【総合】バキスレへようこそ Part 8【SSスレ】

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908マロン名無しさん:03/10/01 22:21 ID:???
>>906
マルチポストだしな
909魔界編 30話:03/10/01 22:56 ID:miWsYxI0
>>841
勇次郎の肉体がメリメリと肥大化していく。殺気が肉眼視出来る様に、ビリビリと大気を震わす。
彼の上半身を包むはずのシャツは、とうに引き裂かれ地面を這っている。肉体の怒張に耐えられなかったのだ。
姫川はその光景を、固唾を呑んで見届ける。今、攻撃すれば「鬼」は現出しないかも知れない。
 (でも、それで勝っても意味はありません。おそらく攻撃力だけならば、彼の「鬼」は館長より上・・)
姫川の見据える先。それは、自らの師・松尾 象山を超える事。その為には、万全の勇次郎を超えねばならない。
勇次郎が踵を返す。そして、背中に張り付いた「鬼」を姫川に見せ付ける。驚異的な筋肉で造られた、鬼の形相。
 「とくと見るがいいぜ、姫川とやら・・。これが戦場で数多の屍を築きし、オーガの正体だッ!!」

姫川。軽く頷く。まるで決意でもしたかの様な微笑を添えて。 ・・そしてそっと目を閉じる。怪訝な顔の勇次郎。
 (聞いた事があります。オーガと化した勇次郎氏の攻撃は、人間の反応速度を超えると。 ・・ならば)
ならば、「目」に頼るのは無駄である。目で見、脳で認識し、それを筋肉に伝える。それでは間に合わない、到底。
先程の伝統派空手の「見切り」の境地・・。あれすらも勇次郎の「鬼」は凌駕するであろう。ならば更にそれの先。
 (感じるのです。空気の揺らめき、大地の振動、殺気、呼吸・・。彼の動いた瞬間を感じねば追いつけない)
無限大に殺気を高める範馬 勇次郎。それとは逆に、自らの殺気を消し去り、自然と一体化していく姫川 勉。
今、姫川は。人として行き着ける、最高の境地に辿り着いた。この死合いにて。 ・・そう。仙人・朧と同じ領域に。
それを見て勇次郎は笑う。勇次郎も分かったのだ。目の前の男が、あの朧と同じ動きを?んだ事に。笑う理由とは。
 (それでいい。俺は無限に強くなる。 ・・取り合えず仙人とやらの領域を、通過点にしてくれるわッ!!)
910マロン名無しさん:03/10/01 22:58 ID:???
来ちゃった…。
911魔界編 30話:03/10/01 23:21 ID:miWsYxI0
>>909
勇次郎が見ているのは、目の前の姫川や、記憶にある朧ではない。勇次郎が見据えているのは、たった2人の強者である。
人間界最強最高の男、男塾塾長・江田島 平八。そして魔界の頂点者・大魔王バーンだけである。人間界と魔界の最強者。
こやつら2人を超えた時、この範馬 勇次郎は復権する。この世界でも。 ・・「地上最強の生物」に。

姫川の肉体が、透き通る様な錯覚を覚える勇次郎。対して勇次郎は、触れる全てを呑み込む様な邪悪な殺気。勇次郎が叫ぶ。
 「ケッ。殺気も欲も捨て去りおったか。 ・・だが、禁欲の先に行き着ける境地など、高が知れているわッ!!」
勇次郎の背中の「鬼」が哭く。勇次郎必殺の、「ブン殴り」の構えである。対して姫川、静かに棒立ちのまま、時を待つ。
 (殺気が爆発した刹那。その一瞬だけです、彼の技を見切るチャンスは。全身を目にして、大気の震えを感じろ・・)

ぶうん。 ・・竜巻の様に勇次郎の肉体が捩れる。そして一気に大砲の様に発射される、勇次郎の鉄拳。目を見開く姫川。
姫川の脳裏に強烈なイメージが閃く。雷光の様な、勇次郎のパンチの軌跡。だがその殺気は、前もって見切れている。
大地の震動。大気の揺らめき。殺気の軌跡。 ・・その全てが、姫川に教えてくれる。勇次郎の攻撃を。勇次郎の動きを。
姫川は前に出る。彼の生涯の中で、最速・最高の動き。前に出ながら体を捻る。勇次郎の拳が、胸を掠めながら虚空を切る。
血が大地に降り注ぐ。姫川の血である。勇次郎の拳がわき腹を掠めたのだ。だが見切った。完全にその拳の動きを見切った。
姫川が刹那笑う。それは勇次郎を仕留めた、という快感だったのか。最高の境地に至った、自分への達成感だったのか。

