「そこが知りたい!“エコナ”と“トクホ”」
「身体に脂肪が付きにくい」として「トクホ(特定保健用食品)」に指定されていた食用油、「エコナ」。
体内で発がん性物質に変わる恐れがある物質が含まれているとして、メーカーは販売自粛、
「トクホ」の表示許可を返上しました。身近な食品だっただけに、
消費者のあいだに不安や疑問の声が高まっていることを受け、
番組では、視聴者の方に緊急アンケートを実施。スタジオに専門家をお招きして、寄せられた疑問にお答えしました。
Q1:「エコナ」を食べたけれど、大丈夫?
(専門家の答え)現在調査中です。ただし、食べたからといって、すぐにガンになるような毒性の強いものではありません。
しかし、摂取量やその人が持っている要因によっては、ガンになりやすくなる可能性がないとは言い切れません。
※メーカーは、「食品としての安全性に問題はないと判断している」としています。
Q2:「エコナ」の何が問題?
(専門家の答え)エコナの主成分は、通常の食用油を加工して作った「ジアシルグリセロール(DAG)」という油。
通常の油に比べ、脂肪酸が一本少ないため、体内で消化されたあと、脂肪として体に付きにくいとされています。
※DAGそのものについては、国は安全性に問題はないとしています。
しかし、一部に安全性に疑問を呈している研究者もいます。
このDAGをたくさん含んだ油にはにおいがあるため、脱臭加工をします。
その際、グリシドール脂肪酸エステルという物質が生成されます。
このグリシドール脂肪酸エステルが、体内でグリシドールという発がん性物質に変わる恐れがあると指摘されています。
※実際にグリシドール脂肪酸エステルが発がん性物質に変わるのかは、現在調査中です。
グリシドール脂肪酸エステルは、どの油にも微量に含まれていますが、「エコナ」の場合はその含有量が多かったため、
問題視されています。
つづき
Q3:そもそも「トクホ」とは?
(専門家の答え)トクホとは「特定保健用食品」の略で、
「からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品」を指します。
つまり、「からだに脂肪が付きにくい」「おなかの調子を整える」など、特定の効能について、
有効であると表示することを認められた食品ということです。
Q4:「トクホ」はどうやって認可される?
(専門家の答え)国のガイドラインに基づき、企業が検査を行なってデータを作成し、
提出されたデータを国が審議します。
食品安全委員会などで、安全性・有効性を審議したのち、問題がなければ「トクホ」の表示許可が与えられます。
おわり