「バキ」等の漫画SSスレPart 5

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509「ザクTVSヤムチャ」
サイヤ人来襲へ備え、ヤムチャは修行を完成させていた。
天下一武道会では結果を残せなかったヤムチャであったが、ここ五年の厳しい修行の末、ついに
新必殺技を編み出すに至ったのである。
「真・狼牙風風拳。こいつさえあれば誰にも負ける気がしねぇぜ!」
空を仰ぎ叫んだ瞬間、空から緑色の肌の何者かが急降下してくるのをヤムチャの目が捕らえた。
「ピッコロか?……いや、違う。でかいぞ!」
地響きと共に、ザクが地に降り立った。

「ジオン軍のザクか!何の目的でここに来たのか知らんがちょうどいい」
ヤムチャが指関節を鳴らす。
「新開発の真!狼牙風風拳のえじ……え?」
ザクはいきなりヒートホークを大上段に振り上げ、構えた。
「ちょっと待ったぁ!いきなり武器出すことないだろうが!ぉ落ち着いて話し合えば……」
灼熱の斧が、ヤムチャに向けて垂直に振り下ろされた。
「死ぬぅ〜!!」
大地が揺れた。ヤムチャの体が一瞬浮かび上がり、叩きつけられる。
が、その五体は無事であった。
ヒートホークはヤムチャを避け、そのすぐ横に地割れを創っただけである。
ザクは足で斧の柄を踏み、ずぶずぶと地面へ沈めていった。単眼が挑発的に光る。
「俺如きに武器はいらないってか、調子に乗りやがって!あっという間に白目ひんむかせてやるぜ!」
ヤムチャは腰に結びつけた仙豆の袋を前面にスライドし失禁の跡を隠すと、新技の構えをとった。
「いくぜ!真・狼牙風風拳!!」
ザクの人差し指がヤムチャの足元をすくった。
510「ザクTVSヤムチャ」:03/07/25 05:30 ID:???
叫んだ瞬間既に宙に浮き、転んでいたヤムチャは何が起きたのか理解していない様子であった。
が、後頭部を地に叩きつけられしばらく転げまわった後、恥辱に顔を赤くしながら立ち上がり、強がる。
「やるじゃないか。このヤムチャ様の足元を奪ったのはお前が初めてだぜ」
過去の敗北は一切忘れていた。さらにヤムチャはしゃべり続ける。闘いの最中に。
「だが!頭を冷やした今の俺を相手に勝機は無いものと思え!今度こそ喰らえ!真!」
隙だらけのヤムチャの足をザクはデコピンではじいた。
再度転倒したヤムチャは頭を打ち、今度は気を失ってしまう。
口元から溜め息の様に排気ガスを漏らし、ザクは空へと還っていった。

ヤムチャが目を覚ました時には当然ザクの姿は無く、結果、ヤムチャは先程の闘いはサイヤ人との決戦への不安から見た夢なのだろうと片付けた。
ヤムチャはこの敗北さえ脳内から消し去るつもりらしい。
卑屈ではあるが、この性格故にヤムチャは自身の足を折った天津飯と仲間になることが出来たのだし、
この後の戦いでヤムチャの命を間接的に奪う事になるサイヤ人、べジータとも同居でき、さらに女を寝取られなお許容することが出来るのだから得な性格であると言えなくも無い。
かく言ううちにヤムチャは気持ちを切り替え、青天に誓うと言わんばかりに叫んだ。
「一週間後、生き残るのはこのヤムチャ様だ!悟空が来る前に一人でカタをつけてやるぜ!」

存知の通り、サイヤ人戦においてヤムチャはサイヤ人の手先に過ぎないサイバイマンの自爆の道連れ
となり、孫悟空が来る前にその命を落とした。が、ザクでさえ興味を引かないこの闘いはとりあえずここ
では省略させていただくことにしよう。