静かに紡ぐ夜の糸
小さな夢に時計が騒ぐ
仄かに香る朝の糸
君から夢に染まる桜の
--声が聞こえる
いつからそよぐ風の意図
さやさや 鳥に 想いを乗せる
甘く囁く星の意図
誰と見上げる今宵の月を
やがて時は経ち 君は居なくとも
季節と共に花は咲き散る
そして僕も発ち 誰も居なくとも
遺跡となりし此処への帰り道
それでも紡ぐ君との糸
やうやう明けゆく空の下
僕が傅(かしず)く君の意図
さりとて気紛れそして僕への
(声が聞こえる)
やがて星が朽ち 明日が来なくとも
消えぬよ永久(とわ)に紅く舞い散る
そしてふたり朽ち 明日は居なくとも
眠りに寄せし ふたりの帰る道
そよぐ風桜(かざくら)舞い散る夜に
時は少しだけ歩みを止めた
--声が聞こえる