復活!プリアンプ・パワーアンプ・ラック統一スレ 4

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543前前の229
>541

でも重要な問題なのに、誤解も多い世界なのでもう少し・・・
工業製品としての電子電気機器ならば必ず電源電圧にはある程度誤差があっても何らかの配慮がなされています。
ちゃんとしたメーカーならだいたい-15%〜+10%、ローエンドの製品でケチった設計だと-5%〜+5%といったところでしょう。
(ただし、その範囲内であっても急激な変動に対しての耐性に関してはけっこうまちまち)
つまり北米用117V仕様の機器であっても、きっちり100V以上キープできる環境ならそのままで使える場合も多いです。
日本の電源事情はとても良い(たぶん世界一)ので、100V以上キープできる環境はわりと多いです。
北米のメーカーによってはそこにつけこんで、「100V」って書いたシールを貼っただけで実際は北米仕様のまま
「正規日本仕様」として出荷しちゃってた乱暴なメーカーもありました(余談)。
まぁそんなギリギリなことをしないで、日本で117V仕様の機器をちゃんと使おうと思ったらスライダックやステップアップトランスで
電圧を上げて使うことになるのですが、問題は電圧だけでは済まないのです。
北米の電源は117V/60Hzなのですが日本は東西で100V/50Hzと100V/60Hzに分かれます。
この電源周波数がクセモノなのです。
機器の電源部には電源トランスがあるのですが、電源トランスは一般的に出力電力が同じだったとしても
電源周波数が低いほうがコアサイズの大きなトランスが必要になります。
コアサイズが充分でない場合は電源トランスの発熱が大きくなったり、いわゆるトランス鳴りを起こしたりします。
北米専用で60Hzしか考慮してない電源トランスでは、西日本では電圧を上げるだけで良くても
東日本ではきっちり117Vにあげて使っても異常発熱を起こしたりトランス鳴りが酷くなったりする可能性があるわけです。
ちなみに220V(東欧)、230V(EU圏)、240V(オーストラリアだったかな?)等の200V系の地域は50Hzです。
なので、電源トランスのタップ切り換えで117V/230Vの切り換えSW付きの機器のならば、
東日本でステップアップして作った117V/50Hz電源でも平気な確率が高いです(全てではないけど)。
544前前の229:03/11/06 04:10 ID:???
さらに蛇足ですが・・・
>543 は電源がトランスドロッパ式の場合です。
最近はスイッチング電源という、コンセントからの電源をいきなり高い周波数でズバズバぶった切って目的の電圧を作り出す
とても乱暴で賢い電源回路を使った機器が増えてきました(って説明もかなり乱暴だなぉぃ)。
PCの電源はほとんどこれです。楽器でもシンセやデジタルもののエフェクト等では多くなってきました。
このスイッチング電源の場合上の説明はあてはまりません。そもそも電源トランスがありません。
スイッチング電源は高周波ノイズを周辺に撒き散らす欠点もあるのですが、電源効率が高いのと広い電源電圧範囲がわたって
自動追従できるのが特徴です。100V〜120V仕様とか100V〜240Vワールドワイド仕様なんてのがザラです。
100V〜240V仕様なんてのはその-15%〜+10%まで実に85V〜264Vまで問題なく使えてしまうわけです。電源周波数が50Hzでも60Hzでも
関係ありません。
たとえ海外仕様の並行輸入品だったとしても、このような電源を搭載している機器にスライダックやステップアップトランスを
使うのは全くの無駄です。スライダックやステップアップトランスもトランスには違いないので磁束漏れも起こせば、トランス鳴りも
起こすこともあります。不要なら使わないに越したことは無いし、無意味にラックが重くなるのも考えものです。
545前前の229:03/11/06 04:14 ID:???
ものすごく余談ですが、スイッチング電源の場合、117V〜230V仕様とか100V〜120V仕様とか書いてあっても、
設計的には100V〜240V対応していることもあります。もちろん正式にサポートされてるという意味ではないのですが問題なく使える場合があるのです。
せっかく広い範囲で使える設計なのになんで?と疑問に思うかも知れませんが、そこにはメーカーの経済論理があります。
工業製品はそれを販売したり使用したりする国、地域の規格を取得する必要があります。
規格申請したり認証を受けたりするにはそれなりのお金がかかるので、その製品を売るつもりがない(売ってもたいして商売にならない)国や地域の
規格は取得しないのです。
当然、規格を取得していないところの電源電圧を仕様に書くわけにはいきませんから、ワールドワイド設計なのに117V〜230V仕様なんて場合があるわけです。
もちろんそれを見抜いて使うにしても自己責任ですけどね・・・
むやみに試してみるのは危険です。
546前前の229:03/11/06 04:19 ID:???
>パワーディストリビューターは電圧を安定させるだけだよ。

ラックに装備できるようなパワーディストリビュータには「電圧を安定」させることはできないものがほとんどです。
「レギュレーションタイプ」ならば電圧を安定化するものもありますが、100W+100Wの真空管パワーアンプに電力を
供給するのはまず無理です。もちろん大型の電源供給器ならば可能ですがとてもギター/ベース用のラックに入るシロモノではありません。
主な目的は周囲の機器が発生し電源経由で伝わってくるノイズやサージを除去して「きれいな電源」を作るのが目的と考えましょう。
それとて「ほんとにそんなんで効き目あるんか?」と思わせるようなものも少なくありません。
テーブルタップよりはスッキリできるのと「おまじない」だと思いますね。
電源の極性をそろえるとか、太い電源コードを使うとか、アナログのみの機器とデジタルものやスイッチング電源の機器とで
電源のまとめ方を変えるとか・・・やるべき基本事項は他にたくさんあると思います。
とは言うものの私もパワーディストリビュータは使ってます。
もちろん見た目重視で、ライトが出てきたり電圧計が付いてたりするやつが大好きです(w