魔法先生ネギま! キャラ萌え統一スレッド No.37

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310帽子屋 ◆bbCKdAATow
こんにちは、お久しぶりです。えーと、SS書かせていただきます。
今回、若干の性表現を含みます。12禁レベルでしょうか。
官能的な表現は排してますんでエロパロでは無いとこちらは判断しますが、不快感を抱かれる方含め、適宜NG機能を御活用ください。
311帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 14:56 ID:???
あまり知られていないが、実は夕映はウサギである。
略さず言えば、綾瀬夕映を動物に喩えるならウサギ以外はありえない、と早乙女ハルナは思っている、となる。
なぜって例えば、離れ気味で、黒目がちのつぶらな瞳とか、ヘとか×になる小さな口とか、優しさと繊細さを兼ね備えていながら、
自身は決して人に懐こうとしない性格とか、あの独特の髪型もその気になって見ればウサギの耳に似ていなくも無いだろう。
まあ、そんなこんなは後付けで、第一印象が「ウサギっぽい」だったのだから、他には考えられないのだけど。
そんなハルナの想いが引き起こした、事件と言えば言えなくもない、ささやかな出来事がある。
さて、夕映の私服姿は、基本的にとてもシンプルな、黒を基調とした着こなしが多い。
それなりに気を使っているし、幼さと大人っぽさが同居した彼女の魅力が上手く引き出されてもいる。
だが、しかし、それはそれで可愛いのだけれど、せっかくウサギなのだからもっとそれらしい格好をさせてみたい、とハルナは常々思っていた。
そして、一つの計画を立てる。
決行日は2002年、11月16日。夕映の14歳の誕生日である。
凶器は「誕生日プレゼント」の「ピンクのネグリジェ」。
ハルナは半ば強引にそれを夕映に着せて、「くううっ、最高だよゆえー!」とか何とか言って狂喜乱舞し、シャッターを切りまくった。
平仮名の「かわいー」を連発していたのが、前髪全盛だった頃の宮崎のどか。
たまたま部屋に来たまき絵は「やーん似合わなーい。でもかわいー♥」と、微妙に失礼な科白をのたまいつつ頬擦りしようとした。
亜子が無言で目を潤ませてぷるぷる震えていた。
「みんなにも見せなきゃ!」と言って部屋を飛び出そうとする裕奈は夕映が何とか押し留めた。
そんなふうにおもちゃ扱いされるのは全くもって本意ではなく、最後には不貞寝してしまった彼女である。
312帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 14:57 ID:???
それからざっと3月半。
かような曰くのあるネグリジェを、夕映は今、肩からするりと脱ぎ捨てた。
当のハルナでさえ、これが夕映の趣味趣向から180度と言い切らないまでも、鈍角の開きをもった位置にある代物だと認識していたし、
それ故に、これを彼女が着るのは一度きりになるかもしれないと覚悟していた
…そしてなお、出費に見合うだけの価値があるイベントだと考えた…のだが、そうはならなかったというわけだ。
夕映がこれを着るようになった理由としては、まず第一にこれが友人からの贈り物であり、無碍に扱う気にはなれなかったから。
第二に、生地の肌触りが素晴らしく、また吸汗性、速乾性を兼ね備え、風通しはよいが意外に暖かく、
要するに寝間着としての実用性が優れていること。
生地の上等さからしても間違いなく、少なくとも安くは無かっただろう。値段で友情を測るつもりは無いが、このプレゼントに込めた思い入れの目安にはなる。
さらには、これ自体の外観も、ピンクではあるがその色調は白に近い上品なもので、またデザインもひらひらとはしているが
決して演出過剰にならないぎりぎりの線でおさまっていて、可愛らしさと品のよさのバランスが絶妙であり、
これを見つけてきたハルナの審美眼に感服したということ。
平たく言えば、彼女自身が密かに気に入ったのである。
さて、繰り返しになるが、今彼女はそのお気に入りのネグリジェを脱ぎさった。
ここは中学3年生の女子寮、三人部屋の中の脱衣所と洗面所を兼ねたスペース。
彼女がここを訪れた目的は、着替えるでも歯を磨くでも、顔を洗う事でもなく、パンツを履き替える事だった。
313帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 14:59 ID:???
