<新・「裁判官」がおかしい! 【短期集中連載】(第2回)
「事実」から目をそらした 高知「白バイ事故死」判決
裁判官に最も必要なもの――それは、事実>
「主文。被告人を禁錮1年4月に処する」
色白で、如何にも秀才タイプの片多康裁判官(36)は07年6月7日、傍聴席
がほぼ満杯となった高地地裁204号法廷で片岡晴彦被告(53)に対して、
そう宣告した。
無罪どころか、執行猶予も付かない。恐れていた事態が現実となった――。
片岡さんを助けたい、との思いで法廷に駆け付けていた片岡さんの同僚達
に失望と困惑が広がった。
しかし、聞き取れない様なボソボソとした小声で片多裁判官によって
読上げる判決要旨は、忽ち彼らの感情を失望から"怒り"に変えた。
「被告人は、スリップ痕は捏造であるという様な
不合理な主張に固執し・・・・・・」
「被告人は反省の弁を述べるものの、自己の行為によって
人を死に至らしめた事に対する真摯な反省の情を示す所が無く・・・・・・」
黄色いわら半紙の様なレポート用紙をめくりながら判決要旨を読み続ける
片多裁判官。断片的に聞き取れるその内容は、余りに一方的なものだった。
片多裁判官の容赦無い言葉を聞きながら、同僚達にどうにも抑えようの
無い怒りがこみ上げて来たのだ。〜
96 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2008/02/27(水) 07:04:07 ID:ZIBndZGw0
(
>>95の続き)
バスが安全確認を怠って急に飛び出した為白バイが避け切れなかったと
いうのである。1度土佐署に連行された片岡被告は午後4時過ぎ、現場検証
の為にもう1度現場に戻っている。
「マスコミが来ているから外に出なくていい」
と言われ、やはり片岡被告は車の中から外を指差す形で現場検証を行った。
■「バスは停まっていた」
9ヵ月後、片岡被告は起訴された。だが、検事に呼び出されて見せられた
現場写真には、道路に黒い筋が2本付いていた。
「これは何の写真ですか」
と片岡被告が聞くと、
「お前が白バイを引きずった時のスリップ痕だ」
と言われる。仰天する片岡被告――。
「私は、これはおかしいと思ったんです。こんなものが付くには、私が余程
加速して道に飛び出し、急ブレーキでも掛けなければ無理。実際は向こうが
バスに突っ込んで来た訳ですから、何故そんな痕が付くのか、
私には分りませんでした」
それは黒々としたインクで塗ったかの様なはっきりした"スリップ痕"
だったのである。
97 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2008/02/27(水) 07:05:05 ID:ZIBndZGw0
(
>>96の続き)
取材に当った司法担当記者によれば、
「裁判の最大のポイントは、スクールバスは停まっていたのか、
動いていたのかというものでした。又、白バイは本当に法廷速度で
走っていて、落ち度は無かったのか。更には何故スリップ痕があったのか、
という主に3点でした。バスに乗っていた仁淀中学校の教員や、自家用車で
バスの後ろを付いて同じ様に道に出ようとしていた仁淀中学の校長が明確
にバスが停止していた事を証言しました。興味深いのは、白バイのスピード
について、白バイの後ろを偶然走っていた車の運転手が法廷に出て来て、
証言した事ですね。60キロどころか、白バイが相当なスピードで自分を置き
去りにして走って行った事実を法廷で証言しましたよ。問題のスリップ痕
だけは何故付いていたのか、明確には分らなかったですが・・・・・・」
目撃者である仁淀中学校の品原信介校長は、
「この裁判は人をバカにしていると思っています」
と、こう憤る。
「目の前の出来事ですから、私はバスが動いてなかった事を明確に証言
しました。しかし、裁判では"信用出来ない"の一言で片付けられてしま
いました。バスは国道に出る時、一旦停車し、それから右折する為に中央
分離帯の辺りまでゆっくり出て行きました。私の車はその後ろに続き、
国道の歩道辺りで一時停止していたんです。車の交通量が多くて、バスは
中々右折出来ず、私は自分の車のサイドブレーキを引きました。そうした
