メイド喫茶　〜迷惑な客〜　第一章

一応云っとく。これ、嘘じゃないからな。

俺が行ったとき、入り口ドアの前カウンターと椅子に大きく荷物を広げて、
ひとりで三席ぶん取るこれ見よがしのキモオタが居た。
ありえない服装に、このすごい寒さの中でも漂う臭気。
あばたのキモ面ででかいノーパソを開き、何かを一心不乱にキーボードを壊す勢いで
バチャンバチャン叩きつけてるのがいる。
そして入り口レジのそばを通る人間に、牛乳瓶底眼鏡の奥の細い小さな目で
ギロリと（お前ら全員もう来るなよ！ここは僕だけのパラダイスっ！）風の一瞥をくれるｗ
WRと談笑する客を、憎悪の視線で睨んで咳払いと、さらにキーボード連打最大音量。
い、威嚇？？おいおいキモオタの癖にこいつ何でこんな好戦的ｗと思ったら理由が。
脳内無敵の迷彩ズボンくんだった。カバンにモデルガンとか通販ナイフ入ってそうなかんじｗ

他の客が入れ替わるか何杯も注文する中、やはりというかそいつはコーヒー一杯で滞在。
水のお代わりを、甲高く裏返るメンヘルキモオタ独特の声で頼んでる。
「みづ、ュぼくにもチョウダひ！」
お前はテレビ局が用意した、やらせの偽オタクか？マジで違うのか？というくらい。
それとなく他の客に聞くと毎日常連だと。
アキバ歩行天ですれ違っても、臭気に一瞬顔をしかめる程度で済むだろう。
だが静かなクラッシックが流れる飲食店で隣席となると、これはもう破壊工作だ。
実際連れに店の感想を聞いたら、
アレが日本のアキバ（本物）なんだろうなー。やっぱ無理！だと。
店の感想より痛い毎日客の方がインパクトが強すぎた。

かわいい女の子のいる店なんてのは普通の店でも水系でも、
しばしばグループ化した常連客が、新しい客を排除しようとする場合がある。
だがそういった連中から満場一致で排除対象となりそうな、
『店に金を落とさないで長居するキモオタ』が最後に行き着けるところは？
死守しようとするホーリーランドは？
ワンオーダーもチャージもなく、飲み終わったお皿をお下げしましょうか（ニコ？もない、
そういう客に（お前空気読めよ）とプレッシャーかける経験値もった剛毅なＷＲがいない店。
他のほぼ全ての店が、オーダーと時間にある程度のリミットをわざわざ書かなくてはならん理由を
この店のオーナーは知っておくべき。
キモオタ常連が店を潰すなんてのが、これほど具体的に実感できたことはなかったぞ。