてくださったようで ちょっと立ち直れました(笑) にしてもcomic4安定しないなぁ。
モツカリャ
辺境警備乙です。 こういう話だったとは想像してませんでした。
おろち「秀才」(・∀・)イイ! 激しく感動した 絶版か・・・orz いつか手に入れたいものだ
>156の「レヴァリアース」予約します。
4人目の能力者はシンだった。動物を操っていたのも。 襲い掛かるシン。流水は感染した使用人に退治させるが、 使用人はシンの牙により死亡。双子は屋敷の中の一室へ逃げる。 シンは壁を通り抜ける事も出切る筈なのに入ってこない。 不思議に思っていると、無数の鼠が現れた。鼠は双子を噛み千切る。 流水は流風を生贄にして自分だけ逃げるがシンに見つかり噛み付かれる。 そこに猟にきていた者たちが来て、シンが真由夏達を殺したのだと思い、 シンを銃で撃とうとする。シンは真由夏の死体を恋しそうに振り返りながら、逃げていった。 人殺しの犬を捕まえるため、町の青年団で山狩りをするという。 双子は病院で手当てを受けそこに泊まった。夜遅くまで山に逃げたシンは吠えている。 流風は犬が好きではない。それでも、長く尾を引く切ない遠吠えの意味は理解できた。 翌日、双子を襲いに来たシンは猟師たち撃たれる。シンは逃げていく。 うずくまるシンは、流風を見つけると血を大量に流しながら迫ってきた。 自分の命さえ投げ出せるほどに、シンにとって真由夏は大切な相手なのだ。 そこへ流水が現れ、手負いのシンを蹴って処方箋を奪った。 処方箋を手に入れれば用はないと、流水は去っていくが、 流風はシンを放っておけない。シンを捕まえようとしている青年団が 森尾家の戸締りをしたが、壁を通り抜ける事の出来るシンには関係ない。 流風は森尾家へ入る。シンの怪我の手当てをし、エサを与えるがシンは食べない。 「シン、貴方達の嗅覚はあたしの何倍もあるんでしょう。この部屋は真由夏ちゃんの 匂いでいっぱいなんでしょうね。匂いに包まれていればその人と一緒にいる 気になれるのかしら。写真があれば寂しくないのかしら。…あたしは、そうは思えない。」 流風は克之の写真の入ったロケットを出して見る。シンも自分も一人ぼっちになった。 「バイバイ、シン。元気でね」流風は次の処方箋を探し森尾家を出る。 シンなら青年団からも逃れられるだろう。流風はしばらく行った所の町で 食べ物を買い食べていた。追いかけてきていたのか、シンが現れる。 シンは牙をむく。殺されるかと流風は覚悟するが、シンは食べ物に噛み付いただけだった。 昨日自分の手からエサを食べなかったシンが…。流風はシンを抱きしめた。
双子のウイルスの事を克之は今日子の父に言う。かなり苦労したが、 感染した病院の職員から未知のウイルスが発見されたという。 椎名父はK大学病院の乃木教授と、甥の野々村士郎を紹介した。 鳩の持ち主、西村夕子は84歳で、数ヶ月前に死んでいた。 家人は鳩を飼えないからと放してしまったという。残りは一人、 C県白浜町の鏑木明。流風は道行く人に住所を聞く。 住所の場所には水族館があるという。水族館の職員だろうか? しかし、調べてみると鏑木明という職員はいなかった。 歩いていると、壁から手が現れ流風の首を締めた。男の手だった。 コロンの残り香をシンに嗅がせ、後を追い夜の館内に入るが、 シンは二つに別れた道で両方に匂いを感じる。単に間違ったのか、 5人目の能力に関係があるのか…そこへ警備員がやってくる。 警備員から逃げていると、後から悲鳴が聞こえ、足音がやんだ。 見に行くと、警備員が水槽の中に体をめり込ませ死んでいた。 これは真琴の力だ。人の気配に振り向くと、長い金髪の男が 走ってゆくのが見えた。紛れも無くジーンだ。 そういえば、あのコロンの残り香は、ジーンが生前つけていた物と同じだ。 水族館には克之と、それを追った流水が来ていた。 置かれていた物が宙を飛び、二人に襲い掛かる。薫の能力だ。 二人は金髪の男が逃げていくのを目撃する。 克之の存在に気付き隠れた流風は、肘から先の手に襲われる。 これは今日子の能力だ。起き上がると、そこにジーンがいた。 「海の底から戻ってきましたよ。貴方方を殺す為に」何故ジーンが生きている? ジーンの遺体を誰も見ていないが、生きているはずが無い… 怪我の痛みで集中も出来ない。流風は逃げるが、行く先々にジーンがいる。 イルカが流風を襲う。シンの能力だ。苦しむ流風をシンは力を使い救うが、 自らも動物であるシンは、ジーンに操られてしまう。
克之はジーンが使っていると思われる私室を発見。洋書や丈の高いズボンがある。 隣の部屋には、ズボン、コロン、本、靴などがもう一対あった。 ジーンから逃げていた流水は流風に遭遇する。 後ろにジーンがいるのに、流風の傍にもジーンがいる。ジーンが二人… 二人のジーンは髪を触る。すると、金色の髪がするりと落ちる。かつらだったのだ。 イアン・ヨハンセン、クリスチャン・ヨハンセンと二人は名乗り、 自分はジーンの従兄弟だと言う。以前ジーンは双子の従兄弟がいると言っていた。 髪の色こそ違うものの、顔はそっくりだ。ジーンとは両親が双子同士なためだ。 「ジーンとはずっと一緒に育ってきた。あいつの金髪と頭脳は僕らの自慢だった。 そのジーンをお前達が殺した!!ジーンはお前達を欲しがってたな。 死の国の黒い川の岸にいるあいつの所へ、お前達を送り届けてやるんだ!」 イアンは流風を捕らえ、ジーンがあれほど執着した女はどんな物かと犯そうとする。 克之は短剣でイアンの額に傷をつけ連れ去る。逃げてきた流水とも合流する。 双子の匂いを覚えているシンを利用し、イアン達はやって来る。 ジーンにより全ての能力を与えられイアン達はシンを操ろうとし、流風は戻ってくれと叫ぶ。 二人の間でシンは悩む。何かきっかけさえあれば。克之はシンを蹴り、 シンはその衝撃で流風の元に戻る。気が緩み眠った双子を克之は椎名父の 病院へ運ぶ。椎名父は、検出されたウイルスを使い治療薬を作ってみると言った。 続く
ゴカーンループのヨカーン 乙
おろちが忍び込んだ門前家という大きな屋敷。 そこには一草(かずさ)と理沙という姉妹がいた。 頭もよく美しく心優しい姉の一草。ことあるごとに姉と比べられ萎縮する妹の理沙。 自分が病気になった時に優しく看病してくれた姉のように自分も一草の看病をしたい。 そう思って理沙は姉のデザートに腐った物を入れる。 一草は苦しみ吐き出した弾みで窓から転落してしまう。地面に流れる血。 幸い怪我はたいしたことがなかったが、真意をわかってもらえず理沙は酷く怒られる。 ナイフで指を切り、姉と同じ血の色なのにどうして違うのかと悩む理沙。 学校へ通うようになっても優秀な姉と比較され続け、理沙は心を閉ざしてしまう…。 一草は夫を迎えて門前家の跡を継いだ。 陰気でひねくれた女性に成長した理沙は、本人の希望で遠くへ嫁入りした。 ところが一草の夫は病死してしまう。門前家の血が途絶えることを嘆く母親。 ホテルの経営者の元へ嫁いでいた理沙は、夫とケンカをして飛び出した。 酒を飲んで車を飛ばす理沙は、乗用車にぶつかってしまう。 おろちが咄嗟にかばったので理沙は無事だったが、相手の運転手は即死だった。 事故現場からよろよろと立ち去るおろち。ところが彼女の身体に異変が起きた。 百年に一度の永い眠りが、事故のショックで10年も早く来てしまったのだ。 「こんなところで眠っては、行き倒れの死人と間違われて処理されてしまう!」 人目に付かないところへと走るおろちは、崖から足を滑らせ転落してしまう……。 おろちは妙な目覚めを迎えた。自分の意志で身体が動かない。 そのくせ勝手に身繕いを始めたのだ。化粧をする自分を鏡で見て驚くおろち。 「違う!私の顔はこんな悲しそうな顔つきではなかった!」 自分を佳子(よしこ)と呼ぶ男女が自分を呼びに来た。 男女とともに親子ながしとして酒場を歌ってまわる佳子。 おろちはそれをただ佳子の中で見ているしかできなかった……。 仕事を終えた彼らの前に現れた裕福そうなふくよかな女性。 血縁だと言う彼女は佳子を引き取ると言って男女に大金を渡し、車に乗せた。 車の中でおばさまに詳しいことを訊ねる佳子。門前家に連れて行かれると聞いて 佳子の中のおろちは驚きを隠せなかった。この婦人はどこか見覚えがある…。
門前家の娘として迎えられ、立派な部屋を与えられ、ドレスに身を包む佳子。 大おばさま、つまりおばさまの姉という夫人は心臓が弱く、ずっと寝たままだという。 大おばさまの看病をして欲しいのだと言われ、一生懸命看病すると約束する佳子。 寝室には白髪の婦人が静かに横たわっていた。心臓が悪く動くと苦しくなるのだと言う。 そして、もう助かる見込みはないのだと…。 大おばさまの名は一草。そしておばさまの名前は理沙…! おろちが崖から落ちてから十数年もの年月が過ぎていたのだ。 生活してゆくうちに佳子と佳子の中のおろちの感情と動作が一致してきた。 皆が佳子に優しく、幸せな日々を送っていた。3日に一度主治医が一草を診察に来る。 医師の薬の調合具合で一草の容体がわかるようになってきた佳子。 少しずつ悪いほうに向かっている一草…それを理解し死を覚悟した崇高な姿が悲しかった。 佳子と一草はお互いの存在を幸せに思い、親子のように過ごすことを約束する。 幸せな気分で自室に戻ると、部屋中が滅茶苦茶に荒らされていた。 ショックを受ける佳子の前に高笑いをしながら理沙が現れる……。 前からお前が気にくわなかった、出て行け!と暴行を加える理沙。 自分の声や顔が門前家の者に似ていると喜びここに連れてきたのは理沙なのに。 「おかあさまっ!!」助けを求める佳子。だが声は届かない。 このために遠く離れたこの部屋を与えたのだと理沙は言う……。 翌朝、佳子は床の上で目覚める。気絶していたらしい。 理沙がなぜあんなに怒っていたのかわからないが、おかあさまとの約束のためにも ここを出てゆくわけにはいかないと決意を固める佳子。 呼び鈴が鳴る。ぼろぼろの服のまま一草の部屋へかけて行く佳子。 顔を見たら涙が止まらなくなり、理沙のことをつい話してしまう。 一草は妹の苦労を語る。交通事故で相手が死んだため重すぎる負担を抱えて出戻ってきた理沙。 やがて姉の自分が病気で寝込み、全責任が被さってきてしまった……。 「妹は自由奔放な性格に生まれついたため時折ヒステリーを起こすのです。 でも本当は心の優しい子です。あなたをここに呼んだのも皆が明るくなるだろうと…」
妹の不幸とあなたへの仕打ちは関係ない、理沙にはきつく言っておきますと一草は言う。 朝の挨拶に来た理沙に、一草はおこごとをする。理沙は別人のようにおどおどしていた。 ところが理沙は影で佳子を苛めるのだ。そのことを話すたびに一草の容体も悪化してゆく…。 「あなたと同じ血液型で体質の似た人がいれば、心臓移植の手術で助かります」 主治医の言葉に、けれどこのままでいいと運命に身を委ねる一草。 「私もおかあさまと同じ血液型です!だって私、門前家の血を引いている者ですもの!」 自分が死んだら心臓を一草にあげてくれと医者に頼む佳子。 その日を境にして、理沙の苛めはエスカレートしていった。 「自分の指輪がなくなった、盗ったのはお前だ!」 なぜか佳子のバッグに入っていたダイヤの指輪をはめた手で良子の顔を何度も殴る。 さらには理沙に似せて作られた人形が廊下に釘で打たれていた。 激怒した理沙に釘で刺されそうになり必死で一草の元へ逃げる佳子。 部屋に入ると、一草が発作を起こして苦しんでいる!医者を呼ぼうと階段を駆けおり、 足を滑らせ転落する佳子。『死ぬ!私の身体はいま死ぬ!いま何かが壊れた!!』 慌しく走る足音を聞きながら、おろちは意識を失っていった――。 突然目覚めるおろち。崖から洞穴に転がり落ちたらしい。 今までのことは夢だったのかとぼんやり考えるおろち。 気付くと衣服がぼろぼろになっている。 「眠ってる間に十数年が過ぎたのだ!もしやあれは…門前家に行ってみよう!!」 力の限り走り、その日のうちに門前家に到着するおろち。夢で見たのとまったく同じ情景だ。 「容体が悪くなって苦しむ一草は?悪鬼となった理沙は?私自身だった佳子は?」 階段には血の跡がある。一草の部屋へ飛び込むおろち。 手前のベッドに佳子が横たわっている。佳子そっくりのおろちに怯える使用人たち。 奥のベッドでは一草の周りに皆集まっている……。 「あまりに門前家のことが気がかりだったことと佳子が私にそっくりだったために 私の精神はこの少女に入り込んで……一草の容体は悪いようだが、神のように神々しい」 心臓の移植をすれば助かると理沙は言う。「もちろん姉は拒むでしょうが……」
医師が佳子の血液を調べる。が、佳子の血液はまったく違う!手術は不可能だ! 「そんなはずはない!!うそだっ!!」取り乱す一草を見て高笑いする理沙。 「私はこの時を待っていたのです!もうあなたの前で何を言っても怖くない! 佳子の心臓はあなたに合いません、佳子が門前家の者だというのは嘘だったからです!!」 佳子ははじめから門前家の者でないと知っていた。おろちは佳子の額にそっと触れる。 まだ意識だけは残っていた『おかあさま許して……おかあさまのそばにいたかったから 嘘をつきました……本当の娘みたいになりたかったから血液型も嘘をついたのです』 佳子の身体の中に入り込んでいたのにおろちは気付かなかった。 「もともとあなたは心臓の移植をしても助からなかったのですよ! 医者に頼んで慰めの言葉をかけてもらっただけです!」 「うそだ!!心臓をおくれ、佳子の心臓をおくれ!!」 佳子の心臓に何度も包丁を突き刺し笑う理沙。半狂乱の一草。 佳子の残っていた意識も途絶えてしまった……。 「みんなは私を鬼だと思っているわ、でももう平気よ!!鬼はあの人よ!! 佳子を死ぬように仕向けたのはあの人よ!私の指輪を佳子のバッグに入れたのも 私の人形を壁に打ちつけたのも!佳子の死を一番願っていたのはおねえさまよ! 見るがいいわ!!」一草のベッドの布団をめくると、そこには金槌や裁縫道具が……! 「おねえさまの容体が急に悪化したのは細工をするために動き回ったからだわ!! 心臓移植をすれば助かると聞いてからあなたの理性は狂ったのです!!」 一草は最後まで口汚くわめきながら苦しみぬいて死んだ。横たわった姉に理沙は言う。 「あなたを神のような人として死なせたくなかったのです。 死ぬ一瞬に神のようなあなたが卑しい女と言われ死ぬことが私の目的だったのです」 小さい頃から姉に比べられ惨めな思いをしてきた理沙。やっと家を抜け出たのに 事故を起こし戻って来てしまった。賠償金を払ってくれた姉の前では手も足も出なくなった。 一草に面影の似ている佳子を連れてきて姉の代わりに苛めて鬱憤を晴らした。 一草も佳子の死を願うようになった……理沙もそれを願った。一草の卑しい姿を見るために。 一草にも理沙にも、佳子は道具に過ぎなかった。でも佳子はそれを知らずに死んだ……。
「一体誰が悪かったのだろう?でももう二度とあのような悲惨な出来事は起きない」 門前家を後にするおろち。行きずりの人が少女の去り行く姿を見たという。 だがあなたはあなたの側で見守るおろちを知らない…そしておろちの去っていったことも知らない。 「血」終(最終話) #文章がキリよく投下できなかった_| ̄|○ごめん これが最終話ですが、前述の通り抜かした作品「戦闘」と「眼」を後日投下します。 作品は「姉妹」「ステージ」「カギ」「ふるさと」「骨」 「戦闘」「秀才」「眼」「血」の順の9作品です。
イアンは額につけられた傷を見る。もうジーンの替え玉をやる事も無くなった。 ジーンを追って亡命し、それからジーンの傍で暮らしていたイアンとクリス。 ある日ジーンは面白い手紙が届いたからと意気揚揚と日本へ行った。 それまで学問ばかりで人間に興味を持たなかったジーンが執着する双子。 双子を見たくて日本を行き、四つの能力を作るのを手伝ったのも、 それを全て自分に身に付けたのも面白半分だった。 まさかジーンが海の底に沈んでいくのを見る事になるとは思わなかった。 イアンは水槽からアコヤ貝を取り出す。中には真珠でコーティングされた甲虫が。 「もっと大きな生物を核にする事が成功すれば…ルミとルカ、 美しい一対の双生真珠を海に還してやろう」 イアン達を倒すため、流水は流風と手を組む。傷が治り始めた頃、 月は膨らみ力も戻りかけていた。そこへイアン達が現れ2人をさらう。 気を失わされた双子が目覚めると、傍には真珠のような光沢のリアルな猫の置物があった。 そこへイアン達が。リアルなのも当然だ、それは猫を核とした真珠なのだと言う。 驚きで地面に落すと割れ、中から猫の死骸が。 促されるまま扉の外へ出ると、大きな生物を入れるため、 巨大なシャコ貝とアコヤ貝を遺伝子操作したという無数の貝が水の中に沈んでいた。 特殊な防腐液を注入された生き物を中に入れると、さきほどの猫の置物のようになると言う。 イアンは貝を開く。中には真珠の光沢をした人間が。 「最終実験も成功だな。これで失敗無くお前達を真珠にしてやれる」 双子は建物の外へ逃げる。この建物は大学のようだ。 「流水、流風。どこにいるの?出てらっしゃい」隠れていると、懐かしい声がした。 双子達の姉の流依子だ。イアンは叫ぶ。出てこないのなら代わりにお前の姉を真珠にすると。 流依子は連れて行かれ、防腐剤を注射され、貝の中に入れられ沈められる。 まだ息はあるはずだ。双子は飛び出し、流依子を救う。しかし、流依子は既に死んでいた。 「貝に入れる前に打つ防腐液には安楽死の役割があるのさ」流風は泣く。 隣では、人を幾人も操り、殺し、無情となったはずの流水も泣いていた。
4つ年上で少し潔癖な姉。甘い母に代わって双子達を叱るのは流依子の役目だった。 その流依子が目の前で死んでいる。双子はイアン達に飛び掛るが、 倉庫の中に閉じ込められてしまう。冷静に考えて2人を殺す作戦を考えねば。 流風はイアンに、流水はクリスに連れて行かれる。クリスは流水とシンを一室に閉じ込める。 真由夏を殺した事を恨んでいるシンに襲わせようとしているのだ。 一方、イアンは流風を強姦しようとしていた。暴れていた流風はしだいに大人しくなり、 イアンに気付かれないように笑った。「あたしたちの見分けもつかないのね」 双子は倉庫にいる間に入れ替わっていた。コトの済んだ後、流水はニヤリと笑う。 「やってらんないわ。あんたキス下手なんだもん。ジーンはもっとテクニシャンだし、 克之さんはずーっと熱っぽい。あんたが一番ヘタだよイアン」 イアンは2人が入れ替わっていた事に気付く。そこへ助けに来た流風が。 流風は落ちていた拳銃を拾い流水と逃げる。弾から火薬をほぐし、 それを靴下に入れインスタント爆弾をつくり、二箇所に仕掛ける。 イアンとクリスが分かれる事を狙ってだ。案の定、クリスと離れたイアンを、 残りの弾で流風は撃つ。それを助けようとしたクリスは倒れる。 「何で飛び出したんだ!クリス!クリス!目を開けろ!」クリスは死んだ。 県外では騒ぎが起きていた。双子達がいる県の県庁や 行政が動きを止め、道路や新幹線、鉄道機関もその機能を止めたのだ。 感染者だらけの県の為、そんな事をするのは容易い。 しかし、極秘のうちに進めていた事をこんな派手に公に晒すとは… 士郎に乗せられ、克之は封鎖された県へ。 イアンが幼い頃。アイノとエーダは母と叔母のつけている真珠の指輪を羨ましがっていた。 「波の静かな満月の夜、真珠貝はぽっかり水面に浮かんでくるの。 そしてお月様のミルク色の光をくるくる巻き取って真珠ができるのよ」 真珠は6月の誕生石。双子座の宝物。真珠を欲しがるアイノとエーダ。 ジーンは大人になってからイアンとクリスに買って貰えと言った。 懐かしい思い出。皆逝ってしまった。誰もいない。失うものなど何も無い。
乃木教授と椎名医師は、警視庁にウイルスの事を知らせた。 警視庁はすぐに双子の身柄を抑えろと全都道府県に連絡した。 5枚目の処方箋を手に入れれば全てが終わる。流水は言う。 「あたし達が元のように暮らせる…そんな事出来るかしら……無理だ! 今も頭の中に憎しみと欲望が渦巻いている!抑えようとしても湧き上がってくるのよ! 元になんか戻れない!」苦しそうに頭を抱え、泣き出す流水を抱きしめた。 シンに匂いをかがせ、イアンの居る部屋を見つける。もしこの扉の向こうに入ったまま、 自分が帰らなければ、真由夏の住んでいた家に帰れと流風は言った。 イアンは水槽の中から真珠を取り出す。クリスと初めてつくった真珠。 それを握り締める。そこへ双子が襲撃する。イアンは双子を撃とうとするが、 シンに腕を噛みつかれ妨害される。イアンはシンの頭を撃ち抜く。 僅かに意識の残るシンはイアンを噛み続ける。そこへ無数のヘリコプターが。 封鎖された県を調べに来たマスコミの物だ。克之もいる。 腕にシンをぶら下げ宙に浮くイアン、それを追う双子。 流水はイアンを押さえつけ、涙を流した流風はイアンの胸を手で貫いた。 はじめてイアンの瞳を見た気がした。ジーンの瞳は北の冷たい氷の蒼だった。 イアンの瞳は違う。南の海の深い深い底の碧。激しい熱を秘めた碧。 「……アイノ…エーダ…」イアンは地上へ落ちていき、手から二つの真珠を零した。 双子はそれを追う。克之は双子をヘリコプターに乗せようとする。 急がなければ、マスコミのヘリも降りてくる。シンは乗ろうとせず、去って行く。 追おうとする流風に流水は言う。シンは自分の死体を流風に見せたくないのだと。 シンは昇っていくヘリコプターに向かい、長く尾を引き鳴いた。 「シンは死にに行ったんじゃないわ。真由夏ちゃんの所へ帰ったのよ。 シンは北へ向かった…真由夏ちゃんの家の方角へ。真由夏ちゃんの傍で暮らすのよ」 しばらく走り、シンはある店の傍の路地にうずくまった。体に雪が降り積もる。 「シン、むかえにきたわ。いっしょにゆこう。ね…シン」真由夏の姿が見えたような気がした。
警視庁の者は、すぐに双子を連れて来いと言う。 克之は士郎を人質に取り、ヘリコプターの運転手に、乃木教授の元へ連れて行けと命令した。 流風はともかく、流水は公の場にいつ力を爆発させるかわからない。 乃木教授の作った薬で力を、ウイルスにより現れた流水の中の憎悪を消し去らねば… 乃木教授は古墳から発見されたウイルスに『LUNA・1』と名づけ、 双子の体内に入り変化したウイルスを『LUNA・2』と呼び、 更に流水から他の人間に感染したウイルスを『LUNA・3』と名づけた。 LUNAナンバーのウイルスは熱に弱い。LUNA・1は冷たい古墳の中から 温かい外気に触れ無害化した。直後に吸った双子は感染し、部員は死んだが、 後に調査に訪れた者達が無事だったのがその照明だ。 熱処理すればウイルスは消えるが、LUNA・2は更に変化したウイルス。100度は必要だ。 しかしそれでは双子を焼き殺す事になる。 熱の代用として、研究の結果作られた治療薬を出す。 まだ研究段階で効果は五分五分。副作用はないだろう。二人は薬を注射する。 克之は大事な話があると流風を人気の無い部屋に連れて行く。 流水はそれを影で見る。「元に戻った時に君達にシコリが残らないために、言う。俺は流水を抱いた」 双子が仲のいい姉妹に戻るためなら、自分は身を引くと克之はいう。 流風は涙を流し、克之を殴る。しかし、それでも克之が好きだと抱きついた。 克之も抱き返す。流水はその場を去る。 克之を困らせたくて流風に言うぞと脅してみた事もある。 でもこうなる事はわかっていた。あんな光景を見たくないからずっと黙っていた。 苦しみと憎悪が、丸くなっていく月のように増殖する。 この苦しさとおぞましさが消えるなら、力なんかいらない!誰か助けて! 流水は一人、頭を抱えうずくまり、涙を流した。 続く
ルミタン………。・゚・(ノД`)・゚・。 続きが激しく気になります、乙です。
イアンはジーンに萌え萌えのフォモ野郎な上、強姦魔だと思ってたが、なんか自分の中で出世した。
薬がそろそろ効き始める時間。しかし、双子の能力は消えなかった。 治療薬はあくまでも研究段階なのだ。外からは、大人しく出て来いと警察の声。 イアンの零した双生真珠をお守りとして手に持ち、双子は取調べを受ける。 「もしウイルスが行動を左右するとしても、抑えられないのは意思が弱いせいだ」 ウイルスの効果など信じない刑事の言葉に流水は激昂する。 「あんたに何がわかるの!欲望と憎しみが自分の意志と関係なく膨れ上がってゆく、 苦しさとおぞましさがあんたにわかる!?頭のどこかでそれが醜いものだとわかってるジレンマがわかる!? あたしだって多くを望んだわけじゃない!望んだものは一つだけよ!」克之の姿が浮かぶ。 悲鳴のように叫び、流水は刑事を4人殺して走り去る。 流風は後を追い、真珠などお守りにならなかったと地面に投げ捨てる。 割れた真珠の中に何かが入っている。アイノとエーダの写真だ。 流水も真珠を割る。最後の処方箋が入っていた。 「あんたが2枚、あたしが3枚。処方箋は全部出揃った。流風、最後の決着つけようじゃないの!」 泣き笑いながらそう言い、双子はしばらく見つめ合う。「またね」流水はやがて去っていった。 『最後の決着』。それは流水か流風、もしくは二人ともの死を意味している。 警察病院で治療という名目のもと監禁されていた流風に退院許可が出た。 士郎の保護下で乃木教授の治療を受けられる。そこで流風は、非公開ではあるが、 流水に射殺許可が出ている事を知る。いまだ双子の住んでいた県は封鎖されている。 そして感染者は増え続けている。流水の姿勢が変わらない限り、殺すしか道はない。 流水にはもう行き場がない。一方で流風は克之や乃木教授に、抗体があるからと 手厚く保護されている。それもすぐ終わる。次の満月の日、流水に再び会ったら…… 最後にと、流風は克之に抱いてと言う。克之は途中でやめる。 「続きは帰ってからだ」克之は気づいている。流風にもう帰る気が無い事に。 人を支配し殺す事以外に流水は生きていけない。 許されない事だ。だから片割れである自分の手で終止符を打つ。 そのかわり一人では逝かせない。もう一人にさせない。自分も一緒に逝く。
流風は感染者に花を渡される。白木蓮だ。小早川家にもある花。 …流水が家へと呼んでいる?今日は満月。力が最高の日。 流風は自宅のある県へと向かう。止めたが、克之もついてくる。 県の封鎖は解かれていた。流水が呼んでいるのだ。 自らも県へ向かおうとする士郎に乃木教授は言う。今日は満月、そして今年一番の大潮。 双子の力は最大となる。それからもう一つ、今世紀最後の皆既月食が見られる。 これが双子の力にどう影響するのかはわからない。 感染者に襲われ、流風は克之と分かれる。流風は自宅へ向かう。 流水はいない。虚ろな目をした両親がいる。懐かしい家、懐かしい空気。 だけど流依子はもういない。二度と昔には戻れない。流水がどこへ行ったかは見当がつく。 双子が決着をつける場所は、あそこしかない。流風は汚れた服をかえようとし、ある事に気づいた。 克之と士郎は合流する。双子は一体どこへ行ったのか。 「双子が最初にウイルスに感染したあの海だ!」克之は叫んだ。 双子は制服姿で向き合う。流水の制服がない事に気づき、流風も制服を着て現れた。 制服は、双子がまだ普通の少女で、幸せな日々を過ごした頃の象徴。 双子は互いの体を貫こうとする。流水の方が強い。速い。差のない双子なのに何故? 「流風、あんたは全ての美徳を手に入れた。優しさ素直さ愛情。だからせめて世界くらいあたしが手に入れる!」 流水の強さと速さに、ジーンを思い出す。ジーンと戦った時とまるで同じ感触。 その事に気づいた流風に勝ち誇ったように言う。流水は、ヨハンセン兄弟が維持していた ジーンの研究室から手に入れた、ジーンの血を自分に注射したのだという。 一時的な効果だが、流風に勝つには十分だ。乱闘を繰り広げる双子のもとへ、 克之や他県の警官達が来る。警官は双子の区別もつかないのに発砲しようとする。 この体で止めても撃たせはしないと克之は前に立ちはだかった。 月食が始まる。宙に浮いていられなくなる。力が少しでも残っているうちに… 双子は突進し、流水の腕が流風の胸を、流風の腕が流水を貫いた。 それは不思議な感触だった。 相手を貫いた自分の腕も――貫かれた胸も―― 指を染めた血さえ、違和感がない。 ―――これは確かに自分と同じものだ!
