たまにはヤムチャが活躍する話を考えようぜPart13
新スレいつの間にできたあげ
大きな気が半球体の天界から八方へと拡散していく。
ドラゴンボール争奪戦に参加した者たちが,目的のドラゴンボール目指して一直線に飛び立ったのだ。
そんな中,悟空だけが余裕で天界に残っている。天界の端でしゃがんで下界を見下ろしている悟空。ときどき手元のレーダーを見ながら。
デンデ「ご…悟空さん?出発されないのですか?」
悟空「いやぁ。オラには瞬間移動があるしな」
不可解な行動に疑問を思ったデンデにいつもながら軽い調子で答える悟空。
デンデ(そうか。悟空さんはレーダーに動きがあるまで待機し,動きがあったら瞬間移動で奪いに行くつもりなのか。体力も無駄に消費しなくていい…。)
悟空の魂胆がわかったデンデ。待ちこがれている悟空の表情を見ながら感心する。
一方…他の面々は…
ベジータ「カカロットの奴…天界に残っていやがる…!そうか…。瞬間移動だな……。フン。考えたな…だが,ドラゴンボールを手にするのはオレだ!!はーはっはっはっは」
意味不明に笑いながら全力で飛ばしていくベジータ。
こちらはサタンとブウのペア。
サタン「ブウさん!そ…そんなに飛ばさないで…」
ブウのマントにしがみつきながら叫ぶサタン。
ブウ「早くしないと取られちゃうぞ。ボール」
サタン「も…もうすぐですから…。あっ!あの煙をふいている山から反応が…」
レーダーを見ながらブウに位置を教える。どうやら目当てのボールは活火山の火口の中のようだ。
ブウ「よーし。突撃するぞー」
サタン「え!?ちょ…ちょっとタンマ…タ……ひぃぃぃぃぃ〜〜〜」
クリリン&18号ペア――。
クリリン「後ろからでかい気が追ってきている…。ヤムチャさんかな…」
18号におぶさりながら,後ろを振り返るクリリン。
18号「ヤムチャ?誰だい?そいつ」
クリリン「ほら。プーアルの主人の」
ヤムチャ「ああ…。あいつか。ほおっておいても問題ないよ」
クリリン「そうだけど。ヤムチャさんずる賢いからな〜…」
悪口を言われているとも知らず二人を必死に追いかけるヤムチャ。
追っているというより同じドラゴンボールに向かっているのだが。
ヤムチャ「くそっ…!どんどん離されていく…」
突然ヤムチャの背中に何かがぶち当たった。
そのまま下に広がる森林地帯に墜落する。
ヤムチャの激突によってできたクレーター。もうもうと土埃がたちあがっている。そこに二つの影が降り立つ。
ヤムチャ「くそっ。だ…誰だ…!!お…お前は…」
ヤムチャは目を見張った。その男は自分とともに地球の平和のために,悪と戦った孤高の戦士…天津飯と餃子だった。
天津飯「よぉ。相変わらずだな」
ヤムチャ「て…天津飯!!…ひ…久しぶりだな…。何年ぶりだ?」
思いがけない人物の登場に,つきとばされたことを少し忘れるヤムチャ。
天津飯「知らんな…。ところで…そのレーダーを渡してもらおう」
ヤムチャ「…!?…ま…まさかお前もドラゴンボールを…」
天津飯「そういうことだ。あそこに居なかったからといって参加できないわけではないだろ?ふっふっふ」
ヤムチャ「なるほどな…。何を願うか知らないが…力尽くで奪ったらどうだ?」
ヤムチャはささっと狼牙風風拳の構えをとる。
ヤムチャ「新狼牙風風拳!Ver.2!」
天津飯「おもしろい!!」
20秒後――…
天津飯「さて…南南西に400km…か」
奪ったレーダーを見て天津飯はつぶやく。二人は最も近いドラゴンボールの場所に向かった。顔をボコボコに腫らして倒れているヤムチャを後目に。
ヤムチャ「えぐっ…えぐっ…。ちくしょぉぉ〜〜」
ひっく…ひっく…森の中で嗚咽するヤムチャ。
しばらく泣いたあと,むくりと起きあがって,パンパンと服のほこりを払う。
ヤムチャ「くそぉ〜……。まだあきらめねぇぞ。プーアルの命がかかっているんだ」
しかし,レーダーをまず取り戻さなければ話にならない…。
天津飯たちから奪い返せるだろうか。いや…カメハウスに一個おいてあったな…。ではまずカメハウスに行ってみようか?だがふといい考えを思いつく。
ヤムチャ「ちょっと待てよ…。何も奴らと競争する必要なんてないんだ…。」
そうつぶやき,カプセルコーポレーションに向かう。
その頃――。
ブウはマグマの中に落ちていたドラゴンボールをいち早く見つける。
ブウ「サタ〜ン!やったぞ!ボール見つけた!!」
火口から飛び出し,近くで待機していたサタンを呼んだ。サタンも駆けよってくる。
サタン「よっしゃー!ブウさん。よくやった!あと6つだ!楽勝!!」
ブウ「よし!次のボール探しに向かうぞ」
サタンはボールをリュックにしまうとまたブウの背にまたがり,振り落とされないようにマントをぎゅっとつんだ。
サタン「では行きましょう!ブウさん!レッツゴー!」
ドンッッと勢いよく出発するブウ&サタンペア。
一方,悟空はドラゴンボールの動きを察知していた。レーダーを見ながら言う。
悟空「おぉ!?動き出したぞ。この気はブウか。さすがにはぇぇなぁ〜〜。」
立ち上がり二度三度,屈伸する。
悟空「よし!行ってくっか!ひさびさにワクワクすんぞ」
ビッ!!