Q1:なぜ、パンツを履き替える必要があったのか

当然の疑問だが、彼女の名誉のためにも立ち入ることは止めておこう。

Q2:なぜ、パンツだけでなくネグリジェまで脱いだのか

それを説明するには、まず彼女の今の精神状態から知ってもらう必要がある。
彼女は今朝、とある、穏やかならぬ夢にその眠りを阻害された。
目覚めてからもその夢にまつわる悩み事を考えまいとしたが上手くいかず、胸のもやもやは募るばかり。
深呼吸などして気分を晴らそうとも試みたが、結局効果は一時的だった。
そうこうする内、さる事情から下着の穿き替えを余儀なくされた彼女は、その姿をルームメイトに見つかるのを憚って、
替えのパンツを片手にここ、前述の脱衣所兼洗面所にやって来たのである。
そしてふと、「気分を晴らす」ために「シャワーを浴びる」ことを思いついたというわけだ。
シャワーを浴びれば気分が晴れるのか、そんな事は夕映は知らない、試した事も無い。
外的刺激の助けで内的苦悩から目をそらすのを潔しとしない価値観を持つ彼女にとっては、

深呼吸で気分を晴らす事さえ意識的にやったのは初めてだったが、それは一応の成果を上げてくれた。
今回も、上手くいくかもしれない。
たとえ駄目でも、悪夢の副産物としての寝汗をそそぐというだけの意味はある。
それに、そもそもこんな悩みに憑かれる事自体が初めてなのだから、
これまでと違う対処を試みると言うのも筋が通っていると言えなくは無いはずだ。
というわけで、夕映はシャワーを浴びる事を決め、そしてその為には当然、寝間着を脱ぐ必要があったという訳だ。
314帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:00 ID:???
パンツだけの姿になってからそれを脱ぐまで、若干の間があった。
意を決したようにパンツに指をかけ、膝のあたりまで一息にずりおろす。
そして見る。
赤くない、黄色くない。彼女の推論を裏付ける、無色の染みがそこにあった。
動かぬ証拠を突きつけられ、今更のように羞恥と動揺に襲われる。
1年ばかり前、遅い初潮を迎えたときでも、こうもみっともなくうろたえてはいなかったと思う。
いま自分が目の当たりにしているような現象が起こりうるという事は、知識として持ってはいたし、それは恥ずべき事でも何でも無いと考えていた。
考えていたが、いざ自分の身に降りかかってみると、これはまったく未知の衝撃で、正しい反応が何かなどは問題にもならなかった。
こうなった理由が分からないからではなく、それが分かるからこその狼狽。
あんな夢を見た自分が許せない。
自分はのどかの想いが成就することを望んでいたのではないのか。
(そもそも、いくら夢の中とはいえ、ご都合主義にもほどがあるです)
夕映は処女で、ネギは(おそらく)童貞だ。
(その二人が、あんなふうに器用に絡み合ったり入れ違ったりして快感を得られるはず無いのです。
それなのに、夢の中の私ときたらネギ先生の求めるままに唇を許し、浴衣を脱がされても無抵抗で…)
そこから先を、夕映は意思の力でもって強引に捩じ切って捨てた。
その勢いのままに脱ぎかけだったパンツを一息に脱ぎ去り、洗濯籠の中、ネグリジェの下に隠すように突っ込む。
浴室のドアを開けると、半ば怒ったような顔をして、夕映はその中へ消えていった。
315帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:02 ID:???
