厚生労働省の研究班はこのほど、
「コーヒー摂取量が多いと、肝がん発生リスクは低くなる」とする研究成果を公表した。
この研究は、日本に住む約10万人から、生活習慣や健康に関する情報や血液を提供してもらい、
10年以上にわたる長期の追跡調査によって、どのような生活習慣を持つ人が、がん、脳卒中、
心筋梗塞、糖尿病などになりやすいのか、またはなりにくいのかを明らかにする目的で行われている。
このほど公表したのは、茨城県水戸、新潟県長岡、大阪府吹田、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の
6保健所管内に1993年に住んでいた40−69歳の男女約2万人を2006年まで追跡調査した結果に基づいて、
コーヒー摂取と肝がん罹患との関連などを調べたもの。
研究対象の男女1万8815人(男性6414人、女性1万2401人)のうち、追跡調査の期間中、110人
(男性73人、女性37人)に肝がんが発生した。
研究班では、研究開始時の質問票を基に、コーヒーの摂取量によりグループ分けし、最も少ないグループと比較して、
それ以外のグループで肝がん発生リスクがどの程度になるかを調べた。
その結果、コーヒーについては、「ほとんど飲まない」に対し、「1日1杯未満」は67%、
「1日1−2杯」は49%、「1日3杯以上」は54%となり、それぞれ肝がん罹患のリスクが下がっていた。
また研究班では、肝がん最大のリスク要因であるC型、B型など肝炎ウイルス感染の有無による違いも調査した。
C型肝炎ウイルス感染者でも、「ほとんど飲まない」に対し、「1日1杯未満」56%、「1日1−2杯」40%、
「1日3杯以上」78%と、それぞれリスクが下がった。
研究班では「コーヒー摂取量が多いと、肝がん発生リスクは低くなる」と結論付けている。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/23406.html