悟空は天界から瞬間移動によってあっと言う間にブウたちの元へ移動した。
海上をぶっとばしていたブウたち。その前に悟空がいきなり現れた。
急ブレーキをかけるブウ。とばされそうになるサタン。
悟空「よぉ。おめぇたちのボールをいただこうと思ってな」
サタン「ご…ごご悟空さん…!」
ブウ「いやだ。オレ,サタンのためにボール集める」
悟空「そう言うと思ってたぜ。じゃあ戦おうぜ。」
サタン「ブ…ブウさん…」
ブウは心配するサタンを適当な島に降ろすと,上空で悟空と向かい合う。
悟空「いやぁ…ワクワクするぜ。ブウ!何年前だろうな。おめぇと戦ったのは…。チチはドラゴンボールで『悟天の女遊びをやめさせたい』らしいけど…。
オラ,実はみんなと戦えるのが楽しみなんだ。チチにはわりぃけど」
ブウ「オレも楽しみだぞ。」
悟空もブウもニヤリと笑う。不安げに空の二人を見上げているサタン。
孫悟空 VS ミスター・ブウ決戦開始。
二番目にドラゴンボールを見つけた者は……。
カメハウスにクリリン&18号夫妻がやってきた。
クリリン「いひひひ。一個はもともとここにあったんだ。」
カメハウスには亀仙人とウミガメとウーロンがいた。
なぜか亀仙人とウーロンはやけにすっきりした表情で,ウミガメはちょっとなきそうな顔だった。
そんな彼らの様子を気をとめることもなく,カメハウスに入るなり急いで二階にあがっていった。
二階の寝室に保管しておいたドラゴボールをとりに行くクリリン。が…
クリリン「ぎえぇぇ〜〜!!??取られている!!」
二階からクリリンの叫び声が聞こえてきた。階段から転げおちてくるクリリン。
18号「ホントにないのかい?さっきまで反応があったじゃないか」
クリリン「あぁ。それを…まさか…」
頭をさすりながらクリリンはウーロンのほうをむいた。殺意に満ちた表情で…。
18号「あんたかい?」
ウーロン「ぎぇっっ!! バカ言うなよ〜!! ドラゴンボールならヤムチャが取っていったんだよ。ちくしょー。オレも集めようと思ってたのにさぁ…。ヤムチャがむりやり…」
亀仙人「そ…そうなんじゃよ!ヤムチャが急に現れての!」
ウーロンと亀仙人が落ち着かない様子で必死に弁解する。
レーダーを見ると確かにこのカメハウスにはボールは既になく,離れたところに反応があった。
クリリン「ホントだ…。ヤムチャさんが…?後ろにいた気がしたのに……どうやって先回りを…?」
18号「どうせまたずるいことしたんだろ?すぐに追いかけよう!クリリン!」
人里離れた渓谷――…
深い谷間の底でベジータがひっそりと佇んでいた。澄んだ川の底には目の前にはドラゴンボールが沈んでいるのが見える。
ブウがドラゴンボールを見つけているころ既にベジータもドラゴンボールの一つを見つけていたのだ。
ベジータ「くっくっく。おっぱじめやがったな。戦っているのはブウか。そうなるだろうと思って,やつらが戦い始めるまで手をつけなかったんだ。」
そう言ってポケットからホイホイカプセルをとりだす。
ボンッ
派手な音を立てて現れたのは特殊なボックス。ドラゴンボールから出る電波を遮るというモノだ。ここにボールを入れ,意気揚々と飛び立つベジータ。
ひとまずはカプセルコーポレーションで待機だ。
悟空の奴が残りの6つのボールを集めるまで…。
ヤムチャ「……誰もいないかな……」
カプセルコーポレーションに侵入したヤムチャ。
どこに何があるのかは長いこと住んでいたのでわかっている。
ヤムチャが狙うのは……タイムマシーンである。
そう,過去に行って誰もボールを集めていないときに願いを叶えてしまおうという魂胆なのであった。
この時代のブルマも何か危機があったときに備えてタイムマシーンを作っておいた。過去に知らせるために。もちろん時代を軽々しく変えてしまうのはまずいので,滅多なことでは使用されない約束だった。
…だが,ヤムチャによってその約束はやぶられてしまうのだった。
ヤムチャ「…よし。やはりここに保管されてたか。」
倉庫に入り込み,目的の卵型のタイムマシーンを見つけたヤムチャ。スイッチを押し,マシーンに乗り込む。
ヤムチャ「時代は…そうだな。人造人間戦までの3年間は誰も使わなかったはずだよな…。エイジ764年…。今から25年前か…。ずいぶん前なんだな。
よし…。エネルギーは往復分やっとか…まぁいいだろ。出発だ!ポチっとな」
ゆくべき時代を設定し,マシーンを起動させる。
ヴィーン………マシーンが機械音とともにあやしげな光に包まれる。
目の前の空間が歪み出した。
視界が暗転する。
直後,目のくらむような光があたりをつつんだ…。
ヤムチャの目に飛び込んできたのは荒野――…。
ヤムチャ「ついたのか…?」
おそるおそる外へ出てくる。
岩山が間近に迫っている。気のせいか見たことのある風景だ。
(まぁ荒野なんてよくある風景だしな…)
とあたりを見回しながらふらふらと歩き出す。
岩壁のすきまをぬって少し広々とした場所に出た。
…………。
硬直。
数十mさきには10人か20人くらいの…地球人とは思えない連中がたむろしていた。
そしてその中の二人からは恐ろしい気が感じられた。
どうやら初めてのタイムスリップで気が動転していて気を探るのを怠ってたらしい。連中を目の当たりにして,初めて巨大で邪悪な気に気づいたのだがもう遅かった。
ヤムチャ「……。」
連中と目線があう。
フリーザ「……何のようだ?地球人」
ヤムチャ「ふりぃぃざぁぁぁ!!?」
ヤムチャは泣きわめきたい気持ちでいっぱいだった。
フリーザ「ほう。ボクの名前がこんな辺境まで知れ渡っているとは光栄だな…」
ヤムチャ「…し…知っていますとも……フリーザさま」
フリーザ「…で…地球の案内でもしてくれるのかい?」
いいながら近づいてくるフリーザ。フリーザの姿をまともに見るのはこれが初めてだった。痛々しいほどにカラダに機械が埋め込まれている。にょきっとカラダから銃口が出てきそうな雰囲気だ。
ヤムチャ「え…えぇ。……おすすめのスポットをご…ご案内します…よ」
震える声で必死に取り繕うヤムチャ。
フリーザ「ふぅん…。悪いけどボクらは地球人を皆殺しにきたんだ。やれ!」
1人の部下が前へでる。ザコっぽい風貌であってもコルド大王の精鋭たちである。ナメック星にフリーザが連れてきたザコ軍団とはワケが違う。
男「戦闘力10000か…。微妙な奴め」
手から強力なエネルギーがヤムチャにむけて放たれた!