二人は同時に倒れるが、克之に起こされる。流風は無事だ。 貫かれた瞬間、まだ力の残っていた流風は、壁を通り抜ける応用で腕をすり抜けさせた。 隣にいる流水は、内臓に傷をつくり血を吐いている。すり抜けられなかったのだ。 恐らく、力を増加させた分だけ月食の影響も多く受けていたのだろう。 だから力が消える早さも流風より早かったのだ。流水はもう助からない。 流水を殺そう、そのつもりでここへ来た。しかし、いざ苦しむ流水を見ると… 「あんたの勝ちだよ。処方箋はあんたのもんだ。これを始めたのはあたしよ。 だから…幕を下ろすのはあんたの役目だ。あたしがやった事の幕引きはあんたの義務だ」 流風は周りにいた警官から銃を取り、まだ意識の残る流水のこめかみに当てた。 「…あんたと双子で、けっこう楽しめたよ」「うん…」二人は涙を流す。 幼い頃から一緒に育った、大切な双子の姉。自分の半身。 引き金は引かれ、辺りに銃声が響く。頭に穴をあけ血を流す流水。 月が姿を戻したように、時はこの出来事を人々の頭から消し去り浄化するだろう。 5枚そろった処方箋により、治療薬も作られる。全て元に戻る。 心の痛みもいつかは消えるのだろうか。泣く流風を克之は抱きしめる。 ウイルスが残っている可能性があるからと、流水の家も私物も焼却処分される事になった。 全てを燃やせば流水が生きていたという証が消える。それさえも奪うのか、 一つぐらい流水の形見をくれと流風は泣きじゃくる。克之は言う。 「流水の形見ならあるさ。君だよ、流風。その髪も瞳も手足も、 みんな流水と半分ずつにしたものだろう。君自身が流水の形見だ」 流風は、流水の形見である自身を抱きしめた。 体の奥にもう一人の自分を感じる。流水、一緒に行こう。 異質な夜を終えて正常な朝に向かって――― 今――――海の闇が明け、月の影が消えてゆく。 <完>
修正お願いします。 >142 下から13行目。 ×しかし克之な尚も好きだと言う。 ○しかし克之は尚も好きだと言う。 >225 上から14行目。 ×感染ている牧瀬は ○感染している牧瀬は
121の、三原順「ムーン・ライティング」やります。 最初に断っておきますが、短くまとめようと努力した結果、 面白さが激減してしまいました。 実際に読んでみると、豚になったトマスがかわいいです (見た目と性格にギャップがありすぎて)。 登場人物のセリフも笑えるものが多いです。 が、とりあえず粗筋だけ。
ダドリー・デビッド・トレヴァー(D・D)は学生時代の友人トマス・リブナーから 手紙で助けを求められた。あのときの約束がまだ効力をもっているなら、と。 少年時代、トマスはD・Dにだけ、彼の祖父が狼男だと打ち明けていた。 D・Dはただの空想だと思っていたのだが、のせられやすい性格のため、 トマスが変身したら匿ってやると約束したのだ。 トマスから来るなと言われた、月が1/4に欠けた夜、D・Dはトマスのもとを訪ねる。 しかし、そこにいたのは、ガウンを着てタバコを銜えた豚。 愕然とするD・Dに、豚は、再会を祝して乾杯しようと言って酒を勧める。 翌日、目を覚ましたD・Dは人間のトマスと10年ぶりに再会。 一人では耐えられそうもないというトマスのため、しばらく滞在することにする。 トマスは「ムーン・ライティング」というレストランを経営していて、 上弦の半月から下弦の半月まで営業し、残りの半月は人里から離れた場所にある レストラン兼自宅に籠もって過ごしていた。 彼から、彼の父は半月に猪に変身したこと、父の死後、1/4の月が上空にある間 豚に変身するようになったことを聞かされる。 しかし、その話を聞いていたD・Dの脳裏に浮かんだのは、料理された豚の姿。 空腹だったD・Dは火のついたタバコを握り締める。 トマスは養豚場を経営するロビンスから豚泥棒と疑われていた。 ロビンスが飼っている豚のスザンナが、月の細い時期に決まって荒れ、 脱走を繰り返してはトマスのところへ行こうとするからだ。 彼は行方不明の豚がトマスのところにいるに違いないと思っていたが、証拠はない。 トマスはロビンスとスザンナを葬り去りたいと考えていた。 D・Dはしばらくこの地を離れてみてはどうかと勧めるが、レストランで成功して いるトマスは取り合おうとしない。
レストランが休業期間に入った日、D・Dはトマスから、豚に変身するというのは嘘で、 D・Dをからかっただけだと、豚のぬいぐるみを見せられる。 しかしD・Dは、あの夜酒に眠り薬が入れられていたこと、意識を失いきる前、 豚がD・Dの喉元にナイフを振り下ろそうとしては止め、床に放り出しては拾いに行き、 という動作をを繰り返していたことを覚えていた。 それを告げられたトマスは、やはり殺しておけばよかった、と呟く。 彼はD・Dを殺して沼に沈め、時折訪ねて、(死んだ)D・Dを話し相手にしようと 考えていたのだ。 D・Dがトマスを訪ねてきて3週間。1/4の月の夜がやってきた。 パブで飲んでいたロビンスは、酒を盗んでトマスの店をクビになったリチャードから レストランの酒倉で豚を見たと聞かされる。 リチャードはクビにされた腹いせに嘘をついたのだが、ロビンスは怒り狂い、 スザンナを連れて「ムーン・ライティング」を襲撃する。 このとき、D・Dはやっとトマスからロビンスとの関わりを聞く。 トマスは豚に変身したショックで弱気になっていたため、仲間を探してロビンスの 養豚場に入り込んでしまったことがあり、そのとき背中にロビンスの養豚場の 烙印を押されていたのだ。 D・Dは変身したトマスを連れて車で逃げるが、車はリチャードに細工されていて、 ブレーキが利かず谷底へ転落。トマスがD・Dを連れて車から飛び出すが、 迷路のように入り組んだ洞穴に突っ込んでしまった。 変身したトマスの体は、鞠のように弾みやすく、非常に強靭らしい。 トマスがクッションになってD・Dは無事だった。
出口を見つけられないまま数日が経過。 コウモリと鍾乳洞のたまり水で飢えをしのいでいた2人だが、トマスは再び豚に変身。 いじけて、思いつく限りの豚肉料理を挙げはじめる。 堪りかねたD・Dが殴ると、トマスは壁にぶつかってはね返り、拗ねと嫌がらせで そのまま滅茶苦茶に跳ね回って、しまいには天井を突き破ってしまう。 脱出したトマスは、豚になって外出したときに使う隠れ家へ行き、電話で情報収集。 事件の噂は広まっていて、D・Dは死んだと思われ、リチャードはいつの間にか 姿を消していた。 トマスはD・Dの母を巻き込んでアリバイ工作(D・Dの母はトマスに甘い)。 彼は休養旅行に出かけてD・Dの両親を訪ねていたことにして、D・Dの母は 息子から「酒倉に豚が投げ込まれたけど、どうしよう」と電話があったと証言。 D・Dを亡くしたことに対する同情のおかげで、トマスもD・Dの母も余計な詮索を 受けることなく、豚を投げ込んだのも盗んだのもリチャードということで解決。 そしてD・Dの母は、謝りにきたロビンスを慰め、スザンナを譲ってくれるように頼む。 ロビンスは二つ返事で承諾。トマスは邪魔者を追い払って、万々歳。 その間、D・Dは洞穴に取り残されたまま。 やっと救出された頃には、とうに休暇が終わっていて、バイトをクビに。 ショックを受けるD・Dをよそに、母とトマスは遊びに出かけていく (トマスは彼女を慰めるため仕事を休んで付き添っていることになっている)。 「結局、オレは何だったのだろう。」 トマスのため、もうしばらく隠れ家に潜んでいなければならないD・D。 不貞寝して空想にふけることにする。 「ムーン・ライティング」終わり。 この後に3話続きますが、それは後ほど。
世界を支配しようとしていた邪神竜ディアボロスは、わずか7歳の少年に倒される。 しかしその10年後にディアボロスは復活、少年はディアボロスに殺されてしまった。 その仇を討とうと、旅に出たウリック。 一週間前、魔物に襲われていたアドビス国の王子、シオンを助けた。 シオンは恩を返す為に、ウリックの旅の手伝いをすると言う。 しかし実際は手伝いどころか、わがままな身の振りにウリックは逆に迷惑していた。 川端での食事の準備が済んだ時、二人はノヅチという魔物に襲われる。 シオンは「俺様の出る幕じゃない」と言い、魔物の撃退はウリック一人で行うことに。 ウリックはシオンに怒りを覚え、油断してノヅチの毒を受ける。 テリアカ(毒消し草)は無く、ウリックはそのまま気絶してしまった。 シオンに背負われていたウリックは目を覚ました。 右腕は応急手当され、ノヅチの群れはシオンに倒されたのだと知る。 近くの町で宿を取り、個室でウリックはロケットペンダントを取りだした。 中には、ウリックと青年の写真が入っている。 「兄さん…きっと敵は討つ…」ウリックは泣きながら、写真の兄に呟いた。 シオンは夢を見ていた。幼い頃のシオン。ザードと言う青年と話している。 もし自分が帰って来なかったら、村はずれの森で一緒に暮らしている子供を守ってくれと、ザードは頼む。 シオンは約束した。「命にかえても守る」 ザードが向かう先にはディアボロスの影があった。シオンはザードを止めようと手を伸ばし、夢から覚めた。 朝、ウリックは買い物を済ませ、シオンの泊まっていた個室を開ける。 ベッドやタンス、花瓶までひっくり返して捜すが、シオンは部屋に居なかった。 城に帰ったのだろうと、ウリックは一人で町を歩く。息を切らせていたシオンを見付けた。 シオンはウリックが買い物に行っていたとは知らず、必死に捜していたのだと言う。 我がままで勝手だけど多分良い奴だと、シオンに対する考えが少しだけ変わったウリックだった。
町の近くにあるシング・サの森。そこで怪しげな光を見たと、少年は訴えていた。 その森で光を見たのは、六人目。 悪いことが起こる前触れだと少年は言うが、町のオヤジはデマを言うなと少年に乱暴する。 ウリックとシオンはオヤジを退かせ、少年の母親に「光」について問いかけた。 一週間ほど前から、シング・サの森で怪しげな光が目撃されていた。 今のところ害はないようだが、町の近くで魔物が住み着くようになってしまったと言う。 魔物が出現した理由は光にあるのかも知れない。 旅の修行僧が光の正体をつきとめる為に森に向かい、未だ帰ってこない。 少年の家でスープをご馳走になり、その礼にと二人は光の正体をつきとめることになった。 二人はシング・サの森で噂の光を見付け、その光を追いかける。 その先で、空腹で倒れていた女性を発見した。 食べ物を貰い元気になった女性、セリア。彼女が町の話に出ていた旅の修行僧だった。 セリアは二年前、魔物に食べられそうになったところをザードに助けられた。 村人達はザードの為に宴を開いたが、ザードはそのまま去ってしまった。 「皆…分かっていない」ザードの言葉の意味を知りたくて、旅をしているという。 ザードは死んだと言われているが、きっと生きている。セリアはそう信じていた。 光のことをすっかり忘れていたウリックは、三人で光を追おうと言い出す。 しかしシオンはそれを断固拒否。 シオンは大の女嫌いで、チャラチャラしていて鬱陶しいと女性をけなす。 それに腹を立てたウリックは、シオンを食料袋で殴り、セリアと二人で森の奥へ行ってしまった。
ウリックは「人間」と友達になったのはシオンが初めてだった。 旅の手伝いをしてくれると聞いて嬉しかったのに、実際は邪魔をされてばかりだと愚痴を零す。 セリアは「そんな我がままな人と別れて正解よ」と言うが、ウリックはその言葉に反論する。 笑うセリア。ウリックは話をはぐらかそうと、光を探し始めた。 二人は本来この大陸に生息していないはずの魔物、イピリアの奇襲を受ける。 だが、謎の水魔術によりイピリアの首が刎ねられた。 イピリアの墓を作るウリック。ウリックは魔物を殺さずに、気絶させているだけだった。 魔物を殺さないのは兄からの受け売りで、この世に本当に悪い子は居ないとウリックは言う。 「でも、悪いコトをしている魔物は倒しているのネ」とセリア。 「兄さんが生きてるもの殺すわけナイよ、それは何かの間違いだよ」ウリックは笑う。 ザードは何万という魔物を殺した勇者だと伝わっている。ザードという人物に、セリアは疑問を感じだした。 その時、森に「助けて」という声が響く。アムピスバイナという猛毒を持つ魔物が襲ってきた。 アムピスバイナは、本来別大陸に生息する魔物。居るはずのない魔物にセリアは困惑する。 ウリックは、アムピスバイナの注意を引きつけている間に逃げて、とセリアに言う。 一人でアムピスバイナを倒そうとするウリック。そこにシオンが颯爽と登場。 シオンは水魔術を唱え、アムピスバイナを一撃で倒してしまった。 シオンがウィザードだったとは知らなかったウリック。先程のイピリアもシオンが倒したものだった。 ついでに逃げようとしていた光を捕まえたシオンは、その光を懐から取り出す。 光の正体は小さな妖精の少女、レムだった。
レムが昔住んでいた地域は、天候がおかしくなり住めなくなっていた。 妖精達は住みやすい土地、シング・サの森に移動。魔物も同じく、住みやすい土地に移動したと言う。 光と同時期に魔物が生息し始めたのは、その所為だった。 天候がおかしくなったのはディアボロスの所為なのか、どこに行けば会えるのかとウリックはレムに問い質 す。 そんな事言われても分からない、と泣き出すレム。 しかしウリックがザードの弟だと知れば、レムは周りに隠れていた妖精達と共に歓喜した。 妖精の女王は昔ザードの世話になっていた。ウリックはディアボロスの居場所を女王に問う。 ディアボロスは別の次元にいて、兄の歩んだ道を行けば会えるだろうと女王は言う。 女王は旅の手伝いにとレムを指名。新たな旅の仲間が増えた。 町に戻り、セリアは光の正体は妖精だと告げる。町に害は無いと知れば、住人は安心した。 セリアはこの町から南に行くと言う。 行く当てのないウリックに、ザードがよく訪れた国、アドビスへ行くと良いと教えた。 「あなた女の子でしょ」セリアはウリックに小さく耳打ちをする。 必死に隠そうとするウリックだが、内緒にしておいて欲しいとセリアに頼んだ。 「どんな困難があっても、辛くても、あなたには仲間がいるんだから」 セリアと別れ、三人はアドビスへ向かう。 (続く)
人物紹介 ウリック…体術を得意とする男装の少女。兄であるザードの敵討ちをするため旅をしている。 シオン…法力の国アドビスの王子。魔法使いでわがままで女嫌い。 レム…妖精の少女。女王の命で一緒に旅をすることに。 月が二つある世界オッツ・キィムが舞台。夜麻作品はこの世界で統一されてます。 独特なファンタジーだけど用語とか説明するの('A`)マンドクセ コピペ失敗した。 >295の四行目から六行目、変に改行されたけど気にしないでホスィ…
食事中に読まない方がいいです、きっと_| ̄|○ 正(ただし)の父は、今時珍しいほどに親切な人間だった。 吐き戻して倒れている酔っ払いをお金を出してタクシーで送ってやったり、 近所で火事があれば真っ先に消火活動をし、焼け出された人を家に泊めてやる…。 恩知らずにも家財道具を持ち逃げされても、怒ったりしなかった。 傷痍軍人に会うと必ずいくらかのお金を入れてやる。 昔戦争でガダルカナル島へ行き、仲間内でただ一人生き残った苦労人だったからだろう。 正は父を尊敬していた。そして父と同じように真面目で礼儀正しい中学生だった。 父は正の通う中学の教師で生徒からもPTAからも評判がよかった。 おろちは興味を抱いて正を観察することにした。 そんなある日、正の前に松葉杖をついた片腕の男が現れた。 「お父さんに渡してくれ」と言われた風呂敷には骸骨が入っていた。 こっそり中を見た正は「こんな物見せられない」と、放り出してしまう。 その夜、眠れなかった正はこんな時間に鳴った電話に出た。あの男だった。 驚いて電話を切る正。父のうなされる声が2階から聞こえてきた……。 どうしたのですかと駆け上がると、仕事で疲れていてうなされたようだと言う。 「うちのお父さんに限って変なことがあるわけない」父には男の事は言わないでおくことにした。 翌朝、2人で通学途中に猫の死体を発見する。 父は「可哀想に」と埋葬してやった。やっぱりいつものお父さんだ。 数日後、学校帰りの正は、公園で妹の幸子が何か持って遊んでいるのに気付く。 「拾ったのよ」と言い、盗られないようにと抱えて家まで走っていってしまう。 拾った物を隠そうとしている幸子を見つけた。「手榴弾………!!」 本物かと慌てて追いかける正。幸子はそれを手にしたまま笑いながら家の外へ逃げ出した。 外で幸子がつまずき、倒れてしまう。そのショックで爆発が……!! おろちが慌てて2人の元へ駆け寄った。病院に運ばれる2人。 正の怪我は軽かった。幸子も転んだ弾みで爆発物が手から離れたため命に別状はなかった。
正宛てに手紙が来ていた。中には映画の招待券。 「レマンド橋のたたかい」封切りしたばかりの戦争映画の指定席だ。 座席に座り、映画を観る正。と、隣にあの片手の男が座ってきた! こっそり後をつけてきたおろちは2人の会話を聞いてしまう。それは恐ろしい話だった…。 夜遅く帰宅する正。父が心配しても「何でもない」と自室に入ってしまう。 それから正は変わった。すっかり元気をなくし、友達とも話をしなくなった。 父と行動するのを避けるようになる正。父の善行を見るたびに「嘘だ」と苦しむ…。 靖国神社に行き、事務所でガダルカナル島の戦いについて話を聞く。 そこでの生き残りの片手片足の男が月に2度はそこに墓参りに来ると言う。 今日ももうすぐやってくると聞き、待ち続けるが、男は来ない。 神社を出ると人だかりがある。片手片足の男がタクシーにはねられて死んだと言う。 翌朝、身元不明の死者として新聞に掲載されたが、まんべんなく新聞を読む父は ちっとも反応を示さない…。「やはりあの男が言った通りなのだ!!」 おろちは真夜中に忍び込み、寝ている父の額に手をやった。 腕を伝って彼の過去が流れ込んでくる……。 ガダルカナル島での激烈な戦い。日本軍の死傷者はいたるところに見られた。 日本からの輸送は途絶え、飢えに苦しむものたち。 立派な隊長のいる秩序の保たれた軍隊。そこに正の父・岡部がいた。岡部は仲間の兵士が 人間の死肉を食べているのを目撃する……。 やがて飢えは限界にまで達してきた。田村という男が死にたくないと苦しんでいる。 「マラリアや赤痢で死んだ奴はぶっそうだから、自然に弱って死ぬ奴を待っているのだ!! 俺は死にたくない!お前らに食われたくはない!!」 人を食った奴は人間じゃない、と言い残して田村は死んだ。 途端にみんなの顔つきが変わり、死体を取り囲んだ……。 必死に止める岡部を先輩の佐野が止める。肉は分配され、各々が隠れて食べた。 岡部は食べるのを拒み、どんどん衰弱してゆく。 「このままでは次に食われるのはお前だ」とトカゲの肉だと言って肉片を渡す。 「俺にお前の肉を食う罪を作らせたいのか!?俺のためにも食ってくれ!!」
肉のおかげで元気を取り戻した岡部。だが人肉を食った罪悪感に苦しむ。 「あなただけなぜいつも理性を保っていられるのですか!?」 「お前を助けたいと言う目的があるからだ、お前が俺より先に死んだら、 俺はあいつらと同じになってしまう!今夜やつらのうちの1人を殺すのだ!」 岡部を殺して食おうというやつらの気持ちは変わっていない、だから先に殺すのだ…! 置かれた包みを目の前に悔やむ岡部を佐野は力づける。 「生きることは悲しいことだ、けれども生きなければいけないのだ!!」 その後連合軍の警戒に動きもとれずジャングルにこもる日本兵たち。 いつの間にか姿を消す者が後を絶たなかった……。 佐野と2人で交代で仮眠をとる岡部。そこに米軍機が襲ってきた!! 上空からの爆撃で片足を失う佐野。右手も感覚がない。 まわりには誰もいない、佐野と岡部の2人だけ……そこに他の日本兵がやってきた。 撤退命令が出て明後日の夜船でこの島を出られると言い残してマラリヤで死んだ。 「助かる!!生きれる!!」 生きる望みができた時に、岡部の心に生きることへの執着がムラムラと湧いてきた。 「あなたは本当は恐ろしい人なのだ!私に親切にしたのは私が一番若くて一番体力があるから 一番最後の食料としてとっておくつもりだったのだ!!」岡部は叫ぶ。 必死に否定する佐野。「あなたを連れて行きたいけど、もうそれだけの力がない! でもあなたのこの片手だけは持って帰ります!!」佐野の腕を引きちぎる岡部…。 記憶の映像は一度途切れ、佐野の手を持ってよろけながら去ってゆく岡部の姿が映り、 すぐに消えてしまった……。 「なぜ岡部は生きる望みが湧いた時に佐野の腕をもいで持って行ったのだろう? 本当に佐野の形見として持って行こうとしたのかしら?それとも………!?」 船にたどり着くまでの食料にするつもりだったのか、それはわからない。 佐野の腕を食べたのか途中でなくしたのかもわからない。 奇跡的に助かった佐野は復讐のために現れたのだ。そうして正に父のことを話した。 佐野自身本当に親切だったのかそうでなかったのか、それさえもわからない。 すべてはあの信じがたい極限状態でのことなのだ……。
悩み苦しむ正に父が話しかける。 「戦争に行って苦しい体験をしてから、人に対して優しい心を持てるようになった。 親切にすることは親切にされたいということの変化した形かもしれない。 生きることは難しいことだ、お父さんはお前の尊敬できる人間でないかもしれない。 いつの間にか汚れた部分を巻き込んでいるものだ。それが理由では納得できないか? 親切にすることにわけがあったらお前は許せないかね」 苦しむ正。「僕にもお父さんの血が流れているということが怖いのだっ!!」 正のクラスは奥多摩へ植物採集に出かけた。 グループの皆に強引に勧められて、荷物を置いたまま洞穴探検に入った正たち。 ところが入口が崩れ、出られなくなってしまった! 思ったより皆が理性的なので安心する正。だが時間の経過とともに雰囲気が変わってゆく…。 皆の腹が減ってきた。正だけがカバンを持っていて、しかも中にはチョコレートがあった。 『僕は卑怯なことはしない!』と、皆で分け合って飢えをしのいだ。 それなのに皆はライトを落とした正に冷たく当たり、 君を元気付けるために洞窟探検を言い出したから正のせいで遭難したと言う。 翌朝救助される正たち。正の疲労が一番激しく、最後まで口をきくことができなかった。 正は皆をかばい洞穴に入った動機や中での出来事を喋らなかった。 やっと登校できるようになった正。ところが正のせいで皆が酷い目に遭ったと噂が広まっていた。 正を悪者にすれば、自分たちの浅ましい態度が隠せるからだ。 これでは父がガダルカナル島でした行為とちっとも変わらない。父も自分を怨んでいるだろう。 「お前を疑うつもりはないが、お前のとった態度にどのような責任あるか 聞かせてくれ」噂を聞いた父がそう言ってきた。 「お父さんにそんなことを言う権利があるのですかっ!? お父さんこそ人の肉を食ったことにどのような責任を持っているのですかっあなたは鬼だっ!!」 「ばかっ」思わず正を平手打ちにする父。正は家を飛び出した。
もう帰れない。人の肉を食ったのだろうと言った時の父の顔…やはり本当だったのだ。 そして僕噂のせいで教育者としての父の立場をまずくしたから憎んでいるのだ!! もう誰も、皆も、自分自身も信じられない正。 帰宅して父がいないのを知ると、自室に鍵をかけて閉じこもった。 怖い夢を見た。。父が自分を殺して食べようとするから、先に殺してしまう夢だった……。 今回のことで岡部が校長になりそこなったのだという噂が校内に流れた。 正はそれを知ってやはりそうかと失望した……。 その夜、父が土曜日に山登りをしようと言ってきた。母にも内緒で、昔一緒に登った山に。 登山用具は自分が揃えておくから、と。 自分がいる限り教育者としての父の立場も今までの苦労も水の泡だ、僕を殺す気だ……! そして土曜日。遠くでおろちが見守る中、山に登る父子。 ことあるごとに殺されるのではと警戒する正。山はどんどん険しくなる。 もうすぐ頂上というところで転校が急変した。吹雪で視界が悪く、足を踏み外して落ちる正。 右手で岩壁を、左手で正のザイルをつかむ父。父の右手が離れれば2人とも落ちて死ぬ…。 このままぶらさがっていたら父も死ぬ、それを知っててなおぶら下がったままの自分を嫌悪し、 「けものにはなりたくない!」とカッターでザイルを切ろうとする正。 「確かにお父さんは昔人の肉を食った、だから生きる権利はないと言うのか! 誰が罪を裁くというのだ、お父さんの手が離れたらどうするんだっお前は生きたくないのかっ!!」 リュックを捨て、両手でザイルをよじ登る正。それを必死に引っ張る父。 正は今までの父を思い出していた。 夜中にうなされて起きてきた父。車に轢かれて死んだ猫を抱き、可哀想にと埋葬してやる……。 もしお父さんが恐ろしい人でもごまかしでいい人ぶっているだけだとしても……… わけはどうあっても今までいいことをしてきたということは認めなくてはならないのではないだろうか? 吹雪の中、おろちは2人の帰りを待つ。 2人の気持ちが少しでも近付くために山に登ったのだ。 果たして2人は無事に降りてくるだろうか?それはわからない。 でもおろちは待っている、2人の降りてくるのを……。 「戦闘」終
個人的に一番辛い話を紹介し終えました(;´Д`)ハァハァ 修正お願いします…。 >301の「転校が急変した」は「天候」です、スマソ_| ̄|○
なるほど、こりゃ辛いですわ。おつかれさまです 海闇の方も超モツ(内臓) 他の方々もまたよろしゅう
「ご存知ですか?ガイバーとは降臨者の言葉で ” ━━ 規格外品 ━━ ” といった意味だそうですよ・・・」 秘密結社クロノスより、実験体が脱走した。”ユニット”を三個持ち出して。 「いかなる手段に訴えても─」という命を受け、人気のない場所で実験体を追い詰めた。 対峙した二人が戦闘形態へと変わる。二人とも“獣化兵−ゾアノイド−“なのだ。 実験体は簡単にねじ伏せられるも、隠していた爆弾を使い自爆。 三個あったユニットのうち二個が爆風で吹き飛ばされた。 主人公、深町晶は偶然ユニットを手に入れる。 ふとしたはずみで開放してしまい、「殖装体−ガイバーT−」となったのだ。 数千万年前に地球に降り立った”降臨者”と呼ばれる外宇宙の知性体の残した超生体兵器「ガイバー」 捕殖した知性体と有機的に結合しその生体機能を強化・増幅する未知の”超”生命体 これに増殖と暴走を抑える制御装置−コントロールメタル−が組み込まれ、殖装・分離の自在な ”強殖装甲システム”を形成する── これがユニット・ガイバーなのだ 晶と友人瀬川哲郎はユニット奪還を目論むクロノスに命を狙われることとなる。 次々と送り込まれるクロノスのゾアノイドもガイバーの圧倒的な戦闘能力の前に 敗れ去っていく。しかし、そんな晶のまえに現れたクロノス本部の監察官リスカー。 彼は第二のユニットの殖装者=ガイバーUだった。 ユニットの能力は一緒でも本格的に戦闘訓練を受けたリスカーの力に押される晶。 突然ガイバーUの制御装置に異変が起きる。先の爆弾騒ぎで破損していたのだ。 ガイバーUの制御装置を破壊する晶。制御を失った強殖生物は暴走し、リスカーを喰い始めたのだ。 ━制御装置を失った殖装者は強殖生物に喰われてしまう・・・!?━
新たに日本支部の指揮はクロノス本部よりリヒャルト・ギュオー総司令にまかされた。 従来の獣化兵をしのぐ超獣化兵−ハイパーゾアノイド−が晶の前に立ちはだかる。 戦いの最中偶然通りかかった幼馴染の瀬川瑞紀が獣化兵に連れ去られる。 その瑞紀を助け出したのは第三の殖装者=ガイバーVだった。 ユニットは三つとも開放されてしまったのだ。 ギュオーは新たに獣化兵をつくる。度重なる失敗の責任を負わされた前支部長巻島玄蔵を 「調製」し、対ガイバー分解酵素実験用獣化兵「エンザイム」が完成した。 その横には玄蔵の養子である巻島顎人がいる。クロノス次期幹部候補生であり晶達が通う 高校の生徒会長をつとめる顎人を使い、エンザイムをガイバーにぶつける。 エンザイムとの戦いはあいうちとなり、制御装置をえぐりだされる晶。 強殖生物となって暴走するも爆発したエンザイムの血液によって溶解してしまった・・・ 制御装置と共にギュオーの前に運ばれる哲郎。哲郎に向かってギュオーは語り始める。 調製した獣化兵を世界各国におくりこみ、地球をクロノスの支配下に置く。 獣化兵こそ人類のあるべき姿なのだ。人類はもともと”降臨者”の手によって作り出された兵器としての生命体、 獣化兵の素体として作られたのだから・・・今遺跡からえたノウハウを元に 人類はようやくあるべき姿にかんせいするのだ。われわれクロノスの手によって・・・ その時ガイバーTの制御装置が動き出す。付着していた一片の強殖細胞から増殖し全身を復元するのだ。 復活した晶は無意識ながらも脱出、哲郎を救出する。 ガイバーVの暗躍もあり日本支部は壊滅、自身で体験したこととはいえ強殖細胞の復元能力に不安と恐怖を感じる晶であった。
壊滅した日本支部よりギュオーはひそかに脱出、新たに晶達に襲い掛かる。 戦いの中ついに瑞紀に殖装をとくところを見られ、哲郎は事情を説明する。 晶としては好意を抱く瑞紀には知られたくなかったのだが、自らが巻き込んでしまったのだ。 晶は新たにクロノスと戦う決意を固める。 ギュオーは新たに増援を頼んだ。「損種実験体部隊−ロストナンバー・コマンド−」である。 調製過程で生殖機能を損なった一代限りの変異体、しかし彼らの中には正式採用獣化兵にはない 特異な能力を備えているのだ。 日本支部を壊滅させ、ガイバーに関するデータと関係者を一掃するつもりだった顎人は ギュオーを始末するため殖装する。 再びギュオーの前に現れたガイバーV、しかしギュオーは人間の姿でありながら ガイバーに匹敵する腕力をもっていた。劣勢と見て退散するガイバーV。 度重なる襲撃にギュオーは組織内の人間と気付く。 損種実験体との戦いのさなか、晶はルポライターと名乗る謎の男・村上征樹と知り合う。 彼の口から巻島顎人がクロノスの次期幹部候補生であることを知らされ、驚愕する晶。 そんななか、ギュオーの陰謀により晶の父、哲郎・瑞紀の三人が魅奈神山にある 遺跡基地(レリックス・ポイント)に連れ去られてしまう。そして顎人もギュオーの召集を受け遺跡基地へ。
魅奈神山の地底には降臨者の物と思しき生体兵器研究施設の”遺跡”が眠っている。 現在までに世界各地で発見されたどの遺跡よりも完全な形である。 「レリックス・ポイント」とはその”遺跡”をあらゆる角度から分析・研究する目的で作られた 一大地下研究基地なのだ。日本支部における獣化兵調製のノウハウ・そして”ユニット・ガイバー”も ここで発見されたのだ。 自らの野望のため晶やクロノスを利用していた顎人だったが 次期幹部に相応しい超獣化兵への調製を告げられ、哲郎たちに正体を明かす。 目的はクロノスの打倒であると。 殖装し、三人を連れ出そうとする顎人の前に五人の超獣化兵が立ちはだかる。 ギュオーは顎人の正体に気付き自分と同じ”十二神将”の一人で最高の科学者 ドクター・ハミルカル=バルカスを呼んでいたのだ。 バルカスが手がけた超獣化兵五人衆に苦戦する顎人。ガイバーTも駆けつけるが父親が再び捕らえられてしまう。 傷付いた晶たちは村上と共に顎人の別荘に身を隠す。そこで尾沼与平と孫の志津と合流する。 晶は父親を救出するべく顎人と二人遺跡へと戻る。あっさりと父親をとりもどせたことに疑問を抱きつつも 戻る途中、またもや五人衆が襲い掛かる。しかも二手に別れ別荘の方にも向かっているという。 ここは顎人に任せ、父親を背負ったまま別荘へと向かう晶。その父親が獣化兵へと獣変していった。 バルカスによって新たに改良されたエンザイムUへと。 父を呼ぶ晶の声もむなしくエンザイムUの爪はガイバーTの頭蓋を砕き脳を破壊した。 別荘に向かった五人衆のうちの二人は村上の思念に操られ、同士討ちをはじめる。 異変に気付いたバルカスが目を向けるとそこには獣神将−ゾアロード−となった村上のの姿が。 動揺し一時撤退する五人衆、さらにバルカスが意識を離した隙にガイバーTが再び動き始めのだ。
殖装者の意識が失われ、一定の時間が経過しても回復しなかった場合 強殖装甲は殖装者の生命を維持するために過剰防衛行動にでる── ガイバーTであっても今は深町晶ではない。ガイバーの真の戦闘能力が開放された。 駆けつけた哲郎の叫びも空しくガイバーの粒子砲(メガスマッシャー)が炸裂する。 強殖装甲の復元能力により晶は意識を取り戻したが、心ならずも実の父を手に掛けた 晶は心的外傷から記憶の欠落を招き殖装不能に陥った。 逃げる晶達に間髪をいれず晶の父親と共に調整されたエンザイムUが襲い掛かる。 窮地に立たされた晶達を救ったのは戦闘形体に変異した村上であった。 彼はクロノス最高幹部会、十二神将の一人、ギュオーのために試作調製された実験体だったのだ。 五年前クロノス内部で起こった山村教授の反乱。村上はその生き残りであった。 そして彼はギュオーのみが知り得た”強殖装甲”にまつわる恐るべき秘密をにぎっていた。 村上は静かに語り始めた・・・
──はるかな昔、外宇宙からこの地球に飛来した異星人の一団があった。 それが”降臨者”だ 彼らはそれから二億五千万年に渡って地球の生態系を操作し、 彼らが求める生命体を造りだそうとしていた 高い知能を持ち強い繁殖力と環境への適応力を備え そしてなによりも好戦的な兵器としての生命体を そうして幾多の試行錯誤の末生体兵器の素体となる生物が誕生した それが我々人類だ── 獣化兵は戦闘用に”調製”された人類だ ”調製”とは極めて短期間でその個体に遺伝子レベルでの変異を引き起こし 必要な形態や能力を付加することを言う 獣化兵に調製された者は人間としての属性はそのままに 驚くべき強靭な肉体と高い戦闘能力を持つ第二形態への”変身”が可能になる 目的や用途に応じて様々なタイプの獣化兵が開発された そうして生み出された大勢の獣化兵たちを統率し指揮するいわば司令塔として 開発されたのが”獣神将”である。獣化兵を凌ぐ強靭な肉体とバリヤーなどの特殊能力を持っている そして獣化兵は獣神将に、獣神将は降臨者に対する絶対の服従を遺伝子に刻み込まれているのだ ところが人類はついに戦場へ駆り出されることはなかった 降臨者たちがこの惑星から撤退したのだ 彼らに何が起こったのか、今となってはその理由をうかがいしる術もない
対して強殖装甲は降臨者たちが使っていたものである 標準装備として殖装していたのだ あるとき降臨者の一人が人類にこの”ユニット”を殖装させることを思いついた 兵器として開発された種に対して強殖装甲がどう反応するか興味をもったのだ 結果は驚くべきものだった 強殖装甲は彼ら降臨者が殖装した場合の数十倍・数百倍の威力を発揮したのだ そしてなによりも彼らを戦慄させたのは殖装した人類が彼らの精神支配から 解き放たれるということだった 獣化兵をはるかに凌ぐ戦闘力を持ちながら兵器としてはまったく制御不能な”人類の殖装体” 降臨者たちはこれを規格外品── ”ガイバー”と呼んだのだ さらには獣神将に調製された人類がユニットを殖装した場合、降臨者の手にもあまるほど 絶大なパワーをもった”超存在”になるという ユニットについてのくだりは山村教授が独自に調べたことであり十二神将ですら知られていない事実だ。 ただ一人リヒャルト=ギュオーをのぞいては。
初めてこんなこと挑戦したけど結構つかれる・・・ むずかしいもんなんだなぁ・・・
乙。仮面ライダーに似てる話なんだな。続きもよろしく。
海の闇月の影乙です。 なんか流水の方に感情移入してしまう。 漫画の方でも見たくなったから買ってきます。
少年は純白の鳥を連れていた。手の甲には宝石の様なものが埋め込まれている。 神と精霊と妖精から祝福を受けた聖なる剣。それを使い、たった独りの少年はディアボロスを倒した。 魔物に囚われたオディス国の姫を救いだし、少年――ザードは英雄になった。 ウリックはシオンに対して疑問を抱いていた。身なりは貴族だが、本当に王子なのか。 シオンの事を全然知らないし、シオンはウリックの事も知らないはずだ。 互いの事を知らず、よく今まで一緒に旅をしていられた、と悩みながら料理をするウリック。 その時、何かの気配を感じたが、ウリックは気にも留めていなかった。 ウリックの料理に対し厳しい点数(200点満点中30点)を与えるシオン。悲しみに暮れるウリック。 その時、地面から魔物が現れる。ウリックは一発蹴りを入れて、魔物を地面に埋めた。 先程の気配はこの魔物なのかな、とウリックは考える。 レムはウリックの強さに感激する。ザードに続く第二の英雄が生まれると期待していた。 「私達もディアボロスを倒して――」言いかけるレム。 その言葉をウリックは否定した。「兄さんはディアボロスを殺してない!!」 ザードは過去にディアボロスと話し合い、魔物と人との永遠の平和を誓っていた。 魔物も人も理解し合い生きていくのが本当の平和だと、幼い頃にウリックは聞かされていた。 ディアボロスは復活したと言われているが、実は殺されていなかっただけなのかもしれない。 ザードは10年前にディアボロスを殺していない。なのにディアボロスはザードを裏切った。 ウリックは泣きながら許さない、と言う。レムはザードを大バカだと罵った。 「ザードの敵一緒にとるゾ、絶対に。だからもう泣くな」シオンも涙を流しながら、ウリックを慰める。 シオンが何者でも構わない。微笑むウリック。 突然、シオンは何者かが潜んでいる、と声を潜めて呟いた。 その場から遠ざかろうと二人は走る。ウリックの足下目掛け、手裏剣が飛んできた。 先程からの視線は、数人の忍達だった。ウリックは忍に捕らえられ、気絶する。
ウリックは夢を見ていた。数年前、いつ旅から戻ってくるかも分からないザードを待っている。 木造の家の扉が開かれ、ウリックは兄が帰ってきたと顔を上げた。 「おらー!シオン様のお帰りじゃい!」何故か扉を蹴り開けてきたのはシオンだった。 ウリックは目を覚ました。同時に、忍にシオンが捕らえられた事を思い出す。 寝ていた所は高貴なベッドの上。見覚えのない部屋に、ウリックは混乱する。 レムは目が覚めたウリックに、ここはアドビス城だと告げる。 その時、夢と同じく扉を蹴り開けるシオン。服装は王族の着る正装だった。 襲ってきた忍達は、シオンを城に連れ戻す為に王に命じられていた。手荒な方法だったと、ウリックに無礼を詫びる。 シオンが本当に王子だった事に驚くウリック。 アドビスにはザードやディアボロスの情報があるかもしれない。 シオンはウリックに、アドビスの城下町を案内してやると言った。 シオンに町を案内され、ザードの事を聞いて回る二人。 ハギス神の神官が、二年ほど前に魔物に襲われ、ザードに助けて貰ったことを知る。 女臭い店が我慢出来ないと、シオンはハギスの神殿にウリックを連れていった。 (レムが平気なのは、小さくてよく見えないからという理由) ハギスの神官、ティクス。ウリックはザードの事をティクスに聞き出した。 ティクスはザードに助けてもらったが、ザードがどこへ向かったのかは分からないと言う。 ティクスの弟のルドは、ザードのように魔物を倒せるくらい強くなりたいという夢を持っていた。 「兄さんは魔物を殺さない人なのに、何故皆…」ウリックは思う。 ザードに関して知りたいのなら、打って付けの場所があると、ティクスは案内を申し出た。 シオンはその場所を知っているらしいが、その様子が尋常ではなかった。 アドビスは聖職者が多い町。王家も代々優れた法力を持つ、聖なる国。 シオンは確か魔力を操るウィザードのはずだと、ウリックはシオンに尋ねようとした。 丁度その時、ティクスの案内でザードを知ることが出来る場所に辿り着く。 そこは神殿だった。建てられたザードの像、信仰する人々。 ザードを神と讃えた神殿に、ウリックは呆然とするだけだった。
兄であるザードを神にされ、ショックで倒れかけるウリック。 ティクスはハギスの法衣を脱いでいた。他の神の前では失礼にあたるとのこと。 二人はザードを崇めた神殿の神官に会う。その神官は10年前にザードに会ったことがあると言う。 町に攻めてきた何十もの魔物を倒した、白い鳥を連れた少年。それがザードだった。 高いテンションで神官は言う。「ザードは北に向かった」と。 情報を集める為、ウリックは神殿にいる信者と話すが、まともな情報は得られないままだった。 ウリックはティクスに、皆は何を祈っているのか尋ねる。 「私達に魔物を倒す力はありません。こんな私達にできるコトは、ザード様の勝利を祈るコトです」ティクスは言う。 ウリックはザードの像を見上げた。大勢の人に兄が尊敬され、嬉しいような寂しいような、複雑な気持ちを持つ。 「やさしい兄さん。でも、本当は兄さん魔物を殺してたの?」 その時、神殿内に数人のハギス神官が訪れた。 ザードは悪魔だ、そう叫ぶ女、レイヤー。ティクスはレイヤーを姉と呼んだ。 ウリックは神官を呼び、ティクスはレイヤーを止めに入る。「またあいつらか」と神官は呟いた。 神殿の中央で言い争いを始める姉妹。神官が口論に加わるが、状況は悪化する一方だった。 痺れをきらせたシオンは変装を解き、争いを止める。 神官達は脅えるようにざわめき、レイヤーはティクスを連れて去っていった。 聞きたいことがあると、レイヤーを追いかけるウリック。 「何故ザードは悪魔かって?理由は簡単だ、ヤツは強すぎる」広場のベンチに座っていたレイヤーは言う。 二年前、レイヤー達は旅の途中で魔物に襲われ、ザードに助けられた。 戦う気力を失った魔物に剣を振るい、死んだ魔物に剣を突き立てるザード。 そこまでする必要はないのにと、その光景に脅えるレイヤー。 「……俺は殺してない」魔物の血で汚れたザードは呟いた。 (続く)
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234 :04/06/02 18:51 ID:???
