楽器の木材について語ろう

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707ドレミファ名無シド
>>706
楽器用として加熱は「厳禁」です。
正確には木の中のセルロースといわれる構造が
結晶化する為ですが結晶化前のセルロースは大変もろく加熱で崩壊します。
製材後4〜5年くらいまでは水分が蒸発するだけですが、
それ以後は徐々に数十年かけ結晶化が進行しその過程で硬く軽くなります。
(当然大幅に音が変わる)
また自然乾燥とはいってもほって置いて良い物ではなく、
たえず慎重な養生が必要となります。(当然コストが跳ね上がる)
よくアメリカなどの楽器用材木で「AAA」ランクなどと書いて有りますが、
大抵は生木または数年寝かしただけですので、
あくまで木目や産地が良いだけの証明で音が良い証明ではありません。
音に関しては4〜5年でやっと悪いものがはじけ、音が最高のレベルの物に
なるかは製作者により違いますが、最短8年大抵10年くらいでやっと
判断がつくそうです。
 バイオリン製作者などはほとんどが知っている
この科学的に解析されている常識が
アコギの場合はなぜかマニアどころかメーカーでさえほとんど知らず、
大量生産の為やコストダウンの為に平然と人工乾燥などが行われています。
 音が良い木かどうかは産地より
自然乾燥されているかの方がまず重要となります。

ちなみに楽器用としてもっとも高価なのは、
バイオリンの裏板用のヨーロッパ産メープルで
楽器用材木会社(ドイツ)から製作者が直接購入する値段が
最高品質の物でバイオリン裏板一枚分が生木(未乾燥)で約10万円、
実際には30年以上自然乾燥させた物から選び抜いた物が
最高ですがこれはとんでもない値段になります。
(もっともいくらお金があっても普通の人には売ってもらえません)