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先天性労働者:
2月6日、埼玉県行田市のホンダ系自動車部品メーカー、ショーワで派遣労働者が第2波ストを決行した。
ストはついにショーワのバンディング(ピストンに樹脂をまきつける職場)の機械4台を止め、資本に実体的な打撃を
与える闘いとして貫徹された。
この日午後4時半から勤務のA組合員が、他の組合員5人とともに職場に出勤し、課長にスト決行を通告。
直ちに持ち場であるバンディング職場の主電源を落とすと、機械が止まった。他の組合員がA組合員を守るように
ピケットラインを作った。スト突入だ。
ショーワの上司が飛んできて「営業妨害だ」とわめいた。組合員たちは「正当な組合活動だ。生産を止めるのがストだ。文句あるか!」
「首を通告された気持ちがわかるか。責任者を呼べ!」と反論した。上司はたじろいで「分かったから別の場所に移動してやってくれ」と
訳の分からないことを言う。「機械を止めるのがストだ。俺たちは本気で怒ってるんだ。ショーワは首切りの責任をとれ」と追及。
ようやく事態がのみ込めた上司はいったん引き上げた。
ショーワから通報された派遣元会社の担当者が飛んできて「警察を呼ぶぞ」とわめいた。「呼んでみろ!」と反論すると言葉も返せない
。ショーワの上司が戻ってきて「やめてくれ」と哀願した。「ならば団体交渉に応じろ。今、組合の委員長とつなぐからこの電話で話せ」
と要求すると「電話には出ない」と逃げまくった。電話に出れば団交に応じたことになってしまうからだ。
30分の緒戦で流れは決まった。バンディング職場は組合によって完全に制圧された。
ショーワの上司たちは遠巻きに見守るしかなくなった。もはや誰も手だしできない。
スト体制は万全だ。外から差し入れも入った。こうして、午前1時の就業時間終了までバンディング職場をぶっ止めるストは打ち抜かれた
。
スト突入直前、組合の委員長、副委員長やすでに解雇された組合員と支援者たちが工場入り口の守衛所で「要望書を渡したい」と申し入
れた。ショーワ側は「役員が誰もいない」と居留守を使った。このあまりの不誠実な対応に、組合はスト決行を最終的に指令、スト突入と
なったのだ。
スト突入後も団交要求の要望書を突き付けた。会社は逃げ回り「要望書は郵送してくれ」と守衛を通して伝えてきた。バンディング職場
の課長に電話をつなげと要求すると「混乱して電話に出られない」と返答。ショーワ全体が大混乱に陥ったことが伝わってきた。
クビを切られた派遣労働者の怒りを思い知れ!
一般合同労組さいたまユニオンは、次々と加盟する組合員の怒りの塊となって、派遣元とショーワ双方の責任を徹底的に追及する。
寮に住み続ける権利や賃金保障、そして解雇撤回! とりわけショーワの責任はいささかもあいまいにせず、闘いの場に引きずり出して徹
底的に闘う決意だ。