ヤムチャ「うぉぉぉぉっ!」
ヤムチャは全力でそのエネルギー弾をはじきかえすと,男に一瞬につめより殴りつけた。
男「ぷげっ!! や…やろぉ!」
部下1人も負けじとヤムチャに殴りかかる。
ヤムチャ「いたっ!いたぁ……お…お前!なかなかやるな!!」
ポコポコと殴り合っている二人。
フリーザ「何している!お前達も行け!」
ヤムチャ「げっ!?マジ!!??」
部下全員がヤムチャに襲いかかってきた。界王拳を全開にして精鋭を迎え撃つ。
バキッボコッドカッメキッ……。微妙なレベルの戦いが繰り広げられている。
その頃…付近にいたその時代の悟飯たちは何者かの登場に動揺していた。
悟飯「び……微妙な大きさの気が現れて…たくさんの気がちょっとずつ減っている…」
フリーザ「ちっ…何をもたもたしているんだ…ん?」
乱闘を観戦していたフリーザは何者かの気配に気がつく。いつの間に現れたのか,フリーザの視線の先には青年が立っていた。
フリーザ「何者だ?……キミも地球人かい?」
トランクス「お前達を殺しに来た…」
フリーザ「殺しにきたって?…こいつはお笑い草だな。本来ならばお前みたいなゴミはボクが手を出すまでもないんだけど……無能な部下たちがアレだからねぇ」
そういってフリーザはチラっとヤムチャと乱闘している部下たちを横目で見やる。
フリーザ「光栄に思うがいい。ボク直々に殺されることを!!」
トランクス「誤算だったな!!」
フリーザ「何が!?」
トランクスは超サイヤ人になり,気功波を放つ。慌ててよけるフリーザとコルド。だが背後の宇宙船があとかたもなく破壊された。
上空へと逃れたフリーザとコルド。だがトランクスは彼らよりもさらに上空に舞い上がっていた!
フリーザが気がついたときにはもう遅い。研ぎ澄まされたトランクスの刀が振りかぶられる。
一閃。
……となるはずだったが……。
ヤムチャ「ひぃッ!た…助けてくれぇ!」
遥か下から情けない声がトランクスに届く。
トランクス「ちぃっ!」
トランクスの剣に迷いが生じたのか、フリーザはかろうじて剣をかわすことができた。が,トランクスは追い打ちをかけず急降下した。ヤムチャを助ける為だ。
ヤムチャは既に8割がたの敵を倒していたが,つめの甘さで逆転されていた。トランクスは残りの敵をすぐさま消し去ると上空の敵をにらみ付けた。
フリーザ・コルドがゆっくり降りてくる。
フリーザ「なかなかやるようだね…。キミも超サイヤ人になれるとは…驚いたよ」
コルド「これが超サイヤ人か…。だが…超サイヤ人は1000年に1人しか…どういうことだ?」
トランクス「興味がない」
フリーザ「何がだよ!ま…まぁいい。サイヤ人は皆殺しだよ」
地上へ降り立った二人…ゆっくりと間合いをつめる。それを涙目で見つめるヤムチャ。
コルド「かァッッッ」
フリーザ「きぇぇえっっ」
奇怪な気合いを入れ,二人の帝王はトランクスに飛びかかる。二人の凄まじい攻撃の嵐をやすやす交わすトランクス、さっとフリーザの懐に入り、腹にブローを入れる。
叫ぶ間もなく吹っ飛び、岩山に激突するフリーザ。同じくコルドも脇にケリを入れられうずくまった。
ヤムチャ(ほっ……。何とかなりそうだ。このうちに逃げよ…)
ヤムチャがこっそり逃げようとしたときフリーザが復活した。ブチキレたかと思えば意外に冷静なフリーザ、コルドの元へ寄り、作戦を耳打ちする。
フリーザ「パパ…まともにやったのでは苦戦するよ。奴をひきつけて時間をかせいでくれないか?ボクはそのスキを狙ってありったけのエネルギーを奴にぶちあてる。」
コルドはうなずく。フリーザらしからぬ作戦だ。
トランクスと対峙するコルド。
コルドの顔には少々焦りの色が浮かんでいる。一方トランクスは無表情のままコルドをにらみ付ける。
フリーザが地を蹴りその場を離れる。一瞬トランクスの注意がそれる。その瞬間にコルドが間合いをつめた。
再び猛烈な攻撃。が,トランクスは余裕に交わし続ける。
コルド、怒りと焦りで恐ろしい形相に変わっていく。無理もない。自分がコケにされるという初めての体験なのだ。
さっと一歩ひいてトランクスが攻撃の体勢にうつる。
コルド(自分は交わせない!!当たったら……死!!フリーザまだか!?早くしろ!)
当のフリーザは…。
フリーザ「ふっふっふ。パパ。悪く思わないでくれよ。超サイヤ人の恐ろしさはよくわかっているんだ。さきほどの攻撃でわかった。ボクらじゃ適わないってね」
先の戦いで、プライドのために戦っても殺されてしまえば意味はないと悟ったフリーザは、コルドを囮にして逃げようと企んでいたのだ。
トランクスが気を察知できるとは知らないので岩山の陰に隠れやり過ごそうと思っていたのだが……。
フリーザ「な…何だこれは…?」
フリーザの目の前に突如現れた卵型のマシーン。そう。ヤムチャが乗ってきたタイムマシーンである。
興味本位でマシーンをいじくるフリーザ。偶然にもハッチが開き,そこに乗り込んでみる。
フリーザ「わからん…。見たこともないメカだ……。一体これは……」
カタカタカタ…と適当にスイッチを押してみる。
と…,マシーンがふいに動き出す。ヴヴヴ…と音を立てて。慌てふためくフリーザ。外へ出ようとするが,遅かった。マシーンはフリーザを乗せ時を超えた……。
その様子をそばで呆然と見て立ちつくしていた男が1人。ヤムチャであった。
ヤムチャ「ぅ…うそぉ〜〜〜ん……」
情けない声をあげるヤムチャ。
トランクスとコルドが戦っているうちに逃げだしたヤムチャだったが,マシーンをどこに置いたか忘れてうろうろしているうちにマシーンを横取りされてしまったのだ。
ヤムチャが見つけたときは既にマシーンはおぼろげな光につつまれ時空の歪みに消えていくところであった。
ヤムチャ「ど…どうしよ…。マジ」
悲嘆にくれるヤムチャ。だがはっと思いつく。この時代にはもう一台のタイムマシンがある。未来トランクスが乗ってきたものだ。すぐに交渉しなければとトランクスのもとへ駆け出した。
既にコルドを木っ端みじんにしていたトランクス。これから悟空を迎えにいかなくてはならない。重要な任務があるのにここでさらにお荷物が増えることとなる。
トランクス「くそっ!フリーザの気を感じない!あいつ…気を消せることができるのか…?」
ヤムチャ「やっほー。トランクス。ちょっと相談があるんだが…」
馴れ馴れしく近づいてきたヤムチャにトランクスは剣を抜く。
ヤムチャ「ひぃっ!よせ!バカ!オレだよ!ヤムチャだよ!!」
トランクス「ヤムチャ…さん?あなたが…?……ずいぶん老けてませんか…?この時代ではたしかまだ……」
ヤムチャ「ワケあってな…。オレはこの時代のオレじゃねぇんだ。」
トランクス「では…あなたも未来から?……バカな。ヤムチャさんは死んだはずだし生き返れないはずだ。」
ヤムチャ「えー…ややこしいなぁ。むっ。この気はベジータたちか。近づいてくるぜ…。オレと顔をあわせるとややこしいことになる…。あのさ,これから悟空を迎えに言って人造人間のことを話すんだろ?」
トランクス「なぜそれを…!?やっぱりあなたはホントウに未来から…?」
ヤムチャ「まぁな。でその話が終わったらこっそりここに戻ってきてくれないか?