これより「午後3時の魔法」あらすじ投稿します。 予定を大幅に超えて1600〜1950バイトくらいのレスを連続で6レスも書き込む事になりそうです。 なんだかすごく重いな。うまくできるか心配だ。
〜 その手と声は魔法。薬も注射も何もいらない。午後3時を知らせる時計の音と共に、元気が戻ってくる 〜 本作ではメインヒロインと身内(祖父・母・父・叔母(父の妹)の4人が作中に登場)の素性が不明で、 出身地・年齢・サイズはもちろん名前まで全員最後まで謎のまま。 特にメインヒロインについては10代,20歳,25〜26歳,看護婦,女医,幽霊,天使,ナイチンゲールと 様々な噂が本編にて他の登場人物たちの間で飛び交ってるが、本人はプロフィールを全て内緒に しており名前すら"忘れちゃった"と言う始末。 愛称は強いて挙げれば"白衣の天使","ナイチンゲール"のどちらかと言えるだろうが、それとて ハッキリ固定されてない模様。 司会進行役型ヒロインとしては魅力も見せ場も充分すぎるほどあるが、これでは紹介するのに困る。 そこで以後は本スレッドでは投稿字数制限対策を兼ねて簡潔に彼女を"●●"と呼ぶ事にする。 (人外ではなく一応れっきとした日本人女性である事は間違いなさそうだが) また、各話毎にメインとなるゲストキャラは本スレッドでは以後"主ゲスト"と呼ぶ事にする。 本作は月刊アフタヌーン(講談社)1993年3月号〜1999年3月号に(全17回)不定期連載。単行本は全4巻 その他、連載途中に本編扉絵直前のページに特別編が一度掲載された。 (カラー4ページで単行本未収録。第何話との同時掲載かは忘れた) 第1話の雑誌掲載時点では単なる読切で、扉絵の前のページでの作者紹介欄では編集側から"看護婦さん物を 描いてみない?"と提案され"まさかH物を描けって事?"と作者が一瞬早とちりした逸話等が書いてあった。 だが看護婦物と言っても●●は医療関係の仕事をした経験があるわけではなく、今は亡き祖父への憧れから 常に看護婦の姿をしてるだけらしい。(単なるコスプレ) 基本的に1話完結。謎に包まれた●●の過去が冒頭数ページで別個に少しずつ語られた後に 本編が始まり、悩みを抱えた主ゲストたちが誰も住んでないはずの洋館で●●と出会い、 その不思議な交流を通じて次第に癒される様子が描かれる。これが各話共通のあらすじ。
親の代から医者だったという白ヒゲの老人は、雑木林の奥にある町外れの洋館で医院を開いていた。 老人の娘と幼馴染だった男は秀才で、彼女らの影響で医者を目指すも医大受験失敗で挫折し、 別の職を選んだ。その男と彼女の結婚により生まれた一人娘が●●である。 ●●は祖父である老医者を特に尊敬し、彼の手と声だけでなく診察室やそこにある大きな柱時計そのものにも 魔法が宿っていると信じていた。そして彼のような医者になりたいと思っていた。 だが祖父は彼女の幼い頃に死去。やがて母も病気になり、父の旧友で外国に住む敏腕医師に見せたり手を尽くすも 結局は死去。 泣き疲れて無気力となった●●は数日後、塾通い中の津川浩樹を見て思わず"元気を運んできてくれたの?"と 問いかけるが、彼は返答に困る。その間に●●の傍にいた小鳥が飛び去り、気が付くと●●の姿が消えていた。 どうやら●●と浩樹は年齢が近い(または同い年?)らしい。 さらに時が過ぎて祖父の診察室で小鳥と戯れてる最中、今度は悲痛な表情の叔母(父の妹)から、父を乗せて 航行していた友人の船が事故で炎上したと聞かされ、悲しみのあまり倒れた。 ●●は以後ずっと同じ洋館にある病室の一つで眠り込み、父が大怪我しつつ何とか生還した後も最終話まで 目覚める事がなかった・・・と思われるが、倒れた後に実際どうなったかはハッキリしない。理由は以下の通り。 生還した父は何故か怖くて見舞いに行けないので、代わりに自分の妹である叔母に行ってもらってるらしいが、 その一方で「"あの洋館には今では誰もいないが、代わりに天使が住んでる"と皆で信じている」と言っている。 ここで言う"天使"とは無論●●の事だが、彼女を見た主ゲストたちは「光るインコを追って洋館へ行くと突然 ●●が出現」「洋館の扉が勝手に開いて室内放送のように●●の声が何処からか聞こえた」「●●の背中に翼が!」 など現実離れした不思議な現象を次々と目撃したらしい。 そのため●●が目を覚まして直接主ゲストたちの前に姿を見せたのか?それとも本人が病室で寝たまま 幽体離脱等が発生したのか?魔法が本当に存在するのか?・・・それら全ては最後まで謎のまま。
第1話「浩樹」 主ゲスト:津川浩樹(大学生) 両親に急かされるように弁護士を目指し有名大学へ入った浩樹は、自分の進路への疑問から風邪気味で薬局通い。 ある日、薬を買って帰る途中に弟:優樹(高校3年)にそそのかされて例の洋館へ行き、●●と出会う。 全快した彼は優樹を連れて再び彼女に会おうとするも、今度は仮病と見透かされたせいか彼女に会えなかった。 第2話「理恵」 主ゲスト:川島理恵(高3) クラスメート:津川優樹への恋心・生理痛によるイライラなどから、理恵は例の洋館のベンチで一休み。 そこへ●●が出現。やがて優樹も洋館の診察室へ招かれ、いつの間にか途中で二人きりにされる。 そこでしばらくおしゃべりした二人は、後にこれをきっかけに真面目に付き合い始める事に。 第3話「真理」 主ゲスト:川島真理(理恵の姉) 大学を中退してデザイン関係の会社に勤める真理は周囲から頭の切れるキャリアウーマンと思われていたが、 実は今までの人生に後悔ばかりでイライラ。彼女とその仕事上の先輩である戸田厚志は各々別個に例の洋館で ●●と出会う。そして・・・。 以後、二人の仲は今まで以上に急速に深まる事に。 第4話「映美」 主ゲスト:福永映美(高1) 映美は1年先輩の滝田晃子に憧れて器械体操部に入りたがったが、心臓が弱くて入部届を出せずにいた。だが 晃子自身は映美の兄(津川優樹の親友の一人で第1話にも登場)から川島理恵(晃子の先輩)らを介して、その事で 既に相談されていた。やがて映美は晃子と共に午後3時のお茶会へと招かれ、元気になる。 第5話「雫と伸」 主ゲスト:美浜雫(准看護婦)と美浜伸(雫の息子。幼稚園児) かつて夫を病気で亡くした雫は、伸と共に2週間前に大阪から引っ越してきた。 変に賢く生意気な伸はひょんな事から●●と出会って寄り道したが、それを知らない雫は大慌て。 一連の事情を悟った●●は雫も洋館へ招き入れ、お茶会を実施。 一方、雫が勤める病院の薬局で父の高血圧の薬を持って帰る途中の津川浩樹は、洋館のベンチで一休み。 第1話以来●●と再会できない寂しさを、お茶会から出てきた雫と伸に吐露した。 この頃になると浩樹は、弁護士ではなく医者になるため学部を変更して受験し直す決意を既に固めていた。
第6話「雛子と翠」 主ゲスト:川原雛子と江口翠(両方とも中学生) 雛子と翠は周囲からレズ扱いされるほど仲良し。翠の兄:洸が事故にあった事を彼の大学のクラスメート:章博が 学校まで電話して知らせてきたため翠は早退したが、それを見た雛子は翠と章博の関係を誤解して不信感に陥る。 だが●●のお茶会を通して誤解が解け、友情を取り戻すのだった。 第7話「貴美」 主ゲスト:沢井貴美(高1) 両親の不仲に悩む貴美は、上級生の彼に振られ、教師の三島に殴られ、幼馴染の章博と一緒にいた江口翠に 嫉妬し、ヤケになり逃げ込むように例の洋館へ辿り着く。そこで●●に癒され一夜を過ごして元気が出る。 第8話「和巳」 主ゲスト:上杉和巳(中2) 2年生に進級して川原雛子や江口翠と同じクラスになったばかりの和巳は雛子に惚れるが、なかなか思いを 伝えられず悩んでいた。だが●●との出会いを通して雛子との仲が一歩前進する。 第9話「小夜子」 主ゲスト:河上小夜子(主婦) 夫:洋一との結婚生活に欲求不満の小夜子は姉や川島真理とおしゃべりしてもイライラが解消されず、 いつの間にか例の洋館へ辿り着く。だが●●との出会いを通してすっかり気が楽になる。 特別編「3時の国のナイチンゲール 〜 Special Tea Time 白衣の天使ができるまで 〜」要約 (童話仕立てで一見簡潔だが、抽象的で真意が分かり辛い内容の為、これが最適な解釈かどうかは疑問) 長い時の流れの中で多くの人々の笑顔と涙を受ける事により、●●は小さな少女から大人(現在の姿)になった。
第10話「武雄と恵」 主ゲスト:中川武雄(定年間近の会社員)と中川恵(武雄の娘。短大卒業済) 風邪気味で出勤途中に例の洋館の近くで一休みしていた武雄は、●●に誘われ久々に静かな時を過ごす。 同じく風邪気味の恵もバイトを休んで小鳥に誘われるように例の洋館へ。恵がバイト先に亨という真面目な彼氏 がいると聞いても交際を認めようとしない武雄と、頑固な武雄に反発する恵は、●●に諭され徐々に歩み寄る。 第11話「姉妹」 主ゲスト:藤綾織(長女。短大生)と藤紫織(次女)と藤美織(三女。小学生?) 綾織は短大での油絵臨時講師である藤波柾糸と結婚する事になったが、美織が寂しさから一人だけ猛反発したため 三姉妹の仲に亀裂が入る。だが●●が皆の仲を取り持った。 第12話「紫織」 主ゲスト:藤紫織(高2) 綾織の結婚から数日後、紫織は物理の臨時講師である織田への恋に悩んでいた。中2の娘が嫁に行けば 再婚を考えると言う織田への猛アタックが空回りの紫織は、●●との再会を機に手応えを掴む。 そして午後3時の物理顧問室で●●と同じ"魔法"を、今度は織田から感じ取るのだった。 第13話「美也子」 主ゲスト:仙堂美也子(主婦) イラストレーターの夫の事で世間に対して引け目を感じていた美也子は、友人の赤子をあやしている最中に ●●と出会う。●●は美也子の夫から以前カットをもらって"魔法の手をしてる"と感じたと言う。 その言葉に元気が出た美也子は、同じアパートに住む川原雛子からも励まされて更に元気が出た。
第14話「桐子と真紀」 主ゲスト:菅野桐子(31歳)と香坂真紀(保母) 彼氏と別れて会社も辞めたばかりの桐子と、仕事上のストレスからうっかり無断欠勤中の真紀は、例の洋館で 偶然ハチ合わせして●●のお茶会に誘われ、今まで溜め込んでたストレスを涙と共に吐き出し元気になった。 第15話「純」 主ゲスト:樫丘純(中3) 将来やりたい事が何も見つからないまま高校受験に臨む純は、第5話で決意した目的のため自宅へ家庭教師の バイトに来ている津川浩樹から●●の事を聞かされる。その後●●と出会って小さい頃の思い出を思い出し、 獣医を目指そうと決意し始める。 第16話「MOTHER」 主ゲスト:ある初老の主婦(氏名不詳) 夫が過労で入院中のため寝不足の主婦は洋館のベンチでウトウトしていた。彼女は今までの人生の苦労や 後悔と共に、●●と同じくらいの年頃の娘とその彼氏が交通事故で即死した事を涙ながらに告白。 午後3時にそれを聞いた●●は、自分の父が船舶事故に遭ったと叔母から聞かされ倒れた時の事を思い出す。 そして自分自身が"午後3時の魔法"を常に求めていた事を改めて自覚し、悲しみに耐え切れず天使の羽を残して その場から消えてしまう。 その後、医科大学の入学案内書を手にした津川浩樹が●●に報告したくて再び洋館へ訪れた。 その庭には、無事に生還した●●の父が今の洋館の持ち主として佇んでいた。 第17(最終)話「ナイチンゲール」 美浜雫と同じ病院に勤めるようになった津川浩樹は●●の見舞いに洋館を訪れた。後ろめたさと怖さから今まで ずっと中に入れずにいた●●の父は、浩樹に後押しされ一緒に(妻を外国に連れて行くとき以来久々に)館の診察室 へ入った。そこへ小鳥と共に突如現れた●●とそれを見て"天使だ!"と驚愕する●●の父の姿を見届けた浩樹は こっそり診察室を出て、別の病室で一人ずっと眠ったままの●●(本体?)をようやく発見。 "眠れる森の美女"が王子のキスで目覚めるように、●●は浩樹のキスを受けて(数年ぶりに?)目を覚ます。 やがて"浩樹が一人前になれば再び洋館が医院として開業するのではないか"と町中の噂に。 その後、ある小学生の女の子たちが一連の噂を確かめようと洋館へ訪れた。 すると扉が開いて中から●●が出現。その背中には大きな翼が見えた。
324 :
234 :04/06/02 19:41 ID:???
「午後3時の魔法」あらすじ投稿終了。 2chブラウザ「ギコナビ」を用いて順番に全6レス送信しましたが、本当に意図した通りの順番で書き込めてるのかな? 文章も本当はもっとカッコ良くしたかったな・・・
>前489より 【九話】 小学生時代の親友、晃子の誕生日を祝いに、咲十子は屋敷を出て行く。 父の海外赴任により、晃子がNYへ行ってから、二人は文通を続けていた。 咲十子が、現在一人暮し中の晃子のアパートに着くと、晃子の彼はまだ来ていなかった。 晃子の彼は国見浩志、23才。あだ名は「おじさん」 一週間前に晃子が日射病で倒れた時、会社を休んで看病してくれるような優しい人。 チャイムが鳴りおじさんがやってきた。 しかし、開口一番「ごめん、休めなかった」との言葉に晃子は激怒。 おじさんは、何も言い訳せずに帰って行った。 程なくして、おじさんが落として行った携帯が鳴る。 「おじさんはいません!」 泣きながら出ると、相手は会社の同僚だった。 「もしかして国見の姪御さん?」 昼休みに抜け出して誕生日会の詫びを言いに行ったんだな、と納得する相手。 本当なら今日、休みの申請をしてたが、先週の看病の為に休みを変更してもらったのだと言う。 「だから責めないであげてね」そう言い電話は切れた。 晃子は、ショックを受ける。 「どうして姪っ子なんて言うのかな?わけも話してくれないのは、あたしが子供だからかな…」 涙する晃子に、咲十子は、一緒にお弁当を作っておじさんに渡そうと励ます。 アパートを出ると、おじさんが花束を抱えて待っていた。 咲十子は、今度は二人で私の家にもきて、と笑いかけて帰って行った。 晃子は、おじさんに弁当を渡して言う。 「美味しくできてたら もう子供扱いしないでね」 「…子供扱いなんかしたことないよ」 そう言って笑った恋人に、晃子は涙した。
【十話】 一ヶ月が経ち、晃子とおじさんを屋敷に迎えることに。 二人を迎えに咲十子と風茉はバス停へ。 いい天気だから公園でお弁当食べようと皆で歩き出す。 風茉の態度から咲十子が好きな事を見てとると、晃子は風茉をからかう。 「早く大きくなんなくちゃね」 しかし、風茉は反論する。 「年齢や姿は関係なく想いは返してもらえるって、俺が信じてなかったら絶対叶わない」 生意気な態度の風茉に晃子はカンカン。咲十子に愚痴るが、逆に諭される。 「晃ちゃんにはわかってほしい。ちゃんと紹介したいから」 ベンチに誰かの忘れ物だろうグローブを見付け、おじさんは風茉に声をかける。 「キャッチボールやる?スッキリするよ」 おじさんがボールを投げたが、風茉はグローブを嵌めてない方の手でキャッチしてしまう。 慌ててジュースで冷やす風茉。その時、咲十子がバランスを崩して柵から落ちてしまう。 受け止めようとする風茉。しかし、おじさんに跳ね退けられ、助ける役を奪われてしまう。 「カッコ悪ィ…」 呟く風茉を、咲十子は抱きしめて泣いた。 屋敷に戻った四人。 風茉が和久寺の統帥だと知り、驚く二人。 「ただの風茉君を見て欲しかったの。手紙に書こうと思ったんだけど上手く伝わらない気がして」 その時、晃子の脳裏には、咲十子を受け止めようと出された風茉の手が浮かんだ。 「伝わったわよ。ごめんね風茉君…」 「どうしても晃ちゃんには風茉君を気に入ってもらいたかったの」 どうして?と聞いたのは風茉だった。 「実は風茉君は親同士の決めた婚約者なの」 『さらりといってのけた咲十子が、少し照れているように見えたのは、勘違いだったろうか』
【十一話】 キャッチボールのボールを素手で取ってしまった風茉を思いだし、咲十子は思う。 風茉はひょっとして遊び方を知らないのではないか。 鋼は、当たり前のように頷く。幼い頃から英才教育に追われてそんな暇はなかったろうと。 咲十子は、子供らしく遊ぶ時間も必要だと考える。 鋼の誕生日プレゼントを買いに風茉と咲十子は、九鉄と共に店へ出かける。 何が欲しいと問う風茉に、鋼は毎年こう答えると言う。 「太陽から生まれるものなーんだ?ヒントはフランス」 ちっとも分からない咲十子に、風茉は解説する。 日から生まれる、星。フランス語でエトワール。 つまり、自分が和久寺の「新星」になることが一番のプレゼントだと言いたいのだろうと。 それでは、鋼にとって一番大事なのは風茉ではなく、 『優秀な跡継ぎの風茉』ということみたいで咲十子は悲しくなる。 買い物帰りに咲十子は、グローブを買おうと誘うが、 子供扱いするなと怒りを買ってしまい、咲十子は一人走って行った。 風茉は九鉄に「出来ないのが嫌なんだろう」と図星を指される。 「お前は賢いし、プライドが高いから自分の間違いを疑わないだろ。 鋼十郎の出したなぞなぞの答えが間違ってるかもって考えたことあるか?」 風茉は急いで屋敷へ帰った。 ルイ14世の通称は「太陽王」、先代のあだ名。太陽から生まれるもの… 「俺か?」 問い掛けた風茉に、鋼は優しく「はい」と笑いかけた。 そんな二人を見て、咲十子は安心する。 風茉は、咲十子にグローブのことを謝り、今度買いに行こうと言ってくれた。 けれど、既に買っていた咲十子だった。
【十二話】 キャッチボールをしている風茉と鋼。 「上手くなりましたね」 「反省したからな」 好きな子には、いい所だけ見せていたいんだろって九鉄に図星を指され、 同じ台詞で人を非難したことがあると話す(一美のこと) 「言葉って自分に還ってくるんだな」 結局出来ないのも格好悪いけど、見せたくないと隠しておくのもやっぱり格好悪いんだ。 そう話す風茉に、脈絡なく「ホントに咲十子様が好きなんですね」と直球をぶつける鋼。 真っ赤になりながらウンと頷く風茉。それを聞いてしまう咲十子。 咲十子は、「日曜、文化祭があるから遊びにおいでよ」と風茉を誘った。 そして当日。 一美と一緒に来た風茉は、男子と制服をとっかえっこしている咲十子に嫉妬する。 咲十子もまた、お似合いに見える風茉と一美に嫉妬してる自分に気付く。 やきもちを焼いてしまった自分が恥ずかしくなって、急に走り出す咲十子。 風茉が心配して追って来た。 誰もいない階段の所で息を切らす二人。 「急にそんな気持ちになると思わなくて」 唐突にそんなことを言われて、風茉にはさっぱり意味が分からない。 「何かよく分かんないけど。俺、一美ひろってもう帰るよ」 「だめっ!まだ一緒にいて…お願い」 思わず風茉の手を握り、頼む咲十子だった。
【十三話】 (前回の続き) 一緒に来ていた鋼と寿千代は、一美を見付け車で待つことに。 嫉妬したという事実にうろたえた咲十子は、顔も手も熱く、繋いだ手に汗をかいてきて恥ずかしがる。 風茉はずっと黙って座っていた。落ち着き払って余裕みたいで益々焦ってしまう。 「咲十子って基本的に理性的だから、あんなふうに感情的になって 甘えたりなんかしたことなかったじゃないか」 どういう意味か分かりかねる咲十子に「嬉しかったんだよ、ばか」と風茉は照れる。 『べとべとする手から伝わる気がする。見透かされてる気がする。 ばかなの。やきもちやいたの』 「風茉君を好きになったのって言ったらどうする…?」 咲十子の問いに風茉は傷ついた顔をする。 「もし本当にそうなったとしたら その言い方はずるくない? 俺の答えなんて聞かなくたってわかってるじゃないか 質問なんて狡いぞ そんな時まで俺に言わす気かよ」 風茉の言葉に逃げ出してしまう咲十子。 教室に戻り、着替えると、いくらか気持ちも落ち着いてきた。 風茉の元へ戻ると、待ちくたびれたのか、座ったまま眠っていた。 ふと、自分の寝顔にキスされたことを思い出す。 『気にしてないよ』 どうしてあんなことが言えたのだろう。 咲十子は、どきどきしながら、風茉に口づけたい衝動に駆られるが、ほっぺを触るのが精一杯。 狸寝入りしていた風茉は「ちっ」と舌打ちして咲十子を抱きしめる。 「さっき言ったことホントかなぁと思って」 「しっしらないっ」 真っ赤になって涙を零す咲十子を見て、風茉は嬉しそうに笑った。
【十四話】 12月の昼下がり。ツリーの飾りづけをしていた所、一美が訪ねて来る。 パパに約束をドタキャンされたらしく、ご立腹だ。 一美の父は、風茉にとっては叔父で今は副社長を務めている。 風茉が跡取り息子としていられるのは、叔父と祖母が後見人になってくれてるからだという。 一美を迎えにやってきた父に、しばらく顔も見たくないと告げる一美。 仕方なし、一足早いクリスマスプレゼントだと、一美に靴を差し出し、帰っていった。 小憎たらしい位ジャストサイズの靴。 一美は、父は嘘つきだけど、自分と母のことはホントに好きでいてくれるから結局許してしまうと微笑む。 咲十子は、ママの受け売りだが、恋人の靴と指輪のサイズを知ってるのがイイ男なんだと教える。 そして二人は、愛のお返しをしようと計画を立てた。 クリスマスプレゼントに愛を込めて手編みのセーターを父にプレゼントした一美。 しかしそこには『愛ひとすじに…一美命』の文字が。 引き攣る顔の父だが、愛する娘の為、年始のパーティーに着て出る事を約束した。 風茉は大爆笑。咲十子は風茉にそっと耳打ちする。 「ホントはね、恋人の靴と指輪のサイズを知ってるのは、イイ男か よほどぬけめのない男なんだって」 咲十子は侮れない、改めて思う風茉だった。
【十五話】 白いドレスに身を包んだ咲十子。手製で三ヶ月の苦心作だ。 これから風茉と共にお年始のパーティーに出掛けるのだが、風茉は心なしか元気がない。 ママがチューのひとつでもあげなさいとおどけるので、咲十子は投げキッスを。 それをお守りだと笑う風茉に咲十子は気付く。 風茉は親族に快く思われていないと言っていた。だから気が進まないのだろう。 会場で、咲十子は、皆が自分を見て笑っているように感じていた。 風茉は、挨拶まわりに離れて行き、咲十子は寿千代と二人で待つことに。 そこへ、一人の少女がやってきて咲十子に質問する。 「およめさん しょみん?はずかしいひとなの?」 自分が庶民の出だということを軽蔑され、 手づくりのドレスも笑われていたのだ。 その時、寿千代が食べ零した口で少女にタックル。少女のワンピースが染みになってしまう。 泣いてしまった少女を慰めながら染み抜きしてあげる咲十子は、気付いた。 風茉の元気がなかった訳は、自分の身を心配してくれていたからだと。 少女は、泣いてしまった咲十子を見て謝る。「なんで?」って聞いたから困ったの?と。 咲十子は、違うの、と微笑んで、染み抜きした所に自分作ったコサージュをつけてあげた。 嬉しそうに笑う少女だが、「これっててづくり?」の問いに、咲十子は答えられなかった。 『泣いたのは、あの家で優しく守られていただけの私が 「風茉君にとっての恥ずかしい人」になってしまうことにどうしようと思ったから』 パーティー会場に入れず、寿千代を抱きしめ泣いている咲十子に、一人晩酌をしていた女が声をかけてきた。
【十六話】 女は、一美の母だった。上流社会なんて大嫌いだという彼女は、 ぶっきらぼうだが、優しく咲十子を慰めてくれた。 その頃、パーティー会場では、風茉が、少女の胸に飾られたコサージュに目敏く気が付き事情を聞いていた。 全てを聞き終えた風茉は、静かに怒りをあらわにする。 「その花も手づくりだ。恥ずかしいなんて思ってみろ 殺してやる…!」 更に、咲十子が泣いていたと聞き、風茉は怒りの余りワイングラスを握り潰す。 「いたい!」 少女が血だらけの手を見て叫ぶと、風茉は「傷付けられりゃ誰だって痛ぇよ」と怒る。 それは咲十子を傷付けてしまった自分への怒りだった。 咲十子を見付け、風茉は有無を言わさず帰ると腕をとる。 一美の母は、風茉に「うろたえるくらいならこんな所に連れてくるな」と釘をさす。 こうなることくらいわかってたと風茉は言う。 でも、咲十子が現実を見て、それでも負けないでいてくれたらと思ったのだ。 「それでも傷付けられると分かって咲十子が怯えたら、知って俺といられないと思ったら… そう考えたら何も言えなかった。怖かったんだよっ」 泣きそうになる風茉を咲十子は抱きしめた。 怪我した手を心配し、優しく微笑む。 「私にもわけてね?つらいことも楽しいことも。一緒にいたいの」
【十七話】 2月14日、風茉宛てにチョコが届いた。新年会で会ったあの少女からだった。 タイミング悪く、咲十子に見られてしまう。 『今年は正月からいいことがない。咲十子にだ。 いい思いなど一つもしなかったに違いないのに、咲十子はいつも笑っていた。』 年始会の後、風茉の包帯替えをしてくれたのは咲十子だった。 「ぎゅって握ったら駄目だよ。何か大事なものでも手の平に貼っとこうかしら」 「それなら咲十子だ」 そう言う風茉に、咲十子は、そっと自分の手を重ねた。 「握っちゃだめだよ」 『握り締めたかった。傷口なんか全部開いたっていい。痛くていい。 強く、強く、握り締めたかった』 「包帯替え、全部私がやるから他の人に触らせないでね?」 『俺ばっかり嬉しい。俺はいいことばっかりで、咲十子はいいことがなくて、咲十子ばっかり辛い。 俺だって何かしてやりたい。心から笑わせたい。喜ばせたい。』 その頃、咲十子は怒りながら晃子や一美にチョコ作りを教えていた。 咲十子が落とした指輪に、晃子は「シンデレラの指輪」と呟く。 亡くなった父に買ってもらった指輪をチェーンに通したものだ。 咲十子は覚えてないが、咲十子がそう言ってたと言われる。 仕事を終え、一人椅子に座りぼーっとしている風茉の頭上から、チョコの嵐が降って来た。 何でこんなに沢山?驚く風茉。 「他の人のチョコの味なんて忘れて欲しいもん」 「食わねーよ!咲十子がくれた以外のチョコなんて…」 風茉の言葉に顔を赤くする咲十子。 「どんどん我が儘になってくの。でも悪くないって思ってるの」 「悪い事じゃないよ。我が儘言ってくれよ」 更に赤くなった咲十子を見て、喜ばせられたかも、と風茉はほっとする。
【十八話】 風茉が九日間の海外出張に出掛け、NYでは、一美が風茉の部屋を訪ねていた。 「九鉄に咲十子を誘惑しろと命令した」 一美の言葉に不安と怒りをぶつける風茉。 「好きな人に好きと言われてるあんたが何を不安がるの」 そういう問題じゃない、と言いかけ、風茉はあることに気付いてしまう。 好きだって言われたことが一度もないと。 一方、咲十子は気付いていた。一美は、自分が淋しい思いをしているだろうと、 気を紛らわせる為に九鉄を来させたのだと。 鋼秘蔵の風茉アルバムを二人で見ていると、咲十子は、一枚の写真に見覚えがあると言う。 南庭の温室。しかしそこは、三年前火事で焼失している。 夜、風茉は、咲十子に電話を入れる。 「俺、咲十子が好きだ」 しかし、咲十子からの言葉は期待したものではなかった。 次の日、咲十子は、九鉄と温室のあった所にきていた。 温室は、万里の趣味のバラ園だった。 亡くなった後、彼女を思い出すのが辛いと先代が火をつけたという噂があると九鉄は語る。 「風茉と一美のお守り役を決めた時、万里さんの側にいたくないから風茉は嫌だって言ったんだ」 万里を好きだったから。 「でも万里さんが事故で亡くなった時思った。側にいれば俺にも何かできたかもしれなかったって。 大事に育ててた花も守ってあげられたのかもしれない…」 辛そうな九鉄を見て咲十子は言う。 「今度は、守れるといいね。それで、幸せにしてもらえるといいよね」 咲十子の言葉に九鉄は笑い、こつんと咲十子の肩に頭を乗せた。 「あんた、いい子だね」
【十九話】 (前回の続き) ふと、目をやると、庭先に、NYにいるはずの風茉の姿があった。 咲十子は、無邪気に喜ぶが、風茉は、ひどく傷付いた顔をして逃げ出した。 慌てて追う咲十子だけれど、表に待たせていた車に乗って、風茉は、どこかへ行ってしまう。 鋼に連絡をし、祖母の屋敷に行った事を知ると、急いで向かう。 早く謝らなくちゃと咲十子がおろおろしていると、ママは言う。 「悪いことなんてしてないのに謝ったって、謝るようなことしたのかって返されるだけよ」 どうしたら安心させてあげられるかを考えたら? ママの言葉に咲十子は頷き、屋敷の中へ。 しかし、風茉は、咲十子を振り切ってどんどん逃げる。 『私が不安になる時はいつも、手を差し延べてくれた。側にいて、声をかけ、笑いかけ、見つめていてくれた。 風茉君の気持ちが私を追い掛けてきてくれたから』 突き当たりの部屋までやってくると、襖を閉められてしまう。 ごめんね、とやっぱり謝ってしまう咲十子に、ママの言うように、謝るようなことしたのかと返される。 そうじゃない、咲十子は、泣きながら言う。 「すき」 「風茉君すき」 「風茉君がすき」 「風茉君が好きなの」 泣きながら、言う咲十子に風茉も涙を見せた。 続く
ものすごく鯖が重いけどここが耐え時 乙職人
ぬ〜べ〜は通信簿をつけていた。広はサッカー一途だが勉強の向上心が無い。 克也は悪い事に憧れる傾向が。まことは甘えん坊で怖がりで頼りない。 郷子は規則を守る良い子だが怒りっぽく、すぐ手を出す。美樹は論外。 ぬ〜べ〜は5人が「内緒で童守港へ行こう」と話し合っているのを盗み聞く。 気を練りあわせ、自分の分身を作る『陽神の術』をぬ〜べ〜は使う。 陽神は粘土のような物。形はいくらでも変えられる。ぬ〜べ〜は小学生ほどの 少年の姿の分身を作り、5人の元へ行く。5人は先週事故で半分沈没した 船に乗り込もうとしていた。船の中には大量のたまごっちがあると生徒の中で噂だ。 ぬ〜べ〜は陽神明(ひのかみ・あきら)と名乗り、あの船はいつ沈むかわからず危険だ、 行くべきじゃないと郷子に言う。郷子は皆のストッパーだ。同意してくれるはずだ。 しかし郷子は怒って明を殴る。捨て猫が箱に乗って船に流れ着くのを郷子は見た。 悪い事かもしれないが、猫を見殺しにするような事はしたくないから行くと言う。 郷子がただ言われた規則を守るだけではなく、自分の中のモラルで行動する事を意外に思う。 危ない事には変わりないからと明もついていく。船内の一室の隅に猫はいた。 少しでも体重がかかると猫の横の積荷が今にも崩れそうだ。自分は小さくて軽いからと、 まことは走っていく。まことの意外な勇気と優しさに明は驚く。倒れた積荷から明はまことをかばい、怪しまれぬよう怪我をしたふりをした。 積荷からは大量のたまごっちが。生徒達はたまごっちをとる。 「それって盗みだぜ、よせよ」克也の声に皆はたまごっちを元の場所に戻した。 突風で船が揺れる。船へ来るまでに乗ってきたボートは流される。5人は揺れの少ない部屋に移動。 美樹は見つけてきた救急箱で明の怪我の治療をする。美樹の優しい一面に驚く。 船が更に傾く。皆はマストに掴まる。助けを呼ぶため、広は貨物室にあった照明弾を取りに行く。 海水で満たされた危険な貨物室へ。明が止めても、皆を助けたいと広は聞かなかった。 小学生として同等の立場にたって初めて、広の勇敢さがわかった。 皆は照明弾に気付いた船に救助され、明はその場から姿を消した。 教壇の上からでは見れない生徒の素顔を知り、ぬ〜べ〜は内申欄を書き直した。
強い妖気の存在に気付き、いずな、ゆきめ、速魚、玉藻はぬ〜べ〜のもとへと集まる。 あの妖気は、鬼の物だ。それも、ぬ〜べ〜の左手の鬼と同等の力を持つ… 推定してぬ〜べ〜の500倍ほどの力だ。左手の鬼と何か関係があるかもしれない。 まだ修行中のいずなは帰される。帰り道で、中学生くらいの少年に話し掛けられる。 「鬼の匂いがする。鬼を封じた者の仲間だね」少年は右手から衝撃波を放つ。 いずなは倒れる。「無言の死もまた美しい」それを通りすがりの幼児が見ていた。 少年は幼児をも殺そうとする。傷を負いながらもいずなは立ち上がり、火を飛ばす。 しかし、その少年には効かない。炎の温度を上げ光球現象を起こし、少年にぶつける。 辺りには煙が漂うが、無傷の少年は右腕を刀のように変形させいずなを貫いた。 意識不明のいずなは入院した。瀕死の重症だが、玉藻が気を送り一命を取り留めた。 病院へ強い妖気の持ち主が迫ってくる。いずなを襲った少年だ。 少年は絶鬼(ゼッキ)と名乗る。ぬ〜べ〜の左手に封じられた鬼の弟で、 兄を救うため焦熱地獄から人間界へ来たのだ。絶鬼は鬼の姿を現す。 ぬ〜べ〜、ゆきめ、玉藻が向かうが歯が立たない。絶鬼はとどめを刺さない。 「本気でやってよ。君には僕の兄さんを封じた時使った秘密の力があるはずだ。 その力を見せてくれよ!」美奈子の存在を知らない絶鬼は、ぬ〜べ〜に 鬼を封じるほどの特殊で強力な力があると思って警戒しているのだ。 絶鬼は鬼の手の力でぬ〜べ〜の心を読み、美奈子の存在を知る。 どうりで弱いはずだと絶鬼は笑い、飛び出してきた生徒達に衝撃波を向ける。 ぬ〜べ〜の力が20倍にも40倍にも上がり、衝撃波を消す。 「その力の上昇は誰かを守る時に起こるようだね。もっと大量の人間を傷つけよう。 君をもっと奮闘させられるように」絶鬼は笑い、羽を生やしてその場から飛び立つ。 いずなと仲の良い童守寺の和尚は寺にあった妖しい法具を持ってくる。 中には、御鬼輪があった。ぬ〜べ〜は絶鬼を、再戦だと童守公園へ呼び出す。 童守公園には、絶鬼が地獄からやってきた時の空間の裂け目がある。 ぬ〜べ〜はそこに絶鬼を落とそうと考えているのだ。そこから落せば 亜空間法則で絶鬼は地獄の最下層に落ち二度と這い上がってこれないだろう。
ぬ〜べ〜は絶鬼に御鬼輪をつけさせる。紛い物かもしれないが多少の力はある。 御鬼輪の力を甘くみていた絶鬼はあっさりと御鬼輪をつけ、ぬ〜べ〜とゆきめにボコボコにされる。 絶鬼は経文で縛られ凍らされ、空間の裂け目に落とされそうになる。 しかし絶鬼は御鬼輪を壊し、力を最大に上げ、ぬ〜べ〜達に襲い掛かる。 倒れる2人。生徒達はぬ〜べ〜を救うため、無謀にも絶鬼に向かい立つ。 殺されそうになる生徒達を玉藻はかばい、自分と絶鬼の周りに結界を張った。 ぬ〜べ〜のように、他者への愛で玉藻の霊力が上がっていく。 「すっかり人間に毒されたようだね。君、もう半分人間のにおいがするよ」 倒れているゆきめは絶鬼の足を掴み、動きを止めさせる。 「古来より妖狐が禁じ手としてきた、自らの命と引き換えに放つ大技……滅気怒(メギド)!」 結界内に『気』が荒れ狂い、地面が剥げて飛び交う。中にいる玉藻とゆきめも無事ではない。 しかし、それでも絶鬼は生きていた。離れた所で倒れていたぬ〜べ〜は、 玉藻の頭を潰す絶鬼と、その足元で溶けかけているゆきめの姿を見る。 鬼である絶鬼の力を越すためには自らも鬼になればいい。 ぬ〜べ〜は左手の鬼の封印を解く。ぬ〜べ〜は鬼と化した。 「馬鹿め!鬼に支配されたな!さあ、兄さん一緒に人間どもを殺しまくろう!」 しかしぬ〜べ〜は精神力で鬼を支配していた。力が絶鬼を越す。 「俺はこの町で暮らす皆が好きだ。それを傷つける者は許さない。 たとえ俺の体が朽ち果てようと、心が砕けようと……!!」 何人もの人間の、恐ろしく強い思い、絆、愛。それを傷つけられた事により生まれた力。 絶鬼は鬼となったぬ〜べ〜に四肢をちぎられ、恐怖で泣きながら地獄に落とされた。 ぬ〜べ〜は人間に戻る。絶鬼を倒せたものの、代償はあまりに大きかった。 目覚めると、いつもと変わらない姿の玉藻とゆきめがいた。 速魚の血により怪我が癒されたのだ。副作用として、皆頭が悪くなっていたが。 「さーみんなおバカになった所でお祝いしましょう」 絶鬼を倒したお祝いとして皆はラーメンを食べにいった。
玉藻の元へ、母に連れられ、唐突もなく泣いたり笑ったりを繰り返す少女が来た。 原因はどうやら憑き物のようだ。少女の胸元には喜怒哀楽の表情をした 袋状の妖怪がついている。これは理袋(ことわりぶくろ)という。 理袋の中には人間の激しい感情が詰まっている。憑かれた者は唐突に 激しい感情に襲われるようになる。玉藻は少女から理袋を離す。 感情を与える妖怪……これをつければ人間の愛も理解出来るのだろうか? 人間の愛を知り、それにより無限の力を得る事を望んでいる玉藻は 理袋を自らの胸につけ、下らないギャグに笑いまくったり、 通りすがりの女性に一目惚れしたり、捨てられた猫を哀れに思い拾ったりした。 感情のセーブの効かない玉藻は自分に因縁をつけてきたチンピラを半殺しにする。 ぬ〜べ〜は理袋は心に取り憑き感情を暴走させ破壊すると言って止める。 玉藻は自分ならば制御できると拒む。二人が争う間に拾われた猫は道路に 飛び出し車に轢かれ死ぬ。玉藻は怒りと哀しみで妖弧の力を全開させ車の主を殺そうとする。 「愚かだぞ妖弧玉藻ともあろうものが…お前らしくもない。何を焦っているんだ」 ぬ〜べ〜は玉藻にとり憑いた理袋を退治する。玉藻は正気に戻る。 玉藻は猫の死体を病院の片隅に埋め、独り呟く。 「もう あまり時間が…ない…」 続く
平日のこんな時間でも人大杉って…_| ̄|○ どなたかこのスレの155以降のログhtmlで取れませんか…
>>342 バッチリでございます! ありがとう!