麻帆良学園女子寮個室の浴室には、一応湯船がついている。
しかし、入浴料を取って営業してもいいような設備を備えた大浴場があり、混乱を避ける為に一応の入浴時間は定められているが、
湯のはってある12時間の間は基本的に自由に利用が可能だという恵まれた風呂事情もあり、個室の浴槽が利用される機会は滅多に無い。
そんなわけで、寮生たちにはその浴室を用途に則って「シャワー室」と呼ぶことが一種の伝統として受け継がれている。
そのシャワー室に入った夕映はまず温度調節のカランを一杯にひねり、それから水量調節のカランをやはり同様に、全開にした。
蛇口から勢いよく吐き出された水があっという間に熱湯になる。
寮の所々には貼り紙が貼ってあり、元々デフォルメの効いた風貌の学園長をさらにデフォルメした似顔絵に吹き出しがついて
「限りある資源を大切にの!」とのたまっている。
描いたのは、今はドア二枚を隔てた所で眠っているハルナで、「一応の」稿料が支払われたということだ。
よくあるガス、水道、電気等の節約のキャンペーンだが、この抜群の給湯能力を目の当たりにすれば、
夕映のような鋭い批評の目を持つ者としては矛盾を感じざるを得ない。
矛盾が頂点に達するのは、言うまでも無いが大浴場で、数百人からの生徒が利用する浴槽を清浄に保つためとはいえ、
絶えず膨大な量の新たな湯が文字通り湯水の如く注ぎ込まれている。
あれでどの面下げて生徒に節約を要請するのか。
…もっとも、節約の必要など最初から無いのかもしれない。
学園の地下深くに邪悪な精霊使いが囚われていて、浄水器やボイラーの代わりとなって日がな一日呪文を唱えて過ごしている可能性だってある。
それぐらいでは、もう驚くに値しないという事を夕映は知ってしまっていた。呆れる位は許されるだろうか。
何にせよ、熱く勢いあるシャワーを欲する今の彼女にとっては、この寮の放漫なエネルギー政策はありがたいことである。
心もち高めに湯温を設定し、蛇口からシャワーに切り替えると、
壁に掛けられたシャワーの口から叩きつけるように湯が飛び出し、あっという間に湯気が立ち込める。
この勢いは他所ではなかなか望めるものではないのだ。
敵意すら感じさせる46℃の激流に、夕映は頭を突っ込んだ。
316帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:04 ID:???
開いた毛穴に分け入った湯が、頭痛の種を洗い流していくようだ。
目を瞑って首を持ち上げ、顔面でシャワーを受け止める。
温度が細胞に直接染み込むような、苦痛をともなった心地よさに、しばしそのまま打たれ続ける。
振り返り、今度は背中で湯を浴びる。
背にかかる豊かな黒髪を突き抜けてなお威力を保った湯が、直接肌に打ちつける。
起伏の無い体の前面、ジャンプ台もコブも無い、滑降用の処女雪のように真っ白い斜面がお湯に染められ仄かに紅が差し、
肩を越えてやって来た水流が思い思いのシュプールを描いてゆく。
少女はそれをぼんやりと眺めていた。
笑ってしまうくらいに何も無い胸だが、こう毎日見せられては笑う気にもなれやしない。
中学に入ったばかりの頃はのどかや木乃香も(贔屓目込みで)似たり寄ったりだったが、時の流れは無惨にも彼我を引き裂いてしまった。
級友の大多数は最初から別の惑星から来たようだった。
なにが贔屓目なのかと言うと、彼女たちの場合胸の膨らみが寂しくても、
体形そのものは女性らしい柔らかな曲線を描いていた、そこに根本的な違いがあるのだ。
彼女の体にはそれが無い。
(いえ、体だけの話ではありません。そもそも私には殿方の思う女性らしさという物の持ち合わせが無いのです。
可愛げと言い換えてもいいかも知れません…あるいは、そもそもの人間的魅力、でしょうか)
優しさだとか、可愛らしさだとか、快活さだとか、あるいは愛嬌といったような物が自分には決定的にかけている。と、彼女は思っていた。
(ですから、そもそも)
自分がネギ先生をどう思おうが、あるいは思わなかろうが、ネギの方では自分を選ぶはずも無く、大勢に何の影響も与えはしないだろう。
である以上、自分がネギとのどかの板ばさみになった気分で悩むなど全くもって馬鹿げた事で、自意識過剰としか言いようが無く、
そもそもこれが恋愛感情なのかさっぱり分からないが、好きなら好きでそれも構わないのではないだろうか。
(こういうのも、開き直りと言うのでしょうか…)
それとも。
もしかして、まさかとは思うがあるいは。
自分は「選ばれたい」と思っているのだろうか?
317帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:05 ID:???
