トラック6「海の向こう」
公民館でばどがぁを待つHAKKA、SHINTA、なづの3人。
キバシさんは公民館でできる限界のセッテイングをしてくれた。
しかしばどがぁはなかなか来ない。やっぱりフライヤーはイタズラだったのだろうか。
しかしHAKKAはそれでも良かった。
この夏はなづと分かり合うことができて充実していた。
「ちょっと様子を見てくるよ」
キバシさんはそう言って公民館の外にでていった。
HAKKAはもうDJバトルは諦めていた。
「来た!DJばどがぁ!そっくり!そっくり!」
キバシさんの動揺はただごとでは無かった。
ばどがぁはタヌキの格好でやってきたのだ。
「わーいコスプレコスプレ!」
興奮するなづ。
確かにばどがぁは本物だった。デモテープで聞いた音そのままをプレイしている。
HAKKAもSHINTAも圧倒されていた。
次はHAKKAの番だ。なかなかいいスピードでの滑り出し。
ところが・・・やはり針飛びしてしまった。
ばどがぁからはブーイング。
その時なづが叫んだ
「がんばらんかい!同じ穴のムジナやろ!」
(そうだった・・・)
HAKKAは今も残っているなづと手を握った時の弱い力を思い出した。
その後のプレイは好調。速いのに安定している最高のプレイができた。
それからはもうお祭り騒ぎ。勝敗なんてものはわからなくなっていた。
ばどがぁの正体がわからないまま、結局彼らは帰っていった。
翌日フライヤーをなづに見せるHAKKA達。
「これ(BADGER)は「ばどがぁ」じゃなくて「ばじゃー」 ムジナっちゅう意味や」
結局HAKKA達もなづの「アディドス」同様に同じ穴のムジナだったのだ。
「結局アイツらは海の向こうかぁ。」
HAKKAの言葉にSHINTAが素朴の疑問を問いかける。
「海の向こうって・・・・・・どこや?」
「なづ知っちょる?」
「アホか!あの海の向こうは・・・・・・・・・・・・・・・・・アレ?」
【全員ムジナになってしまった】
結局彼らが何者だったのか大人になった今でも
まるでキズのあるレコードのようにそこだけ繰り返されてわからない。
ムジナ達の音楽「ムジナトラックス」
fin