今日中に更新しますです。
ぬ〜べ〜乙。
ぬ〜べ〜クラスの山口晶がTVゲームをプレイ中に石化した。ゲームにこめられた呪いのせいだ。 ゲームはRPGで、呪いのために主人公が敵キャラに襲われると現実のプレイヤーも襲われる。 そして舞台はどうやら童守町らしい。除霊しようとしたぬ〜べ〜と玉藻も石化してしまう。 ゆきめは留守中だ。自分達で皆を救わねばならない。 晶がプレイに中書き記した地図を頼りに、広・郷子・克也・美樹・まことは 丘の上の洋館・百刻館へ行く。その途中で陽神明が五人を止める。 しかし五人は言う事を聞かないので、渋々明は連れ添う事に。 百刻館の中には大量の妖怪がいた。明の姿では霊力はあまり使えず、 生徒を守りきれない。そこへ南雲京太と名乗る少年が現れ、首さすまたで皆を救う。 ぬ〜べ〜と同じく陽神の術を使った玉藻だ。 七人は顔に包帯を巻き、帽子とマントをつけた男に出会う。 男は、自分が呪いのゲームを使い晶を石化させたのだと、 全国で同じような状態に陥った子供は百人はいるのだと言う。 男は不思議な呪文を唱える。すると、床にある不可思議な装置に空気中の妖気が集まり、 凝縮され、妖怪が現れた。明は童守寺で手に入れた霊殺石の玉を ヨーヨーのように使い妖怪を倒し、逃げる男の後を追う。 しかし床に仕掛けられた穴から京太共々落ちてしまう。 罠にはまり二人は体を貫かれるが、陽神の体のため無事だった。 京太はこの館の持ち主の妖怪博士――先ほどの男について話す。 本名、名鬼久作(なきり・きゅうさく)は10年前童守遺跡の調査の為に妻と共に この館に住み着いた。童守遺跡は超古代文明の遺跡で、 研究の結果超古代文明では気をエネルギーとして利用していた事を知る。 しかし学会に発表しようにも気は見えない。 彼は比較的目に見え易い妖気を空中から集めて妖怪をつくる装置を発表した。 頭の固い学者達はインチキだと叫び装置を壊そうとする。作動中の装置は危険物だ。 それを止めようとし、名鬼の妻は死に、大怪我を負った名鬼は妖怪博士と 呼ばれるようになり、自身も姿を消した…。語る京太の背後に妖怪博士が現る。 彼は超古代文明の力を使い、特殊な鎧をその身に纏った。
残された五人の生徒は妖怪に追いかけられ突き当たりまで追い詰められた。 「力を貸します…」女性の声が聞こえ、壁に掛けられた絵から光が放たれた。 光を恐れるように妖怪たちは逃げ出す。絵の裏には隠し部屋があり、 そこには右半身の爛れた女性の死体と、光を放つ玉のような物が有った。 「私は名鬼恵子。妖怪博士…名鬼久作の妻です」光る玉はそう言った。 装置に触れたために死んだ恵子を、名鬼は現代の科学と古代の力により 生き返らそうとした。しかし恵子の魂はもう肉体には戻れなかった。 名鬼は恵子を甦らせると、恵子が死んだ原因をつくった学者や、 世間の人間に復讐をすると誓った。それから名鬼は狂ったように古文書を解読し、 究極の古代妖怪オロチを甦らせ、その力で恵子を生き返らそうと企んだ。 しかしそれには、大量の魂が必要だ。その魂を集めるために名鬼は 人を石化させ魂を奪う呪いのゲームを配布したのだ。 オロチが誕生すれば日本は三日で廃墟になるだろう。 「私はあ人を助けたいの…可哀相なあの人を。お願いですあの人の計画を止めてください。 悪の究極妖怪オロチに対抗するため、善の究極妖怪を装置でつくってください」 その究極妖怪を呼び出す呪文は、北館の最上階の名鬼の書斎にあるという。 恵子に渡された勾玉型のお守りを手に持ち、五人は北館へ向かった。 名鬼と明達は壮絶な戦いを繰り広げていた。再生可能な陽神の体とはいえ、 連続で攻撃されていては霊気が飛び散り再生できなくなる。ピンチだ。 妖怪が次々と現れる館を恐れ、克也は四人を見捨てて逃げ出す。 広は皆を救うため無謀にも妖怪に突進する。すると勾玉が広の『勇気』に反応し光り、 銀色に輝く武器が広の右腕に現れた。広はそれで妖怪を薙ぎ倒す。 四人が歩いていくとエレベーターを発見する。美樹と郷子が入った所でエレベーターのドアが閉まり、 鋭利な突起のついた天井が落ちてくる。床には一人位なら入れる穴があり、 郷子は中に美樹を入れて自分は上に被さり美樹を助けようとする。 郷子の友を救おうとする強い『友情』に反応し勾玉が光り、 銀色の機械的な翼が郷子の背中につく。それはバリアの役目をした。 勾玉は持ち主の強い気持ち――中でも綺麗な感情により変化するようだ。
「俺のは変形しないだろうな…怖くなって逃げ出したなんて卑怯者だ…」 隠れてついて来ていた克也は落ち込む。 エレベーターは使えないので四人は階段を探す。見つけたが、そこへ行くまでの廊下は 古い木で作られていて所々穴があいている。四人は隅に固まって歩く。 後ろから妖怪が追いかけてくる。皆は逃げようとするが、まことは向こう側の隅にいる ネズミを見捨てられぬと危ない廊下を横断する。まことの『優しさ』に反応し、 勾玉が光る。「やめるのだ。小さい子をいじめるな。みんな友達なのだ」 頭に銀色の兜のような物が現れる。 それは光を放ち、光を浴びた妖怪は恐ろしい顔を一変させまことに懐いた。 兜のためか動物の言葉も通じた。妖怪はネズミと仲良くなり一緒に去っていった。 廊下を無事渡った四人は螺旋階段に勢いよく登る。人面岩が転がってきた。 逆方向へ逃げる四人。自分も早く発動させたいと美樹は一人、仁王立ちで人面岩に立ち向かう。 すると、美樹の強い『虚栄心』に反応し勾玉が光り、美樹の全身に小林幸子のように 派手な銀色の鎧が現れ、同じく派手な杖が現れた。杖からは稲妻が現れ人面岩を攻撃する。 特に善い感情じゃなくても勾玉は発動するようだ。しかし、克也の勾玉は未だ光を放たない。 派手な攻撃で壁に穴が空く。そこからは木が見える。隠れていた克也は木を伝い逃げ出した。 螺旋階段に残っていた四人に突如大量の妖怪達が降り注ぐ。 四人の悲鳴は逃げ出した克也の元へも届く。晶が死のうが四人がどうなろうが構わない。 そう思って克也は逃げ出した。卑怯で不良崩れの自分に優しく接してくれた 皆の姿を思い出す。何かが克也の足をとめる。勾玉が光った。 郷子のバリアでも限界になった頃、勾玉によって現れた銀色の車のような物に乗った克也が現れる。 「わりい、遅くなっちまって…」皆を見捨てて置けなかった、克也の強い『責任感』により勾玉が力を示したのだ。 浮遊力のある車で五人は一気に最上階の妖怪博士の書斎へ向かう。 そこで金庫を見つけ、勾玉の力で開けると、中に入っていた書物に善の究極妖怪の名が書かれていた。 誰でも知ってるようなこのメジャーこのな妖怪が?五人は驚く。
激しい戦いの末、妖怪博士はオロチ製造開始のボタンを押す。オロチ誕生まで後30分。 妖気を吸いすぎて思考能力を無くした妖怪博士はそれと引き換えに恐ろしく強くなる。 触手が伸び、明と京太の気を吸う。不死身の体とはいえ気を吸われれば脆い。 そこへ勾玉で武装した五人が現れる。明――ぬ〜べ〜は、五人の抜群のチームワークを 見て、自分の知らないうちにこれほどまでに成長したのかと笑む。 博士がダメージを受けた事で、玉藻とぬ〜べ〜の本体と晶の石化は止まった。 鎧をはがれた妖怪博士にはもう何の力もない。七人が喜び合っている隙に、妖怪博士は オロチの製造を短縮モードに切り替える。もはや誰にもオロチ製造を止められない。 明は広たちを逃がし、自分の体に戻る。目覚めたオロチによって壊れていく童守町を救うために。 古文書によればオロチの制御は製造者の意のままのはずが、全く制御が効かない。 「無駄です。あれは貴方の狂気の心を反映した化け物…制御など出来るわけがありません」 光る玉――恵子は妖怪博士に言う。制御不能なオロチにより妖怪博士は大怪我を負う。 「可哀相な貴方。もうこれ以上罪を重ねるのはやめて。あの子達は貴方を助けようとしているのよ」 逃げていたはずの五人の生徒は、手を繋いで装置を囲んでいる。 「いでよ、善の究極妖怪……ケサランパサラン!!」装置から光が上り出る。 山より巨大なケサランパサランはオロチを踏み潰す。ケサランパサランははじけ、 それが辺りに飛び散った。妖怪博士の元へも。目覚めた妖怪博士の目の前には、 事故にあう前の美しい恵子の姿が。自分の傷もない。 「ケサランパサランが癒したのは、体の傷じゃなくて、貴方の心の傷よ」 「…そうか私は間違っていたよ…思い出したよ…このあたたかさ。私は間違っていた。 …もう許されないだろう。」「いいえ、大丈夫よ。さあ…」二人は天に昇っていく。 憎しみに染まった魂がケサランパサランによって浄化されたのだ。 元に戻ったぬ〜べ〜に五人は抱きつく。五人の持っていた勾玉は壊れた。 「それは強力すぎる争いの道具だ。ケサランパサランが壊したんだ」 オロチによって破壊された町はケサランパサランによって修復された。 「さあ、帰ろう」
>>347 一番下の行修正お願いします。
× メジャーこのな妖怪が?五人は驚く。
○ メジャーなこの妖怪が?五人は驚く。
でした。他にも間違えてそうだ。
ぬ〜べ〜クラスの中島法子(通称のろちゃん)は、白い服を着た少女に手足の無い人形を渡される。 「私のお人形手足が無いの…返して!!」法子は自分の手足が消えてしまう幻覚を見てショックで気を失う。 目覚めると、傍には手足の無い人形が。法子はぬ〜べ〜達に相談する。 少女はメリーさんと呼ばれており、メリーは人形の手足を探せなかったら、代わりに人形を渡されたものの手足を奪うのだという。 ぬ〜べ〜はメリーさんについて調べる。 ある学校の4年生の松原めぐみには不思議な力があった。それ故に彼女は化け物扱いされいじめられ、 大事にしていた人形の手足をもぎ取られ校内に隠された。めぐみは自殺した。 それから、幽霊となっためぐみはメリーと名乗り現れ、生徒に人形を渡す。 この霊が他と違う点は、霊能力者が除霊依頼され向かい立つも、何人も殺されているという所だ。 メリーさんの除霊は不可能なのだ。「メリーさんの境遇は…まるで……」ぬ〜べ〜は一人つぶやく。 まだ一週間経っていないのに、メリーは法子を襲う。ぬ〜べ〜の力もメリーには通じない。 生前強い霊力を持ち死んだ者は、霊になると恐ろしい力を持つようになるのだ。 ぬ〜べ〜はメリーの攻撃で気を失う。「後六日以内だ」メリーは消え去った。 ぬ〜べ〜は夢を見る。霊能力を持つために虐げられた小学生の頃の。 メリーが自殺したのは霊能力者故の苦しみのため。同じだ。昔のぬ〜べ〜と同じなのだ。 だが、同情するわけにはいかない。今は生徒が危険なのだ。もしもの時は、この鬼の手で…… 校内から次々と人形の手足は見つかっていったが、左足だけいまだに見つからない。 メリーは法子の左足をもごうと襲い掛かる。ぬ〜べ〜は鬼の手を出し、 メリーに触れた所で手を止めた。この霊はぬ〜べ〜自身なのだ。 自殺するまでに追い詰められたこの霊の気持ちが、まるで自分の事のようにわかる。 もし子供の頃に美奈子という理解者に会えなければ、自分もメリーのようになっていたのだ。 メリーは涙を流す。鬼の手を通してぬ〜べ〜の心が通じたのだ。 「神よ!どうかこの子を成仏させてくれ!」メリーは消えていった。 虐げられ傷ついたメリーが本当に成仏したかはわからない。 もしも、またメリーが彷徨っていたら、今度こそ本当に成仏させてあげたい…… 続く
>>345 晶がプレイに中書き記した
は
晶がプレイ中に書き記した
の間違いだと思われ
しかしなんかRPGみたいな話だな
おろちは横断歩道で杖を突いて歩く少女を見つけ、大丈夫かと後をつける。 だがその足取りはスムーズだった。おろちは彼女の様子を見て安心する。 生まれつき眼の見えない恵子。 だが住み慣れた社宅では不自由なく生活できるし近所の人たちもみんな親切だ。 父と二人暮しなので父が会社に行っている間は1人だが、 盲学校で一緒だったさとるという男の子が手術で眼が見えるようになってからも 毎日遊びに着てくれるので寂しくはない。 恵子の手伝いをしたり漫画を読んで聞かせてあげたりと弟のように接してくれる。 今日もさとるが遊びに来て、そして帰って行った。父の帰宅を1人待つ恵子。 今日はやけに遅い……。突然玄関で救いを求める声がする。 引き戸を開けると、男性が「殺される!」と駆け込んできた。 奥へと逃げ込む男性を追って、男が乱入してきた。 台所からナイフを持ち出し抵抗する男性。だが逆に刺されてしまう…。 男は恵子にも血のついたナイフを突きつけるが、恵子にはわからない。 男は恵子が盲目であることを悟り、ナイフを置いて逃げて行った。 手探りで男性を探し、死んでいることにショックを受けて気絶する恵子。 そこへ父が帰ってきた。玄関に落ちている血のついたナイフに驚き、手に取ってしまう。 奥には父の友人が死んでいて、恵子も意識を失っていた――。 恵子の父は疑われて逮捕されてしまう。 恵子は警察に男のことを証言する。背の高い怖い顔をした男だ、 声の位置と足音でわかるのだと言うが、警察は信じてくれない。 近所の人はそんな男は誰も見なかったと言う…。 1人部屋で泣く恵子は、何か落ちているのに気付く。たずねてきたさとるに見せると、 怖い顔の男の写真が貼ってあると言う。男の身分証明書らしい。 さとるに警察の人を呼んで来てもらうが、待っている間にストーブを倒してしまう。 貴重な証拠がなくなってしまった……。
恵子はくじけずにさとるに男を捜してもらうように頼む。 視力がない変わりに嗅覚に敏感な恵子は、男からこのあたりの工場の臭いと 飲食店の臭いを感じ取っていたのだ。 事態の重みを知らないさとるは探偵気分で男を見つける。 が、逆に男に探りを入れられ、身分証明書のことを話してしまう…。 翌朝、恵子の家にガス点検の人が来る。 いつもの人と違うことを不審に思う恵子。他に誰かの気配を感じて警戒する。 犯人の男が仲間に点検人の振りをさせて家捜しに来たのだ。 犯人の臭いを感じ取りガス会社に電話をすると言う恵子。 ガスを少しだけ噴出させて臭いをごまかし身分証明書を探すが、どこにもない。 あきらめて「点検は終わりました」と声をかけ帰ってゆく…。犯人の気配も消えた。 お昼になってもさとるは来ない。不安になる恵子。 近所の人が盲学校から電話があったと知らせて来たので出かけることにした。 学校に行くと誰も電話などしていないと言う。 帰宅した恵子は、窓ガラスが壊れているのに気付く。家中引っ掻き回されて荒らされていた。 「私が燃やしてしまった身分証明書を探しているのだわ!!」 雨が降ってきた。恵子は手探りで扉や窓を釘で打ち、杖を持って警戒する。 玄関の外でさとるの声がした。身分証明書のことを男に話してしまった、だから一緒に逃げようと言う。 きっと男が恵子に身分証明書のありかを吐かせようとやってくるに違いない。 男の姿が近付いてきた、とさとるが言う。角のポストのところで待っていると言い残して走って行った。 男が来て、家中の窓を調べている。トイレの窓が開いていることに気付いて焦る恵子。 身分証明書が燃えてしまったことがわかったら男は安心して逃げてしまうだろう。 だがこのまま身分証明書を持っている振りをしていたら恵子が危ない!
恵子はこっそりテープレコーダーを仕掛ける。 そして侵入してきた男に壁に隠したと嘘をつき、男が壁中を探しているうちに部屋の電気を消す。 が、作動ランプでテープレコーダーに気付かれ、恵子を殺そうとつかみかかってきた! もみ合ううちに男の上着の縫い取りに指が触れた。 点字のわかる恵子には、それが名前の刺繍であるとすぐにわかった。 「仲川!!」「なに!!」 突然名前を呼ばれ動揺した男の手を噛み、トイレの窓から逃げ出す恵子。武器は杖だけだ。 近所の人に片っ端から声をかけ助けを求めるが、誰も家から出てきてくれない…。 さとるのいるポストとは逆方向に逃げてきてしまった。 男が玄関をぶち破る音がする。とにかく逃げなくては! 父や社宅の人々の勤める工場らしい袋小路に追い詰められる恵子。 雨音も激しく、工場の臭いで犯人の匂いがわからず、気配がつかめない…。 「お前さえ死ねば誰も殺人のことを喋る者はいない。 そしてお前のおやじは殺人犯人の汚名をきるのだ!!」ナイフを持って近付く男。 恵子はせめて人を殺した理由を教えてくれと頼む。 この工場で使用する薬品が川に流れて人体に恐ろしい影響を与えることがわかった。 煙突から出る煙が周囲住民の身体を蝕むことも……。 死んだ男は正義感からそれを社会に公表しようとして殺されたのだ。 工場の実情が知れれば会社に勤める者は職を失くしてしまう。 上司から命じられて男は人を殺した。逃げたところを近所の人に見られたが、 近所の人はみんな同じ会社の人間だ。すぐに連絡をして秘密を守り通した……。
「すると近所の人もみんなぐる!!」 恵子が杖で男の顔面を思いきり叩く。眼に直撃して視力を失う男。 これで公平な立場になった。いや、暗闇に慣れた恵子の方が断然優勢だ。 男を階段の下に突き落とし、危機を逃れることができた。 さとるが警官を呼び、杖の跡を辿って探しに来てくれた。 こうして男は逮捕され、恵子の父は釈放された。 翌日の新聞には犯人と事件の原因が詳しく報道されていた。 だがそれ以来近所の人は恵子と父を腫れ物に触るように接するようになった。 顔を曇らし何も言わない恵子。父は会社にい辛くなり、恵子とともに社宅を去って行った…。 去って行く車を見送るおろち。 「恵子さんは眼が見えないと言うのに、苦しさと孤独と困難ににも負けずに 眼が見える人も及ばぬ活躍をしたのだったわ。 これから知らない土地へ行っても負けずに頑張るだろう」 おろちは未だに煙を吐き続ける工場の煙突を見つめ、文明社会に疑問を抱く――。 「眼」終 #これで「おろち」全編投下終わりました。まとめサイトの方にはお手数おかけしますが 「姉妹」「ステージ」「カギ」「ふるさと」「骨」 「戦闘」「秀才」「眼」「血」の順で掲載お願いします_| ̄|○
ふしぎ遊戯 玄武開伝説 お願いします
>316の続き レイヤーの話に反論するウリック。ウリックがザードの弟だと知り、レイヤーは驚愕する。 広場に人が集まり、いつのまにか周りにはギャラリーまで出来ていた。 五人は人目を避けるためにハギス神殿に向かう。 ザードは優しくて魔物もディアボロスも殺していないと言うウリックに、呆然とするレイヤー。 弟の前だから良い子ぶってるんだ、とレイヤーは冷たく言い放つ。 俯いて呟くウリック。「だって魔物とは友達だもん。友達は殺せない…」 森に住んでいたウリックにとって、魔物は家族のようなものだった。 ザードが旅に出ている間、ウリックは魔物と共にザードの帰りを待っていたという。 神と悪魔、天使、魔物、人など皆共存していた話は、大昔にのみ存在していた。 そんな話馬鹿げてると、レイヤーは一向に信じない。 レムはウリックに、ザードが本当にディアボロスを殺したのか問いかける。 その真実は、ディアボロスに囚われていたオディス国の王女しか知らない。 次の目的地はオディスだと意気込むウリック。しかし、王女は現在行方不明だった。 「心配しないで下さい」と手紙を書き残し王女は失踪。生きていれば15、6歳。 唯一の手がかりも、一瞬にして崩壊する。 ウリックとレイヤーは和解。 ザードの情報があまり入らなかったのは、ザードは町ではなく城を訪ねていたからだった。 息子まで借りておいて、王に会っていない事に慌てるウリック。 三人はハギス神殿を後にした。 道中、やけに楽しそうなウリック。シオンはそんなウリックが気に入らなかった。 言いたいことがあるならさっさと言え、とシオン。その言葉に、ウリックは俯く。 優しかったザードを信じて旅をしてきたのに、神だ悪魔だと他人に言われ、ウリックはザードが信じられなくなってしまった。 ザードは仕方なく魔物を殺してきた。そんな自分が嫌で、魔物を殺していないと自分自身に言い聞かせていたんじゃないか、とレムは想定する。 しかしシオンが口を挟む。「あいつのコト一番知ってるのは、弟のお前だろ!」 他人に惑わされ、兄を信じられなくなった自分が一番嫌いだったことに気が付くウリック。 三人は、アドビス城へ戻っていった。
法力国家アドビス。 ウリックは国王への謁見に緊張していた。シオンはウリックを心配するが、ウリックは敬語で返事をする。 今更になってシオンを王子扱いするウリックに、シオンはお得意のわがままを使う。 仕方なくウリックは今まで通りにシオンと接することに。流されやすい性格に、自己嫌悪するウリックだった。 二人は国王と謁見した。 シオンは父である国王に、ウリックと旅をしたいと告げる。 しかし国王は許可をしない。どこの馬の骨とも知れぬ者と旅をさせたくはないと言う。 ザードの弟だとシオンは言うが、ウリックにはザードの弟という証拠がなかった。 ロケットペンダントの中にザードの写真がある。しかし、ペンダントに写るウリックは少女の姿。 女だとバレてしまうのを恐れ、無言になるウリック。そこでシオンは提案した。 国王の目の前で、ウリックは忍と向かい合う。 ザードと同じ血を引く者なら、その者も強い力を持っているはずだとシオンは言う。 一度負けた相手を前に、ウリックは敗北を確信していた。 ウリックは忍と互角の戦いを見せる。しかし、忍は本気を出していなかった。 忍はウリックの背後に回り、後ろから抱えて地面に叩きつけようとする。 その時、忍の手がウリックの胸に触れ、有り得ない感触(w)に忍は後頭部を強打し自爆。 ウリックは勝利した。
国王は強さだけでは認めなかった。 ウリックに、ザードの得意料理は何だ、と質問する。 コゲコゲでスミのよーな目玉焼きだと、ウリックは申し訳なさそうに答えた。 周りの神官が笑う中、国王は天井から伸びていた紐を引く。 くす玉が割れてファンファーレが鳴り響く。「この者はまさしく勇者の弟!宴の用意を!」 ウリックはザードの弟と認められ、客人としてアドビスに招かれた。 豪華な食事が並べられ、国王と向かい合う三人。 国王はウリックに話しかけてばかりで、シオンは口も聞かなかった。 ウリックは、忍に偶然勝てたからよかったと、シオンに話す。シオンはそれを否定した。 相手の数が多くなったり飛び道具を使われると、ウリックは途端に弱くなってしまう。 シオンはウリックが忍に勝つことを想定していた。 国王に質問されっぱなしだったウリックは、自分が質問していないことを思い出す。 ウリックは国王に、ザードの事を聞きたいと質問した。 王は言う。「それならシオンに聞くがよい。ザードはシオンに会うため城へ訪ねて来てたんだ」と。 ザードがアドビスへ訪れていたのは、シオンに会う為だった。 どういう事なんだ、とウリックはシオンに問い質す。 しかし肝心のシオンは、料理が不味いと話をはぐらかした。シオンはウリックに、料理を作れと要求する。 王宮の厨房で料理するウリック。折角作った料理に、シオンは溜息を吐く。 その様子を、王は無言で眺めていた。
夜、城の個室。ベッドに横になるウリックに、灯りを持ってきたシオン。 少し前までは森で暮らしていたのに、今は旅をして色々な人と出会って、不思議だとウリックは言う。 世の中を知らないウリックを小馬鹿にしながら、シオンは灯りを消した。 廊下を歩くシオン。かつてザードに言われた言葉を思い出す。 「シオン、あの子を守ってやってくれ…世間も何も知らない子だ」 魔物と一緒に森に閉じ込め、世の中も何も知らないヤツに育てたのはお前だと、ザードに対し怒りを露わにしていた。 シオンは足を止める。「――世の中…か…」胸中でそう呟いた。 朝、城での生活も悪くないというウリック。ザードもこんな風に城でくつろいでいたのか、と考える。 そして、ウリックはシオンにザードのことを聞くのを忘れていたことに気が付いた。 大慌てでシオンを捜すウリック。城の図書室で国王と出会う。 城にいる間のシオンは、ウリックといる時のシオンと正反対の性格だと教えられた。 無口でわがままも言わない、「王子」としてのシオン。自分は息子のことが分からない最低の親だと言い、国王は図書室を後にする。 国王を追いかけようとするウリック。扉の影で城のばあやが立ち聞きしていた。 「ウリック殿は、僧侶と魔法使いの違いをご存じかの」ばあやがウリックに問う。 法力を使うのが僧侶、魔力を使うのが魔法使い。 僧侶は信仰する事により神の力を借りて、魔法使いは魔法を学び神の力を自ら操ることによって、魔法を使える。 アドビスは法力国家、法力は血筋で代々受け継がれている。シオンは法力ではなく魔力を持っていた。 もしかしたらシオンはアドビスの王子ではないのかもしれない――そんな疑惑が、ウリックの脳裏を過ぎった。 (続く)
見せしめか、首をくくられ木から吊るされた一群の死体。 その中の1人、女の死体の下には、その状態で産み落とされたと思しき 赤ん坊が落ちていた。しかも、その赤ん坊は奇跡的にも生きて、 泥水の中で産声を上げた。ガッツの誕生である。 ガッツを拾い育てたのは近くに住む傭兵団団長・ガンビーノの愛人、 シスだった。しかし彼女はガッツが3歳の時、ペストで死んでしまう。 それ以来ガンビーノに育てられたガッツは、6歳にして戦場にも同行させられ、 普段は子供の身の丈には余る大人用の剣を持たされ、剣の稽古を受けていた。 「自分の食い扶持くらい自分で稼げるようになれ」と手厳しくしごき、 笑い、時には憎憎しげな表情をも見せるガンビーノ。 けれど、傷につける薬をくれたりする気遣いが(たとえ罪の意識を紛らわす ためのものであっても)幼いガッツには嬉しかった。 9歳の時、兵士としては初陣を経験。敵兵も殺し、給金も貰う。 給金を渡すとガンビーノは、ガッツの分として銀貨1枚を寄越し、 ねぎらいの言葉もかけてくれた。喜びをかみしめるガッツ。 しかしその晩、今頃になって敵を殺したことに震えるガッツの寝床に、 傭兵団の仲間、ドノバンが押し入ってきた。犯されるガッツ。 更にドノバンは、「ガンビーノからお前を買った」と言い放つ。 だが翌朝顔を合わせると、ガンビーノはそ知らぬ顔をしている。 結局、自分を売ったというのは本当か、尋ねることはできなかった。 その後の戦いで、敗残兵を追って仲間から離れ、森に入って行ったドノバンを ガッツは後ろからボウガンで撃ち、殺してしまう。 ある日、ガンビーノは戦いで片足をなくし、傭兵も引退に追い込まれる。 ベッドでシスの名を呼ぶガンビーノの手を、ガッツは握り締める。
2年後、11歳になったガッツは傭兵として稼ぎ、ガンビーノを養っていた。 しかしガンビーノは荒んでおり、ガッツにはつらく当たるばかりだった。 そんなある日、寝ているガッツのところへ剣を持ったガンビーノが押し入ってくる。 お前は不吉な悪魔の子だ、シスが死んで自分が片足を失ったのもお前のせいだ、 11年前に死ぬべきだった、と言い、ガッツを殺そうとするガンビーノ。 更にガンビーノは、お前が鬱陶しかったから、あの時ドノバンに売った、と言う。 ガッツは反射的に手にした剣でガンビーノの首を突き、殺してしまう。 仲間殺しの罪で傭兵団を追われるガッツ。逃げるところを後ろから矢で撃たれ、 崖から落ちるが、命は取り留める。 剣を引きずり歩くガッツ。ひどい怪我で、生きていても嫌なことばかりだ。 狼の群れに囲まれた時、「終わりだ」と思うは、身体が反射的に剣を振るい、 狼を迎え撃つ。狼を追い払って倒れているところを通りかかった別の傭兵団に 拾われ、ガッツの傭兵としての人生は続くのだった。 (続く) ――鯖が軽い今の内に出来てる分だけ投下しときます。
がんばれ(´Д⊂
町を歩いているぬ〜べ〜に、黒マントを着た少女が話しかける。少女は死神だと名乗る。
「宣告します。貴方はあと24時間の命です」本来ならわざわざ告げたりはしないが、
霊感の高いぬ〜べ〜には死神の姿が見えるため、言いにきたのだという。
ぬ〜べ〜は霊感で予想を当て、競馬で一億儲けたり、その金で贅沢をしたりした後、
ゆきめを抱きに行くが少年誌なので途中で止め、皆に色んな物を送り、
生徒達に最下級の守護天使を見せた。力は微量だが幸せを与えてくれる。
生徒が喜んでいる隙に、ぬ〜べ〜は死神に連れられ河原へ来る。
もうすぐぬ〜べ〜が死ぬ時間。左手の鬼も冥界へ連れて行かれるらしい。
思い残す事は山のようにある。この町が、この町に生きる人達を愛している。
別れを告げる事など出来ない。死にたくない。
ぬ〜べ〜の様子に異変を感じた生徒達が走ってくる。
「時間です」死神は鎌を振るう。生徒達の前でぬ〜べ〜は倒れる。
「ぬ〜べ〜!」ぬ〜べ〜はもう目を開かなかった。
鵺野鳴介 享年二十五歳。死因 心臓発作。
ぬ〜べ〜の葬式は童守寺で行われた。生徒やゆきめやリツコは泣いた。
いずなは死が受け入れられず呆然とし、玉藻はうつむいていた。
そして一週間が経った。下級生が、あぎょうさんが出たと助けを求めに来る。
あぎょうさんは「あぎょうさん さぎょうご いかに」と言いながら現れる妖怪。
50音のあ行の三番目の「う」、さ行の五番目の「そ」、つまり嘘という事だ。
それを言っても「本当に出た!」と言って下級生はきかない。
しょうがなく郷子はあぎょうさんの出たという資料室へ行く。
「いないわよ何も。あぎょうさんなんていないいない」背後からあぎょうさんが現れる。
「あぎょうさんなんていないいない。うそ」そう言いながら妖怪はくるりと回って逆さまになり、
郷子の前に姿を現す。その事を他の皆に言うと「そんな妖怪ちっこくて弱い奴だろ。怖くない」と言われた。
「ちっこくて弱い奴 怖くない怖くない。うそ」妖怪はまたも逆さになり、巨大化し、
恐ろしい姿で生徒達に襲い掛かる。「妖怪が朝っぱらから出るなよ!」そう叫ぶと、
あぎょうさんの顔がまた逆さになり、外は夜の暗闇に包まれた。
続く
>>351 また誤字_l ̄l○スンマセンスンマセン
>ぬ〜べ〜 ドラえもんの「ウソエイトオーオー」みたいな展開になると予想
その日は月齢3.5。トマスが豚に変身する日だった。 豚にならなければならない頃のトマスは、いつもひどく苛立って、D・Dがいくら 励まそうと無駄なのだが、今日はやたらと機嫌がいい。かわりにD・Dの機嫌が悪い。 トマスは嬉しそうに言う。 「本当にさ!君の忠告には感謝してるんだ! 今迄ボクは"豚"ということにこだわり過ぎていた! たかが見てくれが悪いだけだし、イメージが悪いだけだ 変身中に他人に見つかったとしても・・・一生研究所で実験動物として飼育されるか ・・・食卓に並べられて食われるか・・・たかがそんなものだ! だから!僕が君に輸血した結果君が豚になったとしても ボクは罪悪感なんか 持つべきじゃなく・・・むしろ君の命を救えた事を喜ぶべきなんだ! な!ディー」 D・Dは3日前に拳銃で撃たれ、トマスの血を輸血されてしまっていた。 撃たれた傷は既に跡形もなく、D・Dは自分も化け物になるのだろうかと考える。 トマスの手を火のついた油の鍋に突っ込んで、ろくに火傷もしないことを確かめると、 D・Dは不機嫌な顔で、スパイダーマンの話を始めた。 「オレは・・・好きで一時その手のばかり見てたんだ スーパーマンとかキャプテン・アメリカ、バットマン! みんな派手なコスチュームつけて悪者と闘うんだけどな・・・ ある日 頁をめくるとスパイダーマンが自分でコスチュームを洗濯してたんだ 浴槽でバシャバシャと・・・ 考えてみれば当然なんだけどな・・・ マスクまでして正体を隠してるのに・・・まさかクリーニング屋には出せないし」 「なんでそいつらは普通の服を着ないんだ?」
呆れ顔のトマスに、D・Dは、普段着で格闘していたら付近の住民や警官には どちらが悪者か分からない、だからどんなに悪趣味でも識別されやすい格好を しなければならないのだと説明。 「とにかく!あのシーン見た時 何か・・・ひどく可哀相な気がして・・・それで」 D・Dはまともに怪我もしない身で、それでも、特性を活かして"正義の味方"など やらなくていい理由が欲しい(らしい)のだが、端からそんなことを考えもしない トマスには通じない。 月の出後。 D・Dには狼の尻尾が生えていた。 トマスはD・Dの様子を見に行き、彼が豚にならなかった上に、トマスのなりたかった 狼男と同じ尻尾が生えていることに、ショックを受ける。 しかもD・Dはその尻尾を無意味で無様だとぼやいていた。 ドアが開く音にD・Dが振り返ると、そこには巨大なダイナマイトで玉乗りをする トマス(豚)がいた。 「すまなかったディー・・・ボクの勝手な都合で君を苦しめて これ?君を死なせてやるためだよ! 丁度ボクも君を殺しちまってもいいと思ってるし だって君はボクを侮辱したじゃないか! "たかが豚"と君が言ったのはたかがボクだけの事の頃だけだ それに君はただの一度も"ありがとう"とは言ってくれなかったじゃないか! だから!今度こそ気に入ってもらわなきゃ ボクは友人として立つ瀬がないんだ」 トマスはD・Dに向けてダイナマイトを蹴り出した。
