【有名&無名】2ch的漫画評価part3【傑作&駄作】

このエントリーをはてなブックマークに追加
256マロン名無しさん
【みどりのマキバオー】  つの丸  集英社  週刊少年ジャンプ連載  全16巻

絵..     【★★☆☆☆】<賛否両論あるが、後半競走馬の描写が飛躍的に向上。>
ストーリー 【★★★☆☆】<有馬までは一気に読める。2部の失敗が評価を下げた。>
独創性.   【★★★☆☆】<あしたのジョーのオマージュだが、競馬漫画の新観点を開拓。>
キャラ.   【★★★★☆】<たれ蔵筆頭に個性派揃い。人物関係もしっかり描き込まれている。>
知名度.   【★★☆☆☆】<アニメは失敗。次世代に受け継がれる知名度には遠い。>

【講評】
当時競馬漫画はマガジンのシルフィードを代表に静かなブームを呼んでいた。
発行部数600万部を突っ走っていた週間少年ジャンプもこのジャンルに遅れて参入する。
作者は動物ギャグ漫画の佳作「モンモンモン」である程度の成功を収めたつの丸である。
しかし、前作の影響もあり、読者は幼児向けの作風という印象から脱却してはいなかった。
その多くは、競馬漫画の醍醐味である手に汗握るレース演出を期待していなかったのだろう。
舞台は競馬の物語らしく借金で首の回らない貧乏牧場から始まるが、そこはつの丸演出である。
予想通りの楽観的な登場人物達により悲壮感も無く、そのままの雰囲気で物語は進むかに思えた。
が、好敵手漆黒のカスケードの出現以降、作品の雰囲気は徐々にではあるが、変化していく。
そしてマキバオー3歳GIレース参戦あたりから、ギャグ演出は鳴りを潜め始め、明け4歳から有馬へと
各馬複雑な因縁エピソードを鏤め作者別人のような迫力ある画力で壮絶な勝負を展開した。
特筆すべきはディズニーの世界のように、馬と人が日常会話を行う点である。
彼らは人と同じ知能、多種多様な人間的性格を持ち、栄光をレース勝利へ求めている。
当然ながら、競走馬のレースに対する能動性が違和感無く取り入れられ
彼らは人のエゴに走らされる金儲けの「道具」的存在から苦楽を分かち合う「仲間」へ変化した。
必然的に馬同士の駆け引きや攻防など複雑化し、レースもがぜん面白みを増し、
他の競馬漫画にはない、マキバオー世界にしか味わえないレースを実現している。(続)↓
257マロン名無しさん:04/01/24 23:32 ID:???
>>256からの続き【マキバオー】)
→(続)有馬記念までの内容は歴代のジャンプ漫画と比べても勝るとも劣らない名作になっている。
マイナージャンルの悲しさからか、一般読者の話題に上がらなかったのが真に残念である。(続)↓

有馬記念にて宿敵カスケードを倒し、念願の日本一になったマキバオーだが
新たな目標に架空のレースを設定した時点で、一般の競馬読者は離れ
主力級の脇役を惜しげもなく引退や死に追いやったことで、コマ不足に陥った、
加えて、レースもバトル要素が高くなり、奇を衒った演出展開を繰り返すようになる
そうして、作品そのものの魅力が失われた。
細かい原因は他にもあるが、ジャンプ初の競馬漫画は無念の未完への道を歩くことになる。
最後は上手く纏めたが、未完作品に変わりはなく、伏線がある程度死んでいる。
だが競馬漫画の新スタイルを開拓した作品としては勿論のこと、
純粋に作品としても、漫画としても、かなり高レベルな内容である事実も認めてほしいところだ。
子供用漫画か、ただの競馬漫画と思っている人、是非御一見あれ!