日産ディーゼル工業は、2005年に支給する一時金について、
実際に支給する一時金の額に対し0.5ヶ月水増しした数値を外部発表した。
その理由として同社は、事前に労働組合に対し、一時金の公表額が少ないと
新人採用の観点から問題であることを説明した。
労働組合も、一時金の発表額が少ないと関係会社や部品メーカーの賃金交渉
に影響あることを挙げ、これを了承した。
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1)上記0.5ヶ月の額は、前年度に解散した厚生年金基金の再配分原資である。
一時金とは全く別のものである。
しかし、この0.5ヶ月分を含めて「一時金妥結額」として発表したことは、
世間に対し嘘をついたことにならないだろうか。
2)近年、三菱自動車リコール隠し問題や、三井物産試験データねつ造事件などが
問題になっており、企業は社会から従来以上に正確さ・正直さが求められている。
そのような状況下、このような発表を行うことは、日産ディーゼル工業の企業体質
を表すものとして世間から著しい誤解を招くことにはならないだろうか。
3)一時金妥結額の真相(解散した厚生年金基金の再配分原資が含まれること)が
いずれ世間に知られることは予測がついたはずだ。
このような発表を行った会社側、労働組合側の判断は正しかったのか。
会社側が受ける実益はあるのか。会社の信用を著しく傷つけたことにはならないのか。