悲鳴を上げて飛び起きるD・D。 そこは病院。撃たれて3日間、ずっと眠っていたのだ。 「3日目?」 D・Dはびくっとして、おそるおそる布団の中に手を差し入れる。 D・Dの担当のドクターは、回復が早過ぎるから、異常に気付かれる前に病院を 出た方がいいと言う。 トマスはドクターに正体を明かした上で、ドクターが病院内で証拠を隠滅するかわりに、 彼の趣味に付き合って研究材料になる、という取り決めをしていたのだ。 ドクターからそれを聞いたD・Dは、感染させてやるから自分の血で研究しろ、と 彼の手を噛み、白衣を奪ってトマスのもとへ向かった。 「トマスはまだダイナマイトを転がしちゃいない」 夢の警告に従い、トマスに会ってまずお礼を言うD・D。 何かいい考えが浮かぶまで、問題は先送りにするつもりだったのだが。 トマスはD・Dの留守中に届いた手紙を取りに行こうとして、すれ違いざま、あることに気付く。 「ディー それは一体何なんだい?」 青ざめるD・D。 「ホラ!これ!!」 白衣から覗く尻尾を、おたま(シチューを煮込み中だった)で叩くトマス。 D・Dには、振り向いてトマスの顔を見る度胸はなかった・・・。 「お月様の贈り物」終わり。 この次の話で、D・Dが撃たれることになった事件が語られます。
>ゆきめを抱きに行くが少年誌なので途中で止め、 激しくワラタ
>360の続き アドビスの町外れの丘に、シオンはいた。 捜すのが大変だったとレムは文句を言うが、シオンは軽くあしらってしまう。 ウリックは先程、ばあやに言われた事を思い出す。 シオンは国王の幼い頃によく似ていたが、法力がない。 それを気にしているのか、国王はシオンに接するのに堅くなってしまい、シオンもまた国王との間に一線を引いていた。 シオンは無口で何を考えているのか分からず、国王はそんな風に育ったのは親である自分のせいだと悩んでいた。 ウリックは、自分にはわがままを言いたい放題なのに、と口に出した。 シオンはウリックに対し素直になれるのは、ウリックのことが好きだからだとばあやは言う。 好きな人にわがままを言って嫌われるのを恐れていたウリックは、シオンが変だ、と思っていた。 ウリックはばあやに言われた事を隠そうとするが、シオンに簡単にばれてしまった。 「ボク魔力も法力もないから、その力の大切さがよくわからないケド、魔力を持っててもシオンはシオンだろ」 ウリックは言うが、シオンの表情は暗かった。 その夜。明日出発するというウリックに、シオンも準備をすると言った。 次に向かう場所は決まっていない。 悩むウリックに、背後にいたばあやが声を出した。「基盤の神殿へ行ってみてはどーですかな」 言い伝えに出ていた聖石の一つ、水晶が「基盤の神殿」に治められていると言う。 水晶はすべてを知る石だと言われていた。ディアボロスの居場所が分かるし、シオンはアドビスの王子だということも証明出来る。 ただし、水晶は選ばれた者にしか答えてくれない。 神話を信じているウリックに、シオンは本当か信じ切れない、ただの作り話かもしれないと言う。 冒険心が削がれるウリック。その時、部屋の外が騒々しくなった。 廊下を走る数人の僧侶が、魔物が町に攻めてきていると言う。 ウリックは協力しようとするが、シオンは「面倒なことは嫌いだ」と他人に任せてしまう。 その言葉に怒り、ウリックは僧侶達と共に町へ赴いた。 ウリックは僧侶達とはぐれて迷子になり、その後を隠れながらシオンが追いかけていた。
シオンが影ながら道案内をして、どうにか僧侶達と合流するウリック。 魔物達を前に、僧侶達は苦戦を虐げられていた。 オク神に仕えている神官、トリートが魔物に攻撃されそうになった時、間一髪でウリックが助けに入る。 魔物が攻めてきたのは、ディアボロスの所為かもしれない。トリートがそう呟く。 ウリックはディアボロスという言葉に過敏に反応、魔物に一撃を食らわせ昏倒させた。 僧侶はウリックの援護を行うが、ウリックは背後から魔物に攻撃されてしまう。 そこを正義の使者と名乗った、変装したシオンに助けられた。 たまたま通りかかっただけだと言うシオンに、協力を求めるウリック。 トリートは魔法使いを嫌い、魔法使いの助けは借りたくないと言った。 僧侶が魔法使いを嫌っている理由は、神聖な力を魔法使いは乱用しているからだった。 アドビスの王子が魔法使いというだけで、アドビスの未来が不安だと、ウリックに同意を求める。 散々けなされて、黙っているシオンではない。神の助けを請うだけの僧侶は大バカ集団だと罵った。 魔物を倒さねばならない状況で喧嘩をする二人。 魔物との戦いも長期戦になっている。数も多く、僧侶達は不利な状況に追いやられていた。 シオンは強大な魔法を使い、魔物を一瞬にして全滅させる。 しかし、シオンが魔法使いだと他の僧侶にバレてしまい、僧侶達は敵視する様な目でシオンを見ていた。 魔物を倒したから帰るというシオン。ウリックとレムもその後に続いた。
アドビスの僧侶達は、魔法使いであるシオンを気に入らない。 だからシオンは自分を抑え隠して、アドビスで暮らしていた。 魔法に対する価値観が違うから、僧侶は魔法使いを嫌うのだと言う。 一方、城では国王とばあやは話をしていた。 国王に尋ねるばあや。「王子をあの少年にまかせてみては?」 ばあやが自然に振る舞うシオンを見るのは、ザードが訪れて以来だった。 ウリックは、アドビスを魔法使いを受け入れられるような国家にすればいいと言った。 長年植え付けられてきた価値観を、そんな簡単に変えられる訳がない。そう言いかけるシオン。 そこに三人を追いかけてきた子供の僧侶が、笑顔でシオンに礼を言う。 続いて、トリートも感謝を述べた。魔法使いではなくあなた個人に感謝します、と。 神にとっては法力も魔力も同じ力、そんな事で喧嘩をしていたらおかしいとウリックは言う。 「魔力持っててもシオンはシオンだよ!シオンならいー国つくれるよ!」ウリックの言葉に、シオンは当たり前だ、と笑った。 (続く)
逃げていくと、行き止まりだった。 「逃げられない!」そう叫ぶと、あぎょうさんの顔が逆さになり道が出来、 校長室にたどり着いた。広は電話で助けを呼ぶ。 ゆきめと玉藻は、最大のライバルと恋人を失った者同士悲しんでいた。 「もう生きていても仕方が無い」ゆきめは泣き出す。 「それもよかろう。私も、もう時間がない…」そこへ広の電話が。 ぬ〜べ〜の愛した生徒達を守りに2人は走る。 校長室には、近年多発する心霊現象について集められた『教育X白書』があった。 中にはあぎょうさんの事も書かれている。あぎょうさんは人の言った事を 全て嘘に変える妖怪だという。あぎょうさんが現れる。玉藻とゆきめが駆けつけた。 「あの2人がくれば無敵だぜ!あぎょうさんもあの2人には勝てない!」 「うそ」あぎょうさんの顔が逆さになる。2人は体を貫かれる。 「もう駄目だ…俺達はまだまだぬ〜べ〜がいなくちゃ駄目なんだ……でも、 ぬ〜べ〜は死んでもうこの世にいないんだ!二度と俺達を助けてくれないんだ!」 「うそ」あぎょうさんの顔が逆さになり、暗い廊下の向こうからぬ〜べ〜が現れた。 「この世には目には見えない闇の住人達がいる。奴らは時として牙を剥きお前達を襲ってくる。 俺はそんな奴らからお前達生徒を守るためなら、地獄の底からでもよみがえり、必ず…来る」 ぬ〜べ〜は鬼の手であぎょうさんを殺した。致命傷ではなかった玉藻とゆきめは起き上がる。 「すべては嘘だった…それで神が許すというのか。鵺野鳴介がまだこの世に必要だという事か…」 玉藻は呆然とする。 「もう二度とみんなのもとから離れない」ぬ〜べ〜は生徒達を抱きしめた。
広と克也は、下半身に何も身に付けていない美少女に会う。 「私は眠鬼(ミンキ)。地獄から来た誇り高き女戦士である!亜空間を通って現世に出る時、 凄まじいエネルギーの流れでパンツが脱げてしまってな…」眠鬼は自分のパンツを探していると言う。 鬼のパンツは妖力の源。パンツが無ければうまく力が出せない。 克也と広は、誰かが拾ってはいているかもしれないと、眠鬼と一緒に女子更衣室を覗く。 しかし眠鬼のパンツをはく者はいない。攻撃力はなくとも多少の力は使える。 「この光の玉の照らす所……みんなパンツ一丁になれ!」眠鬼は奥の手を出した。 校内にいる者は皆パンツ一丁になる。妖気を嗅ぎつけたぬ〜べ〜に会う。 「お前が鵺野鳴介だな。私は眠鬼!お前に倒された2人の兄の妹だ!」 強力な妖気に気付いた玉藻とゆきめも駆けつけるが、2人もパンツ一丁になる。 眠鬼は言う。古来鬼のパンツは強い霊力が秘められていると信じられてきた。 何故なら鬼のパンツは強力な霊能力者の体を紡いで作った物だからだ。 材料となる人間の霊力が強くなるほど強いパンツがつくられ、それを纏った鬼は 強い妖力を持つようになる。眠鬼は兄を倒すほどに強い力を持つぬ〜べ〜を パンツにしようと企んでいるのだ。しかしノーパンの今の眠鬼の力は微弱でしかない。 眠鬼のパンツを拾ってはいている石川先生(男)のパンツを妖力で脱がせようとするが、 コントロールが効かず、他の者のパンツばかり脱がせてしまい、校内には全裸の 生徒と教員で溢れ返った。やっとの事でパンツを取り返すが、強烈な匂いで倒れてしまう。 捕らえられた眠鬼は、ぬ〜べ〜クラスで引き取られる事になった。パンツはぬ〜べ〜が預かる。 パンツさえ無ければ眠鬼は普通の女の子だ。ゆきめと玉藻は眠鬼を殺せという。 しかし、鬼や妖怪といえど、人間の中で暮らすうちに、人の心を手に入れられると ぬ〜べ〜は信じている。それは玉藻とゆきめ自身が証明している。 ぬ〜べ〜に妖力を封じられふて腐れながらも、眠鬼は車に轢かれそうになった まことをかばったりと、優しい一面を見せる。ぬ〜べ〜が油断した隙に眠鬼は パンツを取り返す。「覚悟しろ鵺野鳴介!お前をパンツにしてやるよ!」 続く
>>347 ぬーべーまとめ乙です。
しかし、このエピソードよりも先に
ケサランパサランが登場するエピソードを
紹介するべきだったかと。
怪奇!豚人間の恐怖
パンツって・・・ネタ?
岡野君(作者)渾身のエロギャグです 彼はデビューから15年、ジャンプエロの限界に今も挑み続ける剛の者です
週刊ジャンプの連載者では萩原の次くらいのエロ度だからな
絶鬼と同等の力を持つ眠鬼により、ぬ〜べ〜は大怪我を負う。
ぬ〜べ〜を助けようと眠鬼に向かっていった男子生徒たちはパンツに変身させられる。
ぐずぐずしていると人間の心を失い、男子たちは本物のパンツになってしまう。
かろうじて意識は残っているが…興奮させ自我を保たせるために、
女子生徒たちはパンツとなった男子生徒をはく。パンツとなった男子生徒は
よだれや鼻血を出し、暴れ回る。眠鬼がその光景を見て笑っている隙に、
ぬ〜べ〜は眠鬼のパンツを脱がせようとする。パンツの片紐が解ける。
眠鬼は片手でパンツがずれないようにおさえながら。片手同士でぬ〜べ〜と戦う。
眠鬼は巨大な妖力球をつくり、両手で持ち上げる。手を放したたためにパンツがとれる。
自らの作った巨大な妖力で全身が燃える眠鬼。パンツも燃えた。ぬ〜べ〜が救う。
「今のお前は俺の生徒だ。命をかけても俺はお前を守る」大怪我を負い、ぬ〜べ〜は倒れる。
眠鬼はまたぬ〜べ〜クラスに戻った。幼い頃から人間はクズだと教えられ、
そう信じ込んでいた眠鬼。しかし、そのクズが自分を救った。人間とは何なのだろう。
郷子たちが眠鬼に袋を渡す。仕返しに嫌がらせとして虫か何かでも入れたのだろうと
思いながら開けると、中には綺麗なパンツがいくつも入っていた。
「みんなでお金出して買ったんだ。鬼のパンツは燃えちゃったし、
ぬ〜べ〜はパンツに出来なかったし、これで我慢して」眠鬼は喜びの涙を流す。
鬼のパンツがなくなったために地獄へは戻れない。
人間とは何なのかを自分なりに見極めるため、眠鬼は人間界に残る事にし、
自分の兄を左手に持つぬ〜べ〜をお兄ちゃんと呼んだ。
>>375 妖怪博士編がすっかり脳内から消えてて忘れてました。
ケサランパサンが何ぞやという方はこちらを。
osi.cool.ne.jp/youkai/youkai-8.htm
玉藻は自室で血を吐き苦しみだした。もう、残りの時間はわずかだ。 人間界へ来た目的は最も自分に適したドクロを奪い人化の術を完成させる事だった。 それにより妖狐の力は数十倍にも上がる。しかし、人の愛を知ろうと人間界に 溶け込むうち、玉藻には人を殺し、ドクロを奪う事など出来なくなっていた。 玉藻が今つけているドクロは玉藻にあっていない。不完全な人化の術は体を滅ぼす。 その有効期限が今、切れようとしている。しかし今のドクロを捨てて妖狐の姿に戻った所で 既に回復不可能なまでに蝕まれた体は元に戻らない。手遅れだ。 そこへ、妖狐の谷の若狐・石蕗丸(つわぶきまる)が現れる。玉藻を尊敬している石蕗丸は言う。 まだ手遅れではない、広を殺しドクロを奪い、人化の術を完成させれば大丈夫だと。 二人は童守小へと行く。石蕗丸は広の首をはねようとする。 広のドクロは諦めたはずではないかと、ぬ〜べ〜は叫ぶ。 「私の本質は人間の敵ですよ。狐を信用するとは愚かな…!」広を守ろうとするぬ〜べ〜と戦う。 「何故だ玉藻!お前は人間の愛を理解し始めていたんじゃなかったのか… もう何度も町の人々や生徒たちを救った…あれは見せ掛けの芝居だったというのか!?」 「黙れ!私は…人間の愛など…」玉藻は動揺する。 二人が争ううちに石蕗丸は広の首を再度取ろうとする。玉藻はとっさにかばってしまう。 「許せ…石蕗丸。私は長く人間と付き合いすぎたようだ。 鵺野先生、また貴方の勝利です。せめて…忘れないで下さい。 強さを求めるあまり、人間の愛などというくだらない物を学んだバカな狐がいた事を…」 玉藻は宙に浮きその場を去る。体が音を立て崩れ始めていた。 残った石蕗丸により、ぬ〜べ〜は全てを知る。ぬ〜べ〜はダウジングで玉藻の居場所を突き止める。 人間の敵である玉藻を、何故ぬ〜べ〜達が捜し歩くのかが石蕗丸にはわからなかった。 見つかった時には、既に玉藻は廃人となっていた。正気を無くし、壊れたように笑う、体中ひび割れた玉藻。 「…お前は人間を理解しようと、ずっと悩んでいた。しかしお前は広の頭蓋骨を取らなかった。 そしてこんな姿に…そんなお前は誰よりも……人間らしかった…」 壊れた玉藻を抱きしめながら、ぬ〜べ〜は泣いた。
続く
そうそう。人魚の子なんか、ほとんど股間まで書かれてたもんね。 エロいよな。
他板で名作と聞いた、「吸血鬼の夢」と「蛍火の杜へ」をお願いします。
「蛍火の社へ」予約します。
>374 すげワラタw
「姫ちゃんのリボン」 いきます。 作者:水沢めぐみ 全10巻 ・登場人物紹介 野々原姫子(ののはらひめこ):主人公。明るく元気でお人好しなおてんば中学生。スポーツ万能だが勉強は苦手。 映画監督の父、小説家の母、女らしい姉、幼稚園の妹の5人家族。演劇部。 ポコ太:姫子が生まれた時から共にいるライオンのぬいぐるみ。♂。姫子が魔法のリボンをつけると動きだす。 姫子の親友兼お目付で口うるさい。 小林大地(こばやしだいち):ヒーロー。姫子の同級生。スポーツ万能で顔も頭も結構良い。趣味は自転車旅行。 軽めのノリだがいざというときは優しく頼りになる。警察官の両親、幼稚園の弟の4人家族。 エリカ:魔法の国の王女。姫子に魔法のリボンを貸し、王家の修行で姫子を一年間観察し日記をつけている。 *エリカの(姫子の)魔法の赤いリボンの効能 ・この世界に存在する人間になら誰にでも変身できる。 ・鏡の前で呪文「パラレル パラレル ○○になーれ」を唱えて変身。変身時間は1時間である。 ・変身している間はリボンが赤いリボン型のペンダントに変わる。 ・元に戻る呪文は変身呪文を反対に唱える。「ルレラパ ルレラパ 元の姿になーれ」 ・元に戻る時は3分前にピコピコ鳴りだし、1分ごとに音が大きくなっていく。 ・1時間以内に戻らなかった場合、永遠にその姿でいなければならない。 ・リボンのことや魔法の国を人に知られたら、姫子は記憶を消されエリカの修行も取り消しとなる。
男子と野球サッカーと暴れ放題の、明るく元気一杯の中学生・姫子。 ある日憧れの支倉先輩に会いに行った姫子は、廃屋を見つけ好奇心で侵入する。 彼女はそこで同級生の小林大地が空に手を掲げて、おまじないのようなことをしているのを見た。 大地に男子と間違われた上、跳び蹴りを喰らわせた所を先輩に見られて落ち込む姫子。 女らしくなりたい、そう願って姫子が目を開けると、そこにはリボンをつけた自分と同じ顔の少女がいた。 彼女は魔法の国の王女・エリカと名乗った。魔法の国と人間界には対になる同じ顔の人間がいるのだという。 エリカは王家の修行のため同じ顔の姫子を一年間観察させて欲しいと言ってきた。 拒否する姫子にエリカは自分のリボンを渡す。それは呪文を唱えると誰にでも変身できる魔法のリボンだった。 取引は成立し、姫子は女らしく憧れの姉・愛子の姿に変身し、浮かれて街へと繰り出した。 街中をうろついていた姫子は愛子の姿でナンパされるが、そこを支倉先輩に助けられる。 舞い上がる姫子だが、どうやら先輩と愛子は知り合いだったらしく、彼は愛子(姫子)に突然告白してきた。 しかしその時丁度ペンダントが鳴りだし、姫子は挨拶もそこそこに先輩の前から立ち去ってしまう。 落ち込む姫子に、ポコ太は姫子が中身はとても優しい女らしい子だと知っている、と元気づけた。 ポコ太に励まされ、次の日に元気一杯で部活に出た姫子だが支倉先輩は当然落ち込んでいた。 姫子は計画を立て、先輩に変身して愛子に告白するという再度同じシチュエーションを作ることにする。 そこで偶然姫子に泥水をぶっかけた小林大地に愛子をナンパしてくれるよう頼み、計画は出来上がった。 大地が愛子をナンパしているところに、姫子は支倉先輩に変身し大地を追い払おうとし、そのまま告白する。 しかし運悪く先輩の妹が登場し、無理矢理連行され姫子は大地と愛子の前から立ち去る羽目になった。 その後、大地は街中で先輩に変身した姫子と先輩本人を同時に見てしまう。 姫子は先輩の家からなんとか逃げだした。その後大地は同じ人間を見たことを錯覚か双子か変身かと悶々とする。
そのうち文化祭の準備が始まった。先輩は演劇部の主役に抜擢されるが事故で足を怪我してしまう。 姫子は校長に頼み込み、演劇部の公演の日をずらしてもらうことに成功した。先輩の喜ぶ顔に幸せな姫子。 しかし劇を見に来た愛子は先輩とはち合わせ、再び告白して二人は付き合うことになった。 姫子は結果的にお膳立てしてやったことを良かったんだと強がるが、涙は止まらずポコ太と二人屋上で泣きじゃくる。 大地は屋上にやってきたところ、姫子が泣いて寝てしまっているのを見た。 立ち入り禁止の屋上に入っているところを先生に見付かった二人は逃げ出すが、姫子はリボンを破いてしまい ポコ太はただのぬいぐるみに戻ってしまう。パニクりぬいぐるみを呼ぶ姫子に大地は当然不信の目を向けてきた。 結局リボンを縫って直したもののポコ太はそのままで、姫子は落ち込みまくる。 さらにそこに姫子と大地が熱愛中というとんでもない噂が学校を駆けめぐる。 追い打ちをかけて現れたのが日比野ひかる。小林大地ファンクラブ会長というナルシスト気味の少女である。 噂の真偽について詰め寄る日比野に、姫子は大地に確かめればすぐ分かると言うが、当の大地がいい加減な返事をして 姫子はますます日比野に目をつけられる。リボンが治るとエリカの手紙で知り、なんとかしたいと切に願う姫子は 治ったばかりのリボンで大地に変身し日比野に会いに行った。そして噂が嘘だと伝え元に戻ろうとするが、 呪文を唱えても何も起こらない。リボンが治っていないせいだと姫子は理解し、このまま元に戻れなかったらと焦る。 大地の姿では学校にもいられず飛び出すが、行く当てもなく彷徨うことに。 一方、大地は日比野に今朝の事を言われ「??」であるが、カンの良い大地は真相に気づき姫子を探しに行く。 あてもなくふらつく姫子は例の廃屋を思い出しそちらに向かった。が、そこでなんと本物の大地とバッタリ遭遇。 絶体絶命の姫子だがスキをついて逃げだした。エリカに助けを求めて大泣きする(大地の姿の)姫子。 夜中になり公園で寝ていた姫子は、自分の姿がいつのまにか元に戻っているのを見て泣いて安堵し家に戻った。 そして自分の姿がとても大事だと実感し、変身を控えることを心に決める。 「これからはあたし自身をもっと大切にしてあげるの」
次の日姫子は風邪でぶったおれる。そこに大地がお見舞いに現れた。 大地は「どうして昨日、俺の姿になっていたんだ」と核心をつく問いを残し去っていった。 焦る姫子とポコ太は変身のことをバラされるまいと大地の弱点について探りだす。 大地がいた廃屋に秘密があると見て向かうも、大地とまたも遭遇しピンチに陥る姫子達。 そこに大地の弟の森太郎の悲鳴があがった。誘拐されたと知り、タクシーをつかまえて追いかける。 エリカは助けに行こうとするが、魔法界が人間界に関与してはならないと教育係に止められて泣く。 誘拐犯に抵抗するも拳銃には歯が立たず追いつめられ、姫子は大地の目の前で森太郎に変身してしまった。 姫子は変身の力で森太郎を助け危機を乗り切り、誘拐犯は逮捕された。 しかし変身についてばらされることを覚悟した姫子に大地は「言わないよ、誰にも」という意外な答えを返した。 ただ好奇心で知りたかったという大地は、話が聞きたいと言って姫子とポコ太を例の隠れ家に招待する。 姫子は大地の隠れ家である廃屋に足を踏み入れた。姫子はポコ太を紹介し、魔法の国のことを話し始める。 話を聞き終わった大地は素直に感動を見せ、姫子は大地に不思議な感情を抱いた。 しかし帰りに、姫子は先輩に渡すはずだった落とし物を見つけ、それをからかった大地と喧嘩してしまった。 その頃、魔法の国では姫子達の記憶を消すことが会議で決定されていた。 しかし判決が出ていざ、というときになって王様(エリカの父)の元に使いが飛び込んでくる。 王様はしばし悩んだ末に姫子達の記憶は消さずに修行も続行する、という方針にして決定を覆した。 姫子の記憶が消されてしまう、と泣き伏していたエリカは喜ぶが、あの頑固な父が決めたことを変えるなど 何か起こるに違いない、と予感した。 続く
「魔法の国の王女」「変身モノ」「人に知られるとまずい」 王道だなあ。ベタとも言う。
姫ちゃんのリボンは最初から最後まで、少女漫画の王道の真中を突っ走ってますよ。それがイイんだが。
>335 【二十話】 出張から帰って一週間、風茉は熱を出して寝込んでいる。 「来週の誕生日プレゼント何か欲しいものある?」 咲十子が、様子見がてらやってきて聞くと、風茉は指を触ってもいいかと聞く。 「そんなの、了解なんかとらなくたって、風茉君にはもう許されてることじゃない」 言った咲十子も、言われた風茉も真っ赤になって俯いた。 その頃、一美が、長年の想いを鋼に打ち明ける為、九鉄に送ってもらって屋敷に来ていた。 九鉄は、そっと見守る。 咲十子は、晃子を誘ってプレゼント選びに出かける。 シンデレラの指輪の話になり、晃子から詳しく聞く。 「お城に落としたパパの形見の指輪を王子様が届けに来てくれた」 幼い頃の咲十子はそう言っていたらしいが、心当たりはない。 ママに確かめると、和久寺には二度程来たことがあると教えられる。 風茉に頼まれて黙っていたらしい。 一方の一美。 涙を溜めた一美を九鉄は優しく抱きしめる。 「子供だからって言わなかった。だからいいの」 何年も同じ顔が側にいるのに、一美は九鉄を一度も身代わりにしなかった。 「鋼十郎って呼んでもいいよ」 優しく微笑むが、一美はまだ諦めないと、九鉄の胸で泣いた。 咲十子は、風茉に事情を聞きに行く。どうして黙ってろなんて頼んだのか。 風茉は、王子様を知ってるといい、当時10才だった咲十子はそいつを好きだったと話す。 忘れてるならわざわざライバルなんて作りたくなかったから黙っててもらったと。 「ホントは。この位になってから咲十子と再会するつもりだった。ずっと待ってたんだ。 了解なんか取らずにどこまで許されてる? 俺、どこまでなら近づいてもいい…」
【最終話】 (前回の続き) 風茉は、熱を振り返し倒れてしまう。 〜風茉の夢〜 まだ二歳の風茉は、風邪を引いていた。 外は雪。そこに傘をさした母子を見つける。 女の子は、自分の傘を庭先に咲いていたひとつのチューリップに立て掛けてあげ、母と帰って行った。 風茉は、傘を拾い、チューリップを植木鉢に移して枕元に置いて眠った。 『あの子が暖かそうに見えたから』 目を覚ました風茉は、咲十子に過去の話を聞かせる。 自分は、気後れして上手く咲十子と話せなかった。 鋼と遊んでいる咲十子を遠巻きに見ていたと。 〜風茉の記憶〜 温室で風茉は、ふてくされて、いつの間にかうたた寝してたらしい。 目が覚めると、自分の服を風茉にかけ、一緒に寝ている咲十子がいた… 『やっぱり暖かい』 また眠りについた風茉を見届け、咲十子は部屋を出る。 鋼は、咲十子に話の続きを話してくれた。 七年前、咲十子に指輪を届けに行ったのは自分だった。 その時、風茉は言ったという。 「鋼が届けた方が、きっと喜ぶから」 温室のバラの中、手を刺で傷だらけにして見つけてくれたのは、風茉だったのに。
学校で会うも喧嘩モードの大地と姫子。荒れる姫子は振り回したカバンを直撃させ、見知らぬ男と出会う。 彼は有坂静と名乗り、姫子のクラスに転校してきた。美形で長身、ミステリアスな有坂に女子はざわめく。 有坂は姫子を気に入ったと公衆の面前で告白してきた。戸惑いながらも嬉しい姫子。 後日、屋上の秘密ゾーンで大地と姫子はまたも喧嘩しかけてしまう。 そのやりとりをネズミを使って見ていた有坂は「小林大地か… 邪魔なやつだな」と呟いた。 その夜、ポコ太は何者かの声で目をさまし、窓の外にいた有坂に操られて大地の家に行く。 大地はポコ太を招きいれるが、ポコ太は大地に突然襲いかかった。いつもと様子が違うポコ太に驚く大地。 自分の周りで不可解な出来事が起こることを考え込む大地は、色々なヒントから一つの結論を導き出す。 「有坂は、魔法の国から来たのか?」 有坂は姫子に何か目的があって近づいたのだと言う大地に、姫子は腹を立て平手打ちを喰らわしますます 派手に喧嘩してしまう。今後何があっても助けてもらわない、と言い捨てて姫子は廃屋を飛び出した。 その後、姫子は有坂とデートをするがその時リボンやポコ太のことを知っている風な彼に不信を抱く。 そして彼について調べ始め変身を見られてしまうが、有坂は既に知っていた。やはり彼は魔法の国の人間だったのだ。 彼はエリカの婚約者だった。しかし堅苦しい王家に入るのを拒否しており、姫子に言い寄ることでエリカに 愛想を尽かされるよう画策していたのである。当然怒る姫子に有坂は魔法を使い一時的に体の自由を奪った。 動物を操る力を持つ有坂は助けに入った大地を足止めしリボンをかすめて消えようとするが、姫子のキックで気絶する。 目を覚ました有坂はリボンをとろうとしたのはラーメンの賭けネタだったと明かし、大地は爆笑し姫子は唖然。 有坂はミステリアスな雰囲気はどこへやら、さわやかに姿を消した。 姫子は大地に謝り自分を殴れというが、大地は代わりに姫子に廃屋の合い鍵を渡す。 その優しさに姫子は胸が一杯になった。 次の日学校に行くと、そこには魔法の国に帰ったはずの有坂がいた。 彼は親から勘当されてしまったらしく、さらに姫子の跳び蹴りで本格的に惚れてしまったらしい(マゾ?)。 雰囲気がすっかり変わった有坂は人間界に居着くことになった。
風茉の様子を見に行くと、ちょうど起きた風茉。 咲十子は気になっていたことを聞く。 「この位になってからって、もっと大きくなってから会いにくるつもりだったの?」 アクシデントさえなければそうだったと答える風茉。 「ずっと見守っていた。困ってることはないか、辛いことはないか」 咲十子は、鋼の言葉を思い出す。 『指輪を届ける時、もうひとつ風茉様から言えと言われた言葉が。“君を守るから”』 いつも、どこにいても守っていてくれた。咲十子の目には涙が浮かんでいた。 「熱、下がったね」 風茉の額と自分のをくっつけて確認すると、そっと口づけた。 〜風茉の記憶の前の出来事〜 温室で眠ってしまった風茉。ママが迎えに来てくれるが、咲十子は風茉が起きるまで待って帰ると言う。 「二年前、風茉君がチューリップ掘り出してお部屋に入れてくれたんだって。 雪の中でかわいそうだったの。でもね、本当はわたしみたいって思ったの。 だから、風茉君がお花に優しくしてくれたのが、自分にしてもらったみたいで すごく嬉しかったの。 だから、ずっと会ってみたくてね。 そしたら何か王子様みたいだから、照れちゃってまだお礼も言えてないや…」 『優しくしてくれたの嬉しかったの。会えて嬉しいの』 終わり
「妖弧の神…金毛玉面九尾の狐になら救えるんじゃないか?」 史上最強の妖弧・九尾の狐になら…ぬ〜べ〜は石蕗丸に連れられ、 栃木県那の殺生石へと、生徒とゆきめと共に行く。 石には異空間へと続く道がある。生徒とゆきめを残し、ぬ〜べ〜は中へと入る。 中には巨大な老いぼれた狐がいた。もう既に妖力はなくなっているだろう。 玉藻を元に戻して欲しいとぬ〜べ〜は言う。九本うちの一つを与えれば玉藻は 元に戻るだろう、しかし人間の愛などという下らない物を持とうとした玉藻になど与えるか、 人間は醜い生き物、そんな者に近づこうとする妖弧など助けたくないと言う。 「人間が醜くない事が証明できれば、お前の望みをかなえてやる」九尾の狐はそう言った。 気付くと殺生石の外へ戻っていた。手に負えないと見て、九尾の狐が追い出したのだろう。 生徒達が森を探索しに行こうとすると、森から妖怪が飛び出した。ぬ〜べ〜は妖怪を倒す。 「かすり傷負っちゃったじゃないか!」「助けるのが遅いのよノロマ」生徒達はそう罵る。 助けてもらったのにそう言う言い方はないだろうとぬ〜べ〜が怒ると、 「礼でも言って欲しいわけ?」「恩着せがましいんだよ」と生徒達は言う。 「見返りがなければ腹が立つか。利己主義」狐のような顔に変化した郷子が言う。 そこへもう一匹妖怪が飛び出す。両手に鬼の手を持つ男が現れ退治する。 皆はぬ〜べ〜よりその男のほうが頼りになると笑い、ゆきめは素敵だと頬を染める。 ぬ〜べ〜は苛立つ。「自分より優れた者を妬む、嫉妬」男の顔が狐のように変形する。 またも妖怪が現れ、一瞬のうちに生徒、ゆきめ、男を殺す。辺りは血まみれに。 ぬ〜べ〜は涙を流し、叫びながら鬼の手を奮い、妖怪を殺す。 「憎しみ…醜い、醜いのう」九尾の狐の声が響く。「黙れ!こいつは俺の生徒を…!」 「だからお前が正しいというのか?よく見ろ。お前が最初に殺したのは妖怪の母。 次は父。そして最後に殺したのは親を殺され怒り狂った子供妖怪だったのだ。 平和に暮らしていた妖怪親子を皆殺しにした…それも元はと言えば、お前の生徒が この妖怪の森に入って荒らしたのが原因なんじゃぞ。それでも自分が正しいというのか」 最後に現れた妖怪は、涙を流し、血に濡れた両親を見つめながら死んでいた。
ディアマインの人、乙そしてスマソ。割り込んじゃった。
うお、文章修正してる間に書き込みが。乙です。 割り込みすみません。続きをどうぞ。
>399 うんにゃ、続き気になるので是非ドゾ。
気付くと元の、石蕗丸と来た殺生石の中に戻っていた。幻を見せられたのだ。 「人間とはしょせんこんな物。お前の望みなど聞けぬ。死ね」 老いぼれていた妖弧は凄まじい妖気を放つ、偉大なる九尾の狐としての真の姿を現す。 「お前は最初、私の姿を見て舐めてかかった。見かけだけでものを判断する下等な生物だ」 ぬ〜べ〜を試すため老いぼれたふりをしていたのだ。九尾の狐は炎を浴びせようとする。 廃人となっていたはずの玉藻は立ち上がり、それをかばう。九尾の狐は炎をそらす。 「こやつ…もう一つ心がある。狐の心は壊れてしまったが…もう一つ… まさかこの妖弧、私の最も恐れている力が備わりつつあるというのか…」 もう一度チャンスを与えると言い、九尾の狐は巨大な壷を出す。 ぬ〜べ〜と玉藻は中へ吸い込まれる。 中でぬ〜べ〜は巨大な岩に足を潰された。それを正気になった玉藻が救う。 どうやら一時的に九尾の狐が元に戻したようだ。玉藻は言う。 この壷は妖狐族の『試練の壷』。壷の出口まで行けば出られるのだが、 そこに至るまで様々な試練があり、限界まで力を試され、死に至る事もあると。 玉藻は足の潰れたぬ〜べ〜をおぶって、道行く苦難を乗り越える。 「人間の愛…それは私にとっていまだに理解しきれないものだ。 だがこれだけは言える。私は、貴方に死んでほしくない」 入口までの崖に登る途中、妖怪たちが二人を襲う。 おぶさりながら戦う事など無理だ。自分を見放せとぬ〜べ〜は言う。 「貴方を決して殺させはしない!たとえこの命削られようとも……」 やがて2人は壷の外へと出る。玉藻は廃人へと戻る。 「私が試したかった物、それは玉藻の中にある人間の心だ。私は力では人間よりずっと勝っている。 しかし人間には恐ろしい力がある。他者を思いやる時何十何百もの奇跡の力を発揮する。 私はその力に敗れてきた。私にとってその力は恐るべきものなのだ。しかし玉藻は妖狐でありながら その力を手に入れつつある。もしそれが手に入れば、妖狐族の未来にとって大きな力となるだろう」 玉藻は九尾のうち一本を与えられ、元に戻った。 「ゆけ。妖狐 玉藻よ。そして妖狐も人間をも超えた力を手に入れるのだ」 玉藻たちは童守町へと帰った。
