仔剣虎の視線の先には、まるで壁画の様に横長で巨大な絵画が飾られていた。
その絵画には食事の様子が描かれており「最後の晩餐」を、
彷彿とさせる美しい物であったが、どこかおかしい。
既視感を覚え振り向いた先にあるテーブルには、後ろの絵画と全く同じ料理が置かれていた。
只一つ、中央の特大平皿を除いて。
青年はその料理が乗っていない皿に何が乗っていたか、確かめようと勢い良く振り向いた。
振り向いた先には
巨 大 な 目
が、こちらを見ていた
ぎょっ とした青年が思わず2,3歩後下がると、巨大な目はまばたきだけを残して消えてしまった。
「幻覚だろうか」青年はそう思ったが、あまりに生々しかったので目が浮かんでいたあたりを手でさぐってみた。
もちろん、そこには何も無い。
青年は一息ついて、改めて絵を見つめた。
真ん中の大皿に乗っているのは、凧糸でしばられた巨大なローストビーフのような、
子豚か何かの丸焼きのようなものだった。
この大きさだと凧糸というよりも、ロープのようなもので縛られている子牛?
違う。 に ん げ ん だ。
青年は、絵の中の丸焼きにされた人が、なんだか見覚えのある、誰かに似ているように思った。
見覚えあるはずだ。
ほぼ毎日見ているのだから。
青年は絵の中の人物が自分に似ているように思った。
絵画をじっくり見てると、いろいろ興味深いものが描いてあった。
もっとよく見たいと思って、絵に歩み寄ってみたところ。
いきなり肩をたたかれた。
びっくりして振り返ると、
さっきまで誰もいなかったはずのテーブルに
巨人族の家族が座って、なにごともなかったかのように
食事をしていた。
そして、青年の肩を叩いたのは、巨人族ではなく、
ハーフエルフの女料理人のようだった。
どうやらここで働いているらしい。
女料理人「あなたは誰? どこから入ってきたの?」
青年は、彼女の美しさにしばらく見とれてしまって返事をす。るのを忘れていた
自分に似た男が皿に乗って居る絵。
今まさに食事をしようとしている巨人族。
そして絵と同じ料理が乗っているテーブル。
符号が揃いすぎている、青年の心に早鐘がけたたましく鳴り、体は戦慄に身震いしていた。
思わず後ずさると、背中が絵画に当たった。
これ以上下がれない。
巨人達は、そんな青年が目に入らないかのようにガツガツと食事をしていた。
青年の脳裏にうかぶ怖い想像とは裏腹に、
ハーフエルフの女料理人は静かに青年の答えを待っている。
ふらふらと視線をさまよわせたが、自分を連れてきたはずの仔剣虎は、
いつのまにか、いなくなってしまっていた。
「漏れは・・・」
青年は声を出そうとしたが、かすれて出ない。
そんな青年をちらっと横目でみた巨人族の子供が
コップに入ったどろっとした赤い液体を青年の方へ投げた。
幸いにもかぶりはしなかったが、青年の足元にできた液溜まりからは
プンと鉄の匂いがした。
そんな青年へそっと水を差し出す女料理人。
とりあえず好意に甘え、一口飲んでみる。
うまい。
よく冷えた、きりっとしたさわやかさのある水だ。
コップ一杯の水を飲み干し、ようやく落ち着いた青年は
あらためて女料理人を見つめた。
後ろの巨人たちも粗野で粗暴でおっかないけど、害意は無いようだ。
「私はただの旅人です。
ここへは、サーベルタイガーの子供に連れてきてもらいました。」
カクカクしかじか・・・・
青年は、仔剣虎と出会ってから今までのことを話した。
「そぅ。あなたもあの子に会ったのね」
女料理人は、藁ったような哀れんだような不思議な笑みをうかべて
青年を見た。
「あの子はセイラ。私の妹だったの。
このお館で一緒に働いていたのだけど、
ちょっとした料理魔法の手違いで、剣虎になってしまったのよ」
ハーフエルフはジェシカと名乗った。
姉妹でこのお館に勤め、料理のウデを磨いていたらしい。
「料理魔法?」
青年は聞き返した。
はるかな過去、そういう魔法があったらしいことは聞いている。
どんな料理も、その呪文一つでおいしくできるのだそうな。
しかし、その呪文を伝えるものは今は無く、
遥かな昔に消え去ってしまっていると聞いている。
実は青年が旅に出たのも、はるか昔に
消え去ってしまった呪文(スペル)を探すためだった。
古き時代には魔法を使いこなす魔法使いが大勢いたらしいが
かれらは全て伝説上の存在となってしまっている
その昔宮廷料理人が駆使したという調理魔法。
なんでもおいしくしてしまう魔法がどうやらここにはあるらしい。
青年は、女料理人がどんな魔法を使うのか、見てみたくなった。
巨人たちが咀嚼する音がいいかげんうるさく感じ始めたころ
ジェシカ(女料理人)は、次のメニューを作るため、
キッチンへ向かった。
しかし、ここのキッチンは巨人族用に作ってある。
ジェシカでは背がとどかないだろう。
青年がそう思っていると、ハーフエルフの料理人は
不思議なルーンをつむぎ始めた。
浮遊魔法か?
