サラリーマンが加入する厚生年金と、自営業者などが加入する国民年金の昨年度の決算が
まとまり、世界的な金融危機の影響で積立金の運用実績が悪化したことから、厚生年金、
国民年金ともに過去最大の赤字となりました。厚生労働省は積立金を取り崩して給付の
一部を賄っており、年金財政が厳しさを増していることがうかがえる結果となりました。
社会保険庁のまとめによりますと、昨年度・平成20年度の厚生年金の歳入は、
世界的な金融危機の影響で国内外の株価が大幅に下落したことなどから、積立金の運用実績を
加えた時価ベースでは25兆9283億円となり、前の年度と比べて3兆6200億円余り
減少しました。これに対し、歳出は36兆1078億円で、差し引き、およそ
10兆1795億円のマイナスで、2年連続の赤字となりました。国民年金も、
およそ1兆1216億円のマイナスと3年連続の赤字となり、厚生年金、国民年金ともに、
時価ベースでの決算を始めた平成13年度以降、最大の赤字となりました。また、積立金の
残高を見ますと、時価ベースで厚生年金が前の年度より13兆5300億円余り減って
116兆6496億円、国民年金が1兆2700億円余り減って7兆1885億円と
なっています。これについて、厚生労働省は「最新の経済情勢などを考慮して試算した
年金財政の見通しでは、長期的な給付と負担のバランスは保たれているので、今回の
決算が直ちに年金の給付に影響することはない」と話していますが、積立金を取り崩して
給付の一部を賄っており、年金財政が厳しさを増していることがうかがえる結果となりました。
*+*+ NHKニュース 2009/08/04[18:12] +*+*
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014704301000.html