鬼の妖気を封じられた石像を、ぬ〜べ〜は触れてしまう。 左手の鬼・覇鬼(バキ)はその妖力を吸い、封印を解き、その場から逃げ去った。 その事を聞いた眠鬼は、自分は兄の味方をすると言って覇鬼の後を追う。 妖力は強くとも頭は弱い覇鬼は、子供が喜ぶような事にすぐ夢中になる。そこへぬ〜べ〜が。 自分を封じていた憎い敵・ぬ〜べ〜を覇鬼は殺そうとするが、すぐに他の物に気を取られてしまう。 覇鬼の性格を把握したぬ〜べ〜は、覇鬼の鬼を取らせてはその間に攻撃を繰り返した。 覇鬼が死んでしまう。眠鬼は攻撃をかばい倒れる。 「おのれ人間ども。よくも俺の大事な妹を…許さん!」覇鬼は口から火を噴き暴れ狂う。 覇鬼の本性、目に付くもの全てを壊す破壊の権化。鬼の手は無いが、生徒を守るために ぬ〜べ〜は無限ともいえるほどに力を上げ、覇鬼と戦う。 「お前には…俺の大切な者たちに指一本…触れさせん…」血だらけのぬ〜べ〜は言う。 覇鬼はぬ〜べ〜の頭を潰そうとする。眠鬼が止める。 「私はしばらく人間と暮らしてみてわかった。信じられない事だけど、 こいつらは自分の命より他人の命を大事に思うときがあるんだ。 それは鬼をも打ち破るパワーを生み出す事がある。こいつは私を他の人間と同じように大切にしてくれた。 そんな時、私は今まで無かった気持ちが芽生えたの。それは…やすらぎよ」 まどわされているだけだと覇鬼は言い、尚もぬ〜べ〜を殺そうとする。眠鬼はぬ〜べ〜の左半身に合体した。 眠鬼の力により、空を飛び妖力派を放ち、妖怪にしか見えないぬ〜べ〜。 覇鬼と同等の力だ。戦いの末我を忘れた覇鬼は、炎を飛ばす。 眠鬼にも防げない大技。眠鬼をかばい、ぬ〜べ〜の右半身が炎でただれる。 血が繋がっていなくても、ぬ〜べ〜は眠鬼を妹として大事にしてくれている。 ぬ〜べ〜は地獄にはない温かい心のパワーを持っている。それを壊すのは許さないと眠鬼は言う。 覇鬼はぬ〜べ〜に向かい手をかざす。ぬ〜べ〜の傷が癒える。 「…鬼の手にされてる間に覚えた…ヒーリングとかいう鬼にはない技だ。おい、人間。お前の勝ちだ。もう人間は殺さない」 地獄へ帰ろうとしない眠鬼が心配なため、しばらく人間界に残ると言い、覇鬼はぬ〜べ〜の左手に戻った。 全ては元に戻ったかのように見えた。 続く
>眠鬼の力により、空を飛び妖力派を放ち、妖怪にしか見えないぬ〜べ〜。 普段左手に鬼がある時点で妖怪クセー
>387-390,395 の続き 進級し、姫子は大地、有坂、日比野とすばらしいメンバーと同じクラスになる。 久々の部活に姫子は燃えるが、部員減少のために演劇部は廃止の危機。 焦った姫子は色々なアイドルに変身して新入生を勧誘するという作戦にでた。 しかし興奮した生徒達、特に日比野に追いかけられた姫子は捕まえられ、週刊誌に写真までとられてしまう。 さらには変身時間の時間切れまで重なり超絶パニックの姫子。かなりギリギリのところを全て大地に助けられる。 大地は説教されて素直に謝る姫子にドキリとするが、姫子が今回の件(有名人に変身して勧誘会を行うこと)を 有坂に相談していたことに対し「これからは全部俺に言え」と言って走り去った。 ドタバタと過ごすうちに、修学旅行がやってきた。姫子はポコ太も連れて行くが、これがハプニングの元となる。 日比野にポコ太を見られてしまったのだ。日比野はポコ太を執拗に調べようとし、困った姫子はリボンを 一時的に外してポコ太を預けることにした。次の日、日比野はポコ太を調べるために残るが、当のポコ太は 全く普通のぬいぐるみだった。退屈さに抜け出した日比野は、ポコ太をあやまって谷川に落としてしまう。 さらに日比野は姫子のリボンを盗んだ有坂がリボンをつけて(…)変身をしようとしているのを目撃してしまった。 姫子は日比野にポコ太を川に流してしまったことをきき、すぐに探しに行って見つけるが 濁流に足をとられ溺れてしまう。姫子を助けたのは大地だった。また助けられた姫子は何度も大地に礼を言った。 夏休みに入り、姫子は誕生日を迎えた。 ポコ太に有坂が変身しようとしているのを日比野に見られてしまったことをきき、大地に相談しに行くが 大地は自転車旅行の真っ最中。大地の祖父は祖母が重病だという笑えない冗談をかます。 しかし姫子は真に受け大地に変身して祖母に会いに行き、運悪く日比野に遭遇してしまった。 日比野は有坂からのデータや不自然な状況続きからとうとう姫子=変身という秘密を探り当てる。 日比野は週刊誌の記者と結託して姫子を罠にかけ、姫子は日比野の姿に変身しておびき寄せられた。 写真をとられかけ、もはやこれまでという時に時間が止まった。
止めたのは掟を破って人間界に来たエリカだった。安心する姫子だが最大の危機が訪れる。 時が止まったことで、姫子は変身時間を過ぎて元に戻れなくなってしまったのだ。 エリカの父は、掟を破ったエリカに罰として1カ月間人間界で暮らすよう言い渡し、 時間内に戻れなかった姫子は一生そのままだ、と告げた。姫子は泣いているエリカを連れひとまず廃屋に避難する。 そして謝るエリカに、全てを忘れるよりはこの方が良かったんだと慰めた。 エリカは髪を切り姫子の代わりに野々原家に行き、姫子は廃屋でエリカの帰りを待った。 暗い部屋で不安で押しつぶされそうな姫子の前に現れたのは旅行を切り上げて帰ってきた大地だった。 大地は肝心な時に助けてやれなくてごめんな、と謝る。大地にやせ我慢するなと言われ姫子は大泣きした。 泣きじゃくる姫子の頭を優しくなでる大地に、姫子は大地への想いを自覚した。 「大地は 本当に夏の大地だ やさしくて大きくて強くて あたたかい… 今はっきり分かったの あたしは大地が好きなんだ…」 その後廃屋にポコ太を連れてエリカが、姫子が元に戻れる方法があるらしい、という吉報をもってやってきた。 希望が見えた姫子は、大地達と14歳のバースデーパーティを祝う。 大地は待ち伏せていた日比野に変身やポコ太のことを嘘八百でごまかし、日比野から疑念を取り去ることに成功。 今後変身に関して追求してくることはなくなる。 エリカは姫子と楽しく過ごし、こんな日が送れるとは思わなかったと二人喜ぶが、 エリカの父は元に戻れると安心している二人に焦りを覚えた。 期待させるまいと何も言わなかったという王様は、有坂の元に使いを送った。 有坂は話を聞いて、「姫ちゃんが元に戻れるのは、後何十年も先ってことになる」と深刻な顔を見せる。 大地は有坂からさらに話を聞いて、有坂は姫子に伝えておいてくれと逃げていってしまった。 残された大地はそんなのは嘘だ、と苦しみ、ポコ太はいつもと大地の様子が違うことを察知した。
気分転換に大地に連れられ姫子とエリカ、そしてなぜか有坂はピクニックに行く。 姫子は元気全開で楽しむが、その心中は不安で一杯だった。 自分は元の姿にもう戻れないのではないかと弱音を吐き、自分を見るなと言う姫子に、大地は姫子を見つめ、 どんな姿でも野々原だよ、と強く言った。 そのすぐ後、雨による落石からエリカをかばい姫子は岩にぶつかってしまう。 息をしていない姫子に呆然とする大地達。しかし大地達の前で、姫子は日比野の姿から元に戻り目を開けた。 姫子が元に戻る方法とは、死んでしまった時だった。 廃屋に帰ってきた姫子達の前に現れた王様は、緊急会議を開くといいエリカと有坂を連れて姿を消した。 数日後の夜、エリカが魔法の国へのパーティに姫子を招待するため現れた。 魔法の国へやってきた姫子に王様は、エリカの命を救ってくれたことに対する礼だと言った。 さらに数ある魔法のアイテムの一つを選んで持って帰っていいという。 ポコ太はピンクという可愛いネコのぬいぐるみと出会い、恋人同士になった。 パーティで姫子は有坂のいとこのカミルを紹介されるが、カミルは大地と同じ顔のナンパな男であった。 カミルにたきつけられた姫子は、飾ってあった喋る時計を使って未来の世界へ行ってしまう。 3年後の世界で日比野と遭遇し、追いかけられてピンチの姫子は3年後の世界の大地に助けられた。 姫子は成長して相変わらず優しい大地にドキドキする。 そこに3年後の姫子が飛び込んできた。綺麗になって大人っぽい自分を見て興奮する姫子。 高校や恋人や部活のことを矢継ぎ早に質問するが、3年後の自分は内緒といって教えてくれない。 大地は「未来は分からないから面白いんだよ」と笑った。 二人に別れを告げ、姫子は時計に連れられ元の世界へと戻るが罰としてすぐ帰るように言われる。 しかしエリカの修行の期間が延ばされることを聞いて喜び合い、魔法のキャンデーをもらって人間界へと戻った。 続く
蛍が彼に会ったの六歳の頃の、暑い夏の日だった。 妖怪達の住むといわれる山神の森で、迷子になり泣き出してしまった蛍の前に現れた 犬のような面をつけた、一人の少年。 蛍は人恋しさのあまり、彼の姿を見るなり抱きつこうとする。 だが彼は身をかわし、蛍は地面に激突するはめになった。 彼は蛍に謝り、こう言う。 「お前は人間の子供だろう?俺は人間に触れられると消えてしまう」 彼はこの森に住む妖怪だったのだ。 消えるとはどういうことなのか、興味を持った蛍は 執拗に彼を触ろうとせまるが、太い木の棒で殴り倒されてしまうのだった。 彼は山神にかけられた術によって、人間に触れられると本当に消滅してしまうという。 事の重大さを知り謝る蛍。 彼は、蛍に先ほどの棒を差しだし、先端を持つように言った。 手がつなげないのでこうして道案内をするというのだ。 感激した蛍は思わず彼に飛びつきそうになり、また殴り倒されてしまう。 山神の森をならんで歩きながら 「何かデートみたいデスネー」と、蛍。 「色気のないデートデスネー」と、彼。 蛍は、彼が妖怪だと知っても、少しも怖いとは思わないようだった。 森の出口になる鳥居に着き、また会えるかと問う蛍に彼は言った。 「ここは山神様と妖怪達の住む森。『入れば心を惑わされ帰れなくなる』 『行っては行けない』と大人達に言われているだろう」 しかし、蛍は忠告に従おうとはしなかった。 「私は竹川蛍。あなたは?」 彼は答えない。 とにかくまた来る、と告げて走り去ろうとする蛍の背中に 言葉が投げられた。 「『ギン』だ」
振り返ると彼はもういない。 森を出た蛍は、迎えに来た祖父にこっぴどく叱られた。 帰り道、祖父は蛍に山神の森の話をしてくれた。 彼は子供の頃妖怪に会いたくて、友達と一緒によく山神の森に入ったらしい。 はっきりとはしないが、それらしきものを見たことがあったし 夏になると森のなかから、お囃子が聞こえたりしたこともあった。 妖怪達の夏祭りに、迷い込んだかもしれない友達もいたという。 翌日、蛍が森の入り口にやってくると 犬の面をつけた少年が鳥居の下で待っていた。 ギンだ。「本当に来るとは思わなかった」 感激してまた飛びつきそうになり、殴られる蛍。 蛍はギンに連れられ、また森深くに入っていった。 森の中で目を凝らすと、木々のすきまに蠢く影が見える。 影が言う。 「ギン、それ人間の子供か。食べてもいいか」 ギンは蛍を背中にかばい、拒否する。「駄目だよ、友達なんだ」 「……そうか。人の子、ギンの肌に触れてくれるなよ。 もし触れれば、わしがお前を食ってやるぞ」 怯える蛍。 ギンがくしゃみで脅かすと、影は狐のような妖怪に変身して逃げていった。 蛍はさっき怖がっていたことも忘れ、本物の妖怪に会えたと喜んではしゃぐ。 しかしよく考えれば、ギンも妖怪なのだ。 蛍はふとギンの素顔が気になり、面をつけるわけを聞くが、彼ははぐらかす。 「おれのことはいい。蛍のことを話せよ」 蛍はすこし嬉しくなった。「興味ある?」 「あるから来たんだ」とギン。
それから蛍は毎日森を訪れ、ギンと二人で遊び回った。 ある日のこと、眠っているようすのギンを見て 蛍はどうしても彼の顔が気になり、そっと面をはずした。 素顔は、まるで普通の少年だった。 そのとき彼が目を開け、蛍は慌てて面を戻した。「ごめんなさい!」 蛍がもう一度面をつける理由を訊ねると、ギンはこう言った。 「こんな面でもつけていないと、妖怪には見えないだろう?」 蛍は夏休みの間だけ、祖父の田舎であるこの土地に遊びに来ていた。 最後の日に、明日からしばらく来られないとギンに告げた。 そっけないふりをしつつ、「来年も来られるか?」と訊ねるギン。 蛍は喜んで答えた「うん!」 それから、蛍は毎年夏が来るのを心待ちにするようになった。 会いに行くたび、ギンは蛍を待っていてくれた。 そんな夏が、何年も繰り返されていくのだった。 あるとき、木陰から大きな妖怪の手が伸びてきて 蛍の側に座っていたギンを抱き寄せ、こう言ったことがある。 「ギン、あぶない。それは人の子だ。触れられたらお前は消えてしまう」 ギンが森に住む他の妖怪達からも、慕われているのがよくわかった。 絶対にギンに触れるなと忠告され、蛍は「はい」と誓った。 蛍は妖怪をすこし羨ましく思う。 (妖怪さん達は、ギンに触れることができるのね…) その後、蛍はギンを驚かせようとして木に登り、誤って落ちてしまう。 「危ない、ほた…」思わず手を差し伸べかけるギン。 寸前で身をかわし、蛍の体は受け止められずに落下した。 「……すまん、蛍。大丈夫か」 蛍は、よかったと言って笑う。 「ねぇ、ギン。何があっても、絶対私に触らないでね。……ね?」 蛍の目から涙がこぼれおちた。 「絶対よ」
「じゃーん、中坊になりました〜」 ある夏、蛍はセーラー服を着てギンのもとを訪れた。 「何か女みたいに見えるぞ」と、ギン。 一応女だと言ってむくれる蛍は、ふと気づいた。 目線の高さがすこしずつ近づいていくことに。 蛍は年を重ねるごとに姿が変わってゆくのに ギンは出会った頃と、ほとんど変わらない姿だということに。 蛍は心のどこかで、ギンが本当は人間なのではないかと あわい期待を抱いていたのだ。 凍てつく冬の日、蛍は級友に手を引かれて歩きながら、遠い夏を想う。 ――ギンに 逢いたいです ギンに 触れたいです―― 同じ頃、ギンは雪の降りしきる森の中で……。 そしてまた季節は巡る。 その年やってきた蛍は、高校の制服に身を包んでいた。 「最近はもう飛びついてこないな」と言うギンに、蛍は憮然として答えた。 「あたりまえでしょ、あれだけゴスゴス殴っておいて」 蛍は高校を卒業したら、この土地で就職を探すつもりだと言う。 そうすればもっと一緒にいられる。秋も、春も、冬も、ずっと―― ギンは、蛍の夢を肯定しない。かわりにぽつりと言った。 「おれのことを話すよ」 ギンはいわゆる『妖怪』ではない。元は人間で、赤ん坊の頃森に捨てられたのだ。 本来はそのとき寿命が尽きたはずだったが山神が彼を憐れんで、生かしているのだ。 それに甘えて、いつまでも成仏しようとしない幽霊のようなものなのだ。 「蛍、忘れてしまっていいんだよ。妖術で保たれている体は、とても脆い。 本物の体を持つ人間に触れると消えてしまう。 そんなあやふやな存在に、君がいつまでも――」
蛍は、彼の言葉を遮るように言った。 「触れると消えてしまうなんて、まるで雪のようね」 冬の間もギンのことを考えていた。蛍はそう続けた。 「ギン、忘れないでね。私のこと、忘れないで」 いつか、時間が自分達を分かつだろう。 蛍はもう確信していた。 (それでも、そのときまで一緒にいようよ) その夏、ギンは蛍を妖怪達の夏祭りに誘った。 今までは蛍が怖がるかと思い、誘えなかったのだ。 蛍はもちろん行きたい答える。 だが、妖怪ばかりの祭と聞いて少し不安がる蛍に、ギンは言った。 「大丈夫、見かけは人の祭りと変わりないし 蛍はおれが守るよ」 「…そういうこと言われると、飛びつきたくなってしまう」と、蛍。 ギンは答える。 「飛びつけばいい。本望だ」 夜が訪れ、夏祭りが始まった。 森の中は妖怪達や夜店で賑わい、いつもとまるで違った雰囲気だ。 この祭りは、妖怪がみんな人間に化けているため 本物の人間も、間違って時々迷い込んで来ることがあるという。 二人はお互いの手を布でつないで、歩いた。 「ふふ、デートみたいデスネー」と、蛍。 「デートなんデスネー」と、ギン。 祭りの喧騒の中をならんで歩きながら、ギンは呟いた。 「蛍。おれ、もう夏を待てないよ。 離れていると、人混みをかきわけてでも 蛍に逢いに行きたくなるよ」 犬の面をはずし、蛍にかぶせて、その上からそっと口づけた。 「その面やるよ」
祭りの帰り道 素顔のギンと、面をつけた蛍は森の出口までやってきた。 そのとき、小さな子供が通りかかり転びそうになる。 ギンは思わず腕を掴んで助けた。 礼を言い去っていく子供を見送った後 蛍はギンの身に起きた異変に気づく。 指先が光の粒になって、空中に溶けようとしている。 先ほど、子供の腕を掴んだ手だ。 今の子供は、祭りに紛れ込んだ本物の人間だったのだ。 ギンは、消えゆく自分の指先をみつめ―― 両手を広げた。 「来い、蛍。やっとお前に触れられる」 蛍がためらったのは一瞬だった。 被っていた面をはずし、たまらずギンのもとへ駆け寄る。 ずっと待ち望んでいた、お互いの体のぬくもり。 ギンの体は光になり 蛍の手には、彼の着ていた浴衣の感触だけが残された。 『好きだよ』 ――ええ、私もよ―― ギンからもらった面を抱きしめ、人の世界への道を戻る蛍に いつかの妖怪が語りかけてきた 「ありがとう。ギンはやっと人に触れたいと思ったんだね。 やっと人に抱きしめてもらえたんだね」 蛍は、しばらくの間は夏を心待ちにできないだろう。 けれど、この手に残るぬくもりも、夏の日の思い出も ずっと蛍と共に生きていく。
絵での表現が多い話なだけに文にするのは大変そうですね。乙です。 最後の一行は「ずっとギンと共に生きていく」の間違いじゃないでしょうか?
覇鬼は遊びだして授業を妨害する事はあっても、人に危害を加える事はなかった。 長い間、鬼の手として子供達を守ってきた事で、覇鬼の凶悪な性格が薄れたのだろう。 雪が降る。雪合戦でもしようかと話す中、美奈子が現れた。 覇鬼を抑える必要が無くなったために、鬼の手から開放されたのだ。 美奈子はぬ〜べ〜に連れられた店で、ラーメンを何十杯も食べる。 ぬ〜べ〜も負けじと食べるが、四次元腹の美奈子は更に食う。 食後の運動にボーリングをしに行くが、美奈子はボールを転ばさずに投げて 幾度も見事にストライクする。美人で何でも出来る楽しい先生だと生徒達は笑う。 夜もふけ、生徒達は帰る。 「子供も帰ったし居酒屋にでも…」必死に笑み顔を作りぬ〜べ〜は言う。 美奈子は口元は笑ったまま、涙を流す。 「…もう時間よ。私はもう死んでいるの。魂だけで肉体はないの。 陽神の術でつくったこの体も、これ以上は保てない。 …この世にはもう居られないの。貴方の手で成仏させて」 ぬ〜べ〜も涙を流す。 「美奈子先生…俺は貴方の言葉に励まされ貴方のような 教師になりたくて霊能力教師になりました。 鵺野鳴介 地獄先生ぬ〜べ〜は貴方なしには誕生しませんでした。 貴方にはどれだけ感謝しても…足りません。」 「鵺野くん 貴方は本当に立派に育ってくれたわ。それだけで…十分…」 覇鬼と戦った時の、わずかに残った傷跡を美奈子はヒーリングで癒す。 小学生の頃と変わらず温かい。 この人がいたから沢山の生徒を守ってこれた。全てこの人がいたから。 美奈子は美しく煌きながら消えていった。
卒業シーズン。生徒達は六年生を送る会の練習を重ねていた。 もうすぐ学年が変わる。ぬ〜べ〜や皆と別々のクラスになってしまう。 郷子はその事で悲しむが、皆は毎年の事だろうと笑うだけ。 さくらと名乗る見覚えの無い女の子が話し掛けてくる。 「校庭の桜で一本だけ花の咲いてない木があるでしょう?あの木の幹に 自分の名前を刻むと、同じ学年をもう一度やり直せるという伝説があるの」 郷子は半信半疑で木の幹に自分の名を彫った。 ぬ〜べ〜は咲かずの桜の周りに大量の血が零れているのを見る。 木の幹には『稲葉郷子』と彫られていた。 昔、童守小学校にとても仲のいい五年生のクラスがあったという。 3月になり、進級・クラス替えが決まって別れを嫌がり皆泣いた。 担任の先生は、最後の思い出にと、皆を遠足に連れて行った。 そこで彼らは事故にあい、永遠に進級しなかったという… 校庭の咲かずの木は、そのクラスが植えたもの。 そのためかこの木に名前を彫ると、彼らのように進級せずもう一度同じ学年を繰り返す。 しかし、それはまやかしだ。彼らの霊に魂が囚われるだけだ。 この木には団結力の強い集合霊がついている。ぬ〜べ〜でも除霊は難しいかもしれない。 気付くと、郷子は教室にいた。五年生になった頃の世界に戻っている。 5月くらいに転校してきた広もいた。郷子が楽しいと思っていた教室を再現したものなのだ。 はじめは楽しんでいた郷子は、卑怯で陰に隠れて煙草を吸うような不良だった克也や、 今と違い他人への思いやりの無い美樹達に違和感を感じる。 今はもう取り壊されている、木造の旧校舎に皆で入る。 中には、毒薬で人を殺し、自らも毒で自殺した理科教師の幽霊が出るという。 「ポイズ〜ン」そう言いながら理科教師の霊は襲ってくる。 こけた郷子が助けを求めても、この頃の怖がりなまことは郷子を見捨てて逃げていく。 そこへぬ〜べ〜が助けに来る。郷子も加勢する。他の生徒は見ているだけ。 「まだその先生の事知らないし、命かけてまで助けられないよ」 その言葉にショックを受ける。無事助かるが、喜ぶ皆の姿にも違和感が。
「違う…こんなの間違ってるよ。この一年で5年3組の皆が得た者は0からやり直せないんだよ! 私間違ってた。クラスの皆一人一人が一年かけて変わった部分は……どんな宝物よりも 大事な物だったのよ。それを私の勝手な思いで0にリセットしてしまって… また同じ経験を重ねてつくっていくなんて…そんなの偽物よ!まがい物よ! 私わかったの。楽しい時の経験は、もう一度繰り返すんじゃなくて、未来への糧にするんだって」 「もう逃げられないよ」郷子の周りの生徒達が木のような姿に変わる。 ぬ〜べ〜は必死に除霊しようとするが、郷子の魂は鬼の中に融合している。 無理に引き剥がせば郷子は死んでしまう。木に宿る集合霊の一人一人の力は強くないが、 心の絆で何乗にも力が上がっている。外からの除霊は不可能に近い。 外が無理なら中からは…?ぬ〜べ〜が止めるのも聞かず、 生徒達は木の幹に自分の名前を彫って中へと入る。 郷子は集合霊に追われ、時の止まった校舎の中を走りまわっていた。 「ここは止まった時の世界…卒業も進級もない。楽しかった時間を永遠に繰り返すのよ。 貴方もそれを望んだでしょう?だから私たちはもう仲間なのよ。さあ融合して一つになるのよ」 そこへ5年3組の生徒達と、後を追ってきたぬ〜べ〜がやって来る。 クラス替えを寂しいとも思わない奴らに負けはしないと さくらは言う。 ここは魂の世界、念じれば伝わると、生徒達は さくらに5年3組の思い出を見せる。 「こんな温かくて楽しくて皆が思いやってるクラスがあるなんて… この子達は本当に5年3組を愛してる。じゃあ何故クラス替えを悲しまないの!? 何故私たちのようにずっと一緒にいたいと思わないの!?」 「俺達5年3組の友情がクラス替えくらいじゃ無くならないって信じてるからさ。 クラスが変わっても学校が変わっても、ずっとずっと友達でいられるって信じているから」 広の言葉に さくらは涙を流す。 「素晴らしいクラスなのね。そこまで信じあえるなんて。 私たちはきっと臆病だっただけ。居心地のいい時間を失うのが怖くて逃げてただけ。 私たちも…そろそろ進級します……さようなら」集合霊は去っていく。 生徒達は現実へと戻る。霊が成仏したためか、時が動き、咲かずの木に桜が咲いた。 続く
>蛍火の社へ うわぁ切ない…。いい話デスネー。 ぬ〜べ〜も沁みる話が多いですね。
>姫ちゃん こちらこそ、すみませんでした。エラーばっかでリロできず… 懐かしいなー姫ちゃん!乙です。
>413 漫画だと「私と共に生きていく」になってるので、 合ってると思われます
吸血鬼の夢予約します。マイナーだと思ってたけど結構知ってる人多いんだろうか。
>404-406の続き 次の日登校途中、姫子は可愛い女の子がガラの悪いヤクザに誘拐されかけているのを助ける。 彼女は聖結花(ひじりゆか)といい、女優の卵であった。 昔この街に住んでおり帰ってきたのだと言う。結花は大地と幼なじみだった。 そんな中、姫子は文化祭でやる演劇ピーターパンの主役に抜擢される。やる気満々で燃えまくる姫子。 ある日、姫子は魔法のキャンデーを試して小さくなって遊んでいたところ、夢子に人形扱いで 連れ出されてしまい、大地と結花が一緒にいるところに出くわす。 結花は姫子を夢子からとりあげて遊ぶが、大地が姫子人形を取り戻そうと躍起になっていることを 面白くなく感じる。その後も大地が姫子を気に掛けていることに眉をひそめる結花。 結花は姫子に大地が好きだから協力しろと言ってくるが、姫子も大地を好きだと知ると喧嘩別れしてしまう。 憂鬱な姫子に追い打ちをかけ、結花はピーターパンの主役をやりたい、と演劇部に入部してきた。 女優の結花には敵わず、姫子は役を奪われてしまう。 果ては秘密の場所だった屋上で、大地と結花が一緒にいるところに出会わせる。 自分の大事な場所がなくなっていってしまうと感じ、姫子は大地にも八つ当たりで「大っ嫌い」と叫んでしまった。 その後姫子は自己嫌悪で泣き伏していたが、ポコ太に励まされ持ち前の強さで気合いを入れて前に進み始める。 そして文化祭の朝、ポコ太は結花が例のチンピラに攫われてしまった現場を目撃する。 結花は隣町のヤクザの本拠地にいた。大地と姫子は助けにいき、姫子は組長に変身する。 本物の組長と遭遇してしまい、姫子はピンチに陥るがそれも変身の力で乗り切った。 組長は結花のファンで攫ったのだが、姫子は結花の姿で組長を一喝する。 姫子は結花を連れ必死に学校へ戻るが、演劇直前結花は倒れ、姫子は急遽ピーターパンをやることになった。 結花と大地の話をきいた姫子は、彼女がわざと倒れたことを知る。 結花は明るく人気者で大地とも仲の良い姫子を羨んでいたのだ。 結花の寂しさを汲み取った姫子は仲直りすることが出来た。
彼とであったのは十子が13の時。東京が帝都と呼ばれた時代。 警官から隠れていた十子は、茂みの中で無数の鼠の死骸を発見する。 その傍には鼠の血を吸う異国の男が。彼は十子に驚き倒れてしまう。 十子は彼を仲間達のもとへと運び、彼の脈が止まっている事に気付く。 彼は鼠の血を吸っていた。もしや吸血鬼じゃないかと十子は疑う。 しかし、吸血鬼ならば恐れるはずの十字架を、彼は首に下げている。 十字架を首からとり、彼の顔に当てる。すると彼の顔が焼け焦げた。 本物の吸血鬼だ。 焼けたショックで彼は起き上がり、カルロス・デロ・バンデスと名乗る 職業は神父だという。十子たちは彼を「おカルちゃん」と呼んだ。 おカルちゃんは吸血鬼だが怖くなく、情けなく思えるほどだった。 十子も十子の仲間達も、そんなおカルちゃんを自然と受け入れた。 おカルちゃんは十子の事を「トコさん」と呼ぶ。十子とは自分でつけた名だ。 親にかくれんぼだと言われ、十数えているうちに棄てられたのが由来だ。 「トコさん、生きていれば必ずいい事がありますよ。わたしはそう信じています」 荒んだ目の十子に、日傘を差したおカルちゃんはそう言った。 十子と同じように親のいない仲間達は生きるために何でもした。 スリ、かっぱらい、悪どい商売。そして一番得意とする事は、 行方不明の子供や孫を探している金持ち相手の詐欺だ。 老夫婦には駆け落ちの末死んだ息子がいた。夫妻は残された孫を探している。 十子は孫のふりをし、嘘の涙を流し、少しずつ信用させ金をふんだくる気だ。
またかぶってしまった。スマソ
しばらく後、魔法の国では有坂セイとその従兄弟、カミルがとんでもないことを引き起こしていた。 カミルの作った魔法の眠り薬がピンクにかかってしまったのだ。 ピンクを目覚めさせるには恋人のポコ太ともう一組カップルの力が要る。 セイとカミルはピンクを人間界に送り込むが、途中でピンクは落っこちて行方不明になってしまった。 その頃、姫子は例の件以来大地とぎこちなく落ち込んでいた。カミルのせいでさらに二人はこじれることになる。 カミルは姫子と大地が恋人同士だと思っておりピンクのことを頼みにきた。 が、二人がカップルでないと知ると姫子を大地とくっつけるため色々とやらかし、大変な騒ぎを巻き起こす。 姫子もまたもう一組カップルを探すあまりに友人の愛美を傷つけてしまい、自己嫌悪に陥る。 しかしポコ太や愛美、結花や愛子などを見て、自分も大地に素直にぶつかってみようと決意した。 そして大地を呼び出し全てを話そうとしていたのだが、そこに担任の五利先生の娘がピンクを抱いて現れる。 探していたピンクを見つけ、姫子はなんとか取り戻そうと大地のことを忘れて五利先生の家へ向かった。 しかし五利先生の家が火事になり、姫子は先生の娘とピンクを助けに火事の中に飛び込んでいく。 一方、約束をすっぽかされ怒る大地は結花にX'masプレゼントを渡されるが、物は受け取らない主義だと断る。 結花は、これが姫子ならどうするのか、大地は姫子をどう思っているのかと詰め寄った。 そこに五利先生の家が火事で、赤いリボンの女の子が家に飛び込んでいった、という話がきこえ 大地は駆けだした。そして姫子達を助けに大地もまた火事の中へ飛び込んでいく。 大地が気絶する姫子の名前を呼び、ポコ太がピンクにキスをすると、不思議な光が走った。 ピンクは目を覚まし、また突然大雨が降り出して(王様が降らせた)火は消えた。 病院で姫子は大地に礼を言い、先生の娘はお礼だと言って姫子にピンクを渡し、ピンクは帰ってきた。 大地に今までのいきさつを説明する姫子。カミルも現れて説明し、万事解決である。 姫子は大地にクリスマスプレゼントのクッキーを渡し、大地はそれを受け取った。雰囲気的に盛り上がる二人。 姫子は素直な気持ちで「大好き」と大地に伝えることができ、大地は微笑って受け止めた。
こちらこそゴメン。なんか活動時間帯がかぶりますな。 ドゾ。 ついでに422のナンバーは9でした。失礼しますた。
警察に尾けられている事に気付き、仲間達は別れて逃げた。 帰ると笑顔のおカルちゃんがいた。 おカルちゃんは本当に不思議な吸血鬼だ。 日傘で太陽をよけながら、身を焼く十字架を首に下げ、神様の話ばかりした。 吸血鬼のくせに血を吸う事を嫌い、倒れてばかりのおカルちゃんに 十子は捕まえた鼠を差し出す。我慢せずに食べろと。 「ボロボロじゃないか。あんたこのままじゃ死んじまうよ。吸血鬼だっていつか死ぬんだろ?」 十子はすねたように顔をそらす。 「あたし、あんたの神様なんか大嫌いだ」十子に神が信じられるわけはない。 「トコさん、わたしは昔 信心の足りない神父でした。 若かったせいもあって神様を疑っていました。 そんな わたしの気持ちを吸血鬼に見抜かれて、 わたしは仲間にされてしまったのです。 はじめは神様を呪いました。 たくさんの人を殺してその血を吸いました。 でも そうやって神様や自分を呪いながら 永遠に生きるのは つらすぎる。 わたしは神様を信じたい。信じていればきっと 神様のお姿が見えるとそう思う事にしたんです」 おカルちゃんは笑みながらそう言い、十子が出て行ったのを確認した後に 涙を流しながら鼠の体から血を吸った。おカルちゃんの事を思い十子は悲しむ。 十子は老夫婦から綺麗な服と美味しい紅茶をもらう。 「この年になってこんないい事があるなんて。生きててよかったわ。こんないい事 他にないわ」 十子を孫だと信じきっている老婆はそう言って涙を流す。彼女を騙している事に罪悪感を感じる。 「あたし……ごめんなさい!あなたたちの孫なんかじゃないの!」 十子はそう言って家を飛び出す。そこへ警官が。 捕まりそうになる十子をおカルちゃんが助け、2人は暗い路地裏へと隠れる。
十子を探す警官の気配。何人もいるようだ。
「あたしカモに正体ばらしちゃった。バカだよね。あたし、神様なんて信じないけど、
あんたの信じてる事はあたしも信じたいよ。生きてればきっと、いい事があるって」
十子はおカルちゃんを抱きしめる。そこへ警官達が走ってくる。
「平気だよ。捕まったってすぐ出てこれるし。また仲間を集めて商売するから。
その時は今より もっとマシな事出来るといいけど。行って。あんたのいい事が見つかるように」
警官に捕まった十子は笑顔でおカルちゃんを逃がす。おカルちゃんは言う。
「それはもう見つかりました。あなたです」
その時のおカルちゃんを今でもはっきり覚えています。
おカルちゃんはゆっくりと光のさす場所へ歩いてゆき、
空に向かって日傘を高く放り投げ 笑って消えていったのです。
しばらくして十子は外の世界に戻った。