いや、ちょっとスペルが違う。
不思議に思っていると、そのうちいろんな食材や鍋釜包丁が
宙にうかび、勝手に料理を始めた。
「さて。次はいよいよメインディッシュなんだけど」
ジェシカが振り向いて、意味ありげに笑いながら
「あなたの料理が食べてみたいわ」
そう言った
その声が聞こえたのか、それまでガツガツと食事をしていた巨人達が
手を止め、意味ありげに青年を・・・いや、青年とその後ろにあるメインディッシュの絵を
見つめた。
それから?
続きは?
744 :
ぱくぱく名無しさん:04/11/16 16:51:14
えぇーい! ageちゃうぞ
ageてみたけどダメですた・・・・orz
続き読んでみたかったな
ここまだあったのか
どれくらい放置されたら消えるんだろう
3ヶ月放置くらいじゃ消されないみたいだ
何か不思議なスレだな…
何かちょっとだけ書いて見たくなったけど
DAT落ちを待った方がいいのかな?
>748
ひそかにこのスレ好きなので、書いてくださいな。
751 :
ぱくぱく名無しさん:2005/06/16(木) 10:42:29
でつまつ口調の料理番組を見てみたいでつ
結構このスレ好きなんで書いてみていいっすかね?
※「とみとく」という名の異界の料理人が活躍していた中、
また一人異界から飛ばされ「とみとく」がいる遙か遠くの波打ち際に、気を失う若者が俯けになっていた。
彼は己の店を持つ事を夢見る、料理人見習いの若者だった。
そう、異界の穴は一つでは無かったのだ。
若者はたまたま通りがかった漁師の娘に助けられ、
人の居る場へ連れていってもらった。
しかしその道中、若者は記憶が失っている事に気付いてしまう。
何かを、何故かを、考えよう思いだそうとする度に。その度にこぼれ落ちていく感覚に。
すぐにパニックになり、意識が戻ったのは漁師の娘の家の床に転がされていたとわかった時だった。
その後何も分からないまま生きていく為、
助けてくれた娘の親の漁師と一緒に漁へ出て食い扶持を稼いで
…何とか生きていた。
どれだけの月日が経ったのだろう……
ずっと此処で暮らすのも悪くないな。
漁師としての技術や立ち回りも随分向上した。
半ばもう妹の親父の娘や、俺の面倒を見てくれる両親もいる、
過去は今が良ければまぁ…いいか。
そう思った時、慌ただしく隣人が親父の船が、難破に遭ったことを告げた。
隣人は、原因不明の竜巻に親父が巻き込まれたこと、
それを一部始終目に焼き付けていたことを語った。
竜巻が過ぎ去った後海上には何も無く、海中を漁ると
見たことも無い魚が穫れた、これだ、と言った。
受け取り、「それ」を見たらば紛れもない「鮭」であり
自分が何故それが鮭であるか分からなかった。
若者がわかるのは親父が消えた事と、
この世界では見る事が出きる筈がない鮭の旨い調理法だけだった。
しかし奇しくも、とみとくも全く同じ時間にこの世界から姿を消していた。
を!? 話が再開してますね。
続きを期待してますよ>752さん
いえいえ、色んな人が書いた方が面白いと思いますよ。
>>753さんも書きたいと思いましたら是非。
私は
>>753さんの話を読んでみたいです。
ここはとあるレストラン。
奇妙な格好をした子供を娘が拾ってきた。
ヨレヨレになった小汚い子供だ。
見たことも無い服を着ている。
しばらく何も食べていないのか、それとも何か病気なのか足元がヨロヨロしている。
とりあえず椅子に座らせて、カップにスープを入れてやると
