JCBが基幹系の再構築を決めたのは、ビジネスの拡大にシステムが対応しきれなくなってきたため。
富士通製メインフレーム(GS8900)で動く現行基幹系は1989年の稼働後、改修・拡張を繰り返した結果、
処理能力の面でも、保守性の面でもカベにぶつかりつつある。「いま再構築しなければシステムが
足かせとなり、会社の発展が止まってしまうとの危機感があった」。再構築プロジェクトを率いる
JCBの北之防敏弘執行役員システム部長は決断の背景をこう説明する。
JCBの基幹系システムの処理量(与信のトランザクション件数)は年20〜25%のペースで伸びて
いる。現行基幹系が稼働した1989年には1400万人だった会員数は5200万人と3.7倍に、145万店
だった加盟店数は1100万店と7.6倍になったからだ。今後もクレジットカードによる公共料金の
支払いやネット・ショッピングの代金決済などで、トランザクション件数の増加が見込まれる。
「4〜5年先にはシステムの負荷が限界に達することが見えており、大きな懸念材料となって
いた」(北之防執行役員)。