な…なんだ,その顔は。変なことしないって」
トランクス「は…はい。わかりました。興味がありますしね」
ヤムチャ「よし。あ,そうだ。フリーザのやつはお前が倒したってことにしちゃってくれ。」
腑に落ちない顔をしながらもトランクスはベジータたちの元へ向かい,悟空の出現地点まで案内することにした。
数時間後,寂しそうに膝を抱えて座っているヤムチャの所へトランクスがやってきた。
トランクス「お待たせしました。ヤムチャさん」
ヤムチャ「うわっ!!ビックリさせるなよ〜…。チビっちゃうだろ!」
トランクス「やはり貴方はホントウのヤムチャさんだ…」
ヤムチャはトランクスにこれまでの経緯を語った。全く異なる未来世界が存在し,自分はそこからやってきたのだと。
トランクス「ということはオレが来たことで未来は地獄のような世界から回避できたということですね…」
ヤムチャ「ああ。お前の世界もお前自身が平和にしたらしい。こんなネタバレしちゃっていいのかな。まぁわかってくれたか?」
トランクス「まぁだいたいは…。で,オレに何の用なんです?」
ヤムチャ「それがさ〜。フリーザにタイムマシーンを奪われちゃってさ〜」
トランクス「何ですって!?だから奴の気が消えたのか!なぜそれを早く言わないんですか!」
ヤムチャ「まぁまぁ。それでお前への頼みなんだが,お前のマシーンでオレのもといた時代へ送っていってほしいんだ。フリーザもそこに行っているはず。リターンするようにセットしておいたから…。」
トランクス「…でもエネルギーが…。」
ヤムチャ「大丈夫!オレの時代は平和だからエネルギーは心配ない。ブルマも何とかしてくれるだろ…」
トランクス「はぁ…まぁしょうがないですね,フリーザを逃がしてしまったのはオレの責任ですから」
しぶしぶ納得するトランクス。胸ポケットからケースを取り出し,そこからタイムマシンのカプセルを選ぶ。ボンっと爆発音がして目の前にタイムマシーンが出現する。
トランクス「じゃあ行きますか…」
1人用の座席に大の大人が無理やり入り込む。窮屈この上ない…。
トランクス「ぅぅ苦しい…。あの…今気づいたんですけど…」
ヤムチャ「なんだ?」
トランクス「このまま未来に進んだら,ヤムチャさんの時代へ行くんじゃなくオレの時代へ行ってしまうのでは?」
ヤムチャ「えーと…いやまぁそれはご都合主義で何とかなるさ。」
トランクス「ホントかなぁ…」
ヤムチャ「え…気にすんなって!」
トランクス「……で年代はエイジ789ですよね。オレのいた未来よりもさらに先の世界ですね…。どんな世界なのか楽しみですよ…」
ヤムチャはトランクスに時間と位置を教え,マシーンは出発した。25年後の世界へと。
ヴンッッッ――。
亜空間を抜け,タイムマシーンが現世に現れた。
ヤムチャ「あ…ありゃ…砂漠?」
マシーンが出現した場所はヤムチャのアジトのある砂漠。
ヤムチャ「いっけね。場所間違えたか?カプセルコーポレーションに行きたかったのに」
トランクス「いえ。このマシーンの性能でしょう。指定した時代もずれている可能性があります」
ヤムチャ「え!?マジ!?……げっ。ホントだ。みんなの気が天界に集まっている…」
気をさぐるヤムチャ。トランクスも動転している。
トランクス「…父さんの気も感じる。やっぱりヤムチャさんの言ったことはホントウだったんですね!」
ヤムチャ「ぁ…ああ!だろ!?なーんて言っている場合じゃないな。実は一日前に着いてボールを先取りするつもりだったんだが…。
いや…オレはバカだ。一年前に行ってれば……。いや…それだとパラドックスが生じて…パラレルワールドになっちゃうから…それは1日前に着いても同じか…?
あー!もうワケわからん!ま,いいや!もうしょうがねぇ!
えーとトランクス。お前はタイムマシーンをカプセルに戻して,ここから南へ5kmほど行ったところにあるオレのアジトで待機していてくれ。えーと,千錘百煉と書かれた岩山だ。ヘタに出歩くなよ。
あ…あとプーアルの看病も頼む。あ…みんな出発しそうだ。まずい。じゃあ頼んだぜ。あとで来るから。じゃ!」
トランクス「あ…あの…」
一方的にトランクスをまくしたて飛び去ってゆくヤムチャ。トランクスはただ呆然と見送るしかなかった……。
とりあえず続く
本スレに書いて欲しかった
随分溜めていたんですねぇ…本スレに書いても問題ないと思うけど。
まだ結構あります。
…が、現在、連載作品が多いし、どれも評判がよいものばかりなので
混じるのはやめて細々とスレの残りを消化していこうと思いますw
次のスレもちょっと残していただければ、書いていきますので宜しくお願いします。
ほかの人もここに書きたいようなので、今日は遠慮しておきます。
スレ埋め担当ということで。
ここに、向こうに載せようとして、ためらった作品のっけてもいい?
いわゆる没ネタというやつ。
前回のお話、前スレ、
>>704 <26話>
神の宮殿へと戻ったクリリン達。残り少ない仙豆を全員に食べさせ、ひとまずは落ち着く。
得体のしれない力を突然発揮したヤムチャだったが、そんなことはいざ知らず、普段の口調で
話をする。どうやら自分の身体が急に変化したことに気づいていないようだ。確かに外見上、
そして体をまとう気にも変化はない。レッドリボンに突撃して時のままだ。クリリンはあえて
何も言わなかった。言ってもおそらくわかってもらえないだろう。それよりも奪われたDBを
取り戻さなければ。ラディッツとナッパ。2人は天津飯の超能力によって体の自由を奪ってある。
「おい、お前達の宇宙船、どこにあるんだ?」
クリリンは2人に尋ねる。が、反応はない。さすがに一流の戦士。仲間の情報を漏らすようなことは
出来ないのだろう。よく教育されている。
「別にさ、奴らの気を探ればいいだけじゃん。あいつら、気をゼロにはコントロールできない
ようだし。今もずっと遠くの方にでかい気が感じられるぜ」
ヤムチャがそう言う。確かに感じる。だがクリリンや天津飯には、かすかにしか感じられない。
ヤムチャの言うように、でかい気は感じられない。ヤムチャの感覚が急に優れるようになったのか。
とにもかくにも、DBを奪還しなくては。ヤムチャ達は作戦を考える。相手は2人。ベジータの
方はヤムチャがなんとかすると自分で名乗りだした。一度戦った相手だし、20倍の重力を克服
して、俺も少しは強くなったからな、とヤムチャ。本当はさっきまで二度目の戦闘をしていた
のだが・・・やはり、あのときのことは覚えていないようだ。もう一人のサイヤ人。バーダックに
対しては対抗策がない。あの強さ、圧倒的。先ほどはヤムチャの力によって難を逃れたものの
まともに戦っていたら確実に全員殺されていただろう。自分達の力では・・・
かくなるうえは、とクリリンが皆にある作戦の提案をする。それはラディッツとナッパの身柄が
こちらの手の内にあるからこそできる作戦。が、その作戦の内容を聞いた皆は素直に首を
縦に振らない。いや、振りたくないと思った。すべては悟空を生き返らせ、地球を救うため。
クリリンは不本意ながらも最も確実と思われる作戦を提案し、皆もしぶしぶ同意する。
お父さん、お母さん、俺は何故生まれてきたのですか?
