田中元弁護士を逮捕 預かり金9000万円詐取の疑い
東京、大阪両地検の特捜検事を務めた元弁護士田中森一(もりかず)受刑者(64)が、依頼者からの預かり金9000万円を
詐取した疑いが強まり、大阪地検特捜部は7日、詐欺の疑いで田中容疑者を逮捕した。東京都港区の自宅や事務所など十数カ所を
捜索した。田中容疑者は既に石橋産業をめぐる手形詐欺事件で懲役3年の実刑が確定、大阪拘置所に在監中だった。
また、田中容疑者は宇宙飛行士の毛利衛(まもる)さんを一時広告塔に使った会社の“社主”になり、「上場したら金ができる」
と依頼者に説明していたことも判明した。
関係者によると、この会社は「テラ・マトリックス」(東京)。航空機で地形を測定し、3次元解析した画像を販売する目的で
2000年に設立し、田中容疑者は01年から、社主やオーナーとして関与したという。
「米国企業から技術の権利を1500万ドル(当時約18億円)で購入し、近々上場予定」とうたって出資を募ったが、上場せず
05年5月に事務所が閉鎖された。
毛利さんは取材に「技術的な手伝いをすると聞いていたが、実際は広報の担当理事みたいに言われ辞めた。有名だからと利用され、
非常に心外だ」と話している。
調べでは、田中容疑者は02年10月、福岡市の金融会社元社長(45)から出資法違反事件の相談を受けた際、「多額の現金を
持っていることが警察にばれると起訴される」と9000万円を預かり、だまし取った疑い。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008040702001814.html