ふぅっと溜息をつき、薄っぺらい胸を隠すように両手をその上に添えようとする。
手と胸の触れる寸前、思い出して夕映は固まった。
夢の中、彼に触れられた時の事、どこまでも敏感なそこを細い指が、小さな舌が撫ぜるたびに
目の奥から爪先までを突き抜けた電気のような痺れが脳裏によみがえる。
シャワーは背中を叩き続けている。
意を決したように、そっと掌を置く。
何も無い。
当たり前と言えば当たり前だ。つい先日まで普通に触っていて、その時には何ら特別な感覚を覚えなかったのだから。
安堵と落胆が入り混じった妙な気分で、しかし諦められないというように小さな突起を意識し続ける。
転がすように弄んでみる。
くすぐったいが、それだけではない。むず痒いような、奇妙な感覚があった。
この感覚をもっとはっきり確かめたい、そう思い、夕映は背を打つシャワーを止めた。
急に訪れた静寂の中、夕映の耳に届くのは自身の心音だけだった。
すり、すり、すり、とその尖りで運命線をなぞるようにさする。
手のひらがこそばゆく、乳首は硬さを増し、単調な刺激の連続にじんじんと疼いてくる。
夢の中、彼に触れられた時と、何かが違う。
それは単に虚構と現実の差異か、手のひらのくすぐったさに表れるように、「自分で」触っているからか、あるいは…
求めるほどに消えそうな夢の記憶を手繰り寄せ、彼にされたことを思い出し、刺激の道具を柔らかな手のひらからか細い指に切り替える。
そっと先端をつまみ、恐る恐る擦り上げる。
「……っ!!」
思いもよらぬ刺激が走り、瞬間膝が折れそうになる。呼吸が乱れ、白いお腹が波を打つ。
空想の産物である昨夜のそれとは比べ物にならないほど微弱で、比べ物にならないほど生々しい感触。
318マロン名無しさん:04/05/05 15:08 ID:???
ウザい。エロパロ板でやれ。あすこは18禁でなくてもOKだろが。
319帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:10 ID:???
呼吸の収まるのを待ち、先刻よりも慎重に、親指と中指でそれを挟み、人差し指で軽く掻いてみる。
「あぅ…っく」
思わず声の漏れ出た唇を咄嗟に右手で抑える。
思いのほか柔らかく、独特の弾力を持っていた。指を滑らせると滑らかで、くすぐったさの他に名状しがたい陶酔感が混じる。
乳首への刺激は夢の中でのそれに、自分の唇には彼のそれの感触に通じるものがあった。
すがりつくように記憶を辿るが、夢のご多分に漏れず、今まで覚えていたはずの事が思い出そうとする端から零れ落ちていってしまう。
かすれゆく彼のどこまでも優しい手つき、絡み合う舌、圧し掛かる重み、曖昧な概念に転じてしまったそれらかき集め、自分の指で再現しようと足掻く。
右の指は唇を割ってとろみのある口腔の粘膜を絡めとり、左手は薄い胸の上を忙しく動き回る。
漏れ出す声を我慢できなくなり、寝ているはずののどかとハルナに聞こえないよう。シャワーを出してその音で誤魔化そうとする。
自分でもどんな声を出しているか分からなくなり、そのせいか、羞恥の箍がはずれ始める。
こま切れに喘ぐ夕映の、右手は口を犯し続け、左手はあるか無しかの乳房、色素の薄い乳輪、硬く尖った乳首を離れ、
わき腹から臍、臍からわき腹、それから腰、腿、内腿と手当たり次第に這い回る。
夢の中で彼がそこを愛撫したかなんて、もう分かりようも無かった。
しかし、夕映が性的な妄念に取り付かれたのはあれが最初で、今のところは最後なのだから、
夢に見なかった箇所への刺激などそもそも思いもよらぬだろうし、またそれも現実には夕映の深層意識に因を発するものなのだから、
自身の手を動かそうと、彼の姿を借りようと、やる事は結局大差無いはずでもある。
320帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:12 ID:???
…などと、平素の夕映なら考えたかもしれない。
実際には、夕映の頭に何かを考える余裕など残ってはいない。
ホワイトアウト寸前の理性は大声を上げないくらいの役にしか立たなかった。
左手が撫で擦るのは、どこも普段から何の意識もせずに触れたりこすったりしているはずの場所から送られてくる刺激は、しかし全く見知らぬものだった。
がくがくと膝が揺れ、腰が落ちそうになるのを懸命に堪える。
これは夢に出てきたのと同じ快感なのか、似て非なる物なのか、そもそも全く似ていないのか、
そもそもこれは快感なのかどうか、それすら分からない。
ただ彼女の本能が「それ」を続ける事を命じていた。
321帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:13 ID:???