男の子「ボク・・・・お金持ってない」
下を向いたまま小さな声でそう言った
娘「いいのよ。」
男の子「でも・・・ただで知らない人からものを貰っちゃいけないってお母さんに言われてるから」
娘「そうね。それはいけないことだわ」
娘は少し考えた。
娘「でも、困った人は助けてあげなさい って言われて無い?」
男の子「言われてる・・・」
娘「じゃぁ、あたしが人助けをするのは、別にいけない事じゃぁ無いわよね」
男の子「そうだけど・・・」
まだ少し迷っているようだ。
ふぅ。・・・大きく息をつくと、パン!と一つ手を打って、
娘「あたしはルナ。こっちはお父さんのボルボ。ここは町外れのレストランで見てのとおりあまりお客さんはいないわ」
男の子「・・・・」
ルナ「あなた、お名前は?」
男の子「いちろー 鈴木一郎」
ルナ「そう。イチロー君ね。実はあたし、今 友達を大募集してるの
みての通りお客さんのいないレストランで働いてるもんだから友達作る暇も無くてね
イチローくん、お友達になってくれる?」
イチロー「・・・・うん。」
ルナ「そう。よかった。じゃぁ、今からイチローくんとあたしは友達ね
じゃぁ友達になったお祝いに、何かごちそうしてあげる
それならいいでしょ? 友達だもん」
イチロー「・・・うん!」
ようやく納得したらしい。
ルナ「ねぇ何食べたい?うちのお父さん、こう見えても腕はいいコックさんなのよ」
イチロー「何でもいい?」
心配そうにボルボを見つめる。
こういう、捨てられた子犬みたいな目で見つめられちゃかなわんなー と思いながら顔をつるんとなで
ボルボ「もちろん! オレは何でも造れるぜ。」
イチローはパッ! と顔を輝かせると期待に眼をキラキラさせて
イチロー「んじゃぁね、・・・じゃぁね・・・ハンバーグ!」
と聞いたことも無い料理の名前を言った。
ボルボ「ハンバーグ?」
思わず顔を見合すボルボとルナ
イチロー「ダメ?」
心配そうにそう訊いた。
ボルボ「あ、いや・・・ダメじゃ無い。
ダメじゃないぞ。何だって造ってやるって約束したもんな」
よかった。という風ににっこり笑うイチロー。
さて困った。と腕組みして考えるボルボ。 困ってる父親を見て
ルナ「ねぇイチローくん。イチローくんが好きなハンバーグってどんなの?」
と助け舟を出してくれた
イチロ「えっとね。お母さんが作るハンバーグは、いつも少し焦げてるんだけど、
中はふんわりしてて切ると肉汁がじゅわーって出てくるの」
どうやらハンバーグというのは肉を焼いて造るものらしい。
ルナ「それがお母さんの得意料理なのね」
イチロー「うん。お母さん、ボクがタマネギ嫌いで残すといつも怒るんだ。
でも、ハンバーグに入れるタマネギは、すっごく小さく切ってあって、
しっかり炒めて甘くしてくれてるから いつも残さず食べられるんだよ」
どうやら、タマネギのみじん切りを炒めたものも使うらしい。
ルナ「へぇ。イチローくんはタマネギ嫌いなんだ。他に嫌いなものってある?」
イチロー「ピーマンとカキ。苦いもん」
ルナ「ピーマンとカキも小さく切って炒めるの?」
イチロー「まさか。ピーマンは輪切りにしてサラダに入ってたりそのまんまカレーに入ってたりするんだよ。
カキはカキフライや土手鍋に入れたりするけど、あんまり切ったりはしないね。」
また、知らない名前が出てきたぞ。カレーって何だ?土手鍋って・・・土手を鍋に入れるのか?
いや、それよりも今はハンバーグだ。ハンバーグってどうやって造るんだ?
