おまいら毎日ギター何時間弾いてる? Part2

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19ドレミファ名無シド
[英雄は還らず]

しかし、ウッディの英雄魂は火と燃える、背負ったガスの噴射装置をふかし
ながら、ワイヤーを引っ張って衛星に近づいたのだ。
成功を祈りつつ、じっと見守る3人の仲間。ところが、燃料切れでブレーキが
利かない。どうすることもできず、じっと見守る3人の仲間・・・・・・
って、だからなんでボンヤリ見てるんだ!?ワイヤーを巻きとればウッディ
にはブレーキがかかるし、反作用で自分達も前進できるじゃないか!
時すでに遅く、ウッディはワイヤーを衛星にフックした直後、飛んでいった
勢いで放り出される。あわてた3人は、そこでようやくワイヤーを巻き取って
衛星にしがみつく。テリーが夫を救いにガス噴射で飛び出すが、途中で燃料
が残り50%に。
ここで引き返さなければ、テリーも帰れない。英雄ウッディは静かに
ヘルメットを脱ぎ、無言で妻を仲間のもとへ返すのだった。
悲しい。あまりに悲しいシーンである。
行きの途中で燃料を50%も消費すると、減速するだけで残りすべてを使って
しまう。つまり、この時点で、彼女もすでに仲間のもとへは帰れなかったはず
なのだ。死んだウッディには酷だが、妻のことを思うなら、もう少し早く
ヘルメットを脱ぐべきだった。
そもそも、衛星とウッディは一定の距離を保ちつつ、火星上空を周回していた。
これは、衛星とウッディが同じ速度で飛んでいたことを意味する。この場合、
衛星から出発したテリーにとって、夫は静止しているのと同じである。
空気のない宇宙空間では、一度飛び出した物体はどこまでも同じ速度で飛んで
いく。少しでも加速すれば、時間はかかるが夫ももとへ行けたはずなのだ。
そして夫に近づいたら減速し、残った燃料を噴射すれば仲間のもとへ無事に帰れ
たはず。力学の基礎も知らぬまま、火星へ送られたのだとすれば、悲しすぎる!
宇宙を目指すものにとって、必要なのは勇気と犠牲的精神ではなく、慎重さと
力学の基礎知識である。読者のなかに、宇宙飛行士を志す人がいたら、
厳しい訓練に耐えるだけでなく、学科の勉強もしっかりやったほうがいいですぞ