GWデータ装備費裁判&司法関連第7回

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360北の国から ◆ULqOy05xjo
1回の派遣ごとに登録スタッフの給与から250円を徴収していた日雇い派遣の「フルキャスト」。
労組「フルキャストユニオン」はことし、労使交渉で、その天引きをやめさせた。

委員長の星野雄一(ほしのゆういち)(27)は、スタッフを手配する側の正社員である。
まずスタッフの待遇改善に取り組んだのは、通勤の途中、横浜駅近くでみた光景がきっかけだった。
路上生活者と思われる男がゴミ箱をあさっていた。スタッフだった。「心が痛みました」
もっとも、星野ら正社員の仕事のきつさも、並大抵ではない。
あした何人派遣してくれ、という注文を午後3時まで受け、それからスタッフの都合と合わせていく。
電話をかけているうちに終電に乗れなくなり、会社の床に段ボールを敷いて仮眠する。
翌朝6時には、スタッフから出発前の連絡電話が100件ほど入る。
急に行けなくなった人がいると、代わりに社員が派遣先で働くことも。
星野は睡眠も食事もとれず、半年間で20キロ近くやせた。
星野と正社員仲間、あわせて4人の未払いの残業代は数百万円になった。
星野たちは昨年10月、スタッフにも声をかけて労組を立ち上げた。
すると、会社幹部が星野らに数千万円を提示してきた。
残業代込みの手切れ金。これで会社をやめろ、というのだ。
4人で話し合った。「やっと固定給のふつうの会社に入れた。やめたくない」「社員の自分たちだけ金もらってやめて、スタッフはいまのままでいいのか」手切れ金を突っぱねた。労使交渉では、スタッフの有給休暇も認めさせた。
今後は社員の状況改善にも取り組む。
(10月22日 朝日新聞 夕刊)
http://www.asahi.com/jinmyakuki/