ぬこと遊んでほっこり気分のウィリアム・テム
それというのもさ、まぁきいとくれよ、よくあるはなしだと思うんだけどさ。
今日仕事で某山の中に行ったのよ、某山の中に。
入りがけにぬこの声(かなり必死系)が聞こえた気がしたウィリアム・テム。
ちょっと気になったけど仕事を先に済ませて戻ってくるとやっぱり聞こえるぬこの声。
で、目を凝らすと藪の中から子ぬこが一匹ニャーニャーいいながら出てくんの。
これがまた「とっても寒いんです!おなかもすいてるんです!」との様子にしか見えない。
首輪はしてるが近くに民家があった様子もなし。
これは捨てぬこである可能性が高いと思ったウィリアム・テム。
食い物は無いがとりあえずぬこと一緒にクルマに入って暖をとるウィリアム・テム。
はじめて進入した空間が珍しいのか所在なさげに車中をグルグルする子ぬこ。
やがて一番暖かいであろう足元の暖房ふきだし口の前に陣取る子ぬこ。
おい、おまいさんはどこから来たんだい?と問うてみるウィリアム・テム。
といっても相手は子ぬこだから応えてくれるわけもなし。
ぬこカワイイよ、ぬこ、こっちゃ来てみぃ。と呼ぶと
ひょいと顔を持ち上げひざに乗ってくる子ぬこ。
ハンドルとかアチコチにゴツンゴツンとアタマぶつけながらウロウロする子ぬこ。
ハニャ〜ァァァ、コイツかわいいなぁ、連れて帰りたいなぁ。
でもウチじゃ飼えないんだよなぁ、と残念なウィリアム・テム。
ニクキュー、ニクキュー、プヨプヨだよ、子ぬこのニクキュー。
すり寄り方からも間違いなく家ぬこであったに違いない。
くたびれ方からするとオモテに出てから数日、といった感じ。
う〜ん、子ぬこオナカすいてそうだな。ちょっとがまんしてくれ。
おいちゃん少し仕事残ってるんだ。それが終わったらオヤツにしよう。
さてどうしたものかと思いながら車を走らせるウィリアム・テム。
昔の出来事を思い出したウィリアム・テム。
そのときも道端で子ぬこになつかれたんだよな。
肩とか頭に乗ってきたのでそのまましばらく歩いたっけ。
十分ほど歩いたところでおうちのニオイがしたのか、
ヒョイと肩から降りてトコトコ住宅街に消えてったっけな。
ということで民家をみかける度にクルマを止めてみることに。
イマイチ反応がみられ無いまま子ぬこを連れて山道を登り、
頂上の展望台に子ぬこと一緒に上るウィリアム・テム。
こっちが○○市、こっちが△△町、おまいさんどっちから来たんだい?
子ぬこを持ち上げて景色を見せるも反応があるわけもなし。
子ぬこ、外歩きに慣れてないのか目を離すと足元の至近距離にくっついてくる。
誤って蹴飛ばしてしまうことでそれに気づくこと数度、すまん子ぬこ。
道が大丈夫なのは確認できたので、午前中の仕事は終わったウィリアム・テム。
子ぬこはこの辺りのコである可能性も、遠くから来て捨てられた可能性もある。
別れるのはつらいんだけどおやつが済んだらお別れかな。
おやつを買おうとふもとの町に向かう、ん〜、ミルクと小魚かな。
よし、ぬこ、おやつだぞ。とドアを開けたウィリアム・テム。
こちらに数秒目を向けた子ぬこ、ヒョイと道に降りる。
すぐ横を通るトラックの轟音にビクビクしながらテケテケと歩いて行く子ぬこ。
あ、そう、いっちゃうのね、どこか居心地よさそうなニオイを見つけたのかな。
って、おやつおやつ、せっかくおやつ買ってきたのに。。。まいっか。
数時間ではあったが、その昔嫁はんとお散歩したこととか
嫁はんに「子ぬこ拾った」ってメールしたら喜んだかな?とか
そんなことを思ってほっこり&じんわり気分のウィリアム・テム。
その嫁はんが今どうしているのかは秘密だ。
今夜はこの小魚をツマミに酒でも飲もう。
ノマノマイェィ
山は今ごろ雪だな。。。と、甘噛みされた指の痛みを思い出す夜であった。
そこでウィリアム・テム。 を付け忘れたら台無しじゃん、と思ったウィリアム・テム。