十子が騙していた老夫婦は、十子を引き取りたいといった。
「あたしは仲間と悪さやってる方が似合ってる」
そう言って十子は仲間達のもとへと帰った。
十子が捕まった後、おカルちゃんの姿を見た者はいない。
しかし十子にはおカルちゃんがどこにいるか、わかるような気がした。
「おカルちゃん、そこにいるの?」空をあおぎ十子はつぶやく。
そうしてわたしは 吸血鬼に夢をもらって 生きていこうとしたのでした。
<完>
>>426 今度からは更新するよう気をつけます。うっかり忘れてしまう。
吸血鬼乙です。 「吸血鬼の夢」ってちょろっと検索してみたけどわかんなかった。 外人さんの小説しかでなかったよ。 出版社、著者教えてくれませんか? それにしてもぬ〜べ〜先生いろんな話知ってますなぁ。
>407 すげいい話だと思って絵を検索。 ちょっとびっくり。 自分の頭の中では漆原友紀が描いていた(勝手に…)。
恋愛に対して奥手で消極的なぬ〜べ〜。 ぬ〜べ〜の態度に不安を感じてゆきめは泣く。 生徒達は、ぬ〜べ〜のもてない人生で両思いなんて滅多にない、結婚しろとはやしたてる。 ぬ〜べ〜は恥かしがって嫌がるが、生徒達の罠にはまって皆の前でプロポーズ。 結婚式場・玉砂殿で式を挙げることに。しかも一週間後に。 妖怪であるゆきめは正式にぬ〜べ〜と籍を入れる事が出来ない。 だから、せめて結婚式だけは人並みにやりたいと言う。 二人を影で見ている男が一人。今は眠りについている山の神の最後の使途である、最強の妖術使い・岩天狗。 岩天狗は『成田離婚をするのはこんなカップル』という本を参考に二人の仲を引き裂こうとする。 生徒やリツコにも応援され、あっという間に結婚前夜。ぬ〜べ〜は窓から月を見る。 「親父、お袋。俺は明日結婚するよ。 俺達家族の思い出は…辛い記憶の方が多いけど… 俺は必ず幸せな家庭を築くよ。それをどこか遠くで見守っていてくれ」 岩天狗は『不安の風』をぬ〜べ〜に飛ばす。 酷い悪寒の後、眠りについた夢を見る。 年老いたぬ〜べ〜とゆきめ。 稼ぎが悪く、ゆきめを放って生徒をかまうぬ〜べ〜。 ゆきめは奴隷のようにぬ〜べ〜をこき使い、愛なんてとっくになくなったと言う。 「私…ちっとも幸せになれなかった」今の姿に戻ったゆきめは泣きながら言う。 そこで目が覚めた。放心した様子のぬ〜べ〜は家を出、式場にも向かわずあてもなく歩いた。
「こうも簡単にわしの幻術にかかるとは!もっと幻を見せて不安を煽ってやる! 結婚なんかしようとするからだ!わしなんか女の人の手を握った事もないんだぞ!」 生きていればまた結婚しようとするだろう。岩天狗はぬ〜べ〜を殺そうとする。 覇鬼の協力を得、ぬ〜べ〜は羽を生やし空中で岩天狗と戦う。 最初から岩天狗の術に気付いていたのだ。 結婚には不安があるが、そんな事はお互い納得済みの事。 強い妖気を放つ岩天狗の存在に気付かないほど抜けてはいない。 「ゆきめとの結婚、それにお前は最後の障害だ。俺はゆきめを幸せにしたい。全力でお前を倒す!」 妖怪だからと山の神の掟だからと、ゆきめが流した涙に報いるためにも。 死闘の末、岩天狗を倒すが、ぬ〜べ〜自身も大怪我を負う。 結婚式場に辿り着いた瀕死のぬ〜べ〜は速魚の血で回復する。 岩天狗につけこまれた不安が多少残っている、花婿姿のぬ〜べ〜。 純白のウエディングドレスを着た美しいゆきめを見てそんな思いは消えた。 だが、式の予定の時間はだいぶ過ぎており、次の予約も入っているため中止に。 式場が使えないため、列席者達は童守小へ。 ゆきめは校庭に巨大な氷の協会をつくり、中で式を挙げる。 神父は童守寺の和尚が、仲人は玉藻が勤めた。 ぬ〜べ〜は手袋の上から、交換した指輪を左手の薬指にはめた。 2人は誓いのキスを交わす。「それが愛の最終形態ですか」と、玉藻。 「お幸せに」と、リツコ。生徒達も「頑張れ」と2人の結婚を祝った。
「しかし…さみしくなるな鵺野君がいなくなると。九州へ転任か…」校長は言う。 それを聞いていた美樹は、伸びた首を興奮で絡めながら皆に報告した。 ぬ〜べ〜とゆきめは引越しの用意をしていた。眠鬼もだ。 ぬ〜べ〜は玉藻を呼び出す。何故この地を離れる気になったのかと玉藻は訊く。 「九州で墓地の上に建設されたため、霊的磁場が発生し、悪霊や妖怪が 多数表れるようになった小学校がある。県の教育委員会は特例措置として 俺にその学校に赴任して生徒を守ってくれと願い出た。考えた末そこに行く事にした」 自分がいなくなった後、妖怪や幽霊から生徒達を守ってくれとぬ〜べ〜は言う。 「より強い妖狐となるために私は人間界で修行すると九尾の狐様に誓った。 童守町で妖怪や霊がらみの事件が起これば修行の一環として子供達を助けます」 玉藻は承諾してくれた。そこへ、生徒達が大正ビルの中でお化けに捕らえられたと報せが。 中には、天井から妖怪に吊下げられた生徒達が。助けてと生徒は叫ぶ。 「ぬ〜べ〜!私たちはこんなに弱いのよ!私たちまだ先生が必要なのよ!!」 明かりをつける。暗闇ではそれらしく見えるが、妖怪は生徒が作ったハリボテだった。 何の真似だとぬ〜べ〜は聞く。生徒達は泣き出した。 「先生…行っちゃうんでしょ。私たちを置いて…遠くの学校へ…」 「何でだよ急に。何で行っちゃうんだよ!」「私達まだまだぬ〜べ〜が必要よ!」 俺を必要としている子供がいるからだと、目をそらしぬ〜べ〜は答える。 「ぼくたちだって まだまだ必要なのだ!」「教えて欲しい事まだまだ一杯あるわ!」 「ぬ〜べ〜俺達が好きじゃないのか!?」「私たちが可愛くないの!?」 ぬ〜べ〜は生徒達をきつく抱きしめ、涙を流しながら言う。 「可愛くないわけないだろ。好きじゃないわけないだろ。 お前達を世界で一番愛しているから、俺から卒業して欲しいんだ。 お前達はもう みんな一人でやっていける。強くなった」 ぬ〜べ〜の思いは抱きしめる力と一緒に ひしひしと生徒達に伝わった。 やがて、別れの日が近づいた。
ぬ〜べ〜が九州へ行く日。 ある生徒は泣きながら目覚め、ある生徒は一睡も出来なかった。 童守駅には、リツコ・玉藻・いずな・校長・童守寺の和尚をはじめ、沢山の人が来ていた。 その中にぬ〜べ〜クラスの生徒の姿はない。 いまだに転任の事を納得できていないのだろうか。 ホームへ行くと、歌声が聞こえた。 仰げば尊し 我が師の恩 教えの庭にも はや幾年 思えばいと疾し この年月 今こそ別れめ いざさらば 仰げば尊しだ。歌っているのは5年3組の生徒達。 『5年3組卒業式』と書かれた看板が立てられている。 これは俺達の卒業式だと広は言う。 「宣誓!俺達5年3組は、ぬ〜べ〜を卒業し自分達で何でもやってく事を誓います!」 ぬ〜べ〜は左手の手袋を外し、卒業証書のかわりに広に手渡す。 「卒業証書 5年3組一同。俺からの卒業証書だ、受取れ……」 生徒達は笑顔でぬ〜べ〜を見送り、最後に握手をする。 ぬ〜べ〜の乗った電車が発車する。 大人のぬ〜べ〜でさえ別れは辛すぎて、涙を堪える事は出来ない。 生徒達は堪えれなくなった涙を流し「ぬ〜べ〜!」と叫びながら電車に向かい走る。 一人こけ、それに足をとられ、また一人こける。 「ぬ〜べ〜〜!!」 最後に残った広と郷子。広は手袋…卒業証書を高く掲げた。 「お前達の事は決して忘れない、忘れないぞ!」 ぬ〜べ〜の乗った電車は小さくなり消えていった。 さようなら5年3組の日々。さようならぬ〜べ〜。 そして 一番輝いた思い出たち…… <完>
おおおおおお〜〜。・゚・(ノД`)・゚・。 いい話だ………こんなラストだったんだ…。゚(゚´Д`゚)゚。 ウワアァァン ぬ〜べ〜本当にお疲れ様でした。 今度全巻買って読みます、本当にありがとう。
ぬ〜べ〜最終回は絵で見た方が感動度が上がると思います。
一時エロ路線に走った事を帳消しにするぐらい感動的なラストでした。
「ふしぎ遊戯玄武開伝」予約します。
>>429 作者は「穂実あゆこ」です。出版社は多分ぶんこ社です。
「保健室の春ちゃん」という単行本に収録されていて、
古本屋等でゾンビ屋れい子が置いてあるようなコーナーにあります。
ぬ〜べ〜激乙。 ゾンビ屋と同じ棚かぁ。ミステリーやホラー系なんだね。 そういやゾンビ屋の続きも気になる。
失礼ながら、ぶんか社の間違いかと…。
>>438 すみません間違えてました。同じか行なので許してください_l ̄l○
マガジンZコミックスの「メトロイド」お願いします
大正12年。17歳の女学生 奥田多喜子は肺病を患う母の療養のため、 母の実家の盛岡へ引っ越した。作家の父・永ノ助は中国へ行ったまま帰らない。 多喜子は永ノ助の友人・大杉高雄に恋をしているが、彼には妻子がいる。叶わぬ恋だ。 突然、多喜子の視界を銀色の光が覆う。光の中には蛇と亀が融合したような生き物が。 その幻覚から覚めると、目の前には帰宅した永ノ助がいた。 「1年もどこをほっつき歩いていたんですか?母様は心労のあまり弱っておいでです。 お医者様には余命幾ばくもないと言われました」永ノ助は「そうか」と答えるだけ。 一言でも謝るかと思えば、永ノ助は傍らに置いた汚い手帳ばかり気にしている。 怒った多喜子が出て行った後、永ノ助は大杉に言う。 「詳しくは言えないが、支那で貴重な文献を見つけた。試しに一冊作ってみようと思う。 いや…私は作らねばならんのだ。この手帳に全てを記してきた―――」 気の張っている多喜子に、大杉は良かれと思って8歳になる娘の鈴乃の写真を見せる。 「鈴乃ちゃん、幸せね。お父さんに大事にされてるもの」笑顔で言う多喜子が痛々しかった。 帰宅すると、母は死んでいた。母を放って執筆にばかり夢中になっていた永ノ助が今更来る。 「母様に近寄らないで!」多喜子は泣きながら走っていく。 「何故待たなかった…もう少しであの本が完成したのに…」永ノ助はつぶやく。 通夜の日。肺病が感染したら困るからと近所の者は手伝いに来ない。父は書斎に篭りきり。 大杉の妻子に自分のような思いをさせてはならないと、多喜子は大杉に帰るよう言った。 『四神天地書 訳 奥田永ノ助』そう書かれた父の本を多喜子は奪い取る。 父は母よりも自分よりも、本が大切なのだ。多喜子は本を破ろうとする。 その瞬間、本の中から銀色の光が溢れ出し、本に吸い込まれるように多喜子は消えていった。 後には多喜子のつけていた二本のリボンのうち一本が残っていた。 拾い上げると、リボンはまるで凍てついているかのように冷たかった。 多喜子は気付くと、凍てつくような雪山の中にいた。体中が冷えている。 しばらく歩くと、木に磔にされた少女を見つける。鎖で緊縛されている。 少女は言う。「用がねえなら早く逃げな」背後からは恐ろしい化け物が現れた。 続く
朱雀の方では、多喜子は父親に殺されて父親も自殺するんだっけ。
>442 死んでしまえ
もしや…そう思い、永ノ助は四神天地書を開く。自分が書いたはずのない文に変わっている。 『―――物語はそれ自体が一つの呪文になっており、読み終えた者は 主人公と同様の力を得、望みが叶う。何故なら物語は頁をめくった時 事実と成って始まるのだから――四神の一つ 玄武に選ばれた少女は今、 母を亡くし、父との諍いに心を破られんばかりに痛め――遂に異世界の扉を開け―― 玄武の巫女となりし、運命の道を歩き始めた少女の名は――――』 体育で習った薙刀を思い出し、多喜子は棒を拾って化け物と戦うが、キリがない。 「仕方ねえな」少女がそう言った途端、突風が吹き、少女を緊縛する鎖が切れ、 化け物の体をも切り裂いた。長時間この場にいたのだろう。少女は熱を出し倒れる。 多喜子は少女を背負って雪山を歩くが、寒さで倒れる。目覚めると、悟った目をした子供がいた。 「来たな 玄武の巫女」子供が指す方向には、町があった。人々の服装からして日本ではない。 宿に入り少女の濡れた服を脱がす。胸元に『女』という黒い文字があった。 「…父…上……」熱でうなされ、涙を流しながら少女は言う。 多喜子は人肌で熱を吸うため、自らも服を脱ぎ少女に覆い被さる。 目覚めると、少女がいたはずの場所に、少女と似た顔の男がいた。胸もとの『女』はない。 見知らぬ男と床を共にするなんて嫁にいけないと半泣きの多喜子。 「女同士ならいいんだろ」男は先ほどの少女へと姿を変える。胸元に『女』の字が浮かぶ。 男にも女にも変われる特異体質なのだと男は言い、多喜子にどこから来たのかと訊く。 多喜子自身にもわからない。もしやここは、あの本の中?四神天地書と多喜子はつぶやく。 「余所者が何故その存在を知っている!お前…まさか玄武の巫女か?」 玄武とは青龍・白虎・朱雀・玄武の四神の中の一つで、北甲国の守護神。 玄武の巫女とは、国が乱れ滅びようとする時、異界から現れる伝説の娘。 その娘は『玄武七星士』と呼ばれる七人を集め、玄武を召還し、あらゆる願いをかなえ、 国を救い、平和に導くという。「下らねぇ伝説だ」男はそう言って部屋を出て行く。
多喜子も追う。二人に向かい矢が飛ぶ。 「てめえ風斬鬼リムドだな!」弓を構えた男は言う。周りの者たちが騒ぐ。 「あの風で千人殺したという殺人鬼!?」警吏もやって来る。 リムドは多喜子を抱きかかえ、弓を持った男から逃げる。 熱のせいで女に変身できない。『風』は女の時にしか使えない。警吏が迫る。 「やめてーーー!」多喜子が叫ぶと、多喜子の体から銀色の強い光が。 皆がそれに目をくらますうちに、男が現れリムドを連れ去った。 現代では多喜子の残したリボンから銀色の光が放たれていた。 「この本の中にいるのか 多喜子!」多喜子は父の叫び声を耳にする。 ソルエンという男の用意した馬に乗り、リムドは旅立つ。 「先ほどのあの銀の光…もしあの娘が玄武の巫女ならば、貴方のもう一つの名が 必ずや星の運命(さだめ)へと導くはずです。玄武七星士 女宿(うるき)としての」 「黙れソルエン!俺はその名は生涯使わん!俺の運命はこの手で父を倒す事のみ!」 リムドの女だと間違えられ、多喜子は弓を持つ少年・チャムカに捕らえられる。 チャムカのもとから逃げようとしてもみ合う内、チャムカの服が脱げる。 チャムカの背中には『虚』の字が。そこへチャムカの母・ボラーテが来る。 「どこから来たんだい?西廊国?紅南国?まさか倶東国じゃないだろうね」 倶東国とは東の軍事大国で、四神のうち青龍を守護する国。 気候は悪いが、鉄などの鉱物が取れる北甲国を狙っているのだという。 玄武の巫女さえ現れれば、玄武を呼び出しこの国を守ってくれるのにとボラーテは嘆く。 その話はやめろとチャムカは怒鳴る。「お前は七星士の一人じゃないか! 虚(とみて)…その背中に浮かぶ黒い文字は、巫女を守る玄武七星士の証じゃないか!」 こんな字迷惑なだけだ、第一玄武の巫女など現れはしないとチャムカは言うが、 先ほど多喜子が銀の光を放った事を思い出す。「お前が玄武の巫女か?」 身を隠すため倶東国へ来たリムドは村を襲う盗賊を倒す。そこへ男が現れる。 「私は玻慧(はけい)。倶東国皇帝 憲揮帝(けんきてい)の子。今の戦い見せてもらったぞ。 気に入った。私とともに来ぬか。その気があるのなら そちの名を申せ」 「……タキ」決めていた偽名があったのだが、何故か多喜子の名が浮かんだ。 続く
>まとめサイトの方へ いつもお疲れ様です。 今ごろ気付いたのですが、「くそみそ〜」って18禁ですよね…? 問題があるようでしたら削除しちゃって構いませんので_| ̄|○ごめんなさい…
クロノクルセイドの5巻以降お願いします
第16話 ニッケルは順調に回復する。夜にはニッケルはくまラーを寝床へ連れて行き、ラーは拒まずニッケルを暖めてやる。 ある日、ずっと眠り続ける少女の目を覚ましてほしいという依頼が来て、それをニッケルは世話になっている礼として手伝う。 その依頼はかつて人に使い魔にされたカワウソが、術者が死んだ今もその効力が抜けず、行っていたものだった。 その使い魔の主人は、不老不死の研究をしていたと見破るニッケル。 シャンシャンもずっと不老不死の方法を探しているという言葉に、 チキタは3百年少年の姿のままのクリップは不老不死に当たるのではないかと思う。 カワウソのかけられた術をとき、仲間の下へ返してやる。 「好きな女の子とかっている…?」ニッケルの言葉にチキタはハイカを思い浮かべうなずく。 「じゃあ俺あと4,5日したらここ出て行くよ」とニッケルはいう。それにラーはぼそりと「さみしいなぁ…」といい、 チキタはラーが人間みたいだと驚く。 人間に使い魔にされたカワウソが、人間を模していたあわれさに、ラーの変化を胸に痛く思う。 第17話 隣村の長者はかつて国一番と謳われる美女を嫁にした。 しかし彼女は、美しさをねたんだ周りの女に寝ているときは、 起きている時と違って醜いといわれたのを気に病み、不眠症となりその果てに亡くなってしまった。 そして先日、隣村の長者が美人を見初め、山ほど支度金を積み強引に美女を妻にしたが、美人嫁はひどい不眠症でやつれる。 かつての再来か、なにかのたたりかとチキタが呼ばれるが、ニッケルもラーもただの不眠症だと断じる。 彼女が眠らない理由は昔の恋人の名を寝言で言ってしまうのを聞かれまいとしてのことだったと分かる。
寝言なんて誰でも言うのにね」というラーに「俺は言わないぜ」とニッケルは答えるが ラーは「いってるよ毎晩『止めろ』『嫌だ離せ』『あっ』とかいって泣いたりしてんの」とラーはいう。 ニッケルはその言葉にショックを受ける。心配するチキタに、 「最初の夜な 野郎の一人が俺を押さえつけながらこういった 『これは復讐だ お前の母親は俺の兄弟の仇だから』 そいつの小さい弟は俺の母親に暗殺されていたんだ…だから俺も仕方ないと思った。 俺がこうして痛い目見るのも仕方ないって」ニッケルは泣く。 「ラーは人間の敵なのに一体どうしてそんなことどうでもよくなっちまったんだろう…」 ニッケルをなだめ、家に帰るとクリップが蜜柑をたくさんもって帰る。 ニッケルは目を輝かせ、毛嫌いしていたクリップに話しかけ、蜜柑を貰う。 その夜、ベッドでくまラーにニッケルはいう。 「俺を喰ってもいいよ」「俺そんなこと言われたのはじめて」 「俺だってこんなこというのはじめて 明日でも明後日でも 次にお前が腹減って 誰か喰わなきゃならない時にはいつでも俺を喰えよな」 寝入るニッケルを見つめながら、ラーは人を襲っていた頃、年中腹ペコだったけれど、 チキタと『百年』はじめてからちっとも腹が減らないと思う。 チキタはニッケルを以前自分が住んでいたハイカの家に間借りさせる。 ニッケルはハイカと仲良くなり、少し女の子らしくなったりしている。 続く
チキタ読みたい
>>447 すまぬ・・・遅れてしまっているのは素直に詫びる。申し訳ない。
近いうちに続きだすからもうちょい待ってくれ。
前回はdat落ち済の前スレなのでまとめサイトへどうぞ。 期間空いてしまって申し訳ない。お詫び代わりに1編投下。 <ひとときの休息編> カルブ・グーリオのコンビとの激闘を制し、シカゴ支部で一休みのご一行。 シカゴ支部長の小言を聞き終えてややうんざりなクロノ・ロゼットの前に泥だらけのサテラと アズが帰還。 先にカルブに車ごと体当たりしたときに落とした宝石を捜しに行ったはいいが、アズの ドジっ娘属性が発動し見つけた宝石はドブの中へ・・・というわけでドブさらいをして きたのであった。 アズに厳しく当たるサテラを諌めようとするクロノであったが、宝石は自分にとっては命と 同価値なものであること、昔の自分と似ていることをサテラから聞き、どう考えてもサテラと アズが結びつかず混迷を深めつつもとりあえず納得する。 サテラの脳裏には、厳しかった母と、優しかった姉の姿がよぎっていた・・・。 ロゼットとアズは魅惑のシャワータイム。 早く大人になって手助けができるようになりたいと焦りを隠せないアズに、ロゼットは自分だって 精神的にゃ大人とは言い切れないけど、それでも少しずつ成長していけばいいじゃない、と諭す。 シャワーから上がり修道服に着替えたアズは、聖歌隊の歌を聴きながら、楽団にいたときの こと、さっきロゼットに言われたことを思い返す。 そして、歌われていた聖歌を歌いだす。教会中に響き渡るアズの聖歌。 歌い終わり、一斉に駆け寄り歌声を絶賛する聖歌隊の少女たちの人垣の向こうには、感動の 涙を流すサテラが。 照れながらもアズを励ますサテラ。ただ居てくれるだけで力になることもあった、と語るクロノ。 姉がそうであったことを、サテラは思い返していた。 その時、ギリアム牧師から呼び出しがかかり、足が届いたから至急出発する、とのお達しが届く。
そのころ、人里はなれた海岸沿いのコテージに向うトラックがひとつ。 出迎えたのはアイオーンとフィオレ。 急な呼び出しにグチりつつも車から降りるジェナイと、寡黙にコンテナを開けるヴィド。積荷は、人。 「処理」をフィオレに任せてコテージで夕食をとる罪人3人。 夕食の席、ジェナイは憤りを隠せない。なぜなら、イカれかけた人間一匹のためにリゼールが 犠牲になったからだ。ヨシュアには会わせられないと道を塞ぐフィオレを押し倒し、殺さんばかりに 締め上げる。 そこに、リゼールを失ったのはボスである自分の責任だ、文句ならオレが聞く、と凄みを効かせつつ ジェナイを諌めるアイオーン。ジェナイも大人しく引き下がる他なかった。 ヨシュアは、尖角の侵食が進み、フィオレも精神安定の役割を果たさなくなってきていた。 アイオーンは、まもなく姉に会えるぞ、楽しみだなぁ、と楽しそうに語りかけるのであった。 これまでが騒動続きだったからか、飛行機でただじっと到着するのを待つのが落ち着かない ロゼットは、何度も何度も操縦席にいってはギリアムに寝てろと怒られる始末。 というのも、ただ単に大人しく寝てろというだけでなく、操縦席に座るレミントンの提案で 自分とロゼットは今は会うべきでないと考えていたからだ。 グーリオを拷問にかけ、西海岸がキナ臭いとの情報を仕入れたからこその判断だ。 長い夜に押しつぶされそうになるロゼットに、いちいち起きるロゼットがうっとおしくて眠れなかった クロノは、明けない朝なんてない、確実な成功のために全力を尽くそうと話しかける。 そして、飛行機は、朝日を浴びながら、運命の場サンフランシスコに到着する・・・。
キャラ紹介Vol.8 ○ジェナイ 新たに姿を現した罪人の一人。普段はカウボーイハットにウェスタンスタイルな長身痩躯の 男の姿だが、本性は左腕が巨大な剣の、残忍極まりない斬殺狂の悪魔。 リゼールに惚れていた節があり、そのへんも含めてヨシュアが気に入らない。 ○ヴィド もう一人の新たな罪人。筋骨隆々ながらも寡黙な性格で、戦闘面では参謀的な役割をする。 両腕・両足の器官から光弾を一斉掃射し敵を殲滅する。 アイオーンに心の底から心酔しており、袂を分かってもなおアイオーンに気にかけてもらっているクロノが 気に入らない。
「なつめヴルダラーク!」お願いします
>372の続き 国王に正式な許可を貰い、シオンは旅に同行していた。 自分には父も母も死んでしまっていないから、シオンが羨ましいと呟くウリック。 その上ザードも殺されてしまったウリックに、シオンは声をかけようとするが、女性の叫び声によって阻まれる。 魔物に襲われているのかもしれない、とレム。 叫び声の主は罠に引っかかり、木の上に宙づりされていた。 女盗賊のメラルドは、カモシカを捕らえようとして罠を仕掛けた。 だが失敗して、自分が罠にかかってしまった。メラルドを助けるウリック。 神殿に忍び込んだメラルドは、魔物の多さに退散してきた。メラルドの案内で、三人は神殿へ向かうことに。 メラルドはシオンに一目惚れし、突然シオンに抱きついた。 魔法の乱発を恐れて逃げ惑うレム。ウリックは怒りを静めてくれ、とシオンに頼む。 しかし、シオンは固まってしまっていた。シオンは女が嫌いな訳ではなく、女が苦手なだけだった。 メラルドに抱きつかれオロオロとするシオン。ウリックはシオンの手を引き、メラルドとシオンを引き離した。 突然シオンは怒りを露わにする。半径一メートル以内に女性が入ると、途端駄目になってしまうらしい。 ウリックに肩を借り、女なんて大嫌いだと言うシオン。何故かウリックは怒り、シオンの頬をつねる。 その時、メラルドは魔物に襲われた。魔法を詠唱するシオンだが、胸が痛み咳き込んでしまう。 その間にウリックが魔物を倒し、助けられたメラルドはウリックに恋をしてしまった。 神殿が近くなってきたことを知り、メラルドとはここで別れる事に。 「本当は…ずーっとついて行きたかった…」知らぬが仏、メラルドは思う。 シオンはウリックの手を引く。何の反応を示さないシオンに、ウリックは怒ってばかりだった。
基盤の神殿に、三人は辿り着く。神殿内は魔物で溢れかえっていた。 シオンの身体は弱っていた。アドビスで魔物を全滅させた時に使った魔法が、身体をツブしてしまっている。 魔法を使うたびに、バレないように薬を飲むシオン。 レムは蜂蜜で魔法陣を描き、一、二時間の間、姿を隠せるという結界を張った。 結界の中で、ウリックはシオンに調子はどうか訪ねた。 神殿内に結界が張られているため、魔法の威力が半分に弱まっているとシオンは言う。 ウリックが聞いていたのは、シオンの身体の事だった。 最近咳き込んでいるシオンを心配するウリック。シオンは風邪をひいているだけだと誤魔化した。 天使に守られた巨大な扉があった。 扉には何かが刻まれている。シオンはそれを解読、詠唱した。 扉を守る天使が語りかける。 「汝に問う…我は世界である。我は火、我は心臓、我は自然、我は元素、我は力、我は真理なり。 すべてのモノの流動する形と動きは世界の永続と安定を形作っている。我は汝…汝は誰だ…。」 この扉の奥に水晶があると、ウリックは意気込む。 シオンは伝説を信じてはいないが、門番の仕掛けは現代の魔法使いが作ったモノでないと確信した。
扉を壊せば中に入れるだろうと提案するウリック。 神殿全体が魔法で強化されており、破壊出来るわけないとシオンはウリックをバカにする。 火、心臓、自然、元素、力、真理。それぞれの言葉がキーワードになっており、シオンはその共通の答えを解いた。 それらは世界にあるべきもの。 火は文明の資源、心臓は生物の中心物。自然は天地万物で成り立ち元素は万物の根元。 力はあらゆる原子力であり、真理は物事の正しき道理。 すべて世界の基本であり基礎であり、物事の土台――答えは、基盤。 「そう…我は基盤である…そして基盤なる者を待っていました。」 扉が開かれる。その先に、天使に守られた台座と水晶がある。 実感の湧かないシオンは呆けており、ウリックは台座に駆け寄った。 ウリックはディアボロスの事、ザードの事を水晶に問う。 水晶は無言のままで、手がかりをなくしたウリックは涙を流した。 「よくぞ来た、我はお前が来るのを待っていた!!シオンよ!」 杖を落とすシオン。伝説は本当だったとウリックに言うが、ウリックには水晶の声が聞こえない。 水晶に選ばれたのはシオンだった。 ウリックは自分の代わりにディアボロスの事を聞いてと頼もうとする。 だが、シオンは水晶に尋ねた。「俺様は本当にアドビスの王子なのか?」 ウリックは自分の事しか考えていなかったと、自分を恥じる。 水晶は答えた。「ならば左手で我に触れよ。さすればお前の知りたいコトがすべて分かる」と。 水晶に手を伸ばすシオン。背後には巨大な魔物が佇んでいた。 (続く)
第18話 「ラーの額の猫の肛門のしわみたいなバカみたいなマークはグーグー家の家紋だよ」とニッケルはチキタに教え、 ラーはグーグー家が作り出した妖なのだろうと推測する。 チキタのもとに左頬に火傷を負った黒髪の美女が尋ねてくる。 チキタは彼女の火傷の傷をみてやり、少し跡は残るものの傷跡は随分薄くなる。彼女はそのお礼にと球根をチキタにおくる。 その球根を土に植えてみると、きれいな花を咲かせ、香りを放つと同時にチキタは意識を失う。 目覚めないチキタを心配したラーがハイカ家のニッケルに助けを求めると、「これは魂呼びだ」とニッケルは気づく。 魂呼びとは、人のいない山奥でこの花の球根を術者が口に咥え横たわる。 やがて術者の舌や喉に球根の根が張り出て花が咲けば、呼び出したい人間の魂を呼び出せるという術だ。 「シャンシャンが遠方の人間の暗殺に使った方法だ」 ニッケルはシャンシャン家へいき、球根を手に入れようとする。 そこにチキタの元へ花を贈った左頬に火傷の跡がある人間キサス・シャンシャンが現れる。 キサスは男だが、女装してチキタのもとへ訪れ、球根を送ったのだった。 キサスは笑ってニッケルを侮辱し、球根をあっさり渡す。 この花を渡してチキタの魂を呼び出したのは、キサスの同母弟チグル。 「だから生きてるお前が花を咲かせたってチキタを呼び返せない」チグルはニッケルの母シータに殺されていたのだった。 キサスは墓から掘り返したチグルの死体に球根を咥えさせてチキタの魂を呼び出したのだ。
一方チキタの魂はどこかの山奥でチグルという小さな少年と会い、仲良くなる。 そこで土中のチグルの死体から咲いた花に囲いをしているシャンシャンの男二人の話を聞いてしまう。 「そんなにニッケルが憎いかね あいつ みなを率先してニッケルのところに夜這いかけたりしてよ」 「いや、あいつ一週間も経たないうちに 今度はニッケルに通ってたやつらに手を引けと言い出して、 顔に火傷を負ってまで全員と渡り合ったんだぜ ニッケルを独り占めしたくなったんだろ。 ところがニッケルはグーグー家に転がり込んでよろしくしてやがる それでキサスはチキタを殺したいのさ」 「恋ってのはバカなもんだ」 笑って話す男二人の前に一つ目妖怪ギスチョが現れ、彼らを喰らい、 囲いとその下に守られた花をめちゃくちゃにする。 ニッケルは死んだ人間しかチキタを呼び戻せないのなら、いざとなれば自分が死んで球根を咥える、と宣言。 その言葉にキサスは動揺する。 ラーの力で瞬間移動して、チキタの家に戻り、ほかに方法はないかと考えていると、クリップが現れ、 あっさりと自分が代わりに死のうとする。 ラーがクリップに手をかけようとした瞬間、花が折られた事で魂が体に戻ったチキタが間に割ってはいり事無きを得る。 ニッケルはクリップに 「自分の命が大切でない人間なんて他人の命をおろそかにする人間よりずっと始末が悪い お前はラーより危険だ」といい捨て、ハイカ家へと帰途につく。 キサスの「お前って女は死んだ母親そっくりだ」との言葉を思い返し、ずっとそうやって生きてきたのに、 チキタのために死のうとしたとき本気だったと思い、チキタが助かった事に安堵するニッケルの前に、 馬に乗り全速力で駆けつけたキサスが現れ、ニッケルの無事を見て 「何が死んで球根を咥えるだ このカタリめ!」とののしり去る。 (俺が死んでるのを確かめに来たんかい)とニッケルはあきれる。 一つ目妖怪ギスチョはラー・ラム・デラルが百年をやっていると聞き、見に行こうとする。
第19話 チキタはニッケルの言葉に従い、自分の髪や爪を特殊な方法で灰にしたもので額にグーグー家の家紋を書き、 恋人のいる男に恋をしたものの叶わず、逆恨みして自殺し、その恋人達を呪う娘の死霊を追い払う。 恋人たちから多額の礼金をせしめ、 「失恋して死んだ女といい、恋だの愛だのってやつはバカばっかりだ」というニッケルにチキタはキサスのことを思い出し、 キサスの真意を語るがニッケルは取り合わない。 (確かに途中から何もせず 黙ってそばにいたり花や菓子をもって来たけど、 そんなことはどうでもいい ただずっとチキタのそばで手伝っていければいい…) チキタが家に帰るとクリップはまたいない。死に掛けているオルグのために山に入り蜜柑を探しているのだろう。 ラーはチキタの額の印を見てうれしそうに「おそろーい」とはしゃぐ。 先程追い払ったはずの死霊が突然現れ、恋人達を呪い殺してしまう。 死霊はその恋人たちに恋心をもてあそばれ、笑われ、それをうらんで自殺したのだった。 娘の両親はシャンシャンに娘の思いを遂げさせてやってくれと依頼し、女装したキサスが手伝ってやったのだった。 復讐を終えた娘はもう元の姿に戻れない、と泣く。ニッケルが来て、死霊を慰め両親のもとに帰す。 キサスはニッケルを侮辱しからかう。ニッケルは「おまえもういつ死んでもいいと思ってんだろ」と見抜き、 「俺とやり足りないならいつでもやりに来い。いくらでも相手してやるから」 「何…!?」 「あんなこと俺にとっちゃもう何でもないんだよ。だから俺とやりたいんだったらいつでもやりに来い」 といい、激昂したキサスに殴られる。 「剣があったら刺し殺してやるところだぞっ…こっ、このあばずれ!!」 その夜、顔が腫れているからとチキタはニッケルを家に泊める。 ニッケルは落ち込み、 「こういうのを自爆って言うんだな 何もチキタがいる前でキサスに あんなこということないじゃないか 俺ってバカ…」と泣き、くまラーになぐさめられる。 翌日、チキタに「このまま俺の仕事手伝ってくれる?」と聞かれ、ニッケルは頬を染めうれしそうに笑う。 続く
複雑な人間関係にゃー
猫の肛門・・・?