柔らかな内腿を撫でていた彼の手が、満を持したように夕映の股間の核心部に侵入してきた。
夕映の躊躇いを見て取ったのか、直ちにそこへの刺激を開始する事はなかった。
その前に、絡めていた舌を解いて唇を開放し、耳元で何事か囁く。
その言葉は水音に掻き消されて聞くことは叶わなかったが、いわれの無い安堵を覚えて、夕映の緊張は幾分か和らいだ。
自由になった口は酸素を求めてだらしなく開閉し、その間を縫うように甘ったるい言葉を吐いている。
強張っていた全身の力の抜けるのを感じ、機の熟したのを悟った彼はシャワーのそれとは所縁を異とする湿気の篭もるそこに手を伸ばした。
擬音のつけようも無い刺激が夕映の背中を貫く。
ただ触れただけ、彼の手は夕映の股の間にそっと重ねられているだけだったが、
その刺激は先刻までのものとも明らかに異質なもの、紛う事なき性感そのものだった。
戸惑う夕映を尻目に、手の動きは加速する。
ヴァギナの周囲を手のひらが優しく揉みほぐし、溝にそって指が這う。
声にならない声を上げ、冷たいタイルの上に座り込んでしまった夕映の股間に、右手までもが加勢して彼女の肉体と心、全てを篭絡せんと攻め立てる。
片手で割れ目が押し広げられ、もう一方の手指はその内に隠れていた鋭敏な襞を舐る。
その更に奥から溢れる、微かに粘性を帯びた液体を潤滑油に得て、彼の手の動きは大胆さを増していく。
くちゅくちゅと音が立っているのが、耳ではなく肌を通じて感じ取れる。
翻弄されながら、夕映はすがりつくように必死に、大声にならぬよう最後の自制をなんとか保ちながら、ひたすらに彼の名を呼んだ。
それに応える事も無く、彼は黙然と夕映を追い詰める。
浮遊する意識、床の硬さにも気付かないまま、夕映の意識は白濁した官能へと落ち込んでいった。
322帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:15 ID:???
タイルの上にうつ伏せに突っ伏した夕映は細い腰と、性的に未分化の子供のような趣を残すヒップを我慢できないという風に突き上げる。
急速に当初のぎこちなさを薄れさせる少女の指使いに、それを支える力を失くして崩れ落ちる。
降りつける温水の下、夕映の小さな体が引き攣ったように硬直し、
独立の意思を持つかのように容赦なく動き続ける指に追い立てられて腰をせり上げる、その一連の動きを繰り返した。
やがて彼女は糸の切れた人形のように、唐突に動かなくなってしまった。
眼の焦点は定まらず、だらしなく開いた口元から垂れるよだれを抑えることも出来ない。
心臓の動きは彼女が経験した事も無いほどのスピードで、このまま死んでしまうのではないかと本気で思った。
空気を求める肺腑はシャワー室の底にわだかまる水蒸気の濃い空気に抗議の声を上げるが、シャワーを止めて起き上がるだけの気力も体力もなかった。
淫らな両手からようよう解放された女陰部は割れ目を閉じ、熱い疼きを隠しこんで、それ以上の刺激を頑なに拒んでいる。
おぼつかない足取り、言う事を聞かない関節を叱りつけてどうにか立ち上がる。
次第に外部情報の処理を再開する頭、なかなか静まってくれない動悸、波のようによせては返しながら
徐々に引いていく官能の昂ぶり、夕映の短躯に混在するそれらの混乱を落ち着けるのに、役に立てるのは時間の経過だけだった。
失われた時間間隔のもと、一時間かかったのか1分にも満たぬ間だったのか、ともかく全身に留まる性感の残滓を別にすれば、彼女は平静を取り戻した。
自分が何をしていたのかを理解したうえで、その痕跡を絶つべく周囲を見回す。
見回したところで、何があろうはずもない。証拠は彼女の肉体にあった。
股間をべったりと濡らす液体と、それが攪拌されて出来た白い泡。
今朝、彼女の下着に見事な染みを作ったそれの同胞だった。
(流さなきゃです…)
夕映はシャワーを手にとり、まずは足を垂伝うそれを、ついで割れ目に…最も激しく掻き回され、大量の泡を生じさせた箇所に…手を伸ばし、その間を洗い流した。
323帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:15 ID:???
