アシュラ「うう…」
ママン「どうなされました、あなた」
アシュラ「シバの部屋に虫や猫の死体が…グオオ悪魔の血は争えないのかーっ
正義超人として育てた私の教育は無駄だったのかーーっ!」
ママン「そういえば先週、あの子はあの部屋に入ってしまいましたの
あなたのコスチュームをじっと見つめていましたわ」
アシュラ「やはり…クローゼットにあったのは私のコスチュームだったか
いかん。このままではシバの悪魔の血が目覚めてしまう…」
―あけがた
アシュラ「シバ、今頃帰ったか」
シバ「…」
アシュラ「待て!今日は話がある」
シバ(無視して行く)
アシュラ「待たんか」(つかむ)バサ
アシュラ「ゲーッなんだその血に染まった手は!」
シバ「パパには関係ない!」
アシュラ「シバきさま、血を求めて夜な夜な出歩いているな
こうなったら悪魔の血が目覚める前に私が」(つかみかかる)
シバ(蹴って逃げる)
アシュラ「親に手をあげるとは…阿修羅バスター!」ズン
オバサン「キャーッ、これは」
アシュラ「誰だ!」
オバサン「ああシバさま!これはどうなさったのです」
アシュラ「これはわれら親子の問題だ。部外者はでていけ!」
シバ「ああ、先生…どうしてここへ」
アシュラ「先生?」
オバサン「大丈夫ですかシバさま!大切なお忘れものをお届けにあがったのです」
アシュラ「なんだこれは」(取る)「服じゃないか」
シバ「ああ、見られちゃったね…」
オバサン「シバさまは、お父上のために服を作ってさしあげるといって
私のもとに弟子入りされたのです」
アシュラ「ゲーッあなたは有名デザイナー」
オバサン「お父上には内緒で作るのだといって、毎晩遅くにうちにいらして
作っておられました」
アシュラ「この毛皮は猫毛…あの猫はこのために…だが、あの虫は」
オバサン「私の方法ではさまざまな昆虫の足を針にして繊細に縫うんですの」
アシュラ「ではその手の血は…慣れぬ針仕事のためか…レスリングの練習に
身が入っていなかったのはこのせいなのか」
シバ「パパ゚は正義超人として、コスチュームがあんなになるまで戦ってきたんだろ。
それにボクが小さい頃はじめてコスチュームをもらった嬉しさは忘れない
だからパパに…もうじきパパの誕生日だろグフ」
アシュラ「シバ…シバ!だからおまえは私をさけていたのか」
シバ「エヘヘ…ビックリさせたかったんだ…ゴホ!ゴホ!」
アシュラ「シバ…もうしゃべるな…じっとしていろ、誰か医者を呼べ!医者だーっ!」
シバ「ゴメンねパパ…最後まで…作ってあげられ…なく…て」(ガク)
アシュラ「うおお…シバ!シバァーーーっ!!パパを許しておくれーっ!」
―すうじつご
すっかりやつれ、シバの面影を追いかけて崖の道をさまようアシュラ