>>464 あー、絵も好きだな。ますます読みたくなってきた。
玄武の巫女と知られ、多喜子は崇められ、村の半分の者が様々な品を捧げた。 そこへ倶東の軍が村を襲い掛かる。倶東はきまぐれに奇襲をかけ、 もう幾つもの部族が壊滅している。軍の中にはリムドの姿が。 軍の者は人々を次々に殺し、多喜子へ矢を引く。 それをかばいボラーテの背に矢が突き刺さる。チャムカは怒り、背中の『虚』の字が光る。 チャムカの手の平から銀色の光を放つ氷の刃が無数に飛び出し、敵を襲う。 リムドは咄嗟に女に変わり、風で氷の刃を阻む。チャムカはリムドに殴りかかる。 二人はお互いを七星士と認識する。リムドはソルエンの助けを得てその場を逃げた。 ボラーテの怪我は幸い致命傷ではなかった。 そこへ風に乗りリムドが現れ、玄武の巫女になったら殺されるぞと忠告する。 多喜子はただの女学生でなんの力もない。しかし現代に帰った所で誰も必要としてくれない。 それならば、自分を必要としてくれる者のためにも玄武の巫女として頑張りたいと言う。 「バカな奴。殺されたって知らねーからな」リムドはそう言って消えていく。 多喜子は七星士を探すため、チャムカと共に旅立った。 チャムカには一人知っている七星士がいる。すぐ隣の部族のエムタトという男だ。 七星士名は『斗宿(ひきつ)』。ある事件があって一年ほど姿を見た者はいないという。 ある事件とは何だと訊く多喜子に、七星士に生まれたために苦しむ者もいるのだとチャムカは言う。 チャムカの母をはじめ村の半分の者は七星士の伝説を良いようにとっているが、 たいていの国民は『国が滅ぶ前兆の不吉な存在』として忌み嫌っているのだ。 火事から子供を救うため、七星士としての氷の力を使うチャムカ。 力を使い果たし、 疲れて宿に泊まろうとするチャムカを町の者たちは避ける。 火の中から救われた子供の母・マイジンが泊めてくれた。 リムドは自分と同じく雇われた兵の紫義(しぎ)と緋鉛(ひえん)に会う。 二人から玻慧の命令を聞く。「玄武の巫女と玄武七星士を討て」 マイジンの父から、かつてこの町にいた七星士について聞く。 斗・牛(いなみ)・女・虚・危(うるみや)・室(はつい)・壁(なまめ)の 北方玄武七星宿のうちの一人、室宿が三年前この町にいて、 その者は力を使い町の者を殺そうとしたのだという。 <続く>
>>210 続き
腕を折ったものの、隊長さんは無事だった。
助けを求める美女でもいたらいいのにとぶつくさ言いながら
神殿に戻ると内部の様子は一変、ねばつく糸が建物内に張り巡らされ
神殿内の人々が囚われていた。
その中から助け出した彫り師の老人(以下、芸術家(本人談))から
「蜘蛛型の獣虫に襲われた」と聞く。
一方、目を覚ました神官さんは、獣虫が地下洞の壁を崩して外へ出たのに気付く。
上の階に戻った神官さんは獣虫に襲われる隊長さん達と再会する。
追い詰められる三人。狙いをつけられた神官さんは、神殿内に設けられた
鉄格子で獣虫を串刺しにし、なんとか動きを封じる事に成功する。
それでもなお暴れる獣虫。鉄格子を引きちぎるのは時間の問題だ。
急ごうという隊長さんに、他の人を助けなければ、と神官さん。
その時、「──行け あれは人間の手には負えん…」
糸に捕われた神官長が自分達にかまわず逃げろとうながす。
「放っておいてくれ。少しでも我らを哀れと思うならな……」
三百年前この地に神殿を立てた時、地下深くに眠っていた 獣虫を目覚めさせてしまった。それ以来歴代の神官長たちは 飢えにたえかねて外に出ようとする獣虫に、神罰と称して 神殿の中で一番若い者を薬で眠らせ、餌として与えていたのだ。 しかし、三日もすると眠りについていたのに、今回ばかりは何日たっても眠らない。 神官さんが年をとったように見えないことから、外へ出る力をためていたのでは…。 不死身の獣虫を倒す術は無い。獣虫を倒す伝説の剣も勇者もとっくに墓の中。 獣虫が本当に目を覚ませば、この国一つ滅んでしまう。 「──他に、どうすれば良かったのだね?」 獣虫の咆哮がこだまする。 手を差し伸べる神官さんをなおも拒み、神官長は隊長さんからパイプを 受け取り、獣虫は傷が癒えるまであと何十年か眠るだろうと話す。 ふもとの村へと逃げる三人の背中が不意に照らされる。 振り返ると、そこには炎に包まれた神殿が…。 「──パイプで、服に火をつけたんだ」 隊長たちが行き倒れてるという連絡を受けて、兵隊さんとカイルがふもとの村へと迎えに来た。 二人(+芸術家)は五日も眠っていたらしい。カイルは神官さんの肩の傷が黒く穢れていて 呪術的な清めをしないと傷口が腐ってしまうと忠告する。 カイルの焚いた香に包まれながら、長い一夜が明けたと息を付いた…。
獣虫に負わされた傷も癒え、秋も深まってきた辺境に辻音楽師の親娘がやってくる。 娘のミスティーンは神官さんを見るなり、抱き着いてきた。 グーゴル・プレックスと名乗る父親から、神官さんは娘の母親に生き写しなのだと言う。 音楽師の噂を聞き付け、隊長さんが街にやってくるが、親娘の姿を見て驚く。 どうやら彼等は顔見知りのようだが、ただならぬ様子に神官さんは口を挟めなかった。 その様子を察してか、隊長さんから口を開く。 彼の本当の名前はジョン・オースティン、都の王立学会の数学者だった。 二年前、彼の細君を取っちまった──。 それだけ言って隊長さんは場を後にする。 一体どんな事情で、そのあと奥さんはどうなったのか… とても信じられない神官さんはオースティンに会いに行き、隊長さんも交えて 改めて話を聞く。 二年前の夏の夜に開かれた王立学会の祝宴でオースティンの妻、クリスティーンが 王立学会の名誉会長の目に止まり、それを察したガワー将軍が部下である隊長さんに 連れてくるように命じる。 妻を差し出せという理不尽な要求に、当然ながらオースティンは断るが 相手は元貴族院の議長で、王立学会の名誉会長。権力に逆らえば一家はどうなるかと 隊長さんは説得する。家の周りは既に隊長さんの部下が取り囲んでいる。 それでも妻は渡さない、と言うオースティンにしょうがない、とため息を漏らす。 あんたたちの決めることなんだから…と。 外では部下達が船で逃げる手配をしていた。結局隊長さんは親子の逃亡の手助けをする。 しかしその三日後、追っ手がかかりクリスティーンは自害してしまう……。
こんな酷いことはない、今からでも訴えでてはと憤る神官さんだが 張本人の元議長は大きな汚職に関わり、都から追放されたという。 事件はもう終わっているのだ……すべて。 このまますべて終わってしまうのは、あまりに辛すぎる。 神官さんは「精霊の映し玉」と呼ばれる結晶玉を水盤に沈め オースティンに奥さんの姿を強く心に浮かべて下さい、とうながす。 すると、空中にクリスティーンの姿が浮かび上がった。 月の夜にきれいな水に沈めると同じ姿を見ることができる。 かえって辛いだけかもしれない…けれど…もし…。 オースティンは受け取る。神官さんはミスティーンの首にかけてあげた。 三日後、辻音楽師の親子は旅立っていった。 「隊長さん。笑わないで下さいね。…でも不思議で仕方がないのです。 なぜ人は、望むように幸せになれないのでしょう──」 (続く)
4年後、15歳のガッツは、一流の傭兵に成長していた。 身の丈に余るほどの大剣を武器に、豪傑「30人斬りのバズーソ」を仕留めるガッツ。 もちろん、高い報奨金を要求して。 しかし「正式に私に仕えてみないか?」と誘う雇い主(騎士)の手を 「触るな!」とはねのけるなど、ガッツの心は孤独で、荒んでいた。 翌日、1人歩くガッツ。横に広がる平原で休息しているのは、 昨日までガッツの敵方に所属していた傭兵団のメンバーだった。 彼らのまた、昨日のガッツの戦いぶりを見ていた。 その中の1チームが、ガッツに目を止める。バズーソを倒した報奨金を狙い、 ガッツを襲撃するが、見事返り討ちに遭い、1人は殺され、1人は腕を斬られる。 残った連中もひるんで動けなくなっていると、遠くで冷ややかに見ていた 連中の内、「キャスカ」と呼ばれる者が、リーダー「グリフィス」の命令で 渋々出向いてくる。かなりの使い手のキャスカだが、ガッツはこれも退ける。 ただ意外だったのは、防具が外れて顔を見せたキャスカは、短髪で 兵士の格好はしていたが、紛れもなく女だということだった。 ガッツがキャスカにとどめの一撃を振り下ろそうとした時、馬上から 槍を投げ、止めに入った者がある。連中のリーダー、グリフィスである。 ガッツの大剣を細身の剣で容易くいなし、すかさずガッツの左胸、腕の付け根付近を 一突きするグリフィス。あっという間に勝負はついた。 薄れゆく意識の中でガッツが見上げたもの――馬上で兜を外して見下ろす グリフィスは、ウェーブのかかった長髪で、女と見紛うような美男だった。
ガッツは目を覚ましたのは傭兵団のキャンプを張るテントの中だった。 外に出てみると、少し離れたところで例のキャスカとグリフィスが話している。 やがて歩み寄ってきたキャスカはひどくガッツに対し怒っているような様子で、 「あのまま殺されちまえば良かったんだ」などと言う。 どうも、ガッツを温めるためグリフィスの命令で丸二日添い寝させられた。 (男を温めるのは女の役割だ、ということで)それが原因らしい。 グリフィスは名乗ると、ガッツの剣を渡し、離れた場所へと誘った。 そこでガッツは知るのだが、この連中は名高い傭兵団の1つ、「鷹の団」だという。 今回の城攻めも鷹の団が向こうについていたため、「3日ですむところを 3か月もかかっちまった」というほどの相手だ。 ただ、意外にもそれは、ガッツと大差ないような若い連中の集まりだった。 丘の上で2人きりになると、いきなり「お前が気に入った。欲しいんだ」と 言い出すグリフィス。(この時キャスカだけは後をつけてきて、陰から見ていた) しかしガッツは「自分の命を試しているようだ」などと、自分の内面まで ズケズケと言ってくるグリフィスに反発する。仕掛けてきたのはそっちだ、 その代わりオレもお前の仲間をやっている、と言って、剣をケリをつけることになる。 細身の剣を振るい、ガッツの大剣を片手でいなして、攻め立てるグリフィス。 グリフィスがガッツの剣に飛び乗り、喉に剣を向けた時、決着かと思われたが、 ガッツはなんと相手の剣の切っ先をくわえ取る。そのまま剣を押し返して つめよると、両者とも剣を手放して崖を転がり落ちる。殴る蹴るで攻め立てるガッツ。 鷹の団の者達も初めて見る、地面に這いつくばるグリフィスの姿だった。 だが最後に一転、グリフィスはガッツの右肩をきめて押さえ込み、ガッツが ギブアップしないのを見て取ると、容赦なく肩を外してしまう。 今度こその決着。「これでおまえはオレのものだ」と言い放つグリフィス。
ガッツが鷹の団に加わって最初の戦い。奇襲をかけて敵の物資を焼き払った後、 敵陣のど真ん中を突っ切って逃げるという作戦だ。 その逃げる時の殿(しんがり)を、ガッツは任される。 危険で、重要な仕事。信頼していなければ任せられないことだ。 いよいよ作戦実行、殿のガッツは味方を先に行かせ、1人で敵を食い止めるという、 見事な活躍を見せる。 しかし馬がボウガンに撃たれて倒れ、さすがに窮地に追い込まれる。 だがその時グリフィス自らが主要メンバーを率いて助けに戻り、 無事味方の陣営まで逃げ延びる。 その後、勝利を祝した宴の時でも1人離れて佇んでいるガッツだが、 強引に酒宴に引き入れられたり。一部を除いて、すっかり鷹の団の一員として 受け入れられたようだ。
ここで鷹の団の主要なメンバーの紹介を。多くは多分、ガッツと大差ない年齢。 グリフィス・・・既に語った通り、鷹の団のリーダー。 女のような美形だが並外れた剣の技と指揮官としての頭脳、 それにカリスマ性を持つ男。 キャスカ・・・鷹の団の紅一点ながら、(ガッツが来るまでは)グリフィスに次ぐ 剣の腕の持ち主。黒髪に褐色の肌。 出会った時からの事情もあり、ガッツへの態度は厳しいが・・・ コルカス・・・後に盗賊上がりと判明するチンピラ。 最初にガッツを襲ったのも彼と部下達。 その時部下を殺された事情もあり、ガッツを激しく嫌っている。 ジュドー・・・ソバカスの少年。 後に元は旅芸人の一座にいたと判明する、ナイフ投げの名手。 気さくな性格で、ガッツを酒宴に誘ったのも彼。 ピピン・・・年齢不詳。無口で力自慢の巨漢。ジュドー達とガッツを酒宴に誘う時には 力づくで担いで拉致した。戦槌が武器。元鉱夫。 リッケルト・・・ガッツより数年年下の、可愛らしい少年兵。最初からガッツには 好意的で、上記の戦いで危ないところを助けられてからは すっかりガッツのシンパになる。武器の手入れ等が得意らしい。 (続く)
第20話 隣村の大きな食堂で、料理人たちが無意識にサラダに貝殻を混ぜたり、 なべに洗剤を入れたりとすることがおこり、チキタはラーと二人でその食堂へ出かける。 そこにはキサス・シャンシャンも妖しい屋として呼び出されていた。 女装したキサスをチキタは殴り、「どうしてニッケルを殴った!?」と責める。 キサスはそれには答えずチキタに額にグーグー家の家紋を書くよう指図する。 キサスにいわれるままにチキタが食材の前にたつと、無意識に体が動き、 砂入りパンの水浸し、ジャガイモの磨き粉煮、もずくのあんこ添えなど、人が到底食べられないようなものを作ってしまう。 女装を解いたキサスによると、昔この食堂で死んだ人間や、その他人外のものが食事したくて 料理人たちの脳に働きかけ、自分達好みの食事を作らせようとし、このような怪異が起こったのだという。 ひとしきり奇妙な料理を作り、これで食堂の霊も満足するとキサスとチキタは食堂を後にする。 キサスはさつまいもの練乳煮をチキタに差し出し、弟チグルが夢枕に立ってチキタがやさしくしてくれたといったという。 「お前に礼と…侘びも一言言いたかった。すまなかった、もう手出しはしない」 キサスは、ニッケルはシャンシャンで誰もが一目置く存在で、恨みもあったが惚れ惚れする思いで見つめていたと語る。 「女だってわかってタガがはずれた」
そんなキサスにくまラーは「腹の子の父親はお前かい?」とたずねる。 シャンシャンを出るときニッケルが妊娠していたと聞き、キサスは驚愕し震える。 「あいつ…だってそんな一言も…そんな…」 「誰の子かわからないっていってたからな…」ラーの言葉に 「い…や 俺の子だ…!」という。 「だって…」言いかけるチキタをさえぎり、 「俺の子だ…それなのに あいつ一人で…」と泣く。 「知らなかったよ…取り返しのつかないことってあるんだな…」 チキタにニッケルへ「もう二度と姿を現さないから元気で」と伝言を残す。 それをきいたニッケルはためらうもキサスのつくったさつまいもの練乳煮を食す。 チキタはキサスの泣き顔はニッケルによく似ていたと感じる。 こんな話を聞いてほしかった相手のクリップはもう数日以上帰ってきていなかった。 以上三巻までの人物整理 ラー・ラム・デラル…グーグー家が作った妖かもしれないと判明。 ニッケルと仲良くなり、一緒に寝たときは37℃になって暖めてやったりしている。 くまの形態のときはかわいいといわれると喜ぶ。人間にどんどん近づいてくる。 ニッケル・シャンシャン…男のふりをしていた少女。それが12話で倒れたときにばれ、シャンシャンと決別。 キサス・シャンシャン…ニッケルの異母兄弟。黒髪短髪(女装したときは鬘をかぶる)。 ニッケルがいなくなりシャンシャンの跡継ぎ的立場に。ニッケルに屈折した感情を抱く。 チグル・シャンシャン…キサスの同母弟。ニッケルの母シータに暗殺される。 ギスチョ…一つ目妖怪。唯一の武器は長い爪。それで人を引き裂き喰らう。 補足:キサスは作者が男キャラを書くのが嫌なあまり女装させられたらしい。 またキサスとニッケルの関係においては作中の誰も近親相姦だとタブー視していないため、 日本古代のように異母兄弟の婚姻は可能な世界なのかもしれないが真偽は不明。
第21話 一つ目妖怪ギスチョ。彼が生まれたせいで母親は家を追い出され、山で一人でギスチョを育て、 時々人里に行き、物乞いや盗みをして生きていた。 ギスチョは生きていくため、鹿や鳥よりもたやすく取れる人間を捕らえ、母親には「鹿だ」とごまかし食べていた。 それに気づいた母親はある日、白いまんじゅうを持ってきて、ギスチョとともに食べ、 「ごめんよギスチョ」と謝り、息絶える。ギスチョは死に切れず、 誰かの「生きたいかい?」と問う声に「生きたい」と答える。 「哀れな子供…それならばさまよってごらん…時が許す限り」 そしてギスチョは甦ったのだった。 クリップが10日も帰らないこと心配するチキタ。 ラーは別に帰らなくてもいいとチキタとけんかし、訪れていたニッケルになだめられる。 「俺の事をかわいいっていわないからクリップがやだ」というラーにニッケルは 「かわいいっていわれるのがすきなのか かわいいなあ ラー」とくまラーを抱きしめる。 ニッケルが帰った後、一つ目妖怪ギスチョが現れ、妖には猛毒のチキタの体液を妖虫に吸わせ、ラーに注入する。ラーは苦しむ。 今度はチキタの右目に大きな枝を刺し、気を失わせ、チキタの体を乾燥させ毒粉にして利用しようとする。 帰路についていたニッケルはさらわれるチキタを見つけ、ギスチョの後を追う。 そのすぐ近くではシャンシャン一族が大勢で人喰い退治をしていた。乱入するギスチョにシャンシャンは苦戦。 追いついたニッケルをかばいキサスはギスチョの長い爪で首を取られる。 ニッケルはチキタが死んでいず気を失っているだけなのを確かめ、 「チキタ バイバイ」といい、父親らシャンシャンと協力してギスチョと戦う。
(この混乱に背を向けて 生き延びる道がないわけじゃない お前達を忘れてもう一度一人から始める勇気だってないわけじゃない だけどチキタ 俺はもうそんな事したくないんだ) 次々とギスチョに殺されていくシャンシャンを横目で見ながら思うニッケル。 チキタは夢の中、赤ん坊を抱くニッケルに出会う。 「これはラー・ラム・デラルだよ 名前を呼んでやってくれ」やさしく微笑むニッケル。 「意外に思うかもしれないけど、生んでやりたかった…こいつを」 そこでチキタが夢から覚めると、目の前には多くのバラバラにされた屍がある。 チキタのすぐそばには、頭部から胸部までしかないニッケルの姿が。 チキタは冷静に自分の額に手をかざし、グーグー家の家紋を瞬時に出現させ、ラーを復活させる。 そして食事中だったギスチョを攻撃させる。 瀕死のギスチョは逃げ、「いだいよ おがあちゃん」と泣く。 ギスチョが逃げたさきに居合わせたクリップは、死に切れず苦しむギスチョに止めを刺す。 (おでは うまいもんなんか喰いたいと思わねえ だって今までで一番うまかったのは おがあちゃんと喰った白いまんじゅうだったんだもの そしてそれは毒だったんだもの) クリップは息絶えたギスチョからでてきた小さな光を瀕死の状態の杖オルグに注ぐ。 続く
ざっと見たところ予約入っていないようなので、「9th SLEEP」予約します。
誰も予約してないなら銀の勇者書いてもいいだろうか?
チキタ☆GUGU面白そうだな
「イグナクロス零号駅」と「ダークウィスパー」を教えてください
面白そうなんだけど売ってないんだよ
「少年はその時群青の風をみたか?」をお願いします
そんな時こそネット通販
「僕がすわっている場所」 すみません。長いです。 新月の3日後のこと、トマスがレストランを閉めてD・Dを訪ねてきた。 トマスは他人の為に料理することに飽きたと言うが、D・Dの遠慮のない言葉に怒って行ってしまう。 そして翌日。トマスの宿泊するヴェゼイ・ホテルで事件は起こった。 その日、トマスの部屋の下の階で家具のオークションが行われることになっていたのだが、家具に隠されて 麻薬が運び込まれているという情報があり、早朝から麻薬犬と豚を投入して捜査が行われた。 麻薬の在処が確認された後、警備を委託されているジョン&オーツセキュリティーサービスの副社長ヘンリー・オズボーンは 午後の捕り物の前にひと眠りしようと考え、自社のボディガードを3人連れてホテルの外へ。 直後、彼は永遠の眠りについた。 その朝、D・Dのボスのアンソニーは全員を集め、神妙な顔で、オズボーンが不慮の事故で他界したと告げる。 D・Dのバイト先は中規模のコンピューターのソフトウェア会社で、ジョン&オーツ社に警備を依頼したり、彼らの顧客に 推薦してもらうなど付き合いが深い。 しかし、オズボーンを悼む者はおらず、一人がにやにやしながら聞いた。 「・・・誰に殺られたんです?」 「豚にだ」 オズボーンがホテルを出た直後、彼の上に豚が落ちてきて、即死したという。 皆が大笑いする中、D・Dだけは違った。"豚"に心当たりがあったので・・・。 「お前だ!!」アンソニーはD・Dを指差す。 「我々は遺族の前で笑わずにいれる人物を必要としている!」 オズボーンの家へ連れて行かれたD・Dは、人手が必要だろうからとその場に残される。 家政婦から、トマスの下の階の客がオズボーンの死の直前に豚を目撃していたと聞いて、 あせってトマスに電話をかけるが彼は出ない。 D・Dは通りかかったオズボーンの娘サリー・アンとオズボーンの部下で彼女の婚約者でもあるロイに、 豚がどうなったか尋ねる。 豚は行方不明だった。豚の性別まで聞くD・Dに彼らは不審を抱く。
その夜、D・Dはトマス(豚に変身中)を訪ね、ホテルの外に散歩に出て、人を潰した覚えはないかと聞く。 ずっとホテルにいたし、人間には指一本かすめてさえいない、という答えにほっとするD・D。 奢るから食事に行こうと誘う。そこへD・Dの後を尾けてきたサリー・アンとロイが現れ、 D・Dはトマスを浴槽に放り込んでドアを開けた。 おろおろするD・Dだが、人間に戻ったトマスが話をつける。 面倒をかけられたものの、湯の中では変身中の軋みも痙攣も軽かったため、トマスは機嫌を直していた。 ホテルのレストランで、D・Dはトマスから店を閉めた本当の理由を聞かされた。 トマスは意中の女性アイリーンの誕生パーティーに呼ばれたのだが、客として招かれたのだと思っていたら 料理長としてだったという、振られたも同然の扱いを受け、レストランを続けるのが嫌になったのだ。 だから、D・Dが失業したら雇ってやるという約束を果たせなくなったことを報告に来たという。 D・Dは思い出して会社に報告の電話をかけ、その日ホテルで麻薬取引がある筈だったのに 裏をかかれて犯人に逃げられたということを聞く。 トマスに今日のは殺人事件かもしれないと話すと、トマスは「あれはただの事故だ」とあっさり言う。 麻薬捜査に使われた雌豚がテラスにいて、トマスの匂いを嗅ぎ付けてうるさかったので、 黙らせる為ひとっ跳びして突き落としたら、その下にちょうどオズボーンが歩いてきた、 というのが真相だった。 D・Dは罪悪感のかけらもないトマスに、スープの皿を投げつけて帰った。 葬儀からの帰り際、D・Dは駐車場で同僚のリッキーがオズボーンの上役を引き止めて、豚に潰された 作家の名前を尋ねているのを見かける。 家政婦を送ってオズボーンの家に戻ると、オズボーンの部下達が会社関係の書類を全て持ち出そうとしていた。 ロイは机の引き出しの取っ手をはね上げながら、豚を落とした犯人をを捕まえるため、 手掛かりを探しに来ているのだと言う。横柄な態度に、D・Dは不快感を覚える。 その頃、トマスは窓の下を見降ろしながら、ある思い付きをして陰険な笑みを浮かべていた。
会社に戻ると、受付嬢のケリーの無駄話に付き合わされる。 ケリーは行方不明の豚が見つかったときには頭を残して食い尽くされていたこと、警察が何度試しても 誰かが豚を突き落とした後で警備員に見つからずに逃げるのは無理だったことを話す。 D・Dは帰ってきたリッキーを指差して、「豚ならリッキーが詳しい」と言う。 葬儀の最中にする話題ではないと怒っているD・Dに、リッキーは、あれは小説の中の話で、 例の上役の自室の書棚には、その小説家の全集が並んでいるのだと話す。 しかし、D・Dはその意味に気付かなかった。 満月の翌日、出張から帰ったD・Dは、トマスに「奢る」と言っておきながら皿をぶつけて 帰ったことを思い出して謝りに行く。 しかし、トマスが今度豚になったら気晴らしに人間潰しの散歩に行く、と言うのでまた喧嘩に。 それから毎日、遊びにゲーム、音楽、クイズなどを勧めて、トマスの気を紛らそうとするが効果なし。 D・Dはリッキーの持っているランダム・ドット・ステレオグラム(左右の視差を利用して立体画像を見せる点画)の 本をトマスに貸そうとリッキーを訪ねる。 適当に本棚を物色して選んだ一冊を見て、リッキーは何か言いかけるが、思い直して貸すことにする。 そして、オズボーンの死はジョン&オーツ社の仕業だと言った。 オズボーンはジョン&オーツ社が急成長するにあたって、汚い仕事を一手に引き受けていたのだが、 会社が力をつけた後では邪魔になり、かといって暴露されては困るためクビにもできなかったのだと。 D・Dは殺すならもっとうまくやるだろうと否定する。リッキーは一応納得してこう言った。 「だがもしオレの身に何かが起きたなら その時は事故じゃなく連中の仕業だからな!」 そして、オズボーンと金銭面で共犯だったと告白。 オズボーンは警備先に、コンピュータシステムの監査もやったほうがいいとD・Dの会社を推薦していた。 リッキーは不正が仕組まれていないかを探って報告するが、不正があった場合、大抵の会社は内密に 犯人を処分する。内部の人間が考えた手口は大抵うまくその会社の弱点を捕らえているため、 事が表沙汰にならない限り、発覚の糸口になった箇所を修正し、金の流れる先を自分たちに 変えるだけでいい。オズボーンは金を使って自社を雇わせるための裏工作をしていた・・・。
D・Dは暗にボスのアンソニーに話すことを勧めて帰る。 建物を出たところで、D・Dはサリー・アンに呼び止められた。 彼女は父の日記に「リッキーが非協力的」「裏切るかもしれない」「リッキーは危険だ」などと 書かれていたのを見て、リッキーが父を殺したのではないかと疑っていた。 彼女はジョン&オーツ社の社員でボディガードもやっている。 「私は殺される前に殺すわ」と言って、D・Dの話は聞かずに立ち去ってしまう。 D・Dはランダム・ドット・ステレオグラムの見方を説明するが、トマスは興味を示さず、終いには灰皿を投げつけられる。 翌日、D・Dはリッキーが新規に受注した仕事の担当を引き受けたことを知る。 ケリーが言うには、この仕事が成功すれば、D・Dのボスが次期副社長の線は確実らしい。 ボスに報告しないつもりかと問い詰めようとするが、リッキーは打ち合わせがあるからと行ってしまう。 その夜、再びリッキーのアパートを訪ねたD・Dは、何かが落ちるような物音を聞く。 リッキーの部屋の鍵は開いていた。テレビがつけっぱなしになっているのに、リッキーの姿はない。 D・Dは机の引き出しの取っ手がはね上げられているのに気付く。 ロイの癖を思い出し、部屋の外へ駆け出すD・D。リッキーは階段の下に倒れていた。 彼はD・Dに「19日になればまた金が振り込まれる、その前にあれを消してくれ」と頼むと意識を失う。 D・Dは、リッキーの離婚したばかりの妻シシィから、ロイがD・Dより先に訪ねていたことを認めて、 リッキーが泥酔していたためすぐ帰ったと話していること、警察もリッキーが酔って階段を踏み外したと 見ていることを聞かされる。 しかし、リッキーは肝臓を悪くして以来、酒をやめていた。 D・Dはオズボーン家に怒鳴り込むが、サリー・アンは何も知らなかった。 話を引き継いだロイはオズボーンの子飼のチンピラがやったと仄めかすが、D・Dが19日に振り込まれる 金のことを聞くと、眉間に皺を寄せる。 D・Dはリッキーの部屋から盗ったものを返せと詰め寄るが、埒があかず、ロイを殴ってしまう。 (続く)
第22話 クリップがチキタの家に帰ってきた。小さな棺に入れられたニッケルを見て、 「一つ目のやつにとどめも刺さずに惨い事しやがると思ったがこれが原因かい」 と一つ目妖怪が元は人間だった事をチキタに話す。一方、くまラーはニッケルを燃やすと聞き 「俺はニッケルが大好きなんだ ずっと一緒にいたいんだ やだよ」と叫ぶ。 「俺だってそうさ でもこのまま置いてちゃいけない。炎で灰に」その言葉をさえぎり、少年の姿をとったラーは何度も嫌だと駄々をこねる。 「何人殺した?ラー。何十人何百人殺しても分からないのか!?みんな還ってこないんだ」 ラーの造りだした炎でニッケルを燃やす。チキタは自分が涙を流さない事を不思議に感じる。 ラーは元気がなく、ラーのほうが人間のようだと思う。チキタはクリップに 「外出時は行き先と戻ってくる日にちを告げてくれ 俺はお前の帰りを待ってたんだから」といい、クリップは面食らうが微笑みうなずく。 ニッケルの灰を小さな壷にいれると、ラーはその壷を持ち歩き、夜も抱いて眠る。 ラーがいなくなったのでチキタが探していると、ハイカがくまラーを連れて現れ、ハイカ家のニッケルの部屋にいたと語る。 家に入ったラーは、ニッケルの骨壷を壊し、ばんばん叩いて 「こんなの こんなのニッケルじゃ…ないっ」と泣く。われに返ったラーは 「どうして俺はこんなことしちまったんだろう…」とチキタにいう。 「ニッケルを灰に…ずっと37℃くらいであたためていたかったのに…教えてくれチキタ、俺も一回ニッケルに会いたいんだようっ」と盛大に泣く。 チキタは、一つ目妖怪ギスチョがもとは人間だった事、 そして赤ん坊を抱いたニッケルの夢を思い出し、ラーの正体がなにかやっと分かったと思う。
ハイカにニッケルの死を伝えようとすると、ハイカはニッケルに昨日あったと話し、チキタとラーは驚愕する。 ニッケルは「急に母さんのところに行く事になったんだ」とつげ、 ニッケルの母、頬に火傷のあるキサスという少年、そして小さな男の子(チグル)とともに行くと話した。 「俺がこれから行くところはそりゃあ素晴らしいところなんだ だからチキタはいつかラーを連れてきてやってくれ」 とハイカにチキタへの伝言を頼み、キサスと手をつないで去った。 その言葉を伝えられチキタはくまラーを抱きしめ、初めて泣く。 「楽しそうに出かけたんだ…よかった」ラーは (いつかチキタとともにニッケルの所へ行きたい!)と生まれて初めてその心に強く希望を抱く。 一方、クリップはチキタへ『行き先…どこか、戻る日…いつか』と書いた手紙を置いて、復活したオルグとともに去る。 続く
勇者制度。 トティア王国に伝わる冒険者階級制度で、一般に魔物と呼ばれる人に害をなす生き物を殺すことにより国から懸賞金をもらえる制度 殺した魔物の頭数や強さにあわせレベルがあがっていき、勇者は最高の勇者の証である「金の勇者」の称号を狙っている。 トティアにある小さな村で生まれた少年、ビートも金の勇者を目指す一人だった。 「10年後、俺は金の勇者になる、お前は強い魔術師になって俺とパーティを組んで魔王を倒すんだ」 幼いビートは、トティアの首都にある魔法学校に通うために村を出る 美しい青銀の髪の少年、親友のリチェルカーレ(通称リチェ)との約束を交わす。 それから、約束の10年後。ビートの現在の勇者称号は「銀」であった。 親友との再会を果たすために首都に赴いたビートは、リチェに関する不穏な噂を耳にする。 魔物生息区域「カタンツ」において、魔物を狩ろうとする勇者を妨害する魔術師がいる。 その魔術師は青銀の髪色をしていたと。 リチェが魔物を守るはずがない…!これは魔王に操られている!きっとそうだ!魔王を倒してリチェを取り戻す!! ビートは独自論で暴走し単身カタンツへと向かう。 カタンツで襲い掛かってくる魔物と対峙していると、青銀の髪の青年、リチェが現れる。 久しぶりの再開を喜ぶこともなく、魔物を守ろうとするリチェにビートは声を荒げる。 「魔物は人間を襲う!だから悪だ!悪を悪と感じなくなったお前も悪者ってことだ!」 激昂しそう告げるとビートはリチェを残しもと来た道を引き換えしていく。
しかし王都に戻ろうと歩いている間にビートの心はリチェのいい分を全く聞こうとしなかった自分への罪悪感に襲われる。 悶々としていると、一人の子供がビートの前に現れる。 赤い髪に金の瞳の、人間にも見えるが頭に角の生えた魔物はビートに微笑みかける。 「おにぃさんどうかしたんですかぁ?」「おにぃさんがピリピリ怒ってるとみんな(魔物)もピリピリになっちゃいますぅ」 間の抜けた言葉に神経を逆撫でされたビートは、角の生えた少年を罵倒する。 「じゃあ俺が優しい気持ちでいたら、お前らみたいな醜い化け物でも優しくなれるっていうのか?」 角の生えた少年は、睨みつけられても物怖じせず満面の笑みで告げる。 「僕ら魔物は人間の気持ちに敏感なんです、人間が僕らを襲おうと考えてたら僕らも人間を襲おうと思っちゃうんです」 「人間は誰かに優しくされたら、優しくしてくれた人に優しくしてあげたいと思わないのですか?」 「僕ら魔物はいつもそう思ってます、だから人間がピリピリしていたらピリピリで返しちゃうんです」 ビートにも思い当たる節は会った、リチェは魔物を従えていたが敵意を全く見せていないリチェには襲い掛かろうとしなかったことだ。 もしこの魔物の子供の言うことが本当なのなら、人間と魔物は争わず共存できるのではないか? そしてリチェはそれに気づきいてこんなことをしているのか…と思い至る。 真相は彼自身の口から聞くまで分からないが、何も言わずに一方的にまくし立ててきたことは自分が悪い。 素直に謝りに行こう、ビートが重い腰を上げた瞬間、角のある子供が囁いた。 「空気がピリピリで痛いです、魔物たちが怒ってます…リチェになにかあったんです…」 リチェはその頃、ある勇者のパーティと対峙していた。 斬り付けられても魔物の前から一向に退こうとしないリチェにパーティの一人が言う。 「この子の珍しい髪の色…それに魔物もこの子を守ってるわ、この子はもしかしたら魔王なんじゃない?」 「それじゃあコイツを殺したら一気に金の勇者に格上げってこともあるかもな」 笑いながら言う2人に対して、リチェは冷静に告げる。 「俺は魔王じゃないけど…もしかしたら裏切り者で賞金くらいかけられているかもね」
魔物を守る代償として自らの首を差し出そうとするリチェは走馬灯のように自分の過去を思い出していた。 魔法学校の実習でカタンツで魔物を退治していた時を 殺されて動かない血まみれの仲間によりそってか弱い声で鳴く魔物の、涙の溜まった瞳が真っ直ぐに自分を見ていたことを ねぇビート、魔物も仲間を思って泣くんだよ… その涙を見たときから、リチェは魔物をむやみに殺すことに違和感を覚え、魔物を守る側にとついたのだった。 首筋に刃物を当てられながら、遺言のようなことを考えていると遠くからビートが叫び、走ってきた。 「お前ら何をしてやがる!おい!魔物どもも見てるだけじゃなく、そういう奴らは死なない程度に痛めつけてやれ!」 リチェに守られているだけだった魔物たちが、その言葉で我に返り、あっという間に勇者パーティを全滅させる。 まさか自分を助けに帰ってくると思わず、困惑するリチェにビートは素直に自分の行いを謝る。 「俺も魔物使役できちゃったし、勇者の妨害もしたからお尋ね者だな…」 そう苦笑交じりに言うビートにリチェは微笑み、それなら一緒に魔物を守っていかないかと言う。 「魔王も、ビートといつの間にか仲良くなってたみたいだし、それでもいいよね?」 そう言うリチェの視線の先には先刻の角の生えた子供。 これが、魔王――?ゴツイ親父を思い浮かべていたビートは現実とのギャップに脱力する。 そんなビートを差し置いてまた、満面の笑みで「これでも500年は生きてますぅ♪」という魔王。 しかしこれで謎も解けたとビートは思う、今まで誰にも倒されたことの無い魔王という存在は 誰にも負けないほど強いのではなく、もしこんな子供を殺せる奴がいるなら、それこそが本当の魔王なんだろうと。 ビートにじゃれる魔王を見つめながらリチェは一人思っていた。 勇者とは魔物を倒す存在じゃない、人に勇気を与える者、ということを。 金よりも眩しくないけれど確かに輝き、真っ直ぐな銀色の光を放つ勇者を眩しく見つめていた。
容量ヤバイですねー 次辺りで新スレですか みなさまおつかれさまです
【注意点】 ・要望に出ている漫画のストーリーはどんどん書いて下さい。 ただ要望に出ていないものは敬遠される傾向にあります。 レスは期待しないで下さい。それでも良いというならどうぞ。 ・この板は一般板なので18禁の漫画のストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。 ・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。 ・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。 そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。 ・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、 投稿の重複が防げて大変ありがたいです。 また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。
リクエスト表がまとめサイトにあるってことを書いておいたほうがいいんじゃないかな
そういえば、予約って本人が取り消し宣言しないと、キャンセルにならないんでしょうか? 結構、宣言してから時間経ってるのもありますよね。 書いた人がもうアクセスしてないかもしれない可能性もありますし、あらすじアップしなく ても「作業してます」と言った書き込みが一定期間無い場合は自動的にキャンセルに した方がいいんじゃないでしょうか。 他にやりたいって人がいるかもしれませんし。自分がそうなんですが。
三ヵ月くらいとか?
>>501 ぶっちゃけ、どの予約がいつだったかまで把握できないので(過去ログ漁れば出来るけど
そこまでしたくない…(((( ;゚Д゚))))ので日付で切るのはチトキツイかなと。
一応予約のとこは大体出てきた順に並んでるので、レスいくつで頭から順々に戻してくとかなら
できますが。
どうでもいいですが予想通り掲示板閑古鳥ですなw
>503 やりたいOR気になっている人間がログチェックする形にすれば、まとめ人さんの負担にならないかと 思ってたのですが。 それに掲示板でやった方が良かったですね、すいません。
480KB超えましたよ〜
そろそろ立ててきますか。
>>504 >それに掲示板でやった方が良かったですね、すいません。
いえそういう意味ではありません。正直つけるの乗り気じゃなかったので自分ですら見てないしw
そういったルールっぽいものをあっちで勝手に決めるのもどうかと思いますしね。
>>508 ×そういう意味ではありません
○そういう意味で書いたわけではありません
私の…メガネ君 僕等がいた の現在までのストーリーを教えて下さい