334 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:
捜査の実態が書かれた「Xファイル」
上告趣意書には、資料1、資料2というものをつけているのですが、
これについても説明します。まず、(スクリーンに映しながら)資料1
というのは、私たちは「Xファイル」と呼んでるんですが、その表紙に
は、このように「和歌山市園部におけるカレー毒物混入事件捜査概要
和歌山県警捜査本部」と書いてあるんです。これは、和歌山県警の捜査
本部が部外秘として出した冊子です。これは、全部で200ページあるん
ですが、これを見ると、警察がこの事件において、どんな捜査、どんな
公判対策をやっていたかがわかるんですね。
たとえば、「匿名捜査」という項目があるんですが、ここには、
「I・K」という人が出てきます。これは、先ほどの健治さんと田中さ
んの話で名前が出てきたIさんですね。この項目をちょっと読んでみま
すと、「I・Kの事情聴取は連日に渡って行ったが、数日後にI・Kの
存在が報道関係者の知られるところになり、このため数日後にI・Kの
家に報道関係者が押し掛けるという異常事態となった。そこで、本人お
よび家族の強い保護要望により、I・Kを安全なところに保護した。事
情聴取は4ヶ月の長期に及んだが、この捜査は得るところが大であった」
と書いてある。さらに、先ほどの健治さんと田中さんの対談で名前が出
ましたもう一人のDさんに対しても、「(捜査員が)3ヶ月間同居して
調べを重ねた」と書かれているんですね。
また、この「Xファイル」には、眞須美さんのお兄さんが林夫婦に譲
り受けていたヒ素を警察が押収した話が出てきます。ここでは、眞須美
さんのお兄さんが警察に提出した「4つの容器」、そのすべてからヒ素
が検出されたという話になっているんですが、実は裁判では、3つしか
容器は証拠として出てきていない。つまり、4つ目の容器はどこに行っ
たかわからない状態になっているんですね。
眞須美さんの家の台所から発見されたプラスチック容器ですが、これ
が4日目に見つかった家宅捜索では、述べ700人が延々と家の中を調べた
と書いているんですね。
335 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2009/06/25(木) 11:02:14 ID:DBUWyPoU0
それと、この「Xファイル」の中には、「警察・検察一体の捜査」と
いう項目がある。ここには、従来の捜査方法では対応できないと判断し、
警察・検察合同の捜査が行われた、と書いてあるんですね。これはどう
いうことかというと、一般的な捜査というのは、まず警察が捜査して、
その捜査の中身を検察がチェックするんですけど、この事件では、警察と
検察が一緒に捜査をしたために捜査の内容がノーチェックになったんです
ね。
さらに、これには、眞須美さんに対してはクロの捜査をし、他の人に
はシロの捜査をしたと書いてある。つまり、警察は「犯人は眞須美さん
しかいないんだ」という消去法で捜査をやった。そういう意図的な捜査
をやっているんですね。
また、「公判対策」という項をみますと、「個々の証人の不安を解消
すべく、交通ルートを確保した」とあるんですね。そして、「利益誘導
にならないよう、最大限の配慮をしながら、証人の出廷を円滑にするた
め、検察庁とのパイプ役としてスケジュールの調整をはかり……」と書
いているんですが、つまり、この事件では警察は、裁判そのものにも関
与してるんです。
さらに、「法廷での証言については、くまなくメモして、公判後も補
充捜査をした」と書いている。とにかく眞須美さんを有罪にするために、
警察はありとあらゆるものを総動員したわけです。
それから、「目撃証言」という項目があるんですが、ここでは、事件
現場の各住民の目撃証言の食い違いを調整したことが書いてある。こう
いうことで作り上げられた目撃証言にどれだけ信用があるのか、弁護団
はこういうことを色々検証してきたんです。
http://enzai.org/masumi_hayashi/houkoku10.html