「!!!……っ???」
激しい流水が、彼女の何かに呼応する。
無我夢中の自慰の最中にも感じなかったその感覚は、あまりにも「あれ」に似ていた。
「だ、駄目です…っ」
他の誰でもなく、自分に向けた言葉だった。
駄目だ、今すぐこのシャワーを持った手を離せ、そうしないと取り返しのつかないことにな

る…
しかし、その快感は直ちに断ち切るには甘美にすぎ、そして一瞬の躊躇が事態をもう戻れな

いところまで進展させた。
ぞくり、とした寒気が夕映の背筋を走ったとき、既にそれは始まっていた。
あう、あわ、ううう、と意味を成さない呻きを上げながら、夕映の両手は必死に股を押さえ

るが、黄色い液体は一切の慈悲を示すことなくその指の間から溢れ続けた。
諦めきれず足掻く夕映を嘲笑うように、失禁はとどまるところを知らなかった。
タイルの上で、取り落としたシャワーの口から流れる透明と垂れ落ちる黄色が奇妙な紋様を

形作り、混ざりあって限りなく透明に近くなり、排水口へと消えていった。
「ぅ…うう…見ないで…ください…」
自らの排泄物に塗れたままの手で顔を覆い隠し、夕映は嗚咽する。
「こんな…ところ…駄目です…」
「…ネギ…先生」
324帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:16 ID:???
その朝、早乙女ハルナの目覚めを誘ったのは、どこかで水のはぜる音だった。
無理に叩き起こされた、というような不快なものではない。
何もなくても目覚めたに違いないタイミングで優しく揺り起こされたようなけだるい心地よさと、
せっかくの休日が雨になってしまった事への軽い落胆があった。
もちろんそれは間違いで、その音は綾瀬夕映が浴びるシャワーのそれである。
間違いと言ったが、もちろん雨とシャワーが共存できないわけではなく、生ぬるい雨が舗装道路を打つ音と、
温かいお湯が誰かの肩や背中や、そして大部分はタイルに撥ねて立てる音が混在していても不思議はないのだ。
不思議は無いが、この日の場合は半分だけ開いた窓から吹き込む風の爽やかさやカーテン越しでもそれとわかる
鮮やかな空の青、そんなものが明確に降雨の可能性を否定していた。
晴れた日に降る雨を「狐の嫁入り」などと呼ぶが、実際、こんな晴れた日に雨降りにあえばキツネに抓まれたような気分にもなるだろう。
そして、ハルナは今まさにそんな気分を味わっているのだった。
朝のシャワーと、綾瀬夕映。
青空とざんざん降りの雨ほどに相容れない、と言えば夕映は怒るかもしれないが、ハルナにとってはそんな感じだ。
近頃、夕映は変わった。
普段から彼女のそばにいて、彼女を見ている自分でなければ気付かないような微妙さの、緩やかで、柔らかで、それでいて確実な変化。
それがいつから始まったか、ハルナには分かりすぎるほど分かっていたし、それ以来の微細な変化の一つ一つをフォローして、
夕映の現在像は常に最新版に保ってきたはずだった。
しかし、昨日の夕映にはそれまでと明確な断絶があった。そして、それが何なのか、何がきっかけなのか、完全に見失ってしまっているのだった。
夕映は、変わった。おそらくは、誰でも気付けるほどはっきりと。
325帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:18 ID:???
さてところで、その夕映の変化とはいかなる物なのか。
たとえば表情だ。
その表情から夕映の考えを読み取るのがどんどん難しくなっている。
少なくとも、ハルナにとってはそうである。
以前の夕映は完璧に近いポーカーフェイスで、出会った頃はやはり表情の読めない娘だと感じさせられたが、
慣れてしまうと表情の変化が乏しい分、逆にいかな些細な変化でもはっきりとした感情の揺れに根差している事に気付いた。
そしてそれに気付いてしまえば、キャンパスの白さゆえに「どこに、どう、どの程度」染みがついているのかは判別しやすく、
そのうちに「何故」それがついたのかもかなりの確度をもって言い当てられるようになった。
夕映のポーカーフェイスが下手だと言うのではない。
彼女の表情をここまで読めるのは、自分をおいて他にはいないとハルナは自負しているし、事実そうだろう。
夕映の事なら、自分が一番よく見ているし、だから誰より…多分本人よりも…よく知っている。
それが今では、彼女は頻繁に「分かりやすい」表情を見せるようになった。
喜んでる。怒ってる。哀しんでる。楽しそう。
見た者誰もが共通の認識を示すだろう感情の発露である。
326帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:19 ID:???