ら、何か白いものがギューンという感じで来たと思ったら、"ドーン"と凄い
音がしたんです。物凄いスピードでした。警察や検察はスリップ痕がある
から、バスが動いていたと言いますが、事実は私が法廷で証言した通り
なんです」
98 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2008/02/27(水) 07:06:06 ID:ZIBndZGw0
(
>>97の続き)
証人出廷した品原校長に検事はこんな尋問をした。
「検事が私にスリップ痕の写った写真を見せながら、
"これ何だと思う? 何だか分らんか"と詰問するんです。
私は"あの状況でこんなスリップ痕が出来る訳が無い"と言ったら、
検事は"常識で分るだろう"と言いました。
だから、私は"一寸待って下さい。バスは動いていませんでした。
だから、そんなスリップ痕が出来るか出来ないか、それこそ常識で
分るでしょう"と言い返しました。乗っていた先生や生徒の中に
だって、バスが急ブレーキを踏んだなんて、誰も言っていない。
判決を聞いた時は、信じられない、の一言でした」
■現場検証も却下
〜片岡被告の弁護を行った梶原守光弁護士は、
「事故は、警察庁が全国の都道府県系に白バイ事故が増えているので、
事故を減らす様厳しい通達を出した直後に起ったものでした。しかし、
判決ではその"身内"の証言が何より重視されている。そもそも時速60キロ
程度のスピードなら普通に前を見て運転していたら容易に停まれる筈で、
過失が片岡さんにだけあるというのは、極めて不自然なんです。初公判の
時に、もう1度裁判所として現場検証してくれる様申請したのですが、結審
の時になって却下されました。やるべき事を何もやらず、予断を持ったまま
判決を下したんです。こんな酷い裁判は許せません」
99 :
傍聴席@名無しさんでいっぱい:2008/02/27(水) 07:07:07 ID:ZIBndZGw0
(
>>98の続き)
1審後、被告側の依頼で事故を鑑定した石川和夫・日本自動車事故解析研究所
所長が言う。
「スリップ痕の写真を細かく分析した所、スリップ痕に溝が無く、人為的
に液体を塗ったものであるという疑いが出て来ました。しかし、高松高裁
では、証人申請を却下し即、結審しました。何故、こんなスリップ痕が付
いたかという1番重要な所を検討せず無視するのですから片岡さんが納得
出来ないのは当然だと思います。交通事故というのは、純然たる物理現象
の世界です。それを科学的知識の少ない文系出身の裁判官が裁いています。
交通事故を裁くなら物理の専門家を補佐人として置く位で無いと日本の
裁判は良くなりませんよ」
当の片多裁判官は何と言うか。宿舎を訪ね、本人に質問をぶつけてみた。
――去年、片多さんが出した白バイ事故判決について、疑問があります。
お話を伺いたい。
「ああ、ハイ。アレですね。でもアレって確か係争中じゃ
なかったでしたっけ? 今、アレってどうなってるんでしたっけ?」
――現在、最高裁に上告中です。
「そうですよね。係争中の件ですので、何もコメント
する事は出来ないんですよ。わざわざお越し頂き、
有難う御座います。スイマセン。それでは・・・・・・」
甲高い声の片多裁判官は、そう言うとドアを閉じた。
「アレ」を連発する片多裁判官には、この判決等、とうに過去のものらしい。
当人は自らの事実認定能力について、微塵の疑いも持っていない様だ。
【週刊新潮2月28日号(2月21日発売号)掲載記事】(p.160-p.163)より抜粋
関連:映像ニュース「高知白バイ衝突死/警察が証拠をねつ造?」(KSB瀬戸内海放送)
http://www.ksb.co.jp/newsweb/indextable.asp?tid=4&sid=7 テレメンタリー「証拠が嘘をつく〜高知白バイ衝突死〜」(2008/03/03放送予定、テレビ朝日)
http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/ 高知白バイ捏造疑惑事件まとめ@Wiki
http://www13.atwiki.jp/haruhikousien/