【総合】バキスレへようこそ Part 8【SSスレ】
ジャイアンが、左肩から猛烈なタックルをタタミにぶちかました。そのまま左腕を振り上げて、
タタミを肩に担いで……背中から、思いっきり地面に叩きつけた!
《ワ、ワンハンドボディスラムが決まったああぁぁ!》
ぐふっ、と完全に息を詰まらせたタタミは、それでも横に転がって、執念で起き上がる。
「ま、負けるもんか……百万円……百万円……わたしは百万円、全額、貯金してみせる……っ!」
真っ直ぐ立てず前傾姿勢のまま、ふらつくタタミ。その目の前に、ずいっとジャイアンが進み出た。
「約束だからな。顔だけは、殴らないでおいてやるぜっっ!」
金槌で釘を打つかのような、縦に振り下ろされたジャイアンの拳が、タタミの頭に叩き込まれた。
直立するのに四苦八苦していたタタミの体、具体的に言うとタタミの首は、頭部を襲った猛烈な
衝撃を支えることができず、そのまま真っ直ぐ、地面に叩きつけられて……動かなくなった。
「勝負ありっっ!」
小坊主が、決着を宣した。実況が絶叫し、観客が歓声を上げる。……お子様対決、決着。
砂の感触を背にタタミが目を開けると、あさりが心配そうな顔で覗き込んでいた。
「……あさり……ごめん。負けちゃったみたいね、わたし」
「ううん。二対一だったんだもん、半分はあさちゃんのせいだよ」
と、ジャイアンが、タタミの投げ捨てた眼鏡を拾って持ってきた。タタミにそれを渡して、
「どうだ、立てるか?」
ジャイアンに引っ張り上げられ、タタミは立ち上がった。ジャイアンはタタミと、そしてあさりを見て、
「大した奴だよ、お前らは。いやほんと、女にしとくのは勿体無いぜ。男だったら、毎日でも
ガンガンやり合って、いいケンカライバルになれそうなんだけどな」
と言って、がははははと豪快に笑った。あさりは、ぽそっとタタミに耳打ちする。
「おね〜ちゃん。何か、聞いてたよりちょっと……ほんのちょっとだけど、かっこよくない?」
「バ、バカっ。何言ってんのよ。こんなデブ、全然かっこいいことなんて、」
ジヤイアンが、二人に手を差し出した。
「いい勝負だったぜ。のび太やスネ夫相手じゃ、こうはいかねえ。久しぶりに、本気で燃えた」
「あははっ。それ、あさちゃんも同じ♪」
「……ま、ちょっとキツめの美容体操ってとこね。わたしにとっちゃ」
あさりと、そしてタタミと、ジャイアン。三人が、闘技場の真ん中で握手した。にこにこしてるあさり、
満足そうなジャイアン。そして、まだ少し残念そうな顔をしているタタミ。
「ねえ。ちなみに、あんたはどうする気なの? 賞金百万円」
「へへ。そのことだけどよ……おぉい! 徳川のジイさん!」
ジャイアンが、観客席の光成に向かって叫んだ。
「この会場、一万人は入ってねぇよな?」
「? まあ、せいぜい千人ぐらいじゃが。それがどうした?」
「そっか。細かい計算はできねえけど、そんなら多分、大丈夫だな」
ジャイアンは拳を振り上げて、大きな声で叫んだ。
「今日は気分がいい! 賞金で俺がオゴるぜ! コーラでもファンタでもポテチでもえびせんでも、
みんな好きなだけやってくれいっっ!」
「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
観客が吼え、そして一斉にジャイアンコールを贈った。光成はからからと笑って、小坊主たち
全員に通達。周辺のスーパーや駄菓子屋に走らせ、全ての菓子・ジュース類を買占めさせた(無論、
百万円超過分は自腹にした)。
今までになく大騒ぎ、ジャイアンコール一杯の闘技場で、タタミは苦笑しながら呟いた。
「はは……完敗だわ。負け負け、完全に負け。わたしたちの、負けね」
その夜遅くまで、闘技場での宴会は続いた。あさりとタタミ、のび太とスネ夫、そしてこの
地下闘技場の正チャンプ、刃牙にも祝福されながら、ジャイアンは思った。
『みんな、ありがとよ……俺、もっともっと強くなるぜ!』
あさりの出番が少な過ぎることとか、もっと両陣営のキャラを出したかったこととか……いろいろ
ありましたが、予想外にジャイアンとタタミの打ち合いが長引いたのでカットしました。
いつも一生懸命だけどドジで間抜けで失敗ばかり、けれども片思いのあの人の為に今日も頑張る、
という正統派ヒロイン全開なアンジーちぁんなんか、結構真面目に萌えるものがあると思ってるん
ですけどね〜。出せなかったのが残念。……今度別ネタで挑戦してみようかな。
>>VSさん
また一段と、スゴいというかヤバいオーラを放ってますね。Kってもしかして、家族構成
から考えると……Kツオですか?