彼は、親の顔を見たことも無かった。
彼が産声をあげたのは、駅構内のロッカーの中。
おぎゃあ、おぎゃあ、と寂しく泣いていた。
親切な老夫婦が拾ってくれなかったとしたら、彼は、今生きていないだろう。
彼は目を覚ます。
何を、昔の、もう忘れたことを夢見ているのだ―――
彼は、目覚めのブラックを飲み干し、外に出る。
外はちょうど、太陽の一番高い時刻である。
止めろ、俺を照らすな!! 止めろ、止めろ…
彼はまた、自分の生きている意味を感じ取れなくなっていた。
『人間に、無駄に生まれてきた奴はいない』誰かは、そう言った。
ひどい、あまりにも、この言葉は、彼には、ひどい……
敵に倒される為だけに生まれてきたというのか!? それを、『無駄ではない』というのか!?
彼には、図りかねていた。自分は、本当に強いのか、弱いのか――
彼の名はヤムチャ。敗北の人生を歩む男――
お父さん、お母さん、僕は、どうして生まれてきたのですか?
ドラゴンボール世界に列車は無いのだ。
だから、駅のコインロッカーなんて存在しないのだ。
そんなことを言われてもw
まあ、気にせず読んでくれな。
カメハウスへと必死に飛んでいるヤムチャ。
早くも広い海原へと出た。カメハウスはもうすぐそこだ。
ヤムチャ(とりあえず,ドラゴンレーダーを頂くとするか。武天老師さまは集めないだろうし……)
ザッ!
カメハウスの前に降り立ったヤムチャ。あまりにも急いで来たので肩が上下している。だがゆっくりはしていられない。もう既に皆,天界を出発していた。
ヤムチャ「ごめんください。武天老師さま…おじゃまします」
ドアをノックして扉を開ける。
亀仙人「げっ!ヤムチャ」
ウーロン「やばっ…見つかった!」
ヤムチャ「え……?何やってんですか…武天老師さま…それにウーロン…」
亀仙人はウミガメに無理やりクチを開かせ,ウーロンがウミガメのクチの中に何かを入れようとしていた。
ウミガメは苦しそうで涙を流していた。
ウーロン「……いや。オレら。ウミガメにドラゴンボール飲ませてレーダーに関知させなようにしようなんてしてないぞ!」
亀仙人「こらっ!ウーロン!」
お約束のように,ウーロンはネタをばらしてしまった。よくみればウーロンが持っているのはドラゴンボールだった。
ヤムチャ「そ…それ!ドラゴンボール!…一個はここにあったのか!待てよ。クリリンたちが向かっていたのはここだったのか!どうやら先回りできたようだ。
……それにしても……そうだったなぁ。ドラゴンボールは動物が食べたりして生体に入ってしまうとレーダーで関知できなくなるって昔,聞いたことがあるな」
ウミガメ「もうヤメましょうよ。そんなの飲み込めませんよ…。あー。苦しかったぁ。泣いたのなんて卵を生んだとき以来ですよ…」
ウーロン「メスだったのか!?」
ヤムチャ「それはそうと…ボールをもらうぜ!あとレーダーもいただきますよ。武天老師さま」
ずかずかと家にあがりこんで,タンスをあさりはじめるヤムチャ。だが…。
亀仙人「これ!ヤムチャ!わしはお前にレーダーをあげるなどとこれっぽちも言っておらんぞ!」
ウーロン「オレもやらんもんね!これはクリリンたちのボールなんだけどさ!早い者勝ちだい!」
意地を張る二人。ヤムチャはタンスをあさる手を止め,二人の前に座り込んだ。
ヤムチャ「お願いします!プーアルが死にそうなんです!オレはドラゴンボールが必要なんです!」
亀仙人「なんと。プーアルが!?」
ウーロン「マジかよ!」
驚きの声をあげる二人だが,ヤムチャはずる賢いことは二人もよくわかっている。嘘かもしれないと慎重になる。レーダーとボールをヤムチャに渡すのをしぶりだした。
ウーロン「ホントかどうか怪しいぜ。2週間前のパーティでは元気だったのにさぁ…証拠は…」
ヤムチャ「わかった!!武天老師さま!ウーロン!オレがドラゴンボールを全部集められたら…オレの知り合いの女の子を集めて合コンに招待する!!」
亀仙人「なんと!! 合コンに!!??」
ウーロン「マジかよ!!」
プーアルが病気と知ったときよりも大きな声を張り上げて驚くスケベ二人。
二人は前々からヤムチャに合コンを頼んでいたのだが,ジジイにブタ,しかもどちらも極上のスケベであるから,ずっとヤムチャに断られていたのだった。
亀仙人「ならば……わしらがドラゴンボールを集める必要もないな。イヒヒヒ」
ウーロン「うん。よし!ヤムチャ。渡すから頑張れよ。応援するぜ。イヒヒヒ」
ヤムチャ(おたくらの願い……そんなもんだったのかよ………)
よだれを垂らしている二人を見て脱力しながらもヤムチャはドラゴンボールとドラゴンレーダーを手にした。
ヤムチャ「さて……。どうするかな…。残り6つのボールは誰かから奪わなければならなくなるだろう…。このボール…。絶対に守り抜いてやる!」
ヤムチャは大切そうにボールをカバンの中に入れた。クリリンの気が近づいてくる。おそらく18号も一緒だろう。とても適わない。
ヤムチャはカメハウスから飛びでるとすぐさまそこから離れることにした。
一方カメハウスでは―――。
亀仙人「ほぉ〜。お前メスだったとはなぁ〜…」
ウーロン「知らなかったぜ〜」
ウミガメ「はっっっ!!狙われている!!」
数分後――。
クリリン「ただいま〜」
意気揚々とクリリンがカメハウスに入ってきた。18号におぶさってきたので疲れはまったくない。
クリリン「いひひひ。一個はもともとここにあったんだ。」
他の皆を出し抜いたことで気分がいいらしい。ボールを隠して置いた2階の寝室へとあがっていった。だがすぐにクリリンの悲鳴が聞こえてきた。置いておいたはずのボールがない。
既にボールはヤムチャが持っていたことをウーロンに聞かされる。もっともボールを持ち出してきたのはウーロンなのであるが……。
怒りの形相の18号。
18号「許さない……!ヤムなんとかのやつ!! クリリン!追いかけるよ!」
クリリン「お…おい!こ…殺すなよ」
飛びあがろうとする18号の背にガバッと抱きつきながら注意するクリリン。何とも情けない姿である。