ボルボは今までの情報をまとめてみようとした。
どうやらハンバーグには炒めたみじん切りのタマネギと肉を使うらしい。
表面は焦げて、中はふんわりしているらしい。
パンみたいなものか?いや、でも、フォークで切ると中から肉汁があふれるらしい。
フォークで切れるという事は、肉はステーキのような塊では無いのだろう。
何かの魔法でやわらかくするのかもしれん。が、魔法でやわらかくした肉はふんわりというものではないぞ。
とろけるような感じだ。いくら子供でも とろけるような肉をふんわりという表現はしないだろう。
ルナ「お母さんのハンバーグって薄め?」
イチロー「3センチくらいあるよ 厚さ。」
そう言って、親指と人差し指で長さを示した。
どうやら形は平たいものらしい。
ルナ「えっと・・味付けのことだったんだけど」
イチロー「あ、そっか。えっとね。お塩はあんまり入れてなくて、胡椒がタップリ効いてるの
うちのお父さん、糖尿病気味だから、あんまりお塩は使えないんだって」
ルナ「ふーん。そうなんだ」
イチロー「お父さんもたまにハンバーグ作ってくれるんだよ」
ルナ「どっちが上手?」
イチロー「お父さんかな? お父さんの方が力強いから、お母さんよりもしっかり捏ねられるんだって」
やはりパンのように捏ねたものを焼いて作るらしい。
イチロー「でも、お父さんのはパン粉を入れすぎちゃうから、お母さんみたいに肉汁がジュワーってならないんだ
ならないんだけど、ボクは歯ごたえのしっかりしてるお父さんの方が好きかな」
それを聞いていたボルボの頭の中では
しだいにハンバーグとやらのイメージがかたまりつつあった
ハンバーグというものは、どうやらパン生地を捏ねるように
力いっぱい肉生地を捏ね、3センチくらいの厚さで平らに伸ばし
こんがりふっくらと焼き上げたものらしい。
肉生地には炒めたタマネギとパン粉を入れ、塩コショウで味付けするらしいが、
これだけではあふれんばかりの肉汁というものは出そうにない。
おそらく脂肪かなにかを、さらにくわえるのでは無いだろうか。
そう思ったボルボは、客席の会話に耳をそばだてつつも
貯蔵庫からタマネギと肉を取り出した。
棚から食パンをおろし、卸金でおろしてパン粉にする。
配合の分量が見当付かないが、とりあえず混ぜて様子をみてみればわかるだろう。
作業を始めたボルボの方を気にしつつ、ルナはハンバーグというものが
どういうものなのか、もう少し詳しく聞いてみることにした。
いろいろきいて、とりあえずハンバーグは焼いた
はい終了
763 :
ぱくぱく名無しさん:2005/09/28(水) 00:19:06 ID:YF1mfbGY0
ルナは調理人の案内で作業部屋に移った
そこはミンサーという大きなミンチを挽く機械があった
ルナはそのまんま調理人に蹴飛ばされ
服を着たまんまミンチ挽きに飲まれ
赤くジューシーなミンチができあがりました。
そして運ばれてきたミンチ肉
その物体を何かしらないままボルボは材料を調合
捏ね合わせ塩味を決め、少量焼いて味をみてみた。
「ふむふむ。。なにか覚えのある香りと味」
「う〜〜ん しらないはずがない・・でも思い浮かばない」
「なにかすごく身近におもうんだ・・」
「まぁいいや」と呟き残りのミンチを等分にし、整形しました。
「あれ…そういえば昔食べた海亀のスープの味に似てr(ry」
765 :
ぱくぱく名無しさん:2005/09/29(木) 03:11:28 ID:0wHxn6890
海亀のスープを今でも飲める場所を知っている
海亀のスープを作るには海亀の卵が必要だ
海亀の卵は断崖絶壁にある
767 :
ぱくぱく名無しさん:2006/03/19(日) 17:45:35 ID:Jsof8wamO
「魔法の書」で呪文を調べ、竜を召還して、海亀の卵を取ってこさせる事にした。
召喚魔法に失敗して、海がめの卵ではなく、ネットアイドルの卵を手に入れた
ここって、江戸時代に飛ばされた スレとは全然関係無いのなw
ネットアイドルの卵は実はネカマだった