  どうですか、勇次郎。あなたからすれば、私の肉体をスリ抜けた様に感じたはず。あなたの、最高の攻撃を・・。
 
912魔界編 30話:03/10/01 23:53 ID:miWsYxI0
>>911
勇次郎と視線が合う。その視線に向け、2本貫手を叩き込もうとする姫川。人差し指と中指で、目玉をエグリにいく。
だが勇次郎の視線は、姫川を蔑んでいる。いや、哀れんでいるといってもいい。攻撃をスリ抜けた姫川を、である。
次の瞬間、姫川の肉体がピタリ、と止まる。 ・・勇次郎の眼球の手前数ミリのところで、姫川の貫手は止まっている。
 「美味かったぜ姫川とやら・・。堪能した。俺のエサに充分なってくれたぜ、てめえは」   勇次郎は笑って言う。
そしてスローモーションの様に、姫川の肉体が崩れ落ちていく。わき腹から血がボトボトと垂れ、骨が見えている。
 「仙人の境地、大したもんだぜ。だが技が見切られたら見切られたで、力ずくで叩き伏せればいいだけのこった」
姫川は薄れゆく意識で、わき腹の傷を見る。深い。 ・・まさかカスっただけのあの攻撃で、これだけの殺傷力が・・。
ふいに師・松尾 象山の太陽の様な笑顔が思い浮かぶ。そして象山は自分のコブシを指差し、得意のセリフを語る。
 (どこだって良いんだよ。腹でも顔でも足でもよ。こいつが一発決まりゃあ、相手は倒れるしかねえんだ・・)
そうか。この勇次郎も師・象山と同じなのか。どこでも良かったのだ、当てる場所は。例えカスッただけのわき腹でも。
勇次郎が倒れた姫川を見下ろし、顔を覗き込む。そして鬼の笑顔を浮かべて言う。    「おめえの負けだ」
姫川は覚悟を決め、静かに目を閉じる。もう肉体は動かない。勇次郎は右脇に正拳を構え、止めを刺そうとする。

913魔界編 30話:03/10/02 00:01 ID:a9zkED1M
>>912
 「おいおい困るねえ。ウチの人間勝手に殺されちゃあよ」    ・・後ろから、場面に不釣合いな陽気な声が響く。
勇次郎が驚愕して振り向く。気付かなかった、接近に。だが今その男は、辺りを切り裂く超ド級の殺気を放っている。
 「弟子をイジめられたら師匠登場かい・・? いいぜ、アンタともここでケリを付けてもよッ!!」   叫ぶ勇次郎。
だがその声の主、松尾 象山は笑って首を振る。   「おいおい、オイラァケガ人だぜ。治った頃にまた遊ぼうや」
象山は先の関が原決戦で、宮沢 鬼龍と闘い、勝利と引き換えに片腕を折っている。それを言っているのだ。
象山は勇次郎を無視し、倒れた姫川を肩に担ぐ。そして悠々と立ち去ろうとする。だが勇次郎は何故か手出しをしない。
クルッと振り返る象山。太陽の様な笑顔で勇次郎に言う。    「手ぇ出さねえって事は、次回って事だな」 
勇次郎は応える。   「ああ次回だ。手負いのアンタを倒しても、何もならねえ・・」  立ち去っていく象山と姫川。
残された勇次郎。大声で笑う。仙人の域を超え、また確実に近付いたからだ。江田島 平八と大魔王バーンに・・。
「まったく楽しいぜ、この世界は・・。上のヤツらの首を狙うのがこんなに楽しいとは、すっかり忘れていたぜ・・。」
元の世界の勇次郎は。 ・・最強者にして頂点者であるが故に、誰も彼を楽しませる事が出来なかった、戦闘において。
だがここはいる。確実に強者たちが。そして自分の力も、それに呼応して、無限に高まっていくのも分かる。
影道の塔に背中を向け、いっとき帰途へつく勇次郎。ポツリ、と一言言う。次はどいつを喰おうかな、と。
914パオ ◆w/9ws2V0DU :03/10/02 00:06 ID:a9zkED1M
マロンから移転はどうしましょう? もう1スレ待った方が良いかな。
今の状態ならここで良いです。取り合えず1スレ様子を見てという事で。
コロコロ意見が変わりますが、実際荒らし減ってるみたいだし。

後、ちょっとネタに詰まってます。滅多にないんですが、アカギ対ダービー。
最初に用意してたギミックが、冷静に考えると穴だらけ。で、今作り直してます。
ま、頑張りますんでよろしくお願います。出来は正直どうなるか分からない。
915マロン名無しさん:03/10/02 01:09 ID:???
少年漫画でやってみたいんだが・・・。
916マロン名無しさん:03/10/02 01:22 ID:???
少年漫画には、えなりという大御所もいるし、いいんじゃないか?
実際、あのスレ、すごく上手くいってるよ。
917マロン名無しさん
少年漫画はいわくありげな辞典スレ(俺は知らんが)があるので反対
でも新たな住人を増やせるかもナー