爆風を起こしながら夫婦はヤムチャを目指して飛び立っていった。
亀仙人「さ〜て。もういっちょやるかの」
そのころ――。
ヤムチャ「さ〜て。飛び出してきたはいいが…これをどうやって守ったらいいだろう。」
海上を飛びながらヤムチャは悩んでいた。
悟飯やベジータなどは遥か遠い所にいるので今のところ安心であるが,いつ目につけられ襲ってくるかわからない。
瞬間移動できる悟空は地球の裏側でブウと戦っているようで,彼らにもまだ奪われる心配はなさそうである。
ヤムチャ「とりあえず作戦を考えるか…! ん?何だ?…げっ!」
遥か水平線の彼方から恐ろしいスピードで何かがやってきた。みるみる大きくなってくるそれはまぎれもなく18号…と彼女に背負われたクリリンだった。
18号は小物に出し抜かれた怒りからかあの日なのか異常に恐ろしい表情だ。
ヤムチャはそれを察し逃げもせず彼らが追いつくのを待っていた。逃げても同じだろうし…。
二人がヤムチャの前に立ちふさがった。
ヤムチャ「くそっ…クリリンは気を消して18号に背負われているとは接近に気がつかなかったぜ…。や…やるじゃないか……」
いちいち言わなくてもいいのだが,何とか時間をかせいでいい案がないか思考をめぐらしている。
クリリン「ヤムチャさん。悪いけどボールをもらいますよ。戦っても無駄ってのはわかるはずだ」
ヤムチャ(くっ。くそっ!クリリンだけならたぶん何とかなっただろうに…!あいつもオレみたく修行してないだろうから…)
18号「おい!クリリン。さっさと奪っちゃおうよ。」
クリリン「そ…そうだな。ヤムチャさん。恨みはないけど覚悟して下さい!恨み……たぶんないよな」
さっと構えをとるクリリン。白髪の目立つおっさんだが,年齢は自分より若い。さらに――身体からあふれる気は自分よりも……上……。
――やばい!界王拳つかってもまずいかも…。いやもともと18号がいるんだからまずいんだけど――混乱してわけのわからないことがヤムチャの頭をかけめぐる。
ヤムチャ「ま…待てよ!お前らの狙いはなんなんだ」
クリリン「え…ドラゴンボールですけど……」
ヤムチャ「そりゃまぁそうだな…!頼む!見逃してくれ!プーアルがしんじまうんだよ!重い病気なんだ!」
クリリン「プーアルが!? またどうせ嘘でしょ。それにオレらも切実な問題が――」
ヤムチャ「な…なんだ?切実な問題って…?」
18号「もうやっちゃいなよ!」
ヤムチャ「え…?何なんだよ!」
クリリン「ヤムチャさんには関係ないでしょ!」
ヤムチャ「か……関係なくはないぞ…!オレらは仲間だろ!いつも苦難をのりこえてきた――。
それに,お前らはプーアルの命を犠牲にしてまでも自分たちの願いを叶えようとしているんだ!
何の願いかぐらいオレも知る権利はあるだろう?」
ひたすら時間を稼ごうと意味不明な理論を口走っているヤムチャ。
18号「うるさいなぁ。もうあたしがやっちゃうよ!」
ヤムチャ「げっ!ま…待ってくれよ!何の願いかだけでも…オレに助けになれることがあれば…」
クリリン「何度も言いますがヤムチャさんには関係ないでしょ!オレら夫婦の問題…」
ヤムチャはクリリンの言葉を聞き逃さなかった。『夫婦の問題』。そう確かにクリリンはそう言った。
ヤムチャの頭脳が恐るべき速度で回転する!
夫婦の問題――…つまり彼らの悩みはオレの専門である性の問題に直結しているはず!
ヤムチャはあえて冷静ぶって言い放つ。
ヤムチャ「夫婦の問題とな!?ふっふっふ。」
18号「何がおかしい!!」
ヤムチャ「なるほど…お前たちが叶えようとしているのは性の問題ということか…」
ボッ…っと赤くなるクリリンと18号。当たったとほくそ笑むヤムチャ。だが,クリリンはわなわなと震えて大声を張り上げた。
クリリン「あんたにはわかんないだろうよォォ!!オレの悩みなんかをぉ!
もういい!気円斬であんたのあそこもぶっちぎってやるぅ!!!」
ヴヴヴ―――ンッ。クリリンの手に円盤状の気の塊を生み出す。
ヤムチャ「ま…まずい!!」
気円斬が発射された。恐るべきスピードで正確にある部分へと向かってきた。
ヤムチャのズボンの股間部分をちぎっただけで何とか交わすことに成功した。気円斬はどこかに飛んでいった。クリリンの技術では操作はできないのが幸いした。
ヤムチャ「ふぃ〜。おまえ…と…とんでもないことするなぁ。当たっていたら……想像もしたくねぇぜ……」
クリリンも18号もヤムチャのさらけ出された股間をじぃっとみている。
クリリン「ま……参りました!!」
ヤムチャ「はぁッ!? …いや…だから何なんだ?悩みは?シモのことならオレに任せろ」
クリリンはどもりながらもインポであることを明かした。
ヤムチャ「インポ!? …そんなことを神龍に頼む気だったのか!?」
クリリン「そんなことって…」
18号「それで…治せるのか!?」
ヤムチャ「あったりまえだろ〜〜。オレなんか………」
自分の武勇伝を語り出すヤムチャ。クリリンも18号も顔を赤くしながら興味津々に聞き入っている。
ヤムチャ「……で,治療法なんかオレがばっちりしっているぜ。よく効く漢方もよく知っているしな!オレが神龍より優しくわかりやすく教えてやるぜ!」
クリリン「わ……わかりました…。ヤムチャさんにすべて任せます。お願いします」
18号「嘘だったら殺すからな!」
ヤムチャ「は……はい。……でもオレがちゃんと願いを叶えてからだぜ」
クリリン「わかりました。」
去っていくクリリン夫妻を見送りながらヤムチャは胸をなで下ろした。
そしてリュックの中のカバンを見て無事に1個のドラゴンボールを守り抜けたことを確信した。
ヤムチャ「どうなることかと思ったが……ひやっとしたぜ。芸は身を助けるとはまさにこのことだな。よーし!この調子で…残り6個もいただくぜ」
しかしヤムチャは浮かれていて2つの影が自分に迫っていることにまったく気づいていなかった。
?「どうやったのかしらんがボールを手に入れたようだな…まぁいいまたレーダー同様奪ってやるか。行くぞ!餃子!」
?「うん!天さん!」
はてさて…ヤムチャを狙う怪しい影の正体は一体……?
