★09衆院選:訴えたくても… 参政権のない外国人 /岐阜
・県内では6月末現在で5万4106人の外国人登録者がいるが、いずれも選挙権はない。投票は
できないものの、日本の有権者の判断を注意深く見守っている。
垂井町の郊外に建つブラジル人学校「コレージオ・オメガ」。廃業した呉服店を改装して学校として
使っており、運動場代わりのガレージからは子どもたちの笑い声が聞こえてくる。しかし、昨年12月に
46人いた生徒は11人まで減り、日系2世のダニエル・ヨシナガ校長(62)は、「寂しくなった」と言う。
昨秋からの不況で、県内でも多くの在日ブラジル人が失業し、帰国を余儀なくされた。県内の
ブラジル人学校7校に通う子どもたちは昨秋の約1000人から、5月には約580人にまで減った。
同校では、5万5000円だった学費を昨年末から2、3万円に下げたが、「生活が苦しい」として、
学費を払えない保護者もいるという。同校は日本の学校法人格も本国の学校法人の認可もないため、
公的補助は一切ない。ヨシナガ校長は、「在日外国人の教育に国はもっと力を入れてほしいが、私には
選挙権もないし、何かを求めることすら、あきらめている」と言う。
美濃加茂市でブラジル人を支援する市民団体「ブラジル友の会」で通訳を務める久保田義子さん
(35)は、ブラジル生まれだが、日本国籍を取得しているため選挙権を持つ。ブラジル国籍の夫(42)は
約20年間、可児市内の自動車部品工場で派遣社員として勤務するが、入社当初は社会保険の
存在も、労働契約も知らされなかった。
久保田さんは「文句を言うとクビになるかもしれないとの思いから、主張すべきことも言えない
外国人は多い。日本人と同様に働いているのだから、同じ権利を主張できるような社会になって
ほしい」と願う。久保田さんは衆院選で、多くの外国人の思いを自分の一票に託すつもりだ。
在日外国人の参政権をめぐっては、県議会が08年12月に「永住外国人住民の地方参政権確立の
ための意見書」を採択している。(一部略)
http://mainichi.jp/area/gifu/shuinsen/news/20090813ddlk21010009000c.html