336 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2009/06/25(木) 11:03:08 ID:DBUWyPoU0
あと、目撃供述も1つありました。それは「眞須美さんが事件当日、一人で
カレーの鍋の近くにいた」というものです。というのも、カレーの寸胴鍋に
は「東鍋」「西鍋」という2つの鍋があるんですが、そのうち1つの鍋のフ
タを眞須美さんが開けたのを近所の女性が見たと言うんです。
ただ、カレーの中に亜ヒ酸が入っていた鍋は「東鍋」のほうだけで、「西
鍋」のほうには亜ヒ酸は入ってなかった。そして、この目撃供述というのは、
亜ヒ酸が入ってなかった西鍋のほうのフタを眞須美さんが開けたのを目撃し
たというだけのものです。
つまり、たったこれだけの証拠で一審は眞須美さんを犯人だとしたんです。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/4c01dabad2d85c5841122b77f1b217f8
337 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2009/06/25(木) 11:05:50 ID:DBUWyPoU0
元和歌山市長の旅田卓宗さんが、2008年3月10日付けの「旅田卓宗の言いた
い放題」で、眞須美さんから手紙をもらったことを紹介しながら、カレー事
件について書かれています。
まず、
ただ逮捕当時から捜査関係者の間で
彼女はやっていないのかも知れないとの奇妙な噂が流れていた。
についてですが、捜査本部にも当時、「犯人は林眞須美ではないのでは?」
と考える捜査員たちも存在したものの、そういう捜査員はみんなカレー事件
の捜査から外されてしまったのだという話は、私も現地を調査中に聞いたこ
とがあります。
旅田さんは当時、和歌山の行政のトップにおられた方ですから、少なくとも、
捜査機関内部で当時そういう噂が流れていたことは間違いないように思われ
ます。
http://d.hatena.ne.jp/ken-kataoka/20080311#1205227858
338 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2009/06/25(木) 11:12:14 ID:DBUWyPoU0
次に、被告の自宅にあった亜ヒ酸と、カレーから検出された亜ヒ酸と、上述
の紙コップから検出された亜ヒ酸の成分が、一致したという状況証拠につい
て。
ちなみに被告がヒ素を所有していたのは、被告の夫がシロアリ駆除業をして
おり、ヒ素は殺虫剤として一般的に使われているためだ。
亜ヒ酸の鑑定は、最初、科学警察研究所でおこなわれたが、「同一性につい
ては判断できない」という結論になった。
そこで、経緯は不明だが、東京理科大学の教授が自ら鑑定を名乗り出て、ス
プリングエイトという非常に大規模な設備で分析を行った。その結果、亜ヒ
酸そのものではなく、亜ヒ酸に含まれる不純物が同一であることが確認され
た。
したがって、3つの亜ヒ酸が、同一時期に、同一工場で製造されたものであ
ることが確認された。
そして、その亜ヒ酸は中国から輸入されたもので、日本に3トン輸入されて
いることも分かった。しかし、その3トンの日本国内での販売経路は分かっ
ていないし、中国の工場の場所も特定されていない。ただ亜ヒ酸の缶に「中
国製」と印刷されているだけである。
そして、3つの亜ヒ酸以外に、事件と無関係な20個以上の亜ヒ酸も集めて
比較分析された。しかし、それらは工場や、学術研究などに使われていた亜
ヒ酸ばかりで、殺虫剤や肥料など、類似の用途の亜ヒ酸とは比較されていな
い。用途の全く異なる亜ヒ酸と比較して、3つの亜ヒ酸がそれらと特徴が異
なるから、3つの亜ヒ酸は同じものだ。これが東京理科大学の教授の鑑定結
果である。
用途の類似する、他の殺虫剤用の亜ヒ酸と比較しなかったのは、鑑定の手続
きとして明らかに不備がある。
東京理科大学の教授が行った鑑定は、比較対象とする基準の亜ヒ酸を設定せ
ずに比較検証するという、明らかに不適切な手続きによるものだった。
http://tod.cocolog-nifty.com/diary/2009/04/post-dd87.html