さて……時間はヤムチャが過去に旅だった直後に遡る。
カプセルコーポレーションに一体の悪魔が出現した。
そう。時を超えてやってきた宇宙の帝王フリーザである!
フリーザを乗せた卵型のタイムマシーンはカプセルコーポレーションの広い庭に現れた。
タイムマシーンが発するほのかな輝きにあたり一面が照らされる。光が消えると同時にマシーンのハッチが開かれた。
フリーザ「……!? ど…どういうことだ? ここはどこだ…?」
中から混乱した表情のフリーザが顔を出した。おそるおそるマシーンを降り辺りを見回す。
庭のむこうには高層ビルがたちならび,その間をエアカーが目まぐるしく駆けめぐっている。すぐ近くにはドーム状の巨大な建物が聳えている。
遠くの景色とこのドーム状の建物を交互に観察しながら庭をしばし歩き回るフリーザ。そのとき,建物の陰から「ふんふふ〜ん♪」と鼻歌が聞こえてきた。
警戒するフリーザ。声の主がフリーザの前にぬっと現れた。
フリーザと同じくらいの背丈の若い娘。ベジータの愛娘ブラである。
ブラ「キャ―――ッ!!」
ブラはフリーザを見るなり金切り声をあげた。フリーザのまがまがしい雰囲気のロボットの姿に腰を抜かしたらしく,ブラは地面にペタと座り込んだ。
一方フリーザは全く動じずブラに近づいた。ガタガタ震えているブラ。
フリーザ「小娘。ここは……どこだい?」
ブラ「こ…ここ…?この街は西の都だ…け…ど……」
震える声で答えるブラにフリーザは声を荒らげた。
フリーザ「ここの星はどこだと聞いているんだ!」
ブラ「ひっ!? ……ち…地球よ!」
フリーザ「……地球? …あのマシーンはワープ装置のようなモノか…? 何のためにあそこに……。まぁいい。あのおかげで助かったんだからな…」
ぶつぶつ言いながらフリーザは再び怯えているブラを睨む。
ブラは声を振り絞って目の前の凶悪なツラをしたロボットに尋ねる。
ブラ「あ……あんた誰…?」
フリーザ「……ふん。宇宙の帝王にむかって失礼だね。まぁいい。キミにもいろいろ聞きたいことがあるし,まだ生かしておいてあげるよ。
ボクの名はフリーザ…。これからこの星の王になる者の名前だよ。」
落ち着いた口調でしゃべるフリーザ。
ブラ「フ……フリーザ…あなたが…」
フリーザ「おや…これは光栄だな。さっきの男も知っていたし…ボクの名はこの星のすみずみまで知れ渡っているようだ。くっくっく」
ブラ「あなた……死んだんじゃ…」
フリーザ「……。ああ…。死ぬところだった…。あのにっくき猿ヤロウのせいで…。」
押し殺したようにつぶやくフリーザ。
ブラがフリーザの名をよく知っていた。母がナメック星での探検を武勇伝のように何度となくブラに語ってきたからである。フリーザの強さも…恐ろしさも…。
フリーザ「……さて。ここが地球というのならば…さっそくキミにやってもらうことがある……。ボクが誰だかわかるよね?さからえばどうなるか…わかるだろ?」
静かな口調の中に明らかに邪悪な意志がこめられていた。
ブラ「え…ええ…。反抗はしないわ…」
フリーザ「ふふ。いい子だ。確か地球にもドラゴンボールがあるはずだ。知っているかい?」
ブラ「ええ。し…知ってるわ。」
ドラゴンボールはもうすぐ,争奪戦が開始されるはずだ。最後まで私物かしようとするわがままな者たちのうちで。
もっともブラもそれに参加するつもりでいた。ある作戦をひっさげて。しかしフリーザに会ってしまった。
フリーザ「…ふうん。一般人も知っているほど有名なものなのか。
…で,ここも,ドラゴンボールは各地の長老が持っているのかい?」
ブラ「長老……?い…いえ…ドラゴンボールは世界中に散らばっているのよ……」
フリーザ「世界中に!? ではどうやって集めるんだ!」
思わず怒鳴り声をあげるフリーザ。びくっとするブラだが,ある考えが浮かぶ。
ブラ「……で…ですから…ドラゴンボールが必要になったときに…こ……このレーダーで探すんです。あ…」
そういってブラはリュックからレーダーを取り出しフリーザに差し出した。直径15cmくらいの小さな円形の機械。興味深げにそれを受け取りながめるフリーザ。
フリーザ「……なんと。そういうものがあったのか…。いったい誰が作ったんだい?」
ブラ「あ…あたしです…」
フリーザ「…キミが…。ふっふっふ。なるほど。キミはなかなか優秀そうだ。我が軍に入れてやってもいい。入るかい?