>>ふら〜りさん
ジャイアン優勝よりもタタミと鳥坂に交友があることよりも
あさりの一人称が「あさちゃん」であることに大層ショックを
受けました。んなろー。完結、お疲れ様です。
それはそうと、
>Kってもしかして、家族構成から考えると……
いーわーなーいーでー。
まあ、どのみち誰かが言っちゃうんだろうけど。
第一話「策謀の香り」
「なあ、あいつだぜ」
「ああ、わかってる。俺にまかせてくれ。なあにこう見えても俺は(ry」
「・・・だっだれだおまえ達は!?」
「俺たちはうんこ」
「うんこ!?」
「うんこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
うんこきたああああ!!
あん、でも一話一話がちょっぴり短いカナ。
でも無理して欲しくないので、これからも頑張ってくださいネ。
Kってカツミじゃないよなぁ・・・甥なんていないし。
うんこさんはヤムスレのアリバイがあるので
現段階では本当にやる気があるかどうか分かんないなあ。
パオさんとVSさんは今日はちゃんと書いてくれるかな?
ふら〜りさん、アンジーって誰ですか?
アンジーといえば水戸華之助
一昔前のミュージシャンのアンジーなら知ってる。
パオは来ると思うが夜王はもう来ないのかな?
結局投げ出したなあの人。ここに待ってるファンがいるのによ。
カツオ
おーい、ヤムスレの方が質も量も高いぞーw
>>904 マロンどころか、漫画板全体から逃げ出したスレなどどうでもいい。
むこうでもウザがられてるし。
>>905 クソみたいな釣りにも反応してしまう・・・これが今のバキスレ住民か
荒らしが自作自演を始めました 無視しましょう
909 :
魔界編 30話:03/10/01 22:56 ID:miWsYxI0
>>841 勇次郎の肉体がメリメリと肥大化していく。殺気が肉眼視出来る様に、ビリビリと大気を震わす。
彼の上半身を包むはずのシャツは、とうに引き裂かれ地面を這っている。肉体の怒張に耐えられなかったのだ。
姫川はその光景を、固唾を呑んで見届ける。今、攻撃すれば「鬼」は現出しないかも知れない。
(でも、それで勝っても意味はありません。おそらく攻撃力だけならば、彼の「鬼」は館長より上・・)
姫川の見据える先。それは、自らの師・松尾 象山を超える事。その為には、万全の勇次郎を超えねばならない。
勇次郎が踵を返す。そして、背中に張り付いた「鬼」を姫川に見せ付ける。驚異的な筋肉で造られた、鬼の形相。
「とくと見るがいいぜ、姫川とやら・・。これが戦場で数多の屍を築きし、オーガの正体だッ!!」
姫川。軽く頷く。まるで決意でもしたかの様な微笑を添えて。 ・・そしてそっと目を閉じる。怪訝な顔の勇次郎。
(聞いた事があります。オーガと化した勇次郎氏の攻撃は、人間の反応速度を超えると。 ・・ならば)
ならば、「目」に頼るのは無駄である。目で見、脳で認識し、それを筋肉に伝える。それでは間に合わない、到底。
先程の伝統派空手の「見切り」の境地・・。あれすらも勇次郎の「鬼」は凌駕するであろう。ならば更にそれの先。
(感じるのです。空気の揺らめき、大地の振動、殺気、呼吸・・。彼の動いた瞬間を感じねば追いつけない)
無限大に殺気を高める範馬 勇次郎。それとは逆に、自らの殺気を消し去り、自然と一体化していく姫川 勉。
今、姫川は。人として行き着ける、最高の境地に辿り着いた。この死合いにて。 ・・そう。仙人・朧と同じ領域に。
それを見て勇次郎は笑う。勇次郎も分かったのだ。目の前の男が、あの朧と同じ動きを?んだ事に。笑う理由とは。
(それでいい。俺は無限に強くなる。 ・・取り合えず仙人とやらの領域を、通過点にしてくれるわッ!!)
