Vocalist高音域への道16 -遙かなる高みの彼方へ-

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496ドレミファ名無シド
>>495
ヴィブラートをトレモロ、や揺れ声と混同しちゃいやん。

一番目の動きは、ヴィブラートと呼ばれるもので、健康的で、自然で、
しかも優れた機動性を持っています。歌唱の中のヴィブラートとは、
音に生命力、活動力、そして浮遊感を与えるという点で有益であり、
これがついてないと音が”死んだように”なってしまうほどの大きな
力を持っています。

ヴィブラートとは声区融合と母音の鈍化という必要条件が整った後に、
初めてテクニックの一部となります。しかし、歌手にはいったん生じた
ヴィブラートと直接コントロールすることは出来ません。ヴィブラート
の制御は、強弱を規制したり、あるいは感情を込めることによって、
間接的に行うしかありません。
ヴィブラートの利点:
 音量の変化に対して、多様にそして、反射的に反応する能力を持っている
 音に活力を与える
 滑らかに、自由に、そして素早く次の音へ移ってゆけるのでレガートなフエーズを歌うことが出来る。

ヴィブラートは直接コントロールしようとすれば、必ず有害な結果を招きます。
<ヴィブラートの訓練や鍛錬は断じて行ってはなりません!>
歌唱の教師にとって、あるいは歌手自身にとって出来ることは声の反応能力を
判断する手がかりとして、ヴィブラートが聞えるかどうか聞えたらその周期が
自然かどうかを観察することだけです。声に揺れを感じないのに、音が生き生
きして、共鳴があリ、活力があるようだと、ヴィブラートの存在は確かです。

ヴィブラートは、常にメカニズムが正しく機能している場合に限って起こるもの
ですが、トレモロは、普通、喉声(あるいは嗄れ声)の前兆を示すものです。

from ベルカント唱法 コーネリウスLリード著