名張毒ぶどう酒事件 再審取消について

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235傍聴席@名無しさんでいっぱい
六人目の犠牲者(江川紹子)を読んでみた。

村の女(相手が誰であっても)を、女たちが宴会で飲むブドウ酒に毒を入れて
殺すという計画なら、もう前述のONしか犯行不能だと思う。

死んだONの奥さんも含めて、参加者たちは宴会で例年出ていたブドウ酒が
出ない事を知っていた。前回の会合(会長のON欠席)で予算不足から、それは
決定済みだった。死んだONの奥さんが犯人なら、会長代理として出席して
いるのだから、そんな決議はしなかったはず。

肝心の女用ブドウ酒が無いなら、単なる無差別殺人になってしまうもんな。

ONは当日になってポケットマネーを出しても、と独断で予定の清酒二升に
ブドウ酒を付け加えさせて農協のRに買いに行かせてる。
そして、当初は酒がONの家に3時間以上も置いてあったはずなのに、村の
証言者たちは、証言を翻して奥西勝が来る直前に届いたという事にしている
のも奇妙。ON夫婦と酒の接点を無くそうと必死になっているわけ。

もっと面白いのは宴会に先立って、このブドウ酒のフタを開けたのは誰かと
いう捜査で、当初、ONは自分が開けたと言ってる点。
驚いたことにブドウ酒の栓を開けた、という人物は二人いる。
もうひとりはRで、周囲の多くはRだったとも言っている。それに関する
会話(歯で開けようとした)も周囲に記憶されているから、こちらが本当と思える。
ただし、このRは後に「思い違いだった」と言い始めるけど。

そのONは死んだ細君から瓶を渡されてフタを開けてくれ、と頼まれたと語るの
だが、「私に渡す前に妻は開けようとしたらしく封緘は無かった」と言ってる。
何のために、そんな事を言ったか目的を考えてみると答えはひとつだよな。

さらに付け加えると、死んだONの奥さんが犯人だとすると、人に開栓を頼む
のは不自然に過ぎる。自分も飲んで死ぬ覚悟であったとすれば尚更だ。
決してONが犯人と断定はしないが、出てきている状況からするとONの可能性
は否定できないと思う。