来ちゃった…。
911 :
魔界編 30話:03/10/01 23:21 ID:miWsYxI0
>>909 勇次郎が見ているのは、目の前の姫川や、記憶にある朧ではない。勇次郎が見据えているのは、たった2人の強者である。
人間界最強最高の男、男塾塾長・江田島 平八。そして魔界の頂点者・大魔王バーンだけである。人間界と魔界の最強者。
こやつら2人を超えた時、この範馬 勇次郎は復権する。この世界でも。 ・・「地上最強の生物」に。
姫川の肉体が、透き通る様な錯覚を覚える勇次郎。対して勇次郎は、触れる全てを呑み込む様な邪悪な殺気。勇次郎が叫ぶ。
「ケッ。殺気も欲も捨て去りおったか。 ・・だが、禁欲の先に行き着ける境地など、高が知れているわッ!!」
勇次郎の背中の「鬼」が哭く。勇次郎必殺の、「ブン殴り」の構えである。対して姫川、静かに棒立ちのまま、時を待つ。
(殺気が爆発した刹那。その一瞬だけです、彼の技を見切るチャンスは。全身を目にして、大気の震えを感じろ・・)
ぶうん。 ・・竜巻の様に勇次郎の肉体が捩れる。そして一気に大砲の様に発射される、勇次郎の鉄拳。目を見開く姫川。
姫川の脳裏に強烈なイメージが閃く。雷光の様な、勇次郎のパンチの軌跡。だがその殺気は、前もって見切れている。
大地の震動。大気の揺らめき。殺気の軌跡。 ・・その全てが、姫川に教えてくれる。勇次郎の攻撃を。勇次郎の動きを。
姫川は前に出る。彼の生涯の中で、最速・最高の動き。前に出ながら体を捻る。勇次郎の拳が、胸を掠めながら虚空を切る。
血が大地に降り注ぐ。姫川の血である。勇次郎の拳がわき腹を掠めたのだ。だが見切った。完全にその拳の動きを見切った。
姫川が刹那笑う。それは勇次郎を仕留めた、という快感だったのか。最高の境地に至った、自分への達成感だったのか。
どうですか、勇次郎。あなたからすれば、私の肉体をスリ抜けた様に感じたはず。あなたの、最高の攻撃を・・。
912 :
魔界編 30話:03/10/01 23:53 ID:miWsYxI0
>>911 勇次郎と視線が合う。その視線に向け、2本貫手を叩き込もうとする姫川。人差し指と中指で、目玉をエグリにいく。
だが勇次郎の視線は、姫川を蔑んでいる。いや、哀れんでいるといってもいい。攻撃をスリ抜けた姫川を、である。
次の瞬間、姫川の肉体がピタリ、と止まる。 ・・勇次郎の眼球の手前数ミリのところで、姫川の貫手は止まっている。
「美味かったぜ姫川とやら・・。堪能した。俺のエサに充分なってくれたぜ、てめえは」 勇次郎は笑って言う。
そしてスローモーションの様に、姫川の肉体が崩れ落ちていく。わき腹から血がボトボトと垂れ、骨が見えている。
「仙人の境地、大したもんだぜ。だが技が見切られたら見切られたで、力ずくで叩き伏せればいいだけのこった」
姫川は薄れゆく意識で、わき腹の傷を見る。深い。 ・・まさかカスっただけのあの攻撃で、これだけの殺傷力が・・。
ふいに師・松尾 象山の太陽の様な笑顔が思い浮かぶ。そして象山は自分のコブシを指差し、得意のセリフを語る。
