「始めは単なる自己中心的な糞コテだと思ってたんです」
はじまりは漫画サロン板。
固定ハンドルネーム「もつお」と名乗るソレは、誰の了承も得ずに単独スレをたてた。
「立てた理由が『目立ちたいから』だぜ? そりゃ叩かれるって」
強烈なバッシング。しかし「もつお」は意に介さず、自らの作品を産み落としていく。
「意外と読めるんだよな。その文章が。まぁ、パオ程ではなかったけど」
漫画サロン板のSSスレの「王」。「パオ」は「もつお」の存在を否定。
「けどもつおはパオを完璧無視。あれは傍から見ててもちょっとおもしろかったよ。しかももつおはSS書かなくなったし」
パオによる「もつお」否定が続くなか、運命の出来事は起こった。
「知ってます? もつおの奴、トリップの中身さらしてやんの! それからが見ものだったよな!」
次々ともつおのトリップを装着、偽もつお増殖。そしてオリジナルは判別不能。
「いや、でもパオ脱退事件はすごかったなぁ…。存続希望派と荒らしが凄いのなんのって」
パオの暴走。そして以前よりの反パオ派は行動を始める。しかし存続派の必死の希望により、パオ、復活。
「実際安心しましたよ。俺、パオのSSのファンっすから。でも…」
「もつお」の増殖は止まらない。
「他スレで見かけた時はビビりましたよ。笑ったけど」
主演:パオ、その他SS職人
「ここにも『もつお』…。ひょっとして俺達は、とんでもない勘違いをしていたんじゃないのか…!?」
始めは冗談半分だった。でも「もつお」は…。
「SHIT! また『もつお』だ! どうなってんだこれは!」
「まさかもつおは…わざとトリップを晒した…?」
「どういうことよ、それ!」
「トリップをつけた偽もつおは…どうなっているんだ…?」
「おい! すぐにひろゆきに問い合わせろ!」
増殖――そして侵食。
「偽もつおの…ログを確認してもらいました…」
「それで? ひろゆきはなんだって?」
「そんなトリップ…存在しないそうです!」
ありえない事象。ありえない末路。
「まずい! このままじゃあ…!」
そして…。
「2ちゃんが…終わる!」
「MOTUO」 来春公開
きみは…歴史の証人となる。