今までに出会ったドキュソ店員その2

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305名無しさん@お腹いっぱい。
かなり前の話。

某駅近くにあった古本屋は、個人営業にありがちな
見境なく仕入れ買取やったはいいが整理追いつかないで居るうちに
こんなんなっちゃいましたー、な糞散らかりまくった店だった。
通路はビニール紐でくくったままの本で埋もれていた。
店番の男はカウンターの内側で崩れそうな本に囲まれて身動きとれずに
ブクブクに太ったデブだった。
その店は薄暗く、そして強烈に臭かった。
スッパク饐えてその上腐ったような、
デブの放った異臭が店に染み付き、また本にしみついていた。

そのころ、マイナーな漫画シリーズを捜していて、
あたりの古本屋をスミズミまで物色していたわたしは、
地元とは少し離れた町にあるその店にも手を着けた。
その店の棚は、題名のわかるように本を手前に並べるだけじゃ足りずに
その奥にも何重にもなって並べてあるので、
手前の本を順番に抜き出してはウラの本をチェックする、
という作業を繰り返していた。
すると、先ほどから胡散臭げにしていたデブが
イライラした声で
「何探してんだよ」 と問う。
「・・・漫画」 と答えた。
「何してんだよ」 と再び問われた。
「・・・?」
古本屋で漫画探しててイチャモンつけられるなんて
考え付きもしなかったので不審に思って黙っていたら
「何か言えよ!」 とイキナリぶちきれてカウンターから立ちあがった。
積み上げられた本の合間を縫って、というかぶち当たって崩しながら
わたしに詰め寄ると
「漁ってんじゃねぇよふざけんな買いもしないくせに何捜してんだよ」
とか言われた。気がする。
本を探してるだけだ、とか弁解したと思う。
じゃあ何捜してるといわれて(マイナーな漫画だったので口にするのが恥ずかしく)
答えられないでいるとますます激昂して密着せんばかりににじりよってきた。

>続く
306名無しさん@お腹いっぱい。:2001/03/28(水) 03:33
>305の続き。

ほんとに臭いんだコイツ。
パニックに陥っててでもあんまりに理不尽で退きたくなかったけど、
ひっつくのだけはカンベンしてほしかった、ので結果、
わたしはじりじりと追い詰められて出口の方に追いやられていった。
しまいに後ろ向きのまんまで戸口から押し出された。
デブはなんか捨てゼリフをはいてたかも。
当時のわたしも何かデブとか臭いんだよキ○ガイとか
言ってやりたいコトはぐるぐる回ってはいたと思われるが
が何分パニックでぱくぱくしているうちに
ぴしゃっと戸を閉められてしまった。

あんまりで、理不尽で、わけわからなくて、
急に涙でてきた。以前一度だけ本を買ったとき作った
会員カード(スタンプを集める厚紙)をサイフから出して
細かくちぎって店の前に撒いて捨てた。

最近久しぶりに実家帰ったときに電車からみてみると、
駅前ターミナル近代化の波にもまれてあのドキュソ古書店は姿を消したようだった。
あのクソデブキ○ガイも地上げ屋か借金取りかなんかにみぐるみはがされて
どこかで野たれ氏んでいればいいなと静かに思った。

・・・了・・・

小説風にまとめてみた。