長いシャワーからあがってきた夕映は、何故か一糸纏わぬ姿だった。
せめてバスタオルくらい巻いて出てくればいいようなものだが、どうやらタオルを持ち込むのを
…洗面所は狭く、タオルは共同で使用するタンスの一番下の段にしまってあるのだ…忘れたらしく、髪もずぶ濡れのままだった。
右手に何か、おそらくは丸めたパンツを持っている。
用意周到な彼女らしくない失態だった。
誰も起きてはいまいと思っていたのだろう、薬缶を火にかけるハルナを見つけた顔に狼狽が走り、何か言おうとして、夕映は結局、絶句した。
これまた彼女らしくない、大げさな反応。
狼狽している、絶句した。そう、それは分かりやすい。誰でも分かるだろう。
ハルナが見たいのはその先、うろたえる理由や程度、うろたえ方といったディティールだった。
一度は手が届いたそれは、しかし再び彼女のあずかり知らぬところの物となってしまった。
共有していた秘密を一方的に破棄されたような、裏切られたようなやるせなさ。
もちろんそれは言いがかりに過ぎない。秘密は共有されていたのではなく、覗き見趣味の成果としてハルナの掌中にあったに過ぎないのだから。
そんなことは分かってる、分かっているけど、でも…
327マロン名無しさん:04/05/05 15:19 ID:???
長いな
328帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:21 ID:???
さて、夕映が絶句してしまった以上、こちらから話しかけるしかないのだろう。
「どーしたの夕映?」
どうとでも取れる、ニュートラルな問いかけ。対して夕映は、
「悪夢を見まして、寝汗をかきすぎたのです」
なるほど、そっちね。
夕映を狼狽させたもの、それは裸で出てきたことではなく、そもそもシャワーを浴びていた理由に結びつくらしい。
寝汗をかきすぎるという事自体、枕が替わらない限りは寝つきのいい夕映には珍しい。
それに、両手で股と胸を隠しているのは何故だろう。今さらそんなものを隠す必要がある間柄では無いはずだ。
その「悪夢」とやらの内容そのものか、あるいはそれにまつわる何かが…
まあ、これ以上の詮索はよそう。今日のテンションでは自己嫌悪に陥ってしまいそうだ。
329マロン名無しさん:04/05/05 15:22 ID:???
330帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:22 ID:???
「紅茶淹れるけど、夕映どうする?」
この聞き方なら、ちょっと考えた末に「私もいただきます」と言うはずだ。
「コーヒーか紅茶、どっちにする?」ならコーヒー、「紅茶(あるいはコーヒー)でいい?」だと冷蔵庫の中身次第になる。
果たせるかな、2、3秒の間を置いて夕映は「いただくです」と答えた。
オーケイ、まずは重畳。一日の始まりとしては悪くない。
パン籠に残っていた、賞味期限を一日過ぎた食パンをトースターにかけ、砂糖とミルクを山ほど入れた紅茶を飲む夕映を眺めながら、自分は熱いレモンティを啜る。
部屋には奇妙な沈黙が流れ、のどかの寝息だけがかすかに響いていた。
「…私の顔に、何かついていますか?」
視線を感じて、夕映が問う。
「んー?」
夕映は、可愛い。
そして今はその可愛い顔を怪訝そうに曇らせている。
可愛い顔を曇らせるのはハルナの趣味ではないが、心もち口を尖らせたその表情は非常に好みに合致するわけで、
曇ってしまったものは仕方ないと判断し、せっかくなのでそのままじっと眺め続ける事とする。
こうしていると、何も変わることの無い、いつも通り、今まで通りの夕映に見える。
私の、可愛い、ウサギちゃん。
言葉にするとこっぱずかしいが、そんな感じだ。
チーン、と音がして、トースターがミッション・コンプリートを告げる。
そこでやっと、居心地悪そうにしている夕映から目線を離して立ち上がった。
パンを乗せた皿とネオソフト、マーマレードを持ってテーブルに戻り、のどかが寝ている内にと話を切り出す。
「ねえ、夕映、明後日ヒマ…だよね?」
331帽子屋 ◆bbCKdAATow :04/05/05 15:24 ID:???
以上です、長々すみません。
お気付きの向きもあるかもしれませんが、以前書いた物の続きです。
また続きそうな引きですが、続く可能性はきわめて低いのでご安心ください。