僕のバイトしてるカラオケ店に去年の4月から入ってきた短大生の女の子の話です。
カラオケのバイトは注文がない限りかなり暇で
深夜などはカウンターでバイトの仲間とお喋りばかりしています。
その女の子は明るい子で同世代ということもあって、話も合いとても仲良くなりました。
外で一緒に遊んだりご飯に行ったり学校がない日が合えばよく一緒にいました。
ある時ふと彼女の服装がいつもパンツ姿だということに気付き、尋ねました。
「何でいつもパンツなの?好きなの?それともなま足に自信がないの?」
「別に意味はないよ・・・」 と彼女らしくないそっけない返事。
触れてはいけないのかな?と感じた僕はそれ以上突っ込むような質問は止めた。
女の子のバイトの制服はスカートで彼女はいつも膝まであるようなルーズソックスを
はいてました。バイトに入りたての当時に店長が「もっと短い靴下はないのか?」
と冗談ぽく聞いた時も「すいません。これしかないので大目に見ていただけませんか」
と泣きそうな顔で訴えてました。
彼女に下の服装の事を聞くと、いつも明るい雰囲気が一転いきなり沈んだ空気になります。
つづく
先月の末バイトの遅い盆休みをもらった僕たちは、バイト仲間6人で山の方へ
キャンプ&BBQをやりに出掛けました。もちろん彼女も一緒です。
車2台に分乗し、山間の川縁で一日中楽しく遊び、家路に向かう頃には
深夜2時をまわってました。
僕が運転する車には彼女とバイトの先輩とその友達が乗ってましたが
疲れていたしアルコールも入ってたので、すぐに彼達は眠ってしまいました。
僕は飲んでなかったし、みんなが花火をしている時に仮眠をとっていたので
あまり眠くは無く静かに運転してました。
みんなの家まで後30分ぐらいの距離まで来た時、突然彼女が
「そこを左に曲がって!!」と絶叫に近いくらいの大声で指示しました。
てっきり寝ていたと思い込んでいた僕は驚きの余り急ブレーキを踏み、車は
軽く横滑りをして交差点の真ん中で止まりました。
「止まらないで!早く発進して!!!」と驚き呆然としている僕の肩を激しく揺らし
彼女は叫んだ。
訳が分からないまま彼女の勢いに押され車を進めた。バックミラーで彼女を見ると
正に鬼気迫るといった表情で前を睨んでました。その横には
この騒ぎにも全く起きる気配の無い先輩の友達。
一方助手席で寝てた先輩は、彼女に「何だ?!どうゆうことだ?!!」と
激しく詰め寄ってました。
つづく
訳が分からなくパニック気味になってる先輩を無視し
暫く黙って前を睨んでた彼女も信号待ちで止まった時に重い口を開いた。
「さっきの道を真っ直ぐ行くと、どこを横切るか知ってる?」
と静かに聞いてきた。
「知らねぇよ。」無視され続けられた先輩は、少しキレ気味に答えた。
彼女は子供に言い聞かせるよう優しく言った「古戦場だよ。」
静かに聞いてた僕は、小学校で習ったこの辺りの古戦場の事を思い出した。
そこは戦国時代のある武将が、全く勝ち目のない敵に見事な奇襲をかけ勝利した所らしい。
そこには戦死した人達を奉る大きな石の碑や、矢の傷が残ってる樹齢400年の杉が
ある観光地的な公園みたいな所だ。
そこは武士の幽霊が出るって有名で、好奇心の強いの人達や、度胸試しをする人達が行き
本当に見たという話は後を絶たない。
つづく
先輩は地元の人ではないので、この古戦場の事は知らないようでした。
「古戦場だからなんだよ!?大声上げたり、急ブレーキ踏ませたりしるような事かよ!?
納得できる説明をしろよ!」少し興奮しながら先輩はまくし立てた。
それに動じる事もなく彼女は静かに言った。
「私がまだ高校生の頃、夏休みに学校の友達10人くらいでそこの古戦場に肝試しに行ったんだ。
深夜1時に近くのコンビニで待ち合わせて、自転車や原付に乗ってそこに向かったの・・・。」
少し怯えたような表情で僕たちを見回し、彼女は話を続けた。
「公園の前まで来て、みんなで行っても怖くないから2人か3人くらいで行こうって事になったの。
その時は、ワイワイみんなで楽しくじゃんけんで順番を決めたり、公園内のどこに行くか話したり
カメラで記念撮影をしたり、なんか修学旅行の自由時間みたいに楽しくて浮かれてたんだ。
結局、クラス一のお調子者のサトシと陸上部のヒデ君とリーダー的な存在のジュンジュンが
行く事になったの。
この3人の男子は、仲良しで運動神経もいいしクラスでは人気者の3人なの。
彼らが行った後10分後に次の3人、でその後に最後の4人が出発して
碑の前で写真を撮って解散ってことだったのね。
でも最初の3人が行って3分くらい経った時に、ヒデ君とジュンジュンが
もの凄い勢いで走って来て「やべぇ!逃げろぉ!!!」って叫んできたの・・・。
私たちは最初冗談だと思ってたんだけど、近付くにつれ彼らの表情が青ざめ恐怖に歪んで
必死に走ってくるのを見た私たちは、本当にやばいって感じて一斉に走り出した。
つづく
× 急ブレーキ踏ませたりしるような事かよ!?
○ 急ブレーキ踏ませたりするような事かよ!?
バイトで疲れたので寝ます。続きは18:00くらいに書きます。
気を持たせるような事をしてごめんなさい。