【詞先】作曲総合・質問スレ【曲先】

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185ドレミファ名無シド
>>181
4度重ね、5度重ねの和音か。
調性感やコード機能を曖昧にしたり、独特な浮遊感を持たせたり、確かに
利用価値は高いね。
じゃあ、久々に覗いてみたついでにそれテーマでちょっと書いてみるw

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4度の音程は、現在のメジャーやマイナーのスケールが一般的になる前から
広く使われてたもので、ぶっちゃけ普段使っているコードの形よりも歴史は古い。
教会音楽でもクラシックでも、4度の響ききを巧みに取り入れている例は枚挙に
いとまがない。もちろん、モードを生かしたジャズもそう。


4度積みの和音がどういう構造なのか知るために、他の音程を積んだ例と合わせて
比較してみよう。積んだ時に、構成音でどんなコードが出来るかも並記してある。

短3度の積み重ね=C、D#、F#、A、(C…以下循環)
3音=Cm-5、4音=Cdim

長3度の積み重ね=C、E、G#、(C…以下循環)
3音=Caug

完全4度の積み重ね=C、F、A#、D#、G#、C#…(12番目にCへ戻り循環)
3音=Fsus4、4音=F7sus4、5音=Fm7(11)(=Ab69、Fm7/Bb)、…

完全5度の積み重ね=C、G、D、A、E、B…(12番目にCへ戻り循環)
3音=Gsus4、4音=D7sus4、5音=Am7(11)(=C69、Am7/D)、…
186ドレミファ名無シド:2005/09/24(土) 04:52:17 ID:hr60t6Aa
4度や5度の積み重ねは、3度の積み重ねとちがって、違う音がいくらでも重なる。
5度圏の図を左廻りしたり右廻りしたりしながら音を足していく感じだから、
まあ当然なんだけど。

3音や4音のところを見てみると、sus4の和音だというのに気付く。これが
浮遊感だったり、何処かはぐらかされた感じだったり、美しい緊張感になって
いたりするカギ。
5音重ねたところでようやく基本的な和音のドミソ、トライアドが構成音の中に
成立してくる。だけど、4度で重ねるとそのトライアドの感じも希薄なものになる。
ボイシングを工夫すれば、トライアドの感じを微調整することも出来る。4度重ねの
和音は、この5音重なったものが基本になる。

コードネームでは、 C4th、C4thCHORD、C4thBUILD、などと書くことがある。
187ドレミファ名無シド:2005/09/24(土) 04:53:30 ID:hr60t6Aa
じゃあ、次は具体的な使い方なり何なり。

そのまま4度積みの形で用いることもあれば、クローズの形にまとめることも
ある。何せ4度の音程が基本になっているので、狭いところに押し込んでも
音が濁らず、かつタイトな響きになる。

G7sus4だったらド、レ、ファ、ソと押さえたり、レ、ファ、ラ、ソと押さえ
たり、いくつかボイシングパターンがある。
5音の場合はトライアドが成立するので、4度の音程やsus4の響きを生かしたい
場合には、トライアドになる3音をオープンにボイシングさせる。
例えば、
Dm7(11)だったら、レ、ソ、ラ、ド、ファ
C69だったら、ド、ソ、ラ、レ、ミ

5度積みも、やっていることの基本は4度積みと変わりない。上の指摘にもある
通り、音程が広くなってしまうので基本的にはクローズさせる。

ポップスでよく見かけるコードパターンや、転調の際のちょっとしたテクニック
にも、4度積み和音を利用したものがある。

例えば、
Dm7→G7→Cっていうツーファイヴワンの形を少し捻って、
Dm7→Dm7/G→C(add9)というような進行にさせることがある。ポップス
ではよくあるタイプだよね。これも4度積みの和音の応用。G7sus4の感じを
持たせて、でも完全にG7へ解決しないままCへ繋ぐ、というような。ツーファイヴ
って音楽的には相当強い力を持った進行なんだけど、そのニュアンスを和らげて
いるのが分かる。
188ドレミファ名無シド:2005/09/24(土) 05:07:55 ID:hr60t6Aa
次はコード機能の視点からもちょっと見てみよう。
上で5音重ねた時のコード例を書いてみたけど、何通りもあるよね。しかも
並べ方によってはメジャー系にもマイナー系にもなる。これは非常に代理的な
機能が高いということになる。
上のツーファイヴ(SD-D)の例でも、構成音をほぼ変えずに、何となくやんわりと
繋げられちゃってる。

代理機能の高いものと聞いて思い付くのが、サブドミナントマイナー(SDM)。これも
代理和音を含めると、実に様々な調のT、SD、Dを引っ張ってくることが出来る。

■サブドミナントマイナーの代理として使用可能なコードの一例
Cmajor:Fm (IVm) →

・Dm-5≒G7(-9)など
・Dm7-5(CminorのSD)≒Fm6、Ab6
・Ab
・Ab7(GminorのD、DbmajorのD)
・Abmaj7(CminorのSDあるいはT、CmajorのT代理など)
・Db
・Dbmaj7(FminorのSDあるいはT、FmajorのT代理など)
・Bb7(AminorのD、EbmajorのD)

トライアドで書いてあるAbやDbだってドミナントとして使用可能だし、7thが
付けば表裏の関係でもっと様々な調のドミナント7thになりうる。

これらを組み合わせれば、実に様々なコードワークを組み立てられる。もちろん、
コード機能を考えず闇雲に使ったんじゃ効果的にはならないけど、自由度は相当な
ものだと思う。

※T、SD、Dはコード機能の省略形。T=トニック、SD=サブドミナント、
D=ドミナント
189ドレミファ名無シド:2005/09/24(土) 05:13:10 ID:hr60t6Aa
何か、こうやって書くと難しく見えるんだけど、考えとしては単純なもの。
だから、多かれ少なかれ「ああ、あれか」と思い当たる部分はあると思う。
他にも関連することいろいろあるんだけど、文才がなくて雑駁もいいところだ。
すんません。
190φ人:2005/09/24(土) 07:36:25 ID:ukHunGC1
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
191ドレミファ名無シド:2005/09/24(土) 09:34:54 ID:hr60t6Aa
>>187訂正
>G7sus4だったらド、レ、ファ、ソと押さえたり、レ、ファ、ラ、ソと押さえ
→G7sus4だったらド、レ、ファ、ソと押さえたり、レ、ファ、ソ、ドと押さえ

もう寝ます
  <⌒/ヽ-、___
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