もっとも地球人はおおかた絶滅させるつもりだったから我が軍に入らねば死んでしまうことになるけどね。」
ブラ「えっ!?……絶滅!?」
フリーザ「安心していい。キミは合格だ。……とりあえずキミのような優秀な者まで殺すのは惜しいな。だが,選別しているヒマはない。今すぐドラゴンボールが必要だ」
フリーザが急に険しい顔になった。
フリーザ「今すぐドラゴンボールを集めるんだ。」
ブラ「…え…なぜ…」
フリーザ「とにかく今すぐだ!」
彼の願いは……先ほど自分を酷い目にあわせた青年を殺すこと,もしくは超サイヤ人をこの世から抹殺することだった。
機械化により復活して自信を取り戻したフリーザだったが,突然あらわれた青年にまたもやプライドをズタズタにされてしまった。
相手を殺すことをドラゴンボールに頼るのは,フリーザも我慢ならなかったが,そうは言っていられない。今のフリーザにプライドなどはもはや必要なかった。
ブラ「で…でも……あたし…空飛べないし…お…お言葉ですが…フリーザ様が…ご自分でお探しになった…ほうが早いと思いますよ…いそいでいるのなら尚更…。」
多少は落ち着いたとはいえ,まだ声が震えるブラ。精一杯力をふりしぼってフリーザに提案した。
フリーザも面倒だとは思ったが,それが一番だと思い,コックリうなずいた。
スピードには自信がある。足の裏のジェットも試してみたい。
フリーザ「さっきは使う暇もなかったな……。まだいろいろ機能があるんだ。忘れてたよ。そういえばこの胸の丸っこいところからはミルクが出るんだよ。飲むかい?」
ブラ「いえ…いいです……」
フリーザ「では時間がない。そのレーダーをもらって探すことにしよう」
ブラ「は…はい。どうぞ」
フリーザ「キミには……そうだな。優秀な人間を集めておいてもらおう…」
ブラ「はい……。ではお気をつけて……。」
フリーザ「よし…せっかくだから使ってみるか」
そう言うと,自分の腰あたりにある小さなボタンを押した。するとフリーザの足から猛烈な勢いで火が吹き出した。
バランスを崩し,庭の中をぐるぐる飛び回るフリーザ。庭に放置してあったタイムマシーンに激突してようやく止まった。
フリーザ「ちっ。使えない!あのバカ科学者どもめ!……このマシーンも壊れてしまったじゃないか!まぁただワープするだけの装置だからどうでもいいけどね 」
ことの重大さに気づかぬままフリーザは空へと舞い上がり,彼方へと飛んでいった。
あとに残ったブラ。
へなへなとそこへ座り込んだ。全身からは堰を切ったように冷や汗がどっと出てくる。
ブラ「こわかったよ〜〜……」
いつ殺されてもいいような状況で,ハッタリをかますことができたのはさすがベジータとブルマの娘であろう。
そこへいつも脳天気なブリーフ夫妻がつれそってやってきた。
ブリーフ「いい天気だからひなたぼっこでもしようと思ったんだが,今の音は何だい?ブラ?」
ブラ「え…え?な…なんでもないわよ。おじいちゃん」
ブルマの母「あらブラちゃん。ドラゴンボール探しに行くんじゃなかったの?」
ブリーフ「ドラゴンボールが集まったらステキなギャルを連れてきておくれ」
ブルマの母「じゃあ。あたしにはステキな男性をお願いね…」
ブラ「あ…あははは……」
先ほどの緊迫とは正反対のアホな…穏やかな空気がブラを和ませる。
こうしてはいられない。もう争奪戦は始まっているのだ。
ブラはブルマの部屋にあるドラゴンレーダーを取りに駆け出した。
ドラゴンボールをクリリン・18号から守ることができたヤムチャ。
意気揚々と次のボールを探しに行く。
一番近いボールでもかなりの距離がある。他の誰かに見つけられてしまうだろう。
ヤムチャ(これからはどうやって奪うかだな……)
海上を飛びながらそう考えていると…
ドカッ!!
何者かに背中を叩きつけられた!
巨大なしぶきをあげて海に激突するヤムチャ。
ヤムチャ「ぶへっ!だ…だれだ!?」
ヤムチャはずぶぬれになりながらも海からとびだしてきた。
その彼の目の前にかつての戦友…天津飯と餃子が現れた。
天津飯「よぉ。相変わらず間抜けなツラだな。ヤムチャ」
ヤムチャ「お……お前は天津飯!いやぁ久しぶりだな…ってさっき会ったな!よくもさっきはやってくれたな…」
天津飯「さて……今度はそのボールをいただきに来た。ってか、お前、何さらけだしているんだ…。恥を知れ!!」
ヤムチャのズボンの股間部分はさきほどクリリンの気円斬に綺麗にやぶかれていたので、ヤムチャの一物が曝け出されていた。…がヤムチャは気づいていない。構わず話を続けるヤムチャ。
ヤムチャ「何のことだ…?冗談じゃないぜ。死闘の果てに守り抜いたボールだぜ。お前なんかにゃやらん」
天津飯「無理をするな。オレとお前では10倍以上の気の開きがある。餃子でも十分倒せるレベル内だ
(…なぜアレが出ていることを気にせん?まさか…あれが今、都で流行のスタイルなのかもしれんな…。まぁあとでオレも試そっと)」
ヤムチャ「あっそ…。じゃあその強さとやらを見せてもらおうかな」
そう言ってヤムチャは全速力で逃げ出した。
だが,あっと言う間に追いつかれてしまう。
餃子「この卑怯者!ちゃんと戦え!」
ヤムチャ「はぁっはぁっ……やるしかないようだな……」
天津飯「諦めろ。さっきもいったがオレとお前の力は10倍以上の差がある」
ヤムチャ「ふふふ。どうかな。先ほどの戦い…界王拳5倍までしか使っていなかった…。」
天津飯「……!!」
ヤムチャ「だが…オレは無理をすれば…6倍まで使用できる…!この意味がわかるか?」
天津飯「わからんな」
ヤムチャ「わからんか…。まぁ聞け。
…狼牙風風拳はスピードを利用した技だということは知っているな?この技を使うことによりスピードが2倍…。つまり6×2で12倍…お前と並ぶ!」
天津飯「え…!?えっと……。な…なんだと……」
ヤムチャ「さらに……かめはめ波で気を凝縮し2倍!……2×12で24倍!これでお前を上回る!」
天津飯「バ…バカな……」
ヤムチャ「その気になればお前以上の実力を持つオレがあえて全力をださなかったのは……かつての友と拳を交えることだけは避けたかった為だ。……オレの優しさがわからんのか!!」
ドーン!!
……と天津飯の心にヤムチャの言葉が突き刺さる。あともう一押しだ…とほくそ笑むヤムチャだったが……。
餃子「嘘だよ!天さん!」
天津飯「え!?」
餃子「そんな計算うそっぱちだよ!」
ヤムチャ「げっ!こ…こいつ算数得意になってやがる!」
餃子「ボク…クリリンに負けてから必死で算数を勉強したんだ!」
冷や汗をかいていた天津飯は一転して,怒りの形相に。
天津飯「オ…オレを出し抜くとはいい度胸だぜ…!」
ヤムチャ「くそぉ!やるしかないか!とっておきの…新・狼牙風風拳セカンドエディション!」
天津飯「おもしろい!」
15秒後……。
天津飯「さて…残り6個…」
天津飯と餃子は手に入れたドラゴンボールをリュックにしまうと,次のボールを探しにへと飛び立った。
顔をボコボコに腫らして海に浮いているヤムチャを後目に。
ヤムチャ「えぐっ…えぐっ…。ちくしょぉぉ〜〜」
ヤムチャ,またリタイヤの危機。
(続く)
まだ30レスくらいありますね。埋めるのは大変だ…。
そろそろログに保存したのだけれど・・・。
面白いよ
フリーザのミルクワラタ
>>950 続き書きますか?
なければそろそろhtmlにしちゃうかも。
>>972 お願いします。続きの構想も今のところないし。
いつか続編を書くかもしれませんが、それは当分先の話でしょうし。
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