(どこだって良いんだよ。腹でも顔でも足でもよ。こいつが一発決まりゃあ、相手は倒れるしかねえんだ・・)
そうか。この勇次郎も師・象山と同じなのか。どこでも良かったのだ、当てる場所は。例えカスッただけのわき腹でも。
勇次郎が倒れた姫川を見下ろし、顔を覗き込む。そして鬼の笑顔を浮かべて言う。 「おめえの負けだ」
姫川は覚悟を決め、静かに目を閉じる。もう肉体は動かない。勇次郎は右脇に正拳を構え、止めを刺そうとする。
913 :
魔界編 30話:03/10/02 00:01 ID:a9zkED1M
>>912 「おいおい困るねえ。ウチの人間勝手に殺されちゃあよ」 ・・後ろから、場面に不釣合いな陽気な声が響く。
勇次郎が驚愕して振り向く。気付かなかった、接近に。だが今その男は、辺りを切り裂く超ド級の殺気を放っている。
「弟子をイジめられたら師匠登場かい・・? いいぜ、アンタともここでケリを付けてもよッ!!」 叫ぶ勇次郎。
だがその声の主、松尾 象山は笑って首を振る。 「おいおい、オイラァケガ人だぜ。治った頃にまた遊ぼうや」
象山は先の関が原決戦で、宮沢 鬼龍と闘い、勝利と引き換えに片腕を折っている。それを言っているのだ。
象山は勇次郎を無視し、倒れた姫川を肩に担ぐ。そして悠々と立ち去ろうとする。だが勇次郎は何故か手出しをしない。
クルッと振り返る象山。太陽の様な笑顔で勇次郎に言う。 「手ぇ出さねえって事は、次回って事だな」
勇次郎は応える。 「ああ次回だ。手負いのアンタを倒しても、何もならねえ・・」 立ち去っていく象山と姫川。
残された勇次郎。大声で笑う。仙人の域を超え、また確実に近付いたからだ。江田島 平八と大魔王バーンに・・。
「まったく楽しいぜ、この世界は・・。上のヤツらの首を狙うのがこんなに楽しいとは、すっかり忘れていたぜ・・。」
元の世界の勇次郎は。 ・・最強者にして頂点者であるが故に、誰も彼を楽しませる事が出来なかった、戦闘において。
だがここはいる。確実に強者たちが。そして自分の力も、それに呼応して、無限に高まっていくのも分かる。
影道の塔に背中を向け、いっとき帰途へつく勇次郎。ポツリ、と一言言う。次はどいつを喰おうかな、と。
914 :
パオ ◆w/9ws2V0DU :03/10/02 00:06 ID:a9zkED1M
マロンから移転はどうしましょう? もう1スレ待った方が良いかな。
今の状態ならここで良いです。取り合えず1スレ様子を見てという事で。
コロコロ意見が変わりますが、実際荒らし減ってるみたいだし。
後、ちょっとネタに詰まってます。滅多にないんですが、アカギ対ダービー。
最初に用意してたギミックが、冷静に考えると穴だらけ。で、今作り直してます。
ま、頑張りますんでよろしくお願います。出来は正直どうなるか分からない。
少年漫画でやってみたいんだが・・・。
少年漫画には、えなりという大御所もいるし、いいんじゃないか?
実際、あのスレ、すごく上手くいってるよ。
少年漫画はいわくありげな辞典スレ(俺は知らんが)があるので反対